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昭和32(ラ)60 不動産競売事件の競落許可決定に対する即時抗告事件

裁判所

昭和32年11月15日 札幌高等裁判所

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1,280 文字

主文 原決定を取り消す。本件競落はこれを許さない。理由 本件抗告の趣旨及び理由は別紙記載のとおりである。職権をもつて案ずるに、鑑定人A作成の昭和三十二年八月十一日附評価書の記載によれば、本件競売物件は温泉旅館の建物であるが、同鑑定人は建物が腐朽していること及び温泉旅館に浴客が来ない等の理由で同物件は建物としては無価値であつて薪炭材として算出するとして、本件競売物件たる(一)河東郡a村然別国有林b林班家屋番号c区d番木造柾葺平屋建店舗一棟建坪十七坪五合を価格金千七百五十円、(二)同村然別湖畔帯広然別線終点道路敷地家屋番号c区e番木造柾葺平屋建店舗一棟建坪十坪を価格金千円、(三)同村然別国有林b林班家屋番号c区f番木造柾葺平屋建店舗一棟建坪二十一坪を価格金二千百円、(四)同然別湖畔国有林g林班家屋番号c区h番木造柾葺二階建店舗一棟建坪九十三坪七合五勺二階坪六十七坪二合五勺を価額金一万六干百円とそれぞれ評価していることが認められる。ところで、十勝支庁長B外一名作成の昭和三十二年十月三日附然別湖i温泉についての意見書と題する書面、河東郡a村長C作成の昭和三十二年十月二日附然別湖i温泉についての意見と題する書面、同じく十月二十三日附証明書によれば、昭和三十二年度固定資産評価額は、右(一)の建物につき金二万二千二百円、(二)の建物につき金七万八千六百円、(三)の建物につき金一万七千百円、(四)の建物につき金二十七万三千七百円であり、右建物はいずれも薪炭材に過ぎない無価値なものではなく、それぞれ建物として相当の価値を有するものと認めら<要旨>れる。しからば、右建物を不動産としてではなく、薪炭材としてなした右鑑定人の前記評価は民事訴訟法第六</要旨>百五十五条にいう不動産の評価と認めるわけに 物として相当の価値を有するものと認めら<要旨>れる。しからば、右建物を不動産としてではなく、薪炭材としてなした右鑑定人の前記評価は民事訴訟法第六</要旨>百五十五条にいう不動産の評価と認めるわけにはいかないから前記評価額をもつて最低競売価額とすることは許されず、右評価額をもつて最低競売価額として表示した本件競売期日の公告は民事訴訟法第六百五十八条第六所定の適法な最低競売価額の記載がなかつたことに帰するものといわねばならない。 のと認めら<要旨>れる。しからば、右建物を不動産としてではなく、薪炭材としてなした右鑑定人の前記評価は民事訴訟法第六</要旨>百五十五条にいう不動産の評価と認めるわけにはいかないから前記評価額をもつて最低競売価額とすることは許されず、右評価額をもつて最低競売価額として表示した本件競売期日の公告は民事訴訟法第六百五十八条第六所定の適法な最低競売価額の記載がなかつたことに帰するものといわねばならない。そうとすれば本件競落は民事訴訟法第六百七十四条第二項、第六百七十二条第四に該当するから許されないところである。よつて、抗告理由についての判断を省略し、主文のとおり決定する。(裁判長裁判官臼居直道裁判官渡辺一雄裁判官安久津武人)

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