【DRY-RUN】○ 主文 原判決を取り消す。 控訴人の本件訴を却下する。 訴訟費用は第一、二審とも控訴人の負担とする。 ○ 事実 控訴代理人は「原判決を取り消す。被控訴人が控訴人に対し香取郡<地名略>田七 一七平方メ
○ 主文原判決を取り消す。 控訴人の本件訴を却下する。 訴訟費用は第一、二審とも控訴人の負担とする。 ○ 事実控訴代理人は「原判決を取り消す。被控訴人が控訴人に対し香取郡<地名略>田七一七平方メートルの換地として<地名略>田六九二平方メートルを指定した処分は無効であることを確認する。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。」旨の判決を求め、被控訴代理人は、本案前の申立として主文第一、二項同旨の、本案の申立として控訴棄却の判決を求めた。 当事者双方の主張と立証は、左記のほかは原判決事実摘示のとおりであるからこれを引用する。 (被控訴人)第一本案前の主張一控訴人は、本訴において、被控訴人が昭和四四年一月一〇日付換地処分通知書により行つた土地改良法による換地処分の無効確認を求めているのであるが、行政処分の無効確認訴訟は、行政事件訴訟法第三六条の規定により「無効等確認の訴えは、当該処分・・・・・・に続く処分により損害を受けるおそれのある者、その他当該処分・・・・・・の無効等の確認を求めるにつき法律上の利益を有する者で、当該処分・・・・・・の存否又はその効力の有無を前提とする現在の法律関係に関する訴えによつて目的を達することができないものに限り、提起することができる」ものとされているところ、控訴人が本訴を提起したのは昭和四八年七月一九日であり、既に換地処分に基づく登記等の手続がすべて終了しているので、右換地処分に続く処分により控訴人が損害をうけるおそれがある、ということはできない。 また、控訴人は、右換地処分の無効を前提として、控訴人主張の従前の土地につき換地処分をうけた者を被告とする土地明渡及び土地所有権移転登記抹消登記請求等の現在の法律関係の訴えを提起することができるわけである。 よつて、控訴人は前記換地処分の無効確認を訴求する原 前の土地につき換地処分をうけた者を被告とする土地明渡及び土地所有権移転登記抹消登記請求等の現在の法律関係の訴えを提起することができるわけである。 よつて、控訴人は前記換地処分の無効確認を訴求する原告適格(訴の利益)を有しないので、本件訴の却下を求める。 二控訴人は、仮に本件換地処分の無効を前提として、従前の土地の所有権を主張し、土地明渡等の請求が可能であるとすれば、控訴人の従前の土地部分だけに限り、土地改良事業や全体的換地計画が排除される結果となるので、土地改良法の趣旨・目的に根本的に反することになり、また、かかる訴訟が許されるとすれば、あたかも従前地の位置、形状を同じくする換地処分がなされたと同様の請求が許されることとなるから、かかる訴訟は認められず、本件換地処分の無効確認訴訟は適法であると主張している。しかし、右主張は以下に述べるとおり理由がないものと思料する。 (1) 争点訴訟または無効確認訴訟のいずれの場合においても、控訴人に対する本件換地処分の効力の有無が前提または訴訟の対象となるのであり、全体の換地計画が訴訟の対象となるわけではない。従つて、土地改良法による換地処分につき争点訴訟を認めるとすれば、土地改良法の趣旨目的に反するということはできない。 (2) また、本件換地処分の無効を前提とする争点訴訟において、換地処分が当然無効であるという理由により控訴人が従前の土地につき所有権を有するとされて、所有権確認、土地明渡等の判決が確定したときには、被控訴人は当該判決に拘束されないが、本件換地処分の無効につき争点効が生ずるので、被控訴人は判決の趣旨に従い、土地改良法所定の手続により新らたに換地処分を行わなければならないこととなる。また、行訴法第四五条の争点訴訟において、このような争点効の理論が認められないとすれば、行訴法第四五条で 決の趣旨に従い、土地改良法所定の手続により新らたに換地処分を行わなければならないこととなる。また、行訴法第四五条の争点訴訟において、このような争点効の理論が認められないとすれば、行訴法第四五条で準用されている第二三条の訴訟参加によることなく、民訴法の補助参加の規定により換地処分をした被控訴人を補助参加させるか、または訴訟告知をすることにより判決の効力を被控訴人に及ぼすことができるわけである。 のみならず、行政実務に照して、判決の効力が行政庁である被控訴人に及ばないとしても、控訴人が争点訴訟で勝訴したときには、控訴人の従前地が第三者に換地処分されている関係上、被控訴人がこれを放置することが許されず1被控訴人は、争点訴訟の当事者に関係がある従前地につき、改めて換地処分をやり直さざるをえないから、これにより事実上の解決がはかられることとなる。従つて、争点訴訟が許されるとすれば、裁判所が従前の土地につき換地処分をしたのと同様の効果が生ずる、ということはありえないのである。 右のような次第であつて、本件換地処分の無効確認訴訟が認められないとすれば、控訴人の権利の救済をはかることができないということはできない。よつて、本件は現在の法律関係に関する訴えによつて目的を達することができない場合に該当しないので本訴は不適法である。 三次に控訴人は、土地改良法の換地処分の法的性格、特徴を理由に、換地処分の無効確認訴訟が認められるべきであるとも主張している。しかし、右主張も次に述べるとおり理由がないものと思料する。 (1) 既に述べたとおり、争点訴訟または処分の無効確認訴訟のいずれの場合においても、施行地区または工区全体の換地計画、換地処分が訴訟の対象となるわけでなく、控訴人が無効を主張している当該換地処分の効力の有無が争点訴訟ではその前提となり、また無効 確認訴訟のいずれの場合においても、施行地区または工区全体の換地計画、換地処分が訴訟の対象となるわけでなく、控訴人が無効を主張している当該換地処分の効力の有無が争点訴訟ではその前提となり、また無効確認訴訟では訴訟の対象となることに変わりがない。 本件換地処分につき、これらの訴訟において、当然無効であるとする判決がなされたときには、右換地処分には公定力が生じているということはできないから、控訴人の当該従前地につき換地処分がなされていない状態となる。すなわち、控訴人勝訴判決により本件換地処分がなされなかつたのと同様の効果が生ずるだけであり、裁判所が控訴人の当該従前地を換地とする換地処分をしたと同様の効果が生ずるものではない。 従つて、土地改良事業の施行者である被控訴人は判決の趣旨に従い、控訴人の当該従前地の換地処分及び当該従前地を換地とした関係権利者の換地処分をやり直すことになるのであり、換地処分の無効確認判決に限り、施行地区または工区全体の換地計画または換地処分が当然無効になるということはないのである。よつて、控訴人の主張するように換地処分の性格から無効確認訴訟が認められなければ控訴人の権利または利益の救済をはかることができないということはできない。 (2) 控訴人は、おそらく無効確認訴訟においては、行訴法第三八条で同法第三三条の判決の拘束力に関する規定が準用されるので、紛争の蒸し返し、すなわち、将来、同一理由による換地処分の繰り返しを防止することができるから、無効確認を求める利益があると主張しているものと窺われるが、前項(2)において述べたとおり争点訴訟では行訴法第三三条が準用されていないので、拘束力が処分庁及び関係行政庁に生じないのであるが、争点である本件換地処分の無効につき、争点効が認められるべきであり、仮に認められないとしても、民訴 争点訴訟では行訴法第三三条が準用されていないので、拘束力が処分庁及び関係行政庁に生じないのであるが、争点である本件換地処分の無効につき、争点効が認められるべきであり、仮に認められないとしても、民訴法による補助参加の規定の活用により判決の効力を処分庁に生じさせることができる。また、行政実務上も処分庁が争点訴訟の判決を無視して同種の処分を繰り返すということは信義則上許されないものといわなければならない(行訴法は行政庁の訴訟参加の場合でも上訴権だけを認めている)。 のみならず、行政処分の無効確認訴訟は処分による権利侵害を排除することを目的とするから、当該処分を離れて、将来の同種の処分を防止するための純然たる予防訴訟としての機能を認めることは、行訴法第三六条の立法趣旨に副わないものといわなければならない。 (3) しかも、無効確認訴訟では、判決の効力が第三者に及ばないから、判決の拘束力が処分庁である被控訴人に生じたとしても、控訴人の当該従前地を換地とする換地処分をうけた第三者に対し判決の効力が及ばない。従つて、本件換地処分につき無効確認判決がなされたとしても、これらの者が換地処分をうけた土地につき取得時効を援用したときは、被控訴人が当該換地処分を取消して、新らたな換地処分をすることは事実上不可能であり、控訴人は結局権利の救済をうけることができなくなるおそれがあるが、争点訴訟ではこれを防ぐことができる。 右に述べたとおり行訴法第三六条の規定は行政処分の無効の場合における救済制度を原則として争点訴訟によらしめることとし、無効確認訴訟を制限しているのであり、控訴人主張のような理由(換地処分の性格)により本訴が許されるという根拠にはならないものと思料する。 第二本案についての主張控訴人は本件換地処分が土地改良法(昭和三九年六月二日法律第九四号による改 控訴人主張のような理由(換地処分の性格)により本訴が許されるという根拠にはならないものと思料する。 第二本案についての主張控訴人は本件換地処分が土地改良法(昭和三九年六月二日法律第九四号による改正後の法律)第五三条第一項第二号の照応の原則に違反し当然無効であるとし、その無効事由として、本件従前の土地の東側の改良区域外の土地は宅地化しており、本件従前の土地は地目が田となつているが、将来の宅地化が見込まれるので、換地処分にあたつては、将来の宅地としての用途、利用条件についても考慮されるべきであり、これを考慮していない本件換地処分は当然無効であると主張している。 しかし、本件換地処分がなされた昭和四四年一月一〇日当時(但し、土地改良法第五四条第四項の公告は同年二月一四日である)は勿論、現在においても本件従前の土地及び附近の農地が控訴人の主張するように近く宅地化されるという客観的状況になかつたことは明らかである。しかも、本件土地改良事業の施行地域である小松並木工区は、農業振興地域の整備に関する法律(昭和四四年七月一日法律第五八号、同年九月二七日施行)施行後、神崎町において農業振興地域整備計画に基づき農用地区域に指定されており、これを農地以外に転用するには同法の制限をうけることとなつている。従つて、本件従前の土地が客観的にみて将来宅地化が見込まれていたということはできない。 のみならず、土地改良法により土地改良事業として行う区画整理及びかんがい排水施設の整備等は農地としての利用の増進を目的とするものであつて、土地区画整理法による土地区画整理事業のように公共施設の整備改善及び宅地の利用増進を目的とするものではない。このように土地改良事業の区画整理は、不規則に存在する圃場を適正な圃場に整備することが主要な目的であり、しかも本件工区は、従来、田越の 公共施設の整備改善及び宅地の利用増進を目的とするものではない。このように土地改良事業の区画整理は、不規則に存在する圃場を適正な圃場に整備することが主要な目的であり、しかも本件工区は、従来、田越の水を利用して農耕していたという経緯があつたので、農地の両側に用水路と排水路をそれぞれ配置し、各組合員の換地が用水路及び排水路にいずれも接するように区画整理をすることが計画されていたのである。このため、控訴人が字寺前に所有している農地だけを従前の土地として換地をすることになると東西に長細い形状となることが予想されたので、被控訴人の工区長などが控訴人に対して同人が本件工区内に所有する他の農地と交換分合するなどの方法により地形を整形化することを勧告し、換地計画を樹立するにあたり、訴外Aが換地としてうけることになつている<地名略>田六九四平方メ-トルと控訴人の換地予定地<地名略>田一〇八四平方メートルとが隣接しているので、これを利用しての交換案もしくは控訴人の換地予定地である<地名略>及び五九五番の両土地とAの換地予定地<地名略>の土地(本件換地の隣接地)との交換案などにつき協議してきたが、控訴人はこれに応じなかつた。そして控訴人は本件従前の土地につき字寺前に換地することを希望したので、被控訴人は昭和四二年に本件換地部分を同人の一時利用地に指定したところ、控訴人はこれに対して何らの異議を申立てることなく、本件換地処分がされるまで同土地で耕作を継続してきた経緯があるため、被控訴人は本件土地に換地処分を行つた次第である。 右に述べたとおり、本件換地を含めて小松並木工区が将来宅地化されるという見込が全くなかつたのであるから、被控訴人が本件換地処分にあたり宅地としての利用条件を配慮しなかつたとしても本件換地処分は適法有効であつて、当然無効であるということはで 工区が将来宅地化されるという見込が全くなかつたのであるから、被控訴人が本件換地処分にあたり宅地としての利用条件を配慮しなかつたとしても本件換地処分は適法有効であつて、当然無効であるということはできない。 (控訴人)第一被控訴人の本案前の主張について一被控訴人の本案前の抗弁は、要するに、本件換地処分の無効を前提とすれば、控訴人は、控訴人の従前地を換地として指定を受けた者に対して、従前地の所有権に基づいて土地明渡請求等の現在の法律関係の訴を提起できるから、本件無効確認訴訟には訴の利益がないというにある。そして、本件において被控訴人主張のとおり換地処分に基づく登記等の手続がすべて終了していることは認める。 しかし乍ら、控訴人が求めているのは右控訴人に対してなされた換地処分の無効確認だけなのであつて、被控訴人らの行つた土地改良事業そのものや、換地計画の全体を否定しようとするものではないのである。ところで控訴人において、右換地処分の無効を前提として、従前地の所有権を主張して、訴外Aをはじめとする隣接の換地配分を受けた者に対し、土地明渡等の請求が可能であるとするならば、右控訴人の従前地の部分だけに限り土地改良事業や全体的換地計画が排除される結果となる。これは土地改良法の趣旨・目的に根本的に反することになることは明白である。またかゝる訴訟か許されるとするならば、右土地改良事業や全体的換地計画に基づき、公法上の強権的公権力の発動としてなされる行政処分(換地)を排除し、あたかも従前地の位置・形状を同じくする換地処分がなされたのと同様の請求が許されることゝなり、行政処分を司法機関が強制する義務付け訴訟を認容する結果になる。かゝる訴訟がそもそも認められないことは明白である。 二換地処分は、換地計画にある従前地の全ての位置・範囲の変更を行うものである なり、行政処分を司法機関が強制する義務付け訴訟を認容する結果になる。かゝる訴訟がそもそも認められないことは明白である。 二換地処分は、換地計画にある従前地の全ての位置・範囲の変更を行うものであるから、個々の権利者に対する換地処分は単に少数の権利者に対する換地処分との関連を有するに止まらず、他の多数の権利者に対する換地処分とも密接な関連を有しているのであつて、このため換地処分の効力発生時期についてもこれを区々とせず、換地処分が行われた旨の公告のあつた日の翌日をその効力発生時期として(法五四条の二第一項)、多数の権利者の権利関係を一挙に変動させ、もつて権利関係相互の矛盾・衝突の生ずるのを防いでいるものである。 このような換地処分の性格からすれば、個々の権利者に対する換地処分が、換地計画に存する瑕疵(法五三条一項)を理由に取消され(少くとも取消訴訟が提起し得ることは争いがない)、または無効と確認された場合には、右いずれの場合にも、その結果は次々と他の多数の権利者(区域内の全権利者)の換地処分にも波及して、必然的に換地計画の変更(法五三条の四)を必要とし、場合によつては事業計画そのものゝ変更(法四八条)が必要とされる。逆に言えば、抗告訴訟によつて換地処分が取消された場合には、当該取消にかゝる従前地が単純に復活し、換地がなされなかつた状況にすることを法が予定しているものではなく、その場合には処分の取消によつて、当該権利者に関連する土地の位置・範囲が確定されなかつたという状況になるだけであり、速やかに行政庁による換地計画の変更若しくは事業計画をも含めた計画変更という新らたな処分をさせようと予定していると解さざるを得ない。 かように解釈しなければ、取消す旨の判決によつて当該権利者の従前地が他の権利者の換地と重畳的に復活すると解することゝなり、法が制 画変更という新らたな処分をさせようと予定していると解さざるを得ない。 かように解釈しなければ、取消す旨の判決によつて当該権利者の従前地が他の権利者の換地と重畳的に復活すると解することゝなり、法が制度的に回避しようとした権利関係相互の矛盾・衝突を却つて惹起させてしまうからである。 かように理解すると、換地処分に対する抗告訴訟のうち、無効を主張する場合には、行訴法三六条との関係で、換地処分の無効、従つて従前地の土地につき他の権利者がその者に対してなされた換地処分により使用収益している部分の明渡を請求し、若しくは従前地の土地の位置・範囲の登記簿を改めて創設せしめて、何者かゝら抹消若しくは移転登記請求をせよ(誰に対して、どのような登記請求をせよと構成するのか全く不明である)とする民事訴訟若しくは争点訴訟しか許されないと理解するのは、誠に滑稽である。 仮に百歩を譲り、右の民事訴訟等が許されるとすると、前述したとおり、行政庁が定めた処分を司法権により一方的に覆えす結果となり、三権分立の大原則に反することゝなる。しかもその内容を検討すると、民事訴訟の結果当該土地を奪われた他の権利者は、換地計画の変更が制度的に確保されないのであるから、従前地と比較して著しく少ない面積の土地しか換地されなかつた結果になり、これは照応の原則(法五三条一項)に反すること明らかであり、また他の権利者に対して民事訴訟を提起し得ることゝなつて、前述のように権利相互の矛盾・衝突のため際限のない訴訟が行われる結果となる。法がかゝる状況を予定し、承認しているとは到底解すことができないものである。 第二控訴人の本案の主張本件換地部分を含む字寺前の土地は、改良区全体から見ると端の部分に存在し、道路を挾んで東側の改良区域外の土地は宅地化しており、地目は田となつているが、将来の宅地化が見込 。 第二控訴人の本案の主張本件換地部分を含む字寺前の土地は、改良区全体から見ると端の部分に存在し、道路を挾んで東側の改良区域外の土地は宅地化しており、地目は田となつているが、将来の宅地化が見込まれていた。 現在、東側用水路はU字溝が敷設されているが、宅地からの雑排水が流入しており、右用水路からの取水でも農業用水に適するが、将来は田としての耕作が出来なくなる虞れがある。千葉県内では土地開発が急速に進んでおり、下水道の完備は遅れているところ、本件換地部分は右のように宅地に隣接していて、土地開発の中で農地として永続する見通しが少ないのである。純然たる農用地と異つて宅地化が見込まれる農地については、換地の照応性の判断において、農地としての用途・利用条件と同時に、将来の宅地としての用途・利用条件についても考慮されなければならない。 まず、換地の農地としての利用を考えると、従前地の道路に面する部分が約八〇メートルであつたのに対し換地は約八メートルであつて、農作業に支障を来たしている。用排水についてみるに、従前は、寺前地区の中央に水路があり用排水に利用していたが、当該土地は乾田であつて特に排水路がなくとも耕作に支障は無かつたのである。現在でも右地区は、西側の排水路から取水をしていて、別個の排水路がなくても耕作に支障がないのである。現在では東側用水路にU字溝があり、北の部分にある吐水口から用水路を経て取水することもできる。さすれば、控訴人が主張するように原判決添付図面(三)のように換地したところで、訴外Aの土地も控訴人の土地も共に用水路の面で何等耕作に支障がないのである。 将来の宅地化という観点から考えると、道路に面する部分が八メートルで細長い土地では宅地としての利用には重大な支障がある。 これに対し訴外日改に対する換地は、従前地に比較して、農地とし がないのである。 将来の宅地化という観点から考えると、道路に面する部分が八メートルで細長い土地では宅地としての利用には重大な支障がある。 これに対し訴外日改に対する換地は、従前地に比較して、農地としても宅地としてもその利用条件の改善には格段の差がある。控訴人に対する換地が農作業の面でも、将来の土地利用の面でも著しく不利益であるのに対して、日改に対する換地が著しく有利なのである。本件換地は、結局照応の原則に反して無効と言わざるを得ない。 (当審における証拠)(省略)○ 理由控訴人主張の請求原因一の事実は当事者間に争いがない。そこで、先ず、本件訴えの適否について判断する。 成立に争いない甲第四号証によれば、被控訴人が土地改良法に基づいて設立された土地改良区であり、控訴人が本件訴訟で無効確認を求めている処分は、被控訴人が同法の規定によつて行う土地改良事業の必要上、所定の手続に従つてなされた換地処分であつて、右処分が公権力の主体たる公共団体がその行為によつて直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定することが法律上認められた行政事件訴訟法三条二項の「行政庁の処分」にあたることは明らかであるから、本訴は同条四項にいう行政処分の「無効等確認の訴え」に該当するものである。そして、同法三六条によれば、行政処分の無効等確認の訴えは、当該処分に続く処分(いわゆる後続処分)により損害を受けるおそれのある者、その他当該処分の無効等の確認を求めるにつき法律上の利益を有する者で、当該処分の存否又はその効力の有無を前提とする現在の法律関係に関する訴えによつて目的を達することができないものに限り、提起することができるとされているところ、本件処分は、被控訴人の主張するとおりこれに基づく登記等の手続がすべて終つてすでに完了していることは当事者間に争いがないのであるか ことができないものに限り、提起することができるとされているところ、本件処分は、被控訴人の主張するとおりこれに基づく登記等の手続がすべて終つてすでに完了していることは当事者間に争いがないのであるから、本件処分に対する被控訴人によるいわゆる後続処分が行われ、これにより控訴人が損害を受けるおそれがあるものとは認められない。従つて、本件訴訟の適否は、控訴人が本件処分の無効を前提とする現在の法律関係に関する訴えによつてその目的を達することができないものであるかどうかにかかるものというべきであるが、この点の基礎的事実関係についての控訴人の主張は必ずしも明瞭であるとは云いがたいものがある。そして、若し控訴人所論のとおり、本件処分が無効であるとすれば、控訴人はこのことを前提に、依然として従前の土地である前<地名略>田七一七平方メートルの所有権を失つていない筋合いとなるのであるから、控訴人としては、その所有権者として、当該土地について換地による現在の所有者とされている者を相手方として当該土地の所有権の確認、所有権に基づく明渡、或いは登記抹消手続請求等の訴えを提起することができ、これによつてその目的を達することができるものと考えられるのである。そうであるとすれば、控訴人は本件無効確認訴訟の原告適格を欠くものであつて、本件訴えは不適法であるといわざるをえないものである。 これについて、控訴人は、多数の権利者に関係する換地処分の性格、或いは、土地改良法の趣旨、目的を挙げて縷々反論するが、換地処分が多数の権利者に関係するものであるとしても、控訴人が従前地の所有権を主張して前記の如き訴を提起するに格別支障があるとは解し得ないし、また右訴えにおいて換地処分が無効とされても、従前地と位置・形状を同じくする換地処分がなされたのと同様なものとなるわけではなく、司法機関 して前記の如き訴を提起するに格別支障があるとは解し得ないし、また右訴えにおいて換地処分が無効とされても、従前地と位置・形状を同じくする換地処分がなされたのと同様なものとなるわけではなく、司法機関が行政庁に斯かる内容の行政処分を義務づけたり強制したりする結果となるものでないことも改めていうまでもない。もとより、本件換地処分が前示の如き訴訟形態による裁判の前提として無効とされることになれば、被控訴人としては事実上換地計画の変更等を含めた換地処分のやり直しを迫られることがありうるとしても、そのことのゆえに、行訴法三六条の適用上本件無効確認訴訟が適法として許容されるものということはできない。控訴人の主張は採用できない。 そうすると、その余の点について判断するまでもなく控訴人の本件訴えは不適法であつて、これを適法として本案判決をした原判決は不当であるからこれを取消し、本件訴えは却下することとして、行訴法七条、民訴法三八六条、八九条を適用し主文のとおり判決する。 (裁判官田中永司安部剛岩井康倶)(原裁判等の表示)○ 主文一、原告の請求を棄却する。 二、訴訟費用は原告の負担とする。 ○ 事実第一当事者の求める裁判一原告 1 被告が、原告に対し香取郡<地名略>田七一七平方メートルの換地として<地名略>田六九二平方メートルを、訴外Aに対し<地名略>所在の田の換地として<地名略>所在の田を各指定した処分はいずれも無効であることを確認する。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 二被告主文同旨第二当事者の主張一請求の原因 1 原告は被告改良区の小松並木工区内に香取郡<地名略>田七一七平方メートル(以下本件従前の土地という)を所有していたところ、被告は昭和四四年一月一〇日、本件従前の土地の換地として、<地名略>田六九二平方メートル(以下本 小松並木工区内に香取郡<地名略>田七一七平方メートル(以下本件従前の土地という)を所有していたところ、被告は昭和四四年一月一〇日、本件従前の土地の換地として、<地名略>田六九二平方メートル(以下本件換地という)を指定する旨の処分をなし、右処分は右同日原告に通知された。 2 しかしながら、右換地処分は次の理由により無効なものである。 (一) 土地照応の原則違反本件従前の土地は別紙図面(一)のとおり農道に接する部分が長く、農作業を行なうのに極めて便利な土地であつたところ、本件換地は別紙図面(二)のとおり形状において本件従前の土地と極端に異なり、また、農道に接する部分も短かく、農作業の遂行が困難な状況となつた。右の次第で本件換地処分は土地改良法五三条一項二号(なお、本件換地処分当時は昭和四七年法律三七号による改正前で同条一項一号)にいう従前の土地と照応しない違法があるものといえ、無効とされるべきものである。 (二) 公序良俗違反原告は本件換地処分がなされる前後に数回にわたり被告に対し、口頭または書面で本件換地の指定につき異議を述べ、かつ、原告所有の本件従前の土地に対しては別紙図面(三)のとおりに換地の指定をされるように希望していたにも拘らず、被告はこれを無視して本件換地処分を強行したものである。 しかして、右の原告の希望は何等他の関係権利者に迷惑を及ぼすところがないものであるが、これを容れずになされた本件換地処分は前記(一)に述べたとおり原告に多大な不利益を蒙らせるものであるところ、被告改良区における土地改良事業において、かような不利益な処分を受けたものは、全関係権利者二六六名中原告ただ一人であつて、いわば村八分的な差別扱いというほかなく、かかる本件換地処分は民法九〇条にいう公序良俗違反として無効とされるべきである。 3 しかるところ、本件換 ものは、全関係権利者二六六名中原告ただ一人であつて、いわば村八分的な差別扱いというほかなく、かかる本件換地処分は民法九〇条にいう公序良俗違反として無効とされるべきである。 3 しかるところ、本件換地処分は本件従前の土地と接する訴外A所有の香取郡<地名略>所在の田の換地として、同じく本件換地と接する同所<地名略>所在の田を指定した換地処分と密接不可分の関係にあるので、本件換地処分が無効なものである以上、右訴外人に対する右換地処分もまた無効とされることを免れないものである。 4 よつて、原告は本件換地処分ならびに右訴外人に対する換地処分がいずれも無効であることの確認を求める。 二請求の原因に対する認否 1 1項の事実はすべて認める。 2 2項の事実のうち、本件従前の土地ならびに本件換地がいずれも原告主張のとおりの形状であること、原告から本件換地の指定につき異議が述べられたことはいずれも認めるが、(一)の土地照応の原則違反および(二)の公序良俗違反により無効であるとの主張はいずれも争う。 すなわち、被告改良区は農業の生産性向上、ひいては農業構造の改善に資する目的をもつて、土地区画整理、灌漑排水施設および農道等の新設・変更、農用地の集団化等の土地改良事業を施行してきたものであるところ、本件従前の土地が属する小松並木工区の事業計画においても、本件換地の東側道路沿いに用水路を設け、反対の西側に排水路を配備して、土地の区画、形状を整理するという設計となつていたものである。しかして、本件換地は右計画に基づき指定されたものであるが、本件従前の土地に比し、東側に用水路、西側に排水路が整備されて、その利用条件が改善されているものである。なお、仮に原告主張の別紙図面(三)のとおりに換地の指定をしたとすると、原告の換地は用水路のみに接して排水路と接することがな 水路、西側に排水路が整備されて、その利用条件が改善されているものである。なお、仮に原告主張の別紙図面(三)のとおりに換地の指定をしたとすると、原告の換地は用水路のみに接して排水路と接することがなく、他方、その西側の訴外Aの換地は排水路のみに接して用水路と接するところがなく、前述の本件換地計画に反することは勿論、被告改良区の事業目的そのものにも適合しないというべきである。なお、被告は原告からの異議の申出に対し、原告の希望を容れることは右の理由で不可能である旨説明している。 以上の次第で本件換地処分は何等違法とされるところがない。 第三証拠関係(省略)○ 理由一請求の原因1項の事実(本件換地処分の存在と原告に対しその通知がなされたこと)はすべて当事者間に争いがない。 二請求の原因2項の(一)の事実のうち、本件従前の土地が別紙図面(一)のとおりの、本件換地が別紙図面(二)のとおりの各形状をなしていることは、いずれも当事者間に争いがないところ、右の各図面を比較対照すれば、本件従前の土地と本件換地がその形状において著しく異なることが明らかであると一応いえる。 そこで、本件換地処分が土地照応の原則に違反しているとの原告の主張につき判断するに、いずれも原本の存在およびその成立につき争いのない甲一号証、乙一ないし三号証および成立につき争いのない乙四号証ならびに証人B、同Cの各証言および原告本人尋問の結果(但し、後記採用しない部分を除く)を総合すれば、以下の1ないし8の各事実を認めることができ、これが認定に反する原告本人尋問の結果の一部は右認定に照らし採用できず、そのほか右認定を左右するに足りる証拠はない。 1 被告改良区内の耕地は従前から灌漑の便がなく、雨水等によつて耕地内にできた溜池から村内共同して水を汲みあげ、各人の耕作に供していたこと2 できず、そのほか右認定を左右するに足りる証拠はない。 1 被告改良区内の耕地は従前から灌漑の便がなく、雨水等によつて耕地内にできた溜池から村内共同して水を汲みあげ、各人の耕作に供していたこと 2 そこで、被告改良区の北方に位置する旧利根川から引水し、用水路および排水路を完備して水利を確保することを主たる目的とし、あわせて、耕地の整備、農道の拡幅・整備等を企図して被告改良区が設立されたものであること 3 そして、被告の事業計画の主たる内容は、旧来の道路の状況および地形に従つて各工区を定め、各工区ごとに耕地の両側にそれぞれ用水路と排水路を配置し、その間の全耕地をその工区内の各人の従前の土地の所有面積の比率に応じて、用水路および排水路にいずれも接するように平行な直線で区画して、各人の換地を整備し(別紙図面(一)および(二)参照。但し、後述するように当初の計画では図面(二)のごとく各区画の広狭が均一でないばらばらなものではなく、ある程度均一化されたものを予定していた)、旧利根川からの引水を各耕地へ十分に確保するものであつたこと 4 ところで、一工区内における各人の従前の土地の所有面積が少ないと、その工区の地形によつては、前述した各区画がいずれも用水路および排水路に接するという必須条件を充たすためには、換地が極端に細長く区画され、ひいては農作業をするうえで支障を来たすことが予想されたところから、被告の当初の換地計画では、二以上の工区に分散して従前の土地を所有する者について、互いに所有土地の交換分合を遂げて、なるべく各人の耕地を一ケ所に集中し、その結果、一工区内における各区画の細分化を防止するとともに、各区画の均一化を目標としていたこと 5 しかしながら、各人が従前の土地の所在位置等に固執することが多く、結局、右の交換分合が徹底されないまま換地処分が 区内における各区画の細分化を防止するとともに、各区画の均一化を目標としていたこと 5 しかしながら、各人が従前の土地の所在位置等に固執することが多く、結局、右の交換分合が徹底されないまま換地処分がなされた結果、各工区内には極端に細長い区画がかなりの数生じたこと 6 ところで、原告の本件従前の土地も比較的面積が狭く、その所在する小松並木工区の地形から東西に細長い形状となることが予想されたところから、換地処分に先立つ昭和四二年の一時利用地の指定に際して、当該工区の換地委員から原告に対し、他工区にある原告所有のより広い土地の隣接土地と交換し、他工区に耕地を集中するように勧めたが、原告がこれを受け入れず、本件従前の土地はそのままその工区内に換地して欲しい旨希望したため、被告は昭和四二年ころ原告に対し、本件換地と全く同一の位置、形状で本件従前の土地に対する一時利用地を指定したところ、原告はそれから約二年間右一時利用地を耕作していたこと 7 そして、前記一項のとおり昭和四四年一月一〇日に本件換地処分がなされ、その位置、形状は別紙図面(二)のとおりであるが、幅が約八メートル、奥行が約八〇メートルのほぼ東西に細長い長方形となり、従前は別紙図面(一)のとおり東側および南側で合計約七〇メートル近く農道に接していたところ、本件換地では東側で約八メートル農道に接するのみとなつたこと 8 しかしながら、右の結果は本件従前の土地に隣接する訴外A所有の香取郡<地名略>の田が本件従前の土地に比し面積が二倍近く広いため(別紙図面(一)参照)、換地処分に当つては広い土地を優先するとの被告の換地委員の方針により、同訴外人に対する換地として、南側全部が農道に接する<地名略>の田が指定されたことによるものであること(別紙図面(二)参照)以上認定の各事実によれば、用・排水路を完 の被告の換地委員の方針により、同訴外人に対する換地として、南側全部が農道に接する<地名略>の田が指定されたことによるものであること(別紙図面(二)参照)以上認定の各事実によれば、用・排水路を完備して全耕地の水利を確保するとの被告改良区の事業目的を完遂し、一方、換地委員からの勧めを拒否して本件従前の土地につき、その工区内に換地を指定して欲しいとの原告の希望を容れる以上、本件換地が別紙図面(二)のとおりの形状となることは、避けえないものであつたことが認められ、また、右6に認定した原告が一時利用地として約二年間、本件換地部分の土地を耕作して来た事実に徴すれば、農作業をするうえでの不便も少ないものと推認され、なお、訴外Aに対する換地処分が優先的に取扱われたことも首肯できるものであつて、結局、本件従前の土地と本件換地が形状において異なることを理由に本件換地処分が土地照応の原則に反するとの原告の主張は、その理由がないものと解するほかない。 三次に請求の原因2項の(二)の本件換地処分が公序良俗違反であるとの原告の主張につき判断するに、原告が本件換地の指定につき異議を述べ、かつ別紙図面(三)のとおりに換地の指定をするように希望していたことがあることは当事者間に争いがないところであるが、原告の右希望が他の関係権利者に影響を及ぼさないとか全関係権利者中原告ただ一人が村八分的な差別扱いをうけたとの原告の主張事実は、本件全証拠によるもこれを認めることができず、むしろ、証人Bおよび同Cの各証言によれば、原告の前記希望は、前述した事業目的に照らし不可能である旨十分説得がなされたことおよび原告の提案を実現するために、被告の換地委員らによつて原告と訴外Aとの間の調整を図つた経過もあるが、原告案によれば原告の換地は排水路に、右訴外人の換地は用水路にそれぞれ接して 説得がなされたことおよび原告の提案を実現するために、被告の換地委員らによつて原告と訴外Aとの間の調整を図つた経過もあるが、原告案によれば原告の換地は排水路に、右訴外人の換地は用水路にそれぞれ接していないため、その間に新たに用・排水路を配置する必要があり、そのため相当な減歩が生じることなどもあつて、結局、原告もこれに応じなかつたことが認められ、以上によれば公序良俗違反であるとの原告の主張もまた理由がないことに帰する。 なお、証人B、同Cの各証言および原告本人尋問の結果によると、本件換地のある小松並木工区に設けられた用水路は土を堀つただけの水路であるため、水漏れが激しく、工区の下流にある本件換地ならびに訴外Aの換地までは用水が到達せず、現実には西側の排水路をせき止めて取水している実情にあることが認められ、かような用水路の不備が原告が本訴を提起した一因ともなつているものとうかがわれるが、工区長である証人Cも証言しているように、右は本来用水路を堅固にするなどして改善すべきものであつて、本件換地処分の効力を左右すべきものではない。 以上の次第で請求の原因2項の原告の主張はいずれも理由がないので、その余の点を判断するまでもなく、原告の本訴請求は棄却を免れない。 四よつて、原告の請求を棄却することとし、訴訟費用の負担につき民訴法八九条を適用して主文のとおり判決する。 別紙図面(一)~(三)省略
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