平成29年(わ)第2090号 主文 被告人有限会社Aを罰金200万円に,被告人Bを懲役1年及び罰金500万円にそれぞれ処する。 被告人Bにおいてその罰金を完納することができないときは,金2万円を1日に換算した期間,被告人Bを労役場に留置する。 被告人Bに対し,この裁判が確定した日から3年間その懲役刑の執行を猶予する。 理由 (罪となるべき事実)被告人有限会社Aは,名古屋市a区bc丁目d番地に本店を置き,スポーツ施設の運営管理業務等を目的とする株式会社として存続する会社であり,被告人Bは,被告人有限会社Aの実質的経営者としてその業務全般を統括管理していたものであるが,被告人Bは,被告人有限会社Aの業務に関し,その消費税及び地方消費税を免れようと考え,第1 平成25年3月1日から平成26年2月28日までの課税期間における実際の消費税の課税標準額が1億0740万5000円で,納付すべき消費税額が429万6200円であり,納付すべき地方消費税の譲渡割額が107万4000円であったにもかかわらず,消費税及び地方消費税の法定納期限である同年4月30日までに,名古屋市e区f町g丁目h番地所轄C税務署長に対し,消費税及び地方消費税の確定申告書を提出しないで同納期限を徒過させたことにより,同課税期間の消費税額429万6200円及び地方消費税の譲渡割額107万4000円を免れ,第2 同年3月1日から平成27年2月28日までの課税期間における実際の消費税の課税標準額が1億5507万3000円(うち,平成26年3月1日から 同月31日までの間に係る課税標準額615万6000円,同年4月1日から平成27年2月28日までの間に係る課税標準額1億4891万7000円)で,納付すべき消費税額が962万8000円で から 同月31日までの間に係る課税標準額615万6000円,同年4月1日から平成27年2月28日までの間に係る課税標準額1億4891万7000円)で,納付すべき消費税額が962万8000円であり,納付すべき地方消費税の譲渡割額が259万3100円であったにもかかわらず,消費税及び地方消費税の法定納期限である同年4月30日までに,前記C税務署長に対し,消費税及び地方消費税の確定申告書を提出しないで同納期限を徒過させたことにより,同課税期間の消費税額962万8000円及び地方消費税の譲渡割額259万3100円を免れ,第3 同年3月1日から平成28年2月29日までの課税期間における実際の消費税の課税標準額が1億5177万3000円で,納付すべき消費税額が956万1600円であり,納付すべき地方消費税の譲渡割額が258万0100円であったにもかかわらず,消費税及び地方消費税の法定納期限である同年5月2日までに,前記C税務署長に対し,消費税及び地方消費税の確定申告書を提出しないで同納期限を徒過させたことにより,同課税期間の消費税額956万1600円及び地方消費税の譲渡割額258万0100円を免れたものである。 (証拠の標目)記載省略(法令の適用) 1 被告人有限会社A関係罰条判示各所為のうち,ア各消費税ほ脱の点いずれも消費税法67条1項,64条4項イ各地方消費税ほ脱の点いずれも地方税法72条の95第6項,4項 科刑上一罪の処理判示各罪につき,いずれも刑法54条1項前段,10条(1個の行為が2個の罪名に触れる場合であるから,いずれも1罪として犯情の重い消費税ほ脱罪の刑で処断) 併合罪の処理刑法45条前段,48条2項(判 き,いずれも刑法54条1項前段,10条(1個の行為が2個の罪名に触れる場合であるから,いずれも1罪として犯情の重い消費税ほ脱罪の刑で処断) 併合罪の処理刑法45条前段,48条2項(判示各罪所定の罰金の多額を合計)訴訟費用刑事訴訟法181条1項ただし書(不負担) 2 被告人B関係罰条判示各所為のうち,ア各消費税ほ脱の点いずれも消費税法67条1項,64条4項イ各地方消費税ほ脱の点いずれも地方税法72条の95第6項,4項 科刑上一罪の処理判示各罪につき,いずれも刑法54条1項前段,10条(1個の行為が2個の罪名に触れる場合であるから,いずれも1罪として犯情の重い消費税ほ脱罪の刑で処断)刑種の選択判示各罪につき,いずれも懲役刑及び罰金刑を選択併合罪の処理刑法45条前段の併合罪ア懲役刑につき,刑法47条本文,10条(犯情の最も重い判示第2の罪の刑に法定の加重)イ罰金刑につき, 刑法48条2項(判示各罪所定の罰金の多額を合計)労役場留置刑法18条(金2万円を1日に換算)刑の全部の執行猶予刑法25条1項(懲役刑の執行を猶予)訴訟費用刑事訴訟法181条1項ただし書(不負担)(量刑の理由)本件ほ脱税額は合計約2973万円と多額で,ほ脱率は100パーセントと高率で,国の租税債権を害した結果は重い。被告人有限会社Aの事業資金を確保するためという動機は身勝手で酌むべき事情はない。被告人Bは,被告人有限会社Aの実質的経営者として主体的に本件各犯行に及んでおり,厳しく非難されるべきである。被告人有限会社Aは,修正申告を行い,僅かではあるが滞納税の一部を支払ったものの はない。被告人Bは,被告人有限会社Aの実質的経営者として主体的に本件各犯行に及んでおり,厳しく非難されるべきである。被告人有限会社Aは,修正申告を行い,僅かではあるが滞納税の一部を支払ったものの,経営状態が悪化し,残額の納付の見込みは立っていない。これらの事実に加え,被告人有限会社Aが今後被告人Bに経営に関与させない等再犯防止策を講じていること,被告人Bが事実を認めて反省したこと,前科がないこと等酌むべき事情も考慮し,主文の刑に処するのが相当と判断した。 (求刑被告人有限会社Aにつき罰金300万円,被告人Bにつき懲役1年及び罰金600万円)平成30年2月27日名古屋地方裁判所刑事第2部 裁判官安福幸江
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