令和7年10月3日宣告秋田地方裁判所刑事部判決令和7年(わ)第35号贈賄被告事件 主文 被告人を懲役1年6月に処する。 この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は、土木工事業、土木資材及び建設資材の販売、木材加工製品の製造及び販売等を業とするA 株式会社の代表取締役として、同社の業務全般を統括していたものであるが、同社B センター長等として、同社の木材加工製品の製造及び販売等の業務に従事していたC と共謀の上、秋田県秋田地域振興局建設部保全・環境課道路保全班の班長として、同班が担当する道路の維持管理業務を掌理し、その担当に係る道路事業の計画・要望・調整等をするなどの職務に従事するとともに、履行期間を令和3年3月1日から令和5年3月31日までとする同局発注の「道路・河川等維持管理業務委託」の主任監督員として、同委託に係る道路等の復旧・修繕の範囲及び内容等を受注者と協議するほか、同業務において再委託が必要となった場合にはその再委託先の業者につき受注者と協議し、承諾するなどの職務に従事していたD が、同局が令和4年度に競争入札の方法で発注した道路補修工事に関し、その設計図書に記載される転落防止柵の仕様を、従前の鋼材加工品から前記A 株式会社のみが同局管内で取り扱う防腐性能等を有する木材加工品の仕様に変更させ、同社がその下請等で受注することにつき有利かつ便宜な取り計らいをしたこと、及び前記「道路・河川等維持管理業務委託」に基づき実施された「E 市F 転落防止柵補修」工事の再委託に係る受注者との協議に関し、再委託先の業者として前記A 株式会社を推奨し、承諾するなどの有利かつ便宜な取り計らいをしたことに対する謝礼、並びに今後も同様の取り計らいを受 落防止柵補修」工事の再委託に係る受注者との協議に関し、再委託先の業者として前記A 株式会社を推奨し、承諾するなどの有利かつ便宜な取り計らいをしたことに対する謝礼、並びに今後も同様の取り計らいを受けたいとの趣旨の下、令和5年5月10日、秋田市ab 丁目c 番d 号「G」において、被告人が前記D に対し、現金200万円を供 与し、もって前記D の職務に関して賄賂を供与したものである。 (量刑の理由)本件は、各種工事や木材加工製品の販売等を行う株式会社の代表者であった被告人が、秋田県の発注した工事の再委託先を自社とすること等について、特定の県職員から便宜な取り計らいを受け、その謝礼等の趣旨で当該県職員に現金を供与した事案である。当該会社は上記便宜により秋田県発注の公共工事売上高を伸ばし、相当の営業利益を上げており、賄賂が200万円と高額であることとも相俟って、職務の公正を害した程度には大きなものがある。 以上によると本件の刑事責任を軽く見ることはできないが、被告人は早期から事実関係を認め、代表者の地位を辞するなど反省の態度を示している。被告人に前科がなく、親族が監督を約束したこと等の事情も併せ斟酌し、今回は執行猶予が相当と認めた。 (求刑懲役1年6月)令和7年10月3日秋田地方裁判所刑事部 裁判官川畑百代
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