昭和40(オ)1469 第三者異議

裁判年月日・裁判所
昭和42年11月16日 最高裁判所第一小法廷 判決 破棄差戻 大阪高等裁判所 昭和39(ネ)851
ファイル
hanrei-pdf-56296.txt
🤖 AI生成要約2026/3/13

【DRY-RUN】主    文      原判決を破棄し、本件を大阪高等裁判所に差し戻す。          理    由  上告代理人新貝康男の上告理由第三点について。  原審は、訴外Dが、株式会社E相互銀行に対し、

タグ

キーワード(AI生成)

判決文本文2,687 文字)

主文 原判決を破棄し、本件を大阪高等裁判所に差し戻す。 理由 上告代理人新貝康男の上告理由第三点について。 原審は、訴外Dが、株式会社E相互銀行に対し、本件不動産について有する二分の一の持分権(以下本件物件という)の上に債権極度額を金一〇万円とする根抵当権を設定し、同時に、債務を期限に弁済しないときは右物件の所有権を同相互銀行に移転すべき旨の停止条件付代物弁済契約を結び、右根抵当権設定登記および停止条件付代物弁済契約に基づく所有権移転請求権保全の仮登記を経由したこと、次いで被上告人は、右Dの承諾のもとに、E相互銀行からDに対する債権とこれに従たる前記根抵当権および停止条件付代物弁済契約上の権利を譲り受け、右両権利につき各移転の登記を経由したこと、昭和三六年六月一〇日、被上告人とDとの間において、債権額を金八万七五九〇円、その弁済期を同年八月二〇日、利息を日歩五銭、右期限後の遅延損害金を日歩一〇銭と合意し、前記根抵当権を右確定債権を被担保債権とする抵当権に変更し、その旨の変更登記を了したこと、ところが、Dにおいて右弁済期を過ぎても債務の支払をしなかつたため、被上告人が、本件物件の所有権を取得したと主張して、Dに対し、前記仮登記の本登記手続をなすべき旨訴求し、同人はこの請求を認諾したこと、一方、上告人は、右Dに対する大阪地方裁判所昭和三五年(ワ)第四九九六号貸金ならびに保証債務履行請求事件の執行力ある判決正本に基づき、大津地方裁判所彦根支部に本件物件につき強制競売の申立をし、同裁判所は昭和三八年九月三日強制競売開始決定をなし、右強制競売の申立が登記簿に記入されたこと、をそれぞれ確定している。 思うに、代物弁済契約とは、本来の給付に代えて他の給付をすることにより既存債務を消滅せしめるものであるが 強制競売開始決定をなし、右強制競売の申立が登記簿に記入されたこと、をそれぞれ確定している。 思うに、代物弁済契約とは、本来の給付に代えて他の給付をすることにより既存債務を消滅せしめるものであるが、たとえ契約書に特定物件をもつて代物弁済をす- 1 -る旨の記載がなされている場合であつても、その実質が本来の代物弁済契約ではなく、単にその形式を借りて目的物件から債権の優先弁済を受けようとしているに過ぎない場合がありうる(当裁判所昭和四一年(オ)第一五八号同年九月二九日第一小法廷判決民集二〇卷七号一四〇八頁参照)。ことに、貸金債権担保のため不動産に抵当権を設定し、これに併せて該不動産につき停止条件付代物弁済契約または代物弁済の予約を締結した形式が採られている場合で、契約時における当該不動産の価格と弁済期までの元利金額とが合理的均衡を失するような場合には、特別な事情のないかぎり、債務者が弁済期に弁済しないときは債権者において目的物件を換価処分し、これによつて得た金員から債権の優先弁済を受け、もし換価金額が元利金を超えれば、その超過分はこれを債務者に返還する趣旨であると解するのが相当である。そしてこのような場合には、代物弁済の形式がとられていても、その実質は担保権と同視すべきものである(当裁判所昭和三九年(オ)第四四〇号同四一年四月二八日第一小法廷判決民集二〇卷四号九〇〇頁参照)。すなわち、この場合は、特定物件の所有権を移転することによつて既存債務を消滅せしめる本来の代物弁済とは全く性質を異にするものであり、停止条件成就ないし予約完結後であつても、換価処分前には、債務者は債務を弁済して目的物件を取り戻しうるのである。 いま叙上の見地に立つて本件を見るに、被上告人がE相互銀行から承継したDとの間の契約には停止条件付代物弁済契約なる文言が使用され 価処分前には、債務者は債務を弁済して目的物件を取り戻しうるのである。 いま叙上の見地に立つて本件を見るに、被上告人がE相互銀行から承継したDとの間の契約には停止条件付代物弁済契約なる文言が使用されていたにせよ、原審としては、代物弁済なる文字に拘泥することなく、すべからく、この観点に立つて、その性質を明らかにすべきであつたのである(上告人は、原審において、本件物件につき停止条件付代物弁済契約が結ばれたことを認めているが、ここで取り上げているのは契約の解釈についての法律上の問題であり、かりにその点についてまで当事者間で見解の合致があるとしても、裁判所がこれと異なる法律判断をすることの妨げとなるものではないのである。)。そして本件の目的物件に対し抵当権が設定- 2 -されていたことは前記認定のとおりであり、かつ、右物件の価額が債権額に比し遥に大であり、その間に不均衡のあることが上告人より主張され、原審もその不均衡を必ずしも否定せざる以上、裁判所はすべからく釈明権を行使すべきであり、その結果、右の事情の下において、もし被上告人のいうところの停止条件付代物弁済契約が、債権の優先弁済を受けることを目的とし、権利者に清算義務を負わせることを内容とする一種の担保契約に過ぎないことが明らかになるにおいては、被上告人の権利主張は、その債権についての優先弁済権を主張しその満足をはかる範囲に限られるべく、これを超えて、その地位を上告人に対抗せしめ、その執行を全面的に排除するがごときは、必要以上に被上告人を保護し、第三者に損害を及ぼすものとして、許されないところといわなければならない。すなわち、このような場合には、被上告人の第三者異議の訴、ないしその前提をなす本登記手続承諾請求の訴は、許すべからざるものとなるわけである。 しからば、かかる点に深く思いを致す わなければならない。すなわち、このような場合には、被上告人の第三者異議の訴、ないしその前提をなす本登記手続承諾請求の訴は、許すべからざるものとなるわけである。 しからば、かかる点に深く思いを致すことなく、代物弁済という文言にとらわれて、本来の意味における代物弁済の停止条件付契約が成立しているものと速断した原判決には、契約内容の確定につき審理不尽の違法があるものというべく、この点において上告人の所論は理由がある。 よつて、その余の点に関する判断を省略して原判決を破棄し、さらに右の点について審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻すべきものとし、民訴法四〇七条に則り、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官松田二郎裁判官入江俊郎裁判官長部謹吾裁判官岩田誠- 3 -裁判官大隅健一郎- 4 -

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る