昭和56(行コ)28 所得税更正決定等取消請求控訴事件(原審・大阪地方裁判所昭和41年(行ウ)第87号)

裁判年月日・裁判所
昭和62年9月30日 大阪高等裁判所 租税
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【DRY-RUN】- 1 - ○ 主文 原判決を取消す。 被控訴人の請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。 ○ 事実 一 控訴人は、主文同旨の判決を求め、被控訴人は「本件控訴を棄却する

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- 1 -○ 主文 原判決を取消す。 被控訴人の請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。 ○ 事実 一控訴人は、主文同旨の判決を求め、被控訴人は「本件控訴を棄却する。控訴費用は、控訴人の負担とする」との判決を求めた。 。 二当事者双方の主張及び証拠の関係は次に付加するほか原判決事実摘示のとおりた、、(、「、」「」、「」「」だし原判決八枚目裏七行目一二の次にはを同一三行目号証の次にはを、同行目「二七号」の次に「証」を、同九枚目表二行目「一八号証」の次に「は」を、「」「、」、「」「」同裏一〇行目七七の前に七六を加え同一三行目に○○とあるのを○○と改める)であるから、ここにこれを引用する。 。 控訴人の主張(一)推計課税取消訴訟における実額反証について(1)申告納税制度、実額課税及び推計課税の意義とその位置付け(ア)申告納税制度は、所得金額の計算の基礎となる経済取引の実態を最もよく知つている納税者自身に、所得金額や税額を計算させ、その申告した税額を納付させることが最も合理的であるという考え方に基づいて採用されたものである(最高裁判所昭和三九年一〇月二二日第一小法廷判決、民集一八巻八号一七六二頁参照。換言すると、国民は、租)税負担の配分について国会を通じてそのコントロールに参加するとともに、国家の構成員として納税の義務を負つているが、この納税の義務は、単に定められた租税を国家に納付する義務があるとの消極的なものではなく、およそ民主主義国家にあつては、租税が国家の維持及び活動に必要な共同の費用であることにかんがみ、主権者たる国民がそれを自ら負担すべきことを明らかにしたものであり、したがつて、国民は積極的に納税に協力す よそ民主主義国家にあつては、租税が国家の維持及び活動に必要な共同の費用であることにかんがみ、主権者たる国民がそれを自ら負担すべきことを明らかにしたものであり、したがつて、国民は積極的に納税に協力する義務を負つているものといわねばならない。申告納税制度は、このような納税の義務の手続面における反映であると解するのが相当である。 したがつて、申告納税制度のもとにおいては、納税者は単に所得金額や税額を申告書に記載して申告し、その税額を納付してしまえばよいというものではなく、税法に定めるところに従い正しい所得金額や税額を申告しなければならないし、税務署から求められれば、その所得金額の計算の基となる経済取引の実態を最もよく知つている者として、その申告の内容が正しいことを説明しなければならない立場にあるというべく、一方、税務署は国民からの信託により税法に従つて適正公平な課税を実現する使命を有し、そのための手段として、所得税法二三四条一項は、税務職員が所得税の調査に必要なとき同項各号に掲げる者に対し、質問調査をなし得る旨規定しているのである。 このように、申告納税制度のもとにおける納税者は、税法の定めるところに従つた正しい申告をする義務を負うとともに、その申告を確認するための税務調査に対しては、その所得金額を算定するに足りる伝票類や帳簿書類などの直接資料を提示し、所得金額の計算の基となる経済取引の実態を税務職員に説明する義務を負うものといわなければならない。 - 2 -(イ)実額課税とは直接資料に基づき所得金額を認定する方法であつて、事業所得の金額は、その年中の事業所得に係る総収入金額から必要経費(当該総収入金額を得るため直接に要した費用の額及びその年における所得を生ずべき業務について生じた費用の額の合、)()、計額所得税法三七条一項を控除 の事業所得に係る総収入金額から必要経費(当該総収入金額を得るため直接に要した費用の額及びその年における所得を生ずべき業務について生じた費用の額の合、)()、計額所得税法三七条一項を控除した金額とする旨定められており同法二七条二項したがつて、事業所得の金額を実額によつて認定するには、すべての取引先からのすべての収入金額(総収入金額)と、その総収入と対応した費用の金額(必要経費)のいずれも、、が直接資料によつて明らかにされることと税務職員の質問に対する納税者の誠実な応答説明がなされることが必要不可欠である。 (ウ)推計課税とは、直接資料を調査せずに、またはこれとは別個に、純資産の増減の状況などの間接資料によつて所得を認定して行う課税処分を意味するものであり、所得税法一五六条は「税務署長は、居住者に係る所得税につき更正又は決定をする場合には、、その者の財産若しくは債務の増減の状況、収入若しくは支出の状況又は生産量、販売量その他の取扱量、従業員数その他事業の規模によりその者の各年分の各種所得の金額又は損失の金額を推計して、これをすることができる」と規定し、推計課税を認めるとともに、。 青色申告に対して更正を行う場合にはこれを行い得ない旨定めている。 そして、推計課税は、一般に(1)納税者が帳簿書類を備えつけておらず、収入・支出、の状況を直接資料によつて明らかにすることができない場合(2)納税者が一応帳簿書類、を備えつけてはいるが、誤記脱漏が多いとか、同業者に比し所得率等が低率であるとか、二重帳簿が作成されているなど、その内容が不正確で信頼性に乏しい場合(3)納税者またはその取引関係者が調査に協、力しないため、直接資料が入手できない場合のいずれかの場合のみに許されると解されているが、これらはいずれも、税務署長が 内容が不正確で信頼性に乏しい場合(3)納税者またはその取引関係者が調査に協、力しないため、直接資料が入手できない場合のいずれかの場合のみに許されると解されているが、これらはいずれも、税務署長が十分な直接資料を入手することができないために、所得の実額を算定することができない場合であり、結局、推計課税は実額課税をなし得ない場合に行われるものと解することができる。 本件についてみるに、控訴人が従前から主張するとおり、控訴人の部下職員は、昭和三八年末ころ、被控訴人宅へ数回臨場し、被控訴人の本件各係争年分及び昭和三七年分の各所得について調査を行つたが、被控訴人は、右調査に協力せず、その終りころに至つて右各年分の経費の一部についてのメモ書を示すにとどまり、右所得を明らかにする伝票類や帳簿書類などの直接資料を全く提出しなかつたのであるから、本件各処分時において推計課税の必要性があつたことは明らかである。 (エ)以上の諸点に照らすと、所得税法一五六条は、納税者がその申告納税義務に違反して税務調査に協力せず、それがために税務署長において当該納税者の実額を把握できない場合に、直接資料とは別個に、純資産の増減の状態などの間接資料によつて当該納税者の所得金額を認定し課税する権限を税務署長に与えたもの、すなわち、納税者の申告納税義務違反によつて税務署長が当該納税者の所得の実額を検討できないことを理由として、- 3 -実額による課税を断念し、推計による課税をなし得ることを税務署長に認めたものと解される。したがつて、推計課税においては、その推計による所得金額が実額と食い違うことは当然のこととして前提とされているものというべきである。 このような推計課税の認められる根拠については、一般に、直接資料が入手できないからといつて、課税を放棄することは、公平負担の観点から 違うことは当然のこととして前提とされているものというべきである。 このような推計課税の認められる根拠については、一般に、直接資料が入手できないからといつて、課税を放棄することは、公平負担の観点から適当でないからであると説かれており、その趣旨とするところは、所得が存在すると認められるにもかかわらず、当該納税者の責に帰すべき事由によつて実額が把握できないとの理由で課税を放棄することは、他の誠実な納税者との間で、租税負担の公平を害する結果となり相当でないということにあるものと思われるが、前記(ア)において述べたとおり、申告納税制度のもとにおいて、、、納税者はその所得金額の計算の基となる経済取引の実態を最もよく知つている者としてその申告の内容が正しいことを説明しなければならない立場にあることを考えると、推計課税は、申告納税義務に違反して実額課税の資料を提供しなかつた納税者とそれがために実額を把握できなかつた税務署長との間の衡平を図る趣旨をも含んでいるものと解するのが相当である。けだし、租税法律関係における税務署長は、通常の民事関係における当事者と異なり、納税者の所得金額の計算の基となる個々の経済取引について、直接の当事者でもなければ、直接の利害関係人でもなく、その成否について、直接具体的な事実や証拠を握つているわけではないから、納税者の協力なしに実額のすべてを把握し、完璧な実額課税をすることは著しく困難であり、したがつて、税務署長に実額課税の権限しかないとすれば、非協力な納税者に対する税務署長の立場はきわめて弱いものとなつて、適正公平な課税を実現するとの使命を十分に果たすことは困難であるため、所得税法一五六条は、このような非協力な納税者に対抗する税務署長の権限として、推計課税を認めたものと解することができるからである。 そうすると、推計課税 るとの使命を十分に果たすことは困難であるため、所得税法一五六条は、このような非協力な納税者に対抗する税務署長の権限として、推計課税を認めたものと解することができるからである。 そうすると、推計課税の制度は、納税者の申告納税義務に違反する行為によつて実額課税が困難な場合に、その違反者である納税者が申告納税義務を遵守する誠実な納税者よりも利益を得るような事態の発生するのを防止し、もつて申告納税制度が適正に機能するのを担保するため設けられたものと位置付けるのが相当である。 (オ)ところが、推計課税を行うにおいても、比率法(例えば同業者比率)や効率法によりその収入及び経費の各金額を把握し、収支計算法によつてその所得を認定する方法が多く採用されているが、そのためには収入金額、仕入金額などその推計の基礎となる取引を正確に把握する必要がある。しかしながら、被控訴人の事業においては、売上先、仕入先などの取引先の数が非常に多く、反面調査によつてそのすべての取引先を把握することは容易でないうえ、把握できた取引先においても、本件各係争年中の取引の有無やその取引金額を確認できない場合などが存し、右推計の基礎となる取引の全容が把握できなかつたので、控訴人は、やむを得ず被控訴人の本件各係争年分の所得をいずれも純資産増減法によつて把握したものである。 純資産増減法は、課税期間の期首と期末の純資産(資産から負債を控除したもの)を比較して、その増加額を計算したうえ、期間中の生計費その他の消費金額を加算し、所得を推計する方法であり、期間中の取引の内容が不明確であつても、期首及び期末の資産、負債の額が判明しさえすれば、その期間中の所得の金額を把握することができ、しかもその資産、負債の額は、帳簿や伝票のみな- 4 -らず、不動産登記簿や預貯金の残高など一切の証拠によつて認定 末の資産、負債の額が判明しさえすれば、その期間中の所得の金額を把握することができ、しかもその資産、負債の額は、帳簿や伝票のみな- 4 -らず、不動産登記簿や預貯金の残高など一切の証拠によつて認定することが可能であるため、収支計算法に較べて、事後においてもその所得金額を把握しやすい利点がある。被控訴人の事業に対する前述したような反面調査の結果に照らすと、控訴人の採用した純資産増減法による推計課税が最も合理的な方法であることは明らかである。 (2)推計課税取消訴訟における実額反証の適否(ア)実額反証とは、実額を把握できないためやむを得ずなされた推計課税に対し、審査請求または訴訟の段階になつて納税者から推計により算定された所得金額は帳簿書類等の直接資料に基づく実額に比べて過大であるとして、その推計課税の違法性を主張することをいい、したがつて、それは実額を算定するに足りる帳簿書類等の直接資料が存在しながら税務調査においてこれを提出しないなど、納税者が税務調査に協力しないために、税務署長が推計課税を余儀なくされた場合にのみ可能ということになる。けだし、そのような実額を算定するに足りる直接資料が存在しないために推計課税をしなければならなかつた場合には、後になつて納税者が実額を主張することは不可能であるからである。 ところで、税負担は担税力(所得税においては所得)に即して配分されなければならないとの租税負担の公平の要請は、必ずしも絶対的な要請ではなく、各種の政策目的などにより修正されているところである。その最も典型的な例は、租税特別措置法などにおいて認められている各種の租税特別措置であるが、そのような租税特別措置も、その措置の政策目的が合理的であるかどうか、その目的を達成するのにその措置が有効であるかどうか、それによつて公平負担がどの程度に害され られている各種の租税特別措置であるが、そのような租税特別措置も、その措置の政策目的が合理的であるかどうか、その目的を達成するのにその措置が有効であるかどうか、それによつて公平負担がどの程度に害されるかなどの諸点から判断して不合理な措置でなければ許されると解されており、したがつて、所得税の認定に当つても必ずしも実額によらなければならない訳ではなく、その目的において合理的であり、かつ、その目的を達成するのに有効であれば、租税負担の公平を著しく害さない範囲内において、実額と異なる所得金額をもつて所得額を認定することも許される。 加えて、推計課税は、前記(一(1(エ)において述べたとおり、直接資料とは別個))に、間接資料によつて所得金額を認定し課税するものであるから、実額と食い違うことが当然のこととして前提とされているものである。 しかるに、審査請求や訴訟の段階に至つて、推計課税を余儀なくさせた納税者が推計による所得金額が実額を超えることを立証した場合に、常にその超える部分について推計課税が取消されるというのであれば、それは単なる事実の推定により直接資料を補正して行う課税処分と何ら変わりなく、直接資料とは別個に推計課税を行う権限を税務署長に対し認めた意味は著しく減殺されるうえ、申告納税制度に違反した納税者のためにかけられたそれまでの多額の徴税費と税務職員の労力は無駄に帰することとなる。このような結果が、申告納税制度を補完し、正しい納税申告をさせるための誘因策として採用された推計課税の規定の趣旨に沿うものでないことは明らかである。 、、、このように考えると所得額の認定に当つては可能な限り実額によるべきであるとしで推計による所得金額に対し常に実額を優先させるのは合理的でなく、実額反証を認めるべきか否かは、税負担は担税力に即して配分されなけれ に考えると所得額の認定に当つては可能な限り実額によるべきであるとしで推計による所得金額に対し常に実額を優先させるのは合理的でなく、実額反証を認めるべきか否かは、税負担は担税力に即して配分されなければならないとの租税負担の公平の要請と、申告納税制度のもとにおいて推計課税を認めた法の趣旨とをいかに調和させるかとの観点から決められるべきである。 - 5 -(イ)推計課税を認めた趣旨は、前記(一(1(エ)において述べたとおり(1)))、他の誠実な納税者との間の租税負担の公平(2)税務署長との間の衡平を図ることにある、ということができるが、申告納税義務に違反する納税者に実額反証の主張を無制限に認めることは、推計課税の権限を税務署長に認めた右の趣旨を著しく損なうこととなり相当でない。すなわち(1)の点であるが、申告納税義務を誠実に履行する納税者は、法定申告、期限までに納税申告をするとともに、税務調査においてその納税申告の基となつた直接資料を税務職員に提出し、その納税申告が正しいか否かについて税務署長の検討を受けることとなり、その際の反面調査等を含む税務調査によつてその納税申告に申告洩れが認められた場合には、修正申告ないしは増額更正を受けることとなるのに対し、申告納税義務に違反する納税者の場合は、その主張する実額反証の基となつた直接資料を審査請求や訴訟の段階になつて提出したとしても、その資料を確認するための調査が十分に行えないため、殆んどその納税者の提出した資料のみに基づいてその実額主張が検討されることとなり、結局税務調査に基づく検討を十分に受けることなく、納税者の一方的な行為により税額が確定するのと等しいこととなるばかりでなく、その実額反証のための資料が更正の除斥期間(通常は、法定申告期限から三年間)を徒過してから提出された場合 分に受けることなく、納税者の一方的な行為により税額が確定するのと等しいこととなるばかりでなく、その実額反証のための資料が更正の除斥期間(通常は、法定申告期限から三年間)を徒過してから提出された場合には、たとえその資料の検討によつて、推計による所得金額以上の所得金額が存在することを税務署長が把握したとしても、もはや増額再更正はできないこととなり、また、その資料において多額の雇人費を支出したと認められる場合には、その納税者にはその雇人費に係る源泉所得税の徴収義務が生ずることとなるが(所得税法一八三条一項、その雇人費を支出してから既に五年間を経過してい)る場合には、その源泉所得税の徴収義務をも免れることとなる(国税徴収法七二条一項。 )このように、申告納税義務に違反する納税者は、誠実な納税者に較べてその立場はきわめて有利なものとなるので、その実額反証の主張が無制限に認められるとすれば、租税負担の公平を実質的に損なうおそれがあり、申告納税制度を基幹とする適正な税務行政にとつて重大な弊害を惹起こすおそれがある。 次に(2)の点であるが、税務署長は前記(一(1(エ)において述べたとおり、納))税者の所得金額の計算の基となる個々の経済取引について、直接具体的な事実や証拠を入手し得る立場にはなく、加えて、推計課税がなされた場合には、そのような所得の実額を算定するに足る直接資料を入手できなかつたがゆえに推計課税を余儀なくされたのであるか、。 ら納税者の主張する実額反証に対する反対証拠を殆んど所持していないのが実情であるしたがつて税務署長においては、実額反証がなされた後に、それを確認するための調査を実施し、それが真実に反する場合にはその証拠を収集しなければならないが、かかる調査は、通常確認すべき個々の経済取引がなされてから相当の日時を経過している 反証がなされた後に、それを確認するための調査を実施し、それが真実に反する場合にはその証拠を収集しなければならないが、かかる調査は、通常確認すべき個々の経済取引がなされてから相当の日時を経過しているため、関係資料の保存期間が経過していたり、関係者の所在が不明であつたり、その記憶が不鮮明であることなどにより、著しく困難であるため、たとえ納税者の主張が真実に反する場合で- 6 -あつても、それを裏付ける証拠を新たに収集するのは殆んど不可能である。これに引き換え、実額反証を主張する納税者は、もともとそれらの経済取引の当事者であるから、課税要件事実に関する証拠との距離はきわめて近いうえ、実額を算定するに足りる直接資料が存在しながら税務調査においてはこれを提出しなかつたに過ぎないため、自己に有利な証拠を提出するのはきわめて容易である。 このような状況のもとにおいて、実額反証を主張する納税者の提出する証拠が税務署長の提出する反対証拠に優越すれば、その実額反証を認めるとすることは、申告納税義務に違反する納税者と適正公平な課税を実現するとの使命を有する税務署長との間の衡平を図るために推計課税を認めた趣旨を著しく損なうことは明らかである。 (ウ)以上検討してきたところによれば、推計課税は、納税者の申告納税義務に違反する行為によつて実額課税が困難な場合に、その違反者である納税者が申告納税義務を遵守する誠実な納税者よりも利益を得るような事態の発生するのを防止し、もつて申告納税制度が適正に機能するのを担保しようとするものであるから、その目的が合理的であることには異論がないと思われ、また、その目的を達成するためには、推計による所得金額が実額を超える場合にも、その推計課税を適法とすることが有効であり、原則として違法とはならないものと解するのが合理的である。したが がないと思われ、また、その目的を達成するためには、推計による所得金額が実額を超える場合にも、その推計課税を適法とすることが有効であり、原則として違法とはならないものと解するのが合理的である。したがつて、実額反証の主張を無制限に認めることは相当でなく、前記租税特別措置についての見解に照らすと、その推計による所得金額が実額を著しく超えることが明らかとなり、その推計課税を維持することが租税負担の公平に著しく反することが合理的な疑いを容れる余地なく一見明白となつた場合にのみ、その推計課税は違法となるものと解するのが相当である。 また、実額反証によつて推計課税の違法性を主張できるのは、推計による所得金額が実額を著しく超えることが一見明白であること、すなわち合理的疑いを容れない程度に証明されることが必要というべきである。けだし、証明の程度について証拠の優越で足りるとされるのは、対立する当事者が証拠との近さなどにおいて対等な立場にあることが前提とされているところ、実額反証が問題となる納税者と税務署長との間にはそのような前提がなく、納税者の側が一方的に有利な立場にあり、しかも、それが当該納税者が申告納税義務に違反して、あえて税務調査に協力しなかつたことに起因するものであることを考えると、そのような納税者に証拠の優越でもつて実額反証が証明されたとの利益を認めることは信義則に違反する(一種の証明妨害と考えることができる)といわなければならないからである。 。 (エ)仮に右主張が認められないとしても、実額反証においては、納税者において、その主張する実額が存在すること及びそれが真実の所得の額に合致することの証明責任を負担するものである。すなわち、推計課税は、直接資料によらずに各種の間接的な資料を用いて、真実の所得にできるだけ近似した所得の額を算出し、これをもつ 及びそれが真実の所得の額に合致することの証明責任を負担するものである。すなわち、推計課税は、直接資料によらずに各種の間接的な資料を用いて、真実の所得にできるだけ近似した所得の額を算出し、これをもつて真実の所得を認定する方法であり、課税庁において、その主張する推計課税の合理性についての一応の立証をした場合には、その推計課税によつて、真実の所得に近似する所得の存在を主張立証したこととなり、他に特段の反証がない限り、これをもつて真実の所得であると認定されることとなる。そして実額反証とは、右のような場合に、直接資料により真実の所得を立証(反証)し、右認定をくつがえすものであつて、いわゆる間接反証事項である。したが- 7 -つて、実額反証によつて推計課税の合理性を争う納税者は、当然に、その実額が存在することを立証(証明)しなければならない(証明責任を負担する)のであつて、被控訴人。 が主張するようなその存在をある程度合理的に推測させるに足りる具体的立証を行えば足りるというものではなく、さらに、その主張する実額が真実の所得の額に合致すること、すなわち、単にその主張する収入及び経費の各金額を証明するだけでは足りず、その主張する収入金額がすべての取引先からのすべての収入金額(総収入金額)であること及びその主張する経費の金額がその収入と対応する(必要経費である)ことまでも、証明しなけ。 ればならないとうべきである。けだし、本件の場合において、納税者がその主張する収入と経費の各金額を証明し、かつ、その対応関係を証明したとしても、それのみでは、それによつて算出された所得の額が真実の所得の額にどれだけ近似しているかは不明であり(収入金額が総収入金額の一部であれば、控除された経費がその収入に対応するものであつても、算出される所得は真実の所得の一部に過ぎない された所得の額が真実の所得の額にどれだけ近似しているかは不明であり(収入金額が総収入金額の一部であれば、控除された経費がその収入に対応するものであつても、算出される所得は真実の所得の一部に過ぎない、かつ、。)課税庁が推計課税(純資産増減法)によつて算出した所得の額が真実の所得の額を上回ることを証明したことにもならず、その推計課税の合理性を何らくつがえしたことにはならないからである。 以上要するに、本件において、実額反証を主張する被控訴人は(1)その主張する収入、及び経費の各金額が存在すること(2)その収入金額がすべての取引先からのすべての収、入金額(総収入金額)であること(3)その経費がその収入と対応するもの(必要経費)、であることの三点を証明しなければならないのであり、それらの証明がなされない限り、被控訴人が主張する実額課税に依拠することはできず、控訴人が主張する推計課税(純資産増減法)の方法による事業所得金額の認定がなされるべきであつて、右三点の証明が尽くされた場合に限り、その主張する実額をもつて控訴人側の採用している推計課税をくつがえし得るものと解するのが相当である。 (3)原判決の判断の誤り所得税法一五六条の解釈としては、これまでに述べたことから明らかなように、推計課税を余儀なくさせた納税者に対しては、その推計による所得金額が実額を著しく超えることが合理的疑いを容れない程度にまで証明された場合、仮にそうでないとしても、実額反証を主張する納税者がその主張する収入及び経費の各金額の存在のほか、その収入金額がすべての取引先からのすべての収入金額(総収入金額)であり、その経費がその収入と対応するもの(必要経費)であることの三点が証明された場合に限り、その推計課税は違法となるものと解するのが相当であるところ、被控訴人は、 らのすべての収入金額(総収入金額)であり、その経費がその収入と対応するもの(必要経費)であることの三点が証明された場合に限り、その推計課税は違法となるものと解するのが相当であるところ、被控訴人は、申告納税義務に違反し、税務調査において直接資料を殆んど提出しなかつたばかりか、本訴においても、その主張する実額を証明するものとして、本件明細書しか提出していないうえ、同明細書は、次項以下において詳述するとおり、実額を算定するための直接資料としては信用できないものであるから、本訴においては、いまだ本件推計課税による所得金額が実額を著しく超えることが明- 8 -らかな場合、もしくは前記三点の証明がなされた場合と認めることはできない。それにもかかわらず、所得額の認定に当つては、可能な限り実額によるべきであるとし、控訴人が被控訴人主張の各取引関係につき克明かつ網羅的な調査を行つたとの誤つた前提に立つて、控訴人が各取引の不存在について反証を提出していないとして、被控訴人の提出した本件明細書に基づき、一方的に所得金額を認定し、本件推計課税に係る所得金額がその認定した所得金額を超えているとの理由によつて本件推計課税を違法とした原判決の判断は、所得税法一五六条についての解釈適用を誤つた違法のあることが明らかである。 (二)被控訴人の主張に対する反論、とくに本件明細書の信用性等について(1)推計課税、実額の主張と立証責任前記(一)において詳細に主張したとおりであつて、被控訴人の主張はいずれも失当である。被控訴人は純資産増減法による本件推計課税につき、推計の基礎事実である資産及び負債の増減が確実に把握されていないから許されるべきでないとし、その根拠として次の四点を指摘するが(1)被控訴人の本件各年分の総所得金額について控訴人が主張する、金額は、大幅に 実である資産及び負債の増減が確実に把握されていないから許されるべきでないとし、その根拠として次の四点を指摘するが(1)被控訴人の本件各年分の総所得金額について控訴人が主張する、金額は、大幅に、しかも日時の経過とともに増加しているとの点については、被控訴人の協力がないため把握洩れとなつていた被控訴人の純資産が徐々に判明したことを表わしているに過ぎず、当初把握していた純資産が存在していないことを表わすものではないから、、、、()これをもつて本件推計課税が合理的でないといえないことは明らかでありまた 原判決の認定した金額と控訴人の主張立証する金額との間には大幅な違いがあるとの点については、原判決の認定する収支計算自体が不合理なものであるから、その収支計算による認定額と大幅な違いがあつたとしても、そのことが本件推計課税の合理性を何ら損なうものでないことは当然である。さらに(3)控訴人の主張する原材料、土地及び借入金に、、関する各年分の期首ないし期末の金額は当時の被控訴人の事業の実態を把握しておらずまた、事故賠償金についても全く把握されていないとの点については、当時の被控訴人の事業の実態が被控訴人主張のとおりであつたとする証拠は、被控訴人の供述以外にないため、そのこと自体が問題であるが、それはさておき、控訴人の主張する純資産増減法における原材料や土地の価額は、期首ないし期末の一時点における価額であるから、たとえ大量の山土等が購入されたとしても、期中においてそれらが消費されるなどして期末に残存していない場合には、その山上等を考慮する必要は何ら存しない。したがつて、その価額が期中における購入価額を反映していないとしても、何ら問題はなく、このことは事故賠償金についても同様である。 なお、仮に、それらの価額が控訴人の主張金額以上に存 要は何ら存しない。したがつて、その価額が期中における購入価額を反映していないとしても、何ら問題はなく、このことは事故賠償金についても同様である。 なお、仮に、それらの価額が控訴人の主張金額以上に存在するというのであれば、被控訴人において、それを認めるに足りる資料を提出して立証すればよいのであつて、そのことのゆえに、本件推計課税そのものが合理的でないというのは相当でない。また、支払手形は手形を振出しながらいまだ決済を終えていないものをいうのであるから、その実質は借入金と異ならず、被控訴人が主張するような借入金と相関関係にあるものではないから、支払手形の増加を認めたからといつて、借入金の増加を認めなければならない必然性は存しない。以上のとおり、控訴人の主張する金額には当時の被控訴人の事業の実態が反映さ- 9 -れていないとの点は、純資産増減法における各勘定科目の金額の意味についての誤解に基、、。 、づくものでありそれによつて本件推計課税の合理性が損なわれるものではないまた(4)当時の被控訴人の事業における特殊事情が考慮されていないとの点についてであるが、推計課税において特殊事情の存在が問題となるのは、同業者率を採用した場合にその同業者の類似性を判断する場合であつて、本件推計課税のように、被控訴人本人の本件各係争年分の純資産を把握してなされた場合には問題となり得ない。けだし、その純資産の増減のなかにそれらの事情はすでに反映されているからである。このように被控訴人の指、。 摘するところはいずれも本件推計課税の合理性を損なうものでないことは明らかである(2)本件明細書の信用性(ア)本件明細書は、その記載の態様から明らかなように、取引先別に一か月分ごとの取引額を一括した一覧表形式のものであつて、日々の取引の経過や各勘定科目の相互の関 である(2)本件明細書の信用性(ア)本件明細書は、その記載の態様から明らかなように、取引先別に一か月分ごとの取引額を一括した一覧表形式のものであつて、日々の取引の経過や各勘定科目の相互の関係が把握できるような記載形式を整えているものではなく、また、本件各処分がなされた後、異議申立までの約一か月の間に、被控訴人の妻であるAが作成したというものであつて、本件係争各年分における個々の取引の過程において作成されたものでないことが明ら。 、、かであるさらに同明細書に記載された取引先の数がきわめて多数であるのに対比してその作成期間が非常に短いことなどをも併せ考慮すると、同明細書記載の取引金額は、被控訴人側において本件各処分がなされた後に、これに対抗する自己の主張を構成するため一方的に記載したものであつて、相手方である取引先の確認を得ていないものであり、被控訴人の主張と何ら異なるところはないというべきである。 さらに、本件明細書は、その記載の態様から会計の準則に従つて日々の取引の結果を正確に記載したものであるとの保証は全く存しないばかりか、その作成の過程において売上の、、、除外架空経費の計上などといつた人為操作の入り込む余地が大きくそれ自体としては同明細書に記載された取引以外の取引が存在しないことはもとより、これに記載された取引が存在することをも何ら証明するものではないといわなければならず、同明細書をもつて実額認定の資料となし得るためには、さらに、日々の取引を正確に記帳した各種帳簿、伝票、領収書等の証拠(原始資料)によつて客観的にその記載が裏付けられなければならない。 (イ)本件明細書作成について職業会計人として関与したB税理士は、石炭箱の中に伝票類がバラバラに、また、かなり乱雑に、整理されていない状態で入つていたことを目撃している けられなければならない。 (イ)本件明細書作成について職業会計人として関与したB税理士は、石炭箱の中に伝票類がバラバラに、また、かなり乱雑に、整理されていない状態で入つていたことを目撃しているとしても、石炭箱の個数については明らかでなく、その伝票の種類については全く確認していないのであつて、被控訴人が作成保存していたと主張する請求書、領収証、契約書、入金・出金伝票、手形・小切手控等の原始資料が現実に作成保管されていたかどうかも明らかではない。 また、Bは本件明細書の基礎になる伝票とか各証票書類その他については見ておらず、原始資料と本件明細書との照合は全くしていないのであつて、事故賠償金については、具体的な資料を一切見ずに被控訴人の主張を鵜呑みにしているものである。 そして、収支計算の基礎になる数字そのものの整理は被控訴人側において行い、Bにおいては収支計算書を作成するに当つて、科目の整理を行つたのみであり、基礎的な数字の集計についての指導の内容については、取引先別、月別に各項目の集計をするよう指示したのみで、原始資料や取引銀行での確認に基づいて基礎的な数字を計上しなければならない- 10 -旨の指示をしていないのである。 以上のとおり、Bは収支計算書を作成するに当つて、自らが科目整理を行うに際しても原始資料と本件明細書との照合、原始資料の点検については全くしていないのであつて、本件明細書が、被控訴人主張のように、税理士の指導のもとで原始資料に基づいて作成されたとはいい得ない。 ()、、、ウ被控訴人は原処分時の調査に際し税務職員からの質問に対し殆んど応答せずまた、帳簿等の提示要求に対しても、納税相談の際に税務署へ預けたままであるので手元にないとしてその提示を拒み、さらに審査請求時の調査に際しては、訴訟をするから一切の協力 らの質問に対し殆んど応答せずまた、帳簿等の提示要求に対しても、納税相談の際に税務署へ預けたままであるので手元にないとしてその提示を拒み、さらに審査請求時の調査に際しては、訴訟をするから一切の協力及び資料の提示はしないと明言し、取引先の住所などを明らかにするよう求めた大阪国税局の協議団からの照会に対しても回答しなかつた。 このため、原処分庁は反面調査によつて被控訴人の事業所得金額を算定しようとしたが、前記(一(1(オ)において述べたとおり、被控訴人の取引先の数がきわめて多数で))あり、取引銀行の調査などによつてその全取引先を把握するのは著しく困難であるうえ、漸く把握した取引先についても、その事務所がすでに移転していたり、帳面をつけていなかつたりなどして取引金額の調査をすることができないなど、その反面調査が非常に難航したため、売上げ及び必要経費の各金額を正確に把握しなければならない損益法(収支計算法)によつて事業所得の金額を算定することはできないと判断し、純資産増減法によつて右所得金額を推計することとしたものであり、また、前記協議団においても、被控訴人から提出された収支計算書などを検討した結果、一方において、売上げについての計上漏れがあつたり、経費についての過大計上があるなど、その収支計算書を全面的に信頼できないことが明らかになるとともに、他方において、被控訴人から右収支計算書の関連書類の提出やそれに関する質問への誠実な回答などがなく、反面調査の結果だけでは十分に調査できない点が残ることが明らかとなつたので、損益法に頼ることはできず、純資産増減法によつて被控訴人の事業所得金額を推計するほかはなかつたものである。このような調査経過に照らすと、被控訴人側の調査が被控訴人の取引先につき、ほぼ網羅的に行われたものとは到底認めることができない 減法によつて被控訴人の事業所得金額を推計するほかはなかつたものである。このような調査経過に照らすと、被控訴人側の調査が被控訴人の取引先につき、ほぼ網羅的に行われたものとは到底認めることができない。 (エ)したがつて、本件明細書が正式の帳簿に準ずるものとして十分信用できるとし、同明細書のみに基づいた収支計算をもつて、正規の会計原則に基づいたものとする被控訴人の主張は明らかに失当であり、控訴人側による被控訴人の取引関係についての調査結果中、本件明細書の記載と食い違いのある部分が、同明細書記載の夥しい全取引数に占める割合は僅かである以上、解明不能の不一致部分の残存をもつて同明細書記載の他の取引についての記載の信用性を否定する根拠とすることは当を得ないとし、さらに、同明細書記載の各取引中、反対証拠が提出されている取引以外の各取引については、他に特段の事情が認められない限り、反証なきものとして、その記載に従う存在を肯認することが相当であると判示して、本件明細書を実額認定の基礎資料として十分に使用に耐え得るものであるとした原審の認定判断は、控訴人側が被控訴人の取引関係につき克明かつほぼ網羅的な調査を行つたとの誤つた前提のもとになされたものであるうえ、被控訴人の非協力などによつて実額認定をなし得るだけの調査結果を得ることができないため、やむを- 11 -得ず推計課税をなすに至つた控訴人側に対し、被控訴人が実額反証として主張した各取引の不存在の証明を強いるものにほかならず、その不当であることは、これまですでに詳述したところから明らかである。 (3)本件ノートの存在及び紛失の有無(ア)控訴人は、後述するとおり、本件ノートなるものが存在したことはもとより、昭和四二年四月控訴人による株式会社藤岡組の昭和三九年一二月期分から同四一年一二月期分までの三 ートの存在及び紛失の有無(ア)控訴人は、後述するとおり、本件ノートなるものが存在したことはもとより、昭和四二年四月控訴人による株式会社藤岡組の昭和三九年一二月期分から同四一年一二月期分までの三事業年度分の法人税調査(以下「別件税務調査」という)の際、紛失したこ。 とを争うものであるが、仮に本件ノートが存在したとしても、被控訴人は、原処分調査の際にも、その後昭和四一年六月までになされた異議申立や審査請求の際にも、本件ノートを被控訴人の事業所得金額を明らかにするための資料として提出せず(この時期に本件ノートが紛失していなかつたことは被控訴人の主張自体から明らかである、また、被控訴。)人の妻Aは、本件明細書を作成するに当つて原始記録を資料としたというのであり、被控訴人自身も原始記録のうち、一部は原審で審理中の昭和四七、八年ころまで、残りは原判決が言渡された昭和五六年ころまでの間保存していたというのであつて、被控訴人は、原処分、異議申立及び審査請求のいずれの段階においても、原始記録を保存していたにもかかわらず、これを全く提出せず、本訴においても、原始記録のうち若干の領収書等を提出しただけで、その殆んどを提出していないのであるから、たとえ本件ノートが提出されたとしても、その記帳の基となつた原始記録との照合、確認によつてその正確性を具体的に検証することは全く不可能である。しかも、本件ノートを資料として作成されたという本件明細書には前記(二(2(ウ)において述べたとおり、))売上げの脱漏や経費の水増し計上など、多くの誤記、脱漏があつて到底正確なものといい難く、このことは本件ノート自体の正確性を疑わしめるに十分である。加えて、本件ノートの存在及び内容を証明すべき証拠は、原審証人Aの証言、原審及び当審における被控訴人本人の供述以外には存在 ものといい難く、このことは本件ノート自体の正確性を疑わしめるに十分である。加えて、本件ノートの存在及び内容を証明すべき証拠は、原審証人Aの証言、原審及び当審における被控訴人本人の供述以外には存在しないうえ、それらによつても、本件ノートの具体的な作成方法やその記載内容の詳細などその正確性を判断するうえで基本的かつ重要な事項がきわめて不明碓であり、およそ「日々経理関係の事項について概ね忠実に記載されていた」などと認められるものではない。 以上の諸点を総合して考慮すると、本件ノートは全体としてその正確性に乏しく、被控訴人の本件各係争年分の経理の実体を正確には記帳していないものと推認するのが相当であつて、その記帳の基となつた原始記録との照合、確認によつてその内容の正確性を具体的、。 、に検証したうえでなければ到底措信しがたいものといわなければならないしたがつて右の原始記録の殆んどが提出されていない本訴にあつては、たとえ本件ノートが証拠として提出されたとしても、それをもつて、被控訴人の本件各係争年分の事業所得を実額によつて認定するための直接資料とはなし得ず、また、本件明細書の正確性が立証されたことにはならない。 そうだとすると、控訴人の別件税務調査の際本件ノートが紛失したか否かにかかわらず、本訴にあつては、本件明細書の正確性についての被控訴人による立証はきわめて不十分であるというべく、その原因は、前述したところから明らかなように、被控訴人が原始記録- 12 -の殆んどを証拠として提出しなかつたことにあるのであるから、本件明細書の正確性が立証されていないことの不利益を被控訴人に負担させることは何ら酷なことではない。 (イ)ところで、控訴人が本件ノートを紛失したか否かの点については、被控訴人は、別件税務調査の際に税務職員Cらが本件ノートを持帰つ ないことの不利益を被控訴人に負担させることは何ら酷なことではない。 (イ)ところで、控訴人が本件ノートを紛失したか否かの点については、被控訴人は、別件税務調査の際に税務職員Cらが本件ノートを持帰つたまま返還しない旨供述しているのに対し、右Cは、別件税務調査の際に、株式会社藤岡組の営業に関するメモ一枚を紛失したことはあるものの、同会社の事業内容を把握するのに関係がない本件ノートを持帰つたり、紛失したりはしていない旨証言し、結局、右両者のいずれが措信できるかとの問題に帰着するが、以下に述べるとおり、被控訴人の供述は、本件ノートの作成者、紛失の時期等の重要な点において著しく変遷しており、一貫性を欠いているうえ、その供述内容自体にも不自然な点が多いばかりか、被控訴人の妻Aや当時同会社の従業員であつたDの各証言とも符合しない点がみられるなど到底信用できないものであり、右Cの証言こそが措信し得るものである。以下項を改めて検討する。 (ウ)被控訴人は、原審において、当初(昭和五四年一〇月五日の時点まで)は、経理は妻Aが簡単な帳面(きつちりした帳面ではない)をつけているくらいのことで、帳面。 類の紛失については、昭和三七年三月の申告相談の際に売上ノートと仕入ノートの二冊を預けたが返却されなかつた旨供述し、別件税務調査に関しては、入札書類の紛失のみが強調され、預り証記載の銀行勘定帳は個人の分である旨の供述があるのみで、ノートの紛失について言及されていなかつた(右供述どおりであるとすれば、本件明細書作成当時にはノートが手元になかつたこととなり、ノートを資料として本件明細書を作成した旨の証人Aの証言と矛盾する。ところが、その後(昭和五五年三月六日の時点では)これまでの。)供述を変更し、Eという事務員が黒い表紙のノート一、二冊に売上げ及び支払関係の事項 本件明細書を作成した旨の証人Aの証言と矛盾する。ところが、その後(昭和五五年三月六日の時点では)これまでの。)供述を変更し、Eという事務員が黒い表紙のノート一、二冊に売上げ及び支払関係の事項を記帳しており、本件明細書の売上げは右ノート(以下「Eノート」という)を基にして。 作成したもので、これによつて売上げのすべてを把握できた筈であり、前記申告相談の際には、Eノートのうちの昭和三六年分を帳面一冊に書き写し、その写した帳面を預けたのであつて、Eノート自体は手元に残つていたが、別件税務調査の際に前記CがEノートを二冊とも持帰り返却しなかつた旨供述するに至つたものである。 ところか、さらに被控訴人は、当審(昭和五九年八月二日、同年一〇月一八日の時点)において、Eは主として売上げを記帳し、妻Aは経費関係をつけており、前記申告相談の際預けたのは、Eが記帳していた帳面(Eノート)と妻Aがつけていた帳面(以下「Aノート」という)からそれぞれ昭和三六年分を抜すい一(書き写し)したものであり、預り。 証記載の銀行勘定帳は、Eが記帳していた被控訴人の個人営業当時の分(売上関係に関する帳面)で、鍵のかかつた机の引出しの中に入れてあつた旨供述した(右供述どおりであるとすれば、Aノートはこれと関係なく被控訴人の手元に残つていることとなる。 )が、その後控訴人指定代理人の追及に対し、別件税務調査の際にCが持帰つたまま返却しない帳簿には、EノートだけでなくAノートも含まれていた旨供述するに至つたものである。 - 13 -このように、被控訴人の一連の供述は、ノートの作成者、その紛失の時期など基本的かつ重要な事項について著しく変遷しており、その内容がきわめて不明確であつて、CがEノート及びAノートを持帰つたとの点はもとより、ノートに関するその他の点についても到 成者、その紛失の時期など基本的かつ重要な事項について著しく変遷しており、その内容がきわめて不明確であつて、CがEノート及びAノートを持帰つたとの点はもとより、ノートに関するその他の点についても到底措信できないものである。 また、被控訴人の供述には、次のような不自然な点が多く存在する。すなわち、前記申告、、相談において指導を受けるためであればノートそのものを持参すればそれでことが足り何もわざわざ手間ひまかけて膨大な量にのぼる昭和三六年度分の取引を別途抜すいし書き写した帳面を持参しなければならない必要性はないこと、Cらが別件税務調査の際、被控訴人の了解を得ないで社長室の机の中の書類を持帰つたというのであれば、被控訴人は、事務員から報告を受けて直ちにこれに対して抗議すべきであるのに、現実にはその翌々日になつてから抗議し、しかも抗議の内容は大阪府の入札関係の書類(Cの証言によれば選挙関係のはがき)の紛失についてであつて、預り証記載の書類に関するものでないこと、、、Cが持帰つた書類を返却した際預り証記載以外の書類を所持していたというのであるがCが持帰つたものは、預り証記載の書類だけであり、それ以外のものを持帰つたことなどあり得ないこと、警察へ通報したのは、入札関係の書類が紛失したことについて、大阪府の担当係長から警察へ届けて証明できる書類をもらうようにいわれたためであるというのであるが、現実には被害届は提出されておらず、被控訴人自身当初からその届出を拒み、刑事事件として立件されることをもともと意欲していなかつたことなど明らかであり、被控訴人主張の書類紛失盗難の事実自体きわめて疑わしいというべきである。 さらに注目すべきことは、本件明細書を作成したという被控訴人の妻Aの証言中には、Eが経理関係の事項をノートに記帳していたとの事実や、別件税務調 書類紛失盗難の事実自体きわめて疑わしいというべきである。 さらに注目すべきことは、本件明細書を作成したという被控訴人の妻Aの証言中には、Eが経理関係の事項をノートに記帳していたとの事実や、別件税務調査の際、EノートないしAノートが紛失したとの事実について、これを窺わせるような証言部分が皆無であるということである。このことは、仮にEが何らかのノートを記帳していたとしても、そのノートは被控訴人の事業所得金額を算定するための資料とはなし得ない性質のものであること及び別件税務調査の際に税務職員が紛失したとされるものが本訴とは関係がないものであつたことを推認させるものである。 (エ)他方、証人Cは、別件税務調査の状況につき詳細に証言しているが、何ら不自然なところはなく、右証言は、十分に措信し得るものである。被控訴人は、ノートの紛失につきるる主張するが(1)Cは、昭和四二年四月三日被控訴人方に別件税務調査に赴い、た際、被控訴人が調査の途中で、その従業員Eに応待を任せて外出したため、提示を受けた資料について同人に説明を求めたが、それに答えられなかつたので、B税理士事務所の事務員の立会のもとに調査を進めたものである。同事務所では、顧問先の会社の税務調査がある場合には必ず税理士または事務員が立会つており、同事務員Fは、警官が出勤した日に立会つたことを記憶している旨証言しているものの、それ以外の日に立会つたか否かについては明らかにしていないのである。また(2)Cは、別件税務調査において、株式、会社藤岡組の昭和四一年一二月期の帳簿に賢明学院からの工事代金の入金事実が記帳されているか否かを確認するため、預り証(甲第三四号証)記載の書類を持帰つたのであり、これに記載の「銀行勘定一冊」はまさに同会社の右事業年度における銀行勘定に関する帳簿- 14 -書類 事実が記帳されているか否かを確認するため、預り証(甲第三四号証)記載の書類を持帰つたのであり、これに記載の「銀行勘定一冊」はまさに同会社の右事業年度における銀行勘定に関する帳簿- 14 -書類であつて、これが本件各係争年分の被控訴人個人の事業所得に関する本件ノートでないことは明らかである。銀行の反面調査は、納税者の銀行勘定帳の会計処理が正当か否かを確認するものであつて、銀行の反面調査ができるからといつて、銀行勘定帳の調査が不要であるとはいえない。なお、被控訴人はCに対し、賢明学院からの工事については仲介をしただけであると説明しているものの、右工事代金は、帳簿処理上被控訴人から株式会社藤岡組への貸付金とされているのであつて、このことは、売上除外による資金を架空借入金として受け入れた典型的な脱税行為とみることができるのであり、控訴人は右賢明学院からの所得が正規に計上されていたことを認めているものではない。さらに(3)Cが社長室の机の引出しの中に同会社の営業に関する書類が入つていると考えるのは当然であり、同会社の名前が記載されていたり、その作成日付などから同会社の資料と思われるメモや伝票等の提示を求めて調査したが、その改変を防ぐためこれを持帰つたものであり、預り証記載の書類(これが被控訴人に返還された後、証拠として提出されていない)が同会社の書類でなく、被控訴人個人のも。 の()、、私物であるとの点については被控訴人本人の供述以外にこれを裏付ける証拠はなく右供述は到底措信しうるものではない。また(4)被控訴人は、警察へ通報したのは、、入札関係の書類が紛失したためであると主張するが、被控訴人は同会社の従業貝であるDから、同人のかつての上司であつた大阪府警察本部のGを紹介され、同人を通じて堺北署に積極的に働きかけた結果、私服警官 入札関係の書類が紛失したためであると主張するが、被控訴人は同会社の従業貝であるDから、同人のかつての上司であつた大阪府警察本部のGを紹介され、同人を通じて堺北署に積極的に働きかけた結果、私服警官が出勤したものと考えられ、別件税務調査の経緯に照らすと、同会社に売上げの脱漏があるとの事実を既につかんでいた右Cらの右調査がさらに進展することを阻止せんがために、これに対するいやがらせとして警察への通報に及んだものと解するのが合理的である(5)預り証の預り品名欄の右側に鉛筆でチエツクが。 なされているが、これが警察官によつてなされたものであることについては、その警察官は、、特定されていないしその場に居合わせたという前記Fも全く関知しないところであつて被控訴人本人の供述以外にはこれを認めるに足りる証拠はなく、右供述は措信することができない。 なお、税務調査は任意調査であるため、通常納税者と調査担当者の間には、一定の信頼関係が保たれており、書類等の預り証の作成にあたつても、強制調査の場合と異なり、ある程度簡略化されているのが通常であつて、Cが預かつた書類を翌日には返還する意図であつたことを併せ考えると、書類の特定に関し詳細な記載がなかつたり、名下に押印がなされなかつたとしても、預り証として不備があるわけではなく、通し番号を誤つたことや複写の点についてはこれを取り立てて問題にすべき事柄ではなく、また、Cが弁解用に急拠作成したものであるならば、同人が現に所持している書類のみを記載すれば足りるのであつて、所持していない書類まで記載することは不可能であるといわざるを得ず、被控訴人の主張は失当である。 さらに、被控訴人からの申出事項などを記載した前記協議団の協議官H作成の処理経過表及びこれに対する被控訴人の対応などに照らすと、被控訴人は控訴人に対しその ざるを得ず、被控訴人の主張は失当である。 さらに、被控訴人からの申出事項などを記載した前記協議団の協議官H作成の処理経過表及びこれに対する被控訴人の対応などに照らすと、被控訴人は控訴人に対しその事実がないのに関係書類を控訴人に預けたとか、控訴人がこ- 15 -れを紛失したと称して、自己に対する課税処分を免れようとする意図が十分に窺え、被控訴人の書類紛失に関する主張は、全体として措信し得ないものである。 (4)証明妨害について原判決は、控訴人による別件税務調査の際に本件ノートが紛失したとの事情のもとでは、右ノート不提出の不利益を被控訴人に負担させることは酷であると判示しており、これによつていかなる効果を認めたものであるかは必ずしも明らかではないが、被控訴人が負担する本件明細書の正確性についての立証責任を著し~軽減し、結果的には、被控訴人がその立証責任を尽くしていないにもかかわらず、本件明細書の正確性が具体的に検証されたのと同一の効果を付与し、控訴人に対しこれが正確でないことについての立証責任を負担せしめたものと考えられる。 ところで、控訴人が本件ノートを紛失したとの認定事実が誤りであることは前述のとおりであつて、本件ノートの不提出の不利益を被控訴人に負担させないとする原判決の立論はその前提を欠き失当というベきであるが、いわゆる一般的な証明妨害の問題に関しては、民訴法上明文の規定を欠き、また、これに関する裁判例もなく、学説上もその要件及び効果について定説をみないが、民訴法三一七条の規定や判例、学説によると、当事者の一方が相手方の立証を妨げる行動をした場合に、それを理由として、反対事実の証明がない限り、相手方の立証責任事実を真実なものと推定するためには、右妨害をした当事者が故意にその妨害行為をしたことを要するものと解するのが相当である。 をした場合に、それを理由として、反対事実の証明がない限り、相手方の立証責任事実を真実なものと推定するためには、右妨害をした当事者が故意にその妨害行為をしたことを要するものと解するのが相当である。 被控訴人は、同条の使用妨害の目的とは、訴訟上書証として用いることを妨害する意図が、、、あればよく特定人を相手方と意識したり妨害の目的が具体的であることは必要でなく当該文書が存在しては相手方に利用されて自己に不利益になるかもしれないと考える程度で足りると主張しており、右主張の当否はさておくとしても、Cは当時堺税務署法人税部門上席調査官であり、本件訴訟に関する事務分掌を有しない者であつて、本件訴訟について全く知らないまま株式会社藤岡組の別件税務調査に臨んだことが明らかであり、同人に訴訟上書証として用いることを妨害する意図があつたとはいえないというべきであつて、被控訴人の主張は失当である。 (5)借入金について(ア)課税庁が推計課税(資産増減法)により所得を算定したのに対し、納税者が課税庁認定の額を上回る借入金の存在を主張して争う場合においては、右借入金のような所得、、金額計算上の消極事由は納税者において立証する責任を負うものと解すべきであるから本件借入金についての主張、立証責任が被控訴人にあることは明らかである。 (イ)被控訴人主張のIらからの本件借入金は、いずれも被控訴人が課税処分を免れる、、ための手段として用いた架空のものでありその手口は売上の一部を除外することのほか既に倒産している取引先である弥栄重機株式会社の場合のように、相手方名義の領収証を偽造するといつた方法によつて、多額の架空外注費等の経費を計上したうえ、その外注費等を帳簿上支払つたかのように見せかけて、右架空計上相当分の現金を簿外とし、その一方で右Iらからの多額の架 の領収証を偽造するといつた方法によつて、多額の架空外注費等の経費を計上したうえ、その外注費等を帳簿上支払つたかのように見せかけて、右架空計上相当分の現金を簿外とし、その一方で右Iらからの多額の架空の借入金を計上して帳簿上のつじつまを合わせるといつたやり方をとつていたものである。 (ウ)しかしながら、右借入金の真偽を判断するにあたつては、単に本件係争年度の枠の中だけで考察するのは相当でなく、その前後の年度における納税申告の状況や被控訴人- 16 -の納税に対する意識、性格等をも含めた全体的視野に立つて判断する必要がある。 ところで、被控訴人は昭和三八年一月にそれまでの個人営業を会社組織に改め、以後株式会社藤岡組の代表者として業務全般を統括しているものであるが、同会社は昭和五二年一一月二五日ほ脱の容疑で大阪国税局査察部の強制捜査を受け、引続き調査中であつたにもかかわらず、被控訴人は右調査継続中の昭和五三年一月中旬ころから同年二月一〇日(昭和五二年一二月期の確定申告日)までの間に西野秀雄に指示して新たに数千万円にものぼる架空の外注費ないしは未払金を計上させるなどの操作をしたうえで確定申告をし、昭和五四年三月七日の収税官吏に対する質問てん末書において、長年にわたつて同じ手口で脱税を繰返していた事実を自認し、昭和五五年九月一九日大阪地方裁判所において法人税ほ脱事件につき有罪判決(確定)を受けたが、右事件における脱税の手口も本件の場合と基本的には同一である。 これらの事実はいずれも被控訴人が本件各係争年度島時から法人成り後の昭和五二年一二月期の事業年度に至るまでの間、長年にわたり継続して同様の手口による租税回避行為を続けていたことを窺わせるものである。 (エ)被控訴人主張の代物弁済は、被控訴人が右Iらと通謀のうえ、本件借入金がいかにも真実存在 至るまでの間、長年にわたり継続して同様の手口による租税回避行為を続けていたことを窺わせるものである。 (エ)被控訴人主張の代物弁済は、被控訴人が右Iらと通謀のうえ、本件借入金がいかにも真実存在したかのように思わせるためのみせかけの措置にすぎない。すなわち、代物弁済を原因とする所有権移転登記ないし仮登記は、折から控訴人部下職員ならびに大阪国税局協議官らによる調査が行われていた審査請求の係属中に相前後して一斉になされており、被控訴人主張の本件借入金債務が個人営業時代のものであるとしても、法人成りした時点において当然に会社に承継されたとみるべきであるのに、それを被控訴人の個人所有不動産をもつて代物弁済に充てるごときは、常識では考えられず、また、本件借入金はいずれも無利息、無担保で、借用証すら作成しなかつたというのであるが、それが突如とし、。 、て代物弁済をしその登記まで了するなどということはいかにも不自然であるなぜなら<地名略>の物件を鳩タクシー、南海電気鉄道に転売した件にしても、その交渉等はすべて被控訴人において行つているのみならず、売買代金そのものもJに交付された形跡はなく、被控訴人において自由に処分しているとみられるほか、右転売した物件以外の不動産の権利証は被控訴人が保管し、また、同町今熊の物件については、新たに債権者を大阪府中小企業信用保証協会、債務者を株式会社藤岡組とする根抵当権設定登記がなされ、さらには、大阪市<地名略>の土地についてはその土地上に鉄筋四階建の同会社大阪支店のビルが建つており、堺市<地名略>の土地は同会社の倉庫として使用されていること等の事実を仔細に検討すれば、Iらが代物弁済等によつて右各物件を取得しなければならないだけの実質的理由も、その必要性もなければ、権利者としての実体は何ら備わつていなかつたこと、換 使用されていること等の事実を仔細に検討すれば、Iらが代物弁済等によつて右各物件を取得しなければならないだけの実質的理由も、その必要性もなければ、権利者としての実体は何ら備わつていなかつたこと、換言すれば、物件の所有名義を形式上他に移したといつても、それは単にみせかけにすぎず、その実体は右各不動産が現に被控訴人所有のものであることについて疑問をはさむ余地はないと認められるからである。 (オ)被控訴人は、Kが代物弁済で取得した戎島東の土地上の倉庫を藤栄建設株式会社に賃貸していると主張するが、同会社は、被控訴人の元雇人であるL、E、実弟であるMらによつて経営され、株式会社藤岡組と密接な関係を有する関連会社であり、その賃貸借契約書は、控訴人が原審から右代物弁済の不存在を主張していたにもかかわら- 17 -ず、当審において昭和五九年八月二日に至りはじめて提出され、その契約日は昭和五五年四月二〇日、期間は昭和五六年四月末までとされており、その後の契約状況は明らかでなく、賃料を支払つた領収証も提出されていないことなどを総合すると、右契約は、控訴人の右主張に対抗するため、右K名義の土地を倉庫として使用していることを合理化するためになされたものと思われ、また、Iが代物弁済で取得した北島町の土地(ただし、Nの所有名義になつている)について、Nと株式会社藤岡組との間になされた賃貸借契約書。 についても、同様昭和五九年八月二日に至りはじめて提出され、その契約日は昭和五七年一二月二〇日、期間は二年とされていて、被控訴人は、それ以前から賃借しこれまで何回か更新していると供述してはいるものの、賃料を支払つた領収証も提出されていないことからすると、右契約も前同様、同会社が右土地を使用していることを合理化するためになされたものと思われる。 また、被控訴人は、右Iに ると供述してはいるものの、賃料を支払つた領収証も提出されていないことからすると、右契約も前同様、同会社が右土地を使用していることを合理化するためになされたものと思われる。 また、被控訴人は、右Iに対する借入金の返済を代物弁済でなしたほか、残金一二五〇万円を昭和四〇年一月ころから昭和四九年ころまで、毎月一〇万円または一五万円あて分割して返済した旨主張するが、右返済に関する領収証その他の書証については全く提出されていないうえ、右I自身前記協議団審査第六部のOからの照会に対し、北島町の土地については、昭和三二年中に被控訴人に貸付けた五〇〇万円の代物弁済として受領した旨回答しているのであるから、被控訴人の主張はにわかに採用することができない。なお、被控訴人は、前記法人税ほ脱事件について述べたとおり、右Iと通謀して同人からの多額の架空借入金を計上して脱税していたものであり、仮にそうでないとしても、架空計上した借入金について右Iに対して国税局の調査や検察官の取調べの際には、被控訴人主張の金額と同額の貸付をした旨供述するよう要請していることに加え、被控訴人と右Iとの密接な関係が続いていたことを総合すれば、本件各係争年においても右と同様の手口によつて借入金を架空計上していたものと考えられる。 さらに、被控訴人がJに代物弁済したと主張する狭山町の土地一三筆のうち、<地名略>一反三畝歩の土地については、、、、未だ登記簿上代物弁済されていないばかりか<地名略>二畝二〇歩<地名略>二六歩、、<地名略>一畝歩の合計三筆の土地については代物弁済の登記は一応了しているもののその後右登記は錯誤を理由として抹消されている。 被控訴人の主張(一)推計課税について推計課税が適法として是認されるためには、推計課税が合理的でなければならないが、そのためには、推 るもののその後右登記は錯誤を理由として抹消されている。 被控訴人の主張(一)推計課税について推計課税が適法として是認されるためには、推計課税が合理的でなければならないが、そのためには、推計の基礎事実が確実に把握されており、具体的事案においてその推計方法の適用が最適であり、その推計方法が真実の所得金額に近似した数値を把握し得るような客観的なものでなければならない。 本件において、控訴人が行つている純資産増減法による推計課税は、推計の基礎事実である資産及び負債の増減が確実に把握されていないから許されない。すなわち、(1)被控訴人の本件各係争年分の総所得金額について、控訴人が主張する金額は、本件各処分時、本訴の段階(昭和四二年三月三〇日付及び昭和四三年六月二六日付各準備書面)において、日時の経過とともに大幅に増加しており、基礎事実の把握がきわめて杜撰- 18 -である。これに対し、原判決は、収支計算による実額の認定として、昭和三五年分二〇四一万二一五二円、昭和三六年分三六八〇万六九〇二円の損失を認めたのであるが、本来所得額の認定は、収支計算による実額によろうが、推計課税によろうが、近似しなければならないのであつて、原判決の認定した金額と控訴人の主張立証する金額との間に大幅な違いがあるのは、控訴人の推計課税において基礎事実の把握が不確実であり、推計方法の選択を誤つたからである。 (2)被控訴人は、昭和三〇年ころから建材の販売を行つていたが、順次土木請負工事に手を広げ、昭和三四年一一月から昭和三七年六月までの間、八幡製鉄株式会社の堺臨海工業地帯約七万坪の埋立工事を下請けし、これにより急激に事業活動を拡大するに至つたものであり、その工事の方法は平均水深六メートルの海面を指定された良質の山土をもつて埋立てるというものであり、当時はこの種 地帯約七万坪の埋立工事を下請けし、これにより急激に事業活動を拡大するに至つたものであり、その工事の方法は平均水深六メートルの海面を指定された良質の山土をもつて埋立てるというものであり、当時はこの種工事の走りであり、全力を投じてこれに取組んだが、そのため大量の山土等の原材料、建設機械、車両運搬具等を購入し、あるいは多額の損害賠償責任を負担し、その資金の一部として、被控訴人主張の相当の借入をなしたものである。 (ア)被控訴人は、山土等の購入代金として、昭和三四年末、Pに三三〇〇万円を預託し、同人を介して昭和三五年中に一四五〇万円、昭和三六年中に九五〇万円の山土等を購入した(右Pが協議団の調査に対し回答している金額は、一部の数字で正確なものでない。控訴人主張の原材料、土地の本件各係争年分の期首ないし。)期末(以下「各基準日」という)の金額は、被控訴人の事業の実態を反映していない。 。 (イ)建設機械、車両運搬具の増加に連動する控訴人主張の支払手形の各基準日の金額は、被控訴人もこれを認めるものであるが、右の如き多額の支払手形を決済し、かつ、後記の事故賠償金を支払うためには、控訴人主張程度の借入金で賄うことはできなかつた。 (ウ)被控訴人は、本件各係争年度において、山土を工事現場まで搬出しなければならず、その作業に関連して相当の交通事故が発生したが、控訴人の推計課税においては、これが全く把握されていない。 (3)被控訴人の本件各係争年度における主たる事業は、かつて経験のない海面の埋立工事であつたため、山土等の原材料を購入するに当つても、必要の都度、必要な限度で購入すればよいというものではなく、土質の検査、工事現場との距離、採取の難易、売主の希望等で、大量に、場合によつては底地のまま買入れなければならず、それも地主の有力者に大金を預託して 、必要な限度で購入すればよいというものではなく、土質の検査、工事現場との距離、採取の難易、売主の希望等で、大量に、場合によつては底地のまま買入れなければならず、それも地主の有力者に大金を預託して全面的に交渉権を委ねるというものであつた。また、被控訴人は、昭、、和三七年七月以降も同規模程度の埋立工事を請負うことができると考えており建設機械車両運搬具等も必要な都度購入し、短期間に資産の著しい増加を来たしたが、反面、負債においては、相当の借入等をせざるを得なかつた。しかるに控訴人は、このような特殊事情を考慮せず、借入金等の債務の存在を軽視する等して、真実の所得金額に近似した数値を客観的に把握できなかつたものである。 (二)実額の主張と立証責任について所得額の認定は、可能な限り実額によるべきであり、推計課税が合理的であつても、納税者の実額の主張が認められ、その主張、立証責任は納税者が負うとするのが、学説判例の通説である。控訴人はこの点に関連し、納税者は「合理的な疑いを容れない程度」にま、- 19 -で立証を尽くすべきである旨主張するが、民事(行政)訴訟においては、一般に「証拠の優勢(優越」で足りるのである。換言すれば、)実額課税も推計課税も客観的に存在する所得を認識するための差にすぎないのであるから、その存在をある程度合理的に推測させるに足りる具体的立証まで行えばよいのである。そうでないと、対等な当事者間の民事(行政)訴訟では、立証責任を負担する者に不利益となりすぎる。 ところで、立証責任は、その事実の存否不明のときに、いずれか一方の当事者がその事実を要件とした自己に有利な法律効果の発生が認められないことになる危険または不利益を負担することであるが、実務ではそれ以前において、どの程度の立証によつて事実を認定されるかが重要である 事者がその事実を要件とした自己に有利な法律効果の発生が認められないことになる危険または不利益を負担することであるが、実務ではそれ以前において、どの程度の立証によつて事実を認定されるかが重要である。原判決が被控訴人及び控訴人が提出した一切の証拠資料及び弁論の全趣旨に基づき、収支計算に基づく実額を認定して、被控訴人の請求を容認したのはきわめて正当である。 (三)本件明細書の信用性について(1)被控訴人は、本件各係争年度において、かなり膨大な量の手形・小切手控、人夫の判取帳等の資料を保管し、また、経理担当者が日々の売上げ及び仕入れ等の経理関係の事項をメモしたノートを作成していた。すなわち、被控訴人の経理については、Eが主として売上げ関係を、被控訴人の妻Aが支払関係をそれぞれ担当しており、売上げについては、請求書、領収証控、納品書控、入金伝票等の原始資料、支払については、手形・小切手控、出金伝票、領収証、判取帳、事故の示談書、建設機械等の契約書等の原始資料がいずれも保管されていた。そして、売上げについては主として右Eが取引先別、現場別の取引額と集金状況を日々克明にノートに記帳し、経費については主として妻Aが同様にノートに記帳していた。なお、右Aは子供が小さかつたこともあつて、Qを補助に使用し、同人が被控訴人から手形・小切手帳、実印等を預かつて支払関係の仕事をしていたにすぎない。このような帳簿に準ずる収支のノートがないと、かなり膨大な取引先との日常の集金や支払、事業資金の調達等ができる筈がない。 (2)本件明細書は、本件各処分の通知を受けた昭和三九年二月一三日から異議申立をなした同年三月一〇日までの間に、B税理士の指導のもとで、右AがEの協力を得て、前記原始資料、ノート、銀行のマイクロフイルム等に基づいて、作成したものである。 控訴人は、こ 年二月一三日から異議申立をなした同年三月一〇日までの間に、B税理士の指導のもとで、右AがEの協力を得て、前記原始資料、ノート、銀行のマイクロフイルム等に基づいて、作成したものである。 控訴人は、この点に関し、売上けについては計上洩れ、経費については過大計上等があると主張するが、そのようなことは、控訴人の反面調査が既になされており、さらにその後もなされることが予想されるのであるから、きわめて困難なことであり、ましてや僅か二五日間位の短期間にそのような作業が可能とは到底考えられない。現に売上げについては、本件明細書の多くの取引先の取引額と控訴人の反面調査は一致しているし、少額の取引についても細大洩らさず記帳されており、計上洩れは存在しないし、経費についても、多くの取引先の取、、。 引額が右同様一致しており計上時期と方法の相違によるもの以外に過大計上等はない本件明細書は正式の会計帳簿とはいえないとしても、これに準ずるものとして、十分信用できるものである。 - 20 -控訴人は、事業所得金額を実額で認定するためには、単に帳簿書類が存在するというだけ、、、、では足らずその記帳の基となつた原始記録が保存されそしてその原始記録との照合確認によつて帳簿書類の正確性が具体的に検証されなければならないと主張するが、右ノートはE作成のものは得意先元帳等に準じたもの、A作成のものは仕入帳等に準じたものであつて、その記帳は正確であつたのであり、被控訴人は、それ以外にも、本訴において必要があると思料される原始資料はすべて提出している。控訴人引用の判例は、きわめて小規模な事業に関するものであり、しかも原始資料の保管及び記帳等に欠陥のあるものであつて、本件に適切でない。 (四)ノートの紛失について(1)原判決認定のとおり、被控訴人の日々の経理関係の事 て小規模な事業に関するものであり、しかも原始資料の保管及び記帳等に欠陥のあるものであつて、本件に適切でない。 (四)ノートの紛失について(1)原判決認定のとおり、被控訴人の日々の経理関係の事項がメモされた経理担当者作成のノートは、昭和四二年控訴人による別件税務調査の際紛失したものである。直截にいえば、堺税務署法人税課の税務職員Cは、昭和四二年四月三日から五日までの間、他の職員一名と別件税務調査を担当したが、その際被控訴人に無断で、被控訴人が社長室の机の中に保管していた私物等を預かると称して、右ノート(E作成の昭和三一年から昭和三七年までの売上ノート二、三冊、A作成の昭和三〇年から昭和三六、七年ころまでの仕入ノート三、四冊以上)及び株式会社藤岡組の大阪府企業局に対する昭和四二年度の入札見積書等を他の書類とともに持出してこれを返還せず、故意または重大な過失により紛失せしめたものである。 (2)右Cは、この点につき種々弁解し(1)同年四月三日書類を預かる際、、立会つていたB税理士事務所の事務員に了解を得て預かり、翌四日も同事務員に同様の了解を得た(2)調査に必要だつたのは、株式会社藤岡組の銀行勘定帳だけで、他の書類、は被控訴人に三日の朝会つた際、預かるといつていたので念のため預かつただけである、(3)預かつたのは株式会社藤岡組の書類だけである(4)五日に私服警官が出勤して、きたのは選挙用葉書をCが持ち出したと通報したからである(5)預り証のうち(26)、のコクヨ便箋以外は全部返還したと証言しているが、B税理士事務所の事務員Fは、警官が出勤した日(同月五日)以外は立会つておらず、税務調査をしている職員が不必要な書類を預かるということはそもそも考えられないうえ、本来の意味での銀行勘定帳であれば、それは銀行の反面調査で充分把握 官が出勤した日(同月五日)以外は立会つておらず、税務調査をしている職員が不必要な書類を預かるということはそもそも考えられないうえ、本来の意味での銀行勘定帳であれば、それは銀行の反面調査で充分把握できるので、税務調査時にそれを預かることはない。Cは専ら社長個人の私物のみに興味を示し、他の職員が事務室で法人の帳簿を調査しているにもかかわらず、被控訴人の机の引出し等に入つていた書類の提示を求めているが、預り証の(8)と(18)以外の書類は私物である。私服警官が急拠出勤するのは相当大きな問題が発生しなければ考えられず、候補者や選挙事務所でもない一選挙人用の選挙葉書の紛失または盗難ではあり得ない。警官がなしたチエツクにより、銀行勘定帳及びそれ以外の書類の返還がなされなかつたことが明らかである。 (3)被控訴人が警官の出勤を要請した直接の原因は、前記入札見積書等が紛失したためである。また、通常の税務調査において書類を預かる時に発行する預り証は、事業主またはそれに代るべき者の立会のもと、預かるべき書類をその作成者、宛先、日付、金額、- 21 -取引内容等できるだけ特定し、預主が署名捺印すべきものであり、書類返還時にその返還を受けるものである。ところがC作成の預り証は、書類の特定が全くなされていないし、捺印もなく、通し番号を誤り、No.1の方は複写でNo.2の方は複写でないものになつている。これらの点からすると、Cは職務柄本件提訴の事情を知り、何らかの底意をもつて専ら被控訴人の私物、とくに本件各係争年分の書類の調査、収集を目論んでいたとしか考えられず、警官の出勤を知り、弁解用に急拠預り証を作成したものとしか考えられない。 (五)証明妨害について民訴法三一七条の使用妨害の目的とは、、、訴訟上書証として用いることを妨害する意図があればよく特定人 の出勤を知り、弁解用に急拠預り証を作成したものとしか考えられない。 (五)証明妨害について民訴法三一七条の使用妨害の目的とは、、、訴訟上書証として用いることを妨害する意図があればよく特定人を相手方と意識したり妨害の目的が具体的であることは必要でなく、当該文書が存在しては相手方に利用され、、、。 自己に不利益になるかも知れないと考える程度で足りることは学説判例の通説である証明妨害の問題は、裁判における事実資料提供の問題であり、原則として、当事者の関係に関する事柄であるが、当事者が相手方の立証を妨害することは、一般的には相手方の立、。 証に協力する義務はないにしても信義誠実の原則に反するものとして許さるべきでないしたがつて、裁判所は、既に他の証拠や弁論の全趣旨から得られた自由心証に加えて、信義則の適用として、その裁量で、妨害の態様、帰費の程度、妨害された証拠の重要度等から、妨害に対するサンクシヨンを勘案すればよいのである。原判決が右ノートが控訴人の別件税務調査の際紛失したのであるから、右ノートの不提出の不利益を被控訴人に負担させることは酷であると判示したのはきわめて正当である。 (六)借入金について被控訴人は、従前から主張するとおり、控訴人主張の借入金のほか、被控訴人の知人、親戚から借入をしたものである。右借入金については借用証等は存在しないが、代物弁済等の処置が講じられていて外形的に立証されているし、借用証の不存在や無利息、無担保であつたことは、被控訴人と貸主との個人的関係によるものにすぎない。 、、Kは代物弁済で取得した<地名略>の土地上の倉庫を藤栄建設株式会社に賃貸しておりIは、代物弁済により取得した<地名略>の土地ほか七筆をNに売却し、同人は右各土地を株式会社藤岡組に賃貸しており、Jは代物弁済で取得した<地名略>の 略>の土地上の倉庫を藤栄建設株式会社に賃貸しておりIは、代物弁済により取得した<地名略>の土地ほか七筆をNに売却し、同人は右各土地を株式会社藤岡組に賃貸しており、Jは代物弁済で取得した<地名略>の土地一〇筆の全部もしくは一部を鳩タクシー株式会社、南海電気鉄道株式会社に売却している。 控訴人は貸主がいずれも被控訴人の親しい友人、親戚であり、これらの者の本件各係争年度における所得が少いことなどを理由に、右借入金の存在を否定するが、被控訴人が右年度に事業規模を著しく拡大した資金は、事業所得によるものではなく、知人、親戚からの借入金により賄われていたのである。 証拠関係(省略)○ 理由 一請求の原因一及び二の各事実は当事者間に争いがなく、原審における被控訴人本人尋問の結果と弁論の全趣旨によると、被控訴人は、土建材料等の販売のほか、昭和三四年一一月ころから八幡製鉄株式会社(現在新日鉄株式会社)の堺臨海工業地帯の埋立工事のうち、盛土工事を下請けし、本件各係争年である昭和三五年及び昭和三六年には、多数の土木建設機械、運搬用車両を所有し、多数の従業員を雇用して主として右下請- 22 -工事をその事業内容としていたこと、被控訴人は、右各係争年分の所得税につき(被告、の主張)一の本件各処分の経過中の「確定申告額及び本件処分額表」申告額欄記載の内容の確定申告書(課税標準たる総所得金額は、昭和三五年分につき七六万八〇〇〇円、昭和三六年分につき一〇〇万円)をそれぞれ控訴人に対し提出したところ、控訴人は、その調査したところに基づき、同表処分額欄記載の各金額(総所得金額は、昭和三五年分につき九〇九万四九二二円、昭和三六年分につき二九九四万九八六四円)を認定したうえ、本件各処分に及んだことが認められ、これに反する証拠はない。 二本件各処分の適法性について 得金額は、昭和三五年分につき九〇九万四九二二円、昭和三六年分につき二九九四万九八六四円)を認定したうえ、本件各処分に及んだことが認められ、これに反する証拠はない。 二本件各処分の適法性について 控訴人が本件各係争年の被控訴人の所得につき推計課税を行つたことは当事者間に争いがなく、原審証人R、同B、同Aの各証言、原審及び当審における被控訴人本人尋問の結果(後記認定に反する部分を除く)によると、。 (一)控訴人は、昭和三八年一二月ころ被控訴人の本件各係争年分及び昭和三七年分の各所得について、申告された売上金額に脱漏があることを察知し、被控訴人を所得調査の対象に選定し、大阪国税局の特別調査班の応援を得て、控訴人の部下職員をして被控訴人の営業所へ数回臨場させて被控訴人の税務調査をさせたこと(二)右税務調査の際、被控訴人は、本件各係争年の被控訴人の営業に関して、正式の帳簿類は備付けていなかつたものの、石炭箱に収納された可成りの量の手形・小切手控、人夫の判取り帳等の直接資料を保管していたにもかかわらず、税務職員に対し右資料の提示を行わず、質問、調査に対しても、昭和三七年三月の納税申告の際控訴人に預けたまま返却されていない書類がある筈であるから、それを見ればわかるなどと称して、営業に関する説明は殆んどなさず、きわめて非協力的であり、最終の段階に至つてわずかに経費の一部についてのメモ書きを示し、借入金が多いとしてその借入先を二、三説明したに止つたこと(三)その結果、控訴人は、被控訴人の本件各係争年分の収入及び支出について、被控訴人の取引銀行、建設機械、運搬用車両の購入先、借入金の借入先などを反面調査したが、その取引先の数がきわめて多く把握することができた取引先においても、その事業所が移転していたり、帳簿に記帳していなかつたりして、取引の 設機械、運搬用車両の購入先、借入金の借入先などを反面調査したが、その取引先の数がきわめて多く把握することができた取引先においても、その事業所が移転していたり、帳簿に記帳していなかつたりして、取引の有無やその取引金額を確認できない場合などが、、存し被控訴人の責に帰すべき事由によつてその実額を把握することができなかつたためやむなくその調査したところに基づき被控訴人の本件各係争年分に関連する資産、負債の状況からその所得を推計して本件各処分をするに至つたことが認められ、右認定に反する前記被控訴人本人尋問の結果は、前掲各証拠に照らし措信しがたく、他に叙上認定を動かすに足りる証拠はない。右事実によれば、本件各処分時において、被控訴人の所得の実額による算定が不可能であつたことは明らかであるから、推計によりこれを算出する必要性があつたものといわなければならない。 控訴人が採用した推計方法は期末の純資産(資産から負債を控除したもの)から期首の純資産を差引いて得られる当該期間中の純資産増加額に、その期間中における生計費その他の利益処分である消費出額を加算するいわゆる純資産増減法であるが、このような方法で算定された純資産増加額に相当する所得は、その年度に発生しているのが通例である- 23 -という経験則を基礎としているものであり、しかもこの経験則は合理的な根拠をもつているものと考えられ、期間中の取引の内容が不明確であつても、期首及び期末の資産、負債の額が判明し、純資産増加額が立証されさえすれば、右の合理的経験則が働き、これに相当する所得があつたと推認されることになるわけであり、間接事実から端的に所得を推計する一つの方法として承認されたものであつて、他により合理的な推計方法の存することが認められない限り、妥当なものとしてその合理性を承認すべきである。 とになるわけであり、間接事実から端的に所得を推計する一つの方法として承認されたものであつて、他により合理的な推計方法の存することが認められない限り、妥当なものとしてその合理性を承認すべきである。 ところで、被控訴人は、推計課税による本件各処分に対して、本訴において実額によつて被控訴人の本件各係争年分の所得を認定すべきであると主張する。 (一)推計課税取消訴訟における実額の主張、すなわち、いわゆる実額反証とは、原処分時において納税者が実額を算定するに足りる帳簿書類等の直接資料を提出せず、税務調査に協力しないため、やむを得ずなされた推計課税に対し、審査請求時または訴訟の段階になつて実額によつて所得を認定すべきであると主張し、推計によつて算定された所得金額が実額に比べて過大であるとして、その推計課税の違法性を主張することをいい、その適否については見解の岐れるところであつて、原処分時において推計の必要性が存在すれば、後にこれが欠けることとなつても、その推計方法が合理的である限り、これによつて把握された所得金額を実額の主張によつては崩し得ないとする見解や、納税者が調査に協力せず、課税庁をしてやむなく推計課税をせざるを得ない事態に追い込んでおきながら、実額の主張をするのは信義則に反し許されないとの見解もある。しかし納税者の態度が著しく公正、妥当を欠き推計課税取消訴訟における実額の主張が訴訟法上信義則に反すると認められる場合は別論として、そうでない場合には、実額課税、推計課税といつても、それぞれ独立した二つの課税方法があるわけではなく、両者、(「」。)の違いは原処分時に客観的に存在した納税者の所得額以下真実の所得額というを把握するための方法が、前者は伝票類や帳簿書類などの直接資料によるのに対し、後者はそれ以外の間接的な資料による 。)の違いは原処分時に客観的に存在した納税者の所得額以下真実の所得額というを把握するための方法が、前者は伝票類や帳簿書類などの直接資料によるのに対し、後者はそれ以外の間接的な資料によるという点にあるにすぎず、いずれにせよ、最終的に問題となるのは、真実の所得額がいくらであるかということであるから、納税者の実額の主張は、それが真実の所得額に合致すると認められる限りは許さざるを得ないと解するのが相当である。 すなわち推計課税は、納税者が実額を算定するに足りる帳簿書類などの直接資料を提出せず税務調査に協力しないため、やむを得ず真実の所得額に近似した額を間接資料により推計し、これをもつて真実の所得額と認定する方法であり、実額課税と同様に真実の所得額を認定するための一つの方法であつて、課税庁において右推計課税の合理性につき立証をした場合には、特段の反証のない限り、右推計課税の方法により算定された額をもつて真実の所得額であると認定するのである。そして結税者が推計課税取消訴訟において所得の実額を主張し、推計課税の方法により認定された額が右実額と異なるとして推計課税の違法性を立証するためには、その主張する実額が真実の所得額に合致することを合理的疑いを容れない程度に立証する必要があると解すべきであつて、右実額の存在をある程度合理。 、的に推測させるに足りる具体的事実を立証すれば足りると解すべきものではないけだし申告納税制度のもとにおける納税者は、税法の定めるところに従つた正しい申告をする義務を負うとともに、その申告を確認するための税務調査に対しては、所得金額の計算の基となる経済取引の実態を最もよく知つて- 24 -いる者として、その所得金額を算定するに足りる直接資料を提示し、その申告の内容が正しいことを税務職員に説明する義務を負うものといわ 所得金額の計算の基となる経済取引の実態を最もよく知つて- 24 -いる者として、その所得金額を算定するに足りる直接資料を提示し、その申告の内容が正しいことを税務職員に説明する義務を負うものといわなければならないのであつて、申告納税義務に違反して直接資料を提出せず、調査に協力しないために、やむを得ず課税庁をして推計課税を余儀なくさせた納税者が実額反証を許される結果、申告納税義務を遵守する誠実な納税者よりも利益を得るような事態を生ぜしめるべきでないことは当然であるばかりでなく、納税者の実額反証後に実施される課税庁の反面調査、証拠の収集は、確認すべき個々の経済取引がなされてから相当の年月を経過してなされるため、関係資料の保存期間の経過や取引関係者の転出、所在不明などによつて限界があり、著しく困難であるのに反し、実額反証を主張する納税者は、もともと経済取引の当事者であつて、自己に有利な証拠を提出するのは容易であり、対等な立場にないからであつて、かかる納税者に右のような立証責任を負担させても酷であるとはいえない。 (二)本件についてみるに、成立に争いのない甲第四ないし七号証、乙第四一号証の一ないし六、第六二ないし六四号証の各一、二、原審証人H(第二回)の証言により成立を認めうる乙第五〇号証の一、二、同証言(第一、二回)と弁論の全趣旨によると、被控訴人は、本件各処分についての異議申立書に別紙として税理士S作成の収支計算書及び取引先別売買明細表を添付したがこれには主要な売上先仕入先の住所所在地氏名名、、()、(称、売上、仕入金額を表示したにとどまり、その他として、かなりの売上先、仕入先の)売上、仕入金額が一括して計上されていること、また、審査請求書に別紙として収支計算書のほか、いかなる書類を添付したかは明らかでないが、おそく たにとどまり、その他として、かなりの売上先、仕入先の)売上、仕入金額が一括して計上されていること、また、審査請求書に別紙として収支計算書のほか、いかなる書類を添付したかは明らかでないが、おそくとも昭和四〇年七月ころまでに、収支メモのコピー(売上については、乙第四一号証の一ないし六と同一であるが、仕入については後記甲第八号証の一ないし二〇と同一であるかどうかは明らかでなく、いずれも月別、取引先別の取引額を記載した一覧表形式のもので、住所(所在地)の記載はない)を提出したこと、被控訴人は、審査請求段階の調査に際しては、。 訴訟をするからと称して一切協力せず、取引先の住所(所在地)などを明らかにするよう求めた大阪国税局協議団からの照会に対しても回答しなかつたのみでなく、右収支メモのコピーを提出したものの、収支計算書の基礎となる伝票、帳簿書類などの直接資料を一切提出しなかつたこと、このため右協議団は住所の判明した取引先に照会して回答を求めるなどして調査したが、被控訴人の所得金額を実額によつて算定することはできないと判断し、資産、負債の増減によつてこれを算出してその額が原処分を上廻るものと議決し、大阪国税局長は昭和四一年六月二〇日本件各処分に対する審査請求について、前記争いのない請求棄却の裁決をしたこと、被控訴人はこれに対し同年九月九日本件各処分の取消を求めて本訴を提起したが、昭和四七年六月一三日の第三〇回口頭弁論期日までの間(約六年間)は、本件各処分における推計課税(純資産増減法)の適法性、とくに被控訴人の資産として控訴人が主張するもの以外に被控訴人主張の預託金などが存在するか否か、負債として控訴人が主張する借入金以外に被控訴人主張の親戚、知人からの借入金が存在するか否かなどが、主要な争点として、もつぱら主張され、これらの点を立証するための 人主張の預託金などが存在するか否か、負債として控訴人が主張する借入金以外に被控訴人主張の親戚、知人からの借入金が存在するか否かなどが、主要な争点として、もつぱら主張され、これらの点を立証するための証人申請がなされたこと、ところが、被控訴人は、同年九月一九日付準備書面(別表第一ないし第一〇を添付)を提出して、はじめて被控訴人の所得金額を実額によつて認定すべきであるとし、いわゆる実額反証の方向に転じ、同年一二月一二日の第三二回口頭弁論期日にお- 25 -いて右準備書面を陳述するとともにその証拠として売上原価明細(甲第八号証の一ないし)、、二〇を提出しその後昭和五三年一一月九日の第四九回口頭弁論期日において売上明細給料明細、貸倒金、事故賠償金明細など(甲第九ないし一八号証)を提出し、さらに若干の領収証等の基礎資料を提出したことが認められ、右認定に反する証拠はない。 右認定のような経過に照らすと、被控訴人の態度は公正、妥当なものではないが、実額の主張自体は許されないものではなく、問題は、被控訴人が提出した右売上原価明細、売上明細など一以下「本件明細書」という)及びその他の資料に基づいて、果して被控訴人。 主張の実額が真実の所得額に合致すると認められるか否かであるといわなければならない。 被控訴人は、経理担当者が日々の売上及び仕入等の経理関係の事項をメモしたノートを作成しており、被控訴人の妻Aが右ノート(ただし、昭和四二年四月控訴人の部下職員によつて紛失せしめられ現存しない)と手形・小切手控請求書等に基づいて本件明細書を作成したが、こ。 れは信用に値するものであつて、実額認定の資料として十分に使用に耐え得るものであると主張するから、以下順次検討する。 (一)本件ノートの存在及びその紛失の有無について被控訴人は、被控訴人の経理事務に は信用に値するものであつて、実額認定の資料として十分に使用に耐え得るものであると主張するから、以下順次検討する。 (一)本件ノートの存在及びその紛失の有無について被控訴人は、被控訴人の経理事務について、売上関係は主としてEが担当し、取引先別、現場別の取引額と集金状況を日々克明にノートに記帳し、支払関係は主として妻Aが担当、、、、し同様ノートに記帳しており右売上仕入ノートは帳簿に準ずるものであつたところ右ノート(最終段階ではE作成の昭和三一年から昭和三七年までの売上ノート二、三冊、、、)、A作成の昭和三〇年から昭和三六三七年ころまでの仕入ノート三四冊以上と主張は昭和四二年四月三日から五日までの間になされた控訴人の別件税務調査の際、税務職員Cによつて、被控訴人に無断で、株式会社藤岡組の大阪府企業局に対する入札関係の書類とともに持出され、紛失せしめられたと主張し、原審証人Aの証言の一部、原審及び当審における被控訴人本人尋問の結果は、これに副うもののごとくである。 しかしながら、右Aは、原審において、昭和三五年、昭和三六年当時被控訴人の営業について「事務一般、会計経理から雑役までやつており、帳簿をつけていた「私が昭和、。」、三四、三五年の分をノートにした一つ帳面というのがあつた「お金払つたといつたら何。」、でもかんでも支払つたのを日記程度に毎日毎日書いているノートを持つていた。ノートには小切手・手形で払つたものも商として書いている「ノートのことを税務署の人に話さ。」、なかつたのは私の日誌ですから「売上明細(甲第九号証)はノートにしていた毎月々の。」、控。」、、から拾い上げたなどと証言しておりA作成の仕入ノートの存在は認められるもののその作成方法、記載内容は明確でないうえ、とくに日記程度のものである はノートにしていた毎月々の。」、控。」、、から拾い上げたなどと証言しておりA作成の仕入ノートの存在は認められるもののその作成方法、記載内容は明確でないうえ、とくに日記程度のものであることを強調していることからすると、右ノートは帳簿に準ずるようなきつちりした帳面ではなく、税務職員に提示することが憚られるノートであつたとみるのが相当である(この点は原審- 26 -における被控訴人本人の当初の供述とも一致する。 。)また、被控訴人は、ノートの作成のことに関し、原審において、当初は、経理は妻Aが簡単な帳面をつけているくらいのことであつたと供述していたが、その後、Eという事務員が黒い表紙の分厚いノート一、二冊に売上及び支払関係の事項を記帳しており、本件明細、、、書のうち売上明細は右ノートを基にして作成した旨供述を変更しさらに当審において、、、Eは主として売上を記帳しAは経費関係をつけていた旨再度供述を変更しておりまたノートの紛失のことに関し、原審において、当初は、昭和三七年三月の申告相談の際(昭和三六年度の所得税の確定申告時)売上ノートと仕入ノートの二冊を税務署に預けたが返却されなかつたと供述(右供述どおりとすれば本件明細書作成当時にはノートが手元になかつたことになり、右Aの証言と矛盾する)しながら、その後証拠調の最終段階に至つ。 て、右申告相談の際に預けたのは、E作成のノートのうち、昭和三六年分を帳面一冊に書き写したもので、右ノートの原本は手元に残つていたが、別件税務調査の際に税務職員CがEノート二冊を持帰り返却しなかつた旨供述を変更し、さらに、当審において、前記申告相談の際預けたのは、Eが記帳していたEノートとAが記帳していたAノートの両方から昭和三六年分を書き写したものであり、別件税務調査の際Cが持帰つた預り た旨供述を変更し、さらに、当審において、前記申告相談の際預けたのは、Eが記帳していたEノートとAが記帳していたAノートの両方から昭和三六年分を書き写したものであり、別件税務調査の際Cが持帰つた預り証記載の「銀行勘定一冊」は、実際にはEが記帳していたEノートであり、鍵のかかつた机の引出しの中に入れてあつたものであると供述し、さらに控訴人指定代理人からの追及により、Cが持帰つたまま返却しなかつたのは、EノートだけでなくAノートも含まれていた旨再度供述を変更するに至つたものである。 このように、被控訴人の一連の供述は、本件ノートの作成者、作成内容、冊数、その紛失の対象物、冊数、紛失の時期、態様など、基本的かつ重要な事項について著しく変遷していて一貫性を欠いているうえ、その供述内容もきわめて不明確で、不自然な点が多いばかりでなく、Eが売上ノートを作成していたとの点については、前記証人Aの証言中に何ら、、これを窺わせるような証言部分がないこと真実Eが売上ノートを記帳していたとすれば被控訴人において、Eを証人として申請するのが当然であると思われるのに、全く申請した形跡がないこと、また、ノートの紛失についても、前記証人Aの証言中には、申告相談の際一部資料が紛失したと聞いた旨の証言部分はあるものの、別件税務調査の際にノートが紛失した旨の証言部分はないことなどを併せて考察すると、到底措信することができない。かえつて、成立に争いのない甲第三四号証(チエツク部分を除く)と当審証人Cの証言によると、Cは。 昭和四二年四月三日株式会社藤岡組に対する別件税務調査のため同会社事務所に臨場し、代表者である被控訴人から必要な帳簿書類や社長室の机の中の資料の提示を受けて調査を開始したが、被控訴人が中途で外出したため、結局のところB税理士事務所の事務員の立会のもとに め同会社事務所に臨場し、代表者である被控訴人から必要な帳簿書類や社長室の机の中の資料の提示を受けて調査を開始したが、被控訴人が中途で外出したため、結局のところB税理士事務所の事務員の立会のもとに調査を続行し、同日の調査終了後被控訴人の了解を取りつけていた社長室の机の中の資料及び同事務員の了解を得た同会社の銀行勘定帳一冊を堺税務署に持帰つて調査することとし、これらの書類を預かる旨の預り証を作成して同事務員に交付し、これらを風呂敷に包んで持帰つたこと、Cは翌四日預かつた書類を持参して同事務所に臨場し、引きつづいて調査を続行したが、被控訴人不在のため同日の調査終了後、預かつた書類につい- 27 -て、預り証と照合してそのすべての書類があることの確認をすることなく、これをそのまま持帰つたこと、ところがCは翌五日被控訴人からの電話で、書類(選挙用葉書であるか入札関係の書類であるかは必ずしも明らかでない)が紛失した旨の抗議を受けたので、。 持帰つた書類を預り証(控)によつて照合したところ、コクヨ便箋のメモ一枚が見当らなかつたこと、Cは同日同事務所に臨場したところ、被控訴人からの通報で出動してきていた私服警官二名から書類の紛失について説明を求められたため、その身分を明らかにしたうえ、預り証記載の書類以外のものは預かつておらず、これと無関係な右書類の紛失には関知しないことを説明して了解を得たこと、Cは同日被控訴人に対し預かつた書類を一点一点預り証(控)と照合しながら返却したが、被控訴人は前記コクヨ便箋のメモ一枚がなかつたことを口実にして、預り証(原本)の返却を拒否したこと、Cは本件ノートなるものを持帰つてはいないことをいずれも認めることができる。 被控訴人は、以上の点に関し、るる主張し、まず、別件税務調査の際B税理士事務所の事務員Fは警官が出動した 却を拒否したこと、Cは本件ノートなるものを持帰つてはいないことをいずれも認めることができる。 被控訴人は、以上の点に関し、るる主張し、まず、別件税務調査の際B税理士事務所の事務員Fは警官が出動した日(同月五日)以外には立会つていないから、Cが同月三日同事務所の事務員の立会を得て調査し、同事務員に預り証を交付して書類を預かることなどあり得ないと主張する。なるほど、右Fは、当審において「Bから指示されて株式会社藤岡組の税務調査に立会つたが、その日に警官が来ら、れていて、何かごたごたがあつたという印象が残つている。立会つたのは一日だけの記憶しかない」と証言している。 。 しかしながら、右Fは、また「同事務所では顧問先の会社の税務調査には必ず誰か(税、理士または事務員)を派遣して立会うようにしていた「警官が出動した日以外の日に立。」、会つたかどうか記憶がはつきりしない。自信がない」とも証言しているのであつて、一六。 年以前のことについて記憶が明確でないのは当然であり、明確に立会つていないと断言しているわけではないから、他に特段の事情の認められない限り、右Fまたは他の同事務所の事務員が立会つたものというべきである。 次に、被控訴人は、預り証記載の「銀行勘定一冊」は実際には本件ノートであり、本来の意味での銀行勘定帳であれば、それは銀行の反面調査で充分把握できるので、税務調査時にそれを預かることはあり得ないと主張する。しかしながら、預り証に「売上帳「仕入」帳」などの記載があつたのであればともかく「銀行勘定一冊」が本件ノートであるというの、は全くのこじつけというほかなく、しかも本件ノートは被控訴人の主張によれば少くとも五冊ないし七冊あつたというのであるからなおさらである。なお、銀行の反面調査は、銀行勘定帳の会計処理が正当か否かを確 は全くのこじつけというほかなく、しかも本件ノートは被控訴人の主張によれば少くとも五冊ないし七冊あつたというのであるからなおさらである。なお、銀行の反面調査は、銀行勘定帳の会計処理が正当か否かを確認するものであつて、銀行の反面調査ができるからといつて銀行勘定帳の調査が不要となるものではない。預り証記載の「銀行勘定一冊」は、株式会社藤岡組の昭和四一年一二月期の事業年度における本来の意味での銀行勘定に関す- 28 -る帳簿書類であるというべきである。 さらに、被控訴人は、Cは別件税務調査において、職務柄本件提訴の事情を知り、何らかの底意をもつて専ら同会社の代表者である被控訴人の私物のみに興味を示し、被控訴人の机の引出しに入つていた私物、とくに本件各係争年分の書類の調査、収集を目論んでいたとしか考えられないと主張するが、右机の引出に入つていた書類が同会社の書類でなく、預り証記載の(8)と(18)を除いてすべて私物であるとの点については、原審及び当審における被控訴人本人の供述以外にこれを認めるに足りる証拠はなく、右本人の供述は前記証人Cの証言に照らし措信することができず、また、Cが被控訴人主張のような意図。 、、をもつていたとの点についてはこれを認めるに足りる証拠はないなお若干補足するに前記証人Cの証言によると、別件税務調査は、もともと同会社の昭和四一年一二月期分の事業年度において、賢明学院から同会社に対し多額の工事代金が支払われているとの情報を得ていた控訴人がCらに指示して実施することとなつたものであつて、同会社の帳簿にこのことが正しく記帳されているかどうかを調査することにその目的があつたこと、Cは当時堺税務署に勤務していたとはいえ、法人税部門の調査官であつて、被控訴人提訴の本件訴訟については全く知らされておらず、もとより担当外であつたこ いるかどうかを調査することにその目的があつたこと、Cは当時堺税務署に勤務していたとはいえ、法人税部門の調査官であつて、被控訴人提訴の本件訴訟については全く知らされておらず、もとより担当外であつたことが認められ、このような情勢のもとにおいて、Cが右調査にあたり、同会社の営業に関する重要書類が鍵のかかつた社長室の机の引出しの中に保管されていると考え、その提示を求めるのは当然であり、これと無関係な資料(被控訴人のいう私物)の提示を求めることなど考えられず、被控訴人が四年ないし五年も以前の個人営業当時である本件各係争年の営業に関する資料を、しかも本件訴訟が係属中であるにもかかわらず、顧問であるB税理士または訴訟代理人に渡すことなく、あるいはその返還を受けて、右机の引出しの中に保管していることこそ、きわめて不自然であるというほかはない。 なお、被控訴人は、私服警官が急拠出動するのは、相当大きな問題が発生した場合でなければ考えられず、候補者や選挙事務所でもない一選挙人用の選挙葉書の紛失または盗難ではあり得ない旨及び警官がなしたチエツクにより銀行勘定帳(本件ノート)が返還されなかつたことは明らかである旨主張する。しかしながら、Cは預り証記載の書類は、コクヨ便箋のメモ一枚を除いてすべて返却しており、それ以外のものは預かつておらず、また、預り証記載の「銀行勘定一冊」が本件ノートとはみられないことは前認定のとおりであつて、本件ノートの紛失、被控訴人が警官の出動を要請した直接の原因であると主張する入札関係の書類の紛失については、Cの全く関知しないところであるから、紛失した書類が入札関係の書類、選挙葉書のいずれであるか、私服警官が出動するに至つた原因が何であるか、預り証のチエツクが警官によつてなされたか否かについては、叙上認定の結論に何らの影響を及ぼすものでは 失した書類が入札関係の書類、選挙葉書のいずれであるか、私服警官が出動するに至つた原因が何であるか、預り証のチエツクが警官によつてなされたか否かについては、叙上認定の結論に何らの影響を及ぼすものではなく、また、Cが作成した預り証の体裁、記載内容、とくに預かつた書類の特定の点において、被控訴人が指摘するとおり、いささか不十分な点が認められるとしても、税務調査はもともと任意調査であつて、強制調査の場合とは異なり、預り証の作成にあたつてもある程度の簡略化は許されるものであるから、預り証自体に不備があるとまではいえず、その記載内容を無視することはできない。 以上認定の事実を総合すると、本件ノートのうち、A作成の仕入ノートが存在したことは認められるものの、E作成の売上ノートが存在したか否かはきわめて疑問であるが、仮に存在したとしても、A作成の仕入ノートと同様、日々克明に記帳されていたとか、日々概- 29 -ね忠実に記載されていたなどといえるものではなく、E作成の売上ノートが得意先元帳等に準じたものであり、A作成の仕入ノートが仕入帳に準じたものであるとの点についてはもとより、右売上ノート、仕入ノートが別件税務調査の際、税務職員Cによつて被控訴人に無断で他の書類とともに持出されて返却されなかつたとの点については、これを認めることができない。 そうすると、被控訴人は、本訴提起後も本件ノートを所持しながらこれを提出せず、あるいは本件ノートを自己の不注意により紛失もしくは廃棄し、これを提出できなかつたことになるが、その不提出の不利益を回避しその責任を控訴人側に転嫁すべく、本件ノートが税務職員によつて持出され紛失せしめられたごとく工作したものといわなければならない。 そして、本件ノートが控訴人による別件税務調査の際に紛失せしめられたものと認められない以上、証明 く、本件ノートが税務職員によつて持出され紛失せしめられたごとく工作したものといわなければならない。 そして、本件ノートが控訴人による別件税務調査の際に紛失せしめられたものと認められない以上、証明妨害の問題は生ぜず、ノート不提出の不利益は当然に被控訴人において負担すべきである。 (二)本件明細書の信用性について被控訴人は、本件明細書は本件各処分の通知を受けた昭和三九年二月一三日から異議申立をなした同年三月一〇日まで(約一か月)の間に、B税理士の指導のもとにAがEの協力を得て、本件ノート、請求書、手形・小切手控、伝票などの原始資料、銀行のマイクロフイルム等に基づいて作成したものであると主張し、前記証人Aの証言はこれに副うものである。 しかしながら、本件明細書の基礎となつた本件ノートが日々取引の経過を概ね忠実に記載され、得意先元帳、収入帳等に準じたものでないことは前認定のとおりであり、同証言及びこれによつて成立を認めうる甲第八号証の一ないし二〇、第九号証、第一一ないし一四号証、第一六ないし一九号証、原審証人Bの証言及びこれによつて成立を認めうる甲第一〇号証、第一五号証によると、本件明細書は、取引先別、月別に一か月分ごとの取引額を一括して計上した一覧表形式のものであつて、日々の取引の経過や各勘定科目の相互の関係が把握できるような記載形式を整えているものではないこと、本件明細書の作成について関与したB税理士は、伝票などの原始資料がかなり乱雑に、未整理のまま石炭箱に収納されていたことを見てはいるものの、これを取出して確認しているわけではなく、伝票などの原始資料と本件明細書との照合は全くしておらず、本件ノートを見たかどうかも記憶していないこと、そして、収支計算の基礎となる数字そのものの整理は専らAにおいて行い、Bは収支計算書を作成するにあたつて科 原始資料と本件明細書との照合は全くしておらず、本件ノートを見たかどうかも記憶していないこと、そして、収支計算の基礎となる数字そのものの整理は専らAにおいて行い、Bは収支計算書を作成するにあたつて科目の整理を行つたにすぎず、基礎的な数宇の集計についての指導の内容については、取引先別、月別に各項目の集計をするよう指示しただけで、原始資料や取引銀行、取引先での確認に基づいて基礎的な数字を計上しなければならない旨の指示をしていないこと、また、Bは科目の整理を行うに際しても原始資料と本件明細書との照合、原始資料の点検は全くしていないことを認めることができ、右認定に反する前記証人Aの証言は措信しがたく、他に右認定に反する証拠はない。 右認定の事実によると、本件明細書は原始資料に基づいて日々の取引の結果を正確に記載、、したものであるとの保証は全く存しないのみでなくその作成の過程において売上の除外架空経費の計上などといつた人為操作の入り込む余地のあることは否定できず、正式の帳簿に準ずるものとみることはできない。そうすると、本件明細書は、これに記載された取- 30 -引以外の取引が存しないことはもとより、これに記載された取引が存することをも証明するものではないといわなければならず、日々の取引を正確に記帳した伝票類、帳簿書類などの原始資料によつて客観的にその記載が裏付けられない以上、実額認定の資料とはなし得ないものというべきである。 、、もつとも控訴人が本件訴訟において提出した夥しい照会回答書などの調査結果によると被控訴人の取引先についての反面調査が審査請求の段階までに精力的に行われ、完了しているようにみられないではない。しかしながら、控訴人が昭和三八年一二月ころ行つた税務調査において、被控訴人の協力が得られなかつたため、被控訴人の取引銀行、取引先な の段階までに精力的に行われ、完了しているようにみられないではない。しかしながら、控訴人が昭和三八年一二月ころ行つた税務調査において、被控訴人の協力が得られなかつたため、被控訴人の取引銀行、取引先などを反面調査したがその取引先の数がきわめて多く、取引の有無や取引金額を確認できないものもあつてその実額を把握することができなかつたため、推計により本件各処分をしたこと、さらに、大阪国税局の協議団が被控訴人の審査請求に対し住所の判明した取引先に照会して回答を求めるなどして調査を続けたが、やはり被控訴人の所得金額を実額によつて算定することはできず、推計によりこれを算定するほかなかつたことは前認定のとおりであつて、このような調査経過に照らすと、いまだもつて控訴人側の調査が被控訴人の取引先につきほぼ克明かつ網羅的に行われたものとは認めることはできない。 また、控訴人側による被控訴人の取引関係についての調査結果中、本件明細書の記載と食い違いのある不一致部分が、計数的にみれば、同明細書記載の夥しい全取引数に占める割合は僅かであるようにみられないではないが、同明細書に記載された取引が真実行われた全取引であつて、それ以外の取引が存しないという保証はないのであるから、これが伝票などの原始資料によつて裏付けられない以上、右割合だけを捉えて、同明細書の信用性を部分的にせよ肯定する根拠とはなし得ない。 さらに、実額反証においては、前認定のとおり納税者である被控訴人において、所得金額を算定するに足りる伝票などの原始資料によつて、その主張する実額が真実の所得額と合致することを合理的疑いを容れない程度に立証しなければならないのであつて、課税庁である控訴人において被控訴人主張の取引の不存在を証明しなければならないものではない。 したがつて、本件明細書記載の各取引中、控訴人から反 疑いを容れない程度に立証しなければならないのであつて、課税庁である控訴人において被控訴人主張の取引の不存在を証明しなければならないものではない。 したがつて、本件明細書記載の各取引中、控訴人から反対証拠が提出されている取引以外の各取引については、他に特段の事情が認められない限り、反証なきものとして、同明細書の記載に従う存在を肯認すべきであるとするのは、本末顛倒である。 そうすると、本件明細書については、、、、その基礎となつたとされる本件ノートが提出されていないのみでなく請求書領収証控手形・小切手控、入金・出金伝票などの原始資料によつて客観的にその記載が裏付けられていないから、実額認定の資料とはなし得ないというべきである。そして本件訴訟においては、被控訴人からその主張の所得額について、これが真実の所得額に合致すると認めるに足りる原始資料の提出がないことに帰するから、純資産増減法により被控訴人の所得額を推計するほかはない。 そこで、被控訴人の本件各係争年の資産及び負債について、以下順次検討する。 (一)被控訴人の資産について本件各係争年である昭和三五年期首、同期末(昭和三六年期首、以下同じ、昭和三六年)期- 31 -末における被控訴人の資産のうち、原判決添付別紙(一)の「資産の部」の2当座預金、、、、、、、、3普通預金4定期預金5積立預金6通知預金7受取手形10貸付金11建物14備品及び16電話加入権の各科目が控訴人主張のとおりであることは当事者間に争いがないので、争いのある部分について検討する。 (1)現金控訴人は、昭和三五年期首、同期末、昭和三六年期末とも各五〇万円を計上しているところ、被控訴人は、これを否認し、各三〇〇万円が計上されるべきであると主張するが、原審証人Aの証言によると、被控訴人 金控訴人は、昭和三五年期首、同期末、昭和三六年期末とも各五〇万円を計上しているところ、被控訴人は、これを否認し、各三〇〇万円が計上されるべきであると主張するが、原審証人Aの証言によると、被控訴人の経費は僅か五〇〇円でも小切手で支払つていたことが認められ、被控訴人が各期末に三〇〇万円もの多額の現金を所持していたとは認めがたく、いずれにしても純資産増減法においては、これが本件各係争年中同額である以上純資産を増減させるものではないから、被控訴人の主張は採用しない。 (2)売掛金控訴人は、興亜コンクリート工業株式会社に対する売上金として、昭和三五年期末、昭和三六年期末とも各三〇〇万円を計上しているところ、被控訴人はこれを否認するが、原審証人Iの証言によると、同会社(代表者I)は、当時なお建材の販売をしていた被控訴人から原材料として使用する川砂、砂利を購入しており、被控訴人は同会社に対し少くとも三〇〇万円の売掛金を有していたことが認められる。 もつとも、原審における被控訴人本人尋問の結果及びこれによつて成立を認めうる甲第三五号証の一、二によると、右Iは、その後同会社は本件係争年当時被控訴人との取引はなかつた旨の「証言内容一部訂正のお願い」と題する書面を提出し、被控訴人も原審においてこれに副う供述をし、同会社の仕入日記帳三冊によつて、右取引がなかつた事実を確認した旨供述しているが、右I作成の、、、書面は証言後二年以上も経過して作成され提出されたものでありまた右仕入日記帳は後に提出するものとして示されたにもかかわらず、結局のところ書証として提出されていないことなどを考慮すると、いかにも不自然であつて、右供述及び甲第三五号証の一、二の記載はたやすく措信することができず、他に以上の認定を動かすに足りる証拠はない。 (3)原材料(ア)控訴人主 いないことなどを考慮すると、いかにも不自然であつて、右供述及び甲第三五号証の一、二の記載はたやすく措信することができず、他に以上の認定を動かすに足りる証拠はない。 (3)原材料(ア)控訴人主張の原判決添付別紙(一)付3原材料明細Iの昭和三五年期首における1ないし11の山土(合計四〇万円)については当事者間に争いがないが、被控訴人はそれ以外に同明細Iの(12)ないし(18)の山土、砂利、川砂等(合計九二五万円)が存在し、これらを昭和三五年中にすべて売却し、同期末には存在しなかつた旨主張し、原審における被控訴人本人尋問の結果及びこれによつて成立を認めうる甲第二二号証の一ないし七はこれに副うものである。しかしながら、右本人尋問の結果は、山土等の存在を記憶の範囲でまとめたというものにすぎず、また、出土の領収証(甲第二二号証の一ないし七)についても、山土の所有者の発行にかかるものではなく、その仲介者であるTの発行したものであつて、いずれも他に裏付となる証拠はないから、たやすく採用することができず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。 (イ)次に、被控訴人は、控訴人主張の同明細IIの昭和三五年期末における1ないし25の山土(合計一六九万円)についてはこれを認めるものの、その余の26ないし29の山土(合計八〇万円)の存在を否認するが、原審における被控訴人本人尋問の結果によ- 32 -り成立を認めうる甲第一九号証の一、原審証人Uの証言及びこれにより原本の存在と成立を認めうる乙第一五号証、同H(第一回)の証言及びこれにより成立を認めうる乙第一九号証によれば、被控訴人は、昭和三五年中にVから山土を四〇万円で購入したほか、W、X及び部落共有地の共有者からも山土を合計四〇万円で購入したこと、これらは同年中に採取していないことを認めることができ、右認定に ば、被控訴人は、昭和三五年中にVから山土を四〇万円で購入したほか、W、X及び部落共有地の共有者からも山土を合計四〇万円で購入したこと、これらは同年中に採取していないことを認めることができ、右認定に反する証拠はない。 ウさらに被控訴人は控訴人主張の同明細IIIの昭和三六年期末における山土合()、(計一六〇万円)については、これを認めるものの、前記Vからの山土四〇万円及びYからの山土四万円の存在を否認するが、前掲乙第一五号証、前記証人Hの証言及びこれにより成立を認めうる乙第一四号証の二、第二二号証(官署作成部分については成立に争いがない、前記証人Uの証言及び原審における被控訴人本人尋問の結果によると、これらは。)同年中には採取されていないことを認めることができ、右認定に反する証拠はない。 (4)建設機械(ア)被控訴人は、控訴人主張の原判決添付別紙(一)付4建設機械明細Iのうち、1のバケツトコンベアの取得時期は昭和三四年一月、取得価額は二七五万円であつて、昭和三六年一二月五万円で処分した旨及び16のクラムシエルの同年期末の価額は九九一万〇六二五円である旨主張するが、これに副う原審における被控訴人本人尋問の結果は、いずれも被控訴人の記憶に基づくものであるというのであつて、他にこれを裏付ける証拠はなく、また、自動車販売会社である村岡自動車が建設機械であるバケツトコンベアを取扱うこと自体不自然であることを考慮すると、たやすく措信することができない。 (イ)被控訴人は、また、控訴人主張の建設機械以外に同明細IIIの19ブルドーザー(小松、20ブルドーザー(三菱、21パワーシヨベル(日立)が存在していた旨))主張し、被控訴人本人は原審においてこれらの機械を昭和三四年扶桑商工株式会社から取得し、本件各係争年中に修理代金の相殺として 0ブルドーザー(三菱、21パワーシヨベル(日立)が存在していた旨))主張し、被控訴人本人は原審においてこれらの機械を昭和三四年扶桑商工株式会社から取得し、本件各係争年中に修理代金の相殺として一台五〇万円で同会社に下取りしてもらつた、、、、と供述するが右供述は前同様被控訴人の記憶に基づくものであるというのであつて他にこれを裏付ける証拠はないばかりでなく、前記証人Hの証言及びこれにより成立を認、、()めうる乙第五二号証第六六号証と弁論の全趣旨によると被控訴人は同会社代表者Zから建設機械を購入していないこと、被控訴人主張の修繕費(甲第一〇号証、第一五号証参照)のうちに同会社分が計上されていないことが認められ、また、右機械の取得価額が二〇〇万円、四〇〇万円、五〇〇万円と大きく相異しているにもかかわらず、その下取価額がいずれも同額(五〇万円)であるというのも不自然であることを考慮すると、たやすく措信することができない。 そうすると、建設機械については控訴人主張のとおりであると認めるのが相当である。 (5)車両運搬具()、控訴人主張の原判決添付別紙一付5車両運搬具明細の1ないし44の車両については12、13の車両の処分額(この点については後に判断する)を除いて当事者間に争い。 がない。被控訴人は、右車両以外に、同明細の45小型三輪ダンプ(ダイハツ、46小型)四- 33 -輪ダンプ(マツダ、47大型トラツク(トヨタ)が存在していたと主張し、被控訴人本)人は、原審において、右三台の車両は、前記興亜コンクリート工業株式会社名義で村岡自動車から取得したものであり、本件各係争年中もこれを同会社の製品の運搬に専属して使用していた旨供述するが、右供述は、被控訴人自身、前認定のとおり、本件各係争年当時同会社と取引はないと主 名義で村岡自動車から取得したものであり、本件各係争年中もこれを同会社の製品の運搬に専属して使用していた旨供述するが、右供述は、被控訴人自身、前認定のとおり、本件各係争年当時同会社と取引はないと主張して争つていることと矛盾するばかりでなく、前記証人Iの証言、。 、と対比して信用することができず他に右事実を認めるに足りる証拠はないそうすると車両運搬具についても、控訴人主張のとおりであると認めるのが相当である。 (6)土地(ア)被控訴人は、控訴人主張の原判決添付別紙(一)付6土地明細の14の土地は取得しておらず、2ないし13の土地の取得価額は合計三一一万六〇〇〇円でなく、六七〇万円と伐採人夫賃等五六万一一〇〇円を加えた合計七二六万一一〇〇円であり、株式会社大阪チエンブロツク製作所への処分価額一二〇一万〇六〇〇円との差額、四七四万九五〇〇円の譲渡益が発生したと主張し、原審における被控訴人本人尋問の結果及びこれにより成立を認めうる甲第一九号証の二、第三八、三九号証はこれに副うものである。 しかしながら、14の土地を取得していないとの点については、成立に争いのない甲第二八号証の一、乙第八三号証によると、13、14の土地とも昭和三六年一〇月二五日、同月一六日売買を原因として同会社に所有権移転登記が経由されているから、被控訴人がP1から13の土地と同様14の土地を取得に同会社に売却したもの(ただし、14の土地については中間省略登記)と推認することができ、また、2ないし13の土地及び14の土地の取得価額については、被控訴人の供述は、他方において右土地のうち昭和三五年期末において引続き所有する土地の価額を認めるなど矛盾する供述をしているのみでなく、預り金の支払明細(甲第一九号証の二)もPの作成にかかるものであつて、右P1作成の領収証など右取得価額を 昭和三五年期末において引続き所有する土地の価額を認めるなど矛盾する供述をしているのみでなく、預り金の支払明細(甲第一九号証の二)もPの作成にかかるものであつて、右P1作成の領収証など右取得価額を裏付けるに足りる証拠もないから、たやすく措信できない。 (イ)また、2ないし14の土地は整地によつて棚卸資産に転化し、その処分価額一二〇万六〇〇〇円は全額事業所得の収入金額に算入されたものというべきである。なお、被控訴人は48、49の土地を五〇〇万円で取得していると主張するが、その取得価額が五〇〇万円であることについてはこれを認めるに足りる証拠はなく、いずれにしても右土地、、は本件各係争年中継続して被控訴人が所有しているのであるから純資産額に増減はなく所得金額に影響を及ぼさないものである。そうすると、土地についても、控訴人主張のとおりであると認めるのが相当である。 (7)出資金被控訴人は豊後砂利協同組合及び秋葉砂利株式会社に対する出資金が存在したと主張し、原審における被控訴人本人尋問の結果及びこれによつて成立を認めうる甲第二七号証の一ないし四はこれに副うものであるが、豊後砂利協同組合に対する出資金については裏付けとなる証拠がなく、仮に右各出資金が存在するとしても、被控訴人は本件各係争年中これを所有しているのであるから、純資産額を何ら増減させるものではなく、所得金額に影響を及ぼさないものである。 (8)預託金被控訴人はPに対し昭和三四年末狭山町の山土代金等として三三〇〇万円を預託し、右預- 34 -託金は、昭和三五年期末には一八五〇万円、昭和三六年期末には九〇〇万円があつたと主張し、前掲甲第一九号証の一、二、原審における被控訴人本人尋問の結果及びこれにより成立を認めうる甲第二〇号証の一、二はこれに副うものである。 しかしながら、前掲乙第 六年期末には九〇〇万円があつたと主張し、前掲甲第一九号証の一、二、原審における被控訴人本人尋問の結果及びこれにより成立を認めうる甲第二〇号証の一、二はこれに副うものである。 しかしながら、前掲乙第一九号証、原審証人H(第二回)の証言及びこれにより成立を認めうる乙第六八号証の一、二(官署作成部分については成立に争いがない)によると、。 右Pは本件各係争年の期末において被控訴人に対して債権、債務が存しない旨回答していること、昭和三六年期末において九〇〇万円もの預託金が存するとすれば、被控訴人から借地料、人夫賃、山土代等(昭和三五年中に合計一二一万円、昭和三六年中に七二八万二〇〇〇円)の支払を受ける必要はないことが認められるうえ、三三〇〇万円もの大金を、山土等を購入しない以前に、しかも預り証も受取らずに預託するというようなことは、きわめて不自然であることを考慮すると、右供述は到底信用できず、右甲第一九、二〇号証の各一、二をもつてしても、右預託金の存在の事実を認めるに足りない。右預託金は架空のものというべきである。 (9)架設材被控訴人は、昭和三五年期首において架設材(アイビー用木材、四寸角の檜二間もの四本を組合わせてボトルで締めつけて一束としたもので、泥濘地において方向転換する建設機械、トラツクの下に敷くもの)六〇〇万円があつたと主張し、原審における被控訴人本人尋問の結果はこれに副うものであるが、右供述内容はきわめて不明確であるうえ、裏付けとなる証拠もなく、信用することができない。 (二)被控訴人の負債について本件各係争年である昭和三五年期首、同期末、昭和三六年期末における被控訴人の負債のうち、原判決添付別紙(一)の「負債の部」の20支払手形、21未払金、23割引手形の各科目が控訴人主張のとおりであることは争いがないので、争いのある22 同期末、昭和三六年期末における被控訴人の負債のうち、原判決添付別紙(一)の「負債の部」の20支払手形、21未払金、23割引手形の各科目が控訴人主張のとおりであることは争いがないので、争いのある22借入金について検討する。 控訴人主張の原判決添付別紙(一)付9借入金明細の1ないし6の金融機関からの借入金については当事者間に争いがないが、被控訴人は、これ以外に同明細の7ないし12の兄弟、親戚、知人からの借入金があつたと主張するので順次考察する。 (1)Jからの借入金被控訴人は、Jから昭和三五年期首において一八五万円の借入金があつたが、同年八月に一〇〇万円、昭和三六年一一月に一〇〇〇万円を借入れ、その返済として、和解調書を作成し、被控訴人所有の<地名略>山林一反三畝歩ほか一二筆の山林(以下「甲土地」という)を代物弁済した旨及び右Jは右代物弁済で取得した甲土地の一部を鳩タクシー株式。 会社に、一部を南海電気鉄道株式会社に転売している旨主張し、原本の存在及び成立に争いのない甲第二号証、成立に争いのない甲第五六ないし六三号証、第六四号証の一、弁論の全趣旨により成立を認めうる甲第六五号証、原審証人Jの証言、原審及び当審における被控訴人本人尋問の結果はこれに副うものである。 ところで、前掲各証拠と前記乙第六三、六四号証の各一、成立に争いのない乙第一、二号、、、、、証第五号証第八四号証の一ないし八第一一四ないし一一六号証の各一二によると- 35 -右Jは被控訴人の長兄であり、昭和三五年、昭和三六年当時農業を営んでいたが、低額所得者で、被控訴人主張のような多額の貸付資金を保有していたかどうか疑問であること、右和解は昭和四〇年三月二〇日成立し、被控訴人は、右Jに対し一四八五万円及びこれに対する同日以降の利息金の支払義務があることを認め 人主張のような多額の貸付資金を保有していたかどうか疑問であること、右和解は昭和四〇年三月二〇日成立し、被控訴人は、右Jに対し一四八五万円及びこれに対する同日以降の利息金の支払義務があることを認め、右債務を担保する目的で甲土地を譲渡し同月三一日限り所有権移転登記手続をする内容になつているところ、甲土地のうち、今熊五四〇番地の山林については、被控訴人から右Jに対し、代物弁済その他何らの登記もなされておらず、その余の山林一二筆については同年一一月九日、和解成立前である同年三月一七日代物弁済を原因とする所有権移転登記がなされていること、即決和解申立書の右J名下の印影と本件各処分に対する異議申立書の被控訴人名下の印影を対照すると、これが全く同一で、かつ、被控訴人氏名四文字が刻された印章によつて顕出されていることが明らかであるから、被控訴人が自己の印章を右J名下に押捺して即決和解を申立てたものとみられること、被控訴人はその主張の金員を借入れるに際し右Jとの間で借用証書すら作成しておらず、利息の約定もなく、担保も提供していないこと、さらに甲土地のうち岩室<地名略>、三二一番地、三三〇番地の山林三筆については、昭和五五年一二月八日錯誤を原因として所有権移転登記の抹消、、登記がなされ右Jの転売の交渉等はすべて被控訴人において行つていることが認められこれらの点からすると、右和解調書は被控訴人主張の借入金が真実存在しないのにかかわらずこれが存在するように仮装されたものとみられないではない。 しかしながら、右代物弁済を原因とする所有権移転登記の登記原因の日付が和解成立前の昭和四〇年三月一七日になつているとの点については、和解は成立していないとはいえ、同日の時点で、すでに代物弁済の合意がなされ和解の申立をしていたとみられ、登記申請自体は和解成立後になされてい 立前の昭和四〇年三月一七日になつているとの点については、和解は成立していないとはいえ、同日の時点で、すでに代物弁済の合意がなされ和解の申立をしていたとみられ、登記申請自体は和解成立後になされているのであるから、とりたてて問題にするほどのことはないし、印章押捺の点についても、司法書士が被控訴人と右Jの印章を混同して押捺したとの被控訴人の弁解もあながち不自然ではなく、また、登記の関係についても、前掲甲第六五号証によると、右Jは、甲土地の一部を売却することによつて被控訴人に対する債権をすべて回収することができたため、甲土地のうち、被控訴人から右Jに対し所有権移転登記が経由されていなかつた<地名略>の山林については、被控訴人名義のよまとし、右登記が経由されていた<地名略>、<地名略>、<地名略>の山林三筆については、その登記を抹消して被控訴人名義に戻して精算することとし、昭和五四年四月三日被控訴人との間でその旨の確認書を取り交わしていることが認められるから、とくに不合理な点はなく、なお、若干の疑問点は残るとしても、右Jが長兄に当ること、裁判所の関与のもとに和解調書まで作成していることからすれば、これが仮装されたものであつて、被控訴人の右Jからの借入金を全く架空のものとみるのは相当でなく、被控訴人の右借入金は、被控訴人主張のとおり存在するものと認めるべきである。 (2)Iからの借入金被控訴人は、Iから昭和三五年一〇月に一〇〇〇万円、昭和三六年一一月に一二〇〇万円を借入れ、その返済として、内金九五〇万円については、被控訴人所有の<地名略>(現在<地名略>)宅地一八四・九五坪(以下「北島町の土地」という)及び<地名略>山。 林二反一畝歩ほか九筆(以下「乙土地」という)を代物弁済し、残額一二五〇万円につい。 - 36 -ては、これを昭和四〇年 >)宅地一八四・九五坪(以下「北島町の土地」という)及び<地名略>山。 林二反一畝歩ほか九筆(以下「乙土地」という)を代物弁済し、残額一二五〇万円につい。 - 36 -ては、これを昭和四〇年一月から昭和四八年一一月までに返済した旨及び右Iは代物弁済により取得した<地名略>の土地及び乙土地のうち六筆をNに売却して所有権移転登記を経由し、同人は右各土地を株式会社藤岡組に賃貸している旨主張し、成立に争いのない甲第一号証、第四四号証の一ないし九、乙第三号証の一ないし一〇、当審における被控訴人本人尋問の結果により成立を認めうる甲第五二、五三号証、原審証人I、同Nの各証言、原審及び当審における被控訴人本人尋問の結果はこれに副うものである。 しかしながら、前掲各証拠と成立に争いのない乙第九号証、第六九号証、第七〇、七一号証の各一ないし三、第一一七号証、前記証人Iの証言及び弁論の全趣旨により成立を認め、(。)、うる乙第二七号証の一二同号証の二の官署作成部分は成立に争いがないによるとIは前記興亜コンクリート工業株式会社の代表者であつて被控訴人とはきわめて親密な間柄であること、<地名略>の土地は、昭和三九年五月三一日代物弁済契約がなされているにもかかわらず、その登記手続の日は昭和四〇年二月二六日となつていて九か月も遅れているうえ、右Iから被控訴人の次兄Nに対し同年九月一八日、同年八月五日代物弁済を原因とする所有権移転登記がなされているが、当時同人は右Iに対し代物弁済の基本となるような債権を有にていなかつたこと、乙土地は右Iを権利者として昭和三九年六月二七日、同月二〇日代物弁済予約を原因とする所有権移転請求権仮登記、その後昭和四〇年一一月二五日、同月一九日権利放棄を原因とする右仮登記の抹消登記及び同日売買を原因とする右Nに対する所有権移転登 月二七日、同月二〇日代物弁済予約を原因とする所有権移転請求権仮登記、その後昭和四〇年一一月二五日、同月一九日権利放棄を原因とする右仮登記の抹消登記及び同日売買を原因とする右Nに対する所有権移転登記が経由されており、乙土地を代物弁済に供したという被控訴人の主張に副わ、、、、ないこと右各登記は本件処分に対する異議申立審査請求の段階で相前後してなされしかもその登記手続は一切被控訴人が行つており、その登記済証は、昭和五二年一一月二五日株式会社藤岡組及び被控訴人に対する租税ほ脱容疑で大阪国税局査察部による強制捜索の際、被控訴人の自宅から発見されて差押えられ、被控訴人がこれを右Iや右Nに渡すことなく自ら所持、保管していたことが明らかであること、北島町の土地上には、株式会社藤岡組所有の同会社大阪支店のビル(鉄筋四階建)が建築されており、控訴人がこのことを指摘して右代物弁済の不存在を主張したのに対し、被控訴人は、これを合理化すべく昭和五九年八月二日に至りはじめて<地名略>の土地及び乙土地について右Nと同会社間の土地賃貸借契約書を提出したが、約定された賃料(年額合計二二〇万円)を支払つた領収証は全く提出されていないこと、被控訴人はその主張の借入金について借用証書も作成していないばかりか、利息の約定もしておらず、また、右借入金のうち代物弁済により返済した九五〇万円以外に、毎月分割して返済したとする残額一二五〇万円について、その領収証も一切提出していないこと、さらに、右Iは大阪国税局の協議団のOからの照会に対し、昭和三二年被控訴人に五〇〇万円を貸付け、その代物弁済として北島町の土地を受領した旨回答しており、被控訴人の代物弁済の主張と矛盾することがいずれも認められ、右認定の事実と成立に争いのない乙第八六ないし九九号証によつて認められる前記租税ほ脱事 代物弁済として北島町の土地を受領した旨回答しており、被控訴人の代物弁済の主張と矛盾することがいずれも認められ、右認定の事実と成立に争いのない乙第八六ないし九九号証によつて認められる前記租税ほ脱事件の経過、被控訴人の納税に対する法意識、租税回避行為の手口などを併せて考察すると、前記代物弁済、代物弁済予約、売買などの各登記、仮登記、、、土地賃貸借契約はいずれも関係者間で話合のうえなされた虚構のものというべきであり被控訴人は、右Iから真実その主張のような金員を借入れたことがないにもかかわらず、- 37 -あたかもこれを借入れたように登記上の形式を整えるなどの工作をしたものとみるのが相当であつて、被控訴人の右Iからの借入金は存在しないものというべきである。 (3)P2からの借入金被控訴人は、P2から昭和三六年中に五〇〇万円を借入れ、昭和三七年一月から昭和四五年四月まで毎月返済したと主張し、原審における被控訴人本人の供述はこれに副うものであるが、官署作成部分力成立に争いがなく、その余の部分については前記証人Hの証言に、、、より成立を認めうる乙第四号証の一二同証言及びこれにより成立を認めうる乙第五六五七号証によると、右P2は石油店(ガソリンスタンド)を経営しているが、その開業にあたつて被控訴人の援助を受けて以来恩義を感じ、被控訴人と親密な間柄にあること、右P2は昭和三六年八月当時開業したばかりで自己の営業資金に事欠き、被控訴人に資金を貸与できる状態にはなかつたこと、右借入金については借用証書の作成もなければ利息の、、、支払もなく毎月の返済金を支払つた領収証も提出されていないばかりでなく右P2は協議団からの照会に対し、五〇〇万円を被控訴人に貸付けたと控訴人の部下職員らに応答するよう被控訴人から依頼を受けた旨回答していることが認められ 金を支払つた領収証も提出されていないばかりでなく右P2は協議団からの照会に対し、五〇〇万円を被控訴人に貸付けたと控訴人の部下職員らに応答するよう被控訴人から依頼を受けた旨回答していることが認められ、これらの点に照らすと、右本人の供述は措信しがたく、右借入金は、被控訴人が右P2に依頼し、真実その事実がないのにあるように仮装した架空のものと認めざるを得ない。 (4)Kからの借入金被控訴人は、Kから昭和三六年中に一七〇万円を借入れ、その返済として、堺市<地名略>(現在<地名略>)宅地五五・四一坪(以下「<地名略>の土地」という)を代物弁。 済した旨及び右Kは戎島町の土地上の倉庫(未登記)を藤栄建設株式会社に賃貸している旨主張し、成立に争いのない甲第三号証、原審における被控訴人本人尋問の結果及びこれにより成立を認めうる甲第三六号証(官署作成部分の成立は争いがない、当審における。)被控訴人本人尋問の結果及びこれにより成立を認めうる甲第五一号証、原審証人P3の証言はこれに副うものである。 しかしながら、前掲各証拠と、前掲乙第六九号証、原本の存在及び成立に争いのない乙第八号証の二、成立に争いのない乙第六号証、第八号証の一、第七二号証、官署作成部分については成立に争いがなく、その余の部分については弁論の全趣旨により成立を認めうる乙第七号証によると、Kは被控訴人と親戚関係にあり、昭和三六年当時農業に従事していたが、一七〇万円もの金員を貸付ける資金的余裕はなく、協議団からの照会に対し、貸付金を堺市金岡農業協同組合から引出した旨回答しているものの、同組合からは引出した形跡がないこと、右Kの妻P3は土地の買収代金、補償金などを壺に入れて馬屋の端を掘つて土中に埋めていた旨証言しているが、右買収等を裏付ける証拠がないこと、右貸付に際し借用証書の作成、金利 らは引出した形跡がないこと、右Kの妻P3は土地の買収代金、補償金などを壺に入れて馬屋の端を掘つて土中に埋めていた旨証言しているが、右買収等を裏付ける証拠がないこと、右貸付に際し借用証書の作成、金利の約定もなく、担保も徴していないこと、被控訴人は戎島町の土地上の倉庫について藤栄建設株式会社との間で賃貸借契約を締結したとして建物賃貸借契約書を提出しているが、前記Nと株式会社藤岡組間の土地賃貸借契約書と同様、昭和五九年八月二日に至りはじめて提出されているばかりでなく、右藤栄建設株式会社は、被控訴人の元雇人であるL、Eや弟であるMらによつて経営されている株式会社藤岡組の子会社であり、約定された賃料(年額五〇万円)を支払つ- 38 -た領収証は全く提出されていないこと、被控訴人は右代物弁済後も戎島町の土地の固定資産税(後に固定資産税相当の賃料の趣旨であると訂正)を支払つていたことを窺わせる供述をしていることが認められ、これらの点からすると、右代物弁済は仮装されたものであつて、右Kからの借入金も架空のものと認めるのが相当である。 (5)N及びP4からの借入金被控訴人は、Nから昭和三六年中に八〇〇万円を、また、P4から同年中に五〇〇万円をそれぞれ借入れた旨主張し、原審証人Nの証言、原審における被控訴人本人の供述はこれに副うもののごとくであるが、前掲乙第九号証、成立に争いのない乙第一〇号証と前記証言、供述によると、右Nは昭和三六年当時乾物商を営んでいたが、八〇〇万円もの大金を貸付ける資金的余裕はなく、右P4は被控訴人の実姉P5の夫であるが、同様五〇〇万円もの金員を貸付けるだけの資力はないこと、右貸付に際し借用証書の作成もなければ利息の約定もなく、担保の提供もなされておらず、現在に至るまで返済されていないことが認められるから、前記証言、供述は措信で の金員を貸付けるだけの資力はないこと、右貸付に際し借用証書の作成もなければ利息の約定もなく、担保の提供もなされておらず、現在に至るまで返済されていないことが認められるから、前記証言、供述は措信できず、右各借入金もまた、架空のものであるとみるのが相当である。 そうすると、被控訴人主張の借入金は、前記Jからの借入金を除いてすべて存在しないものというべきである。 (三)消費支出額の加算について控訴人主張の原判決添付別紙(一)加算のうち25生活費については当事者間に争いがないから、24事業用資産の譲渡損失についてみるに、前記(一)の(4(5)におい)、て認定したとおり、同別紙(一)付4の建設機械明細の1バケツトコンベアは処分されておらず、また、同別紙(一)付5の車両運搬具明細の45ないし47の車両は存在していないことが明らかである。被控訴人は、同明細の12、13の車両についてその処分価額を争つているから検討するに、成立に争いのない乙第四〇号証の一、二によると、同12、13の車両は、同19の車両と同型式であり、同19の車両の方が新品であることが認められるから、同12、13の車両が同19の車両より高価に処分されるとは考えられないことを考慮すると、同12、13の車両の処分価額も、同19の車両と同様、少くともこれと同額の九三万二〇〇〇円とするのが相当である。そうすると、同12、13の車両の譲渡損失額はいずれも一〇五万〇五七五円となり、車両運搬具分の合計額は五一八万三三五八円、建設機械分を含めた合計額は九七三万四三二三円である。 なお、被控訴人は、減算として、土地譲渡益四七四万九五〇〇円を主張するが、その理由のないことは前記(一)の(6(イ)において認定したとおりである。 )(四)被控訴人は、純資産増減法による本件推計課税につき、推計の基礎事実で て、土地譲渡益四七四万九五〇〇円を主張するが、その理由のないことは前記(一)の(6(イ)において認定したとおりである。 )(四)被控訴人は、純資産増減法による本件推計課税につき、推計の基礎事実である資産及び負債の増減が確実に把握されていないから許されるべきでないとるる主張する。 しかしながら、本件訴訟の審理の対象は、控訴人の認定した所得金額の存否そのものであるから、控訴人の課税根拠に関する主張、立証も弁論終結に至るまで、随時提出することが許されるのであつて、本件においては、被控訴人の協力がないため把握洩れとなつていた被控訴人の純資産が徐々に判明した結果、控訴人主張の所得金額が大幅に日時の経過とともに増加したのであつて、このことをもつて本件推計課税が合理的でないということはできず、控訴人の主張する純資産増減法における原材料、土地の価額は期首ないし期末の- 39 -一時点における価額であるから、これが期中における購入価額を反映していないとしても何ら問題ではないし、被控訴人の事業における特殊事情は、本件推計課税における純資産の増減のなかにすでに反映されているとみられるから問題となりえず、本件推計課税の合理性を損なうものではない。 三以上認定したところによれば、被控訴人の本件各係争年である昭和三五年期首、同期末及び昭和三六年期末における資産から負債を差引いて得られる純資産、右各年における純資産増加額と、これに当該各年の消費支出額を加算した事業所得金額は、別紙記載の額となることは計数上明らかであり、被控訴人の事業所得金額は昭和三五年分二五七二万三六四六円、昭和三六年分四三四八万二八一〇円である。そうすると、控訴人のした昭和三五年分及び昭和三六年分の被控訴人の所得税の本件各更正処分はいずれも右に認定した所得金額の範囲内であつてこれを上廻るもので 六円、昭和三六年分四三四八万二八一〇円である。そうすると、控訴人のした昭和三五年分及び昭和三六年分の被控訴人の所得税の本件各更正処分はいずれも右に認定した所得金額の範囲内であつてこれを上廻るものでないから、何らの違法もなく、また、これに伴う本件各過少申告加算税賦課処分もまた違法はないものというべきである。 よつて、控訴人のなした本件各処分は適法であつて、被控訴人の本訴請求は理由がないから、これを棄却すべきところ、これと趣旨を異にする原判決は失当であつて、本件控訴は理由があるから、原判決を取消して被控訴人の請求をいずれも棄却することとし、民訴法三八六条、九六条、八九条、行政事件訴訟法七条を各適用して、主文のとおり判決する。 (裁判官栗山忍田坂友男山口幸雄)別紙(省略)原審判決の主文、事実及び理由一被告が原告に対し、昭和三九年二月一一日付でした 原告の昭和三五年分所得税についての更正処分中、税額一一、二〇〇円を超える部分及び過少申告加算税賦課処分を、 原告の昭和三六年分所得税についての更正処分中、税額一〇七、五〇〇円を超える部分及び過少申告加算税賦課処分を、いずれも取消す。 二訴訟費用は被告の負担とする。 ○ 事実 第一当事者の求めた裁判(原告)主文第一、二項同旨の判決(被告)「原告の請求をいずれも棄却する。訴訟費用は原告の負担とする」との判決。 第二当事者の主張(請求の原因)一原告は昭和三五年及び昭和三六年当時藤岡組の名称で土建材料等の販売を業としていたものであるが、被告に対し、いずれも白色申告書により、昭和三五年分の所得税の額を一一、二〇〇円とする確定申告を、昭和三六年分の所得税の額を一〇七、五〇〇円とする確定申告をそれぞれしたところ、被告は昭和三九年二月一一日付をもつて、昭和三五年分の所得につき、所得税 の所得税の額を一一、二〇〇円とする確定申告を、昭和三六年分の所得税の額を一〇七、五〇〇円とする確定申告をそれぞれしたところ、被告は昭和三九年二月一一日付をもつて、昭和三五年分の所得につき、所得税の額を三、五九六、五五〇円とする更正処分及び一七九、二五〇円の過少申告加算税賦課処分を、昭和、、、、三六年分の所得につき所得税の額を一五四六四八四〇円とする更正処分及び七六七- 40 -八五〇円の過少申告加算税の賦課処分をそれぞれした(以下右各更正処分を本件各更正処分と、右各過少申告加算税賦課処分を本件各過少申告加算税賦課処分といい、一括する場合は本件各処分という。 。)二本件処分につき、原告は昭和三九年三月一〇日被告に対し異議の申立をしたが、被告は同年六月九日これを棄却したので、原告は同年七月八日大阪国税局長に対し審査請求をしたところ、同局長は昭和四一年六月三〇日付でこれも棄却した。 三しかしながら本件各処分には次のような違法がある。 被告は、本件各係争年とも原告の所得につき実額に基づく課税が可能なのにもかかわらず推計課税を行つた。 被告は本件各係争年とも原告の所得を過大に認定した。 四よつて原告は、本件各更正処分中、原告の提出した確定申告に係る各所得税額を超える部分及び本件各過少申告加算税賦課処分の取消を求める。 (請求原因に対する認否)一請求原因第一、二項は認める。但し原告は同第一項記載の事業と併せて被告の主張第一項1記載の事業を営んでいる。 二同第三項中、被告が本件各係争年分の原告の所得につき推計課税を行つたことは認めるが、その余は争う。 三同第四項は争う。 (被告の主張)一本件各処分の経過原告は本件各係争年頃、肩書地において、パワーシヨベル等多数の建設機械及びダンプカー多数を所有し、常傭従業員四〇数名の るが、その余は争う。 三同第四項は争う。 (被告の主張)一本件各処分の経過原告は本件各係争年頃、肩書地において、パワーシヨベル等多数の建設機械及びダンプカー多数を所有し、常傭従業員四〇数名のほか日雇労務者常時数十名を雇用して、土砂の採取運搬、販売、港湾埋立、宅地造成等の事業を行つていたが、本件各係争年分の所得税につき、それぞれ法定申告期限内に次表各申告額欄の内容を記載した確定申告書を被告に提出した。 これに対して、被告はその調査に基づき、昭和三九年二月一一日付で、同表各処分額欄記載の内容の本件各更正処分及び本件各過少申告加算税賦課処分をそれぞれ行つた。 確定申告額及び本件処分額表二本件各更正処分の適法性 推計課税の適法性昭和三八年一二月頃被告の部下職員調査官四名が、原告の本件各係争年分の所得金額の調査のため、原告宅へ臨場し、事業に関して収支計算を明らかにする帳簿の提示を求め、或いは調査のための質問を行つたが、原告は右調査に協力せず、右所得金額の算定に必要な帳簿書類をほとんど提示しなかつた。 右のような次第で被告は、原告の右各所得金額を収支損益計算の方法によつて算定することができなかつた。そこで被告は純資産増減法による推計課税を行うこととし、探聞等の方法によつて知りえた調査結果に基づき、原告の資産、負債の全額を把握し、これにより原告の本件各係争年分の所得金額を推計して本件各処分を行つた。 原告の所得金額原告の本件各係争年における総所得金額は以下のとおりであつて、右総所得金額の範囲内- 41 -でした本件各処分はいずれも適法である。 (一)本件各係争年における原告の純資産増加額は次表のとおりである(その詳細は別紙(一)資産増減法による原告の事業所得金額表中、被告主張分欄及び同付属明細表1ないし9中、各被告主張分記載のとおり (一)本件各係争年における原告の純資産増加額は次表のとおりである(その詳細は別紙(一)資産増減法による原告の事業所得金額表中、被告主張分欄及び同付属明細表1ないし9中、各被告主張分記載のとおり。 )(二)右純資産増加額を基礎にした原告の事業所得の金額は次表のとおりとなる。なお()()()、事業用資産の損失額は別紙一付属4建設機械明細及び同5車輛運搬具明細中各譲渡損失額欄記載のとおりである。 (三)結局原告の本件各係争年分の総所得金額は次表のとおりである。なお譲渡所得の損失は前記事業用資産の損失と同原因、同額である。 (被告の主張に対する原告の答弁)一本件各更正処分の適法性の主張につき 推計課税を行うに至つた経過の主張を争う。原告は被告の部下職員調査官らの調査に、、、、際して本件各係争年の営業規模対象等及び山土や山林の原材料建設機械等の購入先借入金の貸主名等を説明したし、青色申告に要するような帳簿は備えつけていなかつたものの、収支計算が可能な範囲で、手形、小切手帳、銀行預金通帳、銀行勘定書、納品書、請求書、判取書、納税書、ノート等が備えつけてあつたから、調査官らの適切な協力要請があれば、これに答えることができた。 、、それにもかかわらず調査官らは半ば強制的な調査に終始するのみで原告の協力を求めずわずか四、五回原告方を訪れただけで推計課税をしたのは違法といわざるをえない。 原告の本件各係争年分の総所得金額の主張についても争う。但し原告の本件各係争年の期首、期末における資産及び負債に関する別紙(一)及びその各付属明細表についての認否及び原告の主張は同各表中の原告の認否及び主張分欄各記載のとおりである。 本件各係争年における原告の所得は、別紙(二)収支計算書及び同付属1ないし10各記載のとお びその各付属明細表についての認否及び原告の主張は同各表中の原告の認否及び主張分欄各記載のとおりである。 本件各係争年における原告の所得は、別紙(二)収支計算書及び同付属1ないし10各記載のとおり各年とも大巾な損失となつている。 なお右収支計算は、本件各更正処分後、異議申立に至るまでの間に、B税理士の指導のもとで、原始記録に基づきなされたものであつて、被告の推計課税よりは正確である。すなわち本件各係争年の会計資料は原告の妻及び事務員Eにより作製もしくは保管されていたが、本件各更正処分後、同税理士の指示により原告の妻が右会計資料等に基づき右両年の売上明細書、売上原価表、給料明細表、貸倒金表、事故明細書及び工賃に関する資料を作成し、これらに基づき同税理士が収支計算を行つたものであつて、そこに作為等が入り込む余地はない。本件各係争年分の原告の所得金額は、右収支計算に基づいて算定されるべきである。 (原告の主張に対する被告の答弁)原告の所得金額は収支計算に基づいて算定されるべきであるとの主張については争う。すなわち一般に収支計算に基づいて適確な所得金額が算定されるためには、収支計算は、一切の取引が正現の簿記の原則に従つて整然かつ明瞭に記載された売上帳、仕入帳、金銭出納帳、銀行預金出入帳、手形記入帳等の帳簿に基づくものでなければならないうえ、これ、、、、らの帳簿の正確性を保証するためには帳簿作成の基礎となつた領収書請求書納品書契約書、見積書等の取引の原始記録がすべて保存されていなければならない。しかも本件の場合、原告の営む事業は、一般的な物品の卸、小売業と異なり、その事業内容は不安定- 42 -であつて、従つて工事差益の算定も不安定である。この点から見ても、原始記録の完全な保存整備と記録に基づく計算が所得の算定上に必要である。ところが原 、小売業と異なり、その事業内容は不安定- 42 -であつて、従つて工事差益の算定も不安定である。この点から見ても、原始記録の完全な保存整備と記録に基づく計算が所得の算定上に必要である。ところが原告は本件更正処分以前には事業所得の計算に必要な帳簿その他の資料の備付や保存をしていなかつたし、原告の事業内容や規模に照らしても本件各更正処分後に本件各係争年分の多岐にわたる取引資料を全て収集することは到底不可能である。従つて不完全な資料による原告の収支計算は正確なものとはいえない。 第三証拠(省略)○ 理由 一請求原因第一、二項の各事実については当事者間に争がなく、原告本人尋問の結果及び弁論の全趣旨によれば、原告は土建材料の販売の他に、昭和三四年一一月頃から堺臨海工業地帯の埋立工事のうち盛土工事関係の下請事業も始め、本件係争年である昭和三五年及び昭和三六年は多数の従業員と土木建設機械、運搬用車輛を擁して主として右下請工事をその事業内容としていたが、右各係争年分の所得税につき(被告の主張)第一項本件、各処分の経過中の確定申告額及び本件処分額表中申告額欄記載の内容の確定申告書課「」、(、、、、税標準たる総所得金額は昭和三五年分につき七六八〇〇〇円昭和三六年分につき一〇〇〇、〇〇〇円)をそれぞれ被告に対して提出したところ、被告はその調査したところに基づき同表処分額欄記載の各金額を認定のうえ、本件各処分に及んだことが認められ、これに反する証拠はない。 二本件各処分の適法性について判断する。 本件各処分における推計課税の適法性について被告が本件各係争年の原告の所得につき推計課税を行つたことは当事者間に争がない。 証人Hの証言(第二回)により真正に成立したと認められる乙第五二号証、証人B、同A、、、の各証言及び原告本人尋 て被告が本件各係争年の原告の所得につき推計課税を行つたことは当事者間に争がない。 証人Hの証言(第二回)により真正に成立したと認められる乙第五二号証、証人B、同A、、、の各証言及び原告本人尋問の結果によれば原告は本件各係争年分の収入支出についてかなりぼう大な量の手形、小切手控、人夫の判取り帳等の資料を保管し、又経理担当者が日々の売上げ及び仕入れ等の経理関係の事項をメモしたノートを作成していたものの、正式の帳簿類は備付けていなかつたこと、昭和三八年末頃被告の部下職員は原告宅へ数回臨場して原告の本件各係争年分及び昭和三七年分の各所得について調査を行つたが、その際原告は右資料やノート等の提示は行わず、終り頃に至つて右各年分の経費の一部についてのメモ書を示すに止つたこと、その結果被告は原告の本件各係争年分の収入及び支出については、その実額を捕捉することはできず、その調査に基づいて把握した原告の本件各係争年分に関連する資産負債状況から原告の本件各係争年分の所得を推計して本件各処分を行つたことがそれぞれ認められ、原告本人尋問の結果のうち右認定に反する部分は証人Rの証言に照らして採用できず、他に右認定事実に反する証拠はない。 右事実によれば、本件各処分時において判断する限り、被告が原告の本件各係争年分の所得を認定するに当つて推計による必要があつたというべきであり、従つて本件各処分が推計課税であつたことをもつてその違法事由とすることはできない。 過大認定の主張について推計課税による本件各処分に対して、原告は、本訴において、実額によつて原告の本件各- 43 -係争年分の各所得額を認定すべき旨を主張する。所得額の認定に当つて、可能な限り、実額によるべきことはいうまでもなきところ、当裁判所は次の理由により、これを行うべきであり、且つそれは可能であ 43 -係争年分の各所得額を認定すべき旨を主張する。所得額の認定に当つて、可能な限り、実額によるべきことはいうまでもなきところ、当裁判所は次の理由により、これを行うべきであり、且つそれは可能であると考える。 すなわち(一)原告の右主張については、証人Aの証言により、原告の日々の経理関係の事項がメモされた前記ノート及び手形、小切手控、請求書等に基づいていずれも原告の妻である同証人が作成したと認められる詳細な明細書(売上げ、経費とも月別、取引先別の取引額が記載されている。なお右明細書は、主要な経費については甲第八号証の二ないし二〇、売上げについては同第九、第一四号証、その他の経費については同第一一ないし第一三号証、第一六ないし第一八号証である)が証拠として提出されている(他に領収書等の原。 始資料も一部提出されている)が、同証言及び原告本人尋問の結果によれば、右各明細書。 の基礎となつた前記ノートは、その記載方法はメモ程度に過ぎず正式会計帳簿とはいえないものの、日々経理関係の事項について概ね忠実に記載されていたと認められること。 (二)もつとも右ノートは本訴においては提出されていないため、右明細書の記載の正確性をその原本によつて検証することはできず、更には右ノートの記載内容自体による原告の収支の検討は不可能であるが、原告本人尋問の結果によれば、右ノートは昭和四二年被告による別件税務調査の際紛失したと認めざるをえず(これに反する証拠はない、。)右事情のもとでは、右ノート不提出の不利益を原告に負担させることは酷であること。 ()、、、三前記乙第五二号証いずれも成立に争のない乙第二八ないし第三五号証第三九第四〇号証の各一、二、第四一号証の一ないし六、第四二、第四三号証、第四五号証の一ないし六、第四七号証の一ないし四、 、三前記乙第五二号証いずれも成立に争のない乙第二八ないし第三五号証第三九第四〇号証の各一、二、第四一号証の一ないし六、第四二、第四三号証、第四五号証の一ないし六、第四七号証の一ないし四、第四九号証の一ないし一四、第五四号証の一、二、第五五号証の一ないし一三、第六〇号証、第六三、第六四、第七八号証の各一、二、第七九ないし第八二号証、いずれも官署作成部分については成立に争はなくその余の部分については証人Hの証言(第二回)により真正に成立したと認められる同第四六号証の一、第四八号証の一、二、五、第五一、第五八、第五九、第六八号証の各一、二、いずれも同証言(同回)により真正に成立したと認められる同第四六号証の二、第四八号証の三、四、第五〇号証の一、二、第五三号証、第五四号証の三、第五六、第五七、第六六号証、及び同証言(各回)によれば、原告は本件各処分についての異議申立及び審査請求の段階においても、実額による所得の認定を主張し、売上げについて月別、取引先別の取引額を明示した明細書(乙第四一号証の一ないし六(但しその内容の一部については後記のとおり前掲甲第九号証及び第一四号証の記載)と一致しない部分もある)及び経費について前記甲第八号証の二ないし二〇と同一の資。 料を提出したこと、被告及び大阪国税局の協議団の各担当官は原告の取引関係について克明な調査を行つたが、その調査方法として、原告の取引銀行である三和銀行堺東支店等において原告が振出し又は取立ないし割引を受けた手形、小切手等の全面的探索及び取引先に対して単に各年の期首期末の残高のみでなく右残高が生ずる原因となつた月別の取引額及- 44 -び支払額、支払方法も含む照会を行つたこと、本訴においては、右調査結果中、前記各明細書の記載と食違いのあるものが証拠として提出されているが、右各証拠 高が生ずる原因となつた月別の取引額及- 44 -び支払額、支払方法も含む照会を行つたこと、本訴においては、右調査結果中、前記各明細書の記載と食違いのあるものが証拠として提出されているが、右各証拠を検討すると、食違い部分は別として、右明細書の記載と合致する部分もかなり多いことが認められ、右事実及びその記載の態様自体に照らしても、右各明細書は根拠のない数字の羅列に過ぎないものとはとうてい考えられないこと。 (四)右不一致部分については、弁論の全趣旨及び本件に提出された全証拠によつて慎重な検討が必要であるが、右検討によつてもなお解明されないものが残つたとしても、もともと右不一致部分が右各明細書記載の夥しい全取引数に占める割合は僅かである以上、解明不能の不一致部分の残存をもつて右各明細書記載の他の取引についての記載の信用性を否定する根拠とすることは当をえないこと。 しかも推計課税の基礎となる資産負債の確定のために、課税庁において、その一部をなす受取、支払各手形、売掛金及び未払金各科目についての調査は欠かせないところ、その正確性の確保のためには、判明している限りの取引先についての調査が必要な筋合であり、現に同証言(各回)及び別紙(一)付属7支払手形明細及び特に同付属8(、、未払金明細明示された取引先数も少くないほかその他としてかなりの金額が記載され明示されない被調査取引先数の多さを推測させる)に照らすと、右調査は、原告の取引。 先につきほぼ網羅的に行われたものと認めて差支えないが、このような中で、各月別の取引額に及ぶ前記のような被告及び同協議団の調査内容を考え合わせたとき右各明細書記載の各取引中、反対証拠が提出されている取引以外の各取引については、他に特段の事情が認められない限り、反証なきものとして、その記載に従う存在を肯認することが相 の調査内容を考え合わせたとき右各明細書記載の各取引中、反対証拠が提出されている取引以外の各取引については、他に特段の事情が認められない限り、反証なきものとして、その記載に従う存在を肯認することが相当であること。 (五)以上のとおり前記各明細書については、その全般にわたつて慎重な検討が必要とはいうものの、実額認定の基礎資料としては十分に使用に耐えうるものといわなければな。 、、らないこの点について付言すると右各明細書記載に則つた原告主張の収支計算結果は昭和三五年につき損失二五、六七九、七四六円、昭和三六年につき損失三七、五二六、九七〇円であるが、右各額に、所得税法上必要経費算入及び損益通算がそれぞれ認められている事業用固定資産の減価償却費及び譲渡損失額(被告主張に基づいて計算しても、昭和三五年分につき一四、七〇九、六四三円、昭和三六年分につき二七、七四六、五三六円に達する)を加算すると、本件の第一の争点である原告の総所得金額が原告の申告額を超。 過するかどうかについて、右各明細書検討の幅は極めて大きく、右明細書に基づく実額認定上許容されたこのような多額の検討の幅を無視して、右各明細書の記載中に存在する幾つかの矛盾点や不審点をとらえて、これを理由に、原則に反して直ちに推計により原告の所得金額を認定する方途に走ることは当をえないこと。 (六)更に付言すると、本件において資産負債増減法によつて原告の所得金額を推計しようとする場合、その正確性を左右するものは、知人親戚からの借入金の存否であるところ、この点について積極、消極とも決定的な証拠はなく、最終的には右のような借入れをする必要があつたかどうかの事情に立入らなければならないのであるが、それには結局原告の収支の判断に進まざるをえないこと。 - 45 -以上の理由により、本件では前記各明 最終的には右のような借入れをする必要があつたかどうかの事情に立入らなければならないのであるが、それには結局原告の収支の判断に進まざるをえないこと。 - 45 -以上の理由により、本件では前記各明細書(甲第八号証の二ないし二〇、第九号証、第一、)、一ないし第一四号証第一六ないし第一八号証及び乙第四一号証の一ないし六を基礎に実額認定を行うこととする。 (昭和三五年分(以下同年分については年の記載を省略する))。 (一)売上げ別紙(二)付属1昭和三五年度売上明細(前記甲第九号証と同一内容)記載の五三取引先に対する総売上げ額八七、七三四、四六二円(別紙(二)記載額八七、七三四、四六六円は六月分の計算違い)の存在は原告の自認するところである。 ところで前記認定のとおり原告が異議申立の際被告に提出した資料である乙第四一号証の一ないし三には、右各売上げの他に、同和商事株式会社(以下会社についてはすべてその表示を省く)一五、〇〇〇円、西岡土工一〇四、二〇〇円(但し不渡、三菱ふそう自。 )動車八、〇〇〇円、堺市立浅香山中学校七、七〇〇円、西田工務店二三七、八〇〇円、丹司産業二、一三一、九一〇円、西日本開発三〇九、三七六円、シヨベル工業一二三、〇〇〇円の売上げが記載され、又松島建材については二三、六四〇円(二三、六〇〇円(カツ)コ内は売上明細記載の数額、以下同じ、橋爪工務店については四〇、〇〇円(五一、〇。)九〇円)と記載され、岡崎工業については二四、〇〇〇円の追加記載が存在する(なお、乙同証には弥栄重機一、九二六、〇〇〇円及び砂市商店五四三、五〇〇円の各売上げの記載は存在しない。乙同証と同売上明細の基礎となつた甲第九号証については、原告本人。)尋問の結果によれば、乙同証が作成された後、当時原告から相談を受けていたB税理士が指 三、五〇〇円の各売上げの記載は存在しない。乙同証と同売上明細の基礎となつた甲第九号証については、原告本人。)尋問の結果によれば、乙同証が作成された後、当時原告から相談を受けていたB税理士が指導し、同証中整理すべきものは整理して甲同証が作成されたという関係にあることが認め、、られるところ右事情に照らしても乙同証と甲同証の各記載の右相違の原因は不明であり従つて右相違中乙同証のみに記載のある前記八取引先合計二、九三六、九八六円の売上げ及び前記岡崎工業に対する二四、〇〇〇円の追加売上げについては甲同証への記載漏れとして取扱うのほかはなく前記不一致の二取引先に対する売上げはその多額の方を採る従、(つて付属1の記載から見た場合、松島建材に対する売上げにつき四〇円の追加修正を行う)のが相当である。 。 又同売上明細と乙同証の各記載は、●新建材と真柄組に対する売上げについて次表のとおりとなつている。 前記原告本人尋問の結果によれば、乙同証に基づき甲同証を作成する際の整理として、同一原因の売上げ先を元請と下請に振分け直したことが認められるところ、右表を見れば、●新建設と真柄組の各売上げがこれに当ると認めるのが相当である。従つて右二取引先に対する売上額については、同売上明細の記載に修正は不必要である。 さらに前記乙第二八号証によれば、九月頃原告は宮内油業に対して五五〇、〇〇〇円の工事代金債権を有していたことが認められ、右債権はそのころ発生したものと推測するのが相当であるから、右債権相当額も同年の売上げに加えるべきである。 この他に証人Iの証言中には、興亜コンクリート工業は昭和二七年頃から原告と取引(原- 46 -告が同社に対し原材料を納入したり、同社製品の運搬を請負う)を継続していたが、当。 期頃も右関係は継続され、月商約三〇〇万円に達してい コンクリート工業は昭和二七年頃から原告と取引(原- 46 -告が同社に対し原材料を納入したり、同社製品の運搬を請負う)を継続していたが、当。 期頃も右関係は継続され、月商約三〇〇万円に達していた旨の部分が存在する。しかし同証、、、言をなお検討すると右時期における同取引関係の継続の点では曖昧でありその主旨は原告からの仕入取引関係は、原告が埋立工事に忙しくなる頃までしか継続しなかつたとの点にあり、これに原告本人尋問の結果真正に成立したと認められる甲第三五号証の一、二及び同本人尋問の結果並びに被告及び同協議団の克明な調査にもかかわらず右両年につき、原告の取引決済関係に同社振出の手形、小切手が現われた証跡のない事実(なお同証言によれば、同社の原告に対する支払いは、現金の他、同社振出の手形、小切手で行われていたことが認められる)を総合すると、原告が前記埋立工事の下請工事をその主業務とし。 はじめた当期にはもはや右取引関係は終了していたと認めるのが相当である。従つて同社に対する売上げ計上の必要はない。 他に売上げを認めるべき証拠はなく、そうすると原告の総売上げ額は九一、二四五、四八八円となる。 (計算式)八七、七三四、四六二+二、九三六、九八六+二四、〇〇〇+四〇+五五〇、〇〇〇=九一、二四五、四八八円(二)材料費(1)期首棚卸高原告が期首において別紙(一)付属3原材料明細I、番号1ないし11の山土、価額四〇万円相当を所有していたことは当事者間に争いがない。 いずれも原告本人尋問の結果真正に成立したと認められる甲第二二号証の一ないし七及び同本人尋問の結果によれば、原告は昭和三四年中にTから代金合計四二五万円相当の山土を仕入れたが、右山土は良質であつてかなり早い時期に消費したことが認められ、これに反する証拠はない。右事実と原告 及び同本人尋問の結果によれば、原告は昭和三四年中にTから代金合計四二五万円相当の山土を仕入れたが、右山土は良質であつてかなり早い時期に消費したことが認められ、これに反する証拠はない。右事実と原告の埋立工事施行の工程を考え合わせた場合、右山土のうち五分の一は同年中に費消され、当期期首には三四〇万円の残高があつたと推認するのが相当である。さらに同本人尋問の結果によれば、原告が右埋立工事に着手するまでに仕入れていた砂利、栗石等の原材料を期首においても各地の置場に保有していたことが認められる(これに反する証拠はない)ところ、弁論の全趣旨により、期首における右保有高。 を一六〇万円(別紙(二)原告主張の期首商品棚卸高と同額)と認める。 従つて期首棚卸高は合計五四〇万円となる。 (2)当期仕入高原告本人尋問の結果真正に成立したと認められる甲第一九号証の一、証人Uの証言により真正に成立したと認められる乙第一六、第二六号証、いずれも官署作成部分については成立に争がなくその余の部分については証人Hの証言(第一回)により真正に成立したと認められる乙第二一ないし第二五号証、及び同各証言、同本人尋問の結果によれば、原告は同年中に、同明細II、番号12、13記載の各山土を、代金一〇万円で、同番号14な- 47 -いし29記載の各山土を各価額欄記載の各価額(合計二四四万円(いずれも農作物補償)費を含む)で買受けたことが認められ、甲第一九号証の一及び乙第一九号証(その成立は証人Uの証言により認める)の各記載中、右認定に反する部分は採用できず、他にこれに。 反する証拠はない。なお後記認定のとおり、原告は同付属6土地明細番号2ないし13記載の土地を山土採取の目的で購入し、更に当事者に争いのない事実及び弁論の全趣旨によれば、原告は他に二〇数筆の土地を同目的で買 証拠はない。なお後記認定のとおり、原告は同付属6土地明細番号2ないし13記載の土地を山土採取の目的で購入し、更に当事者に争いのない事実及び弁論の全趣旨によれば、原告は他に二〇数筆の土地を同目的で買入れたことが認められるが、原告が当期及び次期ともこれらから山土を採取したとの確証はなく、原材料科目に関しては収支計算上持越しになるだけなので、仕入れには含めないこととする。 別紙(二)付属2の二枚目仕入材料費欄記載の各取引について検討を進めると、原告本人尋問の結果によれば、原告はこの頃相当数の融通手形を他と交換していたことが認められるのであるが、これら商取引を伴わない融通手形の振出を、商取引に基づいたものと見誤つて取引記載したものがある場合は、これを排除しなければならないことはいうまでもない。これを同欄記載の各取引について見ると、前記甲第八号証の二及び三の記載によれば、関西建材、出水商店、福江砂利、森川商店、木津川砂利、平越商店、大久保組については、その取引記載に継続性がなく、記載金額も商取引としては不自然な五万円の整数倍(但し福江砂利は一二万円)である事実に照らすと、融通手形振出を誤記載したものとの疑が濃厚である。 従つて右各取引先についての取引記載は経費に算入しないこととする(但し甲同号証の六に記載された木津川砂利についての五、〇〇〇円の記載には右事情はないので、材料費中に計上する。 。)同欄記載のその他の取引先については、甲同号証の三ないし一〇によれば、原告は森組から二、〇六五、三九一円相当の、土重建材から四一四、六六〇円相当の、秋葉砂利から四四三、五五〇円相当の、笠松建材から五五、二七〇円相当の、島安から三三、一六〇円相当の、安野建材から一二、九五〇円相当の、金剛セメントから一、九五〇円相当の各原材料を仕入れたほか右各社以外の各取引先 四三、五五〇円相当の、笠松建材から五五、二七〇円相当の、島安から三三、一六〇円相当の、安野建材から一二、九五〇円相当の、金剛セメントから一、九五〇円相当の各原材料を仕入れたほか右各社以外の各取引先から各対応金額欄記載の金額の原材料合計右、、(各社も含め)一一、七一四、八三一円相当を仕入れたことが認められ、これに反する証拠はない。 以上壱期仕入高は合計一四、二五四、八三一円となる。 (3)期末棚卸高山土につき、期末において前記原材料明細番号1ないし25記載分の中、合計一七七万円の山土が残存したことは当事者間に争がなく、原告本人尋問の結果によれば、同番号26ないし29記載分については合計八〇万円相当の山土がそのまま残存したことが認められ。 。 るなおTから仕入れた分については当期中にすべて消費されたと認めるのが相当である従つて山土の期末棚卸高は二五七万円となる。 その他の原材料については、弁論の全趣旨により一二〇万円(別紙(二)原告主張の期末商品棚卸高と同額)相当分が残存したと認める。 よつて期末棚卸高は三七七万円である。 (4)従つて当期材料費は、期首棚卸高五四〇万円と当期仕入高一四、二五四、八三一- 48 -円の合計額から期末棚卸高三七七万円を差引いた一五、八八四、八三一円となる。 (三)労務費(1)給料前記乙第四六号証の一、二、乙第四八号証の一ないし五及び弁論の全趣旨によれば、別紙(二)付属3昭和三五年度給料明細に従業員として記載されているP6及びP7は、同付属2の二枚目外注加工費欄に記載されている藤村組及び大城商店とそれぞれ同一の者と認められる。そうすると右両名は二重に記載されていることになる(その事情は不明である)ところ、同乙第四五号証。 の一ないし六、第四七号証の一ないし四によつて認められる右両名に対する各支払額 一の者と認められる。そうすると右両名は二重に記載されていることになる(その事情は不明である)ところ、同乙第四五号証。 の一ないし六、第四七号証の一ないし四によつて認められる右両名に対する各支払額に照らせば、右両名の原告との関係は下請関係(運搬請負)と認めるべきであり、従つて右両名についての給料は外注費と重複する月は勿論そうでない月も排除しなければならない。 前記甲第一一号証、証人Aの証言及び原告本人尋問の結果によれば、原告は右両名を除く別紙(二)付属3記載の延三一人の従業員に合計二、九一八、四七〇円の給料を支払つたことが認められ、これに反する証拠はない。 (2)工賃成立に争のない甲第六号証、証人A、同Bの各証言及び原告本人尋問の結果によれば、原告は土砂採取現場及び埋立現場における各種作業要員として地元の者や日雇労働者数十人を日々雇入れ、その人夫賃として合計六、四六八、三〇〇円を支払つたことが認められ、これに反する証拠はない。 (四)外注費前記乙第四六号証の二、同第四八号証の三、四及び原告本人尋問の結果並びに弁論の全趣旨を総合すれば、前記藤村組ことP6及び大城商店ことP7と原告との各運搬請負契約の内容は、右両名がそれぞれ原告所有のダンプカーを使用して原告のために土砂の運搬を行うこと、使用車の燃料費、修理費、消耗品費等は右両名が各自負担するが、その購入先には原告が原告名義で支払い、右立替分を請負代金から差引き決済する、というものであつたこと、右支払いは小切手によることが多かつたが、前借り等もしばしば行われ、その場、。 、合は現金払いであつたことが認められこれに反する証拠はない弁論の全趣旨によれば甲第八号証の二に記載されたP6についての合計一、八五一、一〇〇円及びP7についての合計二、一四六、六三〇円の各外注費は右差引前の請負代金額 たことが認められこれに反する証拠はない弁論の全趣旨によれば甲第八号証の二に記載されたP6についての合計一、八五一、一〇〇円及びP7についての合計二、一四六、六三〇円の各外注費は右差引前の請負代金額であつたと認めるのが相当であり、右差引後の手取金額については、同号証の四(大城、同号証の五(藤村組))のうちの右両名についての抹消前の記載及び乙第四五号証の一ないし六、第四七号証の一ないし四によれば、P6につき三五五、七九〇円、P7につき六三四、六一九円と認められる。そうするとその各差額は前記諸費用に相当するが、前記認定の、購入先への支払いが原告名義でなされ、()、た事実及び弁論の全趣旨によれば本件では各関係購入先との取引額原告主張額では右両名が負担した右費用相当分は除外されていないものと認められる。しかしその取引先も取引額も不明であつて、その関係での修正は不可能なので、本件における収支計算上は下請代金中から右諸費用相当分を除外し、前記手取額を各外注費として扱うことが相当で- 49 -。 、、、ある従つてP6についての外注費は三五五七九〇円P7についての外注費は六三四六一九円を計上すべきこととなる。 甲第八号証の二、四及び乙第四九号証の一ないし一四によれば、別紙(二)付属2の外注、(、、加工費欄記載の丸伊建材も右と全く同様の関係にあり計算上の請負代金額三四二五一九五円)はともかく、手取額は抹消前の額である一、七八四、九一五円であつたと認められるから、本件ではその外注費は右手取額と同額を計上することとする。 更に、同欄記載の奥田建材、坂下商店についても、甲第八号証の二によつて認められる同人らについての月別の取引金額が前記P6、P7及び丸伊建材のそれと似通つている事実並びにその頃の原告のダンプカー保有台数(同年一二月三一日 建材、坂下商店についても、甲第八号証の二によつて認められる同人らについての月別の取引金額が前記P6、P7及び丸伊建材のそれと似通つている事実並びにその頃の原告のダンプカー保有台数(同年一二月三一日現在二二台)と、原告の従業員中運転業務に従事していると認められる者(甲第一号証等によれば、実働一五名以下のことが多い)との対比により、右同様の関係にあつたと認めるのが相当である。甲第。 八号証の二によれば、奥田建材の総請負代金額は一、八三三、六六二円、坂下商店の総請負、、、、代金額は二〇四九四六五円であると認められるところ同人らの各手取額については前記認定の三者についての平均手取率が約三七パーセントであることに照らして同人らの手取率を四〇パーセントと推定することとし、右手取率を前記各総請負代金額に乗じた奥田建材については七三三、四六四円、坂下商店については八一九、七八六円をその各手取額と認める。 又同欄記載の信太山建材については、後記認定のとおり、次期における右同様の関係に照らし、当期においても調整を行うべきであるが、甲同証により認められる総請負代金額一七七、七〇〇円に対する手取額としては、右取引額に次期手取率三、四九二、〇〇五分の二、六七五、三六一に近似する〇・七五を乗じた一三三、二七五円と認める。 同欄記載の取引先のうち●新建材について検討すると、甲第八号証の二によれば、そこに記載された月別の取引額はいずれも連続して一〇万円単位(合計二〇〇万円)であつて出来高払いが原則であると推測される原告の請負代金としては極めて不自然であり、右事実に、原告は同社の依頼によつて同社に融通手形を振出し貸与していた事実(同社の代表者は原告の妻の父親に当る(いずれも原告本人尋問の結果認める)を考え合わせると、。)。 右取引は金融上のもの(融通手 、原告は同社の依頼によつて同社に融通手形を振出し貸与していた事実(同社の代表者は原告の妻の父親に当る(いずれも原告本人尋問の結果認める)を考え合わせると、。)。 右取引は金融上のもの(融通手形の振出)であつたと認めるのが相当である。従つて右二〇〇万円は経費として計上することはできず、同社については、甲同証の同社集計欄に記載されている五六一、五五二円のみを外注費として計上することとする。 更に前記認定の見地から同欄記載の他の取引先について見ると、高木貞次商店、佐竹組、市村商店、須藤工務店及び坂田商店については、甲同証によるその月別取引額に照らし、いずれも融通手形の振出が誤記された疑が濃厚といわなければならず、経費として計上しないことを相当とする。 同欄記載その他の取引先については、特段の反証もないので、甲第八号証の二、四によつて認められる同欄記載の各対応金額と同額の外注費を計上すべきである。 そうすると本件で認定すべき外注費は総計九、九五五、六六七円となる。 (五)賃借費- 50 -別紙(二)付属2の一枚目賃借料欄記載のヤサカ重機(こと弥栄重機)について、次の理由によつてその存在及び原告との取引関係を認めるべきである。 すなわち()、、、イ弥栄重機の存在と取引については証人P8が詳細に証言しているが同証言は証言自体前後に矛盾点はないし、原告本人供述との食違いもないこと、その証言の内容を検討しても、同社の事務所所在地の点は通常とはいい難いかもしれないが、ありえないことでもないこと、特に同社に発注した仕事内容について、本件工事が海面の埋立という特別の条件の中で、原告が所有していない特殊な大型建設機械を使用して行う仕事をさせたとの点は客観的にも肯定しうること等、とうてい架空の事実を構えて証言しているとは思えないのであつて、 面の埋立という特別の条件の中で、原告が所有していない特殊な大型建設機械を使用して行う仕事をさせたとの点は客観的にも肯定しうること等、とうてい架空の事実を構えて証言しているとは思えないのであつて、これらの点を考えると、他にその信用性を揺がせる証拠のない本件では、右証言を採用せざるをえないこと。 ()、ロ同社が原告振出の手形を取立てたことがないという客観的事実は明らかであるがこの点については、原告本人は、同社は資金繰りが苦しく、原告との決済は現金か、信用力のある岡崎工業振出の廻り手形しか受け取らなかつた旨供述するところ、右事実も十分ありうることであつて、他に反証のない本件では右供述を採用するの他はなく、従つて右手形の点も同社の存在と取引を否定する根拠とするに足りないこと。 (ハ)原告は本件で昭和三六年における同社に対する外注費の支払いの証拠として領収書一二通(甲第三〇号証の一ないし一三)を提出する。ところで原告が本件でその立証として提出した領収書のうちP2石油店ことP2発行名義の領収書(甲第三一号証の一ないし七)については、後記のとおりその作成の真正について疑がある。しかし同人又は同人を含む石油販売業者との間で、右領収書記載金額に添う取引の存在自体はこれを認めるべきこと又後記のとおりである。従つて原告提出の領収書の中に疑のある領収書が存在する事実をもつて、他の領収書に添う取引先の存在及び取引額を否定する根拠とはなしえないのである。付け加えれば、弥栄重機発行名義の右領収書については、これを検討し、且つ原告本人尋問の結果に徴したとき、右領収書の作成の真正について疑うべき根拠はないといわなければならない。 (ニ)原告主張の同社に対する貸倒れの発生とその後の同社に対する債務の負担の矛盾、、、点については証人P8の証言によればむしろ右 作成の真正について疑うべき根拠はないといわなければならない。 (ニ)原告主張の同社に対する貸倒れの発生とその後の同社に対する債務の負担の矛盾、、、点については証人P8の証言によればむしろ右貸倒れ時期を否定すべきものであつて債務の存在、すなわち同社との取引の存在を否定すべき根拠とはなしえないこと。 (ホ)前記乙第五二号証及び証人Hの証言(第二回)によれば、昭和四〇年一〇月二五日同協議団の担当者が本件係争年頃原告方で経理関係を含む一般事務に従事していたQに面談して「八坂又は浅香重機」という名称の取引先を記憶しているかと質問したところ、同人は記憶していない旨を回答したことが認められるが、弥栄重機についての質問としてこれが適切であつたかどうか疑問があるうえ、この点はさし置くとしても、他に記憶喚起の方法としてどれだけのことがなされたか明らかでない以上、同人の右回答をもつて直ちに「弥栄重機」の存在と取引を覆すに足りる証拠とするには不十分であること。 以上の理由、特に同社が原告の本件埋立工事の中で遂行したとされる仕事の必要性を否定するか、又は岡崎工業振出の手形が同社に廻された可能性を否定するかの特段の事情が認められない限り、同社の存在と同社との取引は認めざるをえない。そしてその取引金額については前記- 51 -甲第八号証の二により合計五八〇万円と認められ、これに反する証拠はない。 同欄記載の扶桑商工について、前記乙第六六号証によれば、同社は原告より工事を請負つたことがあること(同証欄外の書込みによれば、建設機械及び車輛持込みの工事であつたことが認められる)が認められ、これに反する証拠はない。その取引金額については、。 乙同証によれば、原告は当期同社に対して少くとも額面合計四、七六八、六九五円の手形又は小切手を振出していたことが認められ(当期末 る)が認められ、これに反する証拠はない。その取引金額については、。 乙同証によれば、原告は当期同社に対して少くとも額面合計四、七六八、六九五円の手形又は小切手を振出していたことが認められ(当期末における支払手形の現在高は三通、額面合計三九七、五〇〇円であつたことは当事者間に争はない、右事実によれば、かなり。)多額なものであつたと推測される。但し乙同証によれば、原告と同社とは融通手形を交換する関係にもあつたことが認められるのであり、これらを総合すると、甲第八号証の四の同社との取引額についての記載中、追加及び訂正前の金額を合計した五、〇六三、九二〇円(、をもつてその取引額と認めるのが相当でありなお右追加及び訂正後の取引額の合計は七一四四、九四〇円である、乙同証中の、工事取引額は少額であつたとの趣旨の記載は、。)これのみで右認定を揺がすに足りず、他にこれを左右するに足りる証拠はない。 、、、、、同欄記載のその他の取引先については特段の反証もないので甲第八号証の三六八一〇によつて認められる同欄記載の各対応金額と同額を賃借費として計上すべきである。 以上賃借費として合計一一、八〇一、九七八円を計上することとなる。 (六)梢耗品費()、、別紙二付属2の一枚目消耗品費欄記載の中野ゴムについて前記甲第八号証の四には同社との取引額につき合計三、四〇〇、三〇〇円に達する月別金額の記載が存する。原告本人尋問の結果によれば、右取引額には同社の代表者が個人で営んでいた中野タイヤからの現金仕入れ分が含まれていることが認められ、これに反する証拠はない。従つて前記乙第二九号証によつて認められる、同社から同協議団に対する右取引額が二、七八五、七一〇円(値引後)であつた旨の報告の存在は、甲同証の右記載の採用を妨げず、他にこれを左右 反する証拠はない。従つて前記乙第二九号証によつて認められる、同社から同協議団に対する右取引額が二、七八五、七一〇円(値引後)であつた旨の報告の存在は、甲同証の右記載の採用を妨げず、他にこれを左右するに足りる証拠はないので、右記載金額を同社からの仕入れ額と認定すべきである。 同欄記載のその他の取引先については、他に反証はないので、甲第八号証の五ないし一〇によつて認められる山内タイヤにつき五一五〇円関西船具につき一四五九〇円い、、、、(ずれも同号証の七、月別金額の合計額による、その他につき同欄記載の各対応金額を。)消耗品仕入れ額と認め、これを消耗品費として計上する。 従つて消耗品費は合計三、八四三、一四八円となる。 (七)燃料費()、、別紙二付属2の一枚目燃料費欄記載の宮内油業について前記乙第二八号証によれば、、、同社の原告に対する売上げ額につき同社が同協議団に報告した金額は合計一一九一二七二八円(値引後)であつたことが認められる。この点について前記甲第八号証の四の記載は合計一二、八一七、八六八円であるところ、原告本人尋問の結果によれば、右金額の差の主な原因は、同社が原告の埋立工事現場に直接納品した燃料油中の現金払い分の計上の有無にあると認められる(なお原告本人は、他の原因として年末における勘定締切日の- 52 -相違の可能性を指摘する供述をするが、原告が年内に関係する仕入れ分については年が改つてからの請求であつても年内分として計上する経理処理方法をとつていたと認めることのできる明確な証拠がない本件では、右可能性は斟酌し難い)が、証人P8の証言及び。 弁論の全趣旨によれば、特に同年秋頃以降原告の埋立現場工事の施工は前記弥栄重機等外注(又は運転手、燃料等持込みの建設機械の賃借)が主力であつたと認めら 可能性は斟酌し難い)が、証人P8の証言及び。 弁論の全趣旨によれば、特に同年秋頃以降原告の埋立現場工事の施工は前記弥栄重機等外注(又は運転手、燃料等持込みの建設機械の賃借)が主力であつたと認められるので、右現金払い分を原告の仕入れ分として計上する根拠は乏しい。他に同社の前記報告額を取引額と認定する妨げとなる証拠はないので、同社につき、右報告額と同額の一一、九一二、七二八円を計上することとする。 同欄記載のその他の取引先については、他に反証はないので、甲第八号証の三、四、一〇によつて認められる、山本石油につき八八四、三六〇円、真知石油につき一、八七〇、八四六円(いずれも同号証の四、月別金額の合計額による、その他につき同欄記載の各。)対応金額を燃料仕入れ金額と認め、これを燃料費として計上する。 従つて燃料費は合計一五、三〇六、〇一四円となる。 (八)修理費別表(二)付属2の一枚目修繕費欄記載の三菱ふそうについて、前記乙第五四号証の二によれば、同社は同協議団に対して、同社の原告に対するパーツ修理代売上げ額を二八八、三七六円(三、六七四円の相殺前、なお同社に対する八、〇〇〇円の売上げを計上したことは前記のとおり)と報告したことが認められる。一方前記甲第八号証の五には、総額一、三六。 八、三七七円に達する月別修繕費取引金額の記載がある。しかし前記乙同号証の三によれば、甲同証の右記載中一〇五万円は、原告がその頃同社から購入した建設機械(別紙(一)付属4記載番号8、9、18の各機械)の頭金を修繕費中に誤計上したものと認められ、右誤計上の存在に照らせば、その余の差額についても甲同証の記載を採ることはできず、他に同社の前記報告金額を同社の原告に対する修理代金と認定する妨げとなる証拠はない。 よつて同社についての修理費を右二八八、三七六円と認め、 せば、その余の差額についても甲同証の記載を採ることはできず、他に同社の前記報告金額を同社の原告に対する修理代金と認定する妨げとなる証拠はない。 よつて同社についての修理費を右二八八、三七六円と認め、これを修理費に計上することとする。 同欄記載の東海自動車について、前記乙第三〇号証によれば、同社の同協議団に対する原告関係売上金額についての報告額は三七二、〇〇〇円(減額後)であつたことが認められる。一方甲同号証の四に記載された同社との修繕取引金額は合計一、〇七二、〇〇〇円である。右差の原因は乙同号証及び甲同証を対比すれば、四月三〇万円、五月四〇万円の修繕費支払いの原因となる修繕の有無であるが、同社が右のようなまとまつた修理売上げを脱漏するとは考えられないので、右売上げは存在しなかつたものと認め、原告の同社に対する修繕費は三七二、〇〇〇円であつたと認定する。他にこれに反する証拠はない。 同欄記載の堺車輛について、前記乙第三一号証によれば、同社の協議団に対する原告関係修理代売上金額についての報告額は一八四、四六二円(減額後)であることが認められるところ、甲同証には、同社に関し、総額二六二、四三八円に達する修繕費支払額の記載があるが、弁論の全趣旨により右報告額一八四、四六二円を正当と認める。他にこれに反す- 53 -る証拠はない。 同欄記載のその他の取引先については、他に特段の反証はないので、甲同号証の二ないし一〇により、泉谷電機につき二七二、八五五円、大阪いすゞ(いすゞ大阪)につき二、七四二、九二〇円、勇崎につき五一、六八〇円、川崎自動車につき四四七、二二〇円(以上同号証の四、のこわにつき二二、二〇七円、寺内ガラスにつき四二、七三五円(以上同)号証の五、)日本重機につき九三、四九二円(同号証の六、陸整につき二八七、六五〇円(同号証の)七 〇円(以上同号証の四、のこわにつき二二、二〇七円、寺内ガラスにつき四二、七三五円(以上同)号証の五、)日本重機につき九三、四九二円(同号証の六、陸整につき二八七、六五〇円(同号証の)七、)堺オートにつき九三、〇〇〇円、川原田につき四、二二五円、堺POPにつき六二、九一〇円(以上同号証の八(各月別金額の合計による、その余の取引先につき同欄記載の)。)各対応金額を修理費と認め、これを修理費科目に計上する。 以上修理費は合計一五、九六八、八五五円となる。 (九)運搬費別紙(二)付属2の二枚目運搬費欄記載の各取引先については、他に特段の反証はないの、、、()、で前記甲第八号証の四ないし九により西田組につき三二五五六五円同号証の四溝畑につき四一、〇四五円、勝間組につき五四、四〇〇円(以上同号証の五(各月別取)引額の合計による、その余の取引先につき同欄記載の各対応金額と同額の運搬費の支出。)を認める。 以上計上すべき運搬費は合計四、三七八、七六三円となる。 (一〇)その他の経費別紙(二)付属2記載の経費中その余の費用(但し利息割引料については後記)及び保険料については、前記甲第八号証の二ないし一〇及び弁論の全趣旨により次のとおり認められ、これに反する証拠はない。 (1)公租公課同欄記載の各税につき、各対応金額欄の金額の支払いを認め、その合計額八八、〇八〇円を経費として計上する。 (2)水道光熱費水道費については、甲同号証の二、八記載の支払金額合計八、九四〇円中六、〇〇〇円を限度に事業専用性を認めるのが相当である(昭和三六年分とも対比。 )ガス費については、合計一三、〇五六円を、電気料については三、〇一〇円を認める。 以上水道光熱費として合計二二、〇六六円を計上する。 (3)旅費交通費通話料 が相当である(昭和三六年分とも対比。 )ガス費については、合計一三、〇五六円を、電気料については三、〇一〇円を認める。 以上水道光熱費として合計二二、〇六六円を計上する。 (3)旅費交通費通話料として合計二三四、七四七円を、切手代として七四〇円を、交通費として六、五四三円の経費計上を認める。 従つて旅費交通費として合計二四二、〇三〇円を計上する。 (4)広告宣伝費- 54 -同欄記載の各取引先につき、各対応金額欄記載の金額の支出を認める。 従つて広告宣伝費として三六、〇八〇円を計上する。 (5)接待交際費アトラスにつき合計一〇、八三〇円を、その余につき、同欄各対応金額欄記載の各金額の支出を認める。 従つて接待交際費として合計五四二、五三七円を計上する。 (6)保険料日本生命(甲同号証の二)及び住友生命(甲同号証の七)について、各保険料の支払いは認められるが、これを経費として計上することは相当でない。火災保険(甲同号証の一〇)については、三、五〇〇円の保険料支払いが認められるところ、その二分の一の額である一、七五〇円について事業専用性を認めて、これを経費として計上する。 トヨタにつき一六九、六六二円(甲同号証の二、前記乙第三九号証の二、自動車保険に)つき三六八、二一八円(甲同号証の五、安田火災につき二九〇、六六五円、日産火災につ)き六四、三〇〇円、日新火災につき六五三、五六六円(以上甲同号証の一〇)の各保険料の支払を認める。 以上保険料として一、五四八、一六一円を計上する。 (7)事務用品費一条文具店につき、八四、三二〇円の支払いを認め、これを経費に計上する。 (8)福利厚生費国民健康保険(甲同号証の五)については、その経費性が不明であるから除外し、健康保険料六二二、五五三円、労災保険料三八、八四〇円(以上甲同号証の五、 を認め、これを経費に計上する。 (8)福利厚生費国民健康保険(甲同号証の五)については、その経費性が不明であるから除外し、健康保険料六二二、五五三円、労災保険料三八、八四〇円(以上甲同号証の五、尾崎ふとん店)につき一九九、四六〇円(甲同号証の二、五、高島屋につき四八、三六〇円、帝産オート)につき四五、〇〇〇円、丹司産業につき七、二九〇円、大信建設につき五〇、一〇〇円(甲同号証の七)の各支出を認める。 従つて福利厚生費として計上すべき金額は、合計一、〇一一、六〇三円となる。 (9)雑費同欄記載の事故保証(甲同号証の六)については、別途賠償金の計上がある本件では、趣旨、内容とも不明であるから計上しないこととする。 村岡について二六一、七六〇円(甲同号証の五、岡崎工業につき五六、一二三円(甲同)号証の八、労務事務協会につき一八、七〇〇円(甲同号証の五、三英木工につき二九、))五〇〇円(甲同号証の七、建設新聞につき三、四〇〇円、泉州日報につき二〇〇円(以上)甲同号証の九、同欄記載のその余の取引先につき、同欄各対応金額欄記載の金額の支出を)- 55 -認め、これを経費として計上する。 従つて雑費として計上すべき金額は七七九、八二五円となる。 (一一)利息割引料別紙(二)付属2の一枚目利息割引料欄記載のトヨタ、大阪いすゞ及び三菱ふそうについて、前記甲第八号証の二、三には、合計額が同欄記載の各対応金額と同額になる各月別支払利息金額の記載がある。しかし前記乙第三九、第四〇号証の各二、第五四号証の三及び当事者間に争のない別紙(一)付属7支払手形明細I、一二月三一日現在における右各社所持の原告振出手形の状況並びに弁論の全趣旨を総合す、、、ると右記載金額は原告が右各記載月に購入した車輌又は建設機械の延払利息であるが同月一 属7支払手形明細I、一二月三一日現在における右各社所持の原告振出手形の状況並びに弁論の全趣旨を総合す、、、ると右記載金額は原告が右各記載月に購入した車輌又は建設機械の延払利息であるが同月一括して支払つたわけではなく、いずれも本体の価額と合算し、右合算額を均等分割払いしたものであつて、その支払も当期中には終了せず、従つて当期中に支払われた割賦、。 、金中利息部分は明確ではないことが認められこれに反する証拠はない右事実によれば甲同号証の右記載をもつて右各社に対する利息支払いと認めることはできず、他にこれを。 (、認めるに足りる証拠はないよつて右各社に対する利息は計上できないその反面として右利息相当額を減価償却資産の取得価額に算入できることはいうまでもない。 。)同欄記載の国民金融公庫(国金)について、甲同号証の五には、合計二六七、二三六円に達する同公庫に対する支払いの記載がある。しかし同公庫からの借入元金が一月一日現在四〇万円、一二月三一日現在一六万円であること(別紙(一)付属9借入金明細)は当事者間に争がなく、その間に右借入元金が一旦増大したと認めるべき証拠のない本件では、右借入元金は均等額宛の弁済により期末現在高まで順次減少していつたものと認められる。 そうすると右記載の支払額が全額利息であつたとは到底認められず、その間の元金弁済額二四万円(一か月二万円宛)が含まれていると認めなければならない。従つて右支払額中利息部分は二七、二三六円と認めるべきである。他にこれに反する証拠はない。 同欄記載の堺市互助会(互助会)について、甲同号証には、一月三万円、六月三一、〇〇〇円、九月二三、〇〇〇円、一二月二三、〇〇〇円の支払記載(合計一〇七、〇〇〇円)がある。しかし同会からの借入元金が一月一日現在二二万円、一二月三一日現在三五二、〇 には、一月三万円、六月三一、〇〇〇円、九月二三、〇〇〇円、一二月二三、〇〇〇円の支払記載(合計一〇七、〇〇〇円)がある。しかし同会からの借入元金が一月一日現在二二万円、一二月三一日現在三五二、〇〇〇円であること(同明細)は当事者間に争はなく、右元金額及びその変動状況に照らせば、右支払額全額を同年分の利息と認めるのは不合理である。右元金額及び支払いの推移を総合して、一月三万円の支払いを前年一二月履行期の分と認めるのが相当であり、他にこれに反する証拠はない。従つて同会に対する支払利息として七七、〇〇〇円を計上する。 同欄記載のその余の借入先(但し大信建設は甲同号証の七の記載に従つて福利厚生費に計上した)について、他に特段の反証はないので、甲同号証の六、一〇により、。 同欄記載の各対応金額の利息割引料の支払いを認める。 以上、利息割引料として合計一、〇四三、九七五円を計上する。 (一二)貸倒金別表(二)付属4昭和三五年度貸倒金表記載の貸倒金については、前記甲第一二号証及び原告本人尋問の結果並びに弁論の全趣旨によれば、原告は同表記載の三社に対する売掛金- 56 -債権合計一、〇五八、一九四円を有していた(債権発生はいずれも前年以前)ところ、右三社は倒産し、右各債権全額の回収不能が明らかになつたことが認められ、更に前記認定の西岡土工に対する売掛金一〇四、二〇〇円についても、前記乙第四一号証により、これが不渡り倒産して全額回収不能となつたことが認められ、これに反する証拠はない。 従つて右回収不能債権合計一、一六二、三九四円を貸倒金として経費中に算入する。 (一三)事故賠償金別紙(二)付属5昭和三五年度中事故明細記載の事故賠償金については、前記乙第六〇号証及び原告本人尋問の結果によれば、原告方の運転手の自動車運転は近所でも恐れられる程乱暴であつて (一三)事故賠償金別紙(二)付属5昭和三五年度中事故明細記載の事故賠償金については、前記乙第六〇号証及び原告本人尋問の結果によれば、原告方の運転手の自動車運転は近所でも恐れられる程乱暴であつて、事故を頻発していたことが認められる(これに反する証拠はない)と。 ころ、前記甲第一三号証、証人Aの証言及び同本人尋問の結果によれば、原告の被用運転手、、、又は外注運転手が就業中同付属明細番号13ないし69ないし15記載の事故を起しこのために原告は、自賠責保険金以外に、各対応金額欄記載の賠償金合計三、一二三、四、。 、、、〇〇円を支払つたことが認められこれに反する証拠はない番号2 8については前記甲第一一号証及び同証言並びに同本人尋問の結果によれば、その加害車運転手とされている者がいずれも原告の被用者である(従つて車輛持込みとは認められない)にもか。 かわらず、その加害車輛が別紙(一)付属5車輛運搬具明細I(原告所有者であることは当事者間に争がない)中に含まれていない事実に照らし、趣旨不明として採用しない。 。 従つて右賠償金三、一二三、四〇〇円のみを、事故賠償金として経費中に算入する。 (一四)減価償却費(1)建設機械別紙(一)付属4建設機械明細中、番号2ないし10の各建設機械については、その取得年月、取得価額及び期首、期末の価額とも当事者間に争はない。同番号1のバケツトコンベアについては、証人Hの証言(第一回)により真正に成立したと認められる乙第一二号証及び同証言(同回)によれば、昭和三三年四月一七五万円で取得したことが認められ、これに反する原告本人尋問の結果は不明確であつて採用し難く、他にこれに反する証拠はない。従つてその期首、期末における簿価は同明細I当該欄記載のとおりとなる。同番号18ないし21の各機械につ 認められ、これに反する原告本人尋問の結果は不明確であつて採用し難く、他にこれに反する証拠はない。従つてその期首、期末における簿価は同明細I当該欄記載のとおりとなる。同番号18ないし21の各機械については、岡崎工業から、ブルドーザー及びパワーシヨベルの配備を発注の条件とされたため、、、昭和三四年九月急遽これら建設機械を買増した旨の原告本人の供述は肯認しうるところ同本人尋問の結果及び弁論の全趣旨に照らし、番号18の機械は同19の機械と、同21の機械は同3の機械と同一のものと認めるのを相当とする。右同19の機械については、同本人尋問の結果により、取得価額を二〇〇万円、中古品と認め、従つてその耐用年数は二年とするのが相当であるから、期首の価額は一七〇万円となる。そして前記乙八一号証によれば、右機械は一二月、小松製作所から同10の機械を購入する際五七万円で下取りに出したと認められる(これに反する原告本人の供述は採用できず、他にこれに反する証拠はない。そうするとその処分時の簿価は八〇万円であり、その間の減価償却費は九。)〇万円である。同20の機械については、同機械の処分に関する原告本人の供述は採用し難- 57 -く(一二月か昭和三六年頃扶桑商工に修理代の代物弁済として取つてもらつた旨供述するが、その頃原告が同社に対し修理代債務を負担していたと認めるべき証拠はない、従。)つてその取得についての供述も直ちに措信できないところ、他に右取得を認めるに足りる証拠はないので、本件では右機械は存在しなかつたものとする。 以上当期建設機械の減価償却費は、合計四、九〇八、三一〇円(同明細I当期減価償却費合計欄記載額四、〇〇八、三一〇円に前記同19の機械の減価償却費九〇万円を加算)となる。 (2)車輛運搬具別紙(一)付属5車輛運搬具明細I番号1ない 計四、九〇八、三一〇円(同明細I当期減価償却費合計欄記載額四、〇〇八、三一〇円に前記同19の機械の減価償却費九〇万円を加算)となる。 (2)車輛運搬具別紙(一)付属5車輛運搬具明細I番号1ないし29の各車輛についての取得年月、取得価額、期首及び期末の各価額についてはいずれも当事者間に争がなく、同1ないし4、9の各車輛が当期中に処分され、右処分時の簿価が同明細対応欄記載のとおりであることは原告も争わない。同明細III番号45ないし47の各車輛については、当期中も興亜コンクリート専属の運搬に供していた旨の原告本人の供述は、前記認定の同社との取引の経過に照らして採用できず、他に右各車輛が当期なお存在していたと認めるに足りる証拠はない。 以上当期車輛運搬具の減価償却費は、同明細I当期同償却費合計欄記載のとおり合計八、三三一、七九九円となる。 (3)従つて当期営業用資産の減価償却費は合計一三、二四〇、一〇九円となる。 (一五)資産譲渡損失額(1)建設機械同建設機械明細番号19(18)のブルドーザーにつき、前記のとおりの経緯で二三万円の譲渡損が認められる。 (2)車輛運搬具同車輛運搬具明細I番号1ないし4の各車輛の処分価額が二〇〇万円であつたこと、同9の車輛の処分価額が七〇万円であつたことは、いずれも原告の明らかに争わないところであり、従つて右各車輛について前記処分時簿価と照らし合わせると、その各譲渡損は同明細I当期譲渡損失額欄記載のとおりであり、その合計額は一、九七七、〇三四円となる。 (3)従つて当期資産譲渡損失額は、合計二、二〇七、〇三四円となる。 (昭和三六年分(以下同年分については年の記載を省略する))。 (一)売上げ別紙(二)付属6記載昭和三六年度売上明細(前記甲第一四号証と同一内容(但し末尾)の。)、大阪チエ 円となる。 (昭和三六年分(以下同年分については年の記載を省略する))。 (一)売上げ別紙(二)付属6記載昭和三六年度売上明細(前記甲第一四号証と同一内容(但し末尾)の。)、大阪チエーンブロツクに対する売上げは別記の四九取引先に対する総売上げ額一一四五八〇、二〇四円の存在は原告の自認するところである。 ところで同年の売上げについても前記乙第四一号証の四ないし六と同売上明細の各記載との間には食違いが存する。 すなわち同乙証には同売上明細にない岡井工務店二二〇、〇〇〇円、吾妻運輸一二五、八〇〇円(?)製作所二四、〇〇〇円、吉田組三一二、八二〇円、新和建設二二七、七〇、〇- 58 -円、弥栄金属二〇、〇〇〇円、大和鉱産三九、〇〇〇円の各売上げ記載が存在する(逆に乙同証には弥栄重機九六九、三二〇円の記載はない。原告本人尋問の結果によれば、。)乙同証と同売上明細の基礎となつた甲第一四号証との関係については、前記乙第四一号証の一ないし三と甲第九号証との関係と同一と認められるところ、右関係では前記食違いの説明は不可能であるから前記七取引先合計九六九、三二〇円の売上げは前同様甲第一四号証への記載漏れと認めるのが相当である。 、、更に乙同証にはその記載取引先のいくつかにつき取引額欄に赤インク等の書込みがあり証人Hの証言(第二回)によれば右書込みは同協議団の本件担当者が各取引先に対する照会等の調査により、原記載とは異る結果をえた分について記載したものと認められるので検討すると、(イ)岩出建設(同号証の四、上から五番目及び一七番目)一月分一七〇、七二〇円の書込みについては、同号証の一と照合すると、昭和三五年一二月分の売上げとしてすでに計上されている右同額の取引と同一の取引と推測される。二月分一三八、八八〇円の書込みについては内 月分一七〇、七二〇円の書込みについては、同号証の一と照合すると、昭和三五年一二月分の売上げとしてすでに計上されている右同額の取引と同一の取引と推測される。二月分一三八、八八〇円の書込みについては内三八、八八〇円は同年一月分がずれたものと認められるが、残金一〇万円については原記載の脱漏と認められ、右同額同付属6の記載に訂正が必要である。その余の書込みは一か月ずつのずれに過ぎない。 (ロ)大洋建設工業(同号証の四、上から八番目及び一三番目)右調査結果(赤字によるチエツク及び書込みの合計二、〇七一、七八八円)の方が同明細の記載(合計三、〇九五、七八八円)より少額であるから訂正不要である。 (ハ)菅原組(同号証の五、上から一一番目)同売上明細の記載と対比して四七、一六一円の追加修正が必要である。 (ニ)大盛工業(同号証の六)右書込みは五月から八月まで各月四〇万円宛である(いずれも手形、小切手調査によるものと思われる(前記乙第四二、四三号証によれば、内金五二九、〇〇〇円が大盛工業。)(所在地名古屋市<地名略>)から原告の前記三和銀行堺東支店の原告口座に入金したことは明らかである。右入金について、原告本人はその頃名古屋所在の会社と取引したこと。)はないから、いずれも廻り手形であると思われる旨供述するが、同売上明細を検討すると、当時右金額に対応する可能性のある売上先は、岡崎工業のみであるところ、同社がその支払いに他社振出の手形を廻すような会社であるとはたやすく信じられないから、右供述は採用できず、他に右書込額を売上げに計上することにつき妨げとなる事実を認めるに足りる証拠はないので、右一六〇万円を加算するのほかはない。 (ホ)象印チエーンブロツク(旧大阪チエーンブロツク製作所(同))三月分として、一、〇〇〇、〇〇〇円、四月分として一、二 る事実を認めるに足りる証拠はないので、右一六〇万円を加算するのほかはない。 (ホ)象印チエーンブロツク(旧大阪チエーンブロツク製作所(同))三月分として、一、〇〇〇、〇〇〇円、四月分として一、二〇〇、〇〇〇円の書込みが存在し、いずれも成立に争のない乙第六一号証の一、二、五、六によれば、同社は昭和五四年八月二八日付でその頃右書込みに対応する各金員を盛土工事代として原告に支払つた旨の回答を大阪国税局の本訴担当者に回答し、原告もその頃右に添う昭和三六年三月一日付及び同年四月一五日付領収書各一通を発行し- 59 -たことが認められる。しかし原告本人尋問の結果真正に成立したと認められる甲第四〇号証及び成立に争のない同四一号証の一、二並びに同本人尋問の結果によれば、原告の右領収書の発行は、後記認定のように、同社がその頃原告から土地を購入するのに当りその買入れ資金の不足分の融資を受ける必要上、同社に協力するために行われたものであつて、同社はこれに対応する工事代金債務を負担した事実もないし、これを支払つた事実もないこと(なお右土地売買代金の完済はその契約文言どおり実測が完了し、移転登記手続のなされた同年一〇月二五日頃に行われたものと推測される、同社の同国税局担当者に対。)する前記回答は、突然の調査に会い、古い頃の記憶を喚起しないまま、保存されていた右領収証のみに基づいてなされたものであることが認められ、これに反する証拠はない。従つて右書込みに基づく売上げ加算は行うべきではない。 (ヘ)丹司産業及び小松製作所(同)右各社についての書込み合計七八、〇〇〇円は、これを売上げに加算すべきである。 以上が右書込みについての必要と思われる検討結果である。 更に別途の検討を加えると、奥村組土木興業に対する同年一二月三一日現在における売掛金二、二六〇、五六〇円 円は、これを売上げに加算すべきである。 以上が右書込みについての必要と思われる検討結果である。 更に別途の検討を加えると、奥村組土木興業に対する同年一二月三一日現在における売掛金二、二六〇、五六〇円の存在については当事者間に争がなく(別紙(一)付属2売掛金明細、前記乙第三二号証によれば、右売掛金は同売上明細記載の同社に対する売上げ以)外の売上げであつて、同年の収入に含むべきものと認められるから、右売掛金相当額について追加が必要である。 ところで同売上明細の最末尾欄に大阪チエーンブロツク(象印チエーンブロツク)に対する合計一二、〇〇〇、〇〇〇円の売上げ記載が存する。当事者間に争のない事実及び前記乙第六一号証の一、二、いずれも成立に争のない乙同号証の三、四、乙第八三号証、いずれも原告本人尋問の結果真正に成立したと認められる甲第一九号証の二、第三八、三九号証、同本人尋問の結果並びに弁論の全趣旨によれば、原告は同年別紙(一)付属6記載番号2ないし14の土地を代金一二、〇一〇、六〇〇円で、前記象印チエーンブロツクに売却したこと(当事者間に争はない(右売却地には他に同字三〇四番地の一の土地が含。)まれる、右土地は昭和三五年八月頃、Pの斡旋で、。)原告が埋立用の山土を採取する目的で金六、七〇〇、〇〇〇円を出捐して前所有者から所得し、直ちに三〇〇、〇〇〇円を支出して同地上に植栽されていた樹木を伐採排除したこと、原告から同社に対する売却は昭和三六年二月一〇日であり、右売却に当つて原告は仲介者に手数料として二六一、一〇〇円を支払つたこと、以上の各事実が認められ、これに反する証拠はない。そして原告所有の間に右土地から山土を原材料として採取したとの確証はないから、その間に減価はなかつたものとして取扱うのが相当であり、従つて原告は右土地の売却によつて められ、これに反する証拠はない。そして原告所有の間に右土地から山土を原材料として採取したとの確証はないから、その間に減価はなかつたものとして取扱うのが相当であり、従つて原告は右土地の売却によつて四、七四九、五〇〇円の譲渡益をえたということができるところ、右事実を総合すれば、右土地はなお棚卸資産性を失わないものとして、右譲渡益と同額を当期の売上げに算入することとする。 他に売上げを認めるべき証拠はなく、従つて原告の当期事業収入は一二二、七八四、七四五円となる。 - 60 -(計算式)、、、、、、、一一四五八〇二〇四+九六九三二〇+一〇〇〇〇〇+四七一六一+一六〇〇〇〇〇+七八、〇〇〇+二、二六〇、五六〇+四、七四九、五〇〇=一二四、三八四、七四五円(二)原材料費(1)期首棚卸高前期末棚卸高と同額の三七七万円である。 (2)当期材料仕入高原本の存在、成立とも争のない乙第一八号証、原告本人尋問の結果真正に成立したことが認められる甲第二〇号証の二、第二一号証の一五、証人Uの証言により真正に成立したと認められる乙第一七号証及び同本人尋問の結果によれば、原告は別紙(一)付属3原材料明細III、番号30の山土を買入れる旨約し、金一〇万円を支払つたことが認められ、これに反する証拠はない(当期買入れた土地については前期と同様の取扱いとする。 。)その余について検討すると、前記甲第八号証の一四には紀の川口砂利からの仕入れ高は合計七七二、九五四円と記載されているが、前記乙第三四号証によると、同社から同協議団に対する原告関係売上額についての回答額は六〇九、〇七二円であつたことが認められる(月別にすると相違するのは四月分及び五月分についての支払い(但し支払時期は一月遅れと推測される)だけであつて、その他の二月、三月分及び 上額についての回答額は六〇九、〇七二円であつたことが認められる(月別にすると相違するのは四月分及び五月分についての支払い(但し支払時期は一月遅れと推測される)だけであつて、その他の二月、三月分及び一二月分の各支払い額は一。 致する。しかし右食違いについては、原告本人尋問の結果、。)同社の会計担当者がまだ出勤していない早朝の買付の場合は居合わせた同社の積込み作業貝に現金払いしていたため、右現金払いの分が同社の帳簿上原告名義として明示されなかつたことが認められる(これに反するに証拠はない)ので、甲第八号証の一四の記載を。 採用すべきである。同号証の一一ないし二〇によれば、同社分を含み別表(二)付属7の一枚目材料費欄記載の各取引先から各対応金額欄記載の金額の原材料を仕入れたこと(合計一二、九六六、三二五円)が認められ、これに反する証拠はない。 さらに同号証の一三によれば、森田組から合計九一五、三九九円の原材料を仕入れたことが認められる(これに反する証拠はない)ので、当期材料仕入高は総計一三、九八一、。 七二四円ということになる。 (3)期末棚卸高別紙(一)付属3、番号12、13、16ないし25、30各記載の山土については合計一六〇万円相当の分が期末に残存したことは当事者間に争がない。官署作成部分については成立に争がなく、その余の部分については証人Hの証言(第一回)により真正に成立したと認められる乙第二二号証及び原告本人尋問の結果によれば、同番号14、15及26記載の山土は四四万円相当が残存したことが認められ、これに反する証拠はない。さらに同本人尋問の結果によれば、同材料費欄上から九番目に記載されたPとの取引は山土であ、、、つたところ同年中には全く採取されていないことが認められるので右仕入額相当の七二八二、〇〇〇円は期末棚卸高 同本人尋問の結果によれば、同材料費欄上から九番目に記載されたPとの取引は山土であ、、、つたところ同年中には全く採取されていないことが認められるので右仕入額相当の七二八二、〇〇〇円は期末棚卸高に算入しなければならない。 - 61 -その他の原材料の期末棚卸高については、弁論の全趣旨により一四〇万円(原告主張の期末商品棚卸高と同額)と認める。 そうすると期末棚卸高の総計は一〇、七二二、〇〇〇円となる。 ()、、、 従つて当期材料費は期首商品棚卸高三七七万円と当期材料仕入高一三九八一七二四円の合計額から、期末商品棚卸高一〇、七二二、〇〇〇円を差引いた七、〇二九、七二四円となる。 (三)労務費(1)給料前記甲第一六号証、評人Aの証言及び原告本人尋問の結果によれば、原告は前年と同一の理由により排除すべきP6を除く別紙(二)付属8昭和三六年度給料明細記載の延三三人の従業員に合計三、〇二九、五一七円の給料を支払つたことが認められ、これに反する証拠はない。 (2)工賃成立に争のない甲第七号証、証人A、同Bの各証言及び原告本人尋問の結果によれば、原告は前期同様日々数十人の労務者を雇入れ、その人夫賃として七、二二四、八〇七円を支払つたことが認められ、他にこれに反する証拠はない。 (四)外注費別紙(二)付属7の二枚目外注加工費欄記載の福本商店、大倉組、丸伊建材及び信太山建材については、甲第八号証の一一に同人らについての外注費の記載(福本商店について合計六六二、四三九円、大倉組について合計九一〇、〇八六円、丸伊建材について五一一、、、、)、、五二〇円信太山建材について三四九二〇〇五円が存在する一方で同号証の一三一四、一八には同人らについての抹消記載(福本商店合計三三七、四二五円(同号証の(一二、大倉 、、)、、五二〇円信太山建材について三四九二〇〇五円が存在する一方で同号証の一三一四、一八には同人らについての抹消記載(福本商店合計三三七、四二五円(同号証の(一二、大倉組合計三〇二、三九七円(同一八、丸伊建材について八五、〇〇〇円(同))())(一四、信太山建材について二、六七五、三六一円(同一三)が存在する事実に照))())、らすと、前年分において認定したと同様の事情が同人らについてあり、多額の方は計算上の請負代金額、少額の方は燃料費、修理費、消耗品費等の諸費用を控除された後の手取金額と認められる。従つて前年分と同一の理由により、本件では手取額の方を外注費として計上すべきである。結局福本商店三三七、四二五円、大倉組三〇二、三九七円、丸伊建材八五、〇〇〇円、信太山建材二、六七五、三六一円ということになる。 同欄記載の大城商店(ことP7)については、甲同号証の一一に合計三、七〇二、四九四円の取引金額の記載が存在するが、右金額は同人に対する計算上の請負代金額と認められる。そうすると同人について計上すべき外注費は前年と同様の理由により手取金額としなければならないが、前記乙第四八号証の四によれば、同人が原告方で働いている間、規定の代金支払日に支払いを受けた金額は多くて六万円ないし七万円で、生活費は前借りをしていたことが認められ、又前年の前記認定の手取額総計六三四、六一九円は、甲第同号証の四及び乙第四七号証の一ないし四によれば、七か月にわたつて支払いを受けた結果であつたことが認められるので、これらを総合すると、前借りも含めた実質的手取り額を一か- 62 -月九万円と認めるのが相当である。甲同号証の一一によれば、同人は一二か月働いたと認めるべきであり、従つて同人の外注費は一〇八万円となる。 又同欄記載 、前借りも含めた実質的手取り額を一か- 62 -月九万円と認めるのが相当である。甲同号証の一一によれば、同人は一二か月働いたと認めるべきであり、従つて同人の外注費は一〇八万円となる。 又同欄記載の奥田商店は、前年分の奥田建材と同一取引先と推認すべきであり、従つて同人に対する記載額一九七、三〇〇円(甲同号証の一一)の四割相当の七八、九二〇円を外注費として計上する。 同欄記載の●新(●新建材と同一と推認される)四〇万円の支払金額については、甲同。 証にその記載(三月に一口として記載)が認められるが、前年分についてと同様これを計上しないこととし、同欄もう一方の支払いについてのみ甲同号証の一三により八二四、六五七円を認めるのが相当である。 更に同欄記載の高木商店、山崎建設及び大和工業についても、いずれも同同号証の一一記載の月別記載金額が外注代金として不自然な事実に照らし、融通手形振出の誤記載の疑い濃厚なるものとしてこれらを計上しないこととする。 同欄記載の弥栄重機についての取引関係を認めるべきことは前年同様であり、その取引金額についても甲同号証の一一及び前記甲第三〇号証の一ないし一三に記載されている月別の金額は、同社が関つた岡崎工業と奥村組土木興業(原告本人尋問の結果によれば、同社は岡崎工業及び他二社と並んで本件埋立工事の元請業者であることが認められるが、次表記載の九月以降の同社に対する売上げの発生とその増大には、特殊な建設機械による請負工事を行つていた弥栄重機が岡崎工業に対するのと同様関わらざるをえなかつたものと推認される)に対する月別売上げ金額(甲第一四号証、乙第三二号証)を対比(次表のと。 おり)してもとりたてて矛盾点は見出せず(なお一月、二月について開きがあるのは年末年始の関係で締切日がずれたためと思われる、他に反証はないので、右記 第一四号証、乙第三二号証)を対比(次表のと。 おり)してもとりたてて矛盾点は見出せず(なお一月、二月について開きがあるのは年末年始の関係で締切日がずれたためと思われる、他に反証はないので、右記載のとおり認。)めざるをえず、そうすると同社についての外注費は二九、〇三七、〇〇〇円を計上すべきこととなる。 同欄記載のその余の取引先については、特段の反証もないので、甲第八号証の一一、一五ないし一七、一九によつて認められる同欄記載の各対応金額と同額を外注費として計上すべきである。 以上総合すると外注費総額は四五、六一九、六八九円となる。 (五)賃借費別紙(二)付属7の二枚目賃借料欄記載の脇田機械について、前記甲第八号証の一一には八月に同社に対して一八四万円を支払つた旨の記載があるが、前記乙第五三号証と対比すると、右記載はそのころ同社より買入れたデイーゼルハンマーの代金残債務を誤記載したものと認めるのが相当であるから、賃借料とし計上できない。但し乙同証には、同社はその頃原告から別に額面二七、〇〇〇円の手形の振出を受けていた旨の記載があり、右記載と、当事者間に争のない期末における原告から同社への未払金一六、七四〇円の存在を総合すると、何らかの機械に関連して右二七、〇〇〇円の仕入れがあつたことは認めなければならない。従つて右仕入れを賃借料科目に計上することとする。 - 63 -同欄記載のその余の取引先については、他に反証はないので、甲第八号証の一三、一七によつて認められる同欄記載の各対応金額と同額を賃借料として計上することとする。 従つて賃借費は合計二五四、六〇〇円となる。 (六)消耗品費別紙(二)付属7の一枚目消耗品費欄記載の中野ゴムについては、前年分と同理由に前記甲第八号証の一二記載の同社との取引額合計九三九、一二〇円を同社からの仕入れ 二五四、六〇〇円となる。 (六)消耗品費別紙(二)付属7の一枚目消耗品費欄記載の中野ゴムについては、前年分と同理由に前記甲第八号証の一二記載の同社との取引額合計九三九、一二〇円を同社からの仕入れ額と認めるべきであり、前記乙第三五号証による、同社から同協議団に対する報告金額四四四、五五〇円(乙第二九号証と対比して、当年への繰越金一六〇、一一〇円を一月分の売上げ金額に加算した)は右認定を妨げず、他に右認定を左右するに足りる証拠はない。 。 同欄記載のその他の取引先については他に反証はないので、甲同号証の一二、一四ないし二〇によつて認められる同欄記載の各対応金額と同額、但し勇崎については一五三、九八三円(同号証の一二、月別金額会計額)を、消耗品仕入れ額と認め、これを消耗品費として計上することとする。 従つて消耗品費は合計九、五八八、一六〇円となる。 (七)燃料費別紙(二)付属7の一枚目燃料費欄記載のP2石油を除くその他の取引先について、他に反証はないので、前記甲第八号証の一二、一四、一六ないし二〇によつて認められる、岩、()、、()本につき九四三〇円同号証の一二長沢石油につき二一三〇〇円同号証の一九(いずれも月別金額の合計による、その他につき同欄記載の各対応金額を燃料仕入れ。)額と認め、これを燃料費として計上する。 同欄記載のP2石油ことP2との取引額について、甲同号証の一六には同人からの仕入額として、六月一〇二、四〇〇円、七月三五一、〇〇〇円、八月二〇二、〇〇〇円、九月九三万八、〇〇〇円、一〇月一、〇六四、九〇〇円、一一月八八二、七一五円、一二月二、二九六、三五二円(合計五、八三七、三六七円)の記載が存し、原告は右記載に添う同人作成名義の領収書七通(甲第三一号証の一ないし七一を提出する。しかしいずれも官署作成部 月八八二、七一五円、一二月二、二九六、三五二円(合計五、八三七、三六七円)の記載が存し、原告は右記載に添う同人作成名義の領収書七通(甲第三一号証の一ないし七一を提出する。しかしいずれも官署作成部分については成立に争がなくその余の部分については証人P9の証言により真正に成立したと認められる乙第八五号証の一、二によれば、右領収書用紙が始めて市販されたのは昭和四一年頃であつたことが認められ、これに反する証拠はない。 これらの事実に照らせば、右領収書の作成の真正には疑いがもたれ、甲第八号証の一六の記載も直ちに採用することは困難である。そこで更に検討すると、前記乙第五六号証及び弁論の全趣旨によれば、原告はP2石油が開店した六月から同人と継続的に取引を始めたこと、その取引高は八月までの間に一か月平均二〇万円余に当る六五五、四〇〇円(甲同号証の一六記載のとおり)と認めるのが相当である。九月以降の分については、甲同号証の一二、一四、一六ないし二〇によれば、P2石油名義の前記取引記載額が増加し出した同月分以降、他からの仕入額が激減していることが認められる。一方その頃原告方で燃料仕入れが不要になつた等の特段の事情は認められない。さすれば右減少に見合う分は他のいずれかから仕入れたことは明らかである。ところで原告が同年期末においてP2石油に対し、振出日同年一〇月一四日、支払期日昭和三七年一月三一日、額面三〇万円の手形他二通、額面合計一、四八二、七一五円の支払手形を振出していたこと(他に同人に対する- 64 -未払金も四六九、二〇六円存在した)は当事者間に争がなく、又同欄に取引先として記。 載のない大忠石油が五通、額面合計二、三六七、七三五円の、山川石油が二通、額面合計四五万円の、各原告振出の支払手形を所持していたことも当事者間に争がない。そうすると一〇月以 欄に取引先として記。 載のない大忠石油が五通、額面合計二、三六七、七三五円の、山川石油が二通、額面合計四五万円の、各原告振出の支払手形を所持していたことも当事者間に争がない。そうすると一〇月以降に振出された燃料仕入れに関係すると推認される右手形(弁論の全趣旨によりすべて同月以降振出されたものと認める)金額は合計四、三〇〇、四五〇円に達するこ。 とになるが、右金額はP2石油名義の同月以降の取引額の合計額四、二四三、九六七円と隔りはない。これらの事実を総合すると、原告は、九月以降前記認定の同欄認載の取引以外に、P2(前記大忠石油及び山川石油各所持の手形がP2から廻された手形ではないとの証拠はない、もしくは全量が同人からではなかつたとしても、。)同人を含む取引先から甲同号証の一六記載のP2石油の取引額と同額の燃料を仕入れたと認めるのが相当である。他に右認定を左右するに足りる証拠はない。本件ではこれをP2、、、。 石油一本として計上することとしその計上額は五八三七三六七円ということになるよつて燃料費は合計一五、九六一、七二九円である。 (八)修理費別紙(二)付属7の一枚目修繕費欄記載のニツキ重車輛につき、前記乙第三三号証によれば、同社の同協議団に対する原告関係修理代金決済額についての報告額は三、八三一、一九〇円(期首残高二二、〇八〇円に対する分を含めた六五九、四五五円の値引後(期末)〇)であつたことが認められる。一方前記甲第八号証の一二には、同社に関し、総額四、六八二、三八〇円に達する修繕費支払の記載があるが、右記載を乙同証によつて検討すると、三月分につき一、一九〇円の誤記があるほか、九月分については、同社から八五万円の支払請求を受けたのに対し、原告は修理にクレームをつけて支払わなかつたのにもかかわらずこれを記載した誤りが 検討すると、三月分につき一、一九〇円の誤記があるほか、九月分については、同社から八五万円の支払請求を受けたのに対し、原告は修理にクレームをつけて支払わなかつたのにもかかわらずこれを記載した誤りがあることが認められ(右クレームについては、その後の修理に対する代金と合わせて一一月及び一二月に合計四〇万円を支払うことにより決着がついた、。)これを補正(値引分を減額)すれば、結局は両者は一致することになる。従つて同社に関する修理費は前記報告額と同額の三、八三一、一九〇円と認めるべきである。これに反する証拠はない。 同欄記載のその余の取引先については、他に反証はないので、甲同号証の一一ないし一九により、同欄記載の各対応金額を各社に関する修理費と認める。 以上修理費として計上すべき金額は合計一七、八一四、六一一円となる。 (九)運搬費別紙(二)付属7の二枚目運搬費欄記載の仲村建設について、前記乙第五五号証の一、甲第八号証の一五及び原告本人尋問の結果によれば、七月六日六九一、八〇〇円を、同本人尋問の結果真正に成立したと認められる甲第三二号証の一ないし二〇及び同本人尋問の結果によれば八月二日から一二月三〇日までに前後二〇回にわたり合計八、一五五、七九二円を、それぞれ運搬賃として原告が同社に支払つたことが認められ、一二月三一日現在な、。 、お未払金八四四九〇〇円の債務が残存したことは当事者間に争がない右事実によれば- 65 -原告が同社に支払つた運搬賃は合計九、六九二、四九二円であつたと認められる。 右八月二日以降の支払分につき、乙同号証の二ないし一三によれば、この間右支払いのために原告によつて振出された手形、小切手は額面合計三、五〇一、四〇七円であることが認められる(もつとも当事者間に争のない別紙(一)付属7の支払手形明細IIと対照すると、 によれば、この間右支払いのために原告によつて振出された手形、小切手は額面合計三、五〇一、四〇七円であることが認められる(もつとも当事者間に争のない別紙(一)付属7の支払手形明細IIと対照すると、右手形、小切手中には少くとも額面四〇万円、支払期日昭和三七年一月一六日の手形(領収書としては甲第三二号証の一〇が対応する)が脱漏していることは明らかで()ある)が、同本人尋問の結果によれば、右支払いは原告振出の手形、小切手のほか、現金。 及び岡崎工業振出手形等の譲渡によつてもなされたことが認められるので、前記認定を左右せず、又右認定額より多額(一、二一五、七三九円)に達する甲第八号証の一五のこの点についての記載は、この間の領収書としては前記甲第三二号証の一ないし二〇しか存在しない事実に照らして採用できず、他に右認定に反する証拠はない。 同欄記載のその余の取引先については、他に特段の反証はないので、甲第八号証の一二ないし一五、一七ないし一九により、同欄記載の各対応金額を各取引先に対する運搬賃と認める。 従つて運搬費として計上すべき金額は合計一〇、五四五、五一三円となる。 (一〇)その他の経費別紙(二)付属7記載の経費中その余の費用(但し借入金利子割引料及び道路補修費は後記)については、前記甲第八号証の一一ないし一九及び弁論の全趣旨により次のとおり。 認められ、これに反する証拠はない。 (1)公租公課所得税二、三〇〇円については経費に計上することをえず、自動車税三七七、七六五円の支出を認めて、これを経費として計上する。 (2)水道光熱費同欄記載の各相手先に対する各対応金額欄記載の各金額の支出を認め、その合計額三四、六六一円を経費として計上する。 (3)旅費交通費、、同欄記載の各相手先に対する各対応金額欄記載の各金額の支出を認めそ 載の各相手先に対する各対応金額欄記載の各金額の支出を認め、その合計額三四、六六一円を経費として計上する。 (3)旅費交通費、、同欄記載の各相手先に対する各対応金額欄記載の各金額の支出を認めその合計額二〇一五六三円を経費として計上する。 (4)広告宣伝費同欄記載の各相手先に対する各対応金額欄記載の金額の支出を認め、その合計額六一、〇九〇円を経費として計上する。 (5)接待交際費同欄記載の各相手先に対する各対応金額欄記載の金額の支出を認め、その合計額三五一、〇九〇円を経費として計上する。 (6)保険料日本生命及び住友生命に対する保除料の支払いについては、これを経費としては計上しない。又大正海上に対する三、〇八〇円の支払いは火災保険と- 66 -認め、その半額の一、五四〇円を経費として計上する。 同欄記載のその他の相手先に対する各対応金額欄記載の保険料の支出を認め、以上合計額二、九九〇、七〇六円を経費として計上する。 (7)事務用品費同欄記載の各相手先に対する各対応金額欄記載の金額の支出を認め、その合計額六三、一〇六円を経費として計上する。 (8)福利厚生費国民保険を除外した同欄記載のその余の相手先に対する各対応金額欄記載の金額の支出を認め、その合計額九六七、九五五円を経費として計上する。 (9)雑費同欄記載の各相手先に対する各対応金額欄記載の金額の支出を認め、その合計額一、一一六、〇五九円を雑費として計上する。 (一一)利息割引料別紙(二)付属7の二枚目支払利息欄記載の八州いすゞ、大阪いすゞ、トヨタ及び三菱ふそうについて、前記甲第八号証の一一には、合計額が同欄記載の各対応金額と同額になる。 、、、各月別支払利息金額の記載があるしかし前記乙第三九第四〇号証の各二第六七号証当事者間に争のない別紙(一)付属7支払手 前記甲第八号証の一一には、合計額が同欄記載の各対応金額と同額になる。 、、、各月別支払利息金額の記載があるしかし前記乙第三九第四〇号証の各二第六七号証当事者間に争のない別紙(一)付属7支払手形明細II中右各社関係の支払手形(特に八州いすゞにつき、同付属5車輛運搬具明細、番号44の車輛の購入に関するものと推測される)及び弁論の全趣旨によれば、右記載金額は、前年分同様いずれも経費として計上。 す(、。)べからざる延払い利息但しトヨタ記載額中八三〇六〇〇円については趣旨不明であると認められるので、これらを除外しなければならない。 同欄記載の中小企業(金融公庫)について、甲同号証の一四には、同公庫に対する二一、九四二円(同欄対応金額と同額)の支払記載がある。しかし弁論の全趣旨によれば、右支払いの元本の借入先は前年分の国民金融公庫として表示されていたものと同一と認められ、これに反する証拠はない。そうすると期首の残元金は一六〇万円であつたから、これが同年八月までの間に順次分割償還されていく間の利息として六〇〇〇円を限度にこれを認めるのが相当であり、右額を越える支払いについては趣旨不明として経費には計上しないこととする。 、、、、同欄記載のその余の借入先について他の特段の反証はないので甲同号証の一四一七二〇により、同欄記載口各対応金額の利息割引料の支払いを認める。 従つて利息割引料として計上すべき金額は一、一八〇、四一六円となる。 (一二)別表(二)付属9昭和三六年度貸倒金表記載の貸倒金については、前記甲第一七号証及び原告本人尋問の結果によれば、原告が前年に取得した売掛金債権五四三、五〇〇円の債務者砂市商店(右債権の発生は前記認定のとおり。甲第九号証)が倒産し、右債権全額の回収不能が明らかになつたことが認められ、これに反する証拠 によれば、原告が前年に取得した売掛金債権五四三、五〇〇円の債務者砂市商店(右債権の発生は前記認定のとおり。甲第九号証)が倒産し、右債権全額の回収不能が明らかになつたことが認められ、これに反する証拠はない。よつて右回収不能金五四三、五〇〇円は貸倒金として処理すべきである。 ところで同表記載の●新建材については、原告本人尋問の結果真正に成立したと認められる甲第三三号証の一ないし四及び同本人尋問の結果によれば、七月二二日から九月四日ま- 67 -での間に原告が所持していた同社振出の手形四通、額面合計一、七二五、〇〇〇円がいずれも不渡りとなつたことは認められる。しかし同本人尋問の結果によれば、右各手形は、いずれも原告が同社から依頼されて同社に宛てて振出した融通手形の見返りの手形であつたことが認められ、そうすると実質的には右各不渡りによつて始めて債権が発生した関係にあり(原告振出の融通手形は、原告が決済したものと推測される、そのうえその経。)費性を認めるに足りる証拠はない。仮に経費性があるとしても、前記認定の原告と同社代表者が姻族関係にある事実に照らすとき、その後も取引関係を含めた両者の関係の継続又は再開の可能性はなおあり、これらの関係の中で右債権回収の可能性は否定できないといわなければならない。従つて右不渡りにより直ちに貸倒金として処理することは相当ではない。 更に同表記載の弥栄重機については、証人P8の証言及び同本人尋問の結果によれば、原告は同社に対して、原告が不要の建設機械を同社に賃貸していたところ、右賃料支払のための同社振出の手形が不渡りになつたことが認められるが、同証言によれば、右不渡りの発生は昭和三七年であつたことが認められ、これに反する証拠はない。従つてこれを当期の貸倒金として処理することができないことはいうまでもない。 以上 なつたことが認められるが、同証言によれば、右不渡りの発生は昭和三七年であつたことが認められ、これに反する証拠はない。従つてこれを当期の貸倒金として処理することができないことはいうまでもない。 以上貸倒金として計上すべき額は五四三、五〇〇円のみということになる。 (一三)別紙(二)付属10昭和三六年度中事故被害明細記載の賠償金について、前記甲第一八号証及原告本人尋問の結果によれば、原告は、、、、原告の事業執行中に原告の被用運転手が発生させた同明細中番号1ないし9111214、16ないし32、34ないし43、46記載の各交通事故に対し、自賠責保険金以外に、各対応金額記載の賠償金合計六、六〇二、八五〇円を支払つたことが認められ、これに反する証拠はない。しかし同番号44の交通事故については前記乙第五八号証の一により、同45の交通事故については同乙第六〇号証により、同47ないし49の各交通事故については、その発生日時と事故態様及び賠償の対象自体により、いずれも賠償金の支、、、払は次期以降であることが認められるので当期の事故賠償金に算入できず同番号1013(三件、15及び33の各事故については、加害車輛が、別紙(一)付属5車輛運)搬具明細I中に含まれていない事実に照らし、趣旨不明として採用できない。 従つて事故賠償金として算入すべき金額は六、六〇二、八五〇円である。 (一四)道路補修費別紙(二)付属7の三枚目道路補修費欄については、甲第八号証の一二及び原告本人尋問の結果により、一三五万円の支払いが認められ、これに反する証拠はない。 (一五)減価償却費(1)建設機械別紙(一)付属4建設機械明細中、番号2、5ないし7、9、10の各機械の期末価額、同11ないし15、17の各機械の取得年月、取得価額及び期末価額についてはいずれも当事者 減価償却費(1)建設機械別紙(一)付属4建設機械明細中、番号2、5ないし7、9、10の各機械の期末価額、同11ないし15、17の各機械の取得年月、取得価額及び期末価額についてはいずれも当事者間に争はなく、同3、4、8の各機械の各処分と各処分時簿価については原告は明らかに争わない。同16の機械については、その取得と取得価格については当事者間に争はなく、その取得月については、前記乙第八〇号証によれば、一二月と認められ、従つて- 68 -期末価額は一〇、〇〇五、三一二円である。又同Iの機械については、原告本人尋問の結果のみによつては、一二月にこれを処分したと認めるに足りず、他にこれを認めるに足りる証拠はないので、期末になお残存するものとして扱う。 よつて建設機械についての当期減価償却費は同明細I当期減価償却費欄記載のとおり合計七、二八七、六一〇円となる。 (2)車輛運搬具別紙(一)付属5車輛運搬具明細中、番号6、7、14ないし18、20ないし29の各車輛の期末価額、同30ないし44の各車輛の取得年月、取得価額及び期末価額についてはいずれも当事者間に争はなく、同5、8、10ないし13、19の各車輛の処分と右各処分時の簿価については原告も明らかに争わないところである。 従つて車輛運搬具についての当期減価償却費は、同明細I当期減価償却費欄記載のとおり合計一一、二六〇、六〇三円となる。 (3)よつて当期減価償却費は合計一八、五四八、二一三円である。 (一六)資産譲渡損失額(1)建設機械同建設機械明細、番号3の機械につき二、七一四、〇〇〇円、同4の機械につき三〇〇万円、同8の機械につき一五〇万円の各処分価額は原告も明らかに争わず、従つて右各機械について前記処分時簿価と照し合わせると、その各譲渡損失額は、同明細I当期譲渡損失額欄記載のとお の機械につき三〇〇万円、同8の機械につき一五〇万円の各処分価額は原告も明らかに争わず、従つて右各機械について前記処分時簿価と照し合わせると、その各譲渡損失額は、同明細I当期譲渡損失額欄記載のとおりであり、その合計額は四、五五〇、九六五円となる。 (2)車輛運搬具同車輛運搬具明細、番号5の車輛につき四五万円、同8の車輛につき五三五、〇〇〇円、同10の車輛につき七六五、〇〇〇円、同11の車輛につき三三万円、同19の車輛につき九三二、〇〇〇円の各処分価額については原告も明らかに争わない。同12、13の各車輛の処分価額については、同19の車輛の処分価額と同額の九三二、〇〇〇円と認めるのを相当とする。そうすると同5、8、10、11、19の各車輛についての各譲渡損失額は同明細I当期譲渡損失額欄記載のとおりであり、同12、13の各車輛については、、、。 、、。 それぞれ一〇五〇五七五円となる従つてその合計額は五一八三三五八円である(3)従つて当期資産譲渡損失額は合計九、七三四、三二三円となる。 結論 以上の認定による原告の所得を各年につきまとめると、別紙(三)収支計算書(認定分)記載のとおりとなり、結論だけを示せば次表のとおりである。 右によれば、原告の総所得金額は、各年とも、原告の確定申告額を超えないこと明らかであるところ、被告が前記のように認定して本件各処分に及んだことには所得の認定を誤つた違法があるといわなければならない。 三よつて原告の本訴請求は理由があるから認容し、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法第七条、民事訴訟法第八九条を適用して主文のとおり判決する。 別紙(省略) 主文 を適用して判決する。 別紙(省略)

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