平成14(行ウ)298 公文書非開示決定取消請求

裁判年月日・裁判所
平成15年12月12日 東京地方裁判所
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判決文本文27,205 文字)

平成15年12月12日判決言渡平成14年(行ウ)第298、362ないし365号公文書非開示決定取消請求事件判決原告 A被告司法制度改革推進本部長 主文 1 被告が原告に対し平成14年4月10日付けでした各行政文書不開示決定(閣司本第190号ないし第194号、平成15年3月12日付け各決定で変更後のもの)のうち、各文書中の「議事の公開の協議」の部分及び仲裁検討会の内容を記録した文書中の「関係機関からの出席の協議」の部分を不開示とした部分を取り消す。 2 原告の各訴えのうち、その余の部分を却下する。 3 訴訟費用は被告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求被告が原告に対し平成14年4月10日付けでした各行政文書不開示決定を取り消す。 第2 事案の概要 1 事案の要旨本件は、原告が被告に対し平成14年3月12日付けでした(同年3月14日受付)行政機関の保有する情報の公開に関する法律(以下「情報公開法」という。)に基づく①平成14年2月28日に実施された裁判員制度・刑事検討会の内容を記録した録音テープ(以下「本件裁判員制度・刑事検討会テープ」という。)、②平成14年2月5日に実施された仲裁検討会の内容を記録した録音テープ(以下「本件仲裁検討会テープ」という。)、③平成14年1月30日に実施された司法アクセス検討会の内容を記録した録音テープ(以下「本件司法アクセス検討会テープ」という。)、④平成14年1月11日に実施された法曹養成検討会の内容を記録した録音テープ(以下「本件法曹養成検討会テープ」という。)、⑤平成14年2月28日に実施された公的弁護制度検討会の内容を記録した録音テープ(以下「本件公的弁護制度検討会テープ」といい、以下5つのテープを合わせて「本件各行政文書」といい、上記5つの検討会を合わせて「本件各検討会」 実施された公的弁護制度検討会の内容を記録した録音テープ(以下「本件公的弁護制度検討会テープ」といい、以下5つのテープを合わせて「本件各行政文書」といい、上記5つの検討会を合わせて「本件各検討会」という。)の各開示請求(以下あわせて「本件各開示請求」という。)に対し、被告が平成14年4月10日付けでした各不開示決定(以下あわせて「本件各不開示決定」という。)につき、前記各文書が情報公開法所定の不開示事由に該当しないのにこれを不開示とした本件決定は違法である旨主張して、本件各不開示決定の取消しを求める事案である。 なお、後記第2、2(4)記載のとおり、本件各不開示決定は本訴提起後に被告により変更され、各文書のうち一部が開示されるに至ったが、原告は、請求を減縮することなく当初の請求を維持している。 2 判断の前提となる事実(証拠を掲記しない事実は、いずれも当事者間に争いがないか、当裁判所に顕著な事実である。)(1) 司法制度改革推進本部について政府は、司法制度改革推進法(以下「推進法」という。)の成立を受け、平成13年11月22日、推進法の施行期日を定める政令及び司法制度改革推進本部令を制定した。前者は、推進法の施行期日を平成13年12月1日とするものであり、後者は、司法制度改革推進本部に顧問会議を置く等必要な事項を定めるものである。 推進法の施行により、同年12月1日、司法制度改革推進本部が発足した。推進本部は、司法制度改革を総合的かつ集中的に推進するために内閣におかれた機関で(推進法8条)、全国務大臣で構成され、内閣総理大臣を本部長とし、内閣官房長官及び法務大臣を副本部長とし、内閣官房副長官を本部長補佐としている(同法10条ないし13条、司法制度改革推進本部令2条)。推進本部の所管事務は、司法制度改革の推進に関する総合調整に関 、内閣官房長官及び法務大臣を副本部長とし、内閣官房副長官を本部長補佐としている(同法10条ないし13条、司法制度改革推進本部令2条)。推進本部の所管事務は、司法制度改革の推進に関する総合調整に関すること、司法制度改革推進計画の作成及び推進に関すること、司法制度改革の総合的かつ集中的な推進のために必要な法律案及び政令案の立案に関することなどである(推進法9条)。また、推進本部には、その事務を処理させるため、事務局が置かれている(推進法15条1項)。 (2) 検討会ア上記のとおり、推進本部にはその事務を処理させるため事務局が置かれているが、事務局は、司法制度改革に必要な法令案等の立案に関し、事務局と一体となって議論し、その成果を法令案等に反映させることを目的として、有識者を出席者とする検討会を開催することとした。 イ検討会の名称及び主要な検討課題は次のとおりである。 (ア) 労働検討会:労働関係事件への総合的な対応強化(イ) 司法アクセス検討会:裁判所へのアクセスの拡充(ウ) ADR検討会:裁判外の紛争解決手段(ADR)の拡充・活性化(エ) 仲裁検討会:仲裁法制の整備(オ) 行政訴訟検討会:司法の行政に対するチェック機能の強化(カ) 裁判員制度・刑事検討会:刑事訴訟手続への新たな参加制度の導入、刑事裁判の充実迅速化等(キ) 公的弁護制度検討会:公的刑事弁護制度の導入及び整備(ク) 国際化検討会:国際化への対応(ケ) 法曹養成検討会:法曹養成制度の改革(コ) 法曹制度検討会:弁護士・検察官・裁判官制度の改革等(サ) 知的財産訴訟検討会:知的財産関連訴訟の充実及び迅速化(3) 本件各行政文書の内容等ア本件裁判員制度・刑事検討会テープ本件裁判員制度・刑事検討会テープは、平成14年2月28日に行われた司法制度改革推進本部裁判員 的財産関連訴訟の充実及び迅速化(3) 本件各行政文書の内容等ア本件裁判員制度・刑事検討会テープ本件裁判員制度・刑事検討会テープは、平成14年2月28日に行われた司法制度改革推進本部裁判員制度・刑事検討会(第1回)を録音したテープである。同テープに記録された内容は、①開会 ②事務局長あいさつ、③配付資料の確認、④出席者の紹介、⑤座長の選任、⑥議事の公開の協議、⑦座長あいさつ、⑧主な検討事項の説明、⑨今後の開催予定の説明、⑩閉会であり、①、②及び⑦ないし⑩については、報道機関による議事の傍聴が認められた。 イ本件仲裁検討会テープ本件仲裁検討会テープは、平成14年2月5日に行われた司法制度改革推進本部仲裁検討会(第1回)を録音したテープである。同テープに記録された内容は、①開会、②事務局長あいさつ、③出席者の自己紹介、④座長の選出、⑤配付資料の確認、⑥議事の公開及び関係機関からの出席の協議、⑦座長あいさつ、⑧司法制度改革審議会の検討状況、意見書等の紹介、⑨今後の検討スケジュールの説明、⑩仲裁法制に関するアンケート結果の説明、⑪総則的事項についての検討、⑫仲裁合意の成立についての検討、⑬仲裁合意の効力についての検討、⑭仲裁合意に関するその他の事項についての検討、⑮閉会であり、①、②及び⑦ないし⑮については報道機関による議事の傍聴が認められていた。 ウ本件司法アクセス検討会テープ本件司法アクセス検討会テープは、平成14年1月30日に行われた司法制度改革推進本部司法アクセス検討会(第1回)を録音したテープである。同テープに記録された内容は、①開会、②事務局長あいさつ、③配付資料の確認、④出席者の紹介、⑤座長の選任、⑥議事の公開の協議、⑦検討事項及び検討の進め方についての協議、⑧今後の日程等の説明、⑨閉会であり、①、②、⑦な 内容は、①開会、②事務局長あいさつ、③配付資料の確認、④出席者の紹介、⑤座長の選任、⑥議事の公開の協議、⑦検討事項及び検討の進め方についての協議、⑧今後の日程等の説明、⑨閉会であり、①、②、⑦ないし⑨については報道機関による議事の傍聴が認められていた。 エ本件法曹養成検討会テープ本件法曹養成検討会テープは、平成14年1月11日に行われた司法制度改革推進本部法曹養成検討会(第1回)を録音したテープである。同テープに記録された内容は、①開会、②事務局長あいさつ、③配付資料の確認、④出席者の紹介、⑤座長の選任、⑥議事の公開の協議、⑦座長あいさつ、⑧検討事項及び検討スケジュールの説明、⑨法科大学院に関する論点整理、⑩司法試験に関する論点整理、⑪今後の日程等の説明、⑫閉会であり、①、②、⑦ないし⑫については報道機関による議事の傍聴が認められていた。 オ本件公的弁護制度検討会テープ本件公的弁護制度検討会テープは、平成14年2月28日に行われた司法制度改革推進本部公的弁護制度検討会(第1回)を録音したテープである。同テープに記録された内容は、①開会、②事務局長あいさつ、③配付資料の確認、④出席者の紹介、⑤座長の選任、⑥議事の公開の協議、⑦座長あいさつ、⑧主な検討事項の説明、⑨今後の開催予定の説明、⑩閉会であり、①、②、⑦ないし⑩については報道機関による議事の傍聴が認められていた。 (4) 各検討会における議事の公開に関する取決めの内容及びその変更本件各検討会においては、第1回会合の議事の公開に関する協議の結果、概ね、①毎回の会議の議事概要及び議事録を作成し公表する。ただし、発言者名は公表しない、②報道機関に議事の傍聴を認める、③第1回会合の議事録中、座長の選任、議事の公開の協議及び関係機関からの出席の協議については、協議の結果のみ び議事録を作成し公表する。ただし、発言者名は公表しない、②報道機関に議事の傍聴を認める、③第1回会合の議事録中、座長の選任、議事の公開の協議及び関係機関からの出席の協議については、協議の結果のみを記載することが定められた(甲27の1、28の1、29の1、30の1、31の1)。 その後、裁判員制度・刑事検討会では平成14年12月10日の第10回会合において、仲裁検討会では同年11月7日に開催された第10回会合において、司法アクセス検討会では平成15年1月29日に開催された第12回会合において、法曹養成検討会では平成14年12月20日に開催された第14回会合において、公的弁護制度検討会では平成14年12月24日に開催された第6回会合において、それぞれ議事録に発言者名を記載する取り扱いに変更することを取り決めたが、取扱い変更前の議事に係る議事録についてはその取扱いを変更しないこととした(甲27の2、28の2、29の2、30の2、31の2)。 (5) 本件処分に至る経緯ア原告は、平成14年3月12日付けで、被告に対し、情報公開法に基づき、本件各開示請求をした(甲1ないし5)。 イこれに対し、被告は、平成14年4月10日付けで、情報公開法9条2項に基づき、本件各行政文書を開示しない旨の各決定をし(本件各不開示決定)、「当該録音テープに記録されている検討会の各メンバーの発言は、個人に関する情報である。また、当該録音テープを開示することにより、率直な意見の交換又は意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがある上、これを開示することにより、司法制度改革推進本部事務局の事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある。」との理由を記載した各不開示決定通知書を発出した(閣司本第190号ないし第194号、甲6ないし10)。 ウ原告は、平成14年5月2 革推進本部事務局の事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある。」との理由を記載した各不開示決定通知書を発出した(閣司本第190号ないし第194号、甲6ないし10)。 ウ原告は、平成14年5月2日付けで異議申立てを行うとともに、平成14年7月12日、本件訴えを提起した。 (6) 被告による本件処分の変更ア被告は、前記(3)ウの異議申立てを受け、平成14年7月19日付けで、情報公開法18条に基づき、情報公開審査会に諮問したところ、情報公開審査会は、平成15年2月7日付けで、本件各不開示決定につき、議事の公開の協議の部分(本件仲裁検討会テープについては、議事の公開及び関係機関からの出席の協議の部分)は不開示が妥当であるが、その他の部分は開示すべきであるとの答申をした(乙6ないし10)。 イ被告は、平成15年3月12日付けで、情報公開審査会による前記答申を受けて、本件各不開示決定をいずれも変更し、本件各行政文書のうち本件仲裁検討会テープについては、議事の公開及び関係機関からの出席の協議の部分、その余の行政文書については議事の公開の協議の部分(以下この部分をあわせて「本件各不開示部分」という。)は、情報公開法5条5号及び6号に該当するほか、事務局の職員の発言の部分を除き、同条1号にも該当するため、原決定どおり不開示とし、本件各不開示部分を除く部分(以下あわせて「本件各開示部分」という。)を開示する旨の決定を行った(乙1ないし5)。 3 争点及び争点に関する当事者の主張本件の争点は、本件各不開示部分が情報公開法所定の不開示事由に該当するか否かである。 (1) 被告ア本件各不開示部分が情報公開法5条1号に該当すること(ア) 本件各不開示部分が情報公開法5条1号本文に該当することa 本件各不開示部分は、各検討会の第1回会合の議事内容 である。 (1) 被告ア本件各不開示部分が情報公開法5条1号に該当すること(ア) 本件各不開示部分が情報公開法5条1号本文に該当することa 本件各不開示部分は、各検討会の第1回会合の議事内容を記録したテープの一部であり、各検討会出席者の発言が音声として記録されたものであるから、その全体が個人に関する情報であり、かつ、音声や発言内容等により特定の個人を識別することができるものであるから、同号本文に該当することは明らかである。 b 情報公開法5条1号は、不開示情報について、当該情報の属性から規定している。したがって、同号の不開示情報に該当するか否かは、「だれ」を基準とするかによってではなく、照合される「他の情報」を基準として決定されるべきであり、当該「他の情報」がどのようなものを指すかによって決定されるべきである。そして、「他の情報」は、公知の情報や図書館等の公共施設で一般に入手可能なものなど一般人が通常入手し得る情報をいうだけでなく、何人も開示請求できることから、仮に当該個人の近親者、地域住民等であれば保有している又は入手可能であると通常考えられる情報を含む。 そこで、本件各行政文書についてみると、各検討会の第1回会合の議事内容の録音テープであり、そこに記録された発言には、自ら氏名を名乗った上での発言のほか、座長による発言者の氏名を受けての発言、前の発言者名を引用した上での発言というように、上記「他の情報」と照合することなく記録された情報そのものから容易に発言者を識別することが可能なものが含まれている。また、そのほか、公表されている議事録の出席者の記載や発言内容、音声等と照合することにより、発言者を識別することが可能な発言も含まれているのである。しかも、本件各行政文書のうち本件各開示部分はすでに原告に対して公表されているの 議事録の出席者の記載や発言内容、音声等と照合することにより、発言者を識別することが可能な発言も含まれているのである。しかも、本件各行政文書のうち本件各開示部分はすでに原告に対して公表されているのであるから、発言者を識別するための照合に必要な情報は、原告が主張するような一般人であっても容易に入手可能なものである。 そうすると、音声と不可分一体となった発言そのものが個人識別情報として不開示情報に該当するものというべきである。 (イ) 本件各不開示部分が情報公開法5条1号ただし書イに該当しないことa 本件について、本件各不開示部分に記録されている情報について、これを公にされるものとする法令の規定は存しないし、慣行として公にされている情報でもない。 本件各不開示部分に記録されている情報は、議事の公開に関する協議の部分や関係機関からの出席の協議の部分であり、後の会議の進め方、会議をいかなる形で公開するか、会議録をいかなる形で作成するかなどいわば会議の土台のルールづくりと位置づけられるもので、非公開で行われ、かつ、議事録にも協議の結果のみを記載する取扱いとされたものである。当初から発言者の氏名を記載した議事録を公開するとした他の検討会においても、議事の公開に関する議事の部分は非公開とし、かつ、議事録にも協議の結果のみ記載する取扱いをしており、本件各検討会と同様の取扱いがされたものである。 したがって、行政の透明性の確保の観点から審議会等と同様に会議又は議事録を速やかに公開することを原則とすることが要請されていることを前提としても、本件各不開示部分に記載されている情報について、将来的に公にすることを予定されているものとすることもできない。 b 原告は、情報公開法が知る権利を具体化したものであることや推進法の審議過程での法務大臣の答弁や 部分に記載されている情報について、将来的に公にすることを予定されているものとすることもできない。 b 原告は、情報公開法が知る権利を具体化したものであることや推進法の審議過程での法務大臣の答弁や同法可決の際の衆参法務委員会での附帯決議の内容から本件各不開示情報が情報公開法5条1号ただし書イに該当する旨主張するが、請求権的権利としての知る権利を認めていない判例の趣旨や法務大臣の答弁の内容、附帯決議が政府に対して法的拘束力を持たないことについて正解しないもので、失当といわざるを得ない。 (ウ) 本件各不開示部分が情報公開法5条1号ただし書ハに該当しないことa 情報公開法5条1号ただし書ハ(平成13年法律第140号による改正前のもの。以下同じ。)が「公務員」につき、国家公務員法(昭和22年法律第120号)2条1号に規定する国家公務員及び地方公務員法(昭和25年法律第261号)2条に規定する地方公務員をいうと定義し、いわゆるみなし公務員等の規定を設けていないのであるから、この「公務員」が上記法令上の公務員のみを指していることは明らかである。 本件各検討会は、平成11年4月27日閣議決定に係る「審議会等の整理合理化に関する基本計画」中の別紙4「懇談会等行政運営上の会合の開催に関する指針」において、「行政運営上の参考に資するため、大臣等の決裁を経て、大臣等が行政機関職員以外の有識者等の参集を求める会合であって、同一名称の下に同一人に複数回、継続して参集を求めることを予定しているもの」と定義された「懇談会等行政運営上の会合」に該当するものである。 そして、検討会の出席者は、上記定義中の有識者等の立場で検討会における議論に参画しているものであるから、各検討会の出席者は、あくまで「行政運営上の参考に資するため」に参集しているにとどまり、国 そして、検討会の出席者は、上記定義中の有識者等の立場で検討会における議論に参画しているものであるから、各検討会の出席者は、あくまで「行政運営上の参考に資するため」に参集しているにとどまり、国の公務遂行を担当するものではなく、また、任命権者による任命も受けていない。 したがって、各検討会の出席者が「公務員」に当たらないことは明らかである。 なお、各検討会の出席者の中には国家公務員である者もいるが、検討会の出席者は、その国家公務員としての職務の遂行から離れて、一個人である有識者として、その職務を離れた自由な立場で検討会における議論に参画しているものであるから、国家公務員である出席者も、公務員ではない出席者と全く同じであって、国家公務員である出席者に関する情報であっても、「職務の遂行に係る情報」には当たらない。 イ本件各不開示部分が情報公開法5条5号(平成13年法律140号による改正前のもの。以下同じ。)に該当すること(ア) 「国の機関及び地方公共団体の内部又は相互間における審議、検討又は協議に関する情報」に該当すること事務局は、司法制度改革を総合的かつ集中的に推進することを目的とする司法制度改革推進本部に置かれ、その事務を処理するものであるところ、検討会は、事務局によって開催され、司法制度改革に必要な法令等の立案に関し、事務局と一体となって議論するものであるから、本件各不開示部分に記録されている各検討会における意見交換の内容は、「国の機関及び地方公共団体内部又は相互間における審議、検討又は協議に関する情報」に該当する。 (イ) 公にすることにより、率直な意見の交換又は意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあること各検討会は、裁判員制度、仲裁制度、司法アクセス等の大きなテーマごとに分けられているが、そこでは、その大 公にすることにより、率直な意見の交換又は意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあること各検討会は、裁判員制度、仲裁制度、司法アクセス等の大きなテーマごとに分けられているが、そこでは、その大きなテーマの中で、さらに、個別の各論的なテーマが検討されることになる。各検討会で取り上げられるべき各論的なテーマについては、社会的に意見の対立もあり、各検討会の出席者により意見等も異なるものである。各検討会は、このようなテーマについて、司法制度改革審議会意見の趣旨にのっとった上で、幅広い国民の支持を得られる方向性を見いだし、法令案の立案作業を進めていくのであるから、何より自由闊達な議論がされていることが必要である。また、その議論の過程において、各論的なテーマ次第では、関係者の名誉、プライバシー、職務上知り得た事項で公開に親しまないもの等が議論の過程で持ち出されることも否定できない。したがって、各検討会における自由闊達な議論を確保するための方法も、各検討会ごと、各論的なテーマごとに自ずと異なり得る。そこで、各検討会は、それぞれの議事を公開するか否か、議事録に発言者の氏名を表示するか否かなど、今後議論される内容をどのように外部に伝達するかという対応方針について各検討会ごとに協議して取り決め、さらに、それぞれの第1回会合において、その対応方針は当面のものとされたのである。 したがって、ここで取り決められた対応方針は、今後、各検討会の議論の進捗状況や取り上げられるテーマ等によっては変更され得るものであって、第1回会合での協議は、今後の対応方針の変更に関して行われうる協議と連続的な関係にある。 このように、本件各不開示部分に係る協議で決定された対応方針は、今後も変更され得るものであるから、その協議内容が公開されることになれば、その協議の過程に して行われうる協議と連続的な関係にある。 このように、本件各不開示部分に係る協議で決定された対応方針は、今後も変更され得るものであるから、その協議内容が公開されることになれば、その協議の過程において意見を述べた各出席者が、外部から名指しで非難を受けるなどの圧力や干渉等の影響を受けるなどにより、対応方針の変更に関し今後行われ得る協議において発言を控えることにもなってしまうおそれがある。その結果、そこでの協議が消極的かつ低調なものとなり、この協議における適正な意思決定手続が確保され得ないという事態を招くことにもなりかねない。さらに、本件各行政文書における議事の公開・非公開等についてのこの協議が、いわば会議の土台となるルール作りとして行われたものであり、協議して取り決められた対応方針が、その後の各検討会における議論の在り方を大きく左右することとなるものであることからすれば、検討会の各テーマについての議論において率直な意見交換若しくは意思形成過程の中立さが損なわれるという事態をも招来することとなる。 そして、本件各行政文書が、各検討会の会議において生じた音を録音したテープであって、各検討会における各出席者等の発言内容を言い間違い等もそのまま反映しているのみならず、同人の音声、発言の語気・語調、発言に対する会議の場の反応、その他その場において生じた音を全て反映しており、開示により発言内容につき、自己の意図した趣旨と違った受け止められ方をされたり、興味本位に注目の的とされるなどのおそれが特に大きいことを考えると、前述した弊害は、一層深刻なものとなるおそれがある。 以上検討したように、本件各不開示部分を開示すれば、各検討会において、今後議事の公開・非公開に関して協議を行う際に、率直な意見の交換及び意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ なるおそれがある。 以上検討したように、本件各不開示部分を開示すれば、各検討会において、今後議事の公開・非公開に関して協議を行う際に、率直な意見の交換及び意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあり、ひいては、各検討会で取り上げられるべきテーマに関する議論についても、自由闊達さを損ない、率直な意見の交換及び意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあることは明らかである。 ウ本件各不開示部分が情報公開法5条6号(平成13年法律140号による改正前のもの。以下同じ。)に該当すること(ア) 「国の機関又は地方公共団体が行う事務又は事業に関する情報」に該当すること推進本部は、司法制度改革の総合的かつ集中的な推進のために必要な法律案及び政令案の立案に関すること等を所掌しており、その事務を処理するために事務局が置かれているところ、事務局は、司法制度改革に必要な法令案等の立案に関し、事務局と一体となって議論し、その成果を法令案等に反映させることを目的として、検討会を開催しているのであるから、本件各行政文書中に記録されている検討会における意見交換の内容は、「国の機関又は地方公共団体が行う事務又は事業に関する情報」に該当する。 (イ) 公にすることにより、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあること前記イ(イ)のとおり、本件各不開示部分には、各検討会における議事の公開・非公開について、以後の協議の前提となる、いわば会議の土台のルール作りとして行われた協議の内容が記録されており、各出席者の生の声等が記録されている。 そこで、本件各不開示部分が公開されることとなれば、各検討会において今後議事の公開・非公開に関して協議を行う際に、率直な意見の交換及び意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあり、ひいては、検討会における議 各不開示部分が公開されることとなれば、各検討会において今後議事の公開・非公開に関して協議を行う際に、率直な意見の交換及び意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあり、ひいては、検討会における議論全般について、自由闊達さを損ない、率直な意見の交換を行うという各検討会の趣旨が没却されることになる。 したがって、本件各不開示部分に記録された情報を公にすることにより、推進本部の重要な所掌事務である法律案及び政令案の立案という事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあることは明らかである。 (2) 原告ア本件各不開示部分が情報公開法5条1号に該当しないこと(ア) 本件各不開示部分が情報公開法5条1号本文に該当しないこと情報公開法5条1号本文は、「個人に関する情報であって・・・特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」と規定しているが、「特定の個人を識別することができる」とは、一般人を基準として一般人が通常入手しうる他の情報と照合することにより識別できるものでなければならない。 そして、本件不開示部分について、まず、一般人がこれを聴取してもそれだけでは特定個人を識別することはできない。各検討会の委員本人とその近親者、各検討会の関係者等の各検討会委員の音声や発言内容をすでに知る者はいるが、そのような特別の情報を有している関係者以外の一般人からみて、通常入手し得る他の情報と照合しても、各検討会議事の公開に関する協議の部分(仲裁委員会については議事の公開及び関係機関からの出席の協議の部分)から特定の個人を識別することができるとはいえない。 (イ) 本件各不開示部分が情報公開法5条1号ただし書イに該当すること変更後の本件各決定は、本件各行政文書のうち変更によ からの出席の協議の部分)から特定の個人を識別することができるとはいえない。 (イ) 本件各不開示部分が情報公開法5条1号ただし書イに該当すること変更後の本件各決定は、本件各行政文書のうち変更により開示した部分について、報道機関による議事の傍聴を認めていたことや情報の具体的な内容に照らして「慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報」に当たるものとしている。すなわち、本件各行政文書のうち本件各不開示部分以外の部分は、当然に「慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報」に該当することを自認していることとなる。そして、本件各不開示部分は、それに該当しないものとしていると解されるが、本訴においてその理由は明らかにされていない。 しかし、本件各不開示部分についても、「公にすることが予定されている情報」として、情報公開法5条1号ただし書イに基づき開示すべきである。 すなわち、国民主権に基づき知る権利を具体化した情報公開法においては、知る権利を実質的に保障するために、公開される情報の範囲を制限する不開示事由はできる限り限定的に解することが求められているし、推進法の審議過程において、B法務大臣が各検討会での審議を十分に公開することを公約し、また、同法の可決成立に当たり、衆議院・参議院の各法務委員会改革の作業や検討会の情報を公開することを求める旨の附帯決議を行っている。さらに、司法制度改革推進本部の労働検討会、ADR検討会、行政訴訟検討会、国際化検討会及び法曹制度検討会は、いずれも第1回の会合の冒頭で会議の公開について検討し、発言者の氏名を記載した議事録を公開することとしている。 そうすると、本件各不開示部分のみを他の部分と区別して「公にすることが予定されている情報」に該当しないとする特段の事情は存せず、同部分 討し、発言者の氏名を記載した議事録を公開することとしている。 そうすると、本件各不開示部分のみを他の部分と区別して「公にすることが予定されている情報」に該当しないとする特段の事情は存せず、同部分も「公にすることが予定されている情報」に該当すると解すべきである。 (ウ) 本件各不開示部分が情報公開法5条1号ただし書ハに該当すること本件各不開示部分のうち、事務局の職員の発言部分が情報公開法5条1号ただし書ハに該当することは明らかである。また、その余の検討会委員の発言の部分も、公務員の職務の遂行にかかる情報であるとして、いずれも情報公開法5条1号ただし書ハに該当するものと解すべきである。 すなわち、検討会は、国家行政組織法8条、内閣府設置法37条等にいう審議会に対する批判や弊害を解決し、行政責任を明確にするために整理合理化された結果設置されたものであり、行政運営上の意見交換、懇談の場において、有識者等の参集を求め、その意見を聴取するためのものである。これは平成11年4月27日閣議決定に係る「審議会等の整理合理化に関する基本計画」中の別紙4「懇談会等行政運営上の会合の開催に関する指針」(甲26)において、「行政運営上の参考に資するため、大臣等の決裁を経て、大臣等が行政機関職員以外の有識者等の参集を求める会合であって、同一名称の下に、複数回、継続して参集を求めることを予定しているもの」と定義された「懇談会等行政運営上の会合」に当たる。そして、情報公開法5条1号ただし書ハの「公務員」とは、広く公務遂行の担任する者を含む者であり、一般職か特別職かを問わない。したがって、国家行政組織法8条や内閣府設置法37条等にいう審議会の委員は、当然に公務遂行を担当する特別職であり、情報公開法5条1号ただし書ハの「公務員」に該当する。そして、本件各検討 を問わない。したがって、国家行政組織法8条や内閣府設置法37条等にいう審議会の委員は、当然に公務遂行を担当する特別職であり、情報公開法5条1号ただし書ハの「公務員」に該当する。そして、本件各検討会は、国家行政組織法8条や内閣府設置法37条にいう審議会が隠れみのになっているのではとの批判を招いたり、縦割行政を助長しているなどの弊害を指摘されたことから、こうした問題点を解決し、行政責任を明確にするため、前記「懇談会等行政運営上の会合の開催に関する指針」に基づいて設置されたものなのであるから、あくまでも行政運営上の意見交換、懇談会等の「公務遂行」の場として性格付けられる。そして、国家行政組織法8条や内閣府設置法37条にいう審議会についての「審議会の運営に関する指針」が「①審議会等の委員の氏名等については、予め又は事後速やかに公表する。②会議又は議事録を速やかに公開することを原則とし、議事内容の透明性を確保する」とし、検討会についての前記「懇談会等行政運営上の会合の開催に関する指針」においても「審議会等の公開に係る措置に準ずる」としているのであるから、その委員の取扱いについても、審議会に準ずる検討会において「公務遂行を担当する者」として、情報公開法5条1号ただし書ハの「公務員」としての取扱いがされるべきである。 したがって、本件各不開示部分は、それぞれ全体として情報公開法5条1号ただし書ハに該当すると解すべきである。 イ本件各不開示部分が情報公開法5条5号に該当しないこと情報公開法5条5号は、「・・・公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に国民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの」と規定しているところ、同号は、個別具体的 くは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に国民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの」と規定しているところ、同号は、個別具体的に開示することによって行政機関の適正な意思決定に支障を及ぼすおそれの有無及び程度を考慮して不開示とされる情報の範囲を画することとしたものであり、しかも、ここでいう不当にとは、審議、検討等の途中の段階にある情報を公にすることの公益性を考慮してもなお、適正な意思決定の確保等への支障が看過し得ない程度のものを意味し、現にされている審議、検討等途中の段階にある情報を開示すると、支障が発生することが確実で、その支障が看過できない重大な場合という例外的な場合にのみ本号に該当すると解すべきである。 しかも、前記のとおり、本件各検討会等の審議会については、審議会等の整理合理化に関する基本的計画による透明性の確保の利益を優先させることを特に求められている。そして、審議、検討等に関する情報については、当該意思決定が行われた後は、開示をしても、一般的にはその意思決定そのものに影響が及ぶことはなくなるところ、本件各検討会は、議事録に発言者名を記載するという取扱いに変更しており、今後、第1回会合における意思決定を前提として新たに次の意思決定が行われるという事情も全くないから、審議、検討等の過程が重層的・連続的な場合には該当しない。また、実際にも、本件各検討会において、委員の意見が外部から名指しで非難を受けるなどの圧力や干渉等の影響をうかがわせるような事情は全くない。 そして、本件各行政文書が録音テープであって、その場の音の全てを反映していることも、他の部分が既に開示されていることからすると、これを開示すべきとの結論に何ら影響することはないし、さまざまな受け取り方 して、本件各行政文書が録音テープであって、その場の音の全てを反映していることも、他の部分が既に開示されていることからすると、これを開示すべきとの結論に何ら影響することはないし、さまざまな受け取り方をされる情報であるから国民による検討の機会を与えるべきではないとするのは、国民を愚弄する論理である。 以上のとおり、本件各不開示部分は、現になされている審議、検討等の途中の段階にある情報を開示すると、支障が発生することが確実で、その支障が看過できない重大な場合という例外的な場合にのみ該当すると解すべきであり、本件各不開示部分は、審議、検討等の途中の段階にある情報ではないし、支障があることは確実とはいえず、本号の「不当に」の要件を満たすとは到底いえない。 なお、事務局職員の発言部分については、被告の主張からしても不開示とする理由がないことは明らかである。 ウ本件各不開示部分が情報公開法5条6号に該当しないこと情報公開法5条6号の適用については、行政機関の長に広範な裁量権を与える趣旨ではなく、各規定の要件の該当性を客観的に判断する必要があり、また、事務又は事業がその根拠となる規定・趣旨に照らし、公益的な開示の必要性等の諸々の利益を考量した上での適正な遂行といえるものであることが求められる。そして、このうち特に「事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれ」について「支障」の程度は名目的なものでは足りず、実質的なものが要求され、「おそれ」の程度も単なる確率的な可能性でなく、法的に保護に値する蓋然性が要求される。 本件においては、議事録に発言者の氏名を記載することとした後も、率直な意見の交換及び意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれは生じないし、ひいては、検討会における議論全般について自由闊達さを損なうこともなく、また、率直な意見の交換を行うと することとした後も、率直な意見の交換及び意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれは生じないし、ひいては、検討会における議論全般について自由闊達さを損なうこともなく、また、率直な意見の交換を行うという各検討会の趣旨が没却されることもないことから判断すると、本件各不開示部分を開示しても、本件各検討会において、今後議事の公開・非公開に関して協議を行う際に、率直な意見の交換及び意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれは、法的保護に値する蓋然性を認める程度にまでには何ら生じていない。 不開示部分で検討された点については、後に各検討会において議事録に発言者の氏名を記載するとの決定がされている。したがって、今後、第1回会合における意思決定を前提として、今後新たに次の意思決定が行われるいう事情は全くない。また、今後、第1回会合における意思決定を前提として、今後新たに次の意思決定が行われるという事情は全くない以上、本件各不開示部分を開示することにより、本件各検討会における議論全般について、自由闊達さを損ない、率直な意見の交換を行うという本件各検討会の趣旨が没却されるとは到底いえない。 したがって、本件各不開示部分は情報公開法5条6号にも該当しない。 第3 本件各訴えのうち本件各開示部分につき取消しを求める部分の適法性本件各不開示決定については、前記第2、2(4)記載のとおり、被告が平成15年3月12日付けで、情報公開審査会による答申を受けて、本件各不開示決定のうち、本件各開示部分について、当初された本件各不開示決定を変更して開示を行う旨の決定をしており、これにより、本件各開示部分については既に不開示決定が取り消されたものというべきである。よって、現時点においては、取消しの対象を欠くこととなり、訴えの利益は消滅したものというべきである。 よって、 これにより、本件各開示部分については既に不開示決定が取り消されたものというべきである。よって、現時点においては、取消しの対象を欠くこととなり、訴えの利益は消滅したものというべきである。 よって、本件訴えのうち、本件各不開示決定の本件各開示部分の取消しを求める部分は不適法である。 第4 争点に対する当裁判所の判断 1 懇談会等行政運営上の会合における議事の公開のあり方(1) 懇談会等行政運営上の会合は、大臣等の行政機関が、行政運営上の参考に資するために、有識者等の参集を求め、その意見を聴取するもので、同一の者に複数回継続して参集を求めることを予定しているもので、本件各検討会もこれに該当するものである。この種の会合は、行政上の施策の審議を行う行政機関としての審議会とは異なるものであるが、審議会の委員と同様に学識経験等を有する有識者であって、その知識経験に基づく意見を述べることが求められているのであるから、その意見は、会合を設けた行政機関に無視し得ない影響を与えるものであり、行政決定の過程の透明性を確保することにより行政責任を明確にするためには、各有識者がどのような意見を述べたのかを明らかにする必要性は、審議会の場合と異なるものではないと考えられる。政府が「審議会等の整理合理化に関する基本計画」(平成11年4月27日閣議決定、甲26、乙14)において、この種の会合についても、審議会に準じて「会議又は議事録を速やかに公開することを原則とし、議事内容の透明性を確保する。なお、特段の理由により会議及び議事録を非公開とする場合には、その理由を明示するとともに、議事要旨を公開するものとする。」と定めているのも、以上の趣旨によるものと考えられる。 その上、推進法制定以前に設置されていた司法制度改革審議会においては、本件各不開示部分のような議事の公開 もに、議事要旨を公開するものとする。」と定めているのも、以上の趣旨によるものと考えられる。 その上、推進法制定以前に設置されていた司法制度改革審議会においては、本件各不開示部分のような議事の公開の協議に関する部分も含めて、第1回の会議から発言者名の記載された議事録が公開されていることは、当裁判所に顕著な事実であり、この点を踏まえて、B法務大臣は、衆議院本会議における推進法案の趣旨説明に係る質疑において「本法案に基づいて司法制度改革を推進するに当たりましては、国民の皆様への積極的な情報提供に努め・・・」と答弁し(第153回国会衆議院平成13年10月18日、甲15)、また、衆議院法務委員会において、検討会の公開について「司法制度改革審議会の場合もできるだけの公開を努力してまいりまして、それと同じようにやっていきたいというふうに思っています。」(第153回国会衆議院法務委員会平成13年10月25日、甲16)と述べ、参議院法務委員会においても司法制度改革推進の過程について「司法制度改革審議会自身も非常に努力されまして情報公開に努められたと聞いておりますが、それと同様の努力をしたいと考えております。」(第153回国会参議院法務委員会平成13年11月6日、甲17)と述べている。また、衆議院法務委員会は、推進法の可決に際し、附帯決議をし、同決議は「本法の施行に当たっては、次の事項について格段の配慮をすべきである。」とし、「二司法制度改革推進本部は、司法制度改革作業の経過を含む情報について、透明性の確保に努め、国民に開かれたものとすること」としているし(第153回衆議院法務委員会平成13年10月26日、甲19)、参議院法務委員会も、推進法の可決に際し、附帯決議をし、同決議は「本法の施行に当たっては、次の事項について特段の配慮をすべきである。」 (第153回衆議院法務委員会平成13年10月26日、甲19)、参議院法務委員会も、推進法の可決に際し、附帯決議をし、同決議は「本法の施行に当たっては、次の事項について特段の配慮をすべきである。」とし、「二政府は、顧問会議、検討会を運営するに当たっては、その経過と内容についてできる限りリアルタイムで公開するよう努め、透明性を確保すること」としている(第153回参議院法務委員会平成13年11月8日、甲28)。 (2) 以上のことからすると、一般に懇談会等行政運営上の会合については、議事録の公開が予定されているところ、その内容は、議事録という言葉の持つ一般的な意味及び上記のとおり公開が求められている趣旨からすると、発言者名を明記したものが想定されているというべきである。そして、特段の理由がある場合は、議事録の全部又は一部を非公開とするとされているところ、議事録に発言者名を記載しないとの取扱いをすることは、それが議事の全体に及んでいるときには果たして上記閣議決定において非公開とし得る場合として想定しているものか否かにも疑問がないでもないが、この点を措くとしても、少なくともここでいう一部非公開に該当するのであるから、その取扱いをするには、上記閣議決定の定めに則り、その理由を明示することが求められているのである。また、これらのことは議事録中の議事の公開を協議した部分についても当てはまることである。すなわち、この種の会合において、その冒頭に議事の公開に関する協議を行って議事録に発言者名を記載しない取扱いを決定した場合には、その理由を明示するとともに、公開に関する協議についての議事録を公開しないときには、その理由も明示しなければならないのである。それにもかかわらず、これらの理由を明示しないことは、当該会合の主催者がその職務を怠っているものといわ 開に関する協議についての議事録を公開しないときには、その理由も明示しなければならないのである。それにもかかわらず、これらの理由を明示しないことは、当該会合の主催者がその職務を怠っているものといわざるを得ないのであり、国民は公開に関する協議自体の記録を閲覧する以外にその理由を知ることができないこととなるのであるから、このような場合、当該記録の開示請求がされたときには、その保有者はこれに応ずるほかないという意味で、当該記録は情報公開法5条1号ただし書イにいう「公にすることが予定されている情報」ということができるのである。また、議事録の全部又は一部を非公開とする際に、その理由の明示が要求されている以上、その理由を記載した文書は「公にすることが予定されている情報」が記載されている文書に該当し、本件においては、本件不開示部分以外にこの理由を記載した文書が存在するとは認められないから、本件各不開示部分自体が議事録の全部又は一部を非公開とする特段の理由が記載されている文書に該当するともいえよう。 さらに、前記のように、推進法制定の過程からすると(この点につき、被告は、法務大臣答弁の趣旨は、公開の可否は検討会の出席者に委ねる趣旨である旨述べるが、同答弁を子細に検討してもそのような趣旨は読みとれない。)、本件各検討会の議事録については、司法制度改革審議会におけると同様に発言者を明示した議事録を公開することが強く求められていたことが明らかであり、検討会の委員らは、そのような要請があることを承知の上でこれに就任したものと理解すべきであるから、検討会がその協議によってこれと異なった取扱いを定めることは、それが許されるか否かにも疑問がある上、仮に許されるとしても、少なくともその点に関する協議内容を公開することにより、上記要請と異なった取扱いをすることの によってこれと異なった取扱いを定めることは、それが許されるか否かにも疑問がある上、仮に許されるとしても、少なくともその点に関する協議内容を公開することにより、上記要請と異なった取扱いをすることの必要性及び正当性を説明することが求められているというべきである。この点からしても、本件各検討会の議事の公開に関する協議は、情報公開法5条1号ただし書イにいう「公にすることが予定されている情報」に該当するというべきである。 2 本件各不開示部分が情報公開法5条1号に該当するか否か(1) 本件各不開示部分が情報公開法5条1号本文に該当するか否か情報公開法5条1号は、個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日、その他の記述等により特定の個人を識別することができるものを不開示情報と定めるが、同号にいう「個人に関する情報」とは、個人の識別性のある情報、すなわち個人の内心、身体、身分、地位、健康状態その他個人に関する一切の事項についての事実、判断、評価等のすべての情報をいい、そのような情報を一般的に開示しないことを定めたものと解される。そして、前記の情報には、「他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。」旨が規定されており、その定めは、当該情報自体では特定の個人を識別することができないが、他の情報と照合することにより特定の個人を識別することができるものについても個人識別情報として不開示情報とする趣旨であると解される。 そして、情報公開法5条1号にいう上記「他の情報」がいかなる範囲のものを指すかが、同法の文言のみからは必ずしも明らかでないことから問題となるところ、同法は、本来、個人に関する情報のうち公開によって個人の権利利益を害するおそれのあるもののみを不開示とするのが相当であるものの、この点 の文言のみからは必ずしも明らかでないことから問題となるところ、同法は、本来、個人に関する情報のうち公開によって個人の権利利益を害するおそれのあるもののみを不開示とするのが相当であるものの、この点を個々の情報ごとに吟味して決定することには多大の困難が伴うため、やむを得ず個人を識別し得る情報は、それが当該個人の権利利益を害するものか否かを問わず、一律に不開示と定めたものと考えられるのであり、上記「他の情報」と組み合わせることによって、特定の個人を識別し得る情報をも不開示とした点は、この点に関する不開示情報をさらに広げる附加的な規定であるから、これによって不開示情報の範囲が本来の個人識別情報の範囲を大きく超えて拡大することは、同法の想定していないところであり、この点については、開示された情報のみでは特定の個人を識別できるとはいい難いが、ほとんどそれと等しいもの、すなわち、一般人が容易に入手し得る情報と組み合わせると特定の個人が識別され得る場合には、本来の個人識別情報と同様に取り扱わざるを得ないという趣旨に解するのが相当である。もっとも、上記のような解釈によって個人識別情報に該当しないとしても、当該個人と特別の関係のある者が開示請求によって得た情報と自己の有する情報を組み合わせることにより、当該個人に関する情報を取得することにより、当該個人の権利利益が害されるおそれがある場合には、情報公開法5条1号後段により、不開示情報となし得ることはいうまでもない。 以上の観点から、本件各不開示部分第1の情報公開法5条1号該当性を検討するに、本件各行政文書は、本件各検討会における第1回会合を録音したテープであり、前記第2、2(3)のとおりいずれのテープにも出席者の紹介がその内容として録取されているものと認められる。また、本件各不開示部分において議事の 本件各検討会における第1回会合を録音したテープであり、前記第2、2(3)のとおりいずれのテープにも出席者の紹介がその内容として録取されているものと認められる。また、本件各不開示部分において議事の公開に関する議論がされていることにかんがみれば、その議論の中で、出席者が発言に際して自ら氏名を名乗った上で、又は、座長から指名を受けて発言をしたり、前の発言者の氏名を引用して発言がされている可能性もあり、本件各行政文書のみによっても発言者が特定される可能性がある。もちろん協議の内容自体によっては発言者の氏名がうかがえない場合も考えられないではないが、そうであっても、本件各行政文書のうち本件各開示部分が既に原告に対して開示され、一般人においても入手可能な情報となっていて、出席者の紹介を始めとする協議における出席者の発言が音声の形で一般人の知り得るものとなっている上、本件各検討会における出席者が誰であるかは、本件各行政文書の情報公開によっても知り得るし、マスメディア等によっても一般に広く公開されており、その多くが大学教授等のいわゆる有識者で、公式の場で発言をすることも少なくない立場にあるなど広く周知された人物なのであるから、当該出席者の声や発言内容は、一般に広く知られている可能性が高いといえる。そのような事実を総合すれば、本件各不開示情報は、本件各開示部分を含む協議内容の公開により一般に知り得る検討会出席者の声や発言の内容に加え、一般に広く知られている可能性のある出席者の他の場における発言やその内容等、一般人が容易に入手可能な他の情報と照合することによっても、発言者が特定され、それにより当該情報が個人の内心等個人の識別性のある情報となり得るものというべきであって、情報公開法5条1号に定める情報に該当するというべきである。 (2) 本件各不開示 っても、発言者が特定され、それにより当該情報が個人の内心等個人の識別性のある情報となり得るものというべきであって、情報公開法5条1号に定める情報に該当するというべきである。 (2) 本件各不開示部分が情報公開法5条1項ただし書イに該当するか否かア情報公開法5条1号ただし書イは、1号本文掲記の個人に関する情報等のうち「法令の規定により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報」については、例外的に不開示情報に該当しないものと定め、既に公衆が知り得る状態におかれている情報のみならず、法令の規定により又は慣行として、客観的にみて将来公にする予定、すなわち、求めがあれば何人にも提供することを拒むことができなものとして保有されている情報をも含むものであると解される。 これを本件についてみるに、前記1(2)のとおり、本件各検討会は、司法制度改革審議会と同様に発言者名を明記した議事録を公開することが事前に要請されていたにもかかわらず、議事の公開に関する協議の結果、あえてこの要請に反し議事録に発言者名を記載しないとの決定をした上、その理由を明示した形跡もないのであるから、同協議内容を記録した本件各行政文書を保有する被告としては、求めがあればこれを公開することにより上記決定の理由を明らかにするほかなく、本件各不開示部分は、このような意味において情報公開法5条1号ただし書イにいう「公にすることが予定されている情報」に該当することとなる。 なお、仲裁検討会の内容を記録した文書については、議事の公開に関する協議に加えて関係機関からの出席の協議の部分も不開示とされているが、後者の協議部分は、検討に当たって特定の第三者の出席を求め、その意見を徴するか否かの協議と同様、同検討会の検討事項自体の協議と密接に関連するものであって、検討事項自 議の部分も不開示とされているが、後者の協議部分は、検討に当たって特定の第三者の出席を求め、その意見を徴するか否かの協議と同様、同検討会の検討事項自体の協議と密接に関連するものであって、検討事項自体の協議と同様に報道関係者の傍聴の下に協議して差し支えないものであり、前記1(2)のとおり、各検討会の議事全体につき発言者名を含めて公開すべきことが要請されていたことからすると、この部分についてもやはり「公にすることが予定されている情報」に該当すると認められる。 イ被告は、議事の公開に関する協議の部分や関係機関からの出席の協議の部分につき、後の会議の進め方、会議をいかなる形で公開するとするか、会議録をいかなる形で作成するかなどいわば会議の土台のルールづくりと位置づけられるものであることから、非公開で行われ、かつ、議事録にも協議の結果のみを記載する取り扱いとされたものである旨主張し、本件各不開示部分が会議の土台であること及び検討会自体が非公開と定めたことをもって公にすることが予定されていないことの根拠として主張する。 しかし、会議の土台部分を一般的に非公開とすべき慣習があるとは認められないし、本件各検討会は前記のとおり全体として公開するべきことが強く要請されていたにもかかわらず、その土台において異なった方針が採られていたのであるから、少なくともその土台部分については公開することが要請されていると考えられるのである。そして、本件各検討会が非公開との取扱いを定めたとの点についても、当該情報が5条1号イに該当するか否かは、当該情報が有する客観的な性質から判断されるべきものであり、当該情報作成者やこれを保有する行政機関の判断により左右されるものでないことはいうまでもなく、本来広く公開すべきものを誤って公開しなかったというにすぎないのであるから、 ら判断されるべきものであり、当該情報作成者やこれを保有する行政機関の判断により左右されるものでないことはいうまでもなく、本来広く公開すべきものを誤って公開しなかったというにすぎないのであるから、この点をとらえて公開が予定されていないものと主張することは許されない。 (3) 小括そうすると、本件各不開示部分の情報公開法5条1号ハ該当性について判断するまでもなく、情報公開法5条1号ただし書の除外事由に該当するから、情報公開法5条1号本文所定の非開示情報には該当しないこととなる。 3 本件各不開示部分が情報公開法5条5号に該当するか否か(1) 本件各検討会は、司法制度改革推進本部におかれ、司法制度改革に必要な法令等の立案に関し、事務局と一体となって議論し、その成果を法令案等に反映させることを目的として開催されるものであるから、本件各検討会の協議内容は「国の機関及び地方公共団体内部又は相互間における審議、検討又は協議に関する情報」に該当することは明らかといわざるを得ない。 (2) そこで、被告の主張するように、本件各不開示部分が「公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ」があるか否かについて検討する。 ア前記1(2)のとおり、本件各検討会における議事は、広く公開されることが予定されているものといえ、本件各検討会においても前記第2、2(4)のとおり、本件各検討会での議事概要及び議事録における発言者の取扱いが変更され、取扱い変更後の議事概要及び議事録においては発言者名を記載するものとされているところであるから、検討会の検討事項に関する議事自体については情報公開法5条5号に該当するとは認められず、被告としても、本件各不開示決定を変更したことや、本件訴訟における主張によれば、このような考え方を前提と から、検討会の検討事項に関する議事自体については情報公開法5条5号に該当するとは認められず、被告としても、本件各不開示決定を変更したことや、本件訴訟における主張によれば、このような考え方を前提としてはいないものと考えられる。 イそこで、特に本件各不開示部分を公表することにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあるか否かについて検討することとする。 被告は、本件各不開示部分が開示されると、出席者の発言につき、名指しでの非難などの圧力や干渉が行われ、それにより出席者の意見に不当な変更が生じるおそれがあると主張する。 しかし、前記1のとおり、本件各検討会における議事内容は、広くリアルタイムに公開されるよう強く要請されていたのであり、各委員もこれを承知の上で就任しているものと考えられるし、その公開が望まれる趣旨は、まさに、検討会における検討の内容を国民全般にリアルタイムに公開することによって、検討会の議事内容を踏まえ、各方面から様々な意見が表明され、場合によっては、出席者に対する具体的な働きかけがされること等を前提とし、国民の意見を幅広く反映した検討を行おうとしたものであり、出席者に対する適切な方法による具体的な働きかけは、法が当初から前提としていたものというべきである。適切な方法による働きかけ等により出席者の考え方が変更されたのであれば、それは不当な圧力による変更ではなく、国民による正当な意見表明による変更なのであり、検討会における議事内容を公開しないことによってそのような国民の働きかけがされないようにすることは、むしろ、法の趣旨に反するものというべきである。また、正当な言論活動の範囲を逸脱する方法による働きかけは、厳にこれを排除すべきであるが、それは刑事手続や委員に対する身辺警護等の別途の方法に ことは、むしろ、法の趣旨に反するものというべきである。また、正当な言論活動の範囲を逸脱する方法による働きかけは、厳にこれを排除すべきであるが、それは刑事手続や委員に対する身辺警護等の別途の方法によって行うべきものであり、被告としては、むしろこれらの方法に意を用いるべきもので、違法な働きかけがされるとの抽象的なおそれがあることのみを理由に議事を非公開とすることは許されないのである。その上、本件各検討会においては、前記第2、2(4)記載のとおり、事後的にではあるが、議事概要及び議事録の発言者に対する取扱いを変更し、それ以後の議事録については発言者名を記載しているが、その後の検討会において、そのような方針の変更により、議事が消極的になったり、自由闊達さが失われたとは認められないし(甲27の2ないし9、28の2ないし4、29の2ないし5、30の2ないし4、31の2ないし4)、本件各行政文書についても議事の公開に関する協議等以外の部分は公開をしているが、それによる具体的な弊害が生じたとは認められず、被告の主張は具体的な根拠に基づかないものというほかない。 被告は、後の議論の過程において、各論的なテーマ次第では、プライバシーや職務上知り得た事項等、公開になじまないものが議論に持ち出される可能性もあり、自由闊達な議論を確保するための方法も各検討会ごとに協議して取り決める必要があり、本件各不開示部分はその1回目の対応方針である旨を主張する。しかし、この主張は、公開になじまない個別の部分に関する協議を非公開とする理由にはなり得るものの、本件不開示部分のように議事一般の公開の可否に関する協議を非公開とする理由とはなり得ないものであり、その非公開とする理由が適切なものであったことを外部的に検証する意味においても、議事の公開・非公開を定める議論そのも うに議事一般の公開の可否に関する協議を非公開とする理由とはなり得ないものであり、その非公開とする理由が適切なものであったことを外部的に検証する意味においても、議事の公開・非公開を定める議論そのものはむしろ公開されるべきものであるといえる。 また、被告は、本件各行政文書における議事の公開・非公開についての協議が会議の土台となるルールづくりとして行われたものであり、その対応方針が各検討会における議論のあり方を左右するものである旨主張する。本件各行政文書が会議の土台のルールづくりとして行われたことは確かであるが、前記第2、2(4)のとおり、そのルールは全て変更され、議事について発言者名を付した議事録を公開することとされたのであるから、その土台は既に変更されてしまったというべきであり、事後的に開示することにより本件各検討会での協議の率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれが生じないことは上記のとおりであるから、これを公開しないことの理由とはなり得ないというべきである。 さらに、被告は、本件各行政文書が、本件各検討会において生じた音をそのまま録音したテープである点をもって、公開した場合の弊害が一層深刻になる旨の主張をするが、上記のとおり、本件各不開示部分を公開した場合の弊害は考えられず、さらに、前記のとおり、本件各検討会が広く公開されるべき要請のもとに創設されたことであることにかんがみれば、まさに、発言者の語気、語調、会場の反応その他その場の音を含めた形で議論の当否を検証すべきであり、むしろ、それらを全て公開することが本来の姿であるというべきであり、それに対する国民の関心をもって、意図した趣旨と違った受けとめられ方をしたり興味本位に注目の的とされるおそれがあるなどということは、情報公開法の趣旨にも著しく反するものと の姿であるというべきであり、それに対する国民の関心をもって、意図した趣旨と違った受けとめられ方をしたり興味本位に注目の的とされるおそれがあるなどということは、情報公開法の趣旨にも著しく反するものといわざるを得ない。 ウ以上によると、本件各不開示部分は、「公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ」がある情報とはいい難い。 (3) したがって、本件各不開示部分は情報公開法5条5号に該当しないものと認められる。 4 本件各不開示部分が情報公開法5条6号に該当するか否か被告は、本件各不開示部分が公開されることにより、率直な意見の交換及び意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあり、それにより、推進本部の重要な所掌事務である法律案及び政令案の立案という事務の遂行に支障が及ぶ旨の主張をするが、前記3のとおり、仮に本件不開示部分を公開したとしても率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあるとは認められないのであるから、被告の前記主張は採用し得ない。 したがって、本件各不開示部分が情報公開法5条6号に該当する情報であるとは認められない。 第5 結論以上によれば、原告の訴えのうち本件各開示部分の開示を求める部分は不適法であるからこれを却下することとし、その余の請求は理由があるからこれを認容することとし、訴訟費用の負担については、上記却下部分については本件不開示決定の変更により原告の主張が認められる結果によるものであることにかんがみ、行政事件訴訟法7条、民事訴訟法64条ただし書、61条を適用し、全部被告に負担させることとし、主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第3部裁判長裁判官藤山雅行裁判官廣澤諭裁判官加藤晴子 条を適用し、全部被告に負担させることとし、主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第3部裁判長裁判官藤山雅行裁判官廣澤諭裁判官加藤晴子

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