平成23(ワ)36742 国家賠償請求事件

裁判年月日・裁判所
平成26年7月18日 東京地方裁判所 その他
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判決文本文74,415 文字)

-1-平成26年7月18日判決言渡平成23年(ワ)第36742号国家賠償請求事件 主文 1 被告は,原告aに対し,6万円及びこれに対する平成24年3月27日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 原告aのその余の請求を棄却する。 3 その余の原告らの請求をいずれも棄却する。 4 訴訟費用は,原告aと被告との間においては,原告aに生じた費用の50分の1を被告の負担とし,その余は原告aの負担とし,その余の原告らと被告との間においては,当該原告らの負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 被告は,原告aに対し,300万円及びこれに対する平成23年1月22日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告は,原告bに対し,100万円及びこれに対する平成22年5月20日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 被告は,原告cに対し,100万円及びこれに対する平成22年5月28日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 4 被告は,原告dに対し,100万円及びこれに対する平成22年6月11日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 5 被告は,原告eに対し,100万円及びこれに対する平成22年6月11日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 6 被告は,原告fに対し,100万円及びこれに対する平成22年7月7日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 7 被告は,原告gに対し,100万円及びこれに対する平成22年7月7日か-2-ら支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 8 被告は,原告hに対し,100万円及びこれに対する平成22年8月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 9 仮執行宣言第2 事案の概要本件 の割合による金員を支払え。 8 被告は,原告hに対し,100万円及びこれに対する平成22年8月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 9 仮執行宣言第2 事案の概要本件は,原告らが,○刑で服役中の受刑者と当該受刑者の妻である原告aとの面会及び当該受刑者とその余の原告らとの各面会を徳島刑務所長が不許可としたこと,原告aが当該受刑者に宛てた9通の信書(同封書面を含む。)の各一部を徳島刑務所長が抹消したこと(以下,各面会不許可処分及び各信書一部抹消処分を合わせて「本件各処分」という。)について,本件各処分は,いずれも,徳島刑務所長の裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法なものであるなどと主張して,被告に対し,国家賠償法1条1項に基づき,原告aにつき慰謝料合計300万円及びこれに対する最終の不法行為時から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を,その余の原告らにつきそれぞれ交通費及び慰謝料合計100万円及びこれに対する各不法行為時から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を,それぞれ求める事案である。 1 関係法令等の定め(1) 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(以下「刑事収容施設法」という。)ア 110条この節の定めるところにより,受刑者に対し,外部交通(面会,信書の発受及び第146条第1項に規定する通信をいう。以下この条において同じ。)を行うことを許し,又はこれを禁止し,差し止め,若しくは制限するに当たっては,適正な外部交通が受刑者の改善更生及び円滑な社会復帰に資するものであることに留意しなければならない。 -3-イ 111条刑事施設の長は,受刑者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。 以下この目において同じ。)に対し,次に掲げる 会復帰に資するものであることに留意しなければならない。 -3-イ 111条刑事施設の長は,受刑者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。 以下この目において同じ。)に対し,次に掲げる者から面会の申出があったときは,第148条第3項又は次節の規定により禁止される場合を除き,これを許すものとする。(1項)一受刑者の親族二婚姻関係の調整,訴訟の遂行,事業の維持その他の受刑者の身分上,法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため面会することが必要な者三受刑者の更生保護に関係のある者,受刑者の釈放後にこれを雇用しようとする者その他の面会により受刑者の改善更生に資すると認められる者刑事施設の長は,受刑者に対し,前項各号に掲げる者以外の者から面会の申出があった場合において,その者との交友関係の維持その他面会することを必要とする事情があり,かつ,面会により,刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生じ,又は受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがないと認めるときは,これを許すことができる。(2項)ウ 114条刑事施設の長は,受刑者の面会に関し,法務省令で定めるところにより,面会の相手方の人数,面会の場所,日及び時間帯,面会の時間及び回数その他面会の態様について,刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上必要な制限をすることができる。(1項)前項の規定により面会の回数について制限をするときは,その回数は,一月につき2回を下回ってはならない。(2項)エ 126条刑事施設の長は,受刑者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。 -4-以下この目において同じ。)に対し,この目,第148条第3項又は次節の規定により禁止される場合を除き,他の者との間で信書を発受することを許すものとす 拘禁者としての地位を有するものを除く。 -4-以下この目において同じ。)に対し,この目,第148条第3項又は次節の規定により禁止される場合を除き,他の者との間で信書を発受することを許すものとする。 オ 127条刑事施設の長は,刑事施設の規律及び秩序の維持,受刑者の矯正処遇の適切な実施その他の理由により必要があると認める場合には,その指名する職員に,受刑者が発受する信書について,検査を行わせることができる。 (1項)次に掲げる信書については,前項の検査は,これらの信書に該当することを確認するために必要な限度において行うものとする。ただし,第3号に掲げる信書について,刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合は,この限りでない。(2項)一受刑者が国又は地方公共団体の機関から受ける信書二受刑者が自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関に対して発する信書三受刑者が自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第3条第1項に規定する職務を遂行する弁護士(弁護士法人を含む。以下この款において同じ。)との間で発受する信書カ 128条刑事施設の長は,犯罪性のある者その他受刑者が信書を発受することにより,刑事施設の規律及び秩序を害し,又は受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがある者(受刑者の親族を除く。)については,受刑者がその者との間で信書を発受することを禁止することができる。ただし,婚姻関係の調整,訴訟の遂行,事業の維持その他の受刑者の身分上,法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため信書を発受する-5-場合は,この限りでない。 キ 129条刑事施設の長は,第12 の調整,訴訟の遂行,事業の維持その他の受刑者の身分上,法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため信書を発受する-5-場合は,この限りでない。 キ 129条刑事施設の長は,第127条の規定による検査の結果,受刑者が発受する信書について,その全部又は一部が次の各号のいずれかに該当する場合には,その発受を差し止め,又はその該当箇所を削除し,若しくは抹消することができる。同条第2項各号に掲げる信書について,これらの信書に該当することを確認する過程においてその全部又は一部が次の各号のいずれかに該当することが判明した場合も,同様とする。(1項)一暗号の使用その他の理由によって,刑事施設の職員が理解できない内容のものであるとき。 二発受によって,刑罰法令に触れることとなり,又は刑罰法令に触れる結果を生ずるおそれがあるとき。 三発受によって,刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。 四威迫にわたる記述又は明らかな虚偽の記述があるため,受信者を著しく不安にさせ,又は受信者に損害を被らせるおそれがあるとき。 五受信者を著しく侮辱する記述があるとき。 六発受によって,受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるとき。 前項の規定にかかわらず,受刑者が国又は地方公共団体の機関との間で発受する信書であってその機関の権限に属する事項を含むもの及び受刑者が弁護士との間で発受する信書であってその受刑者に係る弁護士法第3条第1項に規定する弁護士の職務に属する事項を含むものについては,その発受の差止め又はその事項に係る部分の削除若しくは抹消は,その部分の全部又は一部が前項第1号から第3号までのいずれかに該当する場合に限り,これを行うことができる。(2項)-6-(2) 刑事施設及び被収容者 はその事項に係る部分の削除若しくは抹消は,その部分の全部又は一部が前項第1号から第3号までのいずれかに該当する場合に限り,これを行うことができる。(2項)-6-(2) 刑事施設及び被収容者の処遇に関する規則(以下「刑事収容施設法施行規則」という。)ア 67条刑事施設の長は,被収容者との面会の申出をする者に対し,次の各号(受刑者及び死刑確定者以外の被収容者との面会の場合にあっては,第1号及び第2号に限る。次項において同じ。)に掲げる事項を記載した申出書の提出を求めることができる。(1項)一氏名,生年月日,住所及び職業二面会を希望する被収容者の氏名及びその者との関係三面会の目的刑事施設の長は,前項の場合において,必要があると認めるときは,被収容者との面会の申出をする者に対し,同項各号に掲げる事項を証明する書類その他の物件の提出又は提示を求めることができる。(2項)イ 74条法第114条第1項(法第122条及び125条において準用する場合を含む。)の規定による被告人又は被疑者である被収容者であって未決拘禁者としての地位を有しないものの面会の回数についての制限は,弁護人等以外の者との面会の回数について行うことができるものとする。 2 前提事実(当事者間に争いがないか,文中記載の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認定することができる事実)(1) 当事者等ア受刑者(ア) iは,昭和54年7月5日,千葉地方裁判所において,現住建造物等放火,非現住建造物等放火等の罪により懲役8年に処せられた。昭和58年9月6日,この内容で刑が確定したことから,iは,東京拘置所において受刑を開始した。(弁論の全趣旨)-7-(イ) iは,同年▲月▲日,東京高等裁判所(以下「東京高裁」という。)において,殺 年9月6日,この内容で刑が確定したことから,iは,東京拘置所において受刑を開始した。(弁論の全趣旨)-7-(イ) iは,同年▲月▲日,東京高等裁判所(以下「東京高裁」という。)において,殺人,現住建造物等放火,公務執行妨害等の罪により〇に処せられた。当該有罪判決は,昭和▲年▲月▲日に東京都渋谷区で行われた「○」デモにおいて,いわゆるjの学生らが,機動隊の警察官を鉄パイプで殴打して殺害し,火炎瓶を投擲するなどした事件(いわゆる○事件)に関するものである。昭和62年7月25日,上記内容で刑が確定したことから,iは,同年10月30日,徳島刑務所に移送され,現在,同所において受刑中である。(甲3,弁論の全趣旨,公知の事実)(ウ) iは,上記(イ)の確定判決に対し,再審の請求(東京高等裁判所平成21年(お)第10号)を行い,その弁護人として岩井信弁護士(以下「岩井弁護士」という。)を選任していたが,本件各処分当時,再審開始決定はされていなかった(乙9,弁論の全趣旨)。 イ原告ら(ア) 原告a原告aは,昭和61年9月17日,東京拘置所に収容中であったiと婚姻し,以後,iとは主として面会及び信書のやりとりを通じて交流している(甲29)。 (イ) 原告a以外の原告ら原告b,原告c,原告d,原告e,原告f,原告g及び原告hは,いずれも,iの再審請求の支援活動に携わってきた者(以下,当該支援活動を「iの支援活動」といい,iの支援活動に携わる者を「iの支援者」という。)であるが,iとの間に親族関係はない。なお,原告d及び原告eは夫婦である。 原告cは,○刑の判決の確定により,昭和53年8月14日から千葉刑務所において受刑していた者で,平成8年11月14日,仮釈放され,平成17年9月21日,水戸地方裁判所土浦支部において, である。 原告cは,○刑の判決の確定により,昭和53年8月14日から千葉刑務所において受刑していた者で,平成8年11月14日,仮釈放され,平成17年9月21日,水戸地方裁判所土浦支部において,再審開始の-8-決定を受けた。平成21年12月15日,最高裁判所が特別抗告を棄却したことにより上記決定が確定し,原告cは,平成23年5月24日,強盗殺人罪については無罪の判決を,その余の罪については懲役2年,執行猶予3年の判決をそれぞれ受け,同判決は,同年6月8日,確定した。(乙15,弁論の全趣旨)原告hは,iの学生時代からの友人であり,iと同年齢であるが,昭和40年に大学に入学し,同人と共にlの活動に参加した経歴を有し,iの支援活動において,事務局を務める中心的人物の一人である。(甲11,原告a本人〔調書11頁〕,原告h本人〔調書1頁〕)(2) 徳島刑務所の状況と外部交通の取扱い等ア徳島刑務所の状況(ア) 徳島刑務所は,収容定員が1093名の刑事施設で,執行刑期10年(平成22年1月以降。それ以前は執行刑期8年。)以上で,かつ,犯罪傾向の進んだ受刑者を収容し,全受刑者の50パーセント以上を暴力団関係者が占めている(乙5,6)。 徳島刑務所の各年12月31日時点における収容人数は,平成19年が受刑者900名,総被収容者966名,平成20年が受刑者854名,総被収容者906名,平成21年が受刑者823名,総被収容者867名,平成22年が受刑者786名,総被収容者814名,平成23年が受刑者744名,総被収容者785名であった(乙18)。 また,徳島刑務所の職員数は,平成19年度が193名,平成20年度が192名,平成21年度が207名,平成22年度が212名,平成23年度が215名,平成24年度が211名であった( 乙18)。 また,徳島刑務所の職員数は,平成19年度が193名,平成20年度が192名,平成21年度が207名,平成22年度が212名,平成23年度が215名,平成24年度が211名であった(乙18)。 (イ) 集団暴行事案の発生徳島刑務所では,平成19年11月16日,第2工場において,数名の受刑者らが担当職員らに暴行を加え,更に20数名の受刑者がこれに-9-加勢するという集団暴行事案が発生した(乙6)。 イ徳島刑務所における外部交通の取扱い(ア) 徳島刑務所は,「被収容者の外部交通に関する訓令」(平成18年5月23日付け矯成訓3359号法務大臣訓令)及び「被収容者の外部交通に関する訓令の運用について(依命通達)」(平成19年5月30日付け矯成3350号矯正局長依命通達)を受けて,「徳島刑務所被収容者外部交通取扱細則の制定について」(平成19年6月1日付け徳島刑務所長達示第61号。以下「外部交通取扱細則」という。)を規定し,受刑者の外部交通について,これに基づく運用をしている(乙1ないし3)。 (イ) 徳島刑務所では,受刑者が1か月に面会できる回数(以下「規定回数」という。)について,外部交通取扱細則15条において受刑者の面会の規定回数が定められており,刑事施設の長が指定する優遇区分第1類の者は7回,同第2類の者は5回,同第3類の者は3回,同第4類の者及び同第5類の者は2回となっている(乙3)。 また,徳島刑務所では,被収容者に対して面会の申出をする者(以下「面会申出者」という。)があった場合には,外部交通取扱細則5条(ただし,面会の手続に関するもの)により,面会申出者に面会申込書(刑事収容施設法施行規則67条に規定する申出書。以下同じ。)に所定の事項を記載させ,面会受付係に提出させるものとしている。面会申 条(ただし,面会の手続に関するもの)により,面会申出者に面会申込書(刑事収容施設法施行規則67条に規定する申出書。以下同じ。)に所定の事項を記載させ,面会受付係に提出させるものとしている。面会申込書には,被収容者の氏名,面会申出者の人定事項及び被収容者との関係のほか,面会の用件を記載する欄がある。(乙3,4,10)(ウ) 徳島刑務所では,平成18年5月の刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律(以下「受刑者処遇法」という。)の施行後,受刑者に対し,事前申告票により,面会を予定する親族,知人等をあらかじめ申告させたものの,受刑者から申告があった者に関して具体的な調査等は行わず,-10-親族以外の者の場合であっても,相手方が暴力団など反社会性集団に所属していることが明確な者以外は原則的に面会を許す取扱いとしていた。その結果,受刑者の面会実施件数は,平成17年が2403件であったのに対し,平成18年には3703件,平成19年には5292件と急増したところ,受刑者の中には,出所後の元受刑者と面会して不良な交友関係を維持,強化しようとするなど,刑事施設内の規律及び秩序の維持に支障が生じる状況が見受けられるようになった(乙6,18)。 (エ) そこで,徳島刑務所長は,受刑者の外部交通に関する運用を見直すこととし,平成20年10月,刑事収容施設法施行規則66条1項に基づき,収容する全受刑者に対し,面会の申出をすることが予想される者(以下「面会申出予想者」という。)について,改めて申告するよう指示し,申告する外部交通の相手方について,詳細な記載をさせるなどして調査を行った。また,親族以外の者については,受刑歴の有無を調査し,外部交通を許すことにより矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあると認められる場合には,刑事収容施設法111条2項 るなどして調査を行った。また,親族以外の者については,受刑歴の有無を調査し,外部交通を許すことにより矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあると認められる場合には,刑事収容施設法111条2項に基づく面会を許さず,信書の発受を禁止する方針により対応することとし,同年12月には,収容する全受刑者に対し,親族以外の面会申出予想者の申告については,原則として5名以内とするよう指示した。(乙7,弁論の全趣旨)(オ) さらに,徳島刑務所は,平成22年2月22日付けで「外部交通事前申告票の更新について」を発出し,再び外部交通の相手方について事前申告票を新たに提出させ,受刑者の矯正処遇の適切な実施等に支障が生ずるおそれのある人物か否かの調査を再度行った(乙8)。そして,徳島刑務所は,「受刑者の面会について」(平成22年4月27日付け処遇首席指示第13号。以下「受刑者面会指示」という。)を発出し,刑事収容施設法111条2項に基づく面会については厳格に法律に則-11-した運用を実施することとし,同年5月31日からは,面会することを必要とする事情があり,かつ,面会により,刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生じ,又は受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがないことが明確な場合にのみ許可し,面会申出者と受刑者の交友関係が矯正処遇にどのような影響を与えるか不明確な場合は不許可とすることとした(甲6,乙6)。 (カ) 徳島刑務所における受刑者の年間の面会実施件数(未決拘禁者の弁護人面会を除くもの)及び面会不許可件数は,平成17年が2403件(不許可件数28件),平成18年が3703件(不許可件数41件),平成19年が5292件(不許可件数116件),平成20年が3484件(不許可件数119件),平成21年が3030件(不許可件数1 不許可件数28件),平成18年が3703件(不許可件数41件),平成19年が5292件(不許可件数116件),平成20年が3484件(不許可件数119件),平成21年が3030件(不許可件数177件),平成22年が2536件(不許可件数214件),平成23年が2062件(不許可件数62件)であった(乙18)。 (キ) 徳島刑務所に設置された面会室は,6室あり,うち2室が弁護人面会用の面会室で,残り4室が一般面会用の面会室である。 また,徳島刑務所の面会日は,原則として行政機関の休日を除く日であり,その面会受付時間は,午前8時30分から午前11時30分までと,午後1時から午後4時までの合計6時間であり,その面会時間は,30分以内とされている。(乙3,19,弁論の全趣旨)ウ平成24年2月に徳島刑務所周辺で行われたデモ(ア) 徳島刑務所が平成23年12月2日付けで送付を受けた原告hのi宛て信書には,「『2月に徳島に行こう。刑務所包囲闘争に決起しよう』(中略)iさんを本当に取り戻す戦いの開始です。(中略)領事と面会し,iさんの解放を求める署名を手渡したそうです。(中略)日本の刑務所がいかに人権を踏みにじったものか,怒りに満ちた申し入れが行われました。(中略)各地の大使館,領事館から,日本の刑務所の人-12-権抑圧が続々と報告されるような闘いをやっていくつもりです。(中略)2月当所包囲闘争に決起します。」との記載があった。 また,徳島刑務所が平成24年1月31日付けで送付を受けた原告aのi宛て信書には,原告hが作成し,mほか6名に送信された「徳島闘争の準備」という件名の電子メール(以下「本件メール」という。)のコピーが同封されていた。本件メールには,「事務局で討議して,2月徳島闘争の準備について原案をつくりました。具体的に検 された「徳島闘争の準備」という件名の電子メール(以下「本件メール」という。)のコピーが同封されていた。本件メールには,「事務局で討議して,2月徳島闘争の準備について原案をつくりました。具体的に検討の上,意見を出して補ってください。」との記載があった。(乙11)(イ) 原告a,原告h及びmを中心とするiの支援者300人以上のデモ隊は,同年2月5日午後2時58分頃から同日午後3時16分頃までの間,「徳島刑務所包囲デモ」と称して,街宣車を先頭に,徳島刑務所外堀周辺を一団となって徒歩で周回しながら,拡声器を使用して,「iを返せ。」,「今すぐ返せ。」,「iさんを奪還するぞ。」などとシュプレヒコールを繰り返し,太鼓を打ち鳴らし,同刑務所施設内のiに向かって呼びかけを行うなどのデモ活動を行った(以下「本件デモ」という。)。 本件デモは,mが,事前に,徳島県公安委員会に対する届出を行うとともに,徳島県警察徳島西警察署長から道路使用許可を受けたものであったが,被収容者の居室棟に上記太鼓の音やiに対する呼びかけの声が響き渡り,それらの音声はiにも聞こえていた。被収容者の中には,数名,立ち上がって窓から声のする方をのぞき見たり,何の声なのかと職員に質問をしたりする者がいた。 徳島刑務所は,本件デモに先立ち,近隣住民から「当日は外出しても危険はないのか。」等との問い合わせを受けたこともあり,本件デモ当時,56名で特別警備を実施した。また,徳島刑務所からの要請を受けて,徳島県警察の警察官らが,180名で警備に当たった。(甲22,23,28,乙11,原告h本人〔調書8頁〕)-13-(3) iに対する処遇と面会状況等ア iは,徳島刑務所長から,優遇区分第3類に指定されていたが,平成22年3月下旬頃から同年5月中旬頃までの間に,閉居罰7日の処分 本人〔調書8頁〕)-13-(3) iに対する処遇と面会状況等ア iは,徳島刑務所長から,優遇区分第3類に指定されていたが,平成22年3月下旬頃から同年5月中旬頃までの間に,閉居罰7日の処分を受けるなどして,同第4類に指定され,同年10月1日,同第3類に指定され,平成23年4月1日,同第4類に指定され,その後,同第3類に指定された(甲11,乙13,14,原告a本人〔調書2,13頁〕)。 イ iは,平成20年12月,上記(2)イ(エ)の指示に基づき,徳島刑務所長に対し,親族以外の面会申出予想者を,原告h,m,n,o,p及びqの6名とする「面会に関する親族等申告票」(以下「事前申告票」という。)を提出した(弁論の全趣旨)。 ウ iは,平成22年4月26日,上記(2)イ(オ)の指示に基づき,徳島刑務所長に対し,親族以外の面会申出予想者をn,原告h,mら5名とする事前申告票を提出した(乙14)。 エ徳島刑務所では,平成18年6月1日から平成21年3月31日までの間,iに対し,111件の面会の申込みが行われ,同人の親族を除く面会申込者は,136名であった。そして,平成18年から平成20年10月までの間は,面会が許可されない事例はなかったが,平成20年11月から12月までの間,3件8名につき面会が許可されなかった。そこで,iとの面会の申出をしたが許可されなかった者らは,rに人権救済申立てをした(甲7〔5頁〕)。その後,平成21年中において,原告a及び再審請求(再審開始決定前の段階)に係る弁護人(以下「再審請求弁護人」という。)以外の者で面会を許可された人数は,のべ30人(不許可2人)であったが,平成22年中においては,のべ10人(不許可7人,後記(4)イないしカ(ア))となり,平成23年中においては,のべ4人(不許可3人),平成2 を許可された人数は,のべ30人(不許可2人)であったが,平成22年中においては,のべ10人(不許可7人,後記(4)イないしカ(ア))となり,平成23年中においては,のべ4人(不許可3人),平成24年中においては,のべ3人(不許可2人,うち一人が後記(4)カ(イ))であった(甲24)。 -14-(4) 原告らに係る面会不許可処分ア原告a(ア) iが選任した再審請求弁護人である岩井弁護士は,徳島刑務所長の許可を得て,平成22年9月10日午後3時0分から同日午後5時23分までの間,徳島刑務所の弁護人面会用の面会室において,iと立会人なく面会(以下「本件岩井弁護士面会」という。)した(乙9)。 (イ) 原告aは,徳島刑務所長の許可を得て,同月16日午後1時58分から同日午後2時28分までの間,徳島刑務所の一般面会用の面会室において,iと面会した(乙9)。 (ウ) 原告aは,同月17日,徳島刑務所長に対し,iとの面会(以下「本件第1面会」という。)の申出をした。徳島刑務所長は,同日,当該申出に係る面会を不許可とし(以下「本件第1面会不許可処分」という。),同月21日,その旨iに告知した(乙12)。 イ原告b(ア) iは,同年5月17日,徳島刑務所の処遇首席宛てに「特別面会願」と題する願箋を提出し,原告bが原告aの友人で,「iを救う会」の中心的メンバーであり,今後,これまで以上の支援を依頼するとして,原告bとの面会を許可するよう求めた。同願箋の判断については保留とされたことから,同刑務所の職員は,同月18日,iに対し,その旨告知した。(乙11,13)(イ) 原告a,原告b及びnは,同月20日,徳島刑務所長に対し,iとの面会の申出をした。徳島刑務所長は,同日,当該申出について,原告a及びnのiとの面会を許可したが,原告b た。(乙11,13)(イ) 原告a,原告b及びnは,同月20日,徳島刑務所長に対し,iとの面会の申出をした。徳島刑務所長は,同日,当該申出について,原告a及びnのiとの面会を許可したが,原告bのiとの面会を不許可とした(以下「本件第2面会不許可処分」という。)。 ウ原告c原告a,s(iの従兄弟。)及び原告cは,同月28日,徳島刑務所長-15-に対し,iとの面会の申出をした。徳島刑務所長は,同日,当該申出について,原告a及びsのiとの面会を許可したが,原告cのiとの面会を不許可とした(以下「本件第3面会不許可処分」という。)。 エ原告d及び原告e原告a,原告d及び原告eは,同年6月10日,徳島刑務所長に対し,iとの面会の申出をした。徳島刑務所長は,同日,当該申出について,原告aのiとの面会を許可したが,原告d及び原告eのiとの面会を不許可とした(以下「本件第4面会不許可処分」という。)。 オ原告f及び原告g原告a,原告f及び原告gは,同年7月7日,徳島刑務所長に対し,iとの面会の申出をした。徳島刑務所長は,同日,当該申出について,原告aのiとの面会を許可したが,原告f及び原告gのiとの面会を不許可とした(以下「本件第5面会不許可処分」という。)。 カ原告h(ア) 原告a,m及び原告hは,同年8月25日,徳島刑務所長に対し,iとの面会の申出をした。徳島刑務所長は,同日,当該申出について,原告a及びmのiとの面会を許可したが,原告hのiとの面会を不許可とした(以下「本件第6面会不許可処分」という。)。 (イ) 原告a及び原告hは,平成24年2月6日,徳島刑務所長に対し,iとの面会の申出をした。徳島刑務所長は,同日,当該申出について,原告aのiとの面会を許可したが,原告hのiとの面会を不許可とした(以 原告a及び原告hは,平成24年2月6日,徳島刑務所長に対し,iとの面会の申出をした。徳島刑務所長は,同日,当該申出について,原告aのiとの面会を許可したが,原告hのiとの面会を不許可とした(以下「本件第7面会不許可処分」という。)。 (5) 原告aに係る各信書(同封書面を含む。)の一部抹消処分ア平成22年6月5日付け信書(ア) 徳島刑務所は,平成22年6月6日,原告aから,i宛ての同月5日付け信書(以下「本件第1信書」という。)の送付を受けた。徳島刑-16-務所長は,その指名する職員に本件第1信書を検査させた上,同月9日,同信書中の一部の記載を抹消し(以下「本件第1抹消処分」という。),同日,iに対し,その旨告知した上,上記抹消後の本件第1信書を交付した(乙15)。 (イ) 本件第1信書は,縦書きの便せん11枚(1枚当たり15行)に手書きの文字が綴られた手紙である。 本件第1抹消処分の対象は,本件第1信書10枚目の5行目から13行目にかけての,「cさんから『行ってよかった。』とのおたよりありました。iにも手紙を書いたということだったけど。tに『世話になっていて』,iとの面会を認めさせるのは大変だったようよ。cさんには,えん罪の救援のためにはどこにでも行く,人とのつながりを大切にするというさわやかさがあって,iに会ってほしかった人です。」との記載である。(甲1,乙15)イ平成22年6月27日付け信書(ア) 徳島刑務所は,同年6月28日,原告aから,i宛ての同月27日付け信書(以下「本件第2信書」という。)の送付を受けた。徳島刑務所長は,その指名する職員に本件第2信書を検査させた上,同月29日,同信書中の一部の記載を抹消し(以下「本件第2抹消処分」という。),同月30日,iに対し,その旨告知した上,上記抹消後 た。徳島刑務所長は,その指名する職員に本件第2信書を検査させた上,同月29日,同信書中の一部の記載を抹消し(以下「本件第2抹消処分」という。),同月30日,iに対し,その旨告知した上,上記抹消後の本件第2信書を交付した(乙15)。 (イ) 本件第2信書は,縦書きの便せん8枚(1枚当たり15行)に手書きの文字が綴られた手紙である。 本件第2抹消処分の対象は,本件第2信書7枚目の7行目から8行目にかけての,「sさんが,」に続く「『cさんが仮釈で条件をつけられずに出たことは大きい。」との記載である。(甲2,乙15)ウ平成22年8月8日付け信書-17-(ア) 徳島刑務所は,同年8月10日,原告aから,i宛ての同月8日付け信書(以下「本件第3信書」という。)の送付を受けた。徳島刑務所長は,その指名する職員に本件第3信書を検査させた上,同月12日,同信書中の一部の記載を抹消し(以下「本件第3抹消処分」という。),同日,iに対し,その旨告知した上,上記抹消後の本件第3信書を交付した(乙15)。 (イ) 本件第3信書は,縦書きの便せん23枚(1枚当たり15行)に手書きの文字が綴られた手紙である。 本件第3抹消処分の対象は,本件第3信書21枚目の9行目から11行目にかけての,「uさんは,青春18キップで往復したようよ。広島まで行くと新幹線でも,ちょっと遠く感じるけどね。」との記載である。 (甲3,乙15)エ平成22年9月10日付け信書(ア) 徳島刑務所は,同年9月11日,原告aから,i宛ての同月10日付け信書(以下「本件第4信書」という。)の送付を受けた。徳島刑務所長は,その指名する職員に本件第4信書を検査させた上,同月16日,同信書中の一部の記載を抹消し(以下「本件第4抹消処分」という。),同日,iに対し,その旨告知し という。)の送付を受けた。徳島刑務所長は,その指名する職員に本件第4信書を検査させた上,同月16日,同信書中の一部の記載を抹消し(以下「本件第4抹消処分」という。),同日,iに対し,その旨告知した上,上記抹消後の本件第4信書を交付した(乙15)。 (イ) 本件第4信書は,縦書きの便せん10枚(1枚当たり15行)に手書きの文字が綴られた手紙である。 本件第4抹消処分の対象は,本件第4信書3枚目の8行目から11行目にかけての,「Gさん(注:仮名),uさん等は一人街宣をやっていて,uさんは『労働者の団結で社会を変えましょう。』そんな呼びかけでやっているとか。」との記載である。(甲4,乙15)オ平成23年1月21日付け信書-18-(ア) 徳島刑務所は,平成23年1月24日,原告aから,i宛ての同月21日付け信書(以下「本件第5信書」という。)の送付を受けた。徳島刑務所長は,その指名する職員に本件第5信書を検査させた上,同月26日,同信書中の一部の記載を抹消し(以下「本件第5抹消処分」という。),同日,iに対し,その旨告知した上,上記抹消後の本件第5信書を交付した(乙15)。 (イ) 本件第5信書は,縦書きの便せん11枚(1枚当たり15行)に手書きの文字が綴られた手紙である。 本件第5抹消処分の対象は,本件第5信書1枚目の14行目から同2枚目の3行目にかけての,「F刑務所のBさんは腰痛が大変らしいし,Cさんは多発性骨髄腫,Dさんも病気,Eさんも病舎のようです(注:いずれも仮名)。」との記載である。(甲5,乙15)カ平成24年3月12日付け信書(ア) 徳島刑務所は,平成24年3月14日,原告aから,i宛ての同月12日付け信書(以下「本件第6信書」という。)の送付を受けた。徳島刑務所長は,その指名する職員に本件第6信 3月12日付け信書(ア) 徳島刑務所は,平成24年3月14日,原告aから,i宛ての同月12日付け信書(以下「本件第6信書」という。)の送付を受けた。徳島刑務所長は,その指名する職員に本件第6信書を検査させた上,同月22日,同信書中の一部の記載を抹消し(以下「本件第6抹消処分」という。),同日,iに対し,その旨告知した上,上記抹消後の本件第6信書を交付した(乙16)。 (イ) 本件第6信書は,縦書きの便せん11枚(1枚当たり15行)に手書きの文字が綴られた手紙である。 本件第6抹消処分の対象は,本件第6信書4枚目の6行目の「これはhさんがみんなに配って集めたものです。」との記載である。(甲16,乙16)キ平成24年3月19日付け信書(ア) 徳島刑務所は,同月21日,原告aから,i宛ての同月19日付け-19-信書(以下「本件第7信書」という。)の送付を受けた。徳島刑務所長は,その指名する職員に本件第7信書を検査させた上,同月22日,同信書中の一部の記載を抹消し(以下「本件第7抹消処分」という。),同日,iに対し,その旨告知した上,上記抹消後の本件第7信書を交付した(乙16)。 (イ) 本件第7信書は,縦書きの便せん12枚(1枚当たり15行)に手書きの文字が綴られた手紙である。 本件第7抹消処分の対象は,本件第7信書4枚目の1行目の「uさん,hさん」との記載,及び同7枚目の13行目から同8枚目の1行目にかけての,「後から,hさんにはそういうニュアンスは伝えて,『ニュース』もいつも,闘争場面ばかりではなくて,iの絵を入れたり工夫したらどうかと提案しました。」との記載である。(甲17,乙16)ク平成24年3月26日付け信書(ア) 徳島刑務所は,同月27日,原告aから,i宛ての同月26日付け信書(以下「本件第8 工夫したらどうかと提案しました。」との記載である。(甲17,乙16)ク平成24年3月26日付け信書(ア) 徳島刑務所は,同月27日,原告aから,i宛ての同月26日付け信書(以下「本件第8信書」という。)の送付を受けた。徳島刑務所長は,その指名する職員に本件第8信書を検査させた上,同月29日,同信書中の一部の記載を抹消し(以下「本件第8抹消処分」という。),同日,iに対し,その旨告知した上,上記抹消後の本件第8信書を交付した(乙16)。 (イ) 本件第8信書は,縦書きの便せん12枚(1枚当たり13行)に手書きの文字が綴られた手紙である。 本件第8抹消処分の対象は,本件第8信書4枚目の2行目から4行目にかけての,「それから,『i再審ニュース』についても,何号が墨ぬりされて,どの部分か教えて下さい。これは,hさんからの依頼です。」との記載である。(甲18,乙16)ケ平成24年3月4日付け信書-20-(ア) 徳島刑務所は,同月6日,原告aから,i宛ての同月4日付け信書(以下「本件第9信書」という。)の送付を受けた。徳島刑務所長は,その指名する職員に本件第9信書を検査させた上,同月8日,同信書に同封されていた「○集会での発言」と題する書面(以下「○集会での発言書面」という)中の一部の記載を抹消し(以下「本件第9抹消処分」という。),同日,iに対し,その旨告知した上,上記抹消後の本件第9信書並びにその同封書面である○集会での発言書面及び「2012年3・8国際婦人デー行動プログラム」と題する書面(以下併せて「本件第9信書等」という。)を交付した(乙21)。 (イ) ○集会での発言書面は,400字詰め原稿用紙5枚(ただし,1枚当たりの行数は頁によって異なる。)に手書きの文字が綴られたものである。 本件第9抹消処分の対 う。)を交付した(乙21)。 (イ) ○集会での発言書面は,400字詰め原稿用紙5枚(ただし,1枚当たりの行数は頁によって異なる。)に手書きの文字が綴られたものである。 本件第9抹消処分の対象は,○集会での発言書面1枚目の3行目から同2枚目の3行目にかけての,以下の記載である。 「2月5日の徳島刑務所包囲デモへの参加,ありがとうございました。 獄中のiに届けようと,声限りに叫んだ600人の声は,iにはっきりと届いていました。労働者階級の兄弟である受刑者にも,心ある看守にも届きました。あのデモは,本当に感動的なデモでした。みんな分断を打ち破って心ひとつになれた喜びにあふれていました。私は,獄中結婚してから一年は東京拘置所に通いましたが,89年10月30日に徳島刑務所に移監になり,24年間,デモコースになった山道を歩いて刑務所に通いました。その同じ道を,みんなとともに,iの解放を求めて歩けたことは感無量でした。iは,『α支所で集会をやっている頃から,遠くで何かやっているという感じで聞えて,だんだん大きくなってきた。 刑務所の裏にいる時は,言葉もはっきり聞えたよ。』と言っていました。 労働者が団結して闘うことのすばらしさ,大きさを感じましたし,また,-21-みんなが感じたようにiを必ずとり戻すことが出きるという確信を得ることが出きました。」(甲21,26)(6) 原告らは,平成23年11月14日,本件訴えを提起した(当裁判所に顕著な事実)。 3 争点及び争点についての当事者の主張本件の争点は,①本件第1面会不許可処分(原告aに対する面会不許可処分)の違法性(争点1),②原告a以外の原告らに対する各面会不許可処分の違法性(争点2),③原告aに対する各信書の一部抹消処分の違法性(争点3),④原告らの損害の有無及び額(争点4)で 面会不許可処分)の違法性(争点1),②原告a以外の原告らに対する各面会不許可処分の違法性(争点2),③原告aに対する各信書の一部抹消処分の違法性(争点3),④原告らの損害の有無及び額(争点4)である。 (1) 争点1(本件第1面会不許可処分の違法性)について(原告らの主張の要旨)ア本件第1面会不許可処分の理由は,平成22年9月10日に行われた再審請求弁護人との接見を1回と数え,iに認められていた規定回数(2回)に達していたというものである。 イ規定回数による制限が違法であること(ア) 再審請求弁護人との接見が無制限に認められるべきこと再審請求中の受刑者と再審請求弁護人との接見は,事柄の性質上,規定回数の制限を受けるものではないと解される。なぜなら,再審請求弁護人は,刑事収容施設法111条1項2号に規定する「訴訟の遂行(中略)に係る用務の処理のため面会することが必要な者」に当たるところ,訴訟の遂行の委任を受けている弁護士と委任者との面会の要否は,訴訟の事案,進捗状況等により定まるのであり,あらかじめ指定された時間や回数に服するに適したものではなく,このような面会を規定回数に含めることは,憲法32条の裁判を受ける権利を制限するものとして,明らかに不合理だからである。 また,再審請求弁護人との面会は,被告人や被疑者と弁護人との接見-22-に準じて自由な接見の機会が保障されなければならない。なぜなら,再審弁護活動の実効性を確保する必要があるし,また,再審請求を行う受刑者は,受刑者の法的地位の根拠ないし在監関係に服する法的根拠の正当性それ自体を争っているところ,刑事施設の長が再審請求弁護人との面会を制限することは,法的根拠の有無を争うために必要かつ重要な機会を一方的に奪うことを認めるという背理を生じさせるからである 拠の正当性それ自体を争っているところ,刑事施設の長が再審請求弁護人との面会を制限することは,法的根拠の有無を争うために必要かつ重要な機会を一方的に奪うことを認めるという背理を生じさせるからである。このような観点から,再審請求を行う受刑者の法的地位は,被告人や被疑者の法的地位に準じるものというべきである。この点,最高裁平成24年(受)第1311号同25年12月10日第三小法廷判決・裁時1593号3頁(以下「最高裁平成25年判決」という。)は,再審請求弁護人と受刑者との面会にも秘密交通権が保障される旨判示している。 したがって,受刑者であるiと再審請求弁護人である岩井弁護士との接見は,未決拘禁者とその弁護人との接見に準じて,原則として無制限に認められなければならないものであって,これを一般面会として規定回数に含めることは許されない。徳島刑務所長は,上記接見を規定回数に含め,規定回数を超えた面会であるとして本件第1面会不許可処分をしており,当該処分は違法である。 (イ) 再審請求弁護人との接見を規定回数に含める合理的理由がないこと仮に,再審請求弁護人との接見を規定回数に含め得るとしても,当該接見の重要性や,刑事収容施設法114条2項がミニマム・スタンダードを規定しているにすぎないことに鑑みれば,当該接見を規定回数に含めるためには,合理的な理由がなければならない。 この点,被告は,徳島刑務所において実施可能な被収容者一人当たりの1か月の面会回数が,2回を下回ることから,上記接見を規定回数に含めることに合理的な理由がある旨主張する。 しかし,本件第1面会不許可処分がされた平成22年当時,徳島刑務-23-所における1日の平均面会件数は,未決拘禁者を含めても16.3件であった。1件当たりの面会時間が30分であることから,のべ面 しかし,本件第1面会不許可処分がされた平成22年当時,徳島刑務-23-所における1日の平均面会件数は,未決拘禁者を含めても16.3件であった。1件当たりの面会時間が30分であることから,のべ面会時間は約8時間となるところ,同刑務所の1日当たりの面会時間が約7時間とされていることを考慮しても,面会室が2室あれば容易に対応することができたといえ,被告の上記主張には理由がない。 また,そもそも,岩井弁護士の接見は,弁護人面会用の面会室において行われていたから,一般面会用の面会室に係る人的物的設備の限界を挙げても,上記接見を規定回数に含める合理的な理由にはならない。 したがって,徳島刑務所長の本件第1面会不許可処分は違法である。 (ウ) 親族との面会が規定回数の対象外であること刑事収容施設法111条1項1号は,受刑者とその親族との面会を権利として規定しているところ,このような親族との面会については,刑事施設の長に裁量の余地が与えられていないから,当該長の裁量の入り込む余地のある制限区分や優遇措置との総合判断をすることもできない。したがって,同法114条2項を根拠に家族との面会を不許可とすることはできず,原告aが夫のiと面会することを不許可とした本件第1面会不許可処分について,徳島刑務所長の判断には,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法がある。 ウ事前の告知や事情聴取をしなかったことが違法であること徳島刑務所長は,平成22年9月10日以前は,iと岩井弁護士との接見を規定回数の対象外としており,これを規定回数に含める措置は,慣例に反するものであった。そして,原告aは,同月16日にiと面会した際,翌日も続けて面会を行う旨発言しており,また,翌日がiと原告aの24回目の結婚記念日に当たる旨の発言をしていたところ,立会担 慣例に反するものであった。そして,原告aは,同月16日にiと面会した際,翌日も続けて面会を行う旨発言しており,また,翌日がiと原告aの24回目の結婚記念日に当たる旨の発言をしていたところ,立会担当官はこれらの発言を記録しており(乙9〔4枚目〕),徳島刑務所長においてもこのことを認識していた。 -24-しかるに,徳島刑務所の職員は,同月17日に至るまで,原告aに対し,上記接見が規定回数に含まれる旨を告知しなかった。また,原告aが同月17日の面会を申し出た際,徳島刑務所長は,徳島刑務所の職員を通じて,東京都から来た原告aに対し,結婚記念日の特別な面会の必要性につき事情聴取を行うことすらせずに,本件第1面会不許可処分をした。このような処分は,刑事施設の長の裁量権の範囲を明らかに逸脱し又はこれを濫用したもので,違法である。 エ原告らにはiとの面会を求める固有の利益があること受刑者と親族又は友人ないし知人との面会という通常の場面においては,面会という双方向的な行為の性質上,受刑者の利益と面会を求める者の利益は深く結びついており,切り離して考えることはできない。 したがって,刑事施設の長には,面会を求める者との面会を認め,あるいは拒否することにより受刑者が受ける利益,不利益に配慮する法的義務があり,受刑者との関係でその裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法が認められるときは,iとの面会を求める者である原告らとの関係でも国家賠償法1条1項の適用上,違法と評価されるべきである。 この点,最高裁平成18年(受)第263号同20年4月15日第三小法廷判決・民集62巻5号1005頁(以下「最高裁平成20年判決」という。)は,広島弁護士会が,受刑者からの人権救済の申立てを受け,調査のために目撃者とされる別の受刑者との面会を求めたが 5日第三小法廷判決・民集62巻5号1005頁(以下「最高裁平成20年判決」という。)は,広島弁護士会が,受刑者からの人権救済の申立てを受け,調査のために目撃者とされる別の受刑者との面会を求めたが許可されなかったという事案であり,この場合,その面会の対象となる「別の受刑者」には,面会が実現することによる利益が特に考えられないという事情があった。同判決は,このようなレアケースにおいて,刑務所長には,受刑者の利益を離れて,広島弁護士会の固有の利益に配慮するまでの義務はないと判示したもので,本件には全く当てはまらない。 なお,被告は,上記判決が旧監獄法45条2項の親族でない者にしか言-25-及していないにもかかわらず,勝手に論を進めて,その判旨が刑事収容施設法111条1項に基づく面会(以下「権利面会」という。)にも当てはまるかのような主張をするが,看過できない誤りである。 (被告の主張の要旨)ア原告aの面会を不許可とした理由徳島刑務所長は,原告aの申出を受け,同人のiとの面会の許否について審査したが,原告aから提出された「面会申込書」の「面会の用件」欄には,面会の目的として「安否,近況,再審,運動」と記載され,前日の面会の目的と同一であった(乙9)上,前日の30分間の面会での会話内容も近況報告の範疇にとどまるものと認められたこと(乙9)に照らしても,iの規定回数(優遇区分第4類に係る2回)を超えてその対象外として更に許可するまでの面会を必要とする事情は認められなかった。 そこで,徳島刑務所長は,本件第1面会不許可処分をした。 イ本件第1面会不許可処分に違法はないこと(ア) 徳島刑務所長が優遇区分第4類及び同第5類の受刑者の面会の規定回数を2回と定めていることが適法であること徳島刑務所において使用可能な一般面会 イ本件第1面会不許可処分に違法はないこと(ア) 徳島刑務所長が優遇区分第4類及び同第5類の受刑者の面会の規定回数を2回と定めていることが適法であること徳島刑務所において使用可能な一般面会用の面会室は4室,1日当たりの面会実施可能時間は約7時間,被収容者との面会ができる1か月の平日の平均日数は約20.67日であることから,これらを掛け合わせると,徳島刑務所において実施可能な1か月の総面会時間数は,約579時間となる。 そして,全ての被収容者に機械的に平等に面会の機会を保障するものとし,1件当たりの面会時間数を30分(0.5時間)と想定した場合,徳島刑務所において実施可能な被収容者一人当たりの1か月の面会回数は,上記579時間を上記面会時間数及び被収容者数で割ることによって算出される。 -26-そうすると,上記面会回数は,平成16年が約1.19回,平成17年が約1.15回,平成18年が約1.04回,平成19年が約1.20回,平成22年が約1.42回,平成23年が約1.48回となる。 もっとも,これらの回数は,徳島刑務所に設置された一般面会の面会室全てにおいて,面会実施時間帯に間断なく面会し続けた場合の面会回数であり,現実には,徳島刑務所において面会立会職員として常時配置できる人員は2,3名であって,常時4室での面会に対応することは困難であるとの人的制約があったことに加え,面会前後の被収容者の連行に要する時間や,面会人が面会関係書類を記載する時間等を考慮すると,1件の面会につき30分を超える時間が必要であると考えられる。 これらの事情に照らせば,徳島刑務所長が優遇区分第4類及び同第5類の受刑者の面会の規定回数を2回と定めていることは,本件第1面会不許可処分がなされた平成22年当時,徳島刑務所の限られた人的物的能 これらの事情に照らせば,徳島刑務所長が優遇区分第4類及び同第5類の受刑者の面会の規定回数を2回と定めていることは,本件第1面会不許可処分がなされた平成22年当時,徳島刑務所の限られた人的物的能力の範囲内で,未決拘禁者を含む全ての被収容者に平等に面会の機会を保障するとともに,面会を円滑に実施するためのものとして,刑事施設の管理運営上合理的な理由に基づく妥当なものであるから,刑事収容施設法114条1項に定める「必要な制限」といえ,適法である。 (イ) 岩井弁護士との面会を規定回数に計上したことに違法はないこと刑事訴訟法440条は,検察官以外の者が再審請求する場合には弁護人を選任することができ,当該弁護人選任の効力は,再審の判決があるまでその効力を有する旨規定しているが,弁護人のいわゆる秘密交通権を定めた同法39条1項は,未決拘禁者のみに関する規定であることがその文理上明らかである。実質的にみても,受刑者は,未決拘禁者とは異なり,同人を有罪として懲役刑等を言い渡した確定判決の効力により拘束され,受刑者の拘禁が,当該受刑者の改善更生を図るとともに,自由刑の制裁として当該受刑者の自由を剥奪することにその本質がある-27-ことに照らせば,受刑者は,未決拘禁者とは異なる法的地位にある。以上からすれば,再審開始の決定がされる前の再審請求弁護人に同法39条1項が適用ないし準用される余地はないというべきである。 また,刑事収容施設法は,30条において,受刑者の処遇の原則を規定する一方,31条において,「未決拘禁者の処遇に当たっては,未決の者としての地位を考慮し,その逃走及び罪証の隠滅の防止並びに防御権の尊重に特に留意しなければならない。」と規定して,受刑者の処遇と未決拘禁者の処遇を区別している。被収容者の面会等外部交通の在り方についても の地位を考慮し,その逃走及び罪証の隠滅の防止並びに防御権の尊重に特に留意しなければならない。」と規定して,受刑者の処遇と未決拘禁者の処遇を区別している。被収容者の面会等外部交通の在り方についても,同法は,未決拘禁者としての地位を有しない受刑者(第2編第2章第11節第2款第1目)と同地位を有する受刑者(同第3目)を区別して規定を定めている。 以上を前提に,徳島刑務所長が岩井弁護士との面会を規定回数に計上したことについてみると,刑事収容施設法施行規則74条は,被告人又は被疑者であって未決拘禁者としての地位を有しない受刑者の面会については,当該受刑者が被告人又は被疑者とされている刑事事件に係る弁護人等との面会に限り,規定回数の制限の対象外とする旨規定しており,当該面会が権利面会であるか,刑事収容施設法111条2項に基づく面会(以下「裁量面会」という。)であるかを区別していない。そして,iは,未決拘禁者としての地位を有しておらず,また,上記のとおり未決拘禁者と受刑者とでは法的地位が異なることに鑑みれば,本件岩井弁護士面会は,iに対する再審開始の決定がされていない以上,iが被告人又は被疑者とされている刑事事件に係る弁護人等との面会に該当するということはできない。 したがって,徳島刑務所長が,当該面会を規定回数に計上したことは適法である。 (ウ) 本件第1面会不許可処分がiについて規定回数を超える面会を不-28-許可としたものであることiは,岩井弁護士との面会後,平成22年9月16日に原告aと面会したことにより,同月の面会回数が規定回数(2回)に達した。同月17日における原告aのiとの面会の申出は,規定回数を超える面会を求めるものであった。 もっとも,徳島刑務所においては,このような場合においても,規定回数の満了のみを理 数(2回)に達した。同月17日における原告aのiとの面会の申出は,規定回数を超える面会を求めるものであった。 もっとも,徳島刑務所においては,このような場合においても,規定回数の満了のみを理由として一律に面会を不許可とするのではなく,徳島刑務所長が,当該面会の面会申込書の「面会の用件」欄に面会の目的として記載される事情のほか,当該面会申出者と受刑者との関係や当該面会の申出に至った事情,規定回数を超えて更に当該面会申出者と受刑者との面会を認めるべき必要性及び緊急性の有無,程度を個別具体的に考慮し,規定回数を超えて更に面会を許可するべきか否かを判断しているところである。 この徳島刑務所長の面会の許否の判断は,刑事収容施設法114条に基づき刑事施設の長に与えられた面会に関する制限についての裁量権の行使の範疇に属するものであるから,当該面会の申出を不許可としたことが国家賠償法1条1項の適用上も違法と評価されるのは,裁量権の範囲の逸脱又はその濫用が認められる場合に限られると解すべきである。 これを本件第1面会不許可処分についてみると,原告aは,前日にiと約30分間面会し,近況を報告し合うなどしており,規定回数を超えて更に面会を許可しなければならないほどの面会の必要性や緊急性は何ら認められなかったのであるから,徳島刑務所長に裁量権の範囲の逸脱又はその濫用は認められず,他に職務上の義務違背と評価されるような事情も何ら存しない以上,本件第1面会不許可処分につき国家賠償法1条1項の適用上,違法がないことは明らかである。 -29-ウ規定回数への計上の有無を当該面会人らに告知すべき職務上の法的義務を負っていないこと刑事収容施設法114条等,受刑者の面会回数の制限の関係規定をみても,刑事施設の職員に対し,受刑者の面会に関して,面会 への計上の有無を当該面会人らに告知すべき職務上の法的義務を負っていないこと刑事収容施設法114条等,受刑者の面会回数の制限の関係規定をみても,刑事施設の職員に対し,受刑者の面会に関して,面会人が誰であるかを問わず,刑事施設の職員が,当該面会人がした面会を規定回数に計上したか否かについて,事前又は事後を問わず,当該面会人はもとより,当該受刑者や利害関係人に告知すべきことを命ずる規定はないし,そのような告知義務の存在をうかがわせるような規定もない。このことからすれば,刑事施設の職員には,受刑者の面会について,事前,事後を問わず,当該面会人らに対して,当該面会の規定回数の計上の有無を告知すべき法的義務はないというべきである。 したがって,本件においても,平成22年9月10日の本件岩井弁護士面会及び同月16日の原告aとiとの面会について,徳島刑務所の職員が,その事前又は事後に,岩井弁護士又は原告aに対し,当該面会を規定回数に計上したことを告知しなかった行為が,国家賠償法1条1項の適用上,違法となる余地はない。 エ刑事施設の長は,受刑者との面会を求める者自身の利益に配慮する法的義務を負うものではないこと刑事収容施設法111条は,刑事施設の長が,面会の相手方ではなく,飽くまで受刑者について,面会の許否の判断を行うことを要求している。 また,面会に関する制限を定めた同法114条1項も,刑事施設の人的物的能力は有限であり,その能力の範囲内でしか面会を許すことができないという枠的な限界があることを当然の前提とした上で,そうした限界の中で,被収容者に平等に面会の機会を保障するために面会の回数や時間等の制限をすることができる旨規定したものであるから,刑事施設の人的物的能力と被収容者の利益との調整を目的とした規定と解される。 -30- 収容者に平等に面会の機会を保障するために面会の回数や時間等の制限をすることができる旨規定したものであるから,刑事施設の人的物的能力と被収容者の利益との調整を目的とした規定と解される。 -30-したがって,同法111条が受刑者との面会を求める者の利益までをも調整の対象としているとはいえず,刑事施設の長に対し,受刑者との面会を求める者の固有の権利まで配慮する法的義務を課していると解することはできない。 この点,最高裁平成20年判決は,当該公務員の行為の権限の根拠となる法令について,当該行為によって損害を被ったと主張する者の固有の利益に配慮すべき法的義務を課したものと解されない場合には,その者に対する関係で,当該公務員の行為が国家賠償法1条1項の適用上も違法とされる余地がないことを当然の前提として,当該法令が接見を求める者の固有の利益に配慮すべき法的義務を課していないことを理由に,刑務所長の裁量権の範囲の逸脱又はその濫用が問題となる余地はないとして,上記と同様の理を判示している。 以上からすれば,本件において徳島刑務所長がした面会の許否に関する措置が,iとの面会を求める者である原告らとの関係で,国家賠償法1条1項の適用上,違法と評価される余地はない。 (2) 争点2(原告a以外の原告らに対する面会不許可処分の違法性)について(原告らの主張の要旨)ア刑事収容施設法111条2項は裁量面会を積極的に認めるように解釈すべきこと刑事収容施設法111条2項の規定は,受刑者の外部交通を拡大すべきとの提言を受けて新たに作られたものであるから,裁量面会を積極的に認めるように解釈すべきである。すなわち,同項の要件である「交友関係の維持その他面会することを必要とする事情」について,面会や信書の発受等の外部交通を通じて,健全な社会との から,裁量面会を積極的に認めるように解釈すべきである。すなわち,同項の要件である「交友関係の維持その他面会することを必要とする事情」について,面会や信書の発受等の外部交通を通じて,健全な社会との良好な関係を維持することは,受刑者の改善更生や円滑な社会復帰に寄与すると考えるのが基本であるから,上記事情は,特別な事情がない限り認められるべきである。 -31-また,最高裁平成15年(オ)第422号,同年(受)第428号同18年3月23日第一小法廷判決・集民219号947頁(以下「最高裁平成18年判決」という。)は,旧監獄法の規定について,「受刑者のその親族でない者との間の信書の発受は,受刑者の性向,行状,監獄内の管理,保安の状況,当該信書の内容その他の具体的な事情の下で,これを許すことにより,監獄内の規律及び秩序の維持,受刑者の身柄の確保,受刑者の改善,更生の点において放置することのできない程度の障害が生ずる相当のがい然性があると認められる場合に限って,これを制限することがゆるされるものというべきであり,その場合においても,その制限の程度は,上記の障害の発生防止のために必要かつ合理的な範囲にとどまるべきものと解するのが相当である。」と判示した。この判示は,信書に限らず外部交通全般に類推すべきことからすれば,刑事収容施設法111条2項の「刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生じ,又は受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがないと認めるとき」の要件は,これが生ずる「相当の蓋然性があると認められる場合」に限定して解釈するのが相当である。 イ本件第2ないし第7面会不許可処分が違法であること原告a以外の原告らのようなiの支援者がiに面会し,交流関係を広めていくことは,再審請求中のiにとって,とりわけ重要である。なぜなら, 。 イ本件第2ないし第7面会不許可処分が違法であること原告a以外の原告らのようなiの支援者がiに面会し,交流関係を広めていくことは,再審請求中のiにとって,とりわけ重要である。なぜなら,①受刑中の再審請求人にとって,社会において自らの再審請求を支援する者が存在することは,それ自体が再審請求手続を遂行する上での精神的な支えとなるし,②再審事件においては,法廷活動にとどまることなく,再審請求人の無実を広く社会に訴えて世論を喚起するといった活動も重要だからである。再審請求人である受刑者とその支援者との面会を不許可とすることは,支援活動を妨害する行為であり,許されない。 また,本件において,原告a以外の原告らがiと面会することにより,-32-刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生じ,又は受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれは,一切なかった。 (ア) 原告bの面会不許可処分について原告bは,東京都杉並区在住時代,病気の子供を抱えながら原告aと交友関係にあり,とりわけ育児に関して原告aの多大な支援を受けてきた。このことが,特別な思いでiの支援を続ける理由になっている。すなわち,iと原告aの夫婦双方にとって,原告bは特別に重要な人間関係のある者ということになる。それは,刑事収容施設法111条2項にいう「その者との交友関係の維持その他面会することを必要とする事情」にほかならない。それゆえ,iは,原告bとの面会に先立って面会を必要とする理由を書いた願箋を提出していた。しかも,原告bは,面会が不許可になるとは夢にも思わず,子供の学校を休ませ,夫と共に徳島刑務所に来所した。 このような事情があるにもかかわらず,原告bのiとの面会を不許可にした本件第2面会不許可処分は,明らかに徳島刑務所長の裁量権の範囲を逸脱し又はこれ 学校を休ませ,夫と共に徳島刑務所に来所した。 このような事情があるにもかかわらず,原告bのiとの面会を不許可にした本件第2面会不許可処分は,明らかに徳島刑務所長の裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用するものであり,違法である。 (イ) 原告cの面会不許可処分原告cは,本件第3面会不許可処分当時,いわゆる○事件の再審開始の決定が確定し,再審公判が開始される直前にあり,えん罪と闘う仲間としてiに激励とアドバイスをしたいとの思いで,iとの面会を求めた。 再審請求中の受刑者であるiにとって,再審を認めさせつつある先達との交流による経験の継承は極めて重要であり,原告cは,面会することを必要とする事情を有する者であった。 このような事情があるにもかかわらず,原告cのiとの面会を不許可にした本件第3面会不許可処分は,明らかに徳島刑務所長の裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用するものであり,違法である。 -33-(ウ) 原告d及び原告eの面会不許可処分原告d及び原告eは,広島県在住のときから,iの支援活動に携わり,徳島県に移住後は,更に力を入れて支援活動を進めていた者で,iにとって心強い支援者であった。徳島刑務所は交通の不便な場所にあるため,来所の際に車での送迎は欠かせないところ,原告aが徳島刑務所でiと面会する際の送迎は,必ずこの二人が引き受けていた。iもそのことを了解しており,iにとって,原告d及び原告eは,交友関係の維持その他面会することを必要とする事情を有する者であった。 このような事情があるにもかかわらず,原告d及び原告eのiとの面会を不許可にした本件第4面会不許可処分は,明らかに徳島刑務所長の裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用するものであり,違法である。 (エ) 原告f及び原告gの面会不許可処分原告fは,徳島県 の面会を不許可にした本件第4面会不許可処分は,明らかに徳島刑務所長の裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用するものであり,違法である。 (エ) 原告f及び原告gの面会不許可処分原告fは,徳島県に在住するiの友人であり,iの支援者である。原告fは,平成18年9月及び平成21年5月の2回,iと面会した実績がある。 原告gは,岡山県に在住するiの友人であり,iの支援者である。原告gは,平成20年7月及び平成21年1月の2回,iと面会した実績がある。 以上のとおり,iにとって,原告f及び原告gは,交友関係の維持その他面会することを必要とする事情を有する者であった。 このような事情があるにもかかわらず,原告f及び原告gのiとの面会を不許可にした本件第5面会不許可処分は,明らかに徳島刑務所長の裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用するものであり,違法である。 また,原告fは,平成21年1月にiとの面会を不許可とされたことについて,rに人権救済申立てを行ったところ,rは,平成22年3月24日,徳島刑務所長に対し,面会不許可処分は裁量権の範囲を逸脱し-34-たものであるとして,面会を許可するよう勧告を行った。本件第5面会不許可処分は,当該勧告にも反しており,違法である。 (オ) 原告hの面会不許可処分① 原告hは,iと学生時代以来の長年の友人であり,iの支援活動の中心メンバーの一人である。iが徳島刑務所長に提出した事前申告票には,原告hの記載があり,原告hは,平成18年6月,平成20年5月,同年7月,同年11月,同年12月,及び平成21年7月の6回,iと面会した実績がある。原告hは,平成20年に原告aが2回入院した際,上記のとおりiと面会して,原告aの健康問題と入院について話し合うなど,i及び原告aの双方と特別の親交がある。iに 7月の6回,iと面会した実績がある。原告hは,平成20年に原告aが2回入院した際,上記のとおりiと面会して,原告aの健康問題と入院について話し合うなど,i及び原告aの双方と特別の親交がある。iにとって,原告hは,交友関係の維持その他面会することを必要とする事情を有する者であった。 このような事情があるにもかかわらず,原告hの面会を不許可にした本件第6面会不許可処分は,明らかに徳島刑務所長の裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用するものであり,違法である。 なお,原告hは,本質的な条件が何も変わっていないにもかかわらず,平成23年8月1日,iとの面会を許可されているが,これは,本件第6面会不許可処分に理由がなかったことを示している。 ② 本件デモは,mが,徳島市公安条例に基づき,徳島県公安委員会に届出を行い,また,道路交通法に基づき,徳島県警察徳島西警察署長から道路使用許可を受けたもので,デモ当日も遵守事項を遵守して平穏に行われた。また,原告hが「対監獄闘争」の言葉を使ったことは一度もない。 上記のとおり,iにとって,原告hは,交友関係の維持その他面会することを必要とする事情を有する者であるところ,原告hが合法かつ平穏に行われた本件デモの主導者であることを理由に原告hの面-35-会を不許可にした本件第7面会不許可処分は,憲法21条に反するとともに請願権を定める憲法16条にも反しており,明らかに徳島刑務所長の裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用するものであり,違法である。 ウ原告らにはiとの面会を求める固有の利益があり,徳島刑務所長がした面会の許否に関する違法な措置が,iとの面会を求める者である原告らとの関係でも国家賠償法1条1項の適用上も違法と評価されるべきことは,争点1で述べたとおりである。 (被告の主張の要旨) 長がした面会の許否に関する違法な措置が,iとの面会を求める者である原告らとの関係でも国家賠償法1条1項の適用上も違法と評価されるべきことは,争点1で述べたとおりである。 (被告の主張の要旨)ア裁量面会の許否の判断と刑事施設の長の裁量刑事収容施設法111条2項は,同条1項とは異なり,裁量面会の許否につき刑事施設の長の裁量判断によるものとしている。刑事施設の長は,刑事施設の規律及び秩序を害する結果などを生ずるおそれがないことに加え,面会の目的などから,信書の発受だけでなく面会を許すことが一般的,客観的に強く要請される事情があるか否かを評価,判断して,面会を許すことが相当であると認めるときに,これを許すこととなる。 そして,同条2項にいう「交友関係」は,継続的な交際の事実があり,かつ,その関係が好ましいものに限られ,「面会することを必要とする事情」は,社会通念上,積極的に面会を許すべき事情でなければならないというべきである。 上記のとおり,裁量面会の許否の判断について,刑事施設の長に裁量権が認められることからすれば,当該面会の申出を不許可としたことが国家賠償法1条1項の適用上も違法と評価されるのは,裁量権の範囲の逸脱又はその濫用が認められる場合に限られると解するのが相当である。 この点,原告らは,信書以外の外部交通にも最高裁平成18年判決の趣旨を及ぼすべきである旨主張するが,同判決は,刑事収容施設法とは要件-36-の異なる旧監獄法の規定に関するもので,信書の発受と面会とでは外部交通の性質も異なるから,原告らの上記主張は理由がない。 イ本件第2ないし第7面会不許可処分に違法はないこと(ア) 原告bの面会を不許可とした状況徳島刑務所長は,原告bの申出を受け,同人のiとの面会の許否について審査したが,原告bが がない。 イ本件第2ないし第7面会不許可処分に違法はないこと(ア) 原告bの面会を不許可とした状況徳島刑務所長は,原告bの申出を受け,同人のiとの面会の許否について審査したが,原告bがiに信書を送付して一方的に活動報告を行っていたこと,iが提出した事前申告票に原告bの名前がないこと,両者に面会歴がないことからすれば,両者の間に継続的な交友関係があるとは認められなかった。また,iが事前に原告bとの面会を許可するよう求めていたことを踏まえても,上記申出に係る面会申込書の記載に照らし,原告bにはiと面会することを必要とする事情までは認められなかった。 徳島刑務所長は,上記の事情等を考慮して,本件第2面会不許可処分をした。 (イ) 原告cの面会を不許可とした状況徳島刑務所長は,原告cの申出を受け,同人のiとの面会の許否について審査したが,原告cがiに2通の信書を送付したのみであること,事前申告票に原告cの名前がないこと,両者に面会歴がないことからすれば,両者の間に継続的な交友関係があるとは認められなかった。また,上記申出に係る面会申込書の記載に照らし,原告cにはiと面会することを必要とする事情までは認められなかった。 徳島刑務所長は,上記の事情等を考慮して,本件第3面会不許可処分をした。 (ウ) 原告d及び原告eの面会を不許可とした状況徳島刑務所長は,原告d及び原告eの申出を受け,同人らのiとの面会の許否について審査したが,原告d及び原告eがiに信書を送付して-37-一方的に活動報告を行っていたこと,事前申告票に上記両名の名前がないこと,上記両名にiとの面会歴がないことからすれば,上記両名とiとの間に継続的な交友関係があるとは認められなかった。また,上記申出に係る面会申込書の記載に照らし,上記両名にはiと 記両名の名前がないこと,上記両名にiとの面会歴がないことからすれば,上記両名とiとの間に継続的な交友関係があるとは認められなかった。また,上記申出に係る面会申込書の記載に照らし,上記両名にはiと面会することを必要とする事情までは認められなかった。 徳島刑務所長は,上記の事情等を考慮して,本件第4面会不許可処分をした。 (エ) 原告f及び原告gの面会を不許可とした状況徳島刑務所長は,原告f及び原告gの申出を受け,同人らのiとの面会の許否について審査したが,原告f及び原告gからiに対して信書が送付されていたものの,iから上記両名に宛てた信書の発信はなかったこと,事前申告票に上記両名の名前がないこと,原告fとiとの面会は,数年に一度の頻度であり,原告gとiとの面会は,原告gにiと主体的かつ親密に会話している状況がなかったことからすれば,上記両名とiとの間に継続的な交友関係があるとは認められなかった。また,上記申出に係る面会申込書の記載に照らし,上記両名にはiと面会することを必要とする事情までは認められなかった。 徳島刑務所長は,上記の事情等を考慮して,本件第5面会不許可処分をした。 (オ) 原告hの面会を不許可とした状況① 平成22年8月25日の面会申出徳島刑務所長は,原告hの申出を受け,同人のiとの面会の許否について審査した。たしかに,原告hは,事前申告票に大学のサークル活動で知り合った約40年来の友人として名前が記載され,受刑者処遇法施行後,iと6回の面会歴もあったが,mと比較するとその面会回数は格段に少なく,nのようにiの身元引受人となった経歴もない-38-ため,原告hとiとの間に親密な交友関係があるとは認められなかった。また,上記申出に係る面会申込書の記載に照らし,原告hにはiと面会することを必要とす うにiの身元引受人となった経歴もない-38-ため,原告hとiとの間に親密な交友関係があるとは認められなかった。また,上記申出に係る面会申込書の記載に照らし,原告hにはiと面会することを必要とする事情までは認められなかった。さらに,徳島刑務所が上記申出の約3か月前に送付を受けた原告hのi宛て信書には,「面会拒否については,あらゆる方法で反撃していきます。」(乙11)との記載があり,面会により,徳島刑務所の規律及び秩序の維持に支障を生じ,又はiの矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがないと認めるまでの事情も存しなかった。 そこで,徳島刑務所長は,本件第6面会不許可処分をした。 ② 平成24年2月6日の面会申出徳島刑務所長は,原告hの申出を受け,同人のiとの面会の許否について審査した。原告hは,徳島刑務所が上記申出の約3か月前に送付を受けた原告hのi宛て信書等において,徳島刑務所など全国の刑事施設に対する敵意をあらわにしていた上,大規模なデモ活動である本件デモを主導し(前提事実(2)ウ),いわゆる「対監獄闘争」の姿勢をあらわにしていた。実際にも,本件デモは,徳島刑務所の規律及び秩序の維持に多大な影響を与えており,原告hが,面会において,iに対し,刑務所内外への「対監獄闘争」活動の実践を呼びかけるなど,上記デモ活動を踏まえた更なる誘導的な言動に出ることも十分に考えられた。このように,原告hには,iとの間に交友関係の維持その他面会を必要とする事情があるとは認められず,面会により,徳島刑務所の規律及び秩序を害する結果を生じ,かつ,iの矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあると認められた。 そこで,徳島刑務所長は,本件第7面会不許可処分をした。 (カ) 小括以上のとおり,本件第2ないし第7面会不許可処分に係る徳島 矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあると認められた。 そこで,徳島刑務所長は,本件第7面会不許可処分をした。 (カ) 小括以上のとおり,本件第2ないし第7面会不許可処分に係る徳島刑務所-39-長の認定判断に裁量権の範囲の逸脱又はその濫用はないから,これらの処分につき違法はない。 ウ徳島刑務所長がした面会の許否に関する措置が,iとの面会を求める者である原告らとの関係で,国家賠償法1条1項の適用上,違法と評価される余地がないことは,争点1で述べたとおりである。 (3) 争点3(原告aに対する各信書の一部抹消処分の違法性)について(原告らの主張の要旨)ア刑事収容施設法129条の解釈について最高裁平成18年判決の判示は,刑事収容施設法129条1項による措置においてより強く妥当するから,同項3号は「発受によって,刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずる相当の蓋然性がある場合」と読み替え,6号は「発受によって,受刑者の矯正処遇の適切な実施において放置することのできない程度の支障を生ずる相当の蓋然性がある場合」と読み替えるべきである。 イ原告aの手紙の一部抹消原告aは,iに対し,27年間,毎週欠かさず手紙を書き送っていたが,手紙の一部を墨塗りによって抹消されたのは,平成22年6月9日の本件第1抹消処分が初めてのことであった。 (ア) 本件第1信書及び本件第2信書の各一部抹消に理由がないこと本件第1抹消処分の対象は,本件第1信書(甲1)のうち,原告cがiの再審請求を支援してくれること,及び原告cがiに面会に行ったが会えなかったという事実を伝えるだけの記載である。また,本件第2抹消処分の対象は,本件第2信書(甲2)のうち,iの親族であるsが,原告cが仮釈放で条件を付けられずに出たことは大きいと述 会に行ったが会えなかったという事実を伝えるだけの記載である。また,本件第2抹消処分の対象は,本件第2信書(甲2)のうち,iの親族であるsが,原告cが仮釈放で条件を付けられずに出たことは大きいと述べたことを紹介しただけの記載である。 上記各抹消部分が刑事収容施設法129条1項6号の要件に該当し-40-ないことは明白であるし,そもそも,本件第1及び第2抹消処分の当時,原告cに対する再審開始の決定は確定していたのであり,原告cをiの矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがある者と評価したこと自体が誤りである。 したがって,本件第1及び第2抹消処分は,いずれも,徳島刑務所長の裁量権の範囲を逸脱してされた違法がある。当該違法は,原告aに癒やし難い精神的苦痛を与えるもので,国家賠償法1条1項の適用上も違法となる(以下,この点は同様であるので省略する。)。 (イ) 本件第3信書及び本件第4信書の各一部抹消に理由がないこと本件第3抹消処分の対象は,本件第3信書(甲3)のうち,uが旅行した際の切符についての記載である。また,本件第4抹消処分の対象は,本件第4信書(甲4)のうち,原告aが友人のwらと行ったiの支援活動の街頭宣伝に,uも加わっていたという記載である。 uは,服役していたが,満期で刑期を終了し,本件第3及び第4抹消処分当時,6年以上平穏に社会生活を送っていた人物で,iの支援活動にかかわり,平成19年12月にはiと面会している。そうすると,上記各抹消部分が刑事収容施設法129条1項6号の要件に該当しないことは明白である。 したがって,本件第3及び第4抹消処分は,いずれも,徳島刑務所長の裁量権の範囲を逸脱してされた違法がある。 (ウ) 本件第5信書の一部抹消に理由がないこと本件第5抹消処分の対象は,本件第5信書( たがって,本件第3及び第4抹消処分は,いずれも,徳島刑務所長の裁量権の範囲を逸脱してされた違法がある。 (ウ) 本件第5信書の一部抹消に理由がないこと本件第5抹消処分の対象は,本件第5信書(甲5)のうち,iの支援活動の連絡会などで聞き知っている再審請求中の他の受刑者等の健康問題についての記載である。 上記抹消部分が刑事収容施設法129条1項6号の要件に該当しないことは明白であり,本件第5抹消処分は,徳島刑務所長の裁量権の範-41-囲を逸脱してされた違法がある。 (エ) 本件第6信書,本件第7信書及び本件第8信書の各一部抹消に理由がないこと本件第6ないし第8抹消処分の対象は,本件第6信書(甲16),本件第7信書(甲17)及び本件第8信書(甲18)のうち,原告hの名前が記載された部分であり,これらの記載が刑事収容施設法129条1項6号の要件に該当しないことは明白である。 また,本件デモは,合法かつ平穏に行われたもので,主張された内容も,国際人権規約等に則り受刑者の処遇の適切な改善を求めるという社会的に極めて相当な要求であった。そして,原告hが,徳島刑務所を始めとする全国の刑事施設に対する敵意をあらわにした事実はない。そうすると,上記各抹消部分は,刑事収容施設法129条1項3号の要件にも該当しない。 したがって,本件第6ないし第8抹消処分は,いずれも,徳島刑務所長の裁量権の範囲を逸脱してされた違法がある。 (オ) 本件第9信書の抹消理由本件第9抹消処分の対象は,本件第9信書(甲21)に同封された○集会での発言書面のうち,原告aが,夫への支援をしてくれている人々へのささやかな感謝を表し,24年間にわたって徳島刑務所に面会に通っている道を,みんなと共に歩いたことの感動を控えめに表現した記載である。 上記抹 うち,原告aが,夫への支援をしてくれている人々へのささやかな感謝を表し,24年間にわたって徳島刑務所に面会に通っている道を,みんなと共に歩いたことの感動を控えめに表現した記載である。 上記抹消部分が刑事収容施設法129条1項3号及び6号の要件に該当しないことは明白であり,本件第9抹消処分は,徳島刑務所長の裁量権の範囲を逸脱してされた違法がある。 (被告の主張の要旨)ア受刑者の信書の発受に関する制限(抹消処分)と刑事施設の長の裁量-42-刑事収容施設法は,受刑者の拘禁の本質及びその処遇の原則を踏まえ,受刑者の外部交通に一定の制限を加えることを許容しているところであり,個別の事案において信書の一部抹消処分をするに当たり,当該信書の発受を許すことによって,受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるか否かの判断については,刑事施設内の実情に通暁し,直接その任に当たる刑事施設の長の裁量に委ねられているというべきである。 したがって,信書の発受の制限に関する刑事施設の長の判断が国家賠償法1条1項の適用上も違法と評価されるのは,その判断に裁量権の範囲の逸脱又はその濫用が認められる場合に限られるというべきであり,刑事施設の長の判断に合理性があり,合理的裁量の範囲内にあると認められる限り,その判断による措置は適法なものと解すべきである。 そして,受刑者の信書の発受を制限することが許されるのがいかなる場合かは,飽くまで,これを制限する際の要件を定めた個別の規定の解釈問題に尽きるのであるから,受刑者の信書の発受の制限の適否の判断において,最高裁平成18年判決の示した解釈がそのまま妥当するとはいえないし,受刑者の信書の発受の制限を定めた刑事収容施設法129条の解釈に際しても,その判示がそのまま妥当するとはいえない。 イ において,最高裁平成18年判決の示した解釈がそのまま妥当するとはいえないし,受刑者の信書の発受の制限を定めた刑事収容施設法129条の解釈に際しても,その判示がそのまま妥当するとはいえない。 イ原告aからiに宛てた各信書の一部を抹消した状況(ア) 平成22年6月5日付け信書(本件第1信書)の一部抹消状況徳島刑務所長は,平成20年1月8日,原告cからi宛ての信書が送付された際,当時原告cが○刑の仮釈放中の者であり,信書を発受することにより,iの矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあると判断し,刑事収容施設法128条に基づきiに当該信書を交付することを禁止した。 かかる経緯を踏まえ,徳島刑務所長において,本件第1信書についての対応を検討したところ,原告cによるiの支援活動の状況等について-43-の記載は,原告aが原告cから受けた手紙の内容を伝えるものであり,これをそのままiに交付した場合には,本件第1信書を通じて原告cの意思がiに伝わることとなり,原告cとの直接の外部交通を許可した場合と同様の効果が生じるものと認められた。以上から,本件第1信書をiにそのまま交付すれば,その矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあると認められた。 そこで,徳島刑務所長は,本件第1抹消処分をした。 (イ) 平成22年6月27日付け信書(本件第2信書)の一部抹消状況上記(ア)のとおり,徳島刑務所は,原告cについて,iの矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがある者として把握していた。徳島刑務所長において,本件第2信書についての対応を検討したところ,iの改善更生を図るために好ましくない社会関係を遮断する必要があるが,原告cが仮釈放となったことに関するsの評価についての記載を含む本件第2信書をiにそのまま交付すれば,その矯正 を検討したところ,iの改善更生を図るために好ましくない社会関係を遮断する必要があるが,原告cが仮釈放となったことに関するsの評価についての記載を含む本件第2信書をiにそのまま交付すれば,その矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあると認められた。 そこで,徳島刑務所長は,本件第2抹消処分をした。 (ウ) 平成22年8月8日付け信書(本件第3信書)の一部抹消状況平成20年2月5日にuからi宛てに信書が送付された際の徳島刑務所の調査において,uは,某空港建設事業に関する裁決手続を阻止しようと企て,土地収用委員長に再起不能となるほどの重傷を負わせ,その所持品を強取するという極めて凶悪かつ卑劣なテロ犯罪を惹起し,平成16年まで受刑した経歴を有する人物であることが判明していた。 上記を踏まえ,徳島刑務所長において,本件第3信書についての対応を検討したところ,たとえ差出人が妻である原告aであるとはいえ,iの改善更生を図るという観点からは,好ましくない社会関係を遮断する必要があることに変わりはなく,iが,上記のように極めて凶悪かつ卑-44-劣なテロ犯罪を惹起して服役した経歴を有するuと接触や関係を持つことは,その矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあると認められた。uの近況についての記載を含む本件第3信書をそのままiに交付した場合,これを通じてuについての情報がiに伝わることとなり,uとの直接の信書の発受を認めた場合と同様に,iの矯正処遇の適切な実施に悪影響が及ぶおそれがあるものと認められた。 そこで,徳島刑務所長は,本件第3抹消処分をした。 (エ) 平成22年9月10日付け信書(本件第4信書)の一部抹消状況本件第4信書には,uの街宣活動の近況についての記載が認められたことから,徳島刑務所長は,上記(ウ)と同様の 抹消処分をした。 (エ) 平成22年9月10日付け信書(本件第4信書)の一部抹消状況本件第4信書には,uの街宣活動の近況についての記載が認められたことから,徳島刑務所長は,上記(ウ)と同様の理由により,本件第4抹消処分をした。 (オ) 平成23年1月21日付け信書(本件第5信書)の一部抹消状況本件第5信書には,他の刑事施設に収容中の受刑者2名及び死刑確定者2名を特定する事項及び4名の近況についての記載が認められた。 徳島刑務所長において,本件第5信書についての対応を検討したところ,これら受刑者及び死刑確定者については,いずれも刑事収容施設法128条に定める「犯罪性のある者」に該当すると認められ,仮にこれらの者がiとの間で直接上記のような信書の発受をしようとした場合には,iの矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれが認められるとして発受が禁止される蓋然性が高いものと認められた。本件第5信書をそのままiに交付した場合,これを通じて上記記載がiに伝わり,上記受刑者らと直接信書の発受をしたのと同様の効果を生じることとなるため,iの矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるものと認められた。 そこで,徳島刑務所長は,本件第5抹消処分をした。 (カ) 平成24年3月12日付け信書(本件第6信書)の一部抹消状況-45-争点2において主張したとおり,原告hは,i宛て信書等において,徳島刑務所など全国の刑事施設に対する敵意をあらわにしていた上,大規模なデモ活動である本件デモを主導し,いわゆる「対監獄闘争」の姿勢をあらわにしていた。実際にも,本件デモは,徳島刑務所の規律及び秩序の維持に多大な影響を与えた。 このような経緯から,徳島刑務所長は,平成24年2月6日の原告hによるiとの面会の申出を不許可としており(本件第7面 。実際にも,本件デモは,徳島刑務所の規律及び秩序の維持に多大な影響を与えた。 このような経緯から,徳島刑務所長は,平成24年2月6日の原告hによるiとの面会の申出を不許可としており(本件第7面会不許可処分),当時,徳島刑務所においては,原告hについて,iとの外部交通を許可した場合,iの矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあることはもとより,本件デモと同様のデモを再度実施することを相互に企図するなどの行動に及ぶことも懸念されたことから,徳島刑務所の規律及び秩序の維持に支障を生ずるおそれがある者として把握していた。 以上を踏まえ,徳島刑務所長において,本件第6信書についての対応を検討したところ,原告aらが参加した集会やデモにおける原告hの活動状況についての記載は,原告aが原告hの活動状況をiに伝えようとするものであり,たとえ差出人が妻である原告aであるとはいえ,これをそのままiに交付した場合には,本件第6信書を通じて原告hの意思がiに伝わることとなり,原告hとの直接の外部交通を許可した場合と同様の効果が生じるものと認められた。以上から,本件第6信書をiにそのまま交付したとすれば,その矯正処遇の適切な実施並びに徳島刑務所の規律及び秩序の維持に支障を生ずるおそれがあるものと認められた。 そこで,徳島刑務所長は,本件第6抹消処分をした。 (キ) 平成24年3月19日付け信書(本件第7信書)の一部抹消状況本件第7信書には,原告h及びuによるiの支援活動の状況についての記載が認められた。 -46-上記(ウ)及び(カ)のとおり,当時,徳島刑務所においては,原告h及びuについて,iの矯正処遇の適切な実施並びに徳島刑務所の規律及び秩序の維持に支障を生ずるおそれがある者として把握しており,本件第7信書をiにそのまま交付した場 当時,徳島刑務所においては,原告h及びuについて,iの矯正処遇の適切な実施並びに徳島刑務所の規律及び秩序の維持に支障を生ずるおそれがある者として把握しており,本件第7信書をiにそのまま交付した場合,これを通じて原告h及びuの活動状況がiに伝わることとなり,原告h及びuと直接の外部交通を認めた場合と同様の効果が生じ,iの矯正処遇の適切な実施並びに徳島刑務所の規律及び秩序の維持に支障を生ずるおそれがあるものと認められた。 そこで,徳島刑務所長は,本件第7抹消処分をした。 (ク) 平成24年3月26日付け信書(本件第8信書)の一部抹消状況本件第8信書には,原告hからiへの伝言の記載が認められたことから,徳島刑務所長は,上記(カ)及び(キ)と同様の理由により,本件第8抹消処分をした。 (ケ) 平成24年3月4日付け信書(本件第9信書)の一部抹消状況本件第9信書に同封された○集会での発言書面には,本件デモの参加者に対する謝礼や同デモの際の様子,同デモを賞賛する原告aの思い等についての記載が認められた。 徳島刑務所長において,本件第9信書等についての対応を検討したところ,たとえ差出人が妻である原告aであるとはいえ,原告aも中心的人物として参加した本件デモが,いわゆる「対監獄闘争」の姿勢をあらわにするもので,徳島刑務所の規律及び秩序の維持に多大な影響を与えたものであったことからすれば,○集会での発言書面を含め本件第9信書等をそのままiに交付した場合には,iがこれに影響を受けて,徳島刑務所内外に本件デモと同様の街宣活動を再度行うよう呼びかけるなどの行動に及ぶことも懸念され,受刑者の処遇の原則を踏まえたiの矯正処遇の適切な実施のみならず,徳島刑務所の規律及び秩序の維持にも支障を生ずるおそれがあるものと認められた。 -47-そ けるなどの行動に及ぶことも懸念され,受刑者の処遇の原則を踏まえたiの矯正処遇の適切な実施のみならず,徳島刑務所の規律及び秩序の維持にも支障を生ずるおそれがあるものと認められた。 -47-そこで,徳島刑務所長は,本件第9抹消処分をした。 ウ本件第1ないし第9抹消処分に国家賠償法上の違法はないこと以上のとおり,本件第1ないし第9信書は,いずれも,形式的にはiの親族(妻)である原告aから発信されたものではあったが,徳島刑務所長は,①本件第1ないし第5抹消処分の対象となった各記載がいずれも刑事収容施設法129条1項6号に該当するものと認定判断して,本件第1ないし第5抹消処分をし,②本件第6ないし第9抹消処分の対象となった各記載がいずれも同項3号及び6号に該当するものと認定判断して,本件第6ないし第9抹消処分をしたもので,これらの認定判断に裁量権の範囲の逸脱又はその濫用は認められず,他にその職務上の義務に違反したと評価されるべき事情もないから,本件第1ないし第9抹消処分に国家賠償法1条1項の適用上,違法はない。 (4) 争点4(原告らの損害の有無及び額)について(原告らの主張の要旨)ア原告aは,いずれも違法な本件第1面会不許可処分及び本件第1ないし第9抹消処分により,多大な精神的苦痛を被ったが,その損害は,金銭に換算すると少なくとも300万円を下らない。 イ原告bは,違法な本件第2面会不許可処分により,交通費が無駄となり,精神的苦痛も被ったが,その損害は,100万円を下らない。 ウ原告cは,違法な本件第3面会不許可処分により,交通費が無駄となり,精神的苦痛も被ったが,その損害は,100万円を下らない。 エ原告d及び原告eは,共に,違法な本件第4面会不許可処分により,交通費が無駄となり,精神的苦痛も被ったが,その り,交通費が無駄となり,精神的苦痛も被ったが,その損害は,100万円を下らない。 エ原告d及び原告eは,共に,違法な本件第4面会不許可処分により,交通費が無駄となり,精神的苦痛も被ったが,その損害は,それぞれ100万円を下らない。 オ原告f及び原告gは,共に,違法な本件第5面会不許可処分により,交通費が無駄となり,精神的苦痛も被ったが,その損害は,それぞれ100-48-万円を下らない。 カ原告hは,いずれも違法な本件第6及び第7面会不許可処分により,交通費が無駄となり,精神的苦痛も被ったが,その損害は,100万円を下らない。 (被告の主張の要旨)原告らの主張は,いずれも否認ないし争う。 第3 当裁判所の判断 1 争点1(本件第1面会不許可処分の違法性)について(1) 規定回数を超えたことなどを理由として本件第1面会不許可処分をしたことの適否ア被告は,本件第1面会不許可処分の理由について,再審請求弁護人の面会を含めればiの面会が規定回数を超えており,かつ,規定回数を超えて更に原告aにつき面会を許可する事情が認められなかった旨主張する。そこで,まず,規定回数に再審請求弁護人の面会を含めることの当否について検討する。 イ刑事収容施設法111条は,受刑者に対する面会が許される場合を規定する。同条の規定は,受刑者の面会については,その拘禁の本質などから制限する理由があるものの,他方で,受刑者であっても,親族との外部交通は人道上の観点から一般的にはこれを許すのが適当であること,重大な利害に係る用務の処理のため面会による意思連絡が必要となる場合があること,受刑者の改善更生と円滑な社会復帰のために友人・知人との健全で良好な関係を維持する上で外部交通は重要な手段となることから,親族や重大な利害に係る用務の処理のため 意思連絡が必要となる場合があること,受刑者の改善更生と円滑な社会復帰のために友人・知人との健全で良好な関係を維持する上で外部交通は重要な手段となることから,親族や重大な利害に係る用務の処理のための面会が必要な者などとの面会は基本的に保障するとともに,それ以外の者との面会も,これを必要とする事情があるなど一定の要件がある場合に限り,刑事施設の長の裁量により,これを許すこととしたものと解される。 -49-また,同法114条1項は,刑事施設の長が,受刑者の面会に関し,法務省令で定めるところにより,面会の回数について,刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上必要な制限をすることができる旨規定する。 同項の規定は,同法111条の規定により許される面会については,刑事施設の管理運営上の必要がある限度でのみ,回数などを制限することができるものとした趣旨であり,上記の「必要な制限」とは,受刑者に面会を行わせるためには,面会室などの整備や,受刑者の連行などに従事する職員が必要であるところ,このような刑事施設の人的物的能力には限界があることに基づく制限をいうものと解される。そうすると「必要な制限」の具体的な内容については,基本的には,個々の刑事施設における人的物的能力に依存することになり,また,その時々の刑事施設の規律及び秩序の維持の状況などにも依存することになるから,その決定は,刑事施設の管理運営について責任を有する刑事施設の長の裁量に委ねられたものと解することが相当である。 なお,原告らは,同法111号1項1号の親族との面会について,同法114条1項の規定は適用されない旨主張するが,同項の文言及びその趣旨からすれば,親族との面会のみがその制限の対象から除外されるものと解することはできず,原告らの上記主張は,採用することができない。 114条1項の規定は適用されない旨主張するが,同項の文言及びその趣旨からすれば,親族との面会のみがその制限の対象から除外されるものと解することはできず,原告らの上記主張は,採用することができない。 他方,同法114条2項は,面会の回数を制限するときは,その回数は1月につき2回を下回ってはならない旨規定する。同項の規定は,面会の回数は受刑者に面会を保障する上で最も実質的なものであることから,法律により最低保障を定めたものと解される。そして,同法89条3号は,刑事施設の長は,受刑者の改善更生の意欲を喚起するため,受刑態度の評価に応じて,面会をすることができる回数につき優遇措置を講ずるものと規定しており,その優遇措置については,優遇区分(第1類ないし第5類の区分)に従い,第1類(受刑態度が特に良好である受刑者)は1月につ-50-き7回以上,第2類(受刑態度が良好である受刑者)は同5回以上,第3類(受刑態度が普通である受刑者)は同3回以上に定めることとされている(刑事収容施設法施行規則53条及び54条)。 ウこれらの規定を受けて,徳島刑務所長は,前提事実(2)イ(イ)のとおり,外部交通取扱細則15条において面会の回数を定め,受刑者の面会の回数(規定回数)は1月に2回を下らないものとし,優遇区分第1類の者は7回,同第2類の者は5回,同第3類の者は3回,同第4類の者及び同第5類の者は2回としている(乙3)。 この点に関し,証拠(乙5,6,18)及び弁論の全趣旨によれば,①徳島刑務所において使用可能な一般面会用の面会室は4室であり,1日当たりの面会実施可能時間が約7時間であり,1か月当たりの面会可能日数が約20.67日であることから,実施可能な面会時間は1か月当たり約579時間であるところ,1件当たりの面会時間が30分であることを前 の面会実施可能時間が約7時間であり,1か月当たりの面会可能日数が約20.67日であることから,実施可能な面会時間は1か月当たり約579時間であるところ,1件当たりの面会時間が30分であることを前提にして,平成22年の総被収容者数814名でこれを除すると,被収容者一人につき,1か月当たりの面会可能回数は,平成22年において約1. 42回であること,②徳島刑務所において面会立会職員として常時配置できる人員は2,3名であること,③平成18年5月に受刑者処遇法が施行され,外部交通の取扱いが大きく変更されたことに伴い,平成17年の面会件数が2403件であったのに対し,平成18年には3703件,平成19年には5292件と急増したところ,受刑者の中には,出所後の元受刑者と面会して不良な交友関係を維持,強化しようとするなど,刑事施設内の規律及び秩序の維持に支障が生じる状況が見受けられるようになっていたこと(前提事実(2)イ(ウ))が認められるところ,これらの事情を踏まえれば,平成22年当時,徳島刑務所長が優遇区分第4類及び第5類の者の面会の回数を2回と定めていたことは,刑事施設の管理運営上合理的な理由に基づく「必要な制限」として,必ずしも不合理なものではなく,-51-それ自体としては,徳島刑務所長の裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものと断じることはできない。 エところで,最高裁平成25年判決が判示するとおり,刑事訴訟法440条1項は,検察官以外の者が再審請求をする場合には,弁護人を選任することができる旨規定しているところ,死刑確定者が再審請求において同法435条各号に規定する再審請求の理由のあることを十分に主張立証するためには,再審請求弁護人から援助を受ける機会を実質的に保障する必要があるから,再審請求中の死刑確定者は,同法440条1項 いて同法435条各号に規定する再審請求の理由のあることを十分に主張立証するためには,再審請求弁護人から援助を受ける機会を実質的に保障する必要があるから,再審請求中の死刑確定者は,同法440条1項に基づき,再審請求弁護人と秘密面会をする利益を有するものと解される。また,秘密面会の利益が保護されることは,面会の相手方である再審請求弁護人にとってもその十分な活動をするために不可欠なものであって,死刑確定者の弁護人による弁護権の行使においても重要なものであるし,刑事訴訟法39条1項によって被告人又は被疑者に保障される秘密交通権が,弁護人にとってはその固有権の重要なものの一つとされていることに鑑みれば,再審請求弁護人も,同法440条1項の趣旨に照らし,再審請求中の死刑確定者と秘密面会をする利益を有すると解される。 しかるところ,この理は,死刑確定者が再審請求をする場合のみならず,受刑者が再審請求をする場合にも等しく妥当するものであることは論を俟たない。そして,再審請求中の受刑者が再審請求弁護人から援助を受ける機会を実質的に保障する必要があるという観点からすれば,受刑者及び再審請求弁護人は,秘密面会をする利益に加え,面会の回数を制限されないで面会をする利益を有すると解することが相当である。 したがって,刑事施設の長は,受刑者の面会の制限に関する権限を行使するに当たり,以上のような受刑者と再審請求弁護人との面会の利益を十分に尊重しなければならないというべきであり,このことは,再審請求弁護人につき,刑事訴訟法39条の適用又は準用がない(また,再審請求中-52-の受刑者が刑事収容施設法145条の「被告人」に当たらない。)と解するとしても,結論を異にすべきものではない。 オ以上を前提として本件についてみると,本件岩井弁護士面会は,再審請 求中-52-の受刑者が刑事収容施設法145条の「被告人」に当たらない。)と解するとしても,結論を異にすべきものではない。 オ以上を前提として本件についてみると,本件岩井弁護士面会は,再審請求補充書を準備するために行われたものであるところ(乙9),弁論の全趣旨によれば,①徳島刑務所においては,一般面会用の面会室のほか,弁護人面会用の面会室2室があり,突発的な弁護人等(弁護人又は刑事訴訟法39条1項に規定する弁護人となろうとする者をいう。刑事収容施設法75条3項,刑事収容施設法施行規則71条1項参照。以下同じ。)の面会申出にも適切な対応ができるように準備され,一般用面会用の面会室についても,それが使用されていない場合には,弁護人等の面会に流用されることがあることが認められ(被告準備書面(3)9頁参照),②他方,徳島刑務所長は,平成22年9月10日以前は,岩井弁護士とiとの面会を規定回数の対象外として取り扱っていたところ(原告ら準備書面(1)12頁参照),再審請求弁護人の面会を規定回数の対象外として取り扱うことによって徳島刑務所の管理運営に何らかの支障が生じたとの事情はうかがわれない。 これらの点に加え,前記エで判示したとおり,刑事施設の長は,受刑者の面会の制限に関する権限を行使するに当たり,受刑者と再審請求弁護人との面会の利益を十分に尊重しなければならないという立場にあることを考慮すれば,徳島刑務所においては,平成22年9月当時,受刑者と再審請求弁護人との面会に関して,刑務所の規律及び秩序の維持その他管理運営上,その回数の制限を行い,規定回数に含めるという取扱いを行う必要があったとは認められないといわざるを得ない。 そうすると,本件岩井弁護士面会を,一般面会と同様に扱い,iに認められた規定回数に含めるという取扱いをす い,規定回数に含めるという取扱いを行う必要があったとは認められないといわざるを得ない。 そうすると,本件岩井弁護士面会を,一般面会と同様に扱い,iに認められた規定回数に含めるという取扱いをすることは,面会の回数に関して「必要な制限」を超える制限をしたものとして,刑事収容施設法114条-53-1項に違反するものというべきである。そして,このように解するとすれば,上記のような取扱いをした結果,本件第1面会につき,規定回数を超えることを理由としてこれを許さないとすることも,面会の回数に関して「必要な制限」を超える制限をしたものとなるから,刑事収容施設法114条1項に違反するというべきである。 カ以上によれば,再審請求弁護人の面会を含めればiの面会が規定回数を超えていることを理由としてされた本件第1面会不許可処分は,刑事収容施設法114条1項に違反するというべきである。 (2) 事前の告知や事情聴取をしないまま第一面会不許可処分をしたことの適否について原告らは,徳島刑務所の職員が,本件岩井弁護士面会を規定回数に含めることを原告aに事前に告知しなかったことや,原告aが本件第1面会の申出をした際,原告aにおける特別な面会の必要性について事情聴取を行わなかったことが違法である旨主張する。 しかし,刑事収容施設法114条など,受刑者の面会回数の制限に関する法令をみても,刑事施設の職員において,先行して行われた面会を規定回数に計上したか否かを,当該受刑者との面会を申し出る予定の者に告知すべき旨の規定はない。また,面会の申出に当たっては,申出書の提出(刑事収容施設法施行規則67条)をすることとされているものの,それ以上に,面会の必要性について事情聴取をすべき旨を定めた規定はない。したがって,刑事施設の長は,刑事収容施設法上,上記の 出書の提出(刑事収容施設法施行規則67条)をすることとされているものの,それ以上に,面会の必要性について事情聴取をすべき旨を定めた規定はない。したがって,刑事施設の長は,刑事収容施設法上,上記の者に対して,上記告知をすべき法的義務を負っているということはできないし,事情聴取をすべき法的義務を負っているということもできない。 したがって,原告らの上記主張は,採用することができない。 (3) 国家賠償法1条1項の適用上の違法性についてア上記(1)で判示したとおり,本件第1面会不許可処分は,刑事収容施設-54-法114条1項に違反するというべきである。 しかるに,国家賠償法1条1項は,国又は公共団体の公権力の行使に当たる公務員が個別の国民に対して負担する職務上の法的義務に違背して当該国民に損害を加えたときに,国又は公共団体がこれを賠償する責任を負うことを規定するものであるから,公務員による公権力の行使に同項にいう違法があるというためには,公務員が,当該行為によって損害を被ったと主張する者に対して負う職務上の法的義務に違反したと認められることが必要である(最高裁昭和53年(オ)第1240号同60年11月21日第一小法廷判決・民集39巻7号1512頁,最高裁昭和61年(オ)第1152号平成元年11月24日第二小法廷判決・民集43巻10号1169頁,最高裁平成13年(行ツ)第82号,第83号,同年(行ヒ)第76号,第77号同17年9月14日大法廷判決・民集59巻7号2087頁,最高裁平成20年判決等参照)。 イそこで検討するに,刑事収容施設法111条1項1号は,受刑者の親族から面会の申出があったときは,これを許すべきことを規定する。これは,受刑者であっても,その親族との外部交通は,人道上の観点から,一般的にこれを許すのが適 収容施設法111条1項1号は,受刑者の親族から面会の申出があったときは,これを許すべきことを規定する。これは,受刑者であっても,その親族との外部交通は,人道上の観点から,一般的にこれを許すのが適当であると考えられること,また,受刑者の改善更生と円滑な社会復帰を促進するためには,親族との良好な関係を維持し,円滑化し,又は改善することが必要であり,外部交通はそのための重要な手段となること,親族による激励や訓戒は,受刑者の改善更生の意欲を喚起する重要な契機となると考えられることなどから,受刑者に親族との面会を権利として保障したものと解される。このように,同号が親族との面会を保障した趣旨は,受刑者とその親族との間の婚姻関係や血縁関係などの特別な人的関係がもたらす相互的な恩恵に配慮したものであることに加え,受刑者が社会復帰後に親族と同居するに至れば,互いに扶け合わなければならない関係にあること(民法730条)をも勘案すると,同号は,-55-面会の申出をした親族においても,拘禁により遮断されている親族としての交流を維持し,受刑者と良好な関係を維持することについて利益があることを考慮したものということができる。 以上のほか,同号は,親族に対して,受刑者との面会を申し出る地位を与えていることをも勘案すると,同号は,面会の対象となる受刑者の利益のみならず,面会を申し出た親族の固有の利益をも保護する趣旨であると解することが相当であり,刑事収容施設の長は,面会の申出をした親族に対し,その固有の利益に配慮する法的義務を負っているというべきであり,刑事収容施設法114条1項も,このことを前提として刑事収容施設の長の裁量を定めたものと解することが相当である。 ウこれに対し,被告は,刑事収容施設法111条は面会の相手方ではなく受刑者について面会の許否の 法114条1項も,このことを前提として刑事収容施設の長の裁量を定めたものと解することが相当である。 ウこれに対し,被告は,刑事収容施設法111条は面会の相手方ではなく受刑者について面会の許否の判断を行うことを要求していること,同法114条1項は面会を求める者の利益を調整の対象としているとはいえないことからして,刑事施設の長に対し,面会を求める者の固有の利益まで配慮する法的義務を課していると解することはできない旨主張し,最高裁平成20年判決を引用する。 しかしながら,少なくとも面会の申出をした親族に関する限りは,受刑者との特別な関係に基づいて面会が一般的に認められるべきものとされた同法111条1項1号の趣旨等に照らし,上記の主張が当を得ないことは上記イで判示したとおりである。また,上記判決は,親族以外の者との面会に関する旧監獄法45条2項に関するものであって,親族の面会が問題となっている本件第1面会とは事案を異にする。したがって,被告の上記主張は採用することはできない。 エ以上のとおりであるから,本件第1面会不許可処分は,刑事収容施設法114条1項に関する徳島刑務所長の裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法があり,当該処分は,徳島刑務所長が原告aに対して負う受-56-刑者と面会する利益を保護すべき職務上の法的義務に違反したものとして,国家賠償法1条1項の適用上も違法となるというべきである。 そして,徳島刑務所長は,前記のとおり,平成22年9月10日以前は,岩井弁護士とiとの面会を規定回数の対象外として取り扱っていたことに照らせば,このような取扱いを変更して,本件第1面会を不許可としたことについて過失があることは明らかである。 2 争点2(原告a以外の原告らに対する各面会不許可処分の違法性)について(1) 裁量面 らせば,このような取扱いを変更して,本件第1面会を不許可としたことについて過失があることは明らかである。 2 争点2(原告a以外の原告らに対する各面会不許可処分の違法性)について(1) 裁量面会の許否の判断における刑事施設の長の裁量の内容についてア被告は,徳島刑務所長が刑事収容施設法111条2項に基づいて行った本件第2ないし第7面会不許可処分につき,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものではない旨主張する。 イ刑事収容施設法111条2項は,受刑者と同条1項各号に掲げる者以外の者との面会について,その者との交友関係の維持その他これを必要とする事情があり,かつ,面会により,刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生じ,又は受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがないと認められるときは,刑事施設の長は,これを許すことができると規定する。 同条2項の規定は,人道上の要請などがある親族などとの面会とは異なり,交友関係の維持などの必要性を理由とする面会は,自由の剥奪を目的の一つとする自由刑の趣旨も踏まえると,絶対的に保障すべきものであるとは考えられないものではあるものの,受刑者の改善更生及び円滑な社会復帰を促進するためには,親族だけでなく,友人,知人等との交流により,社会との健全で良好な関係を維持し,円滑化し,又は改善することが重要であり,適正な外部交通がそのための重要な手段となること(同法110条参照),また,こうした交友関係の維持のほかにも,外部交通を必要とする事情がある場合があり得るという考慮に基づいて設けられたものと-57-解される。 上記のような同法111条2項の趣旨に照らすと,同項が定める「交友関係の維持」とは,面会申出者と受刑者との間で継続的に培われてきた健全で良好な交際関係の維持を目的とするものを 57-解される。 上記のような同法111条2項の趣旨に照らすと,同項が定める「交友関係の維持」とは,面会申出者と受刑者との間で継続的に培われてきた健全で良好な交際関係の維持を目的とするものをいい,また,「その他面会することを必要とする事情」とは,上記以外のもので,社会通念上,積極的に面会を許すべき理由となる事情があるものをいうと解され,上記の目的又は事情が認められるか否かの判断については,刑事収容施設の長の裁量に委ねられたものと解することが相当である。そして,刑事収容施設の長がこの裁量を行使するに当たっては,刑事収容施設の長が受刑者を処遇する上で認識していた事実関係を基礎とするほか,刑事収容施設法施行規則が,あらかじめ受刑者等に面会申出予想者を申告させ(66条1項),必要に応じて受刑者等との関係等を証明する書類その他の物件を提出又は提示させる(同条2項)一方で,面会申出者に申出書を提出させ(67条1項),必要に応じて被収容者との関係や面会の目的等を証明する書類その他の物件を提出又は提示させる(同条2項)と規定し,更に面会の申出があった場合に刑事施設の長が被収容者に面会申出者との関係等について質問することができる(68条)と規定していることからすれば,これらの規定に従って認識した事実関係をも基礎とすべきであり,これらを基礎として,上記の目的又は事情が認められるとはいえないとした判断が不合理なものではないのであれば,刑事施設の長の裁量の範囲内にあるものとして,適法となると解される。 また,刑事収容施設法111条2項は,刑事施設の長は,「面会により,刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生じ,又は受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがない」と認めるときに,同項による面会を許すことができると規定しているところ,この点に 「面会により,刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生じ,又は受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがない」と認めるときに,同項による面会を許すことができると規定しているところ,この点については,刑事施設内の実情に通暁し,直接その衝に当たる刑事施設の長による個々の場合の-58-具体的状況の下における裁量的判断にまつべき点が少なくないから,当該具体的状況下の事実関係を基礎として,上記のおそれがないとは認められないとした判断が不合理なものではないのであれば,刑事施設の長の裁量の範囲内にあるものとして,適法となると解される。 なお,最高裁平成18年判決は,受刑者の信書の発受につき判示したものであるところ,同判決の趣旨を刑事収容施設法の解釈に反映すべきであるとしても,信書の発受に関する刑事収容施設法の規定は,信書の発受を原則として許すものとした上(同法126条),「刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき」や「受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるとき」などには内容等の差止め等ができる(同法129条1項3号及び6号)という規定ぶりとなっており,裁量面会に関する同法111条2項の規定ぶりとは異なっていることや,面会は,即時的な外部交通の方法であり,職員の立会いなどの措置によっても不適当な内容の意思連絡を十分には抑止できない場合があるという点で,信書の発受とは性質が異なることに照らすと,同判決の趣旨を直ちに裁量面会に関する同法111条2項の解釈に反映させることは相当ではないと解されるところである。したがって,この点に関する原告らの主張は,採用することができない。 以上の見地から,本件第2ないし第7面会不許可処分の適法性につき検討する。 (2) 本件第2面会不許可処分についてア原告bは って,この点に関する原告らの主張は,採用することができない。 以上の見地から,本件第2ないし第7面会不許可処分の適法性につき検討する。 (2) 本件第2面会不許可処分についてア原告bは,約25年前に原告aと知り合い,平成19年頃から,iの支援運動に関与していたが,上記面会の申出当時,iとの直接の面識はなく,iが提出した事前申告票にもその名前が記載されていなかった。原告bは,数年前からiに対して手紙を送付するようになり,平成19年6月4日以降,その数は50通以上あったが,その内容は日常生活や自己の活動に関-59-する報告であり,他方,iから原告bに送信した信書は存在しなかった(甲13,31,乙11,弁論の全趣旨[第2回口頭弁論期日における陳述])。 iは,上記面会の3日前,徳島刑務所の処遇首席宛てに,原告bが原告aの友人で,iの支援活動の中心的人物の一人であること等を理由に,原告bとの面会を特別に許可するよう求める旨の願箋を提出していた(前提事実(3)ウ,(4)イ,乙11)。また,上記面会の申出に係る面会申込書(乙10〔2頁〕)には,原告bと被収容者との関係として「友人」と,面会の用件として「安否,近況,再審,運動」とそれぞれ記載されていた。 イ上記アの認定事実によれば,原告bは,iと直接の面識がなく,iから信書の送信を受けたこともなく,iと原告bとの関係は,受刑者とその再審請求の支援者という関係を出るものではなかったというべきであるから,本件第2面会不許可処分当時,原告bとiとの間に継続的に培われてきた交際関係があったとは認められない。また,上記処分の際,原告a及びiの支援活動の中心的人物の一人であるnはiと面会が許可され(前提事実(4)イ(イ),弁論の全趣旨),面会が許可された者を通じてiの支援活動の状況等を は認められない。また,上記処分の際,原告a及びiの支援活動の中心的人物の一人であるnはiと面会が許可され(前提事実(4)イ(イ),弁論の全趣旨),面会が許可された者を通じてiの支援活動の状況等をiに伝達することが可能であったことからすると,原告bについて,社会通念上,積極的に面会を許すべき理由となる事情があるとはいえないとした徳島刑務所長の判断は,不合理なものとはいえない。 したがって,「交友関係の維持その他面会を必要とする事情」の要件を満たさないとして本件第2面会不許可処分をした徳島刑務所長の判断には,裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があるとはいえないから,その余の点について判断するまでもなく,同処分は適法であるというべきである。 (3) 本件第3面会不許可処分についてア原告cは,上記面会の申出当時,再審開始決定が確定していた者であったが,上記面会の申出当時以前においてiと友人関係にあったことを認めるに足りる証拠はない。原告cは,iに対し,平成20年1月,平成22-60-年4月及び平成23年1月の3回にわたり信書を送信しているが,iから原告cに送信した信書は存在しなかった。 原告cは,iとの面会歴がなく,iが提出した事前申告票にもその名前が記載されていなかった(前提事実(3)ウ,乙11)。また,上記面会の申出に係る面会申込書(乙10〔3頁〕)には,原告cと被収容者との関係として「友人」と,面会の用件として「安否,再審,近況,運動」とそれぞれ記載されていた。原告cが上記面会の申出をしたのは,同じえん罪仲間として再審請求を求めているiの話を聞いて,協力できることを発見したいとの考えによるものであった(甲32,弁論の全趣旨[第1回口頭弁論期日における陳述内容])。 イ上記アの認定事実によれば,原告cは,iと直接の面識が いるiの話を聞いて,協力できることを発見したいとの考えによるものであった(甲32,弁論の全趣旨[第1回口頭弁論期日における陳述内容])。 イ上記アの認定事実によれば,原告cは,iと直接の面識がなく,iから信書の送信を受けたこともなく,iと原告cとの関係は,受刑者とその再審請求の支援者という関係を出るものではなかったというべきであるから,本件第3面会不許可処分当時,原告cとiとの間に継続的に培われてきた交際関係があったとは認められない。また,上記処分の際,原告a及びsについてはiと面会が許可され(前提事実(4)ウ),面会が許可された者を通じてiの支援活動の状況等をiに伝達することが可能であったことからすると,原告cについて,社会通念上,積極的に面会を許すべき理由となる事情があるとはいえないとした徳島刑務所長の判断は,不合理なものとはいえない。 この点,原告らは,原告cが再審を認めさせつつある先達として,えん罪を闘う仲間であるiに激励とアドバイスをすることは,面会を必要とする事情に当たる旨主張する。しかしながら,原告らが指摘する上記の点を踏まえても,iの支援活動に携わり,iに対して激励等をする者は原告cの他にも相当数存在することがうかがわれることからすると,原告cについて積極的に面会を許すべき理由となる事情があるとはいえないとした-61-徳島刑務所長の判断は不合理なものということはできない。原告らの上記主張は,採用することができない。 したがって,「交友関係の維持その他面会を必要とする事情」の要件を満たさないとして本件第3面会不許可処分をした徳島刑務所長の判断には,裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があるとはいえないから,その余の点について判断するまでもなく,同処分は適法であるというべきである。 (4) 本件第4面会不許可処 可処分をした徳島刑務所長の判断には,裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があるとはいえないから,その余の点について判断するまでもなく,同処分は適法であるというべきである。 (4) 本件第4面会不許可処分についてア原告d及び原告eは,徳島県に在住し,原告aが徳島刑務所でiと面会する際にはその送迎を行うなど,iの支援活動に関与していた(甲33,34)。iが原告d及び原告eから受信した信書は存在したが,その内容のほとんどが原告d及び原告eの活動に関する報告であり,他方,iから原告d及び原告eに送信した信書は存在しなかった(乙11)。 原告d及び原告eは,iとの面会歴がなく,iが提出した事前申告票にもその名前が記載されていなかった(前提事実(3)ウ,乙11)。また,上記面会の申出に係る面会申込書(乙10〔4頁〕)には,原告d及び原告eと被収容者との関係として「友人」と,面会の用件として「安否,近況,再審,運動」とそれぞれ記載されていた。 イ上記アの認定事実によれば,原告d及び原告eは,iと直接の面識がなく,iから信書の送信を受けたこともなく,iと原告d及び原告eとの関係は,受刑者とその再審請求の支援者という関係を出るものではなかったというべきであるから,本件第4面会不許可処分当時,原告d及び原告eとiとの間に継続的に培われてきた交際関係があったとは認められない。 また,上記処分の際,原告aはiと面会が許可されたこと(前提事実(4)エ),上記処分と近接した時期に,iの支援者であるnがiと面会している(前提事実(4)イ)ことからすれば,面会が許可された者を通じてiの支援活動の状況等をiに伝達することが可能であったことからすると,原-62-告d及び原告eについて,社会通念上,積極的に面会を許すべき理由となる事情があるとはいえないとした徳 された者を通じてiの支援活動の状況等をiに伝達することが可能であったことからすると,原-62-告d及び原告eについて,社会通念上,積極的に面会を許すべき理由となる事情があるとはいえないとした徳島刑務所長の判断は,不合理なものとはいえない。 したがって,「交友関係の維持その他面会を必要とする事情」の要件を満たさないとして本件第4面会不許可処分をした徳島刑務所長の判断には,裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があるとはいえないから,その余の点について判断するまでもなく,同処分は適法であるというべきである。 (5) 本件第5面会不許可処分についてア原告fは,徳島県に在住し,iの支援活動に関与しており,平成18年9月11日に初めてiと面会し,平成21年5月29日にもiと面会した(甲35,乙9,11)。原告gは,岡山県に在住し,iの支援活動に関与しており,平成20年7月29日及び平成21年1月27日にiと面会したが,いずれの面会においてもほとんど発言はしなかった(甲36,乙9,11)。iが原告f及び原告gから受信した信書は存在したが,他方,iから原告f及び原告gに送信した信書は存在しなかった(乙11)。 上記原告らについては,平成22年7月7日の面会の申出当時,iが提出した事前申告票にその名前が記載されていなかった(前提事実(3)ウ)。 また,上記面会の申出に係る面会申込書(乙10〔5頁〕)には,原告f及び原告gと被収容者との関係として「友人」と,面会の用件として「安否,再審,運動,近況」とそれぞれ記載されていた。 イ上記アの認定事実によれば,原告fは,iと期間を空けて2回面会したことがあったにとどまり,iから信書の送信を受けたこともなく,iと原告fとの関係は,受刑者とその再審請求の支援者という関係を出るものではなかったというべ れば,原告fは,iと期間を空けて2回面会したことがあったにとどまり,iから信書の送信を受けたこともなく,iと原告fとの関係は,受刑者とその再審請求の支援者という関係を出るものではなかったというべきであるから,本件第5面会不許可処分当時,原告fとiとの間に継続的に培われた交際関係があったとは認められない。また,原告gも,iと2回面会したことがあったにとどまり,その際,積極的な-63-発言もみられず,iから信書の送信を受けたこともなく,iと原告gとの関係は,受刑者とその再審請求の支援者という関係を出るものではなかったというべきであるから,上記処分当時,原告gとiとの間に継続的に培われた交際関係があったとは認められない。さらに,上記処分の際,原告aはiと面会が許可された(前提事実(4)オ)こと,上記(4)イのとおり,上記処分からさほど離れていない時期に,nがiと面会していることからすれば,面会が許可された者を通じてiの支援活動の状況等をiに伝達することが可能であったことからすると,原告f及び原告gについて,社会通念上,積極的に面会を許すべき理由となる事情があるとはいえないとした徳島刑務所長の判断は,不合理なものとはいえない。 したがって,「交友関係の維持その他面会を必要とする事情」の要件を満たさないとして本件第5面会不許可処分をした徳島刑務所長の判断には,裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があるとはいえないから,その余の点について判断するまでもなく,同処分は適法であるというべきである。 (6) 本件第6面会不許可処分についてア原告hは,iの学生時代からの友人であり,同人と共にlの活動に参加した経歴を有し,iの支援活動の中心人物の一人である。原告hは,平成18年9月に1回,平成20年に4回,平成21年7月に1回,iと面会し,更に平 の学生時代からの友人であり,同人と共にlの活動に参加した経歴を有し,iの支援活動の中心人物の一人である。原告hは,平成18年9月に1回,平成20年に4回,平成21年7月に1回,iと面会し,更に平成23年8月にもiと面会していた。また,原告hは,iに対して信書を送付しており,iも,平成18年8月以降,平成23年7月までの間,原告hに対して複数の信書を送付していた。もっとも,原告hのi宛て信書のうち,平成21年7月のものには,「敵は国家権力です。同情や人間の痛みなど屁とも思わない連中です。敵が示した国家意思を真正面に見据え,これを突き破る闘いを開始します。」との記載があり,平成22年6月のものには,「面会拒否については,あらゆる方法で反撃していきます。」との記載があった。(前提事実(1)イ(イ),甲12,37な-64-いし46,乙11)原告hについては,同年8月25日の面会の申出当時,iが提出した事前申告票に,大学のサークル活動で知り合った約40年来の友人としてその名前が記載されていた(前提事実(3)ウ,弁論の全趣旨)。また,上記面会の申出に係る面会申込書(乙10〔6頁〕)には,原告hと被収容者との関係として「友人」と,面会の用件として「安否,近況,再審,運動」とそれぞれ記載されていた。 イ上記アの認定事実によれば,本件第6面会不許可処分当時,原告hとiとの間には継続的に培われた交際関係があったということができ,原告hの支援活動が真摯な再審請求に関連するものといい得る限りにおいては,健全で良好な交際関係と認めることができる。 しかしながら,上記アのとおり,上記面会の申出の前に原告hがiに宛て送付した信書の中には,殊更に国家権力を敵視し,また,面会拒否についてあらゆる方法で反撃する旨の不穏当な記載がみられ,真摯な再審請求に しながら,上記アのとおり,上記面会の申出の前に原告hがiに宛て送付した信書の中には,殊更に国家権力を敵視し,また,面会拒否についてあらゆる方法で反撃する旨の不穏当な記載がみられ,真摯な再審請求に関連する活動からはやや逸脱する内容のものがあったことからすれば,徳島刑務所長において,原告hとiとの間の交際関係が一時的にせよ健全で良好なものとはいい難い状況にあり,申出に係る面会が「交友関係の維持」を目的とするものとはいえないと判断したとしても,必ずしも不合理ではない。 この点,原告らは,原告hが,特に状況の変化はないのに,平成23年8月1日にiとの面会を許可されたのは,本件第6面会不許可処分に理由がなかったことを示すものである旨主張する。しかしながら,上記処分がされた平成22年8月25日以降,原告hのi宛て信書の内容は,再審請求の進行状況を伝え,iと再審請求弁護人との面会予定を調整するなど,iの支援活動を真摯に行っている様子がうかがえるものとなり,また,原告a以外に対してはほとんど発信をしないiが,平成23年7月27日,-65-原告h宛てに発信して,その信書の中には原告hによるiの支援活動について感謝する旨の記載がみられること(甲46,乙11)からすると,同年8月頃の時点では,iと原告hとの交際関係は健全で良好なものに転じていたということができる。そうすると,原告hが同年8月1日にiとの面会を許可されたことは,本件第6面会不許可処分に理由がなかったことを示す事情とはいえない。原告らの上記主張は,採用することができない。 したがって,「交友関係の維持その他面会を必要とする事情」の要件を満たさないとして本件第6面会不許可処分をした徳島刑務所長の判断には,裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があるとはいえないから,その余の点について判断す 友関係の維持その他面会を必要とする事情」の要件を満たさないとして本件第6面会不許可処分をした徳島刑務所長の判断には,裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があるとはいえないから,その余の点について判断するまでもなく,同処分は適法であるというべきである。 (7) 本件第7面会不許可処分についてア原告hとiとの関係,原告hとiとの間に面会歴及び信書の発受歴,原告hがiの事前申告票の申告対象者であることは,上記(6)アのとおりである。また,平成24年2月6日の申出に係る面会申込書(乙10〔7頁〕)には,原告hと被収容者との関係として「友人」と,面会の用件として「安否,近況,再審,運動」とそれぞれ記載されていた。 もっとも,原告hは,平成23年12月2日付けのi宛て信書に「『2月に徳島に行こう。刑務所包囲闘争に決起しよう』(中略)iさんを本当に取り戻す戦いの開始です。」などと記載していたほか,原告hが,平成24年1月頃,「事務局で討議して,2月徳島闘争の準備について原案をつくりました。」などと記載された本件メールを,iの支援者の中心的人物らに送信したことが,原告aの同年1月31日付けのi宛て信書から判明した。また,原告hは,同年2月5日に行われた本件デモの主導者の一人であったところ,本件デモは,300人以上の参加者が,街宣車を先頭に,徳島刑務所周辺で拡声器を使用して,「iさんを奪還するぞ。」などとシュプレヒコールを繰り返し,太鼓を打ち鳴らし,同刑務所内のiに向-66-かって呼びかけを行ったもので,その呼びかけ等はiに聞こえており,徳島刑務所の被収容者棟の平穏を損ない,同刑務所に多数の警察官の派遣も含めた特別警備体制の実施を余儀なくさせるものであった。(前提事実(2)ウ)イ上記アの認定事実によれば,本件第7面会不許可処分当時,原告h 収容者棟の平穏を損ない,同刑務所に多数の警察官の派遣も含めた特別警備体制の実施を余儀なくさせるものであった。(前提事実(2)ウ)イ上記アの認定事実によれば,本件第7面会不許可処分当時,原告hとiとの間には継続的に培われた交際関係があったということができ,原告hの支援活動が真摯な再審請求に関連するものといい得る限りにおいては,健全で良好な交際関係と認めることができる。 しかしながら,上記アのとおり,上記面会の申出の前に原告hがiに宛て送付した信書や本件メールの中には,徳島刑務所の規律及び秩序を害する結果を生じるおそれがある活動を行う予定がある旨の記載がみられ,真摯な再審請求に関連する活動からはやや逸脱する内容のものがあったこと,また,原告hは,同年2月5日に行われた本件デモの主導者の一人となっており,本件デモは,「iさんを奪還するぞ。」などと刑務所内のiに向かって呼びかけを行うものであったことからすれば,徳島刑務所長において,原告hとiとの間の交際関係が一時的にせよ健全で良好なものとはいい難い状況にあり,申出に係る面会が「交友関係の維持」を目的とするものとはいえないと判断したとしても,必ずしも不合理ではない。 また,上記面会の申出が,本件デモの翌日に行われたものであり,本件デモによって,徳島刑務所の被収容者棟の平穏が損なわれ,同刑務所に多数の警察官の派遣も含めた特別警備体制の実施を余儀なくさせる事態が生じていたことからすると,徳島刑務所長において,本件デモの翌日にその主導者の一人である原告hがiと面会すれば,当該面会により,刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生じるおそれがないとは認められないと判断したとしても,必ずしも不合理ではない。 したがって,本件第7面会不許可処分をした徳島刑務所長の判断には,-67-裁量権 設の規律及び秩序を害する結果を生じるおそれがないとは認められないと判断したとしても,必ずしも不合理ではない。 したがって,本件第7面会不許可処分をした徳島刑務所長の判断には,-67-裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があるとはいえないから,同処分は適法であるというべきである。 なお,原告らは,原告hが合法かつ平穏に行われた本件デモの主導者であることを理由に面会を不許可とすることは,憲法21条,16条に反する旨主張する。しかし,本件第7面会不許可処分は,本件デモを規制の対象とするものではないし,原告らが本件デモと同種のデモを再び行うことを制約するものでもないから,本件デモの主導者の一人である原告hが,その直後にiとの面会を不許可とされたとしても,原告hの表現の自由や請願権を侵害するものではない。原告らの上記主張は,採用することができない。 (8) 小括以上のとおり,本件第2ないし第7面会不許可処分は,いずれも適法であるから,その余の点(原告a以外の原告らにiとの面会を求める固有の利益があるか否か)については検討するまでもなく,上記各処分は,国家賠償法1条1項の適用上違法とはいえない。したがって,争点2に係る原告らの請求は理由がない。 3 争点3(原告aに対する各信書の一部抹消処分の違法性)について(1) 信書の一部抹消の許否における刑事施設の長の裁量の内容について刑事収容施設法126条は,受刑者の信書の発受について,それが禁止される場合を除き許すものとして,相手方の範囲に制限なく,基本的にこれを保障する。 もっとも,同法128条は,「犯罪性のある者」及び「その他受刑者が信書を発受することにより,刑事施設の規律及び秩序を害し,又は受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがある者」(受刑者の親族を除 も,同法128条は,「犯罪性のある者」及び「その他受刑者が信書を発受することにより,刑事施設の規律及び秩序を害し,又は受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがある者」(受刑者の親族を除く。)との間での信書の発受を禁止することができる旨を規定し,一定の者との間では,発受される信書の内容の如何にかかわらず,外部交通を遮断す-68-ることができる場合を定めている。 また,同法127条1項は,刑事施設の長が,必要があると認める場合には,その指名する職員に,受刑者が発受する信書について,検査を行わせることができる旨規定し,同法129条1項は,上記の規定による検査の結果,受刑者が発受する信書について,その全部又は一部が同項各号のいずれかに該当する場合には,その発受を差し止め,又はその該当箇所を削除し,若しくは抹消することができる旨規定し,同項3号において信書の「発受によって,刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。」を,同項6号において信書の「発受によって,受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるとき。」をそれぞれ規定し,信書に不適切な記述があることを理由として信書の発受の差止めや該当箇所の一部抹消ができる場合を定めている。 表現の自由を保障した憲法21条の規定の趣旨,目的に鑑みると,刑事収容施設法128条又は同法129条1項に基づき,刑事施設内の規律及び秩序の維持を害するおそれや,受刑者の矯正処遇の適正な実施に支障を生ずるおそれがあることを理由として,信書の発受の禁止や一部抹消等の方法による制限を行うことは,受刑者の性向,行状,刑事収容施設内の管理,保安の状況,当該信書の内容その他の具体的事情の下で,信書の発受等を許すことにより,上記の点において放置することのできない程度の障害が生ずる相 を行うことは,受刑者の性向,行状,刑事収容施設内の管理,保安の状況,当該信書の内容その他の具体的事情の下で,信書の発受等を許すことにより,上記の点において放置することのできない程度の障害が生ずる相当の蓋然性があると認められる場合に限って許されるものというべきであり,その場合においても,その制限の程度は,上記の障害の発生防止のために必要かつ合理的な範囲にとどまるべきものと解するのが相当である(最高裁平成18年判決参照)。 もっとも,同法128条及び129条1項の適用に当たり,信書の発受を許すことによって上記の点において放置することのできない程度の障害が生ずる相当の蓋然性が存するかどうか,及び当該障害の発生を防止するため-69-にどのような内容,程度の制限措置が必要かつ合理的と認められるかについては,刑事施設内の実情に通暁し,直接その衝に当たる刑事施設の長による個々の場合の具体的状況の下における裁量的判断にまつべき点が少なくないから,障害発生の相当の蓋然性があるとした長の認定に合理的な根拠があり,その防止のために当該制限措置が必要かつ合理的であるとした長の判断に合理性が認められる限り,長の上記措置は適法として是認すべきものと解するのが相当である(最高裁昭和52年(オ)第927号同58年6月22日大法廷判決・民集37巻5号793頁参照)。 以上の見地から,本件第1ないし第9抹消処分について,徳島刑務所長の裁量判断に合理性が認められるか否かを検討する。 (2) 本件第1抹消処分についてア本件第1信書は,縦書きの便せん11枚(1枚当たり15行)に手書きの文字が綴られた手紙であり,原告aが,iの面会制限を解除するよう徳島刑務所に申し入れるなどした旨の記載がある。このうち,本件第1抹消処分の対象は,原告cが本件第3面会不許可処分を 15行)に手書きの文字が綴られた手紙であり,原告aが,iの面会制限を解除するよう徳島刑務所に申し入れるなどした旨の記載がある。このうち,本件第1抹消処分の対象は,原告cが本件第3面会不許可処分をされたことに関して「行ってよかった。」旨の感想を有していることを伝える文章,原告cがi宛てに信書を送付したことを伝える文章,原告cは支援団体に世話になったが面会するには至らなかったことを伝える文章などからなるものである。(前提事実(5)ア(イ),甲1)イ被告は,上記アの抹消部分について,これをiが閲読した場合,原告cの意思がiに伝わることになり,原告cと直接の外部交通を許可した場合と同様の効果が生じることとなるところ,原告cは,本件第1抹消処分に先立って,iの矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがある者として,刑事収容施設法128条に基づきiに信書を交付することを禁止したという経緯があったことから,徳島刑務所長は,本件第1信書をiにそのまま交付すれば,その矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがある-70-と認め,同法129条1項6号に基づき本件第1抹消処分を行った旨主張する。 この点に関し,前提事実(1)イ(イ)及び証拠(乙15)によれば,原告cは,強盗殺人罪等により〇刑に処せられ,昭和53年8月から服役し,平成8年11月に仮釈放されていたところ,徳島刑務所長は,原告cから平成20年1月にiに対して送付された信書につき,その当時,原告cは,○刑の仮釈放中であり,信書を発受することにより,iの矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあり,外部交通を行わせることが好ましくないと判断し,同法128条所定の「犯罪性のある者」に該当するものとして,当該信書につき交付禁止としたことが認められる。 しかし,原告cについては,犯し れがあり,外部交通を行わせることが好ましくないと判断し,同法128条所定の「犯罪性のある者」に該当するものとして,当該信書につき交付禁止としたことが認められる。 しかし,原告cについては,犯したとされていた犯罪の罪種がiとは異なる上,平成21年12月に再審開始決定が確定しており,そのことは徳島刑務所長においても容易に知り得る事実であったことを勘案すると,上記の交付禁止措置を行った平成20年1月の時点と本件第1信書が交付された平成22年6月の時点とでは,状況が変化しており,徳島刑務所長は,原告cが「犯罪性のある者」に引き続き該当し,直接の外部交通を許可しないこととするか否かについて,上記の状況の変化等を踏まえ,改めて判断すべきものであったということができるところ,そのことが行われたことを認めるに足りる証拠はない。 また,本件第1信書それ自体についてみても,本件第1抹消処分の対象となった記載のうち,原告cの意思又は動向といえる部分は,「cさんから『行ってよかった。』とのおたよりありました。」「iにも手紙を書いたということだったけど。」「tに『世話になっていて』,iとの面会を認めさせるのは大変だったようよ。」という3つの文章にすぎないところ,それ自体,極めて短く,その内容も,原告cの動向等を概括的に記載したものにすぎず,多様な話題が記載されている本件第1信書全体に占める割-71-合も低いものであることに加え,そもそもiと原告cとの間には直接の面識がなかったことも合わせて考慮すると,上記の記載部分をもって,受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生じるおそれ(同法129条1項6号)という観点から放置することのできない程度の障害が生ずる相当の蓋然性があると認めることは到底困難であるといわざるを得ない。 そうすると,当該抹消部分が刑事 障を生じるおそれ(同法129条1項6号)という観点から放置することのできない程度の障害が生ずる相当の蓋然性があると認めることは到底困難であるといわざるを得ない。 そうすると,当該抹消部分が刑事収容施設法129条1項6号に該当するとした徳島刑務所長の認定に合理的な根拠があるということはできない。 したがって,本件第1抹消処分は,徳島刑務所長がその裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものであって,違法である。 (3) 本件第2抹消処分についてア本件第2信書は,縦書きの便せん8枚(1枚当たり15行)に手書きの文字が綴られた手紙であり,その文中に,原告aが,iの再審請求に係る東京高裁の担当部(以下「東京高裁担当部」という。)に申入れを行い,その際,iの支援者らがビラ配りやデモを行ったこと,iの支援者らの総会において,報告等が行われ,今後の活動方針が議論されたことなどの記載がある。このうち,本件第2抹消処分の対象は,iの親族であるsが,上記総会において,原告cが条件を付けられることなく仮釈放されたことは大きい旨発言したことを紹介した記載である(前提事実(5)イ(イ),甲2)。 イ被告は,上記アの抹消部分について,上記(2)イと同様,徳島刑務所においては,原告cにつき,iの矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがある者として把握していたという経緯があったところ,徳島刑務所長は,本件第2信書をiにそのまま交付すれば,その矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあると認め,刑事収容施設法129条1項6号に基づき本件第2抹消処分を行った旨主張する。 -72-しかし,本件第2抹消処分がされた当時において,原告cが,犯罪性のある者に該当するか否かについては,状況の変化等を踏まえ,改めて判断すべきものであったことは上記(2)イ た旨主張する。 -72-しかし,本件第2抹消処分がされた当時において,原告cが,犯罪性のある者に該当するか否かについては,状況の変化等を踏まえ,改めて判断すべきものであったことは上記(2)イで判示したとおりである。 また,本件第2信書それ自体についてみても,当該抹消部分は,iの親族が原告cの仮釈放の状況について言及し,その評価を述べたことを紹介したものにとどまり,便せん8枚の手紙の中では,分量的にもわずかなものであるし,そもそもiと原告cとの間には直接の面識がなかったことも合わせて考慮すると,上記の記載部分をもって,受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれ(同法129条1項6号)という観点から放置することのできない程度の障害が生ずる相当の蓋然性があると認めることは到底困難であるといわざるを得ない。 そうすると,当該抹消部分が刑事収容施設法129条1項6号に該当するとした徳島刑務所長の認定に合理的な根拠があるということはできない。 したがって,本件第2抹消処分は,徳島刑務所長がその裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものであって,違法である。 (4) 本件第3抹消処分についてア本件第3信書は,縦書きの便せん23枚(1枚当たり15行)に手書きの文字が綴られた手紙であり,その文中に,原告aが,原告hらとともに,8月5日に新幹線で広島市に移動し,そこで開かれた集会に参加して,iの支援活動への協力を求めたこと,原告aが,8月6日に広島市内の集会に参加し,iが原告aに送った文章を読み上げたこと,原告aが,iの支援者らと交流したことの記載がある。このうち,本件第3抹消処分の対象は,uが東京都又はその周辺と広島市との間を電車で往復した旨の記載であるが,本件第3信書のその他の記載内容とあいまって,同人が広島で開催され 流したことの記載がある。このうち,本件第3抹消処分の対象は,uが東京都又はその周辺と広島市との間を電車で往復した旨の記載であるが,本件第3信書のその他の記載内容とあいまって,同人が広島で開催された集会に参加したことが読み取れるものである(前提事実(5)ウ-73-(イ),甲3)。 イ被告は,上記アの抹消部分について,これをiが閲読した場合,uは,極めて凶悪かつ卑劣なテロ犯罪を惹起して服役した経歴を有する人物であったから,iの改善更生を図るために好ましくない社会関係を遮断することができず,本件第3信書をiにそのまま交付すれば,その矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあり,当該抹消部分は,刑事収容施設法129条1項6号に該当するものであった旨主張する。 そこで検討するに,証拠(乙15)によれば,uは,空港建設事業に関する裁決手続を阻止しようとして土地収用委員長に重傷を負わせ所持品を強取するという内容の罪を犯して平成16年まで受刑していた者であるところ,徳島刑務所長は,uにつき,同法128条所定の「犯罪性のある者」に該当するものとして,iと外部交通を行わせることが好ましくない者に当たると判断していたことが認められ,この判断には合理性があるというべきである。 また,本件第3信書についてみると,同信書は,原告aがi宛てに送付したものであって,uがiに宛てて送付したものではないが,同信書の中の上記抹消部分の記載は,uの活動状況に触れたものであり,当該抹消部分をiが閲読した場合,uが自己の活動状況をiに対して書き記して送付した信書と同様の情報が伝達される結果となることが認められる。 そうすると,徳島刑務所長において,当該抹消部分を抹消しなければ,uとの直接の外部交通を許可しないとした上記の判断と矛盾する結果となり,それにより の情報が伝達される結果となることが認められる。 そうすると,徳島刑務所長において,当該抹消部分を抹消しなければ,uとの直接の外部交通を許可しないとした上記の判断と矛盾する結果となり,それにより,受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれ(同法129条1項6号)という観点から放置することのできない程度の障害が現に発生することとなると判断して,数行程度というごく限定された範囲の文章を対象として本件第3抹消処分をすることには,合理性が認められるというべきである。 -74-これに対し,原告らは,uは本件第3抹消処分当時,6年以上平穏に社会生活を送っていた人物で,iの支援活動にかかわり,平成19年12月にはiと面会を許可されたこともある旨主張する。しかしながら,上記のとおり,uの前科の内容が極めて凶悪なものであり,かつ,犯罪の性格がiの犯した犯罪と類似していることに加え,前提事実(2)イで認定したとおり,平成19年12月当時は,徳島刑務所において面会が緩やかに認められていた時期であるところ,受刑者の中には,出所後の受刑者と面会して不良な交友関係を維持,強化しようとするなど,刑事施設内の規律及び秩序の維持に支障が生じる状況が生じており,それを受けて,徳島刑務所長においては,外部交通を認める範囲等の見直しを行ったという経緯に照らすと,原告らが指摘する上記の事情を勘案したとしても,本件第3抹消処分が不合理であるとはいえない。 したがって,本件第3抹消処分は,徳島刑務所長がその裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとはいえず,適法である。 (5) 本件第4抹消処分についてア本件第4信書は,縦書きの便せん10枚(1枚当たり15行)に手書きの文字が綴られた手紙であり,その文中に,原告aが東日本旅客鉄道の阿佐ヶ谷駅前で街宣活動 。 (5) 本件第4抹消処分についてア本件第4信書は,縦書きの便せん10枚(1枚当たり15行)に手書きの文字が綴られた手紙であり,その文中に,原告aが東日本旅客鉄道の阿佐ヶ谷駅前で街宣活動をしたことの記載がある。このうち,本件第4抹消処分の対象は,uの街宣活動についての記載である(前提事実(5)エ(イ),甲4)。 イ被告は,当該抹消部分について,上記(4)イに記載した理由で,刑事収容施設法129条1項6号に該当するものであった旨主張する。 この点,uは,空港建設事業に関する裁決手続を阻止しようとして土地収用委員長に重傷を負わせ所持品を強取するという内容の罪を犯して平成16年まで受刑していたところ,徳島刑務所長が,uにつき,同法128条所定の「犯罪性のある者」に該当するものとして,iと外部交通を行-75-わせることが好ましくない者に当たると判断していたことに合理性が認められることは上記(4)イで判示したとおりである。 また,本件第4信書についてみると,同信書は,原告aがi宛てに送付したものであって,uがiに宛てて送付したものではないが,同信書の中の上記抹消部分の記載は,uの活動状況に触れたものであり,当該抹消部分をiが閲読した場合,uが自己の活動状況をiに対して書き記して送付した信書と同様の情報が伝達される結果となることが認められる。 そうすると,徳島刑務所長において,当該抹消部分を抹消しなければ,uとの直接の外部交通を許可しないとした上記の判断と矛盾する結果となり,それにより,受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれ(同法129条1項6号)という観点から放置することのできない程度の障害が現に発生することとなると判断して,数行程度というごく限定された範囲の文章を対象として本件第4抹消処分をすることには,合 それ(同法129条1項6号)という観点から放置することのできない程度の障害が現に発生することとなると判断して,数行程度というごく限定された範囲の文章を対象として本件第4抹消処分をすることには,合理性が認められるというべきである。 したがって,本件第4抹消処分は,徳島刑務所長がその裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとはいえず,適法である。 (6) 本件第5抹消処分についてア本件第5信書は,縦書きの便せん11枚(1枚当たり15行)に手書きの文字が綴られた手紙であり,その文中には,寒暖に関する記載や,i支援運動に関する記載などがある。このうち,本件第5抹消処分の対象は,他の刑事施設に収容中の受刑者2名及び死刑確定者2名(以下「受刑者等4名」という。)の病状等についての記載である(前提事実(5)オ(イ),甲5)。 イ被告は,上記アの抹消部分について,これをiが閲読した場合,受刑者等4名との直接の外部交通を許可した場合と同様の効果が生じることになるが,受刑者等4名は,いずれも,iが信書の発受をしようとすれば刑-76-事収容施設法128条に基づきこれが禁止される蓋然性が高い者であったから,本件第5信書をiにそのまま交付すれば,その矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあり,当該抹消部分は,刑事収容施設法129条1項6号に該当するものであった旨主張する。 そこで検討するに,証拠(乙15)によれば,受刑者等4名は,いずれも獄中者組合と称する団体の構成員であり,刑事施設内でいわゆる対監獄闘争を活発に行っている者であるところ,徳島刑務所長は,これらの者につき,同法128条所定の「犯罪性のある者」に該当するものとして,iと外部交通を行わせることが好ましくない者に当たると判断していたことが認められ,この判断には合理性がある 島刑務所長は,これらの者につき,同法128条所定の「犯罪性のある者」に該当するものとして,iと外部交通を行わせることが好ましくない者に当たると判断していたことが認められ,この判断には合理性があるというべきである。 また,本件第5信書についてみると,同信書は,原告aがi宛てに送付したものであって,受刑者等4名がiに宛てて送付したものではないが,同信書の中の上記抹消部分の記載は,受刑者等4名の動向に触れたものであり,当該抹消部分をiが閲読した場合,受刑者等4名が自己の動向をiに対して書き記して送付した信書と同様の情報が伝達される結果となることが認められる。 そうすると,徳島刑務所長において,当該抹消部分を抹消しなければ,受刑者等4名との直接の外部交通を許可しないとした上記の判断と矛盾する結果となり,それにより,受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれ(同法129条1項6号)という観点から放置することのできない程度の障害が現に発生することとなると判断して,数行程度というごく限定された範囲の文章を対象として本件第5抹消処分をすることには,合理性が認められるというべきである。 したがって,本件第5抹消処分は,徳島刑務所長がその裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとはいえず,適法である。 (7) 本件第6抹消処分について-77-ア本件第6信書は,縦書きの便せん11枚(1枚当たり15行)に手書きの文字が綴られた手紙であり,その文中に,原告aが,福島県で開催された集会に出席し,iの支援活動に関するリーフレットを配布したことなどの記載がある。このうち,本件第6抹消処分の対象は,上記集会における原告hの活動状況を記載したものである(前提事実(5)カ(イ),甲16)。 イ被告は,上記アの抹消部分について,原告hは,平成 どの記載がある。このうち,本件第6抹消処分の対象は,上記集会における原告hの活動状況を記載したものである(前提事実(5)カ(イ),甲16)。 イ被告は,上記アの抹消部分について,原告hは,平成23年12月以降,i宛て信書等において,全国の刑事施設に対する敵意をあらわにしていた上,徳島刑務所を標的として行われた平成24年2月の本件デモにおいて中心的人物となっていたことから,徳島刑務所長は,同年3月当時,原告hとiとの外部交通を許可した場合,その矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあり,また,徳島刑務所の規律及び秩序の維持に支障を生じるおそれがある者として把握していたところ,本件第6信書をiにそのまま交付すれば,原告hとの直接の外部交通を許可した場合と同様の効果が生じることになって,iの矯正処遇の適切な実施並びに徳島刑務所の規律及び秩序の維持に支障を生ずるおそれがあると認め,同法129条1項3号及び6号に基づき本件第6抹消処分を行った旨主張する。 そこで検討するに,前提事実(1)イ(イ),同(2)ウ,前記2(6)ア及び(7)アの各事実並びに証拠(乙16)によれば,①原告hは,iの学生時代からの友人であり,同人と共にlの活動に参加した経歴を有し,iの支援活動の中心人物の一人であって,平成20年以降も複数回iと面会していたほか,原告hは,iに対して信書を送付し,iも,平成18年8月以降,平成23年7月までの間,原告hに対して複数の信書を送付していたこと,②しかしながら,原告hが同年12月にiに送付した信書には,「『2月に徳島に行こう。刑務所包囲闘争に決起しよう』(中略)iさんを本当に取り戻す戦いの開始です。(中略)2月当所包囲闘争に決起します。」などの記載があり,また,原告hは,平成24年1月頃,「2月徳島闘争の-78-準 刑務所包囲闘争に決起しよう』(中略)iさんを本当に取り戻す戦いの開始です。(中略)2月当所包囲闘争に決起します。」などの記載があり,また,原告hは,平成24年1月頃,「2月徳島闘争の-78-準備について原案をつくりました。」などと記載した本件メールをiの支援者の中心的人物らに送信していたこと,③原告hは,同年2月5日に行われた本件デモの主導者の一人であったところ,本件デモは,300人以上の参加者が,街宣車を先頭に,徳島刑務所周辺で拡声器を使用して,「iさんを奪還するぞ。」などとシュプレヒコールを繰り返し,太鼓を打ち鳴らし,同刑務所内のiに向かって呼びかけを行ったもので,その呼びかけ等はiに聞こえており,徳島刑務所の被収容者棟の平穏を損ない,同刑務所に多数の警察官の派遣も含めた特別警備体制の実施を余儀なくさせるものであったことが認められる。 上記の認定事実のとおり,平成23年12月以降に原告hがiに宛て送付した信書や本件メールの中には,徳島刑務所に対する示威活動を計画し,準備するなどして,徳島刑務所の規律及び秩序を害するおそれがある活動を行う予定がある旨の記載がみられた上,実際にも,原告hは,平成24年2月5日に行われた本件デモの主導者の一人となってこれを実行したこと,本件デモは,300人以上の多数の者が参加し,拡声器を使用して「iさんを奪還するぞ。」などと刑務所内のiに向かって呼びかけを行うものであったことが認められる。そうすると,徳島刑務所長において,これらの事情を踏まえ,原告hとiとの間の交際関係が一時的にせよ健全で良好なものとはいい難い状況にあり,本件デモが行われた平成24年2月以降の当面の間において,原告hとの間の外部交通を許可した場合,刑事施設の規律及び秩序を害するおそれ(同法128条)という観点や,iの矯正処 とはいい難い状況にあり,本件デモが行われた平成24年2月以降の当面の間において,原告hとの間の外部交通を許可した場合,刑事施設の規律及び秩序を害するおそれ(同法128条)という観点や,iの矯正処遇の適切な実施に支障が生ずるおそれ(同条)という観点から,放置することのできない程度の障害が発生する相当の蓋然性があると判断することには,合理性があるということができる。 また,本件第6信書についてみると,同信書は,原告aがi宛てに送付したものであって,原告hがiに宛てて送付したものではないが,同信書-79-の中の上記抹消部分の記載は,原告hの活動状況に触れたものであり,当該抹消部分をiが閲読した場合,原告hが自己の活動状況をiに対して書き記して送付した信書と同様の情報が伝達される結果となることが認められる。 そうすると,徳島刑務所長において,当該抹消部分を抹消しなければ,平成24年2月以降の当面の間において原告hとの直接の外部交通を当面は許可しないとした上記の判断と矛盾する結果となり,それにより,受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれ(同法129条1項6号)という観点から放置することのできない程度の障害が現に発生することとなると判断して,一行というごく限定された範囲の文章を対象として本件第6抹消処分をすることには,合理性が認められるというべきである。 したがって,本件第6抹消処分は,徳島刑務所長がその裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとはいえず,適法である。 (8) 本件第7抹消処分についてア本件第7信書は,縦書きの便せん12枚(1枚当たり15行)に手書きの文字が綴られた手紙であり,その文中に,原告aが,iの支援者らとともに,東京高裁担当部に申入れ等を行ったこと,原告aが,iの親族であるxやsらとともに きの便せん12枚(1枚当たり15行)に手書きの文字が綴られた手紙であり,その文中に,原告aが,iの支援者らとともに,東京高裁担当部に申入れ等を行ったこと,原告aが,iの親族であるxやsらとともに,iの支援活動の方法について話し合ったことの記載がある。このうち,本件第7抹消処分の対象は,上記申入れ行動にuと原告hが参加した旨の記載と,原告aが原告hにiの支援活動の方法について提案した旨の記載である(前提事実(5)キ(イ),甲17,24)。 イ被告は,上記アの各抹消部分について,これらをiが閲読した場合,原告h及びuの活動状況についての記載を通じて,u及び原告hとの直接の外部交通を許可した場合と同様の効果が生じることになるが,上記(4)イ及び(7)イのとおり,u及び原告hは,iの矯正処遇の適切な実施並びに徳島刑務所の規律及び秩序の維持に支障を生じるおそれがある者であっ-80-たから,本件第7信書をiにそのまま交付すれば,その矯正処遇の適切な実施並びに徳島刑務所の規律及び秩序の維持に支障を生ずるおそれがあり,当該各抹消部分は,刑事収容施設法129条1項3号及び6号に該当するものであった旨主張する。 この点,uは,空港建設事業に関する裁決手続を阻止しようとして土地収用委員長に重傷を負わせ所持品を強取するという内容の罪を犯して平成16年まで受刑していたところ,徳島刑務所長が,uにつき,同法128条所定の「犯罪性のある者」に該当するものとして,iと外部交通を行わせることが好ましくない者に当たると判断していたことに合理性が認められることは上記(4)イで判示したとおりである。 また,原告hについては,徳島刑務所長が,原告hとiとの間の交際関係が一時的にせよ健全で良好なものとはいい難い状況にあり,本件デモが行われた平成24年2月以降の当 4)イで判示したとおりである。 また,原告hについては,徳島刑務所長が,原告hとiとの間の交際関係が一時的にせよ健全で良好なものとはいい難い状況にあり,本件デモが行われた平成24年2月以降の当面の間において,原告hとの間の外部交通を許可した場合,刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生じるおそれ(同法128条)という観点や,iの矯正処遇の適切な実施に支障が生ずるおそれ(同条)という観点から,放置することのできない程度の障害が発生する相当の蓋然性があると判断していたことに合理性が認められることは上記(7)イで判示したとおりである。 しかるに,本件第7信書についてみると,同信書は,原告aがi宛てに送付したものであって,uらがiに宛てて送付したものではないが,同信書の中の上記抹消部分の記載は,uらの活動状況に触れたものであり,当該抹消部分をiが閲読した場合,uらが自己の活動状況をiに対して書き記して送付した信書と同様の情報が伝達される結果となることが認められる。 そうすると,徳島刑務所長において,当該抹消部分を抹消しなければ,uらとの直接の外部交通を当面は許可しないとした上記の判断と矛盾す-81-る結果となり,それにより,受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれ(同法129条1項6号)という観点から放置することのできない程度の障害が現に発生することとなると判断して,数行程度というごく限定された範囲の文章を対象として本件第7抹消処分をすることには,合理性が認められるというべきである。 したがって,本件第7抹消処分は,徳島刑務所長がその裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとはいえず,適法である。 (9) 本件第8抹消処分についてア本件第8信書は,縦書きの便せん12枚(1枚当たり13行)に手書きの文字が綴られ 長がその裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとはいえず,適法である。 (9) 本件第8抹消処分についてア本件第8信書は,縦書きの便せん12枚(1枚当たり13行)に手書きの文字が綴られた手紙であり,その文中に,原告aや第三者がiに送信した信書について,一部抹消されたものをiから原告a宛てに送ってほしい旨の記載や,iに交付された「i再審ニュース」の何号のどの部分が抹消されているかを質問する記載などがある。このうち,本件第8抹消処分の対象は,原告hの依頼を受けて上記の質問をする旨の記載である(前提事実(5)ク(イ),甲18)。 イ被告は,上記(8)イと同様の理由により,上記アの抹消部分は,刑事収容施設法129条1項3号及び6号に該当するものであった旨主張する。 この点,原告hについては,徳島刑務所長が,原告hとiとの間の交際関係が一時的にせよ健全で良好なものとはいい難い状況にあり,本件デモが行われた平成24年2月以降の当面の間において,原告hとの間の外部交通を許可した場合,刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生じるおそれ(同法128条)という観点や,iの矯正処遇の適切な実施に支障が生ずるおそれ(同条)という観点から,放置することのできない程度の障害が発生する相当の蓋然性があると判断していたことに合理性が認められることは上記(7)イで判示したとおりである。 しかるに,本件第8信書についてみると,同信書は,原告aがi宛てに-82-送付したものであって,原告hがiに宛てて送付したものではないが,同信書の中の上記抹消部分の記載は,原告hの活動状況に触れたものであり,当該抹消部分をiが閲読した場合,原告hが自己の活動状況をiに対して書き記して送付した信書と同様の情報が伝達される結果となることが認められる。 そうすると, 原告hの活動状況に触れたものであり,当該抹消部分をiが閲読した場合,原告hが自己の活動状況をiに対して書き記して送付した信書と同様の情報が伝達される結果となることが認められる。 そうすると,徳島刑務所長において,当該抹消部分を抹消しなければ,原告hとの直接の外部交通を当面は許可しないとした上記の判断と矛盾する結果となり,それにより,受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれ(同法129条1項6号)という観点から放置することのできない程度の障害が現に発生することとなると判断して,数行程度というごく限定された範囲の文章を対象として本件第8抹消処分をすることには,合理性が認められるというべきである。 したがって,本件第8抹消処分は,徳島刑務所長がその裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとはいえず,適法である。 (10) 本件第9抹消処分についてア本件第9信書に同封されていた○集会での発言書面は,400字詰め原稿用紙5枚(ただし,1枚当たりの行数は頁によって異なる。)に手書きの文字が綴られたものであり,その文中に,原告aが,iと限られた範囲でしか交流できないこと,iの再審請求について,主張及び証拠を提出しており,全ての証拠開示を求めていること,本件を含む2件の国家賠償請求訴訟を提起していること,iの支援活動が,他の社会運動とつながるものであり,労働者民衆が団結して立ち上がるべきであることの記載がある。 このうち,本件第9抹消処分の対象は,原告aが本件デモ参加者に謝礼を述べ,本件デモの様子を描写して賞賛し,その感想を述べた記載である(前提事実(5)ケ(イ),甲21)。 イ被告は,上記アの抹消部分について,これをiが閲読した場合,本件デ-83-モが上記(7)イで記載したものであったことから,iがこれに影響を受けて である(前提事実(5)ケ(イ),甲21)。 イ被告は,上記アの抹消部分について,これをiが閲読した場合,本件デ-83-モが上記(7)イで記載したものであったことから,iがこれに影響を受けて徳島刑務所内外に本件デモと同様の街宣活動を行うよう呼びかけるなどの行動に及ぶことも懸念され,○集会での発言書面を含め本件第9信書等をiにそのまま交付すれば,その矯正処遇の適切な実施並びに徳島刑務所の規律及び秩序の維持に支障を生ずるおそれがあり,当該抹消部分は,刑事収容施設法129条1項3号及び6号に該当するものであった旨主張する。 そこで検討するに,当該抹消部分は,上記アのとおり,原告aが本件デモ参加者に謝礼を述べ,本件デモの様子を描写して賞賛する内容のものであるところ,上記(7)イで判示したとおり,本件デモは,300人以上の参加者が,街宣車を先頭に,徳島刑務所周辺で拡声器を使用してシュプレヒコールを繰り返し,太鼓を打ち鳴らし,同刑務所内のiに向かって呼びかけを行ったもので,その呼びかけ等はiに聞こえており,徳島刑務所の被収容者棟の平穏を損ない,同刑務所に多数の警察官の派遣も含めた特別警備体制の実施を余儀なくさせるものであったことからすると,徳島刑務所長が,本件デモを容認,賞賛する内容である当該抹消部分を含む○集会での発言書面をiにそのまま交付すれば,iがこれに影響を受けて,再度,本件デモと同様の街宣活動を行うよう呼びかける等の行動に及び,本格的な対監獄闘争に発展するとの懸念を有したとしても,あながち不自然ではない。そうすると,徳島刑務所長が,当該抹消部分を抹消しなければ,刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生じるおそれ(同法129条1項3号)という観点や,iの矯正処遇の適切な実施に支障が生ずるおそれ(同項6号)という観点から,放置す 当該抹消部分を抹消しなければ,刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生じるおそれ(同法129条1項3号)という観点や,iの矯正処遇の適切な実施に支障が生ずるおそれ(同項6号)という観点から,放置することのできない程度の障害が発生する相当の蓋然性があると判断することには,合理性があるということができる。 また,制限措置の内容及び程度についてみても,当該抹消部分は,一連-84-の記載であるから,上記の障害の発生を防止するためには,それらを全て抹消する必要があるといえるし,上記アのとおり,本件デモ以外の事項を記載した部分には抹消処分が及んでおらず,不必要な抹消は行われていないから,抹消の範囲も適切に指定されている。そうすると,上記の障害の発生を防止するために当該抹消部分の抹消が必要的かつ合理的であるとした徳島刑務所長の判断にも合理性が認められる。 したがって,本件第9抹消処分は,徳島刑務所長がその裁量権の範囲を逸脱又はこれを濫用したものとはいえず,適法である。 (11) 小括以上のとおり,本件第1及び第2抹消処分は,いずれも,徳島刑務所長がその裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものであり,違法であるというべきところ,徳島刑務所長が,iの親族である原告aに対する職務上の法的義務に違反したものとして,国家賠償法1条1項の適用上も違法となるものというべきである。また,徳島刑務所長においては,前記のとおり,本件第1及び第2抹消処分による抹消によって生じる障害の有無を十分に吟味することなく,各処分を行ったことが認められるから,過失があることが明らかである。 4 争点4(原告らの損害の有無及び額)について原告aの被った精神的苦痛の慰謝料については,本件第1面会不許可処分についてはその経緯や内容等に照らし,また,本件第1及び ことが明らかである。 4 争点4(原告らの損害の有無及び額)について原告aの被った精神的苦痛の慰謝料については,本件第1面会不許可処分についてはその経緯や内容等に照らし,また,本件第1及び第2抹消処分についてはその内容や分量等に照らして判断すると,本件第1面会不許可処分につき5万円,本件第1及び第2抹消処分については各5000円(以上合計6万円)とすることが相当である。 (なお,原告aは,同原告に係る請求の遅延損害金の起算日につき,最終の不法行為時とする旨主張しているところ,同原告の請求原因の変更に伴い,最終の不法行為時は,本件第8抹消処分に関する不法行為の日である平成24年3-85-月27日とする趣旨であると善解する。) 5 結論よって,原告らの請求は,被告が原告aに対し6万円及びこれに対する最終不法行為時である平成24年3月27日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから認容し,その余の同原告の請求は理由がないから棄却し,また,その余の原告らの請求はいずれも理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条,64条本文,65条1項本文を適用して,主文のとおり判決する。なお,仮執行宣言については相当ではないものと認め,付さないこととする。 東京地方裁判所民事第38部 裁判長裁判官谷口豊 裁判官坂田大吾 裁判官下和弘

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