平成14(行ウ)61 農地転用許可処分の無効等確認請求事件

裁判年月日・裁判所
平成15年2月28日 名古屋地方裁判所 その他
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判決文本文8,757 文字)

主文 1 本件訴えをいずれも却下する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 被告豊田市長が,平成14年4月1日付けで公告した,次の農用地区域除外処分がいずれも無効であることを確認する。 (1) Aに対する別紙物件目録1記載の土地についての処分(2) Bに対する同目録2記載の土地についての処分(3) Cに対する同目録3,4記載の各土地についての処分 2 被告愛知県知事が,平成14年8月27日付けでした,次の農地転用目的譲渡許可処分がいずれも無効であることを確認する。 (1) A外に対する別紙物件目録1記載の土地についての処分(2) B外に対する同目録2記載の土地についての処分(3) C外に対する同目録3,4記載の各土地についての処分第2 事案の概要本件は,前記のとおり,被告豊田市が,別紙物件目録1ないし4記載の各土地(以下,総称して「本件土地」という。)につき,農業振興地域の整備に関する法律(以下「農振法」という。)13条1,2項に基づく農用地区域除外処分(以下「本件除外処分」という。)を行い,次いで,被告愛知県知事が,本件土地について,農地法5条に基づく農地転用目的譲渡許可処分(以下「本件許可処分」といい,本件除外処分と併せて「本件各処分」という。)を行ったことに対し,本件土地の隣接地に居住し,農業に従事する原告が,本件除外処分は農振法13条2項等の要件に,本件許可処分は農地法5条2項等の要件にそれぞれ違反し,裁量権の範囲を逸脱,濫用した違法なものであると主張して,それらが無効であることの確認を求めた抗告訴訟である。 1 前提事実(争いのない事実及び証拠によって容易に認定できる事実等)(1) 当事者についてア原告は,豊田市α193番地3に居住し,これと一団を成す同所193番地2の農地 求めた抗告訴訟である。 1 前提事実(争いのない事実及び証拠によって容易に認定できる事実等)(1) 当事者についてア原告は,豊田市α193番地3に居住し,これと一団を成す同所193番地2の農地外において,農業に従事している。 イ豊田市は,農振法13条1,2項に基づく農用地区域除外処分を行う権限を,被告愛知県知事は,農地法5条に基づく農地転用目的譲渡許可処分を行う権限をそれぞれ有している。 (2) 本件各処分についてア A,B及びCは,豊田市施行に係る市道γ線・市道δ線(都市計画道路ε線)改良事業により,いずれも現居住地が収用の対象となったため,代替地を探していたが,適地を容易に見つけることができなかった。 そのため,豊田市役所街路課は,当時,農用地区域内にあり,原告所有地である豊田市α193番地2に隣接するD外2名の共有に係る別紙物件目録1ないし3記載の各土地(当時は1筆)と,E所有に係る同目録4記載の土地をあっせんしたところ,関係者の間で譲渡することについて合意が得られる見込みとなった。 そこで,上記Aら3名は,平成13年12月7日,豊田市長あてに,本件土地上に住宅を建築することを事業計画とする「農用地利用計画変更(除外)申出書」を提出した(乙ロ1ないし3)ところ,豊田市は,本件除外処分を行い,平成14年4月1日付けで公告した。 イ次いで,前記Aら3名とDら4名は,平成14年6月3日,本件土地について,農地法5条に基づく許可を得るべく,被告愛知県知事あての「農地法第5条の規定による許可申請書」を豊田市農業委員会に提出した。 これに対して,原告は,同月12日,上記委員会会長あてに,隣地である本件土地上に住宅3戸が建設されることにより,農業生産に支障を生ずることなどを理由として,農地転用を差し止めるよう求める要望書を提出し,同月 して,原告は,同月12日,上記委員会会長あてに,隣地である本件土地上に住宅3戸が建設されることにより,農業生産に支障を生ずることなどを理由として,農地転用を差し止めるよう求める要望書を提出し,同月17日,被告豊田市長にも,同旨の陳情書を提出したが,前者からは,農地転用によって隣接農地への重大な影響は予測できない旨の,後者からは,前者からの回答により理解されたい旨の各回答がなされた(甲4)。 上記委員会から進達を受けた愛知県農政課は,審査の結果,上記申請を相当と認め,愛知県農業会議の諮問を経て,平成14年8月27日,被告愛知県知事名で,本件許可処分を行った(乙イ1の1及び2,2の1ないし3)。 (3) 不服申立てについて原告は,平成14年7月10日,被告愛知県知事に対し,本件除外処分については審査請求を,本件許可処分については異議申立て及び執行停止の申立てをしたが,被告愛知県知事は,同年8月26日,いずれも却下するとの裁決及び決定を行い,原告に通知した(甲4,5)。 2 争点及びこれに対する当事者の主張(1) 争点1-本件除外処分は行政処分性を有するか。また,無効確認の訴えの要件を満たすか。 (被告豊田市長の主張)農業振興地域整備計画の変更(農振法13条)は,法の定める目的,要件,法定手続からみて,同計画の設定(同法8条)と同じ性質の行政行為である。そして,その決定は,市町村長において,国土の合理的利用の見地から,地域の農業上の利用と高度化の要否等を判断基準としてなされるものであるが,農業関連土地について,用途指定又はその解除を策定する行為であり,特定の個人を名あて人とするものではなく,それ自体として国民ないし私人の権利義務に直接影響を与えるものではない。したがって,本件除外処分は,行政処分に該当せず,行政事件訴訟法(以下「行訴 為であり,特定の個人を名あて人とするものではなく,それ自体として国民ないし私人の権利義務に直接影響を与えるものではない。したがって,本件除外処分は,行政処分に該当せず,行政事件訴訟法(以下「行訴法」という。)36条による無効確認訴訟の対象とならないので,本訴は訴訟要件を欠く。 また,原告は,本件土地の隣接地を所有し,あるいは農業の利用に供しているとしても,被告愛知県知事に対して,本件除外処分の後になされた本件許可処分の無効確認をも求めているところ,これは行訴法36条にいう「現在の法律関係に関する訴え」に該当し,かつ,この訴えによって原告主張の目的を達することができるから,本件除外処分の無効確認を求める訴えは,過去の法律関係に関する訴えとして,許容されるものではない。 (原告の主張)被告豊田市長の主張は争う。 (2) 争点2-本件許可処分の無効確認を求める訴えにつき,原告が原告適格を有するか。 (被告愛知県知事の主張)処分の無効確認を求めることができる者は,行訴法36条に規定するとおり,当該処分の無効確認を求めるにつき,法律上の利益を有する者であることを要するところ,以下のとおり,原告は,この法律上の利益を有せず,原告適格を有しない。 すなわち,本件で原告が主張する不利益とは,①原告の住居・牛舎の隣地である本件土地上に住宅が建設されれば,原告の農業経営の安定,拡大が阻害される,②本件土地は,原告が20年間にわたり,所有者から借り受けて耕作していたが,本件各処分によって,原告は,この耕作権を喪失することとなった上,住宅建築による日照権の侵害,埋立てにより既存排水路が遮断されることに伴う周辺農地への排水不良,畜産経営に対する苦情の発生などの不利益を被る,③本件各処分は,耕作地を減少させるものであるから,経営規模の縮小をもたらすもので 害,埋立てにより既存排水路が遮断されることに伴う周辺農地への排水不良,畜産経営に対する苦情の発生などの不利益を被る,③本件各処分は,耕作地を減少させるものであるから,経営規模の縮小をもたらすものであり,原告の農業経営の維持を困難とするおそれがある,というものである。 しかしながら,①住宅が建築されることによって必然的にその隣地農業従事者の畜産や果樹栽培に悪影響を与えるものではなく,原告の主張によっても,牛舎の臭いが隣地に及んだり,果樹への農薬が隣地の洗濯物に飛散することによって隣人から苦情を受けるおそれがあり,これが重なれば,原告の畜産や果樹栽培がやりにくくなるというにすぎず,その不利益は抽象的かつ可能性の極めて低いものであるから,これをもって上記法律上の利益とはいえない。次に,②農地法3条1項によれば,農地を賃貸借するには農業委員会の許可を要するところ,原告は許可を得ていないので,本件土地の耕作権を有しておらず,したがって,その喪失ということもあり得ないし,日照権侵害等の被害も,本件各処分によって直接もたらされる法律上の効果とはいえない。また,③農地法や農振法の目的は,「耕作者の地位の安定と農業生産力の増進とを図」り,「農業の健全な発展を図るとともに,国土資源の合理的な利用に寄与する」ことにあり,その運用によって,原告の農業経営の安定,拡大が図られることが結果的にあり得るとしても,それはあくまで反射的な利益にすぎないから,これをもって法律上保護された利益とはいえない。 (原告の主張)原告は,本件土地に隣接して居住し,農用地区域内で,農業後継者と共に遊休農地等の保全と活用を積極的に進め,有畜農業経営の規模拡大と経営の安定を目指しているところ,本件各処分によって,牛舎に隣接して住宅が3戸も建築されることにより,牛の鳴き声や臭気を理由 継者と共に遊休農地等の保全と活用を積極的に進め,有畜農業経営の規模拡大と経営の安定を目指しているところ,本件各処分によって,牛舎に隣接して住宅が3戸も建築されることにより,牛の鳴き声や臭気を理由とする苦情を発生せしめ,原告の農業経営に対する支障となる。 また,原告は,20年間にわたって本件土地を賃借し,耕作を続けていたにもかかわらず,本件各処分によって耕作権を喪失し,更には日照権の侵害,埋立てによる既存排水路の遮断,これに伴う周辺農地への排水不良,畜産経営に対する苦情発生などの不利益を被り,法律的救済によらねば保護されないこととなった。そして,農用地区域が行政の便宜主義によって宅地化されていく現状を放置すれば,原告の耕作権の喪失は拡大し,経営規模の縮小によって農業経営の維持が困難になる。これらは,農地法,農振法によって法律上保護された利益であるので,原告は,本件訴えにつき原告適格を有する。 (3) 争点3-本件各処分の違法性の有無(原告の主張)ア前記Aら3名の居住地は,いずれも住宅地であるから,農用地区域の農地である本件土地に一般住宅を建築することは,土地収用法4条,農地法4条2項に違反している。 イ本件除外処分は,次のとおり,農振法13条2項1ないし3号の要件を満たさず,また,同法15条の15第4項1ないし3号の制限を無視するもので違法である。 (ア) 一般住宅を農用地区域内に建築することは,農地法4条の制限を受けるから,同法13条2項1号所定の「必要かつ適当」な場合とは認められない。さらに,Aらの居住する区域内であるβ,ζにおいて,住宅建設用地としての区画整理事業が実施されており,この区域内で代替地を求めることが容易であるので,他「の土地をもって代えることが困難であると認められ」ない。 (イ) 本件土地は,農用地区域の中央 ,住宅建設用地としての区画整理事業が実施されており,この区域内で代替地を求めることが容易であるので,他「の土地をもって代えることが困難であると認められ」ない。 (イ) 本件土地は,農用地区域の中央部に位置し,住宅建設によって同項2号所定の「農用地の集団化」は分断化される。そして,1メートルにも及ぶ埋立てのためのコンクリート壁を構築することは,土地基盤整備の効率性から必要な地形的連続性を遮断するもので,農作業の効率化に大きな障害となることは明らかである。 また,隣地に2階建て住宅が3戸建築されることにより,野菜や果樹の生産に日照不足による悪影響が生じたり,従来どおりの薬剤散布の実施や,トラクター,防除機,大型草刈機などを早朝や休日に稼動させることが困難になったり,牛の鳴き声などを理由とする苦情が原因となって対立が生ずるなど,非農業的土地利用との混在による農業的土地利用への支障が生ずる。 (ウ) 本件処分によって,既存の排水路2本のうち1本が埋め立てられ,1メートルに及ぶコンクリート壁の設置によって,排水入口は完全に遮断された。さらに,従前の排水路の幅は半減し,排水機能に著しい障害を招いている。この結果,雨水は農地に滞留し,作物生産に大きな支障をもたらしている。したがって,除外前と同様の機能が確保されておらず,同項3号所定の「機能に支障を及ぼすおそれがないと認められ」ない。 ウ本件許可処分は,次のとおり,農地法4条2項1のイ,5条2項3,4号の許可基準に違反し,違法である。 平成10年11月1日施行の農地法の一部改正によって,農地転用許可基準の明確化が図られているところ,これに伴う通達は,許可基準の概要として,①転用許可申請に係る農用地区域内にある農地や,集団的に存在するなど良好な営農条件を備えている農地については,原則として許可できない 確化が図られているところ,これに伴う通達は,許可基準の概要として,①転用許可申請に係る農用地区域内にある農地や,集団的に存在するなど良好な営農条件を備えている農地については,原則として許可できないこと,②農地を転用した場合,周辺の農地の営農条件に支障が生ずるおそれがあると認められる場合などには,許可できないことを明示している。しかるところ,本件許可処分は,一般住宅建築のための農地転用を認めるものであり,上記基準に違反することが明らかである。 また,農地法5条2項4号は,「申請に係る農地を農地以外のものにすること」「により,土砂の流出又は崩壊その他の災害を発生させるおそれがあると認められる場合,農業用用排水施設の有する機能に支障を及ぼすおそれがあると認められる場合その他の周辺の農地又は採草放牧地に係る営農条件に支障を生ずるおそれがあると認められる場合」には農地転用を許可することができない旨規定しているところ,本件はこの制限に正に当てはまるから,本件許可処分は違法である。 (被告らの主張)原告の主張は争う。 第3 当裁判所の判断 1 本件除外処分に係る訴えについて一般に,抗告訴訟の対象となる行政処分とは,公権力の主体たる国又は公共団体の行う行為のうち,その行為によって,直接国民の権利義務を形成し,又はその範囲を確定することが法律上認められているものをいい(最高裁判所昭和39年10月29日第一小法廷判決・民集18巻8号1809頁参照),それ自体として国民の権利義務に直接影響を与えるものではなく,また,何らかの制約を課することとなっても,それがある条件の下における国民一般に対する抽象的一般的なものにすぎないときは,上記行政処分性は否定される(最高裁判所昭和57年4月22日第一小法廷判決・民集36巻4号705頁参照)。 これを本件につい ある条件の下における国民一般に対する抽象的一般的なものにすぎないときは,上記行政処分性は否定される(最高裁判所昭和57年4月22日第一小法廷判決・民集36巻4号705頁参照)。 これを本件についてみるに,農振法は,都道府県知事が一定の地域を農業振興地域として指定することとし(6条1項),市町村は,その区域内にある農業振興地域につき,都道府県知事との協議を経た上で,農業振興地域整備計画を定めなければならず(8条1項,4項),この計画には,農用地等として利用すべき土地の区域(農用地区域)及びその区域内にある土地の農業上の用途区分(農用地利用計画。8条2項1号)等の事項を定めるものとされ,市町村長は,農用地区域内の土地で,農用地利用計画で指定された用途に供されていないものの所有者等に対し,当該土地をその用途に供すべき旨を勧告し,これに従わない等の場合には,当該土地をその用途に供しようとする者で市町村長の指定を受けた者と当該土地の所有権の移転等につき協議すべき旨を勧告することができ(14条),都道府県知事は,その協議が整わない等の場合には,当該土地の所有権の移転等につき必要な調停を行うことができ(15条),農用地区域内においては,原則として,開発行為をしようとする者は,あらかじめ,都道府県知事の許可を受けることを要し,都道府県知事は,農業振興地域整備計画の達成に支障を及ぼすおそれがあると認めるとき等の場合には,許可をしてはならず(15条の15),農用地区域内の農地等について都道府県知事等が農地法上の許可に関する処分を行うに当たっては,これらの土地が農用地利用計画において指定された用途以外の用途に供されないようにしなければならない(17条)と規定している。 以上によれば,農業振興地域整備計画は,農振法2条が定める目的を達成するための施策を定 農用地利用計画において指定された用途以外の用途に供されないようにしなければならない(17条)と規定している。 以上によれば,農業振興地域整備計画は,農振法2条が定める目的を達成するための施策を定めた総合的基本計画であって,それ自体としては,国民の権利義務に対して直接影響を与えるものではなく,その中の農用地利用計画も,農用地区域及びその区域内にある土地の用途区分に係るもので,同様に,それ自体として,国民の権利義務に対して直接影響を与えるものではないと言わざるを得ない。また,市町村長による上記勧告や,都道府県知事による調停の権限も,これによって国民に具体的な義務を課するものではないことが明らかである。 もっとも,農用地区域内においては,開発行為や農地法上の許可に関する処分を行うにつき,制約を受けることになるが,これらの制約は,あたかも新たにかかる制約を課する法令が制定された場合におけると同様の,当該地域内の不特定多数の者に対する抽象的一般的なものにすぎず,これによって直ちに国民に対して具体的な義務を課したり,権利を侵害するものとはいえない(開発行為の申請に対する不許可処分や,農地法上の申請に対する不許可処分によって,初めて具体的な権利侵害性を有する処分となる。)。この理は,本件除外処分のように,一定の土地を農用地区域から除外する旨の農用地利用計画の変更決定においても等しく妥当するというべきである。 そうすると,本件除外処分は,抗告訴訟の対象となるべき行政処分性を有しないから,本件除外処分の無効確認を求める訴えについて被告豊田市長が被告適格を欠く(本件除外処分の主体は,農振法13条1項に照らせば,豊田市であって豊田市長でないことが明らかである。)ことなどをさておいても,これに係る訴えは不適法というほかない。 2 本件許可処分に係る訴えに く(本件除外処分の主体は,農振法13条1項に照らせば,豊田市であって豊田市長でないことが明らかである。)ことなどをさておいても,これに係る訴えは不適法というほかない。 2 本件許可処分に係る訴えについて行政処分によって直接権利義務に影響を受ける名あて人以外の第三者が,当該処分の効力を争うことができるか否かは,その根拠となる行政法規が,かかる第三者の個別具体的利益を保護することを目的として行政権の行使に制約を課していると解することができるかにかかっているところ,農地法5条所定の許可制度は,専ら国民経済的な観点から効率的な農地の所有,利用関係を調整し,もって我が国の農業生産力の安定,増進を図ることを目的としたものと解される(同法1条参照)。 そうすると,少なくとも,原告が原告適格を基礎づけるものとして主張する,建築予定の隣家からの苦情,日照権の侵害,埋立てによる既存排水路の遮断,これに伴う周辺農地への排水不良等の被害は,本件許可処分自体によって直接もたらされる法律上の効果ではなく,転用後の本件土地上に住宅が建築され,ここに隣人が居住することによる事実上の影響にすぎないというべきであるから,原告は,本件許可処分の無効確認を求めるにつき,原告適格を欠くといわざるを得ない(最高裁判所昭和58年9月6日第三小法廷判決・集民139号381頁参照)。また,原告は,本件許可処分によって,本件土地に対する耕作権を喪失したと主張するところ,その発生原因事実,有効要件の具備について主張するところがないことをさておいても,有効に締結された土地賃貸借契約が,農地法5条に基づく許可によって失効するいわれはないから,これをもって,原告適格を基礎づけることもできず,上記判断を覆すものとはいえない。 3 結論以上の次第で,本件訴えは,その余について判断するまでもな に基づく許可によって失効するいわれはないから,これをもって,原告適格を基礎づけることもできず,上記判断を覆すものとはいえない。 3 結論以上の次第で,本件訴えは,その余について判断するまでもなく,いずれも不適法であるから却下し,訴訟費用の負担につき行訴法7条,民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。 名古屋地方裁判所民事第9部裁判長裁判官加藤幸雄裁判官舟橋恭子裁判官小嶋宏幸

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