令和3(わ)302 過失運転致死傷被告事件

裁判年月日・裁判所
令和4年8月18日 前橋地方裁判所
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判決文本文1,729 文字)

令和4年8月18日宣告令和3年第302号過失運転致死傷被告事件主文被告人を禁錮2年に処する。 理由 (犯罪事実)被告人は、令和2年12月13日午前3時51分頃、普通乗用自動車を運転し、群馬県伊勢崎市a 町b 番地c 高速自動車国道d 自動車道西行き14.7キロポスト先の片側二車線道路の第2車両通行帯をe インターチェンジ方面からf インターチェンジ方面に向かい時速約100ないし約108キロメートルで進行するに当たり、前方左右を注視し、進路の適正を保持しつつ進行すべき自動車運転上の注意義務があるのにこれを怠り、車内に設置したタブレット端末の操作に気を取られ、前方左右を注視せず、進路の適正を保持しないで漫然前記速度で進行した過失により、折から左後方の第1車両通行帯を走行してきたA(当時64歳)運転の普通乗用自動車の接近に気付かないまま、自車を左斜め前方の同通行帯に進出させ、前記A をして、自車との衝突回避のため左転把の措置を講じさせて、前記場所先のd 自動車道g インターチェンジ流出口分岐点に設置されたガードレール等に前記A 運転車両前部を衝突させ、よって、A に全身打撲の傷害を負わせ、同日午前5時28分頃、前橋市h 町i 番地B 病院において、A を同傷害に基づく頸椎脱臼により死亡させ、同車に同乗していたC(当時56歳)に多発外傷の傷害を負わせ、同日午前5時19分頃、同県太田市j町k番地D 病院において、C を同傷害に基づく外傷性ショックにより死亡させるとともに、同車に同乗していたE(当時65歳)ほか1名にそれぞれ傷害を負わせた。 (量刑の理由)本件事故は、被告人が、とりわけ注意深い運転が要求される高速道路において、前方左右を注視し、進路の適正を保持しつつ進行するという基本的な注意義務を怠った それぞれ傷害を負わせた。 (量刑の理由)本件事故は、被告人が、とりわけ注意深い運転が要求される高速道路において、前方左右を注視し、進路の適正を保持しつつ進行するという基本的な注意義務を怠ったために惹起されたものである。そして、そのような不注意な運転をした原因が、被告 2 人において、それまで録画番組を視聴していたタブレット端末の操作という、事故惹起の危険性を相応に有するとともに、自動車運転にとって全く不必要な行為をした点にあったことも併せ考慮すれば、被告人の過失の程度は大きいと評価せざるを得ない(なお、検察官は、被告人運転車両の全部又は大部分が第1車両通行帯に進出した旨主張するが、検察官が依拠する証拠については、その正確性等について疑義が残るので、同主張は採用できない)。他方、被害者運転車両側に、被告人の過失の程度を緩和するような問題性の高い運転態度は見受けられない。 そして、そのような被告人の過失により、2名の被害者のかけがえのない生命が失われ、もう2名の被害者も重傷を負うという極めて重大な結果が発生している。被害者遺族が受けた精神的苦痛も非常に大きい。 被告人が、近時交通違反で複数回検挙されていたにもかかわらず、本件のような注意散漫な運転を行ったことも見過ごし難い。 以上からすれば、被告人の刑事責任は重いと言わなければならない。 そうすると、被告人が自身の過失を認め、真摯な反省の態度を示していること、被害者及び被害者遺族との間で示談は成立していないが、対人賠償額無制限の任意保険によって相応の賠償が行われるものと見込まれること、被告人の前科が交通違反による古い罰金刑だけにとどまることなど、被告人のために酌量すべき事情を十分考慮しても、被告人を主文の実刑に処することはやむを得ないものと判断した。 (求刑-禁錮 まれること、被告人の前科が交通違反による古い罰金刑だけにとどまることなど、被告人のために酌量すべき事情を十分考慮しても、被告人を主文の実刑に処することはやむを得ないものと判断した。 (求刑-禁錮4年)令和4年8月22日前橋地方裁判所刑事第1部 裁判長裁判官 橋 本 健 裁判官 柴 田 裕 美 3 裁判官 手 嶋 悠 生

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