(主文)被告人を無期懲役に処する。 未決勾留日数中250日をその刑に算入する。 (罪となるべき事実)被告人は,第1 A,B及びCと共謀の上,日本人になりすまして使用するため,B名義の一般旅券を不正に入手することを企て,平成15年9月24日ころ,松山市××町○丁目○番○号所在の飲食店「甲」店内等において,行使の目的で,ほしいままに,外務大臣宛の一般旅券発給申請書の本籍欄に「愛媛県伊予市××町○番地○」,現住所欄に「愛媛県伊予市××町○番地○××団地○号」,所持人自署欄及び申請者署名欄にそれぞれ「B」と記入し,申請者署名欄の名下に「B」と刻した印鑑を押捺し,もってB作成名義の一般旅券発給申請書1通を偽造した上,同月26日,同市××町○丁目○番○号所在の愛媛県パスポートセンターにおいて,同センター職員に対し,上記偽造に係る一般旅券発給申請書1通を真正に作成されたもののように装い,被告人の顔写真を添えて上記Bの戸籍抄本等必要書類と共に提出して行使し,愛媛県知事を経由して外務大臣に対し,一般旅券の発給を申請し,同年10月3日,同センターにおいて,外務大臣の発行した上記申請に係るB名義の一般旅券(旅券番号TG○○○○○○○)の交付を受け,もって,不正の行為によって旅券の交付を受け第2 A,B,C,D及び氏名不詳者3名と共謀の上,民家に押し入って金品を強取しようと企て,同年12月9日午前3時ころ,兵庫県小野市××町○番地の○E方の無施錠の玄関から侵入し,そのころ,同人方1階寝室等において,就寝中のE(当時53歳)及びその内妻F(当時61歳)の目及び口に所携のガムテープを巻き付け,両手及び両足をロープで縛り,その上からガムテープを巻き付けるなどの暴行を加え,「金どこや。」「鍵,鍵,殺す。殺す。鍵どこ。鍵どこ。」「暴れたら殺すど。」などと脅迫し 口に所携のガムテープを巻き付け,両手及び両足をロープで縛り,その上からガムテープを巻き付けるなどの暴行を加え,「金どこや。」「鍵,鍵,殺す。殺す。鍵どこ。鍵どこ。」「暴れたら殺すど。」などと脅迫し,同人らの反抗を抑圧して,両名の所有に係る現金約2018万円及び腕時計など約21点(時価合計約163万円)を強取し第3 A,B,C,G及び氏名不詳者1名と共謀の上,平成16年2月15日午後7時30分ころ,愛媛県伊予市××町○番地○××団地○棟○号H方に玄関ドアから侵入し,そのころ,同所において,同人所有に係る現金約18万円を窃取し第4 A,B,C,G及び氏名不詳者2名と共謀の上,同月20日午後10時30分ころ,同県西条市××○番地の○I方に,2階西側の腰高窓のガラスの一部を取り外して侵入し,そのころ,同所において,同人ほか1名の所有又は管理に係る現金約3923万1116円及び腕時計など約32点(時価合計約1024万9000円)を窃取し第5 A,G,J及び氏名不詳者3名と共謀の上,民家に押し入って金品を強取しようと企て,同年3月22日午前3時ころ,兵庫県西宮市××町○番○号K方に2階リビング南側掃き出し窓の施錠を外して侵入し,そのころ,1階寝室において就寝中のK(当時73歳)の口に薬様の臭いのする物を押し当てた上,その顔面に所携の布製ガムテープを巻き付けて目や口を塞ぎ,後ろ手にした両手及び両足を所携の結束バンドで緊縛するなどの暴行を加えて,その反抗を抑圧し,同人及びLの所有及び管理に係る現金約250万円及び腕時計など約9点(時価合計約154万3000円)を強取し,その際,上記暴行により,Kに加療約2週間を要する顔面挫傷(皮下溢血),両前腕・手部・手指挫傷兼圧挫創,両下腿部挫傷の傷害を負わせ第6 A,Gと共謀の上,同年4月27日午前零時30分こ )を強取し,その際,上記暴行により,Kに加療約2週間を要する顔面挫傷(皮下溢血),両前腕・手部・手指挫傷兼圧挫創,両下腿部挫傷の傷害を負わせ第6 A,Gと共謀の上,同年4月27日午前零時30分ころ,松山市××町○番地○××株式会社事務所(代表取締役M看守)内に1階北側の腰高窓の施錠を外して侵入し,そのころ,同事務所内において,M管理に係る現金約148万6000円を窃取し第7 A,B,C,G及び氏名不詳者3名と共謀の上,民家に押し入って金品を強取しようと企て,同年4月30日午前1時30分ころ,香川県丸亀市××町○丁目○番○号N方に北側無施錠の掃き出し窓から侵入し,そのころ,寝室兼居間において,就寝中のN(当時93歳)及び妻O(当時78歳)に対し,いきなり,両名の顔面に所携の布製ガムテープを巻き付けてその目や口を塞ぎ,両手両足を所携のロープで縛るなどの暴行を加え,「金を出せ。」などと怒号して脅迫し,同人らの反抗を抑圧して上記O所有の現金7000円及びダイヤの指輪など9点(時価合計約80万5000円)を強取し,その際,上記暴行により,Nに加療約1週間を要する右手関節部表皮剥離及び頸部皮下出血等の傷害を,Oに加療約10日間を要する口腔内裂傷及び両手関節打撲擦過創等の傷害をそれぞれ負わせ第8 G,P,Q,R及び氏名不詳者4名と共謀の上,金品強取の目的で,同年5月11日午前1時30分ころ,青森県弘前市××○丁目○番地○S方に1階南側6畳間のガラス窓から侵入し,そのころ,1階西側寝室で就寝中の上記S(当時63歳)及びその妻T(当時61歳)に対し,同人らの目,鼻口部に所携の布粘着テープを巻き付けて塞ぎ,両手両足をビニール紐で緊縛するなどの暴行を加え,「金どこだ。金を出せば殺さない。金出さなければ殺す。」などと脅迫し,その反抗を抑圧して,両名所有に係 目,鼻口部に所携の布粘着テープを巻き付けて塞ぎ,両手両足をビニール紐で緊縛するなどの暴行を加え,「金どこだ。金を出せば殺さない。金出さなければ殺す。」などと脅迫し,その反抗を抑圧して,両名所有に係る現金約262万1500円及び貴金属など約205点(時価合計約651万2600円)を強取し,その際,上記暴行により,Sを鼻口部閉塞により窒息死させるとともに,Tに加療約10日間を要する右手関節捻挫,頸部・両肩打撲等の傷害を負わせたものである。 (事実認定の補足説明及び弁護人の主張に対する判断) 1 弁護人は,判示第2ないし第6の各事実について,被告人は全く関与していないとして共謀の事実を否認し,被告人は無罪である旨,また,判示第7及び第8の各事実について,強盗の共謀の事実及び実行行為を行ったことを否認し,被告人は窃盗の限度で共謀共同正犯としての責任を負うにとどまる旨主張し,被告人もこれに沿う供述をするので,この点について判断する。 2 判示第2の事実(以下「小野事件」という。)について(1) 小野事件に関して,被告人の犯人性を基礎づける証拠としては,共犯者であるA,B及びCの各供述があるので,これら共犯者の供述の信用性について検討する。 (2) Aは,概ね以下のとおり供述する。 被告人とは,平成13年12月末ころ,当時自分が経営していたカジノ店で,被告人がトラブルを起こしたことで知り合った。その後,平成14年秋ころに,被告人から,「お金持ちの家を教えて。ちゃんとお礼をするから。」と言われた。さらに,判示第1の偽造パスポート取得の件で,知り合いからCを紹介してもらい,CからBを紹介してもらった。この件では,パスポート申請書記入及び交付のために,被告人と一緒に松山に行った。パスポート取得後,パスポートセンター職員からBを通じて申請書の記入事項につ 介してもらい,CからBを紹介してもらった。この件では,パスポート申請書記入及び交付のために,被告人と一緒に松山に行った。パスポート取得後,パスポートセンター職員からBを通じて申請書の記入事項について訂正を求められ,平成15年12月1日に被告人と再度松山に行った。大阪から飛行機で行ったが,被告人の分も含めて搭乗券を購入したのは自分であり,自分の分は本名で,被告人の分は被告人の指示により「AA」の名前で購入した。この日は,パスポート申請書の訂正はせず,松山市内の●●ホテルに泊まった。その際,被告人及びBと3人で同ホテル1階の中華料理のレストランで夕食を取った。夕食後,被告人は,Bに対し,「Bさん,ちょっと仕事の話ある。部屋に来て。」と言い,被告人が宿泊する部屋に3人が集まった。 被告人は,Bに対して,「お金持ちの家を教えて。ちゃんとお礼するから。」と言った。Bは,被告人が言ったことの意味がよく分からなかったようなので,自分が,被告人にお金持ちの家を教えれば,窃盗をして財物を奪取してくること,被告人から情報提供についてのお礼をもらえることを説明した。被告人は,Bに対し,続けて,欲しい情報として,セコムが付いているか,犬を飼っているか,家族の人数,留守の時間帯,金庫の有無,現金の置き場所などを告げた。これ以外にも被告人は,「強盗だと人数が増えるから,分け前が減る。だから,5000万円以上あるといい。」などと言っていた。Bは,その場でCに電話をして相談をしていた。また,被告人は,「僕,強盗はしない。でも僕の友達,強盗する。」などと言っていたが,これは,自分だけ逃げようとして言ったものだと思う。被告人の分け前の話の後,Cが情報提供を承諾した。同月4日か5日ころ,Bから電話があり,小野事件の被害者宅の情報を知らせてきた。被害者宅の情報のうち,家人が 自分だけ逃げようとして言ったものだと思う。被告人の分け前の話の後,Cが情報提供を承諾した。同月4日か5日ころ,Bから電話があり,小野事件の被害者宅の情報を知らせてきた。被害者宅の情報のうち,家人が留守になる時間帯については,妻が外出する時間が分からないので,被害者宅が確実に留守になる時間は分からないと言われた。被害者宅の情報を被告人に伝えたところ,下見に行くことになり,Bから情報提供を受けた翌日である同月5日か6日ころ,被告人と2人で被害者宅の下見に行った。場所がよく分からなかったので,2,3回ほどBに電話して聞いた。その翌日,2回目の被害者宅の下見に行った。その際,被告人が,「人がいる場合は沢山で行かなければならない。」と言ったので,強盗をするんだと思った。被告人から運転手をしてほしいと頼まれたので,引き受けることにし,同月8日午後10時又は11時ころ,被告人と待ち合わせをした。小野市に着くのは深夜になるし,普通は人が寝ている時間なので,強盗をやるんだと容易に想像できた。さらに4人の中国人が合流し,被害者宅に向かった。被害者宅には同月9日午前零時ころに着いた。被告人は,「まだ早い。」と言っていたので,被害者宅の家人が寝るのを待っていると思った。車は被害者宅の裏にある会社の敷地のようなところに止めたが,その会社の人と思われる人が来たので,声をかけられる前に車を出した。その後,全員で2時間ほど時間をつぶし,被告人に指示されたところに車を止めた。午前3時ころ,被告人らが被害者宅に侵入した。被告人を含め5人の中国人のうち,3人ぐらいが野球帽をかぶり,全員軍手をしていた。自分は,犯行の間,見張りを兼ねて車内で待っていた。1時間ないし1時間半後ぐらいに被告人らが戻ってきた。被告人は,「1600万円あった。」と言っていた。小野事件で,自分は被告 ,全員軍手をしていた。自分は,犯行の間,見張りを兼ねて車内で待っていた。1時間ないし1時間半後ぐらいに被告人らが戻ってきた。被告人は,「1600万円あった。」と言っていた。小野事件で,自分は被告人から報酬として400万円をもらい,BとCの分として,2人分で500万円を預かった。同月10日に,Bに言われたので,銀行からBの名前でB名義の銀行口座に100万円振り込んだ。残額の400万円は,翌11日に,自ら松山に持っていって,200万円ずつに分け,1つをBに,他の1つを別の場所でCに渡した。 (3) Bは,概ね以下のとおり供述する。 自分は当時借金が多く,自己破産をしたほどであり,現金が欲しかったので,Cのところに来たパスポートの名義貸しの話を承諾した。この件で,被告人やAと知り合いになった。平成15年12月1日,パスポート申請書の訂正のため,被告人とAが松山にやってきた。しかし,その日は訂正せず,松山市内の●●ホテルに2人とも宿泊することになった。夕食を3人で同ホテル1階の中華料理のレストランで取った後,被告人から「上に来ないか。」と言われ,被告人が宿泊していた部屋に行った。そこで被告人から,自分の日当のことを安いと言われた。そして,「僕らと一緒に仕事せんか。」という意味のことを言われ,何のことかと思っていたら,同席していたAから「金持ちの情報を教えてくれたら,そこに泥棒に入って,取ったお金から分け前をやると言っている。」と言われた。躊躇していたら,被告人から「窃盗専門で強盗はしない。もう10年もやっているけれど,今まで1回も捕まったことない。毎回使った手袋や靴も捨てているから,絶対に捕まらない。捕まっても,何もしゃべらない。」などと言われた。Cに電話をして,被告人が金持ちの情報を教えて欲しいと言っていると相談したところ,Cは渋ったが,お 回使った手袋や靴も捨てているから,絶対に捕まらない。捕まっても,何もしゃべらない。」などと言われた。Cに電話をして,被告人が金持ちの情報を教えて欲しいと言っていると相談したところ,Cは渋ったが,お金が欲しかったので,窃盗専門であること,今まで捕まったことがないことなど被告人から言われたことを伝え,嫌がるCを説得した。そのとき,Cから報酬の話を聞かれて,被告人から言われた「人がいなかったら折半。5000万円以上あったら折半。それ以下なら30パーセント。」という内容をCに言った。被告人は,話の中で「本当に金あったらすぐ行く。強盗になったら逃げないといけない。」ということも言っており,強盗はしないと言ってはいたが,本当は強盗もするのだと思った。被告人から金持ちの情報として要求されたのは,住所,氏名,電話番号,セコムのない家,犬がいない家,家族構成,家族の生活パターン,留守の時間帯,部屋の間取りや金のある場所,家に置いてある金額とそう思う理由などであり,詳しければ詳しいほど良かった。 同月4日の夕方ころ,Cから被害者宅の住所,名前,電話番号,5000万円ぐらいあることなどの情報が入り,住所,名前,電話番号については携帯電話のメールで送信もしてきた。すぐにAにこれらの情報を伝えた。Aを通じて被告人にも情報を流した。Aから被害者宅に5000万円ぐらいある理由を聞かれたので,Cに聞いたところ,「ヤミ金融をしており,表に出せない金がある。」と言っていたので,そのままAに伝えた。同月7日ころ,Aらが被害者宅の下見に行ったが,その際,Aから「被害者宅が分からん。」などの電話がかかり,Cに確認をして,またAに電話をした。このとき,Aと被告人が話しているのが電話越しに聞こえた。同月9日にA,被告人らが犯行を行い,10日にAから電話があって「昨日行って来た。」と などの電話がかかり,Cに確認をして,またAに電話をした。このとき,Aと被告人が話しているのが電話越しに聞こえた。同月9日にA,被告人らが犯行を行い,10日にAから電話があって「昨日行って来た。」と言われた。分け前については,Cに聞いたら,そのような金は振り込んでもらってはいけないと言われたので,Cが早急に必要としている100万円だけ10日のうちにAに自分名義の銀行口座に振り込んでもらい,11日に松山で残額をAから受け取った。このとき,AはCに「強盗になってすみません。1割の200に色を付けて100足して300にしました。」と言っていた。分け前は全部で300万円で,そのうち自分が100万円,Cが200万円取った。 (4) Cは,概ね以下のとおり供述する。 Bは,義理の兄にあたることから,偽造パスポート事件以前から相応の付き合いはあった。Aと被告人とは,偽造パスポート事件をきっかけに知り合った。その後,平成15年11月下旬か12月上旬ころ,Bから電話があり,「金持ちの情報を教えてほしい。」と言われた。被告人が金持ちの情報を欲しがっているとのことだった。Bからは,「盗み専門で10年くらいやっているが,捕まったことはない。服や靴も捨てるなどしているから大丈夫。住所や名前などを教えてほしい。報酬は3割で,5000万円以上なら半分。」と言われた。Bから言われた当初は渋ったが,棚ぼた式に報酬をもらえることとBからの強い説得により,情報提供を承諾した。収集できる金持ちの情報としては,ヤミ金融をしている者,ヤミ金融を利用している者,その関係者に関する情報を手に入れることにして,そういう仲間の1人から被害者宅の情報を手に入れた。被害者は,ヤミ金融業者で,手形を割り引いてくれることを聞いていたので,知り合いから聞いたり,NTTの番号案内で住所と電話番号を聞 れることにして,そういう仲間の1人から被害者宅の情報を手に入れた。被害者は,ヤミ金融業者で,手形を割り引いてくれることを聞いていたので,知り合いから聞いたり,NTTの番号案内で住所と電話番号を聞き出した。そのとき,メモを取ったが,メモは,Bに電話で伝えた後,用が無くなったことと証拠を残さないために破って捨てた。12月4日又は5日にBに情報を流したが,その内容は,住所,名前,電話番号の他,ヤミ金融をしているので金を持っていること,家に数千万円はあること,家族は夫婦2人であること,夫は仕事で昼間に出ていったら夜まで帰ってこないこと,昼間に妻が買い物に出たら家には誰もいなくなることなどであった。後日,Bから,「被害者宅が分からないから教えてと言っている。」「住んでいる気配ないけど,どうなっていると聞いてきている。」などと言われたので,被告人らが下見をしているんだと思った。犯行翌日の10日に100万円が必要だったので,Bに頼んでAに報酬のうちから100万円をB名義の銀行口座に振り込んでもらい,その日の午後に銀行の駐車場でBと待ち合わせをして,その100万円を受け取った。翌11日に松山でAから200万円を報酬の残額としてもらい,Bと折半した。Aは,報酬残額の受渡しの時に「今回は強盗になってしまってすみませんでした。強盗の場合は1割の報酬で我慢してください。今回は少し色を付けさせてもらってます。」と言っていた。 (5) A供述の信用性A供述は,被告人と知り合った経緯,判示第1の偽造パスポート事件からBらを情報提供者として引き込むことになった経緯,被告人によるBの勧誘状況,そのときのB及びCの様子,被告人がBに欲しがった情報の内容,被告人と下見に行ったときの様子,本件犯行時の状況,犯行直後の被告人の言動など,その内容が具体的で詳細であり,不自然 によるBの勧誘状況,そのときのB及びCの様子,被告人がBに欲しがった情報の内容,被告人と下見に行ったときの様子,本件犯行時の状況,犯行直後の被告人の言動など,その内容が具体的で詳細であり,不自然,不合理な点は認められない上,一貫している。 また,A供述に符合するように,Bの名前で,乙銀行から丙信用金庫のB名義の口座に100万円が振り込まれており,被害者宅の裏に位置する会社の従業員が,平成15年12月9日午前零時30分ころ,会社の敷地内に不審車両が止まっていることに気付き,事務所から出て近づいたところ,その車両は出ていった旨供述している。さらに,同月1日にAと被告人が松山市内の●●ホテルに宿泊し,1階の中華料理店で,A,B及び被告人で食事をした事実については,被告人も認めている。 加えて,A供述は,被告人とBやCが知り合った経緯,被告人がBに情報提供を依頼した時の様子,情報提供の時期及び内容,本件犯行後すぐにB及びCに対して分け前を渡したこと等について,B供述及びC供述とほぼ合致している。 なお,A供述とB供述は,B及びCの分け前の点について,Aは500万円,Bは300万円とそれぞれ供述し,食い違うが,それをもってA供述の信用性が低くなるとまで言うことはできない。 また,Aが,被告人を引っ張り込むような恨みを抱いていたなどの事情があったということは,本件全証拠をもってしても認められない。 以上を総合すれば,A供述の信用性は高いと認められる。 (6) B供述の信用性B供述は,被告人やAと知り合った経緯,被告人から金持ちの家の情報提供を依頼されたときの状況,被害者宅の情報を提供した時の状況,被告人やAが下見に行ったときの電話の内容,犯行後のAからの連絡状況,分け前の受け取り方など,その内容が具体的で詳細であり,不自然,不合理な点は認められず,内 状況,被害者宅の情報を提供した時の状況,被告人やAが下見に行ったときの電話の内容,犯行後のAからの連絡状況,分け前の受け取り方など,その内容が具体的で詳細であり,不自然,不合理な点は認められず,内容も一貫している。 また,B供述は,前記のとおり,B名義の口座に100万円が振り込まれていることと合致する。 さらに,B供述は,被告人とBやCが知り合った経緯,被告人がBに情報提供を依頼した時の状況,情報提供の時期及び内容,本件犯行後すぐにB及びCに対して分け前を渡したこと等について,A供述及びC供述とほぼ合致している。 なお,前記のとおり,B供述とA供述は,B及びCの分け前の点について食い違いが見られるが,それがB供述の信用性に影響を及ぼすとまでは言えないことは前記のとおりである。 以上を総合すれば,B供述の信用性は高いと認められる。 (7) C供述の信用性C供述は,被告人らと知り合った経緯,被告人から情報提供を依頼された時の状況,金持ちの情報収集の仕方,小野事件被害者宅の情報収集の状況,Bへのそれらの情報の伝え方,被告人らが下見を行っていると思ったときの様子,Aから報酬を受け取ったときの状況など,具体的かつ詳細であり,不自然,不合理な点は認められず,内容も一貫している。 また,C供述は,前記のとおりB名義の口座に100万円が振り込まれていることと合致する。 さらに,C供述は,被告人やAと知り合った経緯,被告人から情報提供を依頼されたときの状況,被害者宅についてBに流した情報,被告人らが下見を行った時の電話の様子,報酬の受領方法等について,AやBの供述とほぼ合致している。 以上を総合すれば,C供述の信用性は高いと認められる。 (8) 信用できるA供述,B供述及びC供述によれば,被告人は,平成15年12月1日に,Bに対し,金持ちの情報提供を依頼した とほぼ合致している。 以上を総合すれば,C供述の信用性は高いと認められる。 (8) 信用できるA供述,B供述及びC供述によれば,被告人は,平成15年12月1日に,Bに対し,金持ちの情報提供を依頼したこと,BはCにその場で電話をし,Cも情報提供を承諾したこと,その際,被告人は,「金あればすぐに行く。強盗になったら急いで逃げなければならない。」などと強盗を行う可能性もある内容の発言をしたこと,Bから被害者宅の情報提供を受けてすぐにAと下見に行っていること,下見の際にBを通じてCに被害者宅の場所等について質問をしていること,CからBを介して提供された被害者宅の情報の中には,家人が不在となる時間帯の情報について,妻が買い物にでかければ不在となるという程度のものしかなく,旅行など家人が確実に不在となる時間帯についての情報がなかったこと,被告人がAに犯行の際の被害者宅への運転手役を依頼したこと,被告人が,被害者宅への侵入時間を決めていたこと,犯行は,通常は人が寝静まっている夜中に行われていること,Aが待つ車内に戻ってきたときに被告人が「1600万円くらいあった。」などと発言したこと,被告人がAへ報酬を渡し,B及びCにも被告人がAを経由して報酬を渡したことをそれぞれ認めることができる。また,Aは中国語を話せず,被告人とも日本語で会話をしていたこと,被告人以外にも4人の中国人が本件の実行役として加担していたことからすると,被告人が他の中国人を本件犯行の実行役として招集したと合理的に推認することができる。 そうすると,被告人とA,B,C及び他の中国人4人との間で本件住居侵入,強盗についての共謀がなされ,被告人自身も被害者宅に侵入して強盗の実行行為を行ったと認められる。 3 判示第3の事実について(1) この事件に関して,被告人の犯人性を基礎づける証拠とし 件住居侵入,強盗についての共謀がなされ,被告人自身も被害者宅に侵入して強盗の実行行為を行ったと認められる。 3 判示第3の事実について(1) この事件に関して,被告人の犯人性を基礎づける証拠としては,共犯者であるA,B及びCの各供述があるので,これら共犯者の供述の信用性について検討することとする。 (2) A供述Aは,概ね以下のとおり供述する(この事件に至る経緯について,小野事件における供述と重複する部分については,前述のとおりであるので,この事件に関する供述について検討する。以下同じ。)Bから,平成16年2月13日又は14日ころ,1人暮らしのおばあちゃんがつい最近銀行から1000万円を下ろし,家に置いたままにしているとの情報が入った。 被告人から,なぜそのような現金が被害者宅にあるのかという疑問が出たが,Bは,身内の人間がおばあちゃんの所にお金を借りに行ったことがあり,その身内からの情報であると答えていた。2月14日又は15日の昼間に被告人と下見に行った。Bが住んでいる団地と同じ団地内であること,1番奥の棟であること,部屋番号が分かっていたので,団地までBに案内してもらい,団地の敷地に入ってからは被告人と2人で下見に行った。途中,防犯カメラを見つけたので,Bに電話で確認したところ,Bから「それはダミーや。心配ない。」と言われ,下見を続行した。1番奥の棟の前にある駐車スペースに車を止め,被告人が建物の階段を上っていった。戻って来たとき,被告人は「おばあちゃんの部屋,上がって右側。」と言っていた。その日の夕方ころ,Bから「団地の集会が今日ある。1人暮らしだから,集会の時であれば大丈夫と思う。自分もそれに出るから,おばあちゃんが集会に出ているかとか,帰る時間が分かる。」と連絡が入った。その際,Bは集会の時間も言っていた。そこで,被告人 。1人暮らしだから,集会の時であれば大丈夫と思う。自分もそれに出るから,おばあちゃんが集会に出ているかとか,帰る時間が分かる。」と連絡が入った。その際,Bは集会の時間も言っていた。そこで,被告人,G,氏名不詳の中国人1人と自分の合計4人で被害者宅に向かった。午後7時10分ころに団地に着き,Bに電話をして被害者が集会に出て家が留守であることを確認した。午後7時30分ころ,被告人と中国人1人が車から降りて被害者宅に向かった。戻ってきたとき,被告人は「金なかった。何もない。あんなとこ人住んでるの。」などと言っていた。 (3) B供述Bは,概ね以下のとおり供述する。 平成16年2月13日か14日ころ,Cから「Bの家の近くに1人暮らしの金持ちのばあちゃんがいるらしい。身内の人間がおばあちゃんに金を借りに行ったが断られた。」との情報が入った。続けて同月15日に,その老人は自分が住む団地の住人であること,道路から一番奥の棟の3階に住んでいること,被害者の名前,何日か前に貯金を下ろして持っているらしいことを聞いた。いずれの情報もすぐにAを通じて被告人に伝えた。A経由で被告人から「どうして金がある。」という質問を受けたので,Cに確認したところ,「おばあちゃんの身内の話だから間違いない。」と言われ,すぐに被告人に伝えた。下見も犯行も2月15日に行った。下見は自分と被告人,Aの3人で行った。自分はその団地に住んでいるので,団地まで2人を案内して,団地の敷地内に入ってからは2人で見てもらった。同日午後6時ころ,2か月に1回開かれる団地の総会の案内が放送され,すぐにAに伝えた。Aは,「分かった。U(被告人)に言うとくわ。」と答えた。総会開始後,Aから電話があり,団地までの道を聞かれた他,Aに被害者が総会に出席していることを伝えた。 犯行後,Aから被害者宅にお金 に伝えた。Aは,「分かった。U(被告人)に言うとくわ。」と答えた。総会開始後,Aから電話があり,団地までの道を聞かれた他,Aに被害者が総会に出席していることを伝えた。 犯行後,Aから被害者宅にお金がなかったことを言われた。 (4) C供述Cは概ね以下のとおり供述する。 自分の役割は情報提供役であったが,この事件について自分がBに流した情報は,Bと同じ団地に住んでいる者が,銀行から1000万円下ろして家に保管しているという内容だった。これは,手形回収を依頼されたことから知った情報である。Bには,上記内容に加えて,「身内の人間が借りに行ったんやけど貸してくれなかったらしい。借りに行った人間も切羽詰まっていたので嘘は言わんと思う。」と話した。その後,被害者宅の部屋の場所や被害者の名前をBに教えた。本件犯行の奪取額に関して,Bから,金目の物は一切なかったと電話で言われた。 (5) A供述の信用性A供述は,Bから情報提供があったときの状況,被告人と下見に行ったときの様子,本件犯行直前にBに連絡をしたときの状況,本件犯行直後の被告人の言動など,その内容が明確で具体的かつ詳細であり,不自然,不合理な点は認められず,供述内容は一貫している。 また,A供述は,B供述及びC供述と内容がほぼ合致している上,本件犯行当日に団地の集会が開催され,それに被害者が出席していた点について,団地の自治会長の供述内容と一致する。 さらに,Aは,被告人が参加しなかった窃盗についても供述しているところ,被告人との共謀にかかる事件とそうではない事件を明確に区別していることから,他の事件と混同して供述をしているとは認められず,ほかに,被告人を敢えて引っ張り込むほどの事情は認められない。 以上を総合すれば,A供述の信用性は高いと認められる。 (6) B供述の信用性B供述は,情報を入 と混同して供述をしているとは認められず,ほかに,被告人を敢えて引っ張り込むほどの事情は認められない。 以上を総合すれば,A供述の信用性は高いと認められる。 (6) B供述の信用性B供述は,情報を入手した時の状況,それをAを介して被告人に伝えた時の状況,下見の際の様子,本件犯行直前のAとの電話でのやりとりなど,内容が明確で具体的かつ詳細であり,一貫していて,不自然,不合理な点は認められない。 また,B供述は,A供述及びC供述と内容がほぼ合致している他,本件犯行当日に団地の集会が開催され,それにB自身及び被害者が出席していた点について,団地の自治会長の供述内容と一致する。 以上を総合すれば,B供述の信用性は高いと認められる。 (7) C供述の信用性C供述は,本件被害者宅の情報を入手した経緯,被害者宅の情報をBに流した状況など,その内容が明確で具体的であり,不自然,不合理な点は認められない。 また,被害者宅の情報に関して,被害者が1000万円を家に保管していると言える理由,被害者宅の具体的な場所や名前は1000万円についての情報とは別の機会に伝えたことなど,Cが関わっている部分について,A供述及びB供述とほぼ合致している。 以上を総合すれば,C供述の信用性は高いと認められる。 (8) 信用できるA供述,B供述及びC供述によれば,被告人は,被害者が確実に不在となる時間も含め,事前に被害者宅についての情報を得ていたこと,A及びBと下見を行っていること,本件犯行時刻ころ,AやGを含む他の中国人と一緒に被害者宅近くに行ったこと,本件犯行時刻ころに被告人は他の中国人と車を降りて被害者宅の方に行ったこと,Aの待つ車内に戻ってきてから「おばあちゃん,お金置いてなかった。」等の発言をしたことを認めることができる。 そうすると,被告人とA,B,C,G及び氏名不詳者 人と車を降りて被害者宅の方に行ったこと,Aの待つ車内に戻ってきてから「おばあちゃん,お金置いてなかった。」等の発言をしたことを認めることができる。 そうすると,被告人とA,B,C,G及び氏名不詳者1名との間で,本件住居侵入,窃盗についての共謀がなされ,被告人自身も本件住居侵入,窃盗の実行行為を行ったと認められる。 4 判示第4の事実(以下「西条事件」という。)について(1) 西条事件に関して,被告人の犯人性を基礎づける証拠としては,共犯者であるA,B及びCの各供述があるので,これら共犯者の供述の信用性について検討する。 (2) A供述Aは,概ね以下のとおり供述する。 平成16年2月16日ころにBから最初の情報提供があった。その内容は,会社兼社長宅であること,ヤミ金融もやっていること,少なくとも5000万円,多ければ1億あること,年を取った夫婦2人暮らしであること,息子がいるが,遠くに住んでいて疎遠であることという内容だった。同月16日か17日ころに被告人の指示で2人で下見に行った。同月18日に,Bから「あさってから被害者夫婦が旅行に出て留守になる。」との情報が入った。19日にもBから電話があり,「確実に旅行に出るみたいや。」と言われた。被告人にBからの話を伝えたところ,被告人が「明日行く。」と言った。そこで,被害者夫婦が旅行に出たその日に被害者宅に侵入した。平成16年2月20日ころのことだと思う。被害者宅には,被告人,G,中国人2人と自分の合計5人で向かった。自分は運転手役だった。被害者宅に着くと,車があったので,被告人にBにもう一度留守かどうかを聞くように言われ,Bに聞いたところ,「旅行に出ていることは間違いない。誰もいないので大丈夫や。」と言われ,被告人にその旨伝えた。午後10時30分ころに被告人と中国人2人の3人が被害者宅に向 うかを聞くように言われ,Bに聞いたところ,「旅行に出ていることは間違いない。誰もいないので大丈夫や。」と言われ,被告人にその旨伝えた。午後10時30分ころに被告人と中国人2人の3人が被害者宅に向かった。Gは,被害者宅の中には入らず,車の前当たりでうろうろしていた。途中,Gがバールを入れたケースを車から持ち出し,被害者宅の方に持っていったが,その後はまた車の前でうろうろしていた。戻ってきた被告人から「1500万円ぐらいあった。」と言われた。この事件での自分の分け前は100万円,BにはCの分と併せて100万か200万円を渡した。 (3) B供述Bは,概ね以下のとおり供述する。 この事件の被害者についての情報は,平成16年2月16日か17日ころにCから聞いた。入手した情報内容は,看板を出してやっている金貸しであること,住所,名前,夫婦と子供何人かの家族であること,今週末旅行で不在になることだった。すぐにAに伝え,Aから被告人にも伝えられた。情報を流した3,4日後である2月20日か21日の午後7時ころに,Aから「今から行って来る。帰ったら連絡する。」と言われ,Cに「今から行くそうです。」と連絡した。その後,Aから「車庫に車が止まっているけど,誰かいるんとちがうか。」と言われたが,Cが否定したので,そのままAに伝えた。本件犯行後,被告人らが当時住んでいた松山のマンションに行ったら,被告人から「1000万しかなかった。これ,Bさんの。」と200万か300万をもらった。それをCと分け,自分は100万円をもらった。被告人は,現金の他にプラチナかシルバーの幅1センチメートルぐらい,高さ5ミリメートルぐらいの四角い台がついている指輪をくれようとしたが,AやCから「足がつく」と言われたので,断った。 (4) C供述Cは,概ね以下のとおり供述する。 被害者 センチメートルぐらい,高さ5ミリメートルぐらいの四角い台がついている指輪をくれようとしたが,AやCから「足がつく」と言われたので,断った。 (4) C供述Cは,概ね以下のとおり供述する。 被害者が経営しているI金融のことは平成13年ころから知っていた。金庫の大体の場所についても知っていた。平成16年2月上旬ころ,同月20日から23日にかけて被害者宅が留守になることを知った。そこで,Bに,西条市(当時の東予市)に正式にI金融という看板を掲げて商売しているところがあること,住所,夫婦2人暮らしで,子供がいるが不仲で一切寄りつかないこと,家族旅行で留守になることを伝えた。なお,Bには被害者宅に5000万円,もしかしたら1億円くらいはあるかもしれないと言ったが,これは自分が入手した情報にはなく,全く根拠のない話である。その後,Bに対し,簡単な家の間取りと現金の保管場所を書いたメモを直接渡した。本件犯行時は,Bと一緒に車内で犯行終了を待っていた。途中,Aから「被害者宅に車が置いてあるが大丈夫か。」という電話が来て,Bに聞かれたが,情報収集は犯罪をするということを言わずに集めたのであって,情報源に確認できないことから,車外に出て電話をする振りをし,Bに「社長の車らしい。旅行に出かけて誰もいないと思う。」と答えた。Bは,それをAに伝えていた。本件犯行後,Bは実行犯らが滞在していたマンションに分け前をもらいに行き,300万円もらってきた。全部で1000万円あったと聞いていたので,自分たちの分け前は当初の約束どおり1000万円の3割で300万円だと思った。宝石について聞かれたが,それはもらわない方がいいとアドバイスした。Bがもらってきた300万円のうち,100万円をBに渡し,自分は200万円を取った。 (5) A供述の信用性A供述は,Bから最初の情報 について聞かれたが,それはもらわない方がいいとアドバイスした。Bがもらってきた300万円のうち,100万円をBに渡し,自分は200万円を取った。 (5) A供述の信用性A供述は,Bから最初の情報提供があったときの内容,その後被害者宅が確実に留守になる時期についての情報が入ったときの状況,本件犯行直前に被告人に言われてBに連絡を取ったときの状況,本件犯行時の共犯者Gの様子,本件犯行直後の被告人の言動など,その内容が明確であり,具体的かつ詳細で,不自然,不合理な点は認められず,内容も一貫している。 A供述によれば,被告人ら実行犯は,被害者宅にバールを持ち込んだことが推測できるが,これは,被害者宅内に放置されていた金庫の工具痕と,被告人から処分を依頼されてBが保管していたバールによる痕とが一致することからも裏付けられる。 また,A供述は,B供述,C供述とその内容がほぼ合致している。 さらに,前記のとおり,Aは被告人と共謀して行った窃盗とそうでないものとを明確に区別していることから,他の事件と混同して供述をしているとは認められず,ほかに被告人を敢えて引っ張り込むほどの事情は認められない。 以上からすれば,A供述の信用性は高いと認められる。 (6) B供述の信用性B供述は,入手した情報内容,本件犯行直前のAとの電話のやりとり,本件犯行後に被告人から分け前をもらったときの状況など,供述内容が具体的かつ詳細で,不自然,不合理な点は認められず,自然であって,A供述ともほぼ合致している。 以上からすれば,B供述の信用性は高いと認められる。 (7) C供述の信用性C供述は,Bに伝えた情報の内容,本件犯行時にBと待機していたときの状況,犯行後の分け前を取得したときの状況等,具体的かつ詳細で自然であり,不自然,不合理な点は認められない。 また,CからBに伝えら C供述は,Bに伝えた情報の内容,本件犯行時にBと待機していたときの状況,犯行後の分け前を取得したときの状況等,具体的かつ詳細で自然であり,不自然,不合理な点は認められない。 また,CからBに伝えられた情報内容,犯行時にAから電話があったこと及びそれに対するCらの返答,犯行後の分け前取得時にBが宝石を被告人から薦められたことなど,A及びBの供述とほぼ合致している。 以上からすれば,C供述の信用性は高いと認められる。 (8) 信用できるA供述,B供述及びC供述によれば,被害者宅についての情報がCからB,Aを通じて被告人に伝わっていたこと,情報の中には被害者宅が確実に留守になる日時が含まれていたこと,その情報によれば家人が不在となる日に,被告人はA,Gらと一緒に被害者宅まで行っていること,そこでAに依頼してBに被害者宅の不在状況を再度確認したこと,本件犯行後,被告人がAやBに分け前を分配していることを認めることができる。これに,本件犯行にはBが後に被告人から処分を依頼され,そのまま保管していたバールを使用していることを併せ考慮すれば,被告人とA,B,C,G及び氏名不詳者2名との間で,本件住居侵入,窃盗についての共謀がなされ,被告人自身も本件住居侵入,窃盗の実行行為を行ったと認められる。 5 判示第5の事実(以下「西宮事件」という。)について(1) 西宮事件に関して,被告人の犯人性を基礎づける証拠としては,共犯者であるAの供述があるので,この供述の信用性について検討する。 (2) A供述の信用性ア Aは概ね以下のとおり供述する。 平成16年3月15日ころ,Vという人から被告人がトヨタクラウン紺色を購入した。自分もその場面に一緒に行ったが,代金の90万円を払ったのは被告人である。その車は,愛媛ナンバーだったので,被告人が「関西のナンバーでないとだ ,Vという人から被告人がトヨタクラウン紺色を購入した。自分もその場面に一緒に行ったが,代金の90万円を払ったのは被告人である。その車は,愛媛ナンバーだったので,被告人が「関西のナンバーでないとだめ。」と言い,Vが大阪のナンバーに変えてきた。この事件の情報は,自分の知らない間に,被告人がどこからか仕入れてきた。同年3月16日か17日ころに被告人と2人で被害者宅の下見に行った。下見には2回行った。同月21日午後10時か11時ころに被告人から電話があり,迎えに来るように言われ,22日午前零時ころ,トヨタクラウン紺色を運転し,大阪市内のコインパーキングで被告人,Gと待ち合わせた。しばらくして日産ブルーバードが来た。運転手は被告人の彼女のJだった。それから名前を知らない中国人が3人来た。自分はクラウンの運転手であり,被告人,G及び名前を知らない中国人1名が乗った。 出発の際に被告人から「彼女が後ろをついて走るから,ゆっくり走って。」と言われ,J運転のブルーバードがついてきているか注意しながら運転した。西宮に向けて出発したのが同日午前零時30分か40分ころだった。走り始めて5,6分後に,コンビニエンスストアに被告人とGが入っていった。水を買っていたが,他に何を買ったかは知らない。被害者宅に着いたのが同日午前2時ころ。雨が降っていた。午前3時ころ,被告人が「今から行ってくる。」と言って車から降りた。その後,1回被告人から電話があり,「今から1人道具を取りに行くから。」と言われたが,ほどなくして中国人1人がやってきて,自分が乗っていたクラウンのトランクからバール等が入った釣り竿ケースのようなかばんを持っていった。1時間ぐらい待ったが,その間,1回トイレに行った以外はずっと車内にいた。戻ってきた被告人は,「お金なかった。」と言った。帰りは被告人の指示に ール等が入った釣り竿ケースのようなかばんを持っていった。1時間ぐらい待ったが,その間,1回トイレに行った以外はずっと車内にいた。戻ってきた被告人は,「お金なかった。」と言った。帰りは被告人の指示により,高速道路を使わずに帰った。犯行翌日,被告人は,「200万円あったが,全部横浜から来た友達に渡した。自分も分け前がない。」と言っていた。本件で分け前はもらっていない。本件は,被告人が自分の彼女であるJを運転手役に使っていることからすれば,被告人が主犯格と思う。分け前を決めるのも被告人だった。 イ(ア) A供述は,事件に使用した車両(トヨタクラウン)を購入した時の状況,本件犯行のために被告人らと待ち合わせた際の被告人の言葉,被害者宅に赴く際にコンビニエンスストアに寄ったこと,道順,犯行直前の共犯者や被告人の言動,犯行終了を待っている間にトイレに行ったこと,途中で1人の中国人がバール等を取りに戻ってきたこと,犯行直後の被告人の言動等,その供述内容は明確で具体的かつ詳細であり,内容も一貫しており,不自然,不合理な点も見られない。 (イ) また,A供述に見られる本件犯行時の天候や使用車両の登録状況は,客観的事実と合致し,使用車両の購入状況が,売り主のVの供述とほぼ一致する。 さらに,A供述によれば,犯行のために被害者宅に赴く途中で,被告人らがコンビニエンスストアに立ち寄ったとされているところ,本件被害者を緊縛するために使用されたガムテープが,Aが途中で立ち寄ったというコンビニエンスストアで販売されているガムテープと同一種類の物であることが認められる。 そして,Aが被告人を敢えて引っ張り込む原因となるような事情は認められない。 ウ以上を総合すると,A供述の信用性は高いと認められる。 (3) これに対し,被告人は,「自分は全く身に覚えがないし,Jに そして,Aが被告人を敢えて引っ張り込む原因となるような事情は認められない。 ウ以上を総合すると,A供述の信用性は高いと認められる。 (3) これに対し,被告人は,「自分は全く身に覚えがないし,Jについては印象になく,クラウンを買ったこともない。」と供述する。しかし,この供述は,「被告人と親しかった」とのJの供述や,「クラウンを被告人に売った」とするVの供述と合致していない。 したがって,被告人の供述は信用することができない。 (4) 信用できるA供述によれば,被告人が被害者宅の情報を独自に仕入れたこと,犯行に使用した車両を被告人が購入したこと,犯行前にAと被害者宅の下見に行っていること,被害者宅に到着後,Aに対して「今から行ってくる。」という侵入するような発言を被告人がしたこと,分け前についてAに被告人自ら話したことを認めることができる。そうすると,被告人とA,G,J及び氏名不詳者3名との間で,本件住居侵入,強盗の共謀がなされ,被告人自身も実行行為を行ったと認められる。 6 判示第6の事実について(1) この事件に関して,被告人の犯人性を基礎づける証拠としては,共犯者Aの供述があるので,この供述の信用性について検討する。 (2) A供述の信用性ア Aは,概ね以下のとおり供述する。 この事件は平成16年4月27日ころにやった。26日の午後11時50分ころに被告人から「ちょっと見に行く。」と言われたので,運転手として付いていくことにしたが,時間帯がいつもは下見をしない真夜中であったこと,強盗などを実際にするときにしか来ないGも来たことから,下見ではなくて強盗などをするのかと思った。27日午前零時30分ころ,被告人が車から降りて被害者宅の方に向かった。少ししてバールを取りに戻り,Gも一緒についていった。車に戻ってきて,被告人は「15万円ぐらい くて強盗などをするのかと思った。27日午前零時30分ころ,被告人が車から降りて被害者宅の方に向かった。少ししてバールを取りに戻り,Gも一緒についていった。車に戻ってきて,被告人は「15万円ぐらいしかなかった。」と言っていたが,盗んできたものとして,お札の他に小銭や切手も見た。この事件の時はずっと雨が降っていた。分け前はなかった。 イ(ア) A供述は,本件犯行時に被告人から下見に行くようなことを言われたものの,下見ではないと思った根拠,本件犯行時の共犯者の様子,犯行直後の被告人の言動など,その内容が明確で具体的かつ詳細であり,迫真的である。 (イ) また,Aは,窃取した物の中に小銭や切手もあったと供述しているが,これは,本件被害品の中に小銭や印紙が含まれていたことと合致する。また,Aの供述する犯行時の天候も客観的証拠と符合する。 (ウ) さらに,前記のとおり,Aは被告人と共謀して行った窃盗とそうでないものとを明確に区別していることから,他の事件と混同して供述しているとは認められず,ほかに,被告人を敢えて引っ張り込むほどの事情は認められない。 ウ以上を総合すれば,A供述の信用性は高いと認められる。 (3) 信用できるA供述によれば,本件犯行時刻ころ,被告人はA及びGと一緒に被害者宅にまで行ったこと,Gは下見ではなく実行行為を行う際に同行する人物であったこと,バールなどを犯行現場に持っていったこと,被告人は,Aの待つ車に戻ってきてから「15万円しかなかった。」と言ったことを認めることができる。 これらの事実からすれば,被告人とA及びGとの間で,本件建造物侵入,窃盗の共謀がなされ,被告人自身も実行行為を行ったと認められる。 7 判示第7の事実(以下「丸亀事件」という。)について(1) 丸亀事件に関して,被告人の犯人性を基礎づける証拠としては,共 造物侵入,窃盗の共謀がなされ,被告人自身も実行行為を行ったと認められる。 7 判示第7の事実(以下「丸亀事件」という。)について(1) 丸亀事件に関して,被告人の犯人性を基礎づける証拠としては,共犯者であるA,B及びCの各供述があるので,これらの供述の信用性について検討する。 (2) A供述Aは,概ね以下のとおり供述する。 窃盗をするか強盗をするかは被告人の判断で決まった。現金がありそうでセコムや犬がいなければ被告人の独断で強盗になった。被告人は,強盗の可能性のある民家は自分で見に行ったし,強盗か窃盗かの判断や,一緒にやってもらう中国人の仲間の決め方,分け前の分配の仕方など,どれも被告人が主導的に決めていた。平成15年12月に松山に行って以降,被告人の依頼でBに松山市内にマンションを探してもらった。2DKか3DKで家賃は6万円くらい,街中というのが被告人の希望だった。車もBに頼んで用意してもらった。被告人の希望はワンボックスで2000ccか2500cc以上のもので,安い車ということだったが,結局ホンダのレジェンドしか見つからず,それを20万円で被告人が買った。その車の車検は5月末までだった。そのほかに,エステ店を借りることもBに依頼した。平成16年1月下旬にBからいつ松山に来るのか聞かれたが,被告人が松山に行く時期を決めていたので,勝手に動くことはできなかった。同年2月11日に被告人と松山に行き,12日にマンションを見て回り,13日に賃貸借契約を締結した。被告人は事前にB名義の銀行口座に50万円を振り込んでおり,家賃等はそこから支払った。 また,賃貸借契約締結の際には,Cが不動産屋に行った。賃貸借契約を締結したその日のうちに,被告人はBと買い物に行き,家財道具を揃えた。13日か14日にはGも松山に来た。また,早い段階でバールも用意されて ,賃貸借契約締結の際には,Cが不動産屋に行った。賃貸借契約を締結したその日のうちに,被告人はBと買い物に行き,家財道具を揃えた。13日か14日にはGも松山に来た。また,早い段階でバールも用意されており,被告人は下見や実行行為に行くときはカーナビを使用していた。松山で買ったレジェンドには,2月15日か16日にカーナビをつけた。4月25日に被告人と飛行機で大阪から松山に行った。そのとき,自分は本名で,被告人は「AA」で航空券を取った。被告人の航空券を取るときは,いつもその名前で取っていたが,それは被告人から言われた名前であった。なお,場合によってGの航空券も一緒に取ることがあったが,そのときの航空券の搭乗者名は「BB」とか「CC」とか適当に自分で考えた名前だった。同月26日に被告人とBと自分の3人で被害者宅の下見に行った。被告人は,「こんなボロボロの家,お金あるの。大丈夫。」と言っていたが,Bは「大丈夫」と答えた。同月27日か28日に被告人と2人でもう一度被害者宅の下見に行った。1回目の下見の際に被害者宅をカーナビに登録していたので,それを使って行った。2回目は,午後8時ころの完全に日が暮れてからの下見だった。29日になって下見に使ったレジェンドが壊れたので,被告人の指示で修理に出し,Bに2台の車の用意を頼んだ。同日午後11時に,被告人が「行くか。」と言ったので,被告人,B,G,名前の分からない3人の中国人及び自分の合計7人で出発した。この事件では,被害者宅が留守になる状況が分かっていなかったので,強盗になると思っていた。自分はセルシオの運転手で,被告人とGが同乗した。Bがスターレットの運転手だった。2台の車は,セルシオ,スターレットの順番で走った。同月30日午前1時30分ころ,中国人らが車から降りていった。被告人とGは白色の軍手をして ,被告人とGが同乗した。Bがスターレットの運転手だった。2台の車は,セルシオ,スターレットの順番で走った。同月30日午前1時30分ころ,中国人らが車から降りていった。被告人とGは白色の軍手をしていて,被告人は普段からしているウェストポーチをつけていた。バールも車に積んでいたが,そのバールは2,3本で,直径2,3センチメートルくらい,長さが1メートルくらいの金属製の物であった。被告人以外の中国人のうち2,3人は野球帽を目深にかぶっていた。被告人から「何かあったら電話して。」と言われた。途中2回ほど被告人から電話があって,「金がない。」「やっぱり全然お金ない。」と言われたので,いずれの時もすぐにBに連絡した。車に戻ってきた被告人は,「家の中ボロボロ。お金ないでしょ,こんな家に。」と怒っていた。なお,被告人は,被害者宅から自分が待っていた車に戻ってくるときから足をひきずっており,「逃げるとき踏み外した。」と言っていた。帰りに車のリヤガラスの下に白色ビニール紐を見つけた。この事件での分け前はなかった。自分が連絡用に使っていた携帯電話の番号は,090-0000-0000であり,プリペイド式携帯電話の番号は090-1111-1111だった。Bの携帯電話の番号は090-2222-2222で,プリペイド式携帯電話の番号は080-3333-3333で,被告人の携帯電話の番号は平成16年5月末ころまでは090-4444-4444だった。 (3) B供述Bは,概ね以下のとおり供述する。 平成15年12月後半にAを介して被告人からワンボックスの中古車を探すように言われたが,普通車しか見つからず,結局その普通車を平成16年2月に被告人とAが松山に来たときに被告人が買った。2月11日か12日に自分が車を受取りに行き,●●ホテルに宿泊していたAの所に届けた。この車 れたが,普通車しか見つからず,結局その普通車を平成16年2月に被告人とAが松山に来たときに被告人が買った。2月11日か12日に自分が車を受取りに行き,●●ホテルに宿泊していたAの所に届けた。この車はカーナビを付けたが,車を何回か修理に出した上,4月29日にラジエーターが壊れて車屋に持ち込んで,そのままにしてある。車の話があった後の平成16年1月の後半にマンションを借りるように被告人からAを経由して頼まれた。2月11日に被告人とAが松山に来たので,12日に自分を含めた3人で,予めCと探しておいた複数の物件を見て回り,繁華街にあるマンションに決め,13日に賃貸借契約を締結した。その際のお金は,予め被告人に頼まれて自分名義の銀行口座を貸してあげており,そこに被告人から現金が振り込まれていたので,その現金から賃料等を支払った。賃借人はWという人間であった。被告人らは契約後すぐにマンションに入居した。その日のうちに被告人と家電製品などを買いに行った。Aもいたと思うが,はっきりしない。Gとも翌14日に2人で買い物に行った。なお,マンション以外に中国エステ店についても,1月10日前後にAから「U(被告人)の知り合いがエステ店をやるけど,名義貸してくれる人おらん。」と言われ,報酬があることと許可をもらって店をやることから,自分が名義を貸すことを承諾した。4月になって,被害者宅について,住所,高齢の夫婦2人のみという家族構成,冷凍食品会社の関係者の身内でヤミ金融をしていること,自宅に数千万円の現金があることなどの情報が入り,同月25日に被告人とAが松山に来て,翌26日に3人で被害者宅の下見に行った。同月29日,被告人から「友達が来るから空港まで迎えに行ってほしい。」と言われ,松山空港まで行った。3人来ると言われていたが,時間に少し遅れたので,1人は先 翌26日に3人で被害者宅の下見に行った。同月29日,被告人から「友達が来るから空港まで迎えに行ってほしい。」と言われ,松山空港まで行った。3人来ると言われていたが,時間に少し遅れたので,1人は先に松山市内に行ってしまったらしく,結局2人を車に乗せて被告人の元に連れて行った。そこで,Aから「今晩行くから,車を2台用意しておいてくれ。」と言われ,C及び実弟から1台ずつ車を借りた。同日,被告人から午後11時にマンションに来るように言われ,午後10時44分ころにマンションに着いた。本件では,家人がいつごろ留守になるという情報はなく,夜には人が在宅していることは常識であること,小野事件で強盗もあると分かっていたことから,今回も強盗をするんだと思った。午後11時ころ,被告人の合図で全員マンションの部屋を出て,上記2台の車に分乗した。自分は実弟から借りたスターレットを運転し,名前の分からない中国人3人を乗せ,Cから借りたセルシオはAが運転し,そこに被告人,Gらが乗った。同月30日午前1時ころに被害者宅近くに到着した。その後,1人になって20ないし30分ほど経ったころ,Aから電話があって,車を移動させた。それからも2回ほどAから電話があり,「U(被告人)が金ない言いよるぞ。」「ほんまにあるんか。」と言われた。2時ころに被告人らが戻ってきた。マンションに帰り着いたのは午前4時前ころだった。部屋で,被告人が「これだけしかなかった。7000円しかなかった。」と言った。被告人は貴金属類も持っていたが,「全部偽物。」と言いながらゴミ箱に捨てた。マンションに帰ってから,被告人が足を怪我していることに気が付いた。 (4) C供述Cは,概ね以下のとおり供述する。 平成15年12月中旬ころ,Bから電話でワンボックスカーの安い車がないか尋ねられたが,見つからず,Wから 被告人が足を怪我していることに気が付いた。 (4) C供述Cは,概ね以下のとおり供述する。 平成15年12月中旬ころ,Bから電話でワンボックスカーの安い車がないか尋ねられたが,見つからず,Wから他人名義の普通車のことを聞き,Bに伝えた。この件で報酬をもらった。結局,その車を被告人が買った。また,平成16年1月初めころには,エステ店の保証人をBから頼まれたところ,小金稼ぎができると思って引き受けた。この件でも報酬をもらった。その後,Bから「エステの従業員が住むマンションを探してほしい。」ということと賃借人の名義を誰かに貸してほしいということを頼まれた。上記Wを賃借人にして,自分は他の知り合いと保証人になることにした。金持ちの情報は平成15年12月初めころから断続的にBに流しており,総数は20件ぐらいになるが,そのうち,この事件の情報は,平成16年4月5日ころに流した。知人からヤミ金融等をしている者の話を聞いたら,この事件の被害者のことが出てきた。その知人から被害者の住所,氏名,家族構成等の情報を手に入れ,翌日くらいにBの携帯電話に電話して伝えた。被害者の住所,氏名等についてはBの携帯電話にメールもした。Bに流した情報のうち,自宅に現金を置いているという情報は嘘であった。Bから催促されていたのと,ヤミ金だから200万円か300万円くらいは置いてあると思ったので,そのように話した。同月26日の昼間に,Bから被害者宅への道順を電話で聞かれ,その後,被害者宅の確認の電話が入ったので,下見に行ったと確信した。そして,同月29日にBに車を貸した。このとき,Bからは「下見に行きたいから車を貸して。」と言われたと思う。 (5) A供述の信用性携帯電話の通話記録によれば,Aが被告人の番号であるとする090-4444-4444からA使用の090-0000 ,Bからは「下見に行きたいから車を貸して。」と言われたと思う。 (5) A供述の信用性携帯電話の通話記録によれば,Aが被告人の番号であるとする090-4444-4444からA使用の090-0000-0000の携帯電話に,平成16年4月30日午前1時51分及び同日午前2時09分の2回にわたり,架電歴があると共に,A使用の上記携帯電話からB使用の番号080-2222-2222のプリペイド式携帯電話に,同日午前1時53分及び同日午前2時12分に架電歴があることが認められるが,これはAの供述と合致する。 また,レジェンドの修理やマンションの賃貸借契約の締結日及び入居日についても,客観的裏付けがある。 さらに,A供述は,マンションを準備したときの状況,被害者宅の下見に行った時の状況,犯行時の被告人ら実行犯の言動,犯行から戻ってきた直後の被告人の言葉など,内容が明確で具体的かつ詳細であり,不自然,不合理な点は認められず,内容も一貫している。 また,中古車を購入したときの状況,マンションを準備したときの状況,本件被害者宅の情報,下見の時の状況,犯行時にBに電話をしたこと等について,B供述及びC供述とほぼ合致している。 加えて,本件についてもAが被告人を引っ張り込む原因となるような事情は認められない。 以上を総合すると,A供述の信用性は高いと認められる。 (6) B供述の信用性Bは,マンションの賃借人がWであると供述しているが,これは,電力供給契約の当事者がWであることと符合する。また,レジェンドの修理についても,客観的証拠と合致する。さらに,前記のとおり,本件犯行時にAから2回電話があったということについても,携帯電話の通話記録と合致する。 B供述は,車(レジェンド)やマンションを準備したときの状況,下見の時の様子,本件犯行時の状況等その供述内容は明確 犯行時にAから2回電話があったということについても,携帯電話の通話記録と合致する。 B供述は,車(レジェンド)やマンションを準備したときの状況,下見の時の様子,本件犯行時の状況等その供述内容は明確で具体的かつ詳細であり,不自然,不合理な点は認められない。 さらに,B供述は,車(レジェンド)やマンションを準備したときの様子,下見や本件犯行時の状況,共犯者との電話のやりとりの時期及び内容などについて,A供述及びC供述とほぼ合致している。 また,本件についてもBが被告人を引っ張り込む原因となるような事情は認められない。 以上を総合すると,B供述の信用性は高いと認められる。 (7) C供述の信用性C供述は,マンションの賃貸借契約を締結するに至った経緯,本件の被害者宅情報を入手した状況,Bへの情報の伝え方,下見の際にBから連絡があったときの状況,29日にBに車を貸したときの状況等,自己が関わった部分について,明確で具体的かつ詳細である。 また,マンションの賃借人をWにした旨の供述は,前記のとおり電気供給契約の当事者がWであることと符合する。 さらに,C供述は,車(レジェンド)やマンションを準備した状況,4月26日にBから被害者宅への道順を電話で聞かれたこと,同月29日にBに車を貸したことについて,A供述及びB供述とほぼ合致している。 そして,本件についても,Cが被告人を引っ張り込む原因となるような事情は認められない。 以上を総合すると,C供述の信用性は高いと認められる。 (8)アこれに対し,被告人は,捜査段階において概ね次のとおり供述する。 090-4444-4444の電話番号は,自分の携帯の電話番号ではない。平成16年2月にBらから強盗の話を持ちかけられて断った。4月にGから「一緒にやらなければならない。」と強く言われ,松山に来いと言われた。松山に -4444の電話番号は,自分の携帯の電話番号ではない。平成16年2月にBらから強盗の話を持ちかけられて断った。4月にGから「一緒にやらなければならない。」と強く言われ,松山に来いと言われた。松山には,AとGから電話が来て,「松山に行こう。」と言われ,Gから「ついてこい。」と言われたので,嫌々ながら行った。航空券はAが手配し,代金はGが支払った。「AA」という名前は知らない。松山では,GがBらに頼んで借りたマンションに2日くらい,エステ店で2日くらい寝泊まりした。その間に,A,B及びGと被害者宅の下見に行った。G,A,B及びGが呼んだ中国人3人と被害者宅に行った。この中国人らは,犯行前日にエステ店からマンションに行ったら,マンションに来ていた人々で,マンションでは寝ていたので,誰がどう相談したのか全く分からない。被害者宅の前で転び,家の中には入らなかった。待っていたら,Gが来て,「物がない。」と言ったので,Aに聞いたらと言ったところ,Gは自分の電話でAに連絡していた。自分はAに電話をしていない。松山のマンションに戻ってからも足が痛くて,2,3日はマンションにいて,その後,東京に帰ったと思うが,はっきりしない。なお,本件について,当初は被害者宅に行ったこともないと供述していたが,なぜ供述を変えたかについては,どう説明していいか分からない。また,犯行前日にコンビニエンスストアでガムテープ等と買った男としてビデオに映っているのは自分であるが,そのことについては思い出せない。 イ被告人の供述は,本件への関与という根幹部分について,捜査段階では,当初,全く関係ないと供述をしていたが,その後,実行行為は否認しつつ共謀は認めるとの供述に変遷させ,さらに当公判廷では窃盗の限度で認めると変遷させているところ,この供述の変遷について合理的理由は認められず 全く関係ないと供述をしていたが,その後,実行行為は否認しつつ共謀は認めるとの供述に変遷させ,さらに当公判廷では窃盗の限度で認めると変遷させているところ,この供述の変遷について合理的理由は認められず,被告人自身,捜査段階での供述の変遷について,「どう説明していいか分からない。」と供述しているほどである。 また,犯行時刻ころの電話の架電歴についても,捜査段階では,当初,自分はAに電話をしていないと供述していたが,通話記録を見せられるや,「Gと中国人1人が来て『金になるものがない。』と言ったので,見張り役のAに電話した。」などと供述を不合理に変遷させているほか,犯行前日のコンビニエンスストアのビデオ映像を見せられるや,「映像に映っているガムテープを買った男は自分である」と認めるものの,全く記憶にないと供述するなどし,前記犯行時のAへの架電については,「話した内容を覚えていないので,Gが電話したのかもしれない」と供述するなどしており,不自然というほかない。 以上の被告人の供述状況に鑑みれば,被告人の供述は信用できない。 (9) 信用できるA供述,B供述及びC供述によれば,被告人は,A及びBと被害者宅の下見に行き,その後,Aと2回目の下見に行ったこと,被害者宅の情報の中に家人が確実に不在となる時間帯についての情報は含まれていなかったこと,被告人の発言により共犯者が本件犯行に向かったこと,本件犯行は,通常は家人が在宅し,寝静まっている夜中に敢行されたこと,本件犯行時刻ころ,被告人が他の中国人らと一緒に被害者宅の方に行ったこと,本件犯行が行われている時間に,被告人がAに「金がない。」「ほんとに全然ない。」との電話を2回にわたりかけたこと,Aの待つ車に戻った被告人が,「お金全然なかった。」などと怒って言ったことを認めることができる。そして,これに,被告 被告人がAに「金がない。」「ほんとに全然ない。」との電話を2回にわたりかけたこと,Aの待つ車に戻った被告人が,「お金全然なかった。」などと怒って言ったことを認めることができる。そして,これに,被告人が,本件犯行の直前に,コンビニエンスストアでガムテープを購入しているところ,本件被害者宅に残されていたガムテープが,被告人がガムテープを購入したコンビニエンスストアで販売されているものと同種類のものと認められることを併せ考慮すれば,被告人とA,B,C,G及び氏名不詳者3名との間で,本件住居侵入,強盗の共謀がなされ,被告人自身も実行行為を行ったと認められる。 8 判示第8の事実(以下「弘前事件」という。)について(1) 弘前事件に関して,被告人の犯人性を基礎づける証拠としては,P及びQの供述があるので,これらの供述の信用性について検討する。 (2) P供述Pは,概ね次のとおり供述する。 自分はXと呼んでいた中国人に,盗みをするということで誘われた。40万円から50万円の分け前をもらえるとのことだった。そして,平成16年5月2日から3日にかけて,X及び被告人と一緒に被害者宅の下見に行った。1日の夜に被告人から「明日は自分も行くからよろしく」という内容の電話があったように思う。2日に横浜で自分の運転するハリヤー白色に2人を乗せて青森県方面に向かった。同日午前中に高速道路に乗り,首都高速から東北自動車道に入り,Xと被告人が操作したカーナビに従って進み,同日午後8時ころに大鰐弘前インターから東北自動車道を降り,そのままカーナビに従って被害者宅まで行った。実際の下見は,Xと被告人の2人が行った。2人が車を降りて少ししたら,被告人から電話がかかってきて,「見つかった。」と言った。2人が下見をしていた時間は,20分か30分ぐらいだった。下見に行った先が住宅 下見は,Xと被告人の2人が行った。2人が車を降りて少ししたら,被告人から電話がかかってきて,「見つかった。」と言った。2人が下見をしていた時間は,20分か30分ぐらいだった。下見に行った先が住宅街だったので被害者宅は会社等ではなく普通の家だろうと分かったこと,そうであれば人がいなくなる時間があまりないだろうこと,したがって,2人は強盗を考えているのかもしれないと思った。その後,青森市内に向かい,ホテルに宿泊しようとしたがどこも満室で,被告人に「飲んでつぶすか,マッサージに行こうか。」と言われたが,帰りも運転しなければならなかったので,誘いを断った。結局,△で1泊した。翌日の5月3日午前6時30分ころに健康ランドを出発し,青森インターから黒石インターまで東北自動車道を使い,被告人らは被害者宅をもう一度下見をした。明るい時間帯に改めて周囲の様子を見ると,被告人らが向かった先には普通の家しかなかったので,やはり強盗をしようとしているのかもしれないと思った。その後,大鰐弘前インターから東北自動車道に入り,首都高速を経て東京に帰った。同月9日の昼ころ,Xから電話で「青森に行くから,バールとバールを入れる1メートルくらいの袋を買っておいて。」と頼まれたので,バールを5本くらいとそれらを入れる袋を用意した。同月10日午前零時ころ,横浜に仲間が集まり,2台の車に分乗して再度青森県に向かった。この中に被告人もいた。自分はハリヤーの運転手であり,自分の車にXとGが乗った。トランクには前日買ったバールを積んでいた。被告人はもう1台の車(紺色)に乗った。横浜を出るときに,被告人に「前の車についてきて。」と言われた。自分の運転する車は後ろを走り,もう1台の車が前を走った。道順は,首都高速から東北自動車道に入り,青森県に入って,大鰐弘前インターに着いたのは同日 ときに,被告人に「前の車についてきて。」と言われた。自分の運転する車は後ろを走り,もう1台の車が前を走った。道順は,首都高速から東北自動車道に入り,青森県に入って,大鰐弘前インターに着いたのは同日午前8時ころだった。そこで,まず被害者宅周辺の下見をした。Xから「この家だよ。」と教えられたが,それは普通の家であったので,家人が居合わせれば強盗をするのだろうと思った。下見を終えると,浪岡インターから東北自動車道に入り,青森中央インターで高速道路を降り,△で5時間くらい休憩して,同日午後3時半ころ,被告人から,「場所言うから,ちょっと替わって。」と,日本人と電話をするよう頼まれた。 その日本人には,「黒石インターの出口で車で待ってるから。」と言われたので,その旨を被告人に伝えた。その日本人は,Qだった。青森インターから東北自動車道に乗って黒石インターに向かったが,被告人に言われて,このときは自分が運転するハリヤーが先を走った。同日午後4時30分ころに黒石インターに着き,その出口のところには,Qのベンツが止まっており,被告人が電話をしながらベンツに近づいていった。その後,被告人に「前の車についていってください。」と言われたので,Qが運転するベンツに付いて,ベンツ,ハリヤー,紺色の車の順で別荘に移動した。別荘では,Qが食べ物や飲み物を買ってきてくれ,自分は,Qと日本語で,ベンツの値段を聞いたところ,Qは「友達に譲ってもらった。200万くらいだった。」と答えた。その他,別荘が友達のものだとも言っていた。被告人は,被害者宅の情報についてQに確認しており,「金がいくらくらいあるのか」「家に何人くらいいるのか」などと日本語で聞いていた。Qは,この他に「Yさん」という言葉を口にしたこともあった。このような話しをした後,Qは1人で帰っていき,自分は,食事を がいくらくらいあるのか」「家に何人くらいいるのか」などと日本語で聞いていた。Qは,この他に「Yさん」という言葉を口にしたこともあった。このような話しをした後,Qは1人で帰っていき,自分は,食事をした後,被告人に「ベッドに寝たら。行くとき起こすから。」と言われたので,今晩被害者宅に侵入するんだと思って,被告人の指示どおりに寝た。同月11日午前零時ころに別荘を出発し,全員で被害者宅に向かった。分乗の仕方は今までと同じだった。被害者宅近くに着くと,Xに指示されたところに車を止め,Xに「何かあったら連絡して。」と言われた。X達が被害者宅に向かって10分くらい経ったころ,Xから電話があって「一番小さいバール持ってきて。」と言われたので,そのバールを持って被害者宅まで行き,Xにどこにいるのか電話で確認して,塀越しにバールを渡した。犯行時には途中でバールを被害者宅の前まで届けに行った以外はずっと車内にいた。1時間くらい見張りをしたころ,Xから電話で「家のところに来てくれ。」と言われたので,被害者宅前に車を移動させた。Xがハリヤーに乗ってきたとき,もう1台の紺色の車の運転手が逃げて行くのが見え,直後にGがハリヤーに乗ったとき,ミラー越しに被告人及び他の中国人2名が被害者宅の方から逃げてくるのが見えた。同日午前3時ころに大鰐弘前インターから東北自動車道に入ったが,このとき,間違えてETC専用の入口に入ってしまい,慌ててバックして一般の入口に回った。同日午前4時30分ころに花巻インターで東北自動車道を降り,一般道を通って仙台に行き,同日午前7時ころにXとGを車から降ろした。花巻から仙台に行く途中の橋の上から,Xの指示により,バール等の本件犯行に関する物を捨てた。本件について自分は分け前をもらっていない。Xに分け前をくれるように話したが,Xから「被告人に ら降ろした。花巻から仙台に行く途中の橋の上から,Xの指示により,バール等の本件犯行に関する物を捨てた。本件について自分は分け前をもらっていない。Xに分け前をくれるように話したが,Xから「被告人に連絡が取れないので分け前を渡せない。」と言われた。 (3) Q供述Qは,概ね以下のとおり供述する。 平成16年4月10日ころ,Rと2人で,自分が運転する自動車で,青森市内で新たなエステ店の開店場所を探していたところ,その車内において,Rにパチンコの良い体感器がないかを尋ねたところ,Rが「パチンコもあるし,泥棒もあるし,それよりお金ある社長の家分からないか。」と言ってきたので,自分は,家には人がいるから,Rは中国人の強盗団と一緒に強盗をやるつもりかと思った。自分は,そのときは「あるよ。」とだけ答えたが,その後も電話やエステ店でRから金持ちの社長の家を教えるよう催促されたので,自分の知り合いであるS宅を教えることにし,同月下旬ころ,Rが経営するエステ店が入っている建物の2階で,住宅地図を見せ,被害者宅を指し示して教えた。Rは,住宅地図を見ながら,その住所を携帯電話に登録した。同時に,Rから被害者宅の電話番号を聞かれ,自分の携帯電話に登録してあった被害者の電話番号を見せると,Rは,それを同人の携帯電話に登録した。このほか,Rから,「家にセコム付いている。」「犬いる。」と聞かれ,「自分の知っている限りではセコムは付いていないし,犬もいない。」と答えた。また,「家族何人いる。」と聞かれたのに対し,「2人」と,「地下室ある。」と聞かれたのに対し,「ない。」と答え,「お金どこにある」と聞かれたので,かつて自分がSに現金を借りたときの状況を思い出し,「台所の野菜のところ」と答えた。さらに,Rから「休む場所ないか。」と聞かれたので「ある。」と答えた。このことに ,「お金どこにある」と聞かれたので,かつて自分がSに現金を借りたときの状況を思い出し,「台所の野菜のところ」と答えた。さらに,Rから「休む場所ないか。」と聞かれたので「ある。」と答えた。このことに関し,Rは「会うは駄目。」と言ったので,何かあったときに捕まる可能性が強いので,実行犯と会うのは駄目だと言ったのだと思った。このように,Rから被害者宅のことをいろいろと聞かれたので,やはりRは強盗グループの仲間であるという思いを強めた。その後,5月になって,Rからプリペイド式携帯電話を渡され,「今度からこれで連絡する。」と言われた。このとき,Rも自分用のプリペイド式携帯電話を持っていた。 このことから,自分がRに教えた情報は,Rから実行犯グループに伝わっていて,実行犯グループが被害者宅で強盗をする日も近いと思った。また,このころ,Rから,「25パーセントもらって,Qさん15パーセント,私10パーセント。ただは駄目。」といった分け前に関する話もされた。また,Rから,被害者宅が大きい家であることや黒い車があることなどを言われ,それが実際と合致していたため,Rの仲間が被害者宅の下見に行ったと思った。同月10日午後2時か3時ころ,Rのプリペイド式携帯電話から自分のプリペイド式携帯電話に電話があり,「休むところある」と聞かれたので,友人から借りていた黒石市の別荘を提供することにした。Rは,実行犯グループがこれから向かうと言ってきたので,自分は東北自動車道黒石インターチェンジで待っている旨告げた。Rからは車も用意するよう頼まれたが断った。同日午後4時30分ころ,黒石インターチェンジで実行犯グループと待ち合わせをし,休憩場所の別荘に案内した。別荘内では,Pと車や別荘の所有者について話をしたほか,被告人から日本語で,「セコム付いてるか。」と聞かれ,自分と被告 石インターチェンジで実行犯グループと待ち合わせをし,休憩場所の別荘に案内した。別荘内では,Pと車や別荘の所有者について話をしたほか,被告人から日本語で,「セコム付いてるか。」と聞かれ,自分と被告人との関係と言えば被害者宅に対する強盗の計画での仲間であるという関係以外なかったので,被害者宅のことであると分かり,自分が親しくしていたときの被害者宅の状況から「ついていないと思う。」と答えた。続けて被告人から「犬いるか。」と聞かれたので,これにも前の質問と同じ理由から「いないと思う。」と言った。被告人は,さらに,「増築したところは新築か。」,「金庫あるか。」,「いくらくらいあると思う。」と聞いてきたので,前2者の質問にはいずれも「分からない」と答え,最後の質問には,被害者が以前自分に100万円をその場ですぐに貸してくれたことから500万円ぐらいは家にあると思い,500万円という意味をこめて,黙ったまま被告人に対して片手を開いて5本の指を立てて示した。そのほか,自分から,別荘の鍵をテーブルの上に置き,被告人に対して「鍵はポストの中に入れておけ。」と言ったところ,被告人が「ゴミはどうすればいい。」と聞いてきたので,「後で俺が片づけるから,そのままでいい。」と言って,別荘を立ち去った。本件犯行後,Rに電話をしたところ,Rから「仲間は仙台から電車で帰った。」と言われた。自分は被害者と知り合いなので,必ず警察は自分のところに来るし,携帯電話の発信履歴からRとの通話履歴が分かってしまい,自分にも捜査の手が伸びると思い,同月11日,Rのプリペイド式携帯電話を取り上げ,Rから渡された自分のプリペイド式携帯電話と共に自分が処分した。Rは,電話の履歴について,「エステ店の経営権についてのトラブルの話をしていたことにしよう。」と言った。 (4) P供述の信用性P げ,Rから渡された自分のプリペイド式携帯電話と共に自分が処分した。Rは,電話の履歴について,「エステ店の経営権についてのトラブルの話をしていたことにしよう。」と言った。 (4) P供述の信用性P供述は,犯行当日の高速道路利用状況については,平成16年5月10日午前1時27分に浦和料金所を通り,同日午前8時11分に大鰐弘前料金所から東北自動車道を降りた車両の高速道路通行券からPの指紋が検出されたこと,ハリヤーの前を黒色の車が両料金所を通っていたことと概ね合致する。 また,一旦被害者宅の下見をした後,紺色の車に付いて浪岡インターから東北自動車道に再び乗り,青森中央インターで降りたとの供述についても,同日午前9時41分に浪岡料金所を通過し,同日午前9時53分に青森中央料金所から高速道路を降りた車両の高速道路通行券からPの指紋が検出されていること及びビデオテープに録画された2台の車両の走行順序と合致している。 そして,Qと黒石インター出口で待ち合わせをするために,ハリヤー,紺色の車の順で青森インターから東北自動車道に入り,5月11日午後4時30分ころに黒石インターを降りたとの点についても,同時刻ころにハリヤー,黒色の車の順に黒石料金所を通過していること及び同日午後4時09分に青森料金所から東北自動車道に入り,4時27分に黒石料金所から同高速道路を降りた車両の高速道路通行券からPの指紋が検出されたことと合致する。 さらに,犯行後にハリヤーを運転して大鰐弘前インターから東北自動車道に入り,花巻で同高速道路を降りたこと及び大鰐弘前インターでは間違ってETC専用レーンに入ってしまったとの点についても,高速道路通行券の時間及び犯行直後の時間に大鰐弘前インターでETC専用レーンからバックするハリヤーのビデオ映像と合致する。 携帯電話の通話記録によれば,5月 レーンに入ってしまったとの点についても,高速道路通行券の時間及び犯行直後の時間に大鰐弘前インターでETC専用レーンからバックするハリヤーのビデオ映像と合致する。 携帯電話の通話記録によれば,5月1日午後9時48分に,被告人使用と認められる携帯電話番号(090-4444-4444。なお,本件犯行時に被告人がこの番号の携帯電話を使用していたことは,この番号を使用している人物の移動状況が,A,B,Pの供述から見られる被告人の移動状況とほぼ合致すること及び前述のA供述から認められる。)からP使用の携帯電話番号(090-5555-5555)へ架電歴があると共に,同月2日午後8時32分に,被告人使用の上記携帯番号からP使用の上記携帯電話番号へ架電歴があること,同月10日午後4時28分に被告人使用の上記携帯電話番号からQ使用の携帯電話番号(080-6666-6666)に架電歴があることが認められるが,これはPの供述と符合する。 また,PとQは,本件まで面識がないところ,P供述は,Q供述と,別荘についての電話のやりとり,別荘内での被告人及び他の共犯者らの言動等,2人が同時に関与している部分においてほぼ合致している。 さらに,Pの供述は,被害者宅の下見の状況,その後バール等を準備した時の状況,犯行直前の自己及び共犯者らの様子,犯行時の状況,犯行後の逃亡の様子など,その内容が明確で具体的かつ詳細であり,不自然,不合理な点は見られず,内容も一貫している。 以上を総合すると,P供述の信用性は高いと認められる。 (5) Q供述の信用性Q供述は,Rから犯行を持ちかけられた経緯及び状況,被害者宅についてRに教えた情報の内容,それらの情報をRに教えたときのRの様子,別荘を用意するに至った経緯,別荘内でのPや被告人とのやりとりの様子など,核心部分について全体として具体 経緯及び状況,被害者宅についてRに教えた情報の内容,それらの情報をRに教えたときのRの様子,別荘を用意するに至った経緯,別荘内でのPや被告人とのやりとりの様子など,核心部分について全体として具体的で詳細な供述をしており,反対尋問でも揺るいだ様子は見られず,不自然,不合理な点は特に見られない。 また,携帯電話の通話記録によれば,Qは,同年4月からほぼ毎日のように自己の携帯電話からRの携帯電話に架電していたが,同年5月3日以降は13日まで発信履歴がないこと,情報提供役のQがRに被害者宅の情報を教えた同年4月下旬以降,Rから実行犯グループへの発信履歴がないこと,QがRのものとするプリペイド式携帯電話とRから渡されたとする自分のプリペイド式携帯電話を処分した同年5月11日以降,Qのプリペイド式携帯電話からの発信履歴がないこと,同年5月10日午後3時ころ,Qのプリペイド式携帯電話からRのものとするプリペイド式携帯電話及び被告人のプリペイド式携帯電話への発信履歴があること,同日午後4時30分ころにも,Qの前記携帯電話に被告人からの発信履歴があることが認められ,Q供述は,概ね通話記録と合致している。 そして,同年5月10日に黒石インターでの待ち合わせについて電話をしたこと及びその日時,休憩場所の別荘において,QがPとQの車の値段や別荘の所有者の話をしたこと,Qが被告人と被害者宅の防犯体制等について話をしたこと,Qが「Y」という中国人の名前を出したことなどについて,Qの供述とPの供述は概ね一致している。 また,Qの当公判廷における証言は,同人の判決後の証言であり,自己の刑責を免れるあるいは軽くするためにことさら虚偽の供述をすることは考えにくい上,被告人を引っ張り込むような事情は,本件全証拠からも認められない。 以上を総合すると,Q供述の信用性は高いと認 り,自己の刑責を免れるあるいは軽くするためにことさら虚偽の供述をすることは考えにくい上,被告人を引っ張り込むような事情は,本件全証拠からも認められない。 以上を総合すると,Q供述の信用性は高いと認められる。 (6) これに対し,被告人は,Zから窃盗をするということで誘われ,何もしなくても一緒に来るだけで自分の取り分から分け前をあげるからと言われて,他の中国人らと共に車で弘前に来たが,丸亀事件で足をくじいていたので被害者宅には入らず,車の中で待っていただけであるが,犯行後に被害者が死んだかもしれないと言われて,急いで被害者宅に入り,救命措置をしたと弁解する。 しかし,犯行において何の役割も分担せず,ただその場に一緒にいるだけで,Zなる人物が自分の取り分を削ってまで被告人に分け前を与えるというのは,不自然,不合理と言わざるを得ず,また,足をくじいて被害者宅に入れないほどであるのにもかかわらず,わざわざ東京方面から弘前市内まで,何もしないのに本件共犯者らに同行すること自体不自然であるというほかない。 したがって,被告人の供述は信用できない。 (7) 信用できるP供述及びQ供述によれば,被告人について,事前に「X」なる中国人及びPと3人で被害者宅の下見を行っており,その際Pと電話で話をしていること,犯行前日に他の実行役の中国人らと共に青森県内に来て,黒石インター出口で自ら電話でQと話し,Qが提供した黒石市内の別荘を午後の遅い時間に休憩場所として使用し,そこで被告人がQに対して被害者宅の防犯体制,金庫の保管場所,被害者宅にあると思われるおおよその現金の額等について質問したこと,その際,本件被害者宅が確実に留守になる時間帯についての情報はなかったこと,犯行時に実行犯グループと一緒に被害者宅まで行ったこと,被告人が本件犯行直後に被害者宅の方から逃げてき ついて質問したこと,その際,本件被害者宅が確実に留守になる時間帯についての情報はなかったこと,犯行時に実行犯グループと一緒に被害者宅まで行ったこと,被告人が本件犯行直後に被害者宅の方から逃げてきたことを認めることができ,また,被告人自身,後述のとおり,本件犯行当日,他の中国人と共に被害者宅に車で赴いたこと及び理由はどうあれ被害者宅に入った事実については認めていることを併せ考慮すると,被告人は,本件住居侵入及び強盗について,Q及びPらと共謀し,かつ,被告人自身実行行為を行ったと認めることができる。 (量刑の理由)本件は,被告人が,共犯者である日本人の名前で偽造パスポートを取得し(判示第1の犯行),日本各地において他の中国人及び日本人と共に民家や事務所に侵入して,窃盗や強盗を行い,強盗に際して,被害者4名に傷害を負わせ,1名を死亡させた(判示第2ないし第8の犯行)事案である。 判示第1の犯行は,有効なパスポートを所持していなかった被告人が,判示第2以下の犯行後,あるいはその合間に,一旦日本国外に出国して身を隠し,相当期間経過後に再び本邦に入国することを可能にするために日本人名義のパスポートを取得したものであり,実際に判示第2以下の各犯行の合間を縫って3回ほど中国に出国している。判示第2ないし第8の各犯行は,中国人を中心とする犯罪集団による組織的犯行で,情報提供者,運転手役,実行役と役割分担を行い,事前に下見をし,侵入や金庫を開けるためのバール,家人を緊縛するための粘着テープやビニール紐等を予め用意するなど,計画的で周到に準備した上で敢行された犯行である。本件各犯行による被害額総額は約9000万円と多額であり,判示第2,第5,第7及び第8の各事件においては寝室等で就寝中であった被害者らをいきなりビニール紐等で緊縛し,顔面を気密性の高いガムテ である。本件各犯行による被害額総額は約9000万円と多額であり,判示第2,第5,第7及び第8の各事件においては寝室等で就寝中であった被害者らをいきなりビニール紐等で緊縛し,顔面を気密性の高いガムテープ等で覆った上,生命に危険を及ぼすような言葉を使って現金等の財物の在処を聞き出しており,その犯行態様は被害者らの生命,身体に危険が及ぶ可能性の高い犯行であって,悪質であり,これにより被害者4名に傷害を負わせ,1名を死亡させたもので,本件犯行の結果は重大である。本件各被害者らには,各被害を受けるような落ち度はなく,特に,被害者Sは,自ら会社を興して発展させたものであり,会社経営が安定し,家族とのくつろぎの時間をようやく持てるようになった矢先の惨事で,人生半ばで命を奪われることとなった無念さは察するに余りある。いずれの被害者及び遺族の被害感情及び処罰感情が大きいのも当然である。被告人は,本件犯行をほぼ主導的に行ったにもかかわらず,自己の刑責を免れるため犯行への関与を一切否定したり,不合理な弁解をしている。 以上からすれば,被告人の刑責は重大であり,被告人の行為は厳しく非難されなければならず,本件被害者らの傷害の程度が比較的軽いものであること,被告人は自己が関わったと認めている限度では反省の言葉を述べていること,少額ながら一部の被害者に弁償をしていること,これまで本邦における前科前歴がないことなど被告人に有利な事情を最大限考慮しても,主文掲記のとおり無期懲役刑をもって臨むのが相当であると判断した。 (求刑無期懲役)平成18年1月20日宣告青森地方裁判所刑事部裁判長裁判官髙原章裁判官室橋雅仁裁判官香川礼子 方裁判所刑事部裁判長裁判官髙原章裁判官室橋雅仁裁判官香川礼子
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