主文 本件即時抗告を棄却する。 理由 第1弁護人の即時抗告の趣旨及び理由基本事件について行われた平成19年12月13日の第9回公判前整理手続期日において,被告人が,「①平成19年5月23日大阪地方検察庁で行われた精神科医による被告人精神診断の診断書,②その場にいた検察官の取調状況などの報告書」の開示の裁定を請求したところ,大阪地方裁判所堺支部は,同期日において,①の証拠は存在せず,②の証拠は必要性がないとして上記請求を棄却する旨の決定をした。しかしながら,①の証拠が存在しないことはありえないし,②の証拠は被告人の防御にとって極めて重要なものである。したがって,原決定は不当であるから,これを取り消した上,検察官は弁護人に対し①及び②の証拠の開示をせよとの裁判を求める。第2即時抗告理由に対する判断本件公訴事実の概要は,被告人が,原動機付自転車で走行中の被害者に対し,その頸部に掴みかかり,地面に押し倒した上,仰向けになった同人の上にまたがって,その頸部を両手で強く絞め付けるなどの暴行を加えて傷害を負わせたという傷害の事案である。一件記録によると,本件基本事件の第9回公判前整理手続期日において,公訴権濫用に該当する違法な身柄拘束及び違法な取調べの有無,被害者に対する有形力行使の有無及びその態様,被害者の受傷との因果関係,正当行為の成否などの争点が確認されているところ,このなかには,被告人の精神状態あるいは被告人の供述調書の任意性は挙げられていない(もっとも,検察官申請の被告人の供述調書に対しては任意性を争うとの証拠意見が出されている)こと,従前弁護人から同趣旨の証拠開示請求がなされており,検察官は捜査報告書(同年5月23日付け検察事務官作成のもの)を任意開示していたこと,第9回公判前整理手続期日において,検察官は,①の証拠は存在せず 従前弁護人から同趣旨の証拠開示請求がなされており,検察官は捜査報告書(同年5月23日付け検察事務官作成のもの)を任意開示していたこと,第9回公判前整理手続期日において,検察官は,①の証拠は存在せず,②の証拠も上記開示済みのもののほかは存在しないと回答していることなどの事実が認められる。 ①の証拠について検討すると,弁護人は,上記任意開示にかかる捜査報告書からみて①の証拠(診断書)が存在していないことはあり得ないと主張しているが,医師の診断の都度診断書が作成されるはずであるとはいえなし,上記捜査報告書の内容も明らかでなく,①の診断書の存在が明らかであるとはいえない。本件の事案内容,確認された争点の内容等からみて,上記検察官の回答を疑う事由はなく,①の証拠はないとした原決定の認定に誤りはない。次に②の証拠についてみると,上記開示済みの捜査報告書のほかに該当する証拠が存在すると窺う事由は認められない。弁護人は,精神科医師の診断に捜査官が立ち会ったとし,そうであればその際の医師との問答も取調べと異ならないから報告書の作成が義務付けられていると主張しているが,独自の見解であって到底採り得ない。また,弁護人は,②の証拠中には,検察官が,被告人の供述の真実性を明らかにするための裏付け捜査を指示したとの記載があるのではないかと主張しているが,上記確認された争点との関連性は明らかでなく,この証拠が被告人の防御にとって重要であるとも認め難い。そうすると,そもそも②の証拠について証拠開示の必要性がないとした原決定に誤りがあるとはいえない。以上のとおり,原決定は相当で,本件即時抗告には理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり決定する。第3適用法令刑事訴訟法426条1項(裁判長裁判官・島敏男,裁判官・小島正夫,裁判官・細谷泰暢) で,本件即時抗告には理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり決定する。第3適用法令刑事訴訟法426条1項(裁判長裁判官・島敏男,裁判官・小島正夫,裁判官・細谷泰暢)
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