昭和59(行ウ)65 法人税更正処分取消等請求事件

裁判年月日・裁判所
昭和62年3月16日 東京地方裁判所 租税
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【DRY-RUN】- 1 - ○ 主文 一 原告の請求を棄却する。 二 訴訟費用は原告の負担とする。 ○ 事実 第一 当事者の求めた裁判 一 請求の趣旨 1 被告が昭和五七年九月二八日付けでした原告の昭和五四年一二月一

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- 1 -○ 主文一原告の請求を棄却する。 二訴訟費用は原告の負担とする。 ○ 事実第一当事者の求めた裁判一請求の趣旨1被告が昭和五七年九月二八日付けでした原告の昭和五四年一二月一日から昭和五五年一一月三〇日までの事業年度の法人税についての更正のうち、所得金額一七五万五三五五円(税額四九万一四九九円)を超える部分及び課税土地譲渡利益金額四四七万一〇〇〇円()。 税額八九万四二〇〇円を超える部分並びに過少申告加算税の賦課決定処分を取り消す2訴訟費用は被告の負担とする。 二請求の趣旨に対する答弁主文同旨第二当事者の主張一請求原因1原告の昭和五四年一二月一日から昭和五五年一一月三〇日までの事業年度(以下「本」。)(「」。)、件係争事業年度というの法人税についての確定申告以下本件確定申告という更正の請求(以下「本件更正請求」という、その他課税、不服申立て等の経緯は別表。)のとおりであり(なお、別表の番号10の更正・決定が本件における係争の更正及び過少申、「」「」。)、告加算税の賦課決定でありこれらを以下それぞれ本件更正又は本件決定という原告は、本件更正に対して適法に不服申立てを経由している。 2しかし、本件更正のうち、所得金額一七五万五三五五円(税額四九万一四九九円)及び課税土地譲渡利益金額四四七万一〇〇〇円(税額八九万四二〇〇円)をそれぞれ超える部分並びに本件決定に不服があるので、不服部分の取消しを求める。 二請求原因に対する認否請求原因1の事実は認め、同2は争う。 三抗弁1原告の本件係争事業年度の所得金額四〇八万六八二〇円(一)原告の申告所得金額〇円(二)売上原価の過大計上額二七万五〇〇〇円(1)原告は、不動産売買仲介業を営んでいる会社であるところ、昭和 告の本件係争事業年度の所得金額四〇八万六八二〇円(一)原告の申告所得金額〇円(二)売上原価の過大計上額二七万五〇〇〇円(1)原告は、不動産売買仲介業を営んでいる会社であるところ、昭和五五年一〇月二日に、次表に記載の土地及び建物(以下「本件物件」という)を一括して聖光電気株式。 会社(以下「聖光電気」という)から、売買代金五二八〇万円で買い受けた。 。 ()、(「」2原告は本件物件のうちのA土地及びA建物以下これらを総称してA土地等。)、、。 というを昭和五五年一一月五日にAに対して売買代金四七〇〇万円で売り渡した(3)ところで、原告は、本件確定申告において、本件物件の取得価額に次の(1)ないし(5)の額を算入し、これを合計五七二〇万一四七一円と算定した。 - 2 -(1)購入代金五二八〇万円(2)修繕費一五〇万円(3)公租公課一三九万五五一〇円(4)支払利子一三一万一九三一円(5)交際接待費一九万四〇三〇円そして、原告は、本件確定申告において、本件物件の取得価額をA土地等に係る取得価額とB土地及びB建物(以下これらを総称して「B土地等」という)に係る取得価額とに。 配分するに当たり、A土地等に六五パーセント、B土地等に三五パーセントとして配分した結果、A土地等の取得価額を三六四八万〇九五六円(ただし、五七二〇万一四七一円に六五パーセントを乗じた正しい額は三七一八万〇九五六円で七〇万円の計算違いがある)。 と算定した。 (4)本件物件の取得価額のA土地等に係る配分割合は、これを妥当なものとして採用できるものである。しかし、右(2)に算入した修繕費の額一五〇万円(以下右の修繕費「」。)、、を本件修繕費というはB建物の内外装工事のために要した費用 は、これを妥当なものとして採用できるものである。しかし、右(2)に算入した修繕費の額一五〇万円(以下右の修繕費「」。)、、を本件修繕費というはB建物の内外装工事のために要した費用の額であるからB建物のみの取得価額に算入されるべきであつて、A土地等の取得価額に算入されてはならない。したがつて、A土地等の取得価額は、本件物件の取得価額として申告されている五七二〇万一四七一円から右修繕費一五〇万円を除外した金額の六五パーセントである三六二〇万五九五六円と算定するのが相当である。 よつて、原告がA土地等の取得価額と算定した三六四八万〇九五六円と同土地等の取得価額の正当額三六二〇万五九五六円との差額二七万五〇〇〇円については、過大に損金の額に算入しているものであるから、同金額を原告の申告所得金額に加算すべきである。 (三)修繕費の損金否認額一五〇万円(1)原告は、右(二(4)に述べたB建物の内外装工事のために要した費用である)本件修繕費の額一五〇万円を右(二(3)のとおり本件物件の取得価額に算入するととも)に、一般管理費の修繕費勘定にも計上して、本件係争事業年度の損金の額に算入している。 (2)ところで、原告は、本件係争事業年度の確定決算に当たり、B土地等の取得価額を二〇七二万〇五一五円(前記1(二(3)の本件物件の取得価額五七二〇万一四七一)円からA土地等の取得価額三六四八万〇九五六円を控除したもの)と算定して、これを貸借対照表の資産の部に「たな卸資産」として計上し、本件係争事業年度の翌事業年度である昭和五五年一二月一日から昭和五六年一一月三〇日までの事業年度において、B土地等の全部をBに対して代金二二六〇万円で売却した旨の会計処理をしている。 (3)したがつて、B土地等は、法人税法二条二一号、同法施行令一〇条 日から昭和五六年一一月三〇日までの事業年度において、B土地等の全部をBに対して代金二二六〇万円で売却した旨の会計処理をしている。 (3)したがつて、B土地等は、法人税法二条二一号、同法施行令一〇条一号に定める「たな卸資産」に該当するところ、本件修繕費は、同施行令三二条一項一号口に基づきB建物の取得価額に算入すべきであつて、本件係争事業年度一般管理費としての損金の額に算入することはできないものである。よつて、原告が一般管理費の修繕費勘定に計上した- 3 -金一五〇万円については、これを原告の申告所得金額に加算すべきである。 (四)公租公課の損金否認額一三九万五五一〇円及び支払利子の損金否認額一三一万一九三一円(1)原告は、本件物件の取得に係る不動産取得税及び登録免許税(以下「本件公租公課」という)の合計額一三九万五五一〇円につき、これを右(二(3)のとおり本件。 )物件の取得価額に算入したほか、右金額を一般管理費の公租公課勘定にも計上し、本件係争事業年度の損金の額に算入した。 しかし、右不動産取得税及び登録免許税の額は、不動産の取得に伴う経費の額として当該(。 、不動産の取得価額に算入されるべきものである法人税法施行令三二条一項一号イなお五四条一項一号イ参照。したがつて、これらは本件物件の取得価額に算入されるべきで)あつて、本件係争事業年度の一般管理費の公租公課勘定の額に算入することができない。よつて、右金額を原告の申告所得額に加算すべきである。 ()、、(「」2また原告は本件物件のために要した借入金の利子の額以下本件支払利子という)一三一万一九三一円についても、これを右(二(3)のとおり本件物件の取。 )得価額に算入したほか、右金額を一般管理費の支払利息勘定に計上して、本件係争事業年度の損金の 以下本件支払利子という)一三一万一九三一円についても、これを右(二(3)のとおり本件物件の取。 )得価額に算入したほか、右金額を一般管理費の支払利息勘定に計上して、本件係争事業年度の損金の額に算入した。 しかし、本件支払利子の額は、たな卸資産たる本件物件の購入のために要した費用であるから、本件物件の取得価額に算入されるべきものである(法人税法施行令三二条一項一号イ。したがつて、本件支払利子の額は、本件係争事業年度の一般管理費の支払勘定の額)に算入することができない。よつて、右金額を原告の申告所得額に加算すべきである。 (3)なお、原告は、本件公租公課及び本件支払利子(以下「本件公租公課等」という)について法人税基本。 通達(以下「基本通達」という)五-一-一の二により期間費用として選択したものと主。 張するしかし、およそ法人が二つの会計処理のうち一つを選択したというためには、そのいずれかのうち一つにより処理し、残余を排することが必要であり、そうでない場合は、選択の名に値しないことは自明であつて、かかる場合は、原則に立ち帰り、本件公租公課等は本件物件の取得価額に算入されるべきものである。 (4)また、原告は、本件公租公課等を取得価額として計上したことが錯誤であると主張する。 しかし、原告の本件係争事業年度の翌事業年度における会計処理によつても、同期間中に売却されたB土地等について公租公課、支払利子を取得価額に計上しているのである。企業会計は、継続性の原則が存するのであり、本件係争事業年度においても、本件公租公課等を本件物件の取得価額に算入するとの選択を自らしているとみるべきである。 - 4 -(五)福利厚生費の損金否認額八万円(1)原告は、昭和五五年一〇月二三日と同年一一月二五日に各四万円合計八万円を旅行積立金と 価額に算入するとの選択を自らしているとみるべきである。 - 4 -(五)福利厚生費の損金否認額八万円(1)原告は、昭和五五年一〇月二三日と同年一一月二五日に各四万円合計八万円を旅行積立金として、これを福利厚生費勘定に計上し、本件確定申告において、本件係争事業年度の損金の額に算入している。 (2)ところで、右各支出金は、いずれも同栄信用金庫大井支店の有限会社カツミ不動産旅行会B名義及び同C名義の二口の積立預金に預けられていたものである。 (3)したがつて、右金額は原告の経費として支出された事実が存在しないものであるから、本件係争事業年度の損金の額に算入されるべきものではない。よつて、右金額は原告の申告所得金額に加算すべきである。 (六)繰越欠損金の当期控除額原告が、本件係争事業年度の所得金額の計算上控除しうる繰越欠損金の額として前事業年度から繰り越してきた金額は三六一万五九四六円であり、このうち原告が申告所得金額の計算上控除した金額は三一四万〇三二五円であるから、その差額四七万五六二一円を原告の申告所得金額から減算する。 ()、、()()()七したがつて原告の本件係争事業年度の所得金額は一に二ないし五を加算して(六)を減算した四〇八万六八二〇円である。 2原告の本件係争事業年度の課税土地譲渡利益金額九八四万二二九五円(一)A土地の譲渡収入金額四一八三万四四五五円(1)A土地等の譲渡収入金額四七〇〇万円原告は、前記1(二(1)のとおり、昭和五五年一〇月二日に聖光電気から本件物件を)買い受け、同(2)のとおり、同年一一月五日本件物件のうちのA土地等をAに対して売買代金四七〇〇万円で売り渡した。 ()、、()2A土地の譲渡収入金額は右のA土地等の譲渡収入金額四七〇〇万円に後記 同(2)のとおり、同年一一月五日本件物件のうちのA土地等をAに対して売買代金四七〇〇万円で売り渡した。 ()、、()2A土地の譲渡収入金額は右のA土地等の譲渡収入金額四七〇〇万円に後記二(()())(()())で主張するA土地等の譲渡原価の額二1の中でA土地の譲渡原価の額二3が占める割合を乗じてこれを算定すると、四一八三万四四五五円となる。 (二)A土地の譲渡原価の額三一四六万七七〇〇円(1)A土地等の譲渡原価の額三五三五万三二〇一円本件物件の譲渡原価の額に相当する金額は、購入代金の額である前記1(三(1)の五)二八〇万円に前記本件公租公課の額一三九万五五一〇円及び交際接待費の額一九万四〇三〇円を加算した金額である(なお、支払利子については、後記(三)で考慮されるべきである。これを前記1(二(4)のとおり六五対三五の配分割合で区分計算すると、A土。))地等の譲渡原価の額は三五三五万三二〇一円となる。 (2)A建物の譲渡原価の額三八八万五五〇一円A建物は、昭和三八年一二月ごろ新築された木造建物であつて、原告が取得した時までに一五年以上経過している。そこで、A建物の価額は、建設省計画局の統計数値によつて算定されるA建物の昭和五五年当時の再調達価額である一四六六万二二七〇円を基礎として、- 5 -これに新築後一五年を経過した場合の定率法による減価償却の未償却残額割合である〇・二六五を乗じた三八八万五五〇一円と算定した。 (3)したがつて、A土地の譲渡原価の額は(1)から(2)を控除した三一四六万、七七〇〇円となる。 (三)負債利子の額三一万四六七六円並びに販売費及び一般管理費の額二〇万九七八四円(1)原告は、本件確定申告に当たり、課税土地譲渡利益額の計算上、その控除すべ 一四六万、七七〇〇円となる。 (三)負債利子の額三一万四六七六円並びに販売費及び一般管理費の額二〇万九七八四円(1)原告は、本件確定申告に当たり、課税土地譲渡利益額の計算上、その控除すべき負債利子の額並びに販売費及び一般管理費の額につき、租税特別措置法施行令三八条の四第六項に定めるいわゆる概算法によつて計算している。そして、同項の規定による計算の基礎となるA土地の譲渡原価の額は前記のとおり三一四六万七七〇〇円であり、また、原告がA土地を取得した日と譲渡した日が前記1(二(1)及び)(2)のとおりであるところ、同条七項を適用すると、A土地の保有月数は二月となる。 (2)そこで、同条六項一号によつて負債利子の額を計算すると、次のとおり三一万四六七六円となる。 31、467、700×2/12×0.06=314、676(3)また、同項二号によつて販売費及び一般管理費の額を計算すると、次のとおり二〇万九七八四円となる。 31、467、700×2/12×0.04=209、784(4)なお、原告が本件確定申告で概算法によつたのは、税務職員の誤つた指導があつたものであるとする原告の主張は、牽強付会の主張である。 (四)したがつて、原告の本件係争事業年度分の課税土地譲渡利益金額は、右(一)から(二)及び(三)を控除した九八四万二二九五円である。 3原告の本件係争事業年度の法人税額原告の本件係争事業年度の所得金額四〇八万六八二〇円につき、国税通則法一一八条一項の規定により一〇〇〇円未満の端数を切り捨てたうえ、昭和五六年法律第一二号による改正前の法人税法六六条二項の規定の税率一〇〇分の二八を乗じて税額を計算すると一一四万四〇八〇円となり、また、同年度の課税土地譲渡利益金額九八四万二二九五円につき、右と同様一〇〇〇円未満を切り捨てたう 正前の法人税法六六条二項の規定の税率一〇〇分の二八を乗じて税額を計算すると一一四万四〇八〇円となり、また、同年度の課税土地譲渡利益金額九八四万二二九五円につき、右と同様一〇〇〇円未満を切り捨てたうえ、昭和五七年法律第八号による改正前の租税特別措置法六三条一項の規定の税率一〇〇分の二〇を乗じて税額を計算すると一九六万八四〇〇円となる。したがつて、原告の本件係争事業年度の法人税額は、その合計額が三一一万二四〇〇円(ただし、国税通則法一一九条一項の規定により一〇〇円未満の端数を切り捨てた後のもの)となる。 4本件決定本件更正による右法人税額三一一万二四〇〇円から原告の申告法人税額二〇四万三〇〇〇円を控除した一〇六万九四〇〇円につき、国税通則法一一八条三項の規定により一〇〇〇円未満の端数を切り捨てたうえ、同法六五条一項の規定の一〇〇分の五を乗じて計算すると、過少申告加算税額は五万三四〇〇円(ただし、同法一一九条四項の規定により一〇〇円未満の端数を切り捨てた後のもの)となる。 - 6 -5よつて、本件更正及び本件決定は適法である。 四抗弁に対する認否及び原告の主張1抗弁1について(一)(一)の事実は認める。 (二)(二)について(A土地等の取得価額について)(1)ないし(3)の事実は認める(4)のうち、本件修繕費の額一五〇万円がB建。 物の内外装工事のために要した費用の額であることは認めるが、その余は争う。A土地等の取得価額は、本件物件の購入代金五二八〇万円の六五パーセントである三四三二万円である。 (三)(三)について(本件修繕費の損金算入について)(1)(2)の事実は認める(3)は争う。本件修繕費は、期間費用である一般管、。 理費として発生年度である本件係争事業年度において損金に算入すべきものである。 (四)(四) 損金算入について)(1)(2)の事実は認める(3)は争う。本件修繕費は、期間費用である一般管、。 理費として発生年度である本件係争事業年度において損金に算入すべきものである。 (四)(四)について(本件公租公課等の損金算入について)(1)のうち、前段の事実は認めるが、後段の主張は争う(2)のうち、前段の事実。 は認めるが、後段の主張は争う(3)は争う。本件公租公課等については、原告が基本通。 達五-一-一の二を適用するよう選択するものである。したがつて、その額は期間費用として損金に算入されるべきものである(4)は争う。原告は、本件物件につき、所得金額。 の算定における原価の額の計算に当たり、本件公租公課等をそれに加算したが、それは、右の原価の額と課税土地譲渡利益金額の算定における原価の額とを混同したためであり、したがつて、右の加算計上は錯誤によるものである。 (五)(五)について(福利厚生費の損金算入について)(1)(2)の事実は認める(3)は争う。 、。 (六)(六)の事実は認める。 (七)(七)は争う。 2抗弁2について(一)(一)について(1)の事実は認める(2)は争う。A土地等の譲渡収入金額は、近隣の土地評価及。 び相場を基準とすべきところ、A土地の昭和五五年の課税評価額は七八〇万八一一〇円であり、通常の地価相場相当額は、評価額の三倍から四倍とみられる。また、当時の時価相場は、三・三平方メートル当たり一三〇万円であつた。以上の事実を考慮して、A土地の譲渡収入金額は三六七一万六二四一円と算定すべきである。 (二)(二)について(1)は争う(2)のうち、A建物が昭和三八年一二月ころ新築された木造建物で、。 原- 7 -告がこれを取得したときまで一五年以上経過していることは認めるが、その余は争う (二)(二)について(1)は争う(2)のうち、A建物が昭和三八年一二月ころ新築された木造建物で、。 原- 7 -告がこれを取得したときまで一五年以上経過していることは認めるが、その余は争う。 (3)は争う。 A土地の譲渡原価の額は二九九〇万円と算定すべきである。 (三)(三)について(1)のうち、原告が本件確定申告に当たり、課税譲渡土地譲渡利益額の計算上、その、。()控除すべき負債利子の額を被告主張の概算法で計算したことは認めその余は争う2ないし(4)は争う。 負債利子の額並びに販売費及び一般管理費の額は実額法によつて計算すべきであり、これによると、負債利子の額は八五万二七五五円、販売費及び一般管理費の額は一四九万一五九八円となる。 なお、原告が本件確定申告の申告書に負債利子の額並びに販売費及び一般管理費につき概算法で計算したのは、原告代表者が本件確定申告に際し、税務職員に相談した時に、税務職員が原告に有利な実額法による指導をせず、誤つて概算法による指導をしたためで、実際には被告側が作成した概算法の数字を原告が移記して申告したにすぎず、右申告は、原告の真意ではない。 (四)(四)は争う。 3抗弁3ないし5は争う。 第三証拠(省略)○ 理由一請求原因1の事実は当事者間に争いがない。 二原告の本件係争事業年度の所得金額について1原告の申告所得金額が〇円であつたことは当事者間に争いがない。 2A土地等の取得価額、本件修繕費及び本件公租公課等について(一)原告が昭和五五年一〇月二日に聖光電気から本件物件を売買代金五二八〇万円で買い受け、同年一一月五日にAに対してそのうちA土地等を売買代金四七〇〇万円で売り、()()()渡したこと原告が本件確定申告において本件物件の取得価額に抗弁1二3の1ないし(5 〇万円で買い受け、同年一一月五日にAに対してそのうちA土地等を売買代金四七〇〇万円で売り、()()()渡したこと原告が本件確定申告において本件物件の取得価額に抗弁1二3の1ないし(5)の金額を算入して、右の取得価額を五七二〇万一四七一円と算定したこと、原告が本件確定申告において本件物件の取得価額をA土地等に六五パーセント、B土地等に三五パーセントと配分し、A土地等の取得価額を三六四八万〇九五六円(ただし、五七二〇万一四七一円に六五パーセントを乗じた正しい額は三七一八万〇九五六円で、七〇万円の計算違いがある)と算定したこと、以上の事実は当事者間に争いがない。 。 (二)本件修繕費について本件修繕費が、B建物の内外装工事のために要した費用であることは当事者間に争いがな。 、、いそうすると本件修繕費がA土地等の取得価額を構成しないことは明らかであるからこれをA土地等の取得価額の計算に当たり考慮することができないのは当然である。 ところで、原告は本件修繕費を期間費用である一般管理費として本件係争事業年度の損金に算入すべきであると主張するので判断する。 原告が昭和五五年一〇月二日に本件物件を取得し、そのうちA土地等を同年一一月五日に売却したことは、右(一)に述べたとおりであり、原告が不動産売買仲介業を営む会社で- 8 -あること、原告が本件係争事業年度の確定決算に当たり本件物件のうち残存するB土地等をたな卸資産として計上し、本件係争事業年度の翌事業年度中にB土地等を売却した旨の会計処理をしていることは当事者間に争いがなく、また、弁論の全趣旨によると、原告は本件物件を販売用資産として取得したことが認められる。右事実によると、B土地等は、法人税法二条二一号、同法施行令一〇条一号に定める「たな卸資産」であるということができる。そして 趣旨によると、原告は本件物件を販売用資産として取得したことが認められる。右事実によると、B土地等は、法人税法二条二一号、同法施行令一〇条一号に定める「たな卸資産」であるということができる。そして、右事実に弁論の全趣旨を合せ考えれば、B建物の内外装工事に要した費用である本件修繕費は、B建物を販売の用に供するために直接要した費用であつたと認められるから、本件修繕費は同施行令三二条一項一号ロにより、たな卸資産であるB建物の取得価額に算入すべきものである。 しかして、たな卸資産の販売の用に供するために直接要した費用のうち、その額が少額なものについては、企業会計上の重要性の原則等に鑑み、当該たな卸資産の取得価額に算入しないで、右の費用を支出した事業年度の一般管理費として損金に算入することを認める余地があるが(基本通達五-一-一参照、本件修繕費の額は少額とはいえないから(B)建物の購入代金は不明であるが、弁論の全趣旨によると、いかに高く見ても一五〇〇万円を超えないことは明らかであり、本件修繕費の額はその一〇パーセント以上に当たる、。)これを一般管理費として本件係争事業年度の損金とすることはできないものというほかはない。 そうすると、原告の右主張は採用することができない。 以上のとおり、本件修繕費は、A土地等の取得価額を算定する基礎としての本件物件全体の取得価額に算入すべきではない。また、本件修繕費は一般管理費にも算入することができないものであるから、本件確定申告において、原告が一般管理費として損金に算入した本件修繕費の額につき、被告がその損金算入を否認し、申告所得額に加算したのは正当である。 (三)本件公租公課等について(1)原告が本件確定申告において本件公租公課(不動産取得税及び登録免許税)の額一三九万五五一〇円及び本件支払利子(借 否認し、申告所得額に加算したのは正当である。 (三)本件公租公課等について(1)原告が本件確定申告において本件公租公課(不動産取得税及び登録免許税)の額一三九万五五一〇円及び本件支払利子(借入金の利子)の額一三一万一九三一円を本件物件の取得価額に算入したことは右(一)のとおりであり、また、原告が本件確定申告において本件公租公課等の額を一般管理費にも重ねて算入したことは当事者間に争いがない。 (2)原告は、本件公租公課等については、基本通達五-一-一の二に鑑み、原告の選択により、本件物件の取得価額にも、本件係争事業年度の一般管理費にも算入できるものであるところ、原告としては、後者を選択するものであるから、本件公租公課等は本件係争事業年度の一般管理費として損金に算入すべきである旨主張するので判断する。 なるほど、基本通達五-一-一の二の(1(4(5)によれば、たな卸資産の取得)、)、等に関連して支出する不動産取得税及び登録免許税並びに借入金の利子の額については、これらを当該たな卸資産の「取得価額に算入しないことができる」ものとされている。しかし、右の不動産取得税等の額は、これらが当該たな卸資産の取得に関連して支出されるものである以上、本来は当該たな卸資産の取得価額に算入されるべきものであり、右の通達- 9 -により、右の不動産取得税等を取得価額に算入しないことができるとの取扱いを受けるためには、納税者たる法人の側において、右不動産取得税等を当該たな卸資産の取得価額に算入せずに一般管理費として算入することを明確に選択することを要するものというべきである。したがつて、右の選択がされていない場合には、原則どおり右の不動産取得税等は当該たな卸資産の取得価額に算入されるべきものであつて、一般管理費に算入することはできないものと解される というべきである。したがつて、右の選択がされていない場合には、原則どおり右の不動産取得税等は当該たな卸資産の取得価額に算入されるべきものであつて、一般管理費に算入することはできないものと解される。そして、法人の側としては、確定申告をする時点において、右の不動産取得税等を一般管理費に算入する旨の選択を明示することができるのであるから、原則として確定申告の時に、右のごとき選択を明示すべきであると解される。 そこで、これを本件についてみるに、原告が本件確定申告に当たり本件公租公課等を本件、、()。 物件の取得価額に算入しかつ一般管理費にも算入したことは右1のとおりであるそして、本件公租公課等を一般管理費に算入することを選択したものといえるためには、それを本件物件の取得価額に算入するという取扱いを排斥することを要するのが当然と解されるところ、原告は、右のように、本件公租公課等について二重に算入しているのであるから、原告が本件確定申告に当たり本件公租公課等を一般管理費に算入する旨選択したといえないことは明らかである。 ところで、本件公租公課等は取得価額と一般管理費とに二重に算入されていたところ、このような二重の算入がいずれにせよ誤りであることは明らかであるから、本件の場合については、原告が適法な期間内に選択を明示して更正の請求をし又は修正申告をする機会に選択を明示することによつて、本件公租公課等を一般管理費に算入することも許されるものと解されないわけではない。そこで、更に検討するに、成立に争いのない書込み部分を除く甲第七号証の一、二及び弁論の全趣旨によれば、原告は本件更正請求において、本件公租公課等を一般管理費に算入する旨の選択をしていなかつたこと、そして、原告が本件公租公課等を一般管理費に算入する旨選択するとの主張を始めたのは、本 の全趣旨によれば、原告は本件更正請求において、本件公租公課等を一般管理費に算入する旨の選択をしていなかつたこと、そして、原告が本件公租公課等を一般管理費に算入する旨選択するとの主張を始めたのは、本訴提起後であつたことが認められる。そうであれば、結局、原告は、更正の請求等によつて、右の選択をしなかつたものであり、本件更正があつた後になつて、右の選択をすることは、その機会がありながらこれを行使しなかつた納税者の恣意により、更正により定まる税額の変動を許すことになるから、もはや許されないものというべきである。よつて、本件公租公課等につき、これらを一般管理費として損金に算入すべきであるとの原告の主張は採用できない。 なお、原告は、本件公租公課等を取得価額に計上したのは、土地譲渡利益の申告との混同によるものであつて、錯誤によるものであると主張し、原告の真意は、本件公租公課等を一般管理費のみに計上するにあつたといわんとするが、右のごとき錯誤があつたことを認めるに足る証拠はないのみならず、所得金額と課税土地譲渡利益とは、その根拠法規及び計算方法を異にしているものであるから、確定申告に当たり、仮に両者を混同したとしても、その不利益は申告者が負うべきものである。したがつて、原告の右主張は採用できない。 (3)以上のとおり、本件公租公課等は、本件物件の取得価額に算入するべきものであつて、一般管理費に算入することはできないものであるから、本件確定申告において原告が一般管理費として損金に算入した本件公租公課等の額につき、- 10 -被告がその損金算入を否認し、申告所得額に加算したのは正当である。 (四)A土地等の取得価額について(1)原告が本件物件を昭和五五年一〇月二日に売買代金五二八〇万円で取得したことは前記(一)に述べたとおりである。 ()、 告所得額に加算したのは正当である。 (四)A土地等の取得価額について(1)原告が本件物件を昭和五五年一〇月二日に売買代金五二八〇万円で取得したことは前記(一)に述べたとおりである。 ()、、2本件公租公課の額一三九万五五一〇円本件支払利子の額一三一万一九三一円は本件係争事業年度の一般管理費にではなく、本件物件の取得価額に算入すべきことは、右(三(3)で述べたとおりであり、また、交際接待費の額一九万四〇三〇円を本件物件)の取得価額に算入することについては、当事者間に争いがない。 他方、本件修繕費の額一五〇万円については、B建物の取得価額に算入されるべきものであり、A土地等の取得価額を算定する基礎としての本件物件全体の取得価額に算入すべきではないことは、前記(二)で述べたとおりである。 (3)前記(一)の事実及び弁論の全趣旨によれば、本件物件の取得価額に占めるA土地等とB土地等との割合は、A土地等が六五パーセント、B土地等が三五パーセントであるとするのが相当であると認められる。 (4)右(1)ないし(3)によれば、A土地等の取得価額は、三六二〇万五九五六円となる。 (5、280、000+1、395、510+1、311、931+194、030)×0.65=36、205、956(五)右(一)によれば、原告の本件確定申告においてA土地等の取得価額を、三六四八万〇九五六円としたことが認められるから、被告が右(4)の三六二〇万五九五六円との差額二七万五〇〇〇円について申告所得額に加算したのは正当である。 3福利厚生費について原告が旅行積立金として八万円を本件係争事業年度の福利厚生費勘定に計上したこと、右八万円が同栄信用金庫大井支店において有限会社カツミ不動産旅行会B名義及び同C名義の二口の積立預金に預けられていたことは、当事者 積立金として八万円を本件係争事業年度の福利厚生費勘定に計上したこと、右八万円が同栄信用金庫大井支店において有限会社カツミ不動産旅行会B名義及び同C名義の二口の積立預金に預けられていたことは、当事者間に争いがない。官署作成部分の成立は争いがなく、その余の部分の成立は弁論の全趣旨により真正なものと認め得る乙第三号証の一、弁論の全趣旨により原本の存在及び真正な成立を認め得る同号証の二、原本の存在は当事者間に争いがなく、原告作成部分については、有限会社カツミ不動産旅行会B名下(乙第四号証)及び同C名下(同第五号証)の各印影が原告の代表者印によるものであることは当事者間に争いがないので、真正に成立したものと推定され、その余の部分の成立は弁論の全趣旨により真正なものと認め得る乙第四、第五号証、原告代表者本人尋問の結果並びに弁論の全趣旨によれば、原告は、昭和五五年一〇月から昭和五六年九月までの一二か月間毎月下旬に各二万円をそれぞれ右各名義の預金口座に旅行積立金として入金していたこと(前記八万円は、右各名義の預金口座に、昭和五五年一〇月分及び一一月分の二か月分各四万円の入金があつたことによるものである、右各預金口座の右積立金各二四万円は、昭和五六年一〇月二六日に利子とともに。)引き出されたこと、原告の社員といえるものは、本件係争事業年度には、右BとCの二人のみであつたこと、右両名は夫婦であつたことが認められる。 - 11 -そこで考えるに、会社が社員の慰安のためにする旅行会に支出する金員を福利厚生費として損金に計上しうるのは、右金員が現実に右目的のために支出されたといえる時を基準に、、すべきであるところ右事実のとおりの一家族の構成員のみを社員とする会社においては単に旅行会の積立金として会社の金員を支出したところで、これが真に旅行会に支出され 支出されたといえる時を基準に、、すべきであるところ右事実のとおりの一家族の構成員のみを社員とする会社においては単に旅行会の積立金として会社の金員を支出したところで、これが真に旅行会に支出されるのか又は社内留保金として何らかの会社の費用に充てられる等他の用途に支出されるのか確実であるとはいえず、いまだ旅行会のために支出されたものと認めることはできないし、本件係争事業年度において右八万円が現実に社員旅行実施のために支出されたとの主張も立証もない。 よつて、被告が右八万円の福利厚生費の損金算入を否認し、申告所得税に加算したのは正当である。 4繰越欠損金の当期控除額について原告が本件係争事業年度の所得金額の計算上控除しうる繰越欠損金の額として前年度から繰り越してきた金額が三一四万五九四六円であり、このうち原告が申告所得金額の計算上、、控除した金額が三一四万〇三二五円であることは当事者間に争いがなく右事実によると被告が、その差額四七万五六二一円を原告の申告所得金額から減算したのは正当である。 5 結論以上によれば、原告の本件係争事業年度の所得金額は、原告の申告所得金額〇円(右1)に、本件修繕費の額一五〇万円(右2(二、))本件公租公課の額一三九万五五一〇円(右2(三(3、本件支払利子の額一三一万一)))九三一円(右同)及びA土地等の売上原価の過大計上額二七万五〇〇〇円(右2(五)並)びに福利厚生費八万円(右3)を加算し、繰越欠損金の当期控除額四七万五六二一円を減算した金額である四〇八万六八二〇円となる。 三原告の本件係争事業年度の課税土地譲渡利益金額について1A土地の譲渡収入金額について(一)原告が昭和五五年一〇月二日に本件物件を取得し、同年一一月五日にA土地等を四七〇〇万円で譲渡したことは、前記二2(一)のとお 度の課税土地譲渡利益金額について1A土地の譲渡収入金額について(一)原告が昭和五五年一〇月二日に本件物件を取得し、同年一一月五日にA土地等を四七〇〇万円で譲渡したことは、前記二2(一)のとおりである。 (二)A土地の譲渡収入金額の算定については、A土地等の譲渡収入金額をA土地とA建物とに配分すべきところ、原告代表者本人尋問の結果によれば、原告は、A土地とA建物とを一括して譲渡したものであつて、個々の譲渡代金を定めていなかつたことが認められる。 被告は、A土地の譲渡収入金額を、A土地等の譲渡収入金額にA土地等の譲渡原価の額の(()())、中でA土地の譲渡原価の額が占める割合を乗じて算出しているところ抗弁2一2右算出方法は、合理性を有するものと認められる。そして、後記のとおり、A土地等の譲渡原価の額は三五三五万三二〇一円(2(二、A土地の譲渡原価の額は三一四六万七))七〇〇円(2(三(3)であるから、A土地の譲渡収入金額は、次のとおり四一八三万))四四五五円となる。 - 12 -4700万×31、467、700/35、353、201=41、834、455なお、原告は、A土地の譲渡収入金額は、近隣の土地評価及び相場を基準として三六七一万六二四一円と算定されると主張するが、個々の土地売買が右基準による価額によつてされるとは限らないことは明らかであるし、また右主張によればA建物の譲渡収入金額は一〇二八万三七五九円となるところ、後記2(三(2)記載のA建物の譲渡原価(三八八)万)、、五五〇一円に比べて著しく過大となりA建物の譲渡収入金額として不相当であるから右基準に基づく金額を採用することができない。 2A土地の譲渡原価の額について(一)本件物件の譲渡原価の額本件物件の購入代金が五二八〇万円であつたこと A建物の譲渡収入金額として不相当であるから右基準に基づく金額を採用することができない。 2A土地の譲渡原価の額について(一)本件物件の譲渡原価の額本件物件の購入代金が五二八〇万円であつたことは前記二2(一)のとおりである。本件物件の譲渡原価には、右購入代価に前記の本件公租公課の額(一三九万五五一〇円)及び交際接待費の額(一九万四〇三〇円)を加算すべきものである。 したがつて、本件物件の譲渡原価の額は、五四三八万九五四〇円と算定される。 (二)A土地等の譲渡原価の額、、()()本件物件の譲渡原価をA土地等とB土地等に配分するにその割合は前記二2四3のとおり六五対三五を相当と認めうる。 したがつて、A土地等の譲渡原価の額は、三五三五万三二〇一円となる。 (三)A土地の譲渡原価の額()、()1被告はA建物の譲渡原価の額を同建物を取得した当時昭和五五年一〇月二日のA建物の再調達価額に経年による定率法に基づく減価償却割合を乗じて算出し、これをA土地等の譲渡原価から控除した額をもつてA土地の譲渡原価の額であるとして算出にているところ、右算出方法は、合理性を有するものと認められる。 (2)そこで、まず、A建物の譲渡原価を右の算出方法により算出する。 A建物が昭和三八年一二月ころ新築された木造建物であること、抗弁1(二(1)のと)おり、A建物が東京都品川区に所在し、床面積が一三〇・一平方メートルであることは当事者間に争いがない。弁論の全趣旨により原本の存在及び成立が認め得る乙第一一号証によれば、昭和五五年一〇月当時の東京都品川区での木造建物の工事予定額は、床面積一平方メートル当たり一一万二七〇〇円であつたことが認められるところ、右事実に弁論の全趣旨を合せ考えれば、A建物の昭和五五年一〇月当時の再調達価額は、一四六六 品川区での木造建物の工事予定額は、床面積一平方メートル当たり一一万二七〇〇円であつたことが認められるところ、右事実に弁論の全趣旨を合せ考えれば、A建物の昭和五五年一〇月当時の再調達価額は、一四六六万二二七〇円と認められる。次に、原本の存在及び成立に争いのない乙第一二号証及び弁論の全趣旨によれば、A建物は事務所用の建物であつて、減価償却資産の耐用年数に関する省令に基づくその耐用年数は二六年であることが認められるところ、この事実に原本の存在及び成立に争いのない乙第一三号証によれば、A建物の新築後一五年(なお、右事実によると、A建物の昭和三八年一二月ころ建築されたものであるから、原告がA建物を買い受け、売り渡した当時までに一六年以上の期間を経過しているが、被告はこれを一五年として算定しており、これは一六年以上とするより原告に有利であるから、被告主張の一五年を算定の基礎とするものとする)を経過した場合の定率法による減価償却の未償却割合は、〇。 - 13 -・二六五であると認められる。そこで、右認定の事実のとおりの再調達価額と未償却割合を乗じるとA建物の譲渡原価は三八八万五五〇一円と算定される。 (3)よつて、A土地の譲渡原価の額は、A土地等のそれ(右(二)から、A建物の)それ(右(2)を控除した三一四六万七七〇〇円と認めるのが相当である。 )なお、原告は、A土地の譲渡原価は、二九九〇万円と算定できると主張するが、その根拠について主張立証がないので採用できない。 3負債利子の額並びに販売費及び一般管理費の額について(一)昭和五七年法律第八号による改正前の租税特別措置法六三条二項にいう「当該土地の譲渡等のために直接又は間接に要した経費の額として政令で定めるところ」である負債利子の額並びに販売費及び一般管理費の額は、昭和五七年政令七二号 による改正前の租税特別措置法六三条二項にいう「当該土地の譲渡等のために直接又は間接に要した経費の額として政令で定めるところ」である負債利子の額並びに販売費及び一般管理費の額は、昭和五七年政令七二号による改正前の同法施行令三八条の四第六項一号(負債利子の額、二号(販売費及び一般管理費の額)に)規定されている。そこで、前記1(一(前記二2(一)のとおり、原告がA土地を含む))本件物件を取得したのが昭和五五年一〇月二日であり、A土地等を譲渡したのが同年一一月五日であるから、同施行令三八条の四第六項、七項によりA土地の「保有期間」は二月となる。また、A土地の譲渡原価の額は、右2(三(3)のとおり三一四六万七七〇〇円)である。したがつて、法定の負債利子の額は、抗弁2(三(2)のとおり三一万四六七六)円となり、販売費及び一般管理費の額は、同(3)のとおり二〇万九七八四円となる。 (二)原告は、負債利子の額等について、いわゆる実額法により算定すべき旨主張するところ、同施行令三八条の四第八項によれば、実額法により算定するためには、法人税法一五一条一項に規定する法人税申告書(同法二条三九号に規定する修正申告書を除く)。 にその旨を記載することが必要であるところ、前掲乙第八号証によれば、原告は、右法人税申告書に実額法による旨を記載していなかつたことが認められるから、原告は、その後に至つて実額法による算定することを主張することができないことが明らかである。 (三)更に、原告は、原告が法人税申告書に実額法による旨を記載しなかつたのは、原告代表者が本件確定申告に際し税務職員に相談した時に、当該職員が実額法に基づき申告できる旨の指導をしなかつたからであつて、原告の真意ではないと主張するが(証人D及び原告本人尋問の結果によれば、右ごとき相談があ 件確定申告に際し税務職員に相談した時に、当該職員が実額法に基づき申告できる旨の指導をしなかつたからであつて、原告の真意ではないと主張するが(証人D及び原告本人尋問の結果によれば、右ごとき相談があつたこと、その際、実額法に基づく申告が可能である旨の指導がなかつたことが認められる、負債利子等の経費の額の計上方法については、右のとおりいわ。)ゆる概算法によることが原則であり、実額法によるためには、確定申告書に法人がその旨を記載することを要することは、前示同施行令の規定に明記されているものであるから、申- 14 -告の相談を受けた税務職員が特に実額法による計上方法が可能である旨を指導しなかつたとしても当然には不合理ではなく、特段の事情があれば格別、そうでない限り、実額法によることが可能である旨の指導すべき義務もないというべきである。そして、本件においては右特段の事情に当たる事実につき、主張も立証もない。よつて、原告の右主張は失当である。 4そうすると、原告の課税土地譲渡利益金額は、A土地の譲渡収入金額(右1(二))から、A土地の譲渡原価(右2(三(3、負債利子の額並びに販売費及び一般管理費の)))額(右3(一)を控除した額である九八四万二二九五円となる。 )四法人税額以上によれば、原告の本件係争事業年度の所得金額は四〇八万六八二〇円(右二5、課)税土地譲渡利益金額は九八四万二二九五円(右三4)になるところ、これらにつき税額を計算すると、抗弁3のとおりの算出過程により(その算出過程はすべて正当と解される、。)その合計額は三一一万二四〇〇円となる。したがつて本件更正は適法である。 五本件決定右四の本件更正による法人税額三一一万二四〇〇円から当事者間に争いのない原告の申告法人税額である二〇四万三〇〇〇円を控除した一 三一一万二四〇〇円となる。したがつて本件更正は適法である。 五本件決定右四の本件更正による法人税額三一一万二四〇〇円から当事者間に争いのない原告の申告法人税額である二〇四万三〇〇〇円を控除した一〇六万九四〇〇円につき、抗弁4の算出過程により(その算出過程は正当と解される、過少申告加算税額は五万三四〇〇円(一。)〇〇円未満の端数を切り捨てた後のもの)となる。したがつて、本件決定は適法である。 六よつて、原告の本訴請求は理由がないからこれを棄却し、訴訟費用の負担につき行訴法七条、民訴法八九条を適用して、主文のとおり判決する。 (裁判官鈴木康之塚本伊平加藤就一)

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