- 1 -主文 原告らの各第1次請求(特別掛金納入告知処分の不存在確認請求)及び各第2次請求(同処分の無効確認請求)をいずれも棄却する。 被告が原告Aに対し平成18年1月19日付けでした特別掛金2298万6185円の納入告知処分のうち特別掛金の金額609万0166円を超える部分を取り消す。 被告が原告Bに対し平成18年1月19日付けでしたC営業所に係る特別掛金6053万6322円の納入告知処分のうち特別掛金の金額1609万2447円を超える部分を取り消す。 被告が原告Bに対し平成18年1月19日付けでしたD営業所に係る特別掛金1億1121万6731円の納入告知処分のうち特別掛金の金額2956万4883円を超える部分を取り消す。 被告が原告Bに対し平成18年1月19日付けでしたE営業所に係る特別掛金4560万7639円の納入告知処分のうち特別掛金の金額1196万2522円を超える部分を取り消す。 被告が原告Bに対し平成18年7月19日付けでしたF営業所に係る特別掛金4128万3053円の納入告知処分のうち特別掛金の金額806万3556円を超える部分を取り消す。 原告らのその余の各第3次請求(特別掛金納入告知処分の取消請求)をいずれも棄却する。 訴訟費用のうち,訴訟参加行政庁に生じた費用は原告らの負担とし,その余の費用は3分し,その1を原告らの負担とし,その余を被告の負担とする。 事実及び理由 第1請求 第1,第3事件- 2 -(1)原告Aの請求(第1次請求)被告が原告Aに対し平成18年1月19日付けでした特別掛金2298万6185円の納入告知処分が存在しないことを確認する。 (第2次請求)上記の処分が無効であることを確認する。 (第3次請求)上記の処分を取り消す。 (2)原告Bの請求ア でした特別掛金2298万6185円の納入告知処分が存在しないことを確認する。 (第2次請求)上記の処分が無効であることを確認する。 (第3次請求)上記の処分を取り消す。 (2)原告Bの請求アC営業所関係(第1次請求)被告が原告Bに対し平成18年1月19日付けでしたC営業所に係る特別掛金6053万6322円の納入告知処分が存在しないことを確認する。 (第2次請求)上記の処分が無効であることを確認する。 (第3次請求)上記の処分を取り消す。 イD営業所関係(第1次請求)被告が原告Bに対し平成18年1月19日付けでしたD営業所に係る特別掛金1億1121万6731円の納入告知処分が存在しないことを確認する。 (第2次請求)上記の処分が無効であることを確認する。 (第3次請求)- 3 -上記の処分を取り消す。 ウE営業所関係(第1次請求)被告が原告Bに対し平成18年1月19日付けでしたE営業所に係る特別掛金4560万7639円の納入告知処分が存在しないことを確認する。 (第2次請求)上記の処分が無効であることを確認する。 (第3次請求)上記の処分を取り消す。 第2事件(第1次請求)被告が原告Bに対し平成18年7月19日付けでしたF営業所に係る特別掛金4128万3053円の納入告知処分が存在しないことを確認する。 (第2次請求)上記の処分が無効であることを確認する。 (第3次請求)上記の処分を取り消す。 第4事件(1)原告Bの請求アF営業所関係(第1次請求)被告が原告Bに対し平成19年3月30日付けでしたF営業所に係る特別掛金2405万5482円の納入告知処分が存在しないことを確認する。 (第2次請求)- 4 -上記の処分が無効であることを確認する。 (第3次請求)上記の処分を取り消す。 イ 営業所に係る特別掛金2405万5482円の納入告知処分が存在しないことを確認する。 (第2次請求)- 4 -上記の処分が無効であることを確認する。 (第3次請求)上記の処分を取り消す。 イE営業所関係(第1次請求)被告が原告Bに対し平成19年3月30日付けでしたE営業所に係る特別掛金1924万9674円の納入告知処分が存在しないことを確認する。 (第2次請求)上記の処分が無効であることを確認する。 (第3次請求)上記の処分を取り消す。 (2)原告Aの請求(第1次請求)被告が原告Aに対し平成19年7月5日付けでした特別掛金1154万1661円の納入告知処分が存在しないことを確認する。 (第2次請求)上記の処分が無効であることを確認する。 (第3次請求)上記の処分を取り消す。 第2事案の概要本件は,厚生年金保険法に基づいて設立された厚生年金基金である被告が,加入員の数が基準日と比較して20%以上減少した設立事業所の事業主から当該減少した加入員数に係る未償却債務を一括して徴収することを規約で定め,これに該当した設立事業所の事業主である原告らに対し,特別掛金として一括徴収金の納入告知をしたところ,原告らが,上記の規約の定めは厚生年金保険- 5 -法の許容する範囲を逸脱しており,これに基づく特別掛金の納入告知は法律に基づく行政処分に該当しないから,原告らに対する納入告知は行政処分としては不存在又は無効であり,仮にそうでないとしても,厚生年金保険法等に違反する違法な行政処分であるから,取り消されるべきであると主張して,第1次的に納入告知処分の不存在確認,第2次的にその無効確認,第3次的にその取消しをそれぞれ求めた事案である。 争いのない事実等(証拠により容易に認められる事実については,末尾に証拠を掲記した)。 (1) 入告知処分の不存在確認,第2次的にその無効確認,第3次的にその取消しをそれぞれ求めた事案である。 争いのない事実等(証拠により容易に認められる事実については,末尾に証拠を掲記した)。 (1)当事者ア被告は,一般乗用旅客自動車運送事業(タクシー事業)を営む事業所等を設立事業所(厚生年金基金が設立された適用事業所をいう。厚生年金保険法6条,117条3項参照)とする厚生年金基金である。 。 イ原告らは,いずれも被告の設立事業所の事業主である。 (2)未償却債務の一括徴収に関する規約の定めア被告は,その規約である「G厚生年金基金規約(以下「本件規約」と」いう)附則15条1項において,被告の設立事業所が設立事業所でなく。 なったとき(合併等により他の設立事業所に引き継がれる場合を除く)。 は,未償却債務を当該設立事業所の事業主から一括徴収し,事業主は,設立事業所でなくなった日の属する月の翌月末日までに納付する旨を定め,さらに,同条3項及び5項において,被告の設立事業所が一般旅客自動車運送事業の全部又は一部を譲渡したとき(他の設立事業所に引き継がれる場合を除く,一般旅客自動車運送事業を休止したとき,又は被告の設。)立事業所でない事業所及び人材派遣会社等に加入員を転籍させたときにも,当該譲渡に係る加入員,事業を休止した日に在籍する加入員又は転籍させた加入員につき未償却債務を確定して,当該設立事業所の事業主から一括徴収し,事業主は,それぞれ該当日の属する月の翌月末日までに納付する- 6 -旨を定めている。なお,同条2項,4項及び6項は,順に同条1項,3項及び5項の各場合に徴収される未償却債務の額の算定方法を定めている。 (甲5)イ被告は,平成16年8月5日開催の第134回代議員会において,附則15条6項の次に新たな項を加え ,順に同条1項,3項及び5項の各場合に徴収される未償却債務の額の算定方法を定めている。 (甲5)イ被告は,平成16年8月5日開催の第134回代議員会において,附則15条6項の次に新たな項を加える旨の本件規約の変更を可決し,その後,厚生年金保険法118条2項の理事長の処分(以下「理事長の専決処分」という)による修正を経て,同年10月29日,修正後の本件規約の変。 更について厚生労働大臣の認可を受け,同年8月5日に遡って同日から変更後の本件規約を適用した。なお,上記の理事長の専決処分による修正は,同年12月9日開催の第135回代議員会において承認された(厚生労。 働大臣の認可につき,乙5)上記変更後の附則15条7項は,被告の設立事業所の毎月末の加入員数が当該設立事業所の平成16年3月末日の加入員数と比較して20%に相当する人数以上減少したときは,減少した加入員数に係る未償却債務を確定して当該設立事業所の事業主から一括徴収し,事業主は,加入員数が20%相当減少した日の属する月の翌月末日までに納付し,更に当該設立事業所の毎月末の加入員数が平成16年3月末日の加入員数の10%に相当する人数以上減少する毎に,減少した加入員数に係る未償却債務を確定して徴収する旨を定めていた。なお,同条8項は,同条7項により徴収される未償却債務の額の算定方法を定めており,同条9項は「本条の規定に,かかわらず理事会で止むを得ないと認めた場合はこの限りでない」と定。 めている(甲5,乙5)。 ウ被告は,平成18年3月13日開催の第140回代議員会において,附則15条7項中の「平成16年3月末日」を「平成17年3月末日」に改め,当該変更前に同項に該当した事業所については変更後の同項中の「平成17年3月末日」は「該当した月の末日」と読み替える旨の本件規約の- 条7項中の「平成16年3月末日」を「平成17年3月末日」に改め,当該変更前に同項に該当した事業所については変更後の同項中の「平成17年3月末日」は「該当した月の末日」と読み替える旨の本件規約の- 7 -変更を可決し,その後,厚生労働大臣の認可を受けて,当該変更後の本件規約を平成18年4月1日から適用した(甲30)。 (3)未償却債務の一括徴収に伴う特別掛金の一括徴収に関する規約の定め被告は,本件規約の変更附則(平成7年6月30日施行のもの。以下単に「変更附則」という)2条1項において,被告の設立事業所が本件規約の。 附則15条1項,3項,5項又は7項の規定に該当した場合は,当該事業所(以下「該当事業所」という)の事業主から,同条に定める額のほか,①。 設立事業所が該当事業所となったことにより発生する将来加入員の収入と支出の差損,②繰越不足金,③移行調整金,④特例調整金の各債務のうち,該当事業所に係る債務を,特別掛金として一括徴収する旨を定めている。なお,変更附則2条2項は,同条1項の特別掛金の額の算定方法を定めている。 (甲5)(4)原告らに対する特別掛金の納入告知ア被告の設立事業所である原告Aにおいては,平成17年6月末日の加入員数が,平成16年3月末日の加入員数と比較して20%に相当する人数以上減少した。 そこで,被告は,本件規約の附則15条7項に該当したとして,原告Aに対し,平成18年1月19日付けで,特別掛金2298万6185円の納入告知をした(甲1)。 上記納入告知金額の内訳は,次のとおりである(甲56)。 (ア)未償却債務(附則15条7項)の額418万1834円(イ)将来加入員の収入と支出の差損(変更附則2条1項)の額14万8021円(ウ)繰越不足金,移行調整金及び特例調整金(変更附則2条1項)の額 償却債務(附則15条7項)の額418万1834円(イ)将来加入員の収入と支出の差損(変更附則2条1項)の額14万8021円(ウ)繰越不足金,移行調整金及び特例調整金(変更附則2条1項)の額1865万6330円イ被告の設立事業所である原告BC営業所においては,平成17年5月末- 8 -日の加入員数が,平成16年3月末日の加入員数と比較して20%に相当する人数以上減少した。 そこで,被告は,本件規約の附則15条7項に該当したとして,原告Bに対し,平成18年1月19日付けで,上記営業所に係る特別掛金6053万6322円の納入告知をした(甲2)。 上記納入告知金額の内訳は,次のとおりである(甲57)。 (ア)未償却債務(附則15条7項)の額1107万2703円(イ)将来加入員の収入と支出の差損(変更附則2条1項)の額38万9359円(ウ)繰越不足金,移行調整金及び特例調整金(変更附則2条1項)の額4907万4260円ウ被告の設立事業所である原告BD営業所においては,平成17年5月末日の加入員数が,平成16年3月末日の加入員数と比較して20%に相当する人数以上減少した。 そこで,被告は,本件規約の附則15条7項に該当したとして,原告Bに対し,平成18年1月19日付けで,上記営業所に係る特別掛金1億1121万6731円の納入告知をした(甲3)。 上記納入告知金額の内訳は,次のとおりである(甲58)。 (ア)未償却債務(附則15条7項)の額2034万2660円(イ)将来加入員の収入と支出の差損(変更附則2条1項)の額71万5327円(ウ)繰越不足金,移行調整金及び特例調整金(変更附則2条1項)の額9015万8744円エ被告の設立事業所である原告BE営業所においては,平成17年9月末日の加入員数が,平成1 1万5327円(ウ)繰越不足金,移行調整金及び特例調整金(変更附則2条1項)の額9015万8744円エ被告の設立事業所である原告BE営業所においては,平成17年9月末日の加入員数が,平成16年3月末日の加入員数と比較して20%に相当する人数以上減少した。 - 9 -そこで,被告は,本件規約の附則15条7項に該当したとして,原告Bに対し,平成18年1月19日付けで,上記営業所に係る特別掛金4560万7639円の納入告知をした(甲4)。 上記納入告知金額の内訳は,次のとおりである(甲59)。 (ア)未償却債務(附則15条7項)の額816万2452円(イ)将来加入員の収入と支出の差損(変更附則2条1項)の額29万4755円(ウ)繰越不足金,移行調整金及び特例調整金(変更附則2条1項)の額3715万0432円オ被告の設立事業所である原告BF営業所においては,平成17年11月末日の加入員数が,平成16年3月末日の加入員数と比較して20%に相当する人数以上減少した。 そこで,被告は,本件規約の附則15条7項に該当したとして,原告Bに対し,平成18年7月19日付けで,上記営業所に係る特別掛金4128万3053円の納入告知をした(甲31)。 上記納入告知金額の内訳は,次のとおりである(甲60)。 (ア)未償却債務(附則15条7項)の額645万6049円(イ)将来加入員の収入と支出の差損(変更附則2条1項)の額17万9057円(ウ)繰越不足金,移行調整金及び特例調整金(変更附則2条1項)の額3464万7947円カ原告BF営業所においては,平成18年12月末日の加入員数が,変更前の本件規約の附則15条7項に該当した月(平成17年11月)の末日の加入員数と比較して20%に相当する人数以上減少した(各年月につ。 き, 営業所においては,平成18年12月末日の加入員数が,変更前の本件規約の附則15条7項に該当した月(平成17年11月)の末日の加入員数と比較して20%に相当する人数以上減少した(各年月につ。 き,甲64)そこで,被告は,変更後の本件規約の附則15条7項に該当したとして,- 10 -原告Bに対し,平成19年3月30日付けで,上記営業所に係る特別掛金2405万5482円の納入告知をした。 上記納入告知金額は,未償却債務(附則15条7項)の額である。 キ原告BE営業所においては,平成18年11月末日の加入員数が,変更前の本件規約の附則15条7項に該当した月(平成18年2月)の末日の。 ,加入員数と比較して20%に相当する人数以上減少した(各年月につき甲64)そこで,被告は,変更後の本件規約の附則15条7項に該当したとして,原告Bに対し,平成19年3月30日付けで,上記営業所に係る特別掛金1924万9674円の納入告知をした。 上記納入告知金額は,未償却債務(附則15条7項)の額である。 ク原告Aにおいては,平成19年1月末日の加入員数が,変更前の本件規約の附則15条7項に該当した月(平成18年3月)の末日の加入員数と比較して20%に相当する人数以上減少した(各年月につき,甲65)。 そこで,被告は,変更後の本件規約の附則15条7項に該当したとして,原告Aに対し,平成19年7月5日付けで,特別掛金1154万1661円の納入告知をした。 上記納入告知金額は,未償却債務(附則15条7項)の額である。 (5)審査請求及び訴え提起の経緯ア原告Aは,前記(4)アの納入告知の取消しを,原告Bは,前記(4)イないしエの各納入告知の取消しを,それぞれ求めて,平成18年2月28日付けで,社会保険審査会に対し,審査請求を行い,同年7月21日,第1事件 前記(4)アの納入告知の取消しを,原告Bは,前記(4)イないしエの各納入告知の取消しを,それぞれ求めて,平成18年2月28日付けで,社会保険審査会に対し,審査請求を行い,同年7月21日,第1事件に係る訴えを提起した(審査請求につき,甲16,17)。 イ原告Bは,前記(4)オの納入告知の取消しを求めて,平成18年8月15日付けで,社会保険審査会に対し,審査請求を行った(甲33)。 ウ社会保険審査会は,平成18年9月29日付けで,原告らが不服とする- 11 -納入告知はいずれも審査請求の対象となる処分に該当しないとして,原告らの上記各審査請求を却下する旨の裁決をした(甲24)。 エ原告Aは,前記(4)アの納入告知につき,原告Bは,前記(4)イないしエの各納入告知につき,それぞれ第1次的に処分の不存在確認,第2次的に処分の無効確認,第3次的に処分の取消しを求めて,平成18年12月8日,第3事件に係る訴えを第1事件に係る訴えに併合して提起した。 また,原告Bは,前記(4)オの納入告知につき,上記と同様の裁判を求めて,平成18年12月8日,第2事件に係る訴えを提起した。 オ原告Bは,前記(4)カ及びキの各納入告知の取消しを求めて,平成19年5月28日,社会保険審査会に対し,審査請求を行い,社会保険審査会は,同年7月31日付けで,前記ウと同様の理由により,審査請求を却下する旨の裁決をした(甲64)。 カ原告Aは,前記(4)クの納入告知の取消しを求めて,平成19年8月31日,社会保険審査会に対し,審査請求を行い,社会保険審査会は,同年10月31日付けで,前記ウと同様の理由により,審査請求を却下する旨の裁決をした(甲65)。 キ原告Bは,前記(4)カ及びキの各納入告知につき,原告Aは,前記(4)クの納入告知につき,それぞれ第1次的に 1日付けで,前記ウと同様の理由により,審査請求を却下する旨の裁決をした(甲65)。 キ原告Bは,前記(4)カ及びキの各納入告知につき,原告Aは,前記(4)クの納入告知につき,それぞれ第1次的に処分の不存在確認,第2次的に処分の無効確認,第3次的に処分の取消しを求めて,平成20年1月29日,第4事件に係る訴えを提起した。 争点の概要本件の争点としては,まず,原告らの各第1次請求及び各第2次請求に関して,被告が原告らに対してした前記1(4)の各特別掛金の納入告知(以下「本件納入告知」という)が,法律に基づく行政処分に該当するか否かが争われ。 ており(争点1,次に,原告らの各第3次請求に関して,本件納入告知が行)政処分に該当するとした場合のその適法性が争われている。そして,行政処分- 12 -としての本件納入告知の適法性については,納入告知の前提となる本件規約の附則15条7項ないし9項の規定(以下「本規定」という)の有効性と,本。 件納入告知に固有の瑕疵の有無が争われており,前者については,本規定が厚生年金保険法の許容する範囲を逸脱しているか否か(争点2,本規定が憲法)22条1項に違反して被告の設立事業所の事業主の営業の自由を不当に制約するものであるか否か(争点3,本規定を新設したことが私的独占の禁止及び)公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という)上の禁止行為で。 ある優越的地位の濫用及び事業者団体による不当な活動制限に該当して同法に違反するか否か(争点4,理事長の専決処分による本規定の修正が手続上の)瑕疵に当たるか否か(争点5)が争点となっており,また後者については,原告らの事業所における加入員数の減少が本規定の一括徴収事由に該当するか否か(争点6,本件納入告知が行政処分の平等原則(憲法14条1項)に違反 否か(争点5)が争点となっており,また後者については,原告らの事業所における加入員数の減少が本規定の一括徴収事由に該当するか否か(争点6,本件納入告知が行政処分の平等原則(憲法14条1項)に違反)しているか否か(争点7,本件において本件規約の変更附則2条1項に定め)る特別掛金を徴収することができるか否か(争点8)が争点となっている。 争点に関する当事者の主張(1)争点1(本件納入告知が行政処分に該当するか否か)について(原告らの主張)。 ,厚生年金基金(以下「基金」という)による掛金の賦課徴収についても租税法律主義(憲法84条)の趣旨が妥当し,基金が公権力性を有する掛金の賦課徴収処分を行うことができるのは,厚生年金保険法が規定している場合に限られるというべきところ,同法は,138条2項及び139条1項において,掛金は各月につき徴収し,加入員と設立事業所の事業主とがそれぞれ半額を負担するものであることを原則としつつ,その例外として,基金が事業主から掛金を一括徴収できる場合を,138条5項(設立事業所の減少)及び同条6項(基金の解散)の場合に限定しており,その場合の掛金の負担については,139条3項本文において,事業主が全額負担するものと- 13 -定めている。138条5項は,設立事業所の事業主が同項による掛金負担の潜脱を意図して加入員数を減少させるような場合については,一括徴収事由として許容していると解することも可能であるが,定年退職や解雇等,事業主が潜脱を意図して加入員数を減少させたものではない場合についてまで,一括徴収事由として許容しているものとは解されない。 本件規約の本規定は,厚生年金保険法138条5項の定める一括徴収事由に該当せず,また,加入員数の減少理由を問わず,設立事業所の事業主が掛金負担を潜脱することを として許容しているものとは解されない。 本件規約の本規定は,厚生年金保険法138条5項の定める一括徴収事由に該当せず,また,加入員数の減少理由を問わず,設立事業所の事業主が掛金負担を潜脱することを意図していない場合まで包括的に一括徴収事由に含めるものであり,同項の許容する範囲を超えるものである。 したがって,本規定を根拠とする本件納入告知は,厚生年金保険法の規定に基づく行政処分に該当せず,行政処分としては不存在であり(本件納入告知に係る債権は私法上の債権にすぎない,仮に行政処分としての外形を。)有しているとしても,無権限の者によりされた行為であるから,重大かつ明白な違法を有する処分として無効である。 (被告及び訴訟参加行政庁の主張)厚生年金保険法は,115条1項及び2項において,基金が規約において掛金及びその負担区分に関する事項を定め,これを変更することを定めているから,基金が規約をもって特別掛金を一括徴収することは,租税法律主義の趣旨に反するものではない。設立事業所の加入員数の減少に係る特別掛金については,直接それを定める法令が存在しなくても,その具体的な内容や徴収方法が法令の規定に反するものでない限り,これを規約に定めれば,厚生年金保険法138条1項の掛金として徴収することができ,同法141条1項において準用する同法86条による督促及び滞納処分が認められる。 したがって,本件納入告知は,法律に基づく行政処分に該当するというべきである。 (2)争点2(本規定が厚生年金保険法の許容する範囲を逸脱しているか否- 14 -か)について(原告らの主張)前記(1)のとおり,本規定は,厚生年金保険法138条5項が明文上及び解釈上許容する一括徴収事由の範囲を超える内容を定めるものであって,同項に反し無効であるから,本規定に基づく本件納入 告らの主張)前記(1)のとおり,本規定は,厚生年金保険法138条5項が明文上及び解釈上許容する一括徴収事由の範囲を超える内容を定めるものであって,同項に反し無効であるから,本規定に基づく本件納入告知も違法である。 (被告及び訴訟参加行政庁の主張)本規定は,厚生年金保険法138条5項と同様に受給権確保の目的で設けられたものであり,設立事業所の事業主が意図的,作為的に加入員数を減少させた場合に適用される規定であるから,同法の許容する範囲を逸脱したものとはいえない。 掛金の徴収方法を定める厚生年金保険法138条2項は,毎月支払が行われる通常の掛金を想定したものであり,規約の定めに基づいて一括して特別掛金を徴収することを排斥しているとまでは解されず,また,掛金の負担については,同法139条2項及び厚生年金基金令34条において,基金は,各加入員が当該加入員に係る免除保険料額の2分の1に相当する額の掛金を負担する限り,規約の定めるところにより,事業主の負担の割合を増加することができるとされており,これを本件規約の本規定についてみると,掛金の全額を設立事業所の事業主が負担するものとされているが,資格喪失した当該設立事業所の加入員は,加入員であった各月につき,当該加入員に係る免除保険料額の2分の1に相当する額を超える掛金を負担していたのであるから,このような負担割合が同法139条1項,2項,同令34条の趣旨に反するものとはいえない。 したがって,本規定は,法令の規定に反するものではなく,有効である。 (3)争点3(本規定が憲法22条1項に違反して事業主の営業の自由を不当に制約するものであるか否か)について(原告らの主張)- 15 -本規定が適用されることの効果として,設立事業所の事業主は,多大な一括徴収の負担を回避するために,事実上加入員の数 業の自由を不当に制約するものであるか否か)について(原告らの主張)- 15 -本規定が適用されることの効果として,設立事業所の事業主は,多大な一括徴収の負担を回避するために,事実上加入員の数を保持しなければならなくなる。従業員の雇用及び解雇については,営業の自由として,各企業が本来自由に決することができるものであるところ,基金の加入員に対する将来的な給付を維持,確保するために,設立事業所に対して加入員数の保持を事実上強制するような規制を行うことに何ら合理性はなく,本規定は設立事業所の事業主の営業の自由を侵害するものであって,憲法22条1項に反し無効であるから,本規定に基づく本件納入告知も違法である。 (被告の主張)設立事業所の事業主が意図的,作為的に加入員数を減少させた場合には,加入員の受給権の確保及び設立事業所の掛金の公平な負担の観点から,当該事業主に対する一括徴収は認められるべきであるから,本規定は,設立事業所の事業主の営業の自由を不当に制約するものではない。 (4)争点4(本規定が独占禁止法上の禁止行為に該当するか否か)について(原告らの主張)設立事業所は基金の規約に従わなければならず,これに不服があっても基金からの脱退には多大な経済的負担(未償却債務の一括徴収)が伴うため基金を脱退して規約の適用を回避することもできない。そして,本規定は,被告の設立事業所の事業主に一定以上の加入員数の確保を強制することで,設立事業所の適宜の雇用及び解雇による自主的な競争を阻害するものであり,本規定の新設は設立事業所の事業主に不利に規約を変更したものということができる。したがって,被告が本規定を新設した行為は,独占禁止法19条が禁止する「不公正な取引方法」である「自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して,正常な商慣習に照 たものということができる。したがって,被告が本規定を新設した行為は,独占禁止法19条が禁止する「不公正な取引方法」である「自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して,正常な商慣習に照らして不当に,相手方に不利益となるように取引条件を設定し,又は変更すること(同法2条9項,昭」和57年公正取引委員会告示第15号14項3号)に該当する。 - 16 -また,被告は,加入員への給付による加入員の生活安定及び福祉の向上という共通の利益を増進するために,乗用旅客自動車会社である事業者が複数加盟する団体であり,独占禁止法上の事業者団体(同法2条2項)に該当する。そして,本規定は,設立事業所の加入員を一定数以上減少させる行為を事実上禁止することで,事業主の人員整理や新規雇用等に関する自由な意思決定権を奪い,その公正かつ自由な競争を阻害するものである。したがって,本規定の新設は,独占禁止法8条1項が事業者団体に対して禁止する「構成事業者の機能又は活動を不当に制限すること(同項4号)に該当する。 」以上のとおり,本規定は独占禁止法に違反して無効であるから,本規定に基づく本件納入告知も違法である。 (被告の主張)設立事業所の事業主に対する基金の掛金の徴収は,独占禁止法が規定の対象とする「競争」や「取引」に当たらず,また,基金は,事業者としての共通の利益を増進することを主たる目的としているとはいえず事業者団体に該当しないから,本規定に同法の適用はない。 仮に,本規定に独占禁止法が適用されるとしても,本規定は受給権の確保及び設立事業所の掛金の公平な負担の観点から定められたものであり,また,事業主が意図的,作為的に加入員数を減少させた場合の規定であるから,不当なものではなく,同法に違反するものではない。 (5)争点5(理事長の専決処分による本 担の観点から定められたものであり,また,事業主が意図的,作為的に加入員数を減少させた場合の規定であるから,不当なものではなく,同法に違反するものではない。 (5)争点5(理事長の専決処分による本規定の修正が手続上の瑕疵に当たるか否か)について(原告らの主張)厚生年金保険法118条2項によれば,理事長の専決処分は「臨時急施を要するもの」に限って行うことができるところ,本件規約の本規定が適用されたのは,平成18年1月19日付けの原告らに対する納入告知処分が最初であり,理事長の専決処分による本規定の修正が代議員会で承認された平成- 17 -16年12月9日から1年以上も後のことであるから,本規定の修正が「臨時急施を要するもの」であったとはいえない。 また,本規定の新設が代議員会において可決された際,附則15条7項には,ただし書として「但し,加入員の減少が乗務員の勤務体系の著しい変,更又は認可車輌台数の減車等正当な理由があり,理事会で止むを得ないと認めた場合は除く」との文言があったのに,修正後の同項ではただし書が削。 除され,同条9項において単に「理事会で止むを得ないと認めた場合はこの限りでない」とされたため「理事会で止むを得ない」と認められるのは。 ,いかなる場合かについて本規定上不明確となり,理事会による恣意的運用の危険性が高まった。このような修正内容の重大性からすると,仮にこの修正が「臨時急施を要するもの」であるとしても,理事長の専決処分によることは許されないものである。 したがって,理事長の専決処分による修正を経て行われた本規定の新設は,手続上の瑕疵により無効であるから,本規定に基づく本件納入告知も違法である。 (被告の主張)厚生年金保険法118条2項の「臨時急施を要するもの」とは,適用事業所の編入や設立事業所の離脱のう 設は,手続上の瑕疵により無効であるから,本規定に基づく本件納入告知も違法である。 (被告の主張)厚生年金保険法118条2項の「臨時急施を要するもの」とは,適用事業所の編入や設立事業所の離脱のうち比較的軽微なもので早急に適用関係の処理を行う必要があるものをいうと解されるところ,本規定の修正は,内容的には主に認可申請後に厚生労働省から求められた記載の順序の入れ替えにすぎず,また,本規定の新設は,平成15年9月ころ,設立事業所の加入員数を意図的,作為的に減少させ,そのまま設立事業所として存続し,毎月納入する掛金の負担回避を図ろうとしていると考えられる事業主が現れたために必要となったものであるから,まさに「設立事業所の離脱のうち比較的軽微なもので早急に適用関係の処理を行う必要がある」場合に該当し,適法なものである。 - 18 -(6)争点6(原告らの事業所における加入員数の減少が本規定の一括徴収事由に該当するか否か)について(原告らの主張)仮に本規定を,掛金負担の潜脱を意図して加入員数を減少させる場合のみを一括徴収事由として定めたものであると限定解釈することができるとしても,原告らの事業所における加入員数の減少は,そのほとんどが加入員自らの意思に基づく退職及び定時制(年金受給を開始しながら勤務時間を短縮して勤務を継続する就業形態)への移行であり,原告らは掛金負担を潜脱する意図で加入員数を減少させたものではないから,本規定の一括徴収事由に該当せず,本件納入告知は違法である。 (被告の主張)原告らにおいては,平成15年9月ころから,被告の設立事業所を有しない関連会社(商号・H株式会社,本店・東京都新宿区。以下「I」という)において乗務員を採用,養成するようになり,被告の加入員数が減少。 するようになった。そして,平成17年5月末日時 事業所を有しない関連会社(商号・H株式会社,本店・東京都新宿区。以下「I」という)において乗務員を採用,養成するようになり,被告の加入員数が減少。 するようになった。そして,平成17年5月末日時点での原告BD営業所と同C営業所の各加入員数が平成16年3月末日時点での各加入員数と比較してそれぞれ20%以上減少したため,被告は,原告らに対し,加入員数の減少に対する対応等について連絡を求め,その後も加入員数減少状況の改善について回答を促したが,原告らは全く回答しなかった。このような経緯からすれば,原告らの事業所における加入員数の減少が意図的,作為的なものであって,本規定の一括徴収事由に該当するものであることは明らかである。 (7)争点7(本件納入告知が平等原則に違反しているか否か)について(原告らの主張)平成17年7月4日の代議員会において,原告らのほかにも7事業所が,加入員数の減少により本規定の20%以上の減少に該当したことが報告され,また,平成19年2月23日の代議員会においても,原告らのほかに,8事- 19 -業所が上記の規定に該当したことが報告されているにもかかわらず,被告は,それぞれにつき原告らのほか各1事業所に対して一括徴収の納入告知を行ったのみで,それ以外の設立事業所に対しては,一括徴収の納入告知をしなかった。 また,平成18年の規約変更で,加入員数減少の基準日が「平成16年3月末日」から「平成17年3月末日」に1年変更されたことにより,平成16年3月末日以降加入員数が減少していた設立事業所にとっては,平成17年3月末日までの間の加入員数の減少を不問に付すという有利な効果を得られたが,他方で,既に一括徴収事由に該当していた設立事業所の基準日は「該当した月の末日」とされ,基準日を1年遅らせる措置はとられず,既に一括徴収 間の加入員数の減少を不問に付すという有利な効果を得られたが,他方で,既に一括徴収事由に該当していた設立事業所の基準日は「該当した月の末日」とされ,基準日を1年遅らせる措置はとられず,既に一括徴収の納入告知が行われた原告らに対しては,その納入告知の効力が維持された。 このように,被告は,原告らを狙い撃ちして本規定を適用したものであるから,本件納入告知は行政処分の平等原則(憲法14条1項)に反し違法である。 (被告の主張)原告らが指摘する他の事業所に対して一括徴収の納入告知をしなかったのは,これらの事業所においては,乗務員の募集はしているが採用者数が少なく退職者数の方が上回っているという理由や,リストラや減車によって乗務員が減少している等の理由によって加入員数が減少しており,意図的,作為的に加入員数を減少させているわけではないため,被告の理事会において,本規定の9項に基づいて納入告知をしないこととしたものである。 また,本規定の基準日の変更は,基金において5年ごとに行う財政再計算の結果,新たな未償却債務,償却年数及び掛金率が決定されたことによるものであり,他の事業所に対する有利な規約変更を行ったわけではなく,原告らについては,新たな基準日である平成17年3月末日よりも後の月におい- 20 -て変更前の本規定に該当していたため,加入員数の減少を二重に考慮される期間が生じないように,該当した月の末日を基準日としたものである。 したがって,平等原則違反をいう原告らの主張は理由がない。 (8)争点8(本件において変更附則2条1項の特別掛金を徴収することができるか否か)について(原告らの主張)変更附則2条1項の特別掛金の徴収の根拠は,厚生年金基金規則32条の3の2第3項1号であると解されるところ,同号の規定による加算額を徴収できるのは「減少 ができるか否か)について(原告らの主張)変更附則2条1項の特別掛金の徴収の根拠は,厚生年金基金規則32条の3の2第3項1号であると解されるところ,同号の規定による加算額を徴収できるのは「減少日において,年金給付等積立金の額が加入員及び加入員,であった者に係る責任準備金の額を下ることが見込まれる場合」に限られている。ところが,平成18年1月19日付け及び同年7月19日付けの原告らに対する各納入告知に係る「減少日」である平成17年5月末日,同年6月末日,同年9月末日及び同年11月末日においては,いずれも被告の年金給付等積立金の額が責任準備金の額を上回っていたから,被告は変更附則2条1項の特別掛金を徴収することができない。 また,変更附則2条1項にいう特例調整金は,厚生年金保険の代行部分に係る免除保険料率が凍結されていた間,過去期間代行給付現価と最低責任準備金との差額の債務に対応する資産として計上されていたものであるが,平成17年4月1日をもって免除保険料率の凍結が解除され,基金における代行部分の給付債務が最低責任準備金のみとなり,過去期間代行給付現価と最低責任準備金との差額については毎年度一定の限度で厚生年金本体から財源手当が行われることとなったため,特例調整金の計上は不要となったものである。したがって,平成18年1月19日付け及び同年7月19日付けの原告らに対する各納入告知に係る基準日である平成17年5月末日,同年6月末日,同年9月末日及び同年11月末日においては,特例調整金債務は存在していないのであるから,被告はこれを特別徴収金として徴収することはで- 21 -きない。 したがって,平成18年1月19日付け及び同年7月19日付けの原告らに対する各納入告知のうち,未償却債務(附則15条7項)の額を超える部分は,いずれも違法で 徴収することはで- 21 -きない。 したがって,平成18年1月19日付け及び同年7月19日付けの原告らに対する各納入告知のうち,未償却債務(附則15条7項)の額を超える部分は,いずれも違法である。 (被告の主張)変更附則2条1項の特別掛金の徴収の根拠は,厚生年金基金規則32条の3の2第3項1号ではなく,同条4項であるから,原告らの主張は前提を誤っている。 また,本件規約では,特別掛金の一括徴収金を算出する場合は,直近の決算数値を使用することと定められており(変更附則2条2項,原告らにつ)いては,平成16年3月末又は平成17年3月末の各決算時の数値を使用しているから,特例調整金を含んだ金額にすることが許されるものである。 第3当裁判所の判断 争点1(本件納入告知が行政処分に該当するか否か)について(1)厚生年金保険法は,基金に対し,基金が支給する年金たる給付及び一時金たる給付に関する事業に要する費用に充てるため,設立事業所の事業主から掛金を徴収する権能を与え(138条1項,139条4項,掛金の算定)方法,徴収方法及び徴収事由に関する基準を定めた上で(138条2項ないし6項,具体的な掛金率や掛金の賦課要件など掛金に関する事項は当該基)金の規約において定めるべきものとしている(115条1項10号。そし)て,同法は,掛金の徴収については,国税徴収の例によることとし(141条1項において準用する89条,基金が掛金を徴収しようとするときは,)国税の徴収手続における「納税の告知(国税通則法36条)に相当するも」のとして「納入の告知」をすべきことを規定し(141条1項において準,用する83条2項,170条3項「納入の告知」に係る納期限までに掛),金を完納しない場合には,滞納者に対し,督促及び国税滞納処分の例による- 」をすべきことを規定し(141条1項において準,用する83条2項,170条3項「納入の告知」に係る納期限までに掛),金を完納しない場合には,滞納者に対し,督促及び国税滞納処分の例による- 22 -処分をすることを許すとともに(141条1項において準用する86条1項,5項1号,国税通則法36条2項,37条1項「納入の告知」及び督促),には,時効中断の効力があるものとしている(170条3項。さらに,同)法は,掛金の賦課若しくは徴収の処分又は督促若しくは国税滞納処分の例による処分については,社会保険審査会に対して審査請求をすることができ,また処分の取消しの訴えの対象となることを明らかにしている(169条において準用する91条,91条の3。 )本件納入告知は,厚生年金保険法が規定する「納入の告知」として行われたものと解されるところ,上記のような同法の定めによれば「納入の告,知」は,基金の規約の定めるところにより納付義務が確定した掛金について,これを徴収するために,同法の定めに基づいて行われる行為であり,告知に係る納期限までに掛金を完納しない者に対して督促及び国税滞納処分の例による処分を可能とする効果と時効中断の効力を有し,掛金の「徴収の処分」として取消訴訟の対象となるとされているのであるから,本件納入告知が法律に基づく行政処分,すなわち,公権力の主体である国又は公共団体が行う行為のうち,その行為により直接に国民の権利義務を形成し,又はその範囲を確定することが,法律上,認められているもの(最高裁昭和39年10月29日第一小法廷判決・民集18巻8号1809頁等参照)に該当することは明らかである。 (2)原告らは,本件規約の本規定が,厚生年金保険法138条5項の許容する範囲を超えるものであるがゆえに,本件納入告知の行政処分性が 民集18巻8号1809頁等参照)に該当することは明らかである。 (2)原告らは,本件規約の本規定が,厚生年金保険法138条5項の許容する範囲を超えるものであるがゆえに,本件納入告知の行政処分性が否定されると主張する。 しかしながら,仮に本規定が,厚生年金保険法138条5項の許容する範囲を超えるものであるとしても,それは本規定が,掛金に関する事項を定めた規定としては違法,無効であるために,本件納入告知が前提とする掛金の納付義務が存在しないことを意味するにとどまるのであって,そのために本- 23 -件納入告知が違法な処分として取り消され又は無効な処分としてその効力を否定されることがあるとしても,本件納入告知の行政処分性そのものを否定する理由とはならないものというべきである。したがって,この点に関する原告らの主張は失当である。 (3)以上のとおり,本件納入告知は,法律に基づく行政処分に該当し,法律上の権限に基づいて行われたものといえるから,本件納入告知が行政処分として不存在であり又は無権限の者によりされた行為であるがゆえに無効であるとする原告らの主張は理由がない。 争点2(本規定が厚生年金保険法の許容する範囲を逸脱しているか否か)について(1)原告らは,本規定は,厚生年金保険法138条5項が明文上及び解釈上許容する一括徴収事由の範囲を超える内容を定めるものであるから,同項に反し無効であると主張する。 そこで検討するに,厚生年金保険法138条2項ないし6項は,前示のとおり,掛金の算定方法,徴収方法及び徴収事由に関する基準を定めた規定であり,これによれば,掛金は,原則として,政令の定めるところにより加入員の標準給与の額を標準として算定した額を,老齢年金給付の額の計算の基礎となる各月につき徴収するものとされているが(2項,3項,基金 り,これによれば,掛金は,原則として,政令の定めるところにより加入員の標準給与の額を標準として算定した額を,老齢年金給付の額の計算の基礎となる各月につき徴収するものとされているが(2項,3項,基金の設)立事業所が減少する場合において,当該減少に伴い他の設立事業所に係る掛金が増加することとなるときは,当該増加する額に相当する額として厚生労働省令で定める計算方法のうち規約で定めるものにより算定した額を,当該減少に係る設立事業所の事業主から掛金として一括して徴収し(5項,基)金が解散する場合において,当該解散する日における年金給付等積立金の額が政令で定める額を下回るときは,当該下回る額を,設立事業所の事業主から掛金として一括して徴収するものとする(6項)とされている。 これらの規定は,掛金に関する定めを基金の規約に委ねることを前提とし- 24 -て,基金がその定めをする際に拠るべき基準として定められた規定ということができ,その基準に適合しない規約の定めは,違法なものとして効力を生じないものというべきであるが,これらの規定が「しなければならない」,という義務付けの規定ではなく「ものとする」という,通常,原則や方針,を示す際に使われる用語が用いられていることに鑑みれば,これらの規定によって示されている基準は,これらの規定の趣旨に適合する内容のものである限り,その規定内容から一定程度変容した内容の規定を規約に定めることを許容する基準であると解するのが相当である。 これを138条5項についてみると,同項は,基金から設立事業所が脱退する場合に積立不足があるときは,受給権の確保及び他の設立事業所との公平を図る観点から,当該脱退事業所の従業員や退職者が今後基金から受け取る給付に係る不足分であり当該脱退事業所が負担すべき部分を,その事業主から一 足があるときは,受給権の確保及び他の設立事業所との公平を図る観点から,当該脱退事業所の従業員や退職者が今後基金から受け取る給付に係る不足分であり当該脱退事業所が負担すべき部分を,その事業主から一括徴収する旨を定めたものと解されるが,このような同項の趣旨からすれば,基金がその規約において,営業譲渡や従業員の転籍等,設立事業所の事業主がその意思に基づいて加入員数を減少させた場合に,これを基金からの脱退に準ずる行為(いわば一部脱退)とみて,当該減少した加入員数につき同項に準ずる計算方法で算定された額の掛金を,当該設立事業所の事業主から一括徴収する旨を規定したとしても,そのような規約の定めが同項の趣旨に反するとはいえず,むしろその趣旨に適合するというべきであるから,上記のような規約の定めは,同項の基準を逸脱するものではなく,また同条2項及び3項の原則的基準にも抵触するものではないと解される。 本件規約の本規定7項は,前記第2の1(2)イ及びウのとおり,被告の設立事業所の毎月末の加入員数が基準日における加入員数と比較して20%に相当する人数以上減少したときは,減少した加入員数に係る未償却債務を確定して当該設立事業所の事業主から一括徴収し,更に当該設立事業所の毎月末の加入員数が基準日における加入員数の10%に相当する人数以上減少す- 25 -る毎に,減少した加入員数に係る未償却債務を確定して徴収する旨を定めたものであり,文言上は,設立事業所において加入員数が減少した理由のいかんにかかわらず,当該設立事業所の事業主に対して一律に適用される体裁の規定となっている。したがって,この規定が,文言どおり,設立事業所の事業主がその意思に基づいて加入員数を減少させる場合のみならず,求職者の不足や認可車両台数の減少などを原因とする事業主の意思に基づかない加入 っている。したがって,この規定が,文言どおり,設立事業所の事業主がその意思に基づいて加入員数を減少させる場合のみならず,求職者の不足や認可車両台数の減少などを原因とする事業主の意思に基づかない加入員数の減少の場合をも広く適用の対象とする趣旨の規定であるとするならば,もはや基金からの任意の脱退に準ずるとはいえない場合にまで掛金の一括徴収事由を拡大した規定として,厚生年金保険法138条5項の趣旨に適合しないものといわざるを得ないが,少なくとも本規定が,設立事業所の事業主がその意思に基づいて加入員数を減少させる場合に適用される限りにおいては,同法138条5項の基準を逸脱するものではなく,これを無効ということはできないものというべきである。 なお,当事者の主張中には,掛金の負担に関する厚生年金保険法139条1項ないし3項の規定と本件規約との関係に言及する部分があるので,この点について補足すると,本件規約は,本規定の掛金の負担区分に関しては何らの定めも置いていないため(甲5,本件規約が厚生年金保険法の上記各)規定に違反するか否かの問題が生じる余地はなく,上記掛金の負担区分については専ら同法の定めるところによることとなる。この点,同法139条1項と同条3項本文のいずれを適用すべきかが問題となるが,上記のとおり,本規定が,設立事業所の事業主がその意思に基づいて加入員数を減少させる場合に適用される限りにおいては,同法138条5項の場合に準ずるものとして,同法139条3項本文の準用により,事業主が負担すべきこととなるものと解するのが相当である。 (2)ところで,原告らは,基金による掛金の賦課徴収にも租税法律主義(憲法84条)の趣旨が妥当すると主張するところ,厚生年金保険法が掛金に関- 26 -する定めを基金の規約に委ねていることについては租税法 ころで,原告らは,基金による掛金の賦課徴収にも租税法律主義(憲法84条)の趣旨が妥当すると主張するところ,厚生年金保険法が掛金に関- 26 -する定めを基金の規約に委ねていることについては租税法律主義との関係が問題となり得るので,次にこの点について検討する。 憲法84条に規定する租税とは,国又は地方公共団体が,課税権に基づき,その経費に充てるための資金を調達する目的をもって,特別の給付に対する反対給付としてでなく,一定の要件に該当するすべての者に対して課する金銭給付をいい,同条は,直接的には,そのような租税について法律による規律の在り方を定めるものであるが,同条は,国民に対して義務を課し又は権利を制限するには法律の根拠を要するという法原則を租税について厳格化した形で明文化したものというべきであるから,租税以外の賦課金であっても,その性質に応じて,法律によって適正な規律がされるべきものと解すべきであり,賦課徴収の強制の度合い等の点において租税に類似する性質を有するものについては,同条の趣旨が及ぶと解すべきである。もっとも,その場合であっても,租税以外の賦課金は,租税とその性質が共通する点や異なる点があり,また,賦課徴収の目的に応じて多種多様であるから,賦課要件が法律にどの程度明確に定められるべきかなどその規律の在り方については,当該賦課金の性質,賦課徴収の目的,その強制の度合い等を総合考慮して判断すべきものである(最高裁平成18年3月1日大法廷判決・民集60巻2号587頁参照。 )基金が設立事業所の事業主から徴収する掛金は,設立事業所に使用される加入員が年金たる給付及び一時金たる給付を受け得ることに対する反対給付として徴収されるものであり,また,事業主がその適用事業所を基金の設立事業所とするか否かは,その事業主の任意であって,何ら される加入員が年金たる給付及び一時金たる給付を受け得ることに対する反対給付として徴収されるものであり,また,事業主がその適用事業所を基金の設立事業所とするか否かは,その事業主の任意であって,何ら強制されるものではないから,上記掛金は租税に該当せず,憲法84条の規定が直接に適用されることはないというべきである。しかしながら,上記掛金は,国税徴収の例によって徴収される点において租税に類似する性質を有するものであるから,厚生年金保険法による上記掛金の賦課要件等に関する規律の在り方につ- 27 -いては,憲法84条の趣旨が及ぶと解すべきであり,上記掛金の性質,賦課徴収の目的等を総合考慮して判断する必要がある。 このような観点から厚生年金保険法の規定をみた場合,同法が掛金の具体的な賦課要件に関する定めを基金の規約に委ねていることが,憲法84条に現れた上記のような法原則に適合するといえるか否かが問題となるが,前示のとおり,基金が徴収する掛金は,基金が支給する年金たる給付及び一時金たる給付に関する事業に要する費用に充てるために,当該基金の設立事業所の事業主から徴収する金員であり,その使途は当該基金の事業に要する費用に限られ,その納付義務者も当該基金の構成員である設立事業所の事業主に限られているものであり,また,事業主がその適用事業所を基金の設立事業所とし,規約の定めに服するか否かは,その事業主の任意であり,規約の変更は,設立事業所の事業主において選定する代議員と加入員において互選する代議員との各同数の代議員によって構成される代議員会の議決を経なければならないこととされていること(厚生年金保険法117条2項,3項,118条1項1号)からすると,掛金に関する規約の定めは,当該基金の構成員にとっては,いわば法律に準ずるというべき当該組織における民主 ならないこととされていること(厚生年金保険法117条2項,3項,118条1項1号)からすると,掛金に関する規約の定めは,当該基金の構成員にとっては,いわば法律に準ずるというべき当該組織における民主的な規範であると位置づけることができ,そして,前示のとおり,基金が規約で掛金に関する事項を定める際の拠るべき原則的な基準が厚生年金保険法において示されていることをも併せ考慮すれば,同法が掛金の具体的な賦課要件に関する定めを基金の規約に委ねていても,憲法84条に現れた上記のような法原則の趣旨に反するものではないというべきである。 (3)以上のとおり,厚生年金保険法が掛金の具体的な賦課要件に関する定めを基金の規約に委ねていることは,憲法84条の趣旨に反するとはいえず,また,本件規約の本規定が,少なくとも設立事業所の事業主がその意思に基づいて加入員数を減少させる場合に適用される限りにおいて,厚生年金保険法の示す基準を逸脱する無効なものということはできないから,この点に関- 28 -する原告らの主張は,上記の限りにおいては理由がないものというべきである。 争点3(本規定が憲法22条1項に違反して事業主の営業の自由を不当に制約するものであるか否か)について基金の設立事業所の事業主が,当該設立事業所を基金から脱退させ又はこれに準ずる態様で加入員数を減少させ,当該脱退又は加入員数の減少に伴い他の設立事業所に係る掛金が増加することとなる場合において,当該増加する額に相当する額を,当該脱退又は加入員数の減少に係る設立事業所の事業主から掛金として一括して徴収することは,受給権の確保及び他の設立事業所との公平を図る観点から,合理性があり,正当な行為として是認し得るものである。そして,このような掛金の一括徴収が行われる結果,徴収を免れようとする事業主は, ることは,受給権の確保及び他の設立事業所との公平を図る観点から,合理性があり,正当な行為として是認し得るものである。そして,このような掛金の一括徴収が行われる結果,徴収を免れようとする事業主は,当該設立事業所を基金に残留させ又は加入員数を維持することを余儀なくされるが,これは任意に基金に参加した事業主として受忍しなければならない負担というべきであり,そのことをもって当該事業主の営業の自由を不当に制約するものということはできず,憲法22条1項に違反するとはいえない。 これを本規定についてみると,本規定が,少なくとも設立事業所の事業主がその意思に基づいて加入員数を減少させる場合に適用される限りにおいては,本規定にも上記に述べたことが当てはまり,憲法22条1項に違反して事業主の営業の自由を不当に制約するものとはいえないから,この点に関する原告らの主張は,上記の限りにおいては理由がないものというべきである。 争点4(本規定が独占禁止法上の禁止行為に該当するか否か)について前記3に説示したとおり,本規定が,少なくとも設立事業所の事業主がその意思に基づいて加入員数を減少させる場合に適用される限りにおいては,その規定内容に合理性があり,それに伴う負担は任意に基金に参加した事業主として受忍しなければならない負担というべきであるから,被告が本規定を新設した行為は,上記の限りにおいては,正常な商慣習に照らして不当に,相手方に- 29 -不利益となるように取引条件を設定し,又は変更したものということはできない。したがって,本規定の新設が独占禁止法19条が禁止する不公正な取引方法に当たるとする原告らの主張は,上記の限りにおいては理由がないものというべきである。 また,基金は,加入員の老齢について給付を行い,もって加入員の生活の安定と福祉の向上を図ること る不公正な取引方法に当たるとする原告らの主張は,上記の限りにおいては理由がないものというべきである。 また,基金は,加入員の老齢について給付を行い,もって加入員の生活の安定と福祉の向上を図ることを目的として設立される団体であり(厚生年金保険法106条,事業者としての共通の利益を増進することを主たる目的とする)団体ではないから,独占禁止法上の「事業者団体(同法2条2項)に該当し」ないものと解するのが相当であり,また,仮にこれに該当するとしても,前示のとおり,本規定が,少なくとも設立事業所の事業主がその意思に基づいて加入員数を減少させる場合に適用される限りにおいては,その規定内容に合理性があり,それに伴う負担は任意に基金に参加した事業主として受忍しなければならない負担というべきであり,被告が本規定を新設した行為は,上記の限りにおいては,構成事業者の機能又は活動を不当に制限するものということはできないから,本規定の新設が独占禁止法8条1項の禁止行為に当たるとする原告らの主張は,上記の限りにおいては理由がないものというべきである。 争点5(理事長の専決処分による本規定の修正が手続上の瑕疵に当たるか否か)について(1)前記第2の1(2)イの事実に証拠(甲6,7,乙5)及び弁論の全趣旨を総合すれば,被告においては,平成15年9月ころから,設立事業所の加入員数を減少させようとしている事業主が現れたため(後記6のとおり,原告らがこれに当たるものと認められる,平成16年8月5日開催の代議員。)会において,本規定(理事長の専決処分による修正前のもの)の新設を可決し,同日からの適用を予定して,厚生労働大臣の認可を申請したところ,担当指導官から字句及び条項の整理について指摘があり,その指摘に沿った修正を行うことで,厚生労働大臣の認可を受ける の)の新設を可決し,同日からの適用を予定して,厚生労働大臣の認可を申請したところ,担当指導官から字句及び条項の整理について指摘があり,その指摘に沿った修正を行うことで,厚生労働大臣の認可を受けることができたことが認められ- 30 -る。 以上の事実によれば,被告においては,設立事業所の加入員数を減少させようとしている事業主が現れたことに対処して受給権の確保と他の設立事業所との公平を図るために,代議員会で可決された本規定について,早急に厚生労働大臣の認可を受ける必要があり,そのためには,担当指導官から指摘された字句及び条項の整理に係る修正に応じる必要があったことが認められるから,このような事情の下においては,本規定の修正は「臨時急施を要するもの」に該当するということができ,また,被告の理事長において,代議員会を招集する暇がないと認め,上記の修正を理事長の専決処分で行うこととした判断は,相当なものとして是認することができる。 (2)原告らは,代議員会で本規定の修正が承認されてから1年以上後に初めて本規定が適用されていることを指摘して,本規定の修正が「臨時急施を要するもの」ではなかったと主張する。しかしながら,前示のとおり,被告においては,既に平成15年9月ころから,本規定の新設の必要性を基礎付ける事情が発生しており,平成16年8月5日にはこれに対処するための本規定の新設が代議員会で可決されたのであるから,執行者である理事長としては,早急に厚生労働大臣の認可を受け,速やかに本規定が施行できるよう取り計らうことは当然のことであり,実際の適用事例が直ちには現れなかったからといって,本規定の修正が「臨時急施を要するもの」でなかったということはできない。 また,原告らは,修正内容の重大性からすると,本規定の修正は理事長の専決処分としては許さ が直ちには現れなかったからといって,本規定の修正が「臨時急施を要するもの」でなかったということはできない。 また,原告らは,修正内容の重大性からすると,本規定の修正は理事長の専決処分としては許されないものであったと主張する。しかしながら,厚生年金保険法は,理事長の専決処分については,次の代議員会において承認を求めなければならないことを前提として(118条3項,その処分の対象)となる「代議員会の議決を経なければならない事項」の範囲について,内容の重大性等の観点からする制限を特に設けていないから(同条2項,修正)- 31 -内容の重大性ゆえに専決処分の権限行使が制約を受けるとする原告らの主張は失当である。 (3)以上によれば,理事長の専決処分による本規定の修正が手続上の瑕疵に当たるとはいえないから,この点に関する原告らの主張は理由がない。 争点6(原告らの事業所における加入員数の減少が本規定の一括徴収事由に該当するか否か)について(1)弁論の全趣旨によれば,原告らは,平成15年9月ころから,被告の設立事業所を有しないIにおいて乗務員を採用するようになり,平成16年4月以降は原告らの各設立事業所において新規採用を行わなかったために,従来から所属する従業員の退職,定時制への移行等によって,原告らの各設立事業所における加入員数が減少するようになったことが認められ,その結果,前記第2の1(4)アないしクのとおり,被告の設立事業所である原告A,原告BC営業所,同D営業所,同E営業所及び同F営業所において,それぞれ平成17年6月末日,同年5月末日,同年5月末日,同年9月末日及び同年11月末日の加入員数が,平成16年3月末日の加入員数と比較して20%に相当する人数以上減少し,さらに,原告BF営業所,同E営業所及び原告Aにおいては,それ 末日,同年5月末日,同年9月末日及び同年11月末日の加入員数が,平成16年3月末日の加入員数と比較して20%に相当する人数以上減少し,さらに,原告BF営業所,同E営業所及び原告Aにおいては,それぞれ平成18年12月末日,同年11月末日及び平成19年1月末日の加入員数が,変更前の本件規約の附則15条7項に該当した月の末日の加入員数と比較して20%に相当する人数以上減少したことが認められる。 以上の事実によれば,原告らの各設立事業所における加入員数の減少は,原告らが各設立事業所において乗務員の新規採用を行っていれば生じなかったものが,被告の設立事業所を有しないIにおいて乗務員の新規採用を行ったために生じたものであり,設立事業所の事業主がその意思に基づいて加入員数を減少させた場合に該当するということができる。そして,前示のとおり,本規定は,少なくとも設立事業所の事業主がその意思に基づいて加入員- 32 -数を減少させる場合に適用される限りにおいては有効なものであるから,原告らの各設立事業所における加入員数の減少は,本規定の一括徴収事由に該当するというべきである。 (2)原告らは,被告の設立事業所を有しないIにおいて乗務員の新規採用を行うこととしたのは,H各社の雇用管理等を含めた総務,人事等の業務を行う事務職員がIの本店に常駐し,H各社の本社的機能を有しており,当該事務職員のいるIにおいて乗務員を採用,育成することが乗務員の雇用管理の上で便宜かつ合理的であったためであるから,加入員数が減少したことには正当な理由があると主張する。 しかしながら,仮にそのような施策を行うことに雇用管理上の合理性があるとしても,そのような施策を実施することによって原告らの各設立事務所の加入員数が大幅に減少することは原告らとしては当然に認識していたのであって 仮にそのような施策を行うことに雇用管理上の合理性があるとしても,そのような施策を実施することによって原告らの各設立事務所の加入員数が大幅に減少することは原告らとしては当然に認識していたのであって,そのように加入員数を大幅に減少させる施策を原告らが自らの意思で選択して行った以上は,事業主の意思に基づいて加入員数を減少させた場合に該当することは明らかである。 争点7(本件納入告知が平等原則に違反しているか否か)について原告らは,原告らと他の設立事業所との取扱いの違いを問題とするが,他の設立事業所に対して本規定に基づく一括徴収の納入告知がされなかったからといって,原告らの各設立事業所に対する本件納入告知が直ちに違法となるものではなく,被告が,前提事実が同じであるにもかかわらずあえて原告らのみを狙い撃ちにして本件納入告知を行ったことを認めるに足りる証拠はない。 ,また,平成18年の規約変更の内容は,前記第2の1(2)ウのとおりであり証拠(甲30)によれば,この変更は,被告において,平成17年3月末日を基準日とする財政再計算を行った結果,新たに未償却債務の金額が確定し,その償却期間も新たに平成17年4月から平成32年3月までの15年間と決められたことによるものであることが認められ,この変更が,平成16年4月以- 33 -降に加入員数が減少しながらもいまだ本規定7項に該当するまでには至っていなかった設立事業所の利益を図ることを目的として行われたものであったとは認められない。さらに,証拠(甲30)及び弁論の全趣旨によれば,上記変更において,変更前に本規定7項に該当した事業所について変更後の同項中の「平成17年3月末日」を「該当した月の末日」と読み替えることとしたのは,上記変更時までに変更前の本規定7項に該当していた事業所は,いずれも平成 本規定7項に該当した事業所について変更後の同項中の「平成17年3月末日」を「該当した月の末日」と読み替えることとしたのは,上記変更時までに変更前の本規定7項に該当していた事業所は,いずれも平成17年3月より後の月に同項に該当した事業所であったことから,これらの事業所について変更後の同項の規定をそのまま適用すると,平成17年4月から当該該当した月までの加入員数の減少が,変更前後の同項の適用において二重に考慮され,当該事業所に不利になるため,これを避けることを目的としたものであったことが認められ,この点においても,上記の変更が,原告らを殊更に狙い撃ちにしてこれに不利益を与えるために行われたものであったとは認められない。 したがって,本件納入告知が平等原則に違反しているという原告らの主張は理由がない。 争点8(本件において変更附則2条1項の特別掛金を徴収することができるか否か)について(1)原告らは,変更附則2条1項の特別掛金の徴収の根拠を厚生年金基金規則32条の3の2第3項1号と主張するのに対し,被告は,これを同条4項と主張するので,まずこの点について検討する。 厚生年金基金規則32条の3の2は,厚生年金保険法138条5項に基づく掛金の一括徴収額の計算方法について定めた規定であり,基金が規約で選択すべき計算方法として3つの方法を掲げている(1項。そして,基金が)そのうちの1つである,減少設立事業所が減少しないとしたならば基金が減少設立事業所の事業主から徴収することとなる過去勤務債務に係る掛金の額の予想額の現価とする方法(1項1号)を選択した場合には,当該基金は,- 34 -規約で定めるところにより,上記の方法により計算した額に,2つの種類の額を加算することができると定め(3項,その2つの種類の額として,減)少日において年金 した場合には,当該基金は,- 34 -規約で定めるところにより,上記の方法により計算した額に,2つの種類の額を加算することができると定め(3項,その2つの種類の額として,減)少日において年金給付等積立金の額が加入員及び加入員であった者に係る責任準備金の額を下ることが見込まれる場合の当該下る額の見込額を償却するために必要となる掛金の額のうち,減少設立事業所が減少しないとしたならば基金が減少設立事業所の事業主から徴収することとなることが見込まれる掛金の額として合理的に計算した額(3項1号,及び,減少設立事業所の)減少に併せて掛金の額を計算するとした場合に掛金の額が増加することとなるときの当該増加することとなる掛金の額のうち,基金が減少設立事業所の事業主から徴収すべき額として合理的に計算した額(3項2号)を掲げている。さらに,基金は,規約で定めるところにより,上記1項の3つの方法のいずれかで計算した額に,減少設立事業所が減少しないとしたならば減少設立事業所の事業主が負担することとなる厚生年金基金規則32条2項に規定するその他の掛金の額(標準掛金額及び補足掛金額以外の掛金の額)を加算することができると定めている(4項。 )変更附則2条1項は,前記第2の1(3)のとおり,被告の設立事業所が附則15条1項,3項,5項又は7項の規定に該当した場合に,該当事業所の事業主から,同条に定める額のほか,該当事業所に係る4種類の債務を,特別掛金として一括徴収する旨を定めた規定であるところ,証拠(甲5,56ないし60)及び弁論の全趣旨によれば,本件規約の附則15条1項及び2項は,厚生年金保険法138条5項に基づき,基金の設立事業所が減少する場合の掛金の一括徴収を定めた規定であり,その計算方法として,厚生年金基金規則32条の3の2第1項1号の方法を選 15条1項及び2項は,厚生年金保険法138条5項に基づき,基金の設立事業所が減少する場合の掛金の一括徴収を定めた規定であり,その計算方法として,厚生年金基金規則32条の3の2第1項1号の方法を選択したものであることが認められるから,変更附則2条1項は,被告の設立事業所が附則15条1項の規定に該当した場合に適用される限りにおいては,厚生年金基金規則32条の3の2第3項又は同条4項に基づいて規定されたものであるということがで- 35 -きる。 そして,証拠(甲5,56ないし60)によれば,変更附則2条1項にいう「設立事業所が該当事業所となったことにより発生する将来加入員の収入と支出の差損」とは,該当日の直近の決算時(該当日の属する月が1月から9月までの場合は前年3月末日,10月から12月までの場合は同年3月末日。以下同じ)における将来者掛金収入現価から将来者給付現価を控除し。 た額であり,被告においては,この額が将来にわたって被告の収入となることを前提として掛金率を設定していることから,ある設立事業所が脱退するとその前提が崩れ,他の設立事業所の掛金の負担が増大するため,上記の額に該当日の被告の標準給与額総額に対する該当事業所の加入員に係る標準給与額の割合(以下「拠出率」という)を乗じて得た額を該当事業所に係る。 債務として一括徴収することとしているものであることが認められる。また,前掲各証拠によれば,変更附則2条1項にいう「繰越不足金」とは,該当日の直近の決算時における繰越不足金であり,前回の財政再計算時の掛金率の設定以降に発生した差損であって,次回の財政再計算時に過去勤務債務として確定され掛金率に反映されるものであることから,ある設立事業所が脱退すると他の設立事業所の掛金の負担が増大するため,上記繰越不足金の額に拠出率を乗じて得 って,次回の財政再計算時に過去勤務債務として確定され掛金率に反映されるものであることから,ある設立事業所が脱退すると他の設立事業所の掛金の負担が増大するため,上記繰越不足金の額に拠出率を乗じて得た額を該当事業所に係る債務として一括徴収することとしているものであることが認められる。さらに,証拠(前掲各証拠のほか,甲42,48,49)及び弁論の全趣旨によれば,変更附則2条1項にいう「移行調整金」とは,該当日の直近の決算時における移行調整金残高(資産,,の評価方法の移行に伴う評価損の未償却残高)であり「特例調整金」とは該当日の直近の決算時における特例調整金(厚生年金保険の代行部分に係る免除保険料率が凍結されていた間,過去期間代行給付現価と最低責任準備金との差額を調整する資産勘定科目として設けられていたもの)の残高であって,いずれも掛金による償却を予定しているものであることから(ただし,- 36 -特例調整金については後記(2)のとおり,ある設立事業所が脱退すると他)の設立事業所の掛金の負担が増大するため,上記の各残高の額に拠出率を乗じて得た額を該当事業所に係る債務として一括徴収することとしているものであることが認められる。 このような変更附則2条1項が掲げる各債務の性質及び一括徴収の理由に鑑みれば,これらの債務は,年金給付等積立金の額と責任準備金の額との差額(厚生年金基金規則32条の3の2第3項1号)や減少設立事業所の減少に併せて掛金の額を計算するとした場合に増加する掛金の額(同項2号)に相当するとはいえず,減少設立事業所が減少しないとしたならば減少設立事業所の事業主が負担することとなる掛金の額(同条4項)に相当するものというべきであり,また,その掛金の額の性質は,標準掛金額(同規則32条3項)でも補足掛金額(同条4項)でもない たならば減少設立事業所の事業主が負担することとなる掛金の額(同条4項)に相当するものというべきであり,また,その掛金の額の性質は,標準掛金額(同規則32条3項)でも補足掛金額(同条4項)でもないその他の掛金の額に該当するものと解されるから,被告の設立事業所が附則15条1項の規定に該当した場合に適用される限りでの変更附則2条1項は,厚生年金基金規則32条の3の2第4項に基づく規定であるというべきである。 そして,被告の設立事業所が附則15条3項,5項又は7項の規定に該当した場合に適用される変更附則2条1項は,直接には厚生年金基金規則32条の3の2第4項に基づく規定であるとはいえないが,附則15条3項,5項及び7項の規定がいずれも厚生年金保険法138条5項の規定に準拠して定められたものであると認められることからすると,上記の適用場面における変更附則2条1項も,厚生年金基金規則32条の3の2第4項の規定に準拠して定められたものであると解することができる。 したがって,変更附則2条1項の特別掛金の徴収の根拠が厚生年金基金規則32条の3の2第3項1号であることを前提とする原告らの主張は,その前提において失当というべきである。 (2)次に,原告らは,変更附則2条1項にいう特例調整金は平成17年4月- 37 -1日以降は債務として存在しておらず,これを原告らから徴収することはできないと主張するので,この点について検討する。 前示のとおり,変更附則2条1項にいう特例調整金は,厚生年金保険の代行部分に係る免除保険料率が凍結されていた間,過去期間代行給付現価と最低責任準備金との差額を調整する資産勘定科目として設けられていたものであり,変更附則2条1項に債務として掲げられた当初は,被告において掛金による償却を予定していたものであったことが認められる。 最低責任準備金との差額を調整する資産勘定科目として設けられていたものであり,変更附則2条1項に債務として掲げられた当初は,被告において掛金による償却を予定していたものであったことが認められる。 しかしながら,証拠(甲46,51ないし55)及び弁論の全趣旨によれば,平成17年4月1日をもって免除保険料率の凍結が解除されるとともに,厚生労働大臣の定め(平成8年6月27日年発第3321号各都道府県知事あて厚生省年金局長通知「厚生年金基金の財政運営について)によって,」基金における代行部分の責任準備金(厚生年金基金令39条の2第3項)が最低責任準備金(同令39条の3第2項2号)のみとなり,過去期間代行給付現価と最低責任準備金との差額については毎年度一定の限度で政府から交付金が支給されることとなったため(厚生年金保険法附則30条,厚生年金基金令60条の2,資産勘定科目としての特例調整金の計上は不要となっ)たことが認められ,また,証拠(甲42)によれば,被告においても,平成17年度(平成17年4月1日から平成18年3月31日まで)の決算において,特例調整金の計上を廃止したことが認められる。 そして,被告は,本件訴訟において,かつての特例調整金に相当する過去期間代行給付現価と最低責任準備金との差額については被告の債務でないことを自認しており,これは被告において上記の差額についてはもはや掛金による償却を予定していないことを明らかにしたものにほかならない。被告は,本件で計算に用いた直近の決算時の数値には特例調整金が含まれているから,原告らから特例調整金を含む金額を徴収することは許されると主張するが,もはや掛金による償却を予定していないものについてこれを事業主から一括- 38 -徴収金として徴収することは,合理的な理由を欠くばかりでなく,他の設立 含む金額を徴収することは許されると主張するが,もはや掛金による償却を予定していないものについてこれを事業主から一括- 38 -徴収金として徴収することは,合理的な理由を欠くばかりでなく,他の設立事業所の掛金の増加分に相当する金額のみの一括徴収を認める厚生年金保険法138条5項及び厚生年金基金規則32条の3の2第4項の基準を逸脱するものであり,許されないものといわなければならない。 したがって,特例調整金に相当する額を原告らから徴収することはできないとする原告らの主張には理由がある。 本件納入告知の適法性について以上によれば,本件納入告知のうち,平成19年3月30日付け及び同年7月5日付けでされたもの(前記第2の1(4)カないしク)はいずれも適法であるというべきであるが,平成18年1月19日付け及び同年7月19日付けでされたもの(前記第2の1(4)アないしオ)はいずれも特例調整金に係る部分について一部取消しを免れないものというべきであり,後者の各納入告知により徴収できる金額は,それぞれ以下のとおりと認められる。 (1)被告が原告Aに対し平成18年1月19日付けでした特別掛金2298万6185円の納入告知(前記第2の1(4)ア)ア未償却債務の額418万1834円上記金額については,当事者間に争いがない。 イ将来加入員の収入と支出の差損の額14万7613円上記金額は,該当日の直近の決算時における将来者掛金収入現価(807億5512万円)から将来者給付現価(804億5231万円)を控除した額(3億0281万円)に,拠出率(460万円/94億3632万8000円)を乗じて得た額(1円未満四捨五入。以下同じ)である。 。 (数値につき,甲56)ウ繰越不足金の額45万4186円上記金額は,該当日の直近の決算時における繰越不足金 94億3632万8000円)を乗じて得た額(1円未満四捨五入。以下同じ)である。 。 (数値につき,甲56)ウ繰越不足金の額45万4186円上記金額は,該当日の直近の決算時における繰越不足金(9億3170万6000円)に,拠出率(460万円/94億3632万8000円)- 39 -を乗じて得た額である(数値につき,甲56)。 エ移行調整金の額130万6533円上記金額は,該当日の直近の決算時における移行調整金残高(26億8019万円)に,拠出率(460万円/94億3632万8000円)を乗じて得た額である(数値につき,甲56)。 オ徴収できる金額(ア+イ+ウ+エ)609万0166円(2)被告が原告Bに対し平成18年1月19日付けでしたC営業所に係る特別掛金6053万6322円の納入告知(前記第2の1(4)イ)ア未償却債務の額1107万2703円上記金額については,当事者間に争いがない。 イ将来加入員の収入と支出の差損の額38万8287円上記金額は,該当日の直近の決算時における将来者掛金収入現価(807億5512万円)から将来者給付現価(804億5231万円)を控除した額(3億0281万円)に,拠出率(1210万円/94億3632万8000円)を乗じて得た額である(数値につき,甲57)。 ウ繰越不足金の額119万4707円上記金額は,該当日の直近の決算時における繰越不足金(9億3170万6000円)に,拠出率(1210万円/94億3632万8000円)を乗じて得た額である(数値につき,甲57)。 エ移行調整金の額343万6750円上記金額は,該当日の直近の決算時における移行調整金残高(26億8019万円)に,拠出率(1210万円/94億3632万8000円)を乗じて得た額である(数値につき,甲 整金の額343万6750円上記金額は,該当日の直近の決算時における移行調整金残高(26億8019万円)に,拠出率(1210万円/94億3632万8000円)を乗じて得た額である(数値につき,甲57)。 オ徴収できる金額(ア+イ+ウ+エ)1609万2447円(3)被告が原告Bに対し平成18年1月19日付けでしたD営業所に係る特別掛金1億1121万6731円の納入告知(前記第2の1(4)ウ)- 40 -ア未償却債務の額2034万2660円上記金額については,当事者間に争いがない。 イ将来加入員の収入と支出の差損の額71万3357円上記金額は,該当日の直近の決算時における将来者掛金収入現価(807億5512万円)から将来者給付現価(804億5231万円)を控除した額(3億0281万円)に,拠出率(2223万円/94億3632万8000円)を乗じて得た額である(数値につき,甲58)。 ウ繰越不足金の額219万4903円上記金額は,該当日の直近の決算時における繰越不足金(9億3170万6000円)に,拠出率(2223万円/94億3632万8000円)を乗じて得た額である(数値につき,甲58)。 エ移行調整金の額631万3963円上記金額は,該当日の直近の決算時における移行調整金残高(26億8019万円)に,拠出率(2223万円/94億3632万8000円)を乗じて得た額である(数値につき,甲58)。 オ徴収できる金額(ア+イ+ウ+エ)2956万4883円(4)被告が原告Bに対し平成18年1月19日付けでしたE営業所に係る特別掛金4560万7639円の納入告知(前記第2の1(4)エ)ア未償却債務の額816万2452円上記金額については,当事者間に争いがない。 イ将来加入員の収入と支出の差損の額 所に係る特別掛金4560万7639円の納入告知(前記第2の1(4)エ)ア未償却債務の額816万2452円上記金額については,当事者間に争いがない。 イ将来加入員の収入と支出の差損の額29万3943円上記金額は,該当日の直近の決算時における将来者掛金収入現価(807億5512万円)から将来者給付現価(804億5231万円)を控除した額(3億0281万円)に,拠出率(916万円/94億3632万8000円)を乗じて得た額である(数値につき,甲59)。 ウ繰越不足金の額90万4422円- 41 -上記金額は,該当日の直近の決算時における繰越不足金(9億3170万6000円)に,拠出率(916万円/94億3632万8000円)を乗じて得た額である(数値につき,甲59)。 エ移行調整金の額260万1705円上記金額は,該当日の直近の決算時における移行調整金残高(26億8019万円)に,拠出率(916万円/94億3632万8000円)を乗じて得た額である(数値につき,甲59)。 オ徴収できる金額(ア+イ+ウ+エ)1196万2522円(5)被告が原告Bに対し平成18年7月19日付けでしたF営業所に係る特別掛金4128万3053円の納入告知(前記第2の1(4)オ)ア未償却債務の額645万6049円上記金額については,当事者間に争いがない。 イ将来加入員の収入と支出の差損の額17万9481円上記金額は,該当日の直近の決算時における将来者掛金収入現価(786億5242万7000円)から将来者給付現価(784億2785万4000円)を控除した額(2億2457万3000円)に,拠出率(734万4000円/91億8905万9000円)を乗じて得た額である。 (数値につき,甲60)ウ繰越不足金の額0円該当日の直近の 000円)を控除した額(2億2457万3000円)に,拠出率(734万4000円/91億8905万9000円)を乗じて得た額である。 (数値につき,甲60)ウ繰越不足金の額0円該当日の直近の決算時(平成17年3月末)において繰越不足金は存在しない(甲42,60)。 エ移行調整金の額142万8026円上記金額は,該当日の直近の決算時における移行調整金残高(17億8679万4000円)に,拠出率(734万4000円/91億8905万9000円)を乗じて得た額である(数値につき,甲60)。 オ徴収できる金額(ア+イ+ウ+エ)806万3556円- 42 -第4結論以上によれば,原告らの各第1次請求及び各第2次請求はいずれも理由がないから棄却し,原告らの各第3次請求は主文第2項ないし第6項の限度で理由があるから認容し,その余はいずれも理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条,64条,66条を適用して,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第3部定塚誠裁判長裁判官古田孝夫裁判官工藤哲郎裁判官
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