昭和23(れ)756 傷害致死、銃砲等所持禁止令違反

裁判年月日・裁判所
昭和23年11月13日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。          理    由  被告人弁護人松本弘の上告趣意は一原審判決は其理由に於て「被告人はA石油株 式会社B鉱場の鉱夫をしてゐたのであるが第一偶々

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判決文本文2,067 文字)

主文 本件上告を棄却する。 理由 被告人弁護人松本弘の上告趣意は一原審判決は其理由に於て「被告人はA石油株式会社B鉱場の鉱夫をしてゐたのであるが第一偶々肩書地の生家に盆休の為帰省中昭和二二年八月一三日夜右a村bで盆踊があつた際隣村の青年Cから被告人Gの踊について彼是と冷笑されたので憤慨して同人と殴り会つた末持つてゐたジヤツクナイフ一挺を振り上げて気勢を示したが村の青年達にとめられてその場はもの別れとなつた、更に十五日夜には同村D小学校の校庭で盆踊りが催された際被告人は又同所で前記Cと前夜のことで争を始め同夜九時頃同校講堂の暗闇の裡で誰かになぐられた被告人は右C外その仲間のものが立向つて来るものと即断しその機先を制する積りで所携のジヤツクナイフを振つて右Cに斬り付け同人に左上腹部穿通性刺創を負はせ因つて翌十六日午前三時過同人をして右刺創による腸管及腸間膜並脾臓損傷に基く急性内出血の為柏崎市内E病院で死亡するに至らせたものである」と事実を認定し被告を懲役三年に処せられたのである。前示判決理由の事実後段によると「更に十五日夜には同村D小学校の校庭で盆踊りが催された際被告人は又同所で前記Cと前夜のことで争を始め同校講堂の暗闇の裡で誰かに殴られた被告人は右C外その仲間のものが立向つて来るものと即断しその機先を制する積りで所携のジヤツクナイフを振つて右Cに斬り付け云々」と判断されたのであるけれども同十五日夜の状勢は立向つて来るものと即断する迄もなくC等外一味の者が既に立向つて来て居るので対抗の姿勢にあつたのであることは否な対抗の姿勢であつたといふよりも攻撃的であつたということはCは十三日の被告人Fとの闘争に心平かならず之か復讐の為めに同志一味をかたらい同夜同校講堂に被告人Fを誘ひ出し先づ其一味の一人が ることは否な対抗の姿勢であつたといふよりも攻撃的であつたということはCは十三日の被告人Fとの闘争に心平かならず之か復讐の為めに同志一味をかたらい同夜同校講堂に被告人Fを誘ひ出し先づ其一味の一人が被告人Fに一撃を加へたる事実であることの同人の第一審に於ける証人としての- 1 -供述其他の証人の証言によりて明白動かし得ない事実である果して然りとせばC等の如上の行動は明かにFの身体生命に対する不法の侵害であり不法の暴力であることは疑なき事実であつて之を排撃せんとする被告人Fの行動は一応之を正当の防衛と認めなければならぬ筋会である仮りにそれが正常の防衛でないとするならば其不法の侵害の危険が如何なる程度のものか其不法の侵害に対し被告人Fが如何に之を感覚したか即ち被告人Fに与へた脅威が如何なる程度にあつたかを明かにしなければ被告人Fの罪質及ひ刑の量定を判断し得ないものと謂はなければならぬ然るに原審判決は十五日夜C等一味の者の誰かが同校講堂の暗闇の中で被告人Fを殴つたといふ事実を認めながら同人等がFに対する攻撃的対立の姿勢にあつたといふ重要なる事実を看過し被告人Fが自己に迫る危険が如何に感じたかの極めて重要なる事実の判断を閑却し一にFの錯覚的の即断によりて犯行したるもの、如く容易く之を認断せられたるは不等に事実を認定せられたる不法あるのみならず理由不備の違法ある判決たるも免れざるものと信ずる」というにある。 しかし、論旨の如き正当防衛の要件を充すような事実は原判決の認定しないところであるばかりでなく、原審に於ては被告人からも、弁護人からも、被告人の行為が正当防衛に出たものであるということは主張されていないのであるから原審がこの点についての判断を示さなかつたのは当然である。更に論旨は「仮りにそれが正常の防衛でないとするならば其不法の侵害の危険が如 が正当防衛に出たものであるということは主張されていないのであるから原審がこの点についての判断を示さなかつたのは当然である。更に論旨は「仮りにそれが正常の防衛でないとするならば其不法の侵害の危険が如何なる程度のものか、其不法の侵害に対し被告人Fが如何に之を感覚したかの極めて重要なる事実の判断を閑却し一にFの錯覚的の即断によりて犯行したるものの如く容易く之を認断せられた」と攻撃しているけれども、裁判所が認定した事実と相容れない証拠は、とりもなおさず裁判所が採用しなかつたと認むべきものであつて、而も裁判所は証拠の取捨選択についての理由を明示する必要がないものである。論旨は結局原審の排斥した証拠に基き原審の認定と異る事実を主張して、事実審裁判所である原審の専権に属す- 2 -る事実の認定を攻撃することに帰着するものであつて、日本国憲法の施行に伴う刑訴応急措置法第一三条第二項によつて上告適法の理由とならないものであるから刑訴四四六条に則り主文のとおり判決する。 この判決は裁判官全員の一致した意見によるものである。 検察官十蔵寺宗雄関与昭和二三年一一月一三日最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官塚崎直義裁判官霜山精一裁判官栗山茂裁判官藤田八郎- 3 -

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