令和5(わ)242 詐欺、窃盗

裁判年月日・裁判所
令和6年5月24日 大津地方裁判所
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判決文本文7,343 文字)

令和6年5月24日宣告大津地方裁判所刑事部判決令和5年(わ)第242号、第278号、第385号、令和6年(わ)第24号、第25号、第60号詐欺、窃盗被告事件主文 被告人を懲役3年に処する。 未決勾留日数中320日をその刑に算入する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は、第1 A及び氏名不詳者らと共謀の上、 1 市役所職員になりすましてキャッシュカードをだまし取ろうと考え、令和5年4月26日、市役所職員になりすました氏名不詳者が、和歌山市(住所省略)B方に電話をかけ、B(当時86歳)に対し、返金を受け取るためにはキャッシュカードを新しいものに交換する必要があり、和歌山市役所職員がキャッシュカードを取りに行くので、同人に封筒に入れたキャッシュカードを渡してほしい旨うそを言い、さらに、同日、Aが前記市役所職員になりすまして前記B方を訪問し、Bに、キャッシュカードをAに渡す必要がある旨誤信させ、よって、その頃、同所において、B名義のキャッシュカード2枚の交付を受け、もって人を欺いて財物を交付させた〔令和5年11月6日付け起訴状記載の公訴事実第1〕 2 不正に入手したB名義のキャッシュカードを使用して現金を窃取しようと考え、別表1(省略)記載のとおり、令和5年4月26日午後0時4分頃から同日午後0時12分頃までの間に、6回にわたり、和歌山市(住所省略)C共同出張所において、Aが、同所に設置された現金自動預払機に、前記B名義のキャッシュカード2枚を順次挿入して同機を作動させ、株式会社D銀行執行役員E管理の現金合計110万円を引き出して窃取した〔令和5年11月6日付け 起訴状記載の公訴事実第2〕第2 A及び氏名不詳者らと共謀の上、 1 市役所職員等になりすましてキャッ 社D銀行執行役員E管理の現金合計110万円を引き出して窃取した〔令和5年11月6日付け 起訴状記載の公訴事実第2〕第2 A及び氏名不詳者らと共謀の上、 1 市役所職員等になりすましてキャッシュカードをだまし取ろうと考え、令和5年4月27日、市役所職員等になりすました氏名不詳者らが、滋賀県草津市(住所省略)F方に電話をかけ、F(当時81歳)に対し、払戻金を受け取るためにはキャッシュカードを新しいものに交換する必要があり、a銀行職員がキャッシュカードを取りに行くので、同人に封筒に入れたキャッシュカードを渡してほしい旨うそを言い、さらに、同日午前11時20分頃、Aが前記銀行職員になりすまして前記F方を訪問し、Fに、キャッシュカードをAに渡す必要がある旨誤信させ、よって、その頃、同所において、F名義のキャッシュカード1枚の交付を受け、もって人を欺いて財物を交付させた〔令和5年6月20日付け起訴状記載の公訴事実第1〕 2 不正に入手したF名義のキャッシュカードを使用して現金を窃取しようと考え、別表2(省略)記載のとおり、令和5年4月27日午前11時44分頃から同日午前11時47分頃までの間に、3回にわたり、滋賀県草津市(住所省略)所在のG店共同出張所において、Aが、同所に設置された現金自動預払機に、前記F名義のキャッシュカード1枚を挿入して同機を作動させ、株式会社H銀行I管理の現金合計50万円を引き出して窃取した〔令和5年6月20日付け起訴状記載の公訴事実第2〕第3 A及び氏名不詳者らと共謀の上、 1 市役所職員等になりすましてキャッシュカードをだまし取ろうと考え、令和5年4月27日、市役所職員等になりすました氏名不詳者らが、滋賀県草津市(住所省略)J方に電話をかけ、J(当時86歳)に対し、還付金を受け取るためにはキャッシュカー カードをだまし取ろうと考え、令和5年4月27日、市役所職員等になりすました氏名不詳者らが、滋賀県草津市(住所省略)J方に電話をかけ、J(当時86歳)に対し、還付金を受け取るためにはキャッシュカードを新しいものに交換する必要があり、a銀行職員がキャッシュカードを取りに行くので、同人に封筒に入れたキャッシュカードを渡してほしい旨うそを言い、さらに、同日午後1時3分頃、Aが前記銀行職員 になりすまして前記J方を訪問し、Jに、キャッシュカードをAに渡す必要がある旨誤信させ、よって、その頃、同所において、Jほか1名名義のキャッシュカード3枚の交付を受け、もって人を欺いて財物を交付させた〔令和5年6月20日付け起訴状記載の公訴事実第3〕 2 不正に入手したJ名義のキャッシュカードを使用して現金を窃取しようと考え、別表3(省略)記載のとおり、令和5年4月27日午後1時19分頃から同日午後1時21分頃までの間に、3回にわたり、滋賀県草津市(住所省略)所在のK店共同出張所において、Aが、同所に設置された現金自動預払機に、前記J名義のキャッシュカード1枚を挿入して同機を作動させ、株式会社H銀行I管理の現金合計50万円を引き出して窃取した〔令和5年6月20日付け起訴状記載の公訴事実第4〕第4 A及び氏名不詳者らと共謀の上、市役所職員になりすましてキャッシュカードをだまし取ろうと考え、令和5年4月27日、市役所職員になりすました氏名不詳者らが、大津市(住所省略)L方に電話をかけ、L(当時93歳)に対し、還付金を受け取るためにはキャッシュカードを新しいものに交換する必要があり、L方を訪問する者にキャッシュカードを渡してほしい旨うそを言い、さらに、同日午後5時33分頃から同日午後7時頃までの間に、Aが前記L方を訪問し、Lに、キャッシュカードをAに渡す必 換する必要があり、L方を訪問する者にキャッシュカードを渡してほしい旨うそを言い、さらに、同日午後5時33分頃から同日午後7時頃までの間に、Aが前記L方を訪問し、Lに、キャッシュカードをAに渡す必要がある旨誤信させ、よって、その頃、同所において、L名義のキャッシュカード1枚の交付を受け、もって人を欺いて財物を交付させた〔令和5年6月20日付け起訴状記載の公訴事実第5〕第5 A及び氏名不詳者らと共謀の上、 1 市役所職員等になりすましてキャッシュカードをだまし取ろうと考え、令和5年4月28日、市役所職員等になりすました氏名不詳者が、津市(住所省略)M方に電話をかけ、M(当時77歳)に対し、還付金を受け取るためにはキャッシュカードを新しいものに交換する必要があり、銀行員がキャッシュカード を取りに行くので、同人に封筒に入れたキャッシュカードを渡してほしい旨うそを言い、さらに、同日、Aが、前記銀行員になりすまして前記M方を訪問し、Mに、Aが銀行員であり、キャッシュカードをAに渡す必要がある旨誤信させ、よって、その頃、同所において、M名義及びN名義のキャッシュカード4枚の交付を受け、もって人を欺いて財物を交付させた〔令和6年1月10日付け起訴状記載の公訴事実第1〕 2 前記1記載の犯行により入手したM及び前記N名義のキャッシュカードを使用して現金を窃取しようと考え、別表4(省略)記載のとおり、令和5年4月28日午後1時49分頃から同日午後2時2分頃までの間に、6回にわたり、津市(住所省略)O店において、Aが、同所に設置された現金自動預払機に、前記M名義及び前記N名義のキャッシュカード2枚を順次挿入して同機を作動させ、株式会社D銀行執行役員E管理の現金合計100万円を引き出して窃取した〔令和6年1月10日付け起訴状記載の公訴事実第2〕 前記M名義及び前記N名義のキャッシュカード2枚を順次挿入して同機を作動させ、株式会社D銀行執行役員E管理の現金合計100万円を引き出して窃取した〔令和6年1月10日付け起訴状記載の公訴事実第2〕第6 A及び氏名不詳者らと共謀の上、 1 市役所職員等になりすましてキャッシュカードをだまし取ろうと考え、令和5年4月28日、市役所職員等になりすました氏名不詳者が、津市(住所省略)P方に電話をかけ、P(当時75歳)に対し、還付金を受け取るためにはキャッシュカードを新しいものに交換する必要があり、銀行員がキャッシュカードを取りに行くので、同人に封筒に入れたキャッシュカードを渡してほしい旨うそを言い、さらに、同日、Aが、前記銀行員になりすまして前記P方を訪問し、Pに、Aが銀行員であり、キャッシュカードをAに渡す必要がある旨誤信させ、よって、その頃、同所において、P名義のキャッシュカード2枚の交付を受け、もって人を欺いて財物を交付させた〔令和5年12月20日付け起訴状記載の公訴事実第1〕 2 前記1記載の犯行により入手したP名義のキャッシュカードを使用して現金を窃取しようと考え、別表5(省略)記載のとおり、令和5年4月28日午後 2時56分頃から同日午後3時4分頃までの間に、8回にわたり、津市(住所省略)Q店において、Aが、同所に設置された現金自動預払機に、前記P名義のキャッシュカード2枚を順次挿入して同機を作動させ、株式会社D銀行執行役員E管理の現金合計149万4000円を引き出して窃取した〔令和5年12月20日付け起訴状記載の公訴事実第2〕第7 A及び氏名不詳者らと共謀の上、 1 市役所職員等になりすましてキャッシュカードをだまし取ろうと考え、令和5年4月28日、市役所職員等になりすました氏名不詳者が、津市(住所省略)R方に電話 第7 A及び氏名不詳者らと共謀の上、 1 市役所職員等になりすましてキャッシュカードをだまし取ろうと考え、令和5年4月28日、市役所職員等になりすました氏名不詳者が、津市(住所省略)R方に電話をかけ、R(当時76歳)に対し、キャッシュカードが古いことから新しいものに交換する必要があり、銀行員がキャッシュカードを取りに行くので、同人に封筒に入れたキャッシュカードを渡してほしい旨うそを言い、さらに、同日、Aが、前記銀行員になりすまして前記R方を訪問し、Rに、Aが銀行員であり、キャッシュカードをAに渡す必要がある旨誤信させ、よって、その頃、同所において、R名義のキャッシュカード2枚の交付を受け、もって人を欺いて財物を交付させた〔令和6年1月31日付け起訴状記載の公訴事実第1〕 2 前記1記載の犯行により入手したR名義のキャッシュカードを使用して現金を窃取しようと考え、別表6(省略)記載のとおり、令和5年4月28日午後4時32分頃から同日午後4時39分頃までの間に、6回にわたり、津市(住所省略)S店において、Aが、同所に設置された現金自動預払機に、前記R名義のキャッシュカード2枚を順次挿入して同機を作動させ、株式会社D銀行執行役員E管理の現金合計100万円を引き出して窃取した〔令和6年1月31日付け起訴状記載の公訴事実第2〕第8 A及び氏名不詳者らと共謀の上、 1 区役所職員等になりすましてキャッシュカードをだまし取ろうと考え、令和5年5月1日、区役所職員等になりすました氏名不詳者らが、岡山市(住所省 略)T方に電話をかけ、T(当時91歳)に対し、後期高齢者がもらえる金を受け取るためには、手持ちのキャッシュカードを新しいものに交換する必要があるので、そのキャッシュカードを封筒に入れて、受け取りに来た銀行員に渡してほしい旨うそを言 )に対し、後期高齢者がもらえる金を受け取るためには、手持ちのキャッシュカードを新しいものに交換する必要があるので、そのキャッシュカードを封筒に入れて、受け取りに来た銀行員に渡してほしい旨うそを言い、さらに、同日午後1時40分頃、Aが銀行員になりすまして前記T方を訪れ、Tを、Aが銀行員であり、手持ちのキャッシュカードをAに渡す必要がある旨誤信させ、よって、その頃、同所において、TからT名義のキャッシュカード2枚の交付を受け、もって人を欺いて財物を交付させた〔令和5年7月24日付け起訴状記載の公訴事実第1〕 2 前記1記載の犯行によりだまし取ったT名義のキャッシュカードを使用して現金を窃取しようと考え、別表7(省略)記載のとおり、令和5年5月1日午後2時頃から同日午後2時10分頃までの間に、11回にわたり、岡山市(住所省略)U店共同出張所において、同所に設置された現金自動預払機に前記T名義のキャッシュカード2枚を挿入して同機を作動させ、株式会社H銀行I管理の現金合計220万円を引き出して窃取した〔令和5年7月24日付け起訴状記載の公訴事実第2〕第9 A及び氏名不詳者らと共謀の上、 1 金融機関職員等になりすましてキャッシュカードをだまし取ろうと考え、令和5年5月2日、金融機関職員等になりすました氏名不詳者らが、広島市(住所省略)V方に電話をかけ、V(当時84歳)に対し、還付金の口座入金を受けるためには手持ちのキャッシュカードを新しいものと取り替える必要があるので同人方を訪れる金融機関職員に手持ちのキャッシュカードを渡してほしい旨うそを言い、さらに、同日、金融機関職員になりすましたAが前記V方を訪れ、Vを、電話の相手が金融機関職員等であり、還付金の口座入金を受けるためには手持ちのキャッシュカードを新しいものと取り替える必要があるので 、さらに、同日、金融機関職員になりすましたAが前記V方を訪れ、Vを、電話の相手が金融機関職員等であり、還付金の口座入金を受けるためには手持ちのキャッシュカードを新しいものと取り替える必要があるので、Aが金融機関職員として手持ちのキャッシュカードを預かるものと誤信させ、よって、その頃、同所において、VからV名義のキャッシュカード2枚の交付 を受け、もって人を欺いて財物を交付させた〔令和5年9月6日付け起訴状記載の公訴事実第1〕 2 前記1の犯行によりだまし取ったキャッシュカードを使用して現金を窃取しようと考え⑴ 令和5年5月2日午前11時12分頃、広島市(住所省略)W店において、Aが、同所に設置された現金自動預払機に、V名義のキャッシュカード1枚を挿入して同機を作動させ株式会社H銀行I管理の現金10万円を引き出して窃取した⑵ 令和5年5月2日午前11時17分頃から同日午前11時19分頃までの間に、広島市(住所省略)X店において、Aが、同所に設置された現金自動預払機に、V名義のキャッシュカード2枚をそれぞれ挿入して同機を作動させ、株式会社D銀行執行役員E管理の現金合計10万7000円を引き出して窃取した〔令和5年9月6日付け起訴状記載の公訴事実第2〕第10 A及び氏名不詳者らと共謀の上、 1 市役所職員等になりすましてキャッシュカードをだまし取ろうと考え、令和5年5月9日、市役所職員等になりすました氏名不詳者らが、滋賀県草津市(住所省略)Y方に電話をかけ、Y(当時76歳)に対し、還付金を受け取るためにはキャッシュカードを新しいものに交換する必要があり、a銀行職員がキャッシュカードを取りに行くので、同人に封筒に入れたキャッシュカードを渡してほしい旨うそを言い、さらに、同日午後0時6分頃、Aが前記銀行職員になりすまして前記Y に交換する必要があり、a銀行職員がキャッシュカードを取りに行くので、同人に封筒に入れたキャッシュカードを渡してほしい旨うそを言い、さらに、同日午後0時6分頃、Aが前記銀行職員になりすまして前記Y方を訪問し、Yに、キャッシュカードをAに渡す必要がある旨誤信させ、よって、その頃、同所において、Y名義のキャッシュカード2枚の交付を受け、もって人を欺いて財物を交付させた〔令和5年5月30日付け起訴状記載の公訴事実〕 2 不正に入手したY名義のキャッシュカードを使用して現金を窃取しようと考え、別表8(省略)記載のとおり、令和5年5月9日午後0時19分頃から同 日午後0時23分頃までの間に、4回にわたり、滋賀県草津市(住所省略)所在のZ店共同出張所において、Aが、同所に設置された現金自動預払機に、前記Y名義のキャッシュカード2枚を順次挿入して同機を作動させ、株式会社H銀行I管理の現金合計68万4000円を引き出して窃取した〔令和5年6月20日付け起訴状記載の公訴事実第6〕ものである。 (量刑の理由)本件犯行は、高齢の被害者を狙い、還付金を受け取るなどの手続をするために、キャッシュカードを交換する必要があるなどとうそを言って、キャッシュカードをだまし取り、そのキャッシュカードを使用して現金を窃取したもので、巧妙な手口で敢行され、計画性もあり、悪質である。本件犯行による被害額は合計868万5000円と高額である。そして、被告人は、受け子や出し子役をする共犯者を送迎する役割を担っており、重要な役割を果たしている。被告人は、ギャンブルをしていた中で生活に困窮するなどして犯行に及んだというのであるが、その経緯に酌量すべき点はない。そうすると、被告人の刑事責任は重い。 他方で、被告人が受け取っていた報酬が1日1万5000円程度と他の共犯者に比 生活に困窮するなどして犯行に及んだというのであるが、その経緯に酌量すべき点はない。そうすると、被告人の刑事責任は重い。 他方で、被告人が受け取っていた報酬が1日1万5000円程度と他の共犯者に比して少額に留まり、組織の中において末端で従属的な立場にあったことは被告人のために相応に考慮する必要がある。その他、被告人が事実を認めて謝罪文を作成し、反省の態度を示していること、被告人が再犯を防止するためにギャンブル依存症の治療を受けていくと述べていること、前科前歴がないこと、母親が出廷して被告人を監督すると誓約していることなどの被告人のために酌むべき事情が認められるが、これらの事情を最大限考慮しても、弁護人の求める執行猶予を付すのは相当ではなく、被告人に対しては、主文の刑に処するのが相当と判断した。 (求刑懲役4年6月)令和6年5月24日大津地方裁判所刑事部 裁判官西脇真由子

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