平成15(行ウ)34等 損害賠償請求住民訴訟事件,損害賠償請求事件

裁判年月日・裁判所
平成18年3月29日 さいたま地方裁判所 住民訴訟
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判決文本文50,676 文字)

主文 第1事件に係る訴えのうち,平成14年6月12日に支出された補助金197万0500円の交付に係る部分を却下する。 被告は,Aに対し,1462万6451円及び別紙1,2の「損害額」欄記載の金額に対する「支払日」欄記載の各支払日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。 被告は,久喜市吉羽土地区画整理組合に対し,1462万6451円及び別紙1,2の「損害額」欄記載の金額に対する「支払日」欄記載の各支払日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。 第1事件原告ら及び第2事件原告らのその余の請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は第1事件及び第2事件を通じてこれを5分し,その2を被告の,その余を原告らの負担とし,参加によって生じた費用は両事件を通じてこれを5分し,その2を被告補助参加人らの,その余を原告らの負担とする。 事実 及び理由第1請求 第1事件被告は,久喜市吉羽土地区画整理組合及びAに対し,それぞれ1860万6538円(平成14年6月から平成15年5月までの派遣職員らの給与等計1466万5538円と平成14年度補助金394万1000円の合計)及び別紙1の「支給額」欄記載の金額に対する各支払日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。 第2事件被告は,久喜市吉羽土地区画整理組合及びAに対し,それぞれ1852万8375円(平成15年6月から平成16年3月までの派遣職員らの給与等計1458万7375円と平成15年度補助金394万1000円の合計)及び別紙2の「支給額」欄記載の金額に対する各支払日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。 第2事案の概要 事案の要旨本件は,久喜市の住民である原告ら(特にこ 円の合計)及び別紙2の「支給額」欄記載の金額に対する各支払日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。 第2事案の概要 事案の要旨本件は,久喜市の住民である原告ら(特にことわりがない限り,両事件原告ら及び第2事件原告Bを併せて「原告ら」と表記する。)が,①久喜市が市の職員を久喜市吉羽土地区画整理組合に派遣し,市の職員に対して給料及び職員手当を支出したこと(以下「本件給与支出」という。)は,地方公務員法35条,地方自治法204条の2,公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律(平成12年法律第50号。平成14年4月1日施行。以下「公益法人等派遣法」という。)2条,6条等に反し違法である,②市が上記組合に対して交付した補助金の支出(以下「本件補助金支出」という。)は,地方自治法232条の2に定める「公益上必要がある場合」に当たらないから違法であるなどとし,それらの違法行為の結果,久喜市に本件給与支出及び本件補助金支出相当額の損害が生じたと主張して,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,被告に対し,上記組合に不当利得の返還の請求を,当時市長として本件給与支出及び本件補助金支出に関わったAに損害賠償の請求をするようそれぞれ求めた事案である。 なお,平成14年6月から平成15年5月までの間の派遣職員に対する給与及び平成14年度の補助金の各支出を対象としている事件が第1事件で,平成15年6月から平成16年3月までの間の派遣職員に対する給与及び平成15年度の補助金の各支出を対象としている事件が第2事件である。両事件ともに 上記組合及びAが被告に補助参加している。 基本的事実関係(当事者間に争いがないか,証拠及び弁論の全趣旨によって容易に認定できる事実)(1)当事者等ア原告らは,いずれも埼玉県久喜 もに 上記組合及びAが被告に補助参加している。 基本的事実関係(当事者間に争いがないか,証拠及び弁論の全趣旨によって容易に認定できる事実)(1)当事者等ア原告らは,いずれも埼玉県久喜市に居住する住民である。 イAは,本件当時,久喜市長の職にある者である。 ウ久喜市吉羽土地区画整理組合(以下「本件組合」又は「参加人組合」という。)は,久喜市吉羽地区の土地区画整理事業(以下「本件土地区画整理事業」という。)を施行するために昭和49年6月25日に設立された法人である。 (2)市職員による組合の業務Cは,久喜市建設部都市整備課長補佐兼区画整理第1係長であったが,平成11年4月1日から平成16年3月31日まで本件組合の事務所で執務し,Dは,久喜市建設部都市整備課区画整理第1係の主査であったが,平成12年10月1日から平成16年3月31日まで本件組合の事務所で執務した(以下「本件事務従事」ということがある。)。 C及びD(以下,併せて「本件職員」ということがある。)の本件組合事務所での執務について,公益法人等派遣法に基づく条例の制定や職務専念義務免除の手続等の措置は採られていない。 C及びDは,平成16年4月1日以降は,久喜市役所本庁庁舎内において執務するようになった。 (3)久喜市による給与の支出久喜市は,Cに対し,平成14年6月から平成15年5月までの間,別紙1計算書(1)の「支給額」欄記載とおり総額804万7244円,平成15年6月から平成16年3月までの間,別紙2計算書(1)の「支給額」欄記載のとおり総額791万8599円の給与を支出した。 久喜市は,Dに対し,平成14年6月から平成15年5月までの間,別紙1計算書(2)の「支給額」欄記載のとおり総額661万8294円,平成15年6月から平成16年3月までの間,別紙 与を支出した。 久喜市は,Dに対し,平成14年6月から平成15年5月までの間,別紙1計算書(2)の「支給額」欄記載のとおり総額661万8294円,平成15年6月から平成16年3月までの間,別紙2計算書(2)の「支給額」欄記載のとおり総額666万8776円の給与を支出した。 (4)久喜市による補助金の交付ア平成14年分補助金交付(ア)本件組合は,平成14年4月30日,久喜市長に対し,以下の内容で補助金の申請を行った(甲14)。 交付申請額394万1000円補助事業等の目的土地区画整理事業の施行を促進し,健全な市街地の造成と組合事業の円滑な運営を図るため補助事業等の内容本件組合職員の人件費としての補助事業完了予定年月日平成15年3月31日(イ)久喜市長は,上記申請に係る補助金を交付することを決定し,平成14年5月16日付けで,本件組合に対し,補助金として394万1000円を概算払で交付する旨通知した。 (ウ)久喜市は,本件組合に対し,平成14年6月12日及び同年11月6日に,それぞれ補助金197万0500円を交付した。 イ平成15年分補助金交付(ア)本件組合は,平成15年5月14日,久喜市長に対し,上記ア(ア)と同様の補助金394万1000円の申請を行った(甲40)。 (イ)久喜市長は,平成15年6月2日付けで,本件組合に対し,補助金として394万1000円を概算払で交付する旨通知した。 (ウ)その後,久喜市は,本件組合に対し,補助金合計394万1000円を交付した。 (5)住民監査請求等 ア第1事件原告らは,平成15年6月18日,久喜市監査委員に対し,本件組合が埼玉県の認可と異なる虚偽の内容の登記申請をし,従前の土地のまま換地処分されるなど,本件組合において杜撰かつ違法性が極めて強い事務処理が行わ ,平成15年6月18日,久喜市監査委員に対し,本件組合が埼玉県の認可と異なる虚偽の内容の登記申請をし,従前の土地のまま換地処分されるなど,本件組合において杜撰かつ違法性が極めて強い事務処理が行われており,これらの事務処理に携わった2名の市職員に市が給与を支払っているのは不当であり,また,組合事業が円滑に遂行されていないにもかかわらず交付された補助金の支出は不当であるなどとして,監査請求をした(甲8,以下「第1次監査請求」という。)が,上記監査委員は,平成15年8月8日付けで,上記監査請求を棄却した(甲9)。 そこで,第1事件原告らは,平成15年9月3日,第1事件に係る訴えを提起した。 イ第2事件原告らは,平成16年5月26日,久喜市監査委員に対し,2名の職員を本件組合の事務に従事させたことについて,職務専念義務の免除手続や公益法人等派遣法の手続をとらないまま,久喜市がこれらの職員に給与を支払っていることは地方自治法204条の2,地方公務員法35条,公益法人等派遣法2条1項,6条2項に反し違法であり,久喜市が本件組合に交付した補助金について,公益上の必要性はなく,久喜市補助金等の交付に関する規則に違反しているなどとして,監査請求をしたところ,上記監査委員は,平成16年7月23日付けで,平成15年度給与については違法な支出であったと判断した上で,被告に対し,平成15年度給与の総額を本件組合に返還を求める措置を講ずるように勧告した。しかし,市長個人であるAには故意過失がなかったとしてAに対し返還請求を求める部分は理由がなく,また,平成15年度補助金については適法と判断する旨の決定をした(以下「第2次監査請求」という。)。 そこで,第2事件原告らは,平成16年8月19日,第2事件に係る訴えを提起した。 (6)関係法令等ア職員の 助金については適法と判断する旨の決定をした(以下「第2次監査請求」という。)。 そこで,第2事件原告らは,平成16年8月19日,第2事件に係る訴えを提起した。 (6)関係法令等ア職員の身分及び給与の支給に関する地方公務員法,地方自治法の規定(ア)地方公務員法地方公務員法35条は,職員は,法律又は条例に特別の定がある場合を除く外,その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い,当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならないと規定している。 (イ)地方自治法地方自治法204条の2は,普通地方公共団体は,いかなる給与その他の給付も法律又はこれに基く条例に基かずには,地方公共団体の職員等に支給することができないと規定している。 イ公益法人等派遣法等(ア)目的公益法人等派遣法1条は,この法律は,地方公共団体が人的援助を行うことが必要と認められる公益法人等の業務に専ら従事させるために職員を派遣する制度等を整備することにより,公益法人等の業務の円滑な実施の確保等を通じて,地域の振興,住民の生活の向上等に関する地方公共団体の諸施策の推進を図り,もって公共の福祉の増進に資することを目的とすると規定している。 (イ)職員の派遣公益法人等派遣法2条1項は,任命権者は,公益法人等のうち,その業務の全部又は一部が当該地方公共団体の事務又は事業と密接な関連を有するものであり,かつ,当該地方公共団体がその施策を推進を図るため人的援助を行うことが必要であるものとして条例で定めるものとの間の取決めに基づき,当該公益法人等の業務にその役職員として専ら従事させるため,条例で定めるところにより,職員を派遣することができる と定め,上記公益法人等の一つとして,土地区画整理組合が規定されている(公益法人等 当該公益法人等の業務にその役職員として専ら従事させるため,条例で定めるところにより,職員を派遣することができる と定め,上記公益法人等の一つとして,土地区画整理組合が規定されている(公益法人等の派遣等に関する法律第2条第1項第3号の法人を定める政令。平成12年政令第523号。以下「公益法人等派遣法に関する政令」という。)。 (ウ)派遣職員の給与公益法人等派遣法6条1項は,原則として派遣職員の派遣期間中は,給与を支給しないものとし,同条2項は,派遣職員が派遣団体先において従事する業務が地方公共団体の委託を受けて行う業務,地方公共団体と共同して行う業務若しくは地方公共団体の事務若しくは事業を補完し若しくは支援すると認められる業務であってその実施により地方公共団体の事務若しくは事業の効率的若しくは効果的な実施が図られると認められるものである場合又はこれらの業務が派遣先団体の主たる業務である場合には,地方公共団体は,派遣職員に対し,派遣期間中,条例に定めるところにより,給与を支給することができると規定している。 ウ久喜市公益法人等への職員の派遣等に関する条例(平成14年条例第2号。平成14年4月1日施行。以下「久喜市公益法人等派遣条例」という。)久喜市公益法人等派遣条例1条は,公益法人等派遣法の規定に基づき,公益法人等への職員の派遣等に関し必要な事項を定めるものとし,久喜市公益法人等派遣条例2条は,任命権者は,次に掲げる団体との間の取決めに基づき,当該団体の業務にその役職員として専ら従事させるため,職員を派遣することができると規定しているが,同条の団体として定められているものは,財団法人久喜市文化スポーツ振興事業団及び社会福祉法人久喜市社会福祉協議会のみであり,本件組合は規定されていない。 主な争点(1)第1事件に係る訴え が,同条の団体として定められているものは,財団法人久喜市文化スポーツ振興事業団及び社会福祉法人久喜市社会福祉協議会のみであり,本件組合は規定されていない。 主な争点(1)第1事件に係る訴えと第1次監査請求の対象の同一性(争点1) (2)本件事務従事及び本件給与支出に関しア本件事務従事及び本件給与支出の違法性の有無(争点2)イAの過失の有無(争点3)ウ本件組合の返還義務の有無(争点4)エ損害額(争点5)(3)本件補助金支出に関しア第1次監査請求は本件補助金支出の一部について監査請求期間を徒過しているかどうか(争点6)イ本件補助金支出の違法性の有無(争点7) 争点に関する当事者の主張の概要(1)争点1(第1事件に係る訴えと第1次監査請求の対象の同一性)について(被告の主張)第1事件原告らのした第1次監査請求は換地の地目についての事務処理の杜撰を理由とするものであり,市職員に対する給与の支出が職務専念義務に違反すること等を理由とする第1事件に係る訴えとは異なる。 したがって,第1事件原告らの第1事件に係る訴えは,形式的には住民監査請求を経ているものの,実質的には住民監査請求を経ていないものといわざるを得ず,第1事件に係る訴えは不適法である。 (第1事件原告らの主張)第1事件原告らは,第1次監査請求の書面において,市職員の出向・派遣と当該職員に対する給与の支出の違法性を明確に指摘している。 監査請求の対象と住民訴訟の対象との同一性は,監査請求及び住民訴訟において違法と主張される当該行為について,社会的事件として同一性が認められるか否かによって判断されるのであり,本件においても同一性が認められることは明らかである。 (2)争点2(本件事務従事及び本件給与支出の違法性の有無)について(原告らの主張) 同一性が認められるか否かによって判断されるのであり,本件においても同一性が認められることは明らかである。 (2)争点2(本件事務従事及び本件給与支出の違法性の有無)について(原告らの主張)ア地方公務員法35条,地方自治法204条の2違反地方公務員法35条は,「職員は,法律又は条例に特別の定がある場合を除く外,その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い,当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。」と規定しており,地方公共団体が当該地方公共団体以外の法人その他の団体へ職員を派遣したり,その業務に従事させることは,法律又は条例に特別の定めがある場合を除いては,これが職務専念義務に反しないとみられる場合か,若しくはあらかじめ職務専念義務違反の問題が生じないような措置がとられた場合においてのみ許されるものである。 しかし,本件の場合は職務専念義務に反しないとみられるような場合に当たらず,本件職員について職務専念義務違反の問題が生じないようにするための措置が採られた形跡はない。 したがって,そのような手続を経ない本件事務従事は,職務専念義務(地方公務員法35条)に反する違法なものであり,また,法令上の根拠なく本件職員に対し給与を支給したことは地方自治法204条の2に反する違法なものである。 イ公益法人等派遣法違反公益法人等派遣法2条1項は,「任命権者は,次に掲げる団体(公益法人等)のうち,その業務の全部又は一部が当該地方公共団体の事務又は事業と密接な関連を有するものであり,かつ,当該地方公共団体がその施策の推進を図るため人的援助を行うことが必要であるものとして条例で定めるものとの間の取決めに基づき,当該公益法人等の業務にその役職員として専ら従事させるため,条例で定めるところにより, 団体がその施策の推進を図るため人的援助を行うことが必要であるものとして条例で定めるものとの間の取決めに基づき,当該公益法人等の業務にその役職員として専ら従事させるため,条例で定めるところにより,職員を派遣することができる。」とし,土地区画整理組合は,公益法人等派遣法に関する政令 により,派遣し得る公益法人等の一に当たることが定められている。そして,公益法人等派遣法6条は,1項で派遣職員には給与を支給しないとする一方で,2項では,例外として,「派遣職員が派遣先団体において従事する業務が地方公共団体の委託を受けて行う業務,地方公共団体と共同して行う業務若しくは地方公共団体の事務若しくは事業を補完し若しくは支援すると認められる業務であってその実施により地方公共団体の事務若しくは事業の効率的若しくは効果的な実施が図られると認められるものである場合又はこれらの業務が派遣先団体の主たる業務である場合には,地方公共団体は,前項の規定にかかわらず,派遣職員に対して,その職員派遣の期間中,条例で定めるところにより,給与を支給することができる。」と規定している。とすれば,少なくとも公益法人等派遣法が施行された平成14年4月1日以降は,同法によらなければ,職員の派遣及び給与の支給は許されないことになる。 本件においては,久喜市は,本件職員が本件組合への派遣期間中専ら本件組合の業務に従事し,市の事務は担当しなかったのに,本件職員に対する給与の全額を市において負担し,支給したものであるが,その派遣及び給与の支給に関し公益法人等派遣法に基づく条例は定められていない。 したがって,条例において規定せずに本件職員を本件組合へ派遣させた職務命令は公益法人等派遣法2条1項に違反するものであり,また,本件職員に給与の支出をしたことは公益法人等派遣法6条1項に違反す い。 したがって,条例において規定せずに本件職員を本件組合へ派遣させた職務命令は公益法人等派遣法2条1項に違反するものであり,また,本件職員に給与の支出をしたことは公益法人等派遣法6条1項に違反するものといわざるを得ない。 ウ被告ら(以下,被告及び参加人らを併せて「被告ら」という。)の後記主張に対する反論(ア)被告らは,本件事務従事は派遣ではない旨主張するが,第2次監査請求において久喜市監査委員も実態が派遣であることを認めているとおり,次の事情からすれば派遣に該当するというべきである。 ①本件職員の勤務場所は,久喜市役所本庁庁舎ではなく,本件組合の事務所であり,本件職員は,自宅と本件組合の事務所の間を直行直帰し,本件組合の事務所に常駐する形態で勤務していた。 ②本件職員の行っていた事務についても,久喜市固有の事務は,全体の1割に満たず,残りは,本件組合の事務であった。 本件組合固有の職員はパートも含め女性職員2名程度であり,上記固有の職員が経理を行っており,経理以外の本件組合の事務のすべてを本件職員が行っていた。 ③本件職員に対する指揮監督関係についても,実態は本件組合の理事長の指揮監督下にあったものであり,久喜市による指揮監督が及んでいたものではない。 被告らは,毎朝の電話による出勤状況の報告,休暇届,研修参加,部内連絡会出席,勤務評定等を通じて,本件職員に対する久喜市の指揮監督が及んでいたと主張するが,前3者については,いずれも本件職員に市職員としての身分が残っていることによる形式的なものにすぎず,部内連絡会出席にしても,月1回1時間程度Cのみが出席していたにすぎず,勤務評定についても,直行直帰の勤務形態では,きちんとした評定がなされていたのか疑わしい。 (イ)被告らは,公益法人等派遣法2条1項の「専ら」の意義に 月1回1時間程度Cのみが出席していたにすぎず,勤務評定についても,直行直帰の勤務形態では,きちんとした評定がなされていたのか疑わしい。 (イ)被告らは,公益法人等派遣法2条1項の「専ら」の意義について,本来の職務を全面的に免除されて派遣先の業務にのみ従事することであると主張する。 しかし,「専ら」とは,「それを主として」としての意味であり(「広辞苑」),選択肢が複数存在することを前提としてそのうちの量的な割合を示す概念である。 とすれば,公益法人等派遣法2条1項の「専ら」とは,大部分が公益法人等の業務に従事するとの意味であると解釈するのが文理に素直な解 釈である。 そして,本件においては,①本件職員が本件組合の事務所に直行直帰・常駐していたこと,②出勤簿が本件組合の事務所にあったこと,③従事していた事務の9割超が本件組合の事務であったこと,④本件組合の理事長の指揮監督のもとに事務従事していたことからすれば,本件職員は「専ら」本件組合の事務に従事していたといってよい。 (ウ)被告らは,本件組合の業務が久喜市の事務と位置づけることができるか又は実質的に同一視できる場合には,公益法人等派遣法によらずに職務命令により派遣することができると主張する。 たしかに,土地区画整理事業が都市計画事業の1つとして実施され,健全な市街地の造成を図り,もって公共の福祉の増進に資することを目的としており,地方公共団体の事務ともなり得るものであるが,公益法人等派遣法に関する政令は,公益法人等派遣法の対象となる団体として土地区画整理組合を掲げており,土地区画整理組合の業務が地方公共団体の事務と位置づけることができ,公益法人等派遣法の適用がないというのであれば,公益法人等派遣法に関する政令に土地区画整理組合を掲げる必要はないはずである。 そして,本件組合は 合の業務が地方公共団体の事務と位置づけることができ,公益法人等派遣法の適用がないというのであれば,公益法人等派遣法に関する政令に土地区画整理組合を掲げる必要はないはずである。 そして,本件組合は土地区画整理法3条2項による7人以上の発起人により設立され久喜市吉羽地区内の宅地所有者及び借地権者のすべてを組合員とする法人であって,組合施行の土地区画整理事業と土地区画整理法3条3項によって地方公共団体が施行する土地区画整理事業とは施行主体が異なるものであり,本件組合で従事する事務と久喜市の事務を同一視することはできない。 また,公益法人等派遣法6条は,地方公共団体が公益法人等に職員を派遣する際には,本来給与を支給しないことを原則としつつ,業務の公益性に鑑みて,条例の制定を条件に,例外的に給与の支出を認めたもの であり,派遣先団体の業務が派遣元地方公共団体の事務と実質的に同一視できるような場合も上記条項に当たるものであるが,そのような場合に条例の制定という議会の関与なく派遣が許されるとするならば,法がこのような規定を設けた意味を失ってしまうことになる。 なお,被告らは,土地区画整理法75条及び123条を根拠として,本件職員の本件組合での事務は久喜市の援助事務に当たるとするが,実態は専門的知識も経験もなく,本件職員の事務従事がなされている間,本件組合における公共用地の清算金,セイシン株式会社への業務委託等が適正になされておらず,久喜市は本件組合を指導監督もしていなかったものであり,上記各条項が本件職員の事務従事を正当化する根拠とならないことは明らかである。 エ小括このように,久喜市は,本件職員が本件組合の業務に従事し,市の事務は担当しなかったのに,本件職員に対する給与の全額を市において負担し,支給したものであり,本件事務従事は,地方 らかである。 エ小括このように,久喜市は,本件職員が本件組合の業務に従事し,市の事務は担当しなかったのに,本件職員に対する給与の全額を市において負担し,支給したものであり,本件事務従事は,地方公務員法35条の職務専念義務及び公益法人等派遣法2条,久喜市公益法人等派遣条例2条に違反し,また,本件職員に対する給与の支払は,地方自治法204条の2,公益法人等派遣法6条,久喜市公益法人等派遣条例に違反しており,本件給与支出は財務会計上の違法な公金支出である。 (被告の主張)ア地方公務員に対する給与は,条例に根拠がない限りこれを支給できず(給与条例主義,地方自治法204条の2等),逆に,条例に根拠がある以上,これを支出しなければならないものである。 そして,久喜市部室設置条例(平成4年条例第1号,乙2),久喜市組織規則(平成4年規則第17号,乙3)では,建設部都市整備課には,都市整備係,公園係,区画整理第1係,区画整理第2係の4係が設置されて, 区画整理第1係は「(1)吉羽地域の個人又は組合施行の土地区画整理事業の推進に関すること,(2)吉羽地域の土地区画整理事業の計画,工事施行,評価,換地及び保留地の処分等に関すること,(3)その他吉羽地域の土地区画整理事業に関すること」を事務分掌としているところ,本件職員のC(同人は都市整備課の課長補佐であり,区画整理第1係の係長を兼務している。)及びD(同人は都市整備課の主査であり,区画整理第1係の係員である。)は,いずれも区画整理第1係の係長及び係員として,久喜市の事務に従事していたものである。 本件職員は,本件組合の事務所に直行直帰していたものの,毎朝始業時までに電話にて当日の出勤状況等を久喜市建設部都市整備課に報告しており,本件職員からの電話連絡を受けた都市整備課は,毎朝,職員執務状況 件職員は,本件組合の事務所に直行直帰していたものの,毎朝始業時までに電話にて当日の出勤状況等を久喜市建設部都市整備課に報告しており,本件職員からの電話連絡を受けた都市整備課は,毎朝,職員執務状況調を作成した上,建設部長の確認を経てこれを久喜市総務部庶務課に報告していたし,本件職員が年次有給休暇を取得する場合は,直接都市整備課に年次有給休暇簿を提出していた。このように,本件職員は,久喜市建設部都市整備課区画整理第1係の職員として,久喜市の指揮,命令のもと本件組合の事務所で勤務していたものであり,原告らがいうような職員の「派遣」がなされていたわけではない。 そして,久喜市一般職職員の給与に関する条例(昭和34年条例第23号,乙1)によれば,本件職員らは訴外久喜市の一般職職員である以上,給与はこれを支払わなければならないのである。 イ土地区画整理組合は,そもそも,都市計画区域内の土地について,公共施設の整備改善及び宅地の利用の増進を図るべく設立された法人であり,商法上の営利会社たる株式会社とは異なり,営利を目的とする法人ではないのであり,その設立目的及び事務の内容はまさに公共の福祉の増進にある点において地方公共団体と全く同一であるといっても過言ではない。 また,土地区画整理事業とは,「健全な市街地の造成を図り,もって公 共の福祉の増進に資することを目的とする」事業(土地区画整理法1条)であり,狭小な国土しか有しない我が国においては,国土の有効な利用の観点からすれば,必要不可欠な事業なのであり,土地区画整理組合のみならず,市町村も施行者となり得るものとされている(同法3条3項参照)。 久喜市職員による本件組合での事務従事について,久喜市組織規則上,昭和49年の本件組合設立当初より,久喜市の職務の従事であると位置づけて行ってきており,本件 るものとされている(同法3条3項参照)。 久喜市職員による本件組合での事務従事について,久喜市組織規則上,昭和49年の本件組合設立当初より,久喜市の職務の従事であると位置づけて行ってきており,本件土地区画整理事業は,法的には本件組合の組合施行の土地区画整理事業であるものの,その実態においては,久喜市の施行による土地区画整理事業といっても過言ではないものといえ,本件組合の業務が久喜市の事務と位置づけることができるのである。 ウ本件職員は,平成16年3月31日まで,本件組合の事務所に直行直帰していたものの,本件組合の事務所において本件職員が従事していた職務の内容は,概ね別紙3ないし5の記載の事務のうち,久喜市の固有事務(別紙3)及び本件組合に対する援助事務(別紙4)に従事していたものであり,本件組合の固有事務(別紙5)については,本件組合固有の職員が主として行っており,本件職員はほとんど関与していなかった。例えば,久喜市固有の事務としては,本件土地区画整理事業の対象地の地権者らが建築物の新築等を行う場合には,土地区画整理法76条1項の久喜市長の許可が必要であるが,本件職員は,地権者からの許可申請について,施行者である本件組合から意見を聴取(土地区画整理法76条2項参照)するなど,土地区画整理法76条の許可事務を行っており,また,本件組合に対する援助事務としては,土地区画整理法105条,106条は,土地区画整理事業により築造された区画街路等の公共施設について地方公共団体がその管理を引き継ぐ旨規定するところ,本件職員は,土地区画整理法105条,106条に基づく管理移管が円滑に行われるように,久喜市の道路管理の担当課である建設部建設課の職員らと,必要事項を協議の上,資 料作成に当たっていた。 このように,本件職員が従事していた事務は,久 06条に基づく管理移管が円滑に行われるように,久喜市の道路管理の担当課である建設部建設課の職員らと,必要事項を協議の上,資 料作成に当たっていた。 このように,本件職員が従事していた事務は,久喜市固有の事務及び本件組合に対する援助事務であり,土地区画整理組合に対する援助事務は,土地区画整理法75条及び123条に根拠を有するものであるから,本件職員の本件組合での事務従事は職務専念義務に違反するものではない。 エ原告らは,本件職員の本件組合での事務従事が公益法人等派遣法に反するものであると主張する。 しかし,公益法人等派遣法が制定された以後においても,公益法人等の業務とあわせて地方公共団体の職務にも従事する場合等については,今回の制度の対象外であるとされており(乙20参照),公益法人等派遣法2条1項の「専ら従事」の意味については,本来の職務を全面的に免除されて,派遣先の業務にのみ従事することとされている(乙24参照)のであって,本件職員の本件組合での事務従事は,公益法人等派遣法が規定する他団体への「専ら従事」に該当しないものであるから,公益法人等派遣法違反の問題は生じない。 なお,公益法人等派遣法の対象団体として土地区画整理組合を条例により定めているのは,埼玉県内では宮代町のみである。 オしたがって,本件事務従事に違法な点はなく,本件給与支出も適法である。 (参加人Aの主張)ア公益法人等派遣法と職員派遣(ア)公益法人等派遣法の施行に際しては,平成12年7月12日付け自治省行政局公務員部長通知「公益法人等への職員派遣制度等の運用について」(以下「公務員部長通知」という。)(乙20)が発せられており,上記通知によれば,職員を他団体の事務に従事させる場合であっても,当該事務従事が典型的には実務研修としてなされる場合のようにそ て」(以下「公務員部長通知」という。)(乙20)が発せられており,上記通知によれば,職員を他団体の事務に従事させる場合であっても,当該事務従事が典型的には実務研修としてなされる場合のようにそ れ自体として地方公共団体の職務と位置づけられる場合及び公益法人等の業務とあわせて地方公共団体の職務にも従事する場合には,公益法人等派遣法の制度の対象外とされている。 すなわち,公益法人等派遣法が適用されるのは,「公益法人等の業務に専ら従事させる」場合に限られているものであり,「公益法人等の業務に専ら従事させる」場合の範囲については,単に職員を公益法人等の業務に従事させるというだけではなく,①当該業務への従事が職員の職務としてではないこと,②当該業務への従事とともに地方公共団体の事務にも従事するものではないこととの要件を充たす場合に限られるのである。 (イ)公益法人等派遣法は,茅ヶ崎市商工会議所派遣事件に関する最高裁平成10年4月24日判決(裁判集民事188号275頁)を踏まえ,公益法人等への派遣について透明かつ統一的なルールをつくり,その法的根拠を与えるという趣旨で制定されたものである。 しかし,公益法人等派遣法の立法に当たって踏まえられた最高裁判決が職務専念義務免除の方法による派遣事例に関する最高裁平成10年4月24日判決であったことから明らかなとおり,その中心的な適用対象として想定されていたのは,派遣元地方公共団体の事務と関連性は有するものの,これとは同一視できない他団体の業務に職員を従事させる場合だったものである。 公益法人等派遣法制定前においても,派遣先団体の業務が派遣元の地方公共団体の事務と実質的に同一視できるものである場合には,その事務従事を派遣元の地方公共団体の職員としての職務と位置づけ,かつ,これに指揮監督を及ぼして職務 おいても,派遣先団体の業務が派遣元の地方公共団体の事務と実質的に同一視できるものである場合には,その事務従事を派遣元の地方公共団体の職員としての職務と位置づけ,かつ,これに指揮監督を及ぼして職務命令により派遣することが許されると解されており,かかる場合の派遣について格別新たな法的根拠を与える必要などはなかったものである。 このように,派遣先団体の業務が派遣元地方公共団体の事務と実質的に同一視できる場合には公益法人等派遣法によらず,派遣職員に対して指揮監督を及ぼして職務命令により派遣することもできるが,一方,派遣職員に対して指揮監督を放棄して公益法人等派遣法に基づき派遣することも許されるものである。 イ本件事務従事本件の場合,本件組合での事務従事は久喜市の事務そのもの(少なくとも,実質的に同一視できるもの)であり,かつ,久喜市は本件職員に対して指揮監督を及ぼして上記組合の業務に従事させていたのであって何ら違法ではない。 また,公益法人等派遣法は兼業すなわち派遣元地方公共団体の職員としての職務に従事しつつ派遣先団体の業務にも従事する場合を同法による派遣の対象外としている。本件組合での事務従事の場合,本件職員はそれぞれの所属課が所掌する久喜市の固有事務にも従事しているのであって,この点からしても本件事務従事は公益法人等派遣法による派遣の対象外である。 上記の点を敷えんして述べると次のとおりである。 (ア)本件職員の勤務場所等本件職員は久喜市建設部都市整備課区画整理第1係所属の職員(1名は課長補佐,1名は主査)であるが,平成14年度及び平成15年度においては,本件組合の事務所において事務に従事していた。 なお,本件職員は平成16年4月1日からは久喜市役所本庁庁舎内の建設部都市整備課事務室において勤務している。 (イ)本件職員の 平成15年度においては,本件組合の事務所において事務に従事していた。 なお,本件職員は平成16年4月1日からは久喜市役所本庁庁舎内の建設部都市整備課事務室において勤務している。 (イ)本件職員の従事した事務の内容本件職員が平成14年度及び平成15年度において従事した事務の内容は別紙3,4記載のとおりである。 そして,本件組合の経理等の内部事務は同組合の固有の職員が処理していた。 本件職員が従事していた別紙3,4記載の事務のうち,別紙3記載の事務は久喜市の固有事務であり,久喜市の職務そのものであることはいうまでもない。 また,別紙4記載の事務は,本件組合の施行する土地区画整理事業に対する援助事務であり,久喜市の職務として位置づける適格性を有するものであって,久喜市の職務と同一視することができるものであることはもちろん,久喜市の職務そのものと位置づけられるのである。すなわち,土地区画整理事業は都市計画事業の一つとして実施されるものであり,健全な市街地の造成を図り,もって公共の福祉の増進に資することを目的とするものであって(土地区画整理法1条),本件組合の施行する土地区画整理事業は久喜市にとって同市の街づくりそのものであり,住民の福祉増進をその存立目的とする久喜市がこれを援助し,促進を図ることは久喜市が処理すべき公共事務の重要な一つであって,これを同市の職務と位置づけ得ることは当然のことである。個別実定法上も,土地区画整理組合は市長等に対し,「土地区画整理事業の施行の準備又は施行のために,それぞれ土地区画整理事業に関し専門的知識を有する職員の技術的援助を求めることができる。」(土地区画整理法75条)とし,さらに市長等は土地区画整理組合に対し,「その施行する土地区画整理事業の施行の促進を図るため必要な勧告,助言若しくは援助をする 員の技術的援助を求めることができる。」(土地区画整理法75条)とし,さらに市長等は土地区画整理組合に対し,「その施行する土地区画整理事業の施行の促進を図るため必要な勧告,助言若しくは援助をすることができる。」(土地区画整理法123条1項)とし,地方公共団体の区域内において土地区画整理組合の施行する土地区画整理事業に対する援助を当該地方公共団体の公共事務として明確に規定しているものである。これら土地区画整理事業の性格,土地区画整理法の規定からすれば,本件組合の施行する土地区画整理事業に対する援助事務は久喜市の 事務であり,これに従事する職員の職務は久喜市の職務そのものと位置づけられるのである。 (ウ)本件職員に対する久喜市の指揮監督本件職員の本件事務従事には,次のとおり久喜市の指揮監督が及んでいた。 a服務管理出勤管理等に関しては,毎日,本件職員が電話によりその日の勤務状況(出勤,欠勤等)を建設部都市整備課に報告し,同課が職員執務状況調を作成し,都市整備課長から建設部長を経由して総務部庶務課に提出していた。 年次有給休暇,病気休暇及び特別休暇は,本件職員が年次休暇簿等に記載して都市整備課に持参し,同課課長の決裁を受けていた。 b人事管理本件職員に対しては,久喜市は久喜市の職員と同一に勤務評定を行っていた。具体的には,評定を本件職員の直近の監督者たる都市整備課長が一次評定をし,建設部長が二次評定を行っていた。 久喜市が任命権者の実施する研修・健康診断等を行う場所には,久喜市は本件職員の該当者に対しても受講・受診を命じていた。 c職務遂行上の指揮監督久喜市では,定例的に部内会議を開催し,そこで協議事項等の伝達及び部内の連絡調整を行っているが,上記部内会議開催日程については本件職員に連絡され,本件職員も出席し,出席できなか 職務遂行上の指揮監督久喜市では,定例的に部内会議を開催し,そこで協議事項等の伝達及び部内の連絡調整を行っているが,上記部内会議開催日程については本件職員に連絡され,本件職員も出席し,出席できなかった場合には都市整備課長から会議内容が伝達されていた。 本件職員は別紙3記載の事務については都市整備課長の決裁を受け,別紙4記載の事務については随時,都市整備課長に報告し,必要な指示を受けていた。 ウ違法な財務会計上の行為の不存在本件は土地区画整理組合への事務従事が違法であるとして,本件職員に対する給与支出相当額の賠償を求めて提起されているものであるが,事務に従事させること自体は財務的処理を直接の目的とする行為ではなく,人事上の措置という一般行政上の行為であり,住民訴訟の対象とはならず,本件職員に対する給与支出のみが住民訴訟の対象となるものである。 本件において直接問題となるのは,本件職員に対する給与支出の違法性いかんであり,またそれに限られるものであるが,本件においては,本件職員はその職務として土地区画整理組合の業務に従事していたのであり,その対価として久喜市から給与を受け得ることは法律上当然のことであって,当該給与の支出が違法となることはない。 すなわち,本件職員は建設部都市整備課区画整理第1係に配置されて同係の所掌事務の遂行を命ぜられ,同係が所掌する久喜市の固有事務及び本件組合に対する援助事務に従事したものであり,まさに命ぜられた職務を遂行したのであって,久喜市としてその給与を支給するのは法的義務であり,これを拒否できる法的根拠などないのであって,かかる義務の履行としてなされた給与支出がそれ自体として違法となることはない。 したがって,違法な財務会計上の行為はそもそも存在しない。 (参加人組合の主張)ア本件組合は,久喜駅のすぐ のであって,かかる義務の履行としてなされた給与支出がそれ自体として違法となることはない。 したがって,違法な財務会計上の行為はそもそも存在しない。 (参加人組合の主張)ア本件組合は,久喜駅のすぐ東側に広がる地域の地権者が集まって設立されたもので,対象となる面積は83万9000㎡で,市全域の33分の1の広さである。 地権者は本件組合が結成された昭和49年当時は495人であり,未利用地には水道も下水道も敷かれていなかったが,街並みができるに従い,東京に通勤するサラリーマンを中心に土地と家屋を求める者も増加し,現在では約2000人となっている。 土地区画整理事業は,無秩序,不規則に開発されて使用されている土地を,整然とした状態に戻すとともに,道路,公園,上下水道,水路などの公共の施設を整備改善し,良好な居住環境を備えた市街地に生まれ変わらせることを目的とする事業である。 土地区画整理事業においては,仮換地が最大の課題であり,仮換地の指定は,減歩を含めた土地の入換えに関する組合員の同意を得ることが重要であるが,それには市との協力体制が不可欠であり,本件でも昭和54年7月から2年ほどの間に25回にものぼる市との話合いが持たれたのを始め,交渉については,市の職員,ときには市長や助役を始めとする幹部も交渉の場に足を運ぶことがあった。その結果,平成元年2月18日に,組合員の同意が得るに至ったものである。 このように,派遣先が設立されたばかりで事業収入がなく,十分な人材を確保していないことを考慮して派遣がなされた本件組合設立当初のみならず,仮換地指定の前後を通じ,本件組合と市との協力体制は不可欠なものであり,派遣は一貫して公共の福祉に資するものであり,土地区画整理法123条に基づく土地区画整理事業の施行の促進を図るための必要な援助である。 し 前後を通じ,本件組合と市との協力体制は不可欠なものであり,派遣は一貫して公共の福祉に資するものであり,土地区画整理法123条に基づく土地区画整理事業の施行の促進を図るための必要な援助である。 したがって,本件職員の本件組合での事務従事は,適法なものである。 イ原告らは,セイシン株式会社への業務委託等が適正になされていないと主張するが,本件組合がセイシン株式会社に対し業務委託することについてはすべて理事会や総代会において承認がなされている。セイシン株式会社は,土地区画整理士技術検定,宅地建物取引主任,区画整理管理システムに関する特許の使用許諾などを有しており,土地区画整理事業を処理する能力が十二分にあり,原告らの上記主張は失当である。 (3)争点3(Aの過失の有無)について(原告らの主張) 本件組合に対する本件職員の派遣は,久喜市長であったAがなした職務命令によるものであり,上記職務命令が公益法人等派遣法又は職務専念義務に反する違法なものであることは明らかであるから,久喜市長であったAは,本件組合に対する本件職員の派遣が公益法人等派遣法の対象となり得ることや職務専念義務に反することを認識できたはずである。 そして,市内部での打合せ等を経て,派遣職員の勤務実態等を十分知ることができたのに,久喜市長であったAが自ら発議し,平成14年3月26日に制定された久喜市公益法人等派遣条例から本件組合を対象外としたのは久喜市長であったAの怠慢といわざるを得ない。なお,本件組合と同じような派遣形態を採用していた埼玉県の他の市町村においては,さいたま市を始めとして一部の市町村は公益法人等派遣法の施行に合わせて土地区画整理協会(組合)を条例の対象とするか,職員を土地区画整理組合等から引き揚げるなどし,適切な対応措置を講じている。 したがって,Aは, めとして一部の市町村は公益法人等派遣法の施行に合わせて土地区画整理協会(組合)を条例の対象とするか,職員を土地区画整理組合等から引き揚げるなどし,適切な対応措置を講じている。 したがって,Aは,行為の違法性を認識し得たものであるから,過失が認められる。 (被告及び参加人Aの主張)ア最高裁平成16年1月15日判決最高裁平成16年1月15日判決(民集58巻1号156頁)は,職務専念義務免除の方法で県職員を第三セクターたる株式会社に派遣したことの適否が争われた事案につき,職務専念義務免除及び派遣職員に対する給与支出を違法と判断しながら,「ある事項に関する法律解釈につき異なる見解が対立し,実務上の取扱いも分かれていて,そのいずれについても相当の根拠が認められる場合に,公務員がその一方の見解を正当と解しこれに立脚して公務を執行したときは,後にその執行が違法と判断されたからといって,直ちに上記公務員に過失があったものとするとは相当ではない。」との一般論を判示した上,結論として県知事個人の過失を否定して いる。 上記最高裁平成16年1月15日判決の事案と本件事案とでは,上記最高裁判決の事案が最高裁平成10年4月24日判決(判例時報1640号115頁)が出される前の事案であり,また公益法人等派遣法制定以前の職員派遣の事案であったという点において異なってはいる。 しかしながら,最高裁平成10年4月24日判決は職務専念義務免除の方法による派遣,すなわち派遣先における事務従事を当該地方公共団体の公務(事務)と位置づけないで派遣する場合の判断基準を示したものであって,本件のような派遣先における事務従事を当該地方公共団体の公務(事務)と位置づけて事務従事させる場合の判断を示したものではなく,かえって最高裁平成11年10月21日判決(判例時報1696 のであって,本件のような派遣先における事務従事を当該地方公共団体の公務(事務)と位置づけて事務従事させる場合の判断を示したものではなく,かえって最高裁平成11年10月21日判決(判例時報1696号96頁)はかかる事務従事を適法と判断していたものである。 また,公益法人等派遣法との関係においてもこれまで述べたとおり,公務員部長通知は同法によらない職務命令による派遣さえも認めているのである。 これらの点を考えれば,Aの過失判断について,上記最高裁平成16年1月15日判決と別異に解すべき理由はない。 イ本件事務従事が行われた経緯(ア)平成14年度以降の本件事務従事に至る経緯は次のとおりである。 公益法人等派遣法が平成12年4月26日に公布され,平成14年4月1日から施行されることとなったが,それまでの久喜市においては,職員の勤務形態において,一般的に「派遣」の部類に属すると思われるものとして,①財団法人久喜市文化スポーツ振興事業団(職務命令),②社会福祉法人久喜市社会福祉協議会(職務命令),③久喜市土地開発公社(職務専念義務免除),④本件組合(事務従事),⑤久喜市青毛特定土地区画整理組合(事務従事)の公益法人等の業務に職員を従事させ ていた。 このような中,久喜市では平成13年度中に「久喜市公益法人等への職員の派遣等に関する条例」(久喜市公益法人等派遣条例)を上程すべく,平成13年度になってから,条例制定の所管課である総務部庶務課において,条例内容等の具体的な検討を開始し,平成13年12月になってからは関係各課との協議が行われた。 (イ)久喜市総務部庶務課は,平成13年12月中旬に久喜市公益法人等派遣条例制定に関する検討を,関係各課を招集するなどして行った。 関係各課との検討・協議において,①財団法人久喜市文化スポーツ振興事業団 久喜市総務部庶務課は,平成13年12月中旬に久喜市公益法人等派遣条例制定に関する検討を,関係各課を招集するなどして行った。 関係各課との検討・協議において,①財団法人久喜市文化スポーツ振興事業団及び②社会福祉法人久喜市社会福祉協議会については,久喜市の業務と密接な関連性を有する業務を行っていることから,久喜市公益法人等派遣条例において派遣団体として指定し,公益法人等派遣法による派遣として取り扱うことで方向付けが確認され,③久喜市土地開発公社については,職務専念義務免除の方法によることが確認されたが,④本件組合と⑤久喜市青毛特定土地区画整理組合(以下,④と⑤を併せて「本件組合等」という。)については,両組合とも,組合設立から久喜市が主体的に関与して立ち上げてきたものであり,以後も土地区画整理法75条及び123条に基づく援助として,建設部都市整備課区画整理第1係及び第2係に職員を配置し,久喜市と組合とが一体となって事業を推進してきたものであり,事業の最終段階にあって,久喜市の人的援助を打ち切ることが非常に困難な状況であり,両組合への事務従事職員は久喜市の固有事務にも従事していること等の問題点が出され,これらを踏まえて,庶務課と都市整備課において更に検討することとなった。 (ウ)その後,庶務課及び都市整備課(以下「庶務課等」という。)は,自治事務次官通知や自治省行政局公務員部長通知等を検討したところ,公益法人等派遣法にいう「公益法人等の業務に専ら従事」ということに ついては,本来の職務を全面的に免除されて,派遣先の業務のみに従事することであり,公務に従事する一方で公益法人等の業務にも従事する,いわゆる兼業についてはこの法律の対象外と解説されており,それまでのいわゆる「派遣」といわれるような業務の従事が,公益法人等派遣法施行後にお あり,公務に従事する一方で公益法人等の業務にも従事する,いわゆる兼業についてはこの法律の対象外と解説されており,それまでのいわゆる「派遣」といわれるような業務の従事が,公益法人等派遣法施行後において,すべて同法に基づく派遣と位置づけなければならないものではなく,従前の制度の適切な運用で対応すべきことを認めていると解釈できるものと判断した。 そして,庶務課等は,久喜市における土地区画整理事業については,久喜市の直接施行によるものは存在せず,日本住宅公団による事業を除いては,すべてが組合施行による土地区画整理事業であり,組合施行による土地区画整理事業は,組合が主体となって,道路,公園等の都市基盤施設と宅地を一体的に整備し,総合的な街づくりを進めるものであるが,これら道路,公園等の整備は,久喜市と組合とが相互に協力し,緊密な関係を持って推進しなければ実現が困難なものであること,本件組合等は,組合の設立段階から久喜市職員が関与し,事業推進においても,土地区画整理法75条及び123条に基づく援助として,職員を市組織内の区画整理担当部署に配置し,組合と一体になって事業展開を図ってきたものであり,市職員の本件組合等の事務所における勤務についても,事務の効率性の観点から,久喜市の固有事務にも従事しつつ土地区画整理組合の援助事務に従事してきたもので,久喜市の事務といえるものと判断した。 また,事務従事職員の出勤簿の管理,年次休暇の届出・受理等の職員の服務及び組合事務所における事務従事について,事務従事職員に対する久喜市の指揮監督は及んでいると判断した。 (エ)庶務課等は,以上の検討の結果,土地区画整理組合への事務従事については,公益法人等派遣法による派遣にする必要性はないものと判断 し,久喜市における土地区画整理組合への事務従事は,公益法人等 エ)庶務課等は,以上の検討の結果,土地区画整理組合への事務従事については,公益法人等派遣法による派遣にする必要性はないものと判断 し,久喜市における土地区画整理組合への事務従事は,公益法人等派遣法の対象外であり,これまでと同様に対処することができるとの結論となった。 ウ以上のとおり,Aは,漫然と従前の方法を踏襲して本件事務従事を行わせたものではなく,庶務課等の関係部署の慎重な検討を踏まえて平成14年度以降の本件事務従事が行われたものであり,職務上尽くすべき義務は尽くしており,故意・過失がないことは明らかである。 (4)争点4(本件組合の返還義務の有無)について(原告らの主張)本件組合は,法律上の原因なくして,無償で久喜市からの派遣職員による労務の提供を受けるという利得をし,一方,久喜市は市に対する労務の提供がないのに,この職員に対し給与を支給し,これに相当する損害を被った。 したがって,久喜市は本件組合に対し,本件職員に対して支給した給与相当額の不当利得返還請求権を有している。 (被告の主張)原告らの主張を争う。 (参加人組合の主張)地方公務員法24条1項,30条,35条等は,職員の服務義務・給与の基準を定めた規定にすぎず,公共団体と私人との間に締結された契約の効力に直ちに影響を及ぼす強行規定ではない。そして,派遣先が不当利得返還義務を負うのは,協定が公序良俗に反し私法上無効とされる場合に限られる(最高裁平成16年1月15日判決・民集58巻1号156頁参照)。 しかし,本件はそのような場合ではなく,本件組合が不当利得返還義務を負うものではない。 (5)争点5(損害額)について(原告らの主張) 本件職員に対する違法な給与の支出により久喜市が被った損害額は,本件給与支出相当額であるから,第1事件に係る損害額は1466万 ものではない。 (5)争点5(損害額)について(原告らの主張) 本件職員に対する違法な給与の支出により久喜市が被った損害額は,本件給与支出相当額であるから,第1事件に係る損害額は1466万5538円であり,第2事件に係る損害額は1458万7375円である。 (被告の主張)原告らの主張を争う。 (6)争点6(第1次監査請求は本件補助金支出の一部について監査請求期間を徒過しているかどうか)について(被告の主張)第1事件原告らが違法であると主張する本件補助金支出のうち平成14年度分の補助金については,平成14年6月12日及び同年11月6日にそれぞれ197万0500円の支出がなされたものであるが,平成14年6月12日に支払われた分については,原告らが第1次監査請求をした平成15年6月18日の時点では,既に1年以上経過していることは明らかである。 また,第1事件原告らは,補助金交付の違法性を認識できたのは平成15年2月4日ころの組合との意見交換会であった旨主張するが,本件組合に対し補助金が支出されていることは平成13年6月の議会で問題とされているものであり,第1事件原告らの上記主張は失当である。そして,本件補助金支出は,年度当初予算に計上されていたものであり,秘密裏に支出がなされたものではないし,久喜市土地区画整理組合補助金交付要綱の存在も知られており,第1事件原告らは本件組合の組合員として本件組合の予算書を見ることができる立場にあったものであるから,住民が相当の注意力をもって調査を尽くしても客観的にみて監査請求をするに足りる程度に当該行為の存在又は内容を知ることができなかった場合に当たらない以上,「正当な理由」(地方自治法242条2項ただし書)がないことは明らかである。 (第1事件原告らの主張)第1事件原告らが違法であると主張し の存在又は内容を知ることができなかった場合に当たらない以上,「正当な理由」(地方自治法242条2項ただし書)がないことは明らかである。 (第1事件原告らの主張)第1事件原告らが違法であると主張している本件補助金支出は,平成14 年11月6日の197万0500円の支払をもってその全額が執行されたのであるから,全額が支払われた平成14年11月6日をもって地方自治法242条1項の「当該行為のあった日又は終わった日」とされるべきであり,第1事件原告らの第1次監査請求は1年間の期間制限を徒過したものではない。 また,第1事件原告らは,平成15年2月4日ころの本件組合との意見交換会において,違法な換地処分登記がなされているのではないかとの認識を有するに至り,その後の調査を経て,平成15年6月18日に住民監査請求をなしたものであり,客観的にみて住民監査請求をするに足りる程度に当該行為の存在及び内容を知ることができた日から相当な期間内に監査請求をしたものであり,1年以内に監査請求しなかったことについて「正当な理由」(地方自治法242条2項ただし書)がある。 (7)争点7(本件補助金支出の違法性の有無)について(原告らの主張)ア本件補助金支出に係る手続の違法性について補助金の交付決定に際しては,久喜市土地区画整理組合補助金交付要綱が定められており,同要綱で定めるもののほかは久喜市補助金等の交付に関する規則に定めるところによるとされているところ,本件においては,同規則5条にいう補助率が明らかにされておらず,同規則6条にいう補助事業等の経費の配分,経費の使用方法等,算出基礎,補助事業等の効果については何ら明らかにされていない。 そして,被告は,本件組合からの補助金交付申請の際に,申請の補正などをもとめることなく,形式的審査のみで補助金の交付決 費の使用方法等,算出基礎,補助事業等の効果については何ら明らかにされていない。 そして,被告は,本件組合からの補助金交付申請の際に,申請の補正などをもとめることなく,形式的審査のみで補助金の交付決定を行っている。 したがって,本件補助金支出に関する手続は違法である。 イ本件補助金支出に公益性がないことについて (ア)補助金は,一般的には公財政資金の負担を伴い,受ける者とそうでない者との公平が問題となり,しかも私企業の自己責任に基づく公正かつ自由な競争秩序と何らかの程度において対立関係に立つものであるから,そのような犠牲を償うに足りるものでなければならず,公益上の必要性の有無は,①補助金支出の目的・趣旨,②他の行政支出目的との関連での当該補助金の目的の重要性・緊急性,③補助が公益目的に適切かつ有効な効果を期待できるか,④補助金を受ける個人又は団体の性格(団体の場合には,目的・構成・役員などの状況),⑤他の用途に流用される危険がないか,⑥支出手続,事後の検査体制などがきちんとしているか,⑦目的違反,動機の不正,平等原則違反,比例原則(当該目的と補助の程度,補助を受けた者に期待する行動と補助の程度)違反など裁量権の濫用・逸脱にならないかを総合考慮して決定すべきである。 (イ)本件では,①補助金支出の目的は,土地区画整理事業の施行の促進及び健全な市街地の造成にあるのに,補助対象経費は,組合職員の人件費であり,目的との関係で補助の有効な効果を窺えない。 ②本件補助金に関する資料(甲14ないし18)においても,本件職員の派遣以外に本件組合において人材を必要とする根拠が定かではなく,交付された補助金が上記目的達成のために必要な人材確保のための経費として費消されているという実態も窺えず,目的の重要性・緊急性も認められない。 ③本 合において人材を必要とする根拠が定かではなく,交付された補助金が上記目的達成のために必要な人材確保のための経費として費消されているという実態も窺えず,目的の重要性・緊急性も認められない。 ③本件補助金支出により,上記目的達成のための適切かつ有効な効果も発揮されていない。 ④本件組合は,理事長の専断的な運営により,理事長が実質的代表者を兼ねるセイシン株式会社に事務委託するなど違法運営がなされ ており,補助金を受ける団体として不適格である。 ⑤交付された補助金が上記目的達成のために必要な人材確保のための経費として費消されているという実態は窺えず,他の用途に流用されたかどうか不明である。 ⑥本件組合は,理事長により専断的に運営されており,本件職員による指導・監督は全く機能しておらず,事後の検査体制は全く機能していない。 等の事情が認められるものであり,補助金の交付に関し公益上の必要性が認められないことは明らかである。 ウしたがって,本件補助金支出は違法である。 (被告の主張)ア本件補助金支出に係る手続について本件における補助金の支出において,久喜市補助金等の交付に関する規則5条が規定する補助率については,補助率では定められていないものの,人件費と明記され,「毎年度予算の範囲において」と上限金額が定められており(久喜市土地区画整理組合補助金交付要綱2条参照),現に,予算の範囲内において,人件費に対する補助として行われている。 また,久喜市補助金等の交付に関する規則6条が規定する事項については,土地区画整理組合補助金交付申請書(甲14,40)に「申請者の氏名又は名称及び住所」,「補助事業等の目的及び内容」,「補助事業の完了予定日」が記載されており,また上記申請書に添付されている「議案第1号」によれば「補助事業等の経費の配分」等 40)に「申請者の氏名又は名称及び住所」,「補助事業等の目的及び内容」,「補助事業の完了予定日」が記載されており,また上記申請書に添付されている「議案第1号」によれば「補助事業等の経費の配分」等も記載されている。 したがって,本件補助金支出に関する手続に違法はない。 イ本件補助金支出の公益性について本件補助金は,土地区画整理法に基づき設立された本件組合に対するものであり,土地区画整理組合は,土地区画整理法に基づき土地区画整理事 業を行う団体であり,決して株式会社等の利潤追求を目的とする団体ではないし,土地区画整理法123条は,地方公共団体において,土地区画整理組合に対し,「必要な援助」をすることができる旨を規定している。 そして,本件補助金は,予算の範囲内において,本件組合の固有の職員の賃金(人件費)に対して交付されたものである以上,地方自治法232条の2に規定する「公益上必要がある場合」に該当することは明らかである。 ウしたがって,本件補助金支出は適法である。 第3当裁判所の判断 争点1(第1事件に係る訴えと第1次監査請求の対象の同一性)について地方自治法242条の2第1項は,住民訴訟につき,監査請求前置主義を定めており,監査請求を経ない住民訴訟は不適法であり,住民訴訟の対象と監査請求の対象との関係については,両者間に同一性が肯定される必要がある。 そして,地方自治法242条1項は,住民が監査請求をする際に,「必要な措置を講ずべきことを請求することができる。」とだけ定めており,監査請求は,監査の対象である財務会計上の行為又は怠る事実を特定して,必要な措置を講ずべきことを請求すれば足り,また,監査の結果は必ずしも請求内容に拘束されるものではないから,監査請求と住民訴訟の対象との間には,財務会計上の行為又は怠る事実に係る社会 実を特定して,必要な措置を講ずべきことを請求すれば足り,また,監査の結果は必ずしも請求内容に拘束されるものではないから,監査請求と住民訴訟の対象との間には,財務会計上の行為又は怠る事実に係る社会的経済的行為又は事実が実質的にみて同一であれば足りるものと解される。 そして,第1次監査請求は,本件組合が埼玉県の認可と異なる虚偽の内容の登記申請をし,従前の土地のまま換地処分されるなど,本件組合において杜撰かつ違法性が極めて強い事務処理が行われており,市がこれらの事務処理に携わった2名の市職員に給与を支払っているのは不当であり,また,組合事業が円滑に遂行されていないにもかかわらず交付された補助金の支出は不当であるなどとして監査請求をしたものであって,対象となっている財務会計上の行為 は,平成15年6月から過去1年間における本件組合の事務に従事した2名の市職員に対する給与の支出及び本件組合に対する補助金の支出であり,一方,第1事件に係る訴えの対象となっている財務会計行為は,本件組合の事務に従事した本件職員に対する平成14年6月分から平成15年5月分の給与の支出及び本件組合に対する平成14年度の補助金の支出であるから,第1次監査請求と第1事件に係る訴えの対象は,財務会計上の行為が実質的に同一というべきである。 したがって,第1事件に係る訴えは,適法な監査請求を前置しているものであって,第1事件に係る訴えについて実質的に住民監査請求を経ていないとする被告の主張には理由がない。 争点2(本件事務従事及び本件給与支出の違法性の有無)について(1)前提となる事実関係基本的事実関係に加え,証拠(適宜掲記する。)及び弁論の全趣旨によれば以下の事実が認められる。 ア本件土地区画整理事業及び本件組合の概要(乙22,証人C)本件組合は,昭和45年に 提となる事実関係基本的事実関係に加え,証拠(適宜掲記する。)及び弁論の全趣旨によれば以下の事実が認められる。 ア本件土地区画整理事業及び本件組合の概要(乙22,証人C)本件組合は,昭和45年にJR東北線久喜駅の東口が開設されることに伴い,健全な市街地の造成と都市基盤の整備を図るため,昭和49年6月25日に埼玉県知事から設立認可を受けた土地区画整理組合である。 本件土地区画整理事業の事業施行地区は,JR東北線及び東武伊勢崎線久喜駅より東北約1㎞に位置し,施行面積は約83.9haであり(市域の約33分の1),設立当初の組合員数は約500人であり,本件口頭弁論終結時における事業期間は平成17年度末と予定されていた。 なお,久喜市役所は,埼玉県久喜市a町b番地c(久喜駅より南西に直線距離で約1㎞強の位置)にあり,本件組合の事務所は埼玉県久喜市d町e丁目f番地g(久喜駅より東北に直線距離で約1㎞強の位置)にある。 本件土地区画整理事業においては,昭和58年ころから平成9年ころま での間に仮換地の指定処分がなされ,平成14年7月23日に本件組合が埼玉県知事から換地計画の認可を受け,その後換地処分の公告がなされた。 なお,平成15年9月24日に本件組合は換地計画の変更認可を埼玉県知事から受け,その後換地処分の公告がなされた。 イ市の本件組合への関与(乙2,3,7ないし9,21,証人E)久喜市における事務分掌については,昭和45年4月1日以降,建設部区画整理課計画係(昭和50年4月1日以降は建設部都市計画課区画整理係)が区画整理事業の計画策定,指導育成に関すること等を行うものとされ,昭和57年4月1日以降は,建設部都市計画課(平成4年4月1日以降は都市整備課)区画整理第1係が吉羽地区の土地区画整理事業の計画策定,指導育成に関すること等を行うもの 関すること等を行うものとされ,昭和57年4月1日以降は,建設部都市計画課(平成4年4月1日以降は都市整備課)区画整理第1係が吉羽地区の土地区画整理事業の計画策定,指導育成に関すること等を行うものとされていた。 そして,本件組合設立当初から,市の職員は,本件組合の事務所に常駐する形で配置されており,昭和49年度は1名,昭和50年度は2名,昭和51年度は4名,昭和52年度から昭和61年度までは5名,昭和62年度から平成4年度までは4名,平成5年度から平成15年度までは2名の職員が,本件組合の事務所で執務していた。 ウ本件職員の本件組合への事務従事(乙11,12,22,23,証人C)Cは,平成11年4月1日に建設部都市整備課長補佐兼区画整理第1係長となり,同日から平成16年3月31日まで本件組合の事務所において執務し,Dは,平成12年10月1日に同係の主任となり,同日から平成16年3月31日まで主に本件組合の事務所において執務した。本件職員が久喜市役所に行くのは2人で週1回程度であった。 本件職員は,市長の職務命令により上記各課に配置されたものであり,職務専念義務の免除等の措置は採られていない。 C及びDは,平成16年4月1日以降は,本件組合の事務所から引き揚 げ,市役所本庁庁舎において執務するようになった。 エ本件職員への給与の支給(乙4)久喜市は,Cに対し,平成14年5月から平成15年5月までの間,別紙1計算書(1)の「支給額」欄記載のとおり総額804万7244円,平成15年5月から平成16年3月までの間,別紙2計算書(1)の「支給額」欄記載のとおり総額791万8599円の給与を支出し,また,Dに対し,平成14年5月から平成15年5月までの間,別紙1計算書(2)の「支給額」欄記載のとおり総額661万8294円,平成15年5月か 」欄記載のとおり総額791万8599円の給与を支出し,また,Dに対し,平成14年5月から平成15年5月までの間,別紙1計算書(2)の「支給額」欄記載のとおり総額661万8294円,平成15年5月から平成16年3月までの間,別紙2計算書(2)の「支給額」欄記載のとおり総額666万8776円の給与を支出した。 オ本件職員の組合における職務内容(甲38,乙14ないし19,22,23,26,27,29,証人C)本件職員の上記期間において従事した事務の内容は,概ね,次のとおりである。 (ア)毎日,本件組合の事務所に備え付けてある出勤簿に押印し,就業時間前に本件職員の執務状況(休暇,欠勤等)を建設部都市整備課へ電話で報告した。 年次休暇については,都市整備課長の決裁を受け,毎月始めまでに先月分の休暇状況調,旅行命令簿,時間外勤務命令簿をとりまとめて都市整備課に提出した。 (イ)建設部内連絡会議へ出席建設部内連絡会議は,毎月1回市役所の会議室で開催され,建設部建設課,建築課,都市計画課,都市整備課,下水道課,用地課の課長補佐以上の管理職にある職員が出席するものであり,Cは,平成14年度に4回,平成15年度に2回出席した。 (ウ)組合からの補助金交付申請に基づく補助金交付決定に当たっての審 査,実績報告書の補助金確定に当たっての審査Cは,本件組合から提出された土地区画整理組合補助金交付申請書の内容について,補助事業の目的及び内容,経費の使用方法,補助事業等の完了予定期日などを審査し,審査結果に関して起案文書を作成し,都市整備課長の決裁を得て,財政課に提出した。続いて,Cは,本件組合に対する補助金交付決定通知書の起案文書を作成し,本件組合からの補助金交付申請書及び審査結果の写しを添付して助役の決裁を受けた。その後,補助金交付決定通知書 財政課に提出した。続いて,Cは,本件組合に対する補助金交付決定通知書の起案文書を作成し,本件組合からの補助金交付申請書及び審査結果の写しを添付して助役の決裁を受けた。その後,補助金交付決定通知書に市長印を受けた後に,補助金交付決定通知書を本件組合に渡した。 次に,Cは,本件組合から提出される補助事業実績報告書の内容について,補助事業等が交付申請のとおり成果が達成されているかどうかなどを審査し,審査結果に関して起案文書を作成し,都市整備課長の決裁を受け,財政課へ提出した。続いて,Cは,本件組合に対する補助金等確定通知書の起案文書を作成し,本件組合からの補助事業実績報告書及び審査結果の写しを添付して助役の決裁を受けた。その後,補助金等確定通知書に市長印を受けた後,補助金等確定通知書を本件組合に渡した。 (エ)職員研修への出席平成14年5月22日から平成16年3月31日までの間において,Cは,行政評価システム研修や管理職特別研修等8つの研修へ出席し,Dは,環境マネジメント基本研修等3つの研修へ出席した。 (オ)県等からの久喜市に対する照会文書,本件組合からの久喜市に対する進達依頼文書についての受付,処理平成14年5月22日から平成16年3月31日までの間における県等からの照会文書は,平成14年度が「土地区画整理事業の問題点・課題に関するアンケート調査について」等2通,平成15年度が「土地区画整理事業の実施状況に関する資料の提出について」等5通,本件組合 からの進達等依頼文書は,平成14年度が「書類の送付にかえてその内容を掲示してある旨の公告について」等5通,平成15年度が「理事の退任について」等9通であった。 (カ)市長への手紙及びEメール処理市長へのEメールが公文書館において受付された後,都市整備課に処理が依頼された場合に 公告について」等5通,平成15年度が「理事の退任について」等9通であった。 (カ)市長への手紙及びEメール処理市長へのEメールが公文書館において受付された後,都市整備課に処理が依頼された場合に,本件職員がその処理方針を検討したことがあった。 平成14年5月22日から平成16年3月31日までの間において,市長への手紙及びEメール処理件数は9件あった。 (キ)土地区画整理法76条の申請(建築行為の制限による建築物の新築等の申請)に係る許可土地区画整理中の土地に住居を新築又は改築をする場合に,土地区画整理法76条に基づく市長の許可が必要とされるため,建築主が本件組合事務所に許可申請に来たときは,本件職員が関係書類をチェックし,本件組合の意見を確認した上で,市で受付をし,関連のある建設課,建築課,都市計画課に書類確認をしてもらい,副本の1部を申請者に許可書にして交付し,副本のもう1部を本件組合に渡していた。 平成14年5月22日から換地処分の公告の日である平成14年10月25日までにこのようにして受付,処理した許可申請書は9件であった。 (ク)換地計画認可申請関連①換地計画認可申請の添付書類の作成換地計画においては,換地図,換地明細書,保留地の明細書,各筆各権利別清算金明細書,所有権以外の権利明細書,共有者名簿等が必要となるが,これらの書類はコンサルタントに発注して作成されており,それ以外の換地計画総括表,総代会会議録,土地区画整理法90 条による換地不交付の同意書,換地計画縦覧の公告の写し,組合員に発送した換地計画縦覧の通知書の写し,縦覧者名簿,縦覧における意見書受付台帳及び意見書調書,事業計画書,定款,換地規程,公共施設管理者との協議記録,仮清算金について指数1個当たりの単価算出の資料,清算金徴収・交付の上位10人のリ し,縦覧者名簿,縦覧における意見書受付台帳及び意見書調書,事業計画書,定款,換地規程,公共施設管理者との協議記録,仮清算金について指数1個当たりの単価算出の資料,清算金徴収・交付の上位10人のリスト及び理由等の書類の添付も必要であり,Cがそれらの書類の作成,収集等を行った。 ②県による書類審査及び現地検査の立会い県による換地計画の認可申請の書類審査の際に,Cと本件組合固有の職員2名が県庁の会議室において,県の職員と2人1組になって,換地明細書の1筆ごとに換地されているかどうか,従前図を塗りつぶす作業を行った。上記作業は,1日では終わらず,残りの作業は県職員が行った。 現地検査は,2名の県職員が行い,本件組合の理事長とCの2名が検査に同行し,画地ごとに境界杭が入っているかどうか,出来形確認測量図に表示された杭と杭の寸法と実際の距離があっているかどうかなど,半日程度確認作業を行った。 ③換地計画の認可に伴う市との協議換地計画の認可に伴い,公共施設の帰属や町界,町名,地番について変更になるため,市民に対する周知の方法等を市の建設課,市民課等と協議する必要があり,Cは,3日間にわたり,協議に出席した。 ④換地処分通知の事務本件職員及び本件組合固有の職員が,権利者1526名に対する換地処分通知,換地明細書,換地図,共有者名簿を封筒に封入し,郵便局に配達を依頼した。 ⑤換地処分通知不達者の調査依頼,公示送達の手続Cは,換地処分通知の配達が住所不明で戻ってきた20通程度のも のについて,住民票の閲覧,課長名による住所変更の調査依頼書の作成,住宅地図や現地での確認等により住所の把握に努め,最後まで住所の分からなかった8名については,土地区画整理法133条,同法施行令75条の規定により公示送達の手続を行った。 ⑥県への換地処分完了届 ,住宅地図や現地での確認等により住所の把握に努め,最後まで住所の分からなかった8名については,土地区画整理法133条,同法施行令75条の規定により公示送達の手続を行った。 ⑥県への換地処分完了届の提出事務Cは,配達証明と公示送達の記録を本件組合固有の職員にコピーしてもらい,換地処分完了届を作成し,県に提出した。 ⑦換地された土地の地目調査換地処分において,土地の地目に誤りがあったことから,区域内の土地の地目調査を行う必要が生じたため,Dを始め,都市整備課の職員2名,本件組合固有の職員1名,セイシン株式会社の職員1名が,区画整理区域内の登記地目が田,畑になっている土地について,農地転用手続が済んでいる土地かどうかを確認する作業を行い,確認作業は1週間程度かかった。 ⑧換地処分に伴う清算金について,県に審査請求が提起されたことによる資料の収集と弁明書の作成⑨仮清算金及び清算金についての照会や苦情等の処理本件組合は平成14年5月ころに550人程度の権利者に対して仮清算金の通知を発送したが,その際の通知書類としては,清算金額確定通知書,清算金額確定調書,清算金額内訳書,納入通知兼領収証書等がある。これらはコンサルタントが作成し,本件組合に届けられたため,Cは,これらの書類の内容に間違いがないかを確認し,発送した。 仮清算金の通知の発送に伴い,組合員から問い合わせが多く寄せられたため,それらの問い合わせについては,ほとんどがCが対応した。 ⑩区画街路等公共施設に関する久喜市への引継ぎ資料作成 区画整理事業で整備された区画街路が換地処分以後は市の道路となるため市に引き継ぐための資料を作成する必要があり,区画整理地内の道路の配置等の図面はコンサルタントが作成していたが,久喜市が円滑に公共施設を管理するに当たって必要となるであろう 以後は市の道路となるため市に引き継ぐための資料を作成する必要があり,区画整理地内の道路の配置等の図面はコンサルタントが作成していたが,久喜市が円滑に公共施設を管理するに当たって必要となるであろう標準的な道路の断面図及び標準と異なる部分の道路構造図等の図面のほか,道路埋設物の構造図などを工事図面から作成する作業が必要であった。 具体的には,まず,Dは,倉庫に保管してある当時の工事図面の原図から必要な図面,すなわち標準的な断面図や側溝の構造図,標準構造と異なる道路の構造図等を探して,それらの図面を1枚1枚見て確認していった。市への引継ぎの書類としての必要な構造図は117枚に及び,原図があるものはそのまま青焼きを作成し,原図が見当たらず,一般の図面から作成するものは,図面から原図を作成した上で青焼き図面を作成した。 このような作業によって,道路構造図1冊,道路埋設物2冊の図面を久喜市引継ぎ用と本件組合用の2組作成した。 ⑪区画街路等公共施設の点検,修理土地区画整理事業で整備した道路は,換地処分の翌日から市の管理となるため,本件組合では,引継ぎに向けて建設課と補修箇所の協議を行い,建設課から指摘を受けた30か所以上の補修箇所について,Dが,市の下水道課及び水道部の職員と現場を確認しながら対応を協議し,原因となるものに補修を引き受けてもらった。 本件組合で補修が必要な箇所も26か所あり,Dが補修業務を担当し,歩道部分(レンガ舗装)の段差補修,舗装の穴あきの補修,側溝蓋破損の補修等の補修について,理事長の指示を受けながら業者に発注し,補修を行った。 (ケ)組合員に対する窓口相談 カ本件組合固有の職員(プロパー職員)の主な業務内容(乙21ないし23,証人E,C)本件組合固有の職員(プロパー職員)は2名程度在籍しており,上記職員が従 (ケ)組合員に対する窓口相談 カ本件組合固有の職員(プロパー職員)の主な業務内容(乙21ないし23,証人E,C)本件組合固有の職員(プロパー職員)は2名程度在籍しており,上記職員が従事していた業務の内容は,概ね,次のとおりである。 ①理事報酬,職員賃金計算振込手続②月次収支報告書,月次収支集計類型表作成③決算報告作成④次年度予算書作成⑤月次支払手続⑥集会所使用受付⑦理事会準備,会議録作成⑧総代会準備,会議録作成⑨その他キ久喜市の本件職員に対する人事管理等(乙11,12,21,証人E,C)(ア)本件職員は,電話によりその日の勤務状況(出勤,欠席等)を都市整備課に報告し,同課の職員が職員執務状況調を作成し,都市整備課長から建設部長を経由して総務部庶務課に提出していた。年次有給休暇,病気休暇等については,年次休暇簿等に記載して都市整備課に持参し,同課課長の決裁を受けていた。 (イ)本件職員の勤務評定については,久喜市の職員と同様に,都市整備課長が一次評定をし,建設部長が二次評定を行っていた。 (ウ)久喜市が実施する研修や健康診断について,本件職員の該当者も受講・受診していた。 (エ)久喜市で定例的に部内会議を開催し,本件職員にも開催日程や協議事項等の伝達を行っていた。 ク公益法人等派遣法の制定とそれに伴う久喜市公益法人等派遣条例制定の経過(ア)公益法人等派遣法が平成12年4月26日に公布され,平成14年4月1日から施行されることとなったが,それまでの久喜市においては,職務命令等の方法により,①財団法人久喜市文化スポーツ振興事業団(職務命令),②社会福祉法人久喜市社会福祉協議会(職務命令),③久喜市土地開発公社(職務専念義務免除),④本件組合(事務従事),⑤久喜市青毛特定土地区 より,①財団法人久喜市文化スポーツ振興事業団(職務命令),②社会福祉法人久喜市社会福祉協議会(職務命令),③久喜市土地開発公社(職務専念義務免除),④本件組合(事務従事),⑤久喜市青毛特定土地区画整理組合(事務従事)について公益法人等の業務に職員を従事させていた。 このような中,久喜市では平成13年度中に「久喜市公益法人等への職員の派遣等に関する条例」(久喜市公益法人等派遣条例)を上程すべく,平成13年度になってから,条例制定の所管課である総務部庶務課において,条例内容等の具体的な検討を開始し,平成13年12月になってからは関係各課との協議が行われた。 (イ)関係各課との検討・協議の結果,①財団法人久喜市文化スポーツ振興事業団及び②社会福祉法人久喜市社会福祉協議会については,久喜市の業務と密接な関連性を有する業務を行っていることから,久喜市公益法人等派遣条例において派遣団体として指定し,公益法人等派遣法による派遣として取り扱うことで方向付けが確認され,③久喜市土地開発公社については,職務専念義務免除の方法によることが確認された。しかし,④本件組合と⑤久喜市青毛特定土地区画整理組合については,自治事務次官通知や自治省行政局公務員部長通知等では,公益法人等派遣法にいう「公益法人等の業務に専ら従事」とは,本来の職務を全面的に免除されて,派遣先の業務のみに従事することであり,公務に従事する一方で公益法人等の業務にも従事するいわゆる兼業についてはこの法律の対象外と解説されていたこと,それまでのいわゆる「派遣」といわれる ような業務の従事が,公益法人等派遣法施行後においてすべて同法に基づく派遣と位置づけなければならないものではなく,従前の制度の適切な運用で対応すべきことを認めていると解されたこと,市職員の本件組合等の事務所における勤務 益法人等派遣法施行後においてすべて同法に基づく派遣と位置づけなければならないものではなく,従前の制度の適切な運用で対応すべきことを認めていると解されたこと,市職員の本件組合等の事務所における勤務についても,事務の効率性の観点から,久喜市の固有事務にも従事しつつ土地区画整理組合の援助事務に従事してきたもので,土地区画整理組合の援助事務は久喜市の事務といえると判断されること等の理由から,土地区画整理組合への事務従事については公益法人等派遣法による派遣にする必要性はないものと判断し,これまでと同様のやり方で対処することとなった。 (2)以上の事実に基づく判断ア地方公務員法35条は,「職員は,法律又は条例に特別の定がある場合を除く外,その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職務遂行のために用い,当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない」といわゆる職務専念義務を規定しているところ,上記規定は,「すべて職員は,全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し,且つ,職務の遂行に当つては,全力を挙げてこれに専念しなければならない」とする同法30条の規定を具体化したものである。したがって,地方公共団体が当該地方公共団体以外の団体へ職員を派遣し,その業務に従事させることは,法律又は条例に特別の定がある場合を除いては,職務専念義務に反しないと認められる場合か,若しくはあらかじめ職務専念義務の問題が生じないような措置がとられた場合においてのみ許されるというべきであり,具体的には,派遣先での職員の事務が例えば団体に対する指導,監督,助言等の範ちゅうに属しそれ自体市の事務と評価できるとか,当該団体の事務がその性質や内容等に照らし地方公共団体の事務と同一視し得るような特段の事情が認められ,かつ職員に対する地方公共団体の指揮監 ,助言等の範ちゅうに属しそれ自体市の事務と評価できるとか,当該団体の事務がその性質や内容等に照らし地方公共団体の事務と同一視し得るような特段の事情が認められ,かつ職員に対する地方公共団体の指揮監督が及んでいると認められるような場合でなければ,職員を地方公共団体 以外の団体に派遣しその事務に従事させることは違法となると解すべきである。 なお,弁論の全趣旨によれば,従前から多くの地方公共団体において民法上の公益法人や会社形式でのいわゆる第三セクターが設立され,職員が派遣される例が珍しくなく,地方公共団体が公益法人等に職員を派遣する場合は,①職員を退職又は休職させる方法,②職務専念義務免除措置をとる方法,③職務命令による方法等がとられていたこと,しかし,①については身分保障等の点で難点があり,②,③は多くの地方公共団体で採用されていたがこれを自由になし得るとすれば地方公務員法35条との抵触の問題点が指摘されていたこと,第三セクター等に対する職員派遣及びこれに対する給与支給の適否については最高裁平成10年4月24日判決において判断基準が示されるまでは下級審裁判所の判断も分かれていたが,平成12年に至って公益法人等派遣法が制定され(平成14年4月1日より施行),ようやく地方公務員の公益法人等への派遣に関する法制度が整備され,派遣の必要と地方公務員法35条との調和,手続の適正化が図られたことが認められる。このような経緯に照らすと,少なくとも公益法人等派遣法が施行された平成14年4月1日以降は,本来同法に定める手続により職員を派遣すべき場合であったのにその手続をとらず,従前と同様漫然職務命令の方法により公益法人等へ職員を派遣しその事務に従事させたような場合は,その違法性は一層明確となったというべきである。 イこれを本件についてみるに,前記 のにその手続をとらず,従前と同様漫然職務命令の方法により公益法人等へ職員を派遣しその事務に従事させたような場合は,その違法性は一層明確となったというべきである。 イこれを本件についてみるに,前記認定によれば,本件職員は,従前から引き続き,平成14年4月1日以降平成16年3月31日まで本件組合の事務所において直行直帰の形態で勤務し,市役所に赴くのは2人で週に1度程度であり,その事務の内容は,補助金の申請・審査,土地区画整理法76条に基づく建築許可,市長へのEメール処理等市が地方公共団体の立場で処理すべき事務のほか,市役所で行われる会議や研修への出席も含ま れていたが,これらはいずれも年に数件,数回程度であり,本件職員の業務内容の大半は,本件組合の目的である換地計画に関連した諸事務,すなわち県との協議,換地計画許可申請のための付属書類の作成,市との協議,換地処分通知,清算金に関する問い合わせや苦情処理,市に引き継がれるべき街路等公共施設に関する引継資料の作成,それら施設の点検修理その他組合員らに対する窓口相談等であったと認められる。このような本件職員の勤務形態,本件組合事務所で従事していた業務内容等に照らすと,本件職員は本件組合に派遣され専ら本件組合の業務に従事していたと認定して差し支えない(もっとも,土地区画整理法123条によれば,市町村長は組合に対し,土地区画整理事業の施行の促進を図るため必要な勧告,助言若しくは援助をすることができるとされているが,このこと自体は前記判断を左右するものではない。その理由はさらに後述する。)。 そして,土地区画整理事業は都市計画事業の一つとして実施され,健全な市街地の造成を図り,市の所掌する都市計画事業と極めて密接な関連を有し,それ自体高度の公益性,公共性を有するとはいえ,土地区画整理組合が施 土地区画整理事業は都市計画事業の一つとして実施され,健全な市街地の造成を図り,市の所掌する都市計画事業と極めて密接な関連を有し,それ自体高度の公益性,公共性を有するとはいえ,土地区画整理組合が施行者となる場合は,組合の責任において自主的に実施され,土地区画整理事業に要する費用も施行者である組合が負担するのが原則であること(土地区画整理法118条参照),本件土地区画整理事業の施行区域は久喜市吉羽地区という市の一部の区域であり,組合員の範囲は施行区域内の土地所有権者,借地権者等に限られることに照らしても,本件組合の事務を久喜市の事務と同一視することはできない。 以上によれば,久喜市長が本件組合に職員を派遣し,本件組合の事務に従事させる必要を認めたというのであれば,公益法人等派遣法及びそれに基づく条例による適式な手続を踏むことが要請されていたというべきであって,こうした手続を踏むことなく職務命令によって本件職員を本件組合に派遣し,本件組合の事務に従事させたことは,地方公務員法35条,3 0条の趣旨に反する違法なものであったというべきである。 そして,地方公共団体の職員が勤務しなかったときは,給与等を支払ってはならないことが原則であり(地方自治法204条の2,久喜市一般職員の給与に関する条例11条参照),本件組合に派遣されてその業務に従事し,久喜市の事務に従事しなかった本件職員に給与等を支払ったことは違法な公金の支出に当たるというべきである。 (3)被告及び参加人Aの主張についてア被告及び参加人Aは,概ね,「本件土地区画整理事業は,法的には本件組合の組合施行の土地区画整理事業であるものの,その実態においては,久喜市の施行による土地区画整理事業といっても過言ではないものといえ,本件組合の業務が久喜市の事務と位置づけることができるから, 件組合の組合施行の土地区画整理事業であるものの,その実態においては,久喜市の施行による土地区画整理事業といっても過言ではないものといえ,本件組合の業務が久喜市の事務と位置づけることができるから,本件職員が従事していた事務は,久喜市固有の事務及び本件組合に対する援助事務である。」,「土地区画整理事業は都市計画事業の一つとして実施されるものであり,健全な市街地の造成を図り,もって公共の福祉の増進に資することを目的とするものであって(土地区画整理法1条),本件組合の施行する土地区画整理事業は久喜市にとって同市の街づくりそのものであり,また,土地区画整理法75条,123条1項も,地方公共団体の区域内において土地区画整理組合の施行する土地区画整理事業に対する援助を当該地方公共団体の公共事務として明確に規定しているものであるから,これら土地区画整理事業の性格,土地区画整理法の規定からすれば,本件組合の施行する土地区画整理事業に対する援助事務は久喜市の事務であり,これに従事する職員の職務は久喜市の職務そのものと位置づけられる。」旨主張する。 イしかしながら,先に述べたように,土地区画整理事業の施行は,組合が設立されて組合が施行する場合は,地権者である組合員によって構成される土地区画整理組合が自主的に施行するのが原則である。土地区画整理組 合自体は地方公共団体から独立して存在し,その組合の意思や決定に基づいて土地区画整理事業が遂行されるのであって,久喜市が,本件組合設立当初より,久喜市組織規則上市の職員に本件組合の業務に従事させてきていたという事実を考慮しても,本件土地区画整理事業について久喜市の事務と同一視することはできない。 また,組合施行の場合,土地区画整理法123条によれば,市町村長は組合に対し,土地区画整理事業の施行の促進を図る 実を考慮しても,本件土地区画整理事業について久喜市の事務と同一視することはできない。 また,組合施行の場合,土地区画整理法123条によれば,市町村長は組合に対し,土地区画整理事業の施行の促進を図るため必要な勧告,助言若しくは援助をすることができるとされているが,市町村長が組合に対し援助等をすることと,職員について地方公務員法で定められている職務専念義務に違反することとならないよう必要な措置を講ずることとは,別個の問題である。すなわち,本件の場合,本件職員は3年半から5年もの間本件組合の事務所において直行直帰の形態で勤務し,組合の経理その他庶務的な仕事を除き,組合の中心的な業務である換地計画に関するほとんどの事務を手掛けていたものであることが認められる。しかし,市町村長が事業の促進を図るため必要な援助等をする場合にもその態様や程度においておのずから限度があるというべきであり,市の職員が一時的に組合の業務の一部について協力したり援助するということはともかく,特定の職員が本来の地方公共団体の事務にほとんど携わることなく,長期にわたって組合の業務に専従するということは地方公務員法35条違反の問題を生ずることは明らかであり,このようなことが土地区画整理法123条等を根拠に直ちに是認されるとは考え難い。 なお,被告及び参加人Aは,公益法人等派遣法1条などにいう「専ら従事」とは,本来の職務を全面的に免除されて,派遣先の業務にのみ従事することであり,公務に従事する一方で公益法人等の業務にも従事するいわゆる兼業についてはこの法律の対象外とされているところ,本件職員の場合,市の固有事務や組合に対する援助事務などにも携わっていたから「組 合の業務に専ら従事した」とはいえず,公益法人等派遣法の手続によらなければならない場合ではないと主張する。しかし, 件職員の場合,市の固有事務や組合に対する援助事務などにも携わっていたから「組 合の業務に専ら従事した」とはいえず,公益法人等派遣法の手続によらなければならない場合ではないと主張する。しかし,「専ら」とは大部分あるいは主要な部分を意味するものであり,本件のような勤務実態の場合にはまさにこれにあてはまるとみるのが常識的な解釈であって,被告及び参加人Aの上記主張は採用できない。 ウ以上から,被告及び参加人Aの主張は理由がない。 争点3(Aの過失の有無)について(1)認定事実前記のとおり,本件においては,平成14年4月1日の公益法人等派遣法施行以降も,本件組合に対する本件職員の派遣について同法の定める手続が採用されず,従前のやり方が継続されたが,その経緯を再掲すると,次のとおりである。 ア公益法人等派遣法が平成12年4月26日に公布され,平成14年4月1日から施行されることとなったが,それまでの久喜市においては,①財団法人久喜市文化スポーツ振興事業団(職務命令),②社会福祉法人久喜市社会福祉協議会(職務命令),③久喜市土地開発公社(職務専念義務免除),④本件組合(事務従事),⑤久喜市青毛特定土地区画整理組合(事務従事)について公益法人等の業務に職員を従事させていた。 そして,庶務課は,久喜市公益法人等派遣条例制定に向けての関係各課との検討・協議の結果,上記①及び②については久喜市公益法人等派遣条例において派遣団体として指定することが確認され,③については職務専念義務免除の方法によることが確認された。しかし,④本件組合と⑤久喜市青毛特定土地区画整理組合については,両組合とも,組合設立当初から久喜市が関与してきており,以後も建設部都市整備課区画整理第1係及び第2係に職員を配置し,本件組合の事務所において執務をとらせ,事業の最終 定土地区画整理組合については,両組合とも,組合設立当初から久喜市が関与してきており,以後も建設部都市整備課区画整理第1係及び第2係に職員を配置し,本件組合の事務所において執務をとらせ,事業の最終段階にあって,久喜市の人的援助を打ち切ることが 非常に困難な状況であり,両組合への事務従事職員は土地区画整理法75条及び123条に基づく援助事務のみならず久喜市の固有事務にも従事していること等の問題点が出され,これらを踏まえて,庶務課等において更に検討することとなった。 イその後,庶務課は,自治省行政局公務員部長通知,地方公務員月報や季刊地方公務員研究等に掲載された公益法人等派遣法の解説を検討したところ,公益法人等派遣法にいう「公益法人等の業務に専ら従事」とは,本来の職務を全面的に免除されて,派遣先の業務のみに従事することであり,公務に従事する一方で公益法人等の業務にも従事するいわゆる兼業についてはこの法律の対象外と解説されており,それまでのいわゆる「派遣」といわれるような業務の従事が,公益法人等派遣法施行後においてすべて同法に基づく派遣と位置づけなければならないものではなく,従前の制度の適切な運用で対応すべきことが予定されているものもあるのではないかとの解釈となった。 ウ結局,庶務課等は,本件組合等については,土地区画整理組合の援助事務は久喜市の事務といえること,市職員の本件組合等の事務所における勤務については,事務の効率性の観点から,久喜市の固有事務にも従事しつつ土地区画整理組合の援助事務に従事してきたものであると解釈できること,また,事務従事職員の出勤簿の管理,年次休暇の届出等の職員の服務関係,組合事務所における事務処理関係について,事務従事職員に対する久喜市の指揮監督は及んでいると判断されること等の理由から,土地区画整理組 事務従事職員の出勤簿の管理,年次休暇の届出等の職員の服務関係,組合事務所における事務処理関係について,事務従事職員に対する久喜市の指揮監督は及んでいると判断されること等の理由から,土地区画整理組合への事務従事については公益法人等派遣法による派遣にする必要性はないものと判断し,これまでと同様のやり方で対処することとした。 エそこで,久喜市公益法人等派遣条例においては,財団法人久喜市文化スポーツ振興事業団及び社会福祉法人久喜市社会福祉協議会の2団体を 派遣対象団体として規定することとし,同条例案が平成14年3月に久喜市議会の定例会に上程,可決され,平成14年4月1日,久喜市公益法人等派遣条例が施行された。そして,本件組合への職員派遣については公益法人等派遣法による手続も職務専念義務免除等の手続も一切とられることなく,従前のやり方のまま本件職員らの本件組合事務所における業務執行が継続された。 (2)上記事実に基づく判断ア前記のとおり,かつて地方公務員制度には職員の公益法人等に対する派遣に関する明確な定めはなく,そのため職員の他団体への派遣の適否については種々議論があったが,最高裁平成10年4月24日判決により一定の判断基準が示されたこと,その後公益法人等派遣法が制定され,同法は,平成14年4月1日から施行されることとなり,これによって地方公務員の公益法人等への派遣について法制度が整備されたことが認められる。 そして,公益法人等派遣法に関する政令によれば,派遣の対象となる団体の一つとして土地区画整理組合が規定され,職員の派遣を行い,給与を支給する場合には条例を定めるなどの諸種の手続を踏むことを要求しているものであるから,少なくとも公益法人等派遣法が施行された後は,土地区画整理組合に職員を派遣し,その業務に専従させることは,他の法 支給する場合には条例を定めるなどの諸種の手続を踏むことを要求しているものであるから,少なくとも公益法人等派遣法が施行された後は,土地区画整理組合に職員を派遣し,その業務に専従させることは,他の法令に根拠を有する場合又は実務研修や兼業の場合を除き公益法人等派遣法に定める諸種の手続を踏まなければならないものであることは法令の規定上明らかとなったというべきである。 しかしながら,本件においては,市長の職にあったAは,公益法人等派遣法上の手続が何ら採られていないにもかかわらず,漫然従前のやり方のまま職務命令により本件職員を本件組合に派遣し,その業務に当たらせたものであるから,地方公務員法35条,公益法人等派遣法に違反した点についてAに過失があったものといわざるを得ない。 イこれに対し,被告及び参加人Aは,概ね,「久喜市の関係課において,公益法人等派遣法の施行に備え,土地区画整理組合への事務従事を含め久喜市における職員派遣のあり方について検討し,市長の職にあったAは土地区画整理組合については公益法人等派遣法によらない事務従事が適法であると判断し,本件職員を本件組合での事務に従事させたものであって,職務上尽くすべき義務は尽くしており,Aには故意・過失はない。」と主張する。 ある事項に関する法律解釈につき異なる見解が対立し,実務上の取扱いも分かれていて,そのいずれについても相当の根拠が認められる場合に,公務員がその一方の見解を正当と解し,これに立脚して公務を執行したときは,後にその執行が違法と判断されたからといって,直ちに上記公務員に過失があったものと解することは相当ではない(最高裁昭和42年6月24日・民集25巻4号574頁,最高裁平成16年1月15日・民集58巻1号156頁等)。 しかしながら,前記のとおり,かつて地方公共団体の職員 たものと解することは相当ではない(最高裁昭和42年6月24日・民集25巻4号574頁,最高裁平成16年1月15日・民集58巻1号156頁等)。 しかしながら,前記のとおり,かつて地方公共団体の職員の公益法人等への派遣に関し,法的解釈や実務上の取扱いも分かれていたものの,それらを解決させるべく平成12年に公益法人等派遣法が制定され,手続等の法整備がされたものであって,平成14年4月1日の公益法人等派遣法施行後は,本件のような形態で土地区画整理組合に職員を派遣し,専らその事務に従事させる場合には公益法人等派遣法に定める手続を採らなければならないことは法律上明らかであって,その点に関する法律解釈につき異なる解釈が対立していたとは認められない。また,土地区画整理法75条,123条は市町村長が土地区画整理組合に助言や援助等ができると規定するが,そのことから直ちに地方公務員法35条との抵触の問題が生じないとすることはできないことは前記判断のとおりであり,この点に関する法律解釈につき異なる解釈が対立していたとも認められない。 なお,弁論の全趣旨によれば,久喜市と同様の方法によって職員を土地区画整理組合に派遣することについては,埼玉県内の一部の市町村でそのような形態を採用していたか又は公益法人等派遣法施行後も同様の形態で派遣する方法を採用した例がいくつかあったことが窺えるものの,それはごく一部であって実務上そのような取扱いが広く行われていたとまでは認められない。 ウそして,公益法人等派遣法の手続を経ない本件事務従事は違法であり,そのことにつき市長の職にあったAには過失が認められるところ,本件事務従事を前提として公益法人等派遣法6条2項の手続を経ない本件職員への給与の支出は違法であって,本件給与支出についてもAには過失があるものといわざるを 職にあったAには過失が認められるところ,本件事務従事を前提として公益法人等派遣法6条2項の手続を経ない本件職員への給与の支出は違法であって,本件給与支出についてもAには過失があるものといわざるを得ない。なお,久喜市予算事務規則及び久喜市会計規則によれば,庶務課長が給与に係る支出負担行為権者,支出命令権者とされ,担当課長が時間外,特勤手当にかかる支出負担行為権者,支出命令権者とされており,本件給与支出についても,庶務課長,都市整備課長の専決によりなされたものであるが,専決によりなされた場合であっても,市長は補助職員が財務会計上の違法行為をすることを阻止すべき指揮監督上の義務に違反しているような場合には責任を負うものと解されるところ(最高裁平成3年12月20日・民集45巻9号1455頁参照),本件の場合には上記指揮監督上の義務違反があると認められる。 争点4(本件組合の返還義務の有無)について本件事務従事及び本件給与支出が違法であることは,これまで述べたとおりであり,本件組合は,本件職員から労務の提供を受けており,本来であればこの労務提供の対価に相当する金員の支払うべき義務を負うはずであるところ,本件職員に対しては,久喜市から給与の支給が行われた結果,本件組合は,久喜市の損失において利得を得たものというべきである。 したがって,本件組合は,久喜市に対し,本件職員から労務の提供を受けた 対価に相当する額について不当利得返還義務を負うものというべきである。 なお,本件においては,従前からの経緯から,市と本件組合との間で,本件組合事務所で本件組合の業務に従事する市職員の給与は全部市が負担し,本件組合は負担しない旨の暗黙の協定ないし合意があったとみられないではない。 しかし,そのような協定ないし合意は,地方公務員法35条,30条に違反する 合の業務に従事する市職員の給与は全部市が負担し,本件組合は負担しない旨の暗黙の協定ないし合意があったとみられないではない。 しかし,そのような協定ないし合意は,地方公務員法35条,30条に違反するものであり,ことに公益法人等派遣法が施行された平成14年4月1日以降は,同法に定める諸手続を踏まないまま専ら組合業務に従事させる目的で職員を組合に派遣するようなことは一層その違法性が明白になっていたというべきであるから,私法上も無効というべきである。したがって,仮に,上記のような黙示の協定ないし合意が存在としたとしても,そのことは本件組合に不当利得返還義務があるとの前記判断を左右するものではない。 争点5(損害額)についてこれまで認定したように,久喜市が本件職員に対し支払った給与の額は,平成14年6月から平成15年5月までの間は,別紙1計算書のとおり,Cについては総額804万7244円,Dについては総額661万8294円であり,平成15年6月から平成16年3月までの間は,別紙2計算書のとおり,Cについては総額791万8599円,Dについては総額666万8776円であると認められる。 そして,本件職員は,上記期間内において,一部は久喜市の事務にも従事していたものであるから,本件において久喜市に生じた損害と認められるのは,本件職員に対して支給された給与のうち市の事務に属しない本件組合の業務に従事した分の対価と認められる部分に限ることが相当である。 そこで,本件組合の業務に従事した分の対価についてみるに,これまで認定したように,本件職員が従事した事務は,概ね,①服務連絡関係(毎日本件職員の出勤,休暇等の状況を都市整備課へ電話で報告。毎月始めまでに先月分の休暇状況調,時間外勤務命令簿等を都市整備課に提出。)②市役所における建 設部内連絡会議へ 概ね,①服務連絡関係(毎日本件職員の出勤,休暇等の状況を都市整備課へ電話で報告。毎月始めまでに先月分の休暇状況調,時間外勤務命令簿等を都市整備課に提出。)②市役所における建 設部内連絡会議へ年に数回出席,③本件組合からの補助金申請の審査及び実績報告書の審査,④職員研修への出席,⑤県等からの久喜市に対する照会文書,本件組合からの久喜市に対する進達依頼文書についての受付,処理,⑥市長への手紙及びEメール処理,⑦土地区画整理法76条の申請に係る許可,⑧換地計画認可申請関連の事務(県との協議,換地計画認可申請の添付書類の作成,県による書類審査及び現地検査の立会い,市との協議,換地処分通知,公示送達の手続,県への換地処分完了届の提出事務,換地変更について県との協議,換地された土地の地目調査,清算金について県に審査請求が提起されたことによる資料の収集と弁明書の作成,仮清算金及び清算金についての照会や苦情等の処理,区画街路等公共施設に関する久喜市への引継ぎ資料作成,区画街路等公共施設の点検,修理等),⑨本件組合員に対する窓口相談等であると認められる。 そして,本件職員が市役所に行くのは2人で週に1回程度であったこと,市の事務といえる①ないし⑦についてみても,①は本件職員自らの勤怠管理に係る手続であり,②及び④は年に数回出席する程度で,③は年に1回の審査であり,⑤ないし⑦も数件処理した程度であったことが認められ,Cも本件訴訟における証人尋問において,それらの市の事務の全体の事務量に占める割合は1割程度であったと述べていることからすれば,本件職員が従事した事務の大半は,⑧の本件組合の事業である換地に関する事務であったと認めるのが相当である。 そうすると,本件においてはA及び本件組合に対し,本件職員の給与相当額の9割程度を賠償ないし返還させるのが た事務の大半は,⑧の本件組合の事業である換地に関する事務であったと認めるのが相当である。 そうすると,本件においてはA及び本件組合に対し,本件職員の給与相当額の9割程度を賠償ないし返還させるのが相当とも考えられなくないが,本件職員の行った換地に関する事務のうち一定程度は結果的に土地区画整理法123条等による援助としての意義を有しているとみられないでもなく,これら本件に顕れた事情を総合的に評価すると,賠償ないし返還を求めるべきものとして本件職員が従事した本件組合が行うべき事務は,少なくとも本件職員の事務量 全体の2分の1を下回るものではないと判断するのが相当である。 以上から,A及び本件組合は,久喜市に対し,平成14年6月から平成16年3月までに本件職員に支払われた給与の少なくとも5割に相当する金額につき損害賠償ないし不当利得返還義務を負うものというべきであり,その額は,別紙1,2の「損害額」欄記載のとおりであると認められ,第1事件について733万2765円,第2事件について729万3686円である(Aと本件組合の債務の関係は,いわゆる不真正連帯債務の関係になると解される。)。 争点6(本件補助金支出の一部について監査請求期間を徒過しているかどうか)について(1)本件補助金支出のうち第1事件に係る平成14年度の補助金は平成14年6月12日及び同年11月6日にそれぞれ概算払によって197万0500円の支出がなされたものであるところ,第1事件原告らが監査請求をしたのは平成15年6月18日である。 そして,概算払による公金の支出についての監査請求は,当該公金の支出がされた日から1年を経過したときは,これをすることができないものと解するのが相当であり(最高裁平成7年2月21日判決・判例時報1524号31頁参照),そうすると,平成14 査請求は,当該公金の支出がされた日から1年を経過したときは,これをすることができないものと解するのが相当であり(最高裁平成7年2月21日判決・判例時報1524号31頁参照),そうすると,平成14年6月12日に概算払によって支出された補助金197万0500円に係る監査請求は,1年の監査請求期間(地方自治法242条2項)を経過してなされたものといわざるを得ない。 (2)第1事件原告らは,「平成15年2月4日ころの本件組合との意見交換会において,違法な換地処分登記がなされているのではないかとの認識を有するに至り,その後の調査を経て,同年6月18日に住民監査請求をなしたものであるから,『正当な理由』(地方自治法242条2項ただし書)がある。」旨主張する。 しかしながら,証拠(甲10,14ないし18,28,30,両事件原告F)及び弁論の全趣旨によれば,第1事件原告Fは本件組合の組合員であり, 同Gは本件組合の組合員である有限会社勝丸の代表取締役であること,平成14年度以前においても毎年度久喜市から本件組合に対する補助金は交付され,また,久喜市から助成金を受けていることは本件組合の一般会計収支予算に明記されており,総代会の議決もなされていたこと,平成13年6月の久喜市定例議会において久喜市から本件組合に対し補助金が交付されていることについて一般質問における質疑応答で述べられており,第1事件原告Fは上記議会を傍聴したことが認められる。 そうすると,第1事件原告F及び同Gが監査請求を徒過したことについて「正当な理由」(地方自治法242条2項ただし書)があったものということはできない。 (3)したがって,第1事件に係る訴えのうち,平成14年6月12日に概算払によって支出された補助金197万0500円に係る部分は適法な監査請求を経ていない不適法 あったものということはできない。 (3)したがって,第1事件に係る訴えのうち,平成14年6月12日に概算払によって支出された補助金197万0500円に係る部分は適法な監査請求を経ていない不適法なものである。 争点7(本件補助金支出における違法性の有無)について(1)原告らは,「本件においては,久喜市補助金等の交付に関する規則5条にいう補助率が明らかにされておらず,同規則6条にいう補助事業等の経費の配分,経費の使用方法等,算出基礎,補助事業等の効果については何ら明らかにされていないから,本件補助金支出に関する手続は違法である。」旨主張する。 そこで検討するに,久喜市補助金等の交付に関する規則5条は,補助金等の交付の対象となる経費は,補助事業者等が要する経費とし,その補助率は,市長が別に定めるものと規定しており,補助対象経費のうちどの程度の割合を補助するかという補助率の決定については,市の財政状況等を判断した上での政策的な判断を要求されるものであることに鑑み,市長の広範な裁量に委ねられているものである。そして,同規則を受けた久喜市土地区画整理組合補助金交付要綱は,2条において,補助の対象となる経費は,土地区画整 理組合職員の人件費とし,毎年度予算の範囲内において,市長が定める額とすると規定しているところ,平成14年度の補助金の交付決定の審査においては,補助金等対象経費が461万8000円,決定額が394万1000円とされており(甲14),平成15年度の補助金の交付決定の審査においては,補助金等対象経費が459万4000円,決定額が394万1000円とされており(甲40),いずれも補助対象経費の範囲内で補助金額を市長が定めて交付しているのであり,その補助金額決定の過程に違法があるものとはいえない。 また,本件組合から久喜市長 94万1000円とされており(甲40),いずれも補助対象経費の範囲内で補助金額を市長が定めて交付しているのであり,その補助金額決定の過程に違法があるものとはいえない。 また,本件組合から久喜市長に提出された平成14年度及び平成15年度土地区画整理組合補助金交付申請書(甲14,40)は,久喜市土地区画整理組合補助金交付要綱3条1項に規定する様式第1号に従って本件組合の名称,住所,交付申請額,補助事業等の目的,補助事業等の内容,事業完了予定年月日等の必要事項が記載されているものと認められ,久喜市補助金等の交付に関する規則6条3項に照らしてもその申請書の記載内容に不備があったとはいえないし,上記申請書は,その添付書類に補助事業等の経費の配分や使用方法も明記されており,申請書及び添付書類の記載等を総合すれば,久喜市補助金等の交付に関する規則6条1項の規定の趣旨に反するところもないというべきである。 したがって,本件補助金支出における手続に違法があるとはいえず,原告らの上記主張には理由がない。 (2)ア原告らは,本件補助金支出には公益上の必要性がないと主張し,具体的には,「①補助金支出の目的は,土地区画整理事業の施行の促進及び健全な市街地の造成にあるのに,補助対象経費は,組合職員の人件費であり,目的との関係で補助の有効な効果を窺えない。②本件補助金に関する資料(甲14ないし18)においても,本件職員の派遣以外に本件組合において人材を必要とする根拠が定かではなく,目的の重要性・緊 急性も認められない。③本件補助金支出により,上記目的達成のための適切かつ有効な効果も発揮されていない。④本件組合は,理事長の専断的な運営により,理事長が実質的代表者を兼ねるセイシン株式会社に事務委託するなど違法運営がなされており,補助金を受ける団体として不適 適切かつ有効な効果も発揮されていない。④本件組合は,理事長の専断的な運営により,理事長が実質的代表者を兼ねるセイシン株式会社に事務委託するなど違法運営がなされており,補助金を受ける団体として不適格である。⑤交付された補助金が上記目的達成のために必要な人材確保のための経費として費消されているという実態は窺えず,他の用途に流用されたかどうか不明である。⑥本件組合は,理事長により専断的に運営されており,本件職員による指導・監督は全く機能しておらず,事後の検査体制は全く機能していない。これらの事情からすれば,補助金の交付に関し公益上の必要性が認められないことは明らかである。」旨主張する。 イよって,検討するに,証拠(甲4ないし7,14,40,丙7,8)及び弁論の全趣旨によれば,久喜市においては,久喜市土地区画整理組合補助金交付要綱が定められており,同要綱2条は,補助の対象となる経費は,土地区画整理組合職員の人件費とし,毎年度予算の範囲内において,市長が定める額とすると規定していること,久喜市は,上記要綱に基づき,本件組合に対し,予算に基づき平成14年度及び平成15年度の補助金として各394万1000円を交付したこと,本件組合は,本件補助金を人件費の一部として使用したこと,本件組合は,久喜市に対し,本件補助金に係る実績報告書を提出し,久喜市は,補助金を確定したことが認められる。 そして,土地区画整理事業は,都市計画区域内の土地について,公共施設の整備改善及び宅地の利用の増進を図るための事業であり(土地区画整理法2条1項),その事業自体,公共の福祉の増進を目的とするものであり,土地区画整理組合は,土地区画整理事業の施行者であるから,本件組合の人件費として補助金を本件組合に交付することは地方自治法232条の2に定める公益性上の必要がないという 増進を目的とするものであり,土地区画整理組合は,土地区画整理事業の施行者であるから,本件組合の人件費として補助金を本件組合に交付することは地方自治法232条の2に定める公益性上の必要がないということはできない。 そして,これまで認定したところによれば,本件組合において,本件職員が従事した本件組合の業務以外にも本件組合の業務(経理事務等)は存在し,それらの業務のために人員を要すること,実際にも本件組合固有の職員に給与が支払われていることが認められ,本件組合が土地区画整理事業を遂行するための人件費について補助金を交付することに公益性が認めらないとはいえないことは前記のとおりである。また,原告らの主張する前記アの④及び⑥の点については,本件組合の施行する本件土地区画整理事業自体が公益性の高い事業であり,仮に原告らが主張するようにセイシン株式会社への業務委託等に問題があったとしても,そのことは別途是正が図られるべき事柄であり,そのことと本件組合の行う本件土地区画整理事業の公益性とは別個のことで,原告らの上記アの④及び⑥の主張を考慮したとしても本件組合に対する補助金の交付が公益性を欠くということまではできず,結局,原告らの上記主張は採用できない。 ウしたがって,本件補助金支出が公益上の必要を欠くということはできず,この点の原告らの主張は理由がない。 第4 結論 以上の次第であり,第1事件に係る訴えのうち,平成14年6月12日に支出された補助金197万0500円の交付に係る部分は不適法であるから却下し,原告らの請求は,本件組合及びAに対し,それぞれ1462万6451円及びAについては別紙1,2の「支給額」欄記載の金額に対する「支払日」欄記載の各支払日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金,本件組合については別紙1,2の「支給額」欄 れ1462万6451円及びAについては別紙1,2の「支給額」欄記載の金額に対する「支払日」欄記載の各支払日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金,本件組合については別紙1,2の「支給額」欄記載の金額に対する「支払日」欄記載の各支払日の翌日から支払済みまで年5分の割合による利息の支払の請求を求める部分については理由があるから認容し(なお,本件組合とAの各債務の関係は不真正連帯債務の関係にある。),原告らのその余の請求はいずれも理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決する。 さいたま地方裁判所第4民事部裁判長裁判官豊田建夫裁判官富永良朗裁判官松村一成

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