【DRY-RUN】主 文 原判決を破棄し本件を東京高等裁判所に差し戻す。 理 由 上告代理人宮崎梧一の上告理由第一点について。 原判決はその理由において、本件手形と選挙運動費
主文 原判決を破棄し本件を東京高等裁判所に差し戻す。 理由 上告代理人宮崎梧一の上告理由第一点について。 原判決はその理由において、本件手形と選挙運動費との関係を説明するにあたり、前段で本件手形は訴外Dが上告人から依頼された選挙運動費として現金の支払に代えて振出されたものであると判示している。このように選挙運動費として現金の支払に代えて振出されたものである以上、特に「概算払」というような約束がなかつたとしても、振出人は選挙運動費として事実上支払われた額以上支払う義務はないはずである。原審が「仮りにDが実際に支出した選挙運動費が約十七、八万円に過ぎなかつたとしても、控訴人が本件手形金全額について支払義務を負担することに変りはない」と判示した趣旨は理解できない。選挙運動費として現金で支払つた場合でも実際に必要なかつた部分は、返還さるべきはずである。選挙運動費として現金の支払に代えて振出された手形につき、実際運動費として支出された額以上に支払うものとすれば、その部分は、なんのために支払われるのであろうか。(このような場合通常報酬ということが考えられるが、選挙に関するかぎり選挙運動の報酬を支払うことは法の禁ずるところであるから、振出人は右部分の支払義務を負うものでないこというまでもあるまい)。そして被上告人が本件手形を訴外Dから期限後裏書によつて取得したことは、原判決の認定するところであり、また上告人は実際に選挙運動費として支出された数額を掲げ、これ以上の支払義務はないと主張し、かつこのことは被上告人にも対抗できると主張している以上、原審がなおその支払義務ありとするには、その理由を説朗しなければならないのである。この点において原判決は理由不備の違法があるというのほかない。 よつて民訴四〇七条一項に 抗できると主張している以上、原審がなおその支払義務ありとするには、その理由を説朗しなければならないのである。この点において原判決は理由不備の違法があるというのほかない。 よつて民訴四〇七条一項により原判決を破棄し、本件を原裁判所に差戻すことと- 1 -し、主文のとおり判決する。 この判決は裁判官全員一致の意見である。 最高裁判所第三小法廷裁判官島保裁判官河村又介裁判官小林俊三裁判官本村善太郎裁判長裁判官井上登は退官につき署名押印することができない。 裁判官島保- 2 -
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