昭和29(う)624 関税法違反被告事件

裁判年月日・裁判所
昭和30年2月1日 東京高等裁判所 棄却
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【DRY-RUN】主    文      本件控訴はこれを棄却する。          理    由  本件控訴の趣意は弁護人手塚誠提出の控訴趣意書記載のとおりであるからここに これを引用する。これに対する当裁判所の判

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判決文本文1,188 文字)

主文本件控訴はこれを棄却する。 理由本件控訴の趣意は弁護人手塚誠提出の控訴趣意書記載のとおりであるからここにこれを引用する。これに対する当裁判所の判断は左のとおりである。 一、論旨の一について<要旨>関税法にいわゆる輸入たるには、外国貨物が関税の境界線を越えてわが国内に入り、自由に処分しうる状態</要旨>におかれたという客観的事実が存すれば足り、その貨物を搬入した者において、それを再び国外に搬出する意図があつたかどうかというようなことは斟酌する必要がないものと解するのを相当とする。昭和二十九年法律第六一号関税法第二条第一号に「輸入」とは外国から本邦に到着した貨物を本邦に引き取ることをいうと定めているのもこの趣旨であるというべきである。これを本件についてみるに、原判決が証拠によつて確定したところによると、被告人は昭和二十八年八月二十日頃香港から外国製腕時計五個を携帯し、航空機で東京都大田区羽田空港に輸送し、所定の通関手続を経ずにわが国内に搬入し、その後同月二十八日前記羽田空港から航空機で国外に搬出しようとしたところを発見されたものであるから、右貨物は八日間わが国内に在つたものであり、従つてわが国に輸入されたものであることは疑いもない事実である。所論は、被告人は当初から本件貨物を日本において処分する意思を有せず、香港から韓国へ運搬する途中、輸送の都合上、一時的に日本国内に搬入したに過ぎない、いわゆる通過貨物であると争つているのであるが、いやしくも外国貨物がわが国内に入つた以上、関税法にいわゆる輸入があつたものと目すべく、事前申告によつて正式に表示されていない搬入者の意思のごときは輸入の観念を定めるについて関係のないものであることは、さきに判示したとおりであるばかりでなく、国際航空輸送を 輸入があつたものと目すべく、事前申告によつて正式に表示されていない搬入者の意思のごときは輸入の観念を定めるについて関係のないものであることは、さきに判示したとおりであるばかりでなく、国際航空輸送を業とする会社の支店の支配人として通関手続にも精通しているとみられる被告人が、いわゆる通過貨物としての申告もせず、積戻の手続もとつていないところからみても、到底本件貨物が適法な通過貨物であると認めることのできないのは明白である。而して輸入貨物には、総て関税定率法に基き関税を課すべきことは関税法の明規するところであるから、原判示外国製腕時計に対して、わが国が関税を課しうることは当然であり、これを逋脱した被告人に原判示のような刑事責任の存することも論をまたない。所論は本件貨物の性格について独自の見解に立脚し、これを前提として原判決を非難するに過ぎないから採用の限りでなく、論旨は理由がない。 (その他の判決理由は省略する。)(裁判長判事近藤隆蔵判事山岸薫一判事下関忠義)

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