【DRY-RUN】主 文 本件控訴を棄却する。 控訴費用は控訴人の負担とする。 事 実 控訴代理人は原判決を取消す、被控訴人は控訴人に対し名古屋市a区bc丁目d 番田
主文 本件控訴を棄却する。 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実 控訴代理人は原判決を取消す、被控訴人は控訴人に対し名古屋市a区bc丁目d番田一畝十六歩の所有権移転登記手続を為し且該土地を引渡せ、訴訟費用は第一、二審共被控訴人の負担とするとの判決並右土地の引渡を求むる部分に付き仮執行の宣言を求め被控訴代理人は控訴棄却の判決を求めた。 当事者双方の事実上の陳述は控訴代理人に於て被控訴人の母Aが被控訴人の父Bと離婚したのは昭和十二年十月六日であると陳述した外原判決事実摘示と同一であるから之を引用する。 証拠として控訴代理人は甲第一号証同第二号証ノ一乃至五、同第三号証ノ一、二、同第四号証ノ一乃至三、同第五号証ノ一乃至五、同第六号証ノ一、二を提出した。 被控訴代理人は甲第五号証ノ一乃至五、同第六号証ノ一、二の成立を否認し爾余の甲号各証の成立を認めた。 理由 成立に争なき甲第二号証ノ一(除籍謄本)同第二号証ノ二、三(各戸籍抄本)同第二号証ノ四によれば被控訴人Cは昭和十二年八月三日生の未成年であること、名古屋市e区f町g丁目h番地戸主Dの長男Eは大正七年十一月十一日死亡し右Eの長男Bに対しては昭和十三年八月二十七日推定家督相続人廃除の裁判確定し次て右Bは其の長男である被控訴人Cを右家籍に残して昭和十六年六月六日分家したとと、之より先Bの妻A(被控訴人Cの実母)は昭和十二年十月六日Bと協議離婚を為し実家に復籍し後に昭和十六年二月二十六日死亡したこと、右Bの分家により被控訴人Cの為には親権を行うべき父母共に家に在らざるに至つて後見が開始し戸主Dが昭和十六年六月六日被控訴人の後見人に就職したが昭和二十年六月二十五日戸主Dが死亡したので被控訴人は其の家督相続を為したが同時 Cの為には親権を行うべき父母共に家に在らざるに至つて後見が開始し戸主Dが昭和十六年六月六日被控訴人の後見人に就職したが昭和二十年六月二十五日戸主Dが死亡したので被控訴人は其の家督相続を為したが同時に法定の後見人を失うに至つたのでDの三男であるFが昭和二十年十月三日被控訴人の後見人に就職したことをそれぞれ認め得る。そして被控訴人の為にはDの死亡により当時法定後見人たるベき者がなかつたのであるから右Fは旧民法第九百四条によつて親族会に於て選任した所謂選定後見人であつたことが認められる。控訴人は「昭和二十二年五月三日日本国憲法の施行に伴つて父母は子と家を同じくすると否とに拘らず親権を行うことになつたので被控訴人の父Bはここに再び親権者として被控訴人に代り其の財産に関する法律行為を為し得るに至り前記Fは当然被控訴人の後見人たる地位を喪失するに至つた結果右Bは親権者として昭和二十五年八月二十四日被控訴人を代表して被控訴人の所有に属する本件田(現況非農地にして農地委員会の承認済のもの)を控訴人に対して売渡したのであつて右売買は親権者Bの有効な代表権に基いて為されたものであるから其の移転登記並引渡を求めるものである」と主張するに付き果して日本国憲法の施行に伴いBが親権者となりFは後見人の地位を失つたかどうかに付て按ずるに昭和二十二年五月三日施行せられた日本国憲法の施行に伴う民法の応急的措置に関する法律第三条は戸主家族其の他家に関する規定は之を適用しない旨を定め其の第六条第一項は親権は父母が共同して之を行う旨を定めているが右応急措置法施行前既に開始している後見に付ては何等規定するところはないから同法施行前に後見が開始している以上此の後見は同法の施行によつて何等の影響を受けるととなく其の儘存続するものと謂わなければならぬ。蓋し応急措置法の前記法条と同 見に付ては何等規定するところはないから同法施行前に後見が開始している以上此の後見は同法の施行によつて何等の影響を受けるととなく其の儘存続するものと謂わなければならぬ。蓋し応急措置法の前記法条と同法第一条の「此の法律は個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚する応急的措置を講ずることを目的とする」と言う規定と其の第二条の妻又は母であることに基いて法律上の能力其の他を制限する規定は之を適用しないと言う規定等を照し合せて見ると応急措置法は親権に関する限り母の親権の制限を撤廃するのが眼目であつて其の施行前既に開始している後見を覆して迄親権を復活せしめようとする意図あるを得ないのみならず昭和二十三年一月一日施行された新民法附則第四条但書の旧民法によつて生じた効力を維持する規定の精神から見ても応急措置法施行前開始した後見は応急措置法の施行によつて覆されることはなく其の儘存続するものであつて此の後見が存続する限り応急措置法施行前他家に在つて親権を有しなかつた父母は応急措置法が家を廃止したからと謂つて親権を回復するものではないと解するのを相当とする。そして新民法附則第十九条は旧民法第九百四条の規定によつて選任された後見人あるときは其の後見人は新民法施行の為め当然には其の地位を失うことはないと定めているから応急措置法施行前親族会によつて選任せられた後見人は応急措置法の施行によつては勿論新民法施行によつても後見人たる地位を失わなかつたものと謂わなければならぬ、尤も同条但書は新民法施行によつて後見が終了するときは前記の後見人は其の地位を失う旨を定めているがここに言う後見の終了とは新民法第七百五十三条が未成年者が婚姻をしたときは之によつて成年に達したものと看做す旨を定めた為め新民法施行前婚姻をしている未成年者の為に後見が開始していたとしても新民法施行によつて被後 の終了とは新民法第七百五十三条が未成年者が婚姻をしたときは之によつて成年に達したものと看做す旨を定めた為め新民法施行前婚姻をしている未成年者の為に後見が開始していたとしても新民法施行によつて被後見人は成年に達したものと看做される結果後見の終了を来す場合の如きものを指称するのであつて家を異にしていた父母の親権が家の廃止によつて復活する場合は右但書に当らない、何故ならば家を異にする父母の親権が復活したか或は復活しなかつたかは新民法施行によつて生ずるのではなくて家を廃止した応急措置法の施行によつて生ずることでありしかも応急措置法施行当時後見が開始していた以上仮令応急措置法が家を廃止したからと云つて家を異にしていた父母の親権が復活して後見の終了を来すものでないことは前説示の通りであるから新民法附則第十九条但書によつて右の如き後見の為に旧民法第九百四<要旨>条の規定によつて親族会の選任した後見人の地位の喪失を来すものと謂うことは出来ない。従つて前記古橋鐱</要旨>一郎は昭和二十年十月三日被控訴人の後見人に就職した後応急措置法の施行によつても新民法の施行によつて其の地位を失うことなく依然被控訴人の後見人であると認めなければならぬ、甲第二号証ノ二戸籍抄本によれば被控訴人の戸籍簿には昭和二十二年五月三日父B親権を行うに付き後見終了届出(昭和二十六年五月二十九日受附)の登載あるととを認め得るが右は後見人の辞任若くは解任によるものではなく昭和二十二年五月三比日急措置法の施行により父Bが親権七回復し後見が終了したとの当裁判所の採らざる解釈による届出の受理であることは明かであるから斯様な戸籍の記載如何に拘らずFは前記の如く引続き現在迄被控訴人の地位に在るのである。以上の如くBは応急措置法の施行によつても新民法の施行によつても親権を回復したものではなく被控訴 とは明かであるから斯様な戸籍の記載如何に拘らずFは前記の如く引続き現在迄被控訴人の地位に在るのである。以上の如くBは応急措置法の施行によつても新民法の施行によつても親権を回復したものではなく被控訴人の財産上の行為の代表権は後見人たるFに属していてBは親権者として被控訴人の財産処分の代表権はなかつたのであるから控訴人の主張する本件不動産に付きBが被控訴人を代表して昭和二十五年八月二十四日為した売買契約は無効であつて其の履行を求める控訴人の本訴請求は爾余の争点の判断を待つ迄もなく失当であつて之を棄却した原判決は正当である仍て本件控訴を棄却すべく民事訴訟法第三百八十四条第一項第九十五条第八十九条を適用し主文の如く判決する。 (裁判長裁判官中島奨裁判官白木伸裁判官県宏)
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