平成21(行ウ)10 仮放免許可申請不許可処分取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成21年5月22日 東京地方裁判所 警察関係
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判決文本文5,456 文字)

主文 原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由第1請求東京入国管理局主任審査官が平成20年10月8日付けでした,原告に係る仮放免不許可処分を取り消す。 第2事案の概要本件は,大韓民国(以下「韓国」という)の国籍を有する外国人の女性で。 あり,収容令書及び退去強制令書の執行を受けて東京入国管理局(以下「東京入管」という)収容場に収容された原告について,その夫が仮放免許可申請。 ,,をしたところ東京入管主任審査官からこれを不許可とする処分がされたためこれを不服とする原告(なお,同処分後に入国者収容所東日本入国管理センター(以下「東日本センター」という)に移収された)が,被告に対し,同処。 。 分の取消しを求める事案である。 前提事実本件の前提となる事実は,次のとおりである。いずれも証拠等により容易に認めることのできる事実であり,括弧内に認定根拠を付記している。 (1)原告の身分事項等原告は,昭和▲年(▲年)▲月▲日に韓国で生まれた,韓国の国籍を有する外国人の女性である(甲4,20,乙1,弁論の全趣旨)。 原告及び日本人の男性であるA(昭和▲年▲月▲日生まれ)は,原告が。 後記(3)ウの刑事裁判のため勾留中であった平成20年7月25日,婚姻の届出をした(甲6,乙4,9)。 (2)原告の入国及び在留の状況原告は,平成16年3月3日,新東京国際空港(現在の成田国際空港)に到着し,東京入管成田空港支局入国審査官から,出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という)所定の在留資格を「短期滞在,在留期間を「9。 」0日」とする上陸許可を受けて本邦に上陸したが,その後,在留期間の更新又は在留資格の変更の許可を受けることなく,在留期限である同年6月1日を超えて本邦に不法に残留 「短期滞在,在留期間を「9。 」0日」とする上陸許可を受けて本邦に上陸したが,その後,在留期間の更新又は在留資格の変更の許可を受けることなく,在留期限である同年6月1日を超えて本邦に不法に残留した(乙1)。 (3)原告に係る退去強制手続及び仮放免不許可処分等の経緯ア原告は,平成▲年▲月▲日,入管法違反(旅券不携帯)の容疑により逮捕された(乙1)。 イ東京入管入国警備官は,平成20年8月8日,原告が入管法24条4号ロ(不法残留)に該当すると疑うに足りる相当の理由があるとして,東京入管主任審査官から収容令書の発付を受けた(乙2)。 ウ原告は,平成20年8月11日,水戸地方裁判所下妻支部において,入管法違反(不法残留)及び道路交通法違反(無免許運転)の罪により,○の有罪判決を受けた。東京入管入国警備官は,同日,前記イの収容令書を執行し,原告を東京入管収容場に収容した(乙1,2)。 エ東京入管入国警備官は,平成20年8月12日,原告に係る違反調査をし,原告を東京入管入国審査官に引き渡した(乙3から5まで)。 オ東京入管入国審査官は,平成20年8月13日及び同月22日,原告に 係る違反審査をし,その結果,同日,原告が入管法24条4号ロ(不法残留)に該当し,かつ,出国命令対象者に該当しない旨の認定をし,原告にこれを通知したところ,原告は,同日,東京入管特別審理官による口頭審理を請求した(乙6から8まで)。 カAは,平成20年8月22日,東京入管主任審査官に対し,原告に係る仮放免の許可を申請した(甲5)。 キ東京入管主任審査官は,平成20年9月3日,原告の収容期間を同年10月9日まで延長した(乙2)。 ,,。 ク東京入管入国審査官は平成20年9月17日Aから事情を聴取した(乙9)ケ東京入管特別審理官は,平成 は,平成20年9月3日,原告の収容期間を同年10月9日まで延長した(乙2)。 ,,。 ク東京入管入国審査官は平成20年9月17日Aから事情を聴取した(乙9)ケ東京入管特別審理官は,平成20年9月17日,原告について口頭審理を行い,その結果,入国審査官の前記オの認定は誤りがない旨判定し,原告にその旨通知したところ,原告は,同日,法務大臣に対し,異議の申出をした(乙10から12まで)。 コ法務大臣から権限の委任を受けた東京入国管理局長は,平成20年9月30日,原告の前記ケの異議の申出には理由がない旨の裁決をするとともに,東京入管主任審査官に同裁決を通知した(乙13,14)。 サ前記コの通知を受けた東京入管主任審査官は,平成20年10月1日,原告に前記コの裁決を通知するとともに,原告に対し,退去強制令書を発,,,。(,)付し東京入管入国警備官は同日同令書を執行した乙15 シ東京入管主任審査官は,平成20年10月8日,前記カのAによる原告,(「」に係る仮放免許可申請につきこれを不許可とする処分以下本件処分 という)をし,Aに本件処分を通知した(甲22)。 。 ス東京入管入国警備官は,平成20年10月29日,原告を東日本センタ。 ,,。()ーへ移収した原告は現在東日本センターに収容中である乙16 争点及びこれに関する当事者の主張の要旨本件の争点は,本件処分の適法性であり,これに関する当事者の主張の要旨は次のとおりである。 (1)原告の主張収容令書又は退去強制令書に基づく収容は,最も基本的な人権である人身の自由に対する侵害であるから,そのためには合理的な理由が必要であり,東京入管主任審査官は,仮放免の許否について,全くの自由裁量を持つものではない。 したがって,本件処 ,最も基本的な人権である人身の自由に対する侵害であるから,そのためには合理的な理由が必要であり,東京入管主任審査官は,仮放免の許否について,全くの自由裁量を持つものではない。 したがって,本件処分は,その具体的な理由のいかんによっては,東京入管主任審査官においてその裁量権の範囲を逸脱し,又は濫用した違法があることになるところ,原告は,本邦に上陸して以来平穏な生活を続け,日本人であるAと婚姻するに至っており,また,Aは,原告のために相当額の保証金を納付すること及び原告に仮放免の条件を遵守させることが可能なのであるから,東京入管主任審査官が原告に係る仮放免を許可することについて,何ら支障はない。 よって,本件処分は取り消されるべきである。 (2)被告の主張本件処分は,東京入管主任審査官が裁量権の範囲の逸脱し,又は濫用した違法はなく,適法である。 第3当裁判所の判断 仮放免の許否に係る裁量権について(1)入国警備官は,入管法24条各号の1に該当すると思料する外国人があるときは,当該外国人(以下「容疑者」という)につき違反調査をするこ。 とができ,容疑者が同条各号の1に該当すると疑うに足りる相当の理由があ,,(,るときは収容令書によりその者を収容することができる入管法27条39条1項。容疑者は,その身体が拘束された時から48時間以内に,調)書及び証拠物とともに入国審査官に引き渡される(入管法44条。容疑者)の引渡しを受けた入国審査官は,容疑者が退去強制対象者に該当するかどうかを速やかに審査し,審査の結果,容疑者が入管法24条各号のいずれにも該当しないと認定したときは,直ちにその者を放免しなければならず,容疑者が出国命令対象者に該当すると認定したときは,速やかに主任審査官にその旨を知らせ,当該容疑者が出国命令を受け 条各号のいずれにも該当しないと認定したときは,直ちにその者を放免しなければならず,容疑者が出国命令対象者に該当すると認定したときは,速やかに主任審査官にその旨を知らせ,当該容疑者が出国命令を受けたときは,直ちにその者を放免しなければならない(入管法45条1項,47条1項,2項。特別審理官)は,容疑者から口頭審理の請求があったときは,速やかに口頭審理を行わなければならず,口頭審理の結果,容疑者が入管法24条各号のいずれにも該当しないことを理由として入国審査官の認定が事実に相違すると判定したときは,直ちにその者を放免しなければならず,容疑者が出国命令対象者に該当することを理由として入国審査官の認定が事実に相違すると判定したときは,速やかに主任審査官にその旨を知らせ,当該容疑者が出国命令を受けた,(,,ときは直ちにその者を放免しなければならない入管法48条3項6項7項。また,主任審査官は,法務大臣から,容疑者が入管法24条各号の) いずれにも該当しないことを理由として入管法49条1項に基づく異議の申出には理由があると裁決した旨の通知を受けたときは,直ちに当該容疑者を放免しなければならず,容疑者が出国命令対象者に該当することを理由として入管法49条1項に基づく異議の申出には理由があると裁決した旨の通知を受けた場合において,当該容疑者に対し出国命令をしたときは,直ちにその者を放免しなければならない(入管法49条4項,5項。そして,入国)警備官は,退去強制を受ける者を直ちに本邦外に送還することができないときは,送還可能のときまで,その者を収容することができる(入管法52条5項。 )前記の各規定からすると,入管法は,容疑者が,入管法24条各号の退去強制事由に該当しないと認定されたとき,出国命令を受けたときなどには,その者を直 者を収容することができる(入管法52条5項。 )前記の各規定からすると,入管法は,容疑者が,入管法24条各号の退去強制事由に該当しないと認定されたとき,出国命令を受けたときなどには,その者を直ちに放免することとしているが,その前提として,退去強制手続については,容疑者の身柄を収容して行うことを原則としているものと解することができる。 (2)一方,入管法54条は,収容令書又は退去強制令書の発付を受けて収容されている者の仮放免について規定し,同条2項は,入国者収容所長又は主任審査官(以下「主任審査官等」という)は,請求により又は職権で,収。 容令書又は退去強制令書の発付を受けて収容されている者の情状及び仮放免の請求の理由となる証拠並びにその者の性格,資産等を考慮して,300万円を超えない範囲内で法務省令で定める額の保証金を納付させ,かつ,住居及び行動範囲の制限,呼出しに対する出頭の義務その他必要と認める条件を付して,その者を仮放免することができる旨規定しているところ,前記(1) で述べたところからすると,仮放免制度は,前記(1)の身柄収容の原則に対する例外的措置として,自費出国若しくはその準備のため又は病気治療のためなど,容疑者の身柄の収容を続けるとかえってその円滑な送還の執行を期待することができない場合や,その他人道的配慮を要する場合等特段の事情が存する場合に,一定の条件を付した上で一時的に身柄の解放を認める制度であると解することができる。そして,同条の規定が,前記のような考慮事項を定めるのみで,それ以上に具体的な判断基準等を定めていないことを考慮すると,仮放免の請求に対する許否の判断は,主任審査官等の広範な裁量にゆだねられていると解するのが相当である。 したがって,仮放免の請求に対する許否についての主任審査官等の判断が違法と いことを考慮すると,仮放免の請求に対する許否の判断は,主任審査官等の広範な裁量にゆだねられていると解するのが相当である。 したがって,仮放免の請求に対する許否についての主任審査官等の判断が違法とされるのは,主任審査官等がその裁量権の範囲を逸脱し,又は濫用した場合に限られるというべきである。 本件処分に係る東京入管主任審査官の判断に裁量権の範囲の逸脱又は濫用があるといえるか否か(1)原告は,東京入管主任審査官による裁量権の範囲の逸脱又は濫用を基礎付ける事実として,原告の本邦における平穏な生活及びAとの婚姻関係,さらにはAにおいて相当額の保証金を納付すること及び原告に仮放免の条件を遵守させることが可能であることを主張するようであるが,前記1で述べた仮放免制度の趣旨からすると,原告主張に係る上記各事実は,退去強制令書の発付を受けて収容されている者である原告に係る仮放免を許可すべき根拠とはそもそもなり難いものというべきである。 そして,そのほか,本件全証拠によっても,原告について,自費出国若し くはその準備のため又は病気治療のためなど,身柄の収容を続けるとかえって円滑な送還の執行を期待することができないとか,その他人道的配慮を要する等の特段の事情があると認めることはできない(かえって,乙4及び9,。)。 からは原告の健康状態には問題がないことがうかがわれるところである(2)したがって,本件処分に係る東京入管主任審査官の判断に,裁量権の範,。 囲の逸脱又は濫用があるということはできないから本件処分は適法である第4 結論 よって,原告の請求は理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担に,,,。 つき行政事件訴訟法7条民訴法61条を適用して主文のとおり判決する東京地方裁判所民事第38部裁判長裁判官杉原則彦裁判官 求は理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担に,,,。 つき行政事件訴訟法7条民訴法61条を適用して主文のとおり判決する東京地方裁判所民事第38部裁判長裁判官杉原則彦裁判官品田幸男裁判官角谷昌毅

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