主文 1 本件訴えのうち,処分行政庁が平成24年12月27日付けで原告に対してした原告を特定危険指定暴力団等として指定する処分が無効であることの確認を求める訴えを却下する。 2 本件訴えのうち,処分行政庁が平成25年12月25日付けで原告に対してした特定危険指定暴力団等の指定の期限を延長する処分の取消しを求める訴えを却下する。 3 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 4 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由第1 当事者の求めた裁判 1 原告(1) 処分行政庁が平成24年12月27日付けで原告に対してした原告を特定危険指定暴力団等として指定する処分(以下「本件処分」という。)が無効であることを確認する。 (2)ア主位的請求処分行政庁が平成24年12月27日付けで原告に対してした本件処分を取り消す。 イ予備的請求処分行政庁が平成24年12月27日付けで原告に対してした本件処分のうち,警戒区域として豊前市,春日市,遠賀郡及び鞍手郡を指定した部分を取り消す。 (3) 処分行政庁が平成25年12月25日付けで原告に対してした特定危険指定暴力団等の指定の期限を延長する処分(以下「本件延長処分1」という。)を取り消す。 (4) 処分行政庁が平成26年12月25日付けで原告に対してした特定危 険指定暴力団等の指定の期限を延長する処分(以下「本件延長処分2」という。)を取り消す。 2 被告(1) 本案前の答弁本件訴えのうち,本件処分が無効であることの確認を求める訴え及び本件延長処分1の取消しを求める訴えをいずれも却下する。 (2) 本案の答弁原告の請求をいずれも棄却する。 第2 事案の概要等 1 事案の概要本件は,暴力団員による不当 求める訴え及び本件延長処分1の取消しを求める訴えをいずれも却下する。 (2) 本案の答弁原告の請求をいずれも棄却する。 第2 事案の概要等 1 事案の概要本件は,暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(以下「暴対法」という。)3条に基づき指定暴力団として指定されている原告が,処分行政庁から平成24年12月27日付けで同法30条の8第1項に基づき特定危険指定暴力団等として指定する処分(本件処分)を受けたため,被告に対し,①本件処分は法主体性のない暴力団に対する処分であるから無効である等と主張して本件処分が無効であることの確認を求める(以下「本件無効確認請求」という。)とともに,②暴対法及び同法の各条項は違憲であり,本件処分は違法である等と主張して,主位的に本件処分の全部の取消しを求め(以下「本件処分の取消請求」という。),予備的に本件処分のうち警戒区域として豊前市,春日市,遠賀郡及び鞍手郡を指定した部分の取消しを求め(以下「本件予備的請求」という。),さらに,③平成25年12月25日付けで暴対法30条の8第2項に基づき特定危険指定暴力団等の指定の期限を延長する処分(本件延長処分1)を,平成26年12月25日付けで同項に基づき特定危険指定暴力団等の指定の期限を延長する処分(本件延長処分2)をそれぞれ受けたことから,同項は違憲である上,本件延長処分1及び同2は同項の要件を満たしていないから違法である旨主張して本件延長処分1及び同2の取消しを求めた(以下, それぞれ「本件延長処分1の取消請求」,「本件延長処分2の取消請求」という。)事案である。 2 関係法令の定め本件に関係する法令の定めは別紙「関係法令の定め」のとおりである(同別紙に定める略称等は,以下においても用いることとする。)。 3 前提事実以 」という。)事案である。 2 関係法令の定め本件に関係する法令の定めは別紙「関係法令の定め」のとおりである(同別紙に定める略称等は,以下においても用いることとする。)。 3 前提事実以下の事実は,当事者間に争いがないか,各項末尾に記載の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる。 (1) 原告は,肩書地に主たる事務所を設置し,代表者をCとする組織である(争いのない事実,弁論の全趣旨)。 (2) 原告に関する暴対法3条に基づく指定暴力団としての指定の経緯原告は,以下のとおり,平成4年6月26日以降8回にわたり,処分行政庁により,暴対法3条に基づく指定暴力団としての指定(以下「3条指定処分」という。)を受けている(争いのない事実,乙44)。 ア第1回平成4年6月26日(福岡県公安委員会告示第78号)イ第2回平成7年6月19日(福岡県公安委員会告示第78号)ウ第3回平成10年6月24日(福岡県公安委員会告示第82号)エ第4回平成13年6月19日(福岡県公安委員会告示第83号)オ第5回平成16年6月21日(福岡県公安委員会告示第109号)カ第6回平成19年6月21日(福岡県公安委員会告示第194号)キ第7回平成22年6月22日(福岡県公安委員会告示第171号)ク第8回平成25年6月20日(福岡県公安委員会告示第162号)(3) 本件処分処分行政庁は,平成24年12月27日,原告に対し,暴対法30条の8第1項に基づき,指定の期限を平成25年12月26日までとし,警戒区域を北九州市,福岡市,行橋市,豊前市,中間市,春日市,宮若市,遠賀郡, 鞍手郡,京都郡及び築上郡の区域(島しょ部(架橋等により本土との陸上交通が確保された島を除く。)の区域を除く。以下,一括して「本件各区 岡市,行橋市,豊前市,中間市,春日市,宮若市,遠賀郡, 鞍手郡,京都郡及び築上郡の区域(島しょ部(架橋等により本土との陸上交通が確保された島を除く。)の区域を除く。以下,一括して「本件各区域」という。)と定めて特定危険指定暴力団等として指定する処分(本件処分)をした(甲1)。 (4) 本件延長処分1処分行政庁は,平成25年12月25日,原告に対し,暴対法30条の8第2項に基づき,特定危険指定暴力団等の指定の期限を平成26年12月26日までとする指定の期限の延長処分(本件延長処分1)を行った(乙48,62)。 (5) 本件延長処分2処分行政庁は,平成26年12月25日,原告に対し,暴対法30条の8第2項に基づき,特定危険指定暴力団等の指定の期限を平成27年12月26日までとする指定の期限の延長処分(本件延長処分2)を行った(乙63,79)。 4 争点及び当事者の主張(1) 本案前の争点ア本件無効確認請求について本件無効確認請求の訴えの利益の有無(本案前の争点1)イ本件延長処分1の取消請求について本件延長処分1の取消請求の訴えの利益の有無(本案前の争点2)(2) 本案の争点ア本件無効確認請求について本件処分の無効事由の有無(本案の争点1)イ本件処分の取消請求及び本件予備的請求について(ア) 暴対法及び本件処分等の合憲性(本案の争点2)(イ) 本件処分の適法性(本案の争点3) ウ本件延長処分1の取消請求及び本件延長処分2の取消請求について(ア) 暴対法30条の8第2項の合憲性(本案の争点4)(イ) 本件延長処分1の適法性(本案の争点5)(ウ) 本件延長処分2の適法性(本案の争点6) 5 争点に対する当事者の主張(1) 本件無効確認請求の訴えの利益の有無(本 性(本案の争点4)(イ) 本件延長処分1の適法性(本案の争点5)(ウ) 本件延長処分2の適法性(本案の争点6) 5 争点に対する当事者の主張(1) 本件無効確認請求の訴えの利益の有無(本案前の争点1)(被告の主張)本件無効確認請求は,本件処分の無効確認を求める無効等確認の訴え(行政事件訴訟法[以下「行訴法」という。]3条4項)に該当するものと解されるところ,処分の無効事由となる重大かつ明白な違法は処分の取消事由となる違法に包含される関係にあるから,特定の行政処分につきその取消しを求める訴え(同法3条2項)を適法に提起することができる場合,その原告は,当該取消しの訴えによって当該処分により生じる不利益についての権利救済が図られ得る以上,これとは別に,同時に当該処分について無効確認を求める訴えの利益を有しないものというべきであり,かかる場合において,無効確認の訴えは,同訴えによらなければ十分な救済を得られないような例外的な場合にのみ許容されるというべきである。そして,このことは,行政処分の効力を争ってその取消しの訴えと無効確認の訴えとを提起している原告が主張する当該処分を取り消す理由となる違法事由と当該処分の無効原因となる違法事由とが異なることによって左右されるものではない。 本件において,原告は,既に本件処分の取消しを求めて本件処分の取消請求に係る訴えを適法に提起している以上,原告は,これと並行して本件無効確認請求を提起して,本件処分により生じる不利益について権利救済を求める利益を有しない。 したがって,本件無効確認請求に係る訴えは訴えの利益を欠き,不適法であるから,却下されるべきである。 (原告の主張)争う。 行政処分に重大かつ明白な違法があったとしても取消事由となる違法に包含されるために取消訴訟 る訴えは訴えの利益を欠き,不適法であるから,却下されるべきである。 (原告の主張)争う。 行政処分に重大かつ明白な違法があったとしても取消事由となる違法に包含されるために取消訴訟によって権利救済が図られる以上訴えの利益がないという被告の主張を前提とすると,あらゆる場合に無効等確認の訴えを提起することができなくなり,行訴法において無効等確認の訴えを明文上定めた意義が失われるのであり,取消訴訟を提起することができる場合であっても,無効等確認の訴えを提起する訴えの利益がある。 (2) 本件延長処分1の取消請求の訴えの利益の有無(本案前の争点2)(被告の主張)暴対法30条の8第2項は,特定危険指定処分について,その期限が経過する際に当該処分の対象となった指定暴力団等についておそれ要件が存続していることを改めて確認することとし,おそれ要件が存続していることが確認された場合には,当初の指定処分の内容の一部である指定の期限を延長することによって,当初の指定処分の効力を存続させるという立法政策を採用したものである。 上記の暴対法の趣旨からすれば,本件延長処分1の取消しを求める訴えについては,同処分によって延長された後の指定の期限(平成26年12月26日)の経過により,同処分によって当初の指定処分(本件処分)の効力が維持されているという状態は既に解消されているのであるから,原告に本件延長処分1の取消しを求める訴えの利益はない。 したがって,本件延長処分1の取消しを求める訴えは,訴えの利益を欠く不適法なものであるから,却下されるべきである。 (原告の主張)争う。 (3) 本件処分の無効事由の有無(本案の争点1) (原告の主張)行政処分は,重大かつ明白な違法が認められる場合には,当然無効となるところ,3条指 ある。 (原告の主張)争う。 (3) 本件処分の無効事由の有無(本案の争点1) (原告の主張)行政処分は,重大かつ明白な違法が認められる場合には,当然無効となるところ,3条指定処分,暴対法30条の8第1項に基づく特定危険指定処分はいずれも行政行為(行政処分)であり,かかる処分の効果を受ける主体は法人格を有していなければならないが,同法には暴力団にその法律効果を受ける法主体性を認める条項等は存在しない。同法の存在それ自体によって当然に法主体性が認められるわけではないのであり,原告は,3条指定処分の際においても本件処分の際においても,行政処分の要件となる法主体性がないことは客観的に明白であり,本件処分は,法主体性がない「暴力団」に対して行ったものであるから,法主体性の欠缺を見逃したものとして重大かつ一見明白な違法があるし,処分行政庁が上記各処分時にその職務の誠実な遂行として当然要求せられる程度の調査によって判明すべき原告の法主体性の欠缺があることからすれば,これらの処分には重大かつ客観的に明白な違法があるのであり,本件処分は当然無効である。 (被告の主張)原告が主張する「法主体性」が何を意味するか必ずしも明らかではないが,暴対法は,その立法政策として,特定危険指定暴力団等の指定(同法第30条の8第1項)について処分性を付与しているから,同法によって,原告は同指定処分の対象となる法的地位に置かれる反面,同指定処分を争うことができる法的地位を有するものと解される。したがって,原告は,少なくともこの意味における訴訟の当事者性を有するものとされるものであるから,原告の上記主張は失当であり,本件無効確認請求には理由がない。 (4) 暴対法及び本件処分等の合憲性(本案の争点2)(原告の主張)ア暴対法及び同法の各条 を有するものとされるものであるから,原告の上記主張は失当であり,本件無効確認請求には理由がない。 (4) 暴対法及び本件処分等の合憲性(本案の争点2)(原告の主張)ア暴対法及び同法の各条項の違憲以下のとおり,暴対法は,法律全体として暴力団及び暴力団員の権利 の侵害を定める体系的な法律であり,暴対法及び同法の本件処分に関連する規定は違憲であり,本件処分は違憲である。なお,被告は,暴対法30条の8第2項,第3項,同法30条の11,同法49条等について原告に違憲を主張する適格がない等と主張するが,下記のとおり,各規定は本件処分ないし本件処分の根拠規定である暴対法30条の8第1項と非常に強い内部的関連性を有し,法律全体で暴力団及び暴力団員の権利侵害を定めるものであるから,原告に違憲主張をする適格があることは明らかであるし,暴対法30条の11,同法49条について行訴法10条1項による違法事由の制限を受けないことは明らかである。 (ア) 暴対法の立法目的,制定過程等の違憲a立法目的の違憲(a) 暴対法は1条に定める目的を立法目的とするものではなく,暴力団又は暴力団員というカテゴリーを創設し,一般の刑罰法令とは異なる行政刑罰法令を創出し,一般社会とは異なった法体系を適用するという特殊社会的秩序を作り出して暴力団,暴力団員を差別化するものであり,社会の誰もがその壊滅に賛成する暴力団を対象とした差別立法であり,これを利用して同法を所掌する官庁の利益を図ることを目的とし,憲法14条1項の「社会的身分」による差別をするものであり,法の下の平等に反する差別立法である。暴対法により「暴力団」のレッテルを貼られれば,自分の力ではそこから脱却することができず,事実上「暴力団は悪い集団」,「反社会的勢力」などとの社会的評価を伴う ,法の下の平等に反する差別立法である。暴対法により「暴力団」のレッテルを貼られれば,自分の力ではそこから脱却することができず,事実上「暴力団は悪い集団」,「反社会的勢力」などとの社会的評価を伴うものであり,「暴力団員」というレッテルを貼られた者については暴力団を脱退しても「元暴力団員」というレッテルが貼られるものであるから,「暴力団」と称する地位は「社会的身分」に該当する。 (b) 法律を制定する場合には法律の基礎にあってその合理性を支える 社会的,経済的,文化的な一般的事実としての立法事実が存在する必要があるところ,被告の指摘する立法事実は暴力団員の行為に対する規制を支える立法事実にもなり得ない上,組織としての暴力団対策を基礎付ける立法事実とはなり得ないし,仮に暴力団員の行為に対する何らかの取締りの必要性を示すものであったとしても,その目的を達成するための手段の合理性を基礎付けるものではなく,立法事実とはなり得ない。 (c) また,暴対法は暴力団員の行う暴力的要求行為等について必要な規制を行い,市民生活に対する危険を防止するために必要な措置を講じること等により市民生活の安全と平穏の確保を図り,国民の自由と権利を保護することを目的とする旨規定するが(同法1条),ここにいう暴力的要求行為等は従来違法行為とされず刑罰の対象とならない行為や従来存在した刑罰法規により処罰されてきた行為であって,これに対する必要な規制は行われ,市民生活に対する危険を防止し,市民生活の安全と平穏を確保し,国民の自由と権利を保護することができていたのであるから,どのような暴力的要求行為が法制定の基礎事実となったのか,従来の法律が適用されなかったのかが明らかでない限り,立法を基礎付ける事実を欠き,立法目的を欠くものである。市民生活の安全と平穏の確 るから,どのような暴力的要求行為が法制定の基礎事実となったのか,従来の法律が適用されなかったのかが明らかでない限り,立法を基礎付ける事実を欠き,立法目的を欠くものである。市民生活の安全と平穏の確保という暴対法に規定する保護利益自体は個々の暴力団員の犯罪行為の防止が図られれば足りるところ,犯罪防止という観点からは,従来の刑法等の法律の適用によりその目的を十分に達成することができる。 (d) したがって,暴対法は,立法目的を欠くものであり,憲法13条,14条1項,21条1項に反する。 b個別具体的法規範であることによる違憲憲法41条が規定する国会の立法権の「立法」の意義は,一般的抽 象的法規範(受範者が不特定多数であり[一般性],規律の及ぶ場合が不特定多数であること[抽象性])を意味し,特定の人や特定の事件を名指しした法律は国民の権利,自由を不安定なものにし,平等原則に違反するところ,暴対法は暴力団員の行う暴力的要求行為等についての規制を行う法律であり,一般性はないから,一般的抽象的法規範を制定する立法権により制定された法律ではない。したがって,暴対法は,憲法41条に違反するし,憲法14条の平等原則にも違反する。 c暴対法の立法過程,運用の違憲暴対法は平成3年の制定過程,平成24年の改正過程における審議時間が極めて短く,十分な審議がされておらず,各条文の解釈上問題となる点のみならず立法事実の存否等の基礎事実の十分な検討が行われていない重大な欠陥があり違憲である。 すなわち,平成3年の暴対法制定過程においては,①警察庁が法案を提出する際に,衆議院及び参議院において物理的に審議の日程の確保が困難な時期に上程しており,審議時間が極めて短いこと,②暴対法の立法に向けた作業が警察庁内部で開始された後,国民的な議論に 庁が法案を提出する際に,衆議院及び参議院において物理的に審議の日程の確保が困難な時期に上程しており,審議時間が極めて短いこと,②暴対法の立法に向けた作業が警察庁内部で開始された後,国民的な議論に必要な時間的余裕や場を提供することなく法案を作成し,国会に提出したこと等から暴対法の制定の拙速さ,立法事実の把握の稚拙さ,各条文の審議が存在しないことは明らかである。 また,平成24年の暴対法改正時においても,平成3年の暴対法制定時と同様,警察庁が改正法案を作成し,内閣による閣議決定の後国会に提出されたが,国会における審議時間は約5時間半にとどまり,このような短い審議時間では改正を根拠付ける立法事実の存否等の審議を行うことができず,審議において平成24年の改正における大きな改正点の一つである特定危険指定処分に関する暴対法30条の8及びその関連規定に関する十分な審議,議論は存在しないのであり,各 条文の審議が存在しないこと,立法事実の把握の稚拙さは明らかである。 (イ) 3条指定処分に関連する規定の違憲a暴対法3条柱書暴対法3条柱書は,暴力団員が集団的に又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長する「おそれ」があるだけで指定暴力団としての「指定」を受け,暴対法に定める行動の制約を課すものであり,指定を受ける暴力団の要件該当性を曖昧にし,憲法31条に違反するものであるし,憲法21条1項の結社の自由を侵害し,また,憲法13条の幸福追求権を侵害するものである。 また,暴対法3条柱書は,任侠道を信奉する団体が結集した団体である原告及びその構成員を暴力団と指定して任侠道を信奉する団体であることを理由に社会的に差別するものであり,憲法19条,14条に違反し,13条の幸福追求権を侵害する。 b暴対法3条1号暴対法3条 告及びその構成員を暴力団と指定して任侠道を信奉する団体であることを理由に社会的に差別するものであり,憲法19条,14条に違反し,13条の幸福追求権を侵害する。 b暴対法3条1号暴対法3条1号の目的要件は,「目的」という主観的要素を指定暴力団の指定要件として規定しており,公安委員会が実質的には何の客観的基準もなく恣意的に要件該当性を判断することになり,憲法21条1項の結社の自由を侵害し,憲法31条に反する。 c暴対法3条2号(a) 暴対法3条2号は,「暴力団の幹部である暴力団員の人数のうちに占める犯罪経歴保有者の人数の比率」又は「当該暴力団の全暴力団員の人数のうちに占める犯罪経歴保有者の人数の比率」が一定の比率を超えることを3条指定処分の要件としているが,「犯罪」,「経歴」,「保有」の意味が不明確であり,このような曖昧な文言を不利益処分の要素とすることは,憲法31条に違反する。 (b) 暴対法3条2号は,暴力団の幹部又は構成員の中に一定比率を超える犯罪経歴保有者がいる団体であることを要件とし,当該「比率」を「政令で定める」としているが,3条指定処分の要件を政令に白紙委任することになり,憲法31条に反する。 (c) 暴対法3条2号は,「犯罪経歴保有者」を社会的身分により差別するものであり憲法14条に違反する。 (d) 暴対法3条2号の「幹部」という概念は不明確であり,団体の定める幹部とは無関係に「幹部」とされ,これにより「犯罪経歴保有者」の比率が判断されることは,憲法14条に違反し,憲法21条1項の結社の自由を侵害する。 (e) 暴対法3条2号は,その属する集団の人数の多少により犯罪経歴保有者比率の区分を設けているが,このような区分を設けること自体その根拠も関連性も合理性もなく,犯罪経歴保有者の多少に 侵害する。 (e) 暴対法3条2号は,その属する集団の人数の多少により犯罪経歴保有者比率の区分を設けているが,このような区分を設けること自体その根拠も関連性も合理性もなく,犯罪経歴保有者の多少により区別することになり,憲法14条1項に違反し,憲法21条1項の結社の自由を侵害するし,犯罪経歴保有者の少ない団体を良い団体とし,多い団体を悪い団体とすることを前提とするものであり,判断基準が曖昧であり,憲法21条1項に違反する。 (f) 暴対法3条2号は,恩赦の場合や刑の執行猶予期間が経過した者等刑の言渡しの効力が消滅した者を「犯罪経歴保有者」であるとするものであり,憲法14条1項に違反する。 d暴対法3条3号暴対法3条3号は,「運営を支配する地位にある者」を要件として定めるが,その定義は不明確であるから憲法31条に違反するし,憲法21条1項の結社の自由を侵害する。 e暴対法5条暴対法5条は,3条指定処分を行う際に,処分行政庁に指定の要件 該当性があることを根拠づける資料の提出を求めておらず,同条が告知聴聞の機会を設けているものであるとした場合であっても,要件該当性の検討の機会,反論の機会を奪うものであるから,憲法31条に違反する。 f暴対法9条暴対法9条は,3条指定処分による効果として,暴力的要求行為の禁止を定めるが,その特質として私人の経済活動の自由の全ての分野に及ぶものであり,同条は,「威力を示して」行った行為を対象としているものの,この文言によっては適法行為の外延が不明確であり,日常生活にまで過度の委縮を及ぼすものであって,漠然性ゆえに無効の理論,過度に広汎ゆえに無効の理論が妥当し,罪刑法定主義に違反し,かつ憲法21条1項にも違反する。 (ウ) 暴対法30条の8に基づく処分に関する違憲 の委縮を及ぼすものであって,漠然性ゆえに無効の理論,過度に広汎ゆえに無効の理論が妥当し,罪刑法定主義に違反し,かつ憲法21条1項にも違反する。 (ウ) 暴対法30条の8に基づく処分に関する違憲a暴対法30条の8第1項(a) 明確性の原則違反等① 暴対法30条の8第1項による特定危険指定処分は,3条指定処分と同様に団体に対して暴力的行為を常習する者の団体であるというレッテルを貼るものであり,その効果は,究極的には任侠団体を旨とする団体構成員の思想良心を弾圧するもので,結社の自由を制限するものである。また,単に3条指定処分がされたにとどまる暴力団よりも一層高いレベルでその指定された団体が法に抵触し,存在を許されないという印象を与え,その指定された団体の構成員がいわば暴力的行為を常習する者であるとの印象を与えるものであり,団体活動に対する事後規制の制限であるから,明確な要件及び慎重な手続が定められている必要があるし,その自由については必要最小限の規制しか許されないというべきであ る。 しかしながら,暴対法30条の8第1項は,特定危険指定処分の要件の一つとして「更に反復して同様の暴力行為を行うおそれがあると認めるとき」と規定し,「おそれがある」という漠然とした要件の下で司法機関等の第三者機関ではない公安委員会に特定危険指定処分の権限を与え,恣意的運用がされる可能性も十分にあるのであり,学説の通説上違憲であるとされている破壊活動防止法と比較しても構成要件が不明確であるから,明確性の原則に反するし,憲法上規制されるべきではない行為も包括的に含む形で規制対象を定めるものであるから,過度の広汎性理論からも,憲法21条1項,31条に違反する。 ② また,暴対法30条の8第1項は,公安委員会が人の生命又は身体に重大な はない行為も包括的に含む形で規制対象を定めるものであるから,過度の広汎性理論からも,憲法21条1項,31条に違反する。 ② また,暴対法30条の8第1項は,公安委員会が人の生命又は身体に重大な危害が加えられることを防止する目的の下に特に警戒を要する区域(警戒区域)を定めることができる旨規定するが,「警戒」という文言が不明確であり,さらに,警戒を「要する」か否かや上記の目的の判断を全面的に公安委員会に委ねて白紙委任をするものであるから,構成要件が漠然不明確であり,明確性の原則に反し,憲法21条1項,31条に違反する。 (b) 結社の自由侵害結社の自由は,多数の人々がある共同目的(思想良心の自由等)を達成するために任意にかつ継続的に結合する行為の自由であり,団体を結成する自由,団体に参加する自由,団体自体が存続する権利が含まれており,①人が団体の結成・不結成,団体への加入・不加入,団体の構成員の継続・脱退につき公権力による干渉を受けないこと,②団体が団体としての意思を形成し,その意思実現のための諸活動につき公権力による干渉を受けないことを保障するもので あるところ,特定危険指定処分は,結成された団体の弱体化を招来する行為を含むものであり,団体が団体としての意思を形成し,その意思実現のための諸活動につき公権力による干渉を受けない権利が直接制約され,団体自体が存続する権利への直接的制約になることは,その指定効果の重大性(直罰化,面会要求等の禁止,事務所の使用制限)に鑑みれば明らかである。 そして,結社の自由の侵害についての違憲審査基準は,最高裁判所平成7年3月7日判決(民集49巻3号687頁)が採用する明白かつ現在の危険の原則によるべきであり,規制を行うには明らかな差し迫った危険の発生が具体的に予見されることが必要で 審査基準は,最高裁判所平成7年3月7日判決(民集49巻3号687頁)が採用する明白かつ現在の危険の原則によるべきであり,規制を行うには明らかな差し迫った危険の発生が具体的に予見されることが必要であり,そのような事態の発生が客観的な事実に照らして具体的に明らかに予測される場合でなければならない。 本件についてみるに,憲法21条1項が保障する結社の自由の重大性や上記(a)のとおり,暴対法30条の8第1項が定める「おそれ」要件の漠然不明確性に鑑みれば,明白かつ現在の危険の原則により違憲審査がされるべきであるところ,同項が「おそれ」という可能性を根拠に憲法上優越的地位にある結社の自由を侵害するものであるから,憲法21条1項に違反し違憲であることは明らかである。 したがって,暴対法30条の8第1項による特定危険指定処分は,結成された団体の弱体化を招来する行為として,結社の自由に対する侵害行為であり,同法30条の9ないし11等に定めるとおり,団体自体に対して半永久的に処分の効果が残るものであるし,構成員に対しても多方面に波及する過度な人権侵害を内包するものであるにもかかわらず,漠然不明確な要件と公安委員会による主観的な手続が採用されている点で必要最小限の規制として到底首肯し得る ものではなく,団体構成員の結社の自由ひいては思想良心の自由を著しく侵害し,憲法21条1項に違反する。 b暴対法30条の8第2項暴対法30条の8第2項は,公安委員会が「更にその指定の必要があると認めるとき」には,特定危険指定処分の要件該当性ないし要件充足性を問題とすることなく,同処分により定められた期限を延長できる旨規定しており,延長処分の可否を「必要があると認めるとき」という公安委員会の恣意的な判断に委ね,具体的要件を必要とせず,その主観的 足性を問題とすることなく,同処分により定められた期限を延長できる旨規定しており,延長処分の可否を「必要があると認めるとき」という公安委員会の恣意的な判断に委ね,具体的要件を必要とせず,その主観的判断により延長する権限を認めるものであり,憲法21条1項の結社の自由を侵害し,憲法31条に違反する。 なお,暴対法30条の8第2項は,特定危険指定処分の実質的な自動更新条項であり,特定危険指定処分ないし同条1項と非常に強い内部的関連性を有しており,原告は,同条2項についての違憲を主張する適格がある。 c暴対法30条の8第3項暴対法30条の8第3項は,同条1項により定めた警戒区域を「必要と認めるとき」に変更することができる旨規定しており,必要性以外に何らの基準もなく公安委員会の恣意的な判断により変更することができるものであり,憲法31条に違反する。 なお,暴対法30条の8第3項は,特定危険指定処分における警戒区域の変更に関する規定であり,特定危険指定処分と不即不離の関係にあるから,同条1項と非常に強い内部的関連性を有しており,原告は,同条3項についての違憲を主張する適格がある。 d暴対法30条の8第4項暴対法30条の8第4項が準用する同法5条は,上記(イ)eのとおり,公安委員会に要件該当性があることを根拠づける資料の提出を求めて いないから,上記(イ)eと同様憲法31条に違反する。 e暴対法30条の8第7項暴対法30条の8第7項は,同法3条及び4条の指定(旧指定)の有効期間が経過した場合において,引き続き同法3条及び4条に基づく指定(新指定)がされたときは,同法30条の8第1項の規定により旧指定にかかる指定暴力団等について公安委員会がした指定は,新指定に係る指定暴力団等について引き続きその効力を有する旨規 び4条に基づく指定(新指定)がされたときは,同法30条の8第1項の規定により旧指定にかかる指定暴力団等について公安委員会がした指定は,新指定に係る指定暴力団等について引き続きその効力を有する旨規定するところ,かかる規定は,同項による要件該当性の審査を行うことなく特定危険指定暴力団として扱うものであるから,憲法21条1項,31条に違反する。 f暴対法30条の9及び30条の10(a) 暴対法30条9及び30条の10の各規定が不明確であること暴対法30条の9は,特定危険指定暴力団等の指定暴力団員が暴力的要求行為を行う目的で警戒区域において,その相手方に対し,面会を要求し(1号),電話をかけ,ファクシミリ装置を用いて送信し,又は電子メールを送信し(2号),つきまとい,居宅又は事業所の付近をうろつくこと(3号)を禁止し,同法30条の10は,これらの行為が行われたときには,公安委員会は中止命令を発することができるほか,「必要な事項」を命じることができる旨規定しているが,同法30条の9は,「つきまとい」,「うろつく」等の曖昧かつ不明確な概念により規制を行うものであるし,「目的」という主観的要素の有無によって犯罪でない行為を規制の対象とするものであり,その判断が恣意的となり基準として曖昧であるから,憲法21条,31条違反は明らかであるし,「必要な事項」を命じることができる旨の規定(暴対法30条の10第2項)は,その内容が全く明らかでなく,さらに,要件を政令等に完全に委ねている から,憲法31条に違反する。 (b) 暴対法30条の9第1号暴対法30条の9第1号は,警戒区域内において相手方に対して面会を要求することを禁止するものであるところ,誰と面会し交流するかについて公権力による介入を受けない利益が憲法13条及び 9第1号暴対法30条の9第1号は,警戒区域内において相手方に対して面会を要求することを禁止するものであるところ,誰と面会し交流するかについて公権力による介入を受けない利益が憲法13条及び21条1項により保障されていることは明らかであり,このような個人の人格的生存に不可欠な核心的利益は個人の尊厳を規定する憲法の下で制約されてはならないものであり,暴対法30条の9第1号は,かかる権利を制約するものであるから,憲法13条及び21条1項に違反する。 (c) 暴対法30条の9第2号暴対法30条の9第2号は,電話をかけ,ファクシミリ装置を用いて送信し,又は電子メールを送信することを禁止しているものであるところ,かかる規定は表現の自由の一態様である通信の自由を侵害するものであり,これを制約する規定の違憲審査においては上記a(b)のとおり明白かつ現在の危険の基準によるべきであるところ,同号が想定する立法事実には通信の自由を規制する明白かつ現在の危険は存在しないことは明らかであるから,憲法21条1項に違反する。 (d) 暴対法30条の9第3号暴対法30条の9第3号は,警戒区域内において相手方に対してつきまとい,居宅又は事業所の付近をうろつくことを禁止しているところ,憲法13条により保障される身体の自由の一態様である移動の自由を侵害するものであり,これを制約する規定の違憲審査には上記a(b)のとおり明白かつ現在の危険の基準が採用されるべきであるところ,かかる明白かつ現在の危険は存在しないから,憲法1 3条に違反する。 g暴対法30条の11暴対法30条の11は,特定危険指定暴力団等の事務所について,3か月の期間を定めて使用を制限することができる旨定め(1項),かかる期間が経過した後も「必要があると認められるとき」はさ 30条の11暴対法30条の11は,特定危険指定暴力団等の事務所について,3か月の期間を定めて使用を制限することができる旨定め(1項),かかる期間が経過した後も「必要があると認められるとき」はさらに延長することができる旨定める(2項)ところ,本来自ら所有又は管理する建物等を事務所として使用することは自由であり,財産権として保障されているのが原則であって,同条は実質的に事務所の使用を禁止するという制限を課すとともに,一度使用制限の命令が出されることにより永遠に事務所を使用することができなくなる規定となっており,財産の没収,財産収用処分と実質的に同視することができる。 財産権に対する制約に関する審査基準について,規制の目的,必要性,内容,その規制によって制限される財産権の種類,性質及び制限の程度等を比較考量して判断し,立法の規制目的が社会的理由ないし目的に出たものといえないものとして公共の福祉に合致しないことが明らかであるか,又は規制目的が公共の福祉に合致するものであっても規制手段が目的を達成するための手段として必要性若しくは合理性に欠けていることが明らかであってそのために立法府の判断が合理的裁量の範囲を超えるものとなる場合に限り憲法29条2項に違反するものとするいわゆる森林法共有物分割制限規定違憲判決に照らしても,暴対法30条の11は憲法29条に違反する。また,暴対法30条の11は,団体自体の活動を制限し,団体構成員の行為を制限するものであり,団体の行動に対する萎縮効果をもたらし,結成された団体の弱体化を招来する規制であるから憲法21条の結社の自由,集会の自由を制限するものであり,憲法21条に違反し,さらには,人格的権利としての性格を有する居住の自由(憲法22条)をも制限するもので あるし,「必要がある」ときであれば延 結社の自由,集会の自由を制限するものであり,憲法21条に違反し,さらには,人格的権利としての性格を有する居住の自由(憲法22条)をも制限するもので あるし,「必要がある」ときであれば延長を行うことができる規定であるから憲法31条に違反する。 また,暴対法30条の11第3項は,同条1項に基づく使用制限命令を受けた場合に,当該事務所の出入口の見やすい場所に当該命令を受けている旨を告知する国家公安員会で定める標章を貼り付けることを強制するものであり,不利益処分を受けていることの表示を強制するものであるから,不利益供述の強要として,憲法38条に違反する。 なお,暴対法30条の11第1項及び2項による事務所に対する規制は暴力団に対する規制の本質であるし,同条3項は実質的には特定危険指定処分の標章を定めるものでもあり,特定危険指定処分の本質的要素であるから,同法30条の8第1項と非常に強い内部的関連性を有しており,原告は,同項についての違憲を主張する適格があるし,原告の利害と関連性を有する規定であり,同法30条の11に関する違法事由の主張が行訴法10条1項により制限されることはない。 (エ) その他罰則等の暴対法の各条項の違憲a暴対法33条,49条の違憲暴対法33条は,公安委員会が「この法律の施行に必要があると認めるときは,国家公安委員会規則で定めるところにより,この法律の施行に必要な限度において」指定暴力団員その他の関係者に対し報告若しくは資料の提出を求め,又は警察職員に事務所に立ち入り,物件を検査させ若しくは指定暴力団員その他の関係者に質問させることができる旨定めるところ(以下,一括して「立入検査等」という。),公安委員会が立入検査等を行うことができる場合の要件につき,国家公安委員会規則に一般的包括的に委任するも の他の関係者に質問させることができる旨定めるところ(以下,一括して「立入検査等」という。),公安委員会が立入検査等を行うことができる場合の要件につき,国家公安委員会規則に一般的包括的に委任するものであり,憲法41条,73条6項但書に違反する。 また,上記規定に基づく立入検査は,その内容も定められておらず, 刑事訴訟法上の捜索差押え等令状が必要な強制処分と同様のことを令状無しに行うものであり(暴対法49条において同法33条の立入検査を拒んだ者に対する罰則が定められていることからすれば上記立入検査が強制処分であることが裏付けられる。),令状主義を保障する憲法35条に違反する。 さらに,暴対法49条は,同法33条1項の規定による公安委員会による指定暴力団員その他の関係者に対する質問に対して当該暴力団員等が陳述しない場合に罰則を科す旨定めるが,これは陳述の強制に当たり,憲法38条1項の黙秘権侵害である。 なお,暴対法33条及び49条は,同法30条の8第1項と非常に強い内部的関連性を有しており,原告は,同法33条及び49条についての違憲を主張する適格があるし,原告の利害と関連性を有する規定であり,同各条に関する違法事由の主張が行訴法10条1項により制限されることはない。 b中止命令違反等に係る罰則規定の違憲刑事罰,行政刑罰は犯罪構成要件ないし効果発生のための要件を法により定めることが必要であり,かかる立法事項を委任する場合であっても一般的包括的な委任は禁止されているところ,暴対法は第8章において中止命令等に違反する者に対して罰則を科しているが,同法46条3号,49条,50条2号,51条を除く同法第8章(罰則)の全ての条文は中止命令等に違反したことを要件に罰則を科す旨定めており,その具体的な構成要件は明らかにされてお 罰則を科しているが,同法46条3号,49条,50条2号,51条を除く同法第8章(罰則)の全ての条文は中止命令等に違反したことを要件に罰則を科す旨定めており,その具体的な構成要件は明らかにされておらず,その要件は中止命令等の内容によって異なることとなるものであって,刑罰の具体的構成要件を中止命令等を発する行政庁に白紙委任するものであるから,立法の委任の限界を超えるものであり,憲法41条,73条6号に違反し,また,罪刑法定主義を定める憲法31条に違反する。 c直罰規定(暴対法46条3号)の違憲暴対法46条3号は,同法30条の2に定める「つきまとい」行為や「請求者に不安を覚えさせるような方法で妨害」した場合の直罰規定を定めるものであるところ,同じく「つきまとい」行為について規制するストーカー行為等の規制等に関する法律(平成12年法律第81号)(以下「ストーカー規制法」という。)等と比較すると罪刑の均衡を失しており,憲法31条に違反するし,その構成要件となる「つきまとい」の意義も不明確であり,また,特定危険指定暴力団の構成員のみがそれ以外の指定暴力団の構成員と同様の暴力的要求行為等を行った場合に直罰を受けるものであり,他の暴力団の構成員との間で身体の自由という重要な権利,利益について不合理な差別的取扱いを受けるものとして憲法14法1項に違反する。 イ本件処分が違憲であること(ア) 山口県においては原告以外に原告よりも活動拠点や構成員等が多く勢力が大きい暴力団が存在するにもかかわらず,原告のみに対して本件処分を行ったのであり,原告と原告以外の山口県下に存在する指定暴力団との関係で特に原告に対して特定危険指定処分を行う合理的根拠がないにもかかわらず本件処分を行ったものであるから,結社の自由の保障について差別的な扱 あり,原告と原告以外の山口県下に存在する指定暴力団との関係で特に原告に対して特定危険指定処分を行う合理的根拠がないにもかかわらず本件処分を行ったものであるから,結社の自由の保障について差別的な扱いをするものであり,憲法14条1項に違反し,違憲,違法である。 (イ) 本件処分は,憲法21条1項が保障する優越的権利である結社の自由,コミュニケーション行為の自由,通信の自由を侵害するものであるから憲法21条1項に違反し,また,憲法13条が保障する人格的生存に不可欠な幸福的追求権,移動の自由を侵害するものであり,憲法21条1項,13条に違反し違憲,違法である。 (被告の主張) ア暴対法及び同法の各条項の違憲主張について(ア) 暴対法の立法目的,制定過程等の違憲主張についてa立法目的の違憲に関する主張について暴対法は,広域暴力団の勢力の拡大や寡占化,暴力団員による民事介入暴力行為の増加,暴力団相互間の対立抗争事件の多発,暴力団に対する新たな規制法律制定や暴力団員の民事介入暴力行為の禁止等を求める暴力団に対する厳しい世論等を背景として,必要な規制等を行うことにより,市民生活の安全と平穏の確保を図る目的で制定されたものであり,その立法目的は明確であって,暴対法1条に定めるとおり合理的な立法目的によるものであるから憲法違反はない。 b個別具体的法規範であることによる違憲に関する主張について暴対法は,暴力団,すなわちその団体の構成員(その団体の構成団体の構成員を含む。)が集団的に又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれがある団体やその構成員のうち,暴対法が規定する要件を満たす団体やその構成員に対して等しく適用されるのであり,当該適用の対象とされる団体や個人は特定の団体や個人ではないから,暴対法に 助長するおそれがある団体やその構成員のうち,暴対法が規定する要件を満たす団体やその構成員に対して等しく適用されるのであり,当該適用の対象とされる団体や個人は特定の団体や個人ではないから,暴対法に一般性がなく憲法41条に反するとはいえず,原告の主張は失当である。 c立法制定過程の違憲に関する主張について法案の審議にどの程度の時間をかけるかは専ら各議院の判断によるべき事項であり,その時間の長短により公布された法律の効力が左右されるものでないことはいうまでもなく,国会における審議時間が法律の効力に影響を及ぼすものではない。 この点を措くとしても,平成3年の暴対法制定時及び平成24年の改正時には,いずれも国会において十分な審議を経て可決・成立したものであるから,原告の主張には理由がない。 (イ) 暴対法3条等の違憲主張(原告の主張ア(イ))についてa暴対法3条柱書に関する主張について(a) 暴対法3条柱書は,同条1号ないし3号のいずれにも該当すると認められる暴力団について,「その暴力団員が集団的に又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれが大きい暴力団」,つまり指定暴力団(同法2条3号)として指定する旨規定しているのであり,同法3条柱書自体は指定暴力団の指定要件を定める規定ではないのであって,同条柱書につき上記の「おそれ」を指定暴力団の指定要件とする規定であることを前提とする原告の主張は失当である。 (b) また,上記(a)のとおり,指定暴力団の指定要件を定める規定は暴対法3条1号ないし3号であり,同各号には,指定要件として暴力団やその暴力団員が任侠道を信奉するか否かに関係する事項を定めるものは全くないのであり,同条は,暴力団やその暴力団員が任侠道を信奉することを理由にして指定暴力団と指定す 各号には,指定要件として暴力団やその暴力団員が任侠道を信奉するか否かに関係する事項を定めるものは全くないのであり,同条は,暴力団やその暴力団員が任侠道を信奉することを理由にして指定暴力団と指定することを定めていないから,同法3条柱書が原告及びその構成員を,暴力団と指定して任侠道を信奉する団体であることを理由に社会的に差別するものであることを理由とする原告の違憲主張は,その前提を欠く。 b暴対法3条1号に関する主張について上記第2の2の関係法令の定めのとおり,暴対法3条1号は,「目的」の内容につき具体性をもって規定しており,具体的場合に通常の判断能力を有する一般人の理解において同号の「目的」に該当するかどうかの判断をすることができるものであるから,同号は,何の客観的基準もなく恣意的に要件該当性を判断することになる指定要件を定めたものではないから,原告の違憲主張は,その前提を欠く。 c暴対法3条2号に関する主張について (a) 「犯罪経歴保有者」については,暴対法3条2号柱書において,同号イないしヘのいずれかに該当する者をいうと規定し,同号イないしヘにおいて,個別具体的に犯罪経歴保有者に当たる者を定めており,これらの規定中に抽象的ないし不確定概念はなく,この規定内容により犯罪経歴保有者であるかどうかが一義的に判断できるものであるから,犯罪経歴保有者に関して同号が曖昧な文言をもって不利益処分の要素としていることを前提とする原告の違憲主張は,その前提を欠く。 (b) 上記第2の2の関係法令の定めのとおり,暴対法3条2号は,同号において,暴対法施行令1条に委任する犯罪経歴保有者の人数の比率の内容,定め方について規定しており,当該比率は,いわゆる二項分布という確率計算の方法に基づいて算定することとされているから は,同号において,暴対法施行令1条に委任する犯罪経歴保有者の人数の比率の内容,定め方について規定しており,当該比率は,いわゆる二項分布という確率計算の方法に基づいて算定することとされているから,暴対法3条2号は,同条の指定の要件となる犯罪経歴保有者の人数の比率について政令に白紙委任するものとはいえず,同法3条2号が同条の指定の要件を政令に白紙委任していることを前提とする原告の違憲主張は,その前提を欠く。 (c) 原告は,暴対法3条2号が「犯罪経歴保有者」をその社会的身分により差別するものであり憲法14条に違反する旨主張するが,原告の上記主張が,暴対法3条2号が犯罪経歴保有者である原告の構成員に対する取扱いが当該構成員の利益を侵害する規定であるという趣旨で憲法14条違反を主張するものであれば,原告の法律上の利益に関係のない違法を理由とするものに当たり,行訴法10条1項により本件において上記主張は許されない。また,原告の上記主張が,暴対法3条2号が,暴力団について,その構成員の中に一定の比率を超える犯罪経歴保有者を有する団体であるとし,他の団体と区別して同条の指定の対象とすることが差別的取扱いに当たると する趣旨で憲法14条違反を主張するものであるとしても,憲法14条は,国民に対する絶対的な平等の取扱いを保障したものではなく,合理的な理由なくして差別することを禁止する趣旨であるから,事実上の差異に相応して合理的に法的取扱いを区別することは,憲法14条に反するものではないものであるところ,暴対法3条2号は,同法による規制対象となるのが暴力団の構成員である暴力団員であり,その暴力団員を特定する手法として採られた暴力団の指定において,一般的に暴力団の構成員に暴力的不法行為等に係る犯罪を犯した者が著しく多く含まれているという るのが暴力団の構成員である暴力団員であり,その暴力団員を特定する手法として採られた暴力団の指定において,一般的に暴力団の構成員に暴力的不法行為等に係る犯罪を犯した者が著しく多く含まれているという暴力団の特性に着目し,これを要件として,同要件に該当する暴力団だけを指定することとしたものであり,このような取扱いには合理的な理由があるということができるから,これが憲法14条に違反するものとはいえない。 (d) 暴対法3条2号に規定する「幹部」とは,同条3号の要件とされている階層的組織構成の上層部にある者を意味し,その範囲については,「国家公安委員会規則において定める要件に該当する者」とし,その国家公安委員会規則である暴対法施行規則2条1号ないし3号において,幹部に当たる者の要件を具体的に定めており,その要件該当性は,通常の判断能力を有する一般人の理解において合理的に判断できるものであるから,暴対法3条2号の「幹部」の要件が不明確であるとはいえないのであり,同要件が不明確であることを前提とする原告の違憲主張は,その前提を欠く。 (e) 原告は,暴対法3条2号がその属する集団の人数の多少により犯罪経歴保有者比率の区分を設けることは根拠も関連性も合理性もなく,憲法14条1項,21条1項に違反する旨主張するが,原告の主張は「根拠も関連性も合理性もない」という根拠が全く不明である。暴対法3条2号は,上記(c)のとおり,暴力団の特性に着目し, これを要件として,同要件に該当する暴力団だけを指定し,暴力団以外の団体が指定されないようにするものであり,同号に定める犯罪経歴保有者の比率の要件は,暴力団と暴力団以外の団体とを区別する客観的かつ明確な基準を措定したものであるため,同号は,構成員又は幹部の中に一定の比率を超える犯罪経歴保有者がい あり,同号に定める犯罪経歴保有者の比率の要件は,暴力団と暴力団以外の団体とを区別する客観的かつ明確な基準を措定したものであるため,同号は,構成員又は幹部の中に一定の比率を超える犯罪経歴保有者がいる団体であることを要件とし,当該比率は,いわゆる二項分布という確率計算の方法に基づいて算定することとされており,暴力団以外の集団であれば,その構成員の犯罪経歴保有者の比率が同条に定める比率以上になることが現実的にあり得ないといえるだけの確率を持った比率を定めたものであるから,同号の犯罪経歴保有者比率の定めには,暴力団と暴力団以外の団体との区別をする基準として客観的な基準であり,同条の指定をする上で上記の区別をするための十分な関連性,合理性が認められるものであるのであり,原告の違憲主張は,その前提を欠く。 (f) 原告は,暴対法3条2号は恩赦の場合や刑の執行猶予期間が経過した者等刑の言渡しの効力が消滅した者を「犯罪経歴保有者」であるとするものであるから,憲法14条1項に違反する旨主張するが,その根拠は不明である。仮に原告の上記主張が,犯罪経歴保有者である原告の構成員に対する取扱いが構成員の利益を侵害するという意味で平等原則違反である旨の主張である場合には,原告の法律上の利益に関係のない違法を言うものであり,行訴法10条1項により,本件において上記主張は許されない。この点を措くとしても,犯罪経歴保有者の比率の要件は,暴力団の構成員には一定の犯罪行為を行った者が著しく多いという事実に着目して,当該事実を暴対法3条の指定の要件とするものであるから,その比率の算定に当たり,恩赦や執行猶予期間の経過により刑の言渡しの効力が消滅した 者をも犯罪経歴保有者に含めることには十分に合理性があるのであり,同要件を定めていることが憲法14条に違反 の比率の算定に当たり,恩赦や執行猶予期間の経過により刑の言渡しの効力が消滅した 者をも犯罪経歴保有者に含めることには十分に合理性があるのであり,同要件を定めていることが憲法14条に違反する理由となるものではない。 d暴対法3条3号に関する主張について暴対法3条3号は,暴力団が,組長,総長,あるいは会長などの名称で呼ばれる最上位に位置する者の統制の下に,様々な役職,地位が定められ,そのうち同等の者の集団が一つの階層をなし,その他の階級集団とそれぞれの地位に基づき段階的な階層をなして構成されている団体であるという特徴を有する点を捉えて,この特徴を有することを要件とするものであり,「その運営を支配する地位にある者」とは,その法文から明らかなとおり,団体を統制している者を意味するものであるから,同号の「その運営を支配する地位にある者」の意義は,その規定自体から明確なものということができ,その者の該当性は,通常の判断能力を有する一般人の理解において合理的に判断できるものである。したがって,同号の上記記載部分の規定が不明確であることを前提とする原告の違憲の主張は,その前提を欠く。 e暴対法5条は,行政処分の相手方に十分な事前の告知,弁解,防御の機会を与える規定であり,憲法31条に違反するものではない。 f暴対法9条が違憲である旨の原告の主張はこれが本件訴訟との関係でいかなる法的意味をもつ主張であるのか明らかでなく,この点において既に主張自体失当であるが,この点を措くとしても,暴対法9条においては,禁止される行為は飽くまで「指定暴力団等の威力を示して」される反社会的な行為に限定されており,また,その内容は同条各号に明確に規定されているのであるから,罪刑法定主義や憲法21条1項に違反するものではない。 (ウ) 暴 「指定暴力団等の威力を示して」される反社会的な行為に限定されており,また,その内容は同条各号に明確に規定されているのであるから,罪刑法定主義や憲法21条1項に違反するものではない。 (ウ) 暴対法30条の8の違憲主張(原告の主張ア(ウ))について a暴対法30条の8第1項に関する主張について(a) 明確性の原則違反等の主張について① 原告は,暴対法30条の8第1項の「おそれ」の文言が不明確であり,特定危険指定処分の構成要件が不明確である旨主張するが,一般に,法律の規定が不明確であるか否かは,通常の判断能力を有する一般人の理解において,具体的場合にその規定が適用されて,そこで定める行為規制を受けるものかどうかの判断を可能ならしめるような基準が読み取れるかどうかによってこれを決定すべきである。そして,特定危険指定処分の処分要件は,①暴力行為要件と②おそれ要件とを満たす必要があるが,これらの処分要件に関する規定は,その法文上具体的に定められているから,通常の判断能力を有する一般人において,上記各要件を充足しているかどうかについて理解することは十分に可能である。「おそれ要件」についての処分行政庁の認定は,暴対法1条に定める目的を踏まえ,必要かつ合理的な範囲で行われるべきものであって,処分行政庁の恣意的運用を許すものではないし,特定危険指定処分を行う場合は,意見の聴取を必要とするとして手続的保障規定が設けられており(同法30条の8第4項,5条),公安委員会が特定危険指定処分をするに当たって恣意的な運用を許すものではないから,原告の主張には理由がない。 ② また,原告は,暴対法30条の8第1項の「警戒を要する区域」の文言が不明確である旨主張するが,警戒区域は,おそれ要件を充足する場合,すなわち,指定暴力団員等に ら,原告の主張には理由がない。 ② また,原告は,暴対法30条の8第1項の「警戒を要する区域」の文言が不明確である旨主張するが,警戒区域は,おそれ要件を充足する場合,すなわち,指定暴力団員等により一般市民の生命身体に重大な危害が加えられるおそれがある場合にそのおそれのある区域として定めるものであり,かかる暴対法の目的や指定要件との関係で必要的かつ合理的な範囲と認められる区域(具体的 には,当該区域について,暴力行為やその前提となる暴力的要求行為等又は請求妨害行為を行った指定暴力団員及びその所属組織の活動拠点や資金獲得活動等の状況,当該団体や組織が関与する過去の同種事案の発生状況等に基づいて判断される。)が「警戒区域」として定められるものであるから,警戒区域の指定に当たって処分行政庁の恣意を許すものではない。また,警戒区域は特定危険指定処分において定めるものであるから,上記①のとおり,その定めをするに当たっては意見の聴取が必要的に行われることになっており,この点においても,処分行政庁の恣意を許すものではないから,原告の主張には理由がない。 (b) 結社の自由侵害の主張について特定危険指定処分は,暴力団としての活動一切を禁止したり,暴力団という団体の解散を命令するものではなく,指定された暴力団の構成員の行為のうち,一定の反社会的行為を禁止するにすぎないから,結社の自由を直接制約するものではない。 また,特定危険指定処分を結社の自由に対する制約であると捉えたとしても,憲法21条1項が保障する結社の自由は,あらゆる場合に無制限に保障されるものではなく,公共の福祉による必要かつ合理的な制限を受けることがあるのはいうまでもなく,このような結社の自由に対する制約が必要かつ合理的なものとして是認されるかどうかは,制限が必要 限に保障されるものではなく,公共の福祉による必要かつ合理的な制限を受けることがあるのはいうまでもなく,このような結社の自由に対する制約が必要かつ合理的なものとして是認されるかどうかは,制限が必要とされる程度と,制限される自由の性質及び内容,これに加えられる具体的な制限の態様及び程度等を総合衡量して決めるのが相当である(利益較量論)。そして,特定危険指定処分による結社の自由に対する制約が必要かつ合理的なものかどうかを見てみるに,まず,制限の必要性については,指定暴力団員によるものと思われる一般市民の生命身体に対する重大な危害を及 ぼす危険な暴力行為が繰り返し発生していた状況において,一般市民の生命身体を保護するため,特定危険指定処分により指定暴力団に対してより強度の規制を行う必要が生じたというものである。また,特定危険指定処分の効果は,①警戒区域において,暴対法9条に定める暴力的要求行為又は同法30条の2の規定に違反する行為を行った場合に当該指定暴力団の構成員は処罰される(同法46条3号),②警戒区域において,暴力的要求行為を行う目的での面会要求等を行うことが禁止され(同法30条の9),これに違反した指定暴力団員に対しては中止命令等が発出される(同法30条の10),③警戒区域内における当該暴力団の事務所について一定の場合に3月以内の期間を定めて使用制限命令を発出することができる(同法30条の11)などというものである。これらの効果を結社の自由に対する制限の関係で整理すると,①において禁止される指定暴力団員の行為は,処罰に当たって中止命令を経ることが必要か否かの差異はあるものの,特定危険指定処分の有無にかかわらず,そもそも暴対法で禁止されている行為であるし,また,②において禁止される指定暴力団員の行為は,特定危険指定処 て中止命令を経ることが必要か否かの差異はあるものの,特定危険指定処分の有無にかかわらず,そもそも暴対法で禁止されている行為であるし,また,②において禁止される指定暴力団員の行為は,特定危険指定処分に伴って禁止される行為であるが,これに違反した場合,中止命令が発せられるのであり,直ちに処罰されるわけではない上,③は特定危険指定処分に伴う規制ではなく,同処分後に,特定危険指定暴力団等の事務所を,同法30条の8第1項の暴力行為に関し,構成員の多数の集合の用に供していたり,暴力行為のための謀議の用に供していることなどを要件として行われる規制である。特定危険指定処分により生ずる上記の規制は,その処分要件を充足すると認められる状況下においては,警戒区域における一般市民の生命身体を保護するために必要なものであることは明らかというべきであり,また,規制の 態様及び程度は上記のとおりのものであり,これが一般市民の生命身体を保護するという規制目的との関係で過度なものとは到底いえず,合理的な規制の態様及び程度の範囲内のものである。したがって,同法30条の8第1項の規定は憲法21条1項に違反するとはいえない。 b暴対法30条の8第2項に関する主張について本件処分は,暴対法30条の8第1項に基づく特定危険指定処分であり,同条2項の規定の違憲性は,本件処分の効力に何ら影響を及ぼすものではないから,原告の同項の違憲主張は,本件処分の適否に関係しない暴対法の規定の違憲をいうものであり,主張自体失当である。 また,この点を措くとしても,下記(6)の被告の主張のとおり,原告の暴対法30条の8第2項に関する憲法21条1項違反の主張,憲法31条違反の主張には理由がない。 c暴対法30条の8第3項に関する主張について本件処分は,特定危険指定 告の主張のとおり,原告の暴対法30条の8第2項に関する憲法21条1項違反の主張,憲法31条違反の主張には理由がない。 c暴対法30条の8第3項に関する主張について本件処分は,特定危険指定処分として初めてされた処分であり,暴対法30条の8第3項に基づく警戒区域の変更は何らされていないから,同項の規定の違憲性は,本件処分の効力に何ら影響を及ぼすものではなく,原告の同項の違憲主張は本件処分の適否に関係しない暴対法の規定の違憲をいうものとして主張自体失当である。 暴対法30条の8第3項は,同条1項の特定危険指定処分を受けて規定されているものであり,同条3項に規定する警戒区域変更の必要性がある場合とは,同条1項に規定する警戒区域を定める場合におけるその区域に組み入れる範囲に係る判断と同様に解するものであることが明らかというべきである。そして,同項に規定する警戒区域を定める場合におけるその区域に組み入れる範囲に係る判断が不明確なものでも恣意的になるものでもないことは,上記a(a)②のとおりである から,同条3項は,警戒区域変更の必要性,すなわち変更する警戒区域の範囲の判断をするについて,同条1項に定める警戒区域を定める場合におけるその区域に組み入れる範囲の判断と同様に,処分行政庁の恣意的判断を許すものではない。したがって,同条3項の警戒区域の変更が公安委員会に恣意的判断をする権限を与えていることを前提とする原告の上記違憲の主張は,その前提を欠く。 d暴対法30条の8第4項に関する主張について暴対法5条2項は,同条1項の意見聴取を行う場合において,公安委員会が,指定に係る暴力団を代表する者又はこれに代わるべき者に対し,指定をしようとする理由等を相当の期間をおいて通知するなどしなければならない旨定めているところ,この 聴取を行う場合において,公安委員会が,指定に係る暴力団を代表する者又はこれに代わるべき者に対し,指定をしようとする理由等を相当の期間をおいて通知するなどしなければならない旨定めているところ,この趣旨は,指定をしようとする理由等を相当の期間をおいて事前に通知することによって,3条指定処分の適正を図る趣旨で設けられた意見聴取に向けて,同条各号の要件該当性の有無について指定対象者に意見及び証拠提出の準備をさせ,実質的に攻撃防御を行うことができるようにすることにある。 したがって,暴対法5条は,行政処分の相手方に十分な事前の告知,弁解,防御の機会を与える規定であり,憲法31条に違反するものではないから,暴対法5条が憲法31条に違反するものであることを前提として暴対法30条の8第4項が憲法31条に違反するとの原告の主張は,その前提を欠く。 e暴対法30条の8第7項に関する主張について原告の暴対法30条の8第7項の違憲主張は本件処分の適否に関係しない法の規定の違憲をいうものとして主張自体失当である。 また,この点を措くとしても,暴対法30条の8第7項が予定している事態が生じる場合には,新たに特定危険指定処分がされたものとみなされるのではなく,既にされている有効な特定危険指定処分がそ のまま効力を有することになるだけであるから,原告がいうように特定危険指定処分の要件該当性の審査なく,特定危険指定暴力団等として扱われるものではないのであり,原告の違憲の主張は,その前提を欠く。 f暴対法30条の9及び30条の10に関する主張について(a) 暴対法30条の9及び30条の10の規定の明確性に関する主張について① 原告は,暴対法30条の9の要件となる「目的」,「つきまとい」,「うろつく」等の文言,同法30条の10第2項の て(a) 暴対法30条の9及び30条の10の規定の明確性に関する主張について① 原告は,暴対法30条の9の要件となる「目的」,「つきまとい」,「うろつく」等の文言,同法30条の10第2項の「必要な事項」の文言が不明確であるから,憲法31条に違反する旨主張するが,同法30条の9柱書の「暴力的要求行為を行う目的」については,その目的の内容となる「暴力的要求行為」の具体的な内容が同法9条において法定されているのであるから,その目的の有無についても,通常の判断能力を有する一般人の理解において合理的に判断できるものであり,不明確とはいえない。また,暴対法30条の9は,一般市民の生命身体に対する重大な危害が生じるおそれがあるという特定危険指定処分の処分要件を充足する状況下において同処分を受けた暴力団の構成員の一定の行為を禁止するものであるところ,同条3号で使われている「つきまとい」,「うろつく」は,ストーカー規制法,売春防止法(昭和31年法律第118号),軽犯罪法(昭和23年法律第39号),配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(平成13年法律第31号)等において法律の文言として用いられているものであって,一定の行為態様を表す用語であり,暴対法30条の9柱書と併せて読めば,暴力的要求行為を行う目的で行うものに限定されたものとして,不明確なものということはできない。 また,同法30条の10第2項が規定する「必要な事項を命ずる」とは,暴力団の構成員が行うおそれが認められる同法30条の9各号の面会要求行為等とそれを防ぐという目的との関係で必要かつ合理的な内容といえる事項が命じられるものであるから,内容が明らかでないとはいえないし,特定危険指定処分を受けた暴力団の構成員が同条各号に規定する行為に及ぶ方法は様々であ いう目的との関係で必要かつ合理的な内容といえる事項が命じられるものであるから,内容が明らかでないとはいえないし,特定危険指定処分を受けた暴力団の構成員が同条各号に規定する行為に及ぶ方法は様々であって,これを効果的に防ぐ方法もまた様々であることからすると,防止方法をあらかじめ法律で画一的に定めておいたのでは,一般市民の生命身体の保護という暴対法の目的を達成することは極めて困難であるから,実際に暴力的要求行為を目的とする面会要求等の行為が行われた状況に対応した措置を講じることができるような立法をすることはやむを得ないというべきである。したがって,暴対法30条の9及び30条の10の規定が不明確であるとはいえず,憲法31条に違反するとはいえない。 ② また,原告は,暴対法30条の9及び30条の10が憲法21条1項に違反する旨主張するが,上記a(b)のとおり,結社の自由に対する制約が必要かつ合理的なものとして是認されるかどうかは,制限が必要とされる程度と,制限される自由の性質及び内容,これに加えられる具体的な制限の態様及び程度等を総合衡量して決めるのが相当であるところ,暴対法30条の9及び30条の10は,特定危険指定処分に伴う措置であるところ,同処分がされる状況下(同法30条の8第1項参照)において,同処分の対象となった暴力団の構成員が,同法30条の9に定める面会要求行為等を行うことは,第三者の生命身体に重大な危害が生じるおそれが高く,そのような行為を禁止する必要性は高いことから,同法30条の9及び30条の10の規定が設けられたものであり, これらの規定が一般市民の生命等に重大な危害を加える暴力行為を抑止するという立法目的との関係で合理的な関連性を有していることは明らかである。そして,上記各規定による措置の効果としての上 これらの規定が一般市民の生命等に重大な危害を加える暴力行為を抑止するという立法目的との関係で合理的な関連性を有していることは明らかである。そして,上記各規定による措置の効果としての上記行為の禁止の態様は,これに違反した場合,直ちに処罰の対象とするのではなく,公安委員会による中止命令等の対象にとどめ,同命令に違反した場合に初めて処罰すべきものとする事後的かつ段階的規制の手法を採っているのであり,これが一般市民の生命身体を保護するという規制目的との関係で過度のものとは到底いえず,合理的な規制の態様及び程度の範囲内のものである。したがって,暴対法30条の9及び30条の10の規定による規制は憲法21条1項に違反するとはいえない。 (b) 暴対法30条の9第1号に関する主張について原告が主張する誰と面会し交流するかにつき公権力の介入を受けないという利益が憲法上保障される旨最高裁判決によって判示されたわけではない。 この点を措くとしても,上記(a)のとおり,暴対法30条の9第1号による暴力的要求行為を行う目的での面会要求の規制は,規制の必要性が高い一方,このような面会を要求する行為自体,法的保護に値するものとは言い難い上,その規制態様は,一般市民の生命等に重大な危害を加える暴力行為を抑止するという規制目的との関係で過度のものとは到底いえず,合理的な規制の態様及び程度の範囲内のものであることからすれば,憲法13条及び21条1項に違反するとはいえない。 (c) 暴対法30条の9第2号に関する主張について暴対法30条の9第2号による暴力的要求行為を行う目的での電話をかけること等の規制は,規制の必要性が高い一方,このような 電話をかけること等は法的保護に値するものとは言い難い上,その規制態様は,一般市民の生命等に重 暴力的要求行為を行う目的での電話をかけること等の規制は,規制の必要性が高い一方,このような 電話をかけること等は法的保護に値するものとは言い難い上,その規制態様は,一般市民の生命等に重大な危害を加える暴力行為を抑止するという規制目的との関係で過度のものとは到底いえず,合理的な規制の態様及び程度の範囲内のものであることからすれば,原告が主張するように「明白かつ現在の危険の原則」の判断基準が採用されるべきものとはいえず,憲法21条1項に違反するともいえない。 (d) 暴対法30条の9第3号に関する主張について暴対法30条の9第3号による暴力的要求行為を行う目的でのつきまとい等の規制は,規制の必要性が高い一方,このようなつきまとい等は法的保護に値するものとは言い難い上,その規制態様は,一般市民の生命等に重大な危害を加える暴力行為を抑止するという規制目的との関係で過度のものとは到底いえず,合理的な規制の態様及び程度の範囲内のものであることからすれば,原告が主張するように「明白かつ現在の危険の原則」の判断基準が採用されるべきものとはいえず,憲法13条に違反するともいえない。 g暴対法30条の11に関する主張について(a) 暴対法30条の11第1項及び2項に定める特定危険指定暴力団等の事務所の使用制限,同条3項に定める標章の貼り付け義務は,特定危険指定処分そのものによって生じるものではなく,同条1項に基づく命令が別途公安委員会からされたことにより生じるものであり,同条2項の当該命令の期限の延長についても,同様であるから,上記各項の規定の違憲性は,本件処分の効力に何ら影響を及ぼすものではなく,原告の暴対法30条の11の違憲主張は本件処分の適否に関係しない同法の規定の違憲をいうものとして主張自体失当である。 各項の規定の違憲性は,本件処分の効力に何ら影響を及ぼすものではなく,原告の暴対法30条の11の違憲主張は本件処分の適否に関係しない同法の規定の違憲をいうものとして主張自体失当である。 また,暴対法30条の11による規制の対象となるのは,特定危険指定暴力団等の事務所に係る管理者又は当該事務所を現に使用している指定暴力団員であって,原告自身ではないから,原告には同条による規制の適法性を争う法律上の利益はなく,行訴法10条1項により,原告の上記違憲の主張は,本件において主張することが許されないものであり,失当である。 (b) 上記(a)の点を措くとして,原告の暴対法30条の11に関する憲法違反の主張を検討するに,原告は,暴対法30条の11が憲法29条1項に違反する旨主張するところ,憲法29条1項で保障される財産権が公共の福祉による制約を受けるものであることは,同条2項が明文で規定しており,財産権に対する規制が公共の福祉に適合するものとして是認されるべきものであるかどうかは,規制の目的,必要性及び内容,当該規制によって制限される財産権の種類,性質及び制限の程度等を比較衡量して判断すべきものであるとされており,立法の規制目的が公共の福祉に合致しないことが明らかであるか,又は規制目的が公共の福祉に合致するものであっても規制手段が目的を達成するための手段として必要性若しくは合理性に欠けていることが明らかであって,そのため立法府の判断が合理的裁量の範囲を超えるものとなる場合に限り,当該規制立法が憲法29条2項に違背するものとして,その効力を否定されるものと解される。そして,暴対法30条の11第1項及び2項は,特定危険指定暴力団等の指定暴力団員等が,暴力的要求行為を拒絶した相手方等に対して危険な暴力行為を反復して行うおそれがある 力を否定されるものと解される。そして,暴対法30条の11第1項及び2項は,特定危険指定暴力団等の指定暴力団員等が,暴力的要求行為を拒絶した相手方等に対して危険な暴力行為を反復して行うおそれがある場合において,特定危険指定暴力団等の指定暴力団員等が更なる暴力行為を行うことを抑止し,人の生命及び身体を保護するための規制であり,この目的は公共の福祉に合致するものといえ,他方,この規制は,上記 のような危険な暴力行為が反復して行われるおそれがある場合において,警戒区域内に在る事務所が,当該暴力行為の謀議等の用に供され,又はそのおそれがあると認める場合に限り,当該事務所の使用を制限するものであること,当該事務所の使用を一切禁止するものではなく,特定危険指定暴力団等の活動の用等に供することを禁止するにすぎないこと,制限の期間も,延長の可能性はあるものの,3月以内に限られていることなど,規制目的を達成するための手段として過剰なものではなく,その必要性及び合理性が優に認められるものである。したがって,暴対法30条の11第1項及び2項に規定する事務所の使用制限という財産権に対して加えられる規制は,憲法29条2項の公共の福祉に適合するものとして是認されるべきものであり,同条に違反するとはいえない。 (c) また,原告は,暴対法30条の11が憲法21条1項の結社の自由を侵害する旨主張するが,結社の自由に対する制約が必要かつ合理的なものとして是認されるかどうかは,制限が必要とされる程度と,制限される自由の性質及び内容,これに加えられる具体的な制限の態様及び程度等を総合衡量して決めるのが相当であるところ,上記(b)の規制の必要性,態様等に照らせば,暴対法30条の11第1項及び2項に規定する事務所の使用制限は,集会の自由に対する必要最小限度 の態様及び程度等を総合衡量して決めるのが相当であるところ,上記(b)の規制の必要性,態様等に照らせば,暴対法30条の11第1項及び2項に規定する事務所の使用制限は,集会の自由に対する必要最小限度の規制であり,公共の福祉による必要かつ合理的な制限であるといえるものであるから,憲法21条1項に違反するものではない。 (d) さらに,原告は,暴対法30条の11第2項の「必要があるとき」という要件が不明確であることを理由に憲法31条違反をいうものとも解されるが,この「必要があると認めるとき」とは,暴対法30条の11第1項の規定による命令をした場合においてその命令の 有効期間が経過した後も更にその命令の必要があると認められるときということであることはその文言から明らかであって,同項に定める使用制限の要件を満たすことが認められることを意味するものであり,その要件の充足性は,通常の判断能力を有する一般人の理解において合理的に判断できるものであるから,不明確であるとはいえない。したがって,暴対法30条の11第2項に定める要件が不明確であることを前提とする原告の上記違憲の主張は,その前提を欠く。 (e) 原告は,暴対法30条の11第3項が,標章を貼り付ける旨規定している点が不利益処分を受けていることの表示の強制であり,不利益供述の強要であることから,憲法38条に違反する旨主張するが,標章を貼り付けるのは公安委員会であり,この標章の貼り付け行為が憲法38条1項にいう自己に不利益な供述の強要と解する余地はなく,他に当該強要と評価し得る事情はないから,原告の上記違憲の主張は理由がない。 (エ) その他罰則等の暴対法の各条項の違憲主張(原告の主張ア(エ))についてa暴対法33条及び49条の違憲主張について(a) 暴対法33条は から,原告の上記違憲の主張は理由がない。 (エ) その他罰則等の暴対法の各条項の違憲主張(原告の主張ア(エ))についてa暴対法33条及び49条の違憲主張について(a) 暴対法33条は,特定危険指定処分の手続上及び実体上の要件を定める規定ではなく,同処分に係る法律関係とは別個のものであるし,同法49条の処罰規定は,本件処分である特定危険指定処分に関する罰則を定めるものではないから,上記各条項の規定の違憲性は,本件処分の効力に何ら影響を及ぼすものではないのであり,原告の上記各条項の違憲主張は本件処分の適否に関係しない暴対法の規定の違憲をいうものとして主張自体失当である。 また,暴対法49条の規定による罰則の対象となるのは,原告の 構成員であって,原告自身ではないから,原告には同条による罰則の適法性を争う法律上の利益はないのであり,行訴法10条1項により原告の上記違憲の主張は,本件において主張することが許されないものであり,失当である。 (b) 上記(a)の点を措くとして,原告の憲法違反の主張について検討するに,暴対法33条は,公安委員会が立入検査等を行うことができる場合の要件を,「この法律の施行に必要があると認めるとき」,「この法律の施行に必要な限度において」と明確に規定した上で,その具体的な定めを国家公安委員会規則に委任しているものであり,個別的・具体的な委任であることから,憲法41条及び73条6号に違反しない。 また,暴対法33条に基づく立入検査は,相手方の意思に反して物理的実力をもって行い得るものではないのであって,その拒否等を罰則の対象とすることにより,間接的にその実効性を担保しているにすぎないのであるから,憲法35条に違反するとの原告の主張は,その前提を欠くものであって失当である。 (c) ま あって,その拒否等を罰則の対象とすることにより,間接的にその実効性を担保しているにすぎないのであるから,憲法35条に違反するとの原告の主張は,その前提を欠くものであって失当である。 (c) また,原告は,暴対法49条が憲法38条に違反する旨主張するが,憲法38条による供述拒否権の保障は,純然たる刑事手続においてばかりでなく,それ以外の手続においても,対象となる者が自己の刑事上の責任を問われるおそれのある事項について供述を求めることになるものであって,実質上刑事責任追及のための資料の収集に直接結びつく作用を一般的に有する手続には及ぶものと解されるが,暴対法33条1項による質問は,他の一般的な行政目的による質問の権限と同様に,犯罪捜査のために認められたものではなく,同法の施行に必要があると認めるときに,同法の施行に必要な限度において実施することができるものであり,それ以上に刑事責任を 問われるおそれのある事項についてまで報告を求めるものではないし,刑事責任追及のための資料収集に直接結びつく作用を一般的に有するものでもないから,暴対法33条1項の規定に違反した者を処罰することを規定した同法49条は,憲法38条1項に違反するものとはいえない。 b中止命令等に係る罰則規定の違憲主張について(a) 原告が指摘する「命令に違反」を構成要件とする罰則は,暴対法46条1号,47条各号,48条,50条1号に規定されているが,これらの処罰規定は,特定危険指定処分に関する罰則を定めるものではないもの,又は特定危険指定処分そのものによってその適用が可能となるものではなく,別途の命令が公安委員会からされたことによりその適用が可能となるものであり,これらの規定の違憲性は,本件処分の効力に何ら影響を及ぼすものではないから,これらの規定が 適用が可能となるものではなく,別途の命令が公安委員会からされたことによりその適用が可能となるものであり,これらの規定の違憲性は,本件処分の効力に何ら影響を及ぼすものではないから,これらの規定が憲法に違反するとの原告の主張は,主張自体失当である。 また,暴対法第8章の規定による罰則の対象となるのは,原告の構成員等であって,原告自身ではないから,原告には同法の罰則規定の適法性を争う法律上の利益はなく,行訴法10条1項により,原告の上記違憲の主張は,本件において主張することが許されないものであり,失当である。 (b) 上記(a)の点を措くとして,原告の違憲主張について検討するに,原告が指摘する暴対法の各罰則規定は,禁止される行為の内容を政令等の下位法令において定めることとしているものはないから,委任立法の限界を超えるとして憲法41条及び73条6号ただし書に違反する余地はなく,原告の主張は失当である。 さらに,この点を措くとしても,暴対法は,公安委員会が行い得る命令の内容を明確に規定しており,犯罪構成要件は法律上明確に 定められていることから,原告が指摘する憲法の各条項との抵触が問題となる余地はない。 c暴対法46条3号の違憲主張について(a) 原告は,暴対法46条3号が罪刑の均衡を失していること等を理由として憲法31条に違反し違憲である旨主張するが,刑罰法規が罪刑の均衡を失していることなどを理由として違憲となるかどうかについては,刑罰規定が罪刑の均衡その他種々の観点からして著しく不合理なものであって,到底許容し難いものであるときは,違憲の判断を受けなければならないとされているところ,特定危険指定処分がされる危険な状況下において,危険な暴力行為の原因となるおそれがある請求妨害行為を抑止するため,これを刑罰の威嚇力 あるときは,違憲の判断を受けなければならないとされているところ,特定危険指定処分がされる危険な状況下において,危険な暴力行為の原因となるおそれがある請求妨害行為を抑止するため,これを刑罰の威嚇力によって禁止することについては,その必要性が認められる一方,請求妨害行為が罰則をもって禁止されるのは当該行為が警戒区域において行われた場合等に限られており,当該行為が禁止される期間も法定され,また,特定危険指定暴力団等の指定を受けた指定暴力団等が,その構成員が危険な暴力行為を行うおそれを消滅させれば,当該指定は取り消され(暴対法30条の12),請求妨害行為が罰則をもって禁止されることもなくなることとされている。このような規制の必要性,規制される行為の内容,規制の態様等に照らせば,暴対法46条3号が合理性を欠くとはいえないから,憲法31条に違反するものではない。 (b) また,原告は,暴対法46条3号が憲法14条1項に違反する旨主張するが,特定危険指定暴力団等として指定されることは,人が社会において占める継続的な地位であるとはいえないことから社会的身分には当たらず,そもそも憲法14条1項違反が問題となる余地はないのであるから,原告の主張は失当である。この点を措くと しても,区別が合理性を有する限り,憲法14条1項に反するものではないが,特定危険指定処分の暴力行為要件及びおそれ要件を充足して特定危険指定処分を受けた指定暴力団等の構成員が,他の指定暴力団等の構成員とは異なる規制を受けることとなったとしても,それは合理的な理由に基づいて法的取扱いが区別されるに至ったものであり,合理的な理由のない差別的取扱いではないから,憲法14条1項に違反するものではない。 イ本件処分の違憲主張(原告の主張イ)について(ア) 憲法14条違反 取扱いが区別されるに至ったものであり,合理的な理由のない差別的取扱いではないから,憲法14条1項に違反するものではない。 イ本件処分の違憲主張(原告の主張イ)について(ア) 憲法14条違反の主張について特定危険指定処分をされたことは社会的身分には当たらず,憲法14条1項との関係が問題となる余地はないことから,原告の主張は失当であるし,この点を措くとしても,暴対法30条の8第1項の要件を満たす指定暴力団等に対して特定危険指定処分がされた結果として,当該指定暴力団等の構成員が他の指定暴力団等の構成員とは異なる規制を受けることとなったとしても,それは合理的な理由に基づいて法的取扱いが区別されるに至ったものであり,合理的な理由のない差別的取扱いではないから,憲法14条1項に反するものではない。 (イ) 憲法21条1項,13条違反の主張について原告の主張は特定危険指定処分が基本的人権の制約であることないし特定危険指定暴力団等の構成員が受けることとなる規制が基本的人権を制約するものであることを理由に,本件処分が違憲である旨を述べているものと解されるが,上記アの被告の主張のとおり,特定危険指定処分の制度は,憲法13条や21条に違反するものではないから,原告の主張は失当である。 (5) 本件処分の適法性(本案の争点3)(被告の主張) ア処分要件該当性(ア) 指定暴力団であること原告は,平成4年6月26日から団体としての同一性を維持しつつ暴対法3条に基づく指定暴力団としての指定を受けている。原告は,これらの3条指定処分が違法である旨主張するが,原告に対する直近の3条指定処分は,平成25年6月20日に官報公示され,同月26日からその効力が生じており,既に出訴期間が経過しているから(行訴法14条1項),同指定処 分が違法である旨主張するが,原告に対する直近の3条指定処分は,平成25年6月20日に官報公示され,同月26日からその効力が生じており,既に出訴期間が経過しているから(行訴法14条1項),同指定処分は,原則として有効に確定し,原告はこれを争うことはできず,3条指定処分の違法は,本件処分の違法を構成しないのであり,暴対法3条に基づく指定の違法性に関する主張は全て失当である。 (イ) 暴力行為要件を満たすこと以下のaないしgの各事案は,いずれも暴対法30条の8第1項の暴力行為要件に該当する暴力行為であることは明らかである。 a第1事案原告の幹部構成員であるDは,原告の構成員による利用を拒絶しており,かつ,上記Dが原告の幹部構成員であることを知っていたゴルフ場の幹部職員に対し,「じゃあ,わしらはゴルフはできないとか。」などと言って原告の構成員による同ゴルフ場の利用を要求したが,これを拒絶されたことから,これに対する報復等のため,原告の構成員であるE及びFらが,共謀の上,平成12年10月22日,福岡県京都郡a町内の同ゴルフ場の支配人方において,支配人に対し,殺意をもって,短刀様の刃物でその胸部を突き刺したが,支配人を死亡させるに至らなかった(以下,この事案を「第1事案」という。)。 第1事案は,原告の構成員である上記Dが,不特定の者が利用する施設であって,暴力団の示威行事の用に供されるおそれが大きいものとして暴対法施行規則で定められている施設(同規則13条)である ゴルフ場の幹部職員(管理者)であり,上記Dが原告の幹部構成員であることを知っている者に対して同ゴルフ場の利用を要求した行為は,指定暴力団たる原告の威力を示して同ゴルフ場を利用させることを要求する行為として,暴対法9条18号の暴力的要求行為に該当するところ あることを知っている者に対して同ゴルフ場の利用を要求した行為は,指定暴力団たる原告の威力を示して同ゴルフ場を利用させることを要求する行為として,暴対法9条18号の暴力的要求行為に該当するところ,かかる上記Dの行為に対して,上記ゴルフ場の幹部職員が,同ゴルフ場の利用を拒絶したこと(同法30条の8第1項1号)に関連して,原告の構成員であったE及びFらが同ゴルフ場の支配人に対し,凶器を使用して人の生命又は身体に重大な危害を加える方法による暴力行為を行ったのであるから,第1事案の事実が暴対法30条の8第1項における暴力行為要件に該当することは明らかである。 b第2事案組合の代表者が,競売により同組合が所有権を取得したビルを原告らの下部組織である工藤會大東亜組が利用していたことから,弁護士に法的手続を依頼し,平成12年12月20日,所有権に基づき,大東亜組に対して同ビルからの退去を求めていたところ,原告の構成員であるGは,平成13年2月18日,北九州市b区内において,所有するビルからの原告の事務所の撤去を請求した同組合に対し,その報復のため,同組合の理事長が管理する店舗に普通乗用自動車を突入させた(以下,この事案を「第2事案」といい,上記行為を第2事案の記述において「突入行為」という。)。 第2事案は,暴対法30条の2第2号に定める請求を行った請求者(同条本文)である組合の代表者に対して,退去請求し,立ち退かせたことへの報復を目的として,上記Gが「請求者に不安を覚えさせるような方法」で同代表者の請求を「妨害」するものということができ,「当該指定暴力団等の指定暴力団員がした第30条の2の規定に違反する行為」に該当する(同法30条の8第1項2号)。そして,突入 行為は,同法30条の2第2号の規定に違反する妨害行為そのもの 「当該指定暴力団等の指定暴力団員がした第30条の2の規定に違反する行為」に該当する(同法30条の8第1項2号)。そして,突入 行為は,同法30条の2第2号の規定に違反する妨害行為そのものとして敢行されたものであり,その関連性についても明らかであるから,突入行為は,指定暴力団員が当該行為に関連して凶器を使用して人の生命又は身体に重大な危害を加える方法による暴力行為を行ったものとして,第2事案の事実が暴対法30条の8第1項における暴力行為要件に該当することは明らかである。 c第3事案原告の構成員であるHは,北九州市c区内のビルにおいて,同ビルのオーナーと賃貸借契約を締結した上でエステ店を営んでいる被害者に対し,「工藤會の方針だから中国人は出てくれ。」などと言って同ビルからの立ち退きを要求したが,被害者がそれに応じることなく同店の営業を続けたことから,これに対する嫌がらせ等のため,平成14年9月18日,他者と共謀の上,同店が入居する同ビル内に設置されているエレベーター内の床にガソリンを散布の上,所携のライターで点火した紙片を燃え移らせ,現に従業員のいる建造物を焼損した(以下,この事案を「第3事案」といい,第3事案の記述において上記行為を「放火行為」という。)。 上記Hの立ち退き要求行為は,正当な権原に基づいて建物又はその敷地を事業の用に供している者に対して,原告の威力を示して,被害者の意思に反して明渡しを要求する行為であり,暴対法9条13号に規定する暴力的要求行為に該当するところ,被害者が立ち退き要求を拒絶したこと(同法30条の8第1項1号)に関連して,原告の構成員であるHが他の者と共謀の上,ガソリン等の凶器を使用して人の生命又は身体に重大な危害を加える方法による暴力行為(放火行為)を行ったのであるから,第3事案 0条の8第1項1号)に関連して,原告の構成員であるHが他の者と共謀の上,ガソリン等の凶器を使用して人の生命又は身体に重大な危害を加える方法による暴力行為(放火行為)を行ったのであるから,第3事案の事実が暴対法30条の8第1項における暴力行為要件に該当することは明らかである。 d第4事案福岡市d区内に新規ぱちんこ店の営業を開始した被害会社が,原告の構成員から新規開店の挨拶に来るよう要求されたにもかかわらず,開店時に当該地域を縄張とする原告(工藤會石田組)に挨拶に行かなかったことから,原告の構成員であるIが,その報復等のため,平成15年5月1日,普通貨物自動車を運転し,同ぱちんこ店の建物壁面ガラスに向けて同車を後退させ,荷台の後部パワーゲートを水平にした同車後部を約6回にわたり建物壁面ガラス等に衝突させた上,同車を同建物内に突入させた。 その後,上記突入行為にもかかわらず,上記被害会社が原告の構成員によるみかじめ料名下の金銭を支払わなかったことから,同年7月12日及び同月17日,大阪市内等において,氏名不詳者が,上記被害会社の代表取締役に対し,「工藤會は人を殺す。」,「店舗の天井にけん銃を撃ち込む用意,準備が正に今出来ているらしい。」,「(新規ぱちんこ店の台数が)1000台あると言っている。」,「1000台あれば2億円が必要だ。」,「今返事をして下さいよ。」,「工藤會はまさに第二段の攻撃をすると言うてます。」,「工藤會は何をするか判らないですよ。」などと申し向けてみかじめ料を要求したものの,被害会社は工藤會にみかじめ料を支払わなかった。 原告の構成員であるJ,K,L及びMらは,上記みかじめ料の支払に応じなかったことに対する報復のため,同年7月29日,共謀の上,大阪府東大阪市内の上記被害会社が経営するぱちんこ店 を支払わなかった。 原告の構成員であるJ,K,L及びMらは,上記みかじめ料の支払に応じなかったことに対する報復のため,同年7月29日,共謀の上,大阪府東大阪市内の上記被害会社が経営するぱちんこ店内において,拳銃を発射し,さらに,原告の構成員であるNが,福岡市d区内の同被害会社が経営するぱちんこ店内において,威迫のために拳銃を発射した(以下,この事案を「第4事案」という。)。 上記の原告の構成員によるみかじめ料の要求は,いずれも,原告の 威力を示してみだりに金品等の贈与を要求したものとして,暴対法9条2号の暴力的要求行為に該当するものであり,その相手方が拒絶したもの(同法30条の8第1項1号)であるところ,原告の構成員が,従業員の存在する上記被害会社が経営するぱちんこ店の壁面ガラス等に車両後部を約6回にわたり衝突させ,同車を同建物内に突入させた行為,同被害会社が経営する大勢の来客が遊技中のぱちんこ店内において天井に向けてけん銃を発射した行為は,いずれも上記の暴力的要求行為に関連して,凶器を使用して人の生命又は身体に重大な危害を加える方法による暴力行為に該当するから,第4事案の事実が暴対法30条の8第1項における暴力行為要件に該当することは明らかである。 e第5事案原告の構成員であるOは,平成16年12月22日,北九州市b区内にあるホテルの土地・建物の不動産競売に関し,原告の意に反して同不動産を競落した会社の実質的経営者であり,上記Oが原告の構成員であることを知っていた者に対し,「あんまり動かない方がいい」,「それに関与すると大変なことになります」,「上の方から言われております」などと申し向けて脅迫し,同ホテルの経営から撤退することを要求したが,同経営者がこれに応じないことから,報復のため,原告の構成員である 与すると大変なことになります」,「上の方から言われております」などと申し向けて脅迫し,同ホテルの経営から撤退することを要求したが,同経営者がこれに応じないことから,報復のため,原告の構成員であるP及び同Qらが,共謀の上,平成17年8月29日,同市c区内において,殺意をもって,同経営者に対し,同人が通勤に使用し,その時は同人の運転手が一人で運転していた普通乗用自動車内の同運転手を目掛け,続いて同車から降車して後方に逃走した同運転手を目掛け,それぞれ拳銃を発射した(以下,この事案を「第5事案」という。)。 上記経営者が実質的に経営する会社が上記不動産を競落により取得 したものであるから,同経営者は,暴対法9条13号の「正当な権原に基づいて建物又はその敷地を事業の用に供している者」に該当するところ,上記Oによる上記各発言には,土地,建物の明渡しを直接的に要求する文言は含まれていないが,上記各発言を合理的に解釈すれば,上記Oが被害者に対して本件ホテルの土地,建物を不動産競売により取得することを断念するよう要求したことは明らかであることから,上記各発言は,原告の威力を示して,被害者の意思に反して上記ホテルの土地,建物の明渡しを要求することと同視することができ,上記Oの上記行為は,原告の暴対法9条13号の暴力的要求行為に該当する。そして,上記暴力的要求行為について,その相手方が拒絶したもの(同法30条の8第1項1号)であるところ,上記P及びQが暴力的要求行為に関連して凶器である拳銃を使用して人の生命又は身体に重大な危害を加える方法による暴力行為を行ったのであるから,第5事案の事実が暴対法30条の8第1項における暴力行為要件に該当することは明らかである。 f第6事案原告の構成員であるRらは,北九州市e区内の土地を購入して 暴力行為を行ったのであるから,第5事案の事実が暴対法30条の8第1項における暴力行為要件に該当することは明らかである。 f第6事案原告の構成員であるRらは,北九州市e区内の土地を購入してぱちんこ店の出店を計画していた会社(以下,この事案の記述において「被害会社」という。)の代表取締役に対し,平成19年9月20日,ぱちんこ店の新規開店に伴うみかじめ料名下に「この土地には工藤會が絡んでおり,工藤會はぱちんこ台1台当たり10万円出すように言っている」,「ぱちんこ台1台当たり10万円を出すことを承諾されないと大変なことになりますよ」,「工藤會は一銭もまからんと言っている」などと申し向け,同年10月12日,「あの店をやるんだったら,組への支払はどう考えているんですか。組への支払をされないと大変なことになりますよ」,「息子さんが大変なことになると言って いるんですよ。それでも良いのですか。社長をやっても金にならない。 息子をやられたくなかったら金を出せと言っているんですよ」,「私への仲介料を足して,工藤會に支払うものを支払われたらどうですか」などと申し向けて脅迫し金銭の支払を要求したが(以下「恐喝行為1」という。),被害会社がぱちんこ店の建設を断念して上記要求に応じなかった。その後,被害会社が再度ぱちんこ店を建設し始めたことから,Rらは,平成21年9月30日,被害会社の代表者に対し,「工藤會から呼ばれて,『工事が始まっているではないか,どうなっているんだ,お前たちも知っていたんだろう』と言われた。『即刻工事を中止させろ』と言われているが,どうされるんですか」,「工藤會から台当たり10万円はどうなっているのかと聞かれている」などと申し向けて脅迫し,再度みかじめ料名下に金銭の支払を要求したが(以下「恐喝行為2」という。),同 いるが,どうされるんですか」,「工藤會から台当たり10万円はどうなっているのかと聞かれている」などと申し向けて脅迫し,再度みかじめ料名下に金銭の支払を要求したが(以下「恐喝行為2」という。),同被害会社がこれに応じなかった。このように,被害会社が2度にわたるみかじめ料の要求を受けたにもかかわらず,その支払に応じなかったことから,Rは,その報復及び嫌がらせの目的で,同年11月14日,原告の構成員及び原告の親交者と共謀の上,山口県防府市内の被害会社が経営するぱちんこ店(2階には従業員の居室を有する。)の1階床面にガソリンを流出させた上,ガソリンを染み込ませた布片をライターで点火して投棄して火を放った(以下,この事案を「第6事案」といい,第6事案の記述において「放火行為」という。)。 Rらの恐喝行為1及び恐喝行為2は,原告の威力を示してみだりに金品等の贈与を要求するものであり,暴対法9条2号の暴力的要求行為に該当するものであるところ,被害会社が上記Rらの要求を拒絶した(同法30条の8第1項1号)ところ,Rらは,原告に対するみかじめ料の支払に応じなかったことに対する報復・いやがらせのために 放火行為を行ったのであり,暴力要求行為に関連して,ガソリン等の凶器を使用して人の生命又は身体に重大な危害を加える方法による暴力行為を行ったものであるから,第6事案の事実が暴対法30条の8第1項における暴力行為要件に該当することは明らかである。 g第7事案原告の構成員であるSは,同人らとともに貸金業を営むための出資を断った者に対し,平成22年2月末頃,「今更,そんなこと出来るわけないやろうが」,「俺は兄弟に何て説明すればいいとか」,「ケジメ取ってもらうぞ」,「もしかしたら,お前を殺すことになるかもしれんぞ」などと語気鋭く申し向けて 年2月末頃,「今更,そんなこと出来るわけないやろうが」,「俺は兄弟に何て説明すればいいとか」,「ケジメ取ってもらうぞ」,「もしかしたら,お前を殺すことになるかもしれんぞ」などと語気鋭く申し向けて金銭の支払を要求したが,被害者がその支払に応じなかったことから,原告の構成員であるT及びSは,共謀の上,被害者を畏怖させて当該要求に応じさせるため,同年8月18日頃から同年9月27日頃までの間,被害者に対し,「お前,北九のヤクザおちょくっとったら殺すぞ」,「750万はちゃんと払ってもらう」,「金払うか殺されるかは自分で選べ」,「750万の借用書を書け」などと語気鋭く申し向けて脅迫するなどし,被害者から合計41万円を喝取した。同年8月30日頃の脅迫の際には,Sは,福岡市f区内において,被害者の頸部にアイスピック様の物を突き付けるなどの暴行も行った(以下,この事案を「第7事案」といい,上記行為を第7事案の記述において「恐喝行為」という。)。 Sは,同人及びTが原告の構成員であることを認識している被害者に対して原告の威力を示して金銭の支払を要求したものであり暴対法9条2号の暴力的要求行為に該当するものであるが,被害者は金銭の支払に応じず,暴力的要求行為を拒絶した(同法30条の8第1項1号)ものであるところ,S及びTは,上記行為に関連して同様の名目で更に要求行為を繰り返し,アイスピック様の物という凶器を使用し, 人の生命又は身体に重大な危害を加える方法による暴力行為(恐喝行為)を行ったのであるから,第7事案の事実が暴対法30条の8第1項における暴力行為要件に該当することは明らかである。 (ウ) おそれ要件下記のa及びbの事情に照らせば,原告について,暴力行為要件に該当する暴力行為(以下「要件該当暴力行為」という。)を行うおそれがあ る暴力行為要件に該当することは明らかである。 (ウ) おそれ要件下記のa及びbの事情に照らせば,原告について,暴力行為要件に該当する暴力行為(以下「要件該当暴力行為」という。)を行うおそれがあることは明らかであるし,このことに疑いがないことは下記cの事情に鑑みても明らかである。 a要件該当暴力行為の敢行おそれ要件とは,暴力行為要件に該当する行為が繰り返されるおそれないし可能性をいうものであり,要件該当暴力行為が反復して敢行されている場合には更なる要件該当暴力行為の発生が強く推認されることから,要件該当暴力行為を行うおそれがあることを示すものであるところ,上記(イ)のとおり,原告の構成員等によって行われた要件該当暴力行為が検挙されているものだけでも少なくとも7事案あり,これらは反復して敢行されたものであるから,原告について要件該当暴力行為を行うおそれが強く推認されるというべきである。 b暴力的要求行為等及び請求妨害行為の敢行指定暴力団である原告の構成員による要件該当暴力行為が発生した場合において,当該構成員以外の構成員が原告の縄張において暴力的要求行為を再び行ったり,又は市民の損害賠償請求等を妨害する行為を行ったりしているような状況は,原告の構成員が,今後もこれらの暴力的要求行為等又は請求妨害行為を敢行し,これに関連して要件該当暴力行為を行う可能性があることを示すものといえるものであるところ,本件処分の指定通知書(甲1)に例示列挙した下記(a)から(c)の暴力的要求行為を含め,対象期間内に,原告の構成員により,少な くとも合計108件(年間平均8件)の暴力的要求行為等及び3件の請求妨害行為が反復して敢行されている。なお,このうち,最近敢行された要件該当暴力行為である平成21年11月に発生した第6事案 くとも合計108件(年間平均8件)の暴力的要求行為等及び3件の請求妨害行為が反復して敢行されている。なお,このうち,最近敢行された要件該当暴力行為である平成21年11月に発生した第6事案の事件以降においても30件,平成22年8月に発生した第7事案の事件以降においても24件,暴力的要求行為等が敢行されている。 (a) 原告の構成員であるUは,平成21年5月11日,山口市内において,同人が原告の構成員であることを知っている被害者に対し,失業保険の手続に関する紹介料名下に,「今日のことは人まで使うちゃったんぞ。誠意を見せえ。紹介料を出せ。わしはお前のために動いちょるんぞ。来月から失業保険が入ったら半分よこせ。」などと申し向け,原告の威力を示して,みだりに金員の支払を要求した。 (b) 原告の構成員であるVは,平成22年10月下旬頃,福岡県行橋市内において,同人が原告の構成員であることを知り,かつ,同人から金銭を借り入れている被害者に対し,既に利息制限法の制限を超える元利金の支払を受けているにもかかわらず,更に利息等の支払を請求していたところ,被害者から債務の履行の猶予を求められるや,「何で返済せんのか。俺はヤクザやけん,そんなんじゃ話は通らん。俺等は,これで飯食っていきよるんぞ。」などと申し向け,原告の威力を示して,みだりに金員の支払を要求した。 (c) 原告の構成員であるWは,平成24年5月29日,福岡県遠賀郡g町内において,同人が原告の構成員であることを知っている建築リフォーム業者に対し,損害賠償名下に,「どがんして払うか。50万円を一括して払わんか。どがんするとや。」などと申し向け,念書を書かせるなどして,原告の威力を示して,みだりに金員の支払を要求した。 cその他の事情 ①原告の構成員等によって行 万円を一括して払わんか。どがんするとや。」などと申し向け,念書を書かせるなどして,原告の威力を示して,みだりに金員の支払を要求した。 cその他の事情 ①原告の構成員等によって行われた暴力的要求行為等に関連した暴力行為その他の報復,要求貫徹等を目的とした暴力行為(以下「報復等目的の暴力行為」という。)は,検挙されているものだけで少なくとも32件(要件該当暴力行為9件を含む。)あり,これらは反復して敢行されたものであるし,この32件のうち,27件(84%)は凶器が使用されたものであり,21件(66%)は人の生命等に重大な危害を加える方法が執られたものである上,原告の構成員が敢行した銃器,手りゅう弾その他高度の殺傷能力のある凶器等の所持又は使用に係る事件は,検挙されているものだけで少なくとも29件に達していて,ほぼ毎年認知されているという暴力行為における凶器の使用実態があること,また,②本件処分直前の時点における原告の代表者等14名のうち,上記(イ)の7事案(9件)の要件該当暴力行為の際に原告の代表者等であった者は約78%に達し,また,敢行された報復等目的の暴力行為32件(うち要件該当暴力行為9件)に関与し,本件処分直前の時点において生存している構成員38名のうち,当該暴力行為直後の指定暴力団としての指定時にも引き続き原告の構成員であったものは37名(97%)に達し,そのうち32名(84%)は,本件処分直前の時点においても引き続き構成員であることが判明していることは,原告の要件該当暴力行為を行う危険性を徴表しているものといえるものであり,原告に認められるこれらの諸事実を含む事情等に鑑みれば,原告には要件該当暴力行為を行うおそれが認められるというべきである。 (エ) 指定期間原告については,①要件該当暴力行為や えるものであり,原告に認められるこれらの諸事実を含む事情等に鑑みれば,原告には要件該当暴力行為を行うおそれが認められるというべきである。 (エ) 指定期間原告については,①要件該当暴力行為や暴力的要求行為等が長期にわたって敢行されている実態,②要件該当暴力行為が敢行された際に代表者等であった者が平成24年11月15日時点の代表者等の多数を占め ている実態及び③要件該当暴力行為その他の報復等目的の暴力行為に関与した構成員が引き続き構成員である実態があるところ,上記記載の各事情に照らし,これらが1年未満で解消される見込みがあるとは到底認められないことから,指定期間を1年間とすることが必要である。 (オ) 警戒区域について本件各区域については,原告の事務所の所在地,要件該当暴力行為,暴力的要求行為等の発生場所等を考慮して,要件該当暴力行為により人の生命等に重大な危害が加えられることを防止するため特に警戒を要する区域であると認められる。 なお,原告は,事務所所在地,構成員の住所地等を裏付ける書証として被告が提出する福岡県内の原告事務所等の設置場所の一覧表である乙33の1,原告構成員の居宅の一覧表である乙33の2について,黒塗りされている等と主張するが,被告は,上記各書証について,事務所名や所在地の詳細,原告構成員の具体的氏名を黒塗りしているものの,事務所が所在している詳細な番地を明らかにすることや,各市町村に居住しているのがどの構成員であるのかを明らかにすることは,警察による情報収集活動の状況を原告に知らしめる結果となるおそれがあり,警察が把握している事務所の名称やその所在地を具体的に明らかにした場合,当該暴力団としては,当該事務所から暴力団としての活動に関する資料を全て搬出した上で,暴力団事務所としての最低限の外観 があり,警察が把握している事務所の名称やその所在地を具体的に明らかにした場合,当該暴力団としては,当該事務所から暴力団としての活動に関する資料を全て搬出した上で,暴力団事務所としての最低限の外観のみを整え,当該場所が当該暴力団の実質的な拠点であると見せかけた上で,実際には,他の場所に真の活動拠点を設けて暴力団としての活動を行うといった規制逃れの措置を講ずるおそれがあるほか,警察が事務所として把握していない場所が当該暴力団に対して明らかになり,対立抗争に伴う暴力行為や一般人に対する襲撃事件等に関する謀議や凶器隠匿を行う場所を選定するための一つの判断材料を与えることにもなりかねない。さら に,警察が把握している暴力団の構成員の氏名や住所を暴力団に明らかにした場合,当該暴力団としては,当該構成員の破門状を発出して破門を偽装するなどして,当該構成員が当該暴力団から離脱したかのような外観を作出した上で,実質的には引き続きその構成員を当該暴力団の活動に従事させることにより,暴対法に基づく規制から逃れようとすることが予想されるし,警察が暴力団の構成員として把握していない者を当該暴力団に示す結果となり,当該暴力団に対し,対立抗争に伴う暴力行為や一般人に対する襲撃事件等を実行させる者の選定についての判断材料を与えることにもなりかねない。このような事情に加え,原告の構成員及びその家族等へのプライバシー保護の必要性もあることから,これを証拠として提出することは相当ではない。警戒区域の設定に当たっては,暴力行為やその前提となる暴力的要求行為等又は請求妨害行為を行った指定暴力団員及びその所属組織の活動拠点や資金獲得活動の状況,当該団体や組織が関与する過去の同種事案の発生状況等を総合的に考慮するものであるところ,乙33の1及び2の記載部分のみで 妨害行為を行った指定暴力団員及びその所属組織の活動拠点や資金獲得活動の状況,当該団体や組織が関与する過去の同種事案の発生状況等を総合的に考慮するものであるところ,乙33の1及び2の記載部分のみで,それぞれの市町村に原告の事務所が所在していることや,原告の構成員が居住していることは明らかであるから,各市町村が警戒区域に該当することの立証としては十分であり,黒塗り部分を証拠として提出する必要はない。 a北九州市①本件処分の直前の時点において,原告は,北九州市内において本部事務所を含む34か所の事務所を設置しているほか,原告の構成員325名が同市内に居住するなどしていること,②平成12年以降に発生した暴力的要求行為等に係る中止命令及び再発防止命令(以下「中止命令等」という。)のうち,当該要求行為が北九州市で行われるなど同市に関係する中止命令等が34件発出されていること,③平成12年以降に検挙された暴力的要求行為に該当する恐喝事件等のうち, 当該暴力的要求行為等の発生場所が北九州市であるものが14件あること,④平成12年以降に第2事案を含む3件の請求妨害行為が北九州市で発生していること,⑤平成12年以降に敢行された報復等目的の暴力行為の検挙事案のうち要件該当暴力行為3件を含む18件が北九州市内で発生していること,⑥原告は,何ら正当な権限がないにもかかわらず,北九州市について「縄張」すなわち原告の権益の対象範囲であると主張していること,⑦福岡県警察と自治体との協定に基づき,平成22年以降に原告と密接な関係を有するとして福岡県警察から自治体に通報され公表された企業のうち17社が北九州市に所在していること,⑧平成12年以降北九州市において原告の構成員が拳銃7丁を適合する実包79発と共に保管し所持していたことがあり,人の生 から自治体に通報され公表された企業のうち17社が北九州市に所在していること,⑧平成12年以降北九州市において原告の構成員が拳銃7丁を適合する実包79発と共に保管し所持していたことがあり,人の生命又は身体に重大な危害が加えられる高度の危険性が認められることに照らせば,要件該当暴力行為により人の生命等に重大な危害が加えられることを防止するため特に警戒を要する区域であると認められる。 b福岡市①本件処分直前の時点で,原告は,福岡市内に4か所の事務所を設置しているほか,原告の構成員47名が同市内に居住するなどしていること,②平成12年以降に発生した暴力的要求行為等に係る中止命令等のうち当該要求行為が福岡市で行われるなど同市に関係する中止命令等が4件発出されていること,③平成12年以降に敢行され検挙された暴力的要求行為に該当する恐喝事件等のうち,当該暴力的要求行為等の発生場所が福岡市であるものが1件あること,④平成12年以降に敢行された報復等目的の暴力行為の検挙事案のうち,要件該当暴力行為3件(第4事案,第7事案)を含む4件が福岡市内で発生していることに照らせば,要件該当暴力行為により人の生命等に重大な 危害が加えられることを防止するため特に警戒を要する区域であると認められる。 c行橋市①本件処分直前の時点で,原告は,行橋市内に1か所の事務所を設置しているほか,原告の構成員19名が同市内に居住するなどしていること,②平成12年以降に発生した暴力的要求行為等に係る中止命令等のうち,当該要求行為が行橋市で行われるなど同市に関係する中止命令等が3件発出されていること,③平成12年以降に敢行され検挙された暴力的要求行為に該当する恐喝事件等のうち,当該暴力的要求行為等の発生場所が行橋市であるものが1件あること,④平成 に関係する中止命令等が3件発出されていること,③平成12年以降に敢行され検挙された暴力的要求行為に該当する恐喝事件等のうち,当該暴力的要求行為等の発生場所が行橋市であるものが1件あること,④平成12年以降に敢行された報復等目的の暴力行為の検挙事案のうち,2件が行橋市内で発生していること,⑤原告は,何ら正当な権限がないにもかかわらず,行橋市について「縄張」すなわち原告の権益の対象範囲であると主張していること,⑥原告は,上記aのとおり,北九州市に数多くの拠点を設けて活発に活動しているところ,行橋市は,北九州市に隣接している上,同市中心部から約25キロメートルの距離にあるため,古くから同市との間で人・物の行き来が盛んであり,北九州空港開港以後,両市の結び付きがさらに強くなっていることからすると,同市との地理的,経済的,社会的一体性のある地域であると認められること,⑦東九州自動車道建設工事については,大規模事業である上,原告の構成員が,平成20年2月頃,平成23年9月及び同年10月,同工事の一部を請け負った建設会社に対し,不当下請要求等を繰り返したことからすると,今後も原告の構成員によって同工事に関連して不当下請要求等が敢行されるおそれが認められるところ,行橋市内には,同自動車道建設工事の未完成区間が存在し,原告の構成員により,不当下請要求等の暴力的要求行為等が行われるおそれが認められるこ と等に照らせば,要件該当暴力行為により人の生命等に重大な危害が加えられることを防止するため特に警戒を要する区域であると認められる。 d豊前市①本件処分直前の時点で,原告の構成員1名が豊前市内に居住するなどしていること,②原告は,何ら正当な権限がないにもかかわらず,豊前市について「縄張」すなわち原告の権益の対象範囲であると主張し 市①本件処分直前の時点で,原告の構成員1名が豊前市内に居住するなどしていること,②原告は,何ら正当な権限がないにもかかわらず,豊前市について「縄張」すなわち原告の権益の対象範囲であると主張していること,③東九州自動車道建設工事については,上記cのとおり,原告の構成員によって不当下請要求等が敢行されるおそれが認められるところ,豊前市内には,同自動車道建設工事の未完成区間が存在し,原告の構成員により,不当下請要求等の暴力的要求行為等が行われるおそれが認められることに照らせば,要件該当暴力行為により人の生命等に重大な危害が加えられることを防止するため特に警戒を要する区域であると認められる。 e中間市①本件処分直前の時点で,原告は,中間市内に1か所の事務所を設置しているほか,原告の構成員18名が同市内に居住するなどしていること,②平成12年以降に敢行された報復等目的の暴力行為の検挙事案のうち,1件が中間市で発生していること,③原告は,何ら正当な権限がないにもかかわらず,中間市について「縄張」すなわち原告の権益の対象範囲であると主張していることが認められること,④原告は,上記aのとおり,北九州市に数多くの拠点を設けて活発に活動しているところ,中間市は北九州市に隣接している上,各行政機関の管轄区域の多くを同市と同一としているなど,同市と地理的,経済的,社会的一体性のある地域であると認められることに照らせば,要件該当暴力行為により人の生命等に重大な危害が加えられることを防止す るため特に警戒を要する区域であると認められる。 f春日市①本件処分直前の時点で,原告の構成員9名が春日市内に居住するなどしているほか,原告の構成員が頻繁に使用している実態が認められる原告の関連施設1か所が同市内に設置されていること,②平成 春日市①本件処分直前の時点で,原告の構成員9名が春日市内に居住するなどしているほか,原告の構成員が頻繁に使用している実態が認められる原告の関連施設1か所が同市内に設置されていること,②平成12年以降に発生した暴力的要求行為等に係る中止命令等のうち,当該要求行為が春日市で行われるなど同市に関係する中止命令等が4件発出されていること,③平成12年以降に敢行されて検挙された暴力的要求行為に該当する恐喝事件等のうち,当該暴力的要求行為等の発生場所が春日市である事案が1件あること,④原告は,上記bのとおり福岡市内に4か所の事務所を設置するなどして活動しているところ,春日市は福岡市に隣接している上,同市中心部から約10キロメートル程度の距離にあるなど,同市との地理的一体性が認められることに照らせば,要件該当暴力行為により人の生命等に重大な危害が加えられることを防止するため特に警戒を要する区域であると認められる。 g宮若市①本件処分直前の時点で,原告は,宮若市内に1か所の事務所を設置しているほか,原告の構成員4名が同市内に居住するなどしていること,②平成12年以降に敢行された報復等目的の暴力行為の検挙事案のうち,1件が宮若市で発生していること,③原告は,何ら正当な権限がないにもかかわらず,宮若市について「縄張」すなわち原告の権益の対象範囲であると主張していることに照らせば,要件該当暴力行為により人の生命等に重大な危害が加えられることを防止するため特に警戒を要する区域であると認められる。 h遠賀郡(芦屋町,水巻町,岡垣町及び遠賀町)①本件処分直前の時点で,原告の構成員12名が遠賀郡内に居住す るなどしていること,②平成12年以降に発生した暴力的要求行為等に係る中止命令等のうち,当該要求行為が遠賀郡で行われるなど ①本件処分直前の時点で,原告の構成員12名が遠賀郡内に居住す るなどしていること,②平成12年以降に発生した暴力的要求行為等に係る中止命令等のうち,当該要求行為が遠賀郡で行われるなど同郡に関係する中止命令が2件発出されていること,③平成12年以降に敢行され検挙された暴力的要求行為に該当する恐喝事件等のうち,当該暴力的要求行為等の発生場所が遠賀郡であるものが1件発生していること,④原告は,何ら正当な権限がないにもかかわらず,遠賀郡について「縄張」すなわち原告の権益の対象範囲であると主張していること,⑤原告は,上記aのとおり,北九州市に数多くの拠点を設けて活発に活動しているところ,遠賀郡は,同市に接しているほか,同市西部は以前遠賀郡に属していたなど,同市と地理的,経済的,社会的に密接な関係を有する地域であると認められること,⑥平成12年以降遠賀郡において,原告の構成員が,手りゅう弾2発,拳銃2丁を適合実包24発と共に保管し所持していたということがあり,人の生命又は身体に重大な危害が加えられる高度の危険性が認められることに照らせば,要件該当暴力行為により人の生命等に重大な危害が加えられることを防止するため特に警戒を要する区域であると認められる。 i鞍手郡(小竹町及び鞍手町)①本件処分直前の時点で,原告は,鞍手郡内に1か所の事務所を設置しているほか,原告の構成員3名が同郡内に居住するなどしていること,②平成12年以降に敢行され検挙された暴力的要求行為に該当する恐喝事件等のうち,当該暴力的要求行為等の発生場所が鞍手郡であるものが1件あること,③原告は,何ら正当な権限がないにもかかわらず,鞍手郡について「縄張」すなわち原告の権益の対象範囲であると主張していること,④原告は,上記aのとおり,北九州市に数多くの拠点を設け のが1件あること,③原告は,何ら正当な権限がないにもかかわらず,鞍手郡について「縄張」すなわち原告の権益の対象範囲であると主張していること,④原告は,上記aのとおり,北九州市に数多くの拠点を設けて活発に活動しているところ,鞍手郡は,同市と近接した地にあり,同市と密接な関係にある地域であると認められることに 照らせば,要件該当暴力行為により人の生命等に重大な危害が加えられることを防止するため特に警戒を要する区域であると認められる。 j京都郡(苅田町及びみやこ町)①本件処分直前の時点で,原告の構成員13名が京都郡内に居住するなどしていること,②平成12年以降に発生した暴力的要求行為等に係る中止命令等のうち,当該要求行為が京都郡で行われるなど同郡に関係する中止命令等が3件発出されていること,③平成12年以降に敢行された報復等目的の暴力行為の検挙事案のうち,要件該当暴力行為1件(第1事案)を含む2件が京都郡内で発生していること,④原告は,何ら正当な権限がないにもかかわらず,京都郡について「縄張」すなわち原告の権益の対象範囲であると主張していること,⑤原告は,上記aのとおり,北九州市に数多くの拠点を設けて活発に活動しているところ,京都郡は,同市に接しているほか,同市と多くの行政機関の管轄区域を同じくし,北九州工業地帯の一部として自動車工場等を多数有するなど,同市と地理的,経済的,社会的一体性のある地域であると認められること,⑥平成12年以降,京都郡において,原告の構成員が,拳銃3丁を適合実包41発と共に保管し所持していたことがあり,人の生命又は身体に重大な危害が加えられる高度の危険性が認められること,⑦東九州自動車道建設工事については,上記cのとおり,原告の構成員によって不当下請要求等が敢行されるおそれが認められるとこ り,人の生命又は身体に重大な危害が加えられる高度の危険性が認められること,⑦東九州自動車道建設工事については,上記cのとおり,原告の構成員によって不当下請要求等が敢行されるおそれが認められるところ,京都郡内には,同自動車道建設工事の未完成区間が存在し,原告の構成員により,不当下請要求等の暴力的要求行為等が行われるおそれが認められること,⑧福岡県警察と関係自治体との協定に基づき,平成22年以降に原告と密接な関係を有するとして福岡県警察から自治体に通報され公表された企業のうち1社が京都郡に所在していること等に照らせば,要件該当暴力行為により人の生命 等に重大な危害が加えられることを防止するため特に警戒を要する区域であると認められる。 k築上郡(吉富町,上毛町及び築上町)①本件処分直前の時点で,原告は,築上郡内に1か所の事務所を設置しているほか,原告の構成員4名が同郡内に居住するなどしていること,②平成12年以降に発生した暴力的要求行為等に係る中止命令等のうち,当該要求行為が築上郡で行われるなど同郡に関係する中止命令が1件発出されていること,③原告は,何ら正当な権限がないにもかかわらず,築上郡について「縄張」すなわち原告の権益の対象範囲であると主張していることが認められること,④原告は,上記aのとおり,北九州市に数多くの拠点を設けて活発に活動しているところ,築上郡は,同市と多くの行政機関の管轄区域を同一とすることなどから,同市と地理的,経済的,社会的一体性のある地域であると認められること,⑤東九州自動車道建設工事については,上記cのとおり,原告の構成員によって,不当下請要求等が敢行されるおそれが認められるところ,築上郡内には,同自動車道建設工事の未完成区間が存在し,原告の構成員により,不当下請要求等の暴力的要求行為 上記cのとおり,原告の構成員によって,不当下請要求等が敢行されるおそれが認められるところ,築上郡内には,同自動車道建設工事の未完成区間が存在し,原告の構成員により,不当下請要求等の暴力的要求行為等が行われるおそれが認められること,⑥福岡県警察と関係自治体との協定に基づき,平成22年以降に原告と密接な関係を有するとして福岡県警察から自治体に通報され公表された企業のうち1社が築上郡に所在していることに照らせば,要件該当暴力行為により人の生命等に重大な危害が加えられることを防止するため特に警戒を要する区域であると認められる。 (カ) 処分要件該当性に関する原告の主張に対する反論原告は,平成24年の暴対法改正前に発生した上記第1事案ないし第7事案について,本件処分の根拠とすることは憲法39条前段による法 の不遡及原則に違反する旨主張するが,原告のいう「法の不遡及原則」とは,遡及処罰の禁止(憲法39条前段)をいうものと解されるところ,特定危険指定処分は,その処分時において,相手方に拒絶された暴力的要求行為等に関連して凶器を使用した人の生命等に重大な危害を加える方法による暴力行為が行われるおそれが存在し,そのようなおそれが将来にわたって継続すると見込まれることを理由としてされるものであり,原告が指摘する「相手方に拒絶された暴力的要求行為等に関連した暴力行為」はそのようなおそれの存在の有無等の判断に当たって斟酌されるべきである事情であり,特定危険指定処分の対象とされるものではないから,上記おそれの有無の判断に当たってこれを斟酌することが法の不遡及原則に反するものではない。そして,上記おそれの有無の判断については,過去の事実を含めて,処分時において認定できる全ての事実を基礎として行う必要があることから,平成24年改正以前の事実を 法の不遡及原則に反するものではない。そして,上記おそれの有無の判断については,過去の事実を含めて,処分時において認定できる全ての事実を基礎として行う必要があることから,平成24年改正以前の事実を基礎として特定危険指定処分を行ったことはむしろ当然であり,法の不遡及原則違反をいう原告の主張は失当である。 イ手続違背がないこと(ア) 原告の主張イ(ア)について原告は,暴対法30条の8第4項において準用する同法5条の意見聴取において,実質的には告知聴聞の機会すら与えられなかったという結論を述べるにとどまり,その具体的な根拠,理由を何ら主張していないから,原告の上記主張は失当というべきである。 処分行政庁は,原告に対し,本件処分である特定危険指定処分を行おうとする理由を付記した意見聴取通知書を送付した後,原告の代理人である原告幹事長X及び補佐人である原告理事長補佐Yの出席の下,意見聴取を行ったものであり,同手続(以下「本件意見聴取手続」という。)においてXらが述べた原告の意見を踏まえ,暴対法30条の8第1項の 規定により原告を特定危険指定暴力団等として指定することとしたものであり,本件処分に関する意見聴取は実質を伴って暴対法及び意見聴取規則の規定に従い,適正に行われており,原告の主張には理由がない。 (イ) 原告の主張イ(イ)について暴対法及び意見聴取規則においては,意見聴取の通知の際に同通知の「指定をしようとする理由」に記載された事実を裏付ける資料・証拠を呈示しなければならない旨の規定は存在しない。また,意見聴取は,指定をしようとする理由についてその相手方から意見を聴取することにより,その処分の適正を図ることを目的とするものであるところ,意見聴取通知書に「指定をしようとする理由」が記載されていれば,これを裏付け をしようとする理由についてその相手方から意見を聴取することにより,その処分の適正を図ることを目的とするものであるところ,意見聴取通知書に「指定をしようとする理由」が記載されていれば,これを裏付ける資料・証拠の呈示がなくとも,相手方はこれに対して意見を述べることが可能なのであるから,意見聴取の通知の際におけるそのような資料・証拠の呈示が必要であるとはいえず,意見聴取において,指定を裏付ける資料等の提示を行う必要はないのであるから,原告の上記主張は理由がなく失当である。 (ウ) 原告の主張イ(ウ)について意見聴取の通知を受けた者は,病気その他のやむを得ない理由がある場合には,公安委員会に対し,意見聴取の期日又は場所の変更を申し出ることができ,公安委員会は,申出により又は職権で,意見聴取の期日又は場所を変更することができるところ(意見聴取規則16条),本件意見聴取手続において,原告からは,意見聴取の期日又は場所の変更の申出はされておらず,また,職権で期日又は場所を変更すべき事情の説明もなかった上,原告側の出席者である上記代理人及び補佐人においても,原告代表者の不在につき何ら異議等を述べておらず,主宰者においても,かかる代理人が原告代表者の代理人であることを確認した上で本件意見聴取手続を行っているのであるから,同委員会が同手続の期日又 は場所を変更しなかったことに何ら違法な点はなく,原告の主張は失当である。 (エ) 原告の主張イ(エ)について暴対法及び意見聴取規則においては,指定をしようとする理由や警戒区域を告げる際に,これを裏付ける資料・証拠の呈示や朗読をしなければならない旨の規定は存在しないのであるから,上記(イ)の主張と同様そのような資料・証拠の呈示や朗読がなかったからといって,意見聴取の手続が違法となることは 裏付ける資料・証拠の呈示や朗読をしなければならない旨の規定は存在しないのであるから,上記(イ)の主張と同様そのような資料・証拠の呈示や朗読がなかったからといって,意見聴取の手続が違法となることはない。 (オ) 原告の主張イ(オ)について原告の代理人は,本件意見聴取手続において,持参した意見書記載の事項を全て読み上げて詳細にその意見を述べているのであり,代理人の意見陳述が妨害されたという事実は存在しない。なお,本件意見聴取手続において,聴取官が原告が主張する発言をした事実はあるが,原告の代理人が持参した意見書を読み上げてその意見を述べた後,原告の意見の内容を確認するために質問を行う旨を説明したものであって,聴取官の当該発言によって原告の代理人の意見陳述が妨害されたとはいえない。 (カ) 原告の主張イ(カ)について原告の主張は,手続上の違法を基礎付ける事由となるものではない。 (キ) 原告の主張イ(キ)について原告の代理人は,本件意見聴取手続の場において,持参した意見書記載の事項を全て読み上げ,事務所使用制限に関する原告の主張を明確に述べているのであって,この点に関する原告の意見陳述が妨害されたという事実はない。なお,本件意見聴取手続において,聴取官が原告が主張する発言をした事実はあるが,原告の代理人が持参した意見書を読み上げてその意見を述べた後,これに対する聴取官の見解を説明したものであって,聴取官の当該発言によって原告の代理人の意見陳述が妨害さ れたとはいえない。 (ク) 原告の主張イ(ク)について暴対法及び意見聴取規則においては,意見聴取の場において相手方から述べられた意見について聴取官が応答しなければならない旨の規定は存在しないのであるから,原告の代理人が述べた意見に聴取官が応答しなかったからといっ 聴取規則においては,意見聴取の場において相手方から述べられた意見について聴取官が応答しなければならない旨の規定は存在しないのであるから,原告の代理人が述べた意見に聴取官が応答しなかったからといって,そのことを捉えて意見聴取の手続が違法と評価されることはない。相手方は,意見聴取手続において,聴取官の応答の有無にかかわらず,指定をしようとする理由についての自己の意見を述べることが可能なのであるから,相手方から述べられた意見について聴取官が応答することが必要であるとはいえない。 (ケ) 原告の主張イ(ケ)について意見聴取は,特定危険指定処分を始めとする暴対法の規定が憲法に違反するか否かを議論する場ではないから,これを議論しようとすることが意見聴取規則22条3項の「事案の範囲を超えて発言するとき」に該当することは明らかであり,聴取官が「本意見聴取は憲法議論をする場ではございません。」などと述べたとしても,何ら違法ではない。 (コ) 原告の主張イ(コ)について暴対法及び意見聴取規則においては,証拠調べの開始後に提出された物件は全て証拠として扱わなければならない旨の規定は存在しない。また,証拠とは,証明しようとする事実の裏付けとなる資料をいうものであるところ,原告の代理人が提出した意見書は,原告の代理人が意見を述べるに当たって読み上げた内容が記載されている書面であって,原告が証明しようとする事実そのものが記載された書面にすぎないのであるから,証明しようとする事実の裏付けとなる資料であるとはいえず,そもそも「証拠」には当たらない。また,本件意見聴取手続において,主宰者は,証拠調べに当たり,証拠の有無を代理人に尋ねたものにすぎず, 意見聴取規則28条の規定に基づき代理人に対して証拠の提出を求めたという事実はない。仮に意見書が「 聴取手続において,主宰者は,証拠調べに当たり,証拠の有無を代理人に尋ねたものにすぎず, 意見聴取規則28条の規定に基づき代理人に対して証拠の提出を求めたという事実はない。仮に意見書が「証拠」に当たるとしても,証拠の提出を申し出ようとするときは,証拠及びその内容と証明しようとする事実との関係を具体的に明らかにして行わなければならず(意見聴取規則32条),この方式によらない証拠の申出は却下できることとされているところ(同規則33条),本件意見聴取手続において,原告の代理人は,意見書と証明しようとする事実との関係について何ら言及していないのであるから,原告の代理人による意見書の提出は,暴対法及び意見聴取規則において定められた方式に従った適式な証拠の申出ではなかったことが明らかである。 これらの点を措くとしても,本件意見聴取手続の経過に照らせば,原告の代理人は,証拠調手続が終了する時点において,意見書を証拠として提出する意思を有していなかったことも明らかである。さらに,本件意見聴取手続においては,原告から証拠として提出された物件は存在しないのであるから,証拠がない旨の記載は虚偽ではなく,原告の主張は失当である。そして,暴対法及び意見聴取規則においては,証拠調べにおいて,主宰者側が,相手方に対して,書面を証拠として提出することと意見陳述書として提出することの差異を説明しなければならない旨の規定は存在しないから,そのような説明がなかったからといって意見聴取の手続が違法となることはない。 (サ) 原告の主張イ(サ)について原告が指摘する部分は,意見聴取調書(乙37)において,「この指定をする理由に書いてある5つの暴力行為の事件と3つの暴力的要求行為の事件は,間違いなく工藤會の組員がやったということでよろしいですか。」という聴 る部分は,意見聴取調書(乙37)において,「この指定をする理由に書いてある5つの暴力行為の事件と3つの暴力的要求行為の事件は,間違いなく工藤會の組員がやったということでよろしいですか。」という聴取官の問いに対し,「はい,よろしいです。」と代理人が回答した問答部分の要旨を記載したものであるところ,ここでいう 「工藤會の犯行」とは,工藤會の構成員による犯行という意味で記載されたものであることは明らかであって,かかる趣旨で記載された上記代理人の発言要旨の記載に何ら誤りとなる点はない。 ウ書証の成立の真正について原告は,被告が本件訴訟に提出した作成者氏名を黒塗りした各報告書(乙46の1ないし3において引用された各報告書。以下「本件各報告書」という。)について,名義人不明の怪文書であるとして書証の成立を争っている。しかしながら,文書が真正に成立したとは,文書が挙証者の主張する作成者(特定人)の意思に基づいて作成されたことを意味するものであり,公文書はその方式及び趣旨により公務員が職務上作成したものと認めるべきときは真正に成立したものと推定される(民訴法228条2項)ところ,被告は,本件各報告書について,その作成者を福岡県警察本部組織犯罪対策課所属の警察官等であると主張しているものであり,作成者である同警察官の官職氏名が明確に記載されている原本についてその氏名のみが黒塗りされたものであることはその体裁から明らかであって,同警察官が本件各報告書を作成したことは,本件各報告書の記載や内容から明らかである上,同警察官の上司の作成した報告書(乙46の1ないし3)によって,同警察官が本件各報告書を作成したものであることが立証されているから,本件各報告書が挙証者の主張する作成者である警察官(特定人)の意思に基づいて作成されたことは,上 (乙46の1ないし3)によって,同警察官が本件各報告書を作成したものであることが立証されているから,本件各報告書が挙証者の主張する作成者である警察官(特定人)の意思に基づいて作成されたことは,上記のとおり推定され,立証されている。 (原告の主張)ア指定要件について(ア) 指定暴力団であること原告が暴対法3条による指定を受けている事実は認めるが,指定の適法性については争う。 原告がいかなる証拠によって暴力団であると認定されたのか証拠上明らかではないし,原告は,任侠団体であり,綱領にもそのことが記載されており,組員が何らかのきっかけで暴力行為に及ぶことがあったとしても個々の組員はそれぞれの個人的な動機,背景から非違行為に及ぶのであり,その際原告がこれを助長したり,組員が原告の威力を示して暴力行為を実行しているとは限らないのであり,原告が暴力団であるということはできず,指定暴力団とはなり得ない。 また,原告は,指定暴力団としての指定処分を受けているが,かかる指定処分は,その意見聴取に際し,証拠が事前にも意見聴取時にも全く示されておらず,結局,証拠が存在するのかしないのか不明なまま処分がされたものであり,また,いかなる証拠によっていかなる事実が認定された結果,指定要件が充足されたのかの判断がまったく示されていないのであるから,かかる意見聴取手続は,暴対法5条に違反する。すなわち,同条は,意見聴取に際して有利な証拠を提出することができる旨定め(同条3項),暴対法の規定に基づく意見聴取規則20条は証拠調べを義務的なものとし,同規則の27条,28条は当事者等に証拠の提出権限を認めているところ,上記の有利な証拠であるか否かは相手方が所持ないし提出しようとする証拠を検討しなければ判断することができないのであって,暴対法 ,同規則の27条,28条は当事者等に証拠の提出権限を認めているところ,上記の有利な証拠であるか否かは相手方が所持ないし提出しようとする証拠を検討しなければ判断することができないのであって,暴対法5条3項及び上記規則20条,27条,28条は公安委員会の原告に対する証拠の提出,原告による閲覧が前提となる規定であり,本件意見聴取手続はかかる規定に違反するものであるから,暴対法5条に違反し,原告に対する3条指定処分は違法である。 (イ) 暴力行為要件についてa第1事案ないし第7事案については,下記bの各事案に関する主張のほか,「原告の指示の存在」,「原告の威力を示して」等と被告が主張する事実については否認し,第1事案ないし第7事案がい ずれも暴対法30条の8第1項の要件該当暴力行為であることについては争う。 第1事案ないし第7事案を裏付ける書証の中核は,各事案についての警察内部の調査報告書であり,各事案の訴訟記録等を添付し,①当該事案における行為者の属性(当該指定暴力団等の指定暴力団員)を記載した上で②暴力要件該当性を認定している点に特質があるが,これらの調査報告書等(乙14の1,15の1,16の1,17の1等)は,各報告書に添付された判決書にも認定されていない事実を漫然と認定する書面であるし,その基礎資料としての各事件の訴訟記録もプライバシー保護その他重大な法益保護の理由も示さず随所に黒塗りがされており,反証等による真実性を吟味し難い不可解な資料であり,その証拠としての信用性は認められるべきではないし,そもそも下記ウのとおり,上記書証のうち作成名義人が記載されていない書証は成立の真正が否定されるべきである。 また,暴対法30条の8第1項の暴力行為要件は同項1号又は2号のいずれかに掲げる行為が行われた場合に当該行為 り,上記書証のうち作成名義人が記載されていない書証は成立の真正が否定されるべきである。 また,暴対法30条の8第1項の暴力行為要件は同項1号又は2号のいずれかに掲げる行為が行われた場合に当該行為に「関連して」「凶器を使用して人の生命又は身体に重大な危害を加える方法による暴力行為」が行われたことが必要であり,これらの行為が重なったり,呼応したりしてつながっていることが必要であるところ,下記のとおりかかる関連性は認められない。 第1事案ないし第7事案は平成12年から平成22年までに発生したものであり,これを要件該当暴力行為の判断の基礎とすることは憲法39条前段の法の不遡及原則違反の疑義がある。 b第1事案ないし第7事案に関する個別の認否,主張第1事案に記載の事実のうち,Dが暴力行為当時に原告の幹部,構成員であったことについては否認する。 第2事案に記載の事実については,Gが第2事案の後に原告から除籍処分を受けており,当該行為が原告の意に明確に反するものであり,原告がその威力を暴力団員に利用させたり,暴力団員が利用することを容認していないことが明らかであり,原告との関連性はない。 第3事案に記載の事実については,「工藤會の方針だから」と述べた事実については警察の「暴力団関係者検挙連絡」という内部報告書の中に見受けられるのみであり,第3事案に係る判決書に記載された事実を歪曲するものであり,被告の主張するGの行為は,原告の名称を示して威力を示す行為であるとはいえない。 第4事案に記載の事実については,「工藤會は」という明確かつ具体的な表現を使用したという事実は第4事案の起訴状及び判決における認定には認められず,証拠による裏付けはなく,被告が主張するように原告の名称を示して威力を示す行為とは到底いえない。Iの行為に つ具体的な表現を使用したという事実は第4事案の起訴状及び判決における認定には認められず,証拠による裏付けはなく,被告が主張するように原告の名称を示して威力を示す行為とは到底いえない。Iの行為についての証拠は調書判決しかなく,その量刑理由においても,工藤會という名称は具体的に認定されていないのであるから,暴力行為要件該当性の根拠となり得ない。 第5事案については,Oは原告の専務理事の地位にあった者であるが,第5事案の被害者とは知人であり,同事件後も関係を維持していることは同事件の判決(乙19の2)においても認定されているところであり,上記Oは,被害者の身を案じた上で助言をしたにすぎないのであり,脅迫的文言は一切述べておらず,原告の威力を示したものではない。被告は,相手方が上記Oを原告の構成員であることを再認識することは明らかである旨主張するが,暴対法9条柱書は行為者が具体的に文言を言わないにもかかわらず相手方が再認識するということまでをもその対象として予定しているとはいえない。被害者が競落した不動産について開業準備をすることについて,上記Oが「あまり 動かない方がいい」と助言したことは争わないが,知人による助言にすぎない事実であり,被害者の意思に反して「明渡しを要求すること」(暴対法9条13号)と同視することはできないから,暴力的要求行為に該当する事実がなく,第5事案は暴対法30条の8第1項1号の暴力行為要件該当性が認められない。 第6事案の恐喝行為1は,原告の構成員ではない不動産業者(親交者か否か不明である。)が実質的には単独で実行して働きかけた事案であり,原告自体とは何ら関係ないのであり,それ自体は,当該指定暴力団等の指定暴力団員がした暴力的要求行為(暴対法9条2号)であって,その相手方が拒絶したもの(同法30 単独で実行して働きかけた事案であり,原告自体とは何ら関係ないのであり,それ自体は,当該指定暴力団等の指定暴力団員がした暴力的要求行為(暴対法9条2号)であって,その相手方が拒絶したもの(同法30条の8第1項1号)であるということはできない。 第7事案の被害者は,そもそもSを利用してきたいわゆる暴力団関係者であり,同事案は単なる内輪もめの事案にすぎないのであって,内輪もめにおいて原告の威力を示す余地はない。 (ウ) おそれ要件についてa要件該当暴力行為の反復に関する被告の主張について上記(イ)の第1事案ないし第7事案の要件該当暴力行為が反復されたものであるという被告の主張は争う。第1事案ないし第7事案はいずれも過去に存在した事案にすぎず,独立した事案であり,相互の関連性,原告との関連性についての主張立証はなく,反復性(相互の関連性,上位者と当該当事者との関連性)が明らかではない。特に第1事案については上記(イ)bのとおりDを原告の幹部構成員とする根拠は明らかでないし,第5事案についてもOによる恐喝事件とP及びQらによる発砲行為とは関連なく行われたものであり,Pらの事件が報復のために行われたという根拠はない。本件処分は,大幅な人権制限が可能となるものであるから,反復して敢行されたという認定は厳格に 行われるべきである。反復とは「同じことを何度も繰り返すこと」をいうところ,被告の主張は「反復」であるか否かの判断基準をどのようにとらえるのか明らかではなく,判断の客観性が担保されていない。 b暴力的要求行為等及び請求妨害行為の敢行に関する被告の主張について被告の主張ア(ウ)b(a),(b)及び(c)の事実は認めるが,その余の主張については否認ないし争う。 cその他の事情に関する被告の主張について被 行為の敢行に関する被告の主張について被告の主張ア(ウ)b(a),(b)及び(c)の事実は認めるが,その余の主張については否認ないし争う。 cその他の事情に関する被告の主張について被告の主張ア(ウ)cの①及び②に係る事実は認めるが,これらが,原告の要件該当暴力行為を行う危険性を徴表しているものといえるものであり,原告には要件該当暴力行為を行うおそれが認められることについては争う。 (エ) 指定期間について指定期間に関する被告の主張ア(エ)の②の実態については認めるが,①及び③の実態については否認する。①の実態については,被告が主張する暴力的要求行為等の中止命令等に関する事案は,日常の経済的行為に対する中止命令等としか評価し得ない場合も存在する。また,③の実態については,暴力行為に関与した構成員の中には除籍又は破門処分とされた者も存在する。 暴対法30条の8の要件該当性に関する被告主張の事実的基礎は曖昧で雑ぱくなものである上,指定期間の合理性の根拠が乏しく,そもそも指定自体を行うことができないだけではなく,指定期間を定めた処分行政庁の裁量権の逸脱濫用がある。 (オ) 警戒区域について以下のとおり,被告が警戒区域として指定した本件各区域は,特に警戒を要する区域であることの主張立証がないから,その指定には根拠が ない。特に豊前市,春日市,遠賀郡及び鞍手郡においては原告の事務所も存在せず,原告は,要件該当暴力行為あるいは暴力的要求行為の存在を把握していないのであり,本件処分のうち少なくとも警戒区域として豊前市,春日市,遠賀郡及び鞍手郡を指定した部分はその理由がなく,必要もないのであり,少なくとも上記部分は裁量権の逸脱濫用として違法であるから,仮に本件処分の取消請求が認められないとしても本件予備的請求は認 日市,遠賀郡及び鞍手郡を指定した部分はその理由がなく,必要もないのであり,少なくとも上記部分は裁量権の逸脱濫用として違法であるから,仮に本件処分の取消請求が認められないとしても本件予備的請求は認められるべきである。 a北九州市被告の主張ア(オ)a①に関する事実については不知。北九州市内の原告の事務所数は原告の把握する限りでは32か所である。特に被告が原告の事務所所在地及び原告の構成員の居住地に関する被告の主張を裏付ける証拠として提出する乙33の1及び2は,下記ウのとおり,作成名義人,事務所名,氏名,住所等が黒塗りにされており,いずれも事務所の所在地,構成員の氏名,住所との関連性が明らかにされておらず,証拠能力のない証拠として証拠から排除されるべきである。 被告の主張ア(オ)a②の事実は不知。中止命令に係る事実について「原告の威力を示して」行われたものであることは争う。被告の上記主張を裏付けるものとして提出する乙24の1及び6は,同書証の裏付けとなる資料が存在しない。 被告の主張ア(オ)a③の事実について,被告の同主張に係る事実が「原告の威力を示して」行われたものであることは争う。 被告の主張ア(オ)a④の事実は不知。被告が主張する請求妨害行為には処分の根拠とすることができないものや,威迫の対象とされている請求者が特定されていないものがあるし,本件処分から10年以上も前の事案を請求妨害行為として挙げる根拠はない。 被告の主張ア(オ)a⑤の事実は不知。被告が主張する行為には処分の 根拠とすることができないものも含まれるし,本件処分から10年以上も前の事案を請求妨害行為として挙げる根拠はない。 被告の主張ア(オ)a⑥の事実は不知。被告の主張の根拠として被告が提出する乙34の1及び2は下記ウの主張のとおり作成名義人 ,本件処分から10年以上も前の事案を請求妨害行為として挙げる根拠はない。 被告の主張ア(オ)a⑥の事実は不知。被告の主張の根拠として被告が提出する乙34の1及び2は下記ウの主張のとおり作成名義人のない文書であるし,同書証は「四代目工藤會縄張り一円」と題する書面であり,原告の書面ではない上,これが原告の事務所に掲示されていたか否かは明らかではない。 被告の主張ア(オ)a⑦の事実は不知。被告の同主張を裏付ける証拠として被告が提出する乙35はその表題が「工藤會に係る密接交際企業」とされているにもかかわらず,企業名,所在地等が明らかではなく,警戒区域の指定との関係が明らかではない。 被告の主張ア(オ)a⑧の事実は不知。被告の同主張を裏付ける証拠として被告が提出する乙27の1及び16はいずれも作成名義人の記載がない文書であるし,裏付け資料等がない。 b福岡市被告の主張ア(オ)b①に関する事実については不知。この点に関して被告が提出する乙33の1及び2については上記aと同様である。福岡市内の原告の事務所数は2か所である。 被告の主張ア(オ)b②の事実は不知。中止命令に係る事実について「原告の威力を示して」行われたものであることは争う。被告が主張する中止命令等が発出された4件のうち3件はZにより,うち1件はAAにより行われたものであるが,これに関しては,本件処分前の平成24年5月10日に絶縁処分が行われている上,現在まで6年間福岡市において中止命令が発出されたことはない。 被告の主張ア(オ)b③の事実について,被告の主張に係る事実が「原告の威力を示して」行われたものであることは争う。 被告の主張ア(オ)b④の事実について,被告の主張に係る事実が「原告の威力を示して」行われたものであることは争う。 c行橋市被 告の威力を示して」行われたものであることは争う。 被告の主張ア(オ)b④の事実について,被告の主張に係る事実が「原告の威力を示して」行われたものであることは争う。 c行橋市被告の主張ア(オ)c①に関する事実については不知。この点に関して被告が提出する乙33の1及び2については上記aと同様である。なお,行橋市内の原告の事務所数は2か所である。 被告の主張ア(オ)c②の事実は不知。中止命令に係る事実について「原告の威力を示して」行われたものであることは争う。 被告の主張ア(オ)c③の事実について,被告の主張に係る事実が「原告の威力を示して」行われたものであることは争う。 被告の主張ア(オ)c④の事実は不知。被告の主張に係る事実が報復等の目的で行われたものであるか明らかではない。 被告の主張ア(オ)c⑤の事実は不知。被告の主張の根拠として被告が提出する乙34の1及び2については上記aと同様である。 被告の主張ア(オ)c⑥の事実は不知。北九州市と行橋市が地理的,経済的,社会的に一体であるとして警戒区域指定の理由とすることについては争う。 被告の主張ア(オ)c⑦の事実は不知。被告の同主張を裏付ける乙36の1ないし3はいずれも作成名義人のない文書であるし,東九州自動車道建設工事の仕組みや不当下請要求の態様が明らかではない。 d豊前市被告の主張ア(オ)d①に関する事実については不知。この点に関して被告が提出する乙33の1及び2については上記aと同様である。 被告の主張ア(オ)d②の事実は不知。被告が同主張の根拠として提出する乙34の1及び2については上記aと同様である。 被告の主張ア(オ)d③の事実は不知。上記cの主張と同様,被告の同 主張を裏付ける乙36の1ないし3はいずれも作成名義人のない文書で する乙34の1及び2については上記aと同様である。 被告の主張ア(オ)d③の事実は不知。上記cの主張と同様,被告の同 主張を裏付ける乙36の1ないし3はいずれも作成名義人のない文書であるし,東九州自動車道建設工事の仕組みや不当下請要求の態様が明らかではない。 e中間市被告の主張ア(オ)e①に関する事実については不知。この点に関して被告が提出する乙33の1及び2については上記aと同様である。 被告の主張ア(オ)e②に関する事実については不知。この点に関して被告が提出する乙26の1,26の4の1及び4の2は作成名義人のない怪文書である。 被告の主張ア(オ)e③の事実は不知。被告が同主張の根拠として提出する乙34の1及び2については上記aと同様である。 被告の主張ア(オ)e④の事実は不知。北九州市と中間市が地理的,経済的,社会的に一体であるとして警戒区域指定の理由とすることについては争う。 f春日市被告の主張ア(オ)f①に関する事実のうち原告の構成員が9名春日市内に居住している事実については認め,その余の事実については不知。 被告の主張する原告の「関連施設」の定義が明らかではない。この点に関して被告が提出する乙33の1及び2については上記aと同様である。 被告の主張ア(オ)f②の事実は不知。中止命令に係る事実について「原告の威力を示して」行われたものであることは争う。 被告の主張ア(オ)f③の事実について「原告の威力を示して」行われたものであることは争う。 被告の主張ア(オ)f④の事実は不知。そもそも一体性が何を意味するのか明らかではない上,被告は,春日市と福岡市の地理的一体性を指 摘するにとどまり,一体性が希薄であることを自認している証左である。 g宮若市被告の主張ア(オ)g①に を意味するのか明らかではない上,被告は,春日市と福岡市の地理的一体性を指 摘するにとどまり,一体性が希薄であることを自認している証左である。 g宮若市被告の主張ア(オ)g①に関する事実については不知。この点に関して被告が提出する乙33の1及び2については上記aと同様である。 被告の主張ア(オ)g②の事実は不知。同事案は「原告の威力を示して」行われたものであるとはいえないし,被告が主張する事案に関する判決書及び供述調書には報復等目的であることについて具体的に記載されていない。 被告の主張ア(オ)g③の事実は不知。被告が同主張の根拠として提出する乙34の1及び2については上記aと同様である。 h遠賀郡被告の主張ア(オ)h①に関する事実については不知。この点に関して被告が提出する乙33の1及び2については上記aと同様である。なお,遠賀郡における原告の事務所の数は2か所である。 被告の主張ア(オ)h②の事実は不知。中止命令に係る事実について「原告の威力を示して」行われたものであることは争う。 被告の主張ア(オ)h③に関する事実について「原告の威力を示して」行われたものであることは争う。 被告の主張ア(オ)h④の事実は不知。被告が同主張の根拠として提出する乙34の1及び2については上記aと同様である。 被告の主張ア(オ)h⑤の事実は不知。被告の同主張は遠賀郡を警戒区域として指定する理由とはならない。 被告の主張ア(オ)h⑥の事実は不知。被告が主張する同事案についての判決書は,被告人が暴力団構成員であることを指摘するにとどまり,原告との関係について明らかにしていない。 i鞍手郡被告の主張ア(オ)i①に関する事実については不知。この点に関して被告が提出する乙33の1及び2については上記aと にとどまり,原告との関係について明らかにしていない。 i鞍手郡被告の主張ア(オ)i①に関する事実については不知。この点に関して被告が提出する乙33の1及び2については上記aと同様である。 被告の主張ア(オ)i②の事実について,被告が主張する事案が「原告の威力を示して」行われたものであることは争う。 被告の主張ア(オ)i③の事実は不知。被告が同主張の根拠として提出する乙34の1及び2については上記aと同様である。 被告の主張ア(オ)i④の事実は不知。被告が主張する「密接な関係」の趣旨が明らかではない。 j京都郡被告の主張ア(オ)j①に関する事実については不知。この点に関して被告が提出する乙33の1及び2については上記aと同様である。 被告の主張ア(オ)j②の事実は不知。中止命令に係る事実について「原告の威力を示して」行われたものであることは争う。 被告の主張ア(オ)j③の事実について,被告が主張する事案が「原告の威力を示して」行われたものであることは争う。 被告の主張ア(オ)j④の事実は不知。被告が同主張の根拠として提出する乙34の1及び2については上記aと同様である。 被告の主張ア(オ)j⑤の事実は不知。被告の同主張は京都郡を警戒区域として指定する理由とはならない。 被告の主張ア(オ)j⑥の事実は不知。被告が同主張の根拠として提出する乙27の1の1及び27の16はいずれも怪文書であるし,被告がいう「高度の危険性」は,拳銃及び実包の所持・保管の態様等の十分な検討なくして直ちに危険性を肯定することはできないというべきである。 被告の主張ア(オ)j⑦の事実は不知。上記cの主張と同様,被告の同 主張を裏付ける乙36の1ないし3はいずれも作成名義人のない文書であるし,東九州自動車道建設工事の仕 いうべきである。 被告の主張ア(オ)j⑦の事実は不知。上記cの主張と同様,被告の同 主張を裏付ける乙36の1ないし3はいずれも作成名義人のない文書であるし,東九州自動車道建設工事の仕組みや不当下請要求の態様が明らかではない。 被告の主張ア(オ)j⑧の事実は不知。被告が同主張を裏付ける証拠として提出する乙35は「密接交際企業」の表題の下に固有名詞なく記載するものにすぎない。 k築上郡被告の主張ア(オ)k①に関する事実については不知。この点に関して被告が提出する乙33の1及び2については上記aと同様である。 被告の主張ア(オ)k②の事実は不知。中止命令に係る事実について「原告の威力を示して」行われたものであることは争う。 被告の主張ア(オ)k③の事実は不知。被告が同主張の根拠として提出する乙34の1及び2については上記aと同様である。 被告の主張ア(オ)k④の事実は不知。被告の主張を警戒区域指定の根拠とすることについては争う。 被告の主張ア(オ)k⑤の事実は不知。上記cの主張と同様,被告の同主張を裏付ける乙36の1ないし3はいずれも作成名義人のない文書であるし,東九州自動車道建設工事の仕組みや不当下請要求の態様が明らかではない。 被告の主張ア(オ)k⑥の事実は不知。被告が同主張を裏付ける証拠として提出する乙35は「密接交際企業」の表題の下に固有名詞なく記載するものにすぎない。 イ手続上の違法について本件意見聴取手続は,以下のとおり,憲法31条,暴対法5条その他下記の各規則に違反するものであり,違法である。 (ア) 本件処分に際して行われた暴対法30条の8第4項において準用す る同法5条の意見聴取について,実質的にはこれが行われたといえるような実態はなく,実質的には「告知聴聞の機会」すら与え (ア) 本件処分に際して行われた暴対法30条の8第4項において準用す る同法5条の意見聴取について,実質的にはこれが行われたといえるような実態はなく,実質的には「告知聴聞の機会」すら与えられずに本件処分を受けたことになるから,憲法31条に違反する。 (イ) 本件意見聴取手続に先立ち原告に送達された本件意見聴取通知書(乙37)には,「指定をしようとする理由」,「警戒区域として定めようとする地域」が別紙として添付されているが,本件処分の原因となる事実を裏付ける資料ないし証拠が添付されておらず,原告は,いかなる資料及び証拠により上記事実が認定されているのか検討することができないのであり,暴対法により意見を述べる権利や原告に有利な証拠を提出することが定められているとしても,その実質が伴っていない。暴対法43条は,行政手続法の適用を排除しているが,その趣旨を及ぼしたり,類推適用することを排除していないことは明らかであり,不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができる旨定める行政手続法15条2項2号,聴聞の通知を受けた場合に当事者に行政庁が保有する不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができる旨定める行政手続法18条の趣旨を極めて大きな不利益処分である特定危険指定処分にも及ぼし,同処分を行うにあたっては資料の閲覧を行わせる必要があるというべきである。意見の形成はそれを形成する前提としての事実の摘示が必要であり,意見聴取通知書に資料,証拠が提示されていない本件意見通知書自体,実質的に通知の体をなしていないし,意見を形成する機会を奪うものであり,違法である。 (ウ) 処分行政庁は,原告代表者本人の出席を十分に確保する必要があるところ,本件意見聴取手続において,原告代表者であるCが出席できなかった し,意見を形成する機会を奪うものであり,違法である。 (ウ) 処分行政庁は,原告代表者本人の出席を十分に確保する必要があるところ,本件意見聴取手続において,原告代表者であるCが出席できなかった理由につき,代理人が多忙により出席不可能である旨回答しているにもかかわらず,同代表者が出席できるように手続を行った形 跡がなく,意見聴取手続を強行している。暴対法における意見聴取手続に関する被告の捉え方は,いわば職権主義的手続を本質とするものであるから,原告の代表者の出席を確保すべき職権主義的手続を尽くす必要があるというべきであり,本件意見聴取手続には代表者の出席確保に問題があり,違法である。 (エ) 本件意見聴取手続において,主宰者が指定しようとする理由及び警戒区域として定めようとする区域を聴取官に朗読させる際に,これらの事実を裏付ける証拠の提示あるいは朗読がされた形跡がない。職権主義的な意見聴取手続において意見を聴取することにより処分の適正を図る目的を達成するためには裏付け資料の提示等は必須であり,かかる手続がされていない以上,朗読手続にも瑕疵があり,違法である。 (オ) 本件意見聴取手続において,原告の代理人が意見陳述を始めたところ,聴取官が「今回の意見聴取の場は,特定危険指定暴力団に工藤會を指定する理由についていう場であり,代理人の長い話はそれに当てはまらない部分も多々ありましたので,こちらから何点か質問させてもらいます。」と述べて同代理人の意見陳述を妨害したのであり,同聴取官は同代理人に何も聴いていないのであって,まさに意見陳述妨害であり,違法である。 (カ) 本件意見聴取手続において,聴取官は,「5年以内の事件は1件しかなく,それより前の事件も入れているのはおかしいという主張ですが,今回の暴対法30条の8第1項に 述妨害であり,違法である。 (カ) 本件意見聴取手続において,聴取官は,「5年以内の事件は1件しかなく,それより前の事件も入れているのはおかしいという主張ですが,今回の暴対法30条の8第1項による指定については,指定の段階において,それ以前の行為の要件該当性を判断するものであり,期限は定めておりません」と述べているが,際限なく事案を選択することができるものであり,基準が存在しないのであって,このような処分行政庁による事案の選択は違法である。 (キ) 本件意見聴取手続において,聴取官は,「事務所の使用制限につい ては,そもそも,指定をする理由についての意見聴取ですから,この場では言えないということです。」と自らの意見を述べているが,事務所の使用制限については意見聴取規則22条3項の「事案の範囲」の発言であり,聴取官がこれに関する意見陳述を妨害することは,意見聴取権の侵害であり,違法である。 (ク) 本件意見聴取手続において,聴取官は,「他団体との比較ですが,この場は五代目工藤會についての意見聴取ですから他団体のことはお答えできません。」と述べているが,他団体との比較において五代目工藤會に特定危険指定処分をすることの是非を意見として述べているのであるから,意見聴取規則22条3項の「事案の範囲」内の発言である。被告による処分の適正を目的とする意見聴取手続においては当事者に対して適切な手続の説明と意見に対する応答が行われなければならないことは手続の性格上当然であるから,聴取官にはこれに対する応答義務があり,これを拒否することは違法である。 (ケ) 本件意見聴取手続において,聴取官は,「本意見聴取は憲法議論をする場ではございません。」と述べているが,原告の代理人の憲法的な疑問については,意見聴取規則22条3項の「事案の範囲 である。 (ケ) 本件意見聴取手続において,聴取官は,「本意見聴取は憲法議論をする場ではございません。」と述べているが,原告の代理人の憲法的な疑問については,意見聴取規則22条3項の「事案の範囲」内にあるから,当然ながら上記(ク)と同様これに対する応答義務があるのであり,聴取官には応答義務に違反した違法がある。 (コ) 本件意見聴取手続の主宰者は,証拠調べを開始する際に,原告の代理人に対して意見を裏付ける証拠の有無を尋ね,同代理人は意見書を提出したが,委員長は,これを証拠として扱うべきであったにもかかわらず,証拠として扱わず,意見陳述書として扱ったものである。意見聴取規則28条により代理人に対して証拠の提出を求め,代理人がこれを提出し,同規則33条の却下事由が存在しないにもかかわらずこれを証拠として採用していない。主宰者は当事者に対して証拠の申 出の意義等を説明する義務があるにもかかわらずこれを怠り,意見聴取の結果を記載した調書(乙37)に提出された証拠について「なし」と記載したことは虚偽であり,証拠提出の機会を奪った違法がある。 (サ) 本件意見聴取手続において,原告の代理人は,指定しようとする理由の事件について工藤會の犯行に間違いない旨述べたことはないにもかかわらず,同手続の結果を記載した調書(乙37)には原告の代理人の意見としてその旨述べたことが記載されており,同規則36条の調書作成に際して虚偽の記載を行った違法があり,実質的に原告の意見を聴取していなかったものといわざるを得ないし,同手続はわずか39分間しか行われておらず,実質的に意見聴取が行われたとはいえない。 ウ書証の成立の真正について被告が本件処分を基礎付ける証拠として提出した書証のうち,作成名義人が黒塗りであるもののすべて,その内容が黒塗りであ らず,実質的に意見聴取が行われたとはいえない。 ウ書証の成立の真正について被告が本件処分を基礎付ける証拠として提出した書証のうち,作成名義人が黒塗りであるもののすべて,その内容が黒塗りであるものの一部については成立の真正を否認する。具体的には乙14の1及び2,15の1~15の4,16の1及び2,17の1~17の3,18の2,19の1及び2,20の1~20の3,21の1~21の4,22の1~22の3(枝番を含む。ただし,22の2の3,22の3の5を除く。),23の1及び2,24の1~24の6,25の1及び2(枝番を含む。),26の1~26の25(枝番を含む。ただし,26の23の1を除く。),27の1~27の23(枝番を含む。),28の1~28の3,29,33の1及び2,34の1,35,36の1~36の3についての成立の真正を否認する。 被告は,上記各書証について公文書であるから民訴法228条2項により成立の真正が推定される旨主張するが,同項の趣旨は,公務員がその職務権限に基づいて職務上作成する公文書には官公署の用紙が用いら れ,作成者である官公署あるいは作成者の官職氏名が明確にされた上,官公署の調印が押されるのが原則であるという経験則に基づくものであるところ,本件において被告が提出した上記各書面は通常のコピー用紙を用いて作成された写しにすぎず,官職は記載されているものの作成名義人が黒塗りにされて不明であり,写しに現れている記載内容が黒塗りにされているものがあるのであり,組織犯罪対策課の警察官によって作成されたか明らかではなく,このような状態の書面が民訴法228条2項による成立の真正の推定を受けることはない。文書が作成名義人の意思に基づくものであるか否かは,当該名義人が明示され特定されているか否かによって決まるの なく,このような状態の書面が民訴法228条2項による成立の真正の推定を受けることはない。文書が作成名義人の意思に基づくものであるか否かは,当該名義人が明示され特定されているか否かによって決まるのであり,挙証者の主張により定まるものではない。 そもそも黒塗りによる証拠と称するものを提出することは原告の主張立証の妨害である。 (6) 暴対法30条の8第2項の合憲性(本案の争点4)(原告の主張)ア暴対法30条の8第2項は,公安委員会が「必要と認めるとき」に指定期限の延長処分を行うことができる規定であり,延長の要否の判断は公安委員会により行われることとなるのであり,暴対法3条の指定の要件,同法30条の8第1項の特定危険指定の要件該当性を認定しないまま同法3条に基づく指定要件,同法30条の8第1項に基づく特定危険指定の要件を擬制して期限の延長をするものであり,期限の延長により結社の弱体化を招来するものであるから,憲法21条1項の結社の自由を侵害する。 イまた,行政行為(処分)の必要性の判断は,三権分立の下,裁判官による司法的チェックが必要であり,暴対法30条の8第2項に基づく指定期限の延長処分においてもかかる司法的チェック及び当事者である特 定危険指定処分を受けている暴力団の手続への関与が必要とされるところ,このような手続が規定されておらず,単に「必要と認めるとき」と規定し,その判断を公安委員会のみの判断に委ねているのであるから,憲法31条が規定する適正手続条項に違反する。 (被告の主張)ア憲法21条違反の主張について(ア) 暴対法30条の8第2項は,特定危険指定処分の指定の有効期間が経過した後において,「更にその指定の必要があると認めるとき」に指定期限延長処分を行うことができる旨定めるものであり,同条 いて(ア) 暴対法30条の8第2項は,特定危険指定処分の指定の有効期間が経過した後において,「更にその指定の必要があると認めるとき」に指定期限延長処分を行うことができる旨定めるものであり,同条項にいう「その指定」とは特定危険指定処分を意味するから,「更にその指定の必要があると認めるとき」とは,指定の有効期間が経過した後においても,特定危険指定処分の要件が満たされていると認められる場合を意味する。そして,特定危険指定処分の要件は,①「暴力行為要件」及び②「おそれ要件」であり(暴対法30条の8第1項),このうち,①は過去の事実であって,時間の経過に伴って変動することはあり得ないから,指定期限延長処分の際にその存否を改めて確認する必要はない一方,上記②については,時間の経過に伴って変動することがあり得ることから,指定期限延長処分の際にはその存否を改めて確認する必要があり,「更にその指定の必要があると認めるとき」とは,指定の有効期間が経過した後においても,上記②の要件が満たされると認められる場合を意味する。 したがって,指定期限延長処分は暴対法30条の8第2項の要件を満たした場合に行われるものであるから,同法30条の8第1項の特定危険指定処分の要件を擬制するものではない。 また,暴対法3条による指定は指定期限延長処分とは別個に処分行政庁による判断が行われることが予定されているのであるから(同法8条 1項,30条の8第7項),指定期限延長処分をすることにより同法3条に基づく指定が自動的に継続されるという関係にはなく,同法3条の指定の要件を擬制するものではない。 したがって,暴対法30条の8第2項は,原告が主張するような同法3条に基づく指定及び同法30条の8第1項に基づく特定危険指定の自動更新条項であるとはいえず,原告の主 の要件を擬制するものではない。 したがって,暴対法30条の8第2項は,原告が主張するような同法3条に基づく指定及び同法30条の8第1項に基づく特定危険指定の自動更新条項であるとはいえず,原告の主張はその前提を欠く。 (イ) 上記(ア)の点を措くとしても,最高裁判例は,基本的人権を規制する規定等の合憲性を審査するに当たっては,表現の自由を中心とする精神的自由の制約につき厳格な審査基準が妥当する二重の基準の理論の考え方に基礎を置いているが,具体的な違憲審査の方法ないし基準としては,それを明示するかどうかは別にして,一定の利益を確保しようとする目的のために制限が必要とされる程度と,制限される自由の内容及び性質,これに加えられる具体的制限の態様及び程度等を具体的に比較衡量するという利益衡量論を採用しているところ,暴対法30条の8第2項について見るに,指定期限延長処分は,特定危険指定暴力団等の指定暴力団員等が暴力的要求行為等に関連して凶器を使用して人の生命又は身体に重大な危害を加える方法による暴力行為を更に反復して行うおそれがあることが要件となり,このようなおそれがあるという緊迫した状況下においては,一般市民の生命身体が害されることを防止するため,指定暴力団に対して3条指定処分よりも強度の規制を行う必要性が極めて高いことは明らかである。 他方で,指定期限延長処分の効果は,特定危険指定処分の効力が継続されるというものであり,特定危険指定処分の効果は,上記(4)の被告の主張ア(ウ)a(b)のとおりであり,さらに,おそれ要件が消滅すれば,特定危険指定処分は取り消されることとされている(暴対法30条の12第1項)。 特定危険指定処分により制限される権利利益の内容及び性質は,そもそも要保護性が認められないか,認められたとしても極めて 処分は取り消されることとされている(暴対法30条の12第1項)。 特定危険指定処分により制限される権利利益の内容及び性質は,そもそも要保護性が認められないか,認められたとしても極めて低いものである。そして,規制の態様及び程度は上記のとおりであり,警戒区域における一般市民の生命身体を保護するという規制目的との関係で過度なものとは到底いえず,合理的な規制の態様及び程度のものである。したがって,暴対法30条の8第2項の規定は,憲法21条1項に違反しない。 イ憲法31条違反の主張について指定期限延長処分においては,事前に原告のいう「司法的チェック」及び指定暴力団等の手続への関与はないが,このことにより憲法31条に違反することはない。すなわち,憲法31条が定める法定手続の保障と行政手続との関係については,一般に,行政手続は,刑事手続とその性質においておのずから差異があり,また,行政目的に応じて多種多様であるから,行政処分の相手方に事前の告知,弁解,防御の機会を与えるかどうかは,行政処分により制限を受ける権利利益の内容,性質,制限の程度,行政処分により達成しようとする公益の内容,程度,緊急性等を総合較量して決定されるべきものであって,常に必ずそのような機会を与えることを必要とするものではないと解するのが相当である(最高裁平成4年7月1日大法廷判決)とされている。 これを暴対法30条の8第2項について見るに,指定期限延長処分により制限される権利利益の内容,性質は,上記アのとおりであり,そもそも要保護性が認められないか,認められたとしても極めて低いものであり,他方,指定期限延長処分により達成しようとする公益の内容,程度,緊急性等は,暴力的要求行為等に関連して凶器を使用して人の生命又は身体に重大な危害を加える方法による暴力行 しても極めて低いものであり,他方,指定期限延長処分により達成しようとする公益の内容,程度,緊急性等は,暴力的要求行為等に関連して凶器を使用して人の生命又は身体に重大な危害を加える方法による暴力行為を行うおそれがあるという緊迫した状況下における一般市民の生命身体であって,これが極 めて重要なものであることは明らかである。また,上記のおそれが存在する緊迫した状況下においては,一般市民の生命身体を保護するため,特定危険指定処分の効力を切れ目なく存続させる必要がある。加えて,上記の達成しようとする公益の重要性及び暴対法30条の8第2項が指定の期限の延長について定めていることに鑑みれば,特定危険指定処分の制度は,特定危険指定処分を受けた指定暴力団等について前述したおそれが存続する限り,同処分の効力を存続させることが制度上当然に予定されており,このことは,同処分の名宛人である指定暴力団等においても当然に予測し得る事柄である。そして,このような制度であることを前提として,特定危険指定処分を行う際には,公開による意見聴取を行うことが要求されており(暴対法30条の8第4項,5条),これにより処分の名宛人の手続的権利を保障しているところである。 したがって,以上の事情を総合衡量すれば,特定危険指定処分を行う際に加えて,指定期限延長処分をする都度,その相手方に事前の告知,弁解,防御の機会を与えることが必要であるとはいえないのであるから,かかる機会を保障していないとしても,憲法31条に違反するものではない。 (7) 本件延長処分1の適法性(本案の争点5)(被告の主張)暴対法30条の8第2項による指定期限延長処分の要件は上記(6)の被告の主張のとおりであるところ,以下のアないしウの事情によれば,本件処分の指定期限である平成25年12月 点5)(被告の主張)暴対法30条の8第2項による指定期限延長処分の要件は上記(6)の被告の主張のとおりであるところ,以下のアないしウの事情によれば,本件処分の指定期限である平成25年12月26日以降においても原告の構成員による更なる要件該当暴力行為が繰り返されるおそれがあり,本件処分の効力を存続させる必要があることが明らかであるから,「更にその指定の必要があると認めるとき」(暴対法30条の8第2項)との要件を満たし,かかる実態が1年未満で解消される見込みがあるとは認められないから,指定の期限の 延長期間を1年間として行った本件延長処分1は適法である。 ア本件処分後の事情変更がないこと上記(5)の被告の主張のとおり,原告は,平成12年1月から本件処分直前までの間,原告の構成員が長期にわたって反復して要件該当暴力行為を敢行し,また,銃器,手りゅう弾等の高度の殺傷能力のある凶器で武装している実態が認められ,さらに,暴力的要求行為等及び請求妨害行為を継続的反復的に敢行していたなどの事情が認められ,かかる事情に鑑みれば,原告の構成員が要件該当暴力行為を行うおそれについて事情の変更がないと認められるのであれば,本件処分の有効期間が経過した後も原告の構成員が要件該当暴力行為を行うおそれが高いと考えられるところ,本件処分以降,そのような事情の変更がない。 イ本件処分以降の要件該当暴力行為及び暴力的要求行為の敢行原告の構成員であるABは,平成25年2月7日午前零時15分頃,上記ABが原告の構成員であることを知っており,原告の縄張内である北九州市b区内で飲食店を営んでいた被害者に対し,「おまえ,けつ持ち変えたらしいな。」,「何で田口組にけつ持ちをさせないのか。」,「半分は親方に払うのが筋やないか。」,「20万でも30万でも である北九州市b区内で飲食店を営んでいた被害者に対し,「おまえ,けつ持ち変えたらしいな。」,「何で田口組にけつ持ちをさせないのか。」,「半分は親方に払うのが筋やないか。」,「20万でも30万でも絶対払えよ。」などと申し向け,さらに,同月8日午後7時2分頃,同市内又はその周辺で,被害者に対し,電話で,「頭の顔潰すんか。」,「俺たちにけつ持ちさせろ。」,「半分でも入れるのが筋やろが。」などと申し向け,上記ABが指定暴力団員であることを認識している被害者に対して上記ABが暴力団員であることを再認識させて「原告の威力を示し」,「縄張内で営業を営む者に対し,その営業を営むことを容認する対償として金品等の供与を要求」したものであり,上記ABの行為は,暴対法9条4号の暴力的要求行為に該当するところ,被害者は要求に応じなかったから,同法30条の8第1項1号の要件に該当する。 そして,上記要求行為から約4時間後という極めて近接した時間帯である同日午後11時頃,上記ABは,北九州市b区内の駐車場において,原告の構成員であるACが乗車する自動車の後部座席に被害者を乗車させ,被害者の顔面を1回蹴り,さらに,翌9日午前零時頃,上記AB及び上記ACは,同市h区内の民家の南方にある共用階段踊り場付近において,被害者の全身を木製バットや拳で多数回殴る暴行をそれぞれ加えて,被害者に加療約102日間を要する左尺骨骨折,頭部・顔部打撲,左眼瞼挫創の傷害を負わせたのであるから,指定暴力団員が暴力的要求行為に関連して凶器を使用して人の生命又は身体に重大な危害を加える方法による暴力行為を行ったものに該当し,暴対法30条の8第1項の暴力行為要件に該当することは明らかである。 ウ暴力的要求行為の敢行状況要件該当暴力行為が発生した場合において,当該指定暴力団 方法による暴力行為を行ったものに該当し,暴対法30条の8第1項の暴力行為要件に該当することは明らかである。 ウ暴力的要求行為の敢行状況要件該当暴力行為が発生した場合において,当該指定暴力団等の他の構成員がその暴力団の縄張において暴力的要求行為を行ったりしている状況は,今後もこれらの暴力的要求行為等を敢行し,これに関連して要件該当暴力行為を行うおそれがあることを示すものといえるところ,本件処分から本件延長処分1の直前までの間に,上記イのABによる暴力的要求行為のほか,①原告の構成員であるADは,平成25年7月10日午後零時30分頃,福岡県京都郡i町において,上記ADが原告の構成員であることを知っていた被害者に対し,「俺は今,情けない事にヤクザしてます。だから,俺の様な者が仲々顔も出しにくい。」,「私達の様な世界は今とても厳しです。」,「お金を借して下さい。金額が一○○万円と大きいのでサラリーマンでは無理ですからネ!」,「私この一○○万円がないと生きる事が出来ないのです。」,「返済は一月一○万の十回払いと言う事にして呉れれば助かります。」,「十一日は私当番となってますので十日か十二日都合の良い日に連絡呉れたら私がiに 出て行きます。」などと記載した手紙1通を,自己の配下である原告の構成員を介して手渡し,もって,原告の威力を示して,金銭貸付業者以外の者に対してみだりに金銭の貸付けを要求するという暴対法46条3号違反で検挙された暴力的要求行為を敢行している上,②原告の構成員に対して暴力的要求行為に係る中止命令が2件発出されているし,③原告の構成員であるAEがAEが原告の構成員であることを知っていた被害者に対して原告の威力を示してみだりに金品等の供与を要求した暴力的要求行為に該当する恐喝事件及び原告の構成員であるAFがA し,③原告の構成員であるAEがAEが原告の構成員であることを知っていた被害者に対して原告の威力を示してみだりに金品等の供与を要求した暴力的要求行為に該当する恐喝事件及び原告の構成員であるAFがAFが原告の構成員であることを知っていた被害者らに対して原告の威力を示してみだりに金品等の供与を要求した暴力的要求行為に該当する恐喝事件の2件の暴力的要求行為に該当する恐喝事件が敢行されている。 エその他の事情(ア) 本件処分から本件延長処分1までの間に原告の構成員であるAEによる報復等目的の暴力行為により被害者に傷害を負わせるという事案が発生しており,かかる事実は原告の構成員がその要求を貫徹するためには人の身体を負傷させてもかまわないという傾向を有していることを示しており,原告において繰り返し要件該当暴力行為を行うおそれがある一事情と評価することができる。 (イ) また,本件延長処分1の直前の時点における原告の代表者等15名のうち14名は平成12年1月から本件処分直前までに発生した要件該当暴力行為の際にも原告の代表者等であること,15名は上記イの暴対法30条の8第1項の暴力行為要件に該当する行為が行われた際にも原告の代表者等であったこと,平成12年1月から本件延長処分1の直前までの間に発生した要件該当暴力行為を含む報復等目的の暴力行為34件に関与し,本件延長処分1の直前の時点において生存している40名のうち,33名(約83%)は,同時点においても引き 続き構成員であったこと等,原告の代表者等にほぼ変更がなく,かつ,要件該当暴力行為に関係した者のほとんどが引き続き構成員であるという事実等に照らせば,原告において繰り返し要件該当暴力行為を行うおそれを示しているものといえる。 (原告の主張)本件延長処分1は,暴対法30条 為に関係した者のほとんどが引き続き構成員であるという事実等に照らせば,原告において繰り返し要件該当暴力行為を行うおそれを示しているものといえる。 (原告の主張)本件延長処分1は,暴対法30条の8第2項の「更にその指定の必要があると認めるとき」の要件を満たさないから,本件延長処分は違法である。 原告に対して本件延長処分1がされた時点においては,本件処分時と比較して明らかに事件数は減少しており,本件延長処分1の時点において特定危険指定処分を維持する必要性は認められない。 また,本件延長処分1の原因とされた上記被告の主張イの原告の構成員であるAB及びACによる暴力的要求行為を拒絶した飲食店経営者に対する殴打行為,上記被告の主張ウの原告の構成員であるADによる金銭貸付けの要求行為は,単純なしのぎの問題にすぎず,原告による指示があったり原告が何らかの関与をしたわけではなく,組織関与や名称利用はないのであり,原告の威力を示したという要件に該当せず,上記各事案を本件延長処分1の原因とすることは失当であり,同処分はその必要性がないから,違法である。 (8) 本件延長処分2の適法性(本案の争点6)(被告の主張)暴対法30条の8第2項が憲法21条1項及び31条に違反するものではないことは上記(6)の被告の主張のとおりであるし,指定期限延長処分の要件は,「当該指定の有効期間が経過した後において更にその指定の必要があると認めるとき」であり(暴対法30条の8第2項),上記(6)の被告の主張のとおり,その意義は,指定の有効期間が経過した後においても,おそれ要件 が満たされると認められる場合を意味するところ,原告については,下記アないしウの事情を総合すると,本件延長処分1によって延長された指定の期限である平成26年12月26日以降にお それ要件 が満たされると認められる場合を意味するところ,原告については,下記アないしウの事情を総合すると,本件延長処分1によって延長された指定の期限である平成26年12月26日以降においても,原告の構成員による更なる要件該当暴力行為が繰り返されるおそれがあり,本件処分の効力を存続させる必要があることが明らかであるから,本件延長処分2は,指定期限延長処分の要件を満たし,かかる実態が1年未満で解消される見込みがあるとは認められないから,指定期限の延長期間を1年間として本件延長処分2を行ったのであり,同処分は適法である。 ア上記(7)の被告の主張のとおり,本件延長処分1以降,原告の構成員が要件該当暴力行為を行うおそれについて事情の変更がない。 イ本件延長処分1以降の暴力的要求行為の敢行本件延長処分1から本件延長処分2の直前までの間に①原告の構成員に対して暴力的要求行為に係る中止命令が1件発出されているほか,②原告の構成員であるAGが,被害者に携帯電話機等を購入させた上,それらを同人から脅し取ろうと考え,平成26年8月9日,福岡市j区内の公園において,被害者に対し,「自分はヤクザで工藤會の者です。」,「こういうのも彫っています。」などと言い,同人に対し,着衣の胸元から入れ墨を示した上,「今から○○行けますか。」,「携帯電話を契約して欲しいんですよ。」などと言い,さらに,福岡市f区内において,同人に対し,「自分の知り合いのところで売れるんですよ。」,「終わったら渡して下さい。」などと申し向けて携帯電話機等の交付を要求して携帯電話機等4点を喝取し,もって,原告の威力を示して,人に対してみだりに金品等の贈与を要求したという暴力的要求行為に該当する恐喝事件が1件敢行されている。 ウその他の事情(ア) 本件延長処分1から 機等4点を喝取し,もって,原告の威力を示して,人に対してみだりに金品等の贈与を要求したという暴力的要求行為に該当する恐喝事件が1件敢行されている。 ウその他の事情(ア) 本件延長処分1から本件延長処分2までの間に原告の構成員である AHによる報復等目的の暴力行為により被害者に傷害を負わせるという事案が発生しており,かかる事実は原告の構成員がその要求を貫徹するためには人の身体を負傷させてもかまわないという傾向を有していることを示しており,原告において繰り返し要件該当暴力行為を行うおそれがある一事情と評価することができる。 (イ) また,本件延長処分1から本件延長処分2までの間の平成26年9月1日,北九州市b区内において,原告の構成員であるAIが,自動装てん式けん銃1丁をこれに適合する火薬類であるけん銃実包26発と共に保管して所持した原告の構成員が敢行した銃器,手りゅう弾その他高度の殺傷能力のある凶器等の所持又は使用に係る事件が1件発生しており,本件延長処分1以降も,原告の構成員が高度な殺傷能力のある凶器を所持して武装している上記事実は,このような凶器を使用して敢行される要件該当暴力行為が繰り返し行われるおそれを推認させるものである。 (ウ) さらに,本件延長処分2の直前の時点における原告の代表者等15名のうち全員が平成12年1月から本件延長処分2の直前までに発生した要件該当暴力行為の際にも原告の代表者等であること,本件延長処分2の直前の時点における原告の代表者等15名のうち全員が,本件延長処分1の時点にも原告の代表者等であったこと,平成12年1月から本件延長処分2の直前までの間に発生した要件該当暴力行為を含む報復等目的の暴力行為35件に関与し,本件延長処分2の直前の時点において生存している原告の構成員41名のう あったこと,平成12年1月から本件延長処分2の直前までの間に発生した要件該当暴力行為を含む報復等目的の暴力行為35件に関与し,本件延長処分2の直前の時点において生存している原告の構成員41名のうち,33名(約80%)は,同時点においても引き続き構成員であったこと等,原告の代表者等にほぼ変更がなく,かつ,要件該当暴力行為等に関係した者のほとんどが引き続き構成員であるという事実等に照らせば,原告において繰り返し要件該当暴力行為を行うおそれを示しているものとい える。 (エ) さらに,①平成10年2月18日に暴対法9条2号又は5号に該当する暴力的要求行為を被害者の親族等が拒絶したことから北九州市b区内において拳銃を使用した殺人事件が敢行されており,要件該当暴力行為に該当するものであるところ,平成26年10月2日に原告の総裁であるC及び原告の会長であるAJが同事件の共犯として起訴されており,原告の代表者等が過去に要件該当暴力行為を敢行した者であることが認められたほか,②平成25年1月28日に福岡市f区内において発生した刃物使用の殺人未遂事件について,上記C及びAJらがいわゆる組織的な殺人罪(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反4条,3条1項7号)により起訴されているところであるが,かかる事実は,原告が一般市民に対して凶器を用いて生命身体に対する重大な加害行為を行うことを裏付けている。 (原告の主張)上記(6)の原告の主張のとおり,本件延長処分2の根拠となる暴対法30条の8第2項は憲法21条及び31条に違反する上,本件延長処分2の要件である暴力的要求行為の該当性については,原告の指示があったり,原告が何らかの関与をしたり,原告の威力を示す等の要件該当性はなく,本件延長処分2の必要性は認められないから,同 ,本件延長処分2の要件である暴力的要求行為の該当性については,原告の指示があったり,原告が何らかの関与をしたり,原告の威力を示す等の要件該当性はなく,本件延長処分2の必要性は認められないから,同処分は違法である。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実証拠(各項目末尾掲記のもの)及び弁論の全趣旨によれば,次の各事実を認めることができる。 (1) 暴対法の制定及び改正経緯等ア暴対法の制定経緯(ア) 広域暴力団の拡大,寡占化 全暴力団の構成員及び準構成員(暴力団の構成員ではないが,暴力団と関係を持ちながら,その組織の威力を背景として暴力的不法行為等を行う者,又は暴力団に資金や武器を供給するなどして,その組織の維持運営に協力若しくは関与する者をいう。)のうち主要な広域暴力団である山口組,稲川会及び住吉連合会(現住吉会)の3団体の構成員等が占める割合は昭和56年においては約2割であったが,その後,上記3団体を始め広域暴力団の勢力の拡大が著しく,全暴力団勢力がほぼ横ばい状態あるいは微減ないし微増傾向で推移しているにもかかわらず,これらの団体による暴力団の寡占化が急速に進行し,全暴力団の構成員等の数の約半数を占めるに至り,上記3団体にその余の広域暴力団を含めた構成員等の数は全暴力団の構成員等の数の80%を上回った。 広域暴力団の勢力の拡大は,主に,地方の中小の暴力団を系列下に収め,又はその構成員を吸収することによって行われ,地方の中小の暴力団は,広域暴力団の傘下に入らなければ容易に資金を獲得できない状態に陥り,他方,広域暴力団にとっては,勢力を拡大し,組織の威力を増大させて更に資金獲得活動等を活発化させ得るという点において,双方の利害が一致し,この相乗的効果により,広域暴力団の拡大,寡占化が一層進行し,広域暴力団の 団にとっては,勢力を拡大し,組織の威力を増大させて更に資金獲得活動等を活発化させ得るという点において,双方の利害が一致し,この相乗的効果により,広域暴力団の拡大,寡占化が一層進行し,広域暴力団の組織の威力が増大するという状況にあり,暴力団の社会,経済に与える影響は大きくなった。 (乙1の14頁ないし16頁,143頁,2の9頁ないし12頁,25頁,26頁,弁論の全趣旨)(イ) 暴力団員による民事介入暴力行為の増加上記(ア)の広域暴力団の勢力の拡大,寡占化により,構成員が,暴力団の威力を背景にこれを利用し,民事上の権利者や一方当事者,関係者の形を採って一般市民の日常生活又は経済取引に介入,関与して違法,不当な利益の獲得を図ろうとするいわゆる民事介入暴力を行うこと(民事 介入暴力行為)が容易になった。暴力団員による民事介入暴力行為に関して都道府県警察が受理した相談件数は,昭和56年には9665件(うち検挙件数は1207件)であったが,平成2年には相談受理件数は2万2844件(うち検挙件数3052件)に増加しており,これらの民事介入暴力行為は手口が巧妙になっていることから,検挙による被害の拡大防止の対象とならない事例が多く,一般市民がこれらによる被害を甘受せざるを得ない状況となっていた。そして,暴力団員から民事介入暴力行為を受けた被害者は執拗に要求・暴行を受けるなどし,家族に累が及ぶことや要求が際限なく続くこと,将来にわたる暴行・脅迫等の不安を感じる等の精神的な苦痛を受けていた。 一方で,暴力団の威力を利用することにより民事問題の解決を図ろうとして,暴力団員に対し,債権取立て,交通事故の示談交渉,不動産賃貸借のトラブルの解決等の日常生活に身近な事項を依頼する者も少なからず存在し,暴力団の活動が一般市民にまで及ぶなどし 題の解決を図ろうとして,暴力団員に対し,債権取立て,交通事故の示談交渉,不動産賃貸借のトラブルの解決等の日常生活に身近な事項を依頼する者も少なからず存在し,暴力団の活動が一般市民にまで及ぶなどしていた。 (乙1の19頁ないし26頁,144頁ないし149頁,150頁,2の12頁ないし17頁,3の116頁,117頁,4,弁論の全趣旨)(ウ) 暴力団間の対立抗争事件の多発暴力団は,その組織の拡大又は縄張・資金源の拡大・維持のために,他の暴力団との間の対立抗争を引き起こしてきており,単に暴力団相互間における殺傷被害の発生にとどまらず,一般市民に対する多大の恐怖感や不安感を与えてきたが,上記(ア)の広域暴力団の拡大,寡占化の結果,これらの団体間において抗争が発生した場合には,その対立抗争は全国的かつ長期間にわたるだけでなく,続発する危険性を伴う状況になっていた。 暴力団の対立抗争は,昭和60年に全国的な規模で多発した山口組と一和会との対立抗争(同年の対立抗争の総発生回数293回)が終結し た後においても,平成元年には156回,平成2年には146回も発生する等毎年頻繁に発生していた。当時の対立抗争は,80%を超える抗争事件で拳銃等の銃器が使用されており,組員1人につき拳銃1丁といわれるほどに,暴力団の間に大量の拳銃が普及している状況にあったため,暴力団事務所付近の住民に多大な不安を与えるとともに,児童の通学路の変更,商店街の客足の減少等,市民の日常生活に甚大な影響を与えていた。また,暴力団事務所付近の民家に銃弾が撃ち込まれる事件が多数発生し,対立抗争の巻き添えにより市民が死傷する事件も昭和60年から平成2年までの間に8件発生する(うち平成2年に発生した3件は,暴力団員により一般市民が対立抗争の巻き添えにより射殺された死 多数発生し,対立抗争の巻き添えにより市民が死傷する事件も昭和60年から平成2年までの間に8件発生する(うち平成2年に発生した3件は,暴力団員により一般市民が対立抗争の巻き添えにより射殺された死亡事件)等市民の対立抗争の巻き添え被害も発生していた。 さらに,暴力団相互間の対立抗争が発生した場合,警察による構成員の検挙,暴力団に対する警告等,警察官による暴力団事務所周辺の警戒等を行うものの,必ずしも対立抗争を終結させることはできず,長期間にわたり対立抗争が続くことも少なくなかった。一方,暴力団は,対立抗争に参加した構成員を賞揚する措置を執っているため,対立抗争が発生した場合には,服役することになっても,対立抗争に参加するという考えの構成員がほとんどであり,このことが対立抗争の激化,長期化の一因となっていた。 (乙1の23頁ないし26頁,163頁,164頁,2の13頁,16頁,弁論の全趣旨)(エ) 暴力団に対する世論警察庁が民間調査機関に委託して,平成元年に一般市民3000人を対象に行ったアンケート調査(有効回答数2163人)の結果では暴力団が社会的に必要がないと回答した者が全体の81.6%,暴力団を作ることを法律により規制することを望む者が全体の73.9%を占めて いた。また,平成3年2月から3月に行ったアンケート調査の結果でも,暴力団に対する新たな規制法を制定する必要があるとした者及び国・自治体への要望として暴力団員の民事介入暴力行為を禁止してほしいとする者が,いずれも90%を超えていた。(乙1の31頁,32頁,165頁ないし171頁,2の50頁ないし57頁,弁論の全趣旨)(オ) 暴対法の制定経緯及び審議の経過a暴対法の制定経緯警察による暴力団取締りに対し,暴力団は,民事介入暴力行為や企業対象暴 5頁ないし171頁,2の50頁ないし57頁,弁論の全趣旨)(オ) 暴対法の制定経緯及び審議の経過a暴対法の制定経緯警察による暴力団取締りに対し,暴力団は,民事介入暴力行為や企業対象暴力行為等により暴対法制定前の法令では必ずしも犯罪として検挙し得ないようなグレーゾーンでの資金獲得を図るなどの対抗手段を執るなどしていた上,広域暴力団の拡大,寡占化に伴う対立抗争による一般市民の不安等も増大した。このような暴力団情勢の変化,変質に鑑み,新たな暴力団対策の必要性が行政及び国民の双方に認識されるようになり,警察庁においては,暴対法制定前の法令では規制対象とならなかった暴力団員による各種の不当な行為を規制していくべきであるとの結論に達し,①暴力団員による非犯罪的不当行為を行政命令によって規制すること,②警察としての治安責任を果たすために,暴力団相互間の対立抗争が発生した場合に,現在の緊急事態に対処する最低限度の対策を行政的手法によって行うこと,③民間における暴力団追放運動の促進を図る機構(暴力団追放運動推進センター)を整備することを基本的な内容とする新法案を作成し,その成立を図ることとした。(乙1の37頁ないし40頁,弁論の全趣旨)b審議の経過上記aの内容の暴対法の法案は,閣議決定された後,第120回国会において,衆議院に提出されて,衆議院地方行政委員会に付託され,平成3年4月19日,審査の上,同委員会において採決され,同月2 3日,衆議院本会議において全会一致で可決され,参議院に送付された。上記委員会においては,「暴力団の不法,不当な行為による国民の権利,自由への侵害はいまや放置することができない実情にあることに鑑み,関係機関の協力を緊密にし,暴力団の壊滅のための総合的かつ有効な対策を確立することに努める 暴力団の不法,不当な行為による国民の権利,自由への侵害はいまや放置することができない実情にあることに鑑み,関係機関の協力を緊密にし,暴力団の壊滅のための総合的かつ有効な対策を確立することに努めるとともに,本法の的確な運用を含めて暴力団の不当行為及び犯罪の摘発,取締りを強化し,その解体と団員の更生を推進すること」等を政府の留意事項とする附帯決議が付された。また,参議院においては,同院の地方行政委員会に付託され,同月26日,審査の上,同委員会において採決され(衆議院地方行政委員会と同内容の附帯決議が付された。),同年5月8日,参議院本会議において全会一致で可決されて成立し,暴対法は,同月15日に公布され,平成4年3月1日に施行された。(乙5の1~5の6,弁論の全趣旨)c暴対法の内容(a) 暴対法は,一定の要件を満たす暴力団について,その暴力団の構成員が集団的に又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれが大きい暴力団として指定し(同法3条),指定された暴力団(指定暴力団等(同法2条5号))(指定暴力団(同条3号)又は指定暴力団連合(同条4号)をいう。)の構成員(指定暴力団員(同法9条柱書))に対し,暴対法による規制が及ぶものとしている(同法3条及び4条)。そして,暴対法3条は,暴対法の規制対象となる暴力団員(指定暴力団員)を特定するために,社会的に暴力団と認められている団体の特性を要件化し,①同条1号で団体の実質的目的についての要件を定め,②同条2号で暴力団には暴力団員が犯すことの多い犯罪等の行為を行った経歴のある者が著しく多く含まれている事実に着目し,構成員又は幹部の中に一定の比率 を超える犯罪経歴保有者がいる団体であることを要件とし,③同条3号で暴力団を組長等の統制を受けて階層的に構成されてい 著しく多く含まれている事実に着目し,構成員又は幹部の中に一定の比率 を超える犯罪経歴保有者がいる団体であることを要件とし,③同条3号で暴力団を組長等の統制を受けて階層的に構成されている団体であることを要件として定めた。 (b) 指定暴力団員は,暴対法9条(暴力的要求行為の禁止),12条の3(準暴力的要求行為の要求等の禁止),16条(加入の強要等の禁止),17条(加入の強要の命令等の禁止),20条(指詰めの強要等の禁止),21条(指詰めの強要の命令等の禁止),24条(少年に対する入れ墨の強要等の禁止),25条(少年に対する入れ墨の強要の要求等の禁止),29条(事務所等における禁止行為)及び30条の2(損害賠償請求等の妨害の禁止)の各規定に定める行為等を行うことが禁止され,指定暴力団員がかかる禁止行為を行った場合には,都道府県公安委員会は,当該行為を中止すること(又は当該行為が中止されることを確保するために必要な事項)や再発防止等を命ずること等ができるとしている(暴対法11条,12条の2,12条の4,18条,19条,22条,23条,26条,27条,30条,30条の3及び4)。 イ特定危険指定暴力団等の指定等に関する規定の制定経緯(ア) 暴対法改正前の暴力団の情勢平成24年の暴対法改正前においては,暴力団との関係の遮断を図るため,暴力団からのみかじめ料の要求を拒絶した事業者等に対して構成員がその報復として拳銃の発砲,手りゅう弾の投てき,放火といった危険な暴力行為を行う事案(①原告の構成員らが,平成21年11月,原告によるみかじめ料要求に応じなかった山口県内のぱちんこ店に対してガソリンをまいて放火した下記の第6事案,②暴力団構成員らが,平成22年9月,当該暴力団による不当要求に応じなかった名古屋市内の飲食店に対 るみかじめ料要求に応じなかった山口県内のぱちんこ店に対してガソリンをまいて放火した下記の第6事案,②暴力団構成員らが,平成22年9月,当該暴力団による不当要求に応じなかった名古屋市内の飲食店に対してガソリンをまいて放火し,従業員を死亡させた事件等)が 相次いで発生しており,このような暴力団の危険な行為が,事業者等に対する大きな脅威となっていた。暴力団によるとみられる事業者襲撃等の事件は平成19年から平成24年6月までの間に全国で105件発生しており,特に福岡県においては,上記期間に全国で発生した暴力団構成員等による襲撃事件全体の約6割が集中して発生しており,平成22年に発生した事案11件のうち少なくとも3件,平成23年に発生した事案27件のうち少なくとも14件がいずれも同県で発生している。 平成24年6月19日の第180回国会参議院内閣委員会において,平成23年11月に福岡県内で発生した建設会社役員射殺事件,平成24年4月に同県内で発生した元警察官銃撃事件について,いまだ市民が活動している時間帯である夕刻過ぎや通学時間帯である早朝に,住宅街で発生しており,地域住民の生活が不安と恐怖にさらされていること,平成15年に同県内において,暴力団追放運動に積極的に関わっていた飲食店経営者の店に手りゅう弾が投げ込まれて従業員ら11名が重軽傷を負った事案が発生したこと,平成22年から平成23年にかけて,同県内において,暴力団撤去運動のリーダーの自宅に銃弾6発が撃ち込まれるという事案が発生したこと,上記の名古屋市内の飲食店の事件が発生したことなど,市民生活が脅威にさらされている状況やかかる暴力団の凶悪化の傾向が企業による健全な経済活動をも脅かすものであり,暴力団による凶悪な行為の規制について,多くの企業や住民が切実に願っていること となど,市民生活が脅威にさらされている状況やかかる暴力団の凶悪化の傾向が企業による健全な経済活動をも脅かすものであり,暴力団による凶悪な行為の規制について,多くの企業や住民が切実に願っていることなどが指摘された。また,平成24年6月20日の参議院内閣委員会においても,資金獲得を図ろうとする暴力団の意向に沿わない事業者に対する報復などを目的とした暴力行為が多発し,拳銃のほか,手りゅう弾等の殺傷能力の高い武器が使用されるようになった傾向があり,平成23年3月にはガス会社社長宅,電力会社会長宅に対して,平成24年2月には建設会社事務所に対して,手りゅう弾が投てきされる 事件が発生したこと,平成23年から平成24年5月末までの間に33件の暴力団などによると見られる事業者襲撃などの事件が発生し,うち27件が九州で発生したことや,これらの犯行に拳銃や手りゅう弾などが用いられたことが指摘されている。 (乙8~10,11の1及び2,26の8の1及び8の2,弁論の全趣旨)(イ) 平成24年改正前の暴対法の問題点平成24年改正前の暴対法においても,みかじめ料要求を始めとする暴力団の威力を示して行う不当な要求行為(暴力的要求行為・暴対法2条7号)については,同法9条により禁止されてはいたものの,違反した者に対して中止命令等を発出することができるのみであって,命令違反者には罰則があるものの,危険な暴力行為に発展するおそれのある暴力的要求行為等の抑止としては不十分であるという問題があった。また,中止命令等は個別の組員に対して発出されるものであることから,異なる組員によって次々と暴力的要求行為等が行われた場合に対処することが困難であるという問題があった。(乙10の4頁,12の4頁,弁論の全趣旨)(ウ) 暴対法の改正による特定危険指定 ことから,異なる組員によって次々と暴力的要求行為等が行われた場合に対処することが困難であるという問題があった。(乙10の4頁,12の4頁,弁論の全趣旨)(ウ) 暴対法の改正による特定危険指定暴力団等の指定に関する規定の制定に至る経緯等a暴力団の資金獲得行為に伴う市民に対する危害行為が生じている状況の下,福岡県知事,同県公安委員会,北九州市長及び福岡市長は,平成23年4月,警察庁及び国家公安委員会に対して,民間事業者等を襲撃する指定暴力団事務所の使用制限強化等の暴対法の抜本的改正を含む暴力団対策の強化を要請した。警察庁は,これを受けて,暴対法の改正も視野に入れて,有効かつ強力な暴力団対策の在り方を検討するため,憲法,刑法,行政法や民事訴訟法等の関係 学界,法曹界,言論界,関係業界のほか,関係地方公共団体からの有識者合計13名により構成される「暴力団対策に関する有識者会議」(以下「有識者会議」という。)を開催し,上記のような暴力団情勢及び危険な暴力行為に発展するおそれのある暴力的要求行為の抑止が十分でないこと等の平成24年改正前の暴対法の問題点を踏まえ,資金獲得行為等に伴う市民への危害行為を防止するための規制の強化として,指定暴力団員が暴力的要求行為等を行うについて人の生命又は身体に重大な危害を加える方法により暴力行為を行い,さらに同様の暴力行為を行うおそれがあると認められる場合には,都道府県公安委員会がその指定暴力団員が所属する指定暴力団等を特定危険指定暴力団等として指定するとともに,人の生命又は身体を保護するため特に警戒を要する区域を指定するものとし,特定危険指定暴力団の構成員が警戒区域内の事業者等に暴力的要求行為等を行った場合は,命令の発出を待たずにこれを直ちに処罰することができるようにすることなど め特に警戒を要する区域を指定するものとし,特定危険指定暴力団の構成員が警戒区域内の事業者等に暴力的要求行為等を行った場合は,命令の発出を待たずにこれを直ちに処罰することができるようにすることなどを内容とする暴対法の改正骨子案を作成した。 有識者会議は,平成23年10月28日,11月25日及び12月16日の3回にわたり,警察庁から示された上記改正骨子案について検討,議論し,平成24年1月5日,同骨子案について,必要かつ目的にかなったもので,内容も妥当であり,基本的に了承するとして,有識者会議の意見を踏まえて立案されることとなる暴力団対策法の一部を改正する法律案が速やかに成立することを期待する旨記載した報告書を取りまとめた。 (乙10の2頁ないし5頁,14頁,15頁,11の1,12,弁論の全趣旨)b上記の経過を経て,警察庁は,①暴力団員が暴力的要求行為等を 拒絶した相手方等に対して危険な暴力行為を反復して行うおそれがある場合において,そのような暴力行為に発展する危険性のある暴力的要求行為に対する抑止力を高めることにより暴力行為の発生を防止する必要があり,上記のようなおそれがある状況下においては当該暴力団員の所属する暴力団の危険性が市民に認識され,暴力的要求行為そのものが市民に対してより強度の不安と困惑を与える法益侵害性の高いものとなる等といった事情に鑑み,指定暴力団員が暴力的要求行為に関連して危険な暴力行為を行い,かつ,その所属する指定暴力団等の指定暴力団員により更に反復して同様の暴力行為が行われるおそれがあると認められるときなどには,当該指定暴力団等を特定危険指定暴力団等として指定すること(暴対法30条の8)や同指定において警戒区域として定められた区域内で行われる当該指定暴力団等の指定暴力団員による暴力的 られるときなどには,当該指定暴力団等を特定危険指定暴力団等として指定すること(暴対法30条の8)や同指定において警戒区域として定められた区域内で行われる当該指定暴力団等の指定暴力団員による暴力的要求行為等を直ちに処罰の対象とすること(同法46条3号),②暴力的要求行為が行われること自体を抑止する必要性が高まっていることに鑑み,暴力的要求行為の前段階の行為である暴力的要求行為を行う目的で警戒区域内で行われる面会要求等の行為についても規制の対象とすること(同法30条の9),③指定暴力団員が暴力的要求行為を拒絶した相手方等に対して更なる暴力行為を行うことを抑止するため,当該特定危険指定暴力団等の事務所が暴対法30条の8第1項の暴力行為に関し,多数の指定暴力団員の集合の用等に供されており,又はそのおそれがあると認めるときに3か月以内の期間を定めて使用制限命令を発出することができること(同法30条の11)により,当該特定危険指定暴力団等の指定暴力団員への規制を強化することを内容とする暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の一部を改正する法律案を作成した。(弁論の全趣旨) c上記bの法律案は,閣議決定された後,第180回国会に提出され,参議院内閣委員会に付託され,平成24年6月20日,審査の上,同委員会において採決され,同日,参議院本会議において可決された後,衆議院に送付された。そして,同法律案は,衆議院内閣委員会に付託され,同年7月20日,審査の上,同委員会において採決され,同月26日,衆議院本会議において可決され,成立した。 その後,暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の一部を改正する法律(平成24年法律第53号)は,同年8月1日に公布され,一部を除き,同年10月30日から施行された。(乙11の1~1 した。 その後,暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の一部を改正する法律(平成24年法律第53号)は,同年8月1日に公布され,一部を除き,同年10月30日から施行された。(乙11の1~11の5,弁論の全趣旨)(2) 原告に対する3条指定処分,活動拠点等ア原告に対する3条指定処分等原告は,平成4年6月26日,二代目工藤連合草野一家として3条指定処分を受けた後,三代目工藤會,四代目工藤會,五代目工藤會に順次名称を変更しながら,8回にわたり3条指定処分を受けており,平成22年6月22日に7回目,平成25年6月20日に8回目の3条指定処分をそれぞれ受けている。Cは,遅くとも平成12年3月1日以降原告の代表者となっており,本件処分,本件延長処分1及び同2の際にも原告の代表者であった。(乙14の1及び2,弁論の全趣旨)イ原告の活動拠点等原告は,本件処分直前の平成24年11月2日時点において,本件各区域内において,北九州市内に本部事務所を含む,少なくとも32か所の事務所を,福岡市内に4か所の事務所を,行橋市内に少なくとも1か所の事務所を,中間市内に1か所の事務所を,宮若市内に1か所の事務所を,鞍手郡内に1か所の事務所を,遠賀郡内に2か所の事務所を,築上郡内に1か所の事務所を設置している。 また,同月16日時点において,福岡県内の原告の構成員の居住者数は福岡県警察本部暴力団対策部において507名と把握されており(他県居住者数は65名,居宅が判明しなかった者は18名),本件各区域における原告の構成員の居住者について,北九州市内が325名,福岡市内が47名,行橋市内が19名,豊前市内が1名,中間市内が18名,春日市内が9名,宮若市内が4名,遠賀郡内が12名,鞍手郡内が3名,京都郡内が13名,築上郡内が4名 て,北九州市内が325名,福岡市内が47名,行橋市内が19名,豊前市内が1名,中間市内が18名,春日市内が9名,宮若市内が4名,遠賀郡内が12名,鞍手郡内が3名,京都郡内が13名,築上郡内が4名である。 原告は,平成15年から平成24年までの間,上記の平成23年の四代目工藤會から五代目工藤會への組織名称の変更前後を通じ,原告傘下の組事務所において,北九州市(門司区,若松区,戸畑区,小倉北区,小倉南区,八幡東区,八幡西区),行橋市,豊前市,中間市,宮若市,遠賀郡(芦屋町,水巻町,岡垣町,遠賀町),鞍手郡(小竹町,鞍手町),京都郡(苅田町,みやこ町),築上郡(吉富町,上毛町,築上町)を原告の「縄張り」であることを示す「四代目工藤會縄張り一円」と題する資料(地図)を掲示する等している。 (乙13の2,14の1及び2,33の1及び2,34の1及び2,44,58,弁論の全趣旨)(3) 本件処分時までの原告の構成員等による暴力行為等の敢行ア原告の構成員による第1事案ないし第7事案の敢行(ア) 第1事案原告の構成員であるDは,原告の構成員による利用を拒絶しており,かつ,同人が原告の構成員であることを知っていたゴルフ場の幹部職員に対し,「じゃあ,わしらはゴルフはできないとか。」などと言って原告の構成員による同ゴルフ場の利用を要求したが,これを拒絶されたことから,これに対する報復等のため,原告の構成員であるE及びFらが,共謀の上,平成12年10月22日,福岡県京都郡a町内の同ゴルフ場 の支配人方において,支配人に対し,殺意ないし傷害を負わせる意図をもって,短刀様の刃物でその胸部を突き刺したが,支配人を死亡させるに至らなかった。(乙15の1~15の4,弁論の全趣旨)なお,原告は,Dが原告の構成員であったことを否認するが 傷害を負わせる意図をもって,短刀様の刃物でその胸部を突き刺したが,支配人を死亡させるに至らなかった。(乙15の1~15の4,弁論の全趣旨)なお,原告は,Dが原告の構成員であったことを否認するが,証拠(乙15の2,64,65)及び弁論の全趣旨によれば,Dは,平成12年当時,福岡県警察本部暴力団対策部組織犯罪対策課において工藤會田中組内田上組相談役として把握されていたこと,同人が平成21年11月13日にb区役所に生活保護(原則として暴力団員が受給することはできない。)の申請を行った際,上記田中組の若頭の地位にあったAK名義の,上記Dが過去に上記田中組の構成員であったが現在は同組に在籍・活動していないことを証明する旨の文書を提出したことが認められ,これらの事実に照らせば,第1事案を敢行した際にDが原告の構成員であったものと認められ,この認定を覆すに足りる証拠はない。 (イ) 第2事案北九州市b区所在のビルの所有権を競売により取得した特定の組合が,原告の下部組織である工藤會大東亜組が同ビルを組事務所として利用していたことから,弁護士に法的手続を依頼して平成12年12月20日に所有権に基づいて大東亜組に対して同ビルからの退去を求めたところ,原告の構成員(工藤會大東亜組)の組員として活動していたGは,上記組合の退去要求に対する報復のため,平成13年2月18日,北九州市b区内において,同組合の理事長が管理する店舗に普通乗用自動車を突入させ,同店舗出入口シャッターを破損させるなどした。(乙16の1及び2,弁論の全趣旨)(ウ) 第3事案原告の構成員であるHは,北九州市c区内のビルで同ビルのオーナーと賃貸借契約を締結した上でエステ店を営んでいる被害者に対し,同ビ ルからの立ち退きを要求したが,被害者がそれに応じることなく同 の構成員であるHは,北九州市c区内のビルで同ビルのオーナーと賃貸借契約を締結した上でエステ店を営んでいる被害者に対し,同ビ ルからの立ち退きを要求したが,被害者がそれに応じることなく同店の営業を続けたことから,これに対する嫌がらせ等のため,平成14年9月18日,原告の親交者であってHから指示を受けた者と共謀の上,同店が入居する同ビル内に設置されているエレベーター内の床にガソリンを散布の上,所携のライターで点火した紙片を投じてガソリンに引火させ,現に従業員のいる建造物を焼損した。(乙17の1~17の3,弁論の全趣旨)なお,被告は,第3事案につき,Hが被害者に対して「工藤會の方針だから中国人は出てくれ。」と述べて同ビルからの立ち退きを要求した旨主張するが,上記文言を述べたことを裏付ける証拠として被告が提出する乙17の2には,福岡県警察本部暴力団対策部組織犯罪対策課の警部補が部下に作成させたとされる「暴力団関係者検挙連絡」と称する文書において,Hが上記の文言による立ち退き要求の犯罪事実を認めていたことを示す記載があるものの,これを裏付けるHの供述調書等の証拠はない上,乙17の2には,同警部補による第3事案の当時の捜査担当者であるとされる福岡県南警察署の警部補に対する聞取り調査において,同警部補が上記の犯罪事実の脅迫文言等については被害者調書等に基づき記載したので間違いない旨述べたことが記載されているものの,第3事案の被害者の調書(乙17の3)には被害者がそのような文言による要求を受けた旨の記載がないこと,その他これを裏付ける証拠はないことに照らせば,被告の主張は採用することができない。 (エ) 第4事案原告においては,その縄張りとする地域にパチンコ店等が新規に開店される場合,開店の挨拶としてみかじめ料を支払わせるこ はないことに照らせば,被告の主張は採用することができない。 (エ) 第4事案原告においては,その縄張りとする地域にパチンコ店等が新規に開店される場合,開店の挨拶としてみかじめ料を支払わせることを慣例としているところ,福岡市d区内に新規ぱちんこ店の営業を開始し,暴力団に対するみかじめ料支払の慣例を承知していた被害会社が,原告の構成 員から新規開店の挨拶に来るよう要求されたにもかかわらず,開店時に当該地域を縄張とする原告(工藤會石田組)に挨拶に行かなかったことから,原告の構成員であるIが,その報復等のため,平成15年5月1日,普通貨物自動車を運転し,従業員の存在する同ぱちんこ店の建物壁面ガラスに向けて同車を後退させ,荷台の後部パワーゲートを水平にした同車後部を約6回にわたり建物壁面ガラス等に衝突させた上,同車を同建物内に突入させた。 その後,上記突入行為にもかかわらず,上記被害会社が原告の構成員によるみかじめ料名下の金銭を支払わなかったことから,同年7月12日及び同月17日,大阪市内等において,原告が氏名不詳者をして,上記被害会社の代表取締役に対し,「工藤會は人を殺す。」,「店舗の天井にけん銃を撃ち込む用意,準備が正に今出来ているらしい。」,「(新規ぱちんこ店の台数が)1000台あると言っている。」,「1000台あれば2億円が必要だ。」,「今返事をして下さいよ。」,「工藤會はまさに第二段の攻撃をすると言うてます。」,「工藤會は何をするか判らないですよ。」などと申し向けてみかじめ料を要求したものの,被害会社は工藤會にみかじめ料を支払わなかった。 原告の構成員であるJ,K,Mらは,共謀の上,上記みかじめ料の支払に応じなかったことに対する報復のため,同年7月29日,大阪府東大阪市内の上記被害会社が経営する来客が遊技中の 料を支払わなかった。 原告の構成員であるJ,K,Mらは,共謀の上,上記みかじめ料の支払に応じなかったことに対する報復のため,同年7月29日,大阪府東大阪市内の上記被害会社が経営する来客が遊技中のぱちんこ店内において,拳銃を発射し,さらに,原告の構成員であるNが,福岡市d区内の同被害会社が経営する来客が遊技中のぱちんこ店内において,威迫のために拳銃を発射した。 (乙18の1及び2,弁論の全趣旨)なお,原告は,「工藤會は」という明確かつ具体的な表現を使用した事実は,第4事案の起訴状及び判決書に記載がなく,証拠による裏付け がない旨主張するが,判決書等に記載がないからといって直ちに上記の事実がないということはできないし,上記認定の「工藤會」という文言を含む文言によりみかじめ料の要求を受けた旨の供述を内容とする平成15年8月4日付けの被害者の警察官に対する供述調書が存在し(乙18の2),これを覆すに足りる証拠がないことに照らせば,原告の主張を採用することはできない。 (オ) 第5事案原告の構成員であるOは,平成16年12月22日,北九州市b区内にあるホテルの土地・建物の不動産競売に関し,原告の意に反して同不動産を競落した会社の実質的経営者であり,Oが原告の構成員であることを知っていた者に対し,「あんまり動かない方がいい」,「それに関与すると大変なことになります」,「上の方から言われております」などと申し向けて脅迫し,同ホテルの経営から撤退することを要求したが,同経営者がこれに応じないことから,報復のため,原告の構成員であるP及び同Qらが,共謀の上,平成17年8月29日,同市c区内において,殺意をもって,同経営者に対し,同人が通勤に使用し,その時は同人の運転手が一人で運転していた普通乗用自動車内の同運転手を目掛け, P及び同Qらが,共謀の上,平成17年8月29日,同市c区内において,殺意をもって,同経営者に対し,同人が通勤に使用し,その時は同人の運転手が一人で運転していた普通乗用自動車内の同運転手を目掛け,続いて同車から降車して後方に逃走した同運転手を目掛け,それぞれ拳銃を発射した。(乙19の1及び2,弁論の全趣旨)(カ) 第6事案原告の構成員であるRらは,北九州市e区内の土地を購入してぱちんこ店の出店を計画していた会社(被害会社)の代表取締役に対し,平成19年9月20日,ぱちんこ店の新規開店に伴うみかじめ料名下に「この土地には工藤會が絡んでおり,工藤會はぱちんこ台1台当たり10万円出すように言っている」,「ぱちんこ台1台当たり10万円を出すことを承諾されないと大変なことになりますよ」,「工藤會は一銭もまか らんと言っている」などと申し向け,同年10月12日,「あの店をやるんだったら,組への支払はどう考えているんですか。組への支払をされないと大変なことになりますよ」,「息子さんが大変なことになると言っているんですよ。それでも良いのですか。社長をやっても金にならない。息子をやられたくなかったら金を出せと言っているんですよ」,「私への仲介料を足して,工藤會に支払うものを支払われたらどうですか」などと申し向けて脅迫し,金銭の支払を要求したが(恐喝行為1),被害会社がぱちんこ店の建設を断念して上記要求に応じなかった。その後,被害会社が再度ぱちんこ店を建設し始めたことから,Rらは,平成21年9月30日,被害会社の代表者に対し,「工藤會から呼ばれて,『工事が始まっているではないか,どうなっているんだ,お前たちも知っていたんだろう』と言われた。『即刻工事を中止させろ』と言われているが,どうされるんですか」,「工藤會から台当たり10万円は れて,『工事が始まっているではないか,どうなっているんだ,お前たちも知っていたんだろう』と言われた。『即刻工事を中止させろ』と言われているが,どうされるんですか」,「工藤會から台当たり10万円はどうなっているのかと聞かれている」などと申し向けて脅迫し,再度みかじめ料名下に金銭の支払を要求したが(恐喝行為2),同被害会社がこれに応じなかった。Rは,被害会社が2度にわたるみかじめ料の要求を受けたにもかかわらず,その支払に応じなかったことから,その報復及び嫌がらせの目的で,同年11月14日,原告の構成員及び原告の親交者と共謀の上,山口県防府市内の被害会社が経営するぱちんこ店(2階には従業員の居室を有する。)の1階床面にガソリンを流出させた上,ガソリンを染み込ませた布片をライターで点火して投棄して火を放った(放火行為)。(乙20の1~20の4,弁論の全趣旨)なお,原告は,第6事案の恐喝行為1について,原告の構成員ではない不動産業者が実質的には単独で実行した事案である旨主張するが,恐喝行為1について上記認定のとおり原告の構成員であるRらが行ったものであるとして同人につき恐喝未遂罪による有罪判決が確定していると ころ(乙20の3),これを覆すに足りる証拠がないから,原告の主張は採用することができない。 (キ) 第7事案原告の構成員であるSは,同人及びTが原告の構成員であることを認識し,同人らとともに貸金業を営むための出資を断った者に対し,平成22年2月末頃,「今更,そんなこと出来るわけないやろうが」,「俺は兄弟に何て説明すればいいとか」,「ケジメ取ってもらうぞ」,「もしかしたら,お前を殺すことになるかもしれんぞ」などと語気鋭く申し向けて金銭の支払を要求したが,被害者がその支払に応じなかったことから,原告の構成員であるT いとか」,「ケジメ取ってもらうぞ」,「もしかしたら,お前を殺すことになるかもしれんぞ」などと語気鋭く申し向けて金銭の支払を要求したが,被害者がその支払に応じなかったことから,原告の構成員であるT及びSは,共謀の上,被害者を畏怖させて当該要求に応じさせるため,同年8月18日頃から同年9月27日頃までの間,被害者に対し,「お前,北九のヤクザおちょくっとったら殺すぞ」,「750万はちゃんと払ってもらう」,「金払うか殺されるかは自分で選べ」,「750万の借用書を書け」などと語気鋭く申し向けて脅迫するなどし,被害者から合計41万円を喝取した。同年8月30日頃の脅迫の際には,Sは,福岡市f区内において,被害者の頸部にアイスピック様の物を突き付けるなどの暴行も行った。(乙21の1~21の4,弁論の全趣旨)イ原告の構成員による暴力行為の敢行等(ア) 原告の構成員による暴力行為,暴力的要求行為等の敢行状況Cが原告の代表者となった平成12年以降本件処分時直前の平成24年11月15日までの間に,原告の構成員に対して暴力的要求行為等に係る中止命令等(中止命令及び再発防止命令。以下,同じ。)が少なくとも71件発出されているほか,原告の構成員により32件の報復等目的の暴力行為(第1事案ないし第7事案を構成する9件の事件を含み,被疑者死亡の1件を除く31件について有罪判決が確定している。)が 敢行されている上,同期間中の原告の構成員による恐喝,恐喝未遂,脅迫等の事件について21件の有罪判決が確定している。これらの事件のうち,原告の構成員により敢行され中止命令等が発出された暴力的要求行為(暴対法9条2号)としては以下のような事案がある。(争いのない事実,乙23の1及び2,24の1~24の6,25の1~25の22の3,26の1~26の25 行され中止命令等が発出された暴力的要求行為(暴対法9条2号)としては以下のような事案がある。(争いのない事実,乙23の1及び2,24の1~24の6,25の1~25の22の3,26の1~26の25の2,弁論の全趣旨)a原告の構成員であるUは,平成21年5月11日,山口市内において,同人が原告の構成員であることを知っている被害者に対し,失業保険の手続に関する紹介料名下に,「今日のことは人まで使うちゃったんぞ。誠意を見せえ。紹介料を出せ。わしはお前のために動いちょるんぞ。来月から失業保険が入ったら半分よこせ。」などと申し向け,原告の威力を示して,みだりに金員の支払を要求した。 b原告の構成員であるVは,平成22年10月下旬頃,福岡県行橋市内において,同人が原告の構成員であることを知り,かつ,同人から金銭を借り入れている被害者に対し,既に利息制限法の制限を超える元利金の支払を受けているにもかかわらず,更に利息等の支払を請求していたところ,被害者から債務の履行の猶予を求められるや,「何で返済せんのか。俺はヤクザやけん,そんなんじゃ話は通らん。俺等は,これで飯食っていきよるんぞ。」などと申し向け,原告の威力を示して,みだりに金員の支払を要求した。 c原告の構成員であるWは,平成24年5月29日,福岡県遠賀郡g町内において,同人が原告の構成員であることを知っている建築リフォーム業者に対し,損害賠償名下に,「どがんして払うか。50万円を一括して払わんか。どがんするとや。」などと申し向け,念書を書かせるなどして,原告の威力を示して,みだりに金員の支払を要求した。 (イ) 原告の構成員による暴力行為等における凶器使用の実態上記(ア)の原告の構成員により敢行,検挙された報復等目的の暴力行為32件のうち,27件(84 に金員の支払を要求した。 (イ) 原告の構成員による暴力行為等における凶器使用の実態上記(ア)の原告の構成員により敢行,検挙された報復等目的の暴力行為32件のうち,27件(84%)は凶器が使用されたものであり,21件(66%)は人の生命等に重大な危害を加える方法が執られたものであり,また,平成12年以降本件処分の直前の平成24年11月15日時点までに原告の構成員が敢行した銃器,手りゅう弾その他高度の殺傷能力のある凶器等の所持又は使用に係る事件は,検挙されているものだけで少なくとも29件に達していて,ほぼ毎年認知されているという暴力行為における凶器使用の実態がある。(争いのない事実,乙26の1~26の25の2,乙27の1の1~27の23,弁論の全趣旨)(ウ) 原告の代表者等及び暴力行為等に関与した構成員の変動状況本件処分直前の時点における原告の代表者等(暴対法3条3号)14名のうち,第1事案ないし第7事案(9件)が敢行された際に原告の代表者等であった者は約78%であり,また,上記(ア)の報復等目的の暴力行為32件(第1事案ないし第7事案の9件を含む。)の敢行に関与し,本件処分直前の時点において生存している構成員38名のうち,当該暴力行為直後の指定暴力団としての指定時にも引き続き原告の構成員であった者は37名(97%)に達し,そのうち32名(84%)は,本件処分直前の時点においても引き続き構成員である。(争いのない事実,乙28の1~28の3,弁論の全趣旨)ウ本件各区域に係る中止命令等の発出及び原告の構成員による暴力行為等の敢行状況(ア) 北九州市a平成12年以降平成24年11月15日までの北九州市を発生場所とする暴力的要求行為等に係る中止命令等が34件発出されており,これらの中止命令等に係る事 行為等の敢行状況(ア) 北九州市a平成12年以降平成24年11月15日までの北九州市を発生場所とする暴力的要求行為等に係る中止命令等が34件発出されており,これらの中止命令等に係る事案の内容の例としては以下のもの がある。(乙23の1,24の1及び6,弁論の全趣旨)(a) 平成24年4月1日,同市において,原告の構成員であるALが,性風俗店経営者に対し,原告の威力を示して,同風俗店事務所の不当な明渡しを要求した。 (b) 平成23年2月28日,同市において,原告の構成員であるAMが,飲食店従業員に対し,原告の威力を示して,同店が営業を営むことを容認する代償として金員の供与を要求するとともに,同店における用心棒その他これに類する役務の有償の提供を受けることを要求した。 (c) 平成22年12月21日,同市において,原告の構成員であるVが,返済過払の債務者に対し,原告の威力を示して,利息制限法に規定される利息以上の高利債権を取り立てるとともに,みだりに金員の贈与を要求した。 (d) 平成22年9月15日,同市において,原告の構成員であるANが,自動車整備業経営者に対し,同市内において営業を営むことを容認する代償として金員の供与を要求した。 b上記イ(ア)の原告の構成員による平成12年以降平成24年11月15日までの間の恐喝,恐喝未遂,脅迫等に係る有罪判決が確定した21件のうち北九州市が発生場所である事案が14件存在しており,かかる事案の例としては以下のものがある。(乙23の1,25の1~25の7の3,25の9の1~25の9の3,25の11の1~25の12の4,25の14の1~25の14の3,25の17の1~25の17の3,25の20の1~25の20の3,25の21の1~25の22の3,弁論の全趣 の9の1~25の9の3,25の11の1~25の12の4,25の14の1~25の14の3,25の17の1~25の17の3,25の20の1~25の20の3,25の21の1~25の22の3,弁論の全趣旨)(a) 平成23年12月26日,同市内路上に停車中の普通乗用自動車内において,原告の構成員であるAOが,被害者に対し,「上の方 の人から俺とお前の2人で50万円用意しろと言われた。」,「俺は上の方の人から目を付けられとる。お前も一緒ぞ。」,「金がないと,俺は耳をそぎ落とされる。」などと申し向けて,現金19万7590円を脅し取った。 (b) 平成21年5月頃,同市において,原告の構成員であるAPらが,被害者に対し,「AQさんの名前を勝手に出しとるやろ。」,「勝手に工藤會の看板使うていいんか。」,「うちの看板はブランドやけ,安うないぞ。どうするつもりなんや。」などと申し向けて,原告の構成員の名前を使ったと因縁を付けて,被害者から現金計200万円を脅し取った。 (c) 平成21年2月10日頃,同市において,原告の構成員であるARが,同人が取立てを依頼された債権の債務者側代理人である被害者に対し,「俺はヤクザしとるんぞ,ASの者じゃ。」,「金すぐ作ってこい。」などと申し向けて,同債権に係る紛争解決の謝礼名目に金員を喝取しようとした。 (d) 平成20年7月20日,同市において,原告の構成員であるATらが,カラオケ店の店長に対し,「いくらでもいい。」,「この地区は昔からうちが面倒を見ている。何かあったら困るやろ。」などと申し向けて,みかじめ料名下に金員を喝取しようとした。 (e) 平成19年12月18日頃,同市において,原告の構成員であるAUが,被害者に対し,「200万円でよいぞ。」,「金を出さんなら,嫁さんも家もガチャガ みかじめ料名下に金員を喝取しようとした。 (e) 平成19年12月18日頃,同市において,原告の構成員であるAUが,被害者に対し,「200万円でよいぞ。」,「金を出さんなら,嫁さんも家もガチャガチャにしちゃるぞ。」,「ヒネに言ったとしても,俺はヤクザやけん,何ともないけんな。」などと申し向けて,同人の兄の行動に因縁を付け,同月25日頃,平成20年1月30日頃及び同年2月24日頃,計154万円を脅し取った。 c上記イ(ア)の原告の構成員により平成12年以降平成24年11 月15日までに敢行された32件の報復等目的の暴力行為のうち以下の事案を含む18件(第3事案,第5事案を含む。)が北九州市内において敢行されている。(乙23の1,26の1,26の5~26の12の2,26の14の1及び14の2,26の15の1及び15の2,26の17の1及び17の2,26の18の1及び18の2,26の20の1及び20の2,26の24の1及び24の2,26の25の1及び25の2,弁論の全趣旨)(a) 平成22年11月25日,同市において,原告の構成員であるAVが,企業舎弟の態度や同人が期待どおりに恐喝をしないことなどに制裁を加える目的で,同人の頭部,左上腕部等を木刀で数回殴る暴行を加え,同人に加療約18日間を要する左上腕打撲等の傷害を負わせた。 (b) 平成22年5月23日,同市において,原告の構成員であるANが,覚せい剤の購入要求を拒絶した者に腹を立て,購入要求を貫徹する目的で,同人の左襟をつかんで左脇腹を1回足蹴にした上,同人を引っ張って地面に転倒させる暴行を加えた。 (c) 平成21年2月28日,同市において,原告の構成員であるAWが,原告の構成員らとの縁を切るため電話に出なくなった者に制裁を加える目的で,同人の頭部を缶ビー て地面に転倒させる暴行を加えた。 (c) 平成21年2月28日,同市において,原告の構成員であるAWが,原告の構成員らとの縁を切るため電話に出なくなった者に制裁を加える目的で,同人の頭部を缶ビールで1回殴打する暴行を加え,さらに顔面等を2回足蹴にするなどの暴行を加え,同人に加療約16日間を要する右眼瞼皮下出血の傷害を負わせた。 (d) 平成20年4月8日,同市において,原告の構成員であるAXらが,暴力団の意向に沿わない者を畏怖させその意向に従わせる目的で,同人方の居宅外壁等に向けて,拳銃で弾丸5発を発射し,外壁,門柱,塀,窓ガラス,室内の座椅子等に命中させてこれらを損壊した。 (e) 平成19年12月29日,同市において,原告の構成員であるAYが,被害者の被害申告により原告の構成員が服役させられたことへの報復の目的で,殺意をもって,被害者の右臀部,左胸部等を穴あき包丁で数回突き刺したが,同人に加療約3週間を要する右臀部刺創,左胸部刺創等の傷害を負わせたにとどまり,殺害の目的を遂げなかった。 (f) 平成18年1月中旬頃,同市において,原告の構成員であるAZらが,金員の交付要求を拒絶した者にその要求を貫徹する目的で,マンションの一室に同人を正座させて周囲を取り囲み,ガラス製の灰皿を投げつけ,アイスピック様のものを同人の大腿部寸前まで振り下ろして止めるなどし,数人共同して同人に暴行を加えるとともに,凶器を示して脅迫した。 (イ) 福岡市a平成12年以降平成24年11月15日までの福岡市を発生場所とする暴力的要求行為等に係る中止命令等が4件発出されており,これらの中止命令等に係る事案の内容の例としては以下のものがある。(乙23の1,24の1及び6,弁論の全趣旨)(a) 平成19年10月25日頃,同市にお 為等に係る中止命令等が4件発出されており,これらの中止命令等に係る事案の内容の例としては以下のものがある。(乙23の1,24の1及び6,弁論の全趣旨)(a) 平成19年10月25日頃,同市において,原告の構成員であるAAが,エステティックサロンの従業員に対し,原告の威力を示して,みだりに金員の贈与を要求した。 (b) 平成19年6月8日頃,同市において,原告の構成員であるZが,知人に対し,原告の威力を示して,みだりに金銭の貸付けを要求した。 (c) 平成19年5月20日頃,同市において,原告の構成員であるZが,かねてから原告に加入するように勧誘をしていた一般人に対して,原告の威力を示して,みだりに金銭の貸付けを要求した。 b上記イ(ア)の原告の構成員による平成12年以降平成24年11月15日までの間の恐喝,恐喝未遂,脅迫等に係る有罪判決が確定した21件のうち福岡市が発生場所である事案として,平成21年3月23日,福岡市周辺等において,原告の構成員であるBAらが,同人の実父と養子縁組をしており,以前上記BAが所属している原告の傘下組織と同じ組織に所属し,同人が原告の構成員であることを認識している相手方に対し,相手方が消費者金融等からの借金の返済を滞らせていたことに因縁を付けて金員を喝取しようと企て,同人に対し,「お前がBBの名前で借金したのは必ず返さなつまらんぞ。返さんかったら分かっておろうが。」,「組からはお前に何もせんようにするけど,その代わり,お前が作った借金は,全部払わんとつまらんぞ。」,「けじめとして150万円払え。」などと申し向けて金員の支払を要求した事案が1件ある。(乙23の1,25の1,25の16の1~25の16の4,弁論の全趣旨)c上記イ(ア)の原告の構成員により平成12年以降平成 0万円払え。」などと申し向けて金員の支払を要求した事案が1件ある。(乙23の1,25の1,25の16の1~25の16の4,弁論の全趣旨)c上記イ(ア)の原告の構成員により平成12年以降平成24年11月15日までに敢行された32件の報復等目的の暴力行為のうち,平成12年6月12日,原告の構成員であるEが,原告の関係者が被害会社の関係者から暴行を受けたことへの報復等の目的で,拳銃を発射して被害会社の建物表出入口のガラス製外壁等を損壊した事案を含む4件(第4事案,第7事案を含む。)が福岡市内において敢行されている。(乙23の1,26の1,26の3の1及び3の2,弁論の全趣旨)(ウ) 行橋市a平成12年以降平成24年11月15日までの行橋市を発生場所とする暴力的要求行為等に係る中止命令等が3件発出されており,これらの中止命令等に係る事案の内容の例としては以下のものがあ る。(乙23の1,24の1及び6,弁論の全趣旨)(a) 平成22年10月下旬頃,同市において,原告の構成員であるVが,知人に対し,原告の威力を示して,みだりに金員の贈与を要求した。 (b) 平成22年10月下旬頃,同市において,原告の構成員であるBCが,知人に対し,原告の威力を示して,みだりに金員の贈与を要求した。 b上記イ(ア)の原告の構成員が平成12年以降平成24年11月15日までの間の恐喝,恐喝未遂,脅迫等に係る有罪判決が確定した21件のうち行橋市が発生場所である事案として,平成20年1月14日,同市内を走行中の軽四輪乗用自動車内において,原告の構成員であるBDが,同人と縁を切りたがっている者に対し,「俺も堅気やないけの。縁を切るなら,それなりのけじめをつけてもらわなの。」,「サラ金にでも行って金を作れ。」などと申し向けて同 いて,原告の構成員であるBDが,同人と縁を切りたがっている者に対し,「俺も堅気やないけの。縁を切るなら,それなりのけじめをつけてもらわなの。」,「サラ金にでも行って金を作れ。」などと申し向けて同日及び同月17日,計40万円を脅し取り,さらに,同年2月19日,BDが,原告の下部組織である川谷組事務所において,同人に対し「俺も堅気やないんやけ,何らかの責任をとってもらわなな。」,「俺と縁を切りたいんやったら50万円払え」などと申し向けて,現金50万円を脅し取るなどした事案1件がある。(乙23の1,25の1,25の8の1~25の8の3,弁論の全趣旨)c上記イ(ア)の原告の構成員により平成12年以降平成24年11月15日までに敢行された32件の報復等目的の暴力行為のうち,平成22年3月23日,原告の構成員であるBEらが,金員の交付要求を拒絶した者に対する要求貫徹の目的で,同市内を走行中の普通乗用自動車の後部座席に被害者を監禁した事件を含む2件が行橋市内において敢行されている。(乙23の1,26の1,26の1 9の1及び19の2,26の23の1及び23の2,弁論の全趣旨)(エ) 中間市上記イ(ア)の原告の構成員により平成12年以降平成24年11月15日までに敢行された32件の報復等目的の暴力行為のうち,平成13年12月10日,原告の構成員であるBFらが,原告の活動の妨げとなる暴力追放運動を萎縮させ,排除するために被害者を襲撃する目的で,金属製の懐中電灯で同人の頭部,顔面等を多数回殴打し,折りたたみ式ナイフで同人の頸部,背部等を切り付けるなどの暴行を加え,同人に加療約111日間を要する頭頂部挫創,右眼球破裂,右脈絡膜剥離等の傷害を負わせた事案1件が中間市において敢行されている。(乙23の1,26の1,26の4の1 部等を切り付けるなどの暴行を加え,同人に加療約111日間を要する頭頂部挫創,右眼球破裂,右脈絡膜剥離等の傷害を負わせた事案1件が中間市において敢行されている。(乙23の1,26の1,26の4の1及び4の2,弁論の全趣旨)(オ) 春日市a平成12年以降平成24年11月15日までの春日市を発生場所とする暴力的要求行為等に係る中止命令等が4件発出されており,これらの中止命令等に係る事案の内容は以下のとおりである。(乙23の1,24の1及び6,弁論の全趣旨)(a) 平成24年7月,同市等において,原告の構成員であるBGが,知人に対し,原告の威力を示して,みだりに金員の贈与を要求した。 (b) 平成21年8月中旬頃,同市において,原告の構成員であるBHが,同人に現金30万円を貸与した知人に対し,原告の威力を示して,債務の全部又は一部の免除又は履行の猶予をみだりに要求した。 (c) 平成21年5月18日,同市において,原告の構成員であるBIが,眼鏡の訪問販売業者に対し,原告の威力を示して,みだりに金品等の贈与を要求した。 (d) 平成19年10月18日頃,同市において,原告の構成員であるBIが,飲食店の店長に対し,原告の威力を示して,みだりに金品 等の贈与を要求した。 b上記イ(ア)の原告の構成員が平成12年以降平成24年11月15日までの間の恐喝,恐喝未遂,脅迫等に係る有罪判決が確定した21件のうち春日市が発生場所である事案として,平成21年5月10日頃から同月27日頃までの間,同市等において,原告の構成員であるBJが,同人から不正電子部品の製造資金の提供を受けていた被害者に対し,「金の作り方はいろいろあろうが。」,「やくざのやり方で社長を追い込むようなことをさせんな。」,「家の権利証で,金融屋を探しとる Jが,同人から不正電子部品の製造資金の提供を受けていた被害者に対し,「金の作り方はいろいろあろうが。」,「やくざのやり方で社長を追い込むようなことをさせんな。」,「家の権利証で,金融屋を探しとるから,権利証をはよ持ってこい。」などと申し向けて,提供資金の返済名目で実際の提供資金を超える金員を脅し取ろうとした事案1件がある。(乙23の1,25の1,25の18の1~18の3,弁論の全趣旨)(カ) 宮若市上記イ(ア)の原告の構成員により平成12年以降平成24年11月15日までに敢行された32件の報復等目的の暴力行為のうち,平成16年6月2日,原告の構成員であるBKが,下請参入要求に応じなかったぱちんこ店経営者への報復目的で,同人が経営するぱちんこ店の出入口に普通貨物自動車を衝突させ,出入口シャッター,出入口自動ドア等を損壊し,威力を用いて業務を妨害した事案1件が宮若市において敢行されている。(乙23の1,26の1,26の13の1及び13の2,弁論の全趣旨)(キ) 遠賀郡(芦屋町,水巻町,岡垣町及び遠賀町)a平成12年以降平成24年11月15日までの遠賀郡を発生場所とする暴力的要求行為等に係る中止命令等が2件発出されており,これらの中止命令等に係る事案の内容は,いずれも,平成24年5月29日,同郡において,原告の構成員であるWが,建築リフォー ム業者に対し,原告の威力を示して,みだりに金員の贈与を要求したというものである。(乙23の1,24の1及び6,弁論の全趣旨)b上記イ(ア)の原告の構成員による平成12年以降平成24年11月15日までの間の恐喝,恐喝未遂,脅迫等有罪判決が確定した21件のうち遠賀郡が発生場所とされている事案として,平成20年9月7日頃,同郡等において,原告の構成員であるBLが,ク 以降平成24年11月15日までの間の恐喝,恐喝未遂,脅迫等有罪判決が確定した21件のうち遠賀郡が発生場所とされている事案として,平成20年9月7日頃,同郡等において,原告の構成員であるBLが,クリーニングを依頼した衣類を破損されたなどと因縁を付け,同人が原告の構成員であることを認識しているクリーニング店の工場長等に対し,「ボタンが無かろうが。」,「こんな事されたら,あんたんとこの工場やら家とかに火を付けたくなるの分かろうもん。」,「5万円でいいよ。」,「あんたも家族がおるやろ。こっちもやりたくないことせないかんごとなるやろうが。」などと申し向けて,上記工場長の上司から5万円を脅し取った事案1件がある。(乙23の1,25の1,25の11の1~11の5,弁論の全趣旨)c平成16年10月25日,原告の構成員であるBMが,遠賀郡内の倉庫において,対人攻撃用破片型手りゅう弾2発を保管した凶器保管の事案,平成17年10月28日,原告の構成員であるBNが,遠賀郡内の飲食店において,自動装てん式拳銃1丁をこれに適合する実包13発とともに保管し,また,回転弾倉式拳銃1丁をこれに適合する実包11発とともに保管したという凶器保管の事案についての有罪判決が確定している。(乙27の1の1,27の11,27の17,弁論の全趣旨)(ク) 鞍手郡(小竹町及び鞍手町)上記イ(ア)の原告の構成員が平成12年以降平成24年11月15日までの間の恐喝,恐喝未遂,脅迫等に係る有罪判決が確定した21件のう ち発生場所が鞍手郡である事案として,平成21年10月15日頃,原告の構成員であるBOが,同人を原告の構成員と知悉している被害者に対し,被害者方の一室で,正座した被害者の面前の畳に洋包丁を突き立て「お前,俺に出張の給料隠しとろうが」,「ちゃんと 0月15日頃,原告の構成員であるBOが,同人を原告の構成員と知悉している被害者に対し,被害者方の一室で,正座した被害者の面前の畳に洋包丁を突き立て「お前,俺に出張の給料隠しとろうが」,「ちゃんと俺に渡さんか」などと申し向けて,同年11月10日頃,債権取立名下に5万円を脅し取った事案1件がある。(乙23の1,25の1,25の19の1~19の5,弁論の全趣旨)(ケ) 京都郡(苅田町及びみやこ町)a平成12年以降平成24年11月15日までの京都郡を発生場所とする暴力的要求行為等に係る中止命令等が3件発出されており,これらの中止命令等に係る事案の内容の例としては以下のものがある。(乙23の1,24の1及び6,弁論の全趣旨)(a) 平成19年6月29日頃,同郡において,原告の構成員であるBPが,譲り受けた債権の債務者に対し,原告の威力を示して,みだりに金員の贈与を要求した。 (b) 同年5月下旬頃,同郡において,原告の構成員であるBPが,譲り受けた債権の債務者に対し,原告の威力を示して,みだりに金員の贈与を要求した。 b上記イ(ア)の原告の構成員により平成12年以降平成24年11月15日までに敢行された32件の報復等目的の暴力行為のうち,第1事案のほか,平成22年3月23日,原告の構成員であるBQらが,金員の交付要求を拒絶した者に対する要求貫徹目的で,同郡内を走行中の普通乗用自動車の後部座席に被害者を監禁した事案(上記(ウ)c)の2件が京都郡において敢行されている。(乙15の1~15の4,23の1,26の1,26の23の1及び23の2) c平成17年6月27日,京都郡において,原告の構成員であるBRが,拳銃3丁を適合実包41発と共に保管し所持していた凶器保管の事案について有罪判決が確定している。( 23の2) c平成17年6月27日,京都郡において,原告の構成員であるBRが,拳銃3丁を適合実包41発と共に保管し所持していた凶器保管の事案について有罪判決が確定している。(乙27の1の1,27の16,弁論の全趣旨)(コ) 築上郡(吉富町,上毛町及び築上町)平成12年以降平成24年11月15日に築上郡を発生場所とする暴力的要求行為等に係る中止命令等として,平成23年10月29日,同郡において,原告の構成員であるBSらが,建設会社役員に対し,原告の威力を示して,不当に下請参入を要求した事案に係る中止命令1件が発出されている。(乙23の1,24の1及び6,弁論の全趣旨)(4) 本件処分後本件延長処分1までの原告の構成員による暴力行為等の敢行状況ア原告の構成員による暴力行為の敢行原告の構成員であるABは,平成25年2月7日午前零時15分頃,上記ABが原告の構成員であることを知っており,原告の縄張内である北九州市b区内で飲食店を営んでいた被害者に対し,「おまえ,けつ持ち変えたらしいな。」,「何で田口組にけつ持ちをさせないのか。」,「半分は親方に払うのが筋やないか。」,「20万でも30万でも絶対払えよ。」などと申し向け,さらに,同月8日午後7時2分頃,同市内又はその周辺で,被害者に対し,電話で,「頭の顔潰すんか。」,「俺たちにけつ持ちさせろ。」,「半分でも入れるのが筋やろが。」などと申し向け,被害者が原告の縄張内で営業を営むことを容認する対償として金銭の供与を要求したが,被害者は要求に応じなかった。同日午後11時頃,上記ABは,北九州市b区内の駐車場において,原告の構成員であるACが乗車する自動車の後部座席に被害者を乗車させ,被害者の顔面を1回蹴り,さらに,翌9日午前零時頃,上記AB及び上記ACは, 1時頃,上記ABは,北九州市b区内の駐車場において,原告の構成員であるACが乗車する自動車の後部座席に被害者を乗車させ,被害者の顔面を1回蹴り,さらに,翌9日午前零時頃,上記AB及び上記ACは, 同市h区内の民家の南方にある共用階段踊り場付近において,被害者の全身を木製バットや拳で多数回殴る暴行をそれぞれ加えて,被害者に加療約102日間を要する左尺骨骨折,頭部・顔部打撲,左眼瞼挫創の傷害を負わせた。(乙50の1~50の4,弁論の全趣旨)イ原告の構成員による暴対法46条3号の暴力的要求行為に関する有罪判決の確定原告の構成員であるADは,平成25年7月10日午後零時30分頃,本件処分による警戒区域内である福岡県京都郡i町において,上記ADが原告の構成員であることを知っていた被害者に対し,「俺は今,情けない事にヤクザしてます。だから,俺の様な者が仲々顔も出しにくい。」,「私達の様な世界は今とても厳しです。」,「お金を借して下さい。金額が一○○万円と大きいのでサラリーマンでは無理ですからネ!」,「私この一○○万円がないと生きる事が出来ないのです。」,「返済は一月一○万の十回払いと言う事にして呉れれば助かります。」,「十一日は私当番となってますので十日か十二日都合の良い日に連絡呉れたら私がiに出て行きます。」などと記載した手紙1通を,自己の配下である原告の構成員を介して手渡したという事案を敢行し,同事案につき,原告の威力を示して,金銭貸付業者以外の者に対してみだりに金銭の貸付けを要求したとして暴対法46条3号違反による有罪判決が確定している。 (乙52の1,52の3の1及び3の2,弁論の全趣旨)ウ原告の構成員に対する中止命令等の発出本件処分時から平成25年12月2日までの間に原告の構成員に対して以下の内容に係る2 確定している。 (乙52の1,52の3の1及び3の2,弁論の全趣旨)ウ原告の構成員に対する中止命令等の発出本件処分時から平成25年12月2日までの間に原告の構成員に対して以下の内容に係る2件の中止命令等が発出されている。(乙53の1及び2,弁論の全趣旨)(ア) 原告の構成員であるBTは,平成25年3月23日,福岡県田川郡k町内において,上記BTが原告の構成員であることを知っており, 上記BTに金銭を貸し付けていた被害者に対し,「組長の運転で朝から晩まで忙しくて,返しに行く暇がない。しのぎが少なくて,まとまったお金は返せない。」等と申し向け,もって,原告の威力を示して,上記BTが被害者に対して負う債務の全部又は一部の免除又は履行の猶予をみだりに要求した。 (イ) 原告の構成員であるBUは,平成25年5月28日,北九州市b区を中心に商品の配送を行っている被害者の支店長から電話で,上記BUがインターネットオークションにおいて5250円で落札した商品の紛失及び代替品若しくは品代と送料で示談したい旨を告げられるや,上記支店長に対し,「今後どうしてくれるのか。納得は出来ない。電話で話しても話にならない。本日は当直である為,現在いる場所から動けない。コンビニのある信号を○○の方に曲がり,大きな建物の前に来い。」などと告げて,上記支店長に対して原告の本部事務所である工藤會会館の前に来るように認識させ,更に,翌29日,上記支店長に対し,電話で「品物はネットで買えば20万~30万,定価やったら40万~50万円する。責任限度額が30万円あるならば,29万9999円まで補償できるだろう。」などと告げ,更に同日,上記支店長に架電し,支店長から落札価格と送料の返金で補償する旨を告げられるや,「そっちがそのような対応をするのであれば, あるならば,29万9999円まで補償できるだろう。」などと告げ,更に同日,上記支店長に架電し,支店長から落札価格と送料の返金で補償する旨を告げられるや,「そっちがそのような対応をするのであれば,明日,明後日で解決する話ではなく,1か月,2か月,半年,1年でもとことん話をする。責任者だったら,会社のルール,規則等を一辺倒に貫くのではなくて責任者らしい対応の仕方があるのでは。下の者の責任は上の者が見るのは当然だろう。自分たちもそうだ。」などと申し向け,もって,原告の威力を示して,上記商品紛失事故による損害の程度を誇張して,損害賠償その他これに類する名目で金品その他の財産上の利益の供与を要求した。 エ原告の構成員により敢行された恐喝等に係る事件本件処分後平成25年12月2日までの間の原告の構成員により敢行された恐喝,恐喝未遂に係る事件について以下の2件の有罪判決が確定している。(乙54の1~54の3の4,弁論の全趣旨)(ア) 原告の構成員であるAEは,貸金の担保名下に被害者から金品を喝取しようと企て,平成25年4月7日午後9時20分頃,福岡県嘉麻市内の駐車場に停車中の普通乗用自動車内において,上記AEが原告の構成員であることを知っていた被害者に対し,「月末までに5万円を払え。月初めの3日まで待ってやるき,それまでに5万つけろ。3日までに5万払いきれんやったら,車は俺の物にするき。親なり親戚なりに相談して,早く50万を持ってこい。」,「もし警察とか親とかに言ったら,どうなるか分かるやろ。俺はパクられることは別に怖くないき。ただ,パクられたら,俺の組には人間がいっぱいおるき,俺が動けんでも,そいつらが家とか会社とかに行って,何するか分からんぞ。俺のためにやりに行く奴がいっぱいおるきの。ヤクザ相手に警察にチンコロし 。ただ,パクられたら,俺の組には人間がいっぱいおるき,俺が動けんでも,そいつらが家とか会社とかに行って,何するか分からんぞ。俺のためにやりに行く奴がいっぱいおるきの。ヤクザ相手に警察にチンコロしたら,どうなるか分かるやろ。」,「俺を裏切ったりしたら家や会社に行って,ガチャガチャにするきの。」などと語気鋭く申し向けて,自動車1台の交付方を要求してこれを喝取し,もって,人に対してみだりに金品等の供与を要求した。 (イ) 原告の構成員であるAFは,被害者Aに対する貸金の弁済金名下に同人及び被害者Bから現金を脅し取ろうと企て,平成25年3月31日午前2時前後頃から同日午前2時56分頃までの間,北九州市b区内に駐車中の自動車内において,上記AFが原告の構成員であることを知っていた被害者Aに対し,40万円の返済をどうするのかと迫り,「北九州を出て行くか。」,「ぼこぼこにされるがいいか。」,「お金を返すか。」と,さらに,上記AFが原告の構成員であることを知 っていた被害者Bに対し,被害者Aの支払を肩代わりするように迫り,払わなかったら被害者Bの勤務先を潰す旨を,いずれも強い口調で告げた上,「お前,こいつの面倒見とるんやったら,肩代わりして払え。 払わんかったら,仕事もなくなるようにしてやるけの。」などと告げ,「うちのカシラじゃ。」などと告げながら携帯電話機を差し出し,さらには「こいつら俺の名前とか兄弟の名前とかだしよるんよ。だけん,今からヤキ入れちゃらないけん。」などと語気鋭く申し向けるなどして現金の支払を要求し,もって,人に対してみだりに金品等の供与を要求した。 オその他原告の構成員による報復等目的暴力行為の敢行本件処分時から本件延長処分1までの間に,原告の構成員であるAEらが,同人らが関与する別件恐喝事件を警察に通報した 金品等の供与を要求した。 オその他原告の構成員による報復等目的暴力行為の敢行本件処分時から本件延長処分1までの間に,原告の構成員であるAEらが,同人らが関与する別件恐喝事件を警察に通報した者の友人である被害者と連絡が取れなくなったことから,被害者が上記通報者と連絡を取り合い,上記AEから逃亡しているものと考え,これに対して制裁を加えるとともに,上記通報者が警察に申告した内容を聞き出すことを企て,平成25年9月15日,飯塚市内の居宅等において被害者を監禁した上,上記AEが,被害者に対し,その後頭部を持っていたバッグで1回殴り,その顔面等を足で多数回蹴るなどの暴行を加え,よって,被害者に加療約2週間を要する顔面打撲,右肩打撲,右腹部・腰臀部打撲の傷害を負わせるという報復等目的暴力行為が1件敢行されている。(乙54の2の4,55の1~55の2の3,弁論の全趣旨)カ原告の構成員,代表者等の変動状況本件延長処分1の直前の時点における原告の代表者等15名のうち14名は,平成12年1月から本件処分直前までに発生した第1事案ないし第7事案発生の際にも原告の代表者等であり,上記代表者等15名は,上記アの行為の際には,全て原告の代表者等であり,また,本件延長処 分1の直前の時点における原告の代表者等15名のうち,14名(約93%)は,本件処分時にも原告の代表者等である。さらに,平成12年1月から本件延長処分1直前までの間に発生した要件該当暴力行為を含む報復等目的の暴力行為34件に関与し,本件延長処分1直前の時点において生存している40名のうち,33名(約83%)は,同時点においても引き続き構成員であった。(乙56の1~56の3,弁論の全趣旨)(5) 本件延長処分2までの原告の構成員による暴力行為等の敢行状況ア原告 40名のうち,33名(約83%)は,同時点においても引き続き構成員であった。(乙56の1~56の3,弁論の全趣旨)(5) 本件延長処分2までの原告の構成員による暴力行為等の敢行状況ア原告の構成員に対する中止命令の発出本件延長処分1から本件延長処分2の直前の平成26年12月5日までの間に,原告の構成員であるAGが,同年5月上旬頃,同人が原告の構成員であることを知っていた被害者に対し,銀行のネットバンキング口座を被害者名義で契約することを要求した上,同月18日,同人に対し,電話で,「おどれ,このガキは。また嘘つきやがって,待っとんぞ。 なんで,おどれはいつも適当にするんか。だいたいいつになったらネットバンキングの口座作るんか。俺は,委員長にも口座開設させるって言っとんぞ。どうしてくれんるんじゃ,また,俺の顔に泥塗るんか。お前は,委員長の顔に泥塗っとんぞ。おどれ,こっちが優しくしとけば,このガキが,殺すぞ。おどれの家族とか男も殺すぞ。おどれの会社にも行ったるけんな。この辺,歩けんようにしちゃるけんな。おどれが変わっても,俺は何も得をせん。そんなのどうでもいいわ。金じゃ,迷惑料払わんかい。責任の取り方も知らんのか。誠意を見せんか。このアバズレが。100万円たい。」等と申し向け,もって原告の威力を示して,金品その他の財産上の利益の贈与をみだりに要求したとする暴力的要求行為に係る中止命令が1件発出されている。(乙68の1及び2,弁論の全趣旨) イ原告の構成員による恐喝事件の敢行本件延長処分1から本件延長処分2の直前までの間に,原告の構成員である上記AGが,被害者に携帯電話機等を購入させた上,それらを同人から脅し取ろうと考え,平成26年8月9日,福岡市j区内の公園において,被害者に対し,「自分はヤクザで工藤會の者 間に,原告の構成員である上記AGが,被害者に携帯電話機等を購入させた上,それらを同人から脅し取ろうと考え,平成26年8月9日,福岡市j区内の公園において,被害者に対し,「自分はヤクザで工藤會の者です。」,「こういうのも彫っています。」などと言い,同人に対し,着衣の胸元から入れ墨を示した上,「今から○○行けますか。」,「携帯電話を契約して欲しいんですよ。」などと言い,さらに,福岡市f区内において,同人に対し,「自分の知り合いのところで売れるんですよ。」,「終わったら渡して下さい。」などと申し向けて携帯電話機等の交付を要求して携帯電話機等4点を喝取し,もって,人に対してみだりに金品等の贈与を要求したという恐喝事件が1件敢行されている。(乙69の1~69の2の3,弁論の全趣旨)ウ原告の構成員による報復等目的の暴力行為の敢行本件延長処分1から本件延長処分2の直前の平成26年12月1日までの間に,原告の構成員であるAHが,被害者と第三者が喧嘩をしていた際,これを止めるよう要求するも,被害者がこれを拒絶し,さらに上記AHに対して「お前ヤクザやけん何もできんやろうが。」,「何かしたら刑務所いきぞ。」,「しきるもんならしてみろ。」等と挑発的な言動をしたことから,これに対する報復等の目的で,平成26年8月26日,福岡県直方市内において,被害者に対し,所携の金属バットで同人の左側頭部を1回殴打する暴行を加え,よって,同人に加療1ヶ月を要する右側頭葉挫傷,左急性硬膜外血腫,外傷性くも膜下出血,左側頭骨骨折,右側頭骨骨折の傷害を負わせたという事案が1件敢行されている。 (乙70の1~70の2の4,弁論の全趣旨)エ原告の構成員による凶器等の使用,保管 本件延長処分1から本件延長処分2までの間の平成26年9月1日,北九州市b区内 敢行されている。 (乙70の1~70の2の4,弁論の全趣旨)エ原告の構成員による凶器等の使用,保管 本件延長処分1から本件延長処分2までの間の平成26年9月1日,北九州市b区内において,原告の構成員であるAIが,自動装てん式けん銃1丁をこれに適合する火薬類であるけん銃実包26発と共に保管して所持したという凶器の所持に係る事案が1件敢行されている。(乙71の1~71の2の3,弁論の全趣旨)オ原告の構成員,代表者等の変動の状況本件延長処分2の直前の時点における原告の代表者等15名のうち全員が,平成12年1月から本件延長処分2の前までに発生した第1事案ないし第7事案及び上記(4)アの事案の際にも原告の代表者等であり,また,本件延長処分2の直前の時点における原告の代表者等15名のうち全員が,本件延長処分1の際にも原告の代表者等である。さらに,平成12年1月から本件延長処分2の直前までの間に発生した要件該当暴力行為を含む報復等目的の暴力行為35件に関与し,本件延長処分2の直前の時点において生存している原告の構成員41名のうち,33名(約80%)は,同時点においても引き続き構成員であった。(乙72の2及び3,弁論の全趣旨)(6) 本件各処分に至る経緯ア本件処分に至る意見聴取手続等処分行政庁は,平成24年11月22日,原告に対し,指定をしようとする理由並びに意見聴取の期日及び場所について,意見聴取通知書を送達して通知し,併せて意見聴取の期日及び場所を公示し,同年12月5日午後1時10分から午後1時49分までの間に,福岡県警察本部1階の意見聴取会場において,主宰者である処分行政庁の公安委員会委員(2名),聴取官(2名)ら,原告の代表者の代理人であるX(以下「X代理人」という。)及び補佐人であるYが出席して ,福岡県警察本部1階の意見聴取会場において,主宰者である処分行政庁の公安委員会委員(2名),聴取官(2名)ら,原告の代表者の代理人であるX(以下「X代理人」という。)及び補佐人であるYが出席して本件意見聴取手続が行われた。 本件意見聴取手続において,主宰者は,意見聴取の開始を宣言し,X代理人が,原告を代表する者又はこれに代わるべき者の代理人として意見聴取に出席していることを確認し,その後,指定をしようとする理由及び警戒区域として定めようとする区域を聴取官に朗読させてこれを告知し,X代理人は,持参した意見書(乙37添付書類第4号)の記載を全て読み上げて意見を陳述し,同意見書の読み上げが終了した後,主宰者は,X代理人にその他の意見がないことを確認した上で,意見陳述の手続を終了した。 その後,主宰者は,証拠調べを行う旨を宣言し,X代理人に意見を裏付ける証拠の有無を尋ねたところ,同代理人は,「一応,意見書を持ってきましたので,よかったらどうぞ。後は公安委員会の方でご判断頂ければ。」と述べ,意見書を提出したが,主宰者が,「このペーパーは,代理人の方が読み上げた意見の内容と一緒ですか。」と尋ねたところ,X代理人が「一緒です。」と答えたことから,「これについては意見陳述書としてお預かりします。その他意見や証拠はありませんでしょうか。」と尋ね,X代理人の「別に。」との回答を受けて,その他に提出する証拠がないことを確認した上で,証拠調べの手続を終了した。 主宰者は,その他に意見の陳述及び証拠の提出がない旨を確認の上,意見聴取の終結を宣言した。 (乙37,弁論の全趣旨)イ本件処分処分行政庁は,平成24年12月27日,原告に対し,指定の期限を平成25年12月26日までとし,警戒区域を本件各区域と定めて特定危険指定暴力団等 した。 (乙37,弁論の全趣旨)イ本件処分処分行政庁は,平成24年12月27日,原告に対し,指定の期限を平成25年12月26日までとし,警戒区域を本件各区域と定めて特定危険指定暴力団等として指定する本件処分をした。(甲1)(7) 本件延長処分1処分行政庁は,平成25年12月25日,原告に対し,本件処分(特定危 険指定暴力団等の指定)の期限を平成26年12月26日までとする指定の期限の延長処分(本件延長処分1)を行った。(乙48,62)(8) 本件延長処分2処分行政庁は,平成26年12月25日,原告に対し,本件処分(特定危険指定暴力団等の指定)の期限を平成27年12月26日までとする指定の期限の延長処分(本件延長処分2)を行った。(乙63,79)(9) 書証の成立の真正等に関する原告の主張についてア原告は,上記(2)及び(3)の認定に係る書証のうち,乙14の1及び2,15の1~15の4,16の1及び2,17の1~17の3,18の2,19の1及び2,20の1~20の3,21の1~21の4,23の1及び2,24の1~24の6,25の1~25の22(枝番を含む。),26の1~26の25(枝番を含む。),27の1~27の23(枝番を含む。),28の1~28の3,33の1及び2,34の1については成立の真正を否認し,上記各書証は,通常のコピー用紙を使用して作成された写しにすぎず,作成名義人の記載もなく,記載内容が黒塗りにされているものもあるから,作成名義人が特定されておらず,民訴法228条2項による成立の真正の推定を受けることはない旨主張する。 しかしながら,上記各書証のうち乙15の3,16の1,21の4は作成名義人が記載されている。また,その余の書証については,これらの各書証の存在と証拠(乙46の1 推定を受けることはない旨主張する。 しかしながら,上記各書証のうち乙15の3,16の1,21の4は作成名義人が記載されている。また,その余の書証については,これらの各書証の存在と証拠(乙46の1~46の3,58の1及び2,59~61)及び弁論の全趣旨によれば,上記各書証は,所属を福岡県警察本部暴力団対策部組織犯罪対策課(以下「組織犯罪対策課」という。),官職名を警部補,巡査部長ないし巡査長として,当該所属及び官職の特定の警察官が,当時の組織犯罪対策課長のBV(乙46の1作成時は,福岡県警察本部暴力団対策部副部長。)に宛てて作成したものであり,BVは,これらの報告書の提出を受けた際,所属及び官職名とともに各 報告書の作成名義人である部下の警察官の記名押印が存在することを確認したこと(ただし,乙14の2及び23の2については,組織犯罪対策課長警視BWに宛てて作成,提出され,同課長が作成名義人の警察官の記名押印があることを確認しており,乙24の4及び5,乙25の10の2及び10の3,乙25の13の2及び13の3,乙27の3については,山口県警察本部刑事部組織犯罪対策課に所属する特定の警察官[警部補]が,当時の山口県警察本部刑事部組織犯罪対策課長のBX(乙46の3の作成時は,同刑事部参事官。)に宛てて作成し,提出したものであり,同課長が提出を受けた際,作成名義人の警察官の記名押印が存在することを確認している。),これらの報告書は,上記(2)及び(3)の認定事実に関して,警察官が職務上の調査を行った結果を報告したものであり,これらの報告書には,当該警察官が調査の過程で得た情報の他に,刑事判決書,供述調書,起訴状,送致書等の刑事記録,中止命令,新聞記事等の各写しが報告書の一部をなすものとして添付されていること,被告は,本件訴訟 告書には,当該警察官が調査の過程で得た情報の他に,刑事判決書,供述調書,起訴状,送致書等の刑事記録,中止命令,新聞記事等の各写しが報告書の一部をなすものとして添付されていること,被告は,本件訴訟において,これらの報告書を証拠として提出するために,組織犯罪対策課所属の警部BYが,部下の警察官2名に指示して,福岡県警察本部内に保管されていた原本を同本部内のコピー機で複写させて写しを作成した上で,被害者や関係者等のプライバシーの保護や報復のおそれ等からの保護の観点,立証上の必要性等を考慮しつつ,その一部(各報告書の作成名義人の記名押印部分を含む。)を黒塗り(マスキング)した上で,さらに,部下の警察官に指示して同本部内に設置されていたコピー機でそれらを複写させて写しを作成し,これらの書証をその原本の作成者を上記記名押印に係る警察官(ただし,所属と官職名のみを主張している。)であるとして,提出したこと(ただし,乙24の4及び5,乙25の10の2及び10の3,乙25の13の2及び13の3,乙27の3については,山口県警察から入手した原本の写し に基づいて,上記作業を行っている。)が認められる。これらの事実に照らせば,上記各書証の原本の作成者は,所属及び官職が特定された組織犯罪対策課(乙24の4及び5,乙25の10の2及び10の3,乙25の13の2及び13の3,乙27の3については山口県警察本部刑事部組織犯罪対策課)に所属する特定の警察官であるという限度において特定されており,作成者の特定に欠くことはなく,これらの文書の原本が存在し,かつ,同原本が被告が主張する特定の所属及び官職の警察官により作成されたものであることが認められる(写しの作成に関しては上記認定のとおりである。)。そして,これらの各書証の黒塗り部分に照らすと,これら ,同原本が被告が主張する特定の所属及び官職の警察官により作成されたものであることが認められる(写しの作成に関しては上記認定のとおりである。)。そして,これらの各書証の黒塗り部分に照らすと,これらの黒塗りが上記認定の目的に基づくものであることが首肯されるから,これらの黒塗り部分が存在するからといって,文書の成立の真正が否定されるということはできない。したがって,原告の主張を採用することはできない。 イまた,原告は,第1事案ないし第7事案を裏付ける各書証(乙14の1,15の1,16の1,17の1等)は,随所に黒塗りがされており,反証等による真実性を吟味し難いから信用性が認められるべきではないし,このうち作成名義人が記載されていない書証の成立の真正は否定されるべきである旨主張するが,上記アのとおり書証の成立の真正が認められるし,上記第1事案ないし第7事案の認定に係る各書証の内容に照らし信用性を否定する事情は認められないから,原告の主張は採用することはできない。 ウさらに,原告は,上記(2)イの認定に係る乙33の1(「工藤會事務所等の設置場所一覧表の作成に関する報告書」と題する書面)及び乙33の2(「工藤會構成員の居宅一覧表作成に関する調査報告書」と題する書面)について,作成名義人,事務所名(乙33の1),氏名(乙33の2),住所等の記載事項が黒塗りにされており,事務所の所在地, 構成員の氏名,住所との関連性が明らかにされていないから証拠能力がなく,証拠から排除されるべきである旨主張する。しかしながら,上記各書証について真正に成立したものと認められることは上記アのとおりであり,原告が主張する事項について黒塗り(マスキング)されているからといって直ちに証拠能力が否定されるものと認めることはできないし,乙33の1及び2に 成立したものと認められることは上記アのとおりであり,原告が主張する事項について黒塗り(マスキング)されているからといって直ちに証拠能力が否定されるものと認めることはできないし,乙33の1及び2によれば,本件各区域内の原告の事務所数及び原告の構成員の居住者数が明らかにされており,原告は,これらの事実について十分に把握しており,少なくとも把握し得るにもかかわらず,上記各書証に基づく上記(2)イの認定に反する主張をしていないことに照らせば,上記の黒塗り(マスキング)の存在によって,乙33の1及び2に基づく上記(2)イの認定が覆されることはない。 2 争点に対する判断(1) 本案前の争点1(本件無効確認請求の訴えの利益の有無)について本件において,原告は,本件処分の取消請求に係る訴えを適法に提起した上で,本件無効確認請求の訴えを併合提起しているところ,これらの両訴訟は本件処分の瑕疵を理由としてその効力を争う点に差異はないし,処分に重大かつ明白な瑕疵があることを前提とする処分の無効事由は原則として取消訴訟においても主張し得るものである上,本件において本件処分の取消請求に係る訴えに加えて本件無効確認請求の訴えによることが必要であると認めるべき事情も見当たらないことに照らせば,本件無効確認請求について訴えの利益を認めることはできない。 (2) 本案前の争点2(本件延長処分1の取消請求の訴えの利益の有無)について暴対法30条の8第2項による特定危険指定暴力団等の指定の期限の延長の処分は,特定危険指定暴力団等の指定の効力を継続させる処分であるところ,上記第2の3(4)のとおり,本件延長処分1による本件処分(特定危険指 定暴力団等の指定)の期限の延長の期限は平成26年12月26日であり,同日の経過によって本件延長処分1により本 ろ,上記第2の3(4)のとおり,本件延長処分1による本件処分(特定危険指 定暴力団等の指定)の期限の延長の期限は平成26年12月26日であり,同日の経過によって本件延長処分1により本件処分の効力を継続させるという効果は消滅したのであるから,原告に本件延長処分1の取消しを求める訴えの利益を認めることはできない。 したがって,本件延長処分1の取消請求は不適法である。 (3) 本案の争点2(暴対法及び本件処分等の合憲性)についてア暴対法及び同法の各条項の違憲主張について(ア) 暴対法の立法目的,制定過程等の違憲主張a立法目的の違憲主張原告は,上記第2の5(4)ア(ア)aの原告の主張のとおり,暴対法は,立法事実が欠如し,立法目的を欠くものであるから,憲法13条,14条1項,21条1項に違反する旨主張する。 しかしながら,上記1(1)認定の暴対法の制定経緯,同法1条の定め及び同法の規定の内容に照らせば,暴対法は,同法制定時までに,広域暴力団の勢力の拡大や寡占化が進み,暴力団員による民事介入暴力行為の増加や暴力団相互間の対立抗争が多発する等の事情が存在し,一般市民にもこれらの行為による被害が発生する等していたところ,暴対法制定以前の法令によっては必ずしも犯罪として検挙し得ない暴力団員による各種の不当な行為を規制する必要が生じたことから,このような行為等に関する規制等を行うことにより市民生活の安全と平穏を確保することを目的として制定されたものであると認められる。 したがって,暴対法につき原告の主張するように立法事実,立法目的が欠如するものであると認めることはできないし,同法が暴力団のみを差別したり,これを利用して同法を所掌する官庁の利益を図ることを目的とするものであると認めることはできないし,その規制も合理的な 的が欠如するものであると認めることはできないし,同法が暴力団のみを差別したり,これを利用して同法を所掌する官庁の利益を図ることを目的とするものであると認めることはできないし,その規制も合理的なものであり,この点に関する原告の違憲主張はその前提を欠き, 採用することができない。 b個別具体的法規範であることによる違憲主張について原告は,暴対法は暴力団員の行う暴力的要求行為等についての規制を行う法律であり,一般的抽象的法規範ではないから,平等原則に違反するし,立法権により制定された法律ではなく,憲法14条,41条に違反する旨主張する。 しかしながら,暴対法は,その団体の構成員が集団的に又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれがある暴力団及びその構成員に対して,一般的に等しく適用されるものであり,特定の団体をその規制対象とするものではなく,一般性を欠くものではないことは同法の内容に照らし明らかであり,この点についての原告の主張は採用することができない。 c暴対法の立法過程,運用の違憲に関する主張について原告は,平成3年の暴対法制定過程及び平成24年の同法改正過程において審議時間が短く十分な審議が行われておらず,立法事実の存否等の基礎事実の十分な検討が行われていないこと等から暴対法には重大な欠陥があり違憲である旨主張する。 しかしながら,上記1(1)ア(オ)b及びイ(ウ)のとおり,平成3年の暴対法の制定及び平成24年の同法改正に係る法案が衆議院及び参議院でそれぞれ可決され,公布されたものであるところ,法案の審議にどの程度の時間をかけるかは専ら各議院の判断によるものであり,その時間の長短により公布された法律の効力が左右されるものでないことは明らかであるし,その審議の状況に照らして,立法事実の存 法案の審議にどの程度の時間をかけるかは専ら各議院の判断によるものであり,その時間の長短により公布された法律の効力が左右されるものでないことは明らかであるし,その審議の状況に照らして,立法事実の存否等の基礎事実に十分な検討が行われていないと認めることもできないから,原告の主張は採用することができない。 (イ) 3条指定処分に関する違憲主張について a暴対法3条柱書(a) 原告は,暴対法3条柱書について,暴力団員が集団的に又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長する「おそれ」があることにより「指定」をし,暴対法に定める規制を行うものであるから,指定を受ける暴力団の要件該当性を曖昧にするとして,憲法13条,21条1項,31条に違反する旨主張する。 しかしながら,暴対法3条柱書は,同条1号ないし3号のいずれの要件も満たす暴力団につき,「その暴力団員が集団的に又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれが大きい暴力団」として指定する旨を定めるものであり,暴力団に対する指定の要件自体を定めたものではないから,同条柱書が指定暴力団の要件該当性を曖昧にする旨の原告の主張はその前提を欠き,採用することができない。 (b) また,原告は,暴対法3条柱書は任侠道を信奉する団体を暴力団として指定し,そのことを理由に社会的に差別するものであり,憲法13条,14条,19条に違反する旨主張する。 しかしながら,上記のとおり,指定暴力団の指定の要件は暴対法3条1号ないし3号に定められており,その要件が任侠道を信奉する団体であるか否かに関わるものではないことは明らかであるから,原告の主張はその前提を欠き,採用することはできない。 b暴対法3条1号原告は,暴対法3条1号について,「目的」という主観的要素を指定暴力 か否かに関わるものではないことは明らかであるから,原告の主張はその前提を欠き,採用することはできない。 b暴対法3条1号原告は,暴対法3条1号について,「目的」という主観的要素を指定暴力団の指定の要件としており,公安委員会が何の客観的基準もなく恣意的に指定の要件該当性を判断することになるから,憲法21条1項の結社の自由を侵害し,憲法31条に違反する旨主張する。 しかしながら,暴対法3条1号は,指定暴力団の指定の要件の一つ として,「名目上の目的のいかんを問わず,当該暴力団の暴力団員が当該暴力団の威力を利用して生計の維持,財産の形成又は事業の遂行のための資金を得ることができるようにするため,当該暴力団の威力をその暴力団員に利用させ,又は当該暴力団の威力をその暴力団員が利用することを容認することを実質上の目的とするものと認められること」として,その要件となる目的の内容を具体的に規定しており,社会通念に照らせば,通常の判断能力を有する一般人の理解において,いかなる場合に上記の「目的」に該当するか判断することができるものというべきであるから,公安委員会に何の客観的基準もなく恣意的な判断を行うことを許す規定であると認めることはできず,原告の主張は採用することはできない。 c暴対法3条2号(a) 原告は,暴対法3条2号の要件の「犯罪経歴保有」者の意味が不明確であるから,憲法31条に違反する旨主張する。 しかしながら,上記第2の2の関係法令の定めのとおり,暴対法3条2号は,「犯罪経歴保有者」について,同号イないしへのいずれかに該当する者である旨定めており,その規定内容に不明確な点は認められず,通常の判断能力を有する一般人の理解において,いかなる場合に「犯罪経歴保有者」に該当するか否かを判断することができるものと れかに該当する者である旨定めており,その規定内容に不明確な点は認められず,通常の判断能力を有する一般人の理解において,いかなる場合に「犯罪経歴保有者」に該当するか否かを判断することができるものというべきであるから,原告の主張は採用することができない。 (b) 原告は,暴対法3条2号が一定の比率の「犯罪経歴保有者」がいる団体であることを要件とし,当該比率について政令に白紙委任しているから,憲法31条に違反する旨主張する。 しかしながら,上記第2の2の関係法令の定めのとおり,暴対法3条2号は,政令に委任する「比率」について,「当該区分ごとに 国民の中から任意に抽出したそれぞれの人数の集団において,その集団の人数のうちに占める犯罪経歴保有者の人数の比率が当該政令で定める比率以上となる確率が10万分の1以下となるものに限る。」旨定めており,政令により定める比率の内容について具体的に暴対法により規定しているから,上記比率につき政令に白紙委任していることを前提とする原告の主張は採用することができない。 (c) また,原告は,暴対法3条2号は,「犯罪経歴保有者」を社会的身分により差別するものであり,憲法14条に違反する旨主張する。 しかしながら,そもそも原告の主張は原告ないし原告の構成員のいずれの権利につきいかなる点において差別扱いをする旨主張するのか明らかではない。この点を措くとしても,憲法14条は,国民に対する絶対的な平等の取扱いを保障したものではなく,合理的な理由なくして差別することを禁止する趣旨であるから,事実上の差異に相応して合理的に法的取扱いを区別することは,憲法14条に反するものではない(最高裁昭和39年5月27日大法廷判決・民集18巻4号676頁,同昭和41年7月20日大法廷判決・民集20巻6号1217頁,同 て合理的に法的取扱いを区別することは,憲法14条に反するものではない(最高裁昭和39年5月27日大法廷判決・民集18巻4号676頁,同昭和41年7月20日大法廷判決・民集20巻6号1217頁,同昭和60年3月27日大法廷判決・民集39巻2号247頁参照)ところ,上記1(1)ア(オ)のとおり,暴対法3条2号において,構成員又は幹部に占める犯罪経歴保有者の比率を基準とする要件を3条指定処分の要件とした趣旨は,暴力団には暴力団員が犯すことが多い犯罪等を行った経歴のある者が著しく多く含まれている事実に基づき,これを要件として暴対法による規制対象とする者を特定するというものであり,このような犯罪経歴保有者が構成員に一定の比率を超える団体のみを暴力団として指定するという取扱いには合理的な理由があるから,憲法14条に違反するものであるということはできない。 (d) 原告は,暴対法3条2号の「幹部」の概念が不明確であり,団体の定める幹部とは無関係に「犯罪経歴保有者」の比率が判断されることは憲法14条に違反し,憲法21条1項の結社の自由を侵害する旨主張する。 しかしながら,暴対法3条2号は「幹部」について「主要な暴力団員として国家公安委員会規則で定める要件に該当する者をいう。」と定めているところ,同号及び同条3号の規定の内容に照らせば,暴力団における主要な暴力団員は同条3号に定める階層的組織構成の上層部にいる者であることは明確であるし,その具体的な範囲については同号により委任された暴対法施行規則2条1号ないし3号に定められており,これらの定めに不明確な点は認められない。また,原告が主張するとおり,団体が幹部として定める者と暴対法2条3号の「幹部」に該当する者が異なったとしてもこのことがいかなる意味において憲法14条に違反し,又 の定めに不明確な点は認められない。また,原告が主張するとおり,団体が幹部として定める者と暴対法2条3号の「幹部」に該当する者が異なったとしてもこのことがいかなる意味において憲法14条に違反し,又は憲法21条1項の結社の自由を侵害するのか明らかではなく,原告の主張は採用することができない。 (e) また,原告は,暴対法3条2号がその属する集団の人数の多少により犯罪経歴保有者比率の区分を設けていること自体,その根拠も関連性も合理性もなく,犯罪経歴保有者の多少により区別するもので憲法14条1項に違反し,憲法21条1項の結社の自由を侵害するし,判断基準が曖昧であるから憲法21条1項に違反する旨主張する。 しかしながら,暴対法3条2号において,構成員又は幹部に占める犯罪経歴保有者の比率を基準とする要件を3条指定処分の要件とした趣旨は,上記(c)のとおりであり,合理的な根拠を有しているし,当該比率は,上記(b)のとおり定められ,集団の人数の区分に 応じて,国民の中から任意に抽出した集団における犯罪経歴保有者の占める比率が暴対法施行令1条で定める比率以上となる確率が10万分の1以下となる比率を算出することとしたものであり,その判断基準が曖昧であるということはできない。したがって,原告の違憲主張は採用することができない。 (f) 原告は,暴対法3条2号が大赦や刑の執行猶予期間が経過した者等刑の言渡しの効力が消滅した者を「犯罪経歴保有者」であるとするものであるから,憲法14条1項に違反する旨主張する。 しかしながら,原告がいかなる点において憲法14条1項に違反する差別扱いがある旨主張するのか不明であるし,この点を措くとしても,暴対法3条2号の要件を定めた趣旨は上記(c)のとおりであるところ,刑の言渡しの効力が消滅した者について いて憲法14条1項に違反する差別扱いがある旨主張するのか不明であるし,この点を措くとしても,暴対法3条2号の要件を定めた趣旨は上記(c)のとおりであるところ,刑の言渡しの効力が消滅した者についても上記の犯罪等を行ったことには変わりがないのであるから,この者も含めて「犯罪経歴保有者」とすることには合理性があるというべきであり,かかる基準を用いることが憲法14条1項に違反する根拠はない。したがって,原告の違憲主張は採用することができない。 d暴対法3条3号原告は,暴対法3条3号が「運営を支配する地位にある者」を要件として定めるところ,その定義が不明確であるから憲法31条に違反し,憲法21条1項の結社の自由を侵害する旨主張する。 しかしながら,上記1(1)ア(オ)のとおり,暴対法3条3号は,暴力団が組長等の統制を受けて階層的に組織構成されている団体であるという特徴を有することから,これを要件として暴対法による規制対象とする者を特定するというものであり,「運営を支配する地位にある者」はその規定に照らせば当該団体を統制している者を意味することは明確であり,通常の判断能力を有する一般人の理解において合理的 に判断することができるものであるから,その定義が不明確であることを前提とする原告の違憲主張は採用することができない。 e暴対法5条原告は,暴対法5条は3条指定処分を行う際に処分行政庁に指定の要件該当性があることを基礎付ける資料の提出を求めておらず要件該当性の検討,反論の機会を奪うものであるから憲法31条に違反する旨主張する。 しかしながら,上記第2の2の関係法令の定めのとおり,暴対法5条は,3条指定処分の際に公開による意見聴取を行わなければならない旨(同法5条1項),意見聴取を行う場合において公安委員会は指 張する。 しかしながら,上記第2の2の関係法令の定めのとおり,暴対法5条は,3条指定処分の際に公開による意見聴取を行わなければならない旨(同法5条1項),意見聴取を行う場合において公安委員会は指定に係る暴力団を代表する者又はこれに代わるべき者に対して指定しようとする理由並びに意見聴取の期日及び場所を相当の期間をおいて通知する等すること(同条2項),意見聴取に際しては当該指定に係る暴力団を代表する者若しくはこれに代わるべき者又はこれらの代理人が当該指定について意見を述べ,かつ,有利な証拠を提出することができること(同条3項)を定めているところ,かかる規定は,3条指定処分を行うに先だって,指定をしようとする理由等を事前に通知することにより,指定に係る暴力団を代表する者等に指定の要件該当性について意見陳述及び証拠提出の機会を与えるとともにその準備を行うことを可能とするものであり,これに加えて処分行政庁に要件該当性を基礎付ける資料の提出等を求めないことが直ちに処分を受ける者の要件該当性の検討,反論の機会を奪うものと認めることはできず,これを前提とする原告の違憲主張は採用することができない。 f暴対法9条原告は,暴対法9条につき,同法3条による指定の効果として,「威力を示して」行った暴力的要求行為の禁止を定めるものの,「威力を 示して」の文言によっては適法行為の外延が不明確であるから,罪刑法定主義,憲法21条1項に違反する旨主張する。 しかしながら,暴対法9条は,同条各号において暴力的要求行為に該当する行為を定めており,これらの規定が不明確であるということはできないし,また,これらの行為につき「威力を示して」行うことを禁止するものであるところ,「威力」はその文言に照らせば人の意思を制圧するに足る勢力を意味するもので らの規定が不明確であるということはできないし,また,これらの行為につき「威力を示して」行うことを禁止するものであるところ,「威力」はその文言に照らせば人の意思を制圧するに足る勢力を意味するものであると解され,通常の判断能力を有する一般人の理解において,その要件を充足しているか否か判断することができるというべきであるから,かかる要件についても不明確であるということはできず,原告の違憲主張は採用することができない。 (ウ) 暴対法30条の8第1項に基づく特定危険指定処分に関する違憲主張についてa特定危険指定処分に関する規定の明確性の原則違反,結社の自由侵害等に関する主張について原告は,特定危険指定処分の根拠規定及び同処分による規制等に係る規定につき,①過度の広汎性理論,明確性の原則に違反するから憲法21条1項ないし憲法31条に違反する旨,②結社の自由等を侵害するものであるから憲法21条1項に違反する旨主張して本件処分が違憲である旨主張するので,以下検討する。 (a) 特定危険指定処分による規制の内容上記第2の2の関係法令の定めのとおり,特定危険指定処分は,指定暴力団等について,暴力行為要件及びおそれ要件を満たす場合に,警戒区域を定めて行うこととされている。 特定危険指定処分を受けた特定危険指定暴力団等の指定暴力団員は,暴力的要求行為を行う目的で,警戒区域内において又は警戒区 域における人の生活若しくは業務の遂行に関して,その相手方に対し,①面会を要求すること,②電話をかけ,ファクシミリ装置を用いて送信し,又は電子メールを送信すること,③つきまとい,又はその居宅若しくは事務所の付近をうろつくことが禁止され(暴対法30条の9),これに違反した特定危険指定暴力団等の指定暴力団員には中止命令等が発出され(同法 子メールを送信すること,③つきまとい,又はその居宅若しくは事務所の付近をうろつくことが禁止され(暴対法30条の9),これに違反した特定危険指定暴力団等の指定暴力団員には中止命令等が発出され(同法30条の10),中止命令に違反した者に対しては罰則が定められている(同法47条16号)。 また,特定危険指定処分を受けた特定危険指定暴力団等の指定暴力団員で,警戒区域において又は警戒区域における人の生活若しくは業務の遂行に関して,暴力的要求行為又は暴対法30条の2の規定に違反する行為をした者に対しては罰則が定められている(同法46条3号)。 なお,警戒区域内に在る特定危険指定暴力団等の事務所が,暴対法30条の8第1項の暴力行為に関し,特定危険指定暴力団等の指定暴力団員により①多数の指定暴力団員の集合の用,②当該暴力行為のための謀議,指揮命令又は連絡の用,③当該暴力行為に供用されるおそれがあると認められる凶器その他の物件の製造又は保管の用に供されており,又は供されるおそれがあると認めるときは,当該事務所に係る管理者又は当該事務所を現に使用している指定暴力団員に対して3か月以内の期間を定めて当該事務所を上記の用又は当該特定危険指定暴力団等の活動の用に供してはならない旨を命ずることができる旨(同法30条の11)が定められているが,かかる規制は特定危険指定処分に伴う規制ではなく,同処分を受けた後に上記要件を満たした場合において使用制限命令という新たな命令により行われる規制である。 (b) 規制に関する明確性の原則違反等の主張について 法令の規定の文言が漠然,不明確であり,当該規定が不明確のゆえに文面上違憲無効となるものであるか否かについては,通常の判断能力を有する一般人の理解において,具体的場合にその規定が適用され,そこで定 法令の規定の文言が漠然,不明確であり,当該規定が不明確のゆえに文面上違憲無効となるものであるか否かについては,通常の判断能力を有する一般人の理解において,具体的場合にその規定が適用され,そこで定める行為規制を受けるものかどうかの判断を可能ならしめるような基準が定められているか否かによって判断するのが相当である(最高裁昭和50年9月10日大法廷判決・刑集29巻8号489頁参照)。 この点,原告は,暴対法30条の8第1項が特定危険指定処分の要件として「おそれがある」という漠然とした文言を定めているし,また,警戒区域について「警戒」の文言が不明確であり,警戒を「要する」か否かについての判断を公安委員会に白紙委任するものであるから明確性の原則に違反し,過度の広汎性の理論からも憲法21条1項,31条に違反する旨主張する。しかしながら,上記の「おそれ」は,暴力行為要件が認められる場合において,指定暴力団員又はその要求若しくは依頼を受けた者がさらに反復して同様の暴力行為を行う可能性をいうものであり,暴力行為の発生頻度,当該暴力行為に関する構成員の言動,暴力行為における凶器の使用状況,暴力的要求行為等又は請求妨害行為(暴対法30条の2)の発生状況等に照らしてかかる要件を満たすか否かについて客観的に判断すべきものであるというべきであるから,公安委員会による恣意的な運用を許すものではなく,通常の判断能力を有する一般人の理解において,具体的場合にその規定が適用されるか否かの判断を行うことができない不明確なものであると認めることはできないし,上記文言が不明確であることによりその規制が過度に広汎なものになると認めることはできない。また,「警戒」区域についても,上記の暴力行為要件及びおそれ要件が認められる場合において,「当該暴 力行為によ 確であることによりその規制が過度に広汎なものになると認めることはできない。また,「警戒」区域についても,上記の暴力行為要件及びおそれ要件が認められる場合において,「当該暴 力行為により人の生命又は身体に重大な危害が加えられることを防止するために特に警戒を要する区域」を定めるものであり,その規定に照らせば,通常の判断能力を有する一般人の理解において具体的場合にその規定が適用されるか否かの判断を行うことができない不明確なものであると認めることはできない。 また,原告は,本件処分による規制の内容として定められる暴対法30条の9及び10の各規定の文言に関し,「目的」(同法30条の9柱書),「つきまとい」,「うろつく」(同法30条の9第3号),「必要な事項」(同法30条の10)の各文言がそれぞれ不明確である旨主張する。しかしながら,暴対法30条の9柱書の「暴力的要求行為を行う目的」については,その目的の内容となる「暴力的要求行為」の内容が同法9条において具体的に定められているのであるから,その目的の有無について,通常の判断能力を有する一般人の理解において判断することができるものであり,不明確であるとはいえない。同じく,「つきまとい」,「うろつく」(同法30条の9第3号)についても,社会通念上いかなる行為がこれに該当するのか通常の判断能力を有する一般人の理解において判断することができるものであるというべきである。さらに,暴対法30条の10第2項は,暴力行為要件及びおそれ要件という特定危険指定処分の要件を満たす状況下において,同処分を受けた暴力団の構成員が,暴力的要求行為を行う目的で同法30条の9各号に規定する面会要求行為等をした場合に,更に同様の面会要求行為等をするおそれがあると認めるときに,暴力団の構成員がかかる行為に及 けた暴力団の構成員が,暴力的要求行為を行う目的で同法30条の9各号に規定する面会要求行為等をした場合に,更に同様の面会要求行為等をするおそれがあると認めるときに,暴力団の構成員がかかる行為に及ぶことを防ぐ目的で「必要な事項」を命じることができる旨規定するものであって,暴力団の構成員が行うおそれが認められる面会要求行為等とそれを防ぐという目的との関係で必要かつ合理的な内容 といえる事項が命じられるものであることはその文言に照らせば明らかであるから,「必要な事項」の内容が不明確であるとはいえない。 したがって,本件処分が明確性の原則等の違反により憲法21条1項,31条に違反する旨の原告の主張は採用することができない。 (c) 規制内容についての結社の自由等の侵害に関する主張について憲法21条1項は結社の自由を保障するものであるが,結社の自由は,あらゆる場合に無制限に保障されるものではなく,公共の福祉による必要かつ合理的な制限を受ける。そして,このような結社の自由に対する制約が必要かつ合理的なものとして是認されるかどうかは,制限が必要とされる程度と,制限される自由の内容及び性質,これに加えられる具体的な制限の態様及び程度等を総合衡量して決めるのが相当である(最高裁平成4年7月1日大法廷判決・民集46巻5号437頁参照)。 これを本件についてみると,平成24年改正前の暴対法においても,暴力団員の行う暴力的要求行為等について必要な規制を行うこと等により市民生活の安全と平穏を図り国民の自由と権利を保護することを目的として(同法1条),暴力的要求行為等が禁止されていたが,上記1(1)認定のとおり,かかる規制によっては違反者に対して中止命令等を発出することができるにとどまり,命令違反者には罰則が適用されるものの,一般市民の 条),暴力的要求行為等が禁止されていたが,上記1(1)認定のとおり,かかる規制によっては違反者に対して中止命令等を発出することができるにとどまり,命令違反者には罰則が適用されるものの,一般市民の生命身体を侵害する危険な暴力行為に発展するおそれのある暴力的要求行為等の抑止としては不十分である上,中止命令等は個別の暴力団構成員に対して発出されるものであるため,異なる構成員により暴力的要求行為等が敢行されることの抑止も不十分であり,現に暴力団により一般市民の生命身体を侵害する暴力行為が多数発生していたことから,そのよ うな危険な暴力行為に発展する危険性のある暴力的要求行為等に対する抑止力を高めることにより暴力行為の発生を防止し,危険な暴力行為から一般市民の生命身体を保護するために特定危険指定処分が定められたものである。 そして,特定危険指定処分による規制の内容及びその性質は,上記(a)のとおり,団体自体の結成を禁止したり,団体の意思形成や活動を制限したりするものでなく,個々の構成員の行為のうち一定の行為を禁止ないし制限するものであり,その禁止ないし制限される行為は,①暴力的要求行為を行う目的で,警戒区域において行う暴対法30条の9各号に定める行為,②警戒区域において行う暴力的要求行為及び同法30条の2の規定に違反する行為(同法46条3号)である。①の規制の対象となる行為は,同法30条の8第1項に規定する暴力行為要件及びおそれ要件を満たし,一般市民の生命身体に対する重大な危害が生じるおそれのある状況において,暴力的要求行為を行うための反社会的な不当な目的で行われる行為である上,暴力的要求行為,ひいては,第三者の生命身体に対して重大な危害を生じさせる暴力行為に発展するおそれがある行為であるし,これに対する規制の態様は中止 ための反社会的な不当な目的で行われる行為である上,暴力的要求行為,ひいては,第三者の生命身体に対して重大な危害を生じさせる暴力行為に発展するおそれがある行為であるし,これに対する規制の態様は中止命令等の発出を行った上でこれに従わない場合にはじめて罰則規定が適用されるというものであり,違反行為が直ちに処罰されるわけではない。また,②の規制については,これに違反した場合に違反行為が直ちに処罰されることとされているものの,そもそもこれらの行為については特定危険指定処分の有無にかかわらず暴対法において指定暴力団員等が行うことを禁止されているし,特に特定危険指定処分の要件として定められた暴力行為要件及びおそれ要件を満たす状況の下において行われるかかる行為は,単に反社会的性格のある不当な行為であるというにと どまらず,一般市民の生命又は身体に重大な危害を加える暴力行為に発展するおそれが高い行為である。そして,①及び②の規制は,いずれも当該行為が警戒区域において行われる場合等に限られており,禁止期間も法定されている。 そうすると,暴対法が特定危険指定処分によって保護しようとする利益は,一般市民の生命身体であり,従前の規制によっては暴力団によるこれらの利益の侵害行為を十分に防止することができず,これを抑止するための新たな規制の強い必要性が認められる一方,当該規制は団体の結社そのものに対する規制ではなく,構成員による反社会的な行為又は反社会的な目的を有する行為に対する規制にすぎないし,暴対法30条の8第1項の要件を満たし,一般市民の生命又は身体に重大な危害を加える方法による暴力行為が行われるおそれがあるという状況下においては,上記の態様による規制については,公共の福祉の観点から必要かつ合理的なものであり,結社の自由を侵害するもの は身体に重大な危害を加える方法による暴力行為が行われるおそれがあるという状況下においては,上記の態様による規制については,公共の福祉の観点から必要かつ合理的なものであり,結社の自由を侵害するものということはできない。 これに対し,原告は,結社の自由に関する違憲審査基準について,最高裁平成7年3月7日第3小法廷判決(民集49巻3号687頁)が採用する明白かつ現在の危険の基準によるべきであり,規制を行うには,明らかな差し迫った危険の発生が具体的に予見されることが必要であり,そのような事態の発生が客観的事実に照らして具体的に明らかに予測される場合であることが必要である旨主張するが,上記は,公の施設を集会のために利用しようとしたところこれを拒否されたという集会の自由一般に関する制限が問題となった事案についての判例であり,上記(a)のとおり,人の生命又は身体に重大な危害が加えられるおそれがある危険な状況下において,その規制対象となる行為も限定されている本件とは事案を異にするから,原 告の主張は採用することができない。 また,原告は,上記規制が結社の自由のみならず,思想良心の自由を侵害する旨主張するが,既に説示したところに照らせば,原告の主張は採用することはできない。 bその余の本件処分に関する違憲主張について(a) 暴対法30条の9原告は,暴対法30条の9について,①警戒区域内における面会の要求を制限する同条1号は誰と面会し交流するかについて公権力による介入を受けない利益を制約するものとして憲法13条,21条1項に違反し,②電話等を禁止する暴対法30条の9第2号は通信の自由を侵害するものとして憲法21条1項に違反し,③つきまとい,うろつく行為を禁止する暴対法30条の9第3号は移動の自由を侵害するものとして憲法 し,②電話等を禁止する暴対法30条の9第2号は通信の自由を侵害するものとして憲法21条1項に違反し,③つきまとい,うろつく行為を禁止する暴対法30条の9第3号は移動の自由を侵害するものとして憲法13条に違反する旨主張する。 しかしながら,上記aのとおり,憲法上の人権の保障は無制限のものではなく,公共の福祉による制限を受けるところ,暴対法30条の9により禁止される行為は暴力的要求行為を行うという反社会的な目的で行われる行為であり,その規制目的,規制内容等に照らしてこれらの制約が憲法の上記各条項に違反するものと認めることはできない。 (b) 暴対法46条3号原告は,暴対法46条3号について,同法30条の2に違反する行為について直罰規定を定めるが,同法30条の2違反の要件となる「つきまとい」行為について規制するストーカー規制法等と比較して罪刑の均衡を失し,「つきまとい」の意義も不明確であるから憲法31条に違反する旨主張する。 しかしながら,上記aのとおり,「つきまとい」の意義が不明確 であるとはいえないし,暴対法46条3号に該当する行為は,暴力的要求行為等に関連して人の生命身体に重大な危害を加える方法による暴力行為が行われるおそれがある場合に行われる,同行為に発展するおそれが高い行為であり,その規制目的,内容,これによる罰則との関係において合理性を欠くと認めることはできず,ストーカー規制法に基づく規制(同法5条)とはその規制目的,規制の前提となる状況,要件等が異なる以上,同法の定める刑罰と暴対法46条3号の刑罰が異なるからといって直ちに憲法31条に違反するものと認めることはできない。 また,原告は,暴対法46条3号は,特定危険指定暴力団の構成員のみについて直罰規定を定めるものであるから,他の指定暴力団の構成員と といって直ちに憲法31条に違反するものと認めることはできない。 また,原告は,暴対法46条3号は,特定危険指定暴力団の構成員のみについて直罰規定を定めるものであるから,他の指定暴力団の構成員との比較において不合理な差別的取扱いをするものであり,憲法14条1項に違反する旨主張する。 しかしながら,仮に特定危険指定暴力団ないしその構成員であることが憲法14条1項の「社会的身分」該当するとしても,上記のとおり,同項は,国民に対する絶対的な平等の取扱いを保障したものではなく,合理的な理由なくして差別することを禁止する趣旨であるから,国民各自の事実上の差異に相応して法的取扱いを区別することは,その区別が合理性を有する限り,憲法14条1項に違反するものとはいえない。そして,上記aのとおり,特定危険指定処分の要件を満たす場合においては暴力的要求行為等に関連して人の生命身体に重大な危害を加える方法による暴力行為が行われるおそれがあるのであるから,その規制の必要性が高く,かかる場合にそのような行為を抑止するために上記処分を受けていない指定暴力団員と同処分を受けた指定暴力団員について異なる取扱いをすることは,合理的な理由に基づくものであり,憲法14条1項に違反する と認めることはできない。 (c) 暴対法30条の8第2項原告は,本件処分の取消請求との関係において,暴対法30条の8第2項が違憲である旨主張するが,下記(6)のとおり,同法30条の8第2項に関する原告の違憲主張は採用することができない。 (d) 暴対法30条の8第4項原告は,本件処分に至る手続を定めた暴対法30条の8第4項について,同法5条の場合と同様に公安委員会に要件該当性を根拠付ける資料の提出を求めていないから,憲法31条に違反する旨主張する。 しかしなが は,本件処分に至る手続を定めた暴対法30条の8第4項について,同法5条の場合と同様に公安委員会に要件該当性を根拠付ける資料の提出を求めていないから,憲法31条に違反する旨主張する。 しかしながら,暴対法5条は,上記(イ)eのとおり,特定危険暴力団の指定を受ける者に対して事前の告知をした上,聴聞の機会を付与するものであり,要件該当性を根拠付ける資料の提出を公安委員会に求めていないことが憲法31条に違反する旨の主張は採用することができない。 (e) 中止命令違反に係る罰則規定に関する主張のうち暴対法47条の違憲主張について原告は,暴対法第8章に規定される中止命令違反に係る罰則規定が中止命令等に違反したことを構成要件とするもので,その要件は中止命令等の内容によって異なるものであり,刑罰の具体的構成要件を中止命令等を発する行政庁に白紙委任するものであるから,憲法41条,73条6号但書に違反する旨主張するところ,上記aのとおり,暴対法30条の10による中止命令に違反した者に対する罰則を定める同法第8章(罰則)の各条文のうち,同法47条16号のみが本件処分に直接関連する規定であるが,同号はその要件を明確に定めており,構成要件の定めを政令等の下位規範に委任する ものではないから,憲法41条,73条6号に違反することはないし,中止命令の内容についても上記aのとおり不明確なものということはできないから,原告の主張は採用することができない。 (f) 暴対法30条の8第7項原告は,暴対法30条の8第7項は,同条1項による要件該当性の審査を行うことなく,同法3条及び4条に基づく新指定がされたときに特定危険指定暴力団として扱うものであるから,憲法21条1項,31条に違反する旨主張する。 しかしながら,暴対法30条の8第7項は,既 査を行うことなく,同法3条及び4条に基づく新指定がされたときに特定危険指定暴力団として扱うものであるから,憲法21条1項,31条に違反する旨主張する。 しかしながら,暴対法30条の8第7項は,既にされている有効な特定危険指定処分がそのまま効力を有することになるだけであり,特定危険指定処分の要件該当性の審査なく,特定危険指定暴力団等として扱うものではないから,原告の主張はその前提を欠き,採用することができない。 (エ) その他の違憲主張について原告は,上記第2の5(4)ア(ウ)の原告の主張のとおり,暴対法30条の8第3項,同法30条の11,同法33条,同法49条,中止命令違反等に係る罰則規定のうち同法47条16号以外の規定についても憲法の各条項に違反する旨主張するが,上記各規定は,本件処分の要件となるものではなく,同処分による直接の効果を定めたものでもないから,本件処分に係る法律関係を構成するものであるということはできず,この点に関する違憲主張を理由として本件処分に係る法律関係の違憲無効ないし本件処分の違法を主張することはできないというべきであり,原告の主張は採用することができない。 イ本件処分の違憲主張について(ア) 原告は,本件処分について,原告と原告以外の山口県下に存在する指定暴力団について結社の自由の保障に関して差別的な扱いをするも のであるから,憲法14条1項に違反する旨主張するが,上記ア(ウ)b(b)のとおり,特定危険指定処分の要件を満たす団体について他の指定暴力団との区別取扱いを行うことが合理的な根拠を欠くということはできず,原告の主張は採用することができない。 (イ) また,原告は,上記第2の5(4)イ(イ)の原告の主張のとおり,本件処分が結社の自由等を侵害するものであり,憲法21条1項,1 欠くということはできず,原告の主張は採用することができない。 (イ) また,原告は,上記第2の5(4)イ(イ)の原告の主張のとおり,本件処分が結社の自由等を侵害するものであり,憲法21条1項,13条に違反する旨主張するが,かかる主張に理由がないことは上記アのとおりである。 ウ以上によれば,原告の本件処分に関する違憲主張はいずれも採用することができない。 (4) 本案の争点3(本件処分の適法性)についてア指定要件について(ア) 指定対象特定危険指定暴力団等の指定は,「指定暴力団等」(暴対法2条5号)に対して行われるものであるところ,原告は,上記第2の3(2)のとおり,本件処分前の平成22年6月22日に3条指定処分を受けているから,原告は指定暴力団等に該当するものと認められる。 これに対し,原告は,上記第2の5(5)ア(ア)の原告の主張のとおり,原告に対する指定暴力団としての指定の適法性を争うが,上記の3条指定処分は公定力により同処分が取り消されない限り有効であり,同処分が取り消されたという事実は認められない。したがって,原告が指定暴力団等に該当し,特定危険指定暴力団等の指定の対象となるものであることは明らかであるから,原告の主張は採用することはできない。 (イ) 暴力行為要件についてa上記第2の2の関係法令の定めのとおり,暴対法30条の8は,特定危険指定暴力団等の指定要件として,①指定暴力団等の指定暴 力団員がした暴力的要求行為又は当該指定暴力団等の指定暴力団員がした暴対法12条の3の規定に違反する行為に係る準暴力的要求行為(暴力的要求行為等)であって,その相手方が拒絶したもの(1号),②当該指定暴力団等の指定暴力団員がした暴対法30条の2の規定に違反する行為(請求妨害行為)(2号)のいずれか に係る準暴力的要求行為(暴力的要求行為等)であって,その相手方が拒絶したもの(1号),②当該指定暴力団等の指定暴力団員がした暴対法30条の2の規定に違反する行為(請求妨害行為)(2号)のいずれかの行為が行われた場合において,指定暴力団員又はその要求若しくは依頼を受けた者が当該行為に関連して凶器を使用して人の生命又は身体に重大な危害を加える方法による暴力行為を行ったこと(暴力行為要件)を定めている。 そして,上記①の「暴力的要求行為」とは,暴対法9条の規定に違反する行為をいい(同法2条7号),「準暴力的要求行為」とは,一の指定暴力団等の暴力団員以外の者が当該指定暴力団等又は同法9条に規定する系列上位指定暴力団等の威力を示して同条各号に掲げる行為をすることをいう(同法2条8号)ところ,暴力的要求行為等の要件を定める暴対法9条本文にいう「指定暴力団等の威力を示し」とは,指定暴力団等の威力(人の意思を制圧するに足りる勢力)を相手方に認識させる一切の行為をいうものであり,必ずしも相手方に畏怖,困惑,不安又は迷惑の感を生ぜしめる程度のものであることを要しない。 被告は,第1事案ないし第7事案につき暴力行為要件に該当する旨主張するところ,以下,要件該当性について検討する。 b第1事案上記1(3)ア(ア)認定のとおり,原告の構成員であるDが,同人が原告の構成員であることを知っていたゴルフ場の管理者が原告の構成員によるゴルフ場の利用を拒絶しているにもかかわらず,原告の構成員によるゴルフ場の利用を要求しており,その要求文言に照らせば,Dが原告の構成員であることを認識するゴルフ場の管理者に対してその ことを再認識させるものであると認められるから,Dの上記のゴルフ場の利用を要求した行為は,指定暴力団である原告の威力を示して行わ 構成員であることを認識するゴルフ場の管理者に対してその ことを再認識させるものであると認められるから,Dの上記のゴルフ場の利用を要求した行為は,指定暴力団である原告の威力を示して行われた暴対法9条18号の暴力的要求行為に該当するものと認められる。そして,上記1(3)ア(ア)の認定によれば,Dの暴力的要求行為の相手方である上記のゴルフ場の管理者がこれを拒絶したものと認められるところ(同法30条の8第1号),原告の構成員であるE及びFは, これに対する報復のために,平成12年10月22日,同ゴルフ場の支配人に対し,殺意ないし傷害の意図で刃物でその胸部を突き刺したのであるから,上記の暴力的要求行為に関連して凶器を使用して人の生命,身体に重大な危害を加える方法による暴力行為を行ったものと認められ,第1事案は暴力行為要件に該当するものと認めるのが相当である。 c第2事案上記1(3)ア(イ)認定のとおり,競売によりビルを取得した組合が,同ビルを組事務所として利用していた原告の下部組織である工藤會大東亜組に対して,所有権に基づき,同ビルからの退去を求めたものであるから,同組合の代表者は,「指定暴力団員の所属する指定暴力団等の事務所の用に供されている建物の所有権を有する者で当該指定暴力団等の指定暴力団員の行為により当該権利を害されているものが当該事務所に係る管理者に対してする当該事務所を当該指定暴力団等の指定暴力団員に使用させないこととするための請求」(暴対法30条の2第2号)を行った「請求者」(同条柱書)に該当するものと認められる。そして,上記1(3)ア(イ)の認定によれば,原告の構成員であるGは,原告の事務所の撤去を請求した組合に対し,その報復のため,平成13年2月18日,同組合の理事長が管理する店舗に普通乗用自動車 る。そして,上記1(3)ア(イ)の認定によれば,原告の構成員であるGは,原告の事務所の撤去を請求した組合に対し,その報復のため,平成13年2月18日,同組合の理事長が管理する店舗に普通乗用自動車を突入させたのであるから,「請求者に不安を覚えさせるような 方法」で上記組合の代表者の請求を「妨害」するものとして,暴対法30条の2に違反する行為に該当し(同法30条の8第1項2号),かつ,かかる妨害行為として,普通乗用自動車を凶器として使用して,同ビルの従業員や付近の通行人等の人の生命又は身体に重大な危害を加える方法による暴力行為を行ったものと認められるから,第2事案は暴力行為要件に該当する。 原告は,第2事案についてGが同事案後に除籍処分を受けており,同事案が原告の意思に反し,原告の威力を暴力団員に利用させる等していないことは明らかであり,原告との関連性がない旨主張するが,暴力行為要件は,指定暴力団員が暴力行為を行ったことが要件となるものであり,暴力行為を行った指定暴力団の構成員がその後に除籍処分を受けたか否かによって要件該当性の判断に影響を与えるものではないから,原告の主張は採用することはできない。 d第3事案被告は,第3事案において原告の構成員であるHがエステ店を営んでいる被害者に対し「工藤會の方針だから中国人は出てくれ。」と述べてビルからの立ち退きを要求したことが,原告の威力を示して被害者の意思に反して明渡しを要求する行為に当たり,暴対法9条13号の暴力的要求行為に該当する旨主張する。しかしながら,上記1(3)ア(ウ)のとおり,Hが上記発言をしたと認めることはできず,その他同人が「指定暴力団等の威力を示して」被害者に対して明渡しを要求したと認めるに足りる事実を主張立証していないから,暴対法9条13号の暴力 ウ)のとおり,Hが上記発言をしたと認めることはできず,その他同人が「指定暴力団等の威力を示して」被害者に対して明渡しを要求したと認めるに足りる事実を主張立証していないから,暴対法9条13号の暴力的要求行為に該当するものと認めることはできない。したがって,上記行為が暴力的要求行為に該当することを前提として第3事案が暴力行為要件を満たす旨の被告の主張は採用することができない。 e第4事案 上記1(3)ア(エ)認定のとおり,原告の構成員がぱちんこ店新規開店の際に暴力団に対する開店の挨拶と称するみかじめ料の支払が慣例となっていることを承知していた被害会社に対してみかじめ料を要求する等しており,その内容に照らせば,指定暴力団である原告の威力を示してみだりに金品等の贈与を要求する暴対法9条2号に該当する暴力的要求行為が行われたものと認められる。そして,上記1(3)ア(エ)の認定によれば,暴力的要求行為の相手方である上記の被害会社がこれを拒絶したものと認められるところ(同法30条の8第1号),原告の構成員が, これに対する報復等のために,平成15年5月1日に上記被害会社が経営する従業員が存在するぱちんこ店の壁面ガラス等に車両後部を約6回にわたり衝突させて同車を同建物内に突入させた行為,同年7月29日に同被害会社が経営する来客が遊技中のぱちんこ店内において拳銃を発射した行為は,いずれも上記暴力的要求行為に関連して凶器を使用して人の生命又は身体に重大な危害を加える方法による暴力行為に当たるものと認められ,第4事案は暴力行為要件に該当するものと認められる。 f第5事案被告は,第5事案について原告の構成員であるOがホテルの土地・建物の競売に関し,原告の意に反し同不動産を落札した会社の実質的経営者に対してホテルの経営から撤 るものと認められる。 f第5事案被告は,第5事案について原告の構成員であるOがホテルの土地・建物の競売に関し,原告の意に反し同不動産を落札した会社の実質的経営者に対してホテルの経営から撤退することを要求したことが被害者の意思に反して同ホテルの土地・建物の明渡しを要求することと同視することができるから暴対法9条13号の暴力的要求行為に該当する旨主張する。しかしながら,上記1(3)ア(オ)認定のOの被害者に対する脅迫文言の内容に照らしても,被告も自認するとおり上記各不動産の明渡しを求めることまで含む趣旨と解することはできず,Oが被害者に対して建物の明渡しを要求したものと認めることはできないし, これと同視し得るとして同号の要件に該当する旨の被告の主張は暴対法9条ひいては同条所定の暴力的要求行為を要件とする同法30条の8第1項の適用範囲を不明確にするものであり,採用することができない。 g第6事案上記1(3)ア(カ)の認定によれば,原告の構成員であるRらによる恐喝行為1及び恐喝行為2はいずれも原告の名前を明示して一方的に金銭を要求する行為であると認められ,その内容に照らせば,指定暴力団である原告の威力を示してみだりに金品等の贈与を要求する暴対法9条2号に該当する暴力的要求行為が行われたものと認められる。そして,上記1(3)ア(カ)の認定によれば,暴力的要求行為の相手方である上記の被害会社がこれを拒絶したものと認められるところ(同法30条の8第1号),Rらが, これに対する報復及び嫌がらせのために,平成21年11月14日,ガソリン等の凶器を用いて従業員の居室がある上記被害会社が経営するぱちんこ店に放火した行為は上記暴力的要求行為に関連して凶器を使用して人の生命又は身体に重大な危害を加える方法による暴力行為 14日,ガソリン等の凶器を用いて従業員の居室がある上記被害会社が経営するぱちんこ店に放火した行為は上記暴力的要求行為に関連して凶器を使用して人の生命又は身体に重大な危害を加える方法による暴力行為に当たるものと認められ,第6事案は暴力行為要件に該当するものと認められる。 h第7事案上記1(3)ア(キ)の認定によれば,原告の構成員であるSらは,原告の構成員であることを認識する被害者に対して金銭の支払を要求したものであるところ,その要求文言に照らせば,指定暴力団である原告の威力を示してみだりに金銭の支払を要求するものであり,暴対法9条2号の暴力的要求行為に該当するものと認められる。そして,上記1(3)ア(キ)の認定によれば,暴力的要求行為の相手方である被害者がこれを拒絶したものと認められるところ(暴対法30条の8第1号), Sらは,さらに上記要求に応じさせるために平成22年8月30日頃にはアイスピック様の凶器を用いて被害者の首筋に押し当てる等の行為を行ったものであるから,かかる行為は上記暴力的要求行為に関連して凶器を使用して人の生命又は身体に重大な危害を加える方法による暴力行為に当たるものと認められ,第7事案は暴力行為要件に該当するものと認められる。原告は,第7事案につき,被害者も暴力団関係者であり,内輪もめの事案にすぎないから,原告の威力を示したものとはいえない旨主張するが,上記認定,判断に照らして,原告の主張は採用することはできない。 i以上によれば,第1事案,第2事案,第4事案,第6事案及び第7事案については暴力行為要件に該当するものと認められる。 原告は,上記各事案は平成12年から平成22年までに敢行されたものであるから,暴力行為要件の判断の基礎とすることには憲法39条前段違反の疑義がある旨主張する 力行為要件に該当するものと認められる。 原告は,上記各事案は平成12年から平成22年までに敢行されたものであるから,暴力行為要件の判断の基礎とすることには憲法39条前段違反の疑義がある旨主張するが,特定危険指定暴力団等の指定は,その処分の際に相手方に拒絶された暴力的要求行為等に関連して凶器を使用して人の生命等に重大な危害を加える方法による暴力行為が行われるおそれが存在するか否かによるものであり,かかる要件の判断の前提として,過去に行われた暴力行為要件に該当する事案を考慮することが遡及処罰の禁止を定める憲法39条前段に該当するものと認めることはできず,原告の主張を採用することはできない。 (ウ) おそれ要件a上記第2の2の関係法令の定めのとおり,特定危険指定暴力団等の指定要件として,「指定暴力団員の所属する指定暴力団等の指定暴力団員又はその要求若しくは依頼を受けた者が更に反復して同様の暴力行為を行うおそれがあると認めるとき」(おそれ要件)と定めている(暴対法30条の8第1項本文)。そして,おそれ要件は, 暴力行為要件に該当する行為が繰り返されるおそれないし可能性をいい,上記の「おそれ」は客観的に認められる必要があるところ,かかる要件の有無を判断するに当たっては,要件該当暴力行為の発生頻度,当該暴力行為に関する構成員の言動,暴力行為における凶器の使用状況,暴力的要求行為等又は請求妨害行為の発生状況等の事情を総合的に勘案して判断するのが相当である。 bこれを本件についてみると,①上記(イ)のとおり,Cが原告の代表者となった平成12年以降本件処分時までの間に,原告の構成員により第1事案,第2事案,第4事案,第6事案及び第7事案の少なくとも5件の要件該当暴力行為が複数年にわたり反復して敢行されており,本件処分時 なった平成12年以降本件処分時までの間に,原告の構成員により第1事案,第2事案,第4事案,第6事案及び第7事案の少なくとも5件の要件該当暴力行為が複数年にわたり反復して敢行されており,本件処分時の直近の第7事案は本件処分の約2年前という時間的にも近接した時期に敢行されたものであること,②上記1(3)イ(ア)のとおり,平成12年以降本件処分時までの間において,原告の構成員により32件の報復等目的の暴力行為(うち第1事案ないし第7事案を構成する事件が9件。)が敢行されており(うち被疑者死亡の1件を除き,有罪判決が確定している。),このうち27件(84%)は凶器が使用されたものであり,21件(66%)は生命身体に重大な危害を加える方法が執られたものであること,③上記1(3)イ(ア)のとおり,原告の構成員に対して少なくとも71件の暴力的要求行為等に係る中止命令等が発出されていること,上記1(3)イ(ア)aないしcの,平成21年5月11日から平成24年5月29日までの間に原告の構成員により敢行され中止命令等が発出された暴力的要求行為の内容,④上記1(3)イ(イ)のとおり,平成12年以降本件処分時までの間において,原告の構成員が敢行した銃器,手りゅう弾その他高度の殺傷力のある凶器等の所持又は使用に係る事件は,検挙されているものだけで少なくとも29件に達し ており,ほぼ毎年認知されているという暴力行為における凶器使用の実態があることに加え,⑤上記1(3)イ(ウ)のとおり,上記第1事案ないし第7事案の際に原告の代表者等であった者の大半(78%)が本件処分直前においても原告の代表者等であり,上記の32件の報復等目的の暴力行為に関与した者の大半(84%)が本件処分直前においても原告の構成員であることに照らせば,原告の構成員等が更に反 %)が本件処分直前においても原告の代表者等であり,上記の32件の報復等目的の暴力行為に関与した者の大半(84%)が本件処分直前においても原告の構成員であることに照らせば,原告の構成員等が更に反復して要件該当暴力行為を行うおそれがあるものと認められるから,おそれ要件の存在が認められる。 (エ) 指定期間について暴対法30条の8第1項は,特定危険指定暴力団等としての指定に当たり,1年を超えない範囲内の期間を定めるものとしているところ,かかる期間は,要件該当暴力行為が行われるおそれがあると認められる期間をいうものと解するのが相当である。 これを本件についてみると,上記(イ)及び(ウ)のとおり,平成12年以降本件処分時までの間,長期にわたり,多数の要件該当暴力行為及び暴力的要求行為,報復等目的の暴力行為等が敢行されており,要件該当暴力行為が敢行された際の原告の代表者等やこれらの行為に関与した構成員について本件処分時にも大きな変動がないことに照らせば,上記のおそれが1年未満の間に解消する見込みがあると認めることはできず,本件処分における指定期間を1年間とした処分行政庁の判断に誤りがあると認めることはできない。 (オ) 警戒区域についてa特定危険指定暴力団等の指定に当たり,暴力行為により人の生命又は身体に重大な危害が加えられることを防止するために,特に警戒を要する区域を警戒区域として定めるものであるところ,警戒区域は,暴力的要求行為等又は請求妨害行為に関連して危険な暴力行 為が行われるおそれのある区域をいう。そして,かかるおそれが認められるか否かは,当該区域について,暴力行為やその前提となる暴力的要求行為等又は請求妨害行為を行った指定暴力団員及びその所属組織の活動拠点や資金獲得活動等の状況,当該団体や組織が関与 おそれが認められるか否かは,当該区域について,暴力行為やその前提となる暴力的要求行為等又は請求妨害行為を行った指定暴力団員及びその所属組織の活動拠点や資金獲得活動等の状況,当該団体や組織が関与する過去の同種事案の発生状況等に基づき判断するのが相当である。 以下,本件各区域について,警戒区域に該当するか否かを検討する。 b北九州市上記(イ)及び(ウ)のとおり原告については暴力行為要件,おそれ要件に該当することが認められるところ,上記1(2)イのとおり,原告は,本件処分の直前の時点において,北九州市内に本部事務所を含む少なくとも32か所の事務所を設置し,同市内には325名の原告の構成員が居住していること,上記1(3)ウ(ア)のとおり,平成12年以降平成24年11月15日までの間に原告の構成員に対して北九州市を発生場所とする暴力的要求行為等に係る中止命令等が34件発出されていること,原告の構成員につき同期間における恐喝,恐喝未遂,脅迫等の事実により14件の有罪判決が確定しており,このうち上記1(3)ウ(ア)bに例示した事実はその内容に照らせばいずれも原告の威力を示した暴力的要求行為(暴対法9条2項)に該当するものと認められること,同期間に原告の構成員により同市内において報復等目的の暴力行為が18件敢行されていること(第2事案,第3事案及び第5事案を含む。)及びその行為の内容に照らせば,同市は,暴力的要求行為等又は請求妨害行為に関連して危険な暴力行為が行われるおそれのある区域に該当するものと認められる。 c福岡市上記(イ)及び(ウ)のとおり原告については暴力行為要件,おそれ要件 に該当することが認められるところ,上記認定1(2)イのとおり,原告は,本件処分の直前の時点において,福岡市内に4か所の事務所を設 び(ウ)のとおり原告については暴力行為要件,おそれ要件 に該当することが認められるところ,上記認定1(2)イのとおり,原告は,本件処分の直前の時点において,福岡市内に4か所の事務所を設置し,同市内には47名の原告の構成員が居住していること,上記1(3)ウ(イ)のとおり,平成12年以降平成24年11月15日までの間に原告の構成員に対して同市を発生場所とする暴力的要求行為等に係る中止命令等が4件発出されていること,原告の構成員につき同期間における恐喝,恐喝未遂,脅迫等の事実により1件の有罪判決が確定しており,上記1(3)ウ(イ)bの同事実の内容に照らせば,原告の威力を示した暴力的要求行為(暴対法9条2号)に該当するものと認められること,同期間に原告の構成員により同市内において報復等目的の暴力行為が4件敢行されていること(第4事案及び第7事案を含む。)及びその行為の内容に照らせば,同市は,暴力的要求行為等又は請求妨害行為に関連して危険な暴力行為が行われるおそれのある区域に該当するものと認められる。 d行橋市上記(イ)及び(ウ)のとおり原告については暴力行為要件,おそれ要件に該当することが認められるところ,上記認定1(2)イのとおり,原告は,本件処分の直前の時点において,行橋市内に少なくとも1か所の事務所を設置し,同市内には19名の原告の構成員が居住しており,原告は,平成15年から平成24年までの間原告傘下の組事務所において同市につき原告の縄張りであることを示す地図を掲示する等していたこと,上記1(3)ウ(ウ)のとおり,平成12年以降平成24年11月15日までの間に原告の構成員に対して同市を発生場所とする暴力的要求行為等に係る中止命令等が3件発出されていること,原告の構成員につき同期間における恐喝,恐喝未遂,脅迫等 12年以降平成24年11月15日までの間に原告の構成員に対して同市を発生場所とする暴力的要求行為等に係る中止命令等が3件発出されていること,原告の構成員につき同期間における恐喝,恐喝未遂,脅迫等の事実により1件の有罪判決が確定しており,上記1(3)ウ(ウ)bの同事実の内容に照らせ ば,原告の威力を示した暴力的要求行為(暴対法9条2号)に該当するものと認められること,同期間に原告の構成員により同市内において報復等目的の暴力行為が2件敢行されていること及びその行為の内容,同市は,上記bのとおり本部事務所が設置され,暴力行為等が多数敢行されている北九州市に隣接しており,同市中心部から約25kmの距離にあり(弁論の全趣旨),地理的にも人,物の行き来が容易であるものと認められることに照らせば,行橋市は,暴力的要求行為等又は請求妨害行為に関連して危険な暴力行為が行われるおそれのある区域に該当するものと認められる。 e豊前市上記(イ)及び(ウ)のとおり原告については暴力行為要件,おそれ要件に該当することが認められるところ,上記認定1(2)イのとおり,本件処分の直前の時点において,豊前市内には1名の原告の構成員が居住していること,原告は,平成15年から平成24年までの間原告傘下の組事務所において同市につき原告の縄張りであることを示す地図を掲示する等していたことに照らせば,同市は,暴力的要求行為等又は請求妨害行為に関連して危険な暴力行為が行われるおそれのある区域に該当するものと認められる。 f中間市上記(イ)及び(ウ)のとおり原告については暴力行為要件,おそれ要件に該当することが認められるところ,上記認定1(2)イのとおり,原告は,本件処分の直前の時点において,中間市内に1か所の事務所を設置し,同市内には18名の原 り原告については暴力行為要件,おそれ要件に該当することが認められるところ,上記認定1(2)イのとおり,原告は,本件処分の直前の時点において,中間市内に1か所の事務所を設置し,同市内には18名の原告の構成員が居住しており,原告は,平成15年から平成24年までの間原告傘下の組事務所において同市につき原告の縄張りであることを示す地図を掲示する等していたこと,上記1(3)ウ(エ)のとおり,平成12年以降平成24年11月15日ま での間に原告の構成員により同市内において報復等目的の暴力行為が1件敢行されていること及びその行為の内容,同市は,上記bのとおり本部事務所が設置され,暴力行為等が多数敢行されている北九州市に隣接しており(弁論の全趣旨),地理的にも人,物の行き来が容易であるものと認められることに照らせば,中間市は,暴力的要求行為等又は請求妨害行為に関連して危険な暴力行為が行われるおそれのある区域に該当するものと認められる。 g春日市上記(イ)及び(ウ)のとおり原告については暴力行為要件,おそれ要件に該当することが認められるところ,上記認定1(2)イのとおり,本件処分の直前の時点において,同市内には9名の原告の構成員が居住していること,上記1(3)ウ(オ)のとおり,平成12年以降平成24年11月15日までの間に原告の構成員に対して同市を発生場所とする暴力的要求行為等に係る中止命令等が4件発出されていること,原告の構成員につき同期間における恐喝,恐喝未遂,脅迫等の事実により1件の有罪判決が確定しており,上記1(3)ウ(オ)bの同事実の内容に照らせば,原告の威力を示した暴力的要求行為(暴対法9条2号)に該当するものと認められること,同市は,上記cのとおり暴力行為等が多数敢行されている福岡市に隣接しており同市中心部から の同事実の内容に照らせば,原告の威力を示した暴力的要求行為(暴対法9条2号)に該当するものと認められること,同市は,上記cのとおり暴力行為等が多数敢行されている福岡市に隣接しており同市中心部から約10kmの距離にあり(弁論の全趣旨),地理的にも人,物の行き来が容易であるものと認められることに照らせば,春日市は,暴力的要求行為等又は請求妨害行為に関連して危険な暴力行為が行われるおそれのある区域に該当するものと認められる。 h宮若市上記(イ)及び(ウ)のとおり原告については暴力行為要件,おそれ要件に該当することが認められるところ,上記認定1(2)イのとおり,原告 は,本件処分の直前の時点において,宮若市内に1か所の事務所を設置し,同市内には4名の原告の構成員が居住しており,原告は,平成15年から平成24年までの間原告傘下の組事務所において同市につき原告の縄張りであることを示す地図を掲示する等していたこと,上記1(3)ウ(カ)のとおり,平成12年以降平成24年11月15日までの間に原告の構成員により同市内において報復等目的の暴力行為が1件敢行されていること及びその行為の内容に照らせば,同市は,暴力的要求行為等又は請求妨害行為に関連して危険な暴力行為が行われるおそれのある区域に該当するものと認められる。 i遠賀郡(芦屋町,水巻町,岡垣町及び遠賀町)上記(イ)及び(ウ)のとおり原告については暴力行為要件,おそれ要件に該当することが認められるところ,上記認定1(2)イのとおり,原告は,本件処分の直前の時点において,遠賀郡内に2か所の事務所を設置し,同郡内には12名の原告の構成員が居住しており,原告は,平成15年から平成24年までの間原告傘下の組事務所において同郡につき原告の縄張りであることを示す地図を掲示する等 内に2か所の事務所を設置し,同郡内には12名の原告の構成員が居住しており,原告は,平成15年から平成24年までの間原告傘下の組事務所において同郡につき原告の縄張りであることを示す地図を掲示する等していたこと,上記1(3)ウ(キ)認定のとおり,平成12年以降平成24年11月15日までの間に原告の構成員に対して同郡を発生場所とする暴力的要求行為等に係る中止命令等が2件発出されていること,原告の構成員につき同期間における恐喝,恐喝未遂,脅迫等の事実により1件の有罪判決が確定しており,上記1(3)ウ(キ)bの同事実の内容に照らせば,原告の威力を示した暴力的要求行為(暴対法9条2号)に該当するものと認められること,同郡は,上記bのとおり原告の本部事務所が設置され,暴力行為等が多数敢行されている北九州市に接しており,北九州市西部は従前遠賀郡に属していたこと(弁論の全趣旨)等によれば,地理的にも人,物の行き来が容易であるものと認められること,平成 16年の原告の構成員が手りゅう弾を保管した事案,平成17年の原告の構成員が拳銃及びこれに適合する実包を保管した事案についていずれも有罪判決が確定していることに照らせば,同郡は,暴力的要求行為等又は請求妨害行為に関連して危険な暴力行為が行われるおそれのある区域に該当するものと認められる。 j鞍手郡(小竹町及び鞍手町)上記(イ)及び(ウ)のとおり原告については暴力行為要件,おそれ要件に該当することが認められるところ,上記認定1(2)イのとおり,原告は,本件処分の直前の時点において,鞍手郡内に1か所の事務所を設置し,同郡内には3名の原告の構成員が居住しており,原告は,平成15年から平成24年までの間原告傘下の組事務所において同郡につき原告の縄張りであることを示す地図を掲示する等してい 1か所の事務所を設置し,同郡内には3名の原告の構成員が居住しており,原告は,平成15年から平成24年までの間原告傘下の組事務所において同郡につき原告の縄張りであることを示す地図を掲示する等していたこと,上記1(3)ウ(ク)認定のとおり,原告の構成員につき平成12年以降平成24年11月15日までの間における恐喝,恐喝未遂,脅迫等の事実により1件の有罪判決が確定しており,上記1(3)ウ(ク)の同事実の内容に照らせば,原告の威力を示した暴力的要求行為(暴対法9条2号)に該当するものと認められること,同郡は,上記bのとおり原告の本部事務所が設置され,暴力行為等が多数敢行されている北九州市に接しており(弁論の全趣旨),地理的にも人,物の行き来が容易であるものと認められることに照らせば,同郡は,暴力的要求行為等又は請求妨害行為に関連して危険な暴力行為が行われるおそれのある区域に該当するものと認められる。 k京都郡(苅田町及びみやこ町)上記(イ)及び(ウ)のとおり原告については暴力行為要件,おそれ要件に該当することが認められるところ,上記認定1(2)イのとおり,本件処分の直前の時点において,京都郡内には13名の原告の構成員が居 住しており,原告は,平成15年から平成24年までの間原告傘下の組事務所において同郡につき原告の縄張りであることを示す地図を掲示する等していたこと,上記1(3)ウ(ケ)認定のとおり,平成12年以降平成24年11月15日までの間に原告の構成員に対して同郡を発生場所とする暴力的要求行為等に係る中止命令等が3件発出されていること,上記1(3)ウ(ケ)のとおり,同期間に原告の構成員により同郡内において報復等目的の暴力行為が2件敢行されていること(第1事案を含む。)及びその行為の内容,同郡は,上記bのとおり原 されていること,上記1(3)ウ(ケ)のとおり,同期間に原告の構成員により同郡内において報復等目的の暴力行為が2件敢行されていること(第1事案を含む。)及びその行為の内容,同郡は,上記bのとおり原告の本部事務所が設置され,暴力行為等が多数敢行されている北九州市に接しており(弁論の全趣旨),地理的にも人,物の行き来が容易であるものと認められること,平成17年に原告の構成員が拳銃及びこれに適合する実包を保管した事案について有罪判決が確定していることに照らせば,同郡は,暴力的要求行為等又は請求妨害行為に関連して危険な暴力行為が行われるおそれのある区域に該当するものと認められる。 l築上郡(吉富町,上毛町及び築上町)上記(イ)及び(ウ)のとおり原告については暴力行為要件,おそれ要件に該当することが認められるところ,上記認定1(2)イのとおり,原告は,本件処分の直前の時点において,築上郡内に1か所の事務所を設置し,同郡内には4名の原告の構成員が居住しており,原告は,平成15年から平成24年までの間原告傘下の組事務所において同郡につき原告の縄張りであることを示す地図を掲示する等していたこと,上記1(3)ウ(コ)認定のとおり,平成23年10月29日に原告の構成員に対して同郡を発生場所とする暴力的要求行為等に係る中止命令が1件発出されていること,同郡は,上記bのとおり原告の本部事務所が設置され,暴力行為等が多数敢行されている北九州市に近接しており(弁論の全趣旨),地理的にも人,物の行き来が容易であるものと認めら れることに照らせば,同郡は,暴力的要求行為等又は請求妨害行為に関連して危険な暴力行為が行われるおそれのある区域に該当するものと認められる。 m以上によれば,本件各区域はいずれも警戒区域の要件を満たすものと認めら 郡は,暴力的要求行為等又は請求妨害行為に関連して危険な暴力行為が行われるおそれのある区域に該当するものと認められる。 m以上によれば,本件各区域はいずれも警戒区域の要件を満たすものと認められる。 イ手続違背の有無について(ア) 特定危険指定処分をしようとするときには,公安委員会は,指定をしようとする理由並びに意見聴取の期日及び場所について意見聴取通知書を送達して通知する等した上で,意見聴取を行わなければならない旨定められているところ(暴対法30条の8第4項,5条1項,2項),上記1(6)の認定によれば,処分行政庁は,原告に対して指定をしようとする理由並びに意見聴取の期日及び場所について意見聴取通知書を送達して通知する等した上で,本件意見聴取手続を行い,その後,本件処分を行ったのであるから,その手続が違法であると認めることはできない。 (イ) これに対し,原告は,本件意見聴取手続において,実質的には告知聴聞の機会が与えられず本件処分を受けたから,憲法31条に違反する旨主張するが,上記(ア)のとおり採用することはできない。 (ウ) また,原告は,行政手続法15条2項2号及び同法18条の趣旨に照らせば,本件処分に当たり,処分の原因となる資料の閲覧を行わせる必要があるところ,本件意見聴取通知書には,指定をしようとする理由,警戒区域として定めようとする地域が記載されているものの,本件処分の原因となる事実を裏付ける資料が添付されていないから,本件意見聴取手続は違法である旨主張する。 しかしながら,特定危険指定処分については,行政手続法15条2項2号,同法18条の適用を除外する旨定められており(暴対法43条), 暴対法及び意見聴取規則には意見聴取の通知において同通知の「指定をしようとする理由」に記載された事実を裏付 15条2項2号,同法18条の適用を除外する旨定められており(暴対法43条), 暴対法及び意見聴取規則には意見聴取の通知において同通知の「指定をしようとする理由」に記載された事実を裏付ける資料を開示ないし添付することについての法律上の根拠はない。そもそも特定危険指定処分をしようとする際に意見聴取を行うこととされた趣旨は,指定をしようとする理由についてその相手方に意見の陳述及び証拠の提出の機会を与えることによりその処分の適正を図るものであり,指定をしようとする理由を示すことによりかかる事実に関する意見を述べ,証拠を提出することができるのであるから,意見聴取ないしその前提としての意見聴取の通知において,上記の理由を裏付ける資料を開示することまで求めるものであると解することはできない。したがって,原告の主張は採用することはできない。 (エ) また,原告は,処分行政庁は本件意見聴取手続において原告代表者本人の出席を十分に確保する必要があったにもかかわらず,同手続において原告代表者であるCが出席できるように手続を行った形跡がなく意見聴取手続を強行しているから,代表者の出席確保に問題があり,違法である旨主張する。 しかしながら,意見聴取手続において代表者の出席が必要的である旨定める規定はないし,意見聴取の通知を受けた者は,病気その他のやむを得ない理由がある場合には,公安委員会に対し,意見聴取の期日又は場所の変更を申し出ることができる旨定められているところ(意見聴取規則16条),原告からかかる申出が行われたと認めるに足りる証拠はないし,上記1(6)認定のとおり,本件意見聴取手続には原告の代理人及び補佐人が出席しており,原告代表者が出席することなく意見聴取手続が行われることについて異議等を述べた事実はうかがわれないことに照らせば 上記1(6)認定のとおり,本件意見聴取手続には原告の代理人及び補佐人が出席しており,原告代表者が出席することなく意見聴取手続が行われることについて異議等を述べた事実はうかがわれないことに照らせば,原告代表者が出席することなく行われた本件意見聴取手続に違法があると認めることはできない。したがって,原告の主張は採用する ことができない。 (オ) 原告は,本件意見聴取手続において主宰者が指定をしようとする理由及び警戒区域として定めようとする区域を聴取官に朗読させる際に,これらの事実を裏付ける証拠の提示あるいは朗読がされた形跡がないことから,本件意見聴取手続が違法である旨主張する。 しかしながら,上記(ウ)で説示したとおり,意見聴取手続において指定をしようとする理由を裏付ける証拠の提示等を行わなかったことが違法であると認めることはできず,原告の主張は採用することができない。 (カ) 原告は,本件意見聴取手続において原告の代理人が意見陳述を始めたところ,聴取官が意見陳述を制限してこれを妨害した旨主張する。 しかしながら,上記1(6)認定のとおり,X代理人は意見書を全て読み上げており,主宰者は意見聴取手続を終了する際に聴取官がX代理人に対してその他の意見がないことを確認した上で意見陳述の手続を終了していることに照らせば,本件意見聴取手続において聴取官が意見陳述の妨害をしたものと認めることはできず,原告の主張は採用することができない。 (キ) 原告は,処分行政庁による本件処分の理由となる事案の選択が違法である旨主張するが,かかる主張は,本件意見聴取手続の手続上の違法を基礎付ける事由であると認めることはできないし,この点を措くとしても,既に上記アで説示したとおり,本件処分は処分要件を満たすものであるから,本件処分が違法であるという 件意見聴取手続の手続上の違法を基礎付ける事由であると認めることはできないし,この点を措くとしても,既に上記アで説示したとおり,本件処分は処分要件を満たすものであるから,本件処分が違法であるということはできず,原告の主張は採用することができない。 (ク) 原告は,事務所の使用制限に関する原告の意見陳述は意見聴取規則22条3項の「事案の範囲を超えて発言するとき」に該当しないにもかかわらず,これを妨害されたことが違法である旨主張する。しかしながら,上記1(6)認定のとおり,本件意見聴取手続においてX代理 人は持参した意見書の記載事項を全て読み上げて意見を陳述し,同意見書には事務所使用制限に関する意見が記載されていること(乙37),主宰者は本件意見聴取手続を終了する際に聴取官がX代理人に対してその他の意見がないことを確認した上で意見陳述の手続を終了していることに照らせば,本件意見聴取手続において事務所の使用制限に関する原告の意見陳述が妨害されたものと認めることはできず,原告の主張は採用することができない。 (ケ) 原告は,本件意見聴取手続において,他の団体との比較において原告に特定危険指定処分を行うことの是非や憲法上の問題については意見聴取規則22条3項の「事案の範囲を超えて発言するとき」には該当せず,聴取官には応答義務があるにもかかわらず,これに対する回答を拒否したことは違法である旨主張する。しかしながら,暴対法及び意見聴取規則には相手方から述べられた意見について聴取官が応答する義務を定めた規定は存在しないから,原告の代理人が述べた意見について聴取官が応答しなかったからといって,本件意見聴取手続が違法であるということはできず,原告の主張は採用することができない。 (コ) 原告は,本件意見聴取手続の主宰者は,意見聴取規 べた意見について聴取官が応答しなかったからといって,本件意見聴取手続が違法であるということはできず,原告の主張は採用することができない。 (コ) 原告は,本件意見聴取手続の主宰者は,意見聴取規則28条に基づき証拠の提出を求め,証拠調べを開始する際に原告の代理人が意見書を提出したが,委員長が同規則33条の却下事由が存在しないにもかかわらずこれを証拠として扱わず,意見陳述書として取り扱ったこと,主宰者には当事者に対して証拠の申出の意義等を説明する義務があるにもかかわらずこれを怠ったこと,意見聴取の結果を記載した調書に提出された証拠について「なし」と記載したことが虚偽であることによれば,本件意見聴取手続は違法である旨主張する。 しかしながら,主宰者が同規則28条に基づき証拠の提出を求めたも のと認めるに足りる証拠はない。また,意見聴取手続において,証拠の申出を行う場合には証拠及びその内容と証明しようとする事実との関係を具体的に明らかにして行わなければならないこととされているところ(同規則32条),上記1(6)の認定によれば,X代理人は,主宰者が証拠調べを行う旨宣言した後に意見書を主宰者に対して提出したものの,証拠及びその内容と証明しようとする事実との関係を具体的に明らかにして同意見書を提出したものと認めることはできないし,主宰者が意見陳述書として同意見書を預かる旨述べたことに対して,X代理人が特に異議を述べず,また,主宰者がその他に証拠はないか質問したところ,同代理人が「別に。」と回答したことに照らせば,上記の意見書の提出が証拠の申出に当たるものと認めることはできず,主宰者がこれを意見陳述書として取り扱い,同手続の調書において証拠につき「なし」と記載したことが虚偽であると認めることもできない。さらに,暴対法及び意見聴 拠の申出に当たるものと認めることはできず,主宰者がこれを意見陳述書として取り扱い,同手続の調書において証拠につき「なし」と記載したことが虚偽であると認めることもできない。さらに,暴対法及び意見聴取規則には,証拠調べにおいて,主催者が相手方に対して書面を証拠として提出することと意見陳述書として提出することの差異等の証拠申出の意義を説明する義務は定められておらず,かかる説明を主宰者が行わなかったことが違法であると認めることはできない。したがって,原告の主張は採用することができない。 (サ) さらに,原告は,本件意見聴取手続において,指定しようとする理由の事件について工藤會の犯行に間違いない旨述べたことはないにもかかわらず,同手続の調書にその旨記載したことは違法であり,また,同手続が39分間しか行われていないことからすれば実質的に意見聴取が行われたものとはいえない旨主張する。 しかしながら,証拠(乙37)及び弁論の全趣旨によれば,本件意見聴取手続の意見陳述の際に,聴取官の「この指定をする理由に書いてある5つの暴力行為の事件と3つの暴力的要求行為の事件は,間違いなく 工藤會の組員がやったということでよろしいですか」との質問に対してX代理人が「はい,よろしいです」と回答したこと,かかる意見陳述の要旨として上記の手続調書の意見陳述の要旨欄に同代理人の意見として「指定をしようとする理由の事件は工藤會の犯行に間違いない。」旨記載されていることが認められ,同調書に記載された内容は原告の構成員の犯行であることを認める旨の上記のX代理人の回答が要約されたものと認められるから,同調書の記載に誤りがあると認めることはできない。 また,本件意見聴取手続の時間の長短によって実質的に意見聴取が行われていないものと認めることはできない。したがって,原 約されたものと認められるから,同調書の記載に誤りがあると認めることはできない。 また,本件意見聴取手続の時間の長短によって実質的に意見聴取が行われていないものと認めることはできない。したがって,原告の主張は採用することができない。 ウまとめ以上によれば,本件処分は適法であり,本件処分の取消請求及び本件予備的請求には理由がない。 (5) 本案の争点4(暴対法30条の8第2項の合憲性)についてア原告は,特定危険指定処分の指定の期限の延長について定める暴対法30条の8第2項について,公安委員会が「必要があると認めるとき」に暴対法3条の指定要件及び同法30条の8第1項の特定危険指定の要件該当性を認定しないままこれらの要件を擬制して期限の延長をすることにより結社の弱体化を招来するものであるから,憲法21条1項の結社の自由を侵害する旨主張する。 しかしながら,暴対法30条の8第2項は,同条1項の指定をした場合において,当該指定の有効期間が経過した後において「更にその指定の必要があると認めるとき」に特定危険指定処分の指定の期限を延長することができる旨定めるところ,上記(4)のとおり,特定危険指定処分の要件は①暴力行為要件及び②おそれ要件であり,①は過去に行われた行為をいい,同処分の有効期間が経過した後においてもこの事実が存在 することには変わりないのに対し,②については時間の経過に伴って変動し得るものであるから,「更にその指定の必要があると認めるとき」とは,指定の有効期間が経過した後においても,なお上記②のおそれ要件を満たすことを意味するものと解するのが相当である。 したがって,暴対法30条の8第2項に基づく特定危険指定処分の指定の期限の延長の際には,おそれ要件の有無について処分行政庁による判断が行われることとなるの とを意味するものと解するのが相当である。 したがって,暴対法30条の8第2項に基づく特定危険指定処分の指定の期限の延長の際には,おそれ要件の有無について処分行政庁による判断が行われることとなるのであるから,同法30条の8第1項の要件該当性を認定しないままその要件を擬制するものであるということはできない。また,暴対法3条による要件該当性については同法30条の8第2項による延長処分とは別個に行われるものであり(同法30条の8第7項,8条),延長処分によってその要件が擬制されるわけではないから,原告の憲法21条1項違反に関する主張はその前提を欠くものであり,採用することはできない。 イまた,原告は,暴対法30条の8第2項に基づく特定危険指定処分の指定の期限の延長処分について,「必要があると認めるとき」に該当するか否かの判断を公安委員会に委ねており,司法的なチェックや当事者である暴力団の手続への関与に関する規定がないから,憲法31条が定める適正手続条項に違反する旨主張する。 しかしながら,憲法31条の定める法定手続の保障については,一般に,行政手続は,刑事手続とその性質においておのずから差異があり,また,行政目的に応じて多種多様であるから,行政処分の相手方に事前の告知,弁解,防御の機会を与えるかどうかは,行政処分により制限を受ける権利利益の内容,性質,制限の程度,行政処分により達成しようとする公益の内容,程度,緊急性等を総合較量して決定されるべきものであって,常に必ずそのような機会を与えることを必要とするものではないと解するのが相当である(前掲最高裁平成4年7月1日大法廷判決・ 民集46巻5号437頁参照)。 これを本件についてみると,指定期限延長処分により制限される権利利益の内容,性質は,上記(4)のとおりであり,規 前掲最高裁平成4年7月1日大法廷判決・ 民集46巻5号437頁参照)。 これを本件についてみると,指定期限延長処分により制限される権利利益の内容,性質は,上記(4)のとおりであり,規制の対象となる行為は反社会的な行為ないし反社会的な目的を有する行為である一方,指定期限延長処分により達成しようとする公益の内容,程度,緊急性等は,暴力的要求行為等に関連して凶器を使用して人の生命又は身体に重大な危害を加える方法による暴力行為を行うおそれがあるという緊迫した状況下における一般市民の生命身体という極めて重要な利益である。 このような事情に加え,特定危険指定処分を行う際には,暴対法30条の8第2項による延長処分が予定されていることを前提として,公開による意見聴取を行うことが要求されており(同法30条の8第4項,5条),これにより処分の名宛人の手続的権利を保障していること等の事情をも併せ考慮すれば,上記のようなおそれが存在する緊迫した状況下において,一般市民の生命身体を保護することを目的として,特定危険指定処分の効力を維持,存続させるため,指定期限延長処分をする際に,その都度,相手方に再度事前の告知,弁解,防御の機会を与えることが必要であると認めることはできないというべきであり,上記機会を付与しないことが憲法31条に違反するものであると認めることはできない。 また,憲法31条は,行政処分に当たり事前の司法的な確認まで予定した規定であると認めることはできないから,憲法31条違反に関する原告の主張は採用することができない。 ウ以上によれば,暴対法30条の8第2項に基づく延長処分が違憲であると認めることはできない。 (6) 本案の争点6(本件延長処分2の適法性)についてア上記(5)のとおり,暴対法30条の8第2項の「更にその ば,暴対法30条の8第2項に基づく延長処分が違憲であると認めることはできない。 (6) 本案の争点6(本件延長処分2の適法性)についてア上記(5)のとおり,暴対法30条の8第2項の「更にその指定の必要 があると認めるとき」とは,時間の経過に伴って変動することがあり得るおそれ要件を指定の有効期間が経過した後においても満たしていることを意味するものと解するのが相当である。 イこれを本件についてみると,上記(4)のとおり,本件処分時までの間も原告の構成員により要件該当暴力行為,暴力的要求行為,報復等目的の暴力行為が繰り返し敢行され,銃器,手りゅう弾等の凶器を保管する等の実態が認められるところ,本件処分の有効期間が経過した後本件延長処分1までの間においても,上記1(4)アないしオ認定のとおり,①原告の構成員であるABが金品等の供与の要求行為を行っており,その要求文言に照らせば,原告の威力を示して行う暴対法9条4号の暴力的要求行為に該当するものと認められるところ,被害者がこれを拒絶したため(同法30条の8第1項1号),ABらがこれに関連して木製バットという凶器を用いて被害者の全身を殴打する等凶器を使用して人の生命又は身体に重大な危害を加える方法による暴力行為を行ったものと認められるから,暴対法30条の8第1項の要件該当暴力行為を敢行したものと認められること,②原告の構成員であるADが警戒区域において暴力的要求行為を行った同法46条3号違反の行為についての有罪判決が確定していること,③原告の構成員に対して暴力的要求行為に係る中止命令が2件発出されていること,④原告の構成員らについて恐喝,恐喝未遂の有罪判決が確定しているところ,その内容に照らせば原告の威力を示した暴力的要求行為であると認められること,⑤原告の構成員による 命令が2件発出されていること,④原告の構成員らについて恐喝,恐喝未遂の有罪判決が確定しているところ,その内容に照らせば原告の威力を示した暴力的要求行為であると認められること,⑤原告の構成員による報復等目的の暴力行為が1件敢行されていることに鑑みれば,本件延長処分1までの間においても原告の構成員が要件該当暴力行為を行うおそれが継続していたものと認められ,本件延長処分1によって延長された指定の期限が経過した後本件延長処分2の時点までにかかるおそれが減殺される事情は認められない。 また,本件延長処分1後本件延長処分2までの間においても,上記1(5)アのとおり,原告の構成員に対して暴力的要求行為に係る中止命令が1件発出されていること,上記1(5)イのとおり,同構成員はみだりに金品等の贈与を要求する恐喝事件を敢行しているものであるところ,その行為の内容に照らせば原告の威力を示してみだりに金品等の贈与を要求する暴力的要求行為(暴対法9条2号)に該当するものと認められること,上記1(5)ウのとおり,原告の構成員により報復等目的の暴力行為が敢行されていること,上記1(5)エのとおり原告の構成員が拳銃及びこれに適合する実包を保管して凶器を所持した事案が敢行されていること等の暴力的要求行為,暴力行為の敢行状況及び凶器使用の実態に加え,上記1(5)オのとおり,本件延長処分2より前の時点における原告の代表者等全員が平成12年以降本件延長処分2の直前までに発生した要件該当暴力行為の際にも原告の代表者等であり,平成12年以降本件延長処分2の直前までの間に発生した報復等目的暴力行為35件に関与した原告の構成員のうち大半(約80%)が本件延長処分2の直前の時点においても引き続き原告の構成員である等暴力行為に関与した構成員,行為が敢行された際の代 間に発生した報復等目的暴力行為35件に関与した原告の構成員のうち大半(約80%)が本件延長処分2の直前の時点においても引き続き原告の構成員である等暴力行為に関与した構成員,行為が敢行された際の代表者等に変動も少ないことに鑑みれば,本件延長処分2の時点においてもおそれ要件が認められる。 したがって,本件処分の有効期間が経過した後においても,同処分の要件が満たされていると認められる。そして,上記各事情に照らせば,1年未満の期間に上記のようなおそれが解消される見込みがあると認めることはできないから,本件処分の指定の期限の延長期間を1年間として行った本件延長処分2は,暴対法30条の8第2項に定める特定危険指定の延長処分の要件を満たしており,適法であり,本件延長処分2の取消請求には理由がない。 第4 結論 以上によれば,本件訴えのうち,本件処分が無効であることの確認を求める訴え及び本件延長処分1の取消しを求める訴えは不適法であるから,いずれも却下し,原告のその余の請求は理由がないから,いずれも棄却することとし,訴訟費用の負担については,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。 福岡地方裁判所第1民事部 裁判長裁判官高橋亮介 裁判官貝阿彌千絵子 裁判官渡部みどり 別紙関係法令の定め第1 暴対法の定め(目的)第1条この法律は,暴力団員の行う暴力的要求行為等について必要な規制を行い,及び暴力団の対立抗争等による市民生活に対する危険を防止するために必要な措置を講ずるとともに,暴力団員の活動による被害の予防等に資するための民間の公益的団体の活動を促進する措 いて必要な規制を行い,及び暴力団の対立抗争等による市民生活に対する危険を防止するために必要な措置を講ずるとともに,暴力団員の活動による被害の予防等に資するための民間の公益的団体の活動を促進する措置等を講ずることにより,市民生活の安全と平穏の確保を図り,もって国民の自由と権利を保護することを目的とする。 (定義)第2条この法律において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。 (1) 暴力的不法行為等別表(略)に掲げる罪のうち国家公安委員会規則で定めるものに当たる違法な行為をいう。 (2) 暴力団その団体の構成員(その団体の構成団体の構成員を含む。)が集団的に又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれがある団体をいう。 (3) 指定暴力団次条の規定により指定された暴力団をいう。 (4) 指定暴力団連合第4条の規定により指定された暴力団をいう。 (5) 指定暴力団等指定暴力団又は指定暴力団連合をいう。 (6) 暴力団員暴力団の構成員をいう。 (7) 暴力的要求行為第9条の規定に違反する行為をいう。 (8) 準暴力的要求行為一の指定暴力団等の暴力団員以外の者が当該指定暴力団等又はその第9条に規定する系列上位指定暴力団等の威力を示して同条各号に掲げる行為をすることをいう。 (指定) 第3条都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)は,暴力団が次の各号のいずれにも該当すると認めるときは,当該暴力団を,その暴力団員が集団的に又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれが大きい暴力団として指定するものとする。 (1) 名目上の目的のいかんを問わず,当該暴力団の暴力団員が当該暴力団の威力を利用して生計の維持,財産の形成又は事業の遂行のための資金を 助長するおそれが大きい暴力団として指定するものとする。 (1) 名目上の目的のいかんを問わず,当該暴力団の暴力団員が当該暴力団の威力を利用して生計の維持,財産の形成又は事業の遂行のための資金を得ることができるようにするため,当該暴力団の威力をその暴力団員に利用させ,又は当該暴力団の威力をその暴力団員が利用することを容認することを実質上の目的とするものと認められること。 (2) 国家公安委員会規則で定めるところにより算定した当該暴力団の幹部(主要な暴力団員として国家公安委員会規則で定める要件に該当する者をいう。)である暴力団員の人数のうちに占める犯罪経歴保有者(次のいずれかに該当する者をいう。以下この条において同じ。)の人数の比率又は当該暴力団の全暴力団員の人数のうちに占める犯罪経歴保有者の人数の比率が,暴力団以外の集団一般におけるその集団の人数のうちに占める犯罪経歴保有者の人数の比率を超えることが確実であるものとして政令で定める集団の人数の区分ごとに政令で定める比率(当該区分ごとに国民の中から任意に抽出したそれぞれの人数の集団において,その集団の人数のうちに占める犯罪経歴保有者の人数の比率が当該政令で定める比率以上となる確率が十万分の一以下となるものに限る。)を超えるものであること。 イ暴力的不法行為等又は第八章(第50条(第2号に係る部分に限る。)及び第52条を除く。以下この条及び第12条の5第2項第2号において同じ。)に規定する罪に当たる違法な行為を行い禁錮(こ)以上の刑に処せられた者であって,その執行を終わり,又は執行を受けることがなくなった日から起算して十年を経過しないもの ロ暴力的不法行為等又は第八章に規定する罪に当たる違法な行為を行い罰金以下の刑に処せられた者であって,その執行を終わり,又は執行を ことがなくなった日から起算して十年を経過しないもの ロ暴力的不法行為等又は第八章に規定する罪に当たる違法な行為を行い罰金以下の刑に処せられた者であって,その執行を終わり,又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しないものハ暴力的不法行為等又は第八章に規定する罪に当たる違法な行為を行い禁錮以上の刑の言渡し及びその刑の執行猶予の言渡しを受け,当該執行猶予の言渡しを取り消されることなく当該執行猶予の期間を経過した者であって,当該刑に係る裁判が確定した日から起算して十年を経過しないものニ暴力的不法行為等又は第八章に規定する罪に当たる違法な行為を行い罰金の刑の言渡し及びその刑の執行猶予の言渡しを受け,当該執行猶予の言渡しを取り消されることなく当該執行猶予の期間を経過した者であって,当該刑に係る裁判が確定した日から起算して五年を経過しないものホ暴力的不法行為等又は第八章に規定する罪に当たる違法な行為を行い禁錮以上の刑に係る有罪の言渡しを受け,当該言渡しに係る罪について恩赦法(昭和二十二年法律第二十号)第2条の大赦又は同法第4条の特赦を受けた者であって,当該大赦又は特赦のあった日(当該日において当該言渡しに係る刑の執行を終わり,又は執行を受けることがなくなっている場合にあっては,当該執行を終わり,又は執行を受けることがなくなった日)から起算して十年を経過しないものヘ暴力的不法行為等又は第八章に規定する罪に当たる違法な行為を行い罰金以下の刑に係る有罪の言渡しを受け,当該言渡しに係る罪について恩赦法第2条の大赦又は同法第4条の特赦を受けた者であって,当該大赦又は特赦のあった日(当該日において当該言渡しに係る刑の執行を終わり,又は執行を受けることがなくなっている場合にあっては,当該執行を終わり,又 の大赦又は同法第4条の特赦を受けた者であって,当該大赦又は特赦のあった日(当該日において当該言渡しに係る刑の執行を終わり,又は執行を受けることがなくなっている場合にあっては,当該執行を終わり,又は執行を受けることがなくなった日)から 起算して五年を経過しないもの(3) 当該暴力団を代表する者又はその運営を支配する地位にある者(以下「代表者等」という。)の統制の下に階層的に構成されている団体であること。 (意見聴取)第5条公安委員会は,前二条の規定による指定(以下この章において「指定」という。)をしようとするときは,公開による意見聴取を行わなければならない。ただし,個人の秘密の保護のためやむを得ないと認めるときは,これを公開しないことができる。 2 前項の意見聴取を行う場合において,公安委員会は,指定に係る暴力団を代表する者又はこれに代わるべき者に対し,指定をしようとする理由並びに意見聴取の期日及び場所を相当の期間をおいて通知し,かつ,意見聴取の期日及び場所を公示しなければならない。 3 意見聴取に際しては,当該指定に係る暴力団を代表する者若しくはこれに代わるべき者又はこれらの代理人は,当該指定について意見を述べ,かつ,有利な証拠を提出することができる。 4 公安委員会は,当該指定に係る暴力団を代表する者若しくはこれに代わるべき者若しくはこれらの代理人が正当な理由がなくて出頭しないとき,又は当該指定に係る暴力団を代表する者若しくはこれに代わるべき者の所在が不明であるため第2項の規定による通知をすることができず,かつ,同項の規定による公示をした日から起算して三十日を経過してもこれらの者の所在が判明しないときは,第1項の規定にかかわらず,意見聴取を行わないで指定をすることができる。 5 前各項に定めるもののほか, 項の規定による公示をした日から起算して三十日を経過してもこれらの者の所在が判明しないときは,第1項の規定にかかわらず,意見聴取を行わないで指定をすることができる。 5 前各項に定めるもののほか,第1項の意見聴取の実施について必要な事項は,国家公安委員会規則で定める。 (指定の公示) 第7条公安委員会は,指定をするときは,指定に係る暴力団の名称その他の国家公安委員会規則で定める事項を官報により公示しなければならない。 2 指定は,前項の規定による公示によってその効力を生ずる。 3 公安委員会は,指定をしたときは,当該指定に係る指定暴力団等を代表する者又はこれに代わるべき者に対し,国家公安委員会規則で定めるところにより,指定をした旨その他の国家公安委員会規則で定める事項を通知しなければならない。 4 第1項の規定により公示された事項に変更があったときは,公安委員会は,その旨を官報により公示しなければならない。 (指定の有効期間及び取消し)第8条指定は,三年間その効力を有する。 2 公安委員会は,前項の規定にかかわらず,指定暴力団等が次の各号のいずれかに該当することとなったときは,当該指定暴力団等に係る指定を取り消さなければならない。 (1) 解散その他の事由により消滅したとき。 (2) 第3条各号又は第4条各号のいずれかに該当しなくなったと明らかに認められるとき。 (暴力的要求行為の禁止)第9条指定暴力団等の暴力団員(以下「指定暴力団員」という。)は,その者の所属する指定暴力団等又はその系列上位指定暴力団等(当該指定暴力団等と上方連結(指定暴力団等が他の指定暴力団等の構成団体となり,又は指定暴力団等の代表者等が他の指定暴力団等の暴力団員となっている関係をいう。)をすることにより順次関連している各指定暴力 指定暴力団等と上方連結(指定暴力団等が他の指定暴力団等の構成団体となり,又は指定暴力団等の代表者等が他の指定暴力団等の暴力団員となっている関係をいう。)をすることにより順次関連している各指定暴力団等をいう。以下同じ。)の威力を示して次に掲げる行為をしてはならない。 (1) 人に対し,その人に関する事実を宣伝しないこと又はその人に関する公知でない事実を公表しないことの対償として,金品その他の財産上の 利益(以下「金品等」という。)の供与を要求すること。 (2) 人に対し,寄附金,賛助金その他名目のいかんを問わず,みだりに金品等の贈与を要求すること。 (4) 縄張(正当な権原がないにもかかわらず自己の権益の対象範囲として設定していると認められる区域をいう。以下同じ。)内で営業を営む者に対し,名目のいかんを問わず,その営業を営むことを容認する対償として金品等の供与を要求すること。 (6) 次に掲げる債務について,債務者に対し,その履行を要求すること。 イ金銭を目的とする消費貸借(利息制限法(昭和二十九年法律第百号)第5条第1号に規定する営業的金銭消費貸借(以下この号において単に「営業的金銭消費貸借」という。)を除く。)上の債務であって同法第1条に定める利息の制限額を超える利息(同法第3条の規定によって利息とみなされる金銭を含む。)の支払を伴い,又はその不履行による賠償額の予定が同法第4条に定める制限額を超えるものロ営業的金銭消費貸借上の債務であって利息制限法第1条及び第5条の規定により計算した利息の制限額を超える利息(同法第3条及び第6条の規定によって利息とみなされる金銭を含む。以下この号において同じ。)若しくは同法第9条に定める利息の制限額を超える利息の支払を伴い,又はその不履行による賠償額の予定が同法第7条に定め 条及び第6条の規定によって利息とみなされる金銭を含む。以下この号において同じ。)若しくは同法第9条に定める利息の制限額を超える利息の支払を伴い,又はその不履行による賠償額の予定が同法第7条に定める制限額を超えるものハ営業的金銭消費貸借上の債務を主たる債務とする保証(業として行うものに限る。)がされた場合における保証料(利息制限法第8条第7項の規定によって保証料とみなされる金銭を含み,主たる債務者が支払うものに限る。以下この号において同じ。)の支払の債務であって当該保証料が同条第1項から第4項まで及び第6項の規定により支払を受けることができる保証料の上限額を超えるもの (8) 人に対し,債務の全部又は一部の免除又は履行の猶予をみだりに要求すること。 (9) 金銭貸付業務(金銭の貸付け又は金銭の貸借の媒介(手形の割引,売渡担保その他これらに類する方法によってする金銭の交付又はこれらの方法によってする金銭の授受の媒介を含む。以下この号において単に「金銭の貸付け」という。)をいう。)を営む者(以下「金銭貸付業者」という。)以外の者に対してみだりに金銭の貸付けを要求し,金銭貸付業者に対してその者が拒絶しているにもかかわらず金銭の貸付けを要求し,又は金銭貸付業者に対して当該金銭貸付業者が貸付けの利率その他の金銭の貸付けの条件として示している事項に反して著しく有利な条件による金銭の貸付けを要求すること。 (13) 正当な権原に基づいて建物又はその敷地を居住の用又は事業の用に供している者に対し,その意思に反して,これらの明渡しを要求すること。 (14) 土地又は建物(以下この号において「土地等」という。)について,その全部又は一部を占拠すること,当該土地等又はその周辺に自己の氏名を表示することその他の方法により,当該土地等 ること。 (14) 土地又は建物(以下この号において「土地等」という。)について,その全部又は一部を占拠すること,当該土地等又はその周辺に自己の氏名を表示することその他の方法により,当該土地等の所有又は占有に関与していることを殊更に示すこと(以下この号において「支配の誇示」という。)を行い,当該土地等の所有者に対する債権を有する者又は当該土地等の所有権その他当該土地等につき使用若しくは収益をする権利若しくは当該土地等に係る担保権を有し,若しくはこれらの権利を取得しようとする者に対し,その者が拒絶しているにもかかわらず,当該土地等についての支配の誇示をやめることの対償として,明渡し料その他これに類する名目で金品等の供与を要求すること。 (18) 集会施設その他不特定の者が利用する施設であって,暴力団の示威行事(暴力団が開催する行事であって,多数の暴力団員が参加すること により,当該施設の他の利用者又は付近の住民その他の者に当該暴力団の威力を示すこととなるものをいう。)の用に供されるおそれが大きいものとして国家公安委員会規則で定めるものの管理者に対し,その者が拒絶しているにもかかわらず,当該施設を利用させることを要求すること。 (暴力的要求行為の要求等の禁止)第10条何人も,指定暴力団員に対し,暴力的要求行為をすることを要求し,依頼し,又は唆してはならない。 2 何人も,指定暴力団員が暴力的要求行為をしている現場に立ち会い,当該暴力的要求行為をすることを助けてはならない。 (暴力的要求行為等に対する措置)第11条公安委員会は,指定暴力団員が暴力的要求行為をしており,その相手方の生活の平穏又は業務の遂行の平穏が害されていると認める場合には,当該指定暴力団員に対し,当該暴力的要求行為を中止することを命じ,又は当 委員会は,指定暴力団員が暴力的要求行為をしており,その相手方の生活の平穏又は業務の遂行の平穏が害されていると認める場合には,当該指定暴力団員に対し,当該暴力的要求行為を中止することを命じ,又は当該暴力的要求行為が中止されることを確保するために必要な事項を命ずることができる。 2 公安委員会は,指定暴力団員が暴力的要求行為をした場合において,当該指定暴力団員が更に反復して当該暴力的要求行為と類似の暴力的要求行為をするおそれがあると認めるときは,当該指定暴力団員に対し,一年を超えない範囲内で期間を定めて,暴力的要求行為が行われることを防止するために必要な事項を命ずることができる。 第12条公安委員会は,第10条第1項の規定に違反する行為が行われた場合において,当該行為をした者が更に反復して同項の規定に違反する行為をするおそれがあると認めるときは,当該行為をした者に対し,一年を超えない範囲内で期間を定めて,当該行為に係る指定暴力団員又は当該指定暴力団員の所属する指定暴力団等の他の指定暴力団員に対して暴力 的要求行為をすることを要求し,依頼し,又は唆すことを防止するために必要な事項を命ずることができる。 2 公安委員会は,第10条第2項の規定に違反する行為が行われており,当該違反する行為に係る暴力的要求行為の相手方の生活の平穏又は業務の遂行の平穏が害されていると認める場合には,当該違反する行為をしている者に対し,当該違反する行為を中止することを命じ,又は当該違反する行為が中止されることを確保するために必要な事項を命ずることができる。 (準暴力的要求行為の要求等の禁止)第12条の3 指定暴力団員は,人に対して当該指定暴力団員が所属する指定暴力団等若しくはその系列上位指定暴力団等に係る準暴力的要求行為をすることを要求し,依頼 (準暴力的要求行為の要求等の禁止)第12条の3 指定暴力団員は,人に対して当該指定暴力団員が所属する指定暴力団等若しくはその系列上位指定暴力団等に係る準暴力的要求行為をすることを要求し,依頼し,若しくは唆し,又は人が当該指定暴力団員が所属する指定暴力団等若しくはその系列上位指定暴力団等に係る準暴力的要求行為をすることを助けてはならない。 (損害賠償請求等の妨害の禁止)第30条の2 指定暴力団員は,次に掲げる請求を,当該請求をし,又はしようとする者(以下この条において「請求者」という。)を威迫し,請求者又はその配偶者,直系若しくは同居の親族その他の請求者と社会生活において密接な関係を有する者として国家公安委員会規則で定める者(第30条の4及び第30条の5第1項第3号から第5号までにおいて「配偶者等」という。)につきまとい,その他請求者に不安を覚えさせるような方法で,妨害してはならない。 (1) 当該指定暴力団員その他の当該指定暴力団員の所属する指定暴力団等の指定暴力団員がした不法行為により被害を受けた者が当該不法行為をした指定暴力団員その他の当該被害の回復について責任を負うべき当該指定暴力団等の指定暴力団員に対してする損害賠償請求その他の当該被害を回復するための請求 (2) 当該指定暴力団員の所属する指定暴力団等の事務所(事務所とするために整備中の施設又は施設の区画された部分を含む。以下この号,第32条の3第1項第2号及び第2項第6号並びに第32条の4第1項及び第2項において同じ。)の付近の住民その他の者で当該事務所若しくはその周辺における当該指定暴力団等の指定暴力団員の行為によりその生活の平穏若しくは業務の遂行の平穏が害されているもの又は当該事務所の用に供されている建物若しくは土地(以下この号において「建 若しくはその周辺における当該指定暴力団等の指定暴力団員の行為によりその生活の平穏若しくは業務の遂行の平穏が害されているもの又は当該事務所の用に供されている建物若しくは土地(以下この号において「建物等」という。)の所有権その他当該建物等につき使用若しくは収益をする権利若しくは当該建物等に係る担保権を有する者で当該指定暴力団等の指定暴力団員の行為により当該権利を害されているものが当該事務所に係る管理者に対してする当該行為の停止又は当該事務所の使用の差止めの請求その他当該事務所を当該指定暴力団等の指定暴力団員に使用させないこととするための請求(特定危険指定暴力団等の指定)第30条の8 公安委員会は,次の各号のいずれかに掲げる行為が行われた場合において,指定暴力団員又はその要求若しくは依頼を受けた者が当該行為に関連して凶器を使用して人の生命又は身体に重大な危害を加える方法による暴力行為を行ったと認められ(以下,本判決書においてはこれを「暴力行為要件」という。),かつ,当該指定暴力団員の所属する指定暴力団等の指定暴力団員又はその要求若しくは依頼を受けた者が更に反復して同様の暴力行為を行うおそれがあると認めるときは(以下,本判決書においてはこれを「おそれ要件」という。),一年を超えない範囲内の期間及び当該暴力行為により人の生命又は身体に重大な危害が加えられることを防止するため特に警戒を要する区域(以下この章において「警戒区域」という。)を定めて,当該指定暴力団等を特定危険指定暴力団等として指定(以下,本判決書においてはこれを「特定危険指定 処分」という。)するものとする。 (1) 当該指定暴力団等の指定暴力団員がした暴力的要求行為又は当該指定暴力団等の指定暴力団員がした第12条の3の規定に違反する行為に係る準暴力的要求行為 処分」という。)するものとする。 (1) 当該指定暴力団等の指定暴力団員がした暴力的要求行為又は当該指定暴力団等の指定暴力団員がした第12条の3の規定に違反する行為に係る準暴力的要求行為であって,その相手方が拒絶したもの(2) 当該指定暴力団等の指定暴力団員がした第30条の2の規定に違反する行為 2 公安委員会は,前項の規定による指定をした場合において,当該指定の有効期間が経過した後において更にその指定の必要があると認めるときは,一年を超えない範囲内で期間を定めて,その指定の期限を延長することができる。当該延長に係る期限が経過した後において,これを更に延長しようとするときも,同様とする。 3 公安委員会は,必要があると認めるときは,警戒区域を変更することができる。 4 第5条及び第7条の規定は,第1項の規定による指定について準用する。 この場合において,第5条第1項ただし書中「個人の秘密」とあるのは「第30条の8第1項各号に掲げる行為又は同項の暴力行為の相手方に係る個人の秘密又は事業上の秘密」と,第7条第1項中「その他の」とあるのは「,第30条の8第1項に規定する警戒区域その他の」と,同条第4項中「事項」とあるのは「事項(第30条の8第1項に規定する警戒区域を除く。)」と読み替えるものとする。 5 第5条の規定は第3項の規定による警戒区域の変更(当該変更により新たな区域が当該警戒区域に含まれることとなるものに限る。)について,第7条第1項から第3項までの規定は第3項の規定による警戒区域の変更について,それぞれ準用する。この場合において,第5条第1項ただし書中「個人の秘密」とあるのは「第30条の8第1項各号に掲げる行為又は同項の暴力行為の相手方に係る個人の秘密又は事業上の秘密」と,第7条 第1項中「その他の 合において,第5条第1項ただし書中「個人の秘密」とあるのは「第30条の8第1項各号に掲げる行為又は同項の暴力行為の相手方に係る個人の秘密又は事業上の秘密」と,第7条 第1項中「その他の」とあるのは「,第30条の8第1項に規定する警戒区域その他の」と読み替えるものとする。 6 第1項の規定により特定危険指定暴力団等として指定された指定暴力団連合が第3条の規定により指定暴力団として指定された場合において,当該指定暴力団連合に係る第四条の規定による指定が第8条第3項の規定により取り消されたときは,第1項の規定により当該指定暴力団連合について公安委員会がした指定は,同項の規定により当該指定暴力団について当該公安委員会がした指定とみなす。 7 第1項の規定により特定危険指定暴力団等として指定された指定暴力団等に係る第3条又は第4条の規定による指定(以下この項において「旧指定」という。)の有効期間が経過した場合において,当該指定暴力団等について引き続き第3条又は第4条の規定による指定(以下この項において「新指定」という。)がされたときは,第1項の規定により旧指定に係る指定暴力団等について公安委員会がした指定は,新指定に係る指定暴力団等について引き続きその効力を有する。 (特定危険指定暴力団等の指定暴力団員の禁止行為)第30条の9 特定危険指定暴力団等の指定暴力団員は,暴力的要求行為を行う目的で,警戒区域において又は警戒区域における人の生活若しくは業務の遂行に関して,その相手方に対し,次に掲げる行為をしてはならない。 (1) 面会を要求すること。 (2) 電話をかけ,ファクシミリ装置を用いて送信し,又は電子メール(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(平成十四年法律第二十六号)第2条第1号に規定する電子メールをいう。)を すること。 (2) 電話をかけ,ファクシミリ装置を用いて送信し,又は電子メール(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(平成十四年法律第二十六号)第2条第1号に規定する電子メールをいう。)を送信すること。 (3) つきまとい,又はその居宅若しくは事業所の付近をうろつくこと。 (特定危険指定暴力団等の指定暴力団員の禁止行為に対する措置)第30条の10 公安委員会は,特定危険指定暴力団等の指定暴力団員が前条の 規定に違反する行為をしており,その相手方の生活の平穏又は業務の遂行の平穏が害されていると認める場合には,当該指定暴力団員に対し,当該行為を中止することを命じ,又は当該行為が中止されることを確保するために必要な事項を命ずることができる。 2 公安委員会は,特定危険指定暴力団等の指定暴力団員が前条の規定に違反する行為をした場合において,当該指定暴力団員が更に反復して同条の規定に違反する行為をするおそれがあると認めるときは,当該指定暴力団員に対し,一年を超えない範囲内で期間を定めて,同条の規定に違反する行為が行われることを防止するために必要な事項を命ずることができる。 (特定危険指定暴力団等の事務所の使用制限)第30条の11 公安委員会は,警戒区域内に在る特定危険指定暴力団等の事務所が,第30条の8第1項の暴力行為に関し,当該特定危険指定暴力団等の指定暴力団員により次の各号に掲げる用に供されており,又は供されるおそれがあると認めるときは,当該事務所に係る管理者又は当該事務所を現に使用している指定暴力団員に対し,三月以内の期間を定めて,当該事務所を当該各号の用又は当該特定危険指定暴力団等の活動の用に供してはならない旨を命ずることができる。 (1) 多数の指定暴力団員の集合の用(2) 当該暴力行為のための謀議,指 間を定めて,当該事務所を当該各号の用又は当該特定危険指定暴力団等の活動の用に供してはならない旨を命ずることができる。 (1) 多数の指定暴力団員の集合の用(2) 当該暴力行為のための謀議,指揮命令又は連絡の用(3) 当該暴力行為に供用されるおそれがあると認められる凶器その他の物件の製造又は保管の用 2 公安委員会は,前項の規定による命令をした場合において,当該命令の有効期間が経過した後において更にその命令の必要があると認めるときは,三月以内の期間を定めて,その命令の期限を延長することができる。当該延長に係る期限が経過した後において,これを更に延長しようとするときも,同様とする。 3 公安委員会は,第1項の規定による命令をしたときは,当該事務所の出入口の見やすい場所に,当該管理者又は当該事務所を現に使用していた指定暴力団員が当該事務所について同項の命令を受けている旨を告知する国家公安委員会規則で定める標章を貼り付けるものとする。 4 公安委員会は,前項の規定により標章を貼り付けた場合において,第1項の規定による命令の期限(第2項の規定によりその延長が行われたときは,その延長後の期限。以下この条において同じ。)が経過したとき,第30条の8第3項の規定による警戒区域の変更により当該標章を貼り付けた事務所の所在地が警戒区域に含まれないこととなったとき,又は当該期限内において当該標章を貼り付けた事務所が第1項各号の用に供されるおそれがなくなったと認めるときは,当該標章を取り除かなければならない。 5 何人も,第3項の規定により貼り付けられた標章を損壊し,又は汚損してはならず,また,当該標章を貼り付けた事務所に係る第1項の規定による命令の期限が経過し,第30条の8第3項の規定による警戒区域の変更により当該標章を貼り付け 貼り付けられた標章を損壊し,又は汚損してはならず,また,当該標章を貼り付けた事務所に係る第1項の規定による命令の期限が経過し,第30条の8第3項の規定による警戒区域の変更により当該標章を貼り付けた事務所の所在地が警戒区域に含まれないこととなり,又は次条第1項の規定により当該特定危険指定暴力団等に係る第30条の8第1項の規定による指定が取り消された後でなければ,これを取り除いてはならない。 (特定危険指定暴力団等の指定の取消し)第30条の12 公安委員会は,第30条の8第1項の規定による指定をした場合において,当該指定の期限(同条第2項の規定によりその延長が行われたときは,その延長後の期限)を経過する前に同条第1項に規定するおそれがないと認められるに至ったときは,その指定を取り消さなければならない。 2 第7条第1項から第3項までの規定は,前項の規定による指定の取消しについて準用する。 (報告及び立入り) 第33条公安委員会は,この法律の施行に必要があると認めるときは,国家公安委員会規則で定めるところにより,この法律の施行に必要な限度において,指定暴力団員その他の関係者に対し報告若しくは資料の提出を求め,又は警察職員に事務所に立ち入り,物件を検査させ若しくは指定暴力団員その他の関係者に質問させることができる。 2 前項の規定による立入検査をする職員は,その身分を示す証明書を携帯し,関係者に提示しなければならない。 3 第1項の規定による立入検査の権限は,犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。 第46条次の各号のいずれかに該当する者は,三年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し,又はこれを併科する。 (3) 特定危険指定暴力団等の指定暴力団員で,第30条の8第1項に規定する警戒区域において 次の各号のいずれかに該当する者は,三年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し,又はこれを併科する。 (3) 特定危険指定暴力団等の指定暴力団員で,第30条の8第1項に規定する警戒区域において又は当該警戒区域における人の生活若しくは業務の遂行に関して,暴力的要求行為又は第30条の2の規定に違反する行為をしたもの第47条次の各号のいずれかに該当する者は,三年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金に処し,又はこれを併科する。 (1) 第12条の規定による命令に違反した者(2) 第12条の2の規定による命令に違反した者(3) 第12条の4第1項の規定による命令に違反した者(4) 第12条の6の規定による命令に違反した者(5) 第15条第1項(同条第3項において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反した者(6) 第18条の規定による命令に違反した者(7) 第19条の規定による命令に違反した者(8) 第22条の規定による命令に違反した者 (9) 第23条の規定による命令に違反した者(10) 第26条の規定による命令に違反した者(11) 第27条の規定による命令に違反した者(12) 第30条の規定による命令に違反した者(13) 第30条の3の規定による命令に違反した者(14) 第30条の4の規定による命令に違反した者(15) 第30条の5第1項の規定による命令に違反した者(16) 第30条の10の規定による命令に違反した者(17) 第30条の11第1項の規定による命令に違反した者第48条第30条の7第1項から第3項までの規定による命令に違反した者は,一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し,又はこれを併科する。 第49条第33条第1項の規定に違反して報告をせず,若 第48条第30条の7第1項から第3項までの規定による命令に違反した者は,一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し,又はこれを併科する。 第49条第33条第1項の規定に違反して報告をせず,若しくは資料を提出せず,若しくは同項の報告若しくは資料の提出について虚偽の報告をし,若しくは虚偽の資料を提出し,又は同項の規定による立入検査を拒み,妨げ,若しくは忌避し,若しくは同項の規定による質問に対して陳述をせず,若しくは虚偽の陳述をした者は,一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。 第50条次の各号のいずれかに該当する者は,六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。 (1) 第30条の7第4項の規定による命令に違反した者第2 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律施行令(以下「暴対法施行令」という。)の定め(指定暴力団の要件に係る犯罪経歴保有者の比率)第1条暴対法第3条第2号の政令で定める集団の人数の区分は,次の表の上欄に掲げるとおりとし,当該区分に係る同号の政令で定める比率は,それぞれ同表の下欄に定めるとおりとする。 集団の人数の区分比率三人又は四人六六・六七パーセント五人又は六人六〇・〇一パーセント七人から九人まで四二・八六パーセント一〇人から一四人まで三〇・七七パーセント一五人から一九人まで二六・六七パーセント二〇人から二四人まで二五・〇一パーセント二五人から二九人まで二四・〇一パーセント三〇人から三四人まで二〇・〇一パーセント三五人から三九人まで一七・一五パーセント四〇人から四四人まで一五・〇一パーセント四五人から四九人まで一三・三四パーセント五〇人から五四人まで一二・〇一パーセント五五 三五人から三九人まで一七・一五パーセント四〇人から四四人まで一五・〇一パーセント四五人から四九人まで一三・三四パーセント五〇人から五四人まで一二・〇一パーセント五五人から五九人まで一一・〇〇パーセント六〇人から六四人まで一〇・〇一パーセント六五人から六九人まで一〇・〇一パーセント七〇人から七四人まで一〇・〇一パーセント七五人から七九人まで九・三四パーセント八〇人から八四人まで八・七六パーセント八五人から八九人まで八・三四パーセント 九〇人から九四人まで八・三四パーセント九五人から九九人まで八・三四パーセント一〇〇人から一〇九人まで八・〇一パーセント一一〇人から一一九人まで七・二八パーセント一二〇人から一二九人まで七・〇九パーセント一三〇人から一三九人まで六・九三パーセント一四〇人から一四九人まで六・四三パーセント一五〇人から一五九人まで六・二九パーセント一六〇人から一六九人まで六・二六パーセント一七〇人から一七九人まで五・八九パーセント一八〇人から一八九人まで五・六五パーセント一九〇人から一九九人まで五・六五パーセント二〇〇人から二〇九人まで五・五一パーセント二一〇人から二一九人まで五・二四パーセント二二〇人から二二九人まで五・一六パーセント二三〇人から二三九人まで五・一六パーセント二四〇人から二四九人まで五・〇一パーセント二五〇人から二五九人まで四・八一パーセント二六〇人から二六九人まで四・七八パーセント二七〇人から二七九人まで四・七八パーセント 二八〇人から二八九人まで四・六五パーセント二九〇人 まで四・八一パーセント二六〇人から二六九人まで四・七八パーセント二七〇人から二七九人まで四・七八パーセント 二八〇人から二八九人まで四・六五パーセント二九〇人から二九九人まで四・四九パーセント三〇〇人から三四九人まで四・四五パーセント三五〇人から三九九人まで四・二九パーセント四〇〇人から四四九人まで四・二六パーセント四五〇人から四九九人まで四・二三パーセント五〇〇人から五四九人まで四・二一パーセント五五〇人から五九九人まで四・一九パーセント六〇〇人から六四九人まで四・一七パーセント六五〇人から六九九人まで四・一六パーセント七〇〇人から七四九人まで四・一五パーセント七五〇人から七九九人まで四・一四パーセント八〇〇人から八四九人まで四・一三パーセント八五〇人から八九九人まで四・一二パーセント九〇〇人から九四九人まで四・一二パーセント九五〇人から九九九人まで四・一一パーセント一,〇〇〇人以上四・一一パーセント 第3 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律施行規則(以下「暴対法施行規則」という。)の定め(暴力団の幹部の要件) 第2条暴対法第3条第2号の国家公安委員会規則で定める要件は,次の各号のいずれかに該当することとする。 (1) 当該暴力団(法第2条第2号に規定する暴力団をいう。以下同じ。)を代表する地位にあること。 (2) 当該暴力団の運営を支配する地位にあること。 (3) 前2号に掲げるもののほか,当該暴力団の活動に係る事項について当該暴力団の他の暴力団員(法第2条第6号に規定する暴力団員をいう。以下同じ。)に対し指示若しくは命令をすることができる地位の階層(当該 前2号に掲げるもののほか,当該暴力団の活動に係る事項について当該暴力団の他の暴力団員(法第2条第6号に規定する暴力団員をいう。以下同じ。)に対し指示若しくは命令をすることができる地位の階層(当該暴力団が階層的に構成されている団体である場合における当該暴力団の暴力団員がそれぞれ属する地位の階層をいう。以下この号において同じ。)又はこれに相当する地位の階層であって当該階層に属する当該暴力団の暴力団員の人数を当該階層より上位の階層に属する当該暴力団の暴力団員の人数に加えた場合においてその合計数が当該暴力団の全暴力団員の人数の五分の一を超えることとなるものより上位の階層に属していること。 第4 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に基づく意見聴取の実施に関する規則(以下「意見聴取規則」という。)の定め(意見聴取の期日及び場所の変更)第16条1項第14条第1項から第5項までの通知を受けた者(第23条第2項の通知を受けた者を含む。)は,病気その他のやむを得ない理由がある場合には,公安委員会に対し,別記様式第五号(略)の意見聴取期日(場所)変更申出書により,意見聴取の期日又は場所の変更を申し出ることができる。 (冒頭手続)第19条主宰者は,意見聴取の冒頭において,当事者又はその代理人に対し,指定等若しくは命令をしようとする理由又は仮の命令をした理由を告げなければならない。 2 当事者又はその代理人は,前項の規定により告げられた理由に関し,意 見を述べることができる。 (証拠調)第20条1項主宰者は,前条の手続が終わった後に,次節に定めるところにより,証拠調を行うものとする。 (意見聴取における発言等)第22条3項主宰者は,意見聴取において発言する者が事案の範囲を超えて発言するとき,その他意見 続が終わった後に,次節に定めるところにより,証拠調を行うものとする。 (意見聴取における発言等)第22条3項主宰者は,意見聴取において発言する者が事案の範囲を超えて発言するとき,その他意見聴取における審理の適正な進行を図る必要があると認めるときは,その発言を制限することができる。 (証拠書類等の提出)第27条当事者又はその代理人は,主宰者に対し,証拠書類又は証拠物を提出することができる。 (物件の提出要求)第28条主宰者は,当事者若しくはその代理人の申出により又は職権で,書類その他の物件の所持人に対し,その物件の提出を求めることができる。 (証拠調の申出の方式)第32条当事者又はその代理人が第27条,第28条及び前3条の規定により証拠調を申し出ようとするときは,証拠及びその内容と証明しようとする事実との関係を具体的に明らかにして行わなければならない。 以上
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