平成18(ワ)1587 商標権侵害行為差止等請求事件・侵害差止請求事件

裁判年月日・裁判所
平成20年2月14日 名古屋地方裁判所
ファイル
hanrei-pdf-36435.txt

判決文本文50,245 文字)

(甲事件)平成18年(ワ)第1587号商標権侵害行為差止等請求事件(乙事件)同第3143号侵害差止請求事件主文 乙事件被告は,その製造又は販売する自動車用シートに別紙標章目録記載1,2の各標章を付し,同各標章を付した自動車用シートを販売し,販売のために展示し,輸出し,輸入し,又は自動車用シートのパンフレットに同各標章を付して頒布してはならない。 甲事件原告の請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は,甲事件原告・乙事件被告の負担とする。 事実 及び理由第1請求(以下においては,甲事件原告・乙事件被告を単に「原告」と,甲事件被告・乙事件原告を単に「被告」という。) 甲事件(1) 被告は,標章「BRIDE」を,自動車用座席及び座席部品製品に付して,譲渡し,引き渡し,譲渡又は引渡しのために展示し,同商品に関する広告,価格表若しくは取引書類に付して展示し,若しくは頒布し,又はこれらを内容とする情報に同標章を付して電磁的方法により提供してはならない。 (2) 被告は,標章「BRIDE」を付した自動車用座席及び座席部品製品,パンフレット,商品しおり,その他広告物を廃棄せよ。 乙事件主文第1項と同旨。 第2事案の概要原告及び被告は,いずれも別紙標章目録記載1,2の各標章(以下,順に「本件標章1」,「本件標章2」といい,これらを併せて「本件各標章」という。)を付した自動車用シートを製造,販売するものであるが(以下,本件各標章を付した自動車用シートを「BRIDEシート」という。なお,現時点で原告が製造,販売するBRIDEシートを「原告製品」,現時点で被告が製造,販売するBRIDEシート及びその部品製品を「被告製品」ともいう。),①甲事件は,原告が,被告に対し,商標登録第2423435号の商標権(別紙「商標目録(原告 ートを「原告製品」,現時点で被告が製造,販売するBRIDEシート及びその部品製品を「被告製品」ともいう。),①甲事件は,原告が,被告に対し,商標登録第2423435号の商標権(別紙「商標目録(原告側)」記載1)に係る専用使用権が侵害されているとして,商標法36条1項,2項に基づいて,被告製品の譲渡,引渡し等の差止め及び被告製品等の廃棄を求め,これに対して,被告が,抗弁として,商標法32条1項の先使用権,権利濫用,商標法53条1項の取消事由に基づく権利行使の制限を主張している事案であり,②乙事件は,被告が,原告に対し,不正競争防止法2条1項1号,3条1項に基づいて,原告製品の販売,展示等の差止めを求め,これに対して,原告が,抗弁として,権利濫用及び上記商標権の専用使用権を主張している事案である。 前提事実(争いがないか,証拠上明らかである。)(1) 当事者ア原告は,自動車用座席の企画,開発,設計等を目的として平成11年11月22日に設立された株式会社であり,設立当初から,A(昭和38年○月○日生。 以下「A」という。)が代表取締役を務めている。Aは,原告が設立されるまでは,自動車及びオートバイ用部品の修理,加工並びに販売等を目的とする株式会社ケンテック(以下「ケンテック社」という。なお,その後,商号を「株式会社エステック」に変更したが,平成17年6月19日に解散し,同年9月30日に清算を結了した。)に勤務していた。 イ被告は,自動車用シート,シートベルト,シート取付金具の製造,販売及び輸出入等を目的として平成元年5月30日に設立された株式会社であり,設立当初から,B(昭和26年○月○日生。以下「B」という。)が代表取締役を務めている。Bは,昭和56年ころから,「ブリッドCo」の屋号で自動車用シートの製造,販売等の事業を行っており 会社であり,設立当初から,B(昭和26年○月○日生。以下「B」という。)が代表取締役を務めている。Bは,昭和56年ころから,「ブリッドCo」の屋号で自動車用シートの製造,販売等の事業を行っており,被告は,その設立に伴って,「ブリッドCo」の事業を承継した。 C(昭和41年○月○日生。以下「C」という。)は,平成元年に被告に入社し,平成8年から被告の取締役を務めている。 Bは,平成16年3月1日,スポーツ用自動車座席の企画,開発,製造,販売,調査,研究等を目的とするBRIDE株式会社を設立し,設立当初から,代表取締役を務めている。 ウ株式会社ブリッド(以下「ブリッド社」という。)は,自動車用椅子の製造販売等を目的として平成6年8月25日に設立された株式会社であり,設立当初から,D(昭和19年○月○日生。以下「D」という。)が代表取締役を務めている。Dは,従前,「トータス」の屋号で自動車部品の製造等の事業を行っており,ブリッド社は,その設立に伴って,「トータス」の事業を承継した。 (2) 宮田工業株式会社(以下「宮田工業」という。)の商標権(以下「本件商標権」といい,その登録商標を「本件登録商標」という。)ア宮田工業は,次の商標権を有している。 商標登録第2423435号出願年月日昭和63年7月7日登録年月日平成4年6月30日指定商品(平成15年10月1日に指定商品の書換登録がされた後のもの)商標法施行令別表第6類「いかり,金属製ビット,金属製ボラード」,第9類「消防艇,ロケット,消防車,自動車用シガーライター」,第12類「船舶並びにその部品及び附属品(「エアクッション艇」を除く。),エアクッション艇その部品及び附属品,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車 その部品及び附属品(「エアクッション艇」を除く。),エアクッション艇その部品及び附属品,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,乳母車・人力車・そり・手押し車・荷車・馬車・リヤカー並びにそれらの部品及び附属品,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片」,第13類「戦車」,第19類「ビット及びボラード(金属製のものを除く。)」,第22類「ターポリン,帆」登録商標「ブライド」のカタカナ文字と「BRIDE」の欧文字とを上下2段に横書きしたもの(別紙「商標目録(原告側)」記載1のとおり)イ宮田工業は,平成15年6月16日,原告に対し,本件商標権について通常使用権を許諾し,平成18年1月12日,原告に対し,本件商標権について専用使用権を設定し,同月25日,同専用使用権設定の登録がされた。 (3) 原告及び被告が製造,販売している自動車用シートの概要原告及び被告が製造,販売している自動車用シートは,自動車に当初から装着されている純正シートと交換して使用されるもので,「スポーツシート」とも呼ばれており,リクライニングシート(背もたれの傾斜角度を変えられるもの)とフルバケットシート(身体を包み込むような形状のもの)の2種類がある。 これらのスポーツシートは,運転者の荷重を支持するシート本体とシート本体を支持しこれを車体に固定するレールアダプター(「シートレール」ともいう。)とから構成されており,レールアダプターは,自動車の種類ごとに異なる車体のフロアー形状に対応するように製造する必要がある。 (4) 現時点における原告及び被告のスポーツシートの製造,販売状況ア被告は,本件各標章をスポーツシート及びシート部品製品に付して,譲渡し,引き渡し,譲 ー形状に対応するように製造する必要がある。 (4) 現時点における原告及び被告のスポーツシートの製造,販売状況ア被告は,本件各標章をスポーツシート及びシート部品製品に付して,譲渡し,引き渡し,譲渡又は引渡しのために展示し,これらの商品に関する広告,価格表若しくは取引書類に付して展示し,若しくは頒布し,又はこれらを内容とする情報に本件各標章を付して電磁的方法により提供している。 被告の平成18年1月ころのカタログ(乙5),平成19年4月ころのカタログ(乙96添付のもの)には,「ティーズ株式会社/BRIDE株式会社」製のものであることを表記して,リクライニングシートとして「BRIXⅡ」,「ERGOⅡ」,「XAXⅡ」,フルバケットシートとして「MAXISⅢ」,「ZIEGⅢ」,「ZETAⅢ」,「ARTISⅢ」,「EXASⅢ」などの本件標章1が付された商品を掲載している(原告の商品名と同じものは,末尾に付記したローマ数字で区別できるようにしている。)。また,上記カタログには,本件標章1が大きく表示され,「ブリッド製」,「ブリッド初のリクライニング機構」などと記載されている。 イ原告は,本件各標章を付したスポーツシートを販売,譲渡するとともに,スポーツシートに関する広告に本件各標章を付して展示するなどしている。また,原告は,その製造,販売するスポーツシートのパンフレットに,製造元及び発売元として「株式会社ハトプラ」と記載し,本件各標章を付して頒布している。 原告の平成18年4月ころのカタログ(乙30)には,製造元として「株式会社ブリッド/株式会社ハトプラ」,発売元として「株式会社ハトプラ」と記載して,リクライニングシートとして「BRIX」,「ERGO」,「XAX」,フルバケットシートとして「MAXIS」,「ZEROS」,「ZIEGⅡ」,「ZETA 」,発売元として「株式会社ハトプラ」と記載して,リクライニングシートとして「BRIX」,「ERGO」,「XAX」,フルバケットシートとして「MAXIS」,「ZEROS」,「ZIEGⅡ」,「ZETAⅡ」,「ARTISⅡ」,「EXASⅡ」などの本件標章1が付された商品を掲載している。また,同カタログには,本件標章1が大きく表示され,「ブリッド,ネクストステージ」と記載されている。 (5) 本件登録商標に係る商標登録取消しの審判の経緯アEは,平成16年2月20日,本件登録商標について,指定商品のうち第9類「消防車,自動車用シガーライター」,第12類「自動車並びにその部品及び附属品」及び第13類「戦車」につき,商標法50条1項に基づき商標登録取消しの審判を請求したが(取消2004-30240号),特許庁は,平成17年4月6日,通常使用権の許諾を受けた原告による使用事実等を認め,「本件審判の請求は,成り立たない。」旨の審決をした。Eは,知的財産高等裁判所に同審決の取消請求の訴えを提起したが(同裁判所平成17年(行ケ)第10470号審決取消(商標)請求事件),同裁判所は,同年9月29日,同請求を棄却し,その後,同判決は確定した。 イ被告は,平成17年11月11日,本件登録商標につき,商標法53条1項に基づき商標登録取消しの審判を請求した(取消2005-31371号)。 (6) 本件訴えの提起原告は,平成18年4月26日,当裁判所に甲事件の訴えを提起し,被告は,同年5月31日,東京地方裁判所に乙事件の訴えを提起した。 被告は,同年6月2日,甲事件を東京地方裁判所に移送することを申し立てたが,当裁判所は,同月13日,同申立てを却下する旨の決定をした。 原告は,同年7月11日,乙事件を当裁判所に移送することを申し立て,東京地方裁判所は,同月26日,同 方裁判所に移送することを申し立てたが,当裁判所は,同月13日,同申立てを却下する旨の決定をした。 原告は,同年7月11日,乙事件を当裁判所に移送することを申し立て,東京地方裁判所は,同月26日,同申立てを認めて乙事件を当裁判所に移送する旨の決定をし,当裁判所は,同年8月17日,乙事件を甲事件に併合した。 争点 (1) 甲事件原告が宮田工業から本件商標権の専用使用権の設定を受けたこと,被告が販売する被告製品が本件登録商標の指定商品の第12類「自動車並びにその部品及び附属品」に該当すること,本件各標章が本件登録商標に類似することは,当事者間に争いがない。 したがって,被告が本件各標章を付した被告製品を販売することが本件商標権に係る原告の専用使用権を侵害するか否かについて,被告が主張する次のア~ウの抗弁の成否が争点となる。 ア本件商標権について被告に先使用権(商標法32条1項)が存するか。 イ原告による本件商標権の専用使用権の行使が,権利濫用として許されないか。 ウ本件商標権に取消事由(商標法53条1項)が存し,原告による本件商標権の専用使用権の行使が許されないか。 (2) 乙事件被告は,原告に対し,不正競争防止法2条1項1号,3条1項に基づいて,原告製品の販売,展示等の差止めを求めており,請求原因について次のアが争点となるとともに,原告が主張する次のイ,ウの抗弁の成否が争点となる。 ア原告が本件各標章を付した原告製品を製造,販売等することが,不正競争防止法2条1項1号の不正競争行為に当たるか。 イ被告による不正競争防止法2条1項1号に基づく権利行使が,権利濫用として許されないか。 ウ被告による不正競争防止法2条1項1号に基づく権利行使が,原告が本件商標権の専用使用権の設定を受けていることを理由として許されないか。 争点に関す く権利行使が,権利濫用として許されないか。 ウ被告による不正競争防止法2条1項1号に基づく権利行使が,原告が本件商標権の専用使用権の設定を受けていることを理由として許されないか。 争点に関する当事者の主張(1) 甲事件についてア争点アについて(被告の主張)(ア) 商標法上の先使用権制度は,市場において識別力を有する商標の使用状態を保護するための制度である。識別力を備えた標章が市場において受け入れられ,信用の蓄積が一定程度あるにもかかわらず,その後,他人が類似する商標を出願することによって,先使用者による使用が許されなくなるとすれば,先使用者の受ける不利益は著しいものとなり,こうした不合理を回避するために先使用権制度が存在している。先願主義を採用する商標出願制度は,出願人の当該商標の使用を要件としないから,当該商標を使用していない者が先使用者の使用の後に出願した場合には,ますます不合理性が著しくなり,その不合理を回避する必要性も高くなる。 したがって,商標法32条の周知性は,同法4条1項10号や不正競争防止法2条1項1号の周知性と同一に解釈する必要はなく,より低い周知性をもって足りると解すべきである。 (イ) 被告の代表者Bは,昭和56年から「ブリッドCo」の屋号を用い,自動車用シートの製造販売の事業を開始し,不正競争の目的なくブランド名として「BRIDE」という英文字表記を用い,これを「ブリッド」と称呼させることした。 Bは,昭和58年,「BRIDE」の統一したロゴマークを作成するために,鉄谷写真事務所に委託して英文字「BRIDE」を特徴的にデザイン化した本件各標章を完成し,これを自動車用シートに用いるようになった。 Bは,昭和61年,モータースポーツファン及びマスコミから「ドリフトキング」の称号を与えられレーシングドライバー 特徴的にデザイン化した本件各標章を完成し,これを自動車用シートに用いるようになった。 Bは,昭和61年,モータースポーツファン及びマスコミから「ドリフトキング」の称号を与えられレーシングドライバーとして絶大な人気を誇っていたF(昭和31年○月○日生)とスポンサー契約を締結するとともに,雑誌等を通じて宣伝広告を行い,展示会にも出展した結果,昭和62年以降のBRIDEシートの売上げは急速に増加していき,昭和63年には年間売上げが2億6000万円にまで達し,BRIDEシートの販売店は60社を超え,取引先及び需要者間の周知性を獲得するに至った。 Bは,BRIDEシートの販売が著しく伸びたことから,平成元年5月30日に被告を設立し,「ブリッドCo」の事業を全部承継させた。 原告代表者のAは,自動車レース業界を詳しく知るものではないにもかかわらず,平成元年にBRIDEシートのことを知り,これを頼りにケンテック社の販売の拡張を図るため,Bに対しBRIDEシートをOEM供給することを申し出ている。 したがって,本件登録商標の出願の際(昭和63年7月7日),標章「BRIDE」がBの業務に係る自動車用シートを表示するものとして需要者(モータースポーツに興味を持つ若い男性)の間に広く認識されていた(周知であった)ことは明らかであるから,Bの事業を承継した被告は,商標法32条1項により,自動車用シートについて標章「BRIDE」を使用する権利を有する。 (ウ) なお,原告は,遅くともDによってブリッド社が設立された平成6年8月25日以降,BRIDEシートに係る事業の実質的な中心はブリッド社であり,被告は単に販売と雑誌への広告等を担当していたにすぎず,その前後を通じて,標章「BRIDE」を被告の業務に係る商品を表示するものとして継続的に使用していたとはいえないと主張 中心はブリッド社であり,被告は単に販売と雑誌への広告等を担当していたにすぎず,その前後を通じて,標章「BRIDE」を被告の業務に係る商品を表示するものとして継続的に使用していたとはいえないと主張するが,被告は,自己の業務に係るBRIDEシートにつき,平成6年以前もそれ以降も,他人の商品と区別する態様で本件各標章を使用し,需要者の間に広く認識されていたことは明らかであるから,原告の主張は理由がない。 (原告の主張)(ア) 被告は,本件登録商標の出願の際,標章「BRIDE」がBの業務に係る自動車用シートを表示するものとして需要者の間に広く認識されていたと主張するが,以下に述べるとおり,被告主張の事実が認められないことは明らかである。 a被告は,昭和63年当時,BRIDEシートの年間売上げが2億6000万円にまで達したと主張するが,それを裏付けるものとして提出する売上台帳(乙35)には,売上金額と販売相手先のみが記載されているにすぎず,BRIDEシートと売上げとの関係は全く明らかではないし,納品書及び請求書はわずか数枚でしかなく(乙8の1~4,9の1~4,10の1~3),細々と販売していたといわざるを得ない。 bBが展示会に出展したのも,東京オートサロンに1回,名古屋パフォーマンス・カー・ショーは2回にすぎず,雑誌に掲載されたのも,「OPTION」が17回,「カーアクセサリー」が1回,「フリーロード」が1回,「モーターファン」が1回にとどまり,これらの雑誌において,BRIDEシートは他に掲載されている多数のスポーツシートの中に埋没してしまっている。 c被告がスポンサー契約を締結したと主張するFは,平成7年に「ル・マン」レースに出場して上位入賞したことにより一躍有名になったものであって,昭和63年以前は,「ドリフト走行」という,公道上で好 。 c被告がスポンサー契約を締結したと主張するFは,平成7年に「ル・マン」レースに出場して上位入賞したことにより一躍有名になったものであって,昭和63年以前は,「ドリフト走行」という,公道上で好んで行われていた高速でコーナーに突入し車両の前後輪をスリップさせる危険な走行行為を行うごく一部の限定されたマニアに知られていた程度の存在であり,被告がFが有名であったことを示す証拠として提出するビデオ「ベストモータリング」(乙37の4~6),書籍「無敵のドリフト・テクニック」(乙37の2),書籍「続・無敵のドリフトテクニック」(乙37の3),雑誌「CARBOY」(乙14の2)は,いずれも本件登録商標の出願後のものである。 d被告は,平成元年にBRIDEシートが全国的に広く知られたことから,ケンテック社からBRIDEシートをOEM供給する申出を受けたとも主張するが,実態は,B側からケンテック社に対し車検対応(車検を受けるために必要な道路運送車両の保安基準《昭和26年運輸省令第67号》を満たすこと)のスポーツシートを用意してほしいと依頼し,車検対応のシートレールを必要とするためDに会ったものであって,被告が主張するようにA側から申し出たものではない。 (イ) また,遅くとも平成6年8月25日にブリッド社が設立されて以降,BRIDEシートは,ブリッド社を中心とする原告,被告及びブリッド社の3社の共同事業において,製造元であるブリッド社の標章として周知となっていたものであり,この間,被告について先使用権を認めるに足りる被告単独での標章「BRIDE」の使用は継続されていないから,仮に本件登録商標の出願の際,標章「BRIDE」がBの業務に係る自動車用シートを表示するものとして需要者の間に広く認識されていたものとしても,現時点においては,本件登録商標につい 続されていないから,仮に本件登録商標の出願の際,標章「BRIDE」がBの業務に係る自動車用シートを表示するものとして需要者の間に広く認識されていたものとしても,現時点においては,本件登録商標について被告に先使用権が認められるとはいえない。 イ争点イについて(被告の主張)(ア) 原告の代表者Aは,BRIDEシートを一時下請製造していたケンテック社の一従業員であったが,ケンテック社を退職後,平成12年2月21日,ケンテック社と同一の営業を行うべく,ケンテック社と同一名称の「株式会社ケンテック」を行政区域を異にする名古屋市a区に設立し,その代表取締役に就任した。Aは,平成11年11月22日,自動車用座席の製造・販売を目的とする原告を設立し,その代表取締役に就任した。 (イ) 原告は,標章「BRIDE」が著名・周知となり,BRIDEシートが市場において確固たる地位を獲得したことから,BRIDEシートの製造・販売権を被告から奪取することを画策し,標章「BRIDE」と類似の本件登録商標が未使用であることに目を付け,平成15年6月16日,宮田工業から通常使用権の許諾を受けた。 原告は,本件商標権の通常使用権の許諾を受けるや,同年7月18日,被告に対して,同通常使用権の許諾を受けたことを告知するとともに,被告に対して標章「BRIDE」の使用中止を警告し,その警告の際に,BRIDEシートの取引業者に対して書面を配布し,ブリッド社は同年6月に被告との業務提携を解消し,それに伴って,被告に対し「BRIDE」ブランドの使用を即時中止することを勧告したこと,今後は被告に替わって有限会社レヴィック(以下「レヴィック社」という。)が販売することを告知し流布した。 原告は,被告製品の製造下請会社であるブリッド社をして,被告との製造委託関係を解消させた上,原告が製 被告に替わって有限会社レヴィック(以下「レヴィック社」という。)が販売することを告知し流布した。 原告は,被告製品の製造下請会社であるブリッド社をして,被告との製造委託関係を解消させた上,原告が製造するBRIDEシートを被告に無断で販売することを画策し,被告によるBRIDEシートの販売を市場から排除し,原告がBRIDEシートの販売を独占するために,宮田工業から本件商標権の使用許諾を受けて,これを利用したものである。なお,商標権の単なる使用許諾を受けたにすぎない原告が被告に対して商標権侵害及び商標使用禁止の主張をする法的根拠はないが,原告の意図としては,本件各標章に化体された周知ブランドを乗っ取る意思があったことは明らかである。 (ウ) さらに,原告は,宮田工業から本件商標権の専用使用権の設定を受けたものであるが,専用使用権による独占的使用権は,登録商標自体を使用する権利であって,その禁止権が及ぶ類似商標を使用する権利でないにもかかわらず,原告は,同専用使用権の設定を受けた後,本件登録商標ではなく,その類似範囲に含まれる本件各標章と全く同一の標章を使用しており,それは本件登録商標の構成中の「ブライド」部分をあえて削除し,「BRIDE」部分のみを使用し,しかも,本件登録商標の称呼とは異なる「ブリッド」の称呼を用い,ロゴのデザインも同一のものを使用している。 したがって,原告が本件商標権の専用使用権の設定を受けたのは,本件登録商標を使用することが目的ではなく,被告に対して本件各標章の使用を禁止することのみを目的としていたことが明らかである。 (エ) 以上によれば,原告による本件商標権に係る専用使用権の行使は,本件各標章が「ブリッド」と呼ばれて被告のBRIDEシートを示すものとして需要者及び取引者に広く親しまれているにもかかわらず,専用使用権に 以上によれば,原告による本件商標権に係る専用使用権の行使は,本件各標章が「ブリッド」と呼ばれて被告のBRIDEシートを示すものとして需要者及び取引者に広く親しまれているにもかかわらず,専用使用権に基づく禁止権を悪用して被告の正当な営業活動の差止めを求めることを目的とするものであり,現実の取引において本件各標章が有する被告の商品としての出所識別機能を著しく害し,かつ,需要者の信頼を損なうことになることは明らかであって,商標法の趣旨に反する結果を招来することになるから,権利濫用として許されないというべきである(なお,争点アの商標法32条1項の先使用権の抗弁が認められた場合においても,同法32条2項の混同防止表示付加請求権の有無を明確にする必要があるから,権利濫用について判断すべきである。)。 (原告の主張)(ア) Aは,平成元年初旬,スポーツシートの販売会社であるケンテック社の経営を任され,その専務の肩書で,実質上の代表者としてケンテック社を運営してきたが,ケンテック社が扱うスポーツシートは車検対応という他の製品にはない特徴を持っていた。ケンテック社は,車検対応とするために必要なレールアダプターの製造を,「トータス」の屋号で自動車部品の製造事業を行っていたDに依頼していた。 (イ) ケンテック社は,当時「ブリッドCo」の屋号でスポーツシートの販売事業を行っていたBから,車検対応のスポーツシートを供給してほしいと依頼を受け,その後,BをDに引き合わせて,遅くとも平成4年には,D,B及びAの話合いにより,共同して「BRIDE」ブランドでスポーツシートを製造販売していくことを合意した。 3社の役割分担は,被告(B)は販売(トータス以外の製造会社から製品供給を受けない。),トータス(D)はレールアダプター及び新規車検対応スポーツシートの製造(被 を製造販売していくことを合意した。 3社の役割分担は,被告(B)は販売(トータス以外の製造会社から製品供給を受けない。),トータス(D)はレールアダプター及び新規車検対応スポーツシートの製造(被告以外に製品を供給しない。),ケンテック社(A)はトータスとの共同開発に必要となる保安部品の調達・納入,新規車検対応スポーツシートの車検対応テストの実施,陸運局その他の関係行政機関に対する車検対応の申請(トータス以外に部材を供給せず,車検手続にも協力しない。)というものであった。 Bは,スポーツシート製品についての商品知識は皆無で,製品についてはすべてDやAに任せて,販売を担当していたにすぎないから,3社共同事業の中では,物作りとスポーツシート製品,特に車検に必要な保安基準について十分理解していたDが中心であった。Dは,3社の共同事業が決まった後,自己資金を投じて,わずか半年余りで11機種もの全機種(リクライニングシート5機種,FRPフルバケットシート6機種)を開発するとともに,車種ごとに異なるレールアダプターについて200車種以上もの自動車フロアーを測定し,レールアダプターの量産に必要な治具を製造するなど,精力的に新規の製品開発をした。ケンテック社は,関係行政機関に対し,トータスで製造されたレールアダプター及びスポーツシートが車検対応になるよう,車種ごとに必要となる膨大な書類及び図面を作成し所定の手続を行った。 (ウ) Dを中心とする3社の共同事業により,「車検対応」という特徴を前面に打ち出したことや,Dがレーサーと友好関係を築きBRIDEシートを使用した自動車がレースで好成績を上げたり,Dがモーターショー等のイベントにおいてBRIDEシートのブースの設置物を開発,製作するなどしたことによって,BRIDEシートの売上げが激増し,BRIDEシー した自動車がレースで好成績を上げたり,Dがモーターショー等のイベントにおいてBRIDEシートのブースの設置物を開発,製作するなどしたことによって,BRIDEシートの売上げが激増し,BRIDEシートは,トータスの事業として周知性を取得した(被告独自のブランドとして周知性を取得したものではない。)。このことは,平成6年8月25日に,Dを代表者として,標章「BRIDE」を端的に表す社名を採用したブリッド社が設立され,ブリッド社がトータスの事業を承継したことからも明らかである。 (エ) 順調に推移していた3社の共同事業は,平成9年ころから,バブル経済の崩壊や,台湾製品を初めとする外国製品の氾濫などの影響を受け,平成12年ころから徐々にその売上げは低下していった。売上不振が懸念されるようになったころ,Aは,ケンテック社の親会社である鈴鋼製作所の社長からケンテック社の事業の承継を依頼され,平成11年11月,原告を設立して自ら代表取締役に就任し,ケンテック社の事業を引き継いだ。 平成14年9月ころから,ブリッド社の従業員が辞め始め(最終的にブリッド社の総従業員9人のうち6人が退職),平成14年12月末には,被告の従業員は,ブリッド社の担当者に対し,一方的に平成15年3月末までで商品の注文を打ち切る旨通告した。ブリッド社の従業員の退職は,被告による取引中止の通告後も続き,平成15年2月には,被告が愛知県東海市に工場を新設してレールアダプターの生産を開始し,同工場においてブリッド社を辞めた従業員6人のうち3人が働くようになった。 (オ) 上記のとおり,被告は,販売製品は専らブリッド社から供給を受けるという3社の約束に反することを行ったばかりか,生産技術を盗むためにブリッド社の従業員を引き抜き,そのノウハウを取得して生産体制を整え,その上で,一方的にブ 販売製品は専らブリッド社から供給を受けるという3社の約束に反することを行ったばかりか,生産技術を盗むためにブリッド社の従業員を引き抜き,そのノウハウを取得して生産体制を整え,その上で,一方的にブリッド社に対し取引中止を通告し,周知性を取得していた「BRIDE」ブランドの持ち去りを企図したものである。 これにより,原告とブリッド社は,スポーツシートの販売経路を突然失い,ブリッド社は1億円以上の在庫商品を抱えることになった。Aは,ブリッド社の経営を断念したDから,ブリッド社の事業を承継してほしいとの申出を受け,原告においてブリッド社の生産設備,従業員を含めた事業を承継することとし,平成15年7月から,「BRIDE」ブランドのスポーツシートの販売を再開し,同年10月には生産体制も建て直した。 標章「BRIDE」は,ブリッド社の標章として周知性を獲得したものであり,そのブリッド社の事業を,生産設備,従業員等と共に承継した原告こそ,正に「BRIDE」ブランドを引き継ぎ,同標章を使用する正当な権限を有するものである。 (カ) 原告が宮田工業から通常使用権の許諾を受け,専用使用権の設定を受けたのは,以下の理由による。 ブリッド社は,上記のとおり,被告から平成15年3月末で商品注文を打ち切る旨の通告を受けて,1億円以上の在庫商品を抱えることになったが,原告は,ブリッド社の事業を承継し,これまでどおり標章「BRIDE」を使用することが他社の商標権を侵害することにならないかを調査したところ,宮田工業の本件商標権の存在が判明したことから,BRIDEシートの製造販売が本件商標権の侵害となることを回避するために,同年6月16日,宮田工業から通常使用権の設定を受けた。 ところが,被告は,原告の取引先に各種営業妨害行為をするとともに,雑誌社に対し原告製品の広告をしない 件商標権の侵害となることを回避するために,同年6月16日,宮田工業から通常使用権の設定を受けた。 ところが,被告は,原告の取引先に各種営業妨害行為をするとともに,雑誌社に対し原告製品の広告をしないように圧力をかけたため(これにより,雑誌社の多くは原告製品の広告掲載を止めた。),原告は,宮田工業に対して,被告の本件商標権の侵害行為を排除するよう要請したところ,原告が宮田工業から専用使用権の設定を受けて被告の本件商標権の侵害行為を排除することになり,本件訴えを提起したものである。 (キ) 以上の事情にかんがみれば,原告は,ブリッド社の事業を正当に承継し本件各標章の使用権を有するにもかかわらず,被告から,製造ノウハウを奪われた上,繰り返し営業妨害行為を受けたため,やむなく,被告の本件商標権の侵害行為を排除すべく,商標権者である宮田工業に代わって本件商標権の専用使用権を行使したものであって,原告の被告に対する同専用使用権の行使が権利濫用に該当しないことは明らかである。 ウ争点ウについて(被告の主張)(ア) 原告は,宮田工業から,平成15年6月16日に本件商標権の通常使用権の許諾を受け,同年10月から平成16年2月までの間,さらに,平成18年1月12日に同専用使用権の設定を受けて以降,本件登録商標と類似する本件各標章を付したスポーツシートを販売し,その広告に本件各標章を付して展示し,頒布した。 原告の広告には,本件各標章を付したスポーツシートの写真とともに「新しく生まれ変わる。ブリッド,ネクストステージ」のフレーズが記載され,被告製品と商品形態,商品名(商品番号はほぼ同一)が完全に同一の商品が宣伝されている(なお,原告の現在のホームページ上においては,当初の広告にある「ブリッド,ネクストステージ」のフレーズに替えて「BRIDEネクストステージ 名(商品番号はほぼ同一)が完全に同一の商品が宣伝されている(なお,原告の現在のホームページ上においては,当初の広告にある「ブリッド,ネクストステージ」のフレーズに替えて「BRIDEネクストステージ」と記載し,原告が本件各標章を使用する際の称呼として「ブリッド」の文言の使用を意図的,一時的に回避している。 原告が使用した本件各標章及びそれを付した原告製品は,被告製品の模倣品であるので,誤認混同が生じていることは明らかである。本件登録商標の商標権者である宮田工業は,原告の本件登録商標の使用に関して,定期的な監督,報告の聴取などの実質的な監督を行っておらず,相当の注意義務を果たしたとはいえない。 したがって,本件商標権は,その通常使用権者であった(後に専用使用権者となった)原告が,指定商品「自動車用座席」について本件登録商標と類似する本件各標章を使用し,被告のBRIDEシートと混同を生ずる行為を行ったので,本件商標権は取り消されるべきものであり(商標法53条1項),本件商標権に係る専用使用権はその権利を行使することができない(商標法39条,特許法104条の3)。 (イ) なお,商標法53条1項は「商標権の取消し」について規定しているところ,特許法104条の3は「無効審判により無効にされるべきもの」と規定し,文言上は「取消し」の場合を含むか否かは明らかではないが,それは,特許法に取消審判制度がないからであり,商標権が取消審判によって取り消された場合には無効審判と同様に差止請求権が消滅することに変わりはないから,特許法104条の3は,商標権が取り消されるべき場合にも適用されると解釈すべきである。仮に,特許法104条の3が適用されないとしても,商標法53条1項により商標権が取り消される場合に当たる以上,最高裁平成10年(オ)第364号同12年4月1 べき場合にも適用されると解釈すべきである。仮に,特許法104条の3が適用されないとしても,商標法53条1項により商標権が取り消される場合に当たる以上,最高裁平成10年(オ)第364号同12年4月11日第三小法廷判決・民集54巻4号1368頁(いわゆる「キルビー判決」)に照らせば,原告が本件商標権の専用使用権を行使することは権利濫用に当たり許されない。 (原告の主張)(ア) 商標法53条1項は取消審判の請求であり,同法39条が準用する特許法104条の3は「無効とされるべきときは」と規定しているから,商標法53条1項の取消事由が存するとしても特許法104条の3の適用はない。 (イ) 商標法53条1項本文は,①商標権者から使用許諾を受け,②指定商品又はこれに類似する商品についての登録商標又はこれに類似する商標を使用し,③この結果,他人の業務に係る商品と混同を生じたことを要件とする。 しかし,原告は,商標権者から使用許諾を受けた後に使用を開始したものではなく,原告,ブリッド社及び被告の3社で事業を行ってきた後に,突然,被告からブリッド社に対し商品の注文を停止する旨の通告を受けたため,それまで主導的地位にあったブリッド社の事業を承継した原告が,それまで使用してきた標章「BRIDE」をスポーツシートに付して製造,販売するに当たり,商標権者から商標権侵害としての責任を追及される危険性を回避したものにすぎない。 (ウ) 商標法53条1項本文は,所定の要件を満たす場合に「何人も」取消審判を請求することができる旨規定しているところ,この規定は,商標法が使用許諾制度を採用したことに伴い,商品流通秩序という公益が害されることを防止しようとする趣旨のものと解される。 しかし,被告は,本件商標権を侵害しながら,元々被告と共同で事業を行っていた相手方である原告の行為 を採用したことに伴い,商品流通秩序という公益が害されることを防止しようとする趣旨のものと解される。 しかし,被告は,本件商標権を侵害しながら,元々被告と共同で事業を行っていた相手方である原告の行為を前提に,商標法53条1項を利用して,本件登録商標を取り消そうとするものであり,被告のような商標権侵害者(不法行為者)は,商標法53条1項に規定する「何人」から除外して解釈すべきである。 商標法53条1項を「専用使用権者又は通常使用権者(である原告)が指定商品又はこれに類似する商品についての登録商標又はこれに類似する商標『BRIDE』の使用であって(商標権侵害をしている)他人(被告)の業務に係る商品と混同を生ずるものをしたときは,何人(商標権侵害をしている被告)も,当該商標登録を取り消すことについて審判を請求することができる。」として解釈・運用することは,本件においては,正に不法行為者を救済することにほかならない。 (エ) 商標法53条の要件のうち,「他人の業務に係る商品と混同を生ずるものをしたとき」とは,当該他人の業務の適否にかかわらず「混同が生じさえすれば足りる」と解すべきではなく,専用使用権者が「適法な第三者(他人)の法益を侵害して」(違法に)出所の混同を生じさせることを必要とすると解すべきである。 そして,当該商標の使用行為が,元々適法な商標使用の継続である場合には,後に出所の混同を生じさせた商標使用者の出現により,当該商標登録が商標法53条により取り消されることはないと解すべきであり,このように解さなければ,使用許諾制度の採用による弊害(使用権の存在を前提に他人の信用にただ乗りしようとする使用権者の行為)を是正し,正当に使用された未登録周知商標に化体した業務上の信用という法益を守ることにより,ひいては商標流通秩序の維持を図ろうとした同条 存在を前提に他人の信用にただ乗りしようとする使用権者の行為)を是正し,正当に使用された未登録周知商標に化体した業務上の信用という法益を守ることにより,ひいては商標流通秩序の維持を図ろうとした同条の立法趣旨に反することになることは明白だからである。 原告は,ブリッド社の承諾を得て標章「BRIDE」の使用を正当に承継した者であり,その後,宮田工業の所有する本件商標権の存在を知り,標章「BRIDE」の継続使用行為が本件商標権を侵害することを回避するために,本件商標権について使用権の設定を受け従前同様に標章「BRIDE」の使用を継続したものであって,それは,他人の信用にただ乗りする行為ではなく適法であることはいうまでもない。 この場合,違法な商標使用者(被告)が存在し,仮にそれと出所の混同が生じたとしても,使用権者である原告の行為は(第三者の法益を侵害して)「違法に」出所の混同を生じさせたものではないから,商標法53条の「他人の業務に係る商品と混同を生ずるものをしたとき」に該当しないというべきである。 (オ) したがって,商標法53条1項に係る被告の主張は理由がない。 (2) 乙事件についてア争点アについて(被告の主張)(ア) 周知性についてa前記(1)ア(被告の主張)で述べたとおり,本件各標章は,本件登録商標の出願時(昭和63年7月7日)には,すでに「ブリッドCo」の屋号で事業を行っていたBのスポーツシートを表示するものとして需要者の間に広く認識され,商標法32条1項の周知性を具備していた。当時は,BRIDEシートのパンフレットや広告・宣伝にはその業務主体として「ブリッドCo」の名称を用いていた。 その後,平成元年に設立された被告は,「ブリッドCo」のスポーツシートの事業を承継し,パンフレットや広告・宣伝にはその業務主体として被告の社名又 その業務主体として「ブリッドCo」の名称を用いていた。 その後,平成元年に設立された被告は,「ブリッドCo」のスポーツシートの事業を承継し,パンフレットや広告・宣伝にはその業務主体として被告の社名又は「ティーズコーポレーションブリッド事業部」という表示を行い,平成3年にはBRIDEシートの年間販売数は7693本,年間売上額は5億2800万円になり,スポーツシートの周知ブランドとして確立していたドイツのレカロ社の年間販売数1万台と並ぶものになり,被告とレカロ社が圧倒的シェアを占める状況になった。 本件各標章は,被告が,D(トータス)と取引を開始する前において,既にレカロブランドと並んで国内において被告のスポーツシートを表示するものとして,取引者及び需要者に広く知られていたものであり,「ブリッド」といえば被告のブランドを意味した。周知ブランドは一般需要者にとってその営業主体が特定されていれば足り,その営業主体が具体的に誰であるかとか,その正式な社名まで認識されている必要はなく,「ブリッド」社といえば,それは周知表示の営業主体である被告を表示するものであることは明らかである。 bDは,被告の下請け工場としてBRIDEシートの製造を受託し,後にBRIDEシートの全量を製造するようになり,また,ブリッド社を設立して法人化しているが,そのことで,BRIDEシート事業の営業主体がブリッド社に移転するものではない。 被告がブリッド社にBRIDEシートの製造を委託した後においても,パンフレットや広告・宣伝にはその業務主体として被告の社名又は「ティーズコーポレーションブリッド事業部」とのみ表示されていた。商品取扱説明書には,「製造元/株式会社ブリッド」,「発売元/ティーズ株式会社」が小さく表示されているが,BRIDEシートの営業主体としては,住所や電話番号 ョンブリッド事業部」とのみ表示されていた。商品取扱説明書には,「製造元/株式会社ブリッド」,「発売元/ティーズ株式会社」が小さく表示されているが,BRIDEシートの営業主体としては,住所や電話番号とともに「ティーズ株式会社ブリッド事業部」が大きく表示され,被告がBRIDEシート事業の主体であり,その営業上の責任主体であることを表示していることに変わりはない。 平成5,6年には,Dが関与していないレース用のBRIDEシートは,全日本ジムカーナ選手権出場エントリー車中の装着率が60%に達し,モータースポーツ界においてナンバーワンブランドとなり,平成6年にはBRIDEシートの売上げは年間13億円を超え,Cが統括するティーズレーシングチームも年間総合チャンピオンになるなど,被告が営業するBRIDEシートの事業は全国的なレベルで知名度と周知性を有しており,その事業主体が被告であることは歴然としており,ブリッド社が設立されても,取引者及び需要者は,営業主体である被告が設立した会社か被告のグループ会社であるとの認識しか持ち得ないことは明らかである。 cなお,原告は,本件各標章はブリッド社のものであり,原告がブリッド社の事業を承継したと主張する。 しかし,被告は,D又はブリッド社に対し,BRIDEシートの製造に必要不可欠な部材・部品であるグラデーション生地,フランスのフォルシア社製輸入スライダー及びリクライニング機構部品の全量を供給し,平成4年4月から平成6年1月にかけて,Dに対し,BRIDEシートを製造するための11点の金型費用として1749万円,車検対応開発費として3710万円の合計5459万円を支払い,平成6年以降は,ブリッド社からの仕入金額を従来は定価の40%であったものを5%増加して45%として,ブリッド社が被告の専属工場として安定した経営と 発費として3710万円の合計5459万円を支払い,平成6年以降は,ブリッド社からの仕入金額を従来は定価の40%であったものを5%増加して45%として,ブリッド社が被告の専属工場として安定した経営と商品供給ができるように実質的な資金提供を行った。 Bは,ブリッド社と業務提携を結ぶまでに,スポーツシートの開発及び量産に関する手法を獲得し,これを被告に承継しており,こうしたスポーツシートの開発・量産技術を基に,被告の従業員であるCがブリッド社に技術的な指導,指示を行った。Bが平成3年以前に合資会社三和商会(以下「三和商会」という。)を通じて製造していたスポーツシートは,PPバンド(ポリプロピレン製バンド)が用いられていたが,保安基準に合致し,需要者に支持されていた製品であった。 したがって,ブリッド社は,単に被告から製造委託を受けてBRIDEシートの製造を行った生産工場にすぎず,ブリッド社がその製造するスポーツシートに本件各標章を付して使用したのは,被告からの委託に基づくものであった。被告とブリッド社との取引関係が解消されて,ブリッド社が本件各標章に関して何ら使用権を有しない以上,ブリッド社及び原告にとって,本件各標章が他人の商品等表示に当たることは明らかである。 (イ) 原告は,本件各標章を使用してスポーツシートを製造販売し,しかも,被告が創作して使用してきた「ZETA」,「ARTIS」等のセカンドブランドのすべてをそのまま僭称使用し,被告が蓄積した信用にただ乗りして市場を混乱させており,原告によるBRIDEシートの製造,販売は,被告の商品と混同を生じさせる行為に当たることは明らかである。 (ウ) よって,被告は,原告に対し,不正競争防止法2条1項1号,3条1項に基づき,原告製品の販売,展示等の差止めを求める。 (原告の主張)本件各標章が被 じさせる行為に当たることは明らかである。 (ウ) よって,被告は,原告に対し,不正競争防止法2条1項1号,3条1項に基づき,原告製品の販売,展示等の差止めを求める。 (原告の主張)本件各標章が被告の商品を表示するものとして周知性を有していたとの被告の主張は否認する。 前記(1)イ(原告の主張)で述べたとおり,標章「BRIDE」は,ブリッド社の標章として周知性を獲得したものであり,被告が主張するように被告独自の標章として周知性を獲得したものではない。そのブリッド社の事業を,生産設備,従業員等と共に承継した原告こそ,正に「BRIDE」ブランドを引き継ぎ,同標章を使用する正当な権限を有するものである。 イ争点イについて(原告の主張)(ア) 前記(1)イ(原告の主張)で述べたとおり,原告,ブリッド社及び被告の関係は,一方(原告,ブリッド社)が他方(被告)の手足となって働くという,いわば下請関係にあったものではなく,ブリッド社が主導する事業関係にあったものである。被告は,このような3社の関係が継続する中,ブリッド社の従業員(J,K,L)を巧妙かつ悪質な方法で引き抜いて自社生産の準備を密かに進めた上,平成14年12月にブリッド社に対し一方的に取引の中止を通告し,これによって被告に対する即納体制を整えているブリッド社は1億円以上に上る膨大な在庫製品を抱えたのである。 したがって,被告が,ブリッド社の事業を承継した原告に対し,不正競争防止法2条1項1号,3条1項に基づき,原告製品の販売,展示等の差止めを求めることは,権利の濫用として許されない。 (イ) 被告は,不正競争防止法2条1項に基づく差止請求に対して権利の濫用の規定の適用はないと主張するが,同抗弁は民法1条3項によるものであり,いかなる権利行使についてもその適用があることはいうまでもない。 被告は,不正競争防止法2条1項に基づく差止請求に対して権利の濫用の規定の適用はないと主張するが,同抗弁は民法1条3項によるものであり,いかなる権利行使についてもその適用があることはいうまでもない。なお,平成5年法律第47号による改正前の旧不正競争防止法6条は,特許法,実用新案法,意匠法又は商標法により権利の行使と認められる行為には不正競争行為の差止め等の規定を適用しない旨を規定していたが,同改正により同規定が削除された際,今後は,不正競争防止法に基づく権利行使と工業所有権に基づく権利行使との調整は,権利濫用その他の一般法理により図られることとされた経緯がある。 (被告の主張)(ア) 不正競争防止法2条1項に規定される行為は,不法行為を構成する不正競争行為として類型的に限定列挙され(一般条項は存しない。),当該不正競争行為に該当すると認められる場合は,同法19条の適用除外がない限り直ちに違法性を帯びるものであって,その違法行為に対して,営業上の利益を害される者からの差止請求が認められている。同法2条1項1号に規定する商品等主体混同行為は,典型的な不正競争行為として類型化され構成要件化されている行為であり,同号に該当する行為の違法性はその構成要件の有無の判断において包括的に評価され尽くしているから,同号に基づく差止請求が権利濫用となり得ることを想定していないし,実際上も権利濫用にはなり得ない(信用化体のない未使用標章や未使用商標権が,しばしば濫用的に出願されたり権利移転されたりする場合とは異なる。)。 原告が主張する共同事業関係に関する経緯についても,被告の行為が商品等主体混同行為に該当するか否かの判断において既に考慮されている事情であり,原告主張の権利濫用を基礎付ける事実にはならない。 (イ) また,既に述べたように,原告と被告の間に原告 も,被告の行為が商品等主体混同行為に該当するか否かの判断において既に考慮されている事情であり,原告主張の権利濫用を基礎付ける事実にはならない。 (イ) また,既に述べたように,原告と被告の間に原告主張の共同事業関係が形成された事実はないし,原告が主張するような共同事業関係の解消の経緯は存しない。 被告とブリッド社とのBRIDEシートの製造委託関係が解消されたのは,次の経緯による。 すなわち,BRIDEシートの売上げが,平成7年以降,景気後退や価格競争の激化によって減少し,平成14年には最盛期の半分以下(5億7000万円)までに落ち込んでいたところ,ブリッド社のDは,販売不振の原因が被告にあると非難するばかりで,Cからの新商品開発の指示に従わず,BRIDEシートの製造業者としての意欲を喪失しており,被告は,Dのこうした態度に危機感を抱き,やむを得ず自ら新商品の試作品を作らざるを得なくなった。 被告は,平成15年2月に,ブリッド社に対するシートレールの発注を同年5月をもって中止する旨通告し,シートレールの製造委託先を有限会社シーテック(以下「シーテック社」という。)に変更することにしたが,これは,ブリッド社において平成13年を最後に新製品を開発しなかった以上,必要かつ当然の措置である。 BRIDEシート本体については,被告がブリッド社に対して平成15年6月まで従来どおり継続して発注し,被告からはその発注に基づいて納品されていたものである。 被告がブリッド社に対し従来どおりBRIDEシートの発注を行い,ブリッド社がその製造を行っていた最中に,原告は,被告がシートレールのみ別工場での製造に着手したことに乗じて,ブリッドブランドを不正に奪取しようと企図し,被告に秘して,ブリッド社との間でBRIDEシートの販売を行う密約を行った。ブリッド社が行うB 告がシートレールのみ別工場での製造に着手したことに乗じて,ブリッドブランドを不正に奪取しようと企図し,被告に秘して,ブリッド社との間でBRIDEシートの販売を行う密約を行った。ブリッド社が行うBRIDEシートの製造は,被告のBRIDEシート事業として依頼を受けて行われていたものであり,被告の承諾なくBRIDEシートを横流しすることは許されず,この時点で,ブリッド社の契約違反及び背信行為は明らかである。 ブリッド社は,被告による平成15年6月28日付けの製造発注に対し,同年7月4日にBRIDEシートを納品したが,同月18日付け書面により,突然,本件商標権に基づく本件各標章の使用禁止を警告し,原告とブリッド社連名による業務提携の通知書面を顧客等に頒布したことから,原告が被告からBRIDEシート事業を乗っ取る計画が明らかになり,これをもって,被告とブリッド社の取引は実質的に解消された。 (ウ) 以上のとおり,原告は,すでに被告の製品を表示するものとして周知となった本件各標章及びそのBRIDEシート事業を被告から乗っ取る目的の下に,被告とブリッド社との継続的取引関係を解消せしめた上,その手段として本件商標権の専用使用権を取得したきわめて違法性の高い謀略行為を行ったものである。 被告が,原告に対して,不正競争防止法2条1項1号に基づく差止請求権を行使することは,正に被告の周知表示である本件各標章とBRIDEシート事業を保護するための正当なものであって,それが権利濫用と評価される事情は一切ないというべきである。 ウ争点ウについて(原告の主張)原告がスポーツシートに本件各標章を使用することは,宮田工業から本件商標権の専用使用権の設定を受けたことに基づくもので,正当な行為である。 (被告の主張)(ア) 平成5年法律第47号による改正前の旧不正競争防 ーツシートに本件各標章を使用することは,宮田工業から本件商標権の専用使用権の設定を受けたことに基づくもので,正当な行為である。 (被告の主張)(ア) 平成5年法律第47号による改正前の旧不正競争防止法6条は,特許法,実用新案法,意匠法又は商標法により権利の行使と認められる行為には不正競争行為の差止め等の規定を適用しない旨を定めていたが,混同行為者側からの同条に基づく抗弁を権利濫用論によって排斥する裁判例が相次いだため,同改正により同条は削除されており,現行の不正競争防止法の下では,商標権の行使は抗弁となり得ないので,原告の主張は主張自体失当である。 仮に,不正競争防止法に基づく請求に対して商標権の行使が抗弁となり得るとしても,商標権の権利行使とは登録商標と同一の商標を使用する権利であって,その類似商標を使用する権利ではないところ,原告が使用しているのは,本件登録商標と類似する本件各標章(本件登録商標と同一ではない。)であるから,本件各標章の使用は本件商標権の通常使用権の許諾又は専用使用権の設定に基づくものであるとの原告の抗弁は理由がない。 (イ) また,原告が本件商標権の通常使用権の許諾又は専用使用権の設定に基づくものであると主張することは,前記(1)イ(被告の主張)で述べたとおり,権利の濫用として許されない。 第3争点に対する判断 甲事件について(1) 争点アについてア商標法32条1項は,他人の商標登録出願前から日本国内において不正競争の目的でなくその商標登録出願に係る指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務についてその商標又はこれに類似する商標の使用をしていた結果,その商標登録出願の際現にその商標が自己の業務に係る商品又は役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているときは,その者は,継続してそ いてその商標又はこれに類似する商標の使用をしていた結果,その商標登録出願の際現にその商標が自己の業務に係る商品又は役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているときは,その者は,継続してその商品又は役務についてその商標の使用をする場合は,その商品又は役務についてその商標の使用をする権利を有する旨を定める。 商標法32条1項の「需要者の間に広く認識されている」との周知性の要件については,商標登録の障害事由を定める同法4条1項10号にも同様の文言の規定があるところ,同法32条1項所定の先使用権の制度の趣旨は,識別性を備えるに至った商標の先使用者による使用状態を保護することにあり,しかも,これにより使用する権利が認められるのは,商標登録出願前に使用していた商標と同一の構成であって,かつ,これが使用される商品も同一である場合に限られ,登録商標権者又は専用使用権者の指定商品全般についての独占的使用権がその限度で制限されるにすぎないこと,仮に,先使用者の当該商標の使用が許されなくなれば,先使用者の受ける不利益は著しいものとなることにかんがみると,同法32条1項の「需要者の間に広く認識されている」との周知性の要件は,同法4条1項10号のそれと同一に解釈する必要はなく,同号の周知性の要件よりも緩やかに解し,取引の実情に応じ,具体的に判断するのが相当というべきである。 本件登録商標は,昭和63年7月7日に出願されたものであるから,その時点において,本件各標章がBの業務に係る商品又は役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたか否かが問題となる。 イ前記前提事実,後掲各証拠及び弁論の全趣旨を総合すれば,次の事実が認められる。 (ア) BRIDEシート事業の開始について(乙4,13,14の1,94,96,被告代表者)Bは,昭和56年,「 イ前記前提事実,後掲各証拠及び弁論の全趣旨を総合すれば,次の事実が認められる。 (ア) BRIDEシート事業の開始について(乙4,13,14の1,94,96,被告代表者)Bは,昭和56年,「ブリッドCo」の屋号を用いて,スポーツカーなどに設置される自動車用シートの製造・販売事業を開始し,その製品には標章「BRIDE」を付していた。Bが,「ブリッド」という屋号を用いることにしたのは,昭和43年に公開されたスティーブ・マックイーン主演の映画「ブリット(BULLITT)」(サンフランシスコの坂道でのスポーツカーの追跡シーンが有名)等にヒントを得て命名したものであった。 Bは,昭和56年に,国産初の自動車用リクライニングシート「ブリッドGT」を開発し,その製造を三和商会に依頼して,これを販売するようになり,年間販売数は1000脚以上になった。なお,当時,自動車用シートは高価な輸入品が主流であり,国産のものは「マジョルカ社」,「エバ社」の製品が売られていたが販売数は多くなかった。 Bは,昭和57年に,リクライニングシートの第2号商品「ブリッドEX」を開発して販売するようになった。 (イ) 標章「BRIDE」の使用について(乙4,7,8の1~4,9の1~7,13,14の1,32,72,73)Bは,昭和58年,「BRIDE」の統一したロゴマークを作成するため,株式会社鉄谷写真事務所に委託して,英文字「BRIDE」をデザインした本件標章1を作成・発表した。 その後,Bは,背部分や座席部分に縦方向に本件標章1を複数配置したり,ヘッドレスト部分に本件標章1を付した自動車用シートを製造し,これを販売するようになった。 Bは,その後,納品書に本件標章1を印刷又は押印して使用し,昭和62~63年ころに作成したパンフレットに,本件標章1や別紙「商標目録(被告 付した自動車用シートを製造し,これを販売するようになった。 Bは,その後,納品書に本件標章1を印刷又は押印して使用し,昭和62~63年ころに作成したパンフレットに,本件標章1や別紙「商標目録(被告側)」記載3の標章を付した自動車用シートを掲載し,封筒には本件標章1を付して使用していた。 (ウ) 新商品の開発について(甲7,乙4,9の5,14の1,32,34《枝番号を含む。》,70,71,94,96,被告代表者)Bは,昭和61年,自動車用フルバケットシートを開発し,その製造を梅村FRPに依頼し,組立加工及びシートカバーの製作を三和商会に依頼して,これを販売するようになり,そのころから昭和63年ころにかけて,「ブリッドPRO」,「ブリッドUNI」,「ブリッドCAM」,「ブリッドNOVA」,「ブリッドPROS」等の各種商品を製造,販売するようになった。 (エ) Fとのスポンサー契約についてBは,昭和61年ころにFと出会い,昭和62年にスポンサー契約を締結し,現在に至るまでFからスポーツシートに関する技術的アドバイスを受けている。なお,Fは,昭和52年に富士フレッシュマンレースにおいてレースデビューしたレーシングドライバーであり,昭和58年にスターレットカップでシリーズチャンピオンを獲得し,昭和59年に富士フレッシュマンレースにおいて6連勝し,ドリフト走行を多用するドライビングスタイルから「ドリキン」(ドリフトキングの略)の名で親しまれていた(甲33,乙14の2,37の1~9,83の1・2,110,被告代表者)。 Fについては,昭和62年に発行された「カービデオマガジン」(株式会社学習研究社制作)に「ドリキンFのドラテク講座」と題するビデオ記事が掲載され(乙37の9),本件登録商標の出願後であるが,Fが執筆した書籍として昭和63年10月発行 「カービデオマガジン」(株式会社学習研究社制作)に「ドリキンFのドラテク講座」と題するビデオ記事が掲載され(乙37の9),本件登録商標の出願後であるが,Fが執筆した書籍として昭和63年10月発行の「無敵のドリフト・テクニック」(株式会社講談社発行。乙37の2),及び平成元年9月発行の「続・無敵のドリフトテクニック」(同社発行。乙37の3)が出版され,昭和63年9月,昭和64年(平成元年)1,2月各発行の「ベストモータリング」(同社発行。乙37の4~6)ではFのドライビングテクニックが紹介され,平成2年6月発行の「ドライバー」(株式会社八重洲出版《以下「八重洲出版」という。》発行。乙37の7)では「F物語」という題名でFに関する特集記事が掲載され,昭和64年1月発行のビデオ「OPTION」(株式会社三栄書房《以下「三栄書房」という。》発行。乙37の8)ではFに関する映像が掲載された。 上記の「続・無敵のドリフトテクニック」においては,Fが「ブリッド」に依頼して特注のシートを制作してもらっていることが記載され,BRIDEシートの写真が掲載され,昭和63年11月発行の「CARBOY」(八重洲出版発行。乙14の2)において,「F親衛隊」の1人としてBが紹介され,「シートはブリッド」などと紹介する記事も掲載された。 「Fの熱血レース道!」と題するDVD(株式会社マジカル発行。乙83の1・2)においても,Fが昭和55年ころからレーシングドライバーとして各種のレースに出場して活躍していたことが収録されている。 (オ) 雑誌の掲載状況についてa月刊誌「OPTION」(三栄書房発行)についてBは,「OPTION」の昭和61年5月号,昭和62年4~9月号にBRIDEシートの広告を掲載し,また,昭和61年6,7,9月号,昭和62年1,11月号,同年5月 TION」(三栄書房発行)についてBは,「OPTION」の昭和61年5月号,昭和62年4~9月号にBRIDEシートの広告を掲載し,また,昭和61年6,7,9月号,昭和62年1,11月号,同年5月臨時増刊号,昭和63年3月号,昭和60,61,63年の各2月発行のOPTION別冊又は臨時増刊号として発行された「エキサイティングパーツマニュアル」には,BRIDEシートの紹介記事が掲載された(乙17の2,乙17の26~37,乙34の2,4,5,乙80の7の4・7)。これらの雑誌の上記掲載記事の主な内容は,昭和61年6月号(乙17の27)では「ブリッドPROシート」が写真と共に「このPROシートは,フルバケットの高いサイドサポート性,ホールド感をそのままに,適度なクッションと細かいリクライニング機構(26段階)の採用,また高級感のある素材とデザインにより,ハイソカーにもフィットしてくれるはず」などと紹介され,同年7月号(乙17の28)では,「バケットがここにきて急に出はじめています。ブランドはオートピスタ,レカロ,ブリッドなど,たいていの人は4点式ベルトも一緒に買いますね。」などと販売店のBRIDEシートに関するコメントが紹介され(なお,「オートピスタ」はブリジストンスポーツ株式会社の自動車用シートのブランドであり,「レカロ」はドイツのレカロ社のブランドである。),昭和62年5月臨時増刊号では,「'86エキサイティング・カー・ショーのグランプリカー,EOStodayにも装着されていたブリッドのバケットシート。これ,高性能&デザイン重視,しかも低価格というコンセプトで,注目もののシートだよ。」とBRIDEシートが写真と共に紹介された(乙17の31)。 なお,月刊誌「OPTION」は,自動車のチューニングをテーマとするものであり,昭和60,62 いうコンセプトで,注目もののシートだよ。」とBRIDEシートが写真と共に紹介された(乙17の31)。 なお,月刊誌「OPTION」は,自動車のチューニングをテーマとするものであり,昭和60,62年の発行部数は,それぞれ約28万部,約38万部であり(乙65の4・5),昭和62年の「名古屋パフォーマンス・カー・ショー」における「いつもごらんになっている雑誌は?」とのアンケートの結果(四輪部門)では,19~22歳で8位,23~30歳で6位,31~40歳で10位であり(乙12の3),昭和63年の同アンケート結果では,15歳以下で7位,16~18歳で5位,19~22歳で2位,23~30歳で4位,41歳以上で9位である(乙12の4)。 bそのほかの雑誌について昭和58年12月発行の「モーターファン別冊'84一流オート用品カタログ」(三栄書房発行),昭和58,60年の各4月発行の「カーアクセサリーガイド」(株式会社自動車産業通信社発行),昭和62年4月発行の「FREEROAD」(株式会社プロジェクトエイト発行)にも,BRIDEシートの記事が紹介された(乙14の1,34の1・3)。 そのほか,BRIDEシートの広告は,昭和58~61年の各4月発行の「カーアクセサリーガイド」(乙80の1の1~4),昭和60~63年の各2月発行の「エキサイティングパーツマニュアル」(乙80の2の1~4),昭和61年11月及び昭和63年4月発行の「FREEROAD」(乙80の3の1・3),昭和62年7~12月,昭和63年1~7月発行の「オートスポーツ」(三栄書房発行)(乙80の4の1~12),昭和59年6月発行の「モーターマガジン」(モーターマガジン社発行)(乙80の5),昭和62年7,8,12月,昭和63年1~6月発行の「CARBOY」(八重洲出版発行)(乙8 乙80の4の1~12),昭和59年6月発行の「モーターマガジン」(モーターマガジン社発行)(乙80の5),昭和62年7,8,12月,昭和63年1~6月発行の「CARBOY」(八重洲出版発行)(乙80の6の2~10)に掲載された。 (カ) モーターショーへの出展についてBは,昭和62年1月24,25日及び昭和63年1月29~31日に名古屋市国際展示場で開催された「名古屋パフォーマンス・カー・ショー」(昭和62年の総入場者数12万1231人,昭和63年の総入場者数13万5228人)において,BRIDEシートを出展した(乙12の1~4,乙80の3の2・4)。昭和62年4月発行の「FREEROAD」は,Bの昭和62年の同出展に関して,「常にベストなドライビング・ポジションをユーザーに提供してくれるバケットシート・メーカーのブリッド」と紹介記事を掲載している(乙14の1)。 Bは,昭和63年1月8~10日に東京国際貿易センターで開催された「東京オートサロン」(総入場者数13万8910人)において,有限会社エー・アール・シーを介して,BRIDEシートを出展した(乙10の1~5,乙11の1)。 (キ) 売上額についてBの昭和62年3~12月の売上額は,約1億6300万円(1か月当たり約1630万円),昭和63年1~12月の売上額は,約2億6000万円(1か月当たり約2170万円)であり,その大部分がBRIDEシートに係る売上げであった(乙35,36)。 ウなお,原告は,Bの売上額を裏付けるものとして提出する売上台帳(乙35,36)には,売上金額と販売相手先のみが記載されているにすぎず,BRIDEシートと売上げとの関係は全く明らかではないし,納品書・請求書(乙8の1~4,9の1~4,10の1~3)は,わずか数枚でしかなく,細々と販売していたといわ 先のみが記載されているにすぎず,BRIDEシートと売上げとの関係は全く明らかではないし,納品書・請求書(乙8の1~4,9の1~4,10の1~3)は,わずか数枚でしかなく,細々と販売していたといわざるを得ないと主張する。 しかし,Bの昭和62,63年当時の売上げを記帳した売上台帳(乙35,36)の正確性を疑わせる証拠はないし,また,Bが当時BRIDEシート以外の商品を大量に販売していたことを認めるに足りる証拠もない。また,当時,Bから依頼を受けてリクライニングシートを製造していた三和商会の代表者の陳述書(乙94)によれば,昭和56,57年当時,リクライニングシートの定価が4万9500円であり,1機種のみで年間1000脚以上販売していたことが認められ,これによれば,Bの昭和56,57年当時の売上げは,1機種のみで年間4950万円以上となり,上記認定の昭和62,63年当時の売上額は,何ら不自然なものとはいえない(なお,Aは,陳述書《甲38》において,三和商会の代表者が述べるBRIDEシートの販売数量が正確性に欠ける旨述べているが,Aが述べる内容は,具体的な裏付けに基づくものではなく,「平成3年のシート生産,販売本数報告書」及びこれに添付された三和商会の納品書等《乙104》により認められるBRIDEシートの販売数量とも齟齬するものであるから,採用することはできない。)。したがって,BのBRIDEシートに係る売上額は,上記イ(キ)のとおり認定できる。 エ以上に認定したBによる本件各標章を付したBRIDEシートの販売態様,販売額,自動車関連の雑誌の広告宣伝及び掲載記事,展示会への出展,Fとのスポンサー契約及びFを通じてのBRIDEシートの宣伝状況等に照らせば,Bは,本件登録商標の出願日である昭和63年7月7日以前から日本国内において不正競争の 宣伝及び掲載記事,展示会への出展,Fとのスポンサー契約及びFを通じてのBRIDEシートの宣伝状況等に照らせば,Bは,本件登録商標の出願日である昭和63年7月7日以前から日本国内において不正競争の目的でなくスポーツシートについて本件登録商標に類似する本件各標章の使用をしていた結果,本件登録商標の出願の際現に本件各標章がBの業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたものと認めるのが相当である。 そうすると,Bの事業を承継し,本件各標章を継続してスポーツシートに使用してきた被告は,商標法32条1項により,スポーツシートに本件各標章を使用する権利を有するものと認められる。 なお,原告は,遅くとも平成6年8月25日にブリッド社が設立されて以降,BRIDEシートは,ブリッド社を中心とする3社の共同事業において,製造元であるブリッド社の標章として周知となっていたものであり,この間,被告について先使用権を認めるに足りる被告単独での標章「BRIDE」の使用は継続されていないと主張するが,後記認定のとおり,標章「BRIDE」は被告の業務に係る自動車用シートを表示するものとして継続して使用されていたことが認められるから,原告の主張は理由がない。 したがって,本件商標権の専用使用権に基づいて被告製品の差止め等及び被告製品等の廃棄を求める原告の請求は理由がない。 (2) 争点イについて上記のとおり,被告は商標法32条1項の先使用権に基づいてスポーツシートに本件各標章を使用する権利を有するものというべきであるが,念のため,争点イについても検討を加える。 ア前記前提事実,後掲各証拠及び弁論の全趣旨を総合すれば,次の事実が認められる。 (ア) 平成3年ころまでの経緯(甲7,8の1,32,38,乙10,13,36,41の1~4,64の1,77,9 。 ア前記前提事実,後掲各証拠及び弁論の全趣旨を総合すれば,次の事実が認められる。 (ア) 平成3年ころまでの経緯(甲7,8の1,32,38,乙10,13,36,41の1~4,64の1,77,94,105,証人C,原告代表者,被告代表者)aBは,平成元年5月30日,被告を設立して代表取締役に就任し,「ブリッドCo」の屋号で行っていた標章「BRIDE」を付したスポーツシートの事業を,被告に承継させた。 被告は,そのころ,自動車用リクライニングシートの製造を三和商会に依頼し,同フルバケットシートの製造を梅村FRP及びエムグラス(ただし,組立加工及びシートカバーの製作は三和商会)に依頼し,シートレールについては,フランスのフォルシア社から輸入し,これを下請会社であるマーレ,堀田溶接,ジーエスアールに供給してその組立製造を行わせていた。 なお,三和商会は,家具や二輪自動車のシートの製造メーカーであり,当時のリクライニングシートは,外縁のパイプフレームの間を幅5㎝のPPバンドが横方向に6本,縦方向に1本を,それぞれ業務用ホッチキスで固定した構造のものと,PPバンドを使用せず外縁のパイプフレームの間に縦方向及び横方向のパイプフレームを付加した構造のものがあり,リクライニング機構は片支持(背もたれの傾斜角度が左右の一方のみで固定されるもの)であったが,強度に問題があるといった苦情が出たことはなかった。 被告は,平成元年ころ,有限会社大羽デザインスタジオ(以下「大羽デザイン」という。)に依頼して,別紙「商標目録(被告側)」記載1の標章を作成し,BRIDEシートのカタログ等に用いるようになった。 bAは,平成元年初めころ,ケンテック社に入社し,スポーツシートやチャイルドシートの販売業務を行うようになった。ケンテック社は,スポーツシートをレールアダ シートのカタログ等に用いるようになった。 bAは,平成元年初めころ,ケンテック社に入社し,スポーツシートやチャイルドシートの販売業務を行うようになった。ケンテック社は,スポーツシートをレールアダプターと共に池田物産株式会社(現在の商号は「ジョンソンコントロールズオートモーティブシステムズ株式会社」)から納入を受けて,スポーツシートを販売していたが,平成2年初めころ,トータスの屋号で自動車部品の製造等の事業を行っていたDに対し,レールアダプター等の生産を委託するようになった。 Aは,Dと共に,車検に必要な保安基準を満たすように,自動車用シートを設計,開発し,中部運輸局に対して申請手続を行った上,ケンテック社の自動車用シートを車検に対応したものとして販売するようになった。当時,国内及び海外の業者の自動車用シートは,いずれも車検に必要な保安基準を満たしておらず,同保安基準を満たしていたのはケンテック社製の自動車用シートのみであった。 cケンテック社は,被告に対し,自社のスポーツシートに標章「BRIDE」を付した商品「BASIS」を納入するようになったが,その販売台数は1か月に5~20台程度にとどまった。 (イ) BとDが業務提携するようになった経緯及びその業務提携の内容(甲8の2,9~13,16,19,21の1~9,22の1~16,26の1~3,32,34~38,乙3~5,13,17の59,38の1~4,42~46,50,61,67の1・2,74~76,86~89,96《以上の書証のうち,枝番号のあるものは枝番号を含む。》,証人C,証人G,原告代表者,被告代表者)aBは,平成3年ころ,BRIDEシートの需要が増加し,三和商会の製造能力では賄いきれなくなったことや,ケンテック社製品のように車検対応の自動車用シートの開発を目指すため,ケンテッ ,被告代表者)aBは,平成3年ころ,BRIDEシートの需要が増加し,三和商会の製造能力では賄いきれなくなったことや,ケンテック社製品のように車検対応の自動車用シートの開発を目指すため,ケンテック社の元代表取締役であったOを通じてDを紹介してもらい,Dに対し,BRIDEシートの製造を依頼することにした。 被告は,従前はリクライニングシートの生産を三和商会に依頼していたが,平成4年からは,すべてのリクライニングシートの製造をDに依頼するようになり,Dは,被告の製品のみを製造するようになった。 このころから,BとDは,製造,販売する自動車用シートが,車検を受けることができるように,中部運輸局に対して,製造者をD(トータス),販売者を被告名義として必要な申請手続を行った。 株式会社ムサシ(以下「ムサシ社」という。代表取締役はH)は,このころから,被告からBRIDEシートを仕入れて販売するようになった。 bBは,平成6年4,5月ころ,Dに対し,上記のBRIDEシートの製造協力関係をより強固にするなどの目的で,名称を「ブリッド」とする会社を設立することを勧め,Dは,平成6年8月25日,自動車用椅子の製造販売等を目的とするブリッド社を設立した。 被告は,このころから,ブリッド社に対し,それまで製造を依頼していたリクライニングシートに加え,すべてのフルバケットシートについても製造を依頼するようになった。 平成7年に,BRIDEシートの「ZETA」は,FIA(FederationInternationaledeI'Automobile。国際自動車連盟)が定めたレース用自動車の規格を満たし,FIAからその認定を受けた(以下,この認定を受けたものを「FIA公認」という。)。 被告とブリッド社は,BRIDEシートの車検対応化を進め,最初に車検対応のBR めたレース用自動車の規格を満たし,FIAからその認定を受けた(以下,この認定を受けたものを「FIA公認」という。)。 被告とブリッド社は,BRIDEシートの車検対応化を進め,最初に車検対応のBRIDEシートを発表した平成6年1月ころは,300種類を超えるBRIDEシートのうちの3種類,500車種を超えるシートレールのうち25車種しか車検対応になっていなかったが,同年8月には,リクライニングシート用のシートレールのうち100車種,フルバケットシート用のシートレールのうち25車種について車検対応にし,平成8年には,すべてのBRIDEシート(ただし,FIA公認のもののうち「GARDIS」等のレース専用モデルを除く。)が車検対応になった。 c被告がBRIDEシート事業のために果たした役割は次のとおりである。 (a) 被告は,三和商会からの仕入価格が小売価格の40%であったが,ブリッド社に対しては,仕入価格として小売価格の45%又は50%を支払い,小売価格の50%で仕入れる場合はブリッド社が雑誌による広告宣伝費を負担し,小売価格の45%で仕入れる場合は被告が同費用を負担するとの取決めがされた。被告が,ブリッド社に対して支払った仕入金額の上乗せ分(小売金額の5%として算出)は,ブリッド社との業務提携が解消するまでの約9年間で合計6億円を超える。 (b) 被告は,D(トータス)に対し,平成4年4月分として「デバイスノブ」,「ベルトカバー」,「デバイスカバー」及び「レバー」の金型代合計495万円,平成5年9月分として「ノブ中」,「ノブ小」,「ベルトカバー」,「ヘッドレスガイド」,「グロメット」及び「レバー」の金型代合計960万円,平成5年10月分として「リクライニングシート開発車検対応」の費用955万円,同年12月20日分として「フルバケット車検対応 ヘッドレスガイド」,「グロメット」及び「レバー」の金型代合計960万円,平成5年10月分として「リクライニングシート開発車検対応」の費用955万円,同年12月20日分として「フルバケット車検対応」の費用955万円,平成6年1月分として「Vタイプ,Sタイプ・ライザー開発車検対応」の費用1800万円,合計5165万円(消費税別)をそれぞれ支払った。 (c) 被告は,名古屋市a区b町のc番地及びd番地所在の工場を賃借し,BRIDEシートの部品製造,組立て等のために使用していたが,ブリッド社に対し,同工場を転貸するとともに,同工場内に設置されていた機械5点を帳簿価格で譲渡し,ブリッド社は,同工場及び機械を使用して,BRIDEシートを製造するようになった。 (d) 被告は,ブリッド社に対し,リクライニングシートの製造を委託するに際し,被告が調達したリクライニング機構の部品やフランスのフォルシア社製のシートレールを供給した。なお,フォルシア社製のシートレールは,レカロ社から特許権侵害である旨の警告を受けたため,ブリッド社が金型費用を負担して追加部品を製作し,それを加工して完成品にする必要があった。 被告は,本件標章1が織り込まれたグラデーション生地を,徳菱株式会社に製作させて,これをブリッド社に供給した(乙47の1)。 (e) 被告は,BRIDEシート事業のために,広告宣伝費として,平成1~4年に年間795万~4737万円,平成5~11年に年間9028万~1億2605万円,平成12~14年に年間4216万~7117万円の支出をした。 (f) 被告は,BRIDEシート普及のため,平成元年から「ティーズレーシングチーム」という名称で鈴鹿サーキットでのレースに参戦し,平成6年には,鈴鹿フレッシュマントロフィーレースのN2クラスで年間総合優勝した。優勝したレ Eシート普及のため,平成元年から「ティーズレーシングチーム」という名称で鈴鹿サーキットでのレースに参戦し,平成6年には,鈴鹿フレッシュマントロフィーレースのN2クラスで年間総合優勝した。優勝したレーシングカー「RM-17ティーズWORKシルビア」は,平成18年,株式会社タカラトミーから,ミニカー(車体に本件標章1及び別紙「商標目録(被告側)」記載1の標章が表示されている。)として発売された。 被告は,自動車レース(スプリント,GT,ジムカーナ,ダートトライアル等)のドライバーにBRIDEシートを無償で提供するなどしてその普及に努め,全日本ジムカーナ選手権においては,平成5年第7戦のBRIDEシートの装着率が57%,平成6年第3戦の同装着率が60.27%となった。 dD及びブリッド社がBRIDEシート事業のために果たした役割は次のとおりである。 (a) Dは,平成5年から平成6年にかけて,リクライニングシート5種類,フルバケットシート6種類を開発し,平成5年ころまでに,数百種類の自動車フロアーを測定し,レールアダプターの量産に必要な治具を製作した。それまでPPバンドを用いて製造していた部分は,金属フレームに置き換え,リクライニング機構は両側タイプに置き換えられた。 D又はブリッド社は,平成4~15年の間に,テクノ螺子工業株式会社(現在の商号は「FCO株式会社」)に対し,プレス金型及び曲げ加工型等の製造を依頼し,合計5142万円を負担した。 D又はブリッド社は,平成5年1月~同14年12月の間に,アルナ株式会社に対し,FRPシートの成形型の製造を依頼し,少なくとも合計4120万円を負担した。 (b) ブリッド社は,FIA規格をクリアするために,10種類以上のフルバケットシートのテストをフランスで行ったほか,広告宣伝費,販促費,ドライバー 依頼し,少なくとも合計4120万円を負担した。 (b) ブリッド社は,FIA規格をクリアするために,10種類以上のフルバケットシートのテストをフランスで行ったほか,広告宣伝費,販促費,ドライバー報酬手当,試験研究費(自動車レース出場費用を含む。),車検対応費,取扱説明書の印刷費用等として,毎年数千万円を支出し,その中には,BRIDEシート事業に結びつかないDの私的な費用が一部含まれていたものの,ブリッド社が支出したこれらの費用はBRIDEシートの販売拡大に貢献した。 eB及び被告と,D及びブリッド社による製品開発の役割被告は,Bと三和商会との間でBRIDEシートを開発,量産してきた手法を引き継ぎ,平成元年に被告に入社したCが,BRIDEシートの商品開発を担当した。 Cは,Dに対し,スケッチを示すなどして新商品の構想を伝え,Dが試作したスポーツシートを車に実装してテストをした上で新商品の構造,形状等が決定された。 Cは,レース用のスポーツシートを開発する場合は,BRIDEシートを使用しているレーサーからの希望,コメント,アドバイス等を入手し,これを基にDと新商品開発の打ち合わせをした。 Dは,新商品開発の際,Cと共に,スポーツシートの構造,形状,強度等に関する技術的なアドバイスを行ったほか,新商品を量産化するために必要な金型,治具等を,図面を作成した上自社又は外注により製造し,車検対応に必要な要件を満たすスポーツシートの量産化体制を整え,被告からの個別発注に応じて,これらを製造して納品した。 (ウ) 平成14年中旬ころまでのBRIDEシートの販売状況a販売方法(乙75)消費者がBRIDEシートを購入する場合,通常は,カーショップでBRIDEシートを注文し,カーショップは受注した商品を被告の代理店を通じて被告に注文する。被告は,受注した 況a販売方法(乙75)消費者がBRIDEシートを購入する場合,通常は,カーショップでBRIDEシートを注文し,カーショップは受注した商品を被告の代理店を通じて被告に注文する。被告は,受注した商品の製造をブリッド社に個別に発注し,カーショップは,製造された商品の納入を受けて,これを消費者に販売する。 b雑誌広告,取扱説明書,BRIDEシートに使用された標章(甲14,37《枝番号を含む。》,38,乙64の2)(a) 被告は,平成6年ころ,大羽デザインに依頼して,別紙「商標目録(被告側)」記載2の標章を作成し,BRIDEシートのカタログ等に用いるようになった。 (b) BRIDEシートの雑誌広告(平成6年1月~平成8年12月。甲37《枝番号を含む。》)においては,「車検対応宣言」,「ドライビングシートはすべて厳しい保安基準をクリアし安全性能も高めた車検対応モデル。」,「ブリッドの全モデルが車検対応に進化しました。1995年4月20日より全モデルが車検対応となります。」,などと,車検対応であることが強調されていた。同雑誌広告においては,別紙「商標目録(被告側)」記載1の標章(被告が平成14年7月3日に商標登録を出願し,平成15年4月11日に登録されたもの。乙19の2)とともに被告の社名,住所,電話及びFAX番号が記載されていた。また,同雑誌広告において,「ブリッド」という文言は,「最強のドライビングシート,その名はブリッドです。」などとBRIDEシート自体を指す意味に用いられることが多く,「ブリッド製ドライビングシートをお選びください。」と製造元を示す意味で用いられることもあったが,ブリッド社の社名(株式会社ブリッド),住所,電話番号等の記載はなかった。 (c) 平成14年3月1日発行の「ブリッド製全モデルシート&シートレールの取扱 元を示す意味で用いられることもあったが,ブリッド社の社名(株式会社ブリッド),住所,電話番号等の記載はなかった。 (c) 平成14年3月1日発行の「ブリッド製全モデルシート&シートレールの取扱説明書」には,「製造元/株式会社ブリッド」,「発売元/ティーズ株式会社」,「商品に関するお問い合わせ先/ティーズ株式会社ブリッド事業部」と記載されていた。 (d) 車検対応であることを表示するシールには,「製造元ブリッド」,「発売元ティーズ・コーポレーション」と記載され,これをBRIDEシートに貼っていた。 cBRIDEシートの売上額(乙13,96)被告のBRIDEシートの年間売上額は,平成元年度が約2億3315万円,平成2年度が3億8615万円,平成3年度が5億2876万円,平成4年度が7億0755万円,平成5年度が11億3465万円,平成6年度が13億5994万円,平成7年度が13億2402万円,平成8年度が13億0871万円,平成9年度が11億4980万円,平成10年度が10億9129万円,平成11年度が9億8154万円,平成12年度が8億7121万円,平成13年度が7億6403万円,平成14年度が5億7072万円であった。 dBRIDEシートのシェア(乙15の1,104)平成3年度のBRIDEシートの販売数は7693台であり,スポーツシートのトップブランドのレカロ社の年間販売数(Aは陳述書《甲38》において当時のレカロ社の販売数は約1万台であったと述べている。)と比較して,BRIDEシートのシェアはやや劣る程度であった。 「2004年カー用品トータルボリューム試算(2002年度・実績縮刷版)」(株式会社自動車産業通信社発行。乙15の1)によれば,平成14年度(同年4月~平成15年3月)のドライビングシートの市場規模(推定)は, カー用品トータルボリューム試算(2002年度・実績縮刷版)」(株式会社自動車産業通信社発行。乙15の1)によれば,平成14年度(同年4月~平成15年3月)のドライビングシートの市場規模(推定)は,総販売数量2万8800脚,総小売金額18億6000万円であり,上記cの平成14年度のBRIDEシートの売上額から当時のシェアを算出すると約30%となる。 eBRIDEシートの売上げの低迷及びその後の経緯(甲25,32,乙96,97,99,原告代表者,被告代表者)(a) BRIDEシートは,平成元年以降,毎年売上げが増加したものの,平成7年ころから,バブル経済の崩壊や,台湾製品をはじめとする外国製品が氾濫したことなどの影響により,売上げが徐々に低下するようになった。 (b) Aは,ケンテック社の親会社の取締役が変更したことなどの事情から,平成11年6月,ケンテック社を退職し,ケンテック社の社長の了承を得て,平成11年11月22日,原告を設立して,ケンテック社が行っていたBRIDEシートに係る業務を引き継いだ。 原告は,ブリッド社に対し資材を納めたり,ブリッド社の下請業者として製造を行っていた。 (c) ムサシ社は,平成14年4月15日,ムサシ社の開発部門中の生産管理部門を独立させて,自動車部品及び用品のデザイン,企画開発,販売並びに輸出入等を目的とするレヴィック社を設立し,Hの息子であるGが社長になった。 (エ) B及び被告と,ブリッド社及びDの関係が悪化した経緯(甲27,32,38,42,乙19の1・2,62の1~3,69,97,106,107,証人C,証人I,原告代表者,被告代表者)aBRIDEシートの売上げの低迷が続いていたところ,平成14年8月ころ,被告は販売価格を下げて売りたいとの考えを示し,一方,Dは販売価格を下げることには反対し ,証人I,原告代表者,被告代表者)aBRIDEシートの売上げの低迷が続いていたところ,平成14年8月ころ,被告は販売価格を下げて売りたいとの考えを示し,一方,Dは販売価格を下げることには反対して被告の出す広告等に口を挟むようになり,BRIDEシートの売上低迷の打開方法について双方の意見が対立するようになった。 bBは,ブリッド社との関係が悪化した上,BRIDEシートに対するDの開発意欲が減退したと感じ,これ以上,ブリッド社との提携関係を継続することはできないと考えるようになり,平成14年秋ころから,シートレールを自社生産するように準備を始めた。 被告は,平成14年7月3日,従前から大羽デザインに制作してもらってBRIDEシートのカタログ等に用いていた別紙「商標目録(被告側)」記載1,2の各標章を,登録商標として出願し(これらの商標は,平成15年4月11日及び同年9月12日にそれぞれ登録された。),平成14年12月11日,指定商品を「自動車の部品及び付属品」とする登録商標「BRIDE」を出願し,そのころ,ブリッド社に対し,BRIDEシートの製造委託を止めたいと伝えた(なお,同出願は平成15年9月5日に拒絶査定を受けた。)。 cJは,平成9年ころから,Cの紹介により,Dがブリッド社の物流業務を行うために設立した株式会社トレジャー(以下「トレジャー社」という。)でアルバイトとして働いていたが,正社員になれなかったことなどに不満を抱き,平成14年10月にトレジャー社を退職し,その後,Cに会った際,BRIDEシートへの興味が再燃して被告への入社を懇願し,平成15年3月に被告に入社した。 Kは,平成7年7月ころからブリッド社の従業員として働いていたが,平成15年1月ころ,ブリッド社の業績が落ちてきて給料が減額されたことなどに不満を抱き,同年3 願し,平成15年3月に被告に入社した。 Kは,平成7年7月ころからブリッド社の従業員として働いていたが,平成15年1月ころ,ブリッド社の業績が落ちてきて給料が減額されたことなどに不満を抱き,同年3月にブリッド社を退職した。Kは,Jから誘われて,被告への入社を希望し,平成15年4月に被告に入社した。 Lは,平成13年4月からブリッド社の従業員として働いていたが,平成15年3月,Iと口論になったことが契機となって退職し,Jに相談して,Cに連絡を取ってもらい,同年4月に被告の取引先であるシーテック社に入社した。 d被告は,平成15年2月ころから,トレジャー社のIを通じて,ブリッド社に対して預けてあるプラスチック金型等の返還を求め,ブリッド社は同年3月ころ金型を返還した(ただし,一部の金型はまだ返還されていない。)。 被告は,平成15年3月ころからフルバケットシートを,同年8月ころからリクライニングシートを自社で開発するようになった(現在では,シートレールの製造をシーテック社に,シートの製造をテイシン社に,組立てをBRIDE株式会社にそれぞれ依頼している。)。 eブリッド社は,平成15年5月20日に受注したうち約20%の製品を被告に納品し,これを最後に,被告とブリッド社の取引関係がなくなった。この時点で,ブリッド社は,2000万~3000万円相当の在庫製品を抱え,そのほか,多数の在庫部品や自動車用シート製造のための生産治具等が残った。 (オ) その後のブリッド社及び原告の対応(甲9~13,18,19の1・2,20の1・2,22~25,26の1~3,乙18,32,原告代表者)aブリッド社は,平成15年4月1日,被告との業務提携を解消したため,すべてのBRIDEシートの販売の権利を原告に譲り渡し,原告は,同年8月,ブリッド社又はトレジャー社に在籍 ,32,原告代表者)aブリッド社は,平成15年4月1日,被告との業務提携を解消したため,すべてのBRIDEシートの販売の権利を原告に譲り渡し,原告は,同年8月,ブリッド社又はトレジャー社に在籍していたM,Iを雇用した。 原告は,平成16年8月31日,ブリッド社がBRIDEシートの製造のために賃借していた名古屋市e区f町g丁目h番地の工場を,ブリッド社に替わって賃借し,M,Iは,同年9月,原告を事業主とする雇用保険被保険者資格を取得した。 原告は,ブリッド社が所有しBRIDEシートの製造に用いていたプレス金型及び曲げ加工型,FRPシートの成形型,レールアダプターの量産に必要な治具等を譲り受け,自社で製造,販売することとした。 bAは,平成15年4月ころ,ムサシ社に赴き,原告と被告との提携関係が解消し,ブリッド社が製造するBRIDEシートの販売先がなくなったので,ムサシ社で販売してもらえないかと相談したところ(Aは,この時点で「BRIDE」の登録商標を調査し,宮田工業が本件商標権を取得していることを確認していた。),ムサシ社の代表者Hは原告が本件商標権の使用許諾を得ることができたら原告との取引を検討する旨回答した。 c原告は,平成15年6月16日,当時本件登録商標を使用していなかった宮田工業から,本件商標権について,契約料50万円,年間使用料50万円で通常使用権の許諾を受けた。宮田工業と原告は,上記通常使用権の許諾に際し,原告が,本件登録商標に関し,第三者の侵害行為又は侵害のおそれのある行為を発見したときは,直ちに宮田工業に通知し,原告と宮田工業が協力して侵害の排除を行う旨の合意をした。 その後,A,D,ムサシ社の代表者H,当時レヴィック社の従業員であったNらが協議し,ムサシ社は被告との取引があったことから,当面はレヴィック社が原告の 業が協力して侵害の排除を行う旨の合意をした。 その後,A,D,ムサシ社の代表者H,当時レヴィック社の従業員であったNらが協議し,ムサシ社は被告との取引があったことから,当面はレヴィック社が原告のBRIDEシートを仕入れて販売することになった。 (カ) 原告及び被告の交渉経過a原告は,平成15年7月18日,被告に対し,原告が宮田工業から本件商標権の通常使用権の許諾を受けたこと,被告が自動車用シートに標章「BRIDE」を使用することは宮田工業の有する本件商標権を侵害することなどを通知し,被告が自動車用シートに標章「BRIDE」を用いるなどの行為の中止を求める通知書(乙21)を送付した。 また,原告とブリッド社は,同年7月,取引先に対し,①ブリッド社が同年6月に被告との業務提携を解消したこと,②それに伴い被告に対して「BRIDE」ブランドの使用を直ちに中止するよう勧告したこと,③ブリッド社は,同年7月21日にレヴィック社と業務提携し,今後はブリッド社が製造するBRIDEシートをレヴィック社を通じて販売すること,④ブリッド社の製品は,道路運送車両法所定の保安基準の強度試験を実施しているが被告の製品は同強度試験を実施していないこと,⑤現在ブリッド社のBRIDEシートと被告のBRIDEシートが販売されているので車検対応ステッカーを確認して必ずどちらの会社が製造した製品か見極めてほしいことなどを内容とする文書(乙22)を送付した。 b被告は,平成15年7月24日,原告に対し,①被告が昭和56年から「BRIDE」標章の使用を開始し,自動車用スポーツシート特に自動車用レーシングシートの分野で被告のブランドとして周知されており,不正競争防止法2条1項2号の保護を受けること,②原告は,被告による「BRIDE」標章の使用開始後に,当時未使用であった本件商 に自動車用レーシングシートの分野で被告のブランドとして周知されており,不正競争防止法2条1項2号の保護を受けること,②原告は,被告による「BRIDE」標章の使用開始後に,当時未使用であった本件商標権の使用権を取得したものであり,原告の行為は,既に周知性を有している被告のブランドの円滑な行使の活動を害する意図があるとともに,原告がその使用に及ぶ場合は被告の営業上の利益を著しく害すること,③したがって,原告の被告に対する「BRIDE」標章の使用差止請求は法的根拠がなく,被告は原告に対し不正競争防止法2条1項2号に基づき「BRIDE」標章の使用中止を求めることなどを内容とする「回答書並びに警告書」(乙23)を送付した。 c原告及びレヴィック社は,三栄書房に対し,「OPTIONⅡ」の平成15年9月号に本件標章1を付したBRIDEシートの広告を掲載することを依頼したが,三栄書房から掲載を拒否された。そのため,原告は,同年8月12日,「自動車の部品及び付属品」を指定商品とする商標「B・GREO」(別紙「商標目録(原告側)」記載4のもの)の登録を出願し(乙115),同年11月ころから,標章「B・GREO」を付したスポーツシートを製造して,そのパンフレットを作成し,雑誌に広告を掲載して販売したが(乙63の2・3),販売開始から3か月後に月額50万円の売上げを計上したものの,その後は売上げが下がる一方となり,商売として成り立つものではなかった(乙50)(なお,レヴィック社は,平成16年2月14日,被告に対し,雑誌に掲載した製品の画像中に「BRIDE」の記載が残っていたことについて,「御社ブランド名が誤って記載された」として謝罪する旨の書面を送付している《乙101》。)。 d原告は,平成15年8月21日,被告に対し,上記「回答書並びに警告書」(乙2 が残っていたことについて,「御社ブランド名が誤って記載された」として謝罪する旨の書面を送付している《乙101》。)。 d原告は,平成15年8月21日,被告に対し,上記「回答書並びに警告書」(乙23)における被告の主張を証明できる書面の提出を求めるとともに,被告の主張は極めて妥当性を欠くことなどを内容とする通知書(乙24)を送付した。 e被告は,平成15年9月3日,原告に対し,本件登録商標の出願前に被告のBRIDEシートの広告等が掲載された雑誌名及びその発行年月を記載して,被告の「BRIDE」標章が周知であることは明らかであるとする回答書(乙25)を送付した。 fBは,平成16年3月1日,スポーツ用自動車座席の企画,開発,製造,販売,調査,研究等を目的とするBRIDE株式会社を設立し,自らが代表取締役に就任した(甲15,被告代表者)。 g宮田工業は,平成18年1月12日,原告に対し,本件商標権について専用使用権を設定し,同月25日,同専用使用権設定の登録がされた(甲1,2)。 (キ) 現時点の状況(甲3,4,乙5,30,29,31,96,証人I,原告代表者)a原告は,現在までに,被告から取引を中止された時点で抱えていたBRIDEシートの在庫をほとんど販売し,現在販売しているものは,被告との取引中止後に新たに製造したものである。 原告は,平成18年4月ころのカタログ(乙30)に,製造元として「株式会社ブリッド・株式会社ハトプラ」,発売元として「株式会社ハトプラ」と記載して,リクライニングシートとして「BRIX」,「ERGO」,「XAX」,フルバケットシートとして「MAXIS」,「ZEROS」,「ZIEGⅡ」,「ZETAⅡ」,「ARTISⅡ」,「EXASⅡ」等の本件標章1が付された商品を掲載している。また,同カタログには,本件標章1が バケットシートとして「MAXIS」,「ZEROS」,「ZIEGⅡ」,「ZETAⅡ」,「ARTISⅡ」,「EXASⅡ」等の本件標章1が付された商品を掲載している。また,同カタログには,本件標章1が大きく表示され,「ブリッド,ネクストステージ。」と記載され,「BRIDEの商標権を所有しているのは,当社の契約会社であり,使用を許可されているのは,株式会社ハトプラだけです。」と記載されている。 原告のホームページ(平成18年4月26日更新のもの。乙31)にも,本件標章1が用いられており,上記カタログ上では「ブリッド,ネクストステージ。」と表記されていたものが,「BRIDEネクストステージ」と表記され,また,「BRIDEの商標権について,株式会社ハトプラは権利者から専用使用権の設定を受けております。」と記載されているところ,その「BRIDE」には「ブライド」とふりがなが付されている。なお,この記載に続き,原告と被告の間で標章「BRIDE」の使用をめぐって本件訴訟で係争中であることが記載されている。 原告は,平成15年7月29日に別紙「商標目録(原告側)」記載2,3の各登録商標を出願し,これを原告商品の梱包用段ボール,ホームページ等で使用している。 b被告は,平成18年1月ころのカタログ(乙5),平成19年4月ころのカタログ(乙96添付のもの)に,「ティーズ株式会社/BRIDE株式会社」製のものであることを表記して,リクライニングシートとして「BRIXⅡ」,「ERGOⅡ」,「XAXⅡ」,フルバケットシートとして「MAXISⅢ」,「ZIEGⅢ」,「ZETAⅢ」,「ARTISⅢ」,「EXASⅢ」等の本件標章1が付された商品を掲載している(原告の商品名と同じものは,末尾に付記したローマ数字で区別できるようにしている。)。また,これらのカタログには,本 AⅢ」,「ARTISⅢ」,「EXASⅢ」等の本件標章1が付された商品を掲載している(原告の商品名と同じものは,末尾に付記したローマ数字で区別できるようにしている。)。また,これらのカタログには,本件標章1が大きく表示され,「ブリッド製」,「ブリッド初のリクライニング機構」などと記載され,「ブリッド製シート,シートレールの類似品にご注意ください。」,「株式会社ハトプラ製として,BRIDE(ブライド)ブランドで販売されております全ての商品は,当社とは一切関係ございません。」と記載されている。 なお,現在,被告が販売しているBRIDEシートには,ブリッド社との業務提携関係が解消した後に企画,開発された新商品「EXASⅢSPORT」,「PROS」,「CUGA」,「VORGA」,「EUROⅡ」等が加わっている。他方,原告側は新商品開発はない。 cブリッド社は,解散等による法人格消滅の手続は採られていないものの,実質的には営業していない状態である。 イ以上の事実関係を基に検討する。 (ア) 被告とDは,平成4年ころからBRIDEシートの開発,製造について協力関係を築き,平成6年にDがブリッド社を設立したころから,すべてのBRIDEシートの製造をブリッド社が行い,これを被告が販売するという製造協力関係が形成され,Dは主として,車検対応に必要な構造,形状,強度等を備えたスポーツシートの設計及び製造方法に関して,技術的なアドバイスを行い(これにより,従前PPバンドで支持していた部分は,金属フレームに置き換えられた。),製造に必要な金型,治具等を製作して量産体制を整え,また,FIA規格クリア,レースへの出場,販促品の製作等の費用を負担し,一方,被告は,販売業者として得た知識,経験等を基にして新商品の開発を主体的に進め,リクライニング機構の部品,シート 制を整え,また,FIA規格クリア,レースへの出場,販促品の製作等の費用を負担し,一方,被告は,販売業者として得た知識,経験等を基にして新商品の開発を主体的に進め,リクライニング機構の部品,シートレール,本件標章1が織り込まれた布地等をブリッド社に供給し,部品製造のための金型代や車検対応費用として5000万円以上を負担したほか,BRIDEシートの普及のためのレース費用等を支出し,また,ブリッド社に対する仕入金額を,従前小売価格の40%であったものを5~10%上乗せして支払った。 BRIDEシートの売上げは,平成3年度に約5億3000万円であったものが,平成4年度に約7億円,平成5年度に約11億3000万円,平成6年度に約13億6000万円(なお,平成6年にレース専用モデルを除くすべてのBRIDEシートが車検対応のものになっている。)と伸びて,その後下降したものの平成10年度までは10億円を超える売上げが続いていたが,こうした売上げを確保できたのは,モータースポーツ市場が拡大したという市場の要因もあるのみならず,主として,被告とブリッド社の協力関係の下で,BRIDEシートを車検対応のものにするとともに,モータースポーツの愛好家の要望に合った新商品を開発し続け,また,雑誌広告やレース活動により「BRIDE」ブランドを普及させてきたことによるものと認められる。もっとも,前記(1)イ(キ)で認定したように昭和63年のBRIDEシートの売上げが約2億6000万円であったものが,車検対応化を開始した平成4年度の時点で約7億円の売上げになっており,平成4年度までの売上げの増加は,車検対応化によるものではなくBによる「BRIDE」ブランドの普及の結果と認めるのが相当であるから,それ以降の売上げの増加についても,車検対応化したこともその要因であることが否 での売上げの増加は,車検対応化によるものではなくBによる「BRIDE」ブランドの普及の結果と認めるのが相当であるから,それ以降の売上げの増加についても,車検対応化したこともその要因であることが否定できないものの,Bが本件各標章のデザインを制作してBRIDEシートに使用し,これを「BRIDE」ブランドとして普及させたことによる面が大きいものというべきである。 また,BRIDEシートの取扱説明書や車検対応であることを表示するシールには,発売元として被告の社名が,製造元としてブリッド社の社名が表示されていたが,その雑誌広告においては,被告の社名,住所,電話及びFAX番号が明記されていたものの,ブリッド社の社名,電話番号等の記載はなく,「ブリッド」という文言もBRIDEシート自体を指す意味で用いられることがほとんどで,ブリッド社を指す意味で用いられることはなかったというべきであるから,BRIDEシートは,従前から「BRIDE」ブランドの普及に努めてきた被告の商品を示すものとして需要者の間に広く認識されていたものと認められる。これに対し,ブリッド社はBRIDEシートの製造元として認識され得るにとどまり,「BRIDE」ブランドがブリッド社の商品を示すものとして需要者の間に認識されていたものと認めることはできない。 (イ) 平成14年中ころから,被告とブリッド社の関係が悪化し,平成15年5月20日発注分を最後に両社の製造協力関係が解消されたが,被告は,それまで商標登録することなく使用していた別紙「商標目録(被告側)」記載1,2の各商標について平成14年7月3日になって商標登録を出願し,同年秋ころからシートレールを自社生産する準備を始め,同年12月11日に商標「BRIDE」の商標登録を出願し,平成15年2月ころから金型の返還を求めるなど,自社独自の生 3日になって商標登録を出願し,同年秋ころからシートレールを自社生産する準備を始め,同年12月11日に商標「BRIDE」の商標登録を出願し,平成15年2月ころから金型の返還を求めるなど,自社独自の生産,販売体制の準備を進めていたことに照らすと,両社の製造協力関係の解消は,被告側から積極的に行われたものと認めるのが相当である。 もっとも,被告とブリッド社の関係が悪化したのは,BRIDEシートの売上げが低迷する中で,その打開方法について双方の意見が対立したことがきっかけである。Bは,BRIDEシートに対するDの開発意欲が減退したと感じるようになっており,Dはその後ブリッド社の事業を原告に譲渡し,BRIDEシート事業から手を引いているから,D自身は,BRIDEシート事業にそれほど執着していなかったと考えられる。また,ブリッド社及びその関連会社で働いていたJ,K及びLは,平成15年3月ころ,被告及びその関連会社で勤務するようになったが,その転職の経緯においては,D及びブリッド社とJら従業員との関係自体が悪化したという要因がうかがわれるのであって,被告が,ブリッド社の生産技術,ノウハウを取得することを企図して,ブリッド社等から一方的に引き抜いたものと直ちに認めることはできない。 (ウ) 原告は,被告とブリッド社との製造協力関係が解消された後に,ブリッド社の事業を承継したものであるが,「BRIDE」の商標登録を調査して宮田工業の本件商標権の存在を確認して,当時本件登録商標を使用していなかった宮田工業から通常使用権の許諾を受け,その後,標章「BRIDE」を付して原告製品を販売しようとしたが,三栄書房から標章「BRIDE」を付した原告製品の広告掲載を拒否されたため,標章「B・GREO」を付して原告の商品を販売することにしたものの,同商品はほとんど売れず て原告製品を販売しようとしたが,三栄書房から標章「BRIDE」を付した原告製品の広告掲載を拒否されたため,標章「B・GREO」を付して原告の商品を販売することにしたものの,同商品はほとんど売れず,この時点に至って,本件商標権に基づき被告製品の販売等の差止めをしようと考え,宮田工業から本件商標権の専用使用権の設定を受けて,同専用使用権に基づいて,被告製品の販売等の差止めを求めるようになったものである。しかも,原告は,被告の販売に係るBRIDEシートにおける標章「BRIDE」が「ブリッド」と呼ばれていたことから,本件登録商標のうち「BRIDE」の欧文字部分のみを使用して,「ブライド」のカタカナ文字の部分を使用していなかったのであって,本件登録商標の本来の称呼が分かる部分の使用を意図的に避けているものといわざるを得ない。 以上の経緯や原告の本件登録商標の使用態様等にかんがみると,本件商標権の通常使用権の許諾を受けていた原告が,更に専用使用権の設定を受けた目的は,標章「BRIDE」を付して原告製品を販売することについて,本件商標権者である宮田工業との間で生ずることが予想される法的な問題を回避するためではなく,被告が標章「BRIDE」を付して被告製品を販売することを阻止し,「BRIDE」ブランドを自らが独占することにあったものと認められる。 (エ) そうすると,原告による本件商標権の専用使用権の行使は,既に被告の商品を示すものとして需要者の間に広く認識されていた標章「BRIDE」の使用を独占するために,それまで使用されていなかった本件商標権について専用使用権の設定を受けて,その専用使用権に基づいて被告製品の譲渡等の差止め等を求めるものであって,被告とブリッド社の間で結ばれた製造協力関係が解消するに至った上記の経緯をしんしゃくしても,原告が被告に 用権の設定を受けて,その専用使用権に基づいて被告製品の譲渡等の差止め等を求めるものであって,被告とブリッド社の間で結ばれた製造協力関係が解消するに至った上記の経緯をしんしゃくしても,原告が被告に対し本件商標権の専用使用権の侵害を主張することは,公正な競業秩序を維持するという商標法の趣旨に反するものであって,権利の濫用に当たるというべきである。 (3) 以上によれば,争点ウについて判断するまでもなく,原告の甲事件請求は理由がない。 乙事件について(1) 争点アについて前記1(2)で認定したとおり,本件各標章を含む標章「BRIDE」は,そもそもBが昭和56年ころに始めたスポーツシートに使用するようになったもので,本件各標章もBが作成したものであり,遅くとも昭和63年ころにはBのスポーツシートを表示するものとして需要者の間に広く認識されるようになり,その後被告がBの事業を承継するとともにその周知性を承継し,その周知性は現在まで継続していることが認められ,また,ブリッド社が被告との間で製造協力関係にあった事実を踏まえても,標章「BRIDE」が需要者の間でブリッド社のスポーツシートを表示するものとして認識されていたとは認められないことも既に述べたとおりであり,ブリッド社と被告との間で製造協力関係が解消した以上,ブリッド社にとって,標章「BRIDE」は他人の商品等表示に当たると認められる。 原告は,被告の商品等表示である本件各標章と全く同一の標章をスポーツシートに付した原告製品を販売等しており,それにより被告製品と混同を生じさせることは明らかである。 したがって,原告による原告製品の販売等の行為は,不正競争防止法2条1項1号の不正競争行為に当たる。 (2) 争点イについて原告は,原告,ブリッド社及び被告の関係がブリッド社が主導する事業関係に 。 したがって,原告による原告製品の販売等の行為は,不正競争防止法2条1項1号の不正競争行為に当たる。 (2) 争点イについて原告は,原告,ブリッド社及び被告の関係がブリッド社が主導する事業関係にあり,被告は,このような3社の関係が継続する中,ブリッド社の従業員3名を巧妙かつ悪質な方法で引き抜いて自社生産の準備を密かに進めた上,平成14年12月にブリッド社に対し一方的に取引の中止を通告し,これによって被告に対する即納体制を整えているブリッド社は1億円以上に上る膨大な在庫製品を抱えたなどとして,被告が,ブリッド社の事業を承継した原告に対し,不正競争防止法2条1項1号,3条1項に基づき,原告製品の販売,展示等の差止めを求めることは,権利の濫用として許されないと主張する。 しかし,ブリッド社と被告の製造協力関係は,ブリッド社が新商品開発の際に技術的なアドバイスを行い,量産化体制を整えて,被告からの個別発注に応じてこれらを製造して納品するという役割を果たし,被告は,新商品の構想を示して商品開発を進め,広告宣伝等を行って,販売業者としてBRIDEシートの販売拡大に努めたというものであって,ブリッド社の持つ技術力がBRIDEシートの開発・量産に貢献したことは否定できないとしても,ブリッド社が主導する事業関係にあったものと認めることはできない。そして,既に述べたとおり,標章「BRIDE」は,ブリッド社と被告の製造協力関係が形成される前から,被告のスポーツシートを表示するものとして需要者の間で認識されていたものであり,上記協力関係にあった時点においても,ブリッド社の製品を表示するものとして認識されてはいなかったものである上,「BRIDE」ブランドはそもそもBが昭和56年ころから継続して行ってきたBRIDEシート事業によって普及したものであるから,ブリ ッド社の製品を表示するものとして認識されてはいなかったものである上,「BRIDE」ブランドはそもそもBが昭和56年ころから継続して行ってきたBRIDEシート事業によって普及したものであるから,ブリッド社は,被告との製造協力関係が解消した後において,それまでに構築したスポーツシートの開発・量産技術を使用することは何ら制限を受けるものではないとしても,ブリッド社単独での標章「BRIDE」の使用が許されるものということはできない。 なお,ブリッド社と被告の製造協力関係の解消は,被告側から積極的に行われた側面を有するものであるから,ブリッド社が被告からの発注に備えて既に製造していたBRIDEシート及び標章「BRIDE」が付された部品の在庫を販売,処分することについて,被告が不正競争行為であるとして差し止めることが権利の濫用となる余地があるとしても,ブリッド社の事業を承継した原告が,上記のとおり,在庫を既に処分し終えた現時点においては,標章「BRIDE」を付したスポーツシートを製造,販売することを正当化するに足りる事情は見当たらない。 したがって,被告が,現時点において,原告に対して不正競争防止法2条1項1号に基づいて原告製品の販売等の差止めを求めることが,権利の濫用に当たるとはいえない。 (3) 争点ウについて原告は,スポーツシートに本件各標章を使用することは,宮田工業から本件商標権の専用使用権の設定を受けたことに基づくもので,正当な行為である旨主張するが,仮に不正競争防止法に基づく権利行使に対し,商標権の専用実施権に基づく行為であることが抗弁となり得るとしても,前記(2)で述べたとおりの事情に照らせば,原告の被告に対する本件商標権の専用実施権の行使は,それが甲事件請求のような被告に対する禁止権の行使ではなく,本件登録商標の自己使用を正当化さ 得るとしても,前記(2)で述べたとおりの事情に照らせば,原告の被告に対する本件商標権の専用実施権の行使は,それが甲事件請求のような被告に対する禁止権の行使ではなく,本件登録商標の自己使用を正当化させる使用権の行使であっても,権利の濫用として許されないというべきであるから,原告の主張は理由がない。 以上によれば,被告の乙事件請求は理由があるから認容し,原告の甲事件請求は理由がないから棄却することとして,主文のとおり判決する。なお,仮執行宣言については,相当でないからこれを付さないこととする。 名古屋地方裁判所民事第9部松並重雄裁判長裁判官前田郁勝裁判官片山博仁裁判官

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る