平成21(し)443 保釈保証金の一部を没取する決定に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件

裁判年月日・裁判所
平成21年12月9日 最高裁判所第一小法廷 決定 棄却 東京高等裁判所 平成21(く)461
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判決文本文660 文字)

- 1 -主文本件抗告を棄却する。 理由 本件抗告の趣意は,保釈された者が確定判決に基づき刑事施設に収容された後においても保釈保証金を没取することができるとした原決定は,大阪高等裁判所昭和38年(く)第6号同年2月2日決定・大阪高等裁判所刑事判決速報昭和38年1号20丁裏と相反する判断をしたというものである。原決定が上記判例と相反する判断をしたことは,所論指摘のとおりである。 しかしながら,刑訴法96条3項は,保釈された者について,禁錮以上の実刑判決が確定した後,逃亡等の所定の事由が生じた場合には,検察官の請求により,保証金の全部又は一部を没取しなければならない旨規定しているが,この規定は,保釈保証金没取の制裁の予告の下,これによって逃亡等を防止するとともに,保釈された者が逃亡等をした場合には,上記制裁を科することにより,刑の確実な執行を担保する趣旨のものである。このような制度の趣旨にかんがみると,保釈された者について,同項所定の事由が認められる場合には,刑事施設に収容され刑の執行が開始された後であっても,保釈保証金を没取することができると解するのが相当である。これと同旨の原決定は正当である。 したがって,所論引用の判例を変更し,原決定を維持するのを相当と認めるから,所論の判例違反は,原決定取消しの理由とならない。 よって,同法434条,426条1項により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。 (裁判長裁判官涌井紀夫裁判官甲斐中辰夫裁判官宮川光治裁判官- 2 -櫻井龍子裁判官金築誠志)

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