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昭和26(う)4290 麻薬取締法違反被告事件

裁判所

昭和26年12月11日 東京高等裁判所 破棄自判

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1,185 文字

主文 原判決はこれを破棄する。被告人を懲役一年以上二年以下に処する。原審における訴訟費用は全部被告人の負担とする。理由 本件控訴の趣意は末尾添附の原審検事宮本彦仙並びに弁護人吉田吉四郎各作成名義の控訴趣意書のとおりで、これに対し次のとおり判断する。検事の控訴趣意第一、二点について。本件記録によれば、被告人が若しAが捜査係官から要求されて電話をかけたものであることを知つたならば、勿論被告人は本件麻薬を入手所持しなかつたであろうから、ここに被告人には錯誤があり被告人は詐術(トリツク)にかかつて本件麻薬を所持するに至つたものであることは原判決の認めるとおりである。し<要旨>かし、たとえその麻薬を所持するに至つた原因動機に捜査係官の慫慂行為が行わつており、右捜査係官の行為</要旨>が不法であつてもそのために本件被告人の行為の違法性乃至責任性を阻却すべき何等の理由をも発見することはできない。ただ所謂詐術陷穽が捜査の方法として適法であるかどうかということは問題である。原判決も説明するように全然罪を犯す意思もなく又かつて同種の犯罪を犯したこともない者を執拗に詐術を用いて強いて罪を犯かさせてこれを検挙するというようなことは違法な捜査方法と認めるのを相当とすべきであろうが、しかし、捜査の端緒の不法と、起訴の不法若しくは無効とは区別すべきである。又、その詐術にかかつて罪を犯した者の行為が犯罪を構成するかどうかということは全く別個の問題である。原判決が本件のような捜査方法は憲法前文と同法第一三条の規定の趣旨に反するものであるから被告人を処罰することはできないとして、被告人に無罪を言渡したのは捜査の端緒の不法と起訴の不法若しくは無効の問題とを区別せず且つこれと実体法上の問題とを混沌し 三条の規定の趣旨に反するものであるから被告人を処罰することはできないとして、被告人に無罪を言渡したのは捜査の端緒の不法と起訴の不法若しくは無効の問題とを区別せず且つこれと実体法上の問題とを混沌したもので法令の解釈適用を誤り判決に影響を及ぼしているものである。 ことはできないとして、被告人に無罪を言渡したのは捜査の端緒の不法と起訴の不法若しくは無効の問題とを区別せず且つこれと実体法上の問題とを混沌し 三条の規定の趣旨に反するものであるから被告人を処罰することはできないとして、被告人に無罪を言渡したのは捜査の端緒の不法と起訴の不法若しくは無効の問題とを区別せず且つこれと実体法上の問題とを混沌したもので法令の解釈適用を誤り判決に影響を及ぼしているものである。論旨は理由があり、原判決は破棄すべきものである(ちなみに、本件公訴の提起は無効であるとする法律上の根拠もないから公訴を棄却すべきものでもない。)(その他の判決理由は省略する。)(裁判長判事吉田常次郎判事石井文治判事鈴木勇)

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