【DRY-RUN】○ 主文 一、第一審被告の控訴に基づき、原判決中「原告の青色申告書提出承認取消処分の 無効確認の訴えを却下する。」とある部分を除き、その余を取消す。 二、第一審原告の訴えをいずれも却下する。 三、第一
○ 主文一、第一審被告の控訴に基づき、原判決中「原告の青色申告書提出承認取消処分の無効確認の訴えを却下する。」とある部分を除き、その余を取消す。 二、第一審原告の訴えをいずれも却下する。 三、第一審原告の控訴を棄却する。 四、訴訟費用は第一、二審とも第一審原告の負担とする。 ○ 事実第一、申立一、第一審原告 1 原判決中、第一審原告の敗訴部分を取消す。 2 第一審被告が訴外丸善鋼材株式会社に対してした次の各処分は、いずれも無効であることを確認する。 (一) 右訴外会社の昭和三三年一一月七日から昭和三八年三月三一日までの五事業年度の各法人税に関する昭和三九年三月三一日付更正及び過少申告加算税、重加算税の賦課決定(二) 昭和三九年三月三〇日付青色申告書提出承認取消処分 3 第一審被告の控訴を棄却する。 4 訴訟費用は第一、二審とも第一審被告の負担とする。 二、第一審被告 1 主文一、三、四項同旨 2 (本案前)主文二項同旨 3 (本案)第一審原告の請求をいずれも棄却する。 第二、主張当事者双方の主張及び証拠関係は、次に付加するほか、原判決事実摘示のとおりである(ただし、原判決三枚目裏七行目の「国が、国が」を「大阪国税局長が」と訂正し、同四枚目表一行目の「差し押えたうえ、」の次に「国が」を、同六枚目表七行目の「成立」の次に「(ただし、甲第二四ないし第二八号証、第二九、第三〇号証の各一、二、第三一号証については原本の存在も含む。)」を各挿入する。)から、これを引用する。 一、第一審被告 1 本案前について(一) 行訴法三六条前段の要件は、後続処分のなされる蓋然性が存するが、未だ後続処分のなされていない状態において、これがなされることを阻止し、もつて、これにより生じる損害を未然に防止するために先行処分を争う方法を認めたものと解されるから、本件の れる蓋然性が存するが、未だ後続処分のなされていない状態において、これがなされることを阻止し、もつて、これにより生じる損害を未然に防止するために先行処分を争う方法を認めたものと解されるから、本件のように、既に後続処分としての滞納処分が現実化してしまつている場合には、後続処分そのものを争うべきであつて、その先行処分である本件納税告知及び更正処分等(以下、単に本件課税等処分という。)を争う法的利益は存しない。 (二) しかも、第一審原告が不利益な地位に立たされたとする処分は、滞納処分として行われた債権差押であつて、訴外会社に対してなされた本件課税等処分そのものによつては何らの不利益も受けていないから、同条後段前半の「法律上の利益」を有する「当該処分」は、右の差押処分であり得ても、これに先行する本件課税等処分ではない。また、一般の確認の利益は、抗告訴訟においても必要であるが、それが存在する場合とは、自己の法的地位の不安定を除去する必要があり、そのためには当該訴えが紛争を解決するにつき有効かつ適切であるといえる場合である。ところが、本件では除去する必要のある第一審原告の不利益は、訴外会社に対する債権差押により発生したものであるから、最も直接的原因たる右処分を争うことが有効、適切であり、他方、差押処分に先行する課税処分を争つても、右両処分はそれぞれ別個の処分であるから、仮に、本件課税等処分に対する第一審原告の主張が是認されたとしても、直ちに差押の効力を排除できるとは解し難く、従つて、第一審原告の不利益な地位が即時除去されるともいえない。 (三) 更に、同条後段後半の「当該処分の効力の有無を前提とする現在の法律関係に関する訴えによつて目的を達することができないものに限る。」という要件については、第一審原告は訴外会社に対する差押処分に基づき国が提起し 条後段後半の「当該処分の効力の有無を前提とする現在の法律関係に関する訴えによつて目的を達することができないものに限る。」という要件については、第一審原告は訴外会社に対する差押処分に基づき国が提起した別件の債権取立訴訟において、本件課税等処分の無効を主張して主要争点とし、これにつき十分な審理、判断を受けて、既にその目的を達しているので、この点からも本訴無効確認を求める適格がない。 2 本案について行政処分を無効とするには、瑕疵の重大性及び明白性を要するところ、本件納税告知処分について問題とされる瑕疵は、支払者たる訴外会社の源泉徴収義務の存否であつて、告知処分自体の瑕疵ではないとして、瑕疵の重大、明白性はこれを要しないと解する余地があるかの如くであるが、右のような見解は正当でない。何故ならば、支払者の徴収義務の存否、範囲が告知処分の内容それ自体を構成するものでなく、その前提問題にとどまるとしても、これに関する違法を理由に告知処分に対する抗告訴訟を提起し、処分の取消ないし無効という形でその法的効果を否定するに足るものと認める以上、この関係において告知処分自体の有する瑕疵を理由とする場合と異つた扱いをすべき特段の理由は存しないからである。また、徴収義務を確定する処分が存しないということは、問題の瑕疵を告知処分について主張することを遮断する効果を認むべき先行処分がないため、その瑕疵を告知処分の瑕疵として問題にしうることを意味するにとどまり、瑕疵の重大、明白性を要しないで告知処分の無効をきたすことまでも帰結するものではない。 従つて、支払者の徴収義務の存否、範囲に関する瑕疵を理由に行政処分たる告知処分を無効とするには、その瑕疵が重大かつ明白であることを要すると解すべきである。 本件において、納税告知処分を無効と判断すべき重大、明白な瑕疵は存しない 否、範囲に関する瑕疵を理由に行政処分たる告知処分を無効とするには、その瑕疵が重大かつ明白であることを要すると解すべきである。 本件において、納税告知処分を無効と判断すべき重大、明白な瑕疵は存しないから、これに対する本訴請求も理由がない。 二、第一審原告 1 行訴法三六条前段の「当該処分に続く処分により損害を受けるおそれのある者」については、それだけで当該処分の無効確認を求める適格があり、同条後段の制約は受けないものと解されるから(最高裁判所昭和五一年四月二七日判決、判例時報八一四号)、第一審原告が本件各処分に続く債権差押及びその取立訴訟による国税債権回収のために、自己の財産を仮差押され、更に、本件訴訟の帰趨如何によつては、近い将来にその本執行手続がなされるおそれが大である以上、第一審原告に本訴提起の適格があることは明らかである。 2 訴外会社が借入金として計上した問題の金三二〇万円については、別件の債権取立訴訟の第一、二審及び最高裁判所の各判決において、いずれも真実の借入金であると明確に認容されているから、右判決の拘束力(同法三二条、三三条)により、これに反する主張は許されず、第一審被告は右判決の趣旨に沿つて本件各処分を是正すべきであるのに、これをしないから、行政の違法是正機能として本件抗告訴訟を提起する利益が与えられるべきである。 なお、第一審被告が右借入金を売上除外によるものと誤認して本件各処分に及んだことにつき、重大かつ明白な瑕疵が存することも、右別件判決の内容からみて明らかである。 第三、証拠(省略)○ 理由一、第一審被告が訴外丸善鋼材株式会社に対し、第一審原告主張の本件各処分をしたこと(請求原因1ないし3項の事実)はいずれも当事者間に争いがない。 二、そこで先づ本訴の原告適格について検討する。 1 本件各処分のうち、法人税に関 材株式会社に対し、第一審原告主張の本件各処分をしたこと(請求原因1ないし3項の事実)はいずれも当事者間に争いがない。 二、そこで先づ本訴の原告適格について検討する。 1 本件各処分のうち、法人税に関する更正、過少申告加算税、重加算税の賦課決定及び所得税に関する源泉徴収加算税、不納付加算税の賦課決定は、訴外会社の国税の納付義務を確定させるものであり、また、源泉徴収による所得税の納税告知は徴収義務者である訴外会社に対する所得税の徴収手続の一部をなすものであり、更に、青色申告書提出承認取消処分は訴外会社の青色申告書提出にともなう所得金額の計算上及び納税手続上の特典を奪うものであるが、いずれも、第一審被告が訴外会社に対してなしたものであるから、右各処分自体では、その相手方でない第一審原告(第三者)の権利義務に直接何らの影響を及ぼすものではない。 この点、第一審原告は、訴外会社は第一審原告の個人企業である旨主張するが、成立に争いのない甲第一号証及び同第二四号証によれば、訴外会社は一般鋼材及び鉄鋼二次製品の販売等を目的として昭和三三年一一月一二日設立された資本金二〇〇万円の株式会社であつて、第一審原告がその出資をなし、代表取締役も義弟(A)を就任させるなど、右会社経営の実権を掌握していたことは窺われるけれども、このことから直ちに訴外会社が第一審原告の個人企業であるとみることは困難であるばかりでなく、第一審原告自身についても本件各処分により権利侵害を受けていることになるような関係(訴外会社との特殊な関係)があるとも認め難いから、右主張は採用できない。 2 もつとも、青色申告書提出承認取消処分を除く本件課税等処分については、その後大阪国税局長が昭和四一年四月八日滞納処分として、当該国税の滞納者(債務者)である訴外会社が第一審原告に対して五六〇万〇二二〇円 とも、青色申告書提出承認取消処分を除く本件課税等処分については、その後大阪国税局長が昭和四一年四月八日滞納処分として、当該国税の滞納者(債務者)である訴外会社が第一審原告に対して五六〇万〇二二〇円の不当利得返還請求権を有するとして、これを差押えたことは当事者間に争いがなく、右差押の結果、第三債務者である第一審原告は、訴外会社との間に右不当利得返還債務の消滅、変更をきたす契約をすることが許されず、差押後に発生、取得した反対債権で相殺することも禁止されるなど、不利益な地位に立たされることになつたわけである。 そこで、このような場合、第一審原告について、右滞納処分(債権差押)に先行する本件課税等処分の無効確認を求める適格があるかにつき考えるに、行政処分の無効確認の訴えの原告適格については、行訴法三六条に定めるところであるが、第一審原告は、先行処分である本件課税等処分それ自体については何ら法律上の利害関係を有するものでなく、ただ、その後続処分としてなされた滞納処分が、たまたま第一審原告を第三債務者とする債権差押の方法によつて行われたがため、前示の如き不利益な立場に立たされる結果になつたにすぎず(このことは、本件課税等処分に基づく滞納処分が訴外会社の所有物件に対する差押、公売という方法でなされたのであれば、第一審原告にはついに何ら関係が生じ得ないことからみても明らかである。)、しかも、本件の場合、前記債権差押に基づき、国が昭和四二年一一月一〇日第一審原告に対し、、差押債権の取立訴訟(大阪地方裁判所昭和四二年(ワ)第六二六四号差押債権取立請求事件、大阪高等裁判所昭和四九年(ネ)第七〇三号、同第八五九号各控訴事件、同第一九六三号反訴請求事件、最高裁判所昭和五二年(オ)第三三一号上告事件)を提起、追行して、既にその判決が確定しており(この点は当事者間 裁判所昭和四九年(ネ)第七〇三号、同第八五九号各控訴事件、同第一九六三号反訴請求事件、最高裁判所昭和五二年(オ)第三三一号上告事件)を提起、追行して、既にその判決が確定しており(この点は当事者間に争いがない。)、そして、右訴訟において、国は当該取立請求のほか、詐害行為取消による第二次的請求及び債権者代位権による第三次的請求まで求め、一方、第一審原告は本訴におけると同様の理由で本件課税等処分の無効を主張して終始これを争い、この点についても既に裁判所の審理、判断を受けていることが成立に争いのない乙第一ないし第三号証により認められるから、本件課税等処分の無効確認を求める第一審原告の訴えについては、同条前段に規定する損害の発生を未然に防止するといういわゆる予防訴訟的機能を働かせる余地はないし、同条後段の補充訴訟的機能についても、当該処分の効力の有無を前提とした現在の法律関係に関する訴訟である右別件訴訟によつて、既にその目的を達しているものといわなければならない。 そうすると、結局第一審原告は同条所定、の適格を欠き、右訴えは不適法として却下を免れない。 3 なお、青色申告書提出承認取消処分については、第一審原告がその後続処分により損害を受けるおそれのある者にも、右取消処分の無効確認を求めるにつき法律上の利益を有する者にも当るとは認められないから、その訴えも不適法として却下を免れない。 三、よつて、右と一部結論を異にする原判決部分は失当であるから、第一審被告の控訴に基づき、これを取消して、本件訴えをいずれも却下することとし、第一審原告の控訴は理由がないから棄却し、民訴法九六条、八九条を適用して、主文のとおり判決する。 (裁判官白井美則永岡正毅友納治夫)(原裁判等の表示)○ 主文被告が昭和三九年四月三〇日丸善鋼材株式会社に対してした、同会 ら棄却し、民訴法九六条、八九条を適用して、主文のとおり判決する。 (裁判官白井美則永岡正毅友納治夫)(原裁判等の表示)○ 主文被告が昭和三九年四月三〇日丸善鋼材株式会社に対してした、同会社が昭和三四年から昭和三八年までの各五月支払いにかかる給与について源泉徴収すべき所得税の納税告知および源泉徴収加算税、不納付加算税の賦課決定はいずれも無効であることを確認する。 原告の青色申告書提出承認取消処分の無効確認の訴えを却下する。 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 訴訟費用はこれを十分し、その一を被告の負担とし、その余を原告の負担とする。 ○ 事実第一当事者の申立て一原告の申立て 1 被告が訴外丸善鋼材株式会社(以下訴外会社という。)に対し昭和三九年三月三一日した次の各処分が無効であることを確認する。 訴外会社の昭和三三年一一月七日から昭和三八年三月三一日までの五事業年度の各法人税に関する更正および過少申告加算税、重加算税の賦課決定 2 被告が訴外会社に対し昭和三九年四月三〇日した次の各処分が無効であることを確認する。 訴外会社が昭和三四年から昭和三八年までの各五月支払いにかかる給与について源泉徴収すべき所得税の納税告知および源泉徴収加算税、不納付加算税の賦課決定 3 被告が訴外会社に対し昭和三九年三月三〇日した青色申告書提出承認取消処分が無効であることを確認する。 4 訴訟費用は被告の負担とする。 二被告の申立て(主位的申立て) 1 本件訴えをいずれも却下する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 (予備的申立て) 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 第二当事者の主張一原告の請求の原因 1 被告は、訴外会社に対し、昭和三九年三月三一日、訴外会社の昭和三三年一一月七日から昭和三八年三月三一日までの 棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 第二当事者の主張一原告の請求の原因 1 被告は、訴外会社に対し、昭和三九年三月三一日、訴外会社の昭和三三年一一月七日から昭和三八年三月三一日までの五事業年度の各法人税に関し、別表第一記載のとおり、更正、過少申告加算税、重加算税の賦課決定をした。 2 被告は、訴外会社に対し、昭和三九年四月三〇日、別表第二記載のとおり、訴外会社が昭和三四年から昭和三八年までの各五月支払にかかる給与について源泉徴収すべき所得税の納税告知および源泉徴収加算税、不納付加算税の賦課決定をした。 3 被告は、訴外会社に対し、昭和三九年三月三〇日、「売上除外による架空借入金及び架空支払利息計上により法人税法第二五条第八項第三号に掲げる事実に該当する。」として、訴外会社の青色申告書提出承認の取消しをした。 4 しかし、被告のいう「売上除外による架空借入金及び架空支払利息」はいずれも真実の借入金および支払利息であつて、このことは、国が、国が訴外会社に対し右各処分(以下本件各処分という。)のうち青色申告書提出承認の取消しを除く各処分に基づく国税債権を、当該国税の債務者(滞納者)である訴外会社が原告に対し五、六〇〇、二二〇円の不当利得返還請求権をそれぞれ有するとして、昭和四一年四月八日滞納処分として右不当利得返還請求権を差し押えたうえ、昭和四二年一一月一〇日原告に対し差押債権取立訴訟(大阪地方裁判所昭和四二年(ワ)第六二六四号差押債権取立請求事件、大阪高等裁判所昭和四九年(ネ)第七〇三号、昭和四九年(ネ)第八五九号差押債権取立請求各控訴事件、昭和四九年(ネ)第一九六三号反訴請求事件、最高裁判所昭和五二年(オ)第三三一号事件)を提起、追行したが、その各判決においても判示されているところである。 そうすると、被告のした本件各処分は、 事件、昭和四九年(ネ)第一九六三号反訴請求事件、最高裁判所昭和五二年(オ)第三三一号事件)を提起、追行したが、その各判決においても判示されているところである。 そうすると、被告のした本件各処分は、いずれも借入金および支払利息が架空であることを前提とするもので、重大で明白な瑕疵があるから、本件各処分は無効といわなければならない。 5 なお、訴外会社は原告が経営の実権を握つている法人であつて原告の個人企業ともいうべきものであり、しかも、原告は、右のように本件各処分が有効であることを前提とする差押債権取立訴訟を提起されたうえ、現に居住する土地、建物につき差押えの執行を受け、その結果、子の縁談に関しても支障が生じたのであるから、原告が本件各処分の無効確認を請求するについて原告適格を有することは明らかであるといわなければならない。 6 よつて、原告は、被告に対し、前記のような裁判を求める。 二被告の答弁(本案前の主張)本件各処分は訴外会社に対してされたものであつて、原告に対してされたものではない(加えて、青色申告書提出承認取消処分については、その無効が確認されたとしても、それによつて原告の法律上の地位になんら影響を及ぼさない。)から、原告は本件各処分の存否またはその効力の有無の確認を求めるにつき法律上の利益を有しない。 たしかに、原告の主張するような差押債権取立訴訟が提起、追行されたが、原告は、右差押債権取立訴訟において本件各処分の存否またはその効力の有無について争うことができ、現に右差押債権取立訴訟において本件各処分は効力がないと主張し、裁判所の判断を受けることができたのであるから、原告は本件各処分の存否またはその効力の有無を前提とする現在の法律関係に関する訴えによつて目的を達することができることとなり、結局、原告は、本件各処分の無効確認を 断を受けることができたのであるから、原告は本件各処分の存否またはその効力の有無を前提とする現在の法律関係に関する訴えによつて目的を達することができることとなり、結局、原告は、本件各処分の無効確認を求めるについて原告適格を有しないというべきである。 (本案についての答弁)原告の主張する請求原因事実第1ないし第3項はいずれも認める。同第4項のうち原告の主張するような債権差押がされて訴訟が提起、追行され、その結果、原告の主張するような各判決がされたことは認めるが、その余の事実は否認する。同第5項は否認する。同第6項は争う。 第三証拠(省略)○ 理由一原告の主張する請求原因事実第1ないし第3項はいずれも当事者間に争いがない。 二しかして、本件各処分のうち法人税に関する更正、過少申告加算税、重加算税の賦課決定、所得税に関する源泉徴収加算税、不納付加算税の賦課決定は訴外会社の国税の納付義務を確定させるものであり、また、源泉徴収による所得税の納税告知は訴外会社に対する所得税の徴収手続の一部をなすもので、その税額についての税務署長の意見が初めて公にされるものであり、さらに、青色申告書提出承認取消処分は訴外会社の青色申告書を提出することに伴う所得金額の計算上および納税手続上の特典を奪うものであるが、いずれも被告が訴外会社に対してしたものであつて原告に対してしたものではなく、もとより原告の権利義務に影響を及ぼすものではない(このことは、原告が主張するように、たとえ訴外会社が原告の個人企業ともいうべきものであつたとしても、訴外会社と原告とは互いに別個の人格を有するのであるから、なんら選ぶところはないといわなければならない。)。 しかし、国が、国が訴外会社に対し本件各処分のうち青色申告書提出承認の取消しを除く各処分に基づく国税債権を、当該国税の債務者 を有するのであるから、なんら選ぶところはないといわなければならない。)。 しかし、国が、国が訴外会社に対し本件各処分のうち青色申告書提出承認の取消しを除く各処分に基づく国税債権を、当該国税の債務者(滞納者)である訴外会社が原告に対し五、六〇〇、二二〇円の不当利得返還請求権をそれぞれ有するとして、昭和四一年四月八日滞納処分として右不当利得返還請求権を差し押えたことは当事者間に争いがなく、右差押の結果、第三債務者である原告は、訴外会社との間に右不当利得返還債務の消滅、その内容の変更を目的とする契約をすることが許されず、差押後に発生した訴外会社に対する債権、差押後に他から取得した訴外会社に対する債権を自働債権として相殺することを禁止されるなど、不利益な地位に立つことになつた。したがつて、原告は本件各処分のうち青色申告書提出承認の取消しを除く各処分に続く処分により損害を受けるおそれがあるといえるから、本件各処分のうち青色申告書提出承認の取消しを除く各処分につき無効確認の訴えを提起することができるものというべきである。 なお、青色申告書提出承認取消処分については、原告がその後続処分によつて損害を受けるおそれのある者にも、右取消処分の無効確認を求めるにつき法律上の利益を有する者にも当るとは認められない。したがつて右取消処分の無効確認の訴えは不適法である。 三そこで本件各処分のうち青色申告書提出承認の取消しを除く各処分の無効確認の請求について判断する。 成立に争いのない乙第一ないし第三号証および弁論の全趣旨によれば、被告は訴外会社が請求原因事実第1項の五事業年度の法人税の確定申告をしたところ、訴外会社のBおよびCからの昭和三三年一〇月二二日より昭和三四年三月三一日まで一二回にわたる借入金三二〇万円について、借入金であることを否認して売上除外による 業年度の法人税の確定申告をしたところ、訴外会社のBおよびCからの昭和三三年一〇月二二日より昭和三四年三月三一日まで一二回にわたる借入金三二〇万円について、借入金であることを否認して売上除外による架空借入金と認定し、右借入金に対する各支払利息を架空経費とみて損金としての処理を否認し、これを訴外会社の代表者に対する賞与と認定して、請求原因事実第1項の法人税についての更正および過少申告加算税、重加算税の賦課決定、同第2項の源泉徴収による所得税の納税告知および源泉徴収加算税、不納付加算税の賦課決定をしたことが認められる。 そして前掲各証拠および成立に争いのない甲第二四ないし第二八号証によれば、右借入金三二〇万円は原告がB、Cという架空名義をもちいて訴外会社に貸付けたものであり、右支払利息は原告が右貸付金の利息として支払いを受けたものであることが認められ、右認定を覆えす証拠はない。 ところで、給与等の支払者の源泉徴収による所得税の納付義務は給与等の支払いの時に成立し、その成立と同時に特別の手続を要しないで納付すべき税額が確定するものであるから、右認定のように利息の支払いが真実であつてこれが賞与の支払いに当らない以上、源泉徴収による所得税の納付義務は発生せず、したがつてその納税義務の存在を前提とする徴収処分たる納税告知は効力を有しないわけである。 また源泉徴収税および不納付加算税は、源泉徴収等による国税の納付義務の違反に対し課されるもので、その国税(本税)に附帯するものであるから、本税の納付義務が成立しない以上、右加算税の賦課決定は効力を有しないというべきである。そうすると、被告が訴外会社に対してした所得税の納税告知および源泉徴収加算税、不納付加算税の賦課決定はいずれも無効である。 次に、法人税についての更正および過少申告加算税、重加算税の賦課決定に ある。そうすると、被告が訴外会社に対してした所得税の納税告知および源泉徴収加算税、不納付加算税の賦課決定はいずれも無効である。 次に、法人税についての更正および過少申告加算税、重加算税の賦課決定について、原告は被告が前記借入金および支払利息を架空のものと認めたのは重大で明白な誤りであるから、右処分はいずれも無効であると主張する。しかし、前掲甲第二四ないし第二八号証、成立に争いのない甲第一号証および弁論の全趣旨によれば、訴外会社が右三二〇万円の貸主であるとしたB、Cはいずれも架空の人物であること、西税務署職員Dは本件各処分がなされるまで数回にわたり訴外会社の法人税調査のためその代表取締役A、経理担当者Eと会い、右借入金について説明を求めたが、同人らは右借入金の貸主が架空名義人であると申し立てるのみで真実の貸主の氏名を明らかにせず、訴外会社のかような態度は昭和四一年まで変らなかつたこと、原告は請求原因事実第4項の差押債権取立訴訟の第一審口頭弁論期日(昭和四四年七月二九日)において、右三二〇万円は原告が架空名義で訴外会社に貸付けたものであるが、自己の所得税が増大することをおそれてこれを秘匿していた旨供述していることが認められ、これらの事実に徴すると、被告が右三二〇万円の借入金およびその支払利息を架空のものと認めたのは誤りであるけれども、本件各処分がされた昭和三九年三月ないし四月当時には、その誤認であることが明白であつたとは到底断じがたく、他にそれが明白であつたことを認めるに足る証拠はない。したがつて法人税についての更正および過少申告加算税、重加算税の賦課決定を無効ということはできない。 四よつて、原告の本件請求中、所得税の納税告知および源泉徴収加算税、不納付加算税の賦課決定の無効確認を求める部分は理由があるから認容し、青色申告書提出承認 の賦課決定を無効ということはできない。 四よつて、原告の本件請求中、所得税の納税告知および源泉徴収加算税、不納付加算税の賦課決定の無効確認を求める部分は理由があるから認容し、青色申告書提出承認取消処分の無効確認の訴えは不適法であるから却下し、その余の請求は理由がないから棄却し、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法第七条、民事訴訟法第八九条、第九二条を適用して、主文のとおり判決する。
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