昭和55(行コ)9 認可処分取消請求控訴事件

裁判年月日・裁判所
昭和56年1月30日 大阪高等裁判所 公物・公企業など
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【DRY-RUN】○ 主文 本件各控訴をいずれも棄却する。 控訴費用は控訴人らの負担とする。 ○ 事実 控訴代理人は「原判決を取消す。被控訴人が昭和四八年一一月一九日日本道路公団 に対し原判決別紙図面表示の路線による山

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○ 主文本件各控訴をいずれも棄却する。 控訴費用は控訴人らの負担とする。 ○ 事実控訴代理人は「原判決を取消す。被控訴人が昭和四八年一一月一九日日本道路公団に対し原判決別紙図面表示の路線による山陽自動車道新設を認可した処分を取消す。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め、被控訴代理人は主文と同旨の判決を求めた。 当事者双方の主張及び証拠関係は、次に付加・訂正するほか、原判決事実摘示中控訴人ら関係部分記載のとおりであるから、これを引用する。 (訂正)原判決九丁表七、八行目及び八、九行目の各「自動車道」をいずれも「自動車国道」と改め、一一丁表五行目及び一二行目の各「の訴え」、一二丁表末行の「道路整備特別」をいずれも削除し、一三丁表五行目の「日本道路公団法」の次に「(以下、公団法ともいう。)」を挿入し、一五丁裏五行目、一六丁表三、四行目及び四行目の各「本件自動車道」をいずれも「本件道路」と改める。 (控訴人らの主張)一公団は独立の法人であつて、被控訴人の下級行政機関の立場に立つものではない。すなわち、高速自動車国道の新設又は改築(以下、新設ともいう)の権限は被控訴人にあるが、有料道路としての高速自動車国道の新設は公団法一九条一項一号により公団の独自の権限であつて、被控訴人の権限を代行施行するものではない。従つて有料の高速自動車国道である本件道路の新設について、公団が被控訴人の下級行政機関の立場に立つものではない。もつとも、公団は、有料の高速自動車国道の新設等について措置法に基く被控訴人の監督を受けるほか、公団法上、一般的に被控訴人の監督を受けるが、前者は高速自動車国道の公共性や公益性に由来するものであつて公団の行政機関性とは全く無関係であるし、後者は公団の資本が政府出資にかかることから公有財産に対する国民のコン に被控訴人の監督を受けるが、前者は高速自動車国道の公共性や公益性に由来するものであつて公団の行政機関性とは全く無関係であるし、後者は公団の資本が政府出資にかかることから公有財産に対する国民のコントロールの必要があること、公団の業務の公共性等によるものであつて、いずれも下級行政機関に対する上級行政機関としてなす行政の一体性の立場からの監督とは意味が異なるものである。更に、日本国有鉄道等の如くその予算、決算等が国会で審議され直接国会の統制のもとにおかれている組織体は、これを具体的な法律関係のもとで行政機関とみることも可能ではあるが、公団の場合には国会による統制の手段が制度的に何ら確保されていないのであるから、これを国家行政組織の一環とみることはできない。 二措置法二条の二を被控訴人から公団に対する権限の委任と解し、本件認可を上級行政機関と下級行政機関との間の内部的承認と同視すべきものと解すると、次の如き矛盾を生ずる。 1 首都高速道路公団法、阪神高速道路公団法及び本州四国連絡橋公団法(以下、三公団法ともいう。)における被控訴人と首都高速道路公団、阪神高速道路公団及び本州四国連絡橋公団(以下、三公団ともいう。)との関係を定める諸規定は、公団法の諸規定とほぼ同一であるから、被控訴人の立論によれば、被控訴人と三公団との関係も上級行政機関と下級行政機関の関係にあり、措置法七条の三及び本州四国連絡橋公団法三一条による被控訴人の各認可も行政機関相互間の内部的承認であると解しなければ論旨が一貫しないが、被控訴人は首都高速道路、阪神高速道路及び本州四国連絡道路の新設権限を有するものではなく、三公団に対してこれら道路の新設権限を委任するということがない(三公団については措置法二条の二に相当する規定がない。)から、措置法七条の三及び本州四国連絡橋公団法三一 の新設権限を有するものではなく、三公団に対してこれら道路の新設権限を委任するということがない(三公団については措置法二条の二に相当する規定がない。)から、措置法七条の三及び本州四国連絡橋公団法三一条の各認可を行政機関相互間の内部的承認と解することは不可能であつて、結局措置法二条の三の認可と右各法条の認可とを統一的に解釈できないこととなる。 2 措置法三条は、公団が有料の一般国道等を新設する場合には被控訴人の許可を要するものと現定しているところ、被控訴人の立論によれば、この場合も公団は被控訴人の下級行政機関であり、右許可は下級行政機関である公団に対する監督手段としてなされる承認であるというほかないが、かくては措置法が二条の三と三条とで認可と許可とを区別して使い分けしていることが全く無意味となるし、また、措置法三条の許可を行政機関相互間の内部的承認と解すると、措置法が、有料道路の新設について、公団が行う場合(三条)、地方道路公社が行う場合(七条の一二)、道路管理者が行う場合(八条)のいずれも、ひとしく被控訴人の許可を要すると規定しているのに、公団が行う場合の許可だけは後二者に対する許可とは異質な内部的承認であると解さざるを得ない結果に陥ることとなる。 (被控訴人の主張)控訴人らの前記主張はいずれも争う。 ○ 理由一当裁判所も本件各訴はいずれも不適法として却下すべきものと判断するものであつて、その理由は、次に付加・訂正するほか、原判決理由記載のとおりであるから、これを引用する。 1 原判決一七丁裏三行目の「審議会」を「国土開発幹線自動車道建設審議会」と、一一行目の「自動車道」を「自動車国道」とそれぞれ改める。2同一八丁表三行目の「〔道路整備特別措置法(以下措置法という)二条の二〕」を「(措置法二条の二)」と、四行目の「自動車道」を「自動車 」と、一一行目の「自動車道」を「自動車国道」とそれぞれ改める。2同一八丁表三行目の「〔道路整備特別措置法(以下措置法という)二条の二〕」を「(措置法二条の二)」と、四行目の「自動車道」を「自動車国道」と、一〇行目の「工事実施計画」を「工事実施計画書」とそれぞれ改め、八行目の「(縮尺二〇〇〇分の一)」を削除する。 3 同一九丁表六行目)の「(以下公団法という)」を削除する。 4 同二〇丁裏西行目の「自動車道」を「自動車国道」と改め、一二行目の「行政主体としての国から独立し、」を削除し、一三行目の「特殊の行政主体」を「法人」と改める。5同二二丁表四行目から裏一行目の「することができないから、」までを、「主張するが、本件認可は、前記の如く行政機関相互間の内部的な承認行為であつて、設権的性質を有するものとはいえないから、」と、裏四行目の「主張し、」を「主張するが、」とそれぞれ改め、五行目から七行目の「解されるが、」までを削除する。6同二三丁表八行目の次に左のとおり挿入し、九行目冒頭の「四」を「六」と改める。 「四控訴人らは、公団が実質上被控訴人の下級行政機関であることを争い、有料の高速自動車国道の新設は公団の独自の権限に属する旨主張するが、高速自動車国道の新設の権限は高速自動車国道法六条により被控訴人のみに帰属し、被控訴人は措置法二条の二により公団に対してその代行施行を命じ得るとともにその料金を徴収させることができるものとされているのであつて、公団法一九条一項一号は、公団が、高速自動車国道については右施行命令を受けて、一般国道、都道府県道及び道路法七条三項に規定する指定市の市道については措置法三条の許可を受けて、それぞれ有料道路として新設することを公団の業務の一つとして規定したに過ぎないものであるから、右公団法の規定を根拠に有料の自動車国道 七条三項に規定する指定市の市道については措置法三条の許可を受けて、それぞれ有料道路として新設することを公団の業務の一つとして規定したに過ぎないものであるから、右公団法の規定を根拠に有料の自動車国道の新設は公団の独自の権限に属するとする控訴人らの主張は失当である。次に、公団法に規定された公団の設立目的、公団の資本金が全額政府出資であること、公団の総裁、監事等役員の任命関係のほか、公団の業務、財務及び会計についての被控訴人の監督等の諸点からすると、被控訴人の公団に対する監督は、正に行政の一体性に基くものであるというを妨げないものであつて、公団は実質的には国と同一体をなし、機能的には被控訴人の下部組織を構成するものと認めるべきであり、公団の工事実施に対する措置法上の被控訴人の監督が、右工事の公共性や公益性に由来する面があるとしても、被控訴人と公団との右の如き関係を否定すべきものではない。また、公団の予算は被控訴人の認可を、財務諸表はその承認をそれぞれ受けるべきものとされていて(公団法二二条、二四条)、右予算等が直接国会において審議される制度にはなつていないが、議院内閣制のもとでは国会に対して直接答責するものは内閣であるから、これを構成する主務大臣によるコントロールが行なわれれば、国会によるコントロールと同視し得るものというべきである。 以上の次第であるから、公団が被控訴人の下級行政機関の立場に立つことを争う根拠として控訴人らの主張する点は、いずれも失当であつて採用できない。 五控訴人らは、本件認可を行政機関相互間の内部的承認であると解すると、措置法二条の二の如き規定のない首都高速道路公団及び阪神高速道路公団についての措置法七条の三並びに本州四国連絡橋公団についての同公団法三一条の各認可との間に解釈の不統一を来たす旨主張するが、三公団の役員の 二条の二の如き規定のない首都高速道路公団及び阪神高速道路公団についての措置法七条の三並びに本州四国連絡橋公団についての同公団法三一条の各認可との間に解釈の不統一を来たす旨主張するが、三公団の役員の任命、業務、財務及び会計についての被控訴人の監督等に関する三公団法の諸規定は公団法の諸規定とほぼ同様であるから、三公団の各設立目的及び各業務内容等を考え合せると、三公団も実質的には一種の政府関係機関とも称すべきものであつて、機能的には被控訴人の下部組織を構成し、広い意味での国家行政組織の一環をなすものと考えられるし、また、三公団が首都高速道路、阪神高速道路又は本州四国連絡道路を建設するについては、先づ被控訴人が右各道路の新設についての基本計画を定めてこれをそれぞれ三公団に指示するものとされ(三公団法各三〇条)、三公団は右基本計画に従い工事実施計画書を作成して被控訴人の認可を受け(措置法七条の三、本州四国連絡橋公団法三一条)、これに基づいて右各道路の新設を行うことができるものとされているのであつて(措置法七条の二、七条の七)、以上の諸点からすると、措置法七条の三、本州四国連絡橋公団法三一条の各認可も措置法二条の三の認可と同様の性質を有するものと解するのが相当であるから、右各認可との間に解釈の不統一を来たすということはない。 また、控訴人らは本件認可を前記の如く解すると、措置法三条の許可も右と同様に解しなければならない旨主張するが、右許可は公団が有料の一般国道、都道府県道及び道路法七条三項に規定する指定市の市道の新設に関するものであつて、高速自動車国道の新設の場合とは異なり被控訴人の整備計画はなく、またその施行命令も先行しない場合であるので、本件認可と右許可とが同一性質の行為であるということはできない。 以上の次第で、控訴人らの右主張もまた採用す 新設の場合とは異なり被控訴人の整備計画はなく、またその施行命令も先行しない場合であるので、本件認可と右許可とが同一性質の行為であるということはできない。 以上の次第で、控訴人らの右主張もまた採用することができない。」二そうすると、前記判断と同旨の原判決は相当であつて、本件各控訴はいずれも理由がないから民訴法三八四条によりこれを棄却することとし、控訴費用の負担につき同法八九条、九三条、九五条を適用して主文のとおり判決する。 (裁判官仲西二郎林義一大出晃之)選定者目録(省略)(原裁判等の表示)○ 主文一原告らの訴えをいずれも却下する。 二訴訟費用は原告らの負担とする。 ○ 事実第一当事者の求めた裁判(原告ら)一請求の趣旨 1 被告が、昭和四八年一一月一九日、日本道路公団に対し、別紙図面の路線による山陽自動車道新設を認可した処分を取消す。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 (被告)一本案前の申立主文同旨二請求の趣旨に対する答弁 1 原告らの請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告らの負担とする。 第二当事者の主張一請求原因 1 被告は日本道路公団(以下、公団という。)に対し、昭和四八年一一月一九日、道路整備特別措置法(以下、措置法という。)二条の三にもとづいて別紙図面の路線による山陽自動車道(以下、本件道路という。)新設の工事実施計画書を認可した(以下、本件認可という。)。 2 しかし、本件認可には、次の違法事由がある。 (一) 公害対策基本法等違反本件道路の新設予定地である原告ら居住地周辺は、姫路市等の郊外山麓部に位置し、西播丘陵県立自然公園に抱かれた山水清明、風光明眉な土地で、住居地として最適の地域である。 しかるに、新設が予定されている本件道路は、道路幅員二五メートル、車線四車線、車線幅員三・五メートル、 し、西播丘陵県立自然公園に抱かれた山水清明、風光明眉な土地で、住居地として最適の地域である。 しかるに、新設が予定されている本件道路は、道路幅員二五メートル、車線四車線、車線幅員三・五メートル、トンネル間隔三〇メートル、換気用ダクトなし、設計速度姫路市相生市間で時速一〇〇キロメートル、一日あたり走行車両予定数約五万台とされているので、右の前提にもとづいて試算すると、道路が完成した場合に原告らに達する騒音は、昭和四六年五月二五日の閣議決定にもとづく「騒音に係る環境基準」を大きく超過することが明らかであり、本件道路新設によつて生ずる排気ガスは、昭和四八年五月一五日の閣議了解にもとづく「二酸化いおうに係る環境基準」、昭和四五年二月二〇日の閣議決定にもとづく「一酸化炭素に係る環境基準」および昭和四八年五月八日環境庁告示第二五号の「大気の汚染に係る環境基準」を超過することが明らかである。 かかる環境基準は政策目標として定められたものであるから、環境基準違反が直ちに違法となるものではないけれども、本件においては、新設道路の環境基準違反を問題としているのであり、しかも、新設主体は、公害対策基本法四条、九条四項により環境基準確保義務を有する政府と同視さるべき被告の施行命令ないし本件認可にもとづく公団であるのみならず、被告は、環境基準確保義務を有すると共に、公共開発計画などに際して環境保全に十分に配慮する義務をも有しており(昭和四七年六月六日閣議了解)、本件認可の際には、措置法二条の三により道路新設によつて発生しうべき騒音、排気ガス等を審査検討しなければならない。 しかるに、被告は、公団からの本件認可申請に対し、即日に認可をしたものであつて、原告らの権利利益の侵害に対する配慮も、環境アセスメントも実施しておらず、本件認可は、昭和四七年六月六日の前記閣 ない。 しかるに、被告は、公団からの本件認可申請に対し、即日に認可をしたものであつて、原告らの権利利益の侵害に対する配慮も、環境アセスメントも実施しておらず、本件認可は、昭和四七年六月六日の前記閣議了解事項の趣旨にも反し、また、かかる環境アセスメントの実施を当然予定している措置法二条の三にも違反するものであるから違法である。 また、被告が環境アセスメントを実施したうえで、各環境基準に違反することを知りながら本件認可をしたとすれば、本件認可は、公害対策基本法四条、九条四項に違反するものであつて違法である。 (二) 環境権、人格権の侵害原告らは、憲法一三条、二五条により、快適にして良好な環境のもとで、平穏かつ健康に日常生活を営むという環境権、並びに、人格権を有するものである。 しかしながら、原告らは本件道路の新設によつて、前記の環境基準を超過する騒音、排気ガスの発生、大気汚染、その他振動、建設工事に伴う各種の被害、生態系の破壊等により、極めて深刻な環境の破壊を被るのみならず、原告らの生命、身体、健康、精神および日常生活に対しても継続的、半永久的に重大な侵害を被るものである。しかも、本件道路は産業発展のみを念頭において建設されるものであつて、これにより利益を受ける者は限られ、道路通過地域の住民は勿論、一般の国民にとつても、ほとんど利益のないもので公共性の欠如したものである。 したがつて、本件認可は、原告らの有する環境権および人格権を侵害するものとして違法である。 3 よつて、原告らは、違法な本件認可の取消を求める。 二本案前の抗弁に対する反論(1) 行政処分性について本件認可にもとづく工事実施計画書の内容は、路線決定の段階までに具体化された計画内容にもとづいて作成された工事実施計画明細書、平面図、縦断図、横断定現図を添付した詳細かつ具体的 行政処分性について本件認可にもとづく工事実施計画書の内容は、路線決定の段階までに具体化された計画内容にもとづいて作成された工事実施計画明細書、平面図、縦断図、横断定現図を添付した詳細かつ具体的なものであり、完成道路の中心線との偏移差が数メートル以内に収めうるものであつて、認可以降は工事実施計画書にもとづいてなされる事実執行的行為であること本件認可により、公団は認可の内容どおりに実施する義務を負い、工事実施計画書を変更するときも認可を受けなければならないという拘束力を生じること、本件認可は、高速自動車道建設計画が具体化する最終計画段階において、高速自動車道の建設される地域、環境、沿線住民が特定されるから、国民の健康を保護し、生活環境を保全する使命と責務を有する被告が、慎重な環境アセスメントのもとに、工事実施計画書が沿線住民の生活環境等を破壊しないか否かを検討し、工事実施計画書の適法性、妥当性を確認するものであり、同時に施行命令により公団に付与された道路新設の一般的権能を具体的権能にまで高める設権的性質を有する行為であること等にかんがみれば、本件認可は、原告らは住民の環境権、人格権、財産権その他法律上保護に値する利益に対して法律上、事実上の支配力を有するものであり、抗告訴訟の対象たる行政処分であるというべきである。 被告は、本件認可につき、行政機関相互間の内部的行為と同視すべきであると主張するが、それでは、公団を独立の法人としたことの意味を完全に無視してしまうことになるばかりでなく、仮に被告が公団に対して認可拒否処分をしたとしたならば、右処分の取消訴訟を提起できる筈であること、また、認可は前述の如く重要な位置と意味を有していることからすると、本件認可を被告の主張するような形式的、内部的承認であるということはできないと考える。更に、被告 取消訴訟を提起できる筈であること、また、認可は前述の如く重要な位置と意味を有していることからすると、本件認可を被告の主張するような形式的、内部的承認であるということはできないと考える。更に、被告と公団の関係を被告の主張するように捉えれば、土地収用法上の事業認定の段階においても、起業者たる公団と認定主体たる建設大臣との関係も右と同一に理解せざるを得ず、したがつて、事業認定処分も内部的行為と同視すべきで抗告訴訟の対象となる行政処分ではないということになつて非常識な結果となる。 したがつて、本件認可は被告の主張するような行政機関相互間の内部的行為と同視することはできないし、仮に、同視できるとしても、その内容が国民の具体的権利義務ないし法律上保護に値する利益に重大なかかわりをもつ場合には、抗告訴訟の対象となる行政処分に該当するというべきである。 (2) 訴えの利益について別紙選定者目録1ないし19記載の選定者および選定当事者原告らは、本件道路の通過予定地上に現住する者であつて、本件道路の新設により、生活の本拠たる住居、または、生存の手段たる田地の剥奪を余儀なくされる。 また、同目録20ないし91記載の選定者および選定当事者原告らは、本件道路の通過予定地の沿線一〇〇メートル以内に、同日録92ないし282記載の選定者および選定当事者原告らは右沿線の一〇〇メートルを越え三〇〇メートル以内に、同日録283ないし342記載の選定者および選定当事者原告らは右沿線の三〇〇メートルを越え五〇〇メートル以内に、それぞれ居住する住民であつて、右選定者および選定当事者原告らは、本件道路の新設によつて、前記請求原因の2の如き環境基準を超過する騒音、大気汚染等により、長年平穏に居住してきた静穏かつ清浄な生活環境を侵害され、右選定者および選定当事者原告らの生命、身体に重大 は、本件道路の新設によつて、前記請求原因の2の如き環境基準を超過する騒音、大気汚染等により、長年平穏に居住してきた静穏かつ清浄な生活環境を侵害され、右選定者および選定当事者原告らの生命、身体に重大な悪影響を受けることは明白である。 したがつて、別紙選定者目録1ないし342記載の選定者および選定当事者原告らは本件認可の取消の訴えを求める法律上の利益を有する。 更に、その余の原告らはいずれも肩書住所地に存在する自治会であつて、本件道路の通過予定地の沿線五〇〇メートル以内にその所属住民が居住している。 したがつて右の原告となつた自治会らも別紙選定者目録20ないし342の記載の選定者および選定当事者原告らと同じく本件認可の取消の訴えを求める法律上の利益を有する。 なお、被告は、本件道路の具体的位置が即地的に確定するわけでもなく、その構造や付帯設備等も具体化したわけではないから、原告らにおいて、本件認可の取消を求める訴えの利益はない旨主張するが、本件認可にもとづく工事実施計画書の内容は、前記二の(1)のとおり、詳細かつ具体的なものであるのみならず、完成道路の中心線との偏移差が数メートル以内に収めうるものであつて、原告らの主張する騒音、排気ガス等の発生は相当程度の確実性をもつて予測することができるのであるから、本件認可の取消を求める訴えは具体的事件性ないし争訟の成熟性を有し、訴えの利益を有するというべきである。 三本案前の抗弁 1 本件認可は、行政機関相互間の内部的な行為と同視すべきものであつて、行政行為として外部に対する効力を有するものではないし、また、それによつて直接国民の権利義務を形成し、もしくはその範囲を確定する効果を有するものでもないから、抗告訴訟の対象となる行政処分ではない。すなわち、(一) 高速自動車国道の建設事業は、国土開発幹線自動 れによつて直接国民の権利義務を形成し、もしくはその範囲を確定する効果を有するものでもないから、抗告訴訟の対象となる行政処分ではない。すなわち、(一) 高速自動車国道の建設事業は、国土開発幹線自動車道建設法により決定された予定路線(同法三条別表)のうちから政令でその路線を指定したもの(高速自動車国道法四条一項一号)および高速自動車国道法により定められた予定路線(同法三条)について、被告および運輸大臣が整備計画を定め(同法五条)、右整備計画にもとづいて行なわれるものであり、その新設、改築、維持、修繕その他の管理は被告が行なうこととされている(同法六条)。 そして、被告は公団をして高速自動車国道の新設、改築を行なわせることができ(道路整備特別措置法二条の二)、公団が右規定にもとづいて高速自動車国道の新設、改築を行なおうとするときは、一定の事項を記載した工事実施計画書を作成し、被告の認可を受けなければならないとされている(同法二条の三)。 被告の命令を受けた公団は、自己の名において高速自動車国道の新設、改築を行ない、被告の行政権限を代つて行使することができるのである(同法六条の二)。 一般に、行政庁から権限の委任を受けた受任者は、行政組織上の行政庁ないし行政機関ではないとしても、当該委任にかかる権限を行使する限りにおいては、委任者たる行政庁と同じ地位に立つものであるから、受任者も委任事項を処理する範囲で行政庁とみなされるのである。本件において、公団は、建設大臣の昭和四七年六月二〇日付施行命令により、山陽自動車道の新設の委任を受け、右道路に関する管理権限については、被告に代つてその権限を行使することとなつたものであり、右道路の新設管理に関しては行政庁に該当するものである。 (二) 更に、公団は、日本道路公団法にもとづいて、その通行又は利用について については、被告に代つてその権限を行使することとなつたものであり、右道路の新設管理に関しては行政庁に該当するものである。 (二) 更に、公団は、日本道路公団法にもとづいて、その通行又は利用について料金を徴収することができる道路の新設等を総合的かつ効率的に行なうこと等によつて、道路の整備を促進し、円滑な交通に寄与することを目的として設立された法人であつて(同法一、二条)、その資本金は全額政府の出資にかかり(同法四条)、その総裁及び監事は建設大臣が任命し(同法一〇条)、有料道路の新設、改築、維持、修繕その他の管理を行なうことを主たる業務とし(同法一九条)、建設大臣の監督に服し(同法三四条)、毎事業年度、予算、事業計画及び資金計画について建設大臣の認可を受け(同法二二条)、また財務諸表につき毎事業年度の決算後、その承認を受けることを要し(同法二四条)、政府は公団の債務につき保証することができ(同法二八条)、公団の資金について国は貸付けをし、又は、道路債券を引き受けることができ(同法二七条)、災害復旧工事に要する経費の一部を補助することができ(同法三〇条)、所定の法令の適用については、公団を国の行政機関とみなして、これらの法令の規定を準用している(同法三九条の二、同法施行令八条)。 以上の諸規定を考慮すれば、公団は形式的には国から独立した法人で、国の行政機関とは区別されなければならないが、実質的には一種の政府関係機関というべきであり、機能的には被告の下部組織を形成し、広い意味での国家行政組織の一環をなすものと解すべきである。 したがつて、本件認可は、被告の命令にもとづいて高速自動車国道の新設にあたる公団が工事実施にあたり作成した工事実施計画書の整備計画との整合性、その他当該高速自動車国道の新設に関する被告の方針との適合性等について、高速自動車 被告の命令にもとづいて高速自動車国道の新設にあたる公団が工事実施にあたり作成した工事実施計画書の整備計画との整合性、その他当該高速自動車国道の新設に関する被告の方針との適合性等について、高速自動車国道建設義務者としての被告が審査のうえなす承認(いわば下級行政庁に対する上級行政庁の監督手段としてなす承認)にあたり、行政機関相互間の内部的な行為と同視すべきもので、行政行為として外部に対する効力を有するものではなく、また、これによつて、直接国民の権利義務を形成し、またはその範囲を確定する効果を伴うものではないから、本件認可は抗告訴訟の対象となる行政処分にあたらないというべきである。本件訴えは不適法である。 2 本件認可によつて、本件道路の具体的位置が即地的に確定するわけではないし、また、その構造や付帯設備等も具体化したものとなるわけではないから、原告らにおいて本件認可の取消を求める訴えの利益はない。すなわち、本件認可は、被告が監督権を有するいわゆる上級行政機関の立場から、工事実施計画書の内容が被告及び運輸大臣が定めた山陽自動車道新設に関する整備計画にもとづくものであるか否か、整合性を有しているものであるか否か等を審査したうえ、承認するものであるところ、整備計画には、経過する市町村名、車線数、設計速度、連結位置及び連結予定施設工事に要する費用の概算額、その他必要な事項が定められているだけであり(高速自動車国道法五条、同法施行令二条一項)、右程度の内容の整備計画との整合性の有無等を審査するために、措置法二条の三は認可の対象を、路線名及び工事の区間、工事方法、工事予算、工事の着手及び完成の予定年月日を記載した工事実施計画書としているのである。 同法施行規則一条一項は、公団が工事実施計画書の認可を受けようとするときは、工事実施計画書に工事実施計画 事方法、工事予算、工事の着手及び完成の予定年月日を記載した工事実施計画書としているのである。 同法施行規則一条一項は、公団が工事実施計画書の認可を受けようとするときは、工事実施計画書に工事実施計画明細書、平面図、縦断図、横断定規図その他必要な図面等を添付すべきことを定めているが、これらの図面は被告が工事実施計画書を認可すべきか否かを審査する際の参考資料となるにすぎず、認可そのものの対象となるわけではない。右は、措置法二条の三の文理上当然の解釈であるばかりでなく、実際も、現地における即地的調査検討を経る前の認可の段階における前記図面等は一応のものにすぎず、道路完成までに相当程度変更の必要を生じるものであり、公団の地位役割に照らせば、具体的な工事に関する事項は公団の裁量に委ねることが実際にもよく適合すると考えられるのであるから、前記図面等は認可の対象となつていないと解すべきである。 したがつて、本件認可によつて本件自動車道の位置が即地的に確定するわけでもなく、その構造や付帯設備等も具体化したものとなるわけでもなく、本件認可段階において、位置構造等が想定されていたとしても、あくまでも流動的な一応のものであつて、将来最終的に確定される位置構造とは著しく異なることもあり得るのであるから、原告らの主張する騒音等は、その規模、程度、周辺住民に及ぼす影響等を相当程度の確実性をもつて予測することは困難であつて、極めて不確実なものであり、原告らが、その主張するような人格権を有するとしても、認可段階において、これに対する侵害の有無、程度を明確にすることはできず、具体的な救済の請求権を有するとはいえないし、また、本件認可後における本件自動車道建設手続の進展過程において、本件自動車道の位置、構造等が具体的に確定し、道路の供用開始後における何らかの具体的な権利 体的な救済の請求権を有するとはいえないし、また、本件認可後における本件自動車道建設手続の進展過程において、本件自動車道の位置、構造等が具体的に確定し、道路の供用開始後における何らかの具体的な権利侵害の発生を相当程度の確実性をもつて予測することができる段階があり得るのであるから、本件認可の取消を求める訴えの提起を許さなければ利害関係者の権利保護に欠けるところがあるということはできず、本件認可の取消しを求める訴えは、争訟の成熟性ないし具体的事件性を欠くものとして訴えの利益がないというべきである。 四請求原因に対する認否 1 請求原因の1は認める。 2 同2の冒頭記載部分は争う。 3 同2の(一)のうち、本件道路の新設予定地である原告ら居住地周辺が原告ら主張のような住居地として最適の地域であることは不知。新設が予定されている本件道路について、一日あたりの走行車両予定数が約五万台であること及び換気用ダクトなしとされていることは否認し、設計速度、道路幅員等が原告ら主張のとおりであることは認める。本件認可が措置法二条の三、公害対策基本法四条、九条四項等に違反するとの主張は争う。 4 同2の(二)のうち、一般に人格権が承認されていることは認めるが、その余は争う。 5 同3は争う。 第三証拠(省略)○ 理由一請求原因1は当事者間に争いがない。 二そこで、本件認可が抗告訴訟の対象となる行政処分にあたるかどうかについて判断する。 (一) 高速自動車国道の新設は、被告が行なう(高速自動車国道法六条)のであるが、被告および運輸大臣は、(1)国土開発幹線自動車道建設法により決定された予定路線(同法三条別表)のうちから政令でその路線を指定したもの(高速自動車国道法四条一項一号)、および、(2)高速自動車国道法により定められた予定路線(同法三条)のうちから 建設法により決定された予定路線(同法三条別表)のうちから政令でその路線を指定したもの(高速自動車国道法四条一項一号)、および、(2)高速自動車国道法により定められた予定路線(同法三条)のうちから政令でその路線を指定したもの(同法四条一項二号)について、審議会の議を経て当該高速自動車国道の新設に関する整備計画を定め、右整備計画のうち、(1)に係る整備計画については、国土開発幹線自動車道建設法五条一項の規定により決定された基本計画に基づき定めなければならないところ(高速自動車国道法五条)、被告は、右整備計画が決定された場合においては、遅滞なく高速自動車国道の区域を決定して、政令で定めるところにより、これを公示し、かつ、これを表示した図面を一般の縦覧に供しなければならず、高速自動車道の供用を開始しようとする場合においても、右区域決定と同じく、これを公示し、かつ、これを表示した図面を一般の縦覧に供しなければならない(同法七条)。ところで、被告は、高速自動車国道法六条の規定に拘わらず、公団をして前記整備計画に基づく高速自動車国道の新設を行なわせることができ〔道路整備特別措置法(以下措置法という)二条の二〕、公団が高速自動車道を新設しようとするときは、建設省令の定めるところにより、一、路線名及び工事の区間、二、工事方法、三、工事予算、四、工事の着手および完成の予定年月日を記載した工事実施計画書を作成し、措置法施行規則一条所定の工事実施計画明細書、平面図(縮尺二〇〇〇分の一)、縦断図、横断定規図等を添付して、予め被告の認可を受けなければならず、工事実施計画を変更する場合と同様である(措置法二条の三)。そして、公団が高速自動車国道を新設する場合においては、本来被告が新設工事のためになすべき道路の区域決定等の権限を被告に代つて行なうものとされているが 画を変更する場合と同様である(措置法二条の三)。そして、公団が高速自動車国道を新設する場合においては、本来被告が新設工事のためになすべき道路の区域決定等の権限を被告に代つて行なうものとされているが(措置法六条の二)、公団が被告に代つて、その権限のうち、道路の区域決定等所定の権限を行使しようとするときには予め被告の承認を受け、また、これらの権限を行使したときには遅滞なくその旨を被告に報告しなければならない(措置法六条の二、二項)。また、被告は、公団の工事の途中においても、当該工事の検査を行なうことができ、右公団の工事に係る道路構造が検査の結果、認可した工事方法に適合しないと認めるときは、公団に対し、道路構造が認可を受けた工事方法に適合することとなるように、工事方法の変更その他必要な措置をとるべきことを命ずることができる(措置法一五条二項、三項)。さらに、公団が新設した高速自動車国道について料金を徴収しようとするときは、料金及び料金徴収期間について予め運輸大臣および被告の認可を受けなければならない(措置法二条の四)。 (二) 本件山陽自動車道は、国土開発幹線自動車道建設法により決定されたものであつて、前記の諸手続を経た後、被告が自ら新設することなく、措置法二条の二に基づいて被告から公団に対し昭和四七年六月二〇日付施行命令が発せられたものであることは弁解の全趣旨によつて明らかであるが、公団は、日本道路公団法(以下公団法という)に基づいて、有料道路の新設、改築、維持、その他の管理を総合的かつ効率的に行なうこと等によつて道路の整備を促進し、円滑な交通に寄与することを目的として設立された法人であつて(公団法一、二条)、その資本金は政府が全額出資したものであり、(公団法四条。なお、同条によれば、必要があるときは被告の認可を受けて資本金を増加すること 与することを目的として設立された法人であつて(公団法一、二条)、その資本金は政府が全額出資したものであり、(公団法四条。なお、同条によれば、必要があるときは被告の認可を受けて資本金を増加することができ、政府は右の場合、予算に定める金額の範囲内で公団に出資することができる。)、その総裁および監事は被告が任命し、副総裁および監事は総裁が被告の認可を受けて任命することになつており(公団法一〇条)、有料道路の新設、改築、維持、修繕その他の管理を行なうこと等を主要な業務とし(公団法一九条)、その業務開始の際、業務方法書を作成し、或いはこれを変更しようとするときは被告の認可を受けなければならないし(公団法二〇条)、その業務に関し、被告の監督を受け(公団法三四条、三五条)、毎事業年度、予算、事業計画および資金計画を作成し、事業年度開始前に被告の認可を受けることを要し、また、これを変更しようとするときも同様であつて(公団法二二条)、決算は、毎事業年度、財産目録、貸借対照表および損益計算書を作成して、被告に提出してその承認を受けなければならず(公団法二四条)、被告の認可を受けて長期もしくは短期借入金をし、または道路債券を発行することができるけれども(公団法二六条)、毎事業年度、長期借入金および道路債券の償還計画をたてて、被告の認可を受けなければならないことになつている(公団法二九条)ほか、不動産登記法および政令で定めるその他の法令については、政令で定めるところにより、公団を国の行政機関とみなしてこれらの法令を準用することとなつている(公団法三九条の二)。さらにまた政府は公団に対し、長期もしくは短期の資金の貸付をし、または道路債券の引受をすることができ(公団法二七条)、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律三条の規定にかかわらず、国会の議決を経 にまた政府は公団に対し、長期もしくは短期の資金の貸付をし、または道路債券の引受をすることができ(公団法二七条)、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、道路債券に係る債務について保証することができ(公団法二八条)、予算の範囲内において、公団に対し公団法一九条一項二号に掲げる業務に要する経費の一部を補助することができることになつている(公団法三〇条)。 (三) してみると、公団は、人事、業務執行、財政等あらゆる面において被告の強い監督のもとにあるとともに財政面において政府の強い保護のもとにあり、また、高速自動車道の新設は本来被告のなすべき業務であるにもかかわらず、被告は特に公団に対し、整備計画決定後の諸手続に関する被告の権限を代行施行させて、右高速自動車国道の新設を命じることかでき、公団はその命令に従わなければならず、その際、公団は被告の監督下において権限を行使しなければならないことになつているのであるから、公団は、形式的には国から独立して法人格を有しており、国の行政機関とは一応区別されるものではあるけれども、公団法にもとづいて、行政主体としての国から独立し、国から前記の如き特殊な存立目的を与えられた特殊の行政主体として、国の特別な監督のもとに特定の公共事務・業務を行なうものであつて、実質的には、建設大臣の下部組織として、国家行政組織の一環をなし、必要な機能を果しているということができる。そして、被告は、基本計画、ならびに、これにもとづいて被告および運輸大臣が定めた本件道路新設に関する整備計画にもとづき、遅滞なく道路の区域を決定する等、新設の諸手続をなしうるものであつて、右権限は本来被告に属するものであるが、本件道路については、措置法二条の二により被告自ら本件道路を新設 関する整備計画にもとづき、遅滞なく道路の区域を決定する等、新設の諸手続をなしうるものであつて、右権限は本来被告に属するものであるが、本件道路については、措置法二条の二により被告自ら本件道路を新設することなく、実質的な下級行政機関である公団に対して施行命令を発し、本件道路新設をなさしめたものであるから、被告において本来自らなすべき本件道路新設を公団に命じた以上、公団の工事実施計画が整備計画に適合するように監督指導する責務を負うものというべく、被告のなした本件認可は、被告の命令にもとづいて新設を委任された公団が、本件道路新設にあたり作成した工事実施計画書について、いわば被告が上級行政機関としての立場から下級行政機関としての公団に対し、前記整備計画との整合性等について審査のうえなす監督手段としての承認の性質を有するものというべきである。したがつて、本件認可は、これを実質的にみれば、右のとおり、行政機関相互間の内部的な行為と同視すべきものであつて、行政処分として何ら外部に対する効カを有するものではなく、したがつて外部に対する公示を必要とせず、また、本件認可によつて、直接国民の権利義務を形成し、もしくは、その範囲を確定する効果を伴う等、国民の権利義務に何らの変動を及ぼすものでないから、抗告訴訟の対象となる行政処分ということができない(なお、最高裁昭和五三年一二月八日判決、民集三二巻九号一六一七頁参照)。 三原告らは、本件認可が施行命令により公団に付与された道路新設の一般的権能を具体的権能にまで高める設権的性質を有するとして、本件認可の行政処分性を主張するところがあり、公団が立法的に法主体性が認められるからには、本件認可が工事実施計画の「計画」に対しては監督手段としての承認であるとしても、「工事実施」に関しては権利・権能を付与する性質があると 張するところがあり、公団が立法的に法主体性が認められるからには、本件認可が工事実施計画の「計画」に対しては監督手段としての承認であるとしても、「工事実施」に関しては権利・権能を付与する性質があるとして、本件認可の行政処分性を是認する見解もあるけれども、公団は被告の施行命令により整備計画決定後に関する被告の権限を代行施行するものであつて、本件認可により、いわば下級行政機関としての公団が上級機関である被告から、工事実施計画書の承認を受けるとともに、工事実施の権限が付与されるものと解する余地があり得るとしても、工事実施の権利・権能が付与されたものとは解することができないから、原告らの右主張は採用できないし、また、原告らは、被告が公団に対して認可拒否処分をしたときは、公団はその取消訴訟を提起できるので、本件認可は行政処分性を有し、単なる行政機関相互間の内部的行為ではないとも主張し、原告らの右主張は、公団が独立の法人である以上、違法、不当な命令、処分に対して、抗告訴訟の提起ができることを当然の前提とするものと解されるが、既に説示したとおり、公団は形式上は独立した法人ではあるが、実質上は行政組織の一環として、国の代行機関たる地位を占めているのであるから、これらを一体とみるべきであり、本件認可は、行政組織内の一種の内部行為の性格をもつものとする以上、認可の拒否処分についても、公団は、これを取消訴訟の対象とすることができないのは当然であつて、原告らの右主張も採用できない。また、原告らは、土地収用法上の事業認定処分における起業者たる公団と認定主体たる被告との関係も、右と同一の関係ゆえ、事業認定処分も内部的行為と同視せねばならず、行政処分に該当しないということになつて非常識な結果となると主張するが、土地収用法には、国が事業主体である事業も建設大臣の事業 係も、右と同一の関係ゆえ、事業認定処分も内部的行為と同視せねばならず、行政処分に該当しないということになつて非常識な結果となると主張するが、土地収用法には、国が事業主体である事業も建設大臣の事業認定処分にかからしめる旨規定されているのみならず、同じ被告であつても、事業認定のときと本件認可のときでは、その地位役割、権能を全く異にしているのであるから原告らの右主張も当をえないものである。 四よつて、本件認可は抗告訴訟の対象となる行政処分ということはできないので、原告らのその余の主張を判断するまでもなく、右認可の取消を求める原告らの本件訴えは不適法として却下することとし、なお、原告らが求める文書提出命令の申立はその必要がないのでこれを却下し、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟法八九条、九三条一項本文を適用して、主文のとおり判決する。

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