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主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする。理由 上告代理人児玉義史、同上杉柳蔵の上告理由第一点について。原審の確定した事実によれば、被上告人の父である訴外Dは、上告人から昭和三七年三月一五日金五〇万円を弁済期同年九月三〇日の約定で借り受けていた(なお、上告人は、訴外Eの紹介により他から融資を受けてこれをDに貸与したものである。)ところ、昭和三九年四、五月頃、上告人に対し呉服商を続ける営業資金として新たに金五〇万円を貸与されたい旨申し出て、協議の結果、上告人は、Dに対し、右旧債務金五〇万三三六〇円の内金五〇万円のほか、さらに金五〇万円を加えた債務金合計一〇〇万円につき同人の妻Fおよびその子の被上告人が保証人となるならば、旧債務を返済して貰うためにも、新たに金五〇万円を貸与することを承諾し、被上告人も、新たに金五〇万円の貸与を受けられるならば、父Dの営業も立ち直るであろうと考えて、家業のために新債務金五〇万円についてはもちろん旧債務の内金五〇万円についても保証人となることを了承したこと、DおよびFは、昭和三九年七月七日に東京家庭裁判所に対し、上告人から貸与を受けている金五〇万円および新たに貸与を受けるべき金五〇万円計金一〇〇万円の債務につき、被上告人が連帯債務者となることについての特別代理人選任の申立をなし、同裁判所は、同年八月一〇日D、Fが上告人から金一〇〇万円を借り受けるにつき、被上告人が連帯債務者となることについての特別代理人として、Eを選任する旨の審判をなし、上告人はこれを了知したこと、Dおよび上告人ならびに被上告人の特別代理人Eは、昭和三九年八月一三日公証人役場に赴いたが、その際、上告人は、本日は旧債務の金五〇万円についてのみの公正証書を作成し、新たに貸与 これを了知したこと、Dおよび上告人ならびに被上告人の特別代理人Eは、昭和三九年八月一三日公証人役場に赴いたが、その際、上告人は、本日は旧債務の金五〇万円についてのみの公正証書を作成し、新たに貸与すべき金五〇万円については、- 1 -後日公正証書を作成する旨告げたところ、Eはこれを承諾し、Dもこれに従い、本件公正証書が作成されるに至つたが、その後新たに金五〇万円が貸与されることなく現在に至つていることが認められるというのであり、その挙示する証拠関係に照らし、この認定判断は首肯できる。 日公証人役場に赴いたが、その際、上告人は、本日は旧債務の金五〇万円についてのみの公正証書を作成し、新たに貸与すべき金五〇万円については、- 1 -後日公正証書を作成する旨告げたところ、Eはこれを承諾し、Dもこれに従い、本件公正証書が作成されるに至つたが、その後新たに金五〇万円が貸与されることなく現在に至つていることが認められるというのであり、その挙示する証拠関係に照らし、この認定判断は首肯できる。右の事実関係のもとでは、被上告人の特別代理人Eの権限は、Dが上告人から新たに金五〇万円の貸与を受けるとともに旧債務金五〇万円を合わせた計金一〇〇万円につき、被上告人が連帯債務者となることについてであり、この場合、旧債務金五〇万円の連帯債務者となるのは新債務金五〇万円の貸与があるからこそであり、新債務は旧債務の弁済を可能ならしめるためにも不可欠の前提となる関係にあつて、その意味で新旧両債務は、一体をなしているものであつて、これをみだりに分離してなすべきものではなく、ことにこのうち旧債務金五〇万円についてのみ、被上告人が連帯債務者となることは、前記審判に示された権限を逸脱した行為、すなわち、無権代理行為に該当し、被上告人に対して何らその効果をおよぼすものではなく無効である旨の原審の判断は、正当として肯認することができる。それゆえ、Eは、前記のように旧債務金五〇万円についてのみ被上告人が連帯債務者となる契約を締結するような自由裁量権を有していたとはいえず、また、金一〇〇万円の連帯債務者となるよりも、金五〇万円の連帯債務者となることの方が被上告人にとつて利益であるとは、単純にはいえない。したがつて、原判決には所論の違法はなく、論旨は採用することができない。〇〇万円の連帯債務者となるよりも、金五〇万円の連帯債務者となることの方が被上告人にとつて利益であるとは、単純にはいえない。したがつて、原判決には所論の違法はなく、論旨は採用することができない。同第二および第四点について。Eが本件公正証書を前記のような経緯で作成した行為自体が、前記審判に示された権限を逸脱したといい得るのであるから、所論の点について判断するまでもなく、右行為を無権代理行為と解することができる。したがつて、原判決には所論の違法はなく、論旨は採用することができない。- 2 -同第三点について。所論は、原判示の趣旨とするところを正解しないで原判決に違法があるというにすぎず、論旨は採用することができない。 。Eが本件公正証書を前記のような経緯で作成した行為自体が、前記審判に示された権限を逸脱したといい得るのであるから、所論の点について判断するまでもなく、右行為を無権代理行為と解することができる。したがつて、原判決には所論の違法はなく、論旨は採用することができない。- 2 -同第三点について。所論は、原判示の趣旨とするところを正解しないで原判決に違法があるというにすぎず、論旨は採用することができない。よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官田中二郎裁判官下村三郎裁判官松本正雄裁判官飯村義美裁判官関根小郷- 3 -
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