- 1 -平成20年(行ウ)第22号基本水量決定処分取消請求事件(以下「第1事件」という)。 ()(「」。)平成20年行ウ第29号不当利得返還請求事件以下第2事件という判決主文 第1事件の請求に係る訴えを却下する。 原告のその余の請求を棄却する。 訴訟費用は,第1事件及び第2事件を通じて,原告の負担とする。 事実 及び理由第1請求 第1事件(1)a府知事が原告に対して平成19年12月27日付けでしたa府営水道の水道用水供給に関する平成19年度の基本水量決定処分を取り消す。 (2)a府知事が原告に対して平成20年4月24日付けでしたa府営水道の水道用水供給に関する平成20年度の基本水量決定処分を取り消す。 第2事件被告は,原告に対し,2億6345万7420円及びうち2億5470万7311円に対する平成21年5月19日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2事案の概要 紛争の概要(1)第1事件本件は,a府h地域の地方公共団体である原告が,被告知事において条例に定める協議を経ることなく,2度にわたって,原告の申込水量を超える基本水量決定を行ったと主張し,これらが違法な行政処分であるとして,処分の取消を求めた事案である。 - 2 -(2)第2事件本件は,原告が,基本水量決定の手続が契約であり,意思の合致が原告の申込の範囲に限られると主張し,これを超える部分の支払について,法律上の原因がないものとして,不当利得に基づき支払額及び遅延損害金ないし利息の支払を求めた事案である。 (3)第1事件と第2事件は,選択的併合の関係にあるものである。 争いのない事実等(1)当事者等,(「」。)ア被告知事はa府営水道の供給料金等に関する条例以下条 めた事案である。 (3)第1事件と第2事件は,選択的併合の関係にあるものである。 争いのない事実等(1)当事者等,(「」。)ア被告知事はa府営水道の供給料金等に関する条例以下条例というに基づきa府営水道の水道用水供給事業の管理者として毎年水道用水,,,の供給を受けようとする市町から,年間における1日当たりの最大の受水量の申込を受けた後,当該市町と協議の上,当該市町に対する年間における1日当たりの最大の給水量条例上基本水量と定義される以下基(「」。 「本水量」という)を決定し,通知する権限を有している。 。 イ原告は,住民1万5000人の福祉の増進を図ることを基本とする普通地方公共団体であり,地方公営企業である水道事業を経営し,条例に基づき,毎年,年間における1日当たりの最大の受水量を定めて,これを被告知事に申し込み,知事との協議の後,知事から基本水量の決定,通知を受けた上で毎月額の供給料金を知事が指定する日までに納付する義務を負うものである。 (2)水道法(以下「法」という,条例,地方公営企業法,a府公営企業の設。)置等に関する条例,地方財政法の定めア(ア)国及び地方公共団体は,水道が国民の日常生活に直結し,その健康を守るために欠くことのできないものであり,かつ,水が貴重な資源であることにかんがみ,水源及び水道施設並びにこれらの周辺の清潔保持並びに水の適正かつ合理的な使用に関し必要な施策を講じなければなら- 3 -ない(法2条1項)。 (イ)地方公共団体は,当該地域の自然的社会的諸条件に応じて,水道の計画的整備に関する施策を策定し,及びこれを実施するとともに,水道事業及び水道用水供給事業を経営するに当たつては,その適正かつ能率的な運営に努めなければならない(法2条の2 的諸条件に応じて,水道の計画的整備に関する施策を策定し,及びこれを実施するとともに,水道事業及び水道用水供給事業を経営するに当たつては,その適正かつ能率的な運営に努めなければならない(法2条の2第1項)。 (ウ)地方公共団体は,この法律の目的を達成するため水道の広域的な整備を図る必要があると認めるときは,関係地方公共団体と共同して,水道の広域的な整備に関する基本計画(以下「広域的水道整備計画」という)を定めるべきことを都道府県知事に要請することができる(法5。 。 条の2第1項)(エ)都道府県知事は,前項の規定による要請があつた場合において,この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは,関係地方公共団体と協議し,かつ,当該都道府県の議会の同意を得て,広域的水道整備計画を定めるものとする(法5条の2第2項)。 (オ)水道事業は,原則として市町村が経営するものとし,市町村以外の者は,給水しようとする区域をその区域に含む市町村の同意を得た場合に限り,水道事業を経営することができるものとする(法6条2項)。 ,,,イ(ア)供給料金は月額としその額は別表に掲げる受水者の区分に応じ基本料金の額従量料金の額及び超過料金の額の合計額とする条例3,。(条,甲1)別表によれば,原告の場合,基本料金は「基本水量にその月の日数を乗じて得た水量に,1立方メートルにつき92円を乗じて得た額」とされている。なお,平成20年度からは,上記の92円が87円に改訂されている(甲1,20の10~33)。 (イ)水道用水の供給を受けようとする市町は,毎年,年間(毎年4月1日から翌年3月31日までの間をいう以下同じにおける1日当たり。 。)- 4 -の最大の受水量を定めて,府の水道事業の管理者の権限を行う知事(以下「知事」と る市町は,毎年,年間(毎年4月1日から翌年3月31日までの間をいう以下同じにおける1日当たり。 。)- 4 -の最大の受水量を定めて,府の水道事業の管理者の権限を行う知事(以下「知事」という)に申し込まなければならない(条例2条1項,甲。 。 1)(ウ)知事は,前項の申込みを受けたときは,当該市町と協議の上,年間における1日当たりの最大の給水量以下基本水量というを決定(「」。)し,通知する(条例2条2項,甲1)。 (エ)延滞金の徴収についてはa府税外収入延滞金徴収条例昭和39年,(a府条例第40号の規定を準用するこの場合において同条例第2条)。 ,中年1075パーセントとあるのは年65パーセントと読「. 」,「. 」み替えるものとする(条例6条,甲1)。 ウ(ア)地方公営企業は,常に企業の経済性を発揮するとともに,その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければならない。 (地方公営企業法3条)(イ)地方公営企業の経営に関する事務を共同処理する一部事務組合(これを企業団という)の管理者の名称は,企業長とする(地方公営企業。 。 法39条の2第1項)(ウ)地方公営企業の業務に関する契約の締結並びに財産の取得,管理及び処分については,地方自治法96条1項5号から8号まで及び237条2項及び3項の規定にかかわらず,条例又は議会の議決によることを要しない(地方公営企業法40条1項)。 地方公営企業の業務に関する負担附きの寄附又は贈与の受領,地方公共団体がその当事者である審査請求その他の不服申立て,訴えの提起,和解,あつせん,調停及び仲裁並びに法律上地方公共団体の義務に属する損害賠償の額の決定については,条例で定めるものを除き,地方自治法96条1項9 当事者である審査請求その他の不服申立て,訴えの提起,和解,あつせん,調停及び仲裁並びに法律上地方公共団体の義務に属する損害賠償の額の決定については,条例で定めるものを除き,地方自治法96条1項9号12号及び13号の規定は適用しない地方公営,,。(企業法40条2項)- 5 -なお,地方公営企業法40条1項,同条2項の規定により,議会の議決を経ていない本件訴え提起は適法である。 エ(ア)府民の生活の向上と府下の産業経済の発展に寄与するため,次に掲げる事業(以下「公営企業」という)を設置する。 。 a電気事業b水道事業(,)c工業用水道事業a府公営企業の設置等に関する条例1条甲27(イ)公営企業は,常に企業の経済性を発揮するとともに,公共の福祉を増進するように運営するものとする(a府公営企業の設置等に関する条。 例2条1項,甲27)オ地方公共団体は,その財政の健全な運営に努め,いやしくも国の政策に反し,又は国の財政若しくは他の地方公共団体の財政に累を及ぼすような施策を行つてはならない(地方財政法2条1項)。 (3)条例における基本水量(水道料金)決定のプロセスア受水者が府営水道を利用するには,条例2条1項のとおり,被告知事に対して1日当たりの最大の受水量を定めて申込みをする。 イこれに対して,被告知事は,同条2項のとおり,受水者と協議の上,1「」,。 日当たりの最大の給水量である基本水量を決定し受水者に通知するウそして,供給料金については,条例3条のとおり,基本水量に応じた基本料金と実際の受水量に応じた従量料金を合計したものを,さらに,1日当たりの給水量が「配分水量」を超える場合は,その超過分につき超過料金を合計したものを月額で支払う。被告知事によって基本水量が決定されれば,実 の受水量に応じた従量料金を合計したものを,さらに,1日当たりの給水量が「配分水量」を超える場合は,その超過分につき超過料金を合計したものを月額で支払う。被告知事によって基本水量が決定されれば,実際の受水量に応じて機械的に供給料金が決定される仕組みになっている。 ここで「配分水量」とは,条例別表(3条関係)の「超過料金」の区分にあるとおり「知事が受水者と協議の上,給水能力の水量を受水者に配分- 6 -した1日当たりの水量をいう配分水量とは被告知事が各受水者に」。「」,対して給水できる能力を配分したいわば利用枠というべきものである。そして,受水者が配分水量を超えて府営水道を受水したときは,上記のとおりその超過分につき超過料金を支払わなければならない。 原告については,月額基本料金は「基本水量にその月の日数を乗じて得た水量について92円/㎥平成20年度からは87円/㎥従量料金」(),は36円/㎥,超過料金は251円/㎥となっている(条例別表3条関係。 )(4)平成18年10月22日投票の原告長選挙において府営水道問題が主た,る争点となり,水道代引下げを公約とした原告代表者が当選した。 ,,,,原告は上記公約をふまえて平成19年2月16日同月26日の両日被告との間で,平成10年3月30日付けa府営水道h浄水場(仮称)に係る施設整備等に関する協定書以下本件協定書というで定められた配分(「」。)水量7300㎥の引下げ等による健全化について交渉を行った。また,それ以外にも,同年1月から2月にかけて,企業局長又は企業局次長との間で計7回にもわたって交渉を繰り返した。 ,,しかしながら本件協定書に基づく配分水量7300㎥の引下げについて被告との間で交渉が成立することはなかった。 (5)原 ,企業局長又は企業局次長との間で計7回にもわたって交渉を繰り返した。 ,,しかしながら本件協定書に基づく配分水量7300㎥の引下げについて被告との間で交渉が成立することはなかった。 (5)原告は平成19年2月27日被告知事に対し1日当たりの最大の受,,,水量を3407㎥と定めて申込をした(以下,この申込を「本件第1申込」という。 。)(6)被告は原告に対し本件第1申込を白紙撤回し上水道事業経営健全化,,,検討会に参加することを求めた。 原告と被告との間で,照会書と回答書がやりとりされた。 (7)被告知事は平成19年12月27日原告の基本水量を7300㎥とす,,(,「」。)。 る旨決定して原告に通知した以下この決定を本件第1決定という(8)原告は平成20年2月27日被告知事に対し1日当たりの最大の受,,,- 7 -水量を3407㎥と定めて申込をした(以下,この申込を「本件第2申込」という。 。)本件第2申込についても,原告と被告との間で,依頼書と回答書のやりとりがされた。 (9)被告知事は平成20年4月24日原告の基本水量を7300㎥とする,,旨決定して原告に通知した(以下,この決定を「本件第2決定」という。 。) 争点 (1)第1事件について訴えの利益はあるか(被告の本案前の主張。 )ア被告(ア)本件の原告は,地方公共団体であって国民ではない。また,原告が取消を求めている基本水量決定通知は,被告知事が条例2条2項に基づいて,年間における1日当たりの最大の給水量を決定し,通知するものにすぎず直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を画することが,「法律上認められているもの」ではない。 したがって,基本水量の決定通知は,取消訴訟の対象た の最大の給水量を決定し,通知するものにすぎず直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を画することが,「法律上認められているもの」ではない。 したがって,基本水量の決定通知は,取消訴訟の対象たる処分とはいえない。 (イ)また,仮に,取消訴訟の対象たる処分に当たるとしても,本件第1決定については,これに基づいて被告から原告に水道供給がなされ,原告から被告への水道料金支払も終了しているのであるから,もはやこれを取り消すべき訴えの利益がない。 本件第2決定についても,その決定を前提として,被告から現に水道供給を行い,原告から水道料金の支払がなされているのであるから,経過分については,やはり訴えの利益がないというべきである。 (ウ)以上のとおり,本件第1決定及び本件第2決定は,処分性が認められず,また,狭義の訴えの利益がないというべきであるから,原告の訴えはいずれも却下されるべきである。 - 8 -イ原告(ア)被告は,条例に基づき,原告の意思とは関係なく基本水量,基本料金を決定している。このような行為は「公権力の主体たる公共団体が行う行為のうち,その行為によって,直接原告の権利義務を形成することが法律上認められているもの」に他ならない。 (イ)地方公共団体も抗告訴訟の原告になり得るし,本件は,行政組織内の内部行為ではない。 (ウ)被告知事のした本件第1決定及び本件第2決定は,その行為によって受水者の意思を排除し,直接受水者の義務を一方的に形成する行為であり,受水者がそれに従わないときは訴訟上の手続を経ずに強制執行すらできるという公定力を有しているから,行政処分性を有している。したがって,行政事件訴訟法3条2項にいう「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」である。 ,(2)被告知事のした本件第1決定及び本件第2決定が 力を有しているから,行政処分性を有している。したがって,行政事件訴訟法3条2項にいう「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」である。 ,(2)被告知事のした本件第1決定及び本件第2決定が行政処分であるとして本件各決定が適法であるか否か。 ア原告(ア)条例2条2項の被告知事の決定については,各受水者の申込最大受水量の合計が府の給水能力を超えた場合に受水者が申込みをした受水量を下回る基本水量が決定されることは想定しているが,受水者の最大の受水量を超える基本水量を決定することはそもそも想定していない。 このことは,条例2条3項において受水者が被告知事に対して年度の途中に受水量の変更の申込を行うことができることから明らかである。 受水者は水の需要を予想した上で実際の使用量よりもかなり余裕をもって申込受水量を決定していることから,被告知事が受水者の申込最大受水量を超えて基本水量を決定できるのであれば,受水者に基本水量の変更申込権を与える意味はないのである。 - 9 -また,このことは条例については受水者が配分水量を超えて受水した場合に通常の従量料金よりもはるかに高いペナルティたる超過料金が課されるという制度設計がされていることからも強く推認される。配分水量は受水者が過量の水を受水した場合のペナルティを課す基準となる数値であることから,配分水量≧基本水量となることは明らかだが,基本水量が受水者の1日当たりの最大の受水量を超過している場合,給水量が配分水量を超過することは起こらず,ペナルティの料金たる超過料金を設定する意味がなくなるのである。 (イ)このように,そもそも被告知事には申込最大受水量を超えて基本水量を決定する権限がない。それにもかかわらずなされた本件第1決定及び本件第2決定は,条例2条2項に違反する処分であるから取り消 。 (イ)このように,そもそも被告知事には申込最大受水量を超えて基本水量を決定する権限がない。それにもかかわらずなされた本件第1決定及び本件第2決定は,条例2条2項に違反する処分であるから取り消されなければならない。 (ウ)百歩譲って,被告知事に申込最大受水量を超えて基本水量を決定する権限があったとしても,本件第1決定及び本件第2決定は,被告知事に与えられた権限をはるかに逸脱するものであり,条例2条2項に違反して違法であるから取り消されるべきである。 7300㎥の水は全く不必要であって,原告は過剰な負担を強いられ,,,,ているものでありこのことについて原告は当初から懸念を表明し配慮や財政的措置を求めていた。 そもそも条例2条2項においては,被告知事が受水者の申込最大受水量を超えた量の基本水量を決定する権限がない。仮にそのような権限を想定できたとしても,それは微調整を行うためのものにすぎず,受水者が望まない水を強制的に給水する権限を被告知事に与えたものではない。それにもかかわらず,このような申込最大受水量の2倍もの基本水量を決定することは条例2条2項に違反するだけでなく,府営水道の導入前から多量の水を受水することに懸念を表明し配慮や財政的措置を求- 10 -めていた原告に対して過大な金銭的負担を負わせるものであり,原告の会計を破綻に追い込み,原告の自治を破壊するものである。 このような被告知事の決定は,裁量をはるかに逸脱したものであり,条例2条2項に違反する違法な処分であるから取り消されなければならない。 (エ)a条例2条2項において,当該市町との協議は,基本水量決定の手続的要件となっている。とりわけ,給水申込を行う市町と基本水量を決定する被告との間で,水量に差異がある場合に当該市町との協議を行わないまま基本水量決 項において,当該市町との協議は,基本水量決定の手続的要件となっている。とりわけ,給水申込を行う市町と基本水量を決定する被告との間で,水量に差異がある場合に当該市町との協議を行わないまま基本水量決定を行うことは,重大な手続違反であるといわざるを得ない。そして,当該市町との協議とは,単に協議の機会を持ったというに止まらず,水量の必要性等について実質的な協議の機会を持つ必要がある。 本件第1決定について,原告からなされた給水申込は3407㎥であったのに対し,被告が決定した基本水量は7300㎥である。そもそも,被告は原告の給水申込を超えて基本水量を決定することはでき,,ないが仮に原告の給水申込を超えて基本水量を決定できるとしても被告としては,水量に差異があり,特に,申込水量を超える基本水量を決定しようとしたのであるから,当該市町である原告との協議は,基本水量を決定するに当たって必要欠くべからざる手続的要件であったといわざるを得ない。 しかしながら,本件第1決定は,平成19年2月27日付けで本件第1申込がなされた後,条例2条2項に基づく協議が一切行われないまま,同年12月27日付けでなされている。 被告は同年11月30日付けa府営水道とd町水道事業に係るa府,「の考え方について回答において条例2条2項に基づく協議を行()」,っている旨回答しているが,かかる回答は,それまでの被告の対応と- 11 -は全く異なったものであり,実体としても,被告は,原告に対し,一貫して本件第1申込の白紙撤回を求め続けていたのであって,協議が行われてきたとは到底いい難い。 したがって,本件第1決定は,条例2条2項に反する違法な処分であり,取り消されなければならない。 b本件第2決定については被告が平成20年3月21日付けa府営,「 れてきたとは到底いい難い。 したがって,本件第1決定は,条例2条2項に反する違法な処分であり,取り消されなければならない。 b本件第2決定については被告が平成20年3月21日付けa府営,「水道給水申込みに係る協議の場の設定について回答と題する書面()」において本日3月21日の協議についてもそうした協議の場,「(),である」などと述べているが,その実体は,本件協定書に定められた7300㎥ありきで,原告の水道事業会計の実態や実際の水需要量などについて一切関知せずに進められたものであり,到底「協議」の実態を伴っていないものといわざるを得ない。 したがって,本件第2決定についても,条例2条2項に反する違法な処分であり,取り消されなければならない。 イ被告(ア)条例における基本水量の決定は,被告知事が,関係市町からの要請に基づいて広域的水道整備計画を定めた被告の立場において,受水市町間の調整として行うものであり,その合理的な裁量に委ねられているものである。 (イ)被告知事による基本水量の決定は,一般の契約における承諾の意思表示のように受水市町からの申込に拘束されるものではない。受水市町からの申込及び当該市町との協議を踏まえて被告知事が裁量により決定するものであるから,申込における最大受水量を超えて決定できないという制約はない。 (ウ)基本水量は,水道事業の固定費をまかなう基本料金を算定するための基礎であって,実際の使用料と直接関係するものではない。また,も- 12 -ともと,原告は,1万2000㎥/日の配分水量を求めて,被告に広域的水道設備を要請し,同水量で策定された広域的水道整備計画に同意しているものであり,現在の基本水量7300㎥は,段階的整備や工業用水が別立てとならなかった事情による原告の要望 量を求めて,被告に広域的水道設備を要請し,同水量で策定された広域的水道整備計画に同意しているものであり,現在の基本水量7300㎥は,段階的整備や工業用水が別立てとならなかった事情による原告の要望などをふまえ,1万2000㎥/日を大幅に減少させて協定した水量である。 原告の営むd町水道事業について自ら行った申込や協定に企業として,責任を負わなければならないのは当然であり,財政が厳しいからといって,それを他者のせいにしたり,一方的に約束を反故にするようなことは到底許されない。 自らが本件協定書において引き受けることを約した最大受水量の半分以下で申込を行った原告の行為こそが本件協定書違反の行為である。 本件第1決定及び本件第2決定について,被告知事に裁量権の逸脱などはなく,違法との主張には理由がない。 (エ)被告知事と原告とは,条例2条2項に定める「協議」に代替するものとして本件協定書を締結し,原告の基本水量を7300㎥/日とすることをあらかじめ合意しているから,本件第1決定及び本件第2決定において協議を経ていないから手続違反があるとする原告の主張は失,「」当である。 また,現実には,被告と原告とは,本件第1決定までに9回,本件第2決定までに3回の協議を実施しており協議を経ていないとする原,「」告の主張は正しくない。 (オ)被告知事による本件第1決定及び本件第2決定が,原告の財政に不当な費用負担を生ぜしめるものであるとの批判も当たらない。 (),(3)本件第1決定及び本件第2決定が契約に基づく意思表示承諾であり被告は,原告に対し,意思の合致を超える部分の基本料金を不当利得として請求できるか否か。 - 13 -ア原告(ア)仮に,条例2条2項に基づく被告知事の「決定」が行政処分ではないとした場合,原告が被 ,原告に対し,意思の合致を超える部分の基本料金を不当利得として請求できるか否か。 - 13 -ア原告(ア)仮に,条例2条2項に基づく被告知事の「決定」が行政処分ではないとした場合,原告が被告に対して府営水道の供給料金を支払う根拠は契約に求めるしかない。 条例の流れを契約法的に理解すると条例2条1項に基づく市町の申,「込」を契約成立条件の申込と捉え,条例2条2項に基づく「協議」までの過程を契約の申込ないし契約条件の交渉,合意形成の過程と捉え,条例2条2項の決定通知が契約の成立要件としての承諾行為である「」「」ことになる。そして,結局,基本水量(基本料金)に関する原・被告間の意思の合致が原告による府営水道供給料金支払義務が発生する根拠となる。 (イ)a平成19年度分については,平成19年2月27日,原告は,条例2条2項に基づき,被告に対し,平成19年度の1日当たりの最大の受水量を3407㎥と定めて本件第1申込をした。 これに対して,被告知事は,条例に定められた「協議」を行わないまま,同年12月27日付けで平成19年度の原告の基本水量を1日当たり7300㎥とする本件第1決定をした。 しかし,原告と被告知事は,基本水量について数量的に倍以上の開きがある数値を主張しており協議すらなされていない以上1日,「」,当たり基本水量7300㎥について両者の合意の形成を想定すること,「」「」は不可能であり被告知事が1日当たり7300㎥の決定通知をした時点で,より数量の少ない1日当たり3407㎥の範囲で原告と被告知事の間の意思の合致がなされたとみるほかない。 b原告は,平成20年2月27日,被告に対し,平成20年度の1日当たりの最大の受水量を3407㎥と定めて本件第2申込をした。 そして,またしても実質的に 事の間の意思の合致がなされたとみるほかない。 b原告は,平成20年2月27日,被告に対し,平成20年度の1日当たりの最大の受水量を3407㎥と定めて本件第2申込をした。 そして,またしても実質的には「協議」すらなされないまま,同年- 14 -4月24日付けで平成20年度の原告の基本水量を1日当たり7300㎥とする本件第2決定をした。 平成20年度についても,原告と被告知事は,基本水量について数量的に倍以上の開きがある数値を主張しており,実質的な「協議」すらなされていない以上,1日の基本水量7300㎥について両者の合意の形成を想定することは不可能であり,平成20年度についても,被告知事が1日当たり7300㎥の決定通知をした時点でより「」「」数量の少ない1日当たり3407㎥の範囲で原告と被告知事の間の意思の合致がなされたとみるほかない。 (ウ)a上記のように原告と被告知事の意思が合致し,契約が成立したのは1日当たりの基本水量3407㎥の範囲である。したがって,支払義務が発生する基本料金は,3407×366×92円=1億1472万0504円を日割計算で各月に割り付けた金額についてのみである。逆にいえば,被告が1日当たり7300㎥を前提にして,原告に対して基本料金を請求した場合,その請求につき1日当たり7300-3407=3893㎥分については法律上の原因がないことは明白である。 それにもかかわらず,被告は,原告に対し,1日当たり7300㎥を前提に,7300×92円×366日(平成20年2月は閏年のため1日多い=合計2億4580万5600円について下記表1被。),「告要求基本料金額」欄記載の各金額の支払を請求した。 原告は,平成20年1月4日,基本水量7300㎥については容認できない旨の異議をとどめた上,原告の主張が 5600円について下記表1被。),「告要求基本料金額」欄記載の各金額の支払を請求した。 原告は,平成20年1月4日,基本水量7300㎥については容認できない旨の異議をとどめた上,原告の主張が最終的に実現しなかった場合に生じる延滞金の発生を事前に回避するため,被告主張の基本料金について,下記表1中の「支払日」欄記載の各日に「被告要求基本料金額」欄記載の各金額を支払った。 - 15 -〈表1平成19年度被告不当利得額〉()平成19年度基本料金単価92円月別日数支払日支払総額(従量料金被告要求契約成立被告不当を含む)基本料金額基本料金額利得額(3(7300(3407893㎥/㎥/日)㎥/日)日)4~11 24420.1.11 1861133601638704007648033687390064 20.1.25 2350412020819600971676411102836 20.2.21 2342096020819600971676411102836 20.3.25 2195197619476400908987610386524 20.4.25 2355149620819600971676411102836計 245805600114720504131085096その結果,被告には,表1「被告不当利得額」欄記載の各不当利得が生じ,その合計額は1億3108万5096円となる。 b平成20年度についても,上記のように原告と被告知事の意思が合致し,契約が成立したのは1日当たりの基本水量3407㎥の範囲である。したがって,支払義務が発生する基本料金は,3407×365×87円=1億0818万9285円を日割計算で各月に割り付けた金額につ し,契約が成立したのは1日当たりの基本水量3407㎥の範囲である。したがって,支払義務が発生する基本料金は,3407×365×87円=1億0818万9285円を日割計算で各月に割り付けた金額についてのみである。逆にいえば,被告が1日当たり7300㎥を前提にして,原告に対して基本料金を請求した場合,その請求につき,1日当たり7300-3407=3893㎥分については法律上の原因がないことは明白である。 それにもかかわらず,被告は,原告に対し,1日当たり7300㎥を前提に,7300×87円×365日=合計2億3181万1500円について,下記表2「被告要求基本料金額」欄記載の各金額の支払を請求した。 - 16 -原告は,平成20年5月9日,基本水量7300㎥については容認できない旨の異議をとどめた上,原告の主張が最終的に実現しなかった場合に生じる延滞金の支払を事前に回避するため,被告主張の基本料金について,下記表2中の「支払日」欄記載の各日に「被告要求基本料金額」欄記載の金額を支払った。 〈表2平成20年度被告不当利得額〉()平成20年度基本水量単価87円月別日数支払日支払総額従量料金含被告要求基契約成立基被告不当利()本料金額本料金額得額(38(7300(340793㎥/㎥/日)㎥/日)日) 20.5.21 2164968019053000889227010160730 20.6.25 2227495219688100918867910499421 20.7.25 2159240419053000889227010160730 20.8.25 2241772819688100918867910499421 20.9.25 22330788 19053000889227010160730 20.8.25 2241772819688100918867910499421 20.9.25 2233078819688100918867910499421 20.10.2 2156018419053000889227010160730 20.11.2 2239533619688100918867910499421 20.12.1 2173831219053000889227010160730 21.1.23 2249912419688100918867910499421 21.2.25 2231476819688100918867910499421 21.3.25 202868161778280082994529483348 21.4.24 2234673619688100918867910499421- 17 -計 231811500108189285123622215その結果被告には被告不当利得額欄記載の不当利得1億23,,「」62万2215円が生じた。 (エ)原告は,被告に対して,第2事件の訴状の送達をもって,上記不当利得返還の請求をしている。被告は,遅くとも第2事件の訴状送達の日である平成20年7月9日から各利得について法律上の原因がないことを覚知しており,利得について悪意である。 いずれにせよ,被告には,上記訴状送達日前に原告による支払が済んでいる分については訴状送達の日の翌日から遅延損害金ないし利息の支払義務があり,それ以降の分については,原告による支払の日の翌日から遅延損害金ないし利息の支払義務 訴状送達日前に原告による支払が済んでいる分については訴状送達の日の翌日から遅延損害金ないし利息の支払義務があり,それ以降の分については,原告による支払の日の翌日から遅延損害金ないし利息の支払義務があり,平成21年5月18日分までの確定額は,別紙計算書のとおり875万0109円である。 イ被告(ア)条例2条に基づき,給水の申込を行う市町と基本水量を決定して通知する被告知事との関係,あるいはそれにより市町と被告との間に成立する関係が契約であるとの主張については争う。 条例2条によれば,被告知事は,市町から申込を受けたときは,当該市町と協議の上,基本水量を決定し,通知するとされているのであり,被告知事の決定が市町の申込内容に拘束される構造とはなっていない。 「協議」を経ることとされているものの,あくまで被告知事が決定する裁量を有しているのである。両者の意思表示が合致して成立する私法上の契約とは明らかに性質を異にするものである。 また,条例6条によれば,延滞金を徴収することができるものとされている。私法上の遅延損害金と異なり,条例の定めによって延滞金を徴収することができるのは,地方公共団体が有する債権のうち,地方自治法231条の3第1項に規定する「分担金,使用料,加入金,手数料及- 18 -び過料その他の普通地方公共団体の歳入」である公法上の債権のみであり同条2項このことからも水道水供給をめぐる被告と市町との関係(),が私法上の契約関係でないことは明らかである。 以上のとおり,被告知事による基本水量決定は,公法上の行政行為であるから,基本水量決定を原・被告間の意思表示の合致ととらえ,それにより成立する契約が水道料金支払義務の根拠であるとする原告の主張は誤りである。 (イ)原告は,本件第1決定及び本件第2決定について,いずれも1 本水量決定を原・被告間の意思表示の合致ととらえ,それにより成立する契約が水道料金支払義務の根拠であるとする原告の主張は誤りである。 (イ)原告は,本件第1決定及び本件第2決定について,いずれも1日当たり3407㎥の範囲で原告と被告知事の間の意思が合致したと主張する。 しかしながら,原告による申込は意思表示としてのものでないことは上述したとおりであり,基本水量決定も意思表示(効果意思)の効果として生じるものではないのであるから,そこに両者の意思表示の合致というようなものを観念する余地はそもそもない。 また,基本水量は,使用水量のようにその後の実際の使用に応じて変,。 動するものではなく水道水供給における基本料金を決めるものであるすなわち,被告が,原告に,基本料金をいくらとして水道水を供給するかという供給の前提条件を定めるものである。したがって,基本水量7300㎥/日という条件で水道水を供給するというのと,基本水量3407㎥/日という条件で供給するというのでは,条件が全く異なるのであって,3407㎥/日の限度で重なり合う(合致する)というものではない。 いずれにしても,1日当たり3407㎥の範囲で原告と被告知事の意思表示が合致したとする原告の主張は認められない。 (ウ)平成19年度及び平成20年度のいずれにおいても,基本水量を7300㎥/日とする被告知事の決定が存在しており,基本料金の支払と- 19 -徴収について「法律上の原因」があることは明らかである。 被告知事による基本水量決定は,契約ではなく行政処分であり,行政処分はその内容の適否にかかわらず,取り消されない限り効力を有するものである(公定力。 )なお,被告知事が受水市町に対して基本水量を決定し,供給料金を請求できる根拠は,条例である。 (エ)本件第1決定及び本件第2決 にかかわらず,取り消されない限り効力を有するものである(公定力。 )なお,被告知事が受水市町に対して基本水量を決定し,供給料金を請求できる根拠は,条例である。 (エ)本件第1決定及び本件第2決定は,手続的にも内容的にも条例及び本件協定書に適合したものでありa府営水道事業の管理者の職務を行う,被告知事の立場において,裁量権の行使に逸脱又は濫用があるとは到底認められない。 したがって,原告が不当利得と主張する平成19年度及び平成20年度の基本料金について,各基本水量決定という「法律上の原因」があることはもとより,それらの決定が適法なもので取り消すべき事由がないことも明らかである。 (オ)被告知事は,原告に1日当たり7300㎥を配分することを約し,原告がこれを引き受ける旨を約した本件協定書が締結されており,被告知事がこれに基づいて本件第1決定及び本件第2決定をしている以上,「」。 被告が原告から支払を受けた水道料金について法律上の原因がある(カ)「法律上の原因」があるとする法律構成については,いくつか考えることができる。 1つは,基本水量の決定が申込と承諾という意思表示(契約)によって行われるものだとしても,本件協定書をもって基本水量を7300㎥/日とする双方の予約がなされているとみる構成である。被告知事及び原告は,基本水量を7300㎥/日とする場合には,予約完結権を行使すればよく,相手方の承諾は不要であるが,それと異なる基本水量を求める場合には,予約完結権を行使することなく,改めて申込の意思表示- 20 -をして相手方の承諾を得なければならないということである。 こうした法律構成によれば,原告がした3407㎥/日という申込については,被告知事が承諾しなかったため不成立となり,7300㎥/日を基本水量とする被告知事の決定に なければならないということである。 こうした法律構成によれば,原告がした3407㎥/日という申込については,被告知事が承諾しなかったため不成立となり,7300㎥/日を基本水量とする被告知事の決定については,予約完結権の行使として契約が成立することになるので「法律上の原因」があることになる。 もう1つは,基本水量を定める契約自体は,あくまで条例に基づく申込と承諾の意思表示によって,留保や制限なくなされ得るが,本件協定書による引受義務に反する原告の申込は別途債務不履行となるという構成である。条例に基づいてなされる契約自体には留保を認めない結果,契約としては意思表示の合致する3407㎥/日の範囲でしか成立しないこととなるが,そうした原告の行為は,7300㎥/日を引き受けるとした本件協定書に基づく義務に違反することとなるので,基本料金の差額分について損害賠償義務を負うことになる。 こうした法律構成によれば,基本水量を定める契約としては,原告が申込をした3407㎥/日の範囲でしか成立しないが,原告は基本水量を7300㎥/日とした場合の基本料金との差額を損害賠償すべき義務を負うので,結局は,3407㎥/日の基本料金を超える分についても「法律上の原因」があることとなり,不当利得は成立しない。 また,原告自ら,被告知事に水道水供給事業の整備を要請して,その費用を支出させておきながら,そうした固定費を水道料金の基本料金として反映させるための基本水量について責任ある分担をせず,工業用水分の負担などへの配慮として1万2000㎥/日を7300㎥/日に軽減する合意を取り付けたにもかかわらず,更にその半分近い3407㎥/日での申込をし,その差額を「不当利得」として請求するなどというのは権利の濫用として許されないというべきである。 (4)被告の上記(3)イ(カ) り付けたにもかかわらず,更にその半分近い3407㎥/日での申込をし,その差額を「不当利得」として請求するなどというのは権利の濫用として許されないというべきである。 (4)被告の上記(3)イ(カ)の主張は,禁反言の法理に違反して許されず,時機- 21 -に後れた攻撃防御方法であるか否か。 ア原告原告は,既に本件第1回口頭弁論期日前から,行政処分法理に基づく行政処分取消請求訴訟と契約法理に基づく給付請求訴訟の双方を提起しており,本件第1回口頭弁論期日当日は,口頭弁論で原告としてはいずれかの訴訟形式に固執するものではないとの態度を明らかにした。その後の,本件口頭弁論期日においては,原告は,今後契約法理の側面に比重を移すとの見解も明らかにした。 そのような経緯を経た後,平成20年12月25日の本件第4回口頭弁,「。 論期日において被告は本件について当事者間の意思の合致は要しないこの点に関し,意思の合致の主張はしない」と言明した。 。 前記の被告の新たな主張は意思の合致による契約法理に基づく主張,「」をしているものであり,明らかに上記言明,主張に違反する。 このような主張は,禁反言の法理に違反し,許されない。 本件の審理の進行予定としては,既に平成21年7月17日の本件第8回口頭弁論期日において,訴訟の終結に向け,証拠調べの期日と,最終弁論期日までもが指定された。 被告の上記主張は,これまで何度も機会があったもので,被告がこれをしなかったのは,過失によって忘れていたなどというものでは全くない。 むしろ,積極的にしないと言明していたのである。 にもかかわらず,今になってこのような重大な主張を新たにすることはあまりに時機に後れて提出された防御方法として,主張自体却下されるべきである。 イ被告被告としては,仮に基本水量の決定が契約であ にもかかわらず,今になってこのような重大な主張を新たにすることはあまりに時機に後れて提出された防御方法として,主張自体却下されるべきである。 イ被告被告としては,仮に基本水量の決定が契約であるとされる場合でも,本件協定書が存在し法律上の原因があるから不当利得とならないことは,「」- 22 -当初から主張してきているものである。契約であるとなった場合には何らの主張もすることなく請求を認諾するような訴訟態度を示したことはない上記主張は本件協定書の存在により法律上の原因があるとする。 ,,「」従前からの主張について,いくつかの法律構成を例示して敷衍したものにすぎない。 また,被告が主張しないとした「意思の合致」は,平成19年度及び平成20年度のそれぞれにおいてなされた原告の3407㎥/日という意思表示と被告知事の7300㎥/日という意思表示の合致のことである。 原告が平成19年度も平成20年度も3407㎥/日でしか申し込んでいないのに,7300㎥/日の基本料金を強制できる根拠は何かと聞いたのに対し,被告としては,行政処分であるから意思の合致は要しない,契約という性質であるとしても,本件協定書が存在しているから,毎年度ごとになされる双方の意思表示が合致することは必要でないとの考えを明らかにしたものに他ならない。 本件協定書自体も協定である以上意思の合致であり1つの契約,「」,,であることは当然であるが,そうした意思の合致や契約の存在については当初から主張しているところである。被告の本件第4回口頭弁論期日における釈明が,そうした従前からの主張を撤回するような意味合いでないことは当然であり,本件協定書という契約(予約)や意思の合致があることを前提にしてこそ,毎年度ごとには意思の合致がなくても基本水量を ける釈明が,そうした従前からの主張を撤回するような意味合いでないことは当然であり,本件協定書という契約(予約)や意思の合致があることを前提にしてこそ,毎年度ごとには意思の合致がなくても基本水量を決定できると主張しているのである。 上記主張の法律構成は,いずれも平成19年度及び平成20年度のそれぞれにおいて双方がした意思表示の合致を主張するものではない。 第3当裁判所の判断 争いのない事実等及び証拠(甲1,6~17,18の1~4,21~24,26,乙1~9,10の1・2,11~24,25の1~7,26の1~7,- 23 -,,,,,,,27~3435の1~336の1~337~50 証人A原告代表者なお特に関連する証拠については各文の末尾に掲げた並び。 ,,。)に弁論の全趣旨によれば,本件の経緯につき,以下のとおり認められる。 (1)被告は,昭和46年,経済企画庁に対し,c水系等に係る水需要量調査結果の説明を行ったが,その中の上水道用水需要量調査において,原告は,昭和50年以降の水源を地下水から表流水に転換し,昭和55年における1日最大受水量を1万2450㎥とする旨回答した(乙27)。 (2)被告l府等の水道用水等の確保を事業目的として洪水調節不特定か,,,んがい等の用に供する機能を有するbダム建設事業を行うことなどを内容とす,,るc水系における水資源開発基本計画の全部変更について昭和47年4月内閣総理大臣から,被告知事に対し,意見照会がなされた。 被告知事はこれを関係市町に照会し原告町長からbダム建設事業につ,,,いては早期着工を望むものである旨の回答がなされた(乙4~6)。 (3)昭和47年9月19日閣議決定のc水系における水資源開発基本計画では, に照会し原告町長からbダム建設事業につ,,,いては早期着工を望むものである旨の回答がなされた(乙4~6)。 (3)昭和47年9月19日閣議決定のc水系における水資源開発基本計画では,bダムについて,開発水量は3.7㎥/sとされていた(甲6)。 (4)昭和48年6月付け近畿地方建設局作成のcbダム建設事業計画書には,bダムは京阪神地区に都市用水37㎥/sを供給するとの記載がある甲,. 。(7)(5)昭和52年d町地下水採取の適正化に関する条例が制定された同条,「」。 例では,有限な地下水資源を適正な採取と合理的な利用を図ることによって保護し,併せて大量採取による地盤沈下などを防ぎ,もって住民の福祉に寄与することが目的とされた(乙18)。 (6)昭和53年11月付けe治水利水対策協議会下流部会作成のe下流部における水需給等調査報告書には地盤沈下の調査の結果e沿岸の低平地部を中心,,にかなり広範囲にわたって毎年1㎝以上の地盤沈下の現象がみられe沿岸地,域における水道用水,工業用水等の水源としては安定した表流水に転換して- 24 -いくための十分な検討をしていく必要があるとの記載がある(乙19)。 (7)e治水利水対策協議会下流部会は,昭和54年度の事業として,下流の地下水取水の適正化を図るため,工業用水等の取水状況等がどうなっているか,()を調査するためeの下流部における工業用水の使用量等の調査アンケートを実施した実施対象はa市f市g市及び原告以下後3者を併せてh。 ,,,(,「」。),,,2市1町というであり昭和55年10月下流部会幹事会において原告の水道課長出席の下,とりまとめがなされ,同月11月の下流部会及び総会において,原告町長 ,(,「」。),,,2市1町というであり昭和55年10月下流部会幹事会において原告の水道課長出席の下,とりまとめがなされ,同月11月の下流部会及び総会において,原告町長出席の下,報告がなされた。 同調査は,a市及びh2市1町の合計402の事業所(うち原告の事業所は),(),,14を対象とし昭和65年70年に向けての全般的な用水使用量は繊維工業,金属工業が横ばい傾向を示し,その他業種は上昇を予測し,特に,,機械器具製造業は著しい上昇予測をしているのが目立っている地域的にはa市の用水使用量が全域的に上昇予測しているのに対し,f市が使用水量の減少を予測しまた原告が著しい使用水量増加を予測するなどh2市1町の,,,中でも予測が異なっている,この地域予測を水源別で見ると,原告が回収水を高める予測をしているのが目立っているとされている。また,原告の工業用水将来予測では,昭和53年を100とすると,昭和65年が312,昭和70年が323であった。また,水源別構成比では,昭和65年では,回収水が62.1%,井戸水が34.1%となっており,昭和70年では,回収水が61.3%,井戸水が34.8%となっている。 なお今後における主要検討課題として事業所の大部分がa市南部地域に,,集中していることから地下水取水の適正化を図るためにa市を含め一体的,,に検討する必要がある,井戸水取水の平均現状費用が18.0円/㎥,平均限界費用が21.6円/㎥と,e治水利水対策協議会「e下流部における水道」. ,計画調査における工業用水道試算単価303円/㎥より低くなっており円滑な表流水転換を進めるためには,事業所の限界費用について分析調査等- 25 -を行う必要があるとしている。 同総会において,事務 計画調査における工業用水道試算単価303円/㎥より低くなっており円滑な表流水転換を進めるためには,事業所の限界費用について分析調査等- 25 -を行う必要があるとしている。 同総会において,事務局長は,工業用水の取水の費用については,現在1t当たり11円~26円となっており,事業所の限界費用として食料品製造業が1t当たり40円という高い数値が出ているが,他の業種は30円未満という状況である,アンケートも,直接職員が行って聞き取りをした場合と郵送の場合があり,調査のやり方にも多少の違いもあるので,今後この調査をもう少し分析検討していきたいe治水利水対策協議会下流部会による水道,,,,計画調査で工業用水道の試算単価が水源費を除いて30円30銭であり現在の限界費用が平均21円60銭で,水道の試算単価よりも安くなっていると説明した(甲8,9,乙30)。 (8)昭和56年度のe治水利水対策協議会総会において,理事(技監)から,e下流域のbダムに係る利水配分については,上水道用水,工業用水の表流水転換量を都市用水としてe右岸地域で毎秒065tから086tまでの間. . ,。 ()で関係市町の意向を配慮して調整検討を進めるとの発言があった乙31(9)昭和53年11月付けe治水利水対策協議会下流部会作成のe下流部における水需給等調査報告書の転換量の計算式等と平成56年11月のe治水利水対策協議会のe下流地域に係る新規必要水利権調査結果に基づき原告の工業用,水需要量が6400㎥/日と算出された(乙28,29)。 (10)昭和57年度のe治水利水対策協議会総会において理事代理計画局次,(),,. 長からbダムの建設に係る都市用水の水配分はe右岸地域においても086㎥/sとし,被告及び関係市町は協力してこ 年度のe治水利水対策協議会総会において理事代理計画局次,(),,. 長からbダムの建設に係る都市用水の水配分はe右岸地域においても086㎥/sとし,被告及び関係市町は協力してこの事業化に努めるとの発言がありf市長から 86㎥/sの上水道・工業用水道の事業化について,,. は,h2市1町は,被告の力添えを得たいとの陳情があった(乙20)。 このころ,a市が工業用水道から離脱することになった。 (11)原告町長やi市長らは昭和59年2月水道法5条の2第1項の規定に,,基づきa府水道整備基本構想による南部水道圏に適合した広域的水道整備計,- 26 -画の策定を被告知事に求めた(乙8,9)。 (12)昭和59年10月被告によりh地域水道基本計画調査結果に係る説明,,,,,,会が開かれたが工業用水道は原価が高くなるため事業が不可能であり全量上水として配分することとして,早急に配分量を決定する必要があるとの説明がされた(甲10,乙7)。 (13)原告町長やi市長らの上記要望に対し,被告は,昭和60年9月ころ,a府南部地域広域的水道整備計画を策定したこの計画では原告のa府営水道。 ,。 ,,からの受水量は1万2000㎥/日とされたなおこの策定に当たっては同年6月ころ被告知事が関係市町に対しa府南部地域広域的水道整備計画,,について計画案に基づき協議を申し入れていた。同計画案には,各市町の具体的な水量については記載がなかった。既存「j水道」と「第二j水道」の統合及びh地域への拡張を骨子とする府営水道用水供給事業を根幹的水道施設として整備するとされ,施設整備に当たっては,給水区域内における給水サービス等の平等化を考慮すると共に,渇水時や災害時の対策として,近隣市町村 の拡張を骨子とする府営水道用水供給事業を根幹的水道施設として整備するとされ,施設整備に当たっては,給水区域内における給水サービス等の平等化を考慮すると共に,渇水時や災害時の対策として,近隣市町村との連携についても考慮し,より安全で安定した給水を図るとされた。また,市町村水道事業の主たる水源は,地下水源であるとしている。 原告は,昭和60年7月10日,この計画に同意し,同年10月,被告議会定例会の本会議でも同意がされた(乙10の1・2,11~13)。 (14)昭和61年10月8日付けでi市長から被告知事に対して「a府営水道用」,,水供給事業に係る受水についてと題する書面が作成されたが同書面には府営水道の受水量について1日最大受水量6万9200㎥,計画目標年次昭和75年次として申し込む旨の記載がある。 また,同日付けでi市長から被告知事に対して「a府営水道用水供給事業に」,,,係る受水についてと題する書面が作成されたが同書面においてi市長は申込の受水量について,今後需要予測の変動等がある場合には協議を行うこと料金制度等についても協議を行うことへの配慮を要望した乙39 ,。(,- 27 -0)(15)昭和61年11月7日付けで被告企業局長から原告町長に対してa府営「()」,水道用水供給事業に係る受水について依頼と題する書面が作成されたが同書面は,原告に対し,申請に必要な受水量について申込をするように求めるものであり,目標年次(昭和75年)の1日最大需要量は,1万2000㎥/日とされた。 被告企業局としては,今回の数量は事業認可を受けるためのものであり,細部については今後協議するとのことであった(甲11,12)。 (16)原告町長は,被告知事に対し,昭和61年11月27日,1日最大受水量1万200 今回の数量は事業認可を受けるためのものであり,細部については今後協議するとのことであった(甲11,12)。 (16)原告町長は,被告知事に対し,昭和61年11月27日,1日最大受水量1万2000㎥(計画目標年次昭和75年次)を要望した。 同日付けで原告町長から被告知事に対してa府営水道用水供給事業の推進「についてと題する書面が作成されたが同書面には受水量についてh2」,,,市1町がbダム完成によって生じる利水については地下水の将来展望に立,,って,水道水としての水源確保と共に工業用水への利用を大きな目的としていたものであったが,結果的に水道水及び工業用水としての都市用水から,水道用水としての利水配分となったことにより,水道事業財政のみでは対応できるものでなく,極端な危機に直面することが予想されるので,被告としてこの現状を察して十分な配慮をしてほしいとの記載がある。 また同日付けで原告町長から被告企業局長に対してa府営水道用水供給,「」,,事業に係る受水についてと題する書面が作成されたが同書面においても府営水道の年次受水量については,本町自己水との関連において,今後の需要予測に基づき,供給開始時期及び年次受水量等の協議をしてほしい,工業用水が水道用水の中に含まれることになった経緯をふまえ,政策的に格段の,,配慮を願うと共に十分協議をしてほしい表流水導入に伴う先行投資負担等水道料金への急激な負担増とならないよう配慮を願うと共に十分協議をしてほしいとの記載がある(甲13~15,乙15)。 - 28 -(17)f市長は被告知事に対し昭和61年11月27日1日最大受水量1,,,万6800㎥(計画目標年次昭和75年次)を要望した。 同日付けでf市長から被告企業局長に対して「a府営水道用水 (17)f市長は被告知事に対し昭和61年11月27日1日最大受水量1,,,万6800㎥(計画目標年次昭和75年次)を要望した。 同日付けでf市長から被告企業局長に対して「a府営水道用水供給事業に係る受水について」と題する書面が作成されたが,同書面には,要望した受水,,,量はあくまでも都市用水としての必要水量でありこの間の経過をふまえ事業実施に際しては,地域の実情を十分斟酌し,経済的に市民への負担転嫁とならないよう格段の配慮をしてほしい旨の記載がある。 また,同日付けでf市長から被告知事に対して「a府営水道用水供給事業の推進について」と題する書面が作成されたが,同書面には,要望に基づく府営による水道事業の実施に当たり,経営認可申請に必要な府営水道受水量についての添付資料を提出した,h2市1町が,bダム完成によって生じる利水については,地下水の将来展望に立って,水道水としての水源確保と共に工業用水への利用を大きな目的としたものであったが,結果的に都市用水から水道用水としての利水配分となったことにより,受け皿としての水道財政が。()極端な危機に直面することが予想されるとの記載がある乙35の1~3(18)g市長は被告知事に対し昭和61年11月27日1日最大受水量4,,,万㎥(計画目標年次昭和75年次)を要望した。 同日付けでg市長から被告企業局長に対して「a府営水道用水供給事業に係る受水について」と題する書面が作成されたが,同書面には,受水量について都市用水として進めた経緯があることから事業の実施に当たってはh地,,域の実情を十分くみ取り,格段の配慮をしてほしいとの記載がある。 また,同日付けでg市長から被告知事に対して「a府営水道用水供給事業の推進について」と題する書面が作成されたが,同書面には, 地,,域の実情を十分くみ取り,格段の配慮をしてほしいとの記載がある。 また,同日付けでg市長から被告知事に対して「a府営水道用水供給事業の推進について」と題する書面が作成されたが,同書面には,被告としては,利水配分に係る全水量について水道用水として事業を実施する以外に良策がないとのことであるので,この事業の実現に向けて協力するために,必要書類等を企業局長宛てに提出した,h地域では,水道用水及び工業用水をbダム- 29 -の利水配分によって確保したいと考えていたが,今回これが水道用水として一本化されることに伴い,事業の実施に当たっては,特に工業用水の扱いに。()ついて政策的に格段の配慮をしてほしいとの記載がある乙36の1~3(19)平成9年度に原告が作成したd町の水道と題する文書には原告にお「」,ける水源は,すべて地下水の揚水によってまかなっていることから,このままでは将来の住民生活や産業活動への影響が予測され,緊急課題として地下水保全や代替水源の確保について論議検討をしてきたa府営用水供給事業,,によって 86㎥/sを水源とする仮称h浄水場が平成12年度供用開始,. をめどに建設工事が進められておりh2市1町がこれを受水することができ,るようになったとの記載がある(乙14)。 (20)a府営h水道の基本料金,従量料金の検討を開始した平成9年6月4日に開催されたa府営水道受水市町管理者会議(h系)において,事業費は304億3800万円となる施設整備事業費水源費を除くについてはおお,(。),むね300億円としたいとの話があった。これ以前に,原告を含む関係市町に対して,具体的な府営水道料金が示されたことはなく,また,同会議においても,供給原価が示されることはなかった。 原告を含む ,むね300億円としたいとの話があった。これ以前に,原告を含む関係市町に対して,具体的な府営水道料金が示されたことはなく,また,同会議においても,供給原価が示されることはなかった。 原告を含むh2市1町からなるh上水道事業連絡協議会は,被告に対し,府営水道受水に係る企業との協議を始め,水道事業の財政計画の策定には,料金抜きでは先に進まないので,早く決めてほしいとの要望をした。 なお,施設整備事業費については,当初250億円であったが,最終的には,300億円から1割以上は増額した。これについて,だれがどのような割合で負担するということは被告と原告を含むh2市1町との間で協定はな,かった(乙42,証人A)。 (21)平成9年10月16日に開催された府営水道に係る情報交換会では,府営水受水量については被告及び市町全体として未だ正式に確認がされておらず,市町から明確な受水量が示されれば被告としては試算は可能であるとさ- 30 -れたこの情報交換会に提出された参考資料ではbダムの建設費の被告の負。 ,担について,当初(昭和57年度)は73億6176万円,第1回変更(平成5年度)では97億5433万2000円,第2回変更(平成8年度)では112億6349万3000円と試算されている(乙43,44)。 (),(22)平成9年11月13日のa府営水道受水市町管理者会議h系においてh2市1町における最終受水量は6万8800㎥/日であるが現在整備を進,めている浄水場の施設能力は4万6000㎥/日であるとされ,これに対する各市町の配分水量については市町間で整理調整することとなった(乙3。 2),(),(23)平成10年2月6日a府営水道受水市町管理者会議h系が開催され,()あらかじめ受水市町間で調整された結 については市町間で整理調整することとなった(乙3。 2),(),(23)平成10年2月6日a府営水道受水市町管理者会議h系が開催され,()あらかじめ受水市町間で調整された結果である施設能力1日最大給水量として,最終の規模を6万8800㎥/日,給水開始時点の規模を4万6000㎥/日とし,h浄水場の供給開始に伴う配分水量はf市1万3000㎥/日g市2万6000㎥/日原告7000㎥/日とすることが被告及び各市,,町で確認された(乙45)。 (24)平成10年3月17日付けで被告企業局長から原告町長に対してa府営「水道h浄水場仮称に係る施設整備等に関する協定の締結についてと題す()」る書面が作成され,被告企業局長から原告町長に対して本件協定書の締結の依頼があった(乙46)。 (25)被告知事と原告町長との間で平成10年3月30日付けで,本件協定書が締結された。 本件協定書の体裁は,下記のようなものである。 記(,)()被告知事被告の水道事業の管理者の権限を行う知事甲と原告町長乙は,a府営水道h浄水場(仮称)に係る施設整備,水配分等に関して,次のとおり協定を締結する。 - 31 -(施設整備)第1条甲はa府営水道h浄水場仮称の整備に当たってはh地域の社会,(),経済情勢の推移に伴う水需要の動向を踏まえ,過度の先行投資とならないよう,段階的に行うものとする。 前項に基づき,当面整備する施設能力(供用開始時における給水能力)は,1日当たり4万6000㎥とする。 (拡張整備)第2条a府営水道h浄水場仮称に係る将来の拡張整備についてはh地域(),の地下水から地表水への転換状況など水需要の動向を勘案しながら,甲乙協議調整の上,進めるものとする。 (配分水量 第2条a府営水道h浄水場仮称に係る将来の拡張整備についてはh地域(),の地下水から地表水への転換状況など水需要の動向を勘案しながら,甲乙協議調整の上,進めるものとする。 (配分水量)第3条甲が供用開始に伴い乙に配分する1日当たりの水量は,7300㎥とし,乙はこれを引き受けるものとする。 (協議)第4条この協定書に定めのない事項又はこの協定書の事項について疑義が生じたときは,甲乙協議してこれを定めるものとする。 なお,甲欄には「a府知事B」の記名と被告知事の印が,乙欄には「d町,,長C」の記名と原告町長の印がある。 同様の協定書はf市名義はf市水道事業管理者g市名義はg市水道事,(),(業管理者)との間でも締結された。 ,。(,この段階でも事業は6万8800㎥/日を前提に進行していた乙133,34,47,証人A)(26)原告から被告知事に対し平成10年3月ころ平成9年度a府h郡d町,,,水道事業(第4次拡張計画変更)変更認可申請書による申請がされた。同申,,,,請の理由は原告において近年地下水低下や水質悪化が生じ始めたため水道用水の安定供給のため,安定した地下水と表流水の二元水源確保の必要- 32 -が生じ,bダムを水源としたa府営水道による用水供給事業が本格化し,平成11年度から導入が実現することとなったというものであった。また,1日最大給水量について,520ℓ/人を805ℓ/人に変更するとされた。 これに伴う平成10年3月30日付けの原告町長から被告企業局長に対する「水道事業変更(第4次拡張計画変更)に伴う府営水道からの供給水量の()」,,確約書交付について依頼と題する書面には開始年次を平成11年度目標年次を平成24年度,一日最大給水量(受水 る「水道事業変更(第4次拡張計画変更)に伴う府営水道からの供給水量の()」,,確約書交付について依頼と題する書面には開始年次を平成11年度目標年次を平成24年度,一日最大給水量(受水量)を1万2000㎥とする旨の記載があり,これに対する平成10年4月16日付けの被告企業局長から原告に対するd町水道事業変更第4次拡張事業計画変更認可に係る「()a府営水道からの用水供給水量について(回答」と題する書面には,原告に)は平成24年度を目標として1日最大1万2000㎥を供給する旨の記載がある(乙21~23)。 (27)平成11年11月a府営水道事業経営懇談会はa府営水道事業の経営,,「()」,,のあり方及び施設設備の方向についての提言第4次として水道事業はその経営に要する経費について,法令等により国庫や一般会計で負担されるものを除き,料金収入をもって充て,事業を継続していくという独立採算の原則と,この原則に沿って,その経費は利益を受ける者が負担するという受益者負担の原則の下に運営していくこととされるとし,基本水量及び供給水量は,被告と受水市町との協定によって定められた水量であり,また,配分水量(基本水量)として,平成10年3月30日付けで被告知事と各受水市町水道事業管理者等との間で締結した協定書によるとした。 そして,施設能力を超える水利権等の資産を建設仮勘定に据え置き,それらに係る費用を最大限繰り延べることとして積み上げると,固定費を約18億円繰り延べることが可能となるとしたなおbダム建設費の被告負担分は。 ,約130億円とされた。 この提言は,記者発表を通じて公表された。記者発表資料には,懇談会と- 33 -しては,被告の財政状況を考慮し,一般会計からの支援を前提とした提言はできない 担分は。 ,約130億円とされた。 この提言は,記者発表を通じて公表された。記者発表資料には,懇談会と- 33 -しては,被告の財政状況を考慮し,一般会計からの支援を前提とした提言はできないと判断したが,今後,府財政の見直しを進められる中で可能であれば,受水市町の負担を軽減するための一般会計からの支援についても配意されたいとの記載がある(乙24,48,49)。 (28)平成12年5月10日付けで被告企業局長からh系各受水市町水道事業管理者に対して「a府営水道h浄水場の供給開始に係る給水申込みについて(通知と題する書面が作成されたが同書面には年間における1日当たりの)」,,最大の受水量として,平成10年3月30日付けで被告知事と各受水市町水道事業管理者等との間で締結した協定書による配分水量をいうとの記載がある(乙37。 。 )(29)府営水の給水が開始された平成12年10月1日以降,平成18年度まで,原告から,毎年,本件協定書に基づいた基本水量7300㎥/日の給水申込がなされ被告知事は同申込水量で給付する決定をした甲22乙,,。(,25の1~7,26の1~7)(30)平成13年2月28日付けで,被告知事とk市公営企業管理者との間でa府営水道の供給料金等に関する条例に基づく府営水道の給水等に関する協定書が締結されているが,同協定書では条例2条1項の規定する「1日当たり」「」の最大の受水量及び条例2条2項の規定する1日当たりの最大の給水量という記載があり,これが「配分水量」とは区別されている(乙38)。 (31)平成15年11月付けa府営水道事業経営懇談会作成の「第6次提言h浄水場系の運営のあり方について」と題する書面では,料金の決定基準として公正妥当なものとの理由から受益者負担の 。 (31)平成15年11月付けa府営水道事業経営懇談会作成の「第6次提言h浄水場系の運営のあり方について」と題する書面では,料金の決定基準として公正妥当なものとの理由から受益者負担の原則を導いているま,「」「」。 た,導送水施設等の有形資産(約47億円)については,実態的には,既に供用している施設で経常的に資産価値の減耗が発生している事実があり,早期に減価償却を開始することが適切であるから,今回の料金算定に組み入れるべきであるとしている(甲26)。 - 34 -(32)平成15年12月18日,原告議会は,被告知事に対し,企業使用の予測水量は,契約水量から外してほしい旨要望した(甲24)。 (33)被告は,原告に対し,本件第1申込が本件協定書の水量と一致しないので,申込を受けることはできず,再度,本件協定書の内容を踏まえて申込をするよう求めたが,原告は,被告に対し,平成19年3月5日,被告から原告に返送された本件第1申込の「給水申込書」を受け取ることはできない旨回答した(乙2,3)。 (34)平成19年6月13日の原告議会の平成19年第2回定例会において,原告代表者は被告とは平成19年1月18日以降副知事と2回企業,「,,,局長と8回計10回の協議をして現在も協議が継続中であると発言し,,。」た(乙17)。 ,,(35)平成19年10月2日の被告議会総務常任委員会において企業局長は「3400㎥あまりの申込書はいったん戻して議論をしませんかという呼びかけをしており,そういう意味では協議はしていない状況になっていると思うが被告としては話合いをするということをずっと言っていると発言し,。」た(乙16)。 (36)原告の水道事業は,平成11年度には3850万10 味では協議はしていない状況になっていると思うが被告としては話合いをするということをずっと言っていると発言し,。」た(乙16)。 (36)原告の水道事業は,平成11年度には3850万1000円の黒字を計上していたが,平成12年度から平成19年度までの8年間に合計8億4000万円を超える累積赤字を計上している。また,平成20年度は,4958万7000円の赤字を計上している。 原告の水道料金はa市f市g市などの他の地方公共団体に比べ高額と,,,,なっている(甲16,17,18の1~4,22,23)。 (37)h府営水道の料金については日常的な給水に必要な費用変動費を負,()担する料金である従量料金と,水道事業を始めるに当たり,先に投資した水源開発や施設整備にかかった経費(固定費)を負担する料金である基本料金の2部料金制がとられている。 - 35 -従量料金についてはi系は19円/㎥l系は39円/㎥h系は36円/,,,㎥である(甲1,乙50)。 争点(1)(第1事件について訴えの利益はあるか(被告の本案前の主張)に)ついてまず,本件第1決定及び本件第2決定が行政処分であるか否かについてみるに確かにa府営水道は原告ら市町の要望により策定された広域的水道整備計,,画に基づく水道用水供給事業として実施されたものであること,基本水量は,被告知事が関係市町間の調整をふまえて決定すべきものであることが認められ,上記各決定は,純粋な私法上の法律行為とはいい難い面を有するものである。 しかしながら,一般に処分性が認められる行政活動とは,行政庁による公権力の行使として行われる国民の権利義務の範囲を形成し又はその範囲を具体的に確定する行為をいうところ,本件第1決定及び本件第2決定は,地方公共 ら,一般に処分性が認められる行政活動とは,行政庁による公権力の行使として行われる国民の権利義務の範囲を形成し又はその範囲を具体的に確定する行為をいうところ,本件第1決定及び本件第2決定は,地方公共団体である被告が同じく地方公共団体である原告に対してしたものであること,「年間における1日当たりの最大の給水量」の決定は,被告知事が一方的に行うのではなく,市町からの申込を受けて協議の上で行うものであること,基本料金の徴収について,滞納処分の例によることができるとの規定はないこと,基本水量の決定は,条例の名称にも趣旨にも何らの規定がなく,むしろ(給水の申込み等)との見出しの下に規定されているにすぎず,条例自体も基本水量の決定が行政処分であることを前提としているとはいい難いことが認められ,以上の点にかんがみれば,本件第1決定及び本件第2決定は処分性が認められる行政活動とはいえず,むしろ,行政行為とは異なる公法上の法律関係に基づく法律行為と解するのが相当である。 そうすると,本件訴えのうち,第1事件の請求に係る部分は,訴えの利益がないことになり争点(2) 被告知事のした本件第1決定及び本件第2決定が行,(政処分であるとして,本件各決定が適法であるか否か)について判断するまで- 36 -もなく,同部分は却下を免れない。 争点(3)本件第1決定及び本件第2決定が契約に基づく意思表示承諾で(()あり,被告は,原告に対し,意思の合致を超える部分の基本料金を不当利得と)(,して請求できるか否か及び争点(4) 被告の前記第2の3(3)イ(カ)の主張は禁反言の法理に違反して許されず,時機に後れた攻撃防御方法であるか否か)について(1)ア前記認定の事実によれば,e沿岸地域においては,広範囲にわたって地盤沈下の現象がみられ,水道用 カ)の主張は禁反言の法理に違反して許されず,時機に後れた攻撃防御方法であるか否か)について(1)ア前記認定の事実によれば,e沿岸地域においては,広範囲にわたって地盤沈下の現象がみられ,水道用水,工業用水用の水源として安定した表流水に転換していく必要があり,このような状況の下,原告町長は,当初からbダム建設事業の早期着工を要望しており工業用水の扱いをめぐって,,紆余曲折はあったものの被告のa府南部地域広域的水道整備計画は基本,,的にはこのような原告を含む関係市町の要請に基づき策定されたものであったこと同計画において原告のa府営水道からの受水量は1万2000,,㎥/日とされ原告はこの計画に同意していることその後h2市1町に,,,おける受水量は6万8800㎥/日から4万6000㎥/日に減量され,確かに原告を含むh2市1町は府営水道料金がいくらになるのかについて,は関心を持っていたものの最終的にこの受水量につきh2市1町が自ら調,整してその分配を決め,原告は7300㎥/日(当初は7000㎥/日)となったものであること,本件協定書はこのような経緯を経て締結されたものであり,配分水量として,配分する1日当たりの水量は,7300㎥とした上で,原告はこれを「引き受けるものとする」としていること,本件協定書の水量は前記のとおり,当初の水量から大幅に減量したものとなっており,段階的整備や工業用水分への配慮等の原告の意向や要望を踏まえて減量されたものであること平成11年11月のa府営水道事業経営懇,談会によるa府営水道事業の経営のあり方及び施設設備の方向についての「提言第4次において基本水量及び供給水量は被告と受水市町との()」,,- 37 -協定によって定められた水量であり,配分水量( 水道事業の経営のあり方及び施設設備の方向についての「提言第4次において基本水量及び供給水量は被告と受水市町との()」,,- 37 -協定によって定められた水量であり,配分水量(基本水量)として,本件協定書によるとし,平成12年5月10日付けの「a府営水道h浄水場の供給開始に係る給水申込みについて通知と題する書面においても年間()」,における1日当たりの最大の受水量は本件協定書による配分水量である旨の記載があること,原告は,平成12年以降,平成18年度まで,毎年,本件協定書に基づいた基本水量7300㎥/日の給水申込をし,被告知事は,同申込水量で給水するとの決定をしていることが認められ,以上によれば,本件協定書の締結に至る経緯は,被告の原告に対する一方的な押し付けといったものではなく,むしろ,原告の要望等をふまえ,原告の意向を十分に尊重しながらなされたものであるということができる。こうした経緯を経て作成された本件協定書は,給水についての原告の申込及び被告の決定の基本となるべきものであり,本件協定書の締結は原告と被告との間の基本水量に関する公法上の給水契約の予約であると認められる。そし,,,てこのような予約の下で本件協定書と異なる申込及び決定をするには原告と被告の協議の上,これを変更するとの合意に至ることが必要であるというべきであり,協議に基づく変更がなされない以上,本件協定書に基づく予約の効果が存続するものと解するのが相当である。 イ確かに本件協定書には配分水量との記載はあるものの何ら基,,「」,「本水量」との記載がないが,本件協定書が給水開始前において作成されたことにかんがみれば前記1(30)記載のk市の協定書と体裁が異なっていて,も不自然ではない。 ウまた,条例自体は, 」,「本水量」との記載がないが,本件協定書が給水開始前において作成されたことにかんがみれば前記1(30)記載のk市の協定書と体裁が異なっていて,も不自然ではない。 ウまた,条例自体は,市町が毎年,基本水量を被告知事に申し込まなければならず,他方,知事は,申込を受けたときは,市町と協議の上,基本水量を決定し,通知するとしているだけであり,基本水量に関する給水契約の予約をすること自体を明示的に禁止しているわけではないから,本件協定書の締結が条例に反するものとまでいうことはできない。 - 38 -エそして,前記1(33)~(35)記載の事実によれば,本件第1決定及び本件第2決定に当たって,原告と被告との間において協議自体は行われているか,少なくとも協議の機会は提供されているということができる。したがって,本件第1決定及び本件第2決定に至る手続に瑕疵があったということもできない。 オ本件協定書に基づく基本水量は,現時点において,原告の必要とする水量を上回っているものであることがうかがわれるが,水道用水供給事業においては,投資した水源開発や施設整備にかかった経費(固定費)を捻出する必要があるところ,同事業の公共性・公益性にかんがみれば,このような経費は被告や国に加え受益者である原告らh2市1町の負担によっ,,てまかなうべきものである。したがって,原告が基本水量の減額を求めることは,他の地方公共団体の負担が増加することに直結するものであり,これらの地方公共団体が基本水量の減額分を受け入れることを同意するなどの事情のない限り,原告が一方的にこのような要求をすることは許されないものというべきである。 そして,このような水道用水供給事業における特殊性にかんがみれば,上記のような原則が地方財政法や地方公営企業法a府公営企業の設置 が一方的にこのような要求をすることは許されないものというべきである。 そして,このような水道用水供給事業における特殊性にかんがみれば,上記のような原則が地方財政法や地方公営企業法a府公営企業の設置等に,関する条例等に違反するものであるともいえない。 ,,確かに原告の財政状況については必ずしも良好なものとはいえないがこのことが直ちに本件協定書の効力を否定する理由とはなり得ない。 カなお,原告町長は,平成19年9月6日の原告議会の平成19年第3回定例会においてa府営水道は受水市町の申込に基づき多額の資本の投下,,をし,水源開発及び施設整備を行っているという点から,その施設維持に(),係る経費固定費については基本料金として確実に回収するなどにより府営水道事業の基盤を維持することができる,ただし,それぞれの自治体水道事業は府営水道から供給を受ける受水事業であり,適切応分にその負- 39 -担に応えていくものであって,とりわけ公平を欠く状況が生じた場合には常に調整の努力を求めていく必要がある,基本料金は算定期間内に発生する固定費をその間の基本水量の合計で除した1㎥当たりの単価である,料金算定は,あらかじめ受水市町に受水計画の提出をさせた水量の合計によって算定されると答弁し乙52また平成19年12月10日の原告(),,議会の平成19年第4回定例会において,本件協定書は,施設整備に関するものでありh浄水場の施設能力を1日当たり4万6000㎥としうち,,原告は7300㎥を配分水量とするものであり,この水量は基本水量を算定する際の基となるものであると答弁した(乙53)との議事録も証拠として提出されているが,これらの証拠はD証人の証言の弾劾証拠として尋問の当日に提出されたものであり,上記の答弁内容自体を本件協定 算定する際の基となるものであると答弁した(乙53)との議事録も証拠として提出されているが,これらの証拠はD証人の証言の弾劾証拠として尋問の当日に提出されたものであり,上記の答弁内容自体を本件協定書の内容を評価する直接の証拠として用いることはできない。 (2)原告は被告の主張について禁反言に反し時機に後れた攻撃防御方法,,,として却下されるべきである旨主張するが,被告の予約等の主張は,本件第1申込及び本件第1決定,本件第2申込及び本件第2決定についての意思の合致をいうものではなく,むしろこのような主張は本訴提起当時から明示ないし黙示にされていたものである。他方で,本訴において,被告がかかる主張をしたことによって,新たに主張の整理が必要となったり,証拠調べが必要となるなど,訴訟が遅延したなどの事情は認められないから,原告の主張は採用できない。 (3)以上によれば本件協定書を前提とする原告の基本料金の支払には法律,「上の原因」があるから,原告の不当利得返還請求は理由がないというべきである。 そうすると,本件第1決定及び本件第2決定を行政処分として,その取消を求める第1事件の請求に係る訴えは不適法であるから却下し第2事件の不,,当利得返還請求は理由がないから棄却する。 - 40 -京都地方裁判所第3民事部裁判長裁判官瀧華聡之裁判官佐野義孝裁判官梶山太郎
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