主文 1 原告a,同b,同c,同d,同e,同f,同g,同h,同i,同j,同k,同l 及び同m の訴え並びに原告n,同o,同p,同q,同r 及び同s の訴えのうち中国地方整備局長が株式会社かなわに対してした平成26年12月12日付けの土地の占用の許可処分及び工作物の新築等の許可処分の取消しを求める部分をい ずれも却下する。 2 原告n,同o,同p,同q,同r 及び同s のその余の訴えに係る請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実 及び理由 第1 請求中国地方整備局長が株式会社かなわに対してした平成26年12月12日付けの土地の占用の許可処分及び工作物の新築等の許可処分並びに平成29年3月31日付けの土地の占用の許可処分をいずれも取り消す。 第2 事案の概要 1 事案の要旨本件は,国土交通省の中国地方整備局長(以下,単に「整備局長」という。)が株式会社かなわ(以下「かなわ」という。)に対してした,①平成26年12月12日付けの,広島市B区C町D丁目地先の河岸(元安橋東詰下流箇所。以下「本件土地」という。)における船上食事施設(いわゆるかき船。以下「本件 施設」という。)の設置に係る河川法(以下,単に「法」という。)24条に基づく土地の占用の許可の処分(以下「本件旧占用許可処分」という。)及び法26条1項に基づく工作物の新築等の許可の処分(以下「本件新築許可処分」という。)(国中整太河管第710号)の取消しを,②平成29年3月31日付けの,①と同様の土地の占用の許可の処分(国中整太河管第242号。以下「本 件新占用許可処分」といい,本件旧占用許可処分と併せて「本件各占用許可処 分」といい,本件各占用許可処分と本件新築許可処分を併せ の土地の占用の許可の処分(国中整太河管第242号。以下「本 件新占用許可処分」といい,本件旧占用許可処分と併せて「本件各占用許可処 分」といい,本件各占用許可処分と本件新築許可処分を併せて「本件各処分」という。)の取消しを,それぞれ求める事案である。 2 関係法令・通達の定め別紙「関係法令・通達の定め」記載のとおりである。 3 前提事実(当事者間に争いがないか,後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容 易に認められる。) 太田川水系元安川(河川延長5.4km。以下,単に「元安川」という。)は,国土交通大臣が指定する一級河川であるところ,旧太田川からの分派点から旧太田川との合流点までの全区間について,昭和47年,一級河川の管理に係る国の権限に属する事務の一部を広島県知事が行うことになる指定区 間ではない,国土交通大臣が管理を行う区間とされ,現在に至っている。 元安川における法24条及び26条1項の許可の許可権限は,法98条及び同法施行令53条1項に基づき,国土交通大臣から整備局長に委任されていることから,本件各処分の許可権者は整備局長であり,その事務処理は,中国地方整備局決裁規則(平成13年1月6日付け国中整訓第2号)に基づ き,太田川河川事務所長(以下,単に「河川事務所長」という。)の専決事項とされている(乙7の2,乙49から52まで)。 法24条の許可については,占用許可準則が,法26条1項の許可については,工作物設置許可基準が,それぞれ審査基準として定められている。 かなわは,昭和37年9月,元安川における当時の許可権者であった広島 県知事から旧河川法に基づく許可を受け,昭和38年から,平和大橋の下流に位置する広島市B区C町F丁目G番地先の元安川左岸(以下「従前土地 和37年9月,元安川における当時の許可権者であった広島 県知事から旧河川法に基づく許可を受け,昭和38年から,平和大橋の下流に位置する広島市B区C町F丁目G番地先の元安川左岸(以下「従前土地」という。)に船上食事施設(かき船)(以下「従前施設」という。)を設置して料亭として営業していた。 平成3年9月27日,台風19号により生じた洪水によって従前施設が流 出し,平和大橋に衝突して高欄の一部を損傷させたことから,被告は,平成 9年から平成19年まで,かなわに対して,従前施設の撤去の検討を文書で要請していた。 被告は,平成20年7月7日,広島市に対し,従前施設の存続の可否について意見照会をしたところ,広島市は,かき船が貴重な観光資源の一つであることから存続が可能となるよう協議を行いたいと回答した。 整備局長は,広島市が,かき船を観光資源とし,治水対策を検討する旨回答したことから,平成24年3月30日,かなわに対し,平成25年3月31日までの従前土地における土地の占用を許可した。 一方,広島市は,かき船を存続させるため,治水上の対策として,護岸を切り欠き,死水域を広げる工事を検討したが,市民生活への支障が大きく困 難と判断して断念した。 かなわは,平成25年3月27日,法24条に基づき従前土地における土地の占用の許可申請を行った。 これに対し,整備局長は,同月29日,かなわに対し,平成26年3月31日までの占用を許可したが,その際,河川事務所長は,かなわ自らが平成 25年度中に治水上の対策を講じなければその後の従前土地における占用の許可はできない旨を通知した(乙40から42まで)。 これを受け,かなわは,平成25年4月2日,被告に対し,検討案として,従前施設がこれま の対策を講じなければその後の従前土地における占用の許可はできない旨を通知した(乙40から42まで)。 これを受け,かなわは,平成25年4月2日,被告に対し,検討案として,従前施設がこれまで50年間営業してきて広島の風景の一部として観光名物となっており重要な観光資産であること,広島かきのおいしさや安全性を全 国に伝えるツールになっていること,年間約2万人が訪れていることなどを挙げ,従前土地での営業の継続が最良であるが,治水上の理由でこれができないのであれば,約300m上流に位置し,現在掘り込み桟橋が設置され乗船場になっている場所(本件土地付近)へ移転する可能性を考えており,協議を希望する旨を通知した(乙43)。 かなわは,平成26年3月18日,法24条に基づき従前土地における土 地の占用の許可申請を行った。当該申請に係る申請書には,新設計画書として本件土地付近におけるかき船の新設について,同年6月から建造に入り,同年12月に本件土地付近に係留し,平成27年7月に完成予定であるとの具体的な工程表が添付されていた。 また,広島県知事と広島市長は,連名の上,整備局長に対し,今後のかき 船の在り方について恒久的な治水上の課題への対応も含めて広島県と広島市が連携して早期完了を目指して総合的な検討を行うこととしており,河川占用許可申請について特別の配慮を賜りたい旨を文書で要望した。 整備局長は,以上を踏まえ,平成26年3月31日,かなわに対し,平成27年3月31日までの従前土地における土地の占用を許可した。 (乙44か ら46まで)。 広島市は,かき船の設置に関して被告と協議を続け,また,有識者,市民団体,経済観光団体及び中国地方整備局や広島市を含む行政機関で構成される「水の都ひろしま推進協議会 ら46まで)。 広島市は,かき船の設置に関して被告と協議を続け,また,有識者,市民団体,経済観光団体及び中国地方整備局や広島市を含む行政機関で構成される「水の都ひろしま推進協議会」(以下,単に「推進協議会」という。)においても検討を続けた。 かなわは,平成26年11月7日,広島市長に対し,従前土地での営業活動が治水上の課題を有することから係留地の移転によりこれを排除し,継続的な事業展開を図り,より一層の都市及び地域の再生に資するべく,本件土地周辺を占用許可準則第22が定める「都市及び地域の再生等のために利用する施設が占用することができる河川敷地の区域」(以下「都市・地域再生等 利用区域」という。)に指定するよう広島市長から要望してほしい旨の要望書を提出した。 これを受け,広島市長は,同月26日,整備局長に対し,「河川敷地占用許可準則の都市・地域再生等利用区域の指定等に関する要望書」を提出した。 同要望書の内容は,かなわが,かき船の係留について,治水上の支障のない 死水域であること,河岸緑地の占用や景観協議等関係法令を遵守することの 諸条件を整えたことから,元安橋東詰南側(本件土地付近を指す。)への移転を希望し,その区域を都市・地域再生等利用区域とする指定がなされるよう要望があったところ,広島市としても,治水上の支障を排除し,市民生活の安全を確保すること,広島の川の風景であるかき船は広島への観光客をひきつける魅力的な資源であり,「水の都ひろしま」にふさわしい個性と魅力ある 風景づくりに大きく寄与することから,かき船が継続して事業展開できるよう,占用許可準則第22第1項が定める都市・地域再生等利用区域として本件土地周辺を,同3項が定める,「当該都市・地域再生等利用区域における都市及び地域 することから,かき船が継続して事業展開できるよう,占用許可準則第22第1項が定める都市・地域再生等利用区域として本件土地周辺を,同3項が定める,「当該都市・地域再生等利用区域における都市及び地域の再生等のために利用する施設に関する占用の方針」(以下「都市・地域再生等占用方針」という。)に係る「都市・地域再生等利用区域において 占用の許可をできる施設」として「かき船(船上食事施設),桟橋等係留施設(船舶係留施設)及びその他付属設備」を,同4項が定める,「当該都市・地域再生等利用区域における都市及び地域の再生等のために利用する施設の占用主体」(以下「都市・地域再生等占用主体」という。)として「かき船を営業する事業者等であって,水の都ひろしま推進協議会において適切であると 認められたもの」を,それぞれ指定してほしいとするものであった。(乙1)整備局長は,同月27日に開催された第29回推進協議会において,本件土地周辺の都市・地域再生等利用区域への指定等について,占用許可準則第22第5項が定める「地域の合意」を図った。 同協議会は,同日,審議し,かなわを都市・地域再生等占用主体とするこ とを含め,おおむね上記の要望のとおり承認した。(乙3)また,整備局長は,同日付けで,平成23年3月8日付け国河政第137号河川局長通知「河川敷地占用許可準則の一部改正について」(甲4。以下「平成23年通知」という。)において「地域の合意を図るに当たっては,河川管理者,地方公共団体等で構成する河川敷地の利用調整に関する協議会による こと」以外にも,「地元市町村の同意があることなど,地域の合意が確認でき る幅広い手法によることができる」とされていることを踏まえ,広島市に対し,「あらためて地域の合意を確認するた る こと」以外にも,「地元市町村の同意があることなど,地域の合意が確認でき る幅広い手法によることができる」とされていることを踏まえ,広島市に対し,「あらためて地域の合意を確認するため」として同意を求め,広島市長は,翌日である平成26年11月28日付けで,これに同意する旨回答した(甲4,乙5,6)。 以上を経て,整備局長は,同日,本件土地周辺を都市・地域再生等利用区 域に指定し,占用許可準則第22第7項に基づき,中国地方整備局のホームページにおいてその旨を公表した(乙6)。 かなわは,本件土地周辺が都市・地域再生等利用区域に指定されたことから,平成26年12月1日,整備局長に対し,法24条に基づく土地の占用の許可申請及び法26条1項に基づく工作物の新築許可の申請をした(甲1)。 これを受け,整備局長は,上記の申請が許可基準(占用許可準則及び工作物設置許可基準)を満たすと判断して,同月12日,かなわに対し,次の内容を含む,本件旧占用許可処分及び本件新築許可処分をした(甲2)。 ア河川の名称太田川水系元安川イ目的かき船及び桟橋等の設置 ウ場所広島市B区C町D丁目地先(左岸 2K300付近)エ工作物の名称又は種類かき船及び桟橋等オ工期許可の日から平成27年7月31日まで(ただし,流水に影響する工事は平成27年6月10日までとする。)カ占用面積等占用面積 303.33㎡ かき船:水面 235.391㎡護岸 67.938㎡ワイヤーチェーン 50.8mキ占用期間許可の日から平成29年3月31日まで かなわは,平成27年3月25日 護岸 67.938㎡ワイヤーチェーン 50.8mキ占用期間許可の日から平成29年3月31日まで かなわは,平成27年3月25日,整備局長に対し,法24条に基づく従 前土地における土地の占用の許可申請を行ったところ,整備局長は,本件土 地における本件施設の設置に向けた具体的な協議が進んだことから,その設置までの暫定的な措置として,同月30日,同年12月31日までの従前土地における土地の占用を許可した(乙47,48)。 かなわは,平成27年7月10日,中国運輸局と協議の上,本件旧占用許可処分及び本件新築許可処分に係る申請の内容の一つとなっていた4本の流 れ止めチェーンと4個のアンカーの設置位置等を見直し,2本の流れ止めチェーンと2個のアンカーを追加するとともに,流れ止めチェーンの設置に当たっては「流水域ライン」より陸地側にクロスして設置する内容への変更申請を行い,これを受け,整備局長は,同月16日付けで,上記の変更を許可する処分をした(乙66,67)。 かなわは,平成29年2月27日付けで,広島市長に対し,本件土地周辺の都市・地域再生等利用区域への指定の継続を整備局長に対して要望するよう願う旨の要望書を提出した。 これを受け,広島市長は,同年3月3日付けで,整備局長に対し,かなわが継続して事業展開できるよう,占用許可準則第22第1項が定める都市・ 地域再生等利用区域として本件土地周辺を,同3項が定める許可施設として「かき船」(8号:船上食事施設),「桟橋等係留施設」(5号:船舶係留施設)及び「その他付属設備」(11号:その他都市及び地域の再生等のために利用する施設)を,同2項が定める都市・地域再生等占用主体として「かき船を営業する事 設),「桟橋等係留施設」(5号:船舶係留施設)及び「その他付属設備」(11号:その他都市及び地域の再生等のために利用する施設)を,同2項が定める都市・地域再生等占用主体として「かき船を営業する事業者等であって,水の都ひろしま推進協議会において適切である と認められたもの」を,それぞれ要望する旨の要望書を提出した。 整備局長は,これらについて,占用許可準則第22第5項に基づき,同月9日に開催された第37回推進協議会において「地域の合意」(同5項)を図った上,同協議会は,同日,審議し,かなわを都市・地域再生等占用主体とすることを含め,おおむね上記の要望のとおり承認した。(乙71,72) また,整備局長は,同日付けで,広島市に対し,「改めて地域の合意を確認 するため」として,同意を求め,広島市長は,翌10日付けで,これに同意する旨回答した(乙73,74)。 かなわは,平成29年3月22日,整備局長に対し,法24条の許可を申請したところ,整備局長は,同月31日,次の内容を含む,本件新占用許可処分をした(乙69,76)。 ア河川の名称太田川水系元安川イ占用の目的及び態様かき船及び桟橋等ウ占用の場所広島市B区C町D丁目地先(左岸 2k300付近)エ占用面積等占用面積 402.34㎡(内訳)かき船 239.88㎡ (ワイヤーチェーン6本,錨6基を含む。)桟橋等付帯設備 162.46㎡オ占用期間平成29年4月1日から平成39年3月31日まで原爆ドームは,平成8年12月,ユネスコの平和遺産一覧表に登録され,世界遺産とされた。 世界遺産条約は,条約の締結国に対し,文化遺産の認定と区域を定め,その保護,保存,整備活用等を求めている(甲 ームは,平成8年12月,ユネスコの平和遺産一覧表に登録され,世界遺産とされた。 世界遺産条約は,条約の締結国に対し,文化遺産の認定と区域を定め,その保護,保存,整備活用等を求めている(甲15)。また,世界遺産条約履行のための搭載基準(甲16。以下「世界遺産搭載基準」という。)及び世界遺産条約履行のための作業指針(以下「世界遺産作業指針」という。)が存在する。 原告らは,平成27年6月11日,本件旧占用許可処分及び本件新築許可処分の取消しを求める訴えを当裁判所に提起した。 原告らは,平成29年4月19日,追加的に,本件新占用許可処分の取消しを求める訴えの変更申立書を当裁判所に提出した。 4 争点 訴えの利益の有無(本案前の争点) ア工作物の完成により本件新築許可処分の取消しを求める訴えの利益が消滅したか(争点1)。 イ占用の期間の経過により本件旧占用許可処分の取消しを求める訴えの利益が消滅したか(争点2)。 原告適格の有無(本案前の争点) ア広島市B区C町D丁目及びE丁目に居住する原告n,同o,同p,同q,同r 及び同s(以下「原告n ら6名」という。)の原告適格の有無(争点3)イ ①被爆者である原告f,同i,同h 及び同g,②被爆者の遺族である原告c,同f 及び同e,③原爆ドームの世界遺産登録に尽力した原告a,④原爆瓦発掘運動や「原爆犠牲ヒロシマの碑」建立運動に携わってきた原告m,同 l,同c,同d 及び同k,⑤原爆遺跡保存運動懇談会の活動に携わってきた原告j 及び同b の原告適格の有無(争点4) 本件各処分の適法性の有無(本案の争点)ア本件各処分が,占用許可準則又は工作物設置許可基準その他法令に反しており違法といえるか(争点5) 原告j 及び同b の原告適格の有無(争点4) 本件各処分の適法性の有無(本案の争点)ア本件各処分が,占用許可準則又は工作物設置許可基準その他法令に反しており違法といえるか(争点5)。 イ本件各処分が,世界遺産条約に反しており違法といえるか(争点6)。 5 争点に対する当事者の主張 争点1(本件新築許可処分の取消しを求める訴えの利益が消滅したか。)について(被告の主張) 法26条1項に基づく本件新築許可処分に係る工作物は,平成27年9月18日に完成した。同項による許可は一般的な禁止を解除するものであり,許可に係る行為の完了によって河川管理者と許可を受けた者との許可に関する法律関係は終了するため,同日付けで,本件施設についての同項に基づく工作物の新築等の許可は終了した。よって,本件新築許可処分に係る原告ら の訴えの利益は消滅した。 (原告らの主張)争う。 争点2(本件旧占用許可処分の取消しを求める訴えの利益が消滅したか。)について(被告の主張) 本件旧占用許可処分は,平成29年3月31日,占用許可の期間満了により失効したから,その取消しの訴えについては訴えの利益は消滅した。 (原告らの主張)本件旧占用許可処分は,その期間を満了したが,それから間を置くことなく平成29年3月31日付けでほとんど同一内容の本件新占用許可処分がさ れている。また,本件施設は,本件各占用許可処分の切り替わりにかかわらず,そのままの現状で継続的に元安川を占用して営業を維持しているから,実質的には河川占用の許可期間の自動的な更新と異なるところはない。そうすると,期間の満了にかかわらず,従前の本件旧占用許可処分の取消請求は,訴えの利益を失っていない。 業を維持しているから,実質的には河川占用の許可期間の自動的な更新と異なるところはない。そうすると,期間の満了にかかわらず,従前の本件旧占用許可処分の取消請求は,訴えの利益を失っていない。 争点3(広島市B区C町D丁目及びE丁目に居住する原告n ら6名の原告適格)について(原告n ら6名の主張)ア法が,河川区域内の土地の占用及び同土地における工作物の新築等につき,河川管理者の許可を受けなければならないと定めている趣旨は,これ らの行為により河川の流水によって生ずる災害が誘発されるおそれがあることから,これらを規制する権限を河川管理者に付与し,同権限が適正に行使されることを通じて,災害の発生防止を図ることにある。 また,占用許可準則及び工作物設置許可基準も,河川の流水によって生ずる災害を防止するという観点から,当該占用ないし工作物の設置が治水 上の支障を生ずるものでないことを条件に許可をなし得る内容となってい る。 洪水,高潮その他の異常な自然現象による災害のほか,通常の河川の状態において発生する河床の上昇又は低下,河岸の浸食又は地下水のくみ上げに起因する地盤沈下による溢水等,自然的原因又は人為的原因のいずれによるかを問わず,河川の流水によって生ずる災害が人の生命,身体の安 全に重大な危害をもたらしかねないことは周知の事実である。 これらに鑑みれば,法は,工作物の設置に伴う河川敷地の占用の可否を河川管理者の許可処分によるところとし,その許可の段階で,当該工作物の設置ないし占用によって治水上の支障が生じるおそれがないかどうか,ひいては災害が誘発・拡大されるおそれがないかどうかについて十分に審 査し,上記の支障が生じるおそれがない場合にのみ許可することとしている。 したがって,本件各 生じるおそれがないかどうか,ひいては災害が誘発・拡大されるおそれがないかどうかについて十分に審 査し,上記の支障が生じるおそれがない場合にのみ許可することとしている。 したがって,本件各処分をなすについて根拠とされた河川法令及び関係通達が,人の生命・身体の安全を保護する趣旨をも含むことは明らかである。 イ工作物の設置を伴う河川敷地の占用は,当該工作物自体による流水への影響,大雨等による増水等の濁流によって上流から流れてくる流木等の当該工作物への堆積,当該工作物の漂流等によって,護岸や橋等の損傷を招来し,ひいては河川水害を誘発する可能性がある。 こうした工作物の設置・占用により誘発される可能性のある災害の被害 は,当該設置・占用される場所に近接する一定範囲の地域に居住する住民に直接的に及ぶことが予想される。つまり,河岸,さらには設置・占用される場所に近い住民ほど被害を受ける蓋然性が高く,しかもその被害の程度はより直接的かつ重大なものとなるのであって,特に設置・占用される河岸に近接して居住する者はその生命・身体等に直接的かつ重大な被害を 受けるおそれがある。 本件施設が設置されている本件土地周囲の元安川の東側護岸は,以前川であり湾曲し流水が存していたが,戦後になってから埋立てにより護岸に造成された,いわゆる埋立護岸であり,その面前が死水域ということは考え難く,治水上特に注意を払わなければならない場所である。 また,本件施設は,自立的な移動能力を有しないこと,船体の上流側・ 下流側とも地中に打設された各2本の杭で囲まれ,占用場所から前後に移動させることができないこと,桟橋で強固に接続されていること,北側の元安橋及び南側の平和大橋の二つの橋の下をくぐって通過することが物理的に不可能 に打設された各2本の杭で囲まれ,占用場所から前後に移動させることができないこと,桟橋で強固に接続されていること,北側の元安橋及び南側の平和大橋の二つの橋の下をくぐって通過することが物理的に不可能であることから,出水時等に当該河川敷地外に移動させられるものではないし,そもそも本件土地から移動させること自体が不可能であ る。さらに,本件施設が本件土地を占用している限り,「太田川水系河川整備計画【国管理区間】」(以下「太田川整備計画」という。)において急務とされている,高潮堤防整備のための工事を本件土地付近で実施することが不可能であり,このことは,元安川周辺に居住する住民,とりわけ,広島市B区C町D丁目及びE丁目に居住する原告n ら6名の生命,身体及び財 産を危険にさらすものにほかならない。 ウこれらを踏まえれば,地震による津波,大型台風,集中豪雨,高潮等による洪水,溢水,越水等の有事の際には,濁流や集積した塵芥により押し流された本件施設が平和大橋に激突して破損させる危険があり,その場合には避難等のために平和大橋を徒歩や車両で通行する住民らの生命・身体 の安全を脅かすことになる。また,本件施設が押し流されなくとも,濁流や集積した塵芥の圧力により,護岸,堤防や河岸への激突を繰り返し,それらを損壊させ,濁流が市街地に浸入する事態や,本件施設に集積した流木や塵芥が市街地へ流出する事態を引き起こすおそれがあり,その場合は周辺住民らの生命・身体等を脅かすことになる。さらに,上記のような有 事に際しては,本件施設に火災が生じることも想定されなければならず, 一旦火災が生じれば,周辺の建築物や居住者に重大な被害が及ぶおそれがある。 上記の被害は,元安橋と平和大橋の二つの橋に挟まれた元安川の河岸に近い住民ほど受ける蓋 も想定されなければならず, 一旦火災が生じれば,周辺の建築物や居住者に重大な被害が及ぶおそれがある。 上記の被害は,元安橋と平和大橋の二つの橋に挟まれた元安川の河岸に近い住民ほど受ける蓋然性が高く,しかもその被害の程度はより直接的かつ重大なものとなるところ,広島市B区C町D丁目に居住する原告p,同 q,同r 及び同s の各住居並びに同E丁目に居住する原告n 及び同o の各住居は,いずれも,元安橋と平和大橋に挟まれた元安川の東側河岸沿いの道路に面した地域(一列目)に存するから,元安川に生じた河川災害による被害が直接的に及ぶことが想定され,しかも,本件土地から直線距離にして僅か約30mから150m程度しか離れていない。 エその上,本件施設は建築基準法6条等所定の建築確認手続を経ずに築造された違法建築物であるが,同手続の趣旨・目的の一つは,地震や火災等により建築物が倒壊し,又は炎上するなど万一の事態が生じた場合,その周辺の建築物やその居住者に重大な被害が及ぶことのないようにするというものであるから,河川区域内の土地に建築物を建築する場合,当該建築 物によって誘発され得る災害により,周辺住民の生命,身体及び財産に被害が及ぶことのないよう防止するという点において,法と建築基準法は目的を共通にする規制を設けていることになり,これらによる規制の双方をクリアする必要があるが,本件施設が違法建築物であることにより,建築基準法により保護されるべき原告n ら6名の生命,身体及び財産を損ない かねない状況が作出されている。 とりわけ,広島市C町D丁目に現住する原告4名(原告p,同q,同r 及び同s)は,それぞれの住居と本件土地とは30m程しか離れておらず,その間には河岸緑地内の複数の樹木が存し,これと並んで本件施設が用 りわけ,広島市C町D丁目に現住する原告4名(原告p,同q,同r 及び同s)は,それぞれの住居と本件土地とは30m程しか離れておらず,その間には河岸緑地内の複数の樹木が存し,これと並んで本件施設が用いるためのプロパンガスボンベ庫が設置されており,本件施設が炎上するなど の事態が生じた場合には,その生命,身体及び財産の安全が危険にさらさ れることになる。 オ加えて,少なくとも原告n ら6名については,占用許可準則第22第5項に定める「地域の合意」の対象となる者たちであり,その合意のないままにされた本件各処分はその手続が欠けているから,違法であることを主張する原告適格を有している。 カさらに,長年の努力によって守られてきた良好な景観の恩恵を生活利益として楽しむ利益である景観利益ないし広義の景観権も,公法上又は私法上の法理と手続に従って保護されるべきは当然であり,社会通念等によって良好で優れた景観と認められたものは,高度の公共性を有し,景観法,市景観条例又は文化財保護法等の公法の法理及び手続で保護されるべきで ある。 法的保護に値する景観ないし景観利益の具体的内容は,景観資源の分布状況,可視的形象の総合性・統一性・調和性,景観眺望の面的・線的特性及び関係法令・条例・要綱等の明示の基準などに基づき確定され得るものであり,その景観ないし景観利益を破壊して損なうとは,その景観の客観 的な価値を損なう程度の景観侵害が認められることであり,そのような場合には,客観的な価値の侵害に対して密接な利害関係を有する者によるその景観破壊,景観侵害を排除するための権利行使が認められるのであって,原告n ら6名が「地域の合意」の対象となることも考慮すれば,景観利益を有することも,原告適格を基礎付ける。 キしたがっ 景観破壊,景観侵害を排除するための権利行使が認められるのであって,原告n ら6名が「地域の合意」の対象となることも考慮すれば,景観利益を有することも,原告適格を基礎付ける。 キしたがって,原告n ら6名は,本件各処分の取消訴訟について,原告適格が認められるべきである。 (被告の主張)ア法をはじめとする河川法令及び関係通達は,一般にいわゆる治水上の安全を確保する趣旨及び目的を有するが,本件で原告n ら6名に原告適格が あるか否かは,飽くまで治水上の観点において,同原告らの個別的利益が 本件各処分により侵害され,又は必然的に侵害されるおそれがあることが必要である。 この点,本件各処分により少なくとも生命・身体等が侵害されるおそれがあると主張する広島市B区C町D丁目及びE丁目の住民である同原告らは,具体的にどのような機序により,どのような権利,利益の侵害ないし 危険が惹起され,その侵害によりいかなる内容及び性質の利益が害され,これら利益が害される態様及び程度について主張立証しておらず,抽象的,主観的な危惧感,不安感を主張するにとどまっている。最高裁判例は,原告適格を判断するに際し,相当程度の具体的な主張や立証を要求しているもので,その機序等について主張立証を求めていないなどとはいえない。 したがって,同原告らに本件訴えの原告適格は認められない。 イ本件土地周辺において,原告n ら6名が想定するような本件施設の護岸への衝突により河川の濁流が市街地に流入するなどの災害は起こり得ないのであり,広島市B区C町D丁目及びE丁目内に居住する住民といえども,本件各処分により生命・身体の安全及び財産を侵害されるおそれはない。 すなわち,国土交通大臣が法16条に基づき策定した「 ,広島市B区C町D丁目及びE丁目内に居住する住民といえども,本件各処分により生命・身体の安全及び財産を侵害されるおそれはない。 すなわち,国土交通大臣が法16条に基づき策定した「太田川水系河川整備基本方針」(以下「太田川基本方針」という。)において,元安川の流量につき毎秒7 ㎥の計画高水流量が設定されているところ,これに基づく洪水時における本件土地付近の元安川の流速をシミュレーションした結果は最大毎秒4.5mであるが,本件土地の流速は毎秒0.1m以下と なっており,明らかに流速の低い場所であって,本件土地は想定される洪水時において洪水に関係なく水が滞留する場所であるから,本件土地は,治水上の観点から,河川の流下能力に支障を及ぼさない場所であり,河道内の水面部分で流れのない場所,あるいは流れがあっても水が滞留する場所で,流水の疎通に関係のない部分であるといえる。 本件土地を含む河川敷地は,河川の流路を形成し,洪水時には安全にこ れを流下させ,洪水による被害を除却し,又は軽減させるためのものとされるとおり,その機能は洪水を安全に流下させることを目的とする。そして,法24条に基づく許可に当たっては,占用許可準則第10第1項が,河川の敷地の占用は,河川整備計画その他の河川の整備,保全又は利用に係る計画が定められている場合にあっては,当該計画に沿ったものである ことを許可基準としている。河川の通常有すべき安全性は,同原告らが主張するように予測不可能な将来にわたるあらゆる異常事態の可能性を想定する必要まではなく,一般水準及び社会通念に照らして是認し得る安全性を備えている状態をいうものとされている。河川区域内に工作物を設置するに当たっては,治水上の支障が生じない範囲にお 態の可能性を想定する必要まではなく,一般水準及び社会通念に照らして是認し得る安全性を備えている状態をいうものとされている。河川区域内に工作物を設置するに当たっては,治水上の支障が生じない範囲においては,占用を許可す ることが絶対的に許されないというものではなく,河川管理者としては,許可をするに当たり,「流水の通常の作用に対して安全と認められる十分な対応措置が施されることを前提として許可をすべき」であるとされている。 この点,国土交通大臣が策定した太田川基本方針は,法16条1項に基づいて定められており,計画高水流量の数値も十分に合理的なものであって, 同原告らの生命,身体及び財産の侵害のおそれがあるかを検討するに際し,元安川の流量について毎秒 ㎥と設定したことに不合理な点はない。 ウまた,国土交通省の中国運輸局長(以下,単に「運輸局長」という。)による定期検査の際,かなわは,本件施設が係留船であることを前提に,洪水時に本件施設が流出しない構造を示す係留力について検討し,その審査 を受けているのであり,本件土地付近を含め元安川全幅で計画高水流量を上回る毎秒 ㎥の流量が流下したとしても本件施設は流出しない構造となっており,この係留計算書を含めて運輸局長の検査を受け,係留船として許可を受けている。 したがって,本件施設の構造によれば,元安川において想定される洪水 により本件施設が流出することはなく,このような構造の検討を含めてさ れた本件各処分が,原告n ら6名の生命,身体の安全及び財産を侵害することはない。 さらに,同原告らは,本件土地付近の護岸が埋立護岸であるから危険であると主張するが,埋立護岸であること れた本件各処分が,原告n ら6名の生命,身体の安全及び財産を侵害することはない。 さらに,同原告らは,本件土地付近の護岸が埋立護岸であるから危険であると主張するが,埋立護岸であることが相対的に脆弱な護岸であるものではない上,本件土地付近の護岸に本件施設が衝突して護岸が損壊しても, 本件土地に隣接する市街地の地盤高は本件土地付近における計画高水位より少なくとも24cmは高いのであるから,その損壊箇所から想定される洪水が市街地に浸入することはない。同原告らは,本件土地付近の土地の形状を正解せず,主観的な不安感に基づいて主張するにすぎない。 エ原告n ら6名は,占用許可準則第22第5項が定める「地域の合意」を 欠くと主張するが,そもそもこの規定は個々の地域住民の合意を求めるものではなく,公平性,公益性の確保の観点から,河川管理者の判断のみによることなく河川敷地の利用調整に関する協議会の活用などによって地域の合意を図るよう定めるものである。加えて,協議会によること以外にも土地再生整備計画に河川敷地の利用について定めていることや地元市町村 の同意があることなど地域の合意が確認できる幅広い手法によることができるとされているから,同原告ら個々人の個別具体的な利益を保護する根拠となるものでもなく,その原告適格を基礎付ける根拠とならない。 オ原告n ら6名が主張する景観利益は,精神的人格権と同様,河川法令及び関係通達において保護される利益ではなく,法が河川環境や公共の福祉 の範囲内にある良好な景観を一般公益として保護していることにより,同原告らのいう景観が守られるとしても,これは反射的利益にすぎない。 したがって,景観利益は同原告らの原告適格を基礎付けるものではない。 (原告n ら6名の反論)ア被告は, ていることにより,同原告らのいう景観が守られるとしても,これは反射的利益にすぎない。 したがって,景観利益は同原告らの原告適格を基礎付けるものではない。 (原告n ら6名の反論)ア被告は,具体的にどのような機序によって災害が発生し,原告n ら6名 の権利・利益に侵害ないし危険が及ぶかが立証されなければ原告適格を認 め得ないかのような主張をしているが,最高裁判例もそのような機序についての主張立証までは求めていないし,もとより,災害がいかなる機序で発生し,いかなる機序で住民の生命・身体等に危険が及ぶかを具体的詳細に特定することは,その性質上困難である。このため,最高裁判例は,事故や災害防止を目的とする規制を解除する許可処分に関しては,処分の根 拠法令において,その許可要件の審査に過誤があれば災害が生ずる可能性が想定されていれば,当該災害が生ずることにより権利・利益が直接的な被害を受けることが想定される当事者に対して,抗告訴訟の原告適格を認め,当該処分の適否について司法による実体審査をなし,もって事故や災害による国民の被害を十全に防止しようとする根拠法令の趣旨を全うしよ うとしているものである。 イ被告は,本件土地が河川の流下能力に支障を及ぼさない場所であると主張するが,その根拠となるデータは本件旧占用許可処分及び本件新築許可処分の処分時に存在しなかった資料であり,これにより処分を正当化することは許容されない。また,国土交通大臣が設定した計画高水流量を超え る流量の洪水が生じる可能性は否定できないし,大雨による洪水の際に高潮や津波による水位の上昇が重畳した場合を想定したシミュレーションがされていない。 被告は,本件施設が洪水時に流出しない構造となっているとも主張するが,これは国土交通大臣が設定 る洪水の際に高潮や津波による水位の上昇が重畳した場合を想定したシミュレーションがされていない。 被告は,本件施設が洪水時に流出しない構造となっているとも主張するが,これは国土交通大臣が設定した計画高水流量を前提とするところ,計 画高水流量を超える流量の洪水が生じる可能性が否定できないことは同様であるし,流水時に流下してくる流木等の塵芥が本件施設に集積した場合や流下してくる漂流物によって係留設備が損傷を受ける場合が想定されていない。 被告は,埋立護岸であることは相対的に脆弱な護岸であるものではない と主張するが,原告n ら6名は,本件土地の東側の河岸に設けられている 堤防は,以前は河川の水が流下していた土地に,戦後になってから埋立てにより造成されたものであるから脆弱であり,越水等により破堤する可能性があることが想定されなければならないと主張するものである。また,洪水時に本件施設が濁流や集積した塵芥の圧力によって護岸に激突を繰り返すことによって堤防を補強している護岸が損壊すれば破堤の可能性はよ り高まる。 被告は,本件土地付近の形状から計画高水流量が流下しても市街地に洪水は流入しないと主張するが,被告が主張する計画高水位は国土交通大臣の設定した計画高水流量を前提とするものであるものの,計画高水流量を超える流量の洪水が生じる可能性が否定できないことは同様であるし,本 件土地付近の河岸については,被告自ら高潮による災害を想定し,それを防止するために高潮対策事業を予定する場所でもあり,洪水時に高潮が重畳すれば,堤防を越水して濁流が市街地へ流入することが想定される。また,越水すれば堤防のうち護岸によって補強されていない箇所(堤防の天端や裏乗法面)が水流によって削られ,いわゆる越水破堤が生じることも すれば,堤防を越水して濁流が市街地へ流入することが想定される。また,越水すれば堤防のうち護岸によって補強されていない箇所(堤防の天端や裏乗法面)が水流によって削られ,いわゆる越水破堤が生じることも 想定されなければならない。さらに,堤防を補強している護岸が損壊すれば,それだけ破堤する可能性は高まり,破堤すればより大量の濁流が市街地に流入することになる。 争点4(①被爆者である原告f,同i,同h 及び同g,②被爆者の遺族である原告c,同f 及び同e,③原爆ドームの世界遺産登録に尽力した原告a,④ 原爆瓦発掘運動や「原爆犠牲ヒロシマの碑」建立運動に携わってきた原告m,同l,同c,同d 及び同k,⑤原爆遺跡保存運動懇談会の活動に携わってきた原告j 及び同b の原告適格)について(原告n ら6名以外の原告らの主張)ア本件各処分の結果,原爆ドームの間近で,かつ,元安川の中に水上レス トランである本件施設が設置され営業されることにより,精神的人格権を 侵害されるおそれのある者がいる。ここでいう精神的人格権とは,「鎮魂と平和への祈念」,すなわち,「平和的・宗教的平穏に関する利益」,「世界遺産としての歴史的・文化的価値を享受する利益」及び「景観利益」である。 すなわち,原爆ドーム及びその周辺の景観は,人々の原爆被害者への鎮魂の思いや平和への希求のための「心のよりどころ」となり,単なる景色 にとどまらず,各個人の「人格的な生存の確立の基盤となる建物及び風景」となっているところ,このような「心のよりどころ」を損なわれない利益(精神的内面の静謐)である。そして,この利益は,私法上の保護に値するにとどまらず,行政事件訴訟法9条1項にいう「法律上の利益」に当たる。 イ法は,治水・利水のみならず, なわれない利益(精神的内面の静謐)である。そして,この利益は,私法上の保護に値するにとどまらず,行政事件訴訟法9条1項にいう「法律上の利益」に当たる。 イ法は,治水・利水のみならず,「河川環境の整備と保全がされるようにこれを総合的に管理すること」も目的に挙げており,ここにいう「河川環境」とは,河川の自然環境及び河川と人との関わりにおける生活環境(流水の水質,河川に係る水と緑の景観,河川空間のアメニティ等)を意味する。 また,法16条の2第4項は,河川整備計画の策定に当たり,必要がある と認めるときは,公聴会の開催等関係住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならないと定めている。 さらに,占用許可準則は,河川敷地の占用は,河川及びその周辺の土地利用の状況,景観その他自然的及び社会的環境を損なわず,かつ,それらと調和したものでなければならないと,工作物設置許可基準は,工作物の 設置等が河川及びその周辺の土地利用の状況,景観その他自然的及び社会的環境を損なわない場合に該当し,かつ,必要やむを得ないと認められる場合に許可することを基本とすると,それぞれ定めている。 加えて,国土交通省社会資本整備審議会の河川分科会の配布資料には,河川敷地の利用調整に関する協議会の構成員の具体例として,地方公共団 体のほかに地元町内会が明記されている。 したがって,法によって保護されるべき「河川環境」とは,公益的な観点からのみならず,個々人の個別的利益としても保護すべきものとする趣旨を含む。 ウとりわけ,本件土地は,世界遺産である原爆ドームと至近距離にあり,そのバッファーゾーン(緩衝地帯)である平和記念公園の中にあるという 立地上の特殊性があり,保全されるべき河川環境の内容も特別なものとなり,一般 地は,世界遺産である原爆ドームと至近距離にあり,そのバッファーゾーン(緩衝地帯)である平和記念公園の中にあるという 立地上の特殊性があり,保全されるべき河川環境の内容も特別なものとなり,一般的な意味での景観を守るために景観法の目的・趣旨を参酌するだけでは十分でなく,原爆ドーム及びその周辺を規律する関係法令の趣旨・目的も参酌する必要がある。 すなわち,世界遺産条約は,我が国を含む条約締結国に対し,文化及び 自然遺産の区域を設定した上で,締約国の有する全ての能力を用いてこれらの遺産を保護することが義務であると明記し,締約国は,できる限りこれらの遺産の保護や保存を目的として,総合計画,職員配置,科学的及び技術的調査,法的及び行政的な措置をとることとされ,そのとられるべき措置の指針である世界遺産搭載基準において,世界遺産の周辺に設定され るバッファーゾーンとは,新たなレベルの保護を加えるために遺産の利用に課される制約となる周辺地帯と定義され,これが利用の制約であり,遺産の直接の背景,重要な風景,遺産とその保護を支える重要な機能を持つ他の地域又は付属物を含まなければならないだけでなく,世界遺産登録後にバッファーゾーンに加えたいかなる変更も世界遺産委員会の同意を得な ければならないとされている。 また,世界遺産条約は,世界遺産自体に加え,その周囲にバッファーゾーンを設定してその保護も求めているところ,河川を含むバッファーゾーン内の全てのエリアについて,世界遺産の保護のための工作物等の設置・建築を規制する法令等の整備をすることが世界遺産登録の必要不可欠な条 件となっている。そして,文化庁は,このバッファーゾーンにつき,原爆 ドームを保護するために活用するとして,世界遺産委員会へ提出した推薦書の中で,世界遺産 世界遺産登録の必要不可欠な条 件となっている。そして,文化庁は,このバッファーゾーンにつき,原爆 ドームを保護するために活用するとして,世界遺産委員会へ提出した推薦書の中で,世界遺産の区域を除いた史跡の区域につき,文化財保護法を,平和記念公園の区域につき,都市公園法及び市公園条例を,河川の区域につき,法を,原爆ドーム及び平和記念公園周辺の建築物等美観形成対象地区につき,原爆ドーム及び平和記念公園周辺建築物等美観形成要綱(以下 「市美観形成要綱」という。)を,それぞれ明記している。 さらに,本件土地は市美観形成要綱の対象地区に当たるところ,同要綱に関し,広島市が,原爆ドームと平和記念公園周辺の景観について,世界遺産である原爆ドームに配慮して建築物等は控えめな作法で接するとともに,品格ある雰囲気と都市的なにぎわいとのバランスを図りながら整備を 進め,原爆ドームと平和記念公園周辺を国際平和文化都市の象徴にふさわしい魅力あるものにするためのものと説明し,同要綱6条も,特に風俗関連営業施設及びこれに類する施設については他の利用への転換を図るよう努めるものとすると定めているのであって,これらの趣旨は,原爆ドームと平和記念公園周辺の対象地域では鎮魂・平和への祈念のための人々の心 のよりどころとしてはふさわしくない営業施設の存在を認めるべきでないというものであるが,本件施設は正にこの対象地域内にある。 その上,景観法及び市景観条例に基づいて策定された広島市景観計画(以下「市景観計画」という。)において,本件土地は最も中心的な「A地区(平和記念公園地区)」とされ,同計画は,原爆ドームが核兵器の廃絶と世界の 恒久平和を願う世界の人々の心のよりどころとなっている,平和記念公園においては市民や国内外から広島を訪れる人々 A地区(平和記念公園地区)」とされ,同計画は,原爆ドームが核兵器の廃絶と世界の 恒久平和を願う世界の人々の心のよりどころとなっている,平和記念公園においては市民や国内外から広島を訪れる人々が平和を祈り,平和を考え,安らぎ,くつろぐことができる環境を整えていく必要がある,特にA地区は,平和記念公園の役割にふさわしい良好な景観の保全及び形成を図るとされている。 加えて,本件土地は都市計画法に基づく市街化調整区域でもあり,新た な建築や増築は極力抑えられなければならない。 以上のとおり,本件各処分の根拠法令である法の趣旨・目的に加え,文化財保護法,都市公園法及び市公園条例,市美観形成要綱,都市計画法,市景観計画等の各関係法令の趣旨・目的を併せて考慮すると,本件各処分の対象となっている河川や河川敷地の利用においては,鎮魂・平和祈念の 場を保全し,原爆ドームの世界遺産としての歴史的・文化的価値を保全することが最優先事項とされていることが明らかである。原爆ドーム及びその周辺の景観は,鎮魂の思いや平和への希求のための「心のよりどころ」として,それが損なわれること,すなわち精神的内面の静謐が乱されることがないよう保護されるべきものと評価される。そして,このような「心 のよりどころ」,すなわち,人格的な生存の確立の基盤となる建物及び風景としての景観を損なわれない利益(精神的内面の静謐)は,一般的公益の中に吸収されるものではなく,保護されるべき各個人の個別的・具体的な利益である。 エ(原告n ら6名の主張)カのとおり,原告n ら6名以外の原告らも景 観利益について利害関係を有する者である。 オ ①被爆者である原告f,同i,同h 及び同g の原告適格原告f,同i,同h 及び同g は,昭和20年8 告n ら6名以外の原告らも景 観利益について利害関係を有する者である。 オ ①被爆者である原告f,同i,同h 及び同g の原告適格原告f,同i,同h 及び同g は,昭和20年8月6日に原爆の惨禍を直接体験した被爆者であり,被爆者がその川底に埋もれているのが元安川であって,世界遺産に登録された原爆ドームとその周辺を「鎮魂と平和への祈 念の場」として最も強く受け止めており,このような場所で本件施設等の飲食の場が設置されることは許し難い。 カ ②被爆者の遺族である原告c,同f 及び同e の原告適格原告c,同f 及び同e は,被爆者の遺族であり,被爆者と同様,原爆ドーム周辺に酒食が供される施設である本件施設の営業がされることは,耐 え難い苦痛である。 キ ③原爆ドームの世界遺産登録に尽力した原告a の原告適格原告a は,「鎮魂と平和への祈念の場」としての原爆ドームとバッファーゾーンを作り上げた多くの人々の一人であり,その中に酒食を提供する営業施設である本件施設の設置を許した本件各処分に対して,これが「鎮魂と平和への祈念の場」の意味を失わせ,世界遺産の保護に反する行為であ るとして異議を述べる責務を負うのであり,本件各処分の取消しを求め得る者である。 ク ④原爆瓦発掘運動や「原爆犠牲ヒロシマの碑」建立運動に携わってきた原告m,同l,同c,同d 及び同k の原告適格本件土地は,バッファーゾーンの中でも「原爆犠牲ヒロシマの碑」の目 と鼻の先であり,また,元安川の中に散らばった原爆瓦の発掘現場である。 原告m 及び同l は,原爆瓦の発掘保存に取り組んだ者であり,原告c,同d 及び同k は,原爆瓦発掘運動を開始し,上記の碑の建立に関わった者であって, 散らばった原爆瓦の発掘現場である。 原告m 及び同l は,原爆瓦の発掘保存に取り組んだ者であり,原告c,同d 及び同k は,原爆瓦発掘運動を開始し,上記の碑の建立に関わった者であって,原爆瓦がまだ川底に残る元安川の中に料亭船の本件施設が設置されることは,鎮魂・継承・学習の碑としての意味を全く失わせるに等し く,上記の原告らは,本件各処分の取消しを求め得る者である。 ケ ⑤原爆遺跡保存運動懇談会の活動に携わってきた原告j 及び同b の原告適格原告j 及び同b は,原爆遺跡保存運動懇談会の一員として被爆建物の保存に尽力してきた者であり,本件土地を含む一帯が人格的な生存の基盤と なる建物及び風景であるから,その景観を損なわれない利益(精神的内面の静謐)を侵害する本件施設の設置を許可した本件各処分の取消しを求め得る者である。 (被告の主張)ア原告n ら6名以外の原告らが精神的人格権として主張するものは,本件 各処分の根拠法である河川法令及び関係通達により保護される利益とはい えない上,法1条に規定されている「河川環境」に同原告らの主張する利益の一部が含まれるとしても,それは専ら一般的公益の中に吸収解消されるべきものであり,本件各処分を定めた行政法規により,同原告ら個々の個別的利益として保護されるべき性質のものではない。 イ法1条は,「公共の安全を保持し,かつ,公共の福祉を増進すること」, すなわち,公益的な観点を目的として定められたものであり,近年,環境や地域づくりの観点から河川の持つ多様な自然環境や水辺空間としての機能等に着目し,適正に整備,保全された河川環境を享受しようとする要請が高まっていることを踏まえ,法の目的に「河川環境の整備と保全がされるようにこれを総合的に管理す 多様な自然環境や水辺空間としての機能等に着目し,適正に整備,保全された河川環境を享受しようとする要請が高まっていることを踏まえ,法の目的に「河川環境の整備と保全がされるようにこれを総合的に管理すること」を明記したものであって,同条の 規定は,河川の持つ多様な自然環境や水辺空間としての機能等に着目し,河川環境を整備,保全することにより「環境や地域づくり」の観点を含む一般的公益の増進を図ることを目的としている。法24条に係る許可についても,一般的公益として河川環境の保全を図ることが求められている。 このように,河川法令及び関係通達における河川環境の整備,保全は, 専ら「多様な自然環境や水辺空間としての機能等」から生じる河川環境や公共の福祉の範囲内にある良好な景観などを一般的公益として保護しようとするものである。 また,法16条の2第4項は,河川整備計画の策定に当たっての手続を定めるところ,同計画は,河川の総合的な管理を行い,公共の福祉を増進 するよう努めるものであり,公聴会の開催等関係住民の意見を求めていることも,地域の実情に応じた当該河川の総合的な管理が確保できるという公益上の観点を目的としたものである。さらに,占用許可準則第22第5項が求める地域の合意も,前同様,地域住民等の個々人の個別的利益を保護するものではなく,飽くまで公益上の観点を目的として定められている。 したがって,法が,これを超えて,河川付近に居住する個々人の精神的 人格権を保護しているものとは認められない。 また,仮に,原告n ら6名以外の原告らの主張する内容の精神的人格権が河川法令及び関係通達において何らかの意味で保護されているとしても,その性質からしても一般的な公益にとどまり,反射的利益にすぎない。すなわち,同原告らが主張する 原告らの主張する内容の精神的人格権が河川法令及び関係通達において何らかの意味で保護されているとしても,その性質からしても一般的な公益にとどまり,反射的利益にすぎない。すなわち,同原告らが主張する,鎮魂と平和への祈念,すなわち平和的・宗 教的平穏に関する利益,世界遺産としての歴史的・文化的価値を享受する利益は,いずれも,不特定多数の人々が享受すべき公益的な利益であり,この点は,同原告ら個々人が,被爆者ないし被爆者の遺族であること,原爆ドームの保存・世界遺産登録に努めてきたこと,原爆瓦発掘運動・「原爆犠牲ヒロシマの碑」建立運動や原爆遺跡保存運動懇談会の活動に携わって きたことなどの人的属性によっても変わらない。 ウ原告n ら6名以外の原告らは,原爆ドーム周辺のバッファーゾーンに関する限り,世界遺産条約の下,文化財保護法,都市公園法,市公園条例,市美観形成要綱,都市計画法,市景観計画もまた,原爆ドームを保護するとの点で河川法令と共通の目的を持つのであり,本件訴えの原告適格の有 無の判断に当たっては,法に加え,世界遺産条約等上記の法令等の趣旨・目的も参酌されなければならない旨主張するが,この参酌は,飽くまで「当該法令の趣旨及び目的」の解釈の一環としてされるものであり,参酌によって根拠法令からはおよそ認められない新たな保護法益(法律上保護された利益)を加えることはできない。前記のとおり,本件各処分の根拠とな る河川法令及び関係通達が同原告らの主張する内容の精神的人格権を保護することをその趣旨・目的とはしていないし,同原告らの個別的利益として保護するものでもない以上,同原告らが挙げる条約や法令等を参酌したとしても,河川法令及び関係通達が同原告らの主張する内容の精神的人格権を保護している規定であると解することはできない 個別的利益として保護するものでもない以上,同原告らが挙げる条約や法令等を参酌したとしても,河川法令及び関係通達が同原告らの主張する内容の精神的人格権を保護している規定であると解することはできない。 エ原告n ら6名以外の原告らの主張する精神的人格権は,その内容が一般 的,抽象的なものであり,その内容も一義的に明らかでなく,個々人によりその捉え方も様々であるから,そもそも直ちに法的に保護された権利とはいえない。 仮に,精神的人格権という利益が内心にとどまる限り何らかの法により保護されるとする解釈を採用したとしても,このような解釈が,内心にと どまることを超えて他の権利・利益を制限する根拠となるという効果を認めることにはならないことは明らかである。 争点5(本件各処分が占用許可準則及び工作物設置許可基準その他法令に反することにより違法か。)について(被告の主張) ア本件各処分につき,法はいずれも具体的な要件を規定しておらず,法24条に関する審査基準である占用許可準則及び法26条1項に関する審査基準である工作物設置許可基準は,それぞれ整備局長の裁量による判断を認めている。したがって,本件各処分は,整備局長の判断が裁量権の範囲を逸脱ないし裁量権を濫用したと認められる場合に初めて違法と評価され ることになる。 イ本件土地周辺の都市・地域再生等利用区域への指定について,整備局長は,占用許可準則及び平成23年通知に定める手続に従って行った。 すなわち,整備局長は,平成26年11月26日付けの広島市長からの要望を契機に,本件土地周辺の都市・地域再生等利用区域への指定につい て,占用許可準則第22第5項に基づき,同月27日に同項のいう「河川管理者,地方公共団体等で構成す 6日付けの広島市長からの要望を契機に,本件土地周辺の都市・地域再生等利用区域への指定につい て,占用許可準則第22第5項に基づき,同月27日に同項のいう「河川管理者,地方公共団体等で構成する河川敷地の利用調整に関する協議会」である推進協議会において,①本件土地周辺を都市・地域再生等利用区域とすることの承認を,②都市・地域再生等占用方針として「占用許可を受けることができる施設」を「船舶係留施設」(同準則第22第3項5号)及 び「船上食事施設」(同項8号)とし,許可方針として「船舶所有者が都市・ 地域再生等占用主体となり,船舶係留施設に係留して営業活動を行うこと」,「船底部分は,死水域内に収めること」とすることの承認を,③かなわを同準則第22第4項2号に掲げる者,すなわち都市・地域再生等占用主体とすることについて,「地域の同意」を,それぞれ得た。また,平成23年通知の趣旨を踏まえ,広島市長宛てに意見照会を行い,平成26年11月 28日に同意を得た上で,同日,同準則第22第7項に基づき中国地方整備局ホームページに掲載したものであり,これらの手続に裁量権の範囲の逸脱若しくはその濫用又は瑕疵はない。 ウ法24条に基づく許可に係る審査について都市・地域再生等占用主体として指定されたかなわは,平成26年12 月1日,また,平成29年3月22日,法24条に基づき,都市・地域再生等利用区域である本件土地における本件施設の設置をそれぞれ申請したところ,整備局長は,いずれの申請についても,同条に係る処分をするに当たり,占用許可準則第23に基づき,「当該占用が,都市・地域再生等占用方針及び第8から第11までの基準に該当し,かつ,都市及び地域の再 生等並びに河川敷地の適正な利用に資すると認められる」か否かについ 用許可準則第23に基づき,「当該占用が,都市・地域再生等占用方針及び第8から第11までの基準に該当し,かつ,都市及び地域の再 生等並びに河川敷地の適正な利用に資すると認められる」か否かについて,以下のとおり審査した。 都市・地域再生等占用方針についてかなわは,営業活動を行う事業者等であって,河川管理者である整備局長,地方公共団体である広島市等で構成した河川敷地の利用調整に関 する協議会である推進協議会で適切であると認められた(占用許可準則第22第4項2号)。 また,本件施設は,本件土地周辺の都市・地域再生等利用区域への指定において都市・地域再生等占用方針として指定した,「船舶係留施設」に係留する「船上食事施設」である(同準則第22第3項5号,8号)。 さらに,同準則第22第6項は,都市・地域再生等利用区域について, 「治水上又は利水上の支障等を生じることがない区域でなければならない」としているところ,本件土地周辺の指定に当たり,推進協議会では,係留地移転の要件として,河川区域に船を係留する場合は,河道内の水面部分で流れのない場所あるいは流れがあっても渦状の場所で流水の疎通に関係のない部分である死水域に係留することとされ,整備局長によ る公表でも,本件施設の占用位置について,船底部分は死水域に収めることとされた。 これを受け,かなわは,本件施設の設置位置について「流水域ライン」より陸地側に収まる構造として申請し,この部分は,そもそも流速がないか,水が滞留する部分であると認められ,当該流水域ラインは上流の 堤防法線の延長線とほぼ重複する線であって,本件土地は,この線より陸地側にくぼんでいることから,推進協議会において要件とされた「死水域」,つまり「河道内の水面部分で流 該流水域ラインは上流の 堤防法線の延長線とほぼ重複する線であって,本件土地は,この線より陸地側にくぼんでいることから,推進協議会において要件とされた「死水域」,つまり「河道内の水面部分で流れのない場所あるいは流れがあっても渦状の場所で流水の疎通に関係のない部分」に該当する。 実際に,太田川基本方針における元安川の計画高水流量である毎秒7 ㎥に基づいて行った本件土地付近の流速を示すシミュレーションによっても,上流の堤防法線の延長線を境に,流速及び流向が河川中心側と陸地側とでは明らかに異なっており,陸地側の流速は明らかに低いものとなっていることから,この点からも本件土地を含む「流水域ライン」より陸地側の範囲内は,水が滞留する水域として,同準則第22第6項 にいう「治水上又は利水上の支障等を生じることがない区域」に該当する。 したがって,その範囲内に設置する本件施設は,同準則第22第3項及び6項の要件を満たしている。 原告らは,高潮による洪水を想定すれば,本件土地は,河川の流下能 力に支障を及ぼさない場所とはいえないと主張するが,高潮による本件 施設に対する影響は水位上昇と風速であるところ,水位上昇などの水位変動に対しては,流れ止めチェーン及びアンカーによる係留方法により追従する構造となっているし,風速に対しては,本件施設が,10分間平均風速の100年再現期待値として設定される毎秒44mの風速を想定して運輸局長から係留船として船舶検査証の交付を受けている。した がって,本件施設が流出することによって治水上の支障となることはなく,本件施設は高潮による影響を考慮した構造であるといえる。 また,原告らは,本件施設が出水時に移動できないことを ている。した がって,本件施設が流出することによって治水上の支障となることはなく,本件施設は高潮による影響を考慮した構造であるといえる。 また,原告らは,本件施設が出水時に移動できないことを問題にするが,本件施設の設置に当たっては,飽くまで「河川管理上支障のないもの」との観点からその構造を審査するものであり,移動できるか否かは その審査における一要素にすぎない。すなわち,本件施設は,出水時に必ずしも移動できないものではなく,前記のとおり,河川の流下能力に支障を及ぼさない場所に設置し,洪水時に流出しない構造となっていることから,「河川管理上支障のないもの」と判断した。なお,本件施設は推進機関を有しない「係留船」(船舶)であることから,必要に応じて推 進機関を有する他の船舶による曳航などにより移動できる。 占用許可準則第23は,都市・地域再生等利用区域において都市・地域再生等占用主体が占用許可を申請した場合は,「当該占用が,都市・地域再生等占用方針及び第8から第11までの基準に該当し,かつ,都市及び地域の再生等並びに河川敷地の適正な利用に資すると認められると き」には,占用の許可ができると定めているところ,以下のとおり,その手続及び審査に裁量権の範囲の逸脱若しくはその濫用又は瑕疵はない。 a 占用許可準則第8について同準則第8第2項1号は,「河川の洪水を流下させる能力に支障を及ぼさないものであること」と定めているところ,本件土地,すなわち 上流堤防法線の延長線より陸地側については,前記のとおり同準則第 22第6項にいう「治水上又は利水上の支障等を生じることがない区域」であることから,河川の流下能力に支障を及ぼさない場所といえ,本件土地に本件施設を設置すること いては,前記のとおり同準則第 22第6項にいう「治水上又は利水上の支障等を生じることがない区域」であることから,河川の流下能力に支障を及ぼさない場所といえ,本件土地に本件施設を設置することは,同準則第8第2項1号の要件を満たしている。 同準則第8第2項2号は,「水位の上昇による影響が河川管理上問題 がないものであること」と定めているところ,本件施設は船舶(係留船)であり,その係留方法は「流れ止めチェーン」により係留するとされているとおり,水位変動に追従する構造となっていることから,本件施設の設置により河川管理上問題となる程度の水位を上昇させるようなことはない。また,同準則第8第2項3号は,「堤防付近の流水 の流速が従前と比べて著しく速くなる状況を発生させないものであること」と定めているところ,そもそも本件土地は,前記のとおり「河道内の水面部分で流れのない場所あるいは流れがあっても渦状の場所で流水の疎通に関係のない部分」であって,かつ,本件施設はその滞留する水域内に位置し,水位変動に追従する構造となっていることか ら,流水に対する抵抗が少なく,流速が「著しく速くなる状況を発生」させるものではない。そのため,本件施設の設置により河川管理上問題となる程度の水位を上昇させるようなことはなく,流速が「著しく速くなる状況を発生」させるものではないから,本件施設の設置は同準則第8第2項2号及び3号の要件を満たしている。 同準則第8第2項4号は,「工作物は,原則として河川の水衝部,計画堤防内,河川管理施設若しくは他の許可工作物又は地質的にぜい弱な場所に設置するものでないこと」と定めているところ,本件施設及びその船舶係留施設が設置される場所である本件土地は,水衝部ではなく,これらは河道内に設置するものであって計 可工作物又は地質的にぜい弱な場所に設置するものでないこと」と定めているところ,本件施設及びその船舶係留施設が設置される場所である本件土地は,水衝部ではなく,これらは河道内に設置するものであって計画堤防内に設置する ものではない上,本件施設は船舶(係留船)であり,その船舶係留施 設も河床に固定する構造ではないので,その設置に当たって地質を考慮する必要はない。 同準則第8第2項5号は,「工作物は,原則として縦断方向に設けないものであり,かつ,洪水時の流出などにより河川を損傷させないものであること」と定めているところ,当該規定は,河川の縦断方向に 工作物を設けると横断方向に比べて治水上の支障を生じるおそれが大きくなるという観点から設けられている。前記のとおり,本件土地はそもそも河川の流下能力に支障を及ぼさない場所である上,本件施設は流れ止めチェーンによって係留され,洪水により流出しない構造となっていることから,洪水時に流出して河川管理施設である護岸など を損傷させるおそれもない。 したがって,本件施設及びその船舶係留施設は河川管理上適切な位置に設置されており,洪水により流出しない構造となっていることから,治水上の支障を生じるおそれはないといえ,同準則第8第2項4号及び5号の要件を満たしている。 以上のとおり,同準則第8第2項各号の要件を満たすから,本件施設及びその船舶係留施設は,同準則第8第1項の要件も満たしている。 b 占用許可準則第9について同準則第9第1項は,「河川敷地の占用は,他の者の河川の利用を著しく妨げないものでなければならない」と定めているところ,本件施 設及びその船舶係留施設は,その工作物の構造上必要とする最小限の河川敷地を占用するものである。また,本件施設の進入路とな 用を著しく妨げないものでなければならない」と定めているところ,本件施 設及びその船舶係留施設は,その工作物の構造上必要とする最小限の河川敷地を占用するものである。また,本件施設の進入路となる陸上部は,広島市が公園として占用許可を受ける箇所であるところ,広島市長による要望書において,「他の関係法令を遵守し,今後提出される詳細な図面等に問題がなければ,公園及び市道の許認可等には基本的 に支障がないものと認める。」とされており,本件施設の進入路による 河川敷地の占用は,他の者の河川の利用を著しく妨げないものであるといえ,同準則第9の要件を満たしている。 c 占用許可準則第10について同準則第10第1項は,「河川敷地の占用は,河川整備計画その他の河川の整備,保全又は利用に係る計画が定められている場合にあって は,当該計画に沿ったものでなければならない」と定めているところ,元安川を含む太田川水系においては,整備局長が平成23年5月16日付けで法16条の2第1項に基づく太田川整備計画を策定している。 太田川整備計画の目標のうち,「洪水,高潮等による災害の発生の防止又は軽減に関する目標」について,本件施設の設置場所である本件土 地付近は,同整備計画が目標とする元安川の計画高水流量毎秒710㎥に基づいて行った本件土地付近の流速を示すシミュレーションにおいても「河川の流下能力に支障を及ぼさない場所」であり,洪水に関して同整備計画の目標に沿う。また,太田川整備計画では,「過去の高潮被害の再度災害防止対策として,第2段階施工高のT.P.+3. 4mまでの整備を優先的に実施します。その後,太田川基本方針で定めた計画高潮位T.P.+4.4m(第3段階)までの高潮堤防の整備を実施します。」とされている ,第2段階施工高のT.P.+3. 4mまでの整備を優先的に実施します。その後,太田川基本方針で定めた計画高潮位T.P.+4.4m(第3段階)までの高潮堤防の整備を実施します。」とされているところ,本件土地付近の堤防高はT. P.+4.04mから4.45mであり,同整備計画で優先的に整備を実施する第2段階施工高を超えており,今後T.P.+4.4mと するよう工事を実施(第3段階)する箇所であるが,その工事は,現在の堤防の位置の上に最大で40cm弱の盛土をすることによるかさ上げを想定しているにとどまる上,本件施設は船舶であって,仮に移動する必要がある場合は,移動することが可能であり,工事の施工の支障とならない措置を講じているから,同整備計画における工事実施 の際の支障となるものではない。 加えて,太田川整備計画は,おおむね30年で実施する河川整備の目標,河川工事,維持管理等の内容を定めるものであり,高潮堤防の整備は第1段階から第4段階までと段階的に実施すると定めているのであって,本件各処分の時点において,本件土地付近の高潮堤防の整備について,時期や工法が相当具体的には定まっておらず,本件各処 分によっても高潮堤防の整備を含む将来の整備計画が明らかに実現できないという状況は認められなかったから,本件各占用許可処分は太田川整備計画に沿ったものであったか,少なくとも同整備計画に反するものではないということができる。仮に,処分後に河川工事の支障となるような事由が生じた際には,河川管理者は,法75条2項4号 に基づいて移動又は解体撤去等の措置を講じるよう命ずることも可能であり,実際にも,工事の施工は,高潮堤防の整備予定箇所ごとに,現地の堤防の状況等に応じて,適切な時期に,適切な工法により施工されるものであ いて移動又は解体撤去等の措置を講じるよう命ずることも可能であり,実際にも,工事の施工は,高潮堤防の整備予定箇所ごとに,現地の堤防の状況等に応じて,適切な時期に,適切な工法により施工されるものであるから,本件土地付近の高潮堤防の整備について,本件各処分の時点において,占用許可により同整備計画の内容に沿った 高潮堤防の整備が明らかに実施できないなどとはいえない。 次に,「河川環境の整備と保全に関する目標」については,河川空間の利活用として,「下流デルタ域の水辺においては,『水の都ひろしま』構想に基づき,市民,関係機関の協力のもと都市部の個性と魅力のある水辺の創出,賑わいのある水辺の創出を目指します。」とするところ, 本件施設は,広島市長からの要望を受けて推進協議会が承認した都市・地域再生等利用区域の指定等において,「都市・地域再生等利用区域において占用許可を受けることができる施設」であることから,この点においても太田川整備計画に沿うものとなっている。また,太田川整備計画では,「『水の都ひろしま』推進計画において位置づけられたテ ーマである『泳げ遊べる川づくり』に鑑み,人々が安全に安心して水 辺を利用できるように水辺環境の改善を推進します。」とし,本件土地付近については底質改善するとするところ,前記のとおり,本件施設は船舶であり移動できることから,太田川整備計画における工事実施の際の支障となるものではない。 さらに,「河川維持管理の目標」について,本件施設は,「河川の流 下能力に支障を及ぼさない場所」に設置し,洪水時に流出しない構造となっている上,許可条件において清潔の保持や安全確保を講じることとされていることから,河川の維持管理上の支障はなく,太田川整備計画に沿っているといえる。 以上のとおり,本 洪水時に流出しない構造となっている上,許可条件において清潔の保持や安全確保を講じることとされていることから,河川の維持管理上の支障はなく,太田川整備計画に沿っているといえる。 以上のとおり,本件施設は太田川整備計画に沿うものであるから, 占用許可準則第10第1項の要件を満たしている。 なお,太田川整備計画のうち「河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持に関する目標」については,水利使用に関する目標であり,本件に該当せず,また,同準則第10第2項に関し,本件土地付近は同項にいう「保全すべきこととされている河川敷地」とは定められて いない。 d 占用許可準則第11について同準則第11第1項は,「河川敷地の占用は,河川及びその周辺の土地利用の状況,景観その他自然的社会的な環境を損なわず,かつ,それらと調和したものでなければならない」と定めているところ,本件 施設は,景観法に定義される景観行政をつかさどる行政機関としての景観行政団体である広島市が,その提出した要望書において,「景観協議」として市美観形成要綱に基づき協議し,その結果「一部色彩について協議中だが,調整が終わり次第,協議成立となる見込み」としており,かなわとの間で本件施設の周辺の景観上の配慮について協議し ている。そして,かなわは,景観行政団体である広島市との協議結果 に基づく内容で法24条に係る河川占用許可の申請をしていることからすれば,景観に配慮したものであるとして,同準則第11第1項の要件を満たしている。 なお,同準則第11第2項に関し,広島市は,その策定した市景観計画において法24条の許可の基準を定めていない。 また,整備局長に,市景観条例に基づき設置される広島市景観審議会を開催するか否かを判断する権限はもとより, 関し,広島市は,その策定した市景観計画において法24条の許可の基準を定めていない。 また,整備局長に,市景観条例に基づき設置される広島市景観審議会を開催するか否かを判断する権限はもとより,同準則第11に基づいて同審議会の開催の有無を確認する義務はないし,そもそも同審議会の審議を経なければ本件各処分を行えないものではないから,本件各処分が同準則第11に反することにはならない。 エ法26条に基づく許可に係る審査について整備局長は,本件新築許可処分をするに当たり,工作物設置許可基準を満たすものと適法に判断した。 工作物設置許可基準第3について同許可基準第3は,「基本方針」とされているとおり,工作物の設置等 の許可に当たって,当該工作物を河川区域内に設けなければならない必然性,公共性の程度,河川管理上の支障の有無等を十分に検討する必要があることなどから設けられている同許可基準の基本方針であり,個別具体的な法26条1項に基づく工作物の新築等の許可における基準ではない。 工作物設置許可基準第4について同許可基準第4第1号につき,本件施設及びその船舶係留施設の設置場所は,前記のとおり河川管理上適切な位置に設置されている。この点は,太田川基本方針に基づく計画高水流量において本件土地付近の流速のシミュレーションによっても,「河川の流下能力に支障を及ぼさない場 所」であることが確認されており,流下断面に適合した位置に設置され ていることが明らかとなっている。 2号から7号までにつき,本件において考慮する必要はない。 8号は,「付近の土地の区域における景観との調和,河川における生態系の保全等の河川環境の保全に配慮するものとすること」と規定しているところ 2号から7号までにつき,本件において考慮する必要はない。 8号は,「付近の土地の区域における景観との調和,河川における生態系の保全等の河川環境の保全に配慮するものとすること」と規定しているところ,元安川の河川環境については,昭和63年3月に「太田川河 川環境管理基本計画」が策定されており,同計画では,「太田川における河川空間環境の適正な保全と創造を図るため,基本理念,基本方針に基づき,河川空間を流域及び河川の特性に応じてブロック区分し,ブロックごとに管理方針を定め,さらに,堤内地が都市化され河川空間に多様な要請がある区域においては,河川空間の保全と利用を適正に行うべく 河川空間管理基本計画を定めるものとする」とされ,元安川を含むブロックの管理方針は,「市内派川は広島市の中心部を網状に還流し,その水と緑が織り成す美しい河川景観は『水の都広島』のシンボルであるため,周辺地域と調整し河川景観の保全と創造を図るとともに,水に親しめるよう管理する」とされた。また,元安川は,「平和記念公園~中央公園周 辺」として「『水の都広島』・平和の水辺」をテーマに整備するものとされ,さらに,許可工作物の設置に当たっては,河川空間の整備に関する基本方針に基づき,工作物の管理者に工作物の形状,色調等について指導するものとする,とされている。本件施設の形状,色調等については,景観行政団体である広島市とかなわが景観協議を行っており,その上で 広島市は,本件施設について,「『水の都ひろしま』にふさわしい個性と魅力ある風景づくりに大きく寄与する」としていることから,本件施設は「水の都ひろしま」としての景観上の配慮がされているといえる。 9号は,「工作物の用途を廃止したときは,その工作物が治水上,利水上の支障とならないように除去することを基本と いることから,本件施設は「水の都ひろしま」としての景観上の配慮がされているといえる。 9号は,「工作物の用途を廃止したときは,その工作物が治水上,利水上の支障とならないように除去することを基本とするものとすること」 と規定しているところ,本件各処分の許可条件において,「許可を受けた 目的を達することができなかったとき,又は廃止したとき」には,「すみやかに太田川河川事務所長を経由して,中国地方整備局長に届け出ること」を申請者であるかなわに義務付けている。法31条も,河川管理者による必要な措置として,工作物の除却及び河川の原状回復を命ずることができる旨を定めており,本件についても,かなわが本件施設の用途 を廃止した場合には,整備局長が同条に基づく命令をすることができる。 したがって,本件新築許可処分は工作物設置許可基準第4に反しない。 工作物設置許可基準第42について本件土地付近は流速がほとんど生じない水が滞留する水域であり,「河川の流下能力に支障を及ぼさない場所」であることから,同許可基準第 42第1号が掲げる設置が不適当な箇所のいずれにも該当しない。なお,同2号には「設置にあたって対策が必要な箇所」も掲げられているが,本件土地付近はそもそも対策が必要な箇所には当たらない。 原告らは,本件施設の設置が「洪水時に多量の流木が流下又は集積するおそれのある箇所」への設置に当たり,同許可基準第42第1号①に 反すると主張するが,本件施設は,流れ止めチェーン6本及びアンカー6個により,また,流れ止めチェーンは「流水域ライン」より陸地側にクロスして設置されており,適切に設置されている。 工作物設置許可基準第43について同許可基準第43は,船舶係留施設の設置の基準を定めているところ, 同1号共通事 域ライン」より陸地側にクロスして設置されており,適切に設置されている。 工作物設置許可基準第43について同許可基準第43は,船舶係留施設の設置の基準を定めているところ, 同1号共通事項とされている①から④までについて,本件施設に係る船舶係留施設が「河川の流下能力に支障を及ぼさない場所」にあり,その構造も,元安川の計画高水流量である毎秒 ㎥を上回る毎秒 ㎥の流量が本件土地を含めて河川全幅で流れると仮定して実施された係留計算において流出しないとの結果が得られており,また,流れ止めチ ェーンによる係留も水位変動に追従するものとなっていることから,本 件施設及びその船舶係留施設の設置によって「治水上の支障が生じるおそれ」(①)はなく,「流れや水位変動等に対して適切に配慮された方式」(④)となっている。また,②についても,本件施設に係る船舶係留施設は流れ止めチェーンであり,流水に対する抵抗は少ないので,流水及び河川構造に影響を与えるものではない。さらに,③についても,本件 施設は船舶(係留船)であって,固定されたものではなく移動できる構造であるから,河川の維持管理上必要があれば移動させることができ,河川管理上の支障とならない。 オなお,広島市内における建築確認に係る事務及び都市計画区域等における開発許可については,いずれも広島市が所掌しているが,河川法令は, 土地の占用許可及び新築許可の申請における添付図書について,「土地の占用に係る行為又は事業」(法施行規則12条2項5号)及び「新築等に係る行為又は事業」(同規則15条2項8号)に関して,それぞれ,「他の行政庁の許可,認可その他の処分を受ける 書について,「土地の占用に係る行為又は事業」(法施行規則12条2項5号)及び「新築等に係る行為又は事業」(同規則15条2項8号)に関して,それぞれ,「他の行政庁の許可,認可その他の処分を受けることを必要とするときは,その処分を受けていることを示す書面又は受ける見込みに関する書面」を添付する ものと定めているところ,他の法令に基づく許可,認可ないしその他の処分が必要でない場合には,このような書面は不要である。 そして,他の法令に基づく許可,認可ないしその他の処分の要否及び許否の判断については,当該法令に基づき,許認可に関する事務を所掌する行政庁が最終的に行うものであり,また,土地の占用等の許可等の申請に 当たり,他の行政庁の許可,認可等の処分を受け又は受ける見込みであることを示す書面等の添付を必要とするか否かの判断は,法24条及び26条1項が申請主義であることに基づき,一義的には許可を求める申請者においてすべきものであることから,河川管理者は,占用許可等をするに当たっては,当該申請者に対して,他の法令に基づく許可,認可ないしその 他の処分が必要か否かの判断を確認することとなる。 このように法施行規則12条2項5号又は15条2項8号の規定は,飽くまでも申請者が他の法令に基づく許可,認可ないしその他の処分を「必要とするとき」に,申請者に対して他の法令に基づく「処分を受けていること」又はその「見込み」に係る書面を添付させることにより,処分行政庁において,申請者にその要・不要に関する判断を確認する趣旨のもので, 河川管理者として,他の法令に基づく許可,認可ないしその他の処分自体を審査してその当否を判断するものではない。 そして,河川管理者としては,一義的には当該申請者の判断に従って占用許可等の処分を行えば 川管理者として,他の法令に基づく許可,認可ないしその他の処分自体を審査してその当否を判断するものではない。 そして,河川管理者としては,一義的には当該申請者の判断に従って占用許可等の処分を行えば足りるのであり,仮に,占用許可等の処分をした後,当該申請者の判断に誤りがあり,他の法令に基づく許認可等の所管行 政庁において,「他の法令に基づく許可,認可その他の処分」が必要であったと判断された場合であっても,占用許可等は飽くまでも河川法令及び関係通達に基づき審査し,総合的に判断して行われるものであるから,他の法令に基づく許認可等がなかったことが,直ちに本件各処分の違法を構成しないのであり,占用許可等の処分自体に瑕疵はないことから,占用許可 等の処分についての,処分行政庁の裁量権の範囲の逸脱又はその濫用とはならないし,占用許可等の違法を導くものではない。 この点,本件施設につき,申請者であるかなわは,本件各処分に係る申請時,建築確認及び開発許可に関する「その処分を受けていること」又は「見込み」に係る書面を提出しなかった。また,本件各処分に先立ち,所 管行政庁である広島市長は,本件施設の設置に当たり建築確認及び開発許可を必要としないと判断していたことが分かる。 したがって,かなわは,広島市の上記の判断に基づいて,建築確認等は不要であるとの判断から,これらに係る関係書類の添付をしなかったものと認められ,処分行政庁である整備局長も,かなわの判断を確認して本件 各処分を行ったものであるから,本件各処分に裁量権の範囲の逸脱又はそ の濫用は認められない。また,整備局長が,本件各処分に当たり,広島市に対して,建築確認及び開発許可の要否を確認しなかったことについても瑕疵はない。 なお,行政手続法において,原告らが主張するよ の濫用は認められない。また,整備局長が,本件各処分に当たり,広島市に対して,建築確認及び開発許可の要否を確認しなかったことについても瑕疵はない。 なお,行政手続法において,原告らが主張するように,他の行政庁が主務官庁である事項に関する許認可の要件の有無にまで,処分行政庁自らが 審査し判断することは求められておらず,整備局長は,広島市による建築確認,開発許可及び都市公園法に基づく占用許可に関する判断を踏まえて,河川法令及び関係通達に基づいて本件各処分を行ったものであり,その手続に何らの違法はない。 また,原告らは,建築確認及び開発許可を受けていないことが本件各処 分に付された許可条件に反しているからこれらは失効していると主張するが,上記の条件は解除条件であり,これが成就した事実は一切ない。 カ以上のとおり,整備局長は,本件土地周辺の都市・地域再生等利用区域への指定及び本件各処分に当たって,河川法令及び関係通達に基づいて手続及び審査をし,総合的に判断しているのであり,その手続及び審査に裁 量権の範囲の逸脱若しくはその濫用又は瑕疵はなく,適法に行っており,仮に原告らの訴えが適法であったとしても,本件訴えに係る請求はいずれも棄却されるべきである。 (原告らの主張)ア法24条及び26条が,他の法令に違背・抵触することとなる許可処分 を許容する趣旨でないことはいうまでもないから,河川管理者が他の法令に違背・抵触することなく許可権限を行使することを当然の前提条件として,その権限を河川管理者に委ねたものと解釈するのが自然である。したがって,河川管理者が,他の法令に違背・抵触することとなる占用許可処分ないし工作物の新築等の許可処分をした場合,当該処分は裁量権の範囲 を逸脱し又はこれを濫用した違 釈するのが自然である。したがって,河川管理者が,他の法令に違背・抵触することとなる占用許可処分ないし工作物の新築等の許可処分をした場合,当該処分は裁量権の範囲 を逸脱し又はこれを濫用した違法な処分というべきである。 また,法が,河川管理者において,災害の発生防止あるいは環境の保全と相容れない占用許可処分や工作物の新築等の許可処分をすることを許容するものではないことも明らかであるから,災害の発生防止や環境の保全を趣旨・目的とする他の法令の規定に違背・抵触することとなるこれらの処分は,法の趣旨・目的にもかなわず,当該処分は裁量権の範囲を逸脱し 又はこれを濫用したものとして当然に違法な処分というべきである。 さらに,法24条の占用許可の審査基準として占用許可準則が,法26条1項の工作物の新築等の許可の審査基準として工作物設置許可基準が,それぞれ定められており,処分庁は,法令及びこれらの審査基準に従って許否の判断を行うべきものとされているから,占用許可準則及び工作物設 置許可基準の一部にでも適合しない許可処分を行った場合,当該許可処分は,遵守すべき基準に違反し,あるいは考慮すべきでない事由を斟酌したものとして,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法の評価を免れ得ない。 イ占用許可準則第8違反について 同準則第8第1項は,「工作物の設置,樹木の植栽等を伴う河川敷地の占用は,治水上又は利水上の支障を生じないものでなければならない」と定め,その「治水上の支障」の有無については,同2項各号の要件を満たすか否かによって判断すべきものとしているところ,次のとおり,本件各占用許可処分は,各号の要件に適合しない。 占用許可準則第8第2項1号「洪水を流下させる能力に影響を及ぼさないものであるこ か否かによって判断すべきものとしているところ,次のとおり,本件各占用許可処分は,各号の要件に適合しない。 占用許可準則第8第2項1号「洪水を流下させる能力に影響を及ぼさないものであること」に適合しない。 すなわち,平成3年9月27日の台風19号による広島市内の河川における洪水や従前施設の衝突による平和大橋の損傷は,高潮,つまり台風が海岸部を通過する際に生じる海面の高まりによる増水と暴風による 高波によって生じたものであり,本件土地付近は,その後整備局長が策 定した太田川整備計画で,高潮による浸水被害の防止が急務とされている「堤防高が計画高潮位(T.P.+4.4m)に満たない区間」であって,更なる堤防のかさ上げ工事を実施するとされている。それゆえ,従前土地と近接した場所である本件土地での移築の許否を検討するに当たっては,当然,高潮による洪水を想定した上で治水上の支障の有無が 検討されるべきである。しかし,被告が行った,計画高水流量に基づく,想定される洪水時における本件土地付近の流速のシミュレーションでは,上流から下流側に洪水が流下するケースしか想定されておらず,高潮時に水が海側(下流側)から逆流,浸水することが想定されていない。しかも,本件土地は,湾奥に位置する河川の,下流から上流に向かって川 幅が狭まる位置に存するから,高潮時の逆流,浸水の影響を避け難く,治水上の支障を生じない場所ではない。 したがって,本件土地は,同準則第22第6項にいう「治水上の支障を生じることがない区域」には該当しないから,同準則第8第2項1号の「洪水を流下させる能力に影響を及ぼさない」ものではない。 また,本件施設は,下流側の平和大橋,上流側の元安橋及び東西の河岸によって囲まれた狭いエリアから外に出ることは物理的 8第2項1号の「洪水を流下させる能力に影響を及ぼさない」ものではない。 また,本件施設は,下流側の平和大橋,上流側の元安橋及び東西の河岸によって囲まれた狭いエリアから外に出ることは物理的に不能であり,本件土地から移動するということは,被告のいう河川の流下能力に支障を及ぼさない場所である本件土地の外に出て,そのような場所で止まって居続けるしかない事態も想定され,本件施設が傾いて倒れる可能性も あるから,河川管理上,大きな支障が生じ,ひいては河川災害を発生ないし拡大させるおそれもある。 占用許可準則第8第2項3号「堤防付近の流速が従前と比べて著しく速くなる状況を発生させないものであること」に適合しない。 すなわち,前記のとおり,本件土地は高潮時の逆流,浸水の影響を避 け難い場所に存するのであり,高潮時の逆流,浸水に対して,本件施設 が抵抗となることは明らかであるから,その周囲の流水が「著しく速くなる状況を発生させる」ものである。 占用許可準則第8第2項4号「工作物は,原則として,河川の水衝部,計画堤防内,河川管理施設若しくは他の許可工作物の付近又は地質的にぜい弱な場所に設置するものでないこと」に適合しない。 すなわち,高潮による洪水の際には,本件土地は水衝部(河川の湾曲部などで水の流れが強く当たる箇所)となる。また,本件施設の周囲に4本の流れ止め杭を地中に打設することが前提であるが,地質が考慮されていない。 さらに,整備局長は,本件各処分の審査をするに当たり,本件施設の 設置が建築基準法令に違背・抵触するところがないか否かについても判断の対象とすべきであるが,本件施設は建築物に該当するのであり,この点を考慮しなかった本件各処分は,同準則第8第2項4号の趣旨に適合しない。 占用許可準 ・抵触するところがないか否かについても判断の対象とすべきであるが,本件施設は建築物に該当するのであり,この点を考慮しなかった本件各処分は,同準則第8第2項4号の趣旨に適合しない。 占用許可準則第8第2項5号「工作物は,原則として河川の縦断方向 に設けないものであり,かつ,洪水時の流出などにより河川を損傷させないものであること」に適合しない。 ウ占用許可準則第9第1項「他の者の河川の利用を著しく妨げないものでなければならない」に違反すること,及び,都市公園法に違背・抵触することについて 本件土地の東側に隣接する河岸である,本件施設への進入路となる陸上部は,河川区域である土地につき,広島市が整備局長から占用許可を受けて都市公園を設置・占用している場所であるから,その管理も都市公園法を遵守して行われなければならない。しかし,本件施設の新築・占用に伴い,上記の陸上部には,都市公園法6条の公園施設に該当しないことから, 同条の許可なくして,公園内に設置・占用することが許容され得ない工作 物である,本件施設に進入するためのスロープ状の工作物や,プロパンガスを供給するための専用LPガス貯蔵設備(ガスボンベ庫)及び電気を供給するための専用変電設備が設置されるに至っている。これらは,都市公園法上の公園施設に該当せず,都市公園の効用を全うするための便益施設にも該当しないところ,広島市は,これらが都市公園法2条2項7号の便 益施設に該当し,公園施設といえると強弁して,違法に設置・占用を許可している。整備局長は,本件施設の本件土地への設置・占用を許可したならば,それに伴い都市公園内に設置・占用することが許容され得ない複数の工作物等が都市公園法に違背して設置されることを認識・予見したにもかかわらず,これを全く考慮せず 件土地への設置・占用を許可したならば,それに伴い都市公園内に設置・占用することが許容され得ない複数の工作物等が都市公園法に違背して設置されることを認識・予見したにもかかわらず,これを全く考慮せずに本件各処分をしたことは明らかである。 エ占用許可準則第10第1項「河川整備計画その他の河川の整備,保全又は利用に係る計画が定められている場合にあっては,当該計画に沿ったものでなければならない」に違反することについて本件各処分は,太田川整備計画に沿ったものでなければならないところ,次のとおり,同整備計画に違反するから,同準則第10第1項に違背する ものである。 「4.1 洪水,高潮等による災害の発生の防止又は軽減に関する目標」及び着実に高潮対策を実施するとされていることに沿わない。 すなわち,前記のとおり,高潮による洪水を想定すれば,本件土地には治水上の支障を生じるおそれがあり,ここに一企業にすぎないかなわ のため本件施設の設置・占用を許可することは,洪水,高潮等による災害の発生の防止又は軽減という整備計画の目標に沿わない。まして,太田川整備計画で要するものとされている高潮対策事業(既存の堤防のかさ上げ工事)において,本件施設が大きな障害となりかねない。なぜなら,本件施設が曳航に耐え得るだけの構造・性能を有しているか極めて 疑問であるし,仮に曳航できたとしても,元安橋又は平和大橋の下をく ぐって通過させることは物理的に不可能であって,実際上本件施設を本件土地から移動させるには,本件土地における占用を廃止し,本件施設を解体,撤去するほかなく,高潮対策事業の支障となることは明らかである。 「4.2 河川環境の整備と保全に関する目標に関する目標」にも整 合しない。 底質改善工事を実施するとされ 件施設を解体,撤去するほかなく,高潮対策事業の支障となることは明らかである。 「4.2 河川環境の整備と保全に関する目標に関する目標」にも整 合しない。 底質改善工事を実施するとされていることに沿わない。 すなわち,前記のとおり,本件施設が船舶であり移動できることから太田川整備計画における工事実施の際の支障となるものではないとの被告の主張は,何ら現実的な根拠のないものであり,その支障となること は明らかであって,同整備計画に矛盾,抵触する。 「4.4 河川維持管理の目標」に沿わない。 すなわち,前記のとおり,本件土地は,占用許可準則第8第2項1号にいう,河川の流下能力に支障を及ぼさない場所ではないから,本件土地に本件施設による占用を許可することは,河川管理上の支障があり, 太田川整備計画に沿っているとはいえない。 オ占用許可準則第11違反について占用許可準則第11第1項「河川及びその周辺の土地利用の状況,景観その他自然的及び社会的環境を損なわず,かつ,それらと調和したものでなければならない」に適合しない。 すなわち,本件土地に新たに本件施設を設置することは,酒食を提供する料亭が作られて営業することであり,本件土地が原爆ドームのバッファーゾーン内である元安川であることからすると,「鎮魂と平和の祈念の意味」を持つ原爆ドームの「直接の背景,重要な風景,遺産とその保護を支える重要な機能をもつ他の地域または付属物」に否定的な影響を 生じさせ,景観や社会的環境を損なうことは明らかであるから,本件各 処分は同準則第11第1項に違反し,この点を見過ごした本件各処分は違法である。また,本件施設が接岸する東部河岸緑地の樹木等が伐採され,その景観が著しく毀損されたことからも,本件各処分は同準則 処分は同準則第11第1項に違反し,この点を見過ごした本件各処分は違法である。また,本件施設が接岸する東部河岸緑地の樹木等が伐採され,その景観が著しく毀損されたことからも,本件各処分は同準則第11第1項に違反する。 さらに,河川事務所長と広島市との事前協議で,広島市側は景観協議 会にかけるべきであると回答しているにもかかわらず,本件各処分の許可申請に景観協議会の協議結果を記した書面は添付されていないのであるから,整備局長は,申請者に対して,景観協議会において本件施設をバッファーゾーン内に設置しても問題がないことを示す書面の提出を求め,その提出を待って許否を判断すべきであり,更に世界遺産条約に違 反するか否かを検討すべきであったにもかかわらず,これらのことをせず,申請のままに本件各処分をしたことは,考慮すべき事情を考慮しなかった判断の遺漏であり,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものである。 占用許可準則第11第2項「河川敷地の占用は,景観法に基づく景観 行政団体が景観計画に法24条の許可の基準を定めた場合には,当該計画に定める基準に沿ったものでなければならない」に適合しない。 すなわち,広島市は,市景観計画で,原爆ドーム及び平和記念公園周辺地域の景観形成方針として,世界遺産である原爆ドーム及び平和記念公園においては,平和を祈り,平和を考え,安らぎ,くつろぐことがで きる環境を整えていく必要があると定めており,本件土地は,「A地区(平和記念公園地区)」にあり,平和記念公園の役割にふさわしい良好な景観の保全及び形成を図るとされているところ,本件各処分が世界遺産である原爆ドームの保護に違反することからすれば,当然に同準則第11第2項にも違反することが明らかであるから,この点を全く審査せ 好な景観の保全及び形成を図るとされているところ,本件各処分が世界遺産である原爆ドームの保護に違反することからすれば,当然に同準則第11第2項にも違反することが明らかであるから,この点を全く審査せず見過 ごした本件各処分は違法である。 また,市景観条例によれば,良好な景観の形成に関する重要な事項については,広島市長の諮問によって景観審議会が調査,審議をして,広島市長に意見を述べることができるにもかかわらず,本件土地への本件施設の設置に当たっては,景観審議会での審議が行われることがなかったことも,同準則第11第2項に違反するものであり,本件各処分は違 法である。 カ占用許可準則第22違反について 占用許可準則第22第3項「都市・地域再生等占用方針には,次に掲げる施設のうちから,当該都市・地域再生等利用区域において占用の許可を受けることができる施設及びその許可方針を定めるものとする」8 号「船上食事施設」に適合しない。 すなわち,本件施設は船上食事施設として許可されているところ,船上食事施設は,原則として船舶係留施設に係留して営業活動を行うものであり,出水時等には河川敷地外に移動される,又は出水時の流水の作用,塵芥の影響及び風等の影響により船舶が転覆することなく,水位移 動に対して確実に追従できる構造であることなど河川管理上支障のないものであることが求められている。そして,広島市都市整備局指導部建築指導課は,かなわから提出された計画内容において,本件施設につき,船体を安定させているロープと錨(いかり)が容易に取り外し可能であること,船体に接続している給排水等のインフラ設備等は容易に脱着可 能な構造であること,随時かつ任意に移動可能な状態を確保するため定 を安定させているロープと錨(いかり)が容易に取り外し可能であること,船体に接続している給排水等のインフラ設備等は容易に脱着可 能な構造であること,随時かつ任意に移動可能な状態を確保するため定期的に離岸させることから,建築基準法上の建築物には該当しないと判断した。 しかし,建設省住宅局建築指導課長の通知によれば,係留型の海洋建築物(水上,水中に設けて建築物としての用に供する施設をいい,淡水 系に設けるものも含む。)が各地で計画されるようになってきたが,建築 基準法では従来より水底に固着された水中展望塔などのほかに,水上に浮かぶものについても鎖や桟橋により水底に定着され建築物の用に供するものは建築基準法の対象とされている。 そうであるところ,整備局長は,処分行政庁として,本件各処分の審査をするに当たり,建築物としての本件施設の設置が建築基準法令に違 背・抵触するところがないか否かについても判断の対象とすべきであるが,本件施設は,建築基準法上の建築物として,同法所定の審査(建築確認)を受けなければ建築が禁じられるべき工作物に該当するから,建築確認申請すらされないまま建築された違法建築物である。 すなわち,建築物の定義における「土地に定着する」につき,「土地」 には,通常の陸地のみでなく建築的に利用が可能な水面,水底(海底)等を含み,「定着する」には,必ずしも物理的に強固に土地に結合された様態のみでなく,本来の用法上,定常的に定着された様態,例えば桟橋による係留,鎖その他の指示物による吊り下げ,又はアンカーボルトによる固定のような様態を含むものであるとされている。この点,本件施 設は,船体の上流側・下流側とも地中に打設された各2本の杭で囲まれており,設置場所から前後に移動させることが不可能な状態で,ア よる固定のような様態を含むものであるとされている。この点,本件施 設は,船体の上流側・下流側とも地中に打設された各2本の杭で囲まれており,設置場所から前後に移動させることが不可能な状態で,アンカー及びチェーンにより強固に係留され,桟橋とも強固に接続されていること,その船底部のバラストは水その他の増減が可能な物で構成されておらず,コンクリートが打設されたものであり,バラストによる浮力の 調整ができないため,船体が水底から離れて浮揚している時間帯は,広島湾の潮位がおおむね320cmを超えている1日4時間程度と僅かであること,自走できる動力を有しない本件施設を随時移動させることは実際上不可能であることからすれば,まさしく,本来の用法上,定常的に土地に定着された様態の工作物であり,建築基準法上の建築物に該当 することが明らかである。 加えて,本件各処分に先立って行われた事前協議でも,河川事務所長から広島市に対し,建築基準法への適合に問題がないか確認し,最も大きなハードルに思える旨の発言がされていたことからすれば,整備局長において,建築確認を受けないまま本件施設が建築,設置されることを認識・予見した上で本件各処分をしたことが明らかである。 そして,本件施設は,完成後3年近くの間,離岸したことも,アンカー及びチェーンによる係留が解かれたことも,河岸と接続する桟橋が外されたことも,一度もない。また,河川事務所長は,本件施設が築造されれば建築物に該当するという認識を示していたのであり,該当しないとの広島市の判断は無理筋の見解であるにもかかわらず,処分行政庁は 上記の脱法行為を見て見ぬ振りをして,本件各処分をしたものである。 したがって,本件施設は,建築確認を受けなければ占用許可準則第22第3項8号の船上食 見解であるにもかかわらず,処分行政庁は 上記の脱法行為を見て見ぬ振りをして,本件各処分をしたものである。 したがって,本件施設は,建築確認を受けなければ占用許可準則第22第3項8号の船上食事施設として許可することができない建築物である。 その上,本件土地は市街化調整区域内にあるから,本件土地に建築物 を建築するには都市計画法34条所定の開発許可を受けなければならない。本件施設は建築基準法上の建築物に当たるにもかかわらず,開発許可申請すらされないまま建築された都市計画法違反の建築物であり,整備局長は,開発許可を受けないまま本件施設が建築,設置されることを認識,予見した上で本件新築許可処分をしたから,裁量権の範囲を逸脱 し又はこれを濫用している。 被告は,建築確認や開発許可が広島市の所掌する事務であり,かなわは広島市の判断に基づいてこれらに係る関係書類の添付をしなかったものと認められると主張するが,前記のとおり,河川事務所長が,広島市との事前協議の際,建築許可や開発許可の要否につき疑問を呈していた ことからすれば,整備局長は,これらが不要なことについて,申請者に 対して添付書類の追加提出を求めるとともに,整備局長自身がその要否を独自に判断することが必要であった。それにもかかわらず,整備局長が申請のままに本件各処分をしたことは,考慮すべき事情を考慮しなかった判断の遺漏であり,その結果,建築基準法及び都市計画法違反の事実を見逃したものである。 また,建築物に該当するか否かは法令に基づいて客観的に判断されるべき事項であり,その所管行政庁が建築物に該当しないとの判断をしたからといって,本来建築物であるものがそうでなくなるわけではない。 さらに,広島市は,かなわから提出された計画内容に基づき,本件施設が べき事項であり,その所管行政庁が建築物に該当しないとの判断をしたからといって,本来建築物であるものがそうでなくなるわけではない。 さらに,広島市は,かなわから提出された計画内容に基づき,本件施設が建築物に該当しないとの見解を表明しているところ,同計画内容とし て記載されている離岸作業を随時かつ任意に行うことは不可能であり,そのような実現不可能な作業を根拠に本件施設が建築物に該当しないとした広島市の判断は,前提となる事実を誤認したものであり不正な判断である。 加えて,本件施設は,建築確認及び開発許可を受けることなく設置さ れているから,本件各処分に付された条件である,「必要な他の法令の規定による許可を拒否する処分があったとき,又は許可を受けることが出来なかったとき」には許可の効力を失う場合に当たり,失効すべきである。 したがって,本件各処分は違法である。 占用許可準則第22第4項「都市・地域再生等占用主体には,次に掲げる者のうちから,当該都市・地域再生等利用区域において占用の許可を受けることができる者を定めるものとする」2号「営業活動を行う事業者等であって,河川管理者,地方公共団体等で構成する河川敷地の利用調整に関する協議会等において適切であると認められたもの」に適合 しない。 すなわち,広島市は,平成17年2月頃,推進協議会との間で,河川の活用に関する社会実験をするための委託契約を締結し,平成22年頃から「かき船」を活用する社会実験を行ってきたことを踏まえて,かなわによるかき船の営業活動のための河川占用を認める方向で動き,推進協議会は,平成24年3月頃,占用許可準則第22第4項2号による事 業者と認定した。 しかし,推進協議会が適切と認定した社会実験はかき船の利用者に対するアンケート 占用を認める方向で動き,推進協議会は,平成24年3月頃,占用許可準則第22第4項2号による事 業者と認定した。 しかし,推進協議会が適切と認定した社会実験はかき船の利用者に対するアンケートをとることが主であり,いわば船上食事施設としての利用実態の一端を把握するだけのものである。本来,一級河川について公共の目的ではなく民間の事業者にその占用を許可するためには,土地及 び地域の再生等のための利用という目的が必要であり,特定の民間業者に対して元安橋東詰南側だけを都市・地域再生等利用区域に指定するには,それ相応の事実が必要である。それにもかかわらず,本件各処分の前提として,推進協議会が占用許可準則第22第4項2号による「適切な営業活動を行う事業者」としてかなわを認めたことは誤りであるから, 本件各処分は違法である。 占用許可準則第22第5項「河川管理者は,都市・地域再生等利用区域の指定をしようとするときは,あらかじめ,河川管理者,地方公共団体等で構成する河川敷地の利用調整に関する協議会等の活用などにより地域の合意を図らなければならない」に適合しない。 すなわち,平成23年3月の同準則改正により設けられた上記の規制について,本件において,同準則第22第5項に定める「地域の合意」は,平成26年11月27日の推進協議会の承認で行われたかのようであるが,これのみでは同準則が求める「地域の合意」が図られたとは認められない。 最大の問題は,かなわが原爆ドームに近い元安川左岸・元安橋下流(本 件土地)にかき船(本件施設)を新規に設置・営業することについて,ほとんど広島市民に知らされていなかったことであり,マスコミが報道して一般に知られるようになったのは平成26年11月であって,その頃までに推進 かき船(本件施設)を新規に設置・営業することについて,ほとんど広島市民に知らされていなかったことであり,マスコミが報道して一般に知られるようになったのは平成26年11月であって,その頃までに推進協議会は承認の結論を出していた。また,かなわだけでなく広島市の担当部局の職員が一緒になり,同年10月末頃から近隣の町 内会長や被爆者団体,慰霊碑管理団体などの関係団体に出向いて事情の説明をしているが,説明をしただけであり,明確な同意や地域の合意が得られた事実はない。実際,「B区C町E丁目町内会」は平成27年2月12日付けの広島市長宛ての書面で設置反対の意思を表明し,被爆者団体等からも慎重な対応を求める要望書が,近くのマンション管理組合か らも説明を求める要望書が出されていることからすれば,同意などしていない事実が明らかとなっている。 したがって,上記「地域の合意」が図られたとは到底いえず,本件各処分は占用許可準則第22第5項に違反して違法である。 占用許可準則第22第6項「都市・地域再生等利用区域は,都市及び 地域の再生等のために利用する施設が当該河川敷地を占用することにより治水上又は利水上の支障等を生じることがない区域でなければならない」に適合しない。 すなわち,法は,河川内に船舶係留施設を設置する場合,災害の発生が防止されるように設置されること,また,工作物設置許可基準第42 及び第43に基づくことを求め,占用許可準則第22第6項は,都市・地域再生等利用区域は,都市及び地域の再生等のため利用する施設が当該河川敷地を占用することにより治水上又は利水上の支障等を生じることがない区域でなければならないと定め,被告によれば,本件土地は太田川デルタ内にある2か所の死水域であり,その範囲に収まるので法に 反するこ 用することにより治水上又は利水上の支障等を生じることがない区域でなければならないと定め,被告によれば,本件土地は太田川デルタ内にある2か所の死水域であり,その範囲に収まるので法に 反することはないという。 しかし,本件土地は,河道の急拡,急縮,湾曲,構造物の陰,樹木の密生等により生じる死水域に当たらないから,その判断自体が誤りである。実際,大型台風や集中豪雨のときには,本件土地も護岸の上部近くまで増水した濁流がそのまま流下する所であり,満潮時と重なれば正に流量の疎通に関係のある部分であるから,実質的にも死水域ではない。 また,大型台風や集中豪雨のときには,本件施設が濁流で押し流されて平和大橋に激突して破損させるなどの危険性があり,その場合には平和大橋を徒歩で通行中の人々や車両で走行中の運転者らの生命を脅かすおそれがある。のみならず,元安川の護岸に衝突することで護岸の損壊,濁流の市街地への浸入という事態を引き起こし,地元に住む人々やその 場に居合わせた人々の生命を脅かし,広島市B区C町D丁目及びE丁目にある住居,マンションや事務所等に浸水して多大な損害を生じさせるおそれがある。本件施設は,鎖で護岸とつながれ,流れ止めの杭が川底に打ち込まれているが,船として自力で航行できるようにはなっていないから,上流から流れてきた流木等がぶつかったりして押し流されれば, 本件施設は濁流に流されるまま,護岸や下流の平和大橋に激突する危険性は否定できない。そして,このようなおそれが現実的であることは,広島市が平成24年度に検討した,従前土地での護岸の切り欠きの工事図面のとおり,本件土地とは比較にならないほど大幅な収まる場所を必要とし,大規模な工事を予定していたことによっても明らかである。さ らに,太田川デルタ内 した,従前土地での護岸の切り欠きの工事図面のとおり,本件土地とは比較にならないほど大幅な収まる場所を必要とし,大規模な工事を予定していたことによっても明らかである。さ らに,太田川デルタ内には,合計20か所の死水域が存在しており,下流に橋のないところもあるのであって,あえて本件施設を世界遺産である原爆ドームのバッファーゾーンの中に移設する理由も必要もなく,本件土地ではないより治水上安全である代替性のある場所があることも併せみれば,本件各処分は,占用許可準則第22第6項のほか,法1条並 びに工作物設置許可基準第42及び第43に違反する違法なものである。 キ工作物設置許可基準第3違反について本件新築許可処分は,同許可基準第3本文「工作物の設置等の許可は,当該工作物の設置等が次の各号に該当し,かつ,必要やむを得ないと認められる場合に行うことを基本とする」に適合しない。 すなわち,本件施設は,河川区域内に設けなければならない必然性のあ る工作物ではないし,また,一私企業の営利活動に供するための料亭であり,公共性の存する工作物ともいえないから,1号の「当該工作物の機能上,河川区域に設ける以外に方法がない場合又は河川区域に設置することがやむを得ないと認められる場合」には該当しない。 本件施設は,前記のとおり,高潮による洪水を想定すれば,本件土地に 本件施設を設置することに治水上の支障が生じるから,2号の「当該工作物の設置等により治水上又は利水上支障を生ずることなく,かつ,他の工作物に悪影響を与えない場合」には該当しない。 本件施設の設置は,前記のとおり,都市公園法に違背し,都市公園としての機能を損なうものであるから,3号の「当該工作物の設置等により河 川の自由使用を妨げない場合」には該当しない。 ない。 本件施設の設置は,前記のとおり,都市公園法に違背し,都市公園としての機能を損なうものであるから,3号の「当該工作物の設置等により河 川の自由使用を妨げない場合」には該当しない。 本件施設の設置は,太田川整備計画において,世界遺産に登録されている原爆ドーム周辺は太田川のシンボル的な空間を形成しており,地域の特徴を踏まえ「個性と魅力ある風景づくり」を念頭に,地域の象徴となっている水辺景観の維持,形成に努めるとされていることや,本件土地付近に ついて底質改善するとされていることに抵触しているから,4号の「当該工作物の設置等が河川及びその周辺の土地利用の状況,景観その他自然的及び社会的環境を損なわない場合」,5号の「河川環境基本計画が定められている場合にあっては,当該工作物の設置等が当該計画に定める事項と整合性を失しない場合」に該当しない。 以上より,本件新築許可処分は,工作物設置許可基準第3に違背してさ れたものであり,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法なものである。 ク工作物設置許可基準第4違反について本件新築許可処分は,同許可基準第4「工作物の設置等に当たっての一般的基準は次のとおりとする」に適合しない。 すなわち,イ,つまり,占用許可準則第8に違反することで述べたことと同じ理由により,本件新築許可処分は,同許可基準第4第1号「工作物の設置にあたっては,流下断面に適合した位置を選定するものとすること」,2号「工作物の設置にあたっては,地質的に安定した箇所を選定することを基本とするものとすること」,7号「設置が不適当な箇所においてやむを 得ず工作物を設置するときは,水理模型実験,数値解析等により,局所洗掘及び河道の安定等,設置による河川への影響について検討を行い,適切 ものとすること」,7号「設置が不適当な箇所においてやむを 得ず工作物を設置するときは,水理模型実験,数値解析等により,局所洗掘及び河道の安定等,設置による河川への影響について検討を行い,適切と認められる対策を講ずるものとすること」に違背する。また,世界遺産であるバッファーゾーンの中にあることなどから,同8号「付近の土地の区域における景観との調和,河川における生態系の保全等の河川環境の保 全に配慮するものとすること」に違背する。 ケ工作物設置許可基準第42違反について本件施設の設置場所である本件土地は,同許可基準第42第1号「設置が不適当な箇所」及び2号「設置にあたって対策が必要な箇所」に該当する。 すなわち,本件施設を係留している流れ止めチェーンは,上流の堤防法線の延長線とほぼ重複する線である流水域ラインよりも陸地側に収まるように設置されるべきであるところ,実際には,4つのアンカーのうち河川の中心側の2つは流水域ラインの外側に設置されている上,4本のチェーンのうち2本のチェーンの一部もその外側にはみ出す形となっているから, 洪水時に流木等の塵芥が流れ止めチェーンに集積し,ひいては本件施設の 船体にも集積する可能性が否定できない。したがって,「洪水時に多量の流木が流下または集積するおそれのある区間」への船舶係留施設の設置を不適当とする1号①に違背する。 また,前記のとおり,本件土地は高潮時の逆流,浸水の影響を避け難く,治水上に支障を生じない場所ではないから,水衝部への船舶係留施設の設 置を不適当とする1号②に違背する。 さらに,本件土地は,河川の流下能力に影響を及ぼさない場所ではなく,その対策が必要とされている箇所に当たるにもかかわらず,対策を要しないことを前提に本件新築許可処分がされて する1号②に違背する。 さらに,本件土地は,河川の流下能力に影響を及ぼさない場所ではなく,その対策が必要とされている箇所に当たるにもかかわらず,対策を要しないことを前提に本件新築許可処分がされていることは,2号①に違背する。 加えて,本件施設は船舶であるが,係留施設に係留されたままの状態に 置かれることが前提とされているため,本件施設自体についてもその係留施設と一体のものとして係留施設の設置位置の選定基準を満たさなければならず,上記で述べたことが妥当するにもかかわらず,この点が考慮されていない。 以上より,本件新築許可処分は,工作物設置許可基準第42に違背して されたものであり,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法なものである。 コ工作物設置許可基準第43違反について本件新築許可処分は,同許可基準第43(設置の基準)に違背する。 すなわち,前記のとおり,被告が計画高水流量に基づいて行ったシミュ レーションでは高潮時に水が海側(下流側)から逆流,浸水することが想定されておらず,本件土地は治水上の支障を生じない場所ではないし,洪水・高潮時に本件施設を本件土地から移動,撤去させることは現実的に不可能であるから,本件新築許可処分は,「洪水・高潮時に係留された船舶によって治水上の支障が生じるおそれがある場合においては,船舶を治水上 支障のない位置へ撤去することを基本とするものとすること」という1号 ①に違背している。 また,前記のとおり,流れ止めチェーンや本件施設に流木等の塵芥が集積するおそれがあるにもかかわらず,「塵芥の集積等が生じないよう必要な対策」が講じられておらず,本件新築許可処分は1号②に違背している。 さらに,前記のとおり,本件施設は占用を廃止して撤去しない限り,本 件土地か かかわらず,「塵芥の集積等が生じないよう必要な対策」が講じられておらず,本件新築許可処分は1号②に違背している。 さらに,前記のとおり,本件施設は占用を廃止して撤去しない限り,本 件土地から移動させることは困難であり,本件土地付近は高潮対策のための堤防のかさ上げ工事や底質改善工事を実施するとしている箇所であって,そのような場所に本件施設の新築を許可することは,「護岸や河岸,河床の維持管理に支障」となるから,本件新築許可処分は1号③に違背している。 以上より,本件新築許可処分は,工作物設置許可基準第43に違背して されたものであり,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法なものである。 争点6(本件各処分が世界遺産条約に反することにより違法か。)について(原告らの主張)ア世界遺産条約によれば,被告及び広島市は,世界遺産である原爆ドーム 及びバッファーゾーンを含む周辺地域については,人類史上初めて使用された核兵器の惨禍を如実に伝え,時代を超えて核兵器の廃絶と世界の恒久平和の大切さを訴え続ける人類共通の平和記念碑を基本とし,祈りの場,追悼の場としてふさわしい環境を整えなければならない義務があるところ,本件施設の設置場所である本件土地は,世界遺産のバッファーゾーンの中 にあり,また,市景観計画においても,「A地区(平和記念公園地区)」の中にある。 したがって,被告は,世界遺産条約の締結国として,世界文化遺産である原爆ドームの保護の観点から,新たに本件施設を設置する場所が原爆ドームのバッファーゾーン内にある河川の利用としてふさわしいか否かにつ いて検討しなければならないが,ふさわしいものでないことは明らかであ るから,設置を認めることは世界遺産条約に違反する。 ァーゾーン内にある河川の利用としてふさわしいか否かにつ いて検討しなければならないが,ふさわしいものでないことは明らかであ るから,設置を認めることは世界遺産条約に違反する。 また,本件施設を本件土地に設置しようとする場合には,世界遺産委員会の同意を得なければならないのに,被告はその同意を得ることなく設置を認めているから,これもまた世界遺産条約に違反する。なお,世界遺産委員会の諮問機関であるイコモス(国際記念物遺跡会議)のうち我が国内 の会員で組織される日本イコモス国内委員会は,広島市長に対し,原爆ドームのバッファーゾーン内におけるかき船(本件施設)の移動設置について懸念表明を出している。 イ世界遺産条約は,「顕著な普遍的価値」を有する自然遺産及び文化遺産を登録して国際社会での認知を進めるとともに,登録された世界遺産が損な われることがないよう,その保全状態を監視し続けることに意義があり,その締約国である被告も,「第一義的に自国に課された義務」として,世界遺産を保護し,更に保全のために各種の措置を講じなければならない立場にある。ところが,本件各処分によって,世界遺産である原爆ドームの「顕著な普遍的価値」が損なわれているのであり,法は,世界遺産条約によっ て原爆ドームのバッファーゾーンの管理・保護のツールの一つとされていることから,本来であればこれが損なわれるような河川部分の変更がないよう歯止めの役割が求められているのに,全く逆の働きをしている。加えて,世界遺産条約及び世界遺産作業指針に従えば,本件各処分を行う前に行われるべきリアクティブモニタリング,すなわち,異常事態が発生した 場合又は資産の保全状況に影響しかねない工事が実施される場合に求められる世界遺産委員会への報告もされていない 処分を行う前に行われるべきリアクティブモニタリング,すなわち,異常事態が発生した 場合又は資産の保全状況に影響しかねない工事が実施される場合に求められる世界遺産委員会への報告もされていない。 したがって,本件各処分は,「顕著な普遍的価値」を有し,かつ,これを保全維持することという世界遺産に求められる基本原則に真っ向から反するものであり,「登録された遺産が損なわれることがないようにその保全状 態を監視すること」という世界遺産条約の意義に反する。 ウまた,世界遺産条約の締結国は,「世界遺産としての価値の維持を担保する保護措置」を十分に活用して,「顕著な普遍的価値の証明」をし続けることが世界遺産条約上の義務であるが,原爆ドームに関して被告がどのような義務を尽くしているかについて具体的な主張はない。本件各処分は,「顕著な普遍的価値」に頓着することなくされ,法も「世界遺産としての価値 の維持を担保する保護措置」の一つであるという役割を全く果たしていないから,明らかに世界遺産条約に違反する。 さらに,世界遺産作業指針は,世界遺産条約11条5項を受けて制定されており,世界遺産条約を実施・実務レベルに具体化し,その実施の根拠となるものであるから,同作業指針は世界遺産条約の一部を構成するもの であって,同作業指針違反がすなわち世界遺産条約違反となる。 (被告の主張)ア世界遺産条約は,文化遺産及び自然遺産を人類全体のために世界遺産として損傷,破壊等の脅威から保護し,保存するための国際的な協力及び援助の体制を確立することを目的として,各締約国の義務を定めているもの であり,原告らの法的な権利利益を保護する趣旨で設けられた国際約束であるとはいえないから,世界遺産条約及び世界遺産作業指針に違反する旨の することを目的として,各締約国の義務を定めているもの であり,原告らの法的な権利利益を保護する趣旨で設けられた国際約束であるとはいえないから,世界遺産条約及び世界遺産作業指針に違反する旨の主張は,自己の法律上の利益に関係のない違法を理由とするものであり,失当である。 イ被告が負う主な世界遺産条約上の義務とは,自国の領域内に存在する遺 産を認定し,保護し,保存し,整備し及び将来の世代へ伝えることを確保することが第一義的には自己に課された義務であることを認識し,このために最善を尽くすこと(4条)等であり,この規定を実施するための具体的な国内措置の運用は,各国の裁量に委ねられていると解されている。 このような世界遺産条約の規定を踏まえ,被告は,文化財保護法,自然 環境保全法及び自然公園法等に基づき,国内の物件の「保護」「保存」「整 備」及び「活用」等を行っているのであり,原爆ドームを含む世界遺産条約上の「遺産」について,保護等のための「適当な保護措置」を講じるなど,世界遺産条約上の義務を尽くしており,義務違反は存在しない。 ウバッファーゾーンは,世界遺産条約に明文の規定はなく,世界遺産作業指針によってその設置が求められているものであり,遺産を追加的に保護 するために,遺産を囲むエリアであって,遺産の使用や開発について補完的な法的又は慣習的な規制の下に置かれるものとされ,遺産の推薦時に,その大きさ,特性及びバッファーゾーンで許可される用途についての詳細並びに遺産とバッファーゾーンとの正確な境界を示す地図の提出が求められ,併せて,バッファーゾーンによる遺産の保護の態様についても説明す ることが求められている。 我が国においては,バッファーゾーンについて,各遺産の実情や特性に応じた管理体制が確保 が求められ,併せて,バッファーゾーンによる遺産の保護の態様についても説明す ることが求められている。 我が国においては,バッファーゾーンについて,各遺産の実情や特性に応じた管理体制が確保できるよう,関連法令(文化財保護法,自然環境保全法,自然公園法,都市計画法等)や地方自治体の条例等様々な保護担保措置がとられており,原爆ドームのバッファーゾーンについては,推薦書 において,平和記念公園の周囲につき市美観形成要綱が定められていることや,緩衝地帯を流れる河川を法によって国が管理していることを記載している。 そして,バッファーゾーンの設置を定める世界遺産作業指針は,世界遺産条約の履行を促すことを目的とし,世界遺産委員会が申請物件を一覧表 に記載するための基準等を定めるものであり,世界遺産条約の内容を構成するものではないし,直ちに世界遺産条約の締約国に義務を課すものでもなく,本件各処分は,バッファーゾーン内の保護担保措置に基づいて行われているものであり,何ら世界遺産作業指針違反を構成するものではない。 また,原告らが指摘するリアクティブモニタリングについても同様である 上,仮に何らかの世界遺産作業指針違反が生ずる場合であっても,同違反 が直ちに世界遺産条約上の義務違反を構成するものではない。 第3 当裁判所の判断 1 争点1(本件新築許可処分の取消しを求める訴えの利益の有無)について法26条1項前段に基づく,河川区域内の土地における工作物の新築,改築又は除去の許可は,国土交通省令である法施行規則に定めるところによる とされているとともに,工作物設置許可基準(乙15)によれば,被告(建設省河川局治水課長)は,上記の許可に際して,工作物の設置位置等について河川管理上必要とされる一般的技術的基準として工 よる とされているとともに,工作物設置許可基準(乙15)によれば,被告(建設省河川局治水課長)は,上記の許可に際して,工作物の設置位置等について河川管理上必要とされる一般的技術的基準として工作物設置許可基準を定めており,河川管理者は同許可基準に基づき許可するかどうか審査するものとされていることが認められる。 本件に即していえば,太田川における工作物の新築等の許可に係る許可権者である整備局長(及びその専決権者である河川事務所長)は,法26条1項の工作物の新築等の許可の申請が,法施行規則15条が定める申請に適合しているかどうかとともに,工作物設置許可基準が定める要件に適合しているかどうかを判断することになるのであり,工作物の新築等の許可は,これ を受けなければ適法に工作物の新築等を行うことができないという法的効果を有するものであるが,当該許可に係る新築等に関する工事が完了したときは,許可の有する上記の法的効果は消滅するものというべきである。 そこで,このような場合にも,なお工作物の新築等の許可処分の取消しを求める法律上の利益があるか否か,具体的には,本件新築許可処分の有効性 を前提とする他の処分が存在するかどうか,その処分が取り消されて効力を失うとかなわに原状回復等の義務が生じ,又は整備局長に何らかの措置をとるべき法律上の義務が生じるのかどうか等について,検討する。 まず,本件新築許可処分の有効性を前提とする他の処分の存在は指摘されていない。次に,法26条は,工作物の新築だけでなく,その除却について も河川管理者の許可にかからしめ,法31条は,当該工作物の用途を廃止し たときは,工作物設置者は,速やかにその旨を河川管理者に届けなければならず,この場合において,河川管理者は,必要があると認めるとき 理者の許可にかからしめ,法31条は,当該工作物の用途を廃止し たときは,工作物設置者は,速やかにその旨を河川管理者に届けなければならず,この場合において,河川管理者は,必要があると認めるときは,当該工作物を除却するなどの河川管理上必要な措置をとることを命ずることができる旨定めている。また,法75条は,河川管理者は,法令違反の行為をした者に対し,あるいは許可等が必要な行為につき,これを受けることができ なかったとき,許可等にかかる事業を廃止したとき,洪水その他の天然現象により河川の状況が変化したことにより,河川管理上著しい支障を生じたとき,その他公益上やむを得ない必要が生じたとき等の場合には,工作物の改築若しくは除却等を命ずることができる旨定めている。したがって,これら監督処分の内容は一義的に定まるものでもなく,河川管理者において,処分 の原因,対象,河川管理上の支障と程度,態様等を総合的に勘案して決定できるとされ,その決定は,合理的な裁量に委ねられていると解される。 これら一連の規定に照らせば,法26条の工作物の新築等の許可が存在していることは,上記の監督処分を発する上において法的障害となるものではなく,また,たとえ工作物の新築等の許可が違法であるとして判決で取り消 されたとしても,監督処分を発すべき法的拘束力を生ずるものでもないというべきである。 以上によれば,許可された工作物の新築等に関する工事が完了した場合,当該許可が有する本来の効果は消滅したことになるところ,証拠(乙26)によれば,本件新築許可処分に係る工作物の新築工事,すなわち,本件施設 及びその係留施設である桟橋等の設置工事は,遅くとも平成27年9月18日までに完了し,同日,河川事務所長による検査に合格したことが認められるのであり,他に, 物の新築工事,すなわち,本件施設 及びその係留施設である桟橋等の設置工事は,遅くとも平成27年9月18日までに完了し,同日,河川事務所長による検査に合格したことが認められるのであり,他に,本件新築許可処分の取消しを求める法律上の利益が依然として存在することを基礎付ける理由もないから,同処分の取消しを求める訴えは,訴えの利益を欠くに至ったものというほかなく,却下を免れない。 2 争点2(本件旧占用許可処分の取消しを求める訴えの利益の有無)について 前提事実によれば,本件旧占用許可処分で認められた占用期間は平成29年3月31日までであることから,同日の経過により,かなわに対して土地の占用を許可した同処分の法的効果は消滅したことが認められる。 原告らは,最高裁昭和40年(行ツ)第73号同43年12月24日第三小法廷判決・民集22巻13号3254頁を引用して,平成29年3月31日付 けで本件旧占用許可処分とほぼ同一内容の本件新占用許可処分がされていることや,その前後で本件施設の営業実態に変化がなかったことから,訴えの利益は消滅していない旨主張する。 しかし,上記の最高裁判決は,電波法に基づく免許処分の取消請求訴訟において,当該免許期間を満了したが,期間満了後直ちに再免許が与えられ,継続 して事業が維持されている場合に,従前の免許処分の取消しを求める訴えの利益を肯定したものであり,その判示をみれば,当初の免許期間の満了と再免許は,単なる形式にすぎず,免許期間の更新とその実質において異なるところはないことや,法定の期間内において免許人たる地位を保有し,免許期間満了に当たって再免許を申請し得ることを考慮しているものと解される。 そうであるところ,占用許可準則第14第1項は,占用の許可の期間が満了した 期間内において免許人たる地位を保有し,免許期間満了に当たって再免許を申請し得ることを考慮しているものと解される。 そうであるところ,占用許可準則第14第1項は,占用の許可の期間が満了した後に継続して占用するための許可申請がなされた場合には,適正な河川管理を推進するため,同準則に定めるところにより改めて審査する旨を定めており,これは,期間満了後の占用許可処分が単なる形式にすぎないものではないことを示すものと解することができる。また,前提事実,によれば,平成 29年3月,かなわが広島市長に対して本件土地付近の都市・地域再生等利用区域への指定の継続を整備局長に要望するよう求める旨要望したこと,これを受けて広島市長が整備局長に対しておおむね上記のかなわの要望に沿う要望をしたこと,更にこれを受けて整備局長が推進協議会において同準則第22第5項が定める「地域の合意」を図り,その承認を得た上,広島市長からも同意を 得たこと,そして,整備局長がかなわによる土地の占用の許可の申請について 審査を行い,審査基準である同準則の基準を満たすと改めて判断して本件新占用許可処分を行ったことが認められる。加えて,証拠(乙72,75,79から82まで)によれば,整備局長は,本件旧占用許可処分後の平成28年5月30日,営業活動を行う事業者等が都市・地域再生等占用主体となるときも占用期間の上限を3年から10年とする旨に占用許可準則第24が改正され,こ れに合わせて,国(国土交通省水管理・国土保全局長)が発出した文書により,収支計画書,決算書等の資料を事業者等から提出させて事業の安定性を確認することなどとされたことを踏まえ,整備局長はかなわに対して事業の安定性を確認するための資料の提出を求め,かなわが提出したこれらの資料について,専門 の資料を事業者等から提出させて事業の安定性を確認することなどとされたことを踏まえ,整備局長はかなわに対して事業の安定性を確認するための資料の提出を求め,かなわが提出したこれらの資料について,専門的知識を有する広島県中小企業診断協会に意見書の提出を求め,同協会が 提出した意見書を基に事業の安定性を確認した経緯があることが認められる。 以上によれば,本件新占用許可処分を行ったことが,上記最高裁判例が判示するように,単なる形式にすぎないものであるとみることは相当でない。 そして,他に本件旧占用許可処分で認められた占用期間の経過後も同処分の取消しを求める訴えの利益が残存しているとする根拠を見いだすことはできな いから,本件旧占用許可処分の取消しを求める訴えは,訴えの利益を欠くに至ったものというほかなく,却下を免れない。 3 争点3(原告n ら6名の原告適格)について行政事件訴訟法9条は,取消訴訟の原告適格について規定するが,同条1項にいう当該処分の取消しを求めるにつき「法律上の利益を有する者」とは, 当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され,又は必然的に侵害されるおそれのある者をいうのであり,当該処分を定めた行政法規が,不特定多数者の具体的利益を専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず,それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解される場合には,このような利益もここにいう法 律上保護された利益に当たり,当該処分によりこれを侵害され又は必然的に 侵害されるおそれのある者は,当該処分の取消訴訟における原告適格を有するものというべきである。そして,処分の相手方以外の者について上記の法律上保護された利益の有無を判断するに当たっては,当該処分の根拠となる るおそれのある者は,当該処分の取消訴訟における原告適格を有するものというべきである。そして,処分の相手方以外の者について上記の法律上保護された利益の有無を判断するに当たっては,当該処分の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく,当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮し,この場合におい て,当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たっては,当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌し,当該利益の内容及び性質を考慮するに当たっては,当該処分がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案すべきものである(最高裁平成16年(行ヒ)第 114号同17年12月7日大法廷判決・民集59巻10号2645頁参照)。 本件各処分のうち,本件新築許可処分については,1のとおり,本件旧占用許可処分については,2のとおり,それぞれ訴えの利益がないので,以下判断を要しない。 したがって,本件各処分のうち本件新占用許可処分について,その根拠と なる法24条が原告n ら6名の主張する利益を保護する趣旨かどうか,さらに,同原告らについて,本件新占用許可処分によって,保護された利益が侵害されるおそれがあるかどうか,以下検討する。 原告n ら6名は,法24条は,生命,身体の安全及び財産を保護する趣旨を含むと主張する。 法24条は,河川区域内の土地を占用しようとする者は,河川管理者の許可を受けなければならないと定めているが,これは,河川区域内の土地は,本来的に,河川管理施設と相まって,雨水等の流路を形成し,洪水を疎通させ,洪水による被害を除却し又は軽減させるためのものであり,かつ,公共用物として ないと定めているが,これは,河川区域内の土地は,本来的に,河川管理施設と相まって,雨水等の流路を形成し,洪水を疎通させ,洪水による被害を除却し又は軽減させるためのものであり,かつ,公共用物として一般公衆の自由な使用に供されるべきものであるから,その占用 は原則として認めるべきではないところ,占用の目的や態様によっては公共 の利益が増進される場合もあり,その占用を認める必要がある場合も数多くあることから,特定人に対して本来の用法を超えて特別の使用権を設定するものである。 そうすると,河川区域内の土地の占用を認めるに当たっては,法1条が定めるとおり,河川について,洪水,高潮等による災害の発生の防止,河川の 適正利用や流水の正常の機能の維持,河川環境の整備と保全のために河川管理を行い,究極的には公共の安全を保持し,かつ,公共の福祉を増進することが法の目的であり,また,法2条が,河川管理については上記の目的が達成されるように適正に行わなければならないとも定めていることを踏まえれば,洪水,高潮等による災害の発生の防止,河川の適正利用や流水の正常の 機能の維持,河川環境の整備と保全といった目的に沿うものであることが要請されているというべきである。 法又はその関係法令に違反した違法な許可がされ,そのために洪水,高潮等による災害が発生することとなったり,発生した災害の拡大に寄与したりすることとなった場合,当該許可のされた河川区域内の土地の周辺の一定の 範囲の地域に居住する住民は,その生命及び身体の安全に対する直接的な被害を受ける可能性が想定されるものといえる。 また,法24条の許可については,占用許可準則が審査基準として定められているところ,第22第6項において,「都市・地域再生等利用区域は,都市及び地 害を受ける可能性が想定されるものといえる。 また,法24条の許可については,占用許可準則が審査基準として定められているところ,第22第6項において,「都市・地域再生等利用区域は,都市及び地域の再生等のために利用する施設が当該河川敷地を占用することに より治水上又は利水上の支障等が生じることがない区域でなければならない」と定められ,第23では,都市・地域再生等利用区域における占用の許可の要件として,第8から第11までの基準の該当性が求められた上,特に,治水上又は利水上の基準については第8において定められており,その2項1号には「河川の洪水を流下させる能力に支障を及ぼさないものであること」, 2号には「水位の上昇による影響が河川管理上問題のないものであること」, 3号には「堤防付近の流水の流速が従前と比べて著しく速くなる状況を発生させないものであること」,4号には「工作物は,原則として,河川の水衝部,計画堤防内,河川管理施設若しくは他の許可工作物付近又は地質的にぜい弱な場所に設置するものではないこと」,5号には「工作物は,原則として河川の縦断方向に設けないものであり,かつ,洪水時の流出などにより河川を損 傷させないものであること」と規定されている。 以上の占用許可準則の定めも併せて総合考慮すれば,法24条の規定は,当該許可のされた河川区域内の土地の周辺の,その生命及び身体の安全に対して直接的な被害を受けることが想定される一定範囲の地域に居住する住民に対し,当該許可がその発生や程度に影響を与え得る災害によって生命及び 身体の安全に直接的な被害を受けることを免れ,その安全が確保されることを個別的利益としても保護すべきとする趣旨を含むと解されるのであり,この個別的利益は,その性質上,そもそも一般的公益の中に 身体の安全に直接的な被害を受けることを免れ,その安全が確保されることを個別的利益としても保護すべきとする趣旨を含むと解されるのであり,この個別的利益は,その性質上,そもそも一般的公益の中に吸収解消させることができないものというべきである。 なお,原告n ら6名は,その財産も個別的利益として保護すべきとされて おり,原告適格を根拠付ける旨主張するが,法24条及びその関係法令並びに審査基準として定められている占用許可準則の規定から,周辺住民の生命及び身体の安全等の保護に加えて,周辺土地の所有権等の財産権までを個々人の個別的利益として保護すべきものとする趣旨を含むことを読み取ることは困難であるから,主張は採用できない。 以上を踏まえ,原告n ら6名が,本件新占用許可処分によって害されるおそれのある生命及び身体の安全の態様及び程度について検討し,原告適格を肯定できるか判断する。 原告n ら6名は,本件新占用許可処分によって,本件施設自体が流水に影響を及ぼし,また,増水等の濁流による上流から流れてくる流木等が本件施 設に堆積して,流木や塵芥が市街地へ流出する事態を引き起こすおそれがあ ると主張する。 たしかに,本件施設の設置によって,元安川の流水に大きな影響を与えるとすれば,本件施設に堆積した流木等が堤防を越えて流出する可能性を想定することは可能である。 これに対し,被告は,太田川基本方針が設定する元安川の計画高水流量が 毎秒 ㎥であり,これに基づく洪水時における元安川の流速のシミュレーションの結果,本件土地付近は最大毎秒4.5mであるが,本件土地は毎秒0.1m以下であるから,本件土地は洪水に関係なく水が滞留する場所であると主張 る元安川の流速のシミュレーションの結果,本件土地付近は最大毎秒4.5mであるが,本件土地は毎秒0.1m以下であるから,本件土地は洪水に関係なく水が滞留する場所であると主張するが,同主張は,シミュレーションに誤りがないことや,本件施設が洪水や高潮の影響を受けることなく,本件土地から流出する可能性が ないことを前提にする主張と解されるので,原告適格を否定する主張としては,失当である。また,証拠(乙53〔32頁〕)によれば,被告は,太田川整備計画において,河道の整備状況を勘案し,洪水防御に関する計画の基本となる降雨であるおおむね200年に1回程度起こる大雨が降ったことにより河川が氾濫した場合に想定される浸水の状況をシミュレーションにより求 めた,太田川水系の浸水想定区域図を作成しているところ,同区域図によれば,原告n ら6名が居住する広島市B区C町D丁目及びE丁目への浸水は想定されていないことがうかがわれるものの, このシミュレーションは,本件施設が流水に大きな影響を与えると仮定した場合を想定していないので,同原告らの原告適格を否定する理由とはならない。 原告n ら6名は,濁流や集積した塵芥により押し流された本件施設が,護岸,堤防や河岸への激突を繰り返し,これらを損壊させ,濁流が市街地に流入する事態を引き起こすおそれがあると主張する。 証拠(乙53〔73頁〕)によれば,被告は,太田川整備計画において,不法係留船に関してではあるが,船舶が流出して橋梁に塞ぎ止められた場合, 水位上昇を引き起こし氾濫被害をもたらすおそれや,橋梁や護岸等に衝突し てこれらの施設が損傷するおそれがあることを指摘していることが認められる。 したがって,本件施設が本件土地から流出したとすれば,本件施設が護岸 被害をもたらすおそれや,橋梁や護岸等に衝突し てこれらの施設が損傷するおそれがあることを指摘していることが認められる。 したがって,本件施設が本件土地から流出したとすれば,本件施設が護岸や堤防に衝突する可能性があるということができる。 また,証拠(乙76)によれば,本件施設は,水面からの高さが7.49 m,長さが22.0mの鉄骨造で,地上2階,水面下1階の構造であることが認められるところ,被告のシミュレーションに誤りがあったり,本件施設が洪水や高潮等による影響を受けたりすることがあるとすれば,元安川の水位が計画高水位を超え,洪水や高潮等のため増水した元安川の流水が堤防の決壊のおそれを生じさせる状態となったところに,元安川左岸に近接した水 面上に係留されている本件施設が堤防に衝突して損傷を与えたために河川の流水が堤防の外側に流出する事態を招いたり,その被害の拡大に寄与したりすることを想定することができる。 被告は,本件土地付近における地形の断面図(乙25)によれば,本件土地付近における計画高水位が3.377m及び3.390mである一方,市 街地側の地盤高が3.63mから3.87mまでであると認められることを指摘し,計画高水位より少なくとも24cmは高いから,本件土地付近の護岸に本件施設が衝突して護岸が損壊しても,想定する洪水が市街地に浸入することはないと主張するが,護岸の損壊を前提にした上で,洪水や高潮の影響を考慮すれば,計画高水位を超えて市街地の一部にまで浸水が及ぶ可能性 があるといえるため,原告適格を否定する理由としては採用できない。 以上によれば,本件新占用許可処分による本件土地の占用が影響を与える災害として,本件土地付近において元安川の流水が外側に流出し浸水する事態が想定できる。 そうである る理由としては採用できない。 以上によれば,本件新占用許可処分による本件土地の占用が影響を与える災害として,本件土地付近において元安川の流水が外側に流出し浸水する事態が想定できる。 そうであるところ,証拠(甲35,原告p 本人,原告o 本人)によれば, 原告n ら6名のうち,原告p,同q,同r 及び同s は,本件土地から約○m隔 ててそのほぼ真正面に位置する○階建てのマンションである「H」に,原告n は,上記「H」から約○m南下して位置する○階建てのマンションである「I」に,原告o は,上記「I」から更に約○m南下して位置する居宅に,それぞれ居住していることが認められるのであり,元安川の流水が浸水してその生命及び身体の安全に対して直接的な被害が及ぶことを想定することが できる。 また,証拠(原告p 本人)及び原告n ら6名の肩書住所地の表示によれば,原告p,同q,同r 及び同s は,それぞれ,上記「H」の○階,○階,○階及び○階に,原告n は,上記「I」の○階に,それぞれ居住していることが認められ,元安川の流水による浸水が各居室にまで及ぶ可能性は想定できない が,日常の生活の本拠である各居室があるマンションの地上階に浸水が及ぶ可能性があれば,各居室に居住する住民の生命及び身体の安全に対して直接的な被害が及ぶ危険があるとみることができる。 したがって,原告n ら6名は,元安川の流水による浸水が同原告らにまで及ぶことによって,その生命及び身体の安全に対して直接的な被害を受ける 可能性を想定することができる者に当たるというべきである。 原告n ら6名は,法律上保護されるべき利益として景観利益を主張するので,この利益について,法24条が,一般的公益の中に吸収解消させるにとどまらず,個々人の個別的利益として るというべきである。 原告n ら6名は,法律上保護されるべき利益として景観利益を主張するので,この利益について,法24条が,一般的公益の中に吸収解消させるにとどまらず,個々人の個別的利益としても保護すべきものとする趣旨を含んでいるかどうか,検討する。 まず,河川法24条の趣旨及び目的は,3のとおりであり,河川区域内の土地の占用を認めるに当たっては,河川環境の整備と保全という目的に沿うものであることが要請されていると解される。 さらに,占用許可準則第11第1項は,「河川敷地の占用は,河川及びその周辺の土地利用の状況,景観その他自然的及び社会的環境を損なわず,かつ, それらと調和したものでなければならない」と,同2項は,「河川敷地の占用 は,景観法(平成16年法律第110号)に基づく景観行政団体が景観計画に法第24条の許可の基準を定めた場合には,当該計画に定める基準に沿ったものでなければならない」と規定しており,少なくとも公益としての景観利益については一定の保障をしているものと解される。 次に,原告n6名が関係法令と主張する法令について順次検討する。 世界遺産条約は,文化遺産及び自然遺産を人類全体のための世界の遺産として損傷,破壊等の脅威から保護し,保存するための国際的な協力及び援助の体制を確立することを目的とし(乙14),4条において,締約国が,自国内に存在する遺産を保護する義務を認識し,最善を尽くすことを規定している。 景観法は,その目的として,我が国の都市,農村漁村等における良好な景観の形成を促進するため,景観計画の策定その他の施策を総合的に講ずることにより,美しく風格のある国土の形成,潤いのある豊かな生活環境の創造及び個性的で活力ある地域社会の実現を図り,もって国民生活の向上並びに国 進するため,景観計画の策定その他の施策を総合的に講ずることにより,美しく風格のある国土の形成,潤いのある豊かな生活環境の創造及び個性的で活力ある地域社会の実現を図り,もって国民生活の向上並びに国民経済及び地域社会の健全な発展に寄与することを挙げているほか(1条), 基本理念を2条に,国の責務を3条に,地方公共団体の責務を4条に,事業者の責務を5条に,住民の責務を6条に,景観計画の定めについて8条に,景観計画区域内における届出等について16条に,それぞれ定めている。 文化財保護法は,その目的として,文化財を保存し,かつ,その活用を図り,もって国民の文化的向上に資するとともに,世界文化の進歩に貢献すること を挙げている(1条)。 都市公園法は,その目的として,都市公園の設置及び管理に関する基準等を定めて,都市公園の健全な発達を図り,もって公共の福祉の増進に資することを挙げている(1条)。 都市計画法は,その目的として,都市計画の内容及びその決定手続,都市 計画制限,都市計画事業その他都市計画に関し必要な事項を定めることによ り,都市の健全な発展と秩序ある整備を図り,もって国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを挙げているほか(1条),都市計画の基本理念について2条に,国,地方公共団体及び住民の責務について3条に,それぞれ定めている。 市景観条例は,前文を設けるとともに,その目的として,景観計画の策定, 行為の規制等に関し必要な事項その他良好な景観の形成に関し必要な事項を定めることにより,個性と魅力ある都市の実現に寄与することを挙げているほか(1条),広島市の責務を2条に,市民及び事業者の責務を3条に,景観計画について6条に,届出を要する行為等について9条に,広島市景観審議会について17条に, 都市の実現に寄与することを挙げているほか(1条),広島市の責務を2条に,市民及び事業者の責務を3条に,景観計画について6条に,届出を要する行為等について9条に,広島市景観審議会について17条に,それぞれ定めている。 市公園条例は,その趣旨として,1条において,都市公園法及び高齢者,障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律並びにこれらの法律に基づく命令に定めるもののほか,広島市の公園の設置,管理等について必要な事項を定めるものと規定している。 平成26年12月31日までは,市景観条例に基づき策定された広島市景 観形成基本計画(乙13)が施行されていたところ,同計画においては,原爆ドーム及び平和記念公園周辺地区は,「重点的形成計画地区」とされ,市美観形成要綱の美観形成基準を基本としつつ,当該地区内の建築物,屋外広告物及び公共空間を対象に,とりわけ,原爆ドーム周辺の景観については,原爆ドームが際立つよう,そのたたずまいと調和した質の高いデザイン導入等 による良好な景観の形成に取り組むことなどとされていた。 広島市景観形成基本計画を引き継ぎ,景観法及び市景観条例に基づき策定され,平成27年1月1日に施行された市景観計画(甲14)において,本件土地は,景観計画重点地区である原爆ドーム及び平和記念公園周辺地区内に存在し,かつ,同地区のうちA地区(平和記念公園地区)にあること,同 地区では,景観形成の方針として,平和記念公園の役割にふさわしい良好な 景観の保全及び形成を図ることを挙げた上,具体的に,建築物等のデザインは,平和記念公園のたたずまいとの調和を図ることや,建築物等の色彩については,平和記念公園の落ち着いた雰囲気と調和するよう,高明度,低彩度を基調とすることなどが定められているものの,景観重要公共施設 は,平和記念公園のたたずまいとの調和を図ることや,建築物等の色彩については,平和記念公園の落ち着いた雰囲気と調和するよう,高明度,低彩度を基調とすることなどが定められているものの,景観重要公共施設としては,平和記念公園が指定されている一方,本件土地は,これには含まれておらず, 河川緑地に含まれており,その河川緑地の整備方針は,市民や広島を訪れる人が,水辺に親しみ,楽しむことのできる「水の都ひろしま」にふさわしい潤いや安らぎ,にぎわいのある都市空間として整備や保全を図ること,また,整備に関する配慮事項として,「水の都ひろしま」構想に基づき,市民,関係機関の協力のもと都市部の個性と魅力ある水辺の創出,にぎわいのある水辺 の創出を目指すこととされている。 平成26年12月31日までは,市美観形成要綱(甲17)が施行されていたところ,同要綱は,その目的として,広島市都市美計画に基づき,平和の象徴である原爆ドーム及び平和記念公園周辺地区について,建築物等の美観形成を図る上で必要な事項を定め,もって良好な都市景観の形成に資する ことを挙げ(1条),別図第1(省略)に定める原爆ドーム及び平和記念公園周辺地区内において,建築物又は工作物の新築,増築等を行う場合に適用することとされ(2条),広島市長は,建築物又は工作物の新築,増築等を行おうとする者(建築主等)に対し,建築計画等を届け出るよう指導するとともに,届出があった場合には,建築主等と建築物等の美観形成に関する協議 を行うものとされていた(4条,5条)。なお,美観形成基準の遵守として,建築主等は,美観形成基準に適合するよう努め,特に,風俗関連営業施設及びこれに類する施設については,他の利用への転換を図るよう努めるものとされている(6条)。 市美観形成要綱を引き継いで広 して,建築主等は,美観形成基準に適合するよう努め,特に,風俗関連営業施設及びこれに類する施設については,他の利用への転換を図るよう努めるものとされている(6条)。 市美観形成要綱を引き継いで広島市が策定し,平成27年1月1日に施行 された「景観法に基づく届出等に係る事前協議制度に関する取扱要綱」(乙1 2)においても,本件土地のあるA地区における景観法上の届出対象行為等については,広島市長と事前協議をすることが求められている(3条)。 以上,河川法と目的を共通にすると原告n ら6名が主張する関係法令の趣旨及び目的を参酌しても,特定の個人の利益を保護する趣旨は明らかではないほか,市景観計画においても,特定の者の景観利益の保護を想定するよう な規定は見当たらず,本件土地のあるA地区において,食事施設の設置が禁止されていることまでは認められない。 これに対し,原告n ら6名は,法16条の2第4項が,河川整備計画の案を作成しようとする場合において,必要があると認めるときは,公聴会の開催等の関係住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならな いと規定していることを根拠にして,関係住民の個別的利益を保護する趣旨であると主張する。 しかしながら,同規定によっても,関係住民の範囲について規定はないほか,景観利益につき,個々の住民の個別的利益を保護する趣旨と直ちに解釈することができない。 さらに,原告n ら6名は,占用許可準則第22第5項が定める「地域の合意」の対象となる者であることを前提にして,景観利益を保護された者である旨の主張をする。 しかし,同準則第22第5項は,都市・地域再生等利用区域の指定に当たり,あらかじめ,河川管理者,地方公共団体等で構成する河川敷地の利用調 整に関する協議会等 された者である旨の主張をする。 しかし,同準則第22第5項は,都市・地域再生等利用区域の指定に当たり,あらかじめ,河川管理者,地方公共団体等で構成する河川敷地の利用調 整に関する協議会等の活用などにより地域の合意を図らなければならないと定めているのであり,平成23年通知(甲4)が触れるとおり,この「地域の合意」は,河川管理者のみの意向によることのないよう,公平性及び公益性を確保する観点から設けられている定めと解すべきであるし,また,上記「地域の合意」は,上記の協議会によること以外にも,地元市町村があらか じめ河川管理者と協議の上都市再生特別措置法46条1項に規定する都市再 生整備計画に河川敷地の利用について定めていることや,地元市町村の同意があることなど,地域の合意が確認できる幅広い手法によることができることともされているのであって,都市・地域再生等利用区域に含まれるか,同区域からみて一定の範囲に居住する住民の個々の合意を必要とする趣旨を含むと解することはできない。 同原告らは,本件土地の至近距離に世界遺産に登録された原爆ドームが位置し,本件土地が世界遺産作業指針の定めるバッファーゾーン(緩衝地帯)内に含まれることから,同原告らの景観利益を保護する趣旨である旨の主張をするが,法の趣旨及び目的を考慮するに当たり,世界遺産条約の趣旨及び目的を参酌することができるとしても,同条約によっても,個人的利益を保 護する趣旨は明らかではない。 そして,原告n ら6名の主張する景観利益の内容や性質について検討するに,同原告らの主張は,本件施設の美観を問題にしているのではなく,本件施設が酒食を可能とする食事施設であることを問題にしており,この点が美観ないし景観利益の内容となるのかどうか判然としないほか,その侵害の程 告らの主張は,本件施設の美観を問題にしているのではなく,本件施設が酒食を可能とする食事施設であることを問題にしており,この点が美観ないし景観利益の内容となるのかどうか判然としないほか,その侵害の程 度も客観的に明らかではない。 以上のことを総合的に勘案すれば,法24条が,同原告らが有する景観利益を保護する趣旨であり同原告らが原告適格を有するとまでは解されないので,同原告らの主張は採用することができない。 以上によれば,原告n ら6名については,生命及び身体の安全の利益の限 度で,原告適格を有する者であることが認められる。 4 争点4(原告n ら6名以外の原告らの原告適格)について原告n ら6名以外の原告らについて検討する。 同原告らの主張する景観利益について,原告適格を基礎付けないことについては,3で検討したとおりである。 原告n ら6名以外の原告らは,本件新占用許可処分により,精神的人格権 である「平和的・宗教的平穏に関する利益」及び「世界遺産としての歴史的・文化的価値を享受する利益」が侵害される旨主張するので,これらの利益について,本件新占用許可処分の根拠法令である法24条が,保護する趣旨を含んでいるか,含んでいるとして,一般的公益の中に吸収解消させるにとどまらず,個々人の個別的利益としても保護すべきものとする趣旨を含んでい るかどうか,検討する。 法上,同原告らが主張する,精神的人格権である「平和的・宗教的平穏に関する利益」及び「世界遺産としての歴史的・文化的価値を享受する利益」なるものを保護する規定は見当たらない。同原告らは,世界遺産条約,文化財保護法,都市公園法,市公園条例,都市計画法等の法令や,広島市が市美 観形成要綱,市景観計画を定めていること,また,法16条の2 のを保護する規定は見当たらない。同原告らは,世界遺産条約,文化財保護法,都市公園法,市公園条例,都市計画法等の法令や,広島市が市美 観形成要綱,市景観計画を定めていること,また,法16条の2第4項が河川整備計画の策定に当たり,必要があると認めるときは,公聴会の開催等関係住民の意見を反映させるために必要な措置を講じることを求めていることや,占用許可準則を根拠として挙げるが,同原告ら主張の精神的な利益が保護されるとする根拠とみられるものは指摘できないのみならず,公益として の保護とは別に,被爆者やその遺族,原爆ドームの世界遺産登録に尽力した者,原爆瓦発掘等の運動に携わった者,原爆遺跡保存運動懇談会の活動に携わった者らについて,特別に個別に保護する趣旨とみられるものは指摘できない。 さらに,同原告らの主張は,バッファーゾーンにおいて酒食が供される施 設が設置されることにより,原告らの内心の利益が侵害を受けるというものであるが,その内容は,同原告らが主観的に抱いている価値観や感情と考えられ,その内容上,異なる価値観や感情を有する他者が存在することは否定できないほか,設置の可否を判断するについては,同原告らの利益のみならず,これと衝突する他の利益との利益衡量が不可欠であるところ,同原告ら の利益が,これらに優越するのかどうか,侵害が存在するといえるのかどう か,性質上,客観的に判断することは困難である。 以上のことを総合的に勘案すれば,法24条が同原告らの主張する利益を保護する趣旨とまでは解せないので,同原告らの原告適格は認められない。 5 争点5(本件各処分が占用許可準則及び工作物設置許可基準その他法令に反することにより違法か。)について 1,2のとおりであるから,本件各処分のうち,本件新築許可処 適格は認められない。 5 争点5(本件各処分が占用許可準則及び工作物設置許可基準その他法令に反することにより違法か。)について 1,2のとおりであるから,本件各処分のうち,本件新築許可処分及び本件旧占用許可処分の違法性については判断を要しない。 以下,本件新占用許可処分について検討する。 のとおり,法24条に基づく土地の占用の許可は,河川区域内の土地の占用は原則として認めるべきではないところ,占用の目的や態様によって は公共の利益が増進される場合もあり,その占用を認める必要がある場合も数多くあることから,特定人に対して本来の用法を超えて特別の使用権を設定するものであるところ,法施行規則12条は,許可申請書の様式,添付書類を定めるにとどまり,法令上,許可の基準に関する規定が設けられていない。 これは,法は,上記の許可を行うに当たり,1条及び2条が定めるとおり,河川について,洪水,高潮等による災害の発生の防止,河川の適正利用や流水の正常の機能の維持,河川環境の整備と保全のために河川管理を行い,究極的には公共の安全を保持し,かつ,公共の福祉を増進することとの目的が達成されるように適正に行うことを要請しているところ,災害の発生の防止 や流水の正常の機能の維持等により公共の安全を保持する観点は,専門技術的な判断を必要とし,それ以外の公共の福祉を増進する観点は,政策的な判断を必要とすることから,それぞれについて許可権者である河川管理者の合理的な裁量に委ねていることによると解すべきである。 そうすると,裁判所が河川管理者による法24条に基づく許可処分の適否 を審査するに当たっては,当該処分が裁量権の行使としてされたことを前提 として,その基礎とされた重要な事実に誤認があること等により重要な が河川管理者による法24条に基づく許可処分の適否 を審査するに当たっては,当該処分が裁量権の行使としてされたことを前提 として,その基礎とされた重要な事実に誤認があること等により重要な事実の基礎を欠くこととなる場合,又は,事実に対する評価が明らかに合理性を欠くこと,判断の過程において考慮すべき事情を考慮しないこと等により当該処分が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものと認められる場合に限り,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法となるとすべきも のと解される。 もっとも,法24条に基づく河川の占用の許可についての具体的な審査基準として占用許可準則の定めがある以上,許可処分は,同準則に適合する必要があるが,同準則の定めの中には,その要件該当性が一義的に明確ではなく,評価を要するものがあり,このような場合においては,同定めに該当す るとの判断の過程につき看過し難い過誤,欠落があり,その判断がこれに依拠してされたと認められる場合には,特段の事情のない限り,処分行政庁の上記判断に不合理な点があるものとして,これに基づいてされた許可処分は違法と解すべきである。 さらに,行政事件訴訟法は,取消訴訟においては,自己の法律上の利益に 関係のない違法を理由として取消しを求めることができないと規定している(10条1項)。 この「自己の法律上の利益に関係のない違法」とは,行政庁の処分に存する違法のうち,原告の権利利益を保護する趣旨で設けられたものではない法規に違背した違法をいうものと解すべきところ,同項の適用に当たっては, 違法の根拠とされる法規が原告の法律上の利益に関係のない法規であるかどうか,また,違法事由として主張される具体的事実が原告の法律上の利益に関係のないものであるかどうかを検討する必要が ては, 違法の根拠とされる法規が原告の法律上の利益に関係のない法規であるかどうか,また,違法事由として主張される具体的事実が原告の法律上の利益に関係のないものであるかどうかを検討する必要がある。 そして,処分の名宛人以外の第三者が提起した取消訴訟においては,処分の根拠法令のうち原告の個別的利益を保護する趣旨で設けられた規定(原告 適格を基礎付ける規定)以外の規定に違反するという違法事由は,原告の自 己の法律上の利益に関係のない違法というべきであり,また,処分の根拠法規が原告の個別的利益として保護する趣旨を含んでいる利益(原告適格を基礎付ける利益)以外の利益を害するという違法事由も,原告の自己の法律上の利益に関係のない違法というべきであると解するのが相当である。 したがって,原告n ら6名の原告適格については,3で検討したとおりで あるから,同原告らが不適合と主張する占用許可準則の定めのうち,同原告らの利益に関係しないものに関する主張は,主張自体失当と考えられる。 以下,この観点から,原告らが不適合と主張する占用許可準則第4章(都市及び地域の再生等のために利用する施設に係る占用の特例。第22から第26まで。)の具体的な定めについて検討する。 占用許可準則第22についてア同準則第22第3項は,河川管理者が定める都市・地域再生等占用方針には,占用の許可を受けることができる施設を限定列挙し,その8号は,船上食事施設を挙げているところ,原告n ら6名は,本件施設は船上食事施設に該当しないと主張する。 当該主張は,そもそも同原告らの利益に関係しないので主張自体失当である。 この点を措くとしても,後掲の証拠によれば,平成23年通知が,船上食事施設については,原則として船舶係留施設に係留し 当該主張は,そもそも同原告らの利益に関係しないので主張自体失当である。 この点を措くとしても,後掲の証拠によれば,平成23年通知が,船上食事施設については,原則として船舶係留施設に係留して営業活動を行うものであり,出水時等には当該河川敷地外に移動される,又は出水時の流 水の作用,塵芥の影響及び風等の作用により船舶が転覆することなく,水位変動に対して確実に追従できる構造であることなど河川管理上支障のないものについて占用を許可するものであることに留意するものとしていること(甲4),本件施設は,その構造を鋼船として許可申請がされていること(甲1),推進協議会において,本件施設の設置のためには,船舶安全法 に基づく,国土交通省中国運輸局による船舶検査が必要であることを前提 に審議されたこと(乙3〔4枚目〕),かなわは,本件施設の構造につき,船舶安全法所定の船舶として,同法施行規則31条1項に基づく定期検査を申請し,その後係留計算書も提出して,運輸局長が定期検査を行い,本件施設が係留船であるとする船舶検査証書がかなわに対して交付されていること(乙22から24まで),したがって,推進機関を有しない係留船で ある本件施設は,推進機関を有する他の船舶等により曳航されることなどにより水面を移動できる船舶であることが認められる。 したがって,本件施設が占用許可準則第22第3項8号にいう船上食事施設に当たるとした整備局長の判断に看過し難い過誤,欠落があることは認められず,これを左右するに足りる証拠はない。 原告n ら6名は,桟橋や鎖,アンカーボルト等により水面や水底に定常的に定着されて建築物の用に供するものは建築基準法の対象とされているから,本件施設は,建築確認を必要とする建築物に当たると主張し,平成元年1月1 は,桟橋や鎖,アンカーボルト等により水面や水底に定常的に定着されて建築物の用に供するものは建築基準法の対象とされているから,本件施設は,建築確認を必要とする建築物に当たると主張し,平成元年1月19日付け建設省住宅局建築指導課長通知(甲6)も上記の趣旨を定めていると指摘する。 しかし,仮に,建築基準法上の建築物に該当するとしても,それゆえに船上食事施設に該当しないとはいえないのであって,主張自体失当である。 なお,証拠(甲1)及び弁論の全趣旨によれば,かなわは,本件新築建築許可処分のための許可申請に当たり,法施行規則15条2項8号が定める,「他の行政庁の許可,認可その他の処分を受けることを必要とするとき は,その処分を受けていることを示す書面又は受ける見込みに関する書面」を添付しなかったことが認められるところ,証拠(甲7)によれば,特定行政庁である広島市長(広島市都市整備局指導部建築指導課)は,平成27年3月3日付けで,本件施設が,かなわから提出された計画内容において,船体を安定させているロープと碇は,容易な取り外しが可能とするこ と,船体に接続している給排水等のインフラ設備等は,容易に脱着可能な 構造とすること,随時かつ任意に移動可能な状態を確保するため,定期的(年1回程度)に離岸させ,その報告を行うこととされていることから,随時かつ任意に移動することが可能であり,定着性を有しないものとして,建築基準法上の建築物には該当しないと判断したことが認められるのであるから,特定行政庁である広島市長により建築基準法6条の定める建築確 認を受ける必要はないものと判断されているのであり,法施行規則15条2項8号違反の事実は認められない。 原告n ら6名は,本件施設が,船体の上流・下流側とも地中に打設された各2本 める建築確 認を受ける必要はないものと判断されているのであり,法施行規則15条2項8号違反の事実は認められない。 原告n ら6名は,本件施設が,船体の上流・下流側とも地中に打設された各2本の杭で囲まれ,アンカー及びチェーンにより強固に接続されていること,水底から離れて浮揚している時間が1日4時間程度にすぎないこ と,自走できる動力を有しないことなどを指摘し,また,本件旧占用許可処分及び本件新築許可処分がされ本件施設が完成した後,本件施設が,離岸したこと,アンカーやチェーンによる係留が解かれたこと,河岸と接続する桟橋が外されたことが,いずれも一度もないと主張して,広島市長の判断にかかわらず本件施設は建築確認を要するため,建築基準法違反であ ると主張する。 しかしながら,仮に,本件新占用許可処分後に,本件施設が離岸したことがなかったとしても,それらは同処分後の事情であって同処分の適法性の判断に影響を与えない。また,真実は,建築基準法違反の事実があったとしても,先に述べたとおり,直ちに占用許可準則違反となるものではな い。さらに,建築基準法の所管庁である広島市長は建築基準法に違反しないと判断したことが認められ,にもかかわらず,あえて整備局長が,建築基準法に違反すると判断すべきであったとまではいえないから,主張は採用できない。 同原告らは,建築物であることを前提にして都市計画法違反の主張をし, さらに,建築確認や開発許可を受けるべきことを前提にして本件新占用許 可処分が効力を失った旨の主張をするが,所管庁において許可を要する場合でないと判断されていることを前提にすると,整備局長の権限外の事務についてその判断の裁量権の範囲の逸脱及びその濫用の主張をするものであって,同様に採用することができない。 以 いて許可を要する場合でないと判断されていることを前提にすると,整備局長の権限外の事務についてその判断の裁量権の範囲の逸脱及びその濫用の主張をするものであって,同様に採用することができない。 以上によれば,本件施設が占用許可準則第22第3項8号にいう船上食 事施設に当たるとした整備局長の判断に看過し難い過誤,欠落があることは認められない。 イ被告は,かなわが,占用許可準則第22第4項「都市・地域再生等占用主体には,次に掲げる者のうちから,当該都市・地域等再生利用区域において占用の許可を受けることができる者を定めるものとする」2号「営業 活動を行う事業者等であって,河川管理者,地方公共団体等で構成する河川敷地の利用調整に関する協議会等において適切であると認められたもの」であるから要件を満たすと主張し,原告n ら6名はこれを争っている。 当該主張は,同原告らの利益に関係しないので主張自体失当である。 この点を措くとしても,前提事実のとおり,営業活動を行う事業者で あるかなわは,「河川管理者,地方公共団体等で構成する河川敷地の利用調整に関する協議会」に当たる推進協議会において,占用の許可を受けることができる者として適切である旨が承認されている。したがって,上記の要件を満たすとした整備局長の判断に看過し難い過誤,欠落があることは認められない。 同原告らは,推進協議会の承認が誤りであると主張するが,特定の事業者に対する便益を図るにはそれ相応の事実が必要である旨の指摘をするにとどまり,具体的な根拠を伴うものではないから,採用できない。 ウ被告は,本件新占用許可処分が,占用許可準則第22第5項「河川管理者は,都市・地域再生等利用区域の指定をしようとするときは,あらかじ め,河川管理者,地方公共団体等で ら,採用できない。 ウ被告は,本件新占用許可処分が,占用許可準則第22第5項「河川管理者は,都市・地域再生等利用区域の指定をしようとするときは,あらかじ め,河川管理者,地方公共団体等で構成する河川敷地の利用調整に関する 協議会等の活用などにより地域の合意を図らなければならない」との要件を満たすと主張し,原告n ら6名はこれを争っている。 しかし,上記「地域の合意」は「河川管理者,地方公共団体等で構成する河川敷地の利用調整に関する協議会等の活用などにより」図ることとされているのであり,推進協議会における承認により「地域の合意」を得る ことができることは明らかであるところ,前提事実のとおり,本件土地周辺を都市・地域再生等利用区域に指定するに先立ち,推進協議会の承認が存在する(なお,前提事実のとおり,平成23年通知を踏まえ,上記「地域の合意」に加えて,広島市長の同意も得ている。)。したがって,上記の要件を満たすとした整備局長の判断に看過し難い過誤,欠落があるこ とは認められない。 原告n ら6名は,本件土地の近隣住民等からも明確な同意等を得なければならないと主張するが,上記のとおり得た推進協議会(及び広島市長)の同意に加えて,そのような同意までを必要とする根拠はないから,採用できない。 エ被告は,本件新占用許可処分が,占用許可準則第22第6項「都市・地域再生等利用区域は,都市及び地域の再生等のために利用する施設が当該河川敷地を占用することにより治水上又は利水上の支障等を生じることがない区域でなければならない」との要件を満たすと主張し,原告n ら6名はこれを争っている。 証拠(甲8,乙19)及び弁論の全趣旨によれば,本件施設の設置場所は,元安川の流水域ラインより陸地側に収まる場所で らない」との要件を満たすと主張し,原告n ら6名はこれを争っている。 証拠(甲8,乙19)及び弁論の全趣旨によれば,本件施設の設置場所は,元安川の流水域ラインより陸地側に収まる場所であり,当該流水域ラインは,上流の堤防法線の延長線とほぼ重複する線であること,また,元安川における洪水時の計画高水流量である毎秒 ㎥に基づき,当該水流量が流れる場合の流速は,本件土地付近につき毎秒4.5mであるが, 本件土地は,その上流の堤防法線の延長線より陸地側に入り込んでいるこ とから,毎秒0.1m以下と計算されていることが認められる。そうすると,本件土地は,想定される洪水時を含め,洪水に関係なく,そもそも流速がないか,水が滞留する場所であることが認められる。なお,これは,推進協議会が,本件土地周辺につき都市・地域再生等利用区域の指定等をする際に条件とした,河川区域に船を係留する場合,死水域内,すなわち, 河道内の水面部分で流れのない場所か,流れがあっても渦状の場所で,流量の疎通に関係のない部分とすること(乙3)を満たすものといえる。 同原告らは,本件土地が死水域に当たらないと主張するが,具体的な主張や証拠を伴うものではなく,上記の認定を左右するに足りない。 また,同原告らは,想定外の洪水や高潮によるものを想定すれば,本件 土地が河川の流下能力に支障を及ぼさない場所とはいえないし,本件施設が流木等により押し流される危険があるなどと主張する。 しかし,本件土地が死水域内にあることに加え,後掲の証拠によれば,本件船舶は,流れ止めチェーン,すなわち,ワイヤー,アンカー及びチェーンにより係留することとされているところ(甲8),運輸局長による船舶 検査 が死水域内にあることに加え,後掲の証拠によれば,本件船舶は,流れ止めチェーン,すなわち,ワイヤー,アンカー及びチェーンにより係留することとされているところ(甲8),運輸局長による船舶 検査に当たって提出された係留計算書において,洪水が本件施設の正面に受けることを前提に,「川中心よりの風,水流」及び「護岸側よりの風,水流」を想定して,元安川の計画高水流量である毎秒 ㎥,シミュレーションによる本件土地の流速である毎秒0.1m以下を上回る,毎秒91 ㎥の流量が本件土地を含めた河川全幅で流れると仮定し,本件土地の流 速を平均毎秒2.8mと仮定して,アンカー及びチェーンのみの係留による係留力を計算し,必要なアンカー及びチェーンの重量,長さ,数量及び係留船である本件施設の中心線との展張角度を決定していることが認められ(乙23),整備局長が,上記のとおり想定した洪水が流下したとしても本件施設は流出しない構造となっていると判断したことにつき,看過し難 い過誤,欠落があることは認められない。 次に,高潮による影響についてみても,上記のとおり,本件施設は,水位上昇などの水位変動に対し,流れ止めチェーンにより係留されていることから水位に追従する構造となっている上,上記の係留計算書において想定されている毎秒44mの風速は,船舶検査に際し,運輸省海上技術安全局安全基準管理官通知により100年再現期待値として設計風速とするこ とが認められた数値であって,これを前提に運輸局長から係留船として船舶検査証の交付を受けていることが認められ(乙23,64),これによれば,整備局長が,上記の風速に対しても本件施設は流出しない構 とが認められた数値であって,これを前提に運輸局長から係留船として船舶検査証の交付を受けていることが認められ(乙23,64),これによれば,整備局長が,上記の風速に対しても本件施設は流出しない構造となっていると判断したことにつき,看過し難い過誤,欠落があることは認められない。 さらに,同原告らは,大型台風や集中豪雨による想定外の洪水や高潮の存在を主張するが,治水上又は利水上の支障を判断するについては,社会通念によらざるを得ないのであり,これを超える事象を前提とする主張であるから,主張自体失当である。 その上,同原告らは,出水時に本件施設を移動できないことから,河川 管理上の支障があると主張する。 しかし,上記のとおり,本件施設の係留力は十分に確保されているといえるのであり,仮に,出水時に本件施設を移動させる現実的な可能性がないとしても,そのことから直ちに治水上又は利水上の支障があるものと判断すべきことにはならない。 加えて,同原告らは,太田川デルタ内には本件土地のほかに本件施設を設置することのできる代替性のある場所が他に存在することも指摘するが,上記の要件を満たすかどうか判断するに当たり考慮すべき事情には当たらない。 以上より,占用許可準則第22第6項の要件を満たすとした整備局長の 判断に看過し難い過誤,欠落があることは認められない。 これに反するその他の同原告らの主張は採用できない。 占用許可準則第23について同準則第23は,都市・地域再生等利用区域において,都市・地域再生等占用主体による占用が,都市・地域再生等占用方針及び同準則第8から第11までの基準に該当し,かつ,都市及び地域の再生等並びに河川敷地の適正 な利用に資すると認められることを求めている。 以下,同準則第 による占用が,都市・地域再生等占用方針及び同準則第8から第11までの基準に該当し,かつ,都市及び地域の再生等並びに河川敷地の適正 な利用に資すると認められることを求めている。 以下,同準則第8から第11までのうち,原告n ら6名が適合しないとして争っている要件について,順次検討する。 占用許可準則第8についてア被告は,本件新占用許可処分が,占用許可準則第8第2項1号「河川の 洪水を流下させる能力に支障を及ぼさないものであること」,2号「水位の上昇による影響が河川管理上問題のないものであること」,3号「堤防付近の流水の流速が従前と比べて著しく速くなる状況を発生させないものであること」の要件をいずれも満たすと主張し,原告n ら6名はこれらを争っている。 しかし,エのとおり,本件土地が死水域であり,そもそも流速がないか,水が滞留する場所であること,本件施設が流れ止めチェーンにより係留されており水位に追従する構造であることを踏まえれば,これらの要件を満たすとした整備局長の判断に看過し難い過誤,欠落があることは認められず,これを左右するに足りる証拠はない。高潮の影響を考慮していな いとする同原告らの主張についても,エのとおりであり,採用できない。 イ被告は,本件新占用許可処分が,占用許可準則第8第2項4号「工作物は,原則として河川の水衝部,計画堤防内,河川管理施設若しくは他の許可工作物の付近又は地質的にぜい弱な場所に設置するものでないこと」の要件を満たすと主張し,原告n ら6名はこれを争っている。 エのとおり,本件土地は,そもそも流速がないか,水が滞留する場所 であり,流量の疎通に関係のない部分であると認められるから,水衝部,すなわち,水の流れが強く当たる箇所に該当しないといえる。また,係 とおり,本件土地は,そもそも流速がないか,水が滞留する場所 であり,流量の疎通に関係のない部分であると認められるから,水衝部,すなわち,水の流れが強く当たる箇所に該当しないといえる。また,係留船である本件施設は,河床に固定する構造ではないので,設置するに当たりその場所の地質を考慮する必要はないといえる。 同原告らは,本件施設の周囲の4本の流れ止め杭の打設について地質を 考慮していないと主張するが,本件施設を係留する目的で打設される流れ止め杭自体が流出する危険性があることをうかがわせる証拠はない。 したがって,上記の要件を満たすとした整備局長の判断に看過し難い過誤,欠落があることは認められず,これを左右するに足りる証拠はない。 ウ被告は,本件新占用許可処分が,占用許可準則第8第2項5号「工作物 は,原則として河川の縦断方向に設けないものであり,かつ,洪水時の流出などにより河川を損傷させないものであること」の要件を満たすと主張し,原告n ら6名はこれを争うとするが,具体的な主張がないので,同要件を満たすとした整備局長の判断に看過し難い過誤,欠落があることは認められない。 エ以上より,本件新占用許可処分をするに当たり,占用許可準則第8第2項各号の要件を満たすとした整備局長の判断に違法はないのであり,ひいては,同1項「工作物の設置,樹木の植栽等を伴う河川敷地の占用は,治水上又は利水上の支障を生じなければならない」との要件を満たすとした整備局長の判断に看過し難い過誤,欠落があることも認められない。 占用許可準則第9について被告は,本件新占用許可処分が,占用許可準則第9第1項「他の者の河川の利用を著しく妨げないものでなければならない」の要件を満たすと主張し,原告n ら6名はこれを争っている。 可準則第9について被告は,本件新占用許可処分が,占用許可準則第9第1項「他の者の河川の利用を著しく妨げないものでなければならない」の要件を満たすと主張し,原告n ら6名はこれを争っている。 当該主張は,そもそも同原告らの利益に関係しないので主張自体失当であ る。 この点を措くとしても,証拠(甲8)によれば,本件施設及びその船舶係留施設は,これらの構造上必要な限度で河川敷地を占用するものであることがうかがえる。また,証拠(乙1)によれば,広島市長は,本件旧占用許可処分に先立ち,平成26年11月26日付けで整備局長に提出した要望書において,公園占用許可及び道路占用許可を所管する広島市(B区維持管理課) が,協議の結果,「他の関係法令を遵守し,今後提出される詳細な図面等に問題がなければ,公園及び市道の許認可等には基本的に支障がないものと認める」と判断している旨記載しているところ,これを踏まえて本件旧占用許可処分が上記の要件を満たすと判断したものであり,これと同様に本件新占用許可処分をするに当たり同要件を満たすとした整備局長の判断に看過し難い 過誤,欠落があることは認められない。 同原告らは,都市公園法6条1項の許可を得ることなく,ガスボンベ庫や変電設備を設置していることが同項に違反することは明らかであると主張する。 しかしながら,都市計画法違反の事実は,直ちに占用許可準則第9第1項 その他の占用許可準則違反となるものではないから,整備局長に都市計画法違反の事実の有無を確認する義務はない。また,上記の経緯を踏まえれば,都市計画法の所管庁である広島市長は,都市計画法上必要な許可をかなわに付与しており,違法であると判断していないことが認められ,にもかかわらず,あえて整備局長が,広島市長による公園占用許可が えれば,都市計画法の所管庁である広島市長は,都市計画法上必要な許可をかなわに付与しており,違法であると判断していないことが認められ,にもかかわらず,あえて整備局長が,広島市長による公園占用許可が違法であることを理 由に都市公園法に違反すると判断すべきであるとまではいえないから,主張は採用できない。 占用許可準則第10について被告は,本件新占用許可処分が,占用許可準則第10第1項「河川整備計画その他の河川の整備,保全又は利用に係る計画が定められている場合にあ っては,当該計画に沿ったものでなければならない」との要件を満たすと主 張し,原告n ら6名はこれを争っている。 しかし,エのとおり,本件土地が河川の流下能力に支障を及ぼさない場所であり,かつ,高潮の影響を想定しても本件施設は流出しない構造となっているとする整備局長の判断に看過し難い過誤,欠落があることは認められない。また,太田川整備計画は,太田川基本方針に沿っておおむね30年で 実施する河川整備の目標,河川工事,維持管理の内容を定めたものであるとされており,高潮被害の再度災害防止対策として,第2段階施工高のT.P. +3.4mまでの整備を優先的に実施し,その後,太田川基本方針で定めた計画高潮位T.P.+4.4m(第3段階)までの高潮堤防の整備を実施する予定であるとされているところ,本件土地付近の堤防高はT.P.+4. 04mから4.45mであることから,第2段階の施工後の第3段階に至り工事を実施する箇所であることが認められ(乙53,54),本件土地付近の高潮堤防の整備については時期や工法が具体的な計画ないし予定があることを示す証拠はないから,将来においてそのような計画が存在することから,直ちに,本件土地において本件施設による土地の占用を許可す の高潮堤防の整備については時期や工法が具体的な計画ないし予定があることを示す証拠はないから,将来においてそのような計画が存在することから,直ちに,本件土地において本件施設による土地の占用を許可することが太田 川整備計画に反することになるものとはいえない。 その余の同原告らの主張は,整備局長の判断の不当をいうにすぎず,これらを踏まえても,本件新占用許可処分が太田川整備計画に沿ったものであるとした整備局長の判断に看過し難い過誤,欠落があることは認められず,これを左右するに足りる証拠はない。 占用許可準則第11についてア被告は,本件新占用許可処分が,占用許可準則第11第1項「河川及びその周辺の土地利用の状況,景観その他自然的及び社会的環境を損なわず,かつ,それらと調和したものでなければならない」の要件を満たすと主張し,原告n ら6名はこれを争っている。 当該主張は,そもそも同原告らの利益に関係しないので主張自体失当で あるが,この点を措くとしても,証拠(乙1)によれば,広島市長は,本件旧占用許可処分に先立ち,平成26年11月26日付けで整備局長に提出した要望書において,景観協議について所管する広島市(都市整備局都市計画課)が,協議の結果,「一部色彩について協議中だが,調整が終わり次第,協議成立となる見込み」と判断している旨記載しているところ,こ れを踏まえて本件旧占用許可処分が上記の要件を満たすと判断したものであり,その後完成した本件施設について広島市が問題視した事情等はうかがえないことから,本件新占用許可処分をするに当たり同要件を満たすとした整備局長の判断に看過し難い過誤,欠落があることは認められない。 同原告らは,本件施設により景観や社会的環境を損なうことが明らかで あると 件新占用許可処分をするに当たり同要件を満たすとした整備局長の判断に看過し難い過誤,欠落があることは認められない。 同原告らは,本件施設により景観や社会的環境を損なうことが明らかで あると主張する。 そこで検討すると,3で検討したとおり,占用許可準則第11第1項は,同原告らの原告適格を根拠付ける規定ではないから,同原告らが同準則に違反するとして主張する違法事由は,本件新占用許可処分の根拠法規が同原告らの個別的利益として保護すべきものとする趣旨を含んでおらず, 上記の事由は,自己の法律上の利益に関係のない違法というべきであるから,本件新占用許可処分の取消事由として主張することはできない。 また,同原告らは,整備局長が,景観協議会において本件施設を設置しても問題がないことを示す書面の提出を待たなかったことは考慮すべき事情を考慮しなかったものであると主張するが,これが必要的である根拠が 明らかでないから,採用できない。 イ原告n ら6名は,本件新占用許可処分が,占用許可準則第11第2項「河川敷地の占用は,景観法に基づく景観行政団体が景観計画に法24条の許可の基準を定めた場合には,当該計画に定める基準に沿ったものでなければならない」に適合しないとも主張する。 しかしながら,当該主張は,そもそも同原告らの利益に関係しないので 主張自体失当であるが,この点を措くとしても,景観行政団体である広島市がその策定した景観計画において法24条の許可の基準を定めた事実は認められないから,主張は失当である。 小括以上によれば,本件新占用許可処分が占用許可準則その他法令に違反する ものではないとした整備局長の判断に看過し難い過誤,欠落があることは認められないから,整備局長の有する裁量権の範囲を逸脱し又はこ 上によれば,本件新占用許可処分が占用許可準則その他法令に違反する ものではないとした整備局長の判断に看過し難い過誤,欠落があることは認められないから,整備局長の有する裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとはいえず,本件新占用許可処分は適法であると認められる。 6 争点6(本件各処分が世界遺産条約に違反するか。)について ,アで検討したとおり,自己の法律上の利益に関係のない違法を主張 することは,行政事件訴訟法10条1項により許されない。 そこで検討すると,3及び4で検討したとおり,世界遺産条約は原告nら6名の原告適格を根拠付ける規定ではないから,本件新占用許可処分の根拠法規が同原告らの個別的利益として保護すべきものとする趣旨を含んでいる場合には当たらず,同原告らが世界遺産条約に違反するとして主張する違法事由 は,自己の法律上の利益に関係のない違法というべきであるから,本件新占用許可処分の取消事由として主張することはできない。 第4 結論よって,原告a,同b,同c,同d,同e,同f,同g,同h,同i,同j,同k,同l 及び同m の訴え並びに原告n,同o,同p,同q,同r 及び同s の訴えのう ち本件旧占用許可処分及び本件新築許可処分の取消しを求める部分については,不適法であるのでいずれも却下し,原告n,同o,同p,同q,同r 及び同s の訴えのうち本件新占用許可処分の取消請求は,理由がないからいずれも棄却することとして,主文のとおり判決する。 広島地方裁判所民事第3部 裁判長裁判官小西洋 裁判官平井健一郎 裁判官山下 裁判長裁判官小西洋 裁判官平井健一郎 裁判官山下智史 (別紙)関係法令・通達の定め 1 法(昭和39年法律第167号)(目的)1条この法律は,河川について,洪水,津波,高潮等による災害の発生が防止 され,河川が適正に利用され,流水の正常な機能が維持され,及び河川環境の整備と保全がされるようにこれを総合的に管理することにより,国土の保全と開発に寄与し,もって公共の安全を保持し,かつ,公共の福祉を増進することを目的とする。 (河川管理の原則等) 2条1項河川は,公共用物であって,その保全,利用その他の管理は,前条の目的が達成されるように適正に行なわれなければならない。 (河川整備基本方針)16条 1項河川管理者は,その管理する河川について,計画高水流量その他当該河川の河川工事及び河川の維持(次条において「河川の整備」という。)についての基本となるべき方針に関する事項(以下「河川整備基本方針」という。)を定めておかなければならない。 2項河川整備基本方針は,水害発生の状況,水資源の利用の現況及び開発並びに河川環境の状況を考慮し,かつ,国土形成計画及び環境基本計画との調整を図って,政令で定めるところにより,水系ごとに,その水系に係る河川の総合的管理が確保できるように定められなければならない。 (河川整備計画) 16条の21項河川管理者は,河川整備基本方針に沿って計画的に河川の整備を実施すべき区間について,当該河川の整備に関する計画 れなければならない。 (河川整備計画) 16条の21項河川管理者は,河川整備基本方針に沿って計画的に河川の整備を実施すべき区間について,当該河川の整備に関する計画(以下「河川整備計画」という。)を定めておかなければならない。 3項河川管理者は,河川整備計画の案を作成しようとする場合において必要があると認めるときは,河川に関し学識経験を有する者の意見を聴かなければならない。 4項 河川管理者は,前項に規定する場合において必要があると認めるときは,公聴会の開催等関係住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない。 (土地の占用の許可)24条 河川区域内の土地(河川管理者以外の者がその権原に基づき管理する土地を除く。以下次条において同じ。)を占用しようとする者は,国土交通省令で定めるところにより,河川管理者の許可を受けなければならない。 (工作物の新築等の許可)26条1項 河川区域内の土地において工作物を新築し,改築し,又は除却しようとする者は,国土交通省令で定めるところにより,河川管理者の許可を受けなければならない。河川の河口附近の海面において河川の流水を貯留し,又は停滞させるための工作物を新築し,改築し,又は除却しようとする者も,同様とする。 (原状回復命令等) 31条1項第26条第1項の許可を受けて工作物を設置している者は,当該工作物の用途を廃止したときは,速やかに,その旨を河川管理者に届け出なければならない。 2項河川管理者は,前項の届出があった場合において,河川管理上必要があると認めるときは,当該許可に係る工作物を除却し,河川を原状に回復し,そ 川管理者に届け出なければならない。 2項河川管理者は,前項の届出があった場合において,河川管理上必要があると認めるときは,当該許可に係る工作物を除却し,河川を原状に回復し,その他河川管理上必要な措置をとることを命ずることができる。 (河川管理者の監督処分) 75条1項河川管理者は,次の各号のいずれかに該当する者に対して,この法律若しくはこの法律に基づく政令若しくは都道府県の条例の規定によって与えた許可,登録若しくは承認を取り消し,変更し,その効力を停止し,その条件を 変更し,若しくは新たに条件を付し,又は工事その他の行為の中止,工作物の改築若しくは除却(第24条の規定に違反する係留施設に係留されている船舶の除却を含む。),工事その他の行為若しくは工作物により生じた若しくは生ずべき損害を除去し,若しくは予防するために必要な施設の設置その他の措置をとること若しくは河川を原状に回復することを命ずることができる。 1号この法律若しくはこの法律に基づく政令若しくは都道府県の条例の規定若しくはこれらの規定に基づく処分に違反した者,その者の一般承継人若しくはその者から当該違反に係る工作物(除却を命じた船舶を含む。以下この条において同じ。)若しくは土地を譲り受けた者又は当該違反した者から賃貸借その他により当該違反に係る工作物若しく は土地を使用する権利を取得した者 2号この法律又はこの法律に基づく政令若しくは都道府県の条例の規定による許可,登録又は承認に付した条件に違反している者3号詐欺その他不正な手段により,この法律又はこの法律に基づく政令若しくは都道府県の条例の規定による許可,登録又は承認を受けた者2項 河川管理者は,次の各号のいずれかに該当する場合に 3号詐欺その他不正な手段により,この法律又はこの法律に基づく政令若しくは都道府県の条例の規定による許可,登録又は承認を受けた者2項 河川管理者は,次の各号のいずれかに該当する場合においては,この法律又はこの法律に基づく政令若しくは都道府県の条例の規定による許可,登録又は承認を受けた者に対し,前項に規定する処分をすることができる。 1号許可,登録若しくは承認に係る工事その他の行為につき,又はこれらに係る事業を営むことにつき,他の法令の規定による行政庁の許可 又は認可その他の処分を受けることを必要とする場合において,これらの処分を受けることができなかったとき,又はこれらの処分が取り消され,若しくは効力を失ったとき。 2号許可,登録若しくは承認に係る工事その他の行為又はこれらに係る事業の全部又は一部の廃止があったとき。 3号洪水,津波,高潮その他の天然現象により河川の状況が変化したことにより,許可,登録又は承認に係る工事その他の行為が河川管理上著しい支障を生ずることとなったとき。 4号河川工事のためやむを得ない必要があるとき。 5号前号に掲げる場合のほか,公益上やむを得ない必要があるとき。 2 河川法施行規則(昭和40年建設省令第7号。以下「法施行規則」という。)(土地の占用の許可の申請)12条1項 法第24条の許可(水利使用又は法第26条第1項の許可を受けることを 要する工作物の新築若しくは改築に関するものを除く。)の申請は,別記様式第8の(甲)及び(乙の2)による申請書の正本1部及び別表第二に掲げる部数の写しを提出して行うものとする。(別記様式及び別表省略)2項前項の申請書には,次の各号に掲げる図書を添付しなければならない。 乙の2)による申請書の正本1部及び別表第二に掲げる部数の写しを提出して行うものとする。(別記様式及び別表省略)2項前項の申請書には,次の各号に掲げる図書を添付しなければならない。 1号土地の占用に係る事業の計画の概要を記載した図書2号縮尺5万分の1の位置図3号実測平面図4号面積計算書及び丈量図5号土地の占用に係る行為又は事業に関し,他の行政庁の許可,認可そ の他の処分を受けることを必要とするときは,その処分を受けていることを示す書面又は受ける見込みに関する書面6号その他参考となるべき事項を記載した図書(工作物の新築等の許可の申請)15条 1項工作物の新築等に関する法第24条又は第26条第1項の許可(水利使用に関するもの又は法第26条第1項の許可を受けることを要しない工作物の新築若しくは改築に関する法第24条の許可を除く。)の申請は,別記様式第8の(甲)及び(乙の4)による申請書の正本1部及び別表第二に掲げる部数の 写しを提出して行うものとする。(別記様式及び別表省略)2項前項の申請書には,次の各号に掲げる図書を添付しなければならない。 1号新築等に係る事業の計画の概要を記載した図書2号縮尺5万分の1の位置図 3号工作物の新築又は改築に係る土地の実測平面図 4号工作物の設計図(工作物の除却にあつては,構造図)5号工事の実施方法を記載した図書6号占用する土地の面積計算書及び丈量図7号河川管理者以外の者がその権原に基づき管理する土地において新築等を行う場合又は河川管理者以外の者がその権原に基づき管 を記載した図書6号占用する土地の面積計算書及び丈量図7号河川管理者以外の者がその権原に基づき管理する土地において新築等を行う場合又は河川管理者以外の者がその権原に基づき管理する工 作物について改築若しくは除却を行う場合にあっては,当該新築等を行うことについて申請者が権原を有すること又は権原を取得する見込みが十分であることを示す書面8号新築等に係る行為又は事業に関し,他の行政庁の許可,認可その他の処分を受けることを必要とするときは,その処分を受けていること を示す書面又は受ける見込みに関する書面9号その他参考となるべき事項を記載した図書 3 平成11年8月5日付け建設省河政発第67号建設省事務次官通達「河川敷地の占用許可について」の別紙「河川敷地占用許可準則」(以下「占用許可準則」と いう。)(乙17)(治水上又は利水上の基準)第81項工作物の設置,樹木の栽植等を伴う河川敷地の占用は,治水上又は利水上 の支障を生じないものでなければならない。この場合,占用の許可は,法第26条第1項又は第27条第1項の許可と併せて行うものとする。 2項前項の治水上の支障に係る技術的判断基準は,次の各号に掲げるとおりとし,河川の形状等の特性を十分に踏まえて判断するものとする。(中略) 1号河川の洪水を流下させる能力に支障を及ぼさないものであること。 2号水位の上昇による影響が河川管理上問題のないものであること。 3号堤防付近の流水の流速が従前と比べて著しく速くなる状況を発生させないものであること。 4号工作物は,原則として,河川の水衝部,計画堤防内,河川管理施設若しくは他の許可工作物付近又は地質的にぜい弱な場所に設置するも が従前と比べて著しく速くなる状況を発生させないものであること。 4号工作物は,原則として,河川の水衝部,計画堤防内,河川管理施設若しくは他の許可工作物付近又は地質的にぜい弱な場所に設置するも のでないこと。 5号工作物は,原則として河川の縦断方向に設けないものであり,かつ,洪水時の流出などにより河川を損傷させないものであること。 (他の者の利用との調整等についての基準)第9 1項河川敷地の占用は,他の者の河川の利用を著しく妨げないものでなければならない。 (河川整備計画等との調整についての基準)第10 1項河川敷地の占用は,河川整備計画その他の河川の整備,保全又は利用に係る計画が定められている場合にあっては,当該計画に沿ったものでなければならない。 (土地利用状況,景観及び環境との調整についての基準) 第111項河川敷地の占用は,河川及びその周辺の土地利用の状況,景観その他自然的及び社会的環境を損なわず,かつ,それらと調和したものでなければならない。 2項 河川敷地の占用は,景観法(平成16年法律第110号)に基づく景観行政団体が景観計画に法第24条の許可の基準を定めた場合には,当該計画に定める基準に沿ったものでなければならない。 (継続的な占用の許可)第14 1項占用の許可の期間が満了した後に継続して占用するための許可申請がなされた場合には,適正な河川管理を推進するため,この準則に定めるところにより改めて審査するものとする。 (都市・地域再生等利用区域の指定等) 第221項河川管理者は,都市及び地域の再生等のために利用する施設が占用することができる河川敷地の区域(以下「都市・地域再 ものとする。 (都市・地域再生等利用区域の指定等) 第221項河川管理者は,都市及び地域の再生等のために利用する施設が占用することができる河川敷地の区域(以下「都市・地域再生等利用区域」という。)を指定することができる。 2項河川管理者は,都市・地域再生等利用区域を指定するときは,併せて当該都市・地域再生等利用区域における都市及び地域の再生等のために利用する施設に関する占用の方針(以下「都市・地域再生等占用方針」という。)及び当該施設の占用主体(以下「都市・地域再生等占用主体」という。)を定める ものとする。 3項都市・地域再生等占用方針には,次に掲げる施設のうちから,当該都市・地域再生等利用区域において占用の許可を受けることができる施設及びその許可方針を定めるものとする。 5号船舶係留施設又は船舶上下架施設(斜路を含む。) 8号船上食事施設11号その他都市及び地域の再生等のために利用する施設(これと一体をなす第6号に掲げる施設を含む。)(その他の号省略)4項都市・地域再生等占用主体には,次に掲げる者のうちから,当該都市・地 域再生等利用区域において占用の許可を受けることができる者を定めるものとする。 2号営業活動を行う事業者等であって,河川管理者,地方公共団体等で構成する河川敷地の利用調整に関する協議会等において適切であると認められたもの(1号省略) 5項河川管理者は,都市・地域再生等利用区域の指定(中略)をしようとするときは,あらかじめ,河川管理者,地方公共団体等で構成する河川敷地の利用調整に関する協議会等の活用などにより地域の合意を図らなければならない。 6項都市・地域 中略)をしようとするときは,あらかじめ,河川管理者,地方公共団体等で構成する河川敷地の利用調整に関する協議会等の活用などにより地域の合意を図らなければならない。 6項都市・地域再生等利用区域は,都市及び地域の再生等のために利用する施設が当該河川敷地を占用することにより治水上又は利水上の支障等を生じることがない区域でなければならない。 7項 河川管理者は,都市・地域再生等利用区域の指定をしたときは,その旨を公表するものとする。 (都市及び地域の再生等のために利用する施設の占用の許可)第23河川管理者は,都市・地域再生等利用区域においては,第5第1項の規定 にかかわらず,都市・地域再生等占用主体が占用の許可を申請した場合にお いて,当該占用が,都市・地域再生等占用方針及び第8から第11までの基準に該当し,かつ,都市及び地域の再生等並びに河川敷地の適正な利用に資すると認められるときには,占用の許可をすることができる。 (占用の許可の期間)第24 占用の許可の期間は,第22第4項第1号に掲げる者が都市・地域再生等占用主体となる占用にあっては10年以内,同項第2号及び第3号に掲げる者が都市・地域再生等占用主体となる占用にあっては3年以内で当該占用の態様を考慮して適切なものとしなければならない。 (平成28年5月30日付け国水政第33号による改正後のもの)(乙72) 第23の規定による占用の許可の期間は,10年以内で当該占用の態様等を考慮して適切なものとしなければならない。 4 平成6年9月22日付け建設省河治発第72号建設省河川局治水課長通達「工作物設置許可基準について」(以下「工作物設置許可基準」という。)(乙15) (基本方針)第3 い。 4 平成6年9月22日付け建設省河治発第72号建設省河川局治水課長通達「工作物設置許可基準について」(以下「工作物設置許可基準」という。)(乙15) (基本方針)第3工作物の設置等の許可は,当該工作物の設置等が次の各号に該当し,かつ,必要やむを得ないと認められる場合に行なうことを基本とする。 1号当該工作物の機能上,河川区域に設ける以外に方法がない場合又は河 川区域に設置することがやむを得ないと認められる場合。 2号当該工作物の設置等により治水上又は利水上支障を生ずることがなく,かつ,他の工作物に悪影響を与えない場合。 3号当該工作物の設置等により河川の自由使用を妨げない場合。 4号当該工作物の設置等が河川及びその周辺の土地利用の状況,景観その 他自然的及び社会的環境を損なわない場合。 5号河川環境管理基本計画(中略)が定められている場合にあっては,当該工作物の設置等が当該計画に定める事項と整合性を失しない場合。 (設置等の一般的基準)第4工作物の設置等にあたっての一般的基準は次のとおりとする。 1号工作物の設置にあたっては,流下断面(中略)に適合した位置を選定するものとすること。 2号工作物の設置にあたっては,地質的に安定した箇所を選定することを基本とするものとすること。 7号設置が不適当な箇所においてやむを得ず工作物を設置するときは,水 理模型実験,数値解析等により,局所洗掘及び河道の安定等,設置による河川への影響について検討を行い,適切と認められる対策を講ずるものとすること。 8号付近の土地の区域における景観との調和,河川における生態系の保全等の河川環境の保全 道の安定等,設置による河川への影響について検討を行い,適切と認められる対策を講ずるものとすること。 8号付近の土地の区域における景観との調和,河川における生態系の保全等の河川環境の保全に配慮するものとすること。なお,工事を施工する ために仮に設けられる工作物においては,必要に応じ,河川環境の保全に配慮するよう努めるものとすること。(その他の号省略)(設置位置の選定基準)第421項 設置が不適当な箇所① 洪水時に多量の流木が流下または集積するおそれのある区間② 狭窄部,湾曲部,水衝部,支派川の分合流部(その他省略)2項設置にあたって対策が必要な箇所 ① 河川に設けられている他の工作物(橋,伏せ越し等)に近接した箇所 (その他省略)(設置の基準)第431項共通事項 ① 洪水・高潮時に係留された船舶によって治水上の支障が生じるおそれがある場合においては,船舶を治水上支障のない位置へ撤去することを基本とするものとすること。 ② 船舶係留施設の設置によって,著しい流水の乱れや河床,河岸及び高水敷の洗掘,堤防への悪影響,塵芥の集積等が生じないよう必要な対策 を講ずるものとすること。(その他省略) 5 世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約(平成4年条約第7号。以下「世界遺産条約」という。)4条 締約国は,第1条及び第2条に規定する文化遺産及び自然遺産で自国の領域内に存在するものを認定し,保護し,保存し,整備し及び将来の世代へ伝えることを確保することが第一義的には自国に課された義務であることを認識する。このため,締約国は,自国の有するすべての能力を用いて並びに適当な場合には取得 ,保護し,保存し,整備し及び将来の世代へ伝えることを確保することが第一義的には自国に課された義務であることを認識する。このため,締約国は,自国の有するすべての能力を用いて並びに適当な場合には取得し得る国際的な援助及び協力,特に,財政上,芸術上,学 術上及び技術上の援助及び協力を得て,最善を尽くすものとする。 11条1項締約国は,できる限り,文化遺産又は自然遺産の一部を構成する物件で,自国の領域内に存在し,かつ,2に規定する一覧表に記載することが適当で あるものの目録を世界遺産委員会に提出する。この目録は,すべてを網羅し たものとはみなされないものとし,当該物件の所在地及び重要性に関する資料を含む。 2項世界遺産委員会は,1の規定に従って締約国が提出する目録に基づき,第1条及び第2条に規定する文化遺産又は自然遺産の一部を構成する物件であ って,同委員会が自己の定めた基準に照らして顕著な普遍的価値を有すると認めるものの一覧表を「世界遺産一覧表」の表題の下に作成し,常時最新のものとし及び公表する。最新の一覧表は,少なくとも2年に1回配布される。 5項世界遺産委員会は,文化遺産又は自然遺産を構成する物件が2及び4に規 定するいずれかの一覧表に記載されるための基準を定める。 6 景観法(平成16年法律第110号)(目的)1条 この法律は,我が国の都市,農山漁村等における良好な景観の形成を促進するため,景観計画の策定その他の施策を総合的に講ずることにより,美しく風格のある国土の形成,潤いのある豊かな生活環境の創造及び個性的で活力ある地域社会の実現を図り,もって国民生活の向上並びに国民経済及び地域社会の健全な発展に寄与することを目的とする。 ( く風格のある国土の形成,潤いのある豊かな生活環境の創造及び個性的で活力ある地域社会の実現を図り,もって国民生活の向上並びに国民経済及び地域社会の健全な発展に寄与することを目的とする。 (基本理念)2条1項良好な景観は,美しく風格のある国土の形成と潤いのある豊かな生活環境の創造に不可欠なものであることにかんがみ,国民共通の資産として,現在 及び将来の国民がその恵沢を享受できるよう,その整備及び保全が図られな ければならない。 2項良好な景観は,地域の自然,歴史,文化等と人々の生活,経済活動等との調和により形成されるものであることにかんがみ,適正な制限の下にこれらが調和した土地利用がなされること等を通じて,その整備及び保全が図られ なければならない。 3項良好な景観は,地域の固有の特性と密接に関連するものであることにかんがみ,地域住民の意向を踏まえ,それぞれの地域の個性及び特色の伸長に資するよう,その多様な形成が図られなければならない。 4項良好な景観は,観光その他の地域間の交流の促進に大きな役割を担うものであることにかんがみ,地域の活性化に資するよう,地方公共団体,事業者及び住民により,その形成に向けて一体的な取組がなされなければならない。 5項 良好な景観の形成は,現にある良好な景観を保全することのみならず,新たに良好な景観を創出することを含むものであることを旨として,行われなければならない。 (国の責務)3条 1項国は,前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり,良好な景観の形成に関する施策を総合的に策定し,及び実施する責務を有する。 2項国は,良好な景観の形成に関する啓発及び知識の普及等を通じて,基本理 以下「基本理念」という。)にのっとり,良好な景観の形成に関する施策を総合的に策定し,及び実施する責務を有する。 2項国は,良好な景観の形成に関する啓発及び知識の普及等を通じて,基本理 念に対する国民の理解を深めるよう努めなければならない。 (地方公共団体の責務)4条地方公共団体は,基本理念にのっとり,良好な景観の形成の促進に関し,国との適切な役割分担を踏まえて,その区域の自然的社会的諸条件に応じた施策を策定し,及び実施する責務を有する。 (事業者の責務)5条事業者は,基本理念にのっとり,土地の利用等の事業活動に関し,良好な景観の形成に自ら努めるとともに,国又は地方公共団体が実施する良好な景観の形成に関する施策に協力しなければならない。 (住民の責務)6条住民は,基本理念にのっとり,良好な景観の形成に関する理解を深め,良好な景観の形成に積極的な役割を果たすよう努めるとともに,国又は地方公共団体が実施する良好な景観の形成に関する施策に協力しなければならない。 (景観計画)8条1項景観行政団体は,都市,農山漁村その他市街地又は集落を形成している地域及びこれと一体となって景観を形成している地域における次の各号のいず れかに該当する土地(水面を含む。以下この項,第11条及び第14条第2項において同じ。)の区域について,良好な景観の形成に関する計画(以下「景観計画」という。)を定めることができる。(各号省略)2項景観計画においては,次に掲げる事項を定めるものとする。 4号次に掲げる事項のうち,良好な景観の形成のために必要なもの(そ の他の号省略)ハ景観重要公共施設に関する次に掲げる基準で げる事項を定めるものとする。 4号次に掲げる事項のうち,良好な景観の形成のために必要なもの(そ の他の号省略)ハ景観重要公共施設に関する次に掲げる基準であって,良好な景観の形成に必要なもの(その他省略) 河川法第24条,第25条,第26条第1項又は第27条第1項(これらの規定を同法第100条第1項において準用する場合を 含む。)の許可の基準(その他省略)(届出及び勧告等)16条1項景観計画区域内において,次に掲げる行為をしようとする者は,あらかじ め,国土交通省令(第4号に掲げる行為にあっては,景観行政団体の条例。 以下この条において同じ。)で定めるところにより,行為の種類,場所,設計又は施行方法,着手予定日その他国土交通省令で定める事項を景観行政団体の長に届け出なければならない。 4号前3号に掲げるもののほか,良好な景観の形成に支障を及ぼすおそ れのある行為として景観計画に従い景観行政団体の条例で定める行為(その他の号省略) 7 文化財保護法(昭和25年法律第214号)(この法律の目的) 1条この法律は,文化財を保存し,且つ,その活用を図り,もって国民の文化的向上に資するとともに,世界文化の進歩に貢献することを目的とする。 8 都市公園法(昭和31年法律第79号) (目的) 1条この法律は,都市公園の設置及び管理に関する基準等を定めて,都市公園の健全な発達を図り,もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。 (定義)2条 2項この法律において「公園施設」とは,都市公園の効用を全うするため当該都市公園に設けられる次に掲げる施設をいう 公共の福祉の増進に資することを目的とする。 (定義)2条 2項この法律において「公園施設」とは,都市公園の効用を全うするため当該都市公園に設けられる次に掲げる施設をいう。 7号飲食店,売店,駐車場,便所その他の便益施設で政令で定めるもの(その他の号省略) (都市公園の占用の許可)6条1項都市公園に公園施設以外の工作物その他の物件又は施設を設けて都市公園を占用しようとするときは,公園管理者の許可を受けなければならない。 9 都市計画法(昭和43年法律第100号)(目的)1条この法律は,都市計画の内容及びその決定手続,都市計画制限,都市計画事業その他都市計画に関し必要な事項を定めることにより,都市の健全な発 展と秩序ある整備を図り,もって国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。 (都市計画の基本理念)2条都市計画は,農林漁業との健全な調和を図りつつ,健康で文化的な都市生 活及び機能的な都市活動を確保すべきこと並びにこのためには適正な制限の もとに土地の合理的な利用が図られるべきことを基本理念として定めるものとする。 (国,地方公共団体及び住民の責務)3条1項 国及び地方公共団体は,都市の整備,開発その他都市計画の適切な遂行に努めなければならない。 2項都市の住民は,国及び地方公共団体がこの法律の目的を達成するため行なう措置に協力し,良好な都市環境の形成に努めなければならない。 3項国及び地方公共団体は,都市の住民に対し,都市計画に関する知識の普及及び情報の提供に努めなければならない。 10 広島市景観条例(平成18年広島市条例第39号。以下「市景観条例」とい 項国及び地方公共団体は,都市の住民に対し,都市計画に関する知識の普及及び情報の提供に努めなければならない。 10 広島市景観条例(平成18年広島市条例第39号。以下「市景観条例」とい う。)(乙11)前文緑あふれる山々や市街地を流れる幾筋もの川,大小の島々が浮かぶ穏やかな瀬戸内海,にぎわいと風格のある都心の街並みや秩序ある郊外の家並み,山すそに広がる田園。こうした多彩な広島の景観は,天与の自然,そしてこ の地に暮らす人々の長い年月にわたる営みにより形成されてきた。 とりわけ,原子爆弾による壊滅的な被害からの復興の過程では,恒久の平和を誠実に実現しようとする理想の象徴として平和記念都市の建設に努め,今日の整然とした街並み,平和記念公園,平和大通り,河岸緑地などからなる広島特有の景観を生み出した。 こうした美しい広島の景観は,豊かな生活環境を創造していく上で不可欠 なものであり,私たちにとってかけがえのない共通の財産である。私たちは,先人たちの努力の結晶であるこの広島の景観を守り,創り,未来の世代に引き継がなければならない。 このような認識の下,市民が誇りと愛着を持ち,これからも住み続けたいと思い,国内外の多くの人々が訪れ,楽しみ,交流する,個性と魅力ある都 市を実現するため,この条例を制定する。 (目的)1条この条例は,景観法(平成16年法律第110号。以下「法」という。)の規定に基づく景観計画の策定,行為の規制等に関し必要な事項その他良好な 景観の形成に関し必要な事項を定めることにより,個性と魅力ある都市の実現に寄与することを目的とする。 (本市の責務)2条1項 本市は,良好な景観の形成を促進するために必要な施 成に関し必要な事項を定めることにより,個性と魅力ある都市の実現に寄与することを目的とする。 (本市の責務)2条1項 本市は,良好な景観の形成を促進するために必要な施策を策定し,及び実施するものとする。 2項本市は,前項に規定する施策の策定及び実施に当たっては,市民及び事業者の意見を反映させるよう努めるものとする。 3項本市は,道路,公園その他の公共施設の整備に当たっては,良好な景観の形成に努めるものとする。 (市民及び事業者の責務)3条 1項 市民及び事業者は,良好な景観の形成に主体的かつ積極的に取り組むよう努めるとともに,前条第1項の規定により本市が実施する施策に協力するよう努めなければならない。 2項市民及び事業者は,建築物その他の工作物の新築,増築,修繕,色彩の変 更等又は土地の形質の変更に当たっては,良好な景観の形成に努めなければならない。 (景観計画)6条1項 市長は,良好な景観の形成を総合的かつ計画的に推進するため,景観計画(法第8条第1項の景観計画をいう。以下同じ。)を定めるものとする。 2項市長は,景観計画において,景観計画区域(法第8条第2項第1号の景観計画区域をいう。以下同じ。)のうち,良好な景観の形成を特に推進すること が適当と認める区域を景観計画重点地区として定めるものとする。 3項市長は,前項の規定により景観計画重点地区を定めたときは,景観計画重点地区ごとに法第8条第2項各号に掲げる事項及び同条第3項に規定する方針を定めるものとする。 (届出を要する行為等)9条1項法第16条第1項第4号の条例で定める行為は,次の表の左欄に 法第8条第2項各号に掲げる事項及び同条第3項に規定する方針を定めるものとする。 (届出を要する行為等)9条1項法第16条第1項第4号の条例で定める行為は,次の表の左欄に掲げる景観計画上の地区(注・同表では,西風新都地区のみ掲げられている。)におけ る同表の右欄に掲げる行為とする。(同表省略) (広島市景観審議会)17条1項第7条第3項(同条第4項において準用する場合を含む。)及び第13条第2項並びに広島市屋外広告物条例(昭和54年広島市条例第65号)第27 条の規定によりその権限に属するものとされた事項について,市長の諮問に応じて審議するため,広島市景観審議会を置く。 2項広島市景観審議会は,前項に定めるもののほか,良好な景観の形成に関する重要な事項及び屋外広告物(屋外広告物法(昭和24年法律第189号) 第2条第1項に規定する屋外広告物をいう。)に関する重要な事項について,市長の諮問に応じて調査し,又は審議するとともに,市長に意見を述べることができる。 11 広島市公園条例(昭和39年条例第18号。以下「市公園条例」という。) (この条例の趣旨)1条この条例は,都市公園法(昭和31年法律第79号。(中略))及び高齢者,障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成18年法律第91号)並びにこれらの法律に基づく命令に定めるもののほか,本市の公園の設置, 管理等について必要な事項を定めるものとする。 以上
▼ クリックして全文を表示