令和4年8月30日判決言渡同日原本交付裁判所書記官令和3年(ワ)第31025号損害賠償等請求事件口頭弁論終結日令和4年6月30日判決 原 告 A1 被告 B1被告訴訟代理人弁護士高 橋 雄一郎 主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 被告は、原告に対し、100万円及びこれに対する令和4年2月26日から支 払済みまで年3分の割合による金員を支払え。 2 被告は、ウェブページ「https://以下省略」を削除せよ。 3 被告は、Twitter の@A₂のアカウントにされた投稿を複製し、公衆送信可能化し、又は公衆送信してはならない。 4 第1項につき仮執行宣言 第2 事案の概要等 1 事案の概要本件は、原告が、被告に対し、①Twitter,Inc.(以下「ツイッター社」という。)が運営するTwitter(以下「ツイッター」という。)に被告が投稿した記事が、原告に対する名誉毀損、侮辱、脅迫に当たる、②原告が作成し た発信者情報開示請求書及び原告が作成しそのプライバシーに係る事項が記載 された訴状を被告がインターネット上で公開したことが複製権、公衆送信権、公表権、プライバシー権の侵害に当たる、③被告が作成したツールを用いて著作物である原告のツイッター上の投稿を被告がインターネット上に公開することが、複製権、公衆送信権、同一性保持権の侵害に当たると主張して、不法行為に基づき100万円及び被告の最後の投稿の日である令和4年2月26日から支払済 みまで年3分の割合による遅延損 公開することが、複製権、公衆送信権、同一性保持権の侵害に当たると主張して、不法行為に基づき100万円及び被告の最後の投稿の日である令和4年2月26日から支払済5みまで年3分の割合による遅延損害金並びに著作権法112条1項に基づき同ツールを用いた原告のツイートの公開の差止め及び削除を請求する事案である。 2 前提事実(当事者間に争いがないか、後掲各証拠及び弁論の全趣旨によって容易に認められる事実)原告は、「ひとり親支援法律事務所」という名称の事務所を営んでいる弁護10士である。原告は、ツイッターにおいて、「@A₂」というアカウントを用いて投稿している。(争いなし)被告は、「@B2」、「@B3」、「@B4」というアカウントを用いて、ツイッターに、別紙投稿記事目録1記載1から66、68から70の「投稿日時」欄記載の日時に、「投稿内容」欄記載の投稿をした(以下、それぞれの投稿について、15同目録の番号に従い「本件投稿1」などという。)。また、被告は、第三者がツイッターにした同目録記載67記載の内容の投稿について、これをリツイートした(以下、本件投稿1から66,68から70及び同リツイートを併せて「本件投稿」ということがある。)。(甲6、46~48)原告は、令和2年9月20日付けで、本件投稿9に係る通信の経由プロバイ20ダとして利用されたNTTコミュニケーションズ株式会社(以下「NTTコミュニケーションズ」という。)に対し、発信者情報開示請求書(以下「本件開示請求書」という。)を送付して発信者情報の任意開示を請求した。本件投稿9をした被告は、NTTコミュニケーションズから本件開示請求書を受領し、本件開示請求書のうちのプロバイダ名やプロバイダ連絡先、開示請求対象の25ログイン時のIPアドレス等をマスキング処理 件投稿9をした被告は、NTTコミュニケーションズから本件開示請求書を受領し、本件開示請求書のうちのプロバイダ名やプロバイダ連絡先、開示請求対象の25ログイン時のIPアドレス等をマスキング処理して、その電子ファイルをイ3 ンターネット上で閲覧できるように通信サーバに記録して自動公衆送信を可能にし、さらに、本件投稿27に上記サーバへのリンクを設定した。(甲6、19、21)⑷ 原告は、令和2年11月10日付けで、NTTコミュニケーションズに対して本件投稿9に係る発信者情報の開示を求める訴えを東京地方裁判所に提起5した。被告は、同訴えの訴状(以下「本件開示請求訴状」という。)を入手し、本件開示請求訴状の原告名や記載されているIPアドレス等をマスキング処理して、その電子ファイルをインターネット上で閲覧できるように通信サーバに記録して自動公衆送信を可能にし、本件投稿38に上記サーバへのリンクを設定した。(甲6、20、22)10⑸ 被告は、ツイッターへの投稿を取得してこれを表示するツール(以下「本件ツール」という。)を作成し、本件ツールを用いて別紙投稿記事目録2記載の投稿(以下「本件ツール投稿」という。)について請求の趣旨第2項記載のURLにおいて自動公衆送信を可能にした。本件ツール投稿のうち、少なくとも一部は、原告がツイッターを用いて行った投稿の内容を収集し、これを基に投15稿したものである。(甲6、弁論の全趣旨)3 争点 本件投稿についての違法性ア 名誉毀損の成否(争点1-1)イ 侮辱の成否(争点1-2)20ウ 脅迫の成否(争点1-3)⑵ 本件開示請求書及び本件開示請求訴状を公開したことについての違法性(争点2)⑶ 本件ツール投稿についての違法性(争点3)⑷ 差止め及び削除の必要 ウ脅迫の成否(争点1-3)⑵ 本件開示請求書及び本件開示請求訴状を公開したことについての違法性(争点2)⑶ 本件ツール投稿についての違法性(争点3)⑷ 差止め及び削除の必要性(争点4) 損害(争点5) 4 争点に対する当事者の主張 本件投稿についての違法性ア名誉毀損の成否(争点1-1)(原告の主張)パパ活 被告は、本件投稿9、10、15から18、20、21、25、26、28から33、35、37、38、45、46、50、51、58から61、68、69において、「パパ活」や、パパ活と原告の名であるA₃をつなげた造語である「パパA₃」などの記載をした。 これらの投稿には、「ガムテ」「ガムテ弁護士」「A₄」「A₃」と記載があっ たり、原告のツイッター上の投稿を引用等しているため、これらの投稿が原告についての投稿であることが同定できる。「ガムテ」というのは、「ガムテープ」を意味し、原告が令和元年8月頃に、原告が経営していたECサイトの運営を手伝ってくれていたインターンの女子大生達と月に一度程度の定例会としてゲームをして、出前の寿司を食べた際に参加女性の名札代わりに ガムテープを貼って代用していた様子をツイートしたところ、被告がこれを見て好奇に感じたのか、原告のことを「ガムテープ」と呼ぶようになったものである。 「パパ活」、「パパA₃」との記載はいずれも、原告がパパ活をする人物であるとの事実を摘示するものである。パパ活という言葉の意義の外延は必ずし も明確ではなく、従来は、肉体関係を伴わない前提で、女性が経済的に余裕のある中高年男性と食事を共にするなどして共に時間を過ごし、代わりに金銭的・経済的な援助を得るという活動を示していたが、現在では肉体関 確ではなく、従来は、肉体関係を伴わない前提で、女性が経済的に余裕のある中高年男性と食事を共にするなどして共に時間を過ごし、代わりに金銭的・経済的な援助を得るという活動を示していたが、現在では肉体関係を持つこと、すなわち売春行為に該当するような関係を含む交際態様として使用されている。原告がパパ活を行う人物であるとの摘示は、肉体関係を伴う25交際であることをも十分に想像させるものであって、原告が売春行為という5 刑事法に反する行為をする人物であるとの印象を与えるものである。また、パパ活が仮に肉体関係を伴うことを前提としない交際であると解釈するにしても、自然な恋愛感情に基づく異性関係とは異なり、経済的な上下関係を背景にした有償の異性関係を意味し、少なくとも不健全な異性関係を意味するものであり、トラブルの多い反倫理的、反社会的で不適切な異性交際をす5る人物であるとの印象を与えるものである。 よって、前記の本件投稿は原告の社会的評価を低下させる。 仮にこれらの投稿が意見論評であると評価するにしても、同様の理由により原告の社会的評価を低下させるものである。 原告がパパ活を行ったことはないから、これらの投稿内容は真実ではなく、10公共性も公益目的もないから違法性が阻却されることはない。 依頼人の住所の漏洩本件投稿70は、当該法律事務所に依頼人の住所を他人に教える弁護士がいることが記載されているところ、本件投稿70に表示された画像内には、「養育費渡してくれないはつらいですね。」「ひとり親支援の法律事務所」等15の記載がされており、当該法律事務所が、養育費事件を扱うひとり親支援のものであることが摘示されている。そして「ひとり親支援」及び「法律事務所」を組み合わせてインターネット上で検索すると、原告の「ひとり親支援法 ており、当該法律事務所が、養育費事件を扱うひとり親支援のものであることが摘示されている。そして「ひとり親支援」及び「法律事務所」を組み合わせてインターネット上で検索すると、原告の「ひとり親支援法律事務所」が最初に表示されること、被告のツイッターアカウントのプロフィールや固定ツイートは本件投稿68であり、原告に関する投稿がされて20いること、本件投稿において被告は原告に対して様々な批判をし続けていることからすれば、本件投稿70が原告が運営する事務所についてのものであることが分かる。本件投稿70は、原告が運営する事務所が依頼者の住所を正当な理由なく漏洩して守秘義務を犯す事務所であると理解させる具体的事実を摘示している。原告は、同事務所の個人事業主であり代表弁護士であ25るから、同事務所の社会的評価の低下は原告の社会的評価と重なり、原告の6 社会的評価を低下させる。 通報行為本件投稿56で、被告は、原告に対し、「仕方ないなあ」と述べることによって、原告が運用する音声型SNSアプリである「クラブハウス」のアカウントについて、「Discrimination or hateful conduct」(差別的あるいは他5者へ嫌がらせ言動)を行っているとの通報を現に行い、あるいは、行うふりをする様子を投稿している。同投稿は、原告が「クラブハウス」において差別的あるいは他者へ嫌がらせ言動を行っていることを示す事実を摘示するものといえ、原告の社会的評価を低下させる。 (被告の主張)10パパ活について「パパA₃」などは、それ自体の意味が不明である。また、一般の閲覧者が、その言葉が使用された投稿が原告についてのものであることを理解することはできない。 本件投稿には、「ガムテパパA₃」、「ガムテ底辺パパA₃」「底辺パ 自体の意味が不明である。また、一般の閲覧者が、その言葉が使用された投稿が原告についてのものであることを理解することはできない。 本件投稿には、「ガムテパパA₃」、「ガムテ底辺パパA₃」「底辺パパA₃」、15「寿司ガムテパパA₃」「パパA₃」との記載があるが、これらはいずれも原告のニックネームとして用いられており、原告がパパ活をしているとの事実を摘示しているとはいえない。 仮にこれらの投稿から原告がパパ活をしている人物であるとの事実が読み取れるとしても、原告がいつどこで何を具体的にしたのかを摘示するもの20ではなく、単なる意見・論評にすぎない。そして、原告は、13人の女子大生を自宅に招いて寿司を振る舞ったのであるから、このような写真を見た者が、この寿司パーティをもって金銭的に余裕のある中高年男性が自らの費用負担で若い女性と共に過ごしているという意味での「パパ活」と表現するのは自然である。これらの投稿は、事実を前提とする、人身攻撃に及ぶなどの25論評としての域を逸脱することもない、適正な意見論評である。 7 また、パパ活は、肉体関係を伴わないことを前提とする用語であり、不健全な印象を与える用語ではない。金銭的に余裕のある中高年男性が若い女性と高級レストランで食事をしてその費用の全額を負担するということはしばしば見られ、何ら不健全な印象を与えるものではなく、パパ活をしていると摘示されても原告の社会的評価は低下しない。 5さらに、原告は、別の機会には、前記寿司パーティをパパ活だといわれることを想定内としていて、「パパ活」と言われることが、原告の受忍限度を超えて原告の社会的評価を低下させているとはいえない。原告は、これまで弁護士の肩書を付しつつ、ツイッターで原告に批判的なアカウントに対して「底辺」、「ゴミ」と 活」と言われることが、原告の受忍限度を超えて原告の社会的評価を低下させているとはいえない。原告は、これまで弁護士の肩書を付しつつ、ツイッターで原告に批判的なアカウントに対して「底辺」、「ゴミ」という罵倒を繰り返して注目を集めてきており、相応の批10判を浴びるのはやむを得ない。しかも、原告は、別の機会には、女子大生と寿司パーティをしたことについての投稿をする際に「できることならちょっと絡まれたい」という動機を有していたことを述べており、同投稿を、あえて、「炎上」をねらって「社会実験」の目的で行った。原告は、意図的に自ら批判を招き、その「社会実験」に満足しているのであるから、受忍すべき15程度が高い。 原告は、上記のとおり女子大生に寿司を振る舞ったほか、居候を募集するとした上で、男性からと思われる申し出に対しては「面白くないから却下」し、別の若い容姿が良い女性と思われるアカウントからの返信には「採用」と述べて同居している。これは、家賃相当分を原告が負担することで時間を20共にしているので、「パパ活」である。また、令和2年9月17日には、「港区女子の方、遊びに来ませんか!」などと投稿し、さらに、「その辺のブスやババアが来たところで誰も得しない」などといった投稿も行っており、これも「パパ活」に当たる。よって、原告がパパ活を行っていたことは事実であり、そうでなくとも、被告が事実であると信じるにつき相当な理由があっ25た。原告は弁護士であり、「陶やに努める」ことが求められている(弁護士8 法2条)ところ、パパ活に関する記載はこれに疑問を呈する内容であり、公共性が認められる。また、弁護士として好ましくないと批判することは専ら公益目的を図るものであるといえ、このことは同時に原告を揶揄、侮辱する要素を伴っていても左右されな れに疑問を呈する内容であり、公共性が認められる。また、弁護士として好ましくないと批判することは専ら公益目的を図るものであるといえ、このことは同時に原告を揶揄、侮辱する要素を伴っていても左右されない。 依頼人の住所の漏洩について5一般の閲覧者を基準とすれば、本件投稿70の画像の「ひとり親支援の法律事務所」が直ちに原告が勤務する事務所である「ひとり親支援法律事務所」のことだとは考えない。原告が主張するような検索を行う読者は想定し難い。 仮に「ひとり親支援法律事務所」にたどり着いたとしても、原告以外の弁護士も所属しているので、原告について言及したものと理解するとはいえない。 10また、依頼人の住所を教えても、依頼人の同意があれば守秘義務違反には当たらないから、本件投稿70は、「正当な理由なく漏洩させる守秘義務違反を犯す事務所である」という事実摘示を含まない。 さらに、原告は、本件訴訟において、原告が弁護士として訴訟代理した事件の判決書を証拠として提出したが、同判決書の1ページ目の依頼者の住所15はマスキングしていたが、2ページ目に記載されていた住所はマスキングせず、閲覧制限の申立ても行わなかった。その結果、実際に複数名らに同証拠が閲覧されてしまった。よって、原告は、依頼者の住所を正当な理由なく漏洩したといえ、本件投稿70の重要な部分は真実である。法律上の守秘義務を負う弁護士が守秘義務違反をしている可能性があるという事実は公共性20があり、好ましくないと考えられる公共性のある事実を批判することは公益目的が伴う。 通報行為について「仕方ないなあ」という表現自体が原告に対する名誉権侵害に当たるとはいえない。本件投稿56に添付された画像は、誰かが原告の投稿について「通25報」したことを意味するとも理解でき 行為について「仕方ないなあ」という表現自体が原告に対する名誉権侵害に当たるとはいえない。本件投稿56に添付された画像は、誰かが原告の投稿について「通25報」したことを意味するとも理解できるものであるが、何らかの通報をした9 からといって即座に原告の投稿が削除されるものではなく、そこで原告が嫌がらせ言動を行っているという具体的事実を摘示しているわけでもなく、原告の社会的評価が低下するとはいえない。 イ 侮辱の成否(争点1―2)(原告の主張)5パパ活被告は、前記アで主張したとおり、原告を「パパ活」「パパA₃」等と述べて嘲笑した。 ガムテ被告は、本件投稿2から18、20,23から26,34,36、47、1048、52、54、55、57、60、66において、原告を「ガムテ」「ガムテ弁護士」等と述べて嘲笑した。これらの投稿は、前記アと同様の理由により原告について述べたものである。 底辺被告は、本件投稿3、4、13、14、16から21において、原告を「底15辺」と述べて嘲笑した。これらの投稿は、前記アと同様の理由により原告について述べたものである。 その他被告は、本件投稿9、28において、原告を「自称弁護士」と嘲笑した。 これは、原告が弁護士であることを認識しつつもあえて「自称」と表現する20ことで原告の職業を侮辱するものである。これらの投稿は、前記アと同様の理由により原告について述べたものである。 被告は、本件投稿1において「こいつが(洪水に)巻き込まれればいいのに」と投稿した。本件投稿1は原告のツイート画像を添付しているので原告に関する投稿である。本件投稿1は原告の生命を軽んじて揶揄している。 25被告は、本件投稿22において、「A₄なんか毒でしかなく、 投稿した。本件投稿1は原告のツイート画像を添付しているので原告に関する投稿である。本件投稿1は原告の生命を軽んじて揶揄している。 25被告は、本件投稿22において、「A₄なんか毒でしかなく、価値もない」10 と投稿しており、これは、原告の人格をひどく否定する侮辱表現である。 (被告の主張)パパ活について「パパA₃」という程度の悪ふざけの表現が「社会通念上許される限度を超えた侮辱に当たる」とは認められない。また、前記アで主張したのと同5様の理由により、原告は受忍すべき程度が高い。 さらに、被告はツイッターでは、原告のアカウントをブロックしており、そうであるにもかかわらず、原告は、少なくとも匿名アカウントを2つ作成してわざわざ被告の投稿を閲覧しにきている。原告は、「倒したい人を倒すために法律を使えたらいいなと思うだけ。」、「宝探しみたいだし、どのステ10ージまで進めるかもゲーム感覚で楽しい。」などと投稿しており、偶然に本件投稿に接したのではなく、被告を「倒す」目的で「ゲーム感覚」で「宝探し」をして投稿を知るに至ったのであり、原告の名誉感情が害されることはない。 ガムテについて15「ガムテ」の各記載は、原告が指摘するとおり、原告が女子大生と行ったゲームにおいて、その名札がガムテープだったことに由来する。 ガムテープには何らネガティブな意味はなく、侮辱にすら当たらない。さらに前記で主張したとおり、原告は被告を「倒す」目的で「ゲーム感覚」で「宝探し」をして投稿を知るに至ったのであり、原告の名誉感情が害され20ることはない。 底辺について「底辺」は、原告が「底辺」にいるという意味で用いられているのではなく、原告がこれまで「底辺」という用語で原告の批判者を罵倒し続けてきたことから、 され20ることはない。 底辺について「底辺」は、原告が「底辺」にいるという意味で用いられているのではなく、原告がこれまで「底辺」という用語で原告の批判者を罵倒し続けてきたことから、原告のツイッター上の口癖を原告のニックネームにしたものであ25り、社会通念上許される限度を超えるとはいえない。 11 原告は、前記のとおり、「底辺」「カス底辺」という表現を繰り返しており、自分が他人に繰り返しぶつける表現であれば、自分に返ってきても何ら精神的苦痛を受けるはずがない。 そして、前記で主張したように、原告は、被告を「倒す」目的で「ゲーム感覚」で「宝探し」をして投稿を知るに至ったのであり、原告の名誉感情5が害されることはない。 その他について原告は自らのアカウント名に「A₁@冒険家食べ歩き弁護士@Youtube」という名称を用いているので、「弁護士」を「自称」している。「自称弁護士」は侮辱に当たらない。 10本件投稿1の「こいつが巻き込まれればいいのに」とあるのは、令和2年7月3日からの大雨によって熊本県・鹿児島県に大雨特別警報が出され、死者や行方不明者が多数出ている状況の下で、原告が「地方の人って、やたら体形が崩れている気がするけど、事実?事実なら理由は何だろう」という無神経な投稿をしたため、被告がこのような原告を批判したものであり、受忍15限度を超えるものであるとはいえない。 本件投稿22の「A₄なんか毒でしかなく、価値も何もないのでブロックされても痛くも痒くもございません」との投稿も、原告が被告のツイッターアカウントをブロックした(乙11)ことに応じた投稿である。「毒でしかない」というのは、原告が「底辺」等の暴言をまきちらしていた事実を前提20とするものであり、「価値もない」と 被告のツイッターアカウントをブロックした(乙11)ことに応じた投稿である。「毒でしかない」というのは、原告が「底辺」等の暴言をまきちらしていた事実を前提20とするものであり、「価値もない」というのは、フォローし続ける価値もないということである。これらの表現は侮辱ともいえないし、社会通念上許される限度を超えるものとはいえない。 ウ 脅迫の成否(争点1-3)(原告の主張)25第三者がツイッターで本件投稿67の内容の投稿をしたところ、原告はこ12 れをリツイートした。元ツイートは、原告に対し、「徹底的に潰します。」「死に体になるまで、社会的に葬り去るまでやります」と原告の生命、身体、名誉等に対して害を加える旨を告知するものであって、かつ、その表現態様は暴力的であって原告を畏怖させるに足り、原告に対する脅迫行為に当たる。 被告はこのツイートをリツイートしたことによって、投稿主体として、被告5自身が原告の人格的利益を侵害する行為を行った。 (被告の主張)本件投稿には、暴力等の違法な手段を行使することには言及されていないから害悪の告知はない。 本件投稿67を行った第三者は、チャンネル登録数12.8万人を擁する10著名なユーチューバーであり、これだけの登録者からすると報道関係者と言ってもよい(乙12)。同人は、令和3年10月28日に原告の申請により自身の投稿動画がユーチューブ上から削除されたと考えたようで(乙13)、本件投稿67はこれによる原告に対する怒りによって行われたものである。 著名なユーチューバーである同人がとると予想されるのは、自らが配信する15動画で、弁護士である原告の行為を、場合によっては証拠と共に取り上げて暴露するということに他ならない。本件投稿67は、原告につき報道すべき何らかの事実を とると予想されるのは、自らが配信する15動画で、弁護士である原告の行為を、場合によっては証拠と共に取り上げて暴露するということに他ならない。本件投稿67は、原告につき報道すべき何らかの事実を知っていて、これを報道するという趣旨だと理解できる。これは報道の自由に含まれている行為であり、脅迫には当たらない。 また、被告は、本件投稿67をリツイートしたにすぎず、仮に本件投稿6207が脅迫に当たるとしても、これは当該第三者の原告に対する脅迫であり、被告が同じように原告を脅迫していることにはならない。 ⑵ 本件開示請求書及び本件開示請求訴状を公開したことについての違法性(争点2)(原告の主張)25原告が作成した本件開示請求書及び本件開示請求訴状の記載内容は、前提と13 なる事実関係やこれに対する法的評価を踏まえた訴訟物や請求原因等を記載するものであるが、これらの記載内容は形式的かつ一律に定まるものではなく、どのような事実及び評価を採用するかを取捨選択したうえで、これらをどのような順序でどのような表現でどの程度記載するかについては様々な可能性がある。よって、これらの書面は原告の思想又は感情を創作的に表現したものに5当たり、著作物に当たる。 被告による本件開示請求書及び本件開示請求訴状のインターネットによる公開は、原告の公表権、複製権及び公衆送信権を侵害する。 また、本件開示請求訴状には、原告が俳優のC氏らとゲームで遊んでいたことや原告が友人女性と海外旅行に行った内容等が記載されている。これらは、10原告の私的な人間関係に関する事項であり、特に女性関係は通常みだりに公開されることを欲しない事項であり、かつ、未だ一般の人々には公開されていないことであるから、被告による本件開示請求訴状の無断公開は原告のプラ な人間関係に関する事項であり、特に女性関係は通常みだりに公開されることを欲しない事項であり、かつ、未だ一般の人々には公開されていないことであるから、被告による本件開示請求訴状の無断公開は原告のプライバシーを侵害するものである。 (被告の主張)15本件開示請求書は、誰が作成しても同じ内容になるか大きな差がない内容になる文書であり、表現の創作性を欠如し著作物ではない。 本件開示請求訴状が著作物に当たり、公表権侵害があったことは認める。 原告は、本件開示請求訴状により提起した発信者情報開示請求訴訟において、閲覧制限の申し立てもしておらず、保護されるべきプライバシーは訴状には全20く記載されていない。そもそも、本件開示請求訴状に原告のプライバシーを記載する必然性もない。それにもかかわらずあえて原告が記載した情報は保護に値するプライバシーであるとはいえない。 ⑶ 本件ツール投稿についての違法性(争点3)(原告の主張)25原告は、別紙原告投稿のとおりの投稿(以下「本件原告投稿」という。)をし14 た。このうち、麻雀に関する投稿は「キンマweb@竹書房公式‐麻雀ニュース・情報サイト」という第三者アカウント(以下「本件麻雀アカウント」という。)で掲載された麻雀に関する問題に対する回答であり、原告が自身の考え方や好みを基に決定し、表現したものであるから創作性が認められ著作物に当たる。 本件ツール投稿の中にはこれを原告に無断で転載したものがある。本件ツール5投稿では、本件原告投稿とは異なり、本件麻雀アカウントで掲載されていた麻雀の問題が掲載されていなかったり、本件原告投稿ではツリー状に表示される投稿が分断されるなどして著作物を改変している。 さらに、原告自身が撮影した写真や動画を利用した上で原告自身の過去の体 た麻雀の問題が掲載されていなかったり、本件原告投稿ではツリー状に表示される投稿が分断されるなどして著作物を改変している。 さらに、原告自身が撮影した写真や動画を利用した上で原告自身の過去の体験を基にロシアとウクライナの紛争に関して感想を述べる投稿は創作性があ10って著作物に該当するが、これらが、本件ツール投稿で原告に無断で転載されている。そのほかにも原告が感じる裁判、司法の実態や裁判・司法のあるべき姿、許容されるべき姿、あるいは弁護士や社会人としての仕事への向き合い方について原告の経験や価値観に基づいて意見を述べる記事についても、創作性が認められて著作権が認められるが、無断で転載されている。 15よって、本件ツール投稿は、原告の著作権(複製権、公衆送信権)、著作者人格権(同一性保持権)を侵害する。 被告は、ツイッター社から、原告の投稿の利用の再許諾を受けたと主張するが、ツイッター社の利用規約は原告と被告の関係で直接効力を及ぼすものではない。本件ツールでは、原告の投稿が削除された後も原告の投稿の表示が維持20されており、原告がツイッター社に対してツイッターのアカウントに投稿する際に、自由に自らのコンテンツを投稿し、かつ削除できるという条件でツイッター社にコンテンツの使用許諾権限を付与していた範囲を超えて、被告は無断で原告のコンテンツを利用している。 (被告の主張)25原告は、著作権侵害及び著作者人格権侵害の対象となる原告の著作物を具体15 的に特定していない。原告がした投稿のうち、2月25日付けの「#チェルノブイリ 2014年に・・・」という写真付き投稿については著作物性があることは認めるが、その余の投稿は、ほかに書きようがないありふれた表現であり、著作物性はない。 また、本件ツール投稿は、ツ ノブイリ 2014年に・・・」という写真付き投稿については著作物性があることは認めるが、その余の投稿は、ほかに書きようがないありふれた表現であり、著作物性はない。 また、本件ツール投稿は、ツイッター社が原告から適法に取得した原告が行5うツイッター上の投稿の使用許諾の範囲内で被告が再許諾を受けて利用したものである。よって、同投稿について原告の許諾を受けているといえる。 さらに、本件ツールを提供する被告は特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「プロバイダ責任制限法」という。)3条1項の関係役務提供者に当たる。原告は、令和4年3月4日付け10準備書面2の別紙1で特定の投稿(本件ツール投稿)について「権利侵害」であると初めて主張した。被告はこれを受けて、権利侵害は争うものの、遅くとも同月中にこれら全ての投稿について「送信を防止する措置」を講じた。よって、被告は、プロバイダ責任制限法3条1項によって免責される。 ⑷ 差止め及び削除の必要性(争点4)15(原告の主張)被告は、今後もURLの変更や被告が作成したツールを他者に運営させる等して、著作権及び著作者人格権の侵害を禁止する趣旨を容易に潜脱する可能性があるため、網羅的に本件ツールを用いた被告の侵害行為を禁止する必要がある。 20(被告の主張)本件ツールでは、現在原告の投稿は一切表示されなくなっており、削除の必要性はない。また、原告が差止めを求める請求内容は不特定であり、投稿を特定することもなく、将来における著作権侵害の有無等を問うこともなく、包括的かつ漠然と特定のアカウントの投稿の複製及び公衆送信可能化を禁止する25ことは許されない。 16 損害(争点5)(原告の主張)本件投稿、本件開示請 無等を問うこともなく、包括的かつ漠然と特定のアカウントの投稿の複製及び公衆送信可能化を禁止する25ことは許されない。 16 損害(争点5)(原告の主張)本件投稿、本件開示請求書及び本件開示請求訴状の公衆送信及び本件ツール投稿は、原告の名誉権、名誉感情、著作者人格権、プライバシー権及び人格的利益の各権利侵害を構成し、いずれも不法行為に当たる。被告による上記行為5の動機は、被告が原告の依頼人の自宅住所をツイッター上にさらすという違法行為を行ったことに対して法的措置をとられたことに対する単なる腹いせと思われ、極めて悪質であり宥恕の余地はない。また、本件では原告がたまたま弁護士であったため、外部の弁護士等に調査費用を支払う必要はなかったが、被告は自らの不法行為により原告に対して多大な手間や労力をかけさせてよ10うやく被害回復が図られることを認識しながら発信者情報の開示を拒否し続けてきたのであるから、このことは慰謝料算定においても考慮されるべきである。これらの行為に係る慰謝料は、200万円を下らないが、被告には資力がないと思われるため100万円を請求する。 (被告の主張)15原告の主張は否認し争う。 本件投稿により社会的評価が低下しないことや侮辱等に当たらないことは前記のとおりであり、損害は発生しない。 本件開示請求訴状の公開については、訴状は陳述されると著作権法40条1項により自由利用の対象になる。これがわずか数週間早く公開されたからとい20って、原告に損害が生じるとはいえない。プライバシー権侵害についても同様である。 第3 当裁判所の判断1 認定事実証拠(事実の末尾に掲記する。)及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認めら25れる。 17 原告は、令和元年8月頃、複 ついても同様である。 第3 当裁判所の判断1 認定事実証拠(事実の末尾に掲記する。)及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認めら25れる。 17 原告は、令和元年8月頃、複数の女子大学生と寿司職人を自宅に招いて会話型の心理戦ゲーム(人狼ゲーム)を行うなどし、また、寿司を振る舞った(以下、この会合を「本件会合」という。)。原告は、その頃、ツイッターに、「今日も良い天気だけど、自宅で女子大生13人くらいと、寿司職人を招いて、お寿司人狼ゲーム会。夜はまた同級生が大量に友達連れてきてくれるらしい。」と5の文章や、女性のみ10人が寿司が置かれたテーブルを囲み、その背後に寿司職人が写った本件会合の様子を撮影した写真(以下「本件写真」という。)を投稿した。本件写真に写った女性の胸元には、それぞれの女性の名前が記載されたガムテープが張られ、名札として利用されていた。本件写真の投稿が契機となって、SNS上で本件投稿をめぐる多くの投稿等がされるなどし、原告につ10いて「ガムテ弁護士」といった呼び名をつける者も現れた。 (乙1,52,54、弁論の全趣旨)ア 原告は、令和2年10月22日にYouTubeでライブ配信された「DvsA₄弁護士(中編)」に出演した。その中で本件会合が話題になり、対談者が、本件会合に係る原告の投稿がいわゆる炎上したことについて、「あの15寿司やった時に、えー何かあれはあそこまで炎上するって言うのは予定はしてなかった」のかと尋ねると、原告は「僕は思ってた」、「それは世の中の人はこういうの炎上させるだろうな。僕的にはそれを面白いという感覚がわからない。」「でも世の中の人は結果面白がって拡散して炎上させるんだろうな。」などと発言した。また、原告は、「だからさー炎上商法って言うのはさ20ー、明ら な。僕的にはそれを面白いという感覚がわからない。」「でも世の中の人は結果面白がって拡散して炎上させるんだろうな。」などと発言した。また、原告は、「だからさー炎上商法って言うのはさ20ー、明らかに悪い事とかさ、社会的に批判される事をしてやるのはあれだけど、世の中の人が勘違いして批判するのは、そちら側に問題があると思っている。僕が女子大生とお寿司を食べるって事は炎上する事はわかりきっていたけれども、どこにも法律違反もなければ社会学もないわけ。それに対して、これは・・・だーとか色んな事を言ってバカにしたがる人が騒ぐとなれば、25そいつが騒ぎたがる民達の方の価値観に問題があると思っている。」「だから18 その後、すごく面白くてやってみたいと思うわけよ。世の中の人がどういうなんかまあ煽られ、自分達で、自分達の価値観に基づいた煽られなのかと。」などと発言した。その後、原告が面白いと思って他人にゴミとかカスとか言ってもよいのかということが話題になり、対談者に(話題になっていた特定人について)「じゃあ彼の事をゴミだと言う認識は今も変わらない」と問う5たのに対して、原告は、「今もというとあれなんだけど、そんなに継続的な感情とかはないので、その時の瞬間、例えば僕にじゃあパパ活だとかガムテープこいつに送りつけたとか言うやつって、ずーっと僕にそんな感情なんてないじゃん。知らない他人同士だから、その時面白がってちゃかして言ってるだけで、それは犬とか猫がじゃれあってるうようなツイッター様式で言っ10てるわけでさ、その時。」「きたのに対して、売り言葉に買い言葉で言ってるけど、1回言ったからってそいつの事をずっと覚えているわけでもなければ、ずっと言われてむかつくという感情は残らないんですよ。」と発言した。(乙5の2)イ 原告は、令和4 言葉に買い言葉で言ってるけど、1回言ったからってそいつの事をずっと覚えているわけでもなければ、ずっと言われてむかつくという感情は残らないんですよ。」と発言した。(乙5の2)イ 原告は、令和4年4月30日に配信されたYouTubeの動画「【A₄弁15護士参戦】陰キャが成功する唯一の方法【最高年収10億円】」に出演し、原告が自身の恋愛について語る中で、本件写真について触れ、本件会合に参加した女子大生が本件会合の写真をSNSにアップロードしたため、自分もアップロードしたと述べた上で、「ただ、上げるときにちょっと、できることならちょっと絡まれたいってやっぱ思うじゃないですか。絵面がおもしろ20いから。だから、本当はそこに他にも大人の男性とかもいたし、みんなでアパレルの話をしていたんですけど、そういうことは一切書かずに、昼間に女子大生十何人と出張寿司を呼んで人狼ゲームしてますみたいなことだけ書いたら、民たちはどう反応するかみたいなのをやったら、」と発言し、対話していた二人が「社会実験じゃないですか。」「その印象がすごいあったから、25今日もここ貼れるのかなって思って。」と発言すると「でもね、あれ、そこ19 がよかったですよ。あれで注目してくれて、面白がって連絡をくれる人もいたので。」「僕はネットで百万人から嫌われても、その結果一人の友達ができればプラスだと思っているので。」「彼らは彼らで、Twitterでちょっと騒がしい奴らを擦って、炎上させるみたいなのを楽しんでると思うんで、SNSって結局ハッピーなんだなと思うんですよ。」などと発言した。(乙552)原告は、ある者から、同人について触れるツイッター上の投稿が違法であるとして、プロバイダ責任制限法に基づく発信者情報の開示請求を代理人として行うことを依頼された どと発言した。(乙552)原告は、ある者から、同人について触れるツイッター上の投稿が違法であるとして、プロバイダ責任制限法に基づく発信者情報の開示請求を代理人として行うことを依頼された。原告は、令和3年、同投稿に係る経由プロバイダに対する発信者情報開示請求訴訟を提起し、同年10月26日に勝訴判決を受けた10(以下、同判決に係る判決書を「別件判決書」という。)。同判決に基づく開示によれば、被告が上記投稿の投稿者であった。(甲30の1)原告は、本件投稿、前提事実⑶、⑷記載の本件投稿9に係る任意開示の請求、発信者情報開示請求訴訟の提起、被告による本件開示請求書及び本件開示請求訴状の公開等と前後して、ツイッターに、次の投稿をした。(乙1,2,54,15弁論の全趣旨)令和2年2月17日「底辺がんばれ」「どうぞどうぞ おまえのスマホにいっぱい思い出アルバム貯めてね 底辺はそれで毎回勝ち誇れるしな」「底辺って書くと底辺が発見できるよ」20令和2年6月27日「この件、なん百件単位で開示請求していきます。開示請求による脅迫とか言い出すやついるけど、こっちは幅広に誹謗中傷に当たる可能性があると考えたものを請求するけど、当然、裁判所が認めたものしか開示されない。 あと、人を、特定して侮辱するのと、普通名詞一般に侮辱するのは全く違う25よ、底辺たち。」20 令和2年6月28日「繰り返し言ってるけど、正義の味方になるつもりも、なったつもりもない。個人的に救いたい人を救うため、倒したい人を倒すために法律をつかえたらいいなと思うだけ。大量の誹謗中傷受けてる著名人はとことん救いたいし、匿名のカス底辺にはどんどん開示請求していく。何にしても法律に従っ5てるよ~。」令和2年6月29日「裁判所 かえたらいいなと思うだけ。大量の誹謗中傷受けてる著名人はとことん救いたいし、匿名のカス底辺にはどんどん開示請求していく。何にしても法律に従っ5てるよ~。」令和2年6月29日「裁判所が開示請求を認めたものは、中立な司法機関がその書込みを違法と認定したものです。違法な表現行為に対しては、厳粛に対応することは全く正当なことです。これに反対する声があるとすれば、違法な表現をさせろ10という意味なので、当然許されません。そういう輩のことをカス底辺と呼んでいます。」令和2年7月11日「はあちゅうさん達のアンチがちょくちょく湧いてくるから、ゴミ拾いしてるんだけど、よほど何も楽しみのない生活をしているのか、一度小馬鹿に15言い返されるといつまでも恨んで粘着してくるみたい こいつらを少しでも懲らしめられると思うと、作業のモチベーションがひたすら上がる。」と投稿し、特定のアカウントに対するツイッター上の返信として、「社会に捨てられたゴミは、誰にも拾ってもらえないんだな。」「承認される余地が全くない底辺は辛いね」と投稿した。 20令和2年7月25日「直接特定できたアンチの顔が、友人限定で回覧してて、最近一番のおもしろひネタ」、「アンチがブサイクっていうと、自己申告で自尊心傷つけられちゃった真実ブサイクが絡んでくるのが面白い 特定人への容姿の誹謗中傷は、開示請求認められやすくて良いんだけど」25令和2年9月17日21 「27日14-18時でホムパするのですが、後輩弁護士10人くらい来るので、我こそって港区女子の方、遊びに来ませんか!」と投稿し、これに対して「港区女子限定ww」とのコメントがされると、「その辺のブスやババアが来たところで、誰も得しないので(と後輩弁護士が言っています!)」と投稿し 区女子の方、遊びに来ませんか!」と投稿し、これに対して「港区女子限定ww」とのコメントがされると、「その辺のブスやババアが来たところで、誰も得しないので(と後輩弁護士が言っています!)」と投稿した。 5原告は、令和3年12月1日、本件訴訟を提起し、同日、証拠(甲30号証の1)として、別件判決書の写しを提出した。証拠として提出された別件判決書の写しについて、冒頭の当事者の表示欄の同事件の原告の住所はマスキングされていたが、2頁の同事件の原告の住所が記載されている部分はマスキングがされていなかった。同証拠についての閲覧制限の申し立てはされず、その後、10同部分は第三者の閲覧に供された。(顕著な事実)2 争点1-1(名誉毀損の成否)についてパパ活についてア 原告は、本件投稿9、10、15から18、20、21、25、26、28から33、35、37、38、45、46、50、51、58から61、1568,69について、原告が売春行為に該当する関係を含むパパ活を行っていることを摘示する内容であり、原告の名誉を毀損すると主張する。 イ 証拠(甲9~15、乙2)及び弁論の全趣旨によれば、パパ活とは、もともと、「女性が経済的に余裕のある中高年男性と食事を共にするなどして共に時間を過ごし、代わりにお小遣いや高級レストランでご馳走になるといっ20た金銭的・経済的援助を得る、という活動のこと。あるいはそのようなパトロンを探す活動のこと。」を意味し、基本的に肉体関係を伴わないものを意味するものであったが、近年では、双方の意向次第で性的行為に至る可能性もあるものとして使用されることがあると認められる。そうすると、「パパ活」という言葉は、多義的なものであり、その言葉自体から、直ちに対価関25係を前提に女性と肉体関係に及んでいると に至る可能性もあるものとして使用されることがあると認められる。そうすると、「パパ活」という言葉は、多義的なものであり、その言葉自体から、直ちに対価関25係を前提に女性と肉体関係に及んでいると認識されるものとは限られない22 ことが認められる。 ウ 本件投稿28、31、37、38、51、61、68、69には、「パパ活」という文言が記載されている。 しかし、本件投稿28は、「要約 「パパ活なんかしてない!」ぴえん」などと記載されているものであるところ、この投稿の記載からは趣旨が不明で5ある。甲6号証によれば、本件投稿28は、原告からの情報開示請求がプロバイダに届き、被告のところに意見照会書がきたが、請求理由がくだらないので公開するといった趣旨の投稿についてされたものであり、これと併せて理解するとしても、「要約 「パパ活なんかしてない!」」という記載は原告が行った開示請求書にはパパ活をやっていないといった内容が記載されて10いることを摘示しているにすぎず、原告がパパ活を行っていると摘示しているとは認められない。本件投稿31も、「A₃」が誰かから「パパ活」と言われて怒っていることが記載されているにすぎず、被告が原告についてパパ活を行っていると摘示しているとはいえない。本件投稿37の記載も、「A₄からのパパ活も」などという記載で、原告と「パパ活」との関係が明らかにな15っている記載であるとはいえず、原告がパパ活を行っていると摘示しているものではない。本件投稿38も、訴状の記載内容について、「パパ活」について言い訳していると記載しているのみで、被告が原告についてパパ活をしていると摘示しているとはいえない。本件投稿51の記載も、同投稿単体では原告と「パパ活」との関係性が理解できる記載はなく、原告がパパ活をして20い 載しているのみで、被告が原告についてパパ活をしていると摘示しているとはいえない。本件投稿51の記載も、同投稿単体では原告と「パパ活」との関係性が理解できる記載はなく、原告がパパ活をして いると摘示されているとはいえない。本件投稿61も、判決で単に「パパ活」が真実と認められたと記載されているのみで、原告との関連性については言及されておらず、原告がパパ活を行っていると摘示されているとはいえない。 本件投稿68について、原告が「女子大生寿司パ」を「パパ活」と言われることが想定内との記載があるが、この投稿のみでは原告と「女子大生寿司パ」 の関連性について記載がないから、原告がパパ活をしているとの摘示がある とは言えない。本件投稿69についても、原告が「パパ活と言われるのは想定内」と話していることは記載されているが、この記載だけでは、第三者の行為についてなのか、原告の行為についてなのか、何についてパパ活と言われることが想定なのか不明であり、原告がパパ活をしていることが摘示されているとはいえない。 よって、これらの各投稿のみからは、いずれも原告がパパ活をしているとの事実が摘示されているとはいえない。 また、原告は、本件投稿9、10、15から18、20、21、25、26、29、30、32、33、45、46、50、51、58、59、60については、「パパA₃」との記載があること(「パパA₃」の前に「ガムテ」 などの記載があるものも含む。)をもって、原告がパパ活をする人物であることが摘示されていると主張する。 しかし、前提知識を持たない閲覧者からすると、「パパA₃」との記載は意味不明であって、原告がパパ活をしている者であるという趣旨が直ちに理解できるとはいえない。 さらに、原告は、本件投稿9、35につ 前提知識を持たない閲覧者からすると、「パパA₃」との記載は意味不明であって、原告がパパ活をしている者であるという趣旨が直ちに理解できるとはいえない。 15さらに、原告は、本件投稿9、35について、「#パパ活」とのハッシュタグが付されていることをもって原告がパパ活をする人物であることが摘示されていると主張する。 しかし、この記載も、原告とパパ活に何らかの関連性があることが示唆されているとしても、それ自体によって、原告がパパ活を行っていることが摘20示されているとはいえない。 エ もっとも、原告は令和元年8月頃に本件会合を開催してその際の写真である本件写真を投稿し、その後、このことがSNS等において数多く取り上げられたことがうかがわれる(前記1、)。また、被告は、令和3年1月25日、ツイッターに「パパ活にしか見えません。【パパA₃、パパA₃、パパA25₃】A₁弁護士はパパA₃です。」との記載に本件写真を付した投稿をした(乙24 54、弁論の全趣旨)ほか、令和2年10月9日には「寿司ガムテ定期(寿司の絵文字)しときますね。」との記載に本件写真(ただし女性の顔をマスキングしたもの)を投稿する(甲6)などした。 これらの状況や被告の他の投稿からすると、本件投稿の「パパ活」、「パパA₃」との記載を含む投稿について、その「パパ活」や「パパA₃」とは、「A5₃」という名前の原告について、本件会合を開き、そのためパパ活をした者であるとの評価に基づいてされた記載であると理解する閲覧者もいたと推認することができる。 しかし、パパ活の定義自体が多義的なものであり、女性が、経済的に余裕のある男性と食事を共にするなどして共に時間を過ごし、金銭的・経済的援10助を得ることなどの意味も有する。そして、本件投稿の「パ しかし、パパ活の定義自体が多義的なものであり、女性が、経済的に余裕のある男性と食事を共にするなどして共に時間を過ごし、金銭的・経済的援10助を得ることなどの意味も有する。そして、本件投稿の「パパ活」等について原告がパパ活をした者であるとの評価に基づく記載であると理解する者は、その理由が原告が女性に寿司を振る舞う本件会合をしたことであることを理解している者といえる。本件会合を開催したこと自体が社会的評価を低下させるようなものであるとまでは直ちには認められないほか、本件におい15て、原告は、外形上、原告1人が多数の女子大生と寿司職人を招いて寿司を振る舞っているように見える写真をあえてインターネット上に自ら投稿して(原告は、別の機会には、実際には本件会合の場には他に男性もいたが、そのようなことを書かずに本件写真を公開することでそれに対する反響があることを予想していたことなどを述べていた。前記1イ)、自ら、広く、20原告は多くの女性に食事を振る舞う者であるとの印象を抱かせた。これらを考慮すると、本件投稿の「パパ活」、「パパA₃」との記載が、原告が本件会合をしてパパ活をした者であるとの評価に基づいてされた記載であると理解する閲覧者がいたとしても、原告の社会的評価が低下したとは認められない。 カ 以上のとおりであって、本件投稿9、10、15から18、20、21、2525、26、28から33、35、37、38、45、46、50、51、25 58から61、68、69について、仮に、一般の閲覧者にとって、いずれも原告に関する投稿であると理解できたとしても、各投稿のみでは、原告についてパパ活をしているとの事実が摘示されているとはいえない。また、上記各投稿を、本件会合に係る一連の紛争に係る被告による従前の投稿等と一体として理解す と理解できたとしても、各投稿のみでは、原告についてパパ活をしているとの事実が摘示されているとはいえない。また、上記各投稿を、本件会合に係る一連の紛争に係る被告による従前の投稿等と一体として理解すべきものと解しても、その場合に理解できるのは被告が本件 会合をしたことをパパ活と評価していることが読み取れるのみであり、原告の社会的評価が低下するとはいえない。 依頼人の住所の漏洩について本件投稿70について、原告は、原告の法律事務所が他人に依頼人の住所を教えてしまう弁護士が所属していることを摘示していると主張する。 本件投稿70には、「依頼人の住所を他人に教えちゃうような弁護士のいる法律事務所を勧めるのはやめた方がいいよ…」との投稿に付して、「(養)育費渡していない元旦那に怒りを感じています。」との発言に対し「養育費渡してくれないのはつらいですね…」「次のページに、ひとり親支援の法律事務所のリンクつけておきます。」との発言が記載されている画像が投稿されている。 しかし、本件投稿70が、仮に単独で子育てをしている親への支援をしている法律事務所に依頼人の住所を他人に教える弁護士がいることを示唆するものとしても、問題となる行動をする弁護士やその弁護士がいる法律事務所が、原告や原告の法律事務所であることを明示する記載はない。また、そのような支援を行う法律事務所が、原告の営む事務所以外に存在しないことが周知の事実 であるような事情もない。本件投稿70が、原告が上記で主張する事実を摘示したものということはできない。原告が指摘する事実もこの認定を覆すに足りる事情とはいえない。 通報行為について原告は、本件投稿56によって、原告が「クラブハウス」において差別的あ るいは他者へ嫌がらせ言動を行っていることを示す 事実もこの認定を覆すに足りる事情とはいえない。 通報行為について原告は、本件投稿56によって、原告が「クラブハウス」において差別的あ るいは他者へ嫌がらせ言動を行っていることを示す事実を摘示していると主 張する。 甲6号証及び弁論の全趣旨によれば、本件投稿56には、「仕方ないなあ」との投稿に付して、音声型SNSアプリである「クラブハウス」を用いて、「差別的あるいは他者へ嫌がらせ言動を行っている」の項目を選択して原告を運営者に通報したとの画像が添付されていることが認められる。しかし、被告は「仕 方ないなあ」との記載をしたのみであり、この記載のみからでは、被告がどのような趣旨でこの画像を添付しているのか判然とせず、本件投稿56が原告主張の事実を摘示したものとはいえない。よって、原告の主張はその前提を欠く。 3 争点1-2(侮辱の成否)についてパパ活について 前記2で説示したとおり、本件投稿9、10、15から18、20、21、25、26、28から33、35、37、38、45、46、50、51、58から61、68、69について、従前の経緯等に照らして、これらの記載が、原告がパパ活をした者であることを前提とする内容だと理解できるとしても、当該経緯等からすれば、これらの「パパ活」等という記載は原告が女性に寿司 を振る舞う本件会合をしたことについて記載されたことが理解できる。そして、原告が自ら本件会合の本件写真を広く公開し、多くの女性に食事を振る舞う者であるとの印象を抱かせたことを考慮すると、本件会合に基づき原告をパパ活をしていると摘示することが原告の受忍限度を超える違法な摘示であるとはいえない。 ガムテについて本件投稿2から18、20,23から26,34,36、47、48、 に基づき原告をパパ活をしていると摘示することが原告の受忍限度を超える違法な摘示であるとはいえない。 20ガムテについて本件投稿2から18、20,23から26,34,36、47、48、52、54、55、57、60、66において「ガムテ」又は「ガムテープ」との記載があるが、これらの記載のみからでは、ガムテープと原告の関連性も明らかにされておらず、その趣旨は不明である。原告も含め前記1で認定したこれら25の投稿に至る経緯を知る者であれば、これが本件会合でガムテープを名札代わ27 りに用いたことに由来することが理解できるが、このことが指摘されたからといって、その内容から、原告について受忍限度を超える程度にまで名誉感情が害されるとはいえない。 底辺について本件投稿3、4、13、14、16から21において、「底辺」との記載があ5ることが認められる。しかし、前記1で認定した原告の投稿を含むこれらの投稿に至る経緯を知る者からすると、これらの投稿が、原告が一部の人に対して「底辺」と繰り返し述べていたことに由来するものであると理解できる。そして、原告は、被告を含むインターネット上で原告が不当と考える書き込みをする人々を「底辺」であると繰り返し述べ、これらの人々と「売り言葉と買い言10葉」(前記1参照)の投稿を互いに行っていた状況があることに照らすと、原告が「底辺」という言葉を口癖にしていると揶揄されることによって原告の名誉感情が害されるとは認められない。 その他について本件投稿9、28について、「自称弁護士を名乗る」との記載があるが、この15記載は弁護士でないのに弁護士を自称していると明確に述べているものではなく、その記載の趣旨は必ずしも明らかではない。前後の記載によってその趣旨が明らかになると 名乗る」との記載があるが、この15記載は弁護士でないのに弁護士を自称していると明確に述べているものではなく、その記載の趣旨は必ずしも明らかではない。前後の記載によってその趣旨が明らかになるとは認めるに足りず、この記載によって原告の名誉感情が害されるとはいえない。 本件投稿1の「こいつが(洪水に)巻き込まれればいいのに」との投稿は、20当時熊本県、鹿児島県で大雨によって多数の犠牲者が出ている状況下で(乙6、弁論の全趣旨)原告が「地方の人って、やたら体形が崩れてる気がするけど、事実?事実なら理由は何だろう」と、地方の人を揶揄する、当時の状況に照らして不謹慎ともいえる投稿をしたことを受けて、そのような発言をしたことを挙げて、これを批判する趣旨の投稿であり、投稿に至るこのような経緯から、25本件投稿1により原告の受忍限度を超える程度にまで名誉感情が毀損される28 とはいえない。 本件投稿22は、前記1で認定したとおり、原告と被告を含む者らが互いに相手を批判等している状況下で、被告が原告にアカウントをブロックされたことを投稿した上で、原告からブロックされたことには痛手がないことを述べるものとして投稿されたものである。この投稿が、互いに相手を批判等している5状況下における上記の趣旨のものとしてされたことに照らすと、このような記載がされたことによって原告の名誉感情が受忍限度を超えて毀損されるとはいえない。 4 争点1-3(脅迫について)について本件投稿67は、第三者が、原告を含む3名について「徹底的に潰します。」、10「死に体になるまで、社会的に葬り去るまでやります。」などと記載した投稿について、これを被告がリツイートしたというものである。原告は、被告による同リツイートをもって脅迫であると主張するが、同投稿 「死に体になるまで、社会的に葬り去るまでやります。」などと記載した投稿について、これを被告がリツイートしたというものである。原告は、被告による同リツイートをもって脅迫であると主張するが、同投稿には、暴力等の違法な手段を行使することには言及されていない。上記第三者は、相当数のチャンネル登録者数を有するいわゆるユーチューバーであり(乙12、弁論の全趣旨)、原告と共15に挙げられている者には有名人が含まれることからも、この記載を読んだ通常人は、当該第三者が、いわゆるユーチューバーとして、自身が問題があると考える行為についての情報を発信することを述べていると理解できるものであり、被告がこれをリツイートしたことをもって、被告による具体的な害悪の告知であるとはいえない。よって、被告による本件投稿67のリツイートが原告に対する脅迫20に当たるとはいえない。 5 争点2(本件開示請求書及び本件開示請求訴状を公開したことについての違法性)及び争点5(損害)のうち争点2に関するものについて著作者人格権の侵害について原告は、本件開示請求書及び本件開示請求訴状が著作物に当たり、被告の行25為により、著作者人格権(公表権)が侵害されたと主張して慰謝料を請求する。 29 このうち、本件開示請求書(甲19)は、所定の条項に基づき開示請求をする旨、IPアドレスその他の対象となる通信を特定するための情報、掲載された情報、権利が明らかに侵害されたとする理由(それぞれ具体的な記載を挙げた上で、「私がパパ活をしているという虚偽の具体的事実を摘示し、私の名誉権を侵害し」、「名誉感情を侵害している。」と記載)等について、それぞれ特段の5工夫もなく、順に記載しているだけであり、創作的な表現はなく、ありふれた表現であり、著作物であるとは認められ の名誉権を侵害し」、「名誉感情を侵害している。」と記載)等について、それぞれ特段の 工夫もなく、順に記載しているだけであり、創作的な表現はなく、ありふれた表現であり、著作物であるとは認められない。 本件開示請求訴状については、仮にこれが著作物に当たるとしても、本件開示請求訴状は、その後の遠くない時期に原告により公開の法廷で陳述されることを想定して原告が裁判所に提出したものであり、その陳述後は自由に利用で きるものである(著作権法40条1項)。本件において、そのような本件開示請求訴状について、陳述される前に公表されたことによって原告に慰藉すべき損害を生じさせる事情は認められず、少なくとも、原告に慰藉すべき損害が発生したとは認められない。 プライバシー権の侵害について 原告は、本件開示請求訴状に俳優のC氏らと会話型の心理ゲームを遊んだこと、友人女性と海外旅行に行ったことが記載されていたところ、本件開示請求訴状を公開することはプライバシー権の侵害に当たると主張する。 しかし、原告は、本件開示請求訴状において原告が会話型の心理ゲームを別の者と遊ぶ際にガムテープを名札として使用したことがあることを述べるに 際しその遊ぶ相手として上記俳優等の実名をあえて記載したこと、海外旅行に行ったという女性の氏名が具体的に記載されているわけではないこと、本件開示請求訴状は、遠くない時期に原告により公開の法廷で陳述されることを前提として被告に送達され、第三者が閲覧することができるものであることなどの事情があり、それらにも関わらず上記事実が明らかになることにより原告に慰 藉すべき損害が生じたといえる事情を認めるに足りない。 6 争点3(本件ツール投稿についての違法性)について証拠及び弁論の全趣旨によれば、 実が明らかになることにより原告に慰25藉すべき損害が生じたといえる事情を認めるに足りない。 30 6 争点3(本件ツール投稿についての違法性)について証拠及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。 ア ツイッター社が定めるツイッターのサービス利用規約の「ユーザーの権利およびコンテンツに対する権利の許諾」(以下「本件権利の許諾」という。)の項目には、次の記載があり、原告はこの規定に拘束されることを許諾して5いると認められる。(乙7、弁論の全趣旨)「ユーザーは、本サービス(判決注:規約冒頭の記載からツイッターのサービスを含む。)上にまたは本サービスを介してコンテンツを送信、投稿または表示することによって、当社が既知のものか今後開発されるものかを問わず、あらゆる媒体または配信方法を使ってかかるコンテンツを使用、コピー、10複製、処理、改変、修正、公表、送信、表示および配信するための、世界的かつ非独占的ライセンス(サブライセンスを許諾する権利と共に)当社に対して無償で許諾することになります(明確化のために、これらの権利は、たとえば、キュレーション、変形、翻訳を含むものとします。)。このライセンスによって、ユーザーは、当社や他の利用者に対し、ご自身のツイートを世15界中で閲覧可能とすることを承認することになります。ユーザーは、このライセンスには、Twitterが、コンテンツ利用に関する当社の条件に従うことを前提に、本サービスを提供、宣伝および向上させるための権利ならびに本サービスに対しまたは本サービスを介して送信されたコンテンツを他の媒体やサービスで配給、放送、配信、リツイート、プロモーションまた20は公表することを目的として、その他の企業、組織または個人に提供する権利が含まれていることに同意するもの れたコンテンツを他の媒体やサービスで配給、放送、配信、リツイート、プロモーションまた20は公表することを目的として、その他の企業、組織または個人に提供する権利が含まれていることに同意するものとします。・・・・・」イ ツイッター社が定める「開発者利用規約 開発者契約およびポリシー」(以下「本件開発者利用規約」という。)には次の記載があり、被告は令和3年4月11日に本件ツールを作成して同規約に拘束されることとなった。(乙258、弁論の全趣旨)31 「Ⅰ Twitter APIとTwitterコンテンツA 定義9 Twiterコンテンツ-Twitter APIまたはTwitterが認定したその他の手段を通じて開発者に提供される、ツイート、ツイートID、Twitterエンドユーザーのプロフ5ィール情報、Periscope ライブ放送、ライブ放送ID、およびその他のデータや情報、ならびにそれらの複製物および派生物。 Twitter API-開発者サイト(ただし、これに限定されません)を通じてTwitterからAPIが提供され、随時更新される、Twitterアプリケーションプログラミングインタ10ーフェイス(以下、「API」)、ソフトウェア開発キット(以下、「SDK」)、およびAPIとともに提供される付属文書、データ、コードその他の関連資料。 B Twitterから付与されるライセンス。Twitterは(以下に規定される権利付与の条件として)本契約および開発者ポリシー15(URLの記載を省略)の規定に従い、以下の目的のためだけに、非独占的、ロイヤルティフリー、譲渡不可、サブライセンス不可、取り消し可能なライセンスを開発者に付与し、開発者はこれを承諾するものとします。 1 TwitterAPIを使 以下の目的のためだけに、非独占的、ロイヤルティフリー、譲渡不可、サブライセンス不可、取り消し可能なライセンスを開発者に付与し、開発者はこれを承諾するものとします。 1 TwitterAPIを使用してTwitterコンテンツを20開発者のサービスに統合するか、またはTwitterによって明示的に許可された、そのようなTwitterコンテンツの分析を実施すること2 本契約によって許可されたところに従い、開発者のサービス上および開発者のサービスを通じて、合理的な数量のTwitterコ25ンテンツのコピーを作成し、エンドユーザーに対してコンテンツを32 表示すること」ウ 本件ツールは、Twitter Search APIにアクセスし、これによってツイッターを用いて行われた投稿を取得してキャッシュ化させた上で表示させており、本件ツール投稿も、この仕組みによって取得されたキャッシュを表示させたものである。(乙9、弁論の全趣旨)5前記アで認定した事実によれば、原告は、ツイッター社に対して自身がツイッターを用いて投稿した内容について、あらゆる媒体又は配信方法を使ってその内容を使用、コピー複製、改変等する非独占的ライセンスを付与するともに、ツイッター社に対して同じ権利につきサブライセンスを付与する権利を許諾したことが認められる。そして、同イで認定した事実によれば、被告はツイ10ッター社との間で、被告のサービスを通じてTwitter APIを通じて開発者である被告に提供されるツイート(Twitterコンテンツ。本件開発者利用規約IA9参照)について複製してエンドユーザーにコンテンツを表示することが許諾されているといえる。 本件ツールは、前記ウで認定したとおり、Twitter APIによっ15てツイッター 利用規約IA9参照)について複製してエンドユーザーにコンテンツを表示することが許諾されているといえる。 本件ツールは、前記ウで認定したとおり、TwitterAPIによっ てツイッターから取得した全部又は一部のツイートをキャッシュ化してこれをそのまま表示するものであると認められるから、この仕組みによって原告のツイートまたはその一部の情報がTwitterAPIを通じて本件ツールによって取得され、本件ツールによってその複製物が表示されたとしても被告がサブライセンスによって取得した利用許諾の範囲内の行為であるといえ る。したがって、仮に原告の投稿が著作物に当たり、本件ツールによって複製されていたとしても原告の許諾に基づくものであるといえ、本件ツールによって被告が原告の著作権または著作者人格権を侵害するとはいえない。 原告は、ツイッター社に対してコンテンツの使用許諾権限を付与していた範囲を超えて被告は無断で原告のコンテンツを利用していると主張するが、本件 において、上記で述べたところにも関わらず、被告による使用が原告がツイッ ターに対して付与した使用許諾権限の範囲を超えることを認めるに足りる証拠はない。 第4 結論以上によれば、その余の争点について判断するまでもなく、原告の請求にはいずれも理由がないから棄却することとし、主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第46部 裁判長裁判官柴田義明 裁判官佐伯良子 裁判官仲田憲史 別紙投稿記事目録1記載省略 別紙投稿記事目録2記載省略 判官 仲 田 憲 史15 34 別紙 投稿記事目録1記載省略 35 別紙 投稿記事目録2記載省略 36 別紙 原告投稿記載省略
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