昭和37(う)2443 業務上過失傷害被告事件

裁判年月日・裁判所
昭和38年4月24日 東京高等裁判所
ファイル
hanrei-pdf-21145.txt
🤖 AI生成要約2026/3/13

【DRY-RUN】主    文      原判決を破棄する。      被告人を禁錮四月に処する。          理    由  本件控訴の趣意は、東京地方検察庁検事正代理検事山本清二郎名義の控訴趣意書 に記載され

タグ

キーワード(AI生成)

判決文本文3,889 文字)

主文 原判決を破棄する。 被告人を禁錮四月に処する。 理由 本件控訴の趣意は、東京地方検察庁検事正代理検事山本清二郎名義の控訴趣意書に記載されているとおりであり、これに対する答弁は、被告人の弁護人辻本年男名義の答弁書に記載されているとおりであるから、これを引用する。 本件における検察官の所論は、原判決には法令の解釈適用の誤りがあるのみならず、刑の量定にも著しい不当があるというのである。 よつて、先ず原判決の「被告人は普通乗用自動車を運転し、時速四十七粁前後で通称十三間通を目白方面より練馬区役所方向に向つて進行し、東京都中野区ab丁目c番地先の信号機のある交差点の直近横断歩道の外側の手前約十四米において信号機の表示が青色から黄色に変つたが、急停車するよりもそのまま通過した方が安全と考えて、交差点内に進入したのであるが、かかる信号機表示に加えて、当時夜間で照明も不充分であり小雨が降つていて視界も悪かつたのであるから、左右方向の交通、とくに横断歩行者の有無に格別の注意を払い、視界の悪さに応じて車速を調節し、安全を確認したのち加速して交差点より出る業務上の注意義務があるのに、これを怠り注意不充分のまま交差点を通り抜けようとした過失により、横断歩道通行中の女性に自車を衝突させて傷害を負わせた。」との認定について、法令の解釈を誤つたため、被告人の交通信号無視が本件事故における第一の過失であることを看過した過誤が存在するか否かについて按ずるに、道路交通法施行令第二条によれば、右認定における如く交差点の直近横断歩道の手前において、黄色の燈火によるいわゆる注意信号を認めた場合には、横断歩道の直前において停止しなければならず、ただ横断歩道に進入した後に右黄色信号となつた場合においてのみ、当該交差点を 近横断歩道の手前において、黄色の燈火によるいわゆる注意信号を認めた場合には、横断歩道の直前において停止しなければならず、ただ横断歩道に進入した後に右黄色信号となつた場合においてのみ、当該交差点を通過することが許されているものといわなければならない。 <要旨>もつとも、このように交差点(ないしはその直近横断歩道、以下同様)に進入する前に注意信号を認めた場</要旨>合、交差点に進入せずして停止しなければならないというがためには、その前提として、自動車運転者に対し、常に進路前方における交通信号の変化に注意を払い、たとえ前方の信号が現に青色の燈火によるいわゆる「進め」信号であろうとも、自分がそこに到達する頃にはそれは黄色信号や赤色信号に変るかも知れないということを予測し、交差点に進入する以前において注意信号に変つた場合、右施行令の規定に定められた停止線を守れないというような事態を招かないように、速度の調節をしながら進行するべき注意義務が要求されているといわざるを得ず、もしそのような注意義務が存在しないとすれば、右施行令の規定するところは殆んど空文に帰するといわなければならない。それ故、右場合においては、当該道路における制限速度内の速度で進行していたところ、交差点の寸前で黄色信号を認めたので、交差点に進入しないで停止するということは事実上不可能であつたという弁解は許されないというべきである。 而して、本件についてこれをみると、被告人は原判決の認定によれば、交差点直近の横断歩道の外側の手前十四・七米で進行方向の信号が黄色となつたことを認めたのであるから、被告人はそのまま交差点内に進入することは許されず、右横断歩道の外側で停止しなけばならなかつた筈であるが、その為には前段説明のとおり、予め信号に注意し、何時青色信号が黄色に変つても、右横断歩道の外 、被告人はそのまま交差点内に進入することは許されず、右横断歩道の外側で停止しなけばならなかつた筈であるが、その為には前段説明のとおり、予め信号に注意し、何時青色信号が黄色に変つても、右横断歩道の外側で停止できるよう速度を調節しながら、交差点に接近すべきであり、如何に当該道路における制限速度以内であるといつても、漫然時速約四十七粁で交差点に接近すべきではなかつたといわなければならない。然るに、原判決は被告人は時速四十七粁前後で進行し、横断歩道前約十四米において黄色信号を認めたが、かかる場合には直ちに急ブレイキをかけたとしても、交差点内のやや目白よりか又は中央附近に停車することになるから、むしろ交差点に乗入れこれを通過する方法を被告人が選んだことは直ちに誤りとはいえないとして、以上の運転方法について被告人に過失はないとしているのであるが、前段説明に従えば、それは道路交通法施行令第二条の趣旨を無視しているというべきであるのみならず、被告人が前方における信号の変化に注意せず漫然進行し、黄色信号にも拘らず交差点の直前で停止できないような事態を招き、よつてむしろ停止しないで交差点を突破した方がよいという羽目となつたことが、事故発生の第一の原因である過失であると認定しなかつた点において、法令の解釈を誤つた違法と、それに基づく被告人の業務上過失の責任の有無の認定を誤つた違法があるものといわなければならない。なお、本件においては、被告人は黄色信号を確認したとき、最早交差点直前で停止し得ないことが判つたとしても、先ず急制動を施して停止した後においてその位置や四囲の交通状況に応じて交差点外に待避するか、注意して前進し西側横断歩道手前に寄せて停車して待避する等の挙に出て事故発生の危険を防止すべきであつたことは、検察官所論のとおりであり、被告人がこれを怠り停 の交通状況に応じて交差点外に待避するか、注意して前進し西側横断歩道手前に寄せて停車して待避する等の挙に出て事故発生の危険を防止すべきであつたことは、検察官所論のとおりであり、被告人がこれを怠り停止することなく進行したことも、結局原判決認定の事故発生の直接原因である業務上の注意義務懈怠と相まつて事故を発生させたものと認定すべきであり、以上の点につき、黄色信号の時間が短かすぎたことが事故の原因となつたものであり、本件は不可抗力による事故の発生てあるなどと論ずることは、許されないといわなければならない。 これを要するに、原判決には過失の認定につき所論の如き違法があり、論旨は理由があるので、原判決の爾余の論旨につき判断をするまでもなく破棄を免れないというべきである。 よつて、刑事訴訟法第三百九十七条第三百八十条に則り、原判決を破棄すべく、但し本件は、訴訟記録並びに原審において取り調べた証拠によつて、直ちに判決をすることができる場合であると認めるので、同法第四百条但書によつて、更に左のとおり判決をする。 罪となるべき事実被告人はタクシー運転の業務に従事していたものであるが、昭和三十七年六月四日午後十一時十五分頃、普通乗用自動車トヨペツト、クラウン○―け―○×△□号を運転し、時速四十七粁前後で通称十三間通を目白方面より練馬区役所方向に向つて進行し、東京都中野区ab丁目c番地先の信号機のある交差点にさしかかつたのであるが、かかる場合においては、右交差点の直近にある横断歩道に進入する以前において信号機が黄色となつた場合には、直ちに横断歩道の直前において停止することができるように、予め前方の信号の変化に注意し速度を調節して進行すべき注意義務があるのに、被告人はこれを怠り、漫然前記速度で交差点に接近し、右横断歩道の手前約十四・七米に接近したとき て停止することができるように、予め前方の信号の変化に注意し速度を調節して進行すべき注意義務があるのに、被告人はこれを怠り、漫然前記速度で交差点に接近し、右横断歩道の手前約十四・七米に接近したとき、信号機の表示が青色から黄色に変つたのを認めたのであるが、この場合においても、先ず急制動を施して停止をした後において、その位置や四囲の交通状況に応じて後退して交差点外に待避するか、前進して西側横断歩道手前左側に寄せて停車して待避する等の挙に出で、もつて事故発生の危険を防止するべき注意義務があるのに、被告人はこれを怠り、急停車するよりも、そのまま進行する方が安全と考えて交差点に進入した等の過失に加え、当時夜間で照明も不十分であり、小雨が降つていて視界も不良であつたのであるから、左右方向の交通、特に横断歩行者の有無に格別の注意を払い安全を確認して進行すべき注意義務があるのにこれを怠り、十分な注意をしないで交差点を通過しようとした過失により、折柄、右交差点の練馬寄り横断歩道を左から右へ通行中のA(当時二十一年)の姿を至近距離に至るまで発見せず、自車前部を同女に衝突させて路上に転倒させ、加療約六月を要すると認められる脳挫傷、右下腿開放性骨折及び右大腿挫傷の各傷害を負わせたものである。 証拠の標目(省略)法律の適用被告人の所為は、刑法第二百十一条前段、罰金等臨時措置法第二条第三条に該当するところ、本件過失の態様、程度、結果等に鑑み、所定刑中禁錮刑を撰択した上、被告人を禁錮四月に処すべく、原審及び当審における訴訟費用は、刑事訴訟法第百八十一条第一項但書により、被告人に負担させないこととし、主文のとおり判決する。 (裁判長判事三宅富士郎判事東亮明判事井波七郎) 主文 により、被告人に負担させないこととし、主文のとおり判決する。 (裁判長判事三宅富士郎判事東亮明判事井波七郎)

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る