- 1 -令和5年(わ)第2121号、令和6年(わ)第138号、第446号、第651号、第879号、第1013号、第1105号、第1454号詐欺、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反被告事件令和6年11月25日千葉地方裁判所刑事3部判決 主文 被告人を懲役6年及び罰金150万円に処する。 その罰金を完納することができないときは、1万円を1日に換算した期間被告人を労役場に留置する。 未決勾留日数中240日をその懲役刑に算入する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は、第1 A公社a部b課(ただし、令和2年4月1日以降は同部c課に名称変更。)副主査として、小規模修繕業者の選定、一般修繕伝票の発行等の事務に従事していたものであるが、前記公社が株式会社Bに発注する前記公社管理の県営住宅の小規模修繕工事に関し、実際には交換していないテレビ受信用増幅器(以下「増幅器」という。)の代金等を不正に請求して前記公社から金銭をだまし取り、その不正請求によって領得した金銭で、それに先立ちBが購入して被告人に交付していた電化製品の購入代金を補填しようと考え、Bの代表取締役であるCと共謀の上、 1 別表1記載のとおり、令和2年1月下旬頃から同年3月4日までの間に、3回にわたり、千葉市d区e町f番g号前記公社において、Cが、前記公社理事長D(当時)に対し、真実は、被告人が担当となって前記公社がBに発注するなどした前記公社管理の別表1記載の5か所の県営住宅の小規模修繕工事に関し、増幅器を交換していないのであるから、増幅器代金及び増幅器交換作業費等は発生していないにもかかわらず、その情を秘し、その発生していない増幅器代金及び増幅器交換- 2 -作業費等合計143万9291円を含んだ合 していないのであるから、増幅器代金及び増幅器交換作業費等は発生していないにもかかわらず、その情を秘し、その発生していない増幅器代金及び増幅器交換- 2 -作業費等合計143万9291円を含んだ合計383万4930円の支払を請求する内容虚偽の請求書等を提出し、前記Dに、同請求書等に記載された請求金額が前記工事の正当な代金額である旨誤信させ、同年2月5日から同年3月16日までの間に、2回にわたり、同人に支払決裁をさせ、よって、同年2月20日及び同年3月16日、同支払決裁に基づき、前記公社職員に、Cが管理する株式会社E銀行h支店に開設されたB名義の普通預金口座に現金合計412万1810円を振込入金させ、そのうち不正請求分である現金合計143万9291円をだまし取り、 2 別表2ないし7記載のとおり、令和2年4月下旬頃から令和5年6月9日までの間に、73回にわたり、前記公社において、Cが、前記公社理事長F(当時)に対し、真実は、被告人が担当となって前記公社がBに発注するなどした前記公社管理の別表2ないし7記載の147か所の県営住宅の小規模修繕工事に関し、増幅器を交換していないのであるから、増幅器代金及び増幅器交換作業費等は発生していないにもかかわらず、その情を秘し、その発生していない増幅器代金及び増幅器交換作業費等合計4854万0998円を含んだ合計1億2817万5630円の支払を請求する内容虚偽の請求書等を提出し、前記Fに、同請求書等に記載された請求金額が前記工事の正当な代金額である旨誤信させ、令和2年5月14日から令和5年6月20日までの間に、30回にわたり、同人に支払決裁をさせ、よって、令和2年5月29日から令和5年6月20日までの間に、30回にわたり、同支払決裁に基づき、前記公社職員に、Cが管理する前記B名義の普通預金口座に現金 、30回にわたり、同人に支払決裁をさせ、よって、令和2年5月29日から令和5年6月20日までの間に、30回にわたり、同支払決裁に基づき、前記公社職員に、Cが管理する前記B名義の普通預金口座に現金合計1億5279万2750円を振込入金させ、そのうち不正請求分である現金合計4854万0998円をだまし取り、もって、それぞれ人を欺いて財物を交付させ、第2 前記公社a部c課副主査として、小規模修繕業者の選定、一般修繕伝票の発行等の事務に従事していたものであるが、前記公社が株式会社Gに発注する前記公社管理の県営住宅の小規模修繕工事に関し、実際には交換していない照明器具の- 3 -代金等を不正に請求して前記公社から金銭をだまし取ろうと考え、あらかじめ、Gの代表取締役Hとの間で、Gが前記公社から発注を受けた県営住宅の小規模修繕工事を更に株式会社Iに発注し、Iから請求された工事代金をI名義の預金口座に入金することを約するとともに、Iの代表取締役Jとの間で、GからI名義の預金口座に振込入金される現金を被告人名義の預金口座に入金することを約した上で、令和5年8月上旬頃、前記公社において、前記公社理事長Kに対し、真実は、被告人が担当となって前記公社がGに発注するなどした前記公社管理のL県営住宅1棟等6か所の県営住宅の小規模修繕工事に関し、照明器具等を交換していないのであるから、照明器具代金及び交換作業費等は発生していないにもかかわらず、その情を秘し、その発生していない照明器具代金及び交換作業費等合計121万8030円を含んだ合計147万8510円の支払を請求する内容虚偽の請求書等を提出し、前記Kに、同請求書等に記載された請求金額が前記工事の正当な代金額である旨誤信させ、同月10日から同月21日までの間に、同人に支払決裁をさせ、よって、同月21日、 求する内容虚偽の請求書等を提出し、前記Kに、同請求書等に記載された請求金額が前記工事の正当な代金額である旨誤信させ、同月10日から同月21日までの間に、同人に支払決裁をさせ、よって、同月21日、同支払決裁に基づき、前記公社職員に、株式会社M銀行i支店に開設されたG名義の当座預金口座に現金180万8070円を振込入金させ、そのうち不正請求分である現金121万8030円をだまし取り、もって人を欺いて財物を交付させ、第3 前記第2の犯行に係るGからの回収分の取得につき、正当な取引によるものであるかのように装って事実を仮装しようと考え、同回収分をGからIを介して取得するに当たり、令和5年7月下旬頃、同市j区kl丁目m番n号G事務所において、前記Hに対し、IがGに県営住宅電気設備修繕工事の代金として127万0500円を請求する内容虚偽の請求書1通を提出し、同年8月16日、G職員に、株式会社N銀行o支店に開設されたI名義の普通預金口座に127万0500円を振込入金させ、あたかもこれが正当な工事代金の支払に係るものであるかのように装うとともに、同月上旬頃、同市p区qr丁目s番地t号前記J方郵便ポストに、被告人がIに県営住宅電気設備修繕工事の代金として120万円を請求する- 4 -内容虚偽の請求書1通を投函して前記Jに受領させ、同月18日、同人に、株式会社M銀行u支店に開設された被告人名義の普通預金口座に現金120万円を振込入金させ、あたかもこれが正当な工事代金の支払に係るものであるかのように装い、もって犯罪収益等の取得につき事実を仮装した。 (量刑の理由)本件詐欺の被害額は多額である(現時点で、被害弁償はされていない。)。被告人は、勤務先における立場や担当業務を悪用し、工事関係者も巻き込みながら、判示第1の詐欺を繰り返し、その不正が発 の理由)本件詐欺の被害額は多額である(現時点で、被害弁償はされていない。)。被告人は、勤務先における立場や担当業務を悪用し、工事関係者も巻き込みながら、判示第1の詐欺を繰り返し、その不正が発覚すると、別の方法を考え、判示第2の詐欺及び第3の犯罪収益等の取得につき事実の仮装を行ったもので、勤務先の信頼を裏切る悪質な犯行である。配偶者の健康状態等は、詐欺を正当化する理由とはならず、刑を軽くする事情として考慮することはできない。 そうすると、被告人の刑事責任は重いが、被告人が事実を認めて反省していること、前科前歴がないことなどの事情も考慮し、主文のとおり量刑した。 (求刑懲役7年及び罰金150万円)(裁判官国分史子)
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