平成20(あ)835 建造物侵入,危険運転致傷,窃盗被告事件

裁判年月日・裁判所
平成21年7月13日 最高裁判所第一小法廷 決定 棄却 大阪高等裁判所 平成19(う)1583
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判決文本文1,086 文字)

- 1 -主文本件上告を棄却する。 当審における未決勾留日数中340日を本刑に算入する。 理由 弁護人藤原輝夫の上告趣意は,憲法違反をいう点を含め,実質は単なる法令違反の主張であって,刑訴法405条の上告理由に当たらない。 なお,所論にかんがみ,建造物侵入罪の成否につき,職権により判断する。 原判決の認定及び記録によれば,本件の事実関係は,次のとおりである。 (1)被告人は,交通違反等の取締りに当たる捜査車両の車種やナンバーを把握するため,大阪府八尾市所在の大阪府八尾警察署東側塀(以下「本件塀」という。)の上によじ上り,塀の上部に立って,同警察署の中庭を見ていたところ,これを現認した警察官に現行犯逮捕された。 (2)大阪府八尾警察署は,敷地の南西側にL字型の庁舎建物が,敷地の東側と北側に塀が設置され,それらの塀と庁舎建物により囲まれた中庭は,関係車両の出入りなどに利用され,車庫等が設置されている。同警察署への出入口は複数あるが,南側の庁舎正面出入口以外は施錠などにより外部からの立入りが制限されており,正面出入口からの入庁者についても,執務時間中職員が受付業務に従事しているほか,入庁者の動静を注視する態勢が執られ,庁舎建物から中庭への出入りを制限する掲示がある。 本件塀は,高さ約2.4m,幅約22㎝のコンクリート製で,本件庁舎建物及び中庭への外部からの交通を制限し,みだりに立入りすることを禁止するために設置されており,塀の外側から内部をのぞき見ることもできない構造となっている。 - 2 - 以上の事実関係によれば,本件塀は,本件庁舎建物とその敷地を他から明確に画するとともに,外部からの干渉を排除する作用を果たしており,正に本件庁舎建物の利用のために供されている工作物であって,刑法130条にいう「建造物」の一部を構成するものとし とその敷地を他から明確に画するとともに,外部からの干渉を排除する作用を果たしており,正に本件庁舎建物の利用のために供されている工作物であって,刑法130条にいう「建造物」の一部を構成するものとして,建造物侵入罪の客体に当たると解するのが相当であり,外部から見ることのできない敷地に駐車された捜査車両を確認する目的で本件塀の上部へ上がった行為について,建造物侵入罪の成立を認めた原判断は正当である。 よって,刑訴法414条,386条1項3号,181条1項ただし書,刑法21条により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。 (裁判長裁判官金築誠志裁判官甲斐中辰夫裁判官涌井紀夫裁判官宮川光治裁判官櫻井龍子)

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