昭和26(う)719 窃盗教唆賍物牙保被告事件

裁判年月日・裁判所
昭和27年2月27日 札幌高等裁判所 破棄自判
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【DRY-RUN】主    文      原判決を破棄する      被告人を懲役一年に処する      原審並びに当審における訴訟費用は全部被告人の負担とする          理    由  弁護人木下三四彦同渡辺

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判決文本文1,721 文字)

主文 原判決を破棄する被告人を懲役一年に処する原審並びに当審における訴訟費用は全部被告人の負担とする 理由 弁護人木下三四彦同渡辺七郎の各控訴趣意は同人等提出の各控訴趣意書記載の通りであるからこゝに之を引用する第二渡辺弁護人の控訴趣意第二点について原審はAの検察官に対する第一回供述調書(控訴趣意書には司法警察員に対する第一回供述調書とあるも検察官に対するの誤記と認める)を証拠として採用していること並に原審第四回公判期日に於て証人として出頭したAは検察官が朗読した供述調書(同証人の検察官に対する第一回供述調書)は本当のこともありますが嘘のこともありますと述べていることは所論のとおりであるしかし原審第四回公判調書を調査すると証人Aの供述が本件窃盗の教唆又は賍品授受の情况関し検察官に対する供述と明らかに異つて居たので検察官より刑事訴訟法第三百二十一条第一項第二号に所謂供述者が公判期日に於て前の供述と実質的に異つた供述をしたときに該当するものとして右検察官に対する供述調書の取調を請求し原裁判所は之を許容し之が証拠調をしたことが明らかであるしかして右公判に於ける供述が供述調書の記載と異つて居ることは右公判<要旨>調書と供述調書の各記載を対照して明瞭であるしかして記録に現はれているごとく被告人がAの兄貴分</要旨>でAに対し或る程度心理的に影響を与え得るような関係にある場合に於てはAが被告人の面前に於て為す供述に多少の遠慮が加はり自由な供述のできないことはかゝる場合に於ける通常の事例に徴し考えられるところであるからかくの如きは前記法条但書にいわゆる公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存する場合に該当すると解すべきである従つて右供述調書の証拠調をした原審 例に徴し考えられるところであるからかくの如きは前記法条但書にいわゆる公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存する場合に該当すると解すべきである従つて右供述調書の証拠調をした原審の措置は正当で右供述調書は証拠能力があるといえる弁護人主張の如何なる部分が本当で如何なる部分が嘘であるかのごときは両調書を検討すれば自ら明らかとなるのであるから所論のごとき審理不尽の違法ありとはいえない第三渡辺弁護人の控訴趣意第三点木下弁護人の各賍物牙保に関する控訴趣意について原審挙示の各証拠中には被告人の警察に於ける第一回供述調書同検察官に対する第二回供述調書及原審第六回公判調書中被告人の供述記載の様にAから指輪を売つて呉れと言はれたという陳述はあるが売得金の殆どを被告人が消費して居りAの原審第四回公判調書中の供述記載及同人の検事に対する第一回供述調書中の記載等と綜合考覈すると被告人がAの為に売買の斡旋をし賍物の牙保をしたと言ふ事実は認められないしかし被告人が五月三、四日の書頃下宿に於てAから金の指輪一個とダイヤの指輪一個を受取り更に同月十二、三日頃薄暗くなつてから下宿に於て同人よりダイヤの指輪と金の指輪各一個を受取つた事実は被告人の原審第六回公判調書中の供述記載及Aの検察官に対する第一回供述調書の記載によつて之を認めることが出来るしAの検察官に対する第一回供述調書によれば被告人がAから指輪を受取る時それは同人が父親の指輪を盗んで来た賍物であることを認識していた事実を認定するのはとも角原審判示第二、第三、第四が賍物牙保の事実を認めたのは証拠によらずして事実を認めた違法があるから此の点に於ては論旨何れも結局理由があり原判決は破棄を免れない仍て刑事訴訟法第三百九十七条第三百七十八条第四号第三百八十条第三百八十二条に従い原判決を破棄し本 によらずして事実を認めた違法があるから此の点に於ては論旨何れも結局理由があり原判決は破棄を免れない仍て刑事訴訟法第三百九十七条第三百七十八条第四号第三百八十条第三百八十二条に従い原判決を破棄し本件訴訟記録並びに原審に於て取調べた証拠により直に判決することが出来るものと認めるから同法第四百条但書に従い更に判決する(その他の判決理由は省略する。)(裁判長判事黒田俊一判事佐藤竹三郎判事福原義晴)

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