平成13(レ)110 酬金等請求控訴

裁判年月日・裁判所
平成14年6月7日 神戸地方裁判所
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判決文本文9,126 文字)

判決平成14年6月7日神戸地方裁判所平成13年(レ)第110号報酬金等請求控訴事件 主文 1 原判決を取り消す。 2 被控訴人は,控訴人Aに対し,金25万2950円及び内金24万0909円に対する平成11年12月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 被控訴人は,控訴人Bに対し,金5万7745円及び内金5万5636円に対する平成11年12月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 4 訴訟費用は第1,2審を通じ被控訴人の負担とする。 5 この判決の第2,3項は仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 控訴の趣旨主文と同旨第2 事案の概要本件は,被控訴人に対し,控訴人Aが,相続税申告にかかる税理士報酬の支払いを,控訴人Bが,司法書士業務にかかる報酬及び立替費用の支払いを各求めた事案である。 1 請求原因(1) 当事者控訴人Aは,租税に関する申告や税務書類の作成等の業務を行う税理士であり,控訴人Bは,登記手続の代理等の業務を行う司法書士である。 被控訴人は,平成11年1月25日に死亡した訴外亡Cの甥である。亡Cの相続人は,被控訴人の外10名であった。 (2) 控訴人Aア有権代理(ア) 控訴人Aは,平成11年5月9日,亡Cの相続人である訴外D外4名との間で,亡Cの相続財産の相続税申告業務についての税務代理契約を締結した。 (イ) D外4名は,同契約締結の際,被控訴人のためにすることを示し,また,同契約締結につき代理権を有していた。 イ黙示の契約又は無権代 いての税務代理契約を締結した。 (イ) D外4名は,同契約締結の際,被控訴人のためにすることを示し,また,同契約締結につき代理権を有していた。 イ黙示の契約又は無権代理の追認(ア) 控訴人Aは,上記契約締結後,直ちに相続税申告業務に着手し,被控訴人を含む相続人らに対し,逐次,報告を行いながら業務を進めた。 (イ) 被控訴人は,平成11年10月下旬ころ,控訴人Aの事務所を訪れ,税務申告手続の状況につき説明を受けた。また,その際,被控訴人は,控訴人Aに対し,相続人の1人である訴外Eが相続する予定の土地と隣接する被控訴人所有土地との間の長年にわたる境界紛争の解決を条件に遺産分割協議に応じる旨を申し出るとともに,同紛争解決のための文書の作成を控訴人Aに依頼した。 (ウ) 被控訴人を含む相続人らと控訴人Aは,平成11年10月31日及び同年11月14日,亡C宅において遺産分割協議及び相続税申告手続に関する打合せを行った。 また,控訴人Aは,遅くとも同年10月31日までに,被控訴人に対し,亡Cの遺産内容,被控訴人の相続分及び必要な相続税額のほか,控訴人らの報酬を明らかにした書類も含む控訴人らの作成にかかる相続関係書類一式を,亡Cの相続人の1人である訴外Fを通じて交付していた。しかし,被控訴人は,控訴人Aに対し,上記両打合せにおいてはもちろん,本件訴訟に至るまで,相続税申告業務の遂行やその費用負担に関し異議を述べるようなことはなかった。 また,被控訴人は,同年11月14日の打合せには,遺産分割協議の成立を予定して,実印及び印鑑証明を20通用意して参加した。 (エ) 被控訴人は,本訴提起後,亡Cの相続税について税務署から た,被控訴人は,同年11月14日の打合せには,遺産分割協議の成立を予定して,実印及び印鑑証明を20通用意して参加した。 (エ) 被控訴人は,本訴提起後,亡Cの相続税について税務署から問い合わせを受けた際,控訴人らに無断で,控訴人ら作成にかかる相続関係書類を税務署に提出し,利用した。 (オ) 以上の事実を総合すれば,遅くとも平成11年10月31日には,控訴人Aと被控訴人間に,黙示の合意によって亡Cの相続財産の相続税申告業務についての税務代理契約が成立したか,被控訴人は,請求原因(2)アの契約を黙示に追認したといえる。 ウ控訴人Aの事務処理状況控訴人Aは,相続税の法定申告期限である平成11年11月25日以前である同月14日には相続税申告書を完成させ,相続人らの捺印を残すのみという状況まで委任事務を処理した。 しかし,同日の最終打合せの段階で,相続人である訴外Gが遺産分割協議内容に異を唱えた結果,分割協議は成立せず,控訴人Aの責めに帰すべからざる事由により,相続税申告書を提出することが不可能となった。 エ報酬額控訴人Aの業務はほぼ完了していたものであるから,控訴人Aが被控訴人に請求できる報酬額は,控えめに算定しても,その完了の場合に得られるはずであった下記報酬合計417万3750円の3分の2の金額を相続人の数である11で除した金25万2950円(税務代理報酬16万0606円,税務書類の作成報酬8万0303円の合計24万0909円と消費税1万2045円の合計。ただし,10円未満は切り捨て)となる。 (ア) 税務代理報酬 265万円(イ) 税務書類の作成報酬 132万5000円 税1万2045円の合計。ただし,10円未満は切り捨て)となる。 (ア) 税務代理報酬 265万円(イ) 税務書類の作成報酬 132万5000円(ウ) 消費税 19万8750円オ支払催告控訴人Aは,被控訴人に対し,平成11年11月30日,上記報酬金25万2950円の支払いを催告した。 (3) 控訴人Bア有権代理(ア) 控訴人Aは,平成11年5月9日,控訴人Bのためにすることを示して,亡Cの相続人であるD他4名との間で,亡Cの相続税申告に関する司法書士業務についての委任契約を締結した。控訴人Aは,同委任契約締結の際,同契約締結につき代理権を有していた。 (イ) D他4名は,同契約締結の際,被控訴人のためにすることを示し,また,同契約締結につき代理権を有していた。 イ黙示の契約又は追認(ア) 控訴人Bは,事務処理の進行に伴い,逐次,被控訴人ら相続人に対し書面による報告を行ってきたが,その職務遂行につき,被控訴人から何ら異議を唱えられたことはなかった。 (イ) 請求原因(2)(イ)ないし(エ)と同じ。 (ウ) 以上の事実を総合すれば,遅くとも平成11年10月31日には,控訴人Bと被控訴人間に,黙示の合意によって亡Cの相続税申告に関する司法書士業務についての委任契約が成立したか,被控訴人は,請求原因(3)アの契約を黙示に追認したといえる。 ウ控訴人Bは,相続税申告手続に不可欠な証明書類等を取り寄せ,受任事務処理を完了した。 エ立替費用及び報酬額控訴人Bが被控訴人に 追認したといえる。 ウ控訴人Bは,相続税申告手続に不可欠な証明書類等を取り寄せ,受任事務処理を完了した。 エ立替費用及び報酬額控訴人Bが被控訴人に対して請求すべき立替費用及び報酬の額は,以下の合計金額63万5200円を相続人数11で除した金5万7745円(立替費用及び報酬5万5636円,消費税2109円の合計額)となる。 (ア) 除・戸籍謄本取り寄せ報酬 7万円立替費用 14万円(イ) 公簿調査報酬 1万円立替費用 8000円(ウ) 相続人確定作業報酬 2万円(エ) 説明資料及び出張費用報酬 30万円(オ) 協議証明書報酬  3万4000円(カ) 相続登記準備費用報酬 3万円(キ) 消費税 2万3200円オ支払催告控訴人Bは,被控訴人に対し,平成11年11月30日,上記立替費用及び報酬金5万7745円の支払いを催告した。 (4) よって,被控訴人に対し,控訴人Aは,上記税務代理契約に基づき,報酬金25万2950円及び内金24万0909円に対する平成11年12月1日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払いを,控訴人Bは,上記委任契約に基づき,立替費用及び報酬の合計である金5万7745 0円及び内金24万0909円に対する平成11年12月1日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払いを,控訴人Bは,上記委任契約に基づき,立替費用及び報酬の合計である金5万7745円及び内金5万5636円に対する平成11年12月1日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払いを各求める。 2 請求原因に対する認否及び反論(1) 請求原因(1)は認める。 (2) 請求原因(2)ア(ア)は不知。同ア(イ)は否認する。 同イ(ア)は否認する。 同イ(イ)のうち,被控訴人が,平成11年10月下旬ころ,控訴人Aの事務所を訪れたこと,控訴人Aに「承諾書」と題する書面の作成を依頼したことは認めるが,その余は否認する。 同イ(ウ)のうち,被控訴人が平成11年10月31日及び同年11月14日に亡C宅における打合せに参加したこと,被控訴人がFから相続税申告関係書類の交付を受けたこと,被控訴人が11月14日の打合せに実印及び印鑑証明を20通用意していたことは認めるが,その余は否認する。平成11年10月31日の会合には30分程度同席しただけであり,同日の相談内容は不知である。 同イ(エ)及び(オ)は否認する。 同ウ前段は不知。同ウ後段のうち,Gが遺産分割協議内容に異を唱えたため分割協議が成立しなかったことは認め,その余は否認する。 同エは不知。 同オは争う。 (3) 請求原因(3)ア(ア)は不知。同ア(イ)は否認する。 同イ(ア)は否認する。 同イ(イ)の認否は,同(2)イ(イ)ないし(エ)についての認否と同じ。 同イ(ウ)は否認する。 同ウ 否認する。 同イ(ア)は否認する。 同イ(イ)の認否は,同(2)イ(イ)ないし(エ)についての認否と同じ。 同イ(ウ)は否認する。 同ウ及びエは不知。 同オは争う。 第3 当裁判所の判断 1 請求原因(1)は,当事者間に争いがない。 2 請求原因(2)ア及び同(3)ア(有権代理の主張)について証拠(甲5,控訴人A)によれば,税理士である控訴人Aは,平成11年5月9日,亡Cの相続人であるD外4名との間で,亡Cの相続財産の相続税申告業務についての税務代理契約を締結するとともに,司法書士である控訴人Bの代理人として,同申告業務に関連して必要な司法書士業務を行うについての委任契約を締結した事実が認められる。 しかしながら,上記各契約の締結に先立ち,被控訴人がD外4名に対し代理権を授与したという事実を認めるに足りる証拠はない。 よって,控訴人らの有権代理の主張は理由がない。 3 請求原因(2)イ及び同(3)イ(黙示の契約又は無権代理の追認)について(1) 請求原因(2)イ(イ)及び同(3)イ(イ)のうち,被控訴人が平成11年10月下旬ころ控訴人Aの事務所を訪れたこと,その際,控訴人Aに「承諾書」と題する書面の作成を依頼したこと,同(2)イ(ウ)及び同(3)イ(ウ)のうち,被控訴人が平成11年10月31日及び同年11月14日に亡C宅における打合せに参加したこと,被控訴人がFから相続税申告関係書類の交付を受けたこと,被控訴人が11月14日の打合せに実印及び印鑑証明を20通用意していたことは,いずれも当事者間に争いがなく,これら争いのない事実,証拠(甲5,6,13,乙1ないし32,控訴人A,被控訴人本人〔ただし一部〕)及び弁論の 4日の打合せに実印及び印鑑証明を20通用意していたことは,いずれも当事者間に争いがなく,これら争いのない事実,証拠(甲5,6,13,乙1ないし32,控訴人A,被控訴人本人〔ただし一部〕)及び弁論の全趣旨を総合すれば,以下の事実が認められる。証拠(乙33ないし35,被控訴人本人)のうち以下の認定と異なる部分はにわかに措信できず,他にこれを左右するに足りる証拠はない。 控訴人Aは,平成11年4月下旬ころ,亡Cの相続人であるEから,相続税の申告手続について相談を受けた。 控訴人Aは,本件に至るまで,税理士として,100件以上にわたる相続税の申告代理を行ってきた。相続税の申告期限が,相続開始の日から10か月後という短期間であることから,控訴人Aは,相続税の申告代理に当たっては,通常,相続人全員と契約書を交わしたり,相続人全員から委任状をもらったりすることはせず,まず,相続人の確定作業を行い,相続人が判明し,相続税が確定した時点で,相続人らの代表者数名と面談して,手続や報酬額の説明等を行い,報酬額は,相続分の割合に応じて相続人全員に負担してもらうという方法で行ってきたので,本件においても同様の方法で事務処理を行うことにした。 控訴人Aは,平成11年5月9日,亡Cの相続人であるD,E,H,F及び訴外I(亡Cの相続人であるJ,同K両名の母)と面会し,自らが税理士として亡Cの遺産総額を確認し,分割協議に従って申告をすること,遺産には有価証券や預貯金も相当あり,不動産の価額を算定する必要もあるため,早期に作業に取りかからなければ申告期限に間に合わないこと,不動産の登記手続やその他必要な司法書士業務は,自分が懇意にしている司法書士の控訴人Bに行ってもらうこと,遺産分割方法については相続人間で早急に遺産分割協議 からなければ申告期限に間に合わないこと,不動産の登記手続やその他必要な司法書士業務は,自分が懇意にしている司法書士の控訴人Bに行ってもらうこと,遺産分割方法については相続人間で早急に遺産分割協議をしてもらう必要があることを説明し,前記5名の同意を得た。 控訴人Aは,平成11年10月3日,前記5名と面会し,同日までの調査に基づいて作成した相続財産目録11部を交付して相続財産の状況を報告し,同目録を他の相続人にも交付するように依頼した。 被控訴人は,Fから,平成11年10月中旬ころまでに,控訴人らにおいて作成した相続税申告関係書類(乙1ないし18)の交付を受けたが,同書類の中には,控訴人らの報酬額等が明示された,控訴人Aから亡C各相続人宛ての「相続税報酬計算書」(乙14)及び控訴人Bから亡C各相続人宛の「領収書」(乙18)が含まれていた。 被控訴人は,それら書類を受け取った後の平成11年10月中旬ころ,控訴人Aの事務所を訪れ,相続の内容や手続についての説明を求めた。また,被控訴人と亡Cとの間には,土地の境界について,長年にわたって争いがあったところ,被控訴人は,亡Cの土地を相続する予定であったEとの間で,同土地の境界争いを解決することを遺産分割案に同意する一条件とし,控訴人Aに対し,そのための文書の起案を依頼した。控訴人Aは,遺産分割協議の取りまとめは受任の範囲外であるが,相続税の申告代理という本来の受任業務の遂行について必要であるならばやむを得ないと考えてこれに応じ,被控訴人とEが,各所有する土地の境界確定作業にお互いに協力することを承諾する旨の承諾書と題する書面を作成した。 平成11年10月31日,遺産分割の最終協議をするとともに控訴人Aから相続財産申告手続の説明を受けるた 境界確定作業にお互いに協力することを承諾する旨の承諾書と題する書面を作成した。 平成11年10月31日,遺産分割の最終協議をするとともに控訴人Aから相続財産申告手続の説明を受けるため,亡C宅に亡C相続人らが集まり,会合が開かれた。被控訴人も同会合に出席した。また,控訴人Bもこれに立ち会った。同会合において,遺産分割協議書に相続人全員が署名・押印する予定であったが,相続人らのうち2名が欠席したこと,実印及び印鑑証明書を持っていなかった相続人がいたこと,被控訴人が,遺産分割協議書と前記承諾書に同時に署名・押印したいと希望したことから,同年11月14日に改めて亡C相続人らで集まり,遺産分割協議書に署名押印することになった。 平成11年11月14日,相続人のうち,J及びKの代理人としてIが出席した他は,被控訴人を含む相続人全員が出席して,会合が開かれた。控訴人らも同会合に参加した。ところが,相続人であるGが遺産分割協議の内容に不満を訴えたため,結局,遺産分割協議は成立しなかった。 その結果,相続税申告書も提出できなくなり,控訴人Aはその相続税申告代理業務を完了できないまま終了せざるを得なくなった。 被控訴人は,平成11年11月14日以降も,本件訴訟に至るまでは,控訴人らに対し,控訴人らが相続税申告代理業務及びこれに伴う司法書士業務を遂行したことはもとより,それら業務遂行についての報酬及び必要費用を被控訴人が負担することに関しても,何ら異議を述べるようなことはなかった。 (2) 以上の事実によれば,被控訴人は,他の相続人らが平成11年5月9日に相続税申告代理業務及び司法書士業務を控訴人らに委任した際にはその場に加わっていなかったものの,上記認定のとおり,平成11年10月中旬ころ, 実によれば,被控訴人は,他の相続人らが平成11年5月9日に相続税申告代理業務及び司法書士業務を控訴人らに委任した際にはその場に加わっていなかったものの,上記認定のとおり,平成11年10月中旬ころ,他の相続人を通じて,相続税申告関係書類とともに控訴人Aの報酬計算書及び控訴人Bの相続人宛領収書を受け取っていること,その後,自ら,控訴人Aの事務所を訪れて,相続の内容・手続に関して説明を求めるとともに,上記のとおり,遺産分割協議の際に土地境界紛争も併せて解決するための書面の作成まで控訴人Aに依頼していること,平成11年10月31日,遺産分割協議の場に控訴人らが立ち会うことにも異を唱えなかったこと,その後,本訴に至るまで,控訴人らによる業務の遂行及びこれに対する報酬及び必要経費の負担について異議を述べることもなかったことが認められ,これらの事実を総合すると,遅くとも平成11年10月31日の時点で,被控訴人と控訴人Aの間において,相続税申告代理を控訴人Aに委任し,報酬及び必要経費を支払う旨の黙示の合意が成立したこと,また,被控訴人と控訴人Bの間においても,同様に,遅くとも平成11年10月31日の時点で,相続税申告に関する司法書士業務を控訴人Bに委任し,報酬及び必要経費を支払う旨の黙示の合意が成立したことを認めることができる。 4 請求原因(2)ウ,エ(控訴人Aの報酬額)について証拠(甲5,乙14,控訴人A,被控訴人本人〔ただし一部〕)及び弁論の全趣旨によれば,控訴人Aが本件相続税申告業務を完了した場合,亡Cの相続人らに対し請求しうる報酬額の内訳は以下のとおりであると認められる。 税務代理報酬 265万円税務書類の作成報酬 132万5000円消費税 19万8750円 の内訳は以下のとおりであると認められる。 税務代理報酬 265万円税務書類の作成報酬 132万5000円消費税 19万8750円以上合計 417万3750円相続人間の遺産分割協議が成立しなかったため,控訴人Aが相続税申告代理業務を中途で終了せざるを得なかったことは,前記3で認定のとおりである。 そこで,本件において,控訴人Aが亡Cの相続人らに対して請求し得る報酬額につき検討するに,前記3で認定の事実,証拠(甲5,13,乙18ないし32,控訴人A)及び弁論の全趣旨によれば,控訴人Aは,相続税の法定申告期限である平成11年11月25日より前の同月14日には,既に相続税申告書を完成させ,相続人らの捺印を残すのみという段階まで委任事務を処理していたことが認められるから,控訴人Aのかかる事務処理状況に鑑みると,これに対する報酬としては,上記報酬額合計の少なくとも3分の2に当たる278万2500円を認めるのが相当である。 そして,遺産分割協議は成立しなかったものの,11名の各相続人がほぼ均等に相続する形で協議が進められ,これに沿って控訴人らの業務も遂行されてきたものと認められること(乙19ないし32,弁論の全趣旨)からすれば,各相続人は,上記報酬額278万2500円を均等に11等分した25万2950円(税務代理報酬16万0606円,税務書類の作成報酬8万0303円の合計24万0909円と消費税1万2045円の合計。ただし,10円未満は切り捨て)につき支払義務を負うものと認めるのが相当である。 以上の次第で,被控訴人は控訴人Aに対し,25万2950円の支払義務を負う。 5 請求原因(3)ウ,エ(控訴人Bの報酬及び費 り捨て)につき支払義務を負うものと認めるのが相当である。 以上の次第で,被控訴人は控訴人Aに対し,25万2950円の支払義務を負う。 5 請求原因(3)ウ,エ(控訴人Bの報酬及び費用の額)について証拠(甲4,13,控訴人A)及び弁論の全趣旨によれば,控訴人Bは,相続税申告手続に不可欠な証明書類等を取り寄せ,受任事務処理を完了したこと,控訴人Bが,亡Cの相続人らに対して請求すべき立替費用及び報酬の額は以下の合計金額63万5200円であることが認められる。 (1) 除・戸籍謄本取り寄せ報酬 7万円立替費用 14万円(2) 公簿調査報酬 1万円立替費用 8000円(3) 相続人確定作業報酬 2万円(4) 説明資料及び出張報酬 30万円(5) 協議証明書報酬 3万4000円(6) 相続登記準備報酬 3万円(7) 消費税 2万3200円そうすると,被控訴人は,控訴人Bに対し,控訴人Aの場合と同様に,上記立替費用及び報酬の合計63万5200円を相続人数11で除した金5万7745円(立替費用及び報酬5万5636円,消費税2109円の合計額)について,支払義務を負うものと認められる。 6 請求原因(2)オ及び同(3)オ(支払催告)について証拠(甲2の1・2,4,5,7の1・2)及び弁論の全趣旨によれば,請求原因(2)オ及び同(3)オの各事実が認め と認められる。 6 請求原因(2)オ及び同(3)オ(支払催告)について証拠(甲2の1・2,4,5,7の1・2)及び弁論の全趣旨によれば,請求原因(2)オ及び同(3)オの各事実が認められる。 7 結論以上の事実によれば,控訴人らの本訴各請求は理由があるからこれを認容すべきである。 よって,これと結論を異にする原判決を取り消し,主文のとおり判決する。 神戸地方裁判所第4民事部裁判長裁判官上田昭典裁判官太田敬司裁判官島田環

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