【DRY-RUN】主 文 本件各上告を棄却する。 理 由 被告人A本人の上告趣意は、憲法三八条違反を主張する点もあるが、実質は単な る法令違反、量刑不当の主張であつて、刑訴法四
主文 本件各上告を棄却する。 理由 被告人A本人の上告趣意は、憲法三八条違反を主張する点もあるが、実質は単なる法令違反、量刑不当の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。 同被告人の弁護人土肥倫之の上告趣意は、量刑不当の主張であつて、同条の上告理由にあたらない。(記録によれば、被告人Aの関係において、一審の有罪判決に対し、同被告人および検察官から、それぞれ控訴の申立があつたが、同被告人のみ一たん申し立てた右控訴を取り下げたこと、原審は、検察官の控訴趣意について審理判断したうえ、結局検察官の控訴を理由なしとしてこれを棄却したことが認められる。ところで、刑訴法三六一条は、「上訴の放棄又は取下をした者は、その事件について更に上訴をすることができない」と規定しているが、これは、上訴の放棄または取下をした者でもさらに上訴をすることができるとすると、上訴の放棄または取下があつても、上訴の提起期間中は、それだけではまだ原裁判が確定したとみることができないため、裁判確定の時期が一時不明瞭になる場合を生じ、訴訟関係の明確性を害するためであると解される。そうしてみると、この規定は、その趣旨にかんがみ、同一審級においてのみ適用のある規定であると解すべきであつて、本件のように控訴の取下をした被告人に対し、控訴審の判決に対する上告まで禁ずる趣旨のものと解すべきではない。そして、このことは、たとえ右控訴審の判決が相手方である検察官の控訴を棄却したにとどまる場合であつても、同様であると解する。そうすると、被告人Aが、検察官の控訴を棄却した原判決に対し、本件上告を申し立てたことは、その限りにおいて、違法はないものというべきである。)被告人B本人の上告趣意は、事実誤認、単なる法令違反、量刑不当の主張であり、同 検察官の控訴を棄却した原判決に対し、本件上告を申し立てたことは、その限りにおいて、違法はないものというべきである。)被告人B本人の上告趣意は、事実誤認、単なる法令違反、量刑不当の主張であり、同被告人の弁護人杉本良三の上告趣意は、事実誤認、量刑不当の主張であつて、刑- 1 -訴法四〇五条の上告理由にあたらない。 また、記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。 よつて、同四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項但書により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。 昭和四二年五月二四日最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官奥野健一裁判官草鹿浅之介裁判官城戸芳彦裁判官石田和外裁判官色川幸太郎- 2 -
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