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主文 原決定を取消す。本件競落を許さない。理由 本件抗告の要旨は別紙記載のとおりである。抗告人等は、本件競売において担当執行吏は午前十時四十五分に競買価額申出を催告しながらそれより満一時間の経過を待たずに午前十一時四分に競売期日を終局したのであるから右手続は民事訴訟法第六百六十五条<要旨>第七項に違背する旨主張するから、この点について按ずるに、本件記録中の不動産競売調書には、担当執行吏</要旨>Aは「昭和三十六年四月二十五日午前十時競売価額の申出を催告した」旨の記載が存するので、右競売調書に民事訴訟法第百四十七条の準用があるか、換言すれば、競売の方式に関する規定の遵守は同調書のみによつて証すべきもので反証を許さないものであるかどうかが、先ず問題とされねばならないのであるが、右同条に規定する口頭弁論調書は立会書記官が独自の権限をもつて作成し、口頭弁論を主宰してその調書の正確性を確保した裁判官とともにこれに連署するものであるに反し、競売調書は期日における手続を主宰した執行吏において自ら作成するものであつて、その性質及び作成方式等の点において著しく異なるところがあるのみならず、同法第六百七十七条第二項は競落期日の調書についてのみ右第百四十七条の規定を準用していること等の点を考慮すると、不動産競売調書には民事訴訟法第百四十七条の規定を準用する余地はなく、従つて反証を許すべきものと解するを相当とするところ、証人A(第一回)同B(第一、二回)同Cの各証言を綜合すれば、本件競売期日である昭和三十六年四月二十五日午前十時に担当執行吏Aは競売の場所である岡山地方裁判所倉敷支部執行吏役場に臨場していたが、当時参集人がなかつたため、同日午前十時四十分頃に至り、折柄同役場前に参集しているB、D、E 年四月二十五日午前十時に担当執行吏Aは競売の場所である岡山地方裁判所倉敷支部執行吏役場に臨場していたが、当時参集人がなかつたため、同日午前十時四十分頃に至り、折柄同役場前に参集しているB、D、E、F、G等を呼入れて、初めて現実に口頭で競買価額申出の催告をなし、その後本件競落人であるFの競買申出を受けて同人をもつて最高価競買人となしたうえ午前十一時十分競売期日の終局を告知したことを認めることができる。 四月二十五日午前十時に担当執行吏Aは競売の場所である岡山地方裁判所倉敷支部執行吏役場に臨場していたが、当時参集人がなかつたため、同日午前十時四十分頃に至り、折柄同役場前に参集しているB、D、E、F、G等を呼入れて、初めて現実に口頭で競買価額申出の催告をなし、その後本件競落人であるFの競買申出を受けて同人をもつて最高価競買人となしたうえ午前十一時十分競売期日の終局を告知したことを認めることができる。右認定に反する甲第二号証の記載内容証人A(第二回)同Fの各証言はいずれも措信し難く、他に右認定を覆えすに足る何らの証拠もない。そうすると本件において催告のなされたのは同日午前十時四十分頃であるというべきところ、本件担当執行吏は右催告の時より満一時間を過ぎない午前十一時十分に競売期日の終局を告知したのであるから、右競売期日における手続は同法第六百六十五条第二項に違反するものというべく、従つて、右期日における競買人Fに対し競落を許した原決定は、爾余の抗告理由について判断するまでもなく、既にこの点において違法であり、取消を免れないものである。よつて主文のとおり決定する。(裁判長裁判官柴原八一裁判官柚木淳裁判官長久保武)
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