平成17(行コ)223 損害賠償代位請求控訴事件(原審・静岡地方裁判所平成14年(行ウ)第18号)

裁判年月日・裁判所
平成19年11月28日 東京高等裁判所 住民訴訟
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判決文本文41,508 文字)

主文 本件控訴をいずれも棄却する。 控訴費用は,控訴人の負担とする。 事実 及び理由第1控訴の趣旨 原判決を取り消す。 被控訴人らは,熱海市に対し,連帯して,13億5733万円及びこれに対する被控訴人P1株式会社(以下「被控訴人P1」という。),被控訴人P2株式会社(以下「被控訴人P2」という。)は平成12年11月2日から,被控訴人P3株式会社(以下「被控訴人P3」という。),被控訴人株式会社P4(以下「被控訴人P4」という。),被控訴人P5株式会社(以下「被控訴人P5」という。),被控訴人P6株式会社(以下「被控訴人P6」という。)は同月3日から,被控訴人株式会社P7(以下「被控訴人P7」という。)は同月4日から,いずれも支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人らの負担とする。 仮執行宣言第2事案の概要 本件は,熱海市の住民である控訴人が,熱海市が平成8年に発注した清掃工場建設工事の指名競争入札において,入札参加業者である被控訴人P1,被控訴人P3,被控訴人P7,被控訴人P2,被控訴人P5が談合を行って,受注予定者を被控訴人P1と決め,談合に参加していなかった入札参加業者である 被控訴人P4,被控訴人P6に対し,被控訴人P1が受注することについて配慮を求め,その了解を得た上,被控訴人らが競争入札に参加し,被控訴人P1が落札した結果,落札価格(請負代金額)が不当に高くなり,熱海市に損害が発生したところ,熱海市長が被控訴人らに対する損害賠償請求権の行使を違法に怠っていると主張して,監査請求を経た上で,怠る事実の相手方である被控訴人らに対し,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの。以下単に「法」という。)242条の2第1項4号に基づき,熱海 に怠っていると主張して,監査請求を経た上で,怠る事実の相手方である被控訴人らに対し,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの。以下単に「法」という。)242条の2第1項4号に基づき,熱海市に代位して,談合等により不当に高額となった工事代金相当額の損害賠償を請求する住民訴訟である。 控訴人は,平成12年10月20日,本件訴訟を静岡地方裁判所に提起(同裁判所平成12年(行ウ)第22号)したが,同裁判所は,平成13年6月28日,本件訴えを却下する判決を言い渡した。控訴人は,東京高等裁判所に控訴(同裁判所平成13年(行コ)第164号)したが,同裁判所は,平成14年2月20日,控訴棄却の判決を言い渡した。控訴人は,上告(最高裁判所平成14年(行ツ)第101号)したところ,最高裁判所は,平成14年11月12日,原判決を破棄し,第1審判決を取り消し,同事件を静岡地方裁判所(原審)に差し戻した。 原審は,熱海市長が上記損害賠償請求権の管理を違法に怠っている事実は認められないと判断して,控訴人の請求を棄却したので,控訴人が控訴をした。 前提となる事実(証拠を掲記しない事実は争いがない。)(1)本件入札及び本件請負契約ア熱海市は,平成8年ころ,熱海市新清掃工場の建設工事(以下「本件工 事」という。)の実施を決め,請負契約を締結する業者を指名競争入札の方法により選定することとし,清掃施設工事業を営む被控訴人P1(当時の商号は「P8株式会社」),被控訴人P3,被控訴人P7,被控訴人P2,被控訴人P5,被控訴人P6,被控訴人P4の7社を指名し,平成8年8月23日,被控訴人ら7社が参加して入札(以下「本件入札」という。)を行った結果,被控訴人P1が,落札価格59億9000万円で本件工事を落札した。 被控訴人らの入札金額は,被控訴人P1が59 年8月23日,被控訴人ら7社が参加して入札(以下「本件入札」という。)を行った結果,被控訴人P1が,落札価格59億9000万円で本件工事を落札した。 被控訴人らの入札金額は,被控訴人P1が59億9000万円,被控訴人P3が61億8500万円,被控訴人P7が60億9500万円,被控訴人P2が61億2000万円,被控訴人P5が63億1000万円,被控訴人P6が60億9700万円,被控訴人P4が64億8000万円であった。 イ熱海市は,本件入札結果に基づき,平成8年9月27日,被控訴人P1との間で,請負代金を61億6970万円(消費税を含む。)の約定で本件工事の請負契約(以下「本件請負契約」という。)を締結した。 被控訴人P1は,間もなく本件工事に着手し,平成11年3月22日,本件工事を完成し,これを熱海市に引き渡した。これに対し,熱海市は,被控訴人P1に対し,本件請負契約の代金として,61億6970万円を支払った。 (2)独禁法違反事件(甲3の3,甲171,172,弁論の全趣旨)ア公正取引委員会(以下「公取委」という。)は,平成11年8月13日,被控訴人P1,被控訴人P3,被控訴人P7,被控訴人P2及び被控訴人 P5(以下,上記5社を「被控訴人ら5社」という。)が遅くとも平成6年4月以降地方公共団体が指名競争入札等の方法により発注するストーカ式燃焼装置を採用する全連続燃焼式及び准連続燃焼式ごみ処理施設(以下「全連及び准連ストーカ炉」という。)の建設工事について,受注機会の均等化を図るため,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにすることにより,公共の利益に反して,上記建設工事の取引分野における競争を実質的に制限し,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(平成17年法律第35号による改正前のもの。以下「独禁法」と にすることにより,公共の利益に反して,上記建設工事の取引分野における競争を実質的に制限し,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(平成17年法律第35号による改正前のもの。以下「独禁法」という。)2条6項に規定する不当な取引制限をして同法3条に違反したとして,被控訴人ら5社に対し,独禁法48条2項に基づき,排除勧告を行った。 イ公取委は,被控訴人ら5社が前記排除勧告に応諾しなかったので,平成11年9月8日,審判開始決定(平成11年(判)第4号。以下,この審判事件を「本件独禁法違反事件」という。)をして,審判手続を進め,平成16年3月29日,審決案(第一次)を作成し,これを,翌30日ころ,被控訴人ら5社に送達したが,被控訴人らは,それぞれ異議を申し立てるとともに,直接陳述の申出をした。公取委は,直接陳述の取扱いをした上で,成16年8月3日,審判手続の再開を命ずる決定をし,平成17年7月27日審判を終結し,平成18年4月4日ころまでに,被控訴人ら5社に対し審決案(第二次)を送達した。被控訴人ら5社は,それぞれ異議を申し立てるとともに直接陳述の申出をした。そこで,公取委は,平成18年6月27日,直接陳述の取扱いをした上で,被控訴人ら5社に対し, 審判審決(以下「本件審判審決」という。)をした。 ウ本件審判審決は,被控訴人ら5社は,平成6年4月から平成10年9月17日までの間,地方公共団体が指名競争入札等の方法により発注する全連及び准連ストーカ炉の建設工事について,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにすることにより,公共の利益に反して,前記工事の取引分野における競争を実質的に制限していたと判断し,「被控訴人ら5社は,遅くとも平成6年4月以降行っていた,地方公共団体が指名競争入札,一般競争入札又は指名見積り合わせの 利益に反して,前記工事の取引分野における競争を実質的に制限していたと判断し,「被控訴人ら5社は,遅くとも平成6年4月以降行っていた,地方公共団体が指名競争入札,一般競争入札又は指名見積り合わせの方法により発注する全連及び准連ストーカ炉の新設,更新又は増設工事について,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにしていた行為を,平成10年9月17日以降行っていないことを確認しなければならない。」,「被控訴人ら5社は,今後,それぞれ,相互に又は他の事業者と共同して,地方公共団体が競争入札又は指名見積り合わせの方法により発注する全連及び准連ストーカ炉の新設,更新又は増設工事について,受注予定者を決定してはならない。」等と命じた。 被控訴人ら5社は,これを不服として,東京高等裁判所に本件審判審決の取消しを求める抗告訴訟を提起し,現在,同裁判所に同訴訟が係属している。 エ本件審判審決は,被控訴人ら5社の談合によって本件工事の受注予定者が決定されたものと推認される旨判断している。 (3)控訴人の監査請求控訴人は,熱海市の住民であるが,平成12年8月1日,熱海市監査委員 に対し,被控訴人らの談合により,熱海市が損害を被ったとして,熱海市長が被控訴人らに対して損害賠償請求(以下「本件損害賠償請求」という。)をするよう勧告することを求めて監査請求(以下「本件監査請求」という。)を行った。しかし,監査委員が,同年9月21日,本件監査請求を却下したため,控訴人は,同年10月20日,本件訴訟を提起した。 本件訴訟は,本件監査請求に地方自治法242条2項本文の規定が適用されるか否かを巡って上告審まで争われたが,最高裁判所が,この適用がないと判断して,本件訴訟を第1審である原審に差し戻した。したがって,本件監査請求に地方自治法242条2項本文の規定 文の規定が適用されるか否かを巡って上告審まで争われたが,最高裁判所が,この適用がないと判断して,本件訴訟を第1審である原審に差し戻した。したがって,本件監査請求に地方自治法242条2項本文の規定が適用されないことは,前記上告審判決の判示するところであり,当裁判所はこの判断に拘束される。 (4)類似訴訟の係属本件審判審決において,被控訴人ら5社による談合が行われたものと推認された工事のうち幾つかについて,住民訴訟が提起され,既に判決が確定したものや,現在訴訟が係属中のものなどがある。 当事者の主張(1)控訴人の主張ア被控訴人らの本件談合等による不法行為被控訴人らは,熱海市の本件入札において,談合等を行った。すなわち,被控訴人ら5社が本件入札前に相談して受注予定者(落札者)を被控訴人P1と決め(以下,これを「本件談合」という。),次に,被控訴人P1が,談合に参加していなかった入札業者である被控訴人P4及び被控訴人P6(以下,この2社を「被控訴人ら2社」という。)に対し,被控訴人 P1が落札することについて配慮を求め,これに協力する旨の約束を得た(以下,この協力を「本件協力」という。)。そして,本件談合をした被控訴人ら5社とこれに本件協力を約した被控訴人ら2社が本件入札に参加し,本件談合及び本件協力により,被控訴人P1が本件工事を落札した。 その結果,落札価格(本件工事代金額)が正常に入札が行われた場合に比して不当に高くなった。 したがって,被控訴人らは,共同して,熱海市長をして,公正な入札により請負代金額が決定されたものと欺罔,誤信させて,不当な代金額により本件請負契約を締結させたものであるから,被控訴人らの上記行為は,熱海市に対する共同不法行為を構成する。 イ本件談合を基礎付ける事実等被控訴人ら5社が本件談合を行い, 信させて,不当な代金額により本件請負契約を締結させたものであるから,被控訴人らの上記行為は,熱海市に対する共同不法行為を構成する。 イ本件談合を基礎付ける事実等被控訴人ら5社が本件談合を行い,被控訴人ら2社が本件協力をしたことは,次の事実によって裏付けられる。 (ア)本件基本合意被控訴人ら5社は,平成6年4月以降平成10年9月17日まで,地方公共団体が指名競争入札等の方法により発注する全連及び准連ストーカ炉の建設工事について,受注機会の均等化を計るため,相談により受注予定者(落札者)を決めることとし,その決め方の基本ルールを合意し(以下,これを「本件基本合意」という。),これに従って各入札において受注予定者を事前に相談して決める旨の談合を繰り返していた。 このことは本件独禁法違反事件で認定されたものである。 本件基本合意の内容は,次のとおりである。 落札予定物件を,処理能力の規模で分けた上,被控訴人ら5社がそれぞれ受注希望を表明し,受注希望が1社の場合はその業者が受注予定者となり,複数の場合は受注希望者間の話合いで受注予定者を決める。基本的には,各社が受注するごみ処理施設の処理能力が平等になるようにする。被控訴人ら5社以外の業者(以下「アウトサイダー」という。)が指名された場合は,落札予定業者がアウトサイダーに協力を求めて協力を得る。時に,受注に相当協力したアウトサイダーに落札させることもあり,この場合は他の4社の了解を得る。アウトサイダーが入札参加業者にならないよう,発注者に対し,被控訴人ら5社のみ指名するように働きかける。受注予定者は,自社の落札価格を決め,相指名業者に自己の入札金額を連絡し,受注予定者以外の者は,受注予定者が上記価格で受注できるように協力する。 (イ)本件基本合意を裏付ける証拠本件基本合意を裏付ける 定者は,自社の落札価格を決め,相指名業者に自己の入札金額を連絡し,受注予定者以外の者は,受注予定者が上記価格で受注できるように協力する。 (イ)本件基本合意を裏付ける証拠本件基本合意を裏付ける主な証拠は,次のとおりである。 a被控訴人P2のP9は,規模別に3つに区分して,それぞれ受注希望を出し,チャンピオンと呼ばれる受注予定者を決定する,各社が平等に受注することを基本とし,各社の受注物件の処理能力の合計が平等になるようにする,受注予定者は,各指名業者に入札金額を電話で連絡する,被控訴人ら5社以外が指名を受けた場合は,受注予定者が個別に協力を求める,などと公取委の調査において供述する(甲32,45)。 b被控訴人P1のP10は,上司などから受注調整の話しを聞いた, その内容は,年1回開催する被控訴人ら5社の張り付け会議で3規模物件ごとにチャンピオンを決め,被控訴人ら5社平等になるようにするというものであった,などと公取委の調査において供述する(甲43)。P10作成のメモ(甲35)には,上記供述を裏付ける,「比率は5社イーブン(20%),20%のシェアを維持する方法は受注トン数/指名件数」などの記載がある。 c被控訴人P2のP11は,受注機会均等を図るよう話し合っている,現在,受注調整が行われなくなったとは聞いていない,などと公取委の調査において供述し(甲41,42,48,62),引継ぎメモ(甲39)にも,これに沿う記載がある。 d被控訴人P2のP12は,前任者から,被控訴人ら5社間に受注調整のための協定が存在し,被控訴人ら5社が受注機会を均等化しているなどと聞いたと公取委の調査において供述し(甲46,67),引継ぎ文書(甲37)には,これに沿う記述がある。 e被控訴人P7のP13は,他社の協力を得ていると聞いたと公取委 注機会を均等化しているなどと聞いたと公取委の調査において供述し(甲46,67),引継ぎ文書(甲37)には,これに沿う記述がある。 e被控訴人P7のP13は,他社の協力を得ていると聞いたと公取委の調査において供述する(甲44)。 f被控訴人P3のP14が作成したリスト(以下「P14リスト」という。甲57。)は,平成7年9月28日に作成されたものであるが,これには,平成8年から平成12年までの年度別受注予想が記載されているが,22件中18件が実際に落札した業者と一致する。 g被控訴人ら5社は,上記リストのほか,被控訴人P1は甲100ないし105,111の,被控訴人P3は甲57,106,107,1 18,119の,被控訴人P2は甲108,109の,被控訴人P5は甲97ないし99の各リストを所持しており,これらも本件基本合意の存在をうかがわせる。 hごみ処理工場の予定価格に対する落札率は,被控訴人ら5社以外については平均89.8%であるが,被控訴人ら5社については平均96%を超えていた。 (ウ)本件談合a被控訴人ら5社は,遅くとも平成7年9月28日までに本件基本合意を成立させていたところ,本件工事について,平成8年8月23日に本件入札が実施されている。P14リストには,本件工事について,「熱海市ー120,P1」と記載されているところ,この記載どおり,被控訴人P1が落札している。しかも,94.26%という著しく高い落札率で落札されているのである。 bしたがって,本件入札において,被控訴人ら5社は,本件基本合意に基づいて,受注予定者を被控訴人P1とする旨の本件談合を行い,被控訴人P1がアウトサイダーである被控訴人ら2社に協力を要請し,その承諾を得たのである。なお,アウトサイダーは,受注価格が下がらないようにするため,談合に協 被控訴人P1とする旨の本件談合を行い,被控訴人P1がアウトサイダーである被控訴人ら2社に協力を要請し,その承諾を得たのである。なお,アウトサイダーは,受注価格が下がらないようにするため,談合に協力するものである。 ウ熱海市の損害本件工事について,被控訴人らの本件談合がなく公正な競争入札が行われていれば,本件請負契約の代金額は少なくとも20パーセント以上低くなっていたはずである。したがって,熱海市は,被控訴人らの共同不法行 為により,少なくとも本件請負契約の代金額61億6970万円の20パーセントに相当する12億3394万円の損害を被った。 また,本件において控訴人が勝訴した場合,控訴人は控訴人訴訟代理人に支払うべき報酬を熱海市に対して請求することができるところ(法242条の2第7項),控訴人は,控訴人訴訟代理人との間で上記損害の10パーセント(1億2339万4000円)の報酬を支払う旨約しており,この金額は,被控訴人らの共同不法行為と相当因果関係のある損害である。 したがって,熱海市は,被控訴人らの共同不法行為により,上記13億5733万円(1万円未満切捨て)の損害を被った。 エ熱海市の怠る事実(ア)法240条2項は,「普通地方公共団体の長は,債権について,政令の定めるところにより,その督促,強制執行その他その保全及び取立てに関し必要な措置をとらなければならない。」と定める。そして,地方公共団体が有する債権の管理について定める法240条,地方自治法施行令(以下「法施行令」という。)171条,171条の2ないし171条の7の規定によると,地方公共団体の長は,客観的に存在する債権を理由もなく放置したり免除したりすることは許されず,原則として,その行使又は不行使についての裁量は存しない。ただ,履行期限後又は相当の期間を経過して ると,地方公共団体の長は,客観的に存在する債権を理由もなく放置したり免除したりすることは許されず,原則として,その行使又は不行使についての裁量は存しない。ただ,履行期限後又は相当の期間を経過してもなお完全に履行されていない債権については,法施行令171条の5に該当し,これを履行させることが著しく困難又は不適当であると認められるものに限って,以後,その保全及び取立てをしないことができるとされているだけである。 ところで,債権は,存在するか否かのいずれかであるから,債権が存在するとした上で,その立証等の困難性を根拠として,その行使を怠ることは許されない。 そうすると,地方公共団体の長が,法施行令171条の5に定める場合等請求権を行使しないことを正当とする特段の事情がないのに,債権を行使しないことは,債権の行使を怠っているものであり,違法というべきである。 (イ)ところで,談合に係る損害賠償請求権については,民法709条による損害賠償請求権と独禁法25条による損害賠償請求権が存する。しかし,両請求権は別個の権利であるから,将来独禁法25条に基づく損害賠償請求が可能となるとしても,そのことが,現に発生している不法行為に基づく損害賠償請求を行使しないことを正当化する理由にはならない。かえって,独禁法25条による損害賠償請求権が存することを理由に,地方公共団体の被った損害の回復が図られない状態が長時間継続されることになると,法242条の2第1項4号に基づく損害賠償請求代位の制度を設けた趣旨に反することになり,相手方から上記請求権の消滅時効が援用されるなど,債権の行使に支障が生ずる危険性がある。 したがって,独禁法25条による損害賠償請求権が存することは,民法709条による損害賠償請求権を行使しないことを正当とする特段の事情にはならない 用されるなど,債権の行使に支障が生ずる危険性がある。 したがって,独禁法25条による損害賠償請求権が存することは,民法709条による損害賠償請求権を行使しないことを正当とする特段の事情にはならない。 (ウ)したがって,熱海市長は,被控訴人らに対する本件損害賠償請求権の行使を違法に怠っているのである。 (エ)なお,法242条の2第1項4号は,監査結果に不服があるときは,訴えをもって,怠る事実の相手方に損害賠償請求をすることができる旨規定しているので,これによる損害賠償請求訴訟においては,地方公共団体が違法に財産の管理を怠っているかどうかを判断する必要はなく,裁判所は,口頭弁論終結時において,怠る事実の相手方に対する損害賠償請求権に理由があるか否かだけを判断すれば足るのである。 オ控訴人の代位請求以上の次第で,熱海市の住民である控訴人は,監査請求を経た上で,怠る事実の相手方である被控訴人らに対し,法242条の2第1項4号に基づき,熱海市に代位して,上記損害13億5733万円及びこれに対する各訴状到達の日の翌日である被控訴人P1,同P2は平成12年11月2日から,同P3,同P4,同P5,同P6は同月3日から,同P7は同月4日から,各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金を熱海市に支払うよう求める。 (2)被控訴人P1の主張ア本件談合の不存在(ア)被控訴人P1は,被控訴人P3,同P7,同P2,同P5と本件談合をした事実はなく,もとより,被控訴人ら2社に対し受注予定者を被控訴人P1にするよう配慮を求めたこともない。 そもそも,控訴人の主張は,本件談合が行われた日時,場所,回数,方法ばかりか,具体的な談合内容すらも特定されていないものであって,主張自体理由がない。 (イ)ごみ焼却炉工事は,物件ごとに機種,発 そも,控訴人の主張は,本件談合が行われた日時,場所,回数,方法ばかりか,具体的な談合内容すらも特定されていないものであって,主張自体理由がない。 (イ)ごみ焼却炉工事は,物件ごとに機種,発注形態(JV,分離発注,一括発注等)が異なる上,材料や工法は指定せずに基本的な性能のみを規定する性能発注となるため,メーカーごとの裁量の幅が大きく,一般の公共工事の発注とは異なる。また,個々の地方公共団体がそれぞれの都合に基づき発注するため,工事期間もバラバラであり,定期的に発注されるものでもない。さらに,計画から発注まで長期間を要し,計画だけで終わって,発注されない場合も少なくない。発注されるとしても,その種類,発注形態が直前まで決定されず,指名業者も物件ごとに異なり,大手メーカーといえども,指名されないこともあり,メーカーごとの技術の特徴や差が大きく反映される。 地方公共団体の指名業者の選定は,各業者の技術力,設計内容を重要な判断材料とするので,技術力や炉の構造などの条件で指名業者を決定することがあり,必ずしも営業活動だけで指名が獲得できるものではない。また,立地条件等の個別性が強く,受注までの不確定要素が大きく,金額も巨額になるため,一件一件の受注の成否が会社経営に大きな影響を与える。 そのため,受注に向けた営業実態は,他社との厳しい競争と発注者からの仕様要求やコスト削減要求にさらされているのである。 したがって,被控訴人ら5社が,各社の受注実績等を基にあらかじめ定めた一定の方式により算出した数値を勘案して受注予定者を決定するなどということは到底想定できない。あったとしても拘束力あるものとして機能し得ないのである。 イ証拠の信用性等について (ア)本件基本合意に関する証拠a被控訴人P2のP9の供述調書(甲32,45)は,審査 底想定できない。あったとしても拘束力あるものとして機能し得ないのである。 イ証拠の信用性等について (ア)本件基本合意に関する証拠a被控訴人P2のP9の供述調書(甲32,45)は,審査官が立入調査した当日に半ば強制的に公取委に同行され,作成されたものであり,その後作成された多数のP9の供述調書では,一貫して談合を否認しているのであり,また,その内容も,抽象的かつ曖昧な内容である上,受注対象物件の区分が後記P10の供述(甲43)とも異なっているのであるから,信用性に欠ける。 b被控訴人P1のP10の供述調書(甲43)及びP10のメモについては,そもそも,P10は,ごみ焼却炉の営業経験が乏しい上,談合の出席者ではないのであって,その内容は再伝聞でしかなく,しかも,上記メモには,「P15とP4が準メンバー」と記載する一方,「その物件に5社以外のメンバーが入った時は,タタキ合いとなる」と矛盾した記載をしているものであって,信用性に欠ける。 cP14リスト(甲57)は,その表題が「年度別受注予測」とされているとおり,被控訴人ら5社が共同して作成したものではなく,被控訴人P3が単独で社内的な分析資料の1つとして作成したものである。 P14リストに記載された平成8年度から平成11年度までの78件,平成12年度以降を含めた92件(S欄とF欄の合計)は,各年度毎に予想される物件の全部が記載されているわけではなく,被控訴人P1の社内資料である「年度別物件一覧表」(丙18)より少ない。 この記載物件のうち,立入調査前の平成10年9月までに発注された ものは36件であり,そのうち,P14リストで受注会社とされたものと実際の受注会社が一致したのは19件にすぎない(甲33)。また,P14リストと同時期に作成された被控訴人P3の内部資料(甲 ものは36件であり,そのうち,P14リストで受注会社とされたものと実際の受注会社が一致したのは19件にすぎない(甲33)。また,P14リストと同時期に作成された被控訴人P3の内部資料(甲49)では,平成8年度から平成10年度までの計画数は153件,平成8年度から平成11年度の施設計画数は231件とされているのに,P14リストでは平成8年度から平成11年度までで92件しか記載されていないし,平成8年度から平成10年9月までの間に発注された全連及び准連ストーカ炉建設工事は43件ある(甲33)が,P14リストに記載されているのはそのうち22件だけである。したがって,被控訴人P3にとって,自己以外の被控訴人ら5社全体の受注予想の情報は,営業活動の重点の置き方を決める一つの重要な判断要素となっていたところ,P14リストは,被控訴人P3が社内的な分析資料の1つとして作成した受注予想の書面にすぎないのである。 しかも,平成8年から平成10年9月までの43件のうち一致しているのは18件にすぎないのである。 dその他のリスト被控訴人ら5社の対象工事物件のリストは,フォームも異なり,内容も一致しないのであって,各社が個別に情報を収集していたものであり,受注希望表明及び受注調整の前提として,物件情報を共通化したものではない。 (イ)アウトサイダーに関する証拠ごみ焼却炉工事の受注に向けて,多数のライバルメーカーが活動して いる以上,競争相手であるアウトサイダーが被控訴人ら5社の協力要請に応じることは,およそ考えられないところ,被控訴人P1がアウトサイダーに働きかけたことを証する証拠の提出はない。かえって,アウトサイダーたる被控訴人P4,被控訴人P6は,被控訴人ら5社から協力要請を受けたことがないと主張しており,P10メモでも,5社メンバ サイダーに働きかけたことを証する証拠の提出はない。かえって,アウトサイダーたる被控訴人P4,被控訴人P6は,被控訴人ら5社から協力要請を受けたことがないと主張しており,P10メモでも,5社メンバー以外が入ったらたたき合いになると記載されているのである。 (ウ)本件談合に関する証拠a熱海市は,入札談合を予防する観点から,炉の方式を入札期日の間近まで決定せず,入札参加者を絞らないようにしていた。被控訴人P1は,性能要求が厳しい上,熱海市の設定した厳しい予算枠に収まるよう社内所定の積算手続を経て入札額を決定している。 予定価格については,各社が,いかに予定価格に近い金額で,予定価格を超過せずに一番低い札を入れるかについて,熾烈な競争を行っているのであり,また,積算ソフトを使えば,業者の積算と発注者の予定価格がかなり近づくので,落札率の高さは談合を推認させる事情にはならない。 b独禁法事件で収集した証拠にも,熱海市の本件工事について言及したものはない。 c以上のとおり,控訴人は,個別談合について,何ら具体的な立証をしていない。 ウ熱海市の損害の不存在熱海市に生じた損害については,何ら立証されていない。 エ熱海市の怠る事実について(ア)地方公共団体が損害賠償請求権を有していても,違法な怠る事実がなければ,住民は代位請求をすることはできない。そうすると,当該請求権の有無が争われている場合には,勝訴の見込み,訴訟への出費額,相手方の賠償能力,より確実な回収方法の有無等を考慮して,地方公共団体が損害賠償請求するか否かを判断すべきであり,請求権が存在していることが直ちに違法な怠る事実になるわけではない。 (イ)本件は,審決取消訴訟が提起されていて,控訴人の主張する本件談合の有無が確定されておらず,しかもアウトサイダーが2社入っ ,請求権が存在していることが直ちに違法な怠る事実になるわけではない。 (イ)本件は,審決取消訴訟が提起されていて,控訴人の主張する本件談合の有無が確定されておらず,しかもアウトサイダーが2社入っているのであるから,本件損害賠償請求権の存在が客観的に明らかとはいえない。また,最も効率的かつ適切な回収の方法として独禁法25条に基づく損害賠償請求権を選択する余地もある。したがって,本件損害賠償請求権を行使するか否かは,熱海市長の裁量に属するものであって,熱海市が本件損害賠償請求権を行使しないことが,違法な怠る事実に当たるということはできない。 なお,怠る事実の判断基準時は住民監査請求に対する判断がされた時であり,その後の事由は資料とならないので,本件は,平成12年9月21日を基準日として,怠る事実の有無を判断すべきである。 (3)被控訴人P3,同P7,同P5,同P4,同P6の主張ア本件談合の不存在被控訴人ら5社が本件談合をしたことはない。 本件談合があったといえるためには,少なくとも,談合の日時,場所, 回数等の特定及び具体的な談合内容の確定が必要であるが,控訴人は,これらについて何ら主張,立証をしていない。また,被控訴人ら2社が本件入札に参加しているが,これらへの協力要請したことの立証もされていない。 イ証拠の信用性等について(ア)本件基本合意に関する証拠a控訴人が談合の証拠として提出するP9,P10,P11,P12,P13の各供述調書の内容は,被控訴人P2,被控訴人P1,被控訴人P7に関するものでしかなく,被控訴人P3及び被控訴人P5の関係者の供述調書はない。しかも,上記5名のうち4名は被控訴人ら5社会合の参加者ではなく,ごみ焼却炉の営業経験の乏しいもので,談合があったとしても,これを知り得る立場にもなく,その内容 控訴人P5の関係者の供述調書はない。しかも,上記5名のうち4名は被控訴人ら5社会合の参加者ではなく,ごみ焼却炉の営業経験の乏しいもので,談合があったとしても,これを知り得る立場にもなく,その内容は,再伝聞ないし再々伝聞でしかない。したがって,その内容は,風聞の域を出ないものであって,信用性に欠ける。 bP14リスト(甲57)は,被控訴人P3の従業員が独自に業界内の競争相手の動向を折り込んで受注予想を記載した,年度別受注予想にすぎず,受注予定者リストではない。すなわち,ストーカ炉建設は,多くの下請業者を使用して現地で組み立てるものであり,大手5社といえども,年間5,6件が最大の受注許容量であるから,他社の営業活動の進捗状況等を注視して,自社の受注目標を絞り込んで集中的に営業するのである。営業活動により収集した情報量が多ければ多いほど,より緻密な積算が可能となり,競争入札上有利となる。そうすれ ば,他社が特に営業活動に注力している物件は自然と認識するところとなり,落札する可能性が高いことも予測し得るのである。現に,P14リストのS欄(ストーカ炉)は81工事中18件が一致している。 また,P14リストには,談合することが不可能な工事,すなわち競争入札ではなく,純粋な技術提案審査方法により選定されたメーカーとの特命随意契約になることが見込まれていたものも含まれている。 そうすると,仮に控訴人の主張するように81件のうち22件だけを取り上げて18件の予想が一致したとしても,不自然なことではない。 (イ)アウトサイダーに関する証拠控訴人は,本件基本合意による受注予定者である被控訴人P1が,アウトサイダーである被控訴人ら2社に対し,被控訴人P1が受注できるよう協力要請し,その協力を得たと主張するが,被控訴人ら2社が受注調整に協力したこと 基本合意による受注予定者である被控訴人P1が,アウトサイダーである被控訴人ら2社に対し,被控訴人P1が受注できるよう協力要請し,その協力を得たと主張するが,被控訴人ら2社が受注調整に協力したことはなく,P10メモにも,5社以外が入ったときはたたき合いになると記されているのである。 (ウ)落札率の評価控訴人は,本件入札における,被控訴人P1の落札率94.26%が著しく高い割合であり,談合がされたことが推認されると主張する。しかし,落札率は,個別の工事ごとに設定される予定価格によって容易に変動する相対的な数値であるから,相対的数値を平均し,その率が高いと議論しても意味がない。また,上記落札率は,被控訴人P4の平均落札率98.6%より低く,被控訴人ら5社が排除された後の平成12年5月の佐賀市発注のストーカ炉における落札率99.31%,平成12 年1月の東京都発注のストーカ炉の落札率98.41%より低い。したがって,落札価格が予定価格に近いこと自体が談合の存在を示すわけではなく,談合行為があったとすれば矛盾しないというにとどまるのである。 ウ熱海市の損害の不存在公共工事の競争入札における落札価格は,当該工事の種類や規模,参加している業者の数や各業者の事業規模,当該工事に対する受注意欲の多寡,入札当時の社会経済情勢(工事原価や製品原価),入札が行われた地域の特質等多種多様な要因が複雑に影響し合って形成されるものである。したがって,本件工事の落札価格が少なくとも20%以上低くなっていたなどということはできない。 エ熱海市の怠る事実(ア)地方公共団体において,談合が行われたと考えたとしても,損害賠償請求権が客観的に存在するか否かは明らかではないから,仮に,地方公共団体が損害の回復を図るとしても,地方公共団体は,収集可能な資料, 地方公共団体において,談合が行われたと考えたとしても,損害賠償請求権が客観的に存在するか否かは明らかではないから,仮に,地方公共団体が損害の回復を図るとしても,地方公共団体は,収集可能な資料,法的措置が奏功する見込み,回収の可能性,経費等を検討し,最も効率的かつ適切な回収方法を選択すべきであり,この点について裁量権がある。 (イ)上記損害の回復方法としては,民法709条の損害賠償請求権のほか,談合を認容する審決が確定すれば,無過失責任である独禁法25条に基づく損害賠償請求権を行使できる。 本件では,被控訴人ら5社は,公取委の審判審決の内容を全面的に争 っていて,審決取消訴訟が係属している。 そうすると,熱海市が,敗訴の危険を犯してまで,多額の費用を費やして民法709条による損害賠償請求権を行使しなければならない合理的な理由はなく,他方,審決の確定を待って独禁法25条に基づく損害賠償請求権の行使を検討するという判断は,最も効率的かつ適切な選択ということができる。 したがって,熱海市が被控訴人らに対し損害賠償請求権を行使しないことは,合理的裁量の範囲内のことであるから,熱海市は,上記損害賠償請求権について,財産の管理を違法に怠っているものとはならない。 (ウ)なお,怠る事実の違法性判断基準時は,住民監査請求に対する判断がされた時であり,その時点において違法に怠る事実の存在が認められなければ,その後に生じた事由如何にかかわらず,住民訴訟は却下又は棄却されるべきである。上記の基準時である平成12年9月21日の時点では,公取委の資料の閲覧謄写もできなかったのであるから,熱海市の対応は適切であったというべきである。 (4)被控訴人P2の主張ア本件談合の不存在被控訴人ら5社が本件談合をしたことはない。控訴人は,本件談合及びアウトサ もできなかったのであるから,熱海市の対応は適切であったというべきである。 (4)被控訴人P2の主張ア本件談合の不存在被控訴人ら5社が本件談合をしたことはない。控訴人は,本件談合及びアウトサイダーに対する協力依頼が行われた時期,場所,内容の主張すらもしていない。また,仮に基本合意があったとしても,受注予定者の決定基準の主張すらもないのであるから,本件入札が本件談合によって行われたものと推認することもできない。 イ証拠の信用性等について(ア)P9の供述調書(甲32,45)は,立入調査の日に審判官の先入観により作成されたものであること,P9には他社との間で受注調整を行う権限もなく,その後一貫して談合を否認していること(丁3ないし27)から,信用性に欠ける。 (イ)P10,P11,P12,P13の各供述調書は,同人らは5社会合への出席者でなく,伝聞ないし再伝聞にすぎないから,証拠価値がない。 (ウ)P14リスト(甲57)には,流動床炉市場に参入していない被控訴人P5が平成8年に3件,平成9年に2件流動床炉を受注すると記載されている。また,被控訴人P2が平成9年○-Fα受注と記載されているが,被控訴人P2はこれを受注していない。さらに,被控訴人P3,被控訴人P1は流動床炉も手がけていたが,前者は平成9年以降,後者は平成10年以降,F欄に1件も記載がなく,また,本件リストによる落札者と実際とが一致しないものがある。加えて,受注調整困難な技術提案審査方式による発注が見込まれていた大阪ーβ,大阪ーγ,大阪ーδも記載されている。 したがって,P14リストは,平成7年9月28日当時,被控訴人P3が受注予測した社内資料にすぎない。本件工事の入札は,P14リスト作成の11か月後であるから,被控訴人P3の担当者が,熱海市工事について, って,P14リストは,平成7年9月28日当時,被控訴人P3が受注予測した社内資料にすぎない。本件工事の入札は,P14リスト作成の11か月後であるから,被控訴人P3の担当者が,熱海市工事について,被控訴人P1が最有力と予想したものであり,これが的中したとしても不思議でない。 ウ熱海市の損害の不存在熱海市に損害が発生したことの立証はない。 エ熱海市の怠る事実(ア)地方公共団体の長は,談合による損害について,民法709条と独禁法25条の各損害賠償請求権のいずれかを行使することができるので,事案ごとに,立証可能性,費用負担等を慎重に考慮し,最も適切な損害の回復のための方法を選択すべきである。 (イ)本件では,被控訴人ら5社は審決取消訴訟を提起して,公取委の審決を争っているのであるから,熱海市長が,不法行為に基づく損害賠償請求権の存否が不明確であるとしてその行使を留保し,審決の確定を待って独禁法25条に基づく損害賠償請求を行うという選択をすることには合理性がある。したがって,熱海市長が民法709条の損害賠償請求権を行使しないことが違法に財産の管理を怠っていることにならない。 (ウ)なお,怠る事実の違法性判断の基準時は,住民監査請求に対する判断がされた時である。そうすると,平成12年8月1日を基準日とすることになるが,この時点では本件審判手続が開始されて日が浅く,その帰趨を予測できなかったのであるから,熱海市が審判の成り行きを見守る対応をしたことが,違法な怠る事実に当たらないことは明らかである。 第3当裁判所の判断 本件で判断すべき実体上の要件について法242条の2第1項4号の規定に基づくいわゆる代位請求に係る住民訴訟(以下「4号訴訟」という。)は,法242条1項所定の地方公共団体の執行 機関又は職員による同項所定の一 実体上の要件について法242条の2第1項4号の規定に基づくいわゆる代位請求に係る住民訴訟(以下「4号訴訟」という。)は,法242条1項所定の地方公共団体の執行 機関又は職員による同項所定の一定の財務会計上の違法な行為又は怠る事実によって地方公共団体が被った損害の回復又は被るおそれのある損害の予防を目的とするものであり,地方公共団体が,上記目的のため,当該職員又は当該違法な行為若しくは怠る事実に係る相手方に対し,法242条の2第1項4号に掲げられる請求権を実体法上有するにもかかわらず,これを積極的に行使しようとしない場合に,住民が地方公共団体に代位し当該請求権に基づき提起するものである(最高裁昭和52年(行ツ)第128号,同57年7月13日第三小法廷判決,民集36巻6号970頁等参照)。ところで,本件は,熱海市の住民である控訴人が,違法な本件談合により熱海市に損害が発生しているところ,熱海市長が被控訴人らに対する不法行為に基づく損害賠償請求権(これは,法237条1項及び240条1項にいう地方公共団体の財産ないし債権に当たる。)の行使を違法に怠っている(すなわち,違法に財産の管理を怠っている)と主張して,提起した4号訴訟であるから,本件で実体上判断すべき要件は,①控訴人主張に係る損害賠償請求権が存在すること,②当該損害賠償請求権を行使しないことが財務会計上違法であることの2点であると解される。なお,②の点は,訴訟物である損害賠償請求権そのものに係る要件ではないが,4号訴訟の上記特質に照らすと,この怠る事実が違法かどうかも当然審理判断の対象に含まれ,かつ,それは本案の実体要件になると解するのが相当である(最高裁平成12年(行ヒ)第246号,同16年4月23日第二小法廷判決,民集58巻4号892頁等参照。なお,同項3号の「当該怠る事実 に含まれ,かつ,それは本案の実体要件になると解するのが相当である(最高裁平成12年(行ヒ)第246号,同16年4月23日第二小法廷判決,民集58巻4号892頁等参照。なお,同項3号の「当該怠る事実の違法確認請求」においては,「怠る事実の違法」は本案の実体要件となることが明らかであるが,それとの対比からしても,この点は明らかである。)。 そこで,本件では,まず①の損害賠償請求権の有無の点から判断していくこととする(①,②共に本案の実体要件と解されるから,必ず②の要件から先に判断していかなければならないとはいえないというべきである。)。 被控訴人らに対する不法行為に基づく損害賠償請求権の有無この点を判断するため,まずごみ処理施設工事の発注の実態やストーカ炉の建設市場における被控訴人ら5社の占める地位等を検討し,それを前提にして本件基本合意の有無を検討し,更に本件工事において本件談合及び本件協力がされたか否かを検討することとする。 (1)ごみ処理施設工事発注の実態と被控訴人らのストーカ炉の建設市場において占める地位等について前記前提となる事実,関係証拠(甲171,172及び関係箇所に掲記の各証拠)及び弁論の全趣旨を総合すれば,次のとおりの事実が認められる。 アごみ処理施設について(甲19ないし25)(ア)ごみは,大まかにいうと,家庭生活の営みに伴って排出される一般廃棄物と,事業者の事業活動に伴って排出される産業廃棄物とに区分され,廃棄物の処理及び清掃に関する法律により,一般廃棄物は市町村(なお,東京都特別区にあっては,本件当時東京都である。以下同じ。)が処理し,産業廃棄物は排出した事業者が自らの責任において処理することになっている。 このため,市町村は,その区域内で排出される一般廃棄物を処理するために単独で又は他の市町村とと ある。以下同じ。)が処理し,産業廃棄物は排出した事業者が自らの責任において処理することになっている。 このため,市町村は,その区域内で排出される一般廃棄物を処理するために単独で又は他の市町村とともに一部事務組合又は広域連合(いずれも地方自治法に定める地方公共団体の組合)を結成してごみ処理施設 を整備しており,国は,市町村,一部事務組合及び広域連合等の地方公共団体が一般廃棄物を円滑かつ適正に処理するために行うごみ処理施設の整備事業について,補助金を交付している。 (イ)地方公共団体が整備するごみ処理施設は,ごみの処理方法により,①ごみ処理施設,②ごみ燃料化施設,③粗大ごみ処理施設,④廃棄物再生利用施設及び⑤高速堆肥化施設等に区分される。このうち,ごみ処理施設は,燃焼装置である焼却炉を中心に,ごみ供給装置,灰出し装置,排ガス処理装置等の焼却処理設備を配置し,ごみの焼却処理を行う施設である。 (ウ)ごみ処理施設は,1日当たりの稼働時間により,①24時間連続稼動する全連続燃焼式(以下「全連」という。),②16時間稼動する准連続燃焼式(以下「准連」という。)及び③8時間稼動するバッチ燃焼式に区分される。また,ごみ処理施設は,採用される燃焼装置の燃焼方式により,①ストーカ式燃焼装置(ごみをストーカ上で乾燥して焔燃焼させ,次に,おき燃焼させて灰にする装置をいう。)を採用する焼却施設(以下「ストーカ炉」という。),②流動床式燃焼装置(けい砂等の不活性粒子層の下部から,加圧した空気を分散供給して,不活性粒子を流動させ,その中でごみを燃焼させ,灰にする装置をいう。)を採用する焼却施設(以下「流動床炉」という。),③ガス化溶融式焼却施設(以下「ガス化溶融炉」という。)があり,ストーカ炉及び流動床炉が主要機種であるが,ガス化溶融炉も導入されるよ る装置をいう。)を採用する焼却施設(以下「流動床炉」という。),③ガス化溶融式焼却施設(以下「ガス化溶融炉」という。)があり,ストーカ炉及び流動床炉が主要機種であるが,ガス化溶融炉も導入されるようになってきている。 (エ)地方公共団体が発注するストーカ炉の建設工事には,新設,更新, 増設,改造及び補修工事がある。新設工事とは,ごみ処理施設を新たに建設することであり,更新工事とは,老朽化したごみ処理施設の建替えや老朽化した焼却炉などの入替えを行うことであり,増設工事とは,既設のごみ処理施設の処理能力を増加させるため,当該施設の一部として焼却炉等を新たに増設することであり,新設,更新及び増設工事のいずれも,ごみの焼却処理に必要な施設又は設備を新たに建設又は整備することである。また,改造工事とは,ダイオキシン対策推進等のため,既設のごみ処理施設の一部を改造すること,補修工事とは,既設のごみ処理施設の一部を補修することである。 イごみ処理施設の発注方法等(甲20ないし33,44)(ア)発注までの概略地方公共団体は,ごみ処理施設を建設する実行年度の前々年度以前にごみ処理基本計画を策定する。ごみ処理基本計画において,地方公共団体は,将来の人口の増減予測に基づいてごみの種別ごとの排出量を推計し,リサイクルできるごみの量や地域内で処理が必要なごみの量などを把握した上,その処理のために設置すべき施設の整備計画の概要を取りまとめる。地方公共団体は,その後,ごみ処理施設の建設用地の選定,環境アセスメント,都市計画の決定等の手続を経た上で,実行年度の前年度にごみ処理施設整備計画書を作成し,都道府県を経由して国に同整備計画書を提出する。その際,工事費用等を把握するため,将来の入札に参加させられる施工業者(最低3社)を選定し,工事の仕様等を提示 年度にごみ処理施設整備計画書を作成し,都道府県を経由して国に同整備計画書を提出する。その際,工事費用等を把握するため,将来の入札に参加させられる施工業者(最低3社)を選定し,工事の仕様等を提示して「参考見積金額」を徴している。また,整備計画書作成時に仕様書 に基づく見積設計図書を作成してもらう。そして,国が国庫補助事業として予算計上した地方公共団体のごみ処理施設整備事業については,予算計上後に内示が行われ,当該地方公共団体は,この内示を受けた後に一般競争入札,指名競争入札,指名見積り合わせ又は特命随意契約のいずれかの方法により,工事を発注する。 地方公共団体は,整備すべきごみ処理施設が焼却施設である場合,通常,ごみ処理施設整備計画書の作成時点までに,あらかじめ当該施設の燃焼方式をいずれとするか定めているが,燃焼方式を一つに定めずに発注手続を実施する場合もある。 (イ)発注方法a地方公共団体は,全連及び准連ストーカ炉の新設,更新及び増設工事(以下「ストーカ炉の建設工事」という。)を指名競争入札,一般競争入札,指名見積り合わせ又は特命随意契約の方法により発注しているが,ほとんどは指名競争入札,一般競争入札又は指名見積り合わせ(以下「指名競争入札等」という。)の方法によっている。また,地方公共団体は,ストーカ炉の建設工事の発注に当たり,ほとんどの場合,ごみ処理施設を構成する機械,装置の製造及び据付工事並びに土木建築工事を一括して,プラントメーカー(後記ウ(ア)参照)又はプラントメーカーと土木建築業者による共同企業体(以下「JV」という。)に発注しているが,ごみ処理施設を構成する機械,装置の製造及び据付工事と土木建築工事とを分離して,前者をプラントメーカーに,後者を土木建築業者に,それぞれ発注する場合もある。 b地方公 う。)に発注しているが,ごみ処理施設を構成する機械,装置の製造及び据付工事と土木建築工事とを分離して,前者をプラントメーカーに,後者を土木建築業者に,それぞれ発注する場合もある。 b地方公共団体は,指名競争入札又は指名見積り合わせの方法で発注するに当たっては,入札参加資格申請をした者のうち,地方公共団体が競争入札参加の資格要件を満たす者として登録している有資格者の中から指名競争入札又は指名見積り合わせの参加者を指名している。 また,一般競争入札に当たっても,資格要件を定め,一般競争入札に参加しようとする者の申請を受けて,その者が当該資格要件を満たすかどうかを審査し,資格を有する者だけを一般競争入札の参加者としている。 (ウ)発注件数及び金額平成6年度から平成10年度までの間に,地方公共団体が指名競争入札等の方法により発注したストーカ炉の建設工事の契約件数は87件,発注トン数(1日当たりのごみ処理能力トン数)は2万3529トンであり,発注金額(受注業者の落札金額による。以下同じ。)は約1兆1031億円である。 ウストーカ炉の建設工事市場における被控訴人ら5社の地位(甲27,33,34,44,87,96,117)(ア)被控訴人らの概要被控訴人ら5社は,全連及び准連ストーカ炉を構成する機械及び装置を製造し,これらを有機的に機能させるための据付工事を行うとともに,設備機器を収容する工場棟その他の土木建築工事も行って,当該ごみ処理施設の建設を行う業者であり,プラントメーカーといわれている。 (イ)プラントメーカー ストーカ炉の建設工事のプラントメーカーとしては,平成6年度から平成10年度までの間において,被控訴人ら5社のほかに,株式会社P15(平成6年10月にP16株式会社を吸収合併,以下「P15」という。),被控訴人 設工事のプラントメーカーとしては,平成6年度から平成10年度までの間において,被控訴人ら5社のほかに,株式会社P15(平成6年10月にP16株式会社を吸収合併,以下「P15」という。),被控訴人P4,被控訴人P6,P17株式会社(以下「P17」という。),P18株式会社(以下「P18」という。),株式会社P19(以下「P19」という。),P20株式会社(以下「P20」という。),P21株式会社(以下「P21」という。),P22株式会社(以下「P22」という。),P23株式会社(以下「P23」という。),P24株式会社(以下「P24」という。),P25株式会社(以下「P25」という。),株式会社P26(以下「P26」という。),P27株式会社(以下「P27」という。),P28株式会社(以下「P28」という。),P29株式会社(以下「P29」という。)等が存し,熾烈な受注競争が行われていた。 (ウ)被控訴人ら5社の受注実績等ストーカ炉(100トン/日以上)の建築工事について,平成3年度から平成7年度(同年9月11日まで)の5年間に発注者である地方公共団体から指名を受けた実績は,被控訴人ら5社は約85%から95%と高かったが,被控訴人ら5社以外のP15は約24%,被控訴人P4は約17%,P17は約5%,P18は約4%,被控訴人P6は約2%にとどまるものであった(甲33,96,87,117)。また,平成4年から平成9年までのストーカ炉受注トン数の実績は,被控訴人P5が約15%,被控訴人P7が約14.5%,被控訴人P2が約11.9 %,被控訴人P1は約11.8%,被控訴人P3は約8.9%であった。 他方,被控訴人ら5社以外のP15は約3.9%,被控訴人P4は約3. 6%,被控訴人P6は約3%,P18は約1%であった。このような受注実績 訴人P1は約11.8%,被控訴人P3は約8.9%であった。 他方,被控訴人ら5社以外のP15は約3.9%,被控訴人P4は約3. 6%,被控訴人P6は約3%,P18は約1%であった。このような受注実績等から,被控訴人ら5社は大手5社と称されていた。 (2)被控訴人ら5社の本件基本合意の有無についてア本件会合の開催関係証拠(甲45,62ないし65,80,82,98,99,101,102,146,150)及び弁論の全趣旨によれば,次のとおりの事実が認められる。 (ア)被控訴人ら5社の営業担当者が出席する会議は,多様で回数も多かったが,その中で,被控訴人ら5社は,ストーカ炉に関する営業部署の部長,課長等が出席する会合(以下「本件会合」という)を,遅くとも平成6年4月以降,各社持ち回りで月1回程度開催していた。 (イ)この会合には,被控訴人P2から機械事業本部環境装置第1部環境装置1課長(平成8年4月以前は同課主務)のP9が,被控訴人P5から環境・プラント事業本部環境P30営業部長のP31が,被控訴人P1から環境第1営業部第1営業室長(平成10年1月以前は環境プラント営業部第1営業室チーム主査)のP32が,被控訴人P7から環境プラント統轄本部P33環境プラント部第2課長のP34が,被控訴人P3から平成8年4月以前は機械・環境・エネルギー事業本部環境装置営業本部環境装置第1営業部長のP35が,同月以後は機械・環境・エネルギー事業本部環境装置営業本部営業開発第2部長(平成9年6月以前 は機械・環境・エネルギー事業本部環境装置営業本部環境装置第1営業部主査(課長待遇),同月以後平成10年1月以前は機械・環境・エネルギー事業本部環境装置営業本部環境装置第1営業部長)のP36が,それぞれ出席していた。 (ウ)上記時期における本件会合への出席 業部主査(課長待遇),同月以後平成10年1月以前は機械・環境・エネルギー事業本部環境装置営業本部環境装置第1営業部長)のP36が,それぞれ出席していた。 (ウ)上記時期における本件会合への出席者は,上記P35からP36への交替以外には,メンバーの変更はなく,これらの者は,被控訴人ら5社の本社のごみ処理施設の営業担当部署の部長若しくは課長又はこれらとほぼ同等待遇の者であり,地方公共団体発注に係るストーカ炉の建設工事の選定や入札価格の決定に実質的に関与し得る立場にあった者である。 (エ)本件会合は,少なくとも,平成8年12月9日,平成9年9月29日,平成9年10月16日,平成10年1月30日,同年3月26日に開催され,ストーカ炉について,何らかの話合いが行われている。 イ控訴人の主張に沿う関係者の供述等(ア)被控訴人P2社員のP9は,ごみ処理プラントの官公庁部門の営業の実質的な責任者として,受注物件,販売価格等の決定に実質的に関与し,本件会合の参加者でもあったが,平成10年9月17日(公取委が被控訴人P2に対する立入検査を実施した日),公取委で行われた審査官からの事情聴取に対して,大要,次のとおり供述した(甲32,45)。 すなわち,平成6年4月以降,被控訴人ら5社の会合に出席するようになった,会合の出席者は,地方公共団体からストーカ炉の建設工事の 発注が予定される物件について情報を把握しており,どのような物件があるかについて,共通の認識を有していた,各出席者は,各発注予定物件についてそれぞれ受注を希望するか否かを表明し,受注希望者が1社の場合には,当該会社がチャンピオン,すなわち受注予定者となり,受注希望者が2社以上の場合には,希望者同士が話し合って受注予定者を決定していた,受注予定者を決めるに当たっては,各社が受注す 者が1社の場合には,当該会社がチャンピオン,すなわち受注予定者となり,受注希望者が2社以上の場合には,希望者同士が話し合って受注予定者を決定していた,受注予定者を決めるに当たっては,各社が受注するごみ処理施設の処理能力の合計が平等になるように受注予定者を決めていた,各発注予定物件は,ごみ処理施設の処理能力によって,1日の処理能力が400トン以上を「大」,200トン以上400トン未満を中,200トン未満を「小」と,規模別に3つに区分し,それぞれに分けて受注予定者を決めていた,被控訴人ら5社以外のプラントメーカーが発注者から指名された場合には,受注予定者が上記指名業者に対して個別に自己が受注できるように協力を求めていた,上記指名業者が相当回数協力してくれており,時には上記指名業者にも受注させる必要が生じたような場合には,受注予定者が本件会合で了承を受けて,上記指名業者に受注させていた,受注予定者は,指名を受けた発注物件について積算し,被控訴人ら5社に対し,入札の際に書き入れる金額を電話等で連絡して協力を求めていた,というものであった。 P9が作成し所持していた手帳(甲109)には,受注が予測される400トン未満のごみ処理施設を地方公共団体名で列挙したとみられるリストが記載されているが,その脇に,「1順目は自由,2順目は自由,3順目は200T/日未満12/9」,「□印8件は別扱い」,「バ ッティングしたら12/18までに決着」(なお,「12/9」はこの前からの記載に照らして,平成8年12月9日を指すものと推認される)などと上記供述に沿うような記載がされていた。 (イ)被控訴人P1社員のP10は,平成8年7月から,被控訴人P1P37支社の機械プラント部環境プラント営業室長を務めていたが,平成10年9月18日,公取委で行われた審査 ような記載がされていた。 (イ)被控訴人P1社員のP10は,平成8年7月から,被控訴人P1P37支社の機械プラント部環境プラント営業室長を務めていたが,平成10年9月18日,公取委で行われた審査官からの事情聴取に対して,大要,次のとおり供述した(甲43)。 すなわち,P37支社では,近畿一円の官公庁が発注するごみ処理施設の見積価格や入札価格については,すべて本社の環境プラント第2営業部第1営業室から指示された価格で対応していた,平成8年秋から冬にかけて,本社の環境プラント営業部第2営業部長(現環境エンジニアリング本部環境第2営業部長)のP38,同部第1営業室長のP39及び第1営業室係長のP40と飲食店で飲食した際,同人らから,ごみ処理施設の受注調整の内容を聞いた,その内容は,被控訴人ら5社のみで指名競争入札が行われる場合には,被控訴人ら5社の間で取り交わされた5社のルールによってあらかじめ受注物件ごとに「チャンピオン」と呼ばれる受注予定者が決まる,5社の担当者が集まる「張り付け会議」と呼ばれる会議を年1回開催して,そこで,本件5社が有しているストーカ炉の受注予定物件について,5社に平等に割り当てられるように,物件ごとにあらかじめ「チャンピオン」を決める,そこでの割当の方法は,まず各社が受注希望を述べ,希望者が1社だけの場合には当該会社が「チャンピオン」になり,希望者が複数の場合にはその場で調整をす る,1日のごみ処理能力によって受注予定物件を規模別に3つに区分し,それぞれに分けて「チャンピオン」を決める,3つの区分とは,1日のごみ処理能力が400トン以上の大規模物件,100トン以上400トン未満の中規模物件,100トン未満の小規模物件の3つである,「チャンピオン」は当該受注予定物件について受注する権利を持つとともに,被控訴 理能力が400トン以上の大規模物件,100トン以上400トン未満の中規模物件,100トン未満の小規模物件の3つである,「チャンピオン」は当該受注予定物件について受注する権利を持つとともに,被控訴人ら5社以外のプラントメーカーが入札に参加しないように発注する地方公共団体に働き掛ける義務を持つ,指名競争入札が数年後に行われた場合でも,この合意内容は履行される,被控訴人ら5社以外のプラントメーカーが入札に参加することとなった場合には「たたき合い」が生じることもあり,「チャンピオン」が必ずしも受注できないという事態も想定されるが,その場合でも,本件5社は補填といった面倒はみない,というものであった。 P10は,P38らから上記受注調整の話を聞いた約1週間後に,ごみ処理施設受注に関して部下に指導をするために,聞いた内容をメモ(甲35)にまとめた。上記メモには,上記内容のほか,「比率は5社イーブン(20%)」,「20%のシェアを維持する方法は受注トン数/指名件数」などと上記供述に沿う記載がされていた。 (ウ)被控訴人P2社員のP11は,平成8年3月から,P41支社の機械1課に配属され,同年4月から,同課課長となり,官公庁相手のごみ処理施設等の営業を担当していたが,平成10年9月18日,平成11年7月26日及び同月27日,公取委で行われた審査官からの事情聴取に対して,大要,次のとおり供述した(甲41,42,48,62)。 すなわち,平成8年3月に前任者のP42から引継ぎを受けた際,ごみ処理施設の受注については,被控訴人ら5社が,機会均等に受注するために,受注予定者(チャンピオン)を決めて受注予定者が受注できるように仲良く話し合うという慣行がある,実際の入札で特定の受注予定物件についてどの業者が受注予定者となるかについては,各社の本社レベ ために,受注予定者(チャンピオン)を決めて受注予定者が受注できるように仲良く話し合うという慣行がある,実際の入札で特定の受注予定物件についてどの業者が受注予定者となるかについては,各社の本社レベルで話合いが行われていると聞いたが,現時点において,受注調整が行われなくなったとは聞いていない,というものであった。 P11は,P42から引き継いだ内容をその場でメモし,後日これを備忘録として清書したメモ(甲39)を作成している。上記メモには,「5社機会均等」「全連24H/DAY:東京仲」,「准連18H/DAY:東京仲」,「機バ8H/DAY:」などと上記供述に沿う記載がされている。 (エ)被控訴人P2社員のP12は,昭和62年5月に,P41支社の化学環境装置課(その後,同課は,平成元年か2年ころに機械1課と名称を変更している)に配属となり,平成元年4月から,同課において,官公庁相手のごみ処理施設等の営業を担当するようになったが,平成11年2月4日及び同月5日,公取委で行われた審査官からの事情聴取に対して,大要,次のとおり供述した(甲46,67)。 すなわち,前任者のP43の退職に伴い官公庁相手のごみ処理施設等の営業を担当するようになった際,P43から,「業界(機種別)の概況について」と題する文書を引き継ぐとともに,ストーカ炉の受注については被控訴人ら5社の間に受注調整のための協定が存在し,地方公共 団体が発注するごみ処理施設を受注する機会を均等化しているとの説明を受けた,ごみ処理施設の営業を担当するようになってからも,このような受注調整行為は行われており,現時点においても,行われなくなったとは聞いていない,このような受注調整行為は,支社レベルではなく本社レベルで行われており,管理職以上の課長クラスの者が対応しているものと思う,本社か 行われており,現時点においても,行われなくなったとは聞いていない,このような受注調整行為は,支社レベルではなく本社レベルで行われており,管理職以上の課長クラスの者が対応しているものと思う,本社からは,地方公共団体等に対する営業活動に当たっては,「大手5社に絞り込め」と言われ,地方公共団体等が発注するごみ処理施設の入札の指名を受ける業者を被控訴人ら5社のみとさせるような営業活動を行うように指示を受けていた,そのため,発注予定物件の情報を得た場合には,過去の実績表を持参し,過去の実績のある会社,すなわち被控訴人ら5社に指名を絞らせるために,地方公共団体等に対して「大手5社に頼むのがいいですよ」などと売り込んで,地方公共団体等の行う指名を本件5社に絞らせるような営業活動を行っていた,P41支社では各年度において営業目標として必注案件を設定し,これを本社に報告している,本件5社の間には,指名を得た件数又は処理トン数を分母とした一定の計算式があるのではないかと考えられる,というものであった。 P12がP43から引き継いだ文書(甲37)には,「※全連:大手5社有.受注機会均等化(山積)…極力5社のメンバーセットが必協○要(他社介入の時は条件交渉を伴う)「(他社案件でも指名入りで分母積み上げを図る要あり)」などと上記供述に沿う記載がされている。 (オ)被控訴人P7社員のP13は,平成10年6月から被控訴人P7の環境プラント本部本部長を務めており,ごみ処理施設等の営業責任者であったが,平成10年9月17日,公取委で行われた審査官からの事情聴取に対して,大要,次のとおり供述した(甲44)。 すなわち,被控訴人P7の環境プラント本部営業部長から,受注を獲得するための営業方針として,何としてもP7が受注したいという物件については,P7が他 取に対して,大要,次のとおり供述した(甲44)。 すなわち,被控訴人P7の環境プラント本部営業部長から,受注を獲得するための営業方針として,何としてもP7が受注したいという物件については,P7が他社との間で話合いを行い,当社の入札価格よりも高い価格で他社が入札することについて応じてもらい,他社の協力を得て受注する,他方,他社がどうしても受注したいという物件については当社が協力するとの話を聞いた,というものである。 (カ)他方,談合の存在を否定するP9など被控訴人ら5社の各社員の供述調書等(甲120,121,丙10ないし16,丁3ないし27)も存在する。 ウ談合行為の存在をうかがわせる社内文書(ア)平成7年9月ころに作成された文書a関係証拠(甲57)及び弁論の全趣旨によれば,被控訴人P3の機械・環境・エネルギー事業本部環境装置営業本部P44営業部参事であったP14は,P14リスト(「年度別受注予想H07.09. 28」と題するリスト)を作成,所持していたこと,P14リストには,平成7年9月28日の時点で,平成8年度以降,地方公共団体からの発注が見込まれるごみ処理施設建設工事が,年度別(平成8年度,9年度,10年度,11年度及び平成12年度以降の5分類)及び工 事内容別(「-S」(ストーカ炉と思われる)と「-F」の2分類)に区分されて記載され,「-S」欄の工事は,合計79件が記載されるとともに,各工事ごとに,受注予定者として,被控訴人P3の略語と思われる「○」,被控訴人P2の略語と思われる「○」,被控訴人P5の略語と思われる「○」,被控訴人P1(旧社名P8)の略語と思われる「○」,被控訴人P7の略語と思われる「○」の文字などが記載されていたこと,P14リストの平成8年度に発注見込みとして記載されたストーカ炉工事15件のう ,被控訴人P1(旧社名P8)の略語と思われる「○」,被控訴人P7の略語と思われる「○」の文字などが記載されていたこと,P14リストの平成8年度に発注見込みとして記載されたストーカ炉工事15件のうち12件が,平成9年度に発注見込みとして記載されたストーカ炉工事21件のうち9件が,平成10年度に発注見込みとして記載されたストーカ炉工事7件のうち1件の合計22件が実際に発注されていること,そして上記実際に発注された22件のストーカ炉工事のうち,被控訴人P4が落札した3件及び被控訴人P5が落札した1件を除いた残りの18件については,実際の受注者は同リストで「○」,「○」,「○」,「○」,「○」の略号で表示されたとおり,被控訴人ら5社のうちの上記文字に対応する各社が受注していることが認められる。 b上記のとおり,P14リストに記載されたストーカ炉工事の受注者の的中率が極めて高いことに照らすと,P14リストが単なる受注業者の予測とみるのは不自然であり,被控訴人ら5社が,平成7年9月ころ,平成8年以降に受注が決まるストーカ炉工事の受注予定者について何らかの話合いをし,その結果が反映していると考えても,不自然ではない。 (イ)平成8年12月ころに作成された文書a被控訴人P2社員のP9が作成,所持していた手帳(甲109)には,受注が予測される400トン未満のごみ処理施設を地方公共団体名で列挙したとみられるリストが記載されているが,その脇に,「1順目は自由,2順目は自由,3順目は200T/日未満12/9」,「□印8件は別扱い」,「バッティングしたら12/18までに決着」(なお,「12/9」はこの前からの記載に照らして,平成8年12月9日を指すものと推認される。)などと記載されていたことは,前記(2)アで認定したとおりである。 b関 したら12/18までに決着」(なお,「12/9」はこの前からの記載に照らして,平成8年12月9日を指すものと推認される。)などと記載されていたことは,前記(2)アで認定したとおりである。 b関係証拠(甲122)及び弁論の全趣旨によれば,被控訴人P1の環境第二営業部社員のP45が作成,所持していた平成8年の手帳には,受注が予想される400トン未満のごみ処理施設を地方公共団体名で列挙したとみられるリストが記載されているが,リストの下に,「①200t/日以上,②200t/日未満,」,「12/9,2件①,②双方から,さらに1件②から,合計3件」などと記載されていた。 c被控訴人P2社員のP9及び被控訴人P1社員のP45の上記各メモ内容に照らすと,平成8年12月9日の会合において,地方公共団体が発注するごみ処理施設について,順番に受注希望を表明する方法で受注業者を決めるような話合いがされていたものと推認しても不自然ではない。 (ウ)平成9年9月ころに作成された文書 a関係証拠及び弁論の全趣旨によれば,①被控訴人P1の環境第二営業部社員のP45は,平成9年9月1日付けの,ストーカ炉を処理能力別に地方公共団体名で列挙したとみられる手書きのリスト(甲103)を所持していたが,この「全連(400t以上)」の頁の上部には,「9/11大・中・小対象物件確定」,「全連小型(200t未満)9/292~3件,大型10/16,1件,中型10/29,2件?」などと記載されていたこと,②P45は,平成9年9月1日付けリストと同様の形式による平成9年9月11日付けのストーカ炉の手書きリスト2通(甲105,145)を所持していたが,その各表紙に,「全連200t未満3件9/29(月)」,「〃200t以上~400t未満2件10/29(水)」,「 月11日付けのストーカ炉の手書きリスト2通(甲105,145)を所持していたが,その各表紙に,「全連200t未満3件9/29(月)」,「〃200t以上~400t未満2件10/29(水)」,「〃400t以上1件10/16(木)」などと記載されていたこと,③被控訴人P3の平成9年9月ころ作成の社内文書(甲119)には,平成10年以降に発注が予想されるストーカ炉を地方公共団体名で列挙したリストが記載されているが,これには,高萩市に「○1」,北上地区に「○2」,江南丹波に「○1」,横手平鹿に「○2」,福島市に「○1」,八千代市に「○1」,西村山に「○1」,上牧・河合に「○2」,常陸太田に「○1」,松阪市に「○2」,欄外に「○3パス」などと記載されており,これらアルファベットは順に被控訴人P1,被控訴人P2,被控訴人P3,被控訴人P5,被控訴人P7の略称とうかがわれ,番号は何かの回数が記載されているものとうかがわれること,④上記②の被控訴人P1のストーカ炉のリスト(上記P4 5が所持していた400トン以上,400トン未満200トン以上,200トン未満に区別されたリスト。甲105)と,被控訴人P3の上記③のストーカ炉のリスト(甲119)を対比すると,400トン以上の工事22件はすべて一致し,400トン未満200トン以上の工事は1件を除き29件が一致し,200トン未満の工事は数件を除き96件が一致していることが認められる。 b上記被控訴人P1及び被控訴人P3のリストによれば,被控訴人ら5社が,受注予想工事について情報交換を行った上,受注希望表明などにより,何らかの受注予定者の調整をしていたものと推認しても不自然ではない。 (エ)平成9年12月から平成10年1月ころに作成された文書a関係証拠及び弁論の全趣旨によれば,①被控訴人 望表明などにより,何らかの受注予定者の調整をしていたものと推認しても不自然ではない。 (エ)平成9年12月から平成10年1月ころに作成された文書a関係証拠及び弁論の全趣旨によれば,①被控訴人P1の環境第一営業部の統括スタッフであるP46が所持していた平成9年12月17日付けリスト(甲101)は,ストーカ炉工事を地方公共団体名で列挙し,処理能力に応じて「全連(400t以上)」,「全連(200t以上400t未満)」,「全連(200t未満)」に区分したものであるが,「全連(200t以上400t未満)」の欄に「1/20対象物件見直し400t以下,+α1件残」,「1/30張付け」などと記載されていたこと,②被控訴人P5環境事業部P30営業部は,ストーカ炉工事を地方公共団体名で列挙し,処理能力に応じて「大型」,「中型」,「小型」で区分したリストを平成10年1月27日ころファクシミリ送信(甲98)し,この送信書には,「中型の対象 物件送付します。1/30ハリツケする予定です」と記載されていること,③被控訴人P1の上記①のリスト(甲101)と被控訴人P5の上記②のリスト(甲98)は,一部一致しないものもあるが,概ね一致し(大型の16件,中型の23件,小型の84件が一致),400トン未満の工事については,物件名及び処理トン数がほぼ一致することが認められる。 b上記被控訴人P1のリストと被控訴人P5のリストに照らすと,被控訴人ら5社が,受注予想工事について何らかの情報交換を行っていたものと推認しても不自然ではない。 (オ)平成10年9月ころに作成された文書a関係証拠(甲34,64,80,81)及び弁論の全趣旨によれば,被控訴人P2社員のP9,被控訴人P1社員のP32,被控訴人P7社員のP34,被控訴人P5社員のP31,被控訴人P3社 成された文書a関係証拠(甲34,64,80,81)及び弁論の全趣旨によれば,被控訴人P2社員のP9,被控訴人P1社員のP32,被控訴人P7社員のP34,被控訴人P5社員のP31,被控訴人P3社員のP36が,平成10年9月14日の午後1時30分から2,3時間会合を持ったこと,上記会合について,①被控訴人P5環境事業本部P47営業部長の所持する平成10年手帳(甲164)の9月14日欄には,「(東)リストアップ」と記載されていること,また,②被控訴人P2の環境装置第1課のP48の所持したノート(甲110)には,「 小リストアップ9/1413:30~大調査9/3015:00~10小対象案件確定,張付け数何件? 大決」と記載されていること,さらに,③被控訴人P1環 境エンジニアリング本部環境第2部長P38の所持する平成10年9月16日付け「物件調査および希望物件のリストアップ」と題する社内資料(甲104)には,「検討スケジュール」として,「①9/28(月)対象物件調査→(9/30(水))希望物件リストアップ②10/12(月)同上(2回目)→10/14(水)で対象物件確定③11/9(月)希望物件最終案→11/11(水)」と記載されていることが認められる。 b平成10年9月14日開催の会議に関する上記メモによれば,被控訴人ら5社が受注予想工事について情報交換を行った上,受注予定者の調整について話し合っていたものと推認しても不自然ではない。 (カ)数値の算出a関係証拠及び弁論の全趣旨によれば,①被控訴人P2の環境装置1課主務であるP48は,自己のノート(甲114)にストーカ炉の受注に関して,受注工事に係る施設処理能力のトン数を数値化して把握して記載していたこと,すなわち,入札参加工事に係る 訴人P2の環境装置1課主務であるP48は,自己のノート(甲114)にストーカ炉の受注に関して,受注工事に係る施設処理能力のトン数を数値化して把握して記載していたこと,すなわち,入札参加工事に係る施設の処理能力のトン数を分母に,受注予定者となったり,受注した工事に係る施設処理能力のトン数を分子に表示し,被控訴人ら5社ないし被控訴人ら5社にP15及び被控訴人P4を加えた7社のそれぞれの受注ないし受注予定の工事量を比較できるように指数化していたこと,②被控訴人P3の機械・環境エネルギー事業本部環境装置営業本部P44営 業部参事P14の所持していた書類(甲66)に記載された表には,平成7年中7社の19件の工事が数値化されて表示され,その受注状況を比較できるように記載されていたことが認められる。 b上記被控訴人P2社員のP48及び被控訴人P3社員のP14の各メモによれば,被控訴人ら5社相互の受注ないし受注予測の状況が比較,検討されていたことがうかがわれる。 (キ)受注予定者リストa関係証拠及び弁論の全趣旨によれば,①上記アのP14リスト(甲57)は,受注予定物件及び受注予定者のリストであるが,これ以外にも,受注予定物件のリストとして,被控訴人P3の平成9年9月ころの大型物件,中型物件,准連物件等のリスト(甲106,107),被控訴人P1の環境第一部のスタッフが所持していた平成9年12月17日付けストーカ炉のリスト(甲101)及び同日付けのリスト(甲102),被控訴人P5の環境事業本部の平成10年1月27日にファクシミリ送信されたストーカ炉のリスト(甲98),被控訴人P5の平成10年3月24日付けストーカ炉のリスト(甲99),被控訴人P1の平成10年9月16日付けリスト(甲104),被控訴人P5のリスト(甲97)が存すること,② 炉のリスト(甲98),被控訴人P5の平成10年3月24日付けストーカ炉のリスト(甲99),被控訴人P1の平成10年9月16日付けリスト(甲104),被控訴人P5のリスト(甲97)が存すること,②しかし,被控訴人P3を除く被控訴人ら5社が平成7年9月28日ころ以降,平成10年9月ころまでにかけて,全国のごみ処理施設の発注予定物件について作成したリストについては,作成時期をほぼ同じくするリスト同士では多くの工事名が一致しているが,P14リストに記載された79件の工 事は,その後に作成された被控訴人P5のリスト(甲97ないし99),被控訴人P1のリスト(甲101,102,104,105,145),被控訴人P3のリスト(甲107,118,167),被控訴人P2のリスト(甲108,109)には記載されていないこと,③被控訴人P3の平成9年9月当時のごみ処理施設のリストのうち,小型物件の右側欄に手書きで14工事名について被控訴人ら5社の略称を記載した部分(甲106)に記載された14工事名は,その後の被控訴人ら5社のリストである,被控訴人P1のリスト(甲101,102,104),被控訴人P5のリスト(甲97ないし99)には記載されていないこと,④被控訴人P5の平成10年3月24日付けリスト(甲99)で被控訴人ら5社の略称が記載された5工事のうち,4工事は,その後の被控訴人ら5社のリストである,被控訴人P5のリスト(甲97),被控訴人P1のリスト(甲104)には記載されていないこと,⑤ただし,P14リストに記載されている工事が記載されている書面もあり,被控訴人P7が平成10年8月ころ作成し,公取委に留置された「平成11年度以降計画予想物件調査依頼の件」と題する書面(丙19)及び被控訴人P1が平成10年ころ作成し,公取委に留置された「平成 あり,被控訴人P7が平成10年8月ころ作成し,公取委に留置された「平成11年度以降計画予想物件調査依頼の件」と題する書面(丙19)及び被控訴人P1が平成10年ころ作成し,公取委に留置された「平成10・11年度重点及び準重点物件について」と題する書面(丙20)に各記載されたストーカ炉の表には,P14リストに記載されている工事も記載されていることが認められる。 b上記事実によれば,被控訴人ら5社が未発注のストーカ炉及び受注予定者について何らかの情報交換をしていたことがうかがわれ,また, P14リストに記載された物件が,その後に被控訴人ら5社作成の受注予定物件リストに記載がないことからすると,P14リストに記載された物件が話合いにより受注予定者が決まったので後のリストから外されたと考えても不自然ではない。 (ク)個別物件に関する記述a関係証拠及び弁論の全趣旨によれば,①被控訴人P1の環境エンジニアリング本部環境第二営業部長P38の「物件調査および希望物件のリストアップ」と題する文書等在中の袋内にあるメモ(甲72)には,平成10年8月31日に指名競争入札が行われた「ε広域行政組合」発注工事について,各入札者の入札金額とほぼ一致する金額が入札者ごとに記載されていたこと,②被控訴人P3の機械・環境・エネルギー事業本部環境装置営業本部P49営業部参事P50が所持するメモ(甲73)にも,同様に,平成7年5月9日に指名競争入札が行われた「ζ広域市町村圏組合」発注工事の入札参加者の入札金額が記載されていたこと,③関係者のメモなどに,「元々○のはりつけ物件」(甲82),「○○頑張れと言っていたのにもかかわらず,メーカーどうしの話しで○に決まった」(甲161)などの記載があることが認められる。 b被控訴人P1社員のP38及び被控訴人P3社員 け物件」(甲82),「○○頑張れと言っていたのにもかかわらず,メーカーどうしの話しで○に決まった」(甲161)などの記載があることが認められる。 b被控訴人P1社員のP38及び被控訴人P3社員のP50の上記各メモによると,具体的な競争入札について,被控訴人ら5社の中で,受注予定者と落札価格について,何らかの話合いがされていたものと推認しても不自然ではない。 エ被控訴人ら5社の落札率(ア)関係証拠及び弁論の全趣旨によれば,平成6年4月1日から平成10年9月17日までの間,地方公共団体が指名競争入札等の方法により発注したストーカ炉の建設工事は87件存し,そのうち,被控訴人ら5社のうちいずれかが落札した工事は66件,被控訴人ら5社以外の業者が落札した工事は21件であること,上記工事のうち,予定価格が判明している84件について,落札率(予定価格に対する落札価格の比率)をみると,被控訴人ら5社以外の業者が落札した工事の平均落札率は89.8%であるのに対し,被控訴人ら5社のいずれかが落札した工事の平均落札率は,96.6%であり,明らかに落札率が高かったこと(甲33),ただし,談合が推認されない平成12年5月29日入札の佐賀市発注のストーカ炉工事の入札における落札率は99.31%,同じく平成12年1月24日入札の東京都発注多摩川清掃工場のストーカ炉工事の入札における落札率は98.41%であり,談合と無関係の工事の中にも落札率の高いものもあること(丙24)が認められる。 (イ)被控訴人ら5社落札工事の落札率が,同期間に被控訴人ら5社以外の業者が落札した工事の落札率より顕著に高率であることは,被控訴人ら5社落札工事について,何らかの人為的な措置が介在したものと推認しても不自然ではない。 オまとめ(ア)控訴人の主張に沿う関係者の 業者が落札した工事の落札率より顕著に高率であることは,被控訴人ら5社落札工事について,何らかの人為的な措置が介在したものと推認しても不自然ではない。 オまとめ(ア)控訴人の主張に沿う関係者の供述は,反対内容の供述が存したり,伝聞であったりするものであり,また,メモ,リスト等の書証は,いず れも断片的なものである上,その記載内容も推測するしかないものであり,1つ1つの供述や書証は,いずれも確たるものではない。 (イ)しかし,関係者の供述は,いずれも,控訴人の主張(被控訴人ら5社の担当者が会議を開いて,将来発注が予想されるストーカ炉の工事を規模により分けた上,各社が平等に受注するように話し合って,各工事ごとに受注予定者を決め,この受注予定者が落札できるよう協力し合うことを約していた。)に沿うものである上,これを裏付けるメモなども存しているのである。また,多数に及ぶメモやリスト等の記載内容によると,被控訴人ら5社内において,被控訴人ら5社相互の受注ないし受注予測の状況が比較,検討されていたことがうかがわれるとともに,被控訴人ら5社が,受注予想工事について情報交換を行った上,受注希望表明などにより,受注予定者の調整をしていたと推認しても不自然ではないのである。特に,平成8年12月9日の会合において,地方公共団体が発注するごみ処理施設について,順番に受注希望を表明する方法で受注業者を決めるような話合いがされていたと推認しても不自然ではない。また,個別的な競争入札についても,被控訴人ら5社の中で,受注予定者と落札価格について,何らかの話合いがされていたと推認しても不自然でないようなメモ等が存する。さらに,P14リストに記載されたストーカ炉工事の受注者の的中率が極めて高いことに照らすと,P14リストを単なる受注業者の予測を記載したも がされていたと推認しても不自然でないようなメモ等が存する。さらに,P14リストに記載されたストーカ炉工事の受注者の的中率が極めて高いことに照らすと,P14リストを単なる受注業者の予測を記載したものとみるのは不自然であり,同リストは,被控訴人ら5社が,平成7年9月ころ,平成8年以降に受注が決まるストーカ炉工事の受注予定者について何らかの話合いを した結果を反映したものと考えても,不自然ではない。その上,P14リストに記載された物件が,その後被控訴人ら5社が作成した主な受注予定物件リストには記載されていないことからすると,P14リストに記載された物件は話合いにより受注予定者が決まったので,後のリストから外されたと考えても不自然ではない。 その上,被控訴人ら5社の平成6年4月1日から平成10年9月17日までのストーカ炉の建設工事の落札率96.6%が,同期間に被控訴人ら5社以外の業者が落札した工事の落札率89.8%より顕著に高率であることは,被控訴人ら5社落札工事について,何らかの人為的な措置が介在したと推認しても不自然ではないのである。 以上を総合すれば,被控訴人ら5社は,平成6年4月以降,地方公共団体が指名競争入札等の方法により発注する全連及び准連ストーカ炉の建設工事について,受注機会の均等化を図るため,受注予定者を話合いによりあらかじめ決定し,受注予定者が受注できるようにする旨の談合を行い,P14メモは,平成7年9月当時の被控訴人ら5社の談合内容をまとめたリストの1つであるものと推認するのが相当である。 したがって,被控訴人ら5社が,本件入札の前に,本件基本合意をしたことが推認される。 (3)本件談合及び本件協力の有無ア控訴人は,被控訴人ら5社が本件入札前に相談して落札業者を被控訴人P1と決め(本件談合),次に,被控訴人P1 入札の前に,本件基本合意をしたことが推認される。 (3)本件談合及び本件協力の有無ア控訴人は,被控訴人ら5社が本件入札前に相談して落札業者を被控訴人P1と決め(本件談合),次に,被控訴人P1が,談合に参加していなかった入札業者である被控訴人P4,被控訴人P6に対し,被控訴人P1が 落札することについて配慮を求め,これに協力する旨の約束を得て(本件協力),本件談合及び本件協力により,被控訴人P1が本件工事を落札したと主張する。 イところで,前記(1)アないしウで認定したとおり,ごみ処理施設の建設工事の入札においては,施設の設置時期,立地条件,規模,燃焼方式(ストーカ炉か流動炉か等),予定価格,発注方法(一般競争入札,指名競争入札,指名見積り合わせ又は特命随意契約)などの条件が様々に異なり,個別性が強く,かつ,こういった条件が具体化されるのは入札の直前になるようなこともあるのである。また,確かに,プラントメーカーでは,被控訴人ら5社が有力ではあるが,他にもそれなりの規模の企業が何社もあって,熾烈な受注競争が行われているのであり,被控訴人ら5社以外の業者が入札業者に指名されることも珍しくないのである(公知の事実)。こういった点を考えると,当該ごみ処理施設の入札より以前に,今後数年間に及ぶごみ処理施設の予定工事について,本件基本合意がされたと推認され,また,その内容をまとめたと推認されるリストなどから当該ごみ処理施設がその談合の対象になっていたと推認されたとしても,それだけでは,当該ごみ処理施設の入札について談合が行われ,それに基づいて受注予定者が受注したと即断することはできないのであり,更に当該ごみ処理施設の入札の具体的状況などについて検討する必要があるというべきである。 特に,被控訴人ら5社以外のアウトサイダーが入札業者に指 受注予定者が受注したと即断することはできないのであり,更に当該ごみ処理施設の入札の具体的状況などについて検討する必要があるというべきである。 特に,被控訴人ら5社以外のアウトサイダーが入札業者に指名された場合は,アウトサイダーの協力なくして談合に基づく受注をすることはできないのであるから,アウトサイダーの協力についての具体的な立証が必要と なるのである。 したがって,上記見地に立って,本件談合及び本件協力の有無について検討することとする。 ウ(ア)上記(2)の説示のとおり,被控訴人ら5社は,平成6年4月以降,地方公共団体が指名競争入札等の方法により発注する全連及び准連ストーカ炉の建設工事について,受注機会の均等化を図るため,受注予定者を話合いによりあらかじめ決定し,受注予定者が受注できるようにする旨の談合(本件基本合意)を行い,P14メモは,平成7年9月当時の被控訴人ら5社の談合内容をまとめたリストの1つであるものと推認される。P14リストには,平成7年9月28日の時点で,平成8年度以降,地方公共団体からの発注が見込まれるごみ処理施設建設工事が,年度別(平成8年度,9年度,10年度,11年度及び平成12年度以降の5分類)及び工事内容別(「-S」(ストーカ炉と思われる)と「-F」の2分類)に区分されて記載され,「-S」欄の工事は,合計79件が記載されるとともに,各工事ごとに,受注予定者として,被控訴人P3の略語と思われる「○」,被控訴人P2の略語と思われる「○」,被控訴人P5の略語と思われる「○」,被控訴人P1(旧社名P8)の略語と思われる「○」,被控訴人P7の略語と思われる「○」の文字などが記載されていたところ,平成8年度の「○-S」とされる欄に「熱海市ー120」との記載がある(甲57)。したがって,上記記載は,被控訴人P われる「○」,被控訴人P7の略語と思われる「○」の文字などが記載されていたところ,平成8年度の「○-S」とされる欄に「熱海市ー120」との記載がある(甲57)。したがって,上記記載は,被控訴人P1が熱海市の本件工事(ストーカ炉工事)の受注予定者であることを示すものと推認される。 そして,前記第2の2(1)で認定したとおり,P14リストの記載どおり,被控訴人P1が本件工事を落札しており,また,熱海市の予定価格が63億5510万円であるところ,被控訴人P1の落札価格は59億9000万円で,落札率94.26%であり(甲33),他の被控訴人らの入札金額は,被控訴人P3が61億8500万円,被控訴人P7が60億9500万円,被控訴人P2が61億2000万円,控訴人P5が63億1000万円,被控訴人P6が60億9700万円,被控訴人P4が64億8000万円であった。 また,アウトサイダーについて,前記(2)イのとおり,被控訴人P2社員のP9の供述調書には,「5社以外の会社が一緒に指名を受けた場合には,受注予定者が個別に当該会社に協力を求めて,受注予定者が受注できるようにしている。」と,被控訴人P1社員のP10の供述調書には,「5社にP15及びP4が加わって指名競争入札が行われる場合には,当社がチャンピオンになっている物件についても,これら2社と話合を行う。7社にP6及びP18が加わった9社で指名競争入札が行われる場合には,当社がチャンピオンとなっている物件についてもP6及びP18と話し合いを行う。」と,P10作成のメモ(甲35)にも「ストーカー炉は,大手5社が中核メンバーで,P15とP4は準メンバー,但し,P6,P18等は話し合いの余地はある。」とそれぞれ記載されていて,被控訴人ら5社がアウトサイダーに対し談合に協力を求める旨の働きか 炉は,大手5社が中核メンバーで,P15とP4は準メンバー,但し,P6,P18等は話し合いの余地はある。」とそれぞれ記載されていて,被控訴人ら5社がアウトサイダーに対し談合に協力を求める旨の働きかけをするような趣旨が記載されていた。 (イ)しかし,関係証拠(甲90ないし93,乙33)及び弁論の全趣旨 によれば,熱海市は,本件入札について,予定価格を事前に公表せずに,被控訴人ら(7社)に対しストーカ炉の見積設計図書を,P17等5社に対し流動炉の見積設計図書をそれぞれ依頼し,提出された各見積設計図書を技術評価し,検討した結果,入札日の約2週間前に,初めてストーカ炉による工事を行う旨決めて,被控訴人らを指名業者に指定し,本件入札を行うなど,談合を防止する配慮を行っていたことが認められるところ,被控訴人ら5社が,本件入札の受注予定者について,話合いの機会を設けて,何らかの話合いをしたことを認めるに足りる確たる証拠はない。 また,本件入札には,被控訴人ら5社以外にアウトサイダーである被控訴人ら2社が参加していたから,受注予定者を決めるためには,前記のように,本件協力が不可欠となるところ,本件入札において,被控訴人P1らがアウトサイダーである被控訴人ら2社に対し本件協力の要請をした事実を裏付ける証拠はない。かえって,被控訴人ら2社は,本件協力を否定し(丁29の1,2),上記P10メモには,「その物件に5社以外のメンバーが入った時は,タタキ合いになる。」との記載もあるのである。 なお,控訴人は,アウトサイダーは,受注価格が下がらないようにするため,被控訴人ら5社の決定した受注予定者に協力するのであると主張するが,被控訴人ら5社がすべて独占して落札すれば,他の業者がこれに協力する意味はないから,談合業者とアウトサイダーとは利害が対立するもの 被控訴人ら5社の決定した受注予定者に協力するのであると主張するが,被控訴人ら5社がすべて独占して落札すれば,他の業者がこれに協力する意味はないから,談合業者とアウトサイダーとは利害が対立するものと考えるのが自然であり,そうでないとしても,談合に協力 するには,何らかの具体的な見返りが必要であると考えられるが,本件全証拠によっても,被控訴人ら2社が被控訴人ら5社から本件協力の対価とみられるような利益を得た事実は認めることができない。 さらに,本件入札における被控訴人P1の落札率94.26%は高い割合であるということができるが,落札率は,個別の工事ごとに設定される予定価格によって容易に変動する相対的な数値であるから,多数の案件の平均値を比較する場合などには意味があるが,単独の数値だけを取り出しても積極的な意味を見い出すことができないというべきである。 現に,上記落札率は,被控訴人ら5社が排除された後の平成12年5月の佐賀市発注のストーカ炉工事におけるP15受注の落札率99.31%,平成12年1月の東京都発注のストーカ炉工事におけるP17受注の落札率98.41%より低いのである(丙24)。 (ウ)上記(イ)の事実関係によれば,少なくとも,上記(ア)の事実から,本件入札について本件協力が行われたと認めるには足りず,他に,この事実を認めるに足りる証拠は存しない(なお,甲114号証及び甲66号証は,被控訴人P6についてはもとより,被控訴人P4の本件協力の事実を裏付けるものではない(なお,甲94参照)。)。そうすると,受注予定者を定める仕組みが成就しないことになるのであるから,本件談合の成立も認めることができないというべきである。なお,控訴人は,アウトサイダーである被控訴人P4及び被控訴人P6と被控訴人ら5社との間で意思の連絡があったとは認 ないことになるのであるから,本件談合の成立も認めることができないというべきである。なお,控訴人は,アウトサイダーである被控訴人P4及び被控訴人P6と被控訴人ら5社との間で意思の連絡があったとは認められなかったとしても,被控訴人ら5社の談合により決定された受注予定者である被控訴人P1が高い落 札率で予定どおり落札した以上,不法行為が認められるかのごとき主張もするが,入札に参加したアウトサイダーの協力が認定できない以上,当該入札は「たたき合い」の場となり,談合によって不当に高く落札価格が決まるという関係は生じないという可能性を否定できないから,不法行為の成立を認めることはできないというべきである。 結論 以上のとおりであるから,熱海市が本件損害賠償請求権を有しているとは認められない。したがって,その余の点を判断するまでもなく,控訴人の請求はいずれも理由がない。 よって,控訴人の請求をいずれも棄却した原判決は相当であり,本件控訴はいずれも理由がないのでこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第9民事部裁判長裁判官大坪丘裁判官宇田川基裁判官新堀亮一

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