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判決平成13年7月18日神戸地方裁判所平成13年(ワ)第235号預託金返還請求事件 主文 1 被告は, 原告に対し, 1300万円及びこれに対する平成13年2月18日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。2 訴訟費用は, 被告の負担とする。3 この判決は, 1項に限り, 仮に執行することができる。事実及び理由 第1 請求主文同旨(ただし、仮執行宣言を1,2項につき求める。)第2 事案の概要本件は, 営業譲渡人のゴルフ会員権を有する原告が, 営業譲渡を受けて従前のゴルフクラブの名称を続用する被告に対し, 商法26条(商号続用)の類推適用を主張して, 預託金の返還を求めた事案である。1 争いのない事実(1) 株式会社ギャラック(以下「ギャラック」という。)は, ゴルフ場その他のスポーツ施設の運営等を業とする株式会社であり, Aリゾートカントリークラブ(以下「本件クラブ」という。)を経営していた。(2) 原告は, 平成元年8月28日, ギャラックに対し1300万円を預託して本件クラブの正会員の資格を取得した。(3) 現在では, 被告が「Aリゾートカントリー倶楽部」の名称を使用して本件クラブの経営を行っている。(4) 原告は, 平成12年6月26日, ギャラックに対し, 預託金返還請求の訴えを提起したところ, 同年8月31日, ギャラックが不出頭のため, 原告勝訴の欠席判決がなされた(神戸地方裁判所平成12年(ワ)第1366号)が, 同判決に基づく動産差押の民事執行は不能である。2 争点被告は, 商法26条の類推適用により, 預託金返還の義務を負うか。(神戸地方裁判所平成12年(ワ)第1366号)が, 同判決に基づく動産差押の民事執行は不能である。2 争点被告は, 商法26条の類推適用により, 預託金返還の義務を負うか。(原告の主張)商法26条は, 商号の続用に限らず, 営業上使用される名称が営業主体を表示する機能を果たしている場合には類推適用されるべきである。 能である。2 争点被告は, 商法26条の類推適用により, 預託金返還の義務を負うか。(神戸地方裁判所平成12年(ワ)第1366号)が, 同判決に基づく動産差押の民事執行は不能である。2 争点被告は, 商法26条の類推適用により, 預託金返還の義務を負うか。(原告の主張)商法26条は, 商号の続用に限らず, 営業上使用される名称が営業主体を表示する機能を果たしている場合には類推適用されるべきである。ゴルフクラブの名称は商号ではないが, 一般的に, ゴルフ場の経営は経営主体の名称よりは当該クラブの名称が使用され, ゴルフクラブの会員は当該クラブの名称を使用する者に対して権利を有するものと考えるのが通常であり, ゴルフクラブの名称によって営業の主体が表示されているものと解される。したがって, 「Aリゾートカントリー倶楽部」の名称を続用している被告は, 商法26条の類推適用により, 原告に対し預託金返還の義務を負うべきである。なお, 本件において,原告は経営主体の変更の通知を受けておらず, 経営主体の変更には争いがある。(被告の主張)商法26条は商号の続用に限られると解すべきである。ゴルフクラブの名称と経営主体が別であることはゴルフ会員権の購入者なら誰でも知っているところであり, 営業譲渡があった場合, 営業の譲受人が債務引受をしてないのに, ゴルフクラブの名称を続用しているからといって, 外観を信頼した債権者を保護する商法26条の拡張解釈により, 譲渡人のゴルフ会員に対し, 当然に預託金返還の義務を負わせるようなことは許されない。なお, 本件においては, 経営主体の変更につき会員に通知済みであり, この点に争いはない。第3 争点に対する判断 1 商号は営業譲渡とともに譲渡することができるが, 営業譲渡の事実は外部からはわかりにくい。債権者は, 商号の営業表示機能か 員に通知済みであり, この点に争いはない。第3 争点に対する判断 1 商号は営業譲渡とともに譲渡することができるが, 営業譲渡の事実は外部からはわかりにくい。債権者は, 商号の営業表示機能から, 営業譲渡の事実を知らずに, 譲受人が債務者であると考えるであろうし, 営業譲渡の事実を知った場合でも,企業財産が営業上の債務の担保となることから, 特段の意思表示がない限り, 譲受人が譲渡人の債務を引き受けたものと考えるのが普通である。 いはない。第3 争点に対する判断 1 商号は営業譲渡とともに譲渡することができるが, 営業譲渡の事実は外部からはわかりにくい。債権者は, 商号の営業表示機能から, 営業譲渡の事実を知らずに, 譲受人が債務者であると考えるであろうし, 営業譲渡の事実を知った場合でも,企業財産が営業上の債務の担保となることから, 特段の意思表示がない限り, 譲受人が譲渡人の債務を引き受けたものと考えるのが普通である。このようなことから,商法26条は, 商号を続用するものに譲渡人の営業上の債務につき弁済の責に任じている。2 ところで, 商号のある企業であっても, 商号とは別の営業表示(例えば, ホテル, 旅館, 結婚式場等のサービス業の場合のホテルや旅館そのものの名称)を使用しており, その名称の方が商号よりも一般顧客や同業者によく知られ, 営業主体の表示と化していることがある。商法26条の規定は, 「商号」以外の営業表示の続用にまで拡張することを認めたものかどうかは明らかではない。しかし, 前記の趣旨からすれば, 商号を有する場合であっても, 商号とは別の名称が営業表示として使用され, むしろ, その方が営業表示として浸透している場合には拡張解釈も許されると解すべきである。3 本件クラブは, もともとギャラックが経営しており, 原告は平成元年にギャラックに対し1300万円を預託して本件クラブの正会員の資格を取得したところ,同12年にギャラックに対する預託金返還請求訴訟の判決を得た時点では,被告が営業譲渡を受け, 「Aリゾートカントリー倶楽部」の名称を続用している(争いのない事実)。ゴルフクラブ経営の場合, 経営主体たる企業は, 商号とは別にゴルフクラブの名称を営業に使用することが 譲渡を受け, 「Aリゾートカントリー倶楽部」の名称を続用している(争いのない事実)。ゴルフクラブ経営の場合, 経営主体たる企業は, 商号とは別にゴルフクラブの名称を営業に使用することが多い。この場合, ゴルフクラブの会員等からすれば,ゴルフクラブの名称を営業表示と捉え, これを使用する者に対して権利を有すると考えるのが通常である。また, ゴルフクラブ経営企業の主たる財産は, 通常, ゴルフクラブ施設を構成する土地建物等の不動産及び施設の動産類であるから, 債権者はこれらの財産が債務の担保となっていると考えている。 たる企業は, 商号とは別にゴルフクラブの名称を営業に使用することが多い。この場合, ゴルフクラブの会員等からすれば,ゴルフクラブの名称を営業表示と捉え, これを使用する者に対して権利を有すると考えるのが通常である。また, ゴルフクラブ経営企業の主たる財産は, 通常, ゴルフクラブ施設を構成する土地建物等の不動産及び施設の動産類であるから, 債権者はこれらの財産が債務の担保となっていると考えている。そうすると, ギャラックから営業譲渡を受け, 「Aリゾートカントリー倶楽部」の名称を続用している被告は, 商法26条の解釈により, 原告に対し, 預託金返還の責めを負っていると解すべきである。なお, 本件においては, 被告は, 営業譲渡にあたり預託金返還の債務の引受がなかったと主張するようであるが, 営業譲渡の事実について, 具体的な主張立証はなく, その事実は不明である。また, 被告は, 営業譲渡の事実については争いはないと思うとも主張するが, 原告はこれを争っている。4 以上によれば, 原告の請求は理由があるから認めることとし, 訴訟費用の負担につき民事訴訟法61条を, 仮執行宣言につき同法259条1項をそれぞれ適用して, 主文のとおり判決する。神戸地方裁判所第5民事部裁判官永田眞理・ 永田眞理
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