平成20(わ)2245 住居侵入,強姦,強盗,強盗未遂,強盗強姦,強姦致傷,窃盗,強姦未遂被告事件

裁判年月日・裁判所
平成22年4月19日 大阪地方裁判所
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判決文本文19,344 文字)

主文 被告人を無期懲役に処する。 未決勾留日数中390日をその刑に算入する。 訴訟費用は被告人の負担とする。 理由 (犯罪事実)被告人は,第1女性を強姦する目的で,平成19年1月27日午前2時15分ころ,大阪市平野区(以下略)マンションのE(当時20歳)方前で,玄関ドアを開けたEに対し,背後から手で口をふさぎ,もう片方の腕をその首に巻き付けて締め付けながら「声を出すな「わかったか,声出したら刺すぞ」などと言って,,。」。 玄関ドア内にEの身体を押し込むとともに自らもE方に侵入し,そのころから同日午前2時45分ころまでの間,E方において,Eをベッドの上に仰向けに押し倒し,両手でそのパンティをはぎ取り,両足首を持って無理矢理両足を開かせるなどの暴行を加え,その反抗を抑圧したうえ,Eを強姦し,上記の暴行により,Eに全治約1週間を要する左臀部擦過傷等の傷害を負わせ,さらにEが管理する鍵1本(時価約500円相当)を盗み取った(平成20年8月4日付け起訴状記載の公訴事実。以下「第1事件」という。 。)第2女性を強姦する目的で,平成19年3月11日午前零時10分ころ,大阪市東住吉区(以下略)マンションのF(当時27歳)方に,帰宅したFが玄関ドア内に入った直後に,Fの後を追ってF方に侵入し,そのころから同日午前1時15分ころまでの間,F方において,Fに対し,折りたたみ式ナイフ(刃体の長さ約52センチメートルを突き付け声出すなよ声出したら刺す. ),「。」「ぞ服を脱げベッドに寝ろなどと言って脅迫しその反抗を抑圧した。」「。」「。」,うえ,Fを強姦し,さらに,Fが管理する鍵1本を盗み取った(平成20年8月27日付け起訴状記載の公訴事実。以下「第2事件」という。 。) 第3 通行中のB(当時22歳 」「。」「。」,うえ,Fを強姦し,さらに,Fが管理する鍵1本を盗み取った(平成20年8月27日付け起訴状記載の公訴事実。以下「第2事件」という。 。) 第3 通行中のB(当時22歳)を認め,Bを強姦しようと企て,平成19年3月13日午前1時45分ころから同日午前1時58分ころまでの間,大阪市阿倍野区(以下略)マンションのエレベーター内において,Bに対し,前記折りたたみ式ナイフを突き付け「声を出すな,一言でも声を出したら刺す」などと,。 語気鋭く言って脅迫し,その反抗を抑圧したうえ,Bを同マンションの7階と8階の間の非常階段踊り場まで連れて行き,同所において,Bを強姦した。 前記日時ころ,前記非常階段踊り場において,Bが前記脅迫により反抗抑圧,,「。」,状態にあることに乗じBに対し金取るぞなどと語気鋭く言って脅迫しさらにその反抗を抑圧して,BからBが所有又は管理する現金約3000円及(),び運転免許証ほか13点が入った財布1個時価合計約4万円相当を強奪し引き続き同所においてBに対し3000円しか入ってないやないかこ,,,「。 れで済むと思ってるんかカードになんぼか金入ってないんかなどと語気。」「。」鋭く言って脅迫したうえ,Bを前記マンションから同市東住吉区(以下略)先のコンビニエンスストア近くの路上まで連れて行き,同日午前2時4分ころ,同所において「店員としゃべらずに金をおろして,持ってこい」などと言っ,。 て脅迫し,Bからさらに金銭を強奪しようとしたが,Bがコンビニエンスストア店員に助けを求めたため,強盗の目的を遂げなかった。 (以上,平成20年5月28日付け起訴状記載の公訴事実。以下,併せて「第3事件」という)。 第4通行中のJ(当時19歳)を認め,Jを強姦しようと企て に助けを求めたため,強盗の目的を遂げなかった。 (以上,平成20年5月28日付け起訴状記載の公訴事実。以下,併せて「第3事件」という)。 第4通行中のJ(当時19歳)を認め,Jを強姦しようと企て,平成19年5月3日午後9時40分ころ,大阪府柏原市(以下略)マンションのJ方に,Jが入った直後の無施錠の玄関ドアを開けて侵入し,そのころから同日午後11時,,,,25分ころまでの間J方においてJに対しその正面から右手で口を塞ぎ壁に押し付けるなどの暴行を加え静かにしろ騒ぐなこっちはナイフ持,「。 。」「ってるから顔に傷作りたくないやろ2回か3回刺せば死ぬんやでなど。」「。 。」 と言って脅迫し,その反抗を抑圧したうえ,Jを全裸にして強姦しようとしたが,Jから処女であると言われたことなどから強姦を中止し,自己の陰茎をJの陰部にこすり付けて射精したにとどまり,強姦の目的を遂げなかった(平成20年11月26日付け起訴状記載の公訴事実。以下「第4事件」という。 。)第5通行中のG(当時22歳)を認め,Gを強姦しようと企て,平成19年7月31日午前零時30分ころ,大阪市住吉区(以下略)マンションのエレベータ,,,「。」ー内でGに対し前記折りたたみ式ナイフを突き付け声出したら刺すぞなどと言って脅迫し,GをG方前まで連れて行き,Gに玄関ドアを開けさせてG方に侵入し,そのころから同日午前2時ころまでの間,G方において,Gに前記折りたたみ式ナイフを突き付け「叫んだらどうなるかわかってるんやろ,ななどと言ってさらに脅迫しその反抗を抑圧したうえGを強姦した平。」,,(成20年9月26日付け起訴状記載の公訴事実。以下「第5事件」という。 。)第6通行中のH(当時21歳)を認め,Hを強姦するとと 脅迫しその反抗を抑圧したうえGを強姦した平。」,,(成20年9月26日付け起訴状記載の公訴事実。以下「第5事件」という。 。)第6通行中のH(当時21歳)を認め,Hを強姦するとともに,金銭を強奪しようと企て,平成19年8月5日午前零時5分ころ,大阪府柏原市(以下略)マンションのエレベーター内及び6階エレベーターホールにおいて,Hに対し,前記折りたたみ式ナイフを胸元に突き付け「静かにしろ「金がいるんや」,。」。 「ここやったら他の部屋の人間に聞こえるやろ「お前の部屋はどこや,案内。」しろ「怪我したくなかったら言うことを聞け」などと語気鋭く言って脅迫。」。 ,,しHに上記マンションのH方玄関ドアを開けさせてその室内に侵入したうえそのころから同日午前零時50分ころまでの間H方においてHに対し金,,,「がいるんや金出してなどと語気鋭く言ってさらに脅迫しその反抗を抑圧。 。」,したうえ,H所有の現金1万円を強奪し,引き続き,Hを強姦した(平成20年10月17日付け起訴状記載の公訴事実〔平成21年10月29日付け訴因変更請求書による訴因変更後のもの。以下「第6事件」という。 〕。)第7平成19年8月12日午後11時30分ころ,大阪府柏原市(以下略)マンションのA(当時21歳)方に,無施錠の玄関から侵入し,A方において,A に対し前記折りたたみ式ナイフを突き付け声を出すな顔に一生残る傷付,,「,。」「。 。」「。 けるぞおとなしくしとったら傷は付けへん目を閉じとけ上着を脱げ布団の上に仰向けになって寝ろなどと言って脅迫しその反抗を抑圧したう。」,え,Aを強姦し,引き続き,Aが上記の脅迫により反抗抑圧状態にあることに乗じ,Aに対し「金と免許証取るぞ」などと言 げ布団の上に仰向けになって寝ろなどと言って脅迫しその反抗を抑圧したう。」,え,Aを強姦し,引き続き,Aが上記の脅迫により反抗抑圧状態にあることに乗じ,Aに対し「金と免許証取るぞ」などと言って脅迫し,さらにその反抗,。 を抑圧したうえ,AからAが所有する現金約5000円を強奪した(平成20年5月1日付け起訴状記載の公訴事実。以下「第7事件」という。 。)第8I(当時18歳)方に侵入してIを強姦するとともに,金銭を強奪しようと企て平成19年8月27日午後6時55分ころ大阪府柏原市以下略マン,,()ションのI方に無施錠の玄関ドアから侵入しそのころから同日午後7時55,,分ころまでの間I方においてIに対しおまえの立場分かってんのかお,,,「。」「金は持ってないのか5万ないのかなどと言って金銭を要求したがIか。」「。」,,,,ら所持金がない旨を告げられたため強盗の目的を遂げなかったが引き続きじゃやらせろと言い前記折りたたみ式ナイフをIの顔面付近に突き付「,。」,けるなどしながら「おまえの顔ぐらい,すぐ傷つけられるんやで」などと言,。 って脅迫し,その反抗を抑圧したうえ,Iを強姦した(平成20年11月7日付け起訴状記載の公訴事実。以下「第8事件」という。 。)第9平成19年10月19日午後9時ころから同日午後9時35分ころまでの間,大阪市東住吉区(以下略)マンションのC(当時21歳)方に,無施錠の玄関から侵入しC方においてCに対し前記折りたたみ式ナイフを突き付け声,,,,「を出すな騒いだら一生残る傷を付けるエッチさせろなどと言って脅。」「。」「。」迫し,その反抗を抑圧したうえ,Cを強姦し,引き続き,Cが上記脅迫により反抗抑圧状態にある ,,,,「を出すな騒いだら一生残る傷を付けるエッチさせろなどと言って脅。」「。」「。」迫し,その反抗を抑圧したうえ,Cを強姦し,引き続き,Cが上記脅迫により反抗抑圧状態にあることに乗じCに対し金がいるんや金出せ札だけ,,「。 。」「でいいからよこせほかにないんかなどと言って脅迫しさらに反抗を抑。」「。」,圧したうえ,CからCが所有又は管理する現金約5万円を強奪した(平成20年6月18日付け起訴状記載の公訴事実。以下「第9事件」という。 。) 第10通行中のK(当時19歳)を認め,Kを強姦しようと企て,Kを尾行し,平成19年12月31日午前3時20分ころ神戸市西区以下略マンションの,()K方玄関前で,Kに対し「殺すぞ」などと言い,前記折りたたみ式ナイフを,。 ,,,突き付けこぶしでKの頭部を小突きKの着ていたコートの襟付近をつかみKを居室内に連れ込んでK方に侵入し,そのころから同日午前4時50分ころまでの間,K方において,Kの腕を押さえ付けるなどしてその反抗を抑圧したうえ,Kを強姦した(平成20年12月26日付け起訴状記載の公訴事実。以下「第10事件」という。 。)第11通行中のL(当時19歳)を認め,Lを強姦しようと企て,Lを尾行し,平成19年12月31日午後8時25分ころ,Lが神戸市西区(以下略)マンションのL方に帰宅した後,訪問者を装ってLに玄関ドアを開けさせ,L方室内に押し入って侵入し,そのころから同日午後9時40分ころまでの間,L方において,Lに対し「エッチさせてくれへん」などと言って前記折りたたみ式,。 ナイフを示し,Lをベッドに押し倒して「騒いだりしてもいいけどどうなるか分からんぞなどと言ってその反抗を抑圧したうえLを強姦した平成2。」, くれへん」などと言って前記折りたたみ式,。 ナイフを示し,Lをベッドに押し倒して「騒いだりしてもいいけどどうなるか分からんぞなどと言ってその反抗を抑圧したうえLを強姦した平成2。」,,(1年1月26日付け起訴状記載の公訴事実。以下「第11事件」という。 。)第12通行中のM(当時20歳)を認め,Mを強姦するとともに,金銭を強奪しようと企て,平成20年1月2日午後9時30分ころ,神戸市西区(以下略)マンションのM方前通路において,Mが玄関ドアを開けてM方室内に入った直後に同室内に押し入って侵入し,そのころから同日午後10時30分ころまでの,,,,間M方においてMに対し前記折りたたみ式ナイフをMの左太ももに当て動いたら刺すぞおれは金ないんやなどと言いMの顔面をこぶしで殴「。」「。」,るなどしてその反抗を抑圧したうえ,2回にわたりMを強姦し,引き続き,Mが所有又は管理する現金約1万2000円及びM方の鍵1本を強奪した(平成21年2月27日付け起訴状記載の公訴事実〔同年9月11日付け訴因変更請求書による訴因変更後のもの。以下「第12事件」という。 〕。) 第13女性を強姦するとともに,金銭を強奪しようと企て,平成20年4月4日午後10時ころ,大阪府柏原市(以下略)マンションのD(当時20歳)方に,無施錠の玄関ドアから侵入し,そのころから同日午後11時10分ころまでの間,D方において,Dに対し,その口を手で塞ぎ,前記折りたたみ式ナイフをその顔付近に突き付け静かにしろ声を出すな顔に傷残ったらいやや,「。」「。」「ろ金はないんか自分の金ないんか財布ないんかなどと言って脅。」「。」「。」「。」迫し,金銭を強奪しようとしたが,Dから差し出された現金5000円が教科書代とし ,「。」「。」「ろ金はないんか自分の金ないんか財布ないんかなどと言って脅。」「。」「。」「。」迫し,金銭を強奪しようとしたが,Dから差し出された現金5000円が教科書代としてDの祖父から送金されたものであると聞かされるなどしたため,金銭の強奪を断念し強盗の目的を遂げなかったが引き続きDに対しはよ,,,,「帰って欲しいなら,やらせろ。やらせんかったら,いつまでもおるぞ「俺ナ。」イフ持ってるけど,ナイフ持ってなくても,お前殴ってぼこぼこにすることもできるんやぞなどと言ってさらに脅迫しその反抗を抑圧したうえDを強。」,,姦した(平成20年7月9日付け起訴状記載の公訴事実。以下「第13事件」という。 。)(証拠の標目【略】)(争点に対する判断)第1第2事件について 争点 被告人及び弁護人らは,被告人がFの口を手で押さえただけで,Fは反抗しなくなったため,被告人は,折りたたみ式ナイフを折りたたんだ状態のまま,Fの腹部の前で示すだけにとどめており,これをFに突き付けてはいないと主張する。 当裁判所の判断Fは,捜査段階で検察官に対し,被告人がF方に侵入した直後に,後ろから口を手でふさがれ,同時に,顔の前に小型のナイフを突き付けられ,その際,刃の部分が見えたと供述しているが,その供述内容は,見知らぬ犯人と最初に 接触した際の印象的な場面に関するものであり,強く記憶に残るのが自然であると考えられるし,内容も具体的で明確であり,Fがことさらに虚偽の事実を述べる動機も見当たらないから,このFの供述の信用性は高い。 よってFの供述に基づいて犯罪事実第2事件のとおりその犯行態様,,(),を認定することができる。 第2第5事件について 争点 被告人及び弁護人らは,被告 Fの供述の信用性は高い。 よってFの供述に基づいて犯罪事実第2事件のとおりその犯行態様,,(),を認定することができる。 第2第5事件について 争点 被告人及び弁護人らは,被告人は,エレベーター内でGに声を掛け,振り向いたGに対し,折りたたみ式ナイフを示して脅迫したにとどまり,これを突き付けてはいないと主張する。 当裁判所の判断Gは,捜査段階で検察官に対し,エレベーター内で,Gが操作ボタンの前に立っていたところ,被告人がGの後から乗り込んできて,Gの左後ろに立ち,Gの首に右腕を回し右手に持った小型のナイフをGの顔の前に近づけ声出,,「したら刺すぞなどと言って脅迫してきたエレベーターを降りてからもそ。」,,のナイフを突き付けられたまま,後ろから押されてG方前まで行き,部屋に入らされたと供述しているが,前記第2事件における説示と同様の理由により,このGの供述は十分に信用することができる。 これに対し,弁護人らは,右耳の聞こえない被告人がGの左後ろに立つとは考えられないから,ナイフを突き付けられたというGの供述は信用できないと主張するしかし関係証拠によればエレベーター内の操作ボタンは右端扉。 ,,(に向かって右の壁際)にあるから,被告人がGの左後ろに立った状態でGの首に右腕を回すなどして,折りたたみ式ナイフを突き付け,そのままの状態でエレベーターを降り,GとともにG方へ入ったというGの供述は,エレベーター内の状況等に照らして自然で合理的であり,信用性が高い。 よってGの供述に基づいて犯罪事実第5事件のとおりその犯行態様,,(), を認定することができる。 第3第6事件について 争点 被告人及び弁護人らは,被告人は,Hに対して金銭を要求したり,現金1万円を強奪したりはし 5事件のとおりその犯行態様,,(), を認定することができる。 第3第6事件について 争点 被告人及び弁護人らは,被告人は,Hに対して金銭を要求したり,現金1万円を強奪したりはしていないと主張する。 当裁判所の判断Hは,捜査段階で検察官に対し,被告人は,Hに対し,エレベーター内,6,,階エレベーターホール及びH方室内の3か所においてそれぞれ金銭を要求しH方室内でHから差し出された現金1万5000円を一旦受け取った後生,,「活に困るやろこれだけ返してやると言って5000円札1枚をHに返して。 。」きたと供述しているが,このHの供述は,犯人(被告人)による予想外の行動にとまどったという当時のHの気持ちが述べられている部分も含め,具体的かつ明確であって,信用性が高い。 これに対し,弁護人らは,Hが,捜査官の誘導によって,記憶にない金銭強奪の事実を供述した可能性があると指摘し,Hの供述の信用性を争っている。 しかし,Hは,あえて被告人から5000円札1枚を返してもらった事実にも言及するなど,捜査官の誘導によってではなく,自己の記憶に従って,被害内容をありのままに供述しているとみるのが相当であるから,Hの供述は,十分に信用することができる。 よってHの供述に基づいて犯罪事実第6事件のとおり強盗の事実を,,(),認定することができる。 第4第8事件について 争点 被告人及び弁護人らは,平成19年のいずれかの日に,被告人が,第8事件のマンション4階の一室に侵入したうえ,室内にいた女性を強姦したことはあ,,,るがこれとIが供述する被害の日時・場所・態様等は余りにも異なるから Iを強姦するなどした犯人が被告人であると認定するには合理的な疑いを容れる余地があり,被告人は無罪であると主張する。 ,,るがこれとIが供述する被害の日時・場所・態様等は余りにも異なるから Iを強姦するなどした犯人が被告人であると認定するには合理的な疑いを容れる余地があり,被告人は無罪であると主張する。 Iの公判供述(1)供述の概要Iは,平成19年8月27日,近くのスーパーで買い物をして帰宅し,4階建てマンションの4階のほぼ真ん中辺りにあるI方に入り,玄関ドアに鍵を掛けないまま,しばらく室内で過ごした後の午後6時55分ころ,夕飯の仕度のために立ち上がったときに,電気が点いていない玄関先で,犯人が玄関ドアを少し開けて部屋の中をのぞき込んでいるのに気付いた。 犯人は,I方室内に入ってきて,Iに対し「携帯貸して」と言った。I,。 が,これを拒否したうえ,犯人に出て行くように言うと,犯人は,Iに「おまえの立場分かってんのかなどと言い電気が点いていた奥の部屋まで入。」,り込み,Iに対し,金銭を要求し始めた。この時,Iは3000円くらいし,,,,か持っていなかったため金を持っていないと答えると犯人はIに対しじゃやらせろと言いナイフの刃先をIの顔の近くに突き付けお「,。」,,,「まえの顔ぐらい,すぐ傷つけられるんやで「寝ろ」などと言った。 。」。 Iが,犯人の指示に従って,床のじゅうたんの上に仰向けに寝転がると,犯人は,Iにニット帽をかぶらせ,キスをしてきた。その際,Iが目を開けて犯人の顔を見ると,犯人は,Iにニット帽を鼻付近まで深くかぶらせた。 それから,Iは,犯人に身体を触られたり,口淫をさせられたりした後,犯人が自らクローゼットの中から取り出してじゅうたんの上に敷いたシーツの上で,コンドームを使わずに,強姦された。 その後,犯人は,Iに対し「おれが出た後,5分間は動くなよ」などと,。 言って,午後7 人が自らクローゼットの中から取り出してじゅうたんの上に敷いたシーツの上で,コンドームを使わずに,強姦された。 その後,犯人は,Iに対し「おれが出た後,5分間は動くなよ」などと,。 言って,午後7時55分くらいに,I方から立ち去った。本件当時,I方には「薬理学」という表題の本が置いてあった。 ,Iは,恥ずかしさなどから,すぐに被害を申告することができず,平成1 9年の10月か11月ころ,家族に本件の被害を打ち明けて引越しをした際にも,警察に届け出ることはしなかったが,平成20年6月以降に,警察官からレイプ被害に遭っていないかとの問合せがあったため,本件について告訴をすることにした。 ,,,,Iは警察署での事情聴取の際犯人の特徴について年齢は20代後半身長は170センチメートルくらい,体格はぽっちゃり,目はきりっとした感じで一重まぶた,服装は,ニット帽をかぶり,黒っぽい半袖のTシャツ,下は青色のジーパンだったと述べ,その後に見せられた男性の写真9点の中の,犯人の目と同じであると感じた4番の写真の男(被告人)を犯人であると申し出た。また,マジックミラー越しに被告人の姿を確認した際,被告人の目の上の目尻辺りに傷があるのを見て,犯人の目の上にも傷があったことを思い出し,被告人が犯人であることに間違いないと思った。なお,その後の検察庁での事情聴取の際にも,別の写真9点の中から被告人の写真を示して犯人であると申し出た。 (2)Iの公判供述の信用性Iは,本件被害の直後に被害申告をしていないものの,被害の日時・場所・態様や犯人の特徴について,具体的かつ明確に供述しているうえ,被告人を犯人と特定した経緯も,Iの自発的な供述に基づいていることが認められる。また,供述内容にも不自然,不合理な点はなく,Iが供述する犯人の特徴は,被告人に て,具体的かつ明確に供述しているうえ,被告人を犯人と特定した経緯も,Iの自発的な供述に基づいていることが認められる。また,供述内容にも不自然,不合理な点はなく,Iが供述する犯人の特徴は,被告人に当てはまる点が多い。よって,被告人が第8事件の犯人であるというIの公判供述は,十分に信用することができる。 これに対し,弁護人らは,Iが捜査官に誘導されて,被告人を本件の犯人であると申し出るに至った可能性があると主張する。しかし,Iは,電気が点いていない玄関先と,電気が点いていた奥の部屋の2か所で,犯人の姿を見たうえ,奥の部屋では,犯人がIにキスをしようとした際に,犯人の顔を短時間ながらごく間近で見ているから,Iが供述する程度の犯人の特徴を記 憶して自発的に供述することは十分可能であると考えられる。また,Iが指摘した犯人の目尻の傷は,被告人の特徴とよく合致し,その余の身体的特徴についても,被告人と大きくは違っていない。これに対し,被告人は,自分は痩せ型であり,ぽっちゃりとした体格ではない旨供述するが,平成20年10月28日に実施された被告人の引き当たり状況に関する実況見分調書甲1(61)添付の写真によると,被告人は,以前はぽっちゃりした体型であったことがうかがわれる。 以上のとおり,被告人及び弁護人らの主張を踏まえて検討しても,被告人が本件の犯人であるとするIの公判供述の信用性を疑わせる事情は見当たらない。 被告人の供述(1)供述の概要ア本件日時ころの行動被告人は,平成19年8月27日の午後7時か8時くらいまで,八尾方面で仕事をし,その後に1時間くらい仕事に関する電話をかけてから帰宅したので,I方付近に到着できる時刻は,早くても午後9時ころになるはずである。 イ強姦事件の内容被告人は,平成19年の少し肌寒い時期の夜遅くに その後に1時間くらい仕事に関する電話をかけてから帰宅したので,I方付近に到着できる時刻は,早くても午後9時ころになるはずである。 イ強姦事件の内容被告人は,平成19年の少し肌寒い時期の夜遅くに,柏原市内で黒っぽいコートに長いズボンをはいたような服装の女性を発見し,その後をつけてI方マンションに入り,女性に気付かれないように階段で4階まで上がったが,女性の姿を見失ったため,4階の廊下をそのまま奥へ進んで行くと,I方の奥にある2部屋のいずれかの玄関ドアが閉まりかけているのが。 ,,見えたそのドアは施錠されなかったのでそのドアを開けて室内に入り被告人に気付いた女性の口を左手で押さえてその反抗を抑圧し,女性と特に会話をすることもなく,奥の部屋にあったベッドで,コンドームを使用 して,女性を強姦した。 女性の特徴は,身長が165から170センチメートル,体型はやせ過ぎているという印象である。また,女性の部屋の中には,薬学の本があった。 (2)被告人の供述の信用性等アIの供述と一致する部分について被告人はIによる被害申告がなされるよりも相当以前に今までの強,,「姦事件と題する自供書に2007年月は不明柏原市マンシ」「()」,「」,「(〔〕)」,ョン4階建の4F中逮捕された事件第7事件のマンションと同じ「20才くらい「薬学?」などと記載し,同マンション4階中央付近の」,薬学に関する本のある20歳前後の若い女性方で強姦事件を起こした旨を自供しているが,これらの点は,いずれもIの供述する被害状況とよく合致している。また,被告人は,I方マンション内及びその周辺の実況見分時に,買い物を終えたIがI方に帰宅したのと同じ経路で女性を尾行した旨や,同マンション4階真ん中の,I方を含む2室のいずれか よく合致している。また,被告人は,I方マンション内及びその周辺の実況見分時に,買い物を終えたIがI方に帰宅したのと同じ経路で女性を尾行した旨や,同マンション4階真ん中の,I方を含む2室のいずれかが犯行現場である旨の指示説明をしており,これら点もIの供述と一致している。 イIの供述と一致しない部分について他方で,被告人は,犯行日時や場所,態様について,特に公判で,Iの供述と相違する供述をしている。 確かに,犯行時刻については,他の事件が午後8時ころから午前4時ころまでという夜間から深夜にかけての犯行であるのと比較すると,本件は午後7時前後の犯行であり,比較的早い時間帯に行われている。しかし,被告人が本件当日の午後7時前後に仕事をしていたことを裏付ける証拠はないし,比較的早い時間帯といっても,他の事件の最も早い時間のものと比べて約1時間ほど早いに過ぎない。また,犯行場所についても,被告人がI方マンション内及びその周辺の実況見分時に,現場の様子を確認した うえ,自ら,I方マンションのI方かその隣の部屋のいずれかで強姦をした旨指示説明したのに,公判では,それらとは異なる2部屋のいずれかであると述べており,一貫性がないし,そのような供述の変遷が生じた合理的な理由の説明もない。 ウ小括よって,被告人の供述のうち,Iの供述と一致しない部分については,これを信用することができない。 結論 以上によれば,Iの供述に基づいて,被告人が(犯罪事実)第8事件の犯人であると認定することができる。 第5第10事件について 争点 弁護人らは,被告人が,K方に不法に侵入したうえ,Kに対し,前記折りたたみ式ナイフを突き付けて「刺すぞ」と言って脅迫したことは認めるものの,Kに対するその他の暴行,脅迫はしていないうえ,Kからエイズにかかっていると聞か K方に不法に侵入したうえ,Kに対し,前記折りたたみ式ナイフを突き付けて「刺すぞ」と言って脅迫したことは認めるものの,Kに対するその他の暴行,脅迫はしていないうえ,Kからエイズにかかっていると聞かされたため,自らの意思で姦淫行為に及ぶのをやめ,わいせつ行為をするにとどめたから,被告人には住居侵入罪と強制わいせつ罪が成立し,仮に強姦罪の実行の着手があるとしても,強姦未遂罪の中止犯が成立するにとどまる等と主張する。 Kの供述(検察官調書)(1)供述の概要Kは,住居侵入の前後に,被告人から(犯罪事実)第10事件のとおりの暴行脅迫を加えられたと供述したうえ姦淫行為の有無について被告人,,,「から強姦されたくなかったため,被告人に対し,自分がエイズにかかっていると話したり,エイズの薬を飲むふりをして頭痛薬を飲んでみせたりした。 それでも,被告人がKを姦淫しようとしたので,Kは,妊娠を避けるため, コンドームをつけるように懇願した。すると,被告人は,Kにコンドームをつけさせたうえで陰茎をKの膣内に挿入し,10回か20回くらい腰を前後に激しく動かして射精し,Kの膣内から陰茎を抜いた」と供述している。 。 (2)Kの供述の信用性Kの供述は,具体的かつ明確であるうえ,その内容も,例えば,被告人がKの差し出した現金を受け取らなかったなどと,被告人の罪をことさらに誇張することなく,事実をありのままに述べていることをうかがわせるものである。そして,Kは,本件被害にあった直後にKの母親や当時のアルバイト先の店長に対し,また,その翌日には交際相手の男性に対し,自らが強姦されたという通常は知られたくないはずの事実を打ち明けていることからすると,Kが,被告人を陥れるためにあえて虚偽の供述をしたとは考えにくい。 さらに,Kは,本件被害に遭う前に の男性に対し,自らが強姦されたという通常は知られたくないはずの事実を打ち明けていることからすると,Kが,被告人を陥れるためにあえて虚偽の供述をしたとは考えにくい。 さらに,Kは,本件被害に遭う前に交際相手の男性と性交渉をした経験があることからすれば,自身の膣内に陰茎が挿入されたか否かの判断は十分可能であると考えられる。 よって,Kの供述は,信用性が高い。 被告人の供述についてこれに対し,被告人は,弁護人らの主張に沿う供述をし,特に,強姦行為の有無の点について,Kと性交渉をしてエイズに感染することをおそれたため,コンドームを付けた自己の陰茎を,Kの陰部からへその辺りにかけて擦り付けるにとどめ,挿入はしなかったと供述している。 しかし,その内容は,信用できるKの供述と大きく異なっているうえ,コンドームをつけたのに陰茎をKの膣内に挿入しなかった理由として,膣内に陰茎を挿入するとコンドームが破れたことに気付かないかもしれないからであると述べているが,被告人の供述する態様のわいせつ行為によっても,コンドームが破れる可能性は十分にあると考えられるから,合理的な説明であるとはいえない。 よって,Kの供述に反する被告人の供述は,信用性に乏しい。 結論 以上によればKの供述に基づいて犯罪事実第10事件のとおり住居,,(),侵入及び強姦の各事実を認定することができる。 第6第12事件について 争点 弁護人らは,被告人が,M方に不法に侵入したうえ,Mに対し,抵抗を著しく困難にする程度の脅迫を加えて1回強姦し,M方の鍵を強奪したことは認めるものの,Mに対する暴行や2回目の強姦行為は及んでいないうえ,金品を強奪しようと思い立ったのは強姦後であり,Mから現金約1万2000円の強奪はしていないから,被告人には強姦罪と鍵に関する強盗罪 めるものの,Mに対する暴行や2回目の強姦行為は及んでいないうえ,金品を強奪しようと思い立ったのは強姦後であり,Mから現金約1万2000円の強奪はしていないから,被告人には強姦罪と鍵に関する強盗罪が成立するにとどまると主張する。 Mの公判供述(1)供述の概要被告人はM方室内に侵入した後玄関でMに覆いかぶさり動いたら刺,,,「すぞ」と言って,ナイフと思われる何かをMの左太ももに押し当て「おれ。 ,は金ないんやと言ったMは鞄の中からお年玉袋を取り出して中に入。」。 ,,っていた一万円札を被告人に差し出したが被告人がこれだけかと言っ,「。」たので,自分の財布の中から金種不明のお札2枚を取り出し「これで帰っ,てと言ったすると被告人はおれに指図するなと言ってMの顔。」。 ,,「。」,と肩を1回ずつ,こぶしで殴り,Mに「奥の部屋へ行け」と言った。 。 Mが,玄関から奥の部屋に移動し,こたつの上にお札3枚とお年玉袋を置くと,被告人は「もう一つ目的がある「やらせろ」と言い,Mに服を脱,。」。 ぐように命じ,Mが裸でベッドに立っている姿などを写真に撮るなどしたうえ,Mを強姦した。その後,被告人は,いったんトイレに行き,戻ってくると,Mに「なめて行かせろ」と言って口淫をさせ,再びMを強姦した。 。 その後,被告人は,Mに服を着させ,Mの学生証等の写真を撮ったうえ,Mに鍵出せと言って部屋の鍵を受け取りこれ持っていくぞと言っ「。」,「。」て,こたつの上に置いてあったお札3枚(一万円札1枚と金種不明のお札2枚)も持ち去った。 (2)Mの供述の信用性Mの被害状況に関する供述内容は,具体的かつ自然であり,被害の直後にMの名前や「一万円」と書かれたお年玉袋のみがM方の 枚(一万円札1枚と金種不明のお札2枚)も持ち去った。 (2)Mの供述の信用性Mの被害状況に関する供述内容は,具体的かつ自然であり,被害の直後にMの名前や「一万円」と書かれたお年玉袋のみがM方のこたつの上に残されていたという客観的事実ともよく整合している。また,そもそも,常識的に考えて,Mが自分の身体に直接加えられた強度の暴行や強姦の有無等を勘違いするとは考えにくいし,強盗の事実についても,強奪された金額は,一万円札以外は金種が分からないから少なくとも2000円であると述べるなど,Mに被害内容をことさらに誇張して述べるような供述態度がうかがわれないことなどからみても,Mの供述に疑わしい点は見当たらない。 よって,Mの被害状況に関する供述は,十分に信用することができる。 被告人の供述これに対し,被告人は,弁護人らの主張に沿う供述をし,特に,強姦行為の回数について,Mに口淫させた後に1回強姦し,その後にベッドの上に立たせ,,たMの姿や学生証等の写真を撮影したうえ鍵を受け取って立ち去ったと述べ現金を持ち去ってはいない旨の供述をしている。そして,弁護人らは,被告人質問の際,被告人が本件犯行の最中に撮影した写真(①被告人がMを強姦するなどしている様子,②Mがベッドに立っている姿とMの学生証等,の順に撮影されたもの)を示し,これらの写真の順序等に合致する被告人供述の信用性は高いと主張する。確かに,出来事の先後関係に関するMの記憶にはあいまいなところがあるとうかがわれるが,既に検討したとおり,Mの身体に直接加えられた強度の暴行や強姦の有無等,金銭強奪の有無自体を勘違いするとは考えに,。 ,くいからこれらに関するMの供述の信用性が減殺されるとはいえないまた 確かに,上記写真には強姦場面が1回分しか撮影されていないが,写真①と②の間 強奪の有無自体を勘違いするとは考えに,。 ,くいからこれらに関するMの供述の信用性が減殺されるとはいえないまた 確かに,上記写真には強姦場面が1回分しか撮影されていないが,写真①と②の間には約23分の間隔があるから,この間に2回目の強姦をすることは可能である(現に被告人は,第3事件の際にはわずか13分の間にBを強姦しているから上記写真の内容は被害の根幹部分に関するMの供述と矛盾するも。),,のではない。 そうすると,弁護人らの主張を踏まえて検討しても,Mの被害状況に関する供述の信用性は高く,これに反する被告人の供述の信用性は低い。よって,被告人の供述のうち,Mの供述と一致しない点については,これを信用することができない。 結論 以上によればMの供述に基づいて犯罪事実第12事件のとおり住居,,(),侵入及び強盗強姦の各事実を認定することができる。 第7第13事件について 争点 被告人及び弁護人らは,被告人が,Dに対し,現金を要求した理由は,大声で叫んでいたDをおとなしくさせるためであり,実際に現金を奪う意図はなかった,したがって,被告人には強盗の故意がないから強盗罪は成立せず,住居侵入罪と強姦罪が成立するにとどまると主張する。 当裁判所の判断,,「。」信用できるDの捜査段階供述によれば被告人はDがきゃー助けてー,,「,。 などと大声で叫ぶよりも前からDに対しリストラされたから金がない何か金目のものないんかなどと言って現金を要求しその後も再三にわたり。」,現金を要求していたが,Dの所持金がごくわずかであることを知り,Dが差し出した金銭を受け取らなかった,というのであるから,Dをおとなしくさせるために現金を要求したに過ぎない旨の弁護人らの主張は採用することがで していたが,Dの所持金がごくわずかであることを知り,Dが差し出した金銭を受け取らなかった,というのであるから,Dをおとなしくさせるために現金を要求したに過ぎない旨の弁護人らの主張は採用することができず,被告人は当初から現金を強奪する意図を有していたと認められる。 よってDの供述に基づいて犯罪事実第13事件のとおり住居侵入及,,(),び強盗強姦の各事実を認定することができる。 (法令の適用)被告人の第1事件の所為のうち,住居侵入の点は刑法130条前段に,強姦致傷の点は同法181条2項,177条前段に,窃盗の点は同法235条に,第2事件の所為のうち,住居侵入の点は同法130条前段に,強姦の点は同法177条前段に,窃盗の点は同法235条に,第3事件の1の所為は同法177条前段に,第3事件の2の所為のうち,強盗の点は同法236条1項に,強盗未遂の点は同法243条,236条1項に,第4事件の所為のうち,住居侵入の点は同法130条前段に,強姦未遂の点は同法179条,177条前段に,第5,第10及び第11事件の各所為のうち,各住居侵入の点はいずれも同法130条前段に,各強姦の点はいずれも同法177条前段に,第6,第8,第12及び第13事件の各所為のうち,各住居侵入の点はいずれも同法130条前段に,各強盗強姦の点はいずれも同法241条前段に,第7及び第9事件の各所為のうち,各住居侵入の点はいずれも同法130条前段に,各強姦の点はいずれも同法177条前段に,各強盗の点はいずれも同法236条1項にそれぞれ該当するが,第3事件の2の強盗と強盗未遂は包括して強盗罪の刑で処断し,第1事件の住居侵入と強姦致傷との間及び住居侵入と窃盗との間にはそれぞれ手段結果の関係があるので,同法54条1項,10条により結局第1事件を1罪として最も重い強姦致 遂は包括して強盗罪の刑で処断し,第1事件の住居侵入と強姦致傷との間及び住居侵入と窃盗との間にはそれぞれ手段結果の関係があるので,同法54条1項,10条により結局第1事件を1罪として最も重い強姦致傷罪の刑で,第2事件の住居侵入と強姦との間及び住居侵入と窃盗との間にはそれぞれ手段結果の関係があるので,同法54条1項,10条により結局第2事件を1罪として最も重い強姦罪の刑で,第4事件の住居侵入と強姦未遂との間には手段結果の関係があるので,同法54条1項,10条により1罪として重い強姦未遂罪の刑で,第5,第10及び第11事件の各,,住居侵入と各強姦との間にはそれぞれ手段結果の関係があるので同法54条1項10条により各事件ごとに1罪としていずれも重い強姦罪の刑で,第6,第8,第12及び第13事件の各住居侵入と各強盗強姦との間にはそれぞれ手段結果の関係 があるので,同法54条1項,10条により各事件ごとに1罪としていずれも重い強盗強姦罪の刑で,第7及び第9事件の各住居侵入と各強姦との間及び各住居侵入と各強盗との間にはそれぞれ手段結果の関係があるので,同法54条1項,10条により結局各事件ごとに1罪としていずれも最も重い強盗罪の刑で,それぞれ処断することとし,第1,第6,第8及び第13事件の各罪について各所定刑中有期懲役刑を,第12事件の罪について所定刑中無期懲役刑をそれぞれ選択し,第4事件の罪は中止未遂であるから同法43条ただし書,68条3号により法律上の減軽をし,以上は同法45条前段の併合罪であるが,第12事件の罪について無期懲役刑を選択したので,同法46条2項本文により,他の刑を科さないで,被告人を無期懲役に処し,同法21条を適用して未決勾留日数中390日をその刑に算入し,訴訟費用については,刑事訴訟法181条1項本文により全部これ ので,同法46条2項本文により,他の刑を科さないで,被告人を無期懲役に処し,同法21条を適用して未決勾留日数中390日をその刑に算入し,訴訟費用については,刑事訴訟法181条1項本文により全部これを被告人に負担させることとする。 (量刑の理由)本件は,被告人が,1年2か月余りの間に,大阪市内,大阪府柏原市内及び神戸市内で住居侵入・強姦致傷・窃盗第1事件住居侵入・強姦・窃盗第2,(),(事件,強姦・強盗・強盗未遂(第3事件,住居侵入・強姦未遂(第4事件)各))1件住居侵入・強姦3件第5第10及び第11事件住居侵入・強盗強姦,(,),4件第6第8第12及び第13事件住居侵入・強姦・強盗2件第7及(,,),(び第9事件)の合計13件の犯行を重ねたという事案である。 被告人は,嫌がる女性を無理矢理姦淫するという,いわゆるレイプもののアダルトビデオに刺激され,仕事によるストレスを発散するとともに,自己の性欲や金銭欲を満足させるため,全く面識のない,18歳から27歳までの若い女性に,,対しその人格等を著しく踏みにじる凶悪な犯罪を多数回繰り返したものであり,。 ,その動機は身勝手この上なく酌量の余地は全くない本件各犯行の主な手口は夜間1人歩きをしている若い女性の後をつけるなどしたうえ,女性の自宅マンションのエレベーター内や女性方居室内などに入り込むなどして,女性と2人きり となった状況を利用し,女性に折りたたみ式ナイフを突き付け,顔に一生残る傷を付けると言うなどして脅迫したり,素手で暴行を加えたりして,女性を抵抗できなくさせて,強姦や強盗に及び,さらに,被害申告をさせないようにするために女性を強姦する様子などをデジタルカメラで撮影し,口止めをして立ち去るという,凶器等の道具を用いた えたりして,女性を抵抗できなくさせて,強姦や強盗に及び,さらに,被害申告をさせないようにするために女性を強姦する様子などをデジタルカメラで撮影し,口止めをして立ち去るという,凶器等の道具を用いた周到かつ卑劣なものであり,極めて悪質である。その結果,最も刑罰の重い強盗強姦を含む事件4件,これに次いで重い強姦致傷を含む事件1件のほか強姦と強盗未遂を含むの両罪を含み被害者からする,(。),と,強盗強姦と同様の著しい苦痛を被ったと考えられる事件5件などの,合計13件もの犯罪被害が発生し,12人の女性が強姦され,そのうち1名は傷害まで負わされたうえ,5人の女性が,合計約8万円の現金や鍵などの物品を奪われるなどし,容易に癒すことができない肉体的・精神的苦痛を被らされた。また,被害女性らは,被害に遭う過程において,1人暮らしの自宅内など,他人の助けを期待できない状況下で,いきなり刃物を突き付けて脅迫されたり,強度の暴行を,。 ,加えられるなどして著しい恐怖感や絶望感を味わわされたいずれの被害者も被告人に対する峻烈な処罰感情を表しており,そのうち6名の被害者は書面によ,,「,り3名の被害者は公判に出廷してできれば死刑にしてほしいところですが無期懲役できるだけ苦しむ方法の処罰を望みたいです等と述べるなど悲痛,。」,な心情を吐露している。さらに,本件各犯行の重大性,悪質性,連続性などに照らすと,地域社会に及ぼした衝撃の大きさも見過ごせない。 以上に加えて,多数の同種事件を敢行しているため,個々の事件に関する記憶があいまいになっている可能性を考慮しても,なお,被告人は,公判で,種々の不合理な弁解を重ねているといわざるを得ず,特に法定刑が重い4件の強盗強姦を全て否認し,その各罪の成立を妨げる供述をしていることもあわせ になっている可能性を考慮しても,なお,被告人は,公判で,種々の不合理な弁解を重ねているといわざるを得ず,特に法定刑が重い4件の強盗強姦を全て否認し,その各罪の成立を妨げる供述をしていることもあわせ考えると,被告人が,自己の行動等を省み,被害者らが心身に受けた深刻な打撃等に思いを,。 ,致し真に本件各犯行を反省する気持ちになっているとは認め難いしたがって被告人の刑事責任は極めて重い。 他方で,被告人には,①強姦1件(第4事件)及び強盗2件(第8及び第13事件)が未遂に終わり,強姦未遂については,被告人が自らの意思で中止したも,,,のであること②第1事件の被害者の負った傷害が重篤なものでなかったこと,,③本件各犯行の一部は認めその余の各犯行についても犯罪事実の一部は認めて,,,被告人なりの反省の弁を述べていること④現時点で自分の預貯金等の中から被害者9名に対し,合計911万円余り(1人あたり100万円ないし105万円)の被害弁償をしていること,⑤前科前歴がないこと,⑥本件当時は熱心に仕事をしており,職場の元上司が被告人の働き振りを評価したうえ,有期懲役刑を望む旨の嘆願書を提出していること,⑦実母や元の交際相手が公判に出廷し,それぞれの立場から今後も被告人を支えていきたいと述べていることなどの,被告人のために酌むべき事情も認められる。もっとも,被告人は,第4事件の強姦行,,,為を中止した後にも被害者に対し性交類似の行為を続けているのであるから結局被告人による強姦の中止が被害者に対する性的自由の侵害の程度を著しく軽減したとはいい難い。また,被告人は,すべての被害者らに対し被害弁償を試みているが,いまだ4名の被害者に対する弁償を終えていないし,その金額も,被害の深刻さや,多くの被害者が引越しを余儀なくされ,転居費 たとはいい難い。また,被告人は,すべての被害者らに対し被害弁償を試みているが,いまだ4名の被害者に対する弁償を終えていないし,その金額も,被害の深刻さや,多くの被害者が引越しを余儀なくされ,転居費用等で多額の出費をしていること等に照らすと,決して十分とはいえない。さらに,被告人に前科前歴がなく,仕事熱心であった点も,被告人が,約1年2か月以上にわたり,主として仕事の帰りに,会社の車を足代わりにして犯行に及んだことに照らすと,被告人の刑事責任を大きく軽減させるとはいえない。 そうすると,本件は,前記のとおり,被告人が,まことに身勝手な動機で,卑劣な手口により,強盗強姦等4件を始めとする13件もの同種犯行を重ねた事案であり,その犯情は極めて悪く,被告人のために酌むべき諸事情を十分考慮しても,被告人に対しては,上限30年の有期懲役刑ではなく,無期懲役刑をもって臨むのが相当であると判断した。 (求刑無期懲役) 平成22年4月19日大阪地方裁判所第4刑事部細井正弘裁判長裁判官秋田志保裁判官池上弘裁判官

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