【DRY-RUN】主 文 本件控訴を棄却する。 理 由 本件控訴の趣旨は末尾添附の弁護人三輪秀文の差し出した控訴趣意書記載のとお りである。 三輪弁護人の控訴趣意第一点につい
主文 本件控訴を棄却する。 理由 本件控訴の趣旨は末尾添附の弁護人三輪秀文の差し出した控訴趣意書記載のとおりである。 三輪弁護人の控訴趣意第一点について。 しかし原判決の挙示引用に係る標目の各証拠を綜合すれば原判示の事実はこれを肯認するに足り事実誤認の<要旨第一>疑は存しない。公職選挙法第二百三十七条第二項にいう「氏名を詐称しその他詐偽の方法をもつて投票する」</要旨第一>とは氏名を詐称するなど詐偽の方法をもつて投票することをいうのであつて氏名を詐称するというのは例示でありいやしくも詐偽の方法をもつて投票すれば本罪が成立するものと解すべきであるから、他人の名を詐つて入場して投票をなしあるいは不法に投票用紙を入手して重投票をする場合などがこれに該ること明らかでありかくの如き場合において投票管理者等係員が右詐偽の方法によつて欺罔されると否とは本罪の成立にはなんら影響をおよぼすものではない。従つて所論の如く本件選挙についてa村A投票区投票所において入場券所持者が正当な投票権者なりや否やを確認し正当な投票権者でないと認めたときは投票を拒否すべき事務等に従事していた同村選挙管理委員会書記B等において被告人が正当な投票権者でないことを知つていたとしても被告人の罪責には消長を来すものではない。それゆえ論旨は理由がない。 同第二点について。 しかし原判示の事実はこれを肯認するに足り事実誤認の疑のないことは前段叙説したとおりであり原審の法令の適用もまた相当であつて擬律錯誤の違法もない。論旨は被告人の所為に対しては公職選挙法第二百三十七<要旨第二>条第一項が適用せらるべきであると主張するからこの点について考えるのになるほど本項の罪は投票をする資</要旨第二>格のない者が投票をした場合に対する処罰規定であるが 公職選挙法第二百三十七<要旨第二>条第一項が適用せらるべきであると主張するからこの点について考えるのになるほど本項の罪は投票をする資</要旨第二>格のない者が投票をした場合に対する処罰規定であるが同条第二項の罪は本項の罪に対する特別規定と解すべきものであつて同じく非選挙人が投票をした場合でも詐偽の方法によつて選挙人名簿に登録された者が投票をなし、あるいは選挙人でないものが氏名を詐称しその他の詐偽の方法によつて投票した場合には第二項の罪が成立するのであり結局第一項の罪が成立するのは詐偽の方法によらず、なんらかの事情によつて誤つて選挙人名簿に登録された者又は選挙人名簿に登録された後において選挙権を喪失した者が選挙人名簿に登録されていることを奇貨とし、自己に選挙権のないことを知りながら投票をした場合などに成立するに過ぎないものと解するのが正当である。 それゆえ論旨は採用することができない。 (その他の判決理由は省略する。)(裁判長判事中村光三判事河本文夫判事鈴木重光)
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