【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人らの負担とする。 理 由 上告代理人黒田耕一の上告理由について 一 本件記録によれば、上告人らの本訴
主 文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人らの負担とする。 理 由 上告代理人黒田耕一の上告理由について 一 本件記録によれば、上告人らの本訴請求は、昭和四五年一一月一〇日及び同 年一二月一五日開催の被上告会社の臨時社員総会における第一審判決添付別紙(以 下「別紙」という。)記載の各決議が存在しないことの確認を求めるものであると ころ、原審は、昭和四五年一二月一五日被上告会社の臨時社員総会が開催されたこ とはないとの事実を確定しながらも、昭和四五年一一月一〇日の被上告会社の社員 総会において別紙1、2、3の(1)ないし(4)記載の各決議がされ、その旨が便宜 上同年一二月一五日の日付を付した社員総会議事録に記載されたものであることを 確定したうえ、右決議と右社員総会議事録は、別個の決議あるいはその外観ではな く、一体となつたものとみるのが相当であるとし、上告人らの主張する昭和四五年 一一月一〇日及び同年一二月一五日付の各決議を通じ、別紙1、2、3の(1)、( 4)記載の各決議の不存在確認を求める請求部分については理由がないとし、上告 人らの請求部分を棄却した。 所論は、まず、昭和四五年一一月一〇日に被上告会社の社員総会が開催され、 右総会において前記のような各決議がされたとする原審の右認定判断には事実誤認、 判断遺脱の違法があるというが、原審の右認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照 らして是認することができないものではなく、その過程に所論の違法があるとはい えない。右論旨は、ひつきよう、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定 を非難するものにすぎず、採用することができない。 所論は、次に、昭和四五年一二月一五日に被上告会社の臨時社員総会が開催さ - 1 - れたことはないとの事実を確定しながらも、右社員総 、事実の認定 を非難するものにすぎず、採用することができない。 所論は、次に、昭和四五年一二月一五日に被上告会社の臨時社員総会が開催さ - 1 - れたことはないとの事実を確定しながらも、右社員総会における別紙1、2、3の (1)、(4)記載の各決議の不存在の確認を求める上告人らの前記請求部分を棄却し た原判決には法令の解釈適用の誤り等の違法がある、というのである。よつて、検 討するに、上告人らの本訴請求の趣旨は、「昭和四五年一一月一〇日及び同年一二 月一五日開催の被上告会社の臨時社員総会における別紙記載の各決議は存在しない ことの確認を求める。」というのであつて、形式上過去の社員総会決議の不存在の 確認を求めるものとなつているが、本訴の目的とするところは、被上告会社の社員 総会決議の不存在という単なる過去の事実関係の存否の確認を求めるものではなく、 被上告会社において昭和四五年一一月一〇日及び同年一二月一五日別紙記載の内容 の社員総会決議が何ら行われなかつたのにかかわらず、その旨の決議があつた旨社 員総会議事録及び商業登記簿等に記載され、そのことにより外見上あたかもこれが 適法に被上告会社その他の関係人を拘束するかのように取り扱われるおそれがある から、それが法的に何らの効力も有しないことを判決により明確にし、もつて被上 告会社その他の関係人間において、右社員総会決議の拘束力のないことを画一的に 確定することを求めるものであると解されるところ、原審の適法に確定したところ によれば、昭和四五年一二月一五日に被上告会社の臨時社員総会が開催されなかつ たが、別紙1、2、3の(1)、(4)記載の各決議は昭和四五年一一月一〇日の被上 告会社の社員総会において有効に決議されたものであり、被上告会社の社員総会議 事録及びその内容にそう商業登記の日付は誤つて記載されたにすぎないという )、(4)記載の各決議は昭和四五年一一月一〇日の被上 告会社の社員総会において有効に決議されたものであり、被上告会社の社員総会議 事録及びその内容にそう商業登記の日付は誤つて記載されたにすぎないというので あるから、右議事録及び登記の記載には、事実関係にそわない点があるとはいえ、 なお、それは、昭和四五年一一月一〇日の被上告会社の社員総会においてされた別 紙1、2、3の(1)、(4)記載の各決議を表象するものとして有効なものと解しう るのであつて、昭和四五年一二月一五日に被上告会社の臨時社員総会が開催されな かつたことは右決議の効力を否定するに足りず、また、そのことがその後の法律関 - 2 - 係に何らの影響を及ぼすものではないと解するのが相当であるから、原審が昭和四 五年一二月一五日開催の被上告会社の社員総会において別紙1、2、3の(1)、( 4)記載の各決議が存在しないことの確認を求める上告人らの請求部分を排斥した としても、これをもつて原判決に所論のような違法があるとするのはあたらない。 原判決の説示するところによれば、原審も右と同様の見解に立つて前記のような判 断をしたものと解することができないものではないから、原審の右判断に所論の違 法があるとはいえず、この点に関する論旨は、結局理由がないとして排斥を免れな いというべきである。 二 次に、本件記録によると、上告人らは、本訴において、被上告会社の社員総 会における別紙3の(2)、(3)記載の定款変更の決議、すなわち定款六条の社員の 氏名、住所及び出資口数並びに同七条の取締役及び監査役に関する定款変更の決議 の不存在の確認を求めるものであるところ、原審は、有限会社の社員の氏名、住所、 持分の口数の変動は定款そのものの変更ではなく、また、定款に設立当初の取締役、 監査役を定めた場合であつても、その解任、選任は定款の変 確認を求めるものであるところ、原審は、有限会社の社員の氏名、住所、 持分の口数の変動は定款そのものの変更ではなく、また、定款に設立当初の取締役、 監査役を定めた場合であつても、その解任、選任は定款の変更を要せず、社員総会 の普通決議をもつて足りると解するのが相当であり、右各事項の定款変更決議には 法的に格別の意味があるわけではないから、社員総会における社員の持分譲渡承認 決議及び取締役、監査役の選任決議の存否の確認を求めているときに、重ねて右各 事項に関連する定款変更決議の不存在確認を求める利益がないとし、右決議の不存 在の確認を求める請求部分の訴えを不適法として却下した。 所論は、上告人らの右定款変更決議不存在の確認を求める請求部分の訴えを不 適法として却下した原判決には法令の解釈適用の誤り、理由不備、判断遺脱等の違 法がある、というのである。よつて、案ずるに、本件記録によれば、上告人らの本 訴における前記請求部分は、被上告会社においては社員総会が開催されたことも定 款変更決議が行なわれたこともないのにかかわらず、定款変更決議が行われた旨総 - 3 - 会議事録等に記載され、それが外見上会社その他の関係人に対し適法に拘束力を持 つかのように取り扱われ勝ちであるから、これが失当であることを判決により明確 に確定するよう求めるものであると解されるところ、その定款変更決議がその決議 の内容となつている事項の変更そのものについて格別の法的効力を有しないもので あつても、定款変更そのものの決議に疑義が存するときは、その決議を推測させる 記載のある定款が存在することにより右決議の効力ないしそれから派生する法律関 係について種々の紛争が生ずるおそれがあり、かかる紛争を抜本的に解決するため には、その基本となる定款変更決議自体の存否を確定することが必要であり、かつ、 適切な手段という ないしそれから派生する法律関 係について種々の紛争が生ずるおそれがあり、かかる紛争を抜本的に解決するため には、その基本となる定款変更決議自体の存否を確定することが必要であり、かつ、 適切な手段というべきであるから、被上告会社の定款変更決議の不存在の確認を求 める請求部分の訴えは、適法なものとして許容されるものと解するのが相当である。 そうすると、これと異なる前記のような見解のもとに、上告人らの前記請求部分に かかる訴えを不適法として却下した原判決には訴えの利益に関する法令の解釈適用 を誤つた違法があるものというべきである。しかしながら、本件について更に検討 するに、原審の適法に確定した事実関係によれば、昭和四五年一一月一〇日に開催 された被上告会社の社員総会において別紙3の(2)、(3)記載の定款変更決議が有 効になされたものであることは前記のとおりであるから、上告人らの右定款変更決 議の不存在の確認を求める請求部分は、理由がないとして棄却を免れないことにな るが、その結論は、原判決の結論よりも上告人らにとつて不利益であるところ、民 訴法三九六条、三八五条によると、上告人らのみの上告にかかる本件において、原 判決より上告人らに不利益な結論となる判決をすることは許されないから、原判決 の結論を維持するほかなく、したがつて、原判決の前示の違法は、判決の結論に影 響を及ぼさないということに帰する。それゆえ、この点に関する論旨も、結局、採 用することができない。 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員一致の意見 - 4 - で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第二小法廷 裁判長裁判官 鹽 野 宜 慶 裁判官 木 下 忠 良 裁判官 宮 最高裁判所第二小法廷 裁判長裁判官 鹽 野 宜 慶 裁判官 木 下 忠 良 裁判官 宮 崎 梧 一 裁判官 大 橋 進 裁判官 牧 圭 次 - 5 -
▼ クリックして全文を表示