主文 1⑴ 原告らの控訴に基づき、原判決を次のとおり変更する。 ⑵ 被告は、本判決別紙「居住経過一覧表」の各「損害額合計」欄に記載のある各原告(ただし、同表の「死亡日」欄に記載のある者を除く。)に対し、下記の金員を支払え。 ア上記各原告に対応する「損害額合計」欄記載の各金員イ上記各原告に対応する「始期月額」欄記載の金額に対する「始期」欄記載の日の属する月の翌月1日から支払済みまで年5分の割合(ただし、当該属する月が令和2年4月以降の月である場合においては、同金額に対する当該属する月の翌月1日から支払済みまで年3%の割 合)による金員ウ上記各原告に対応する「始期」欄記載の日の属する月の翌月から「終期」欄記載の日の属する月の前月までの間、暦上の月ごとに、1か月当たり各対応する「単位損害賠償額(月額)」欄記載の金額に対する当該月の翌月1日から各支払済みまで年5分の割合(ただし、当 該暦上の月が令和2年4月以降の月である場合においては、同金額に対する当該月の翌月1日から各支払済みまで年3%の割合)による金員エ上記各原告に対応する「終期月額」欄記載の金額に対する「終期」欄記載の日の属する月の翌月1日から支払済みまで年5分の割合(た だし、当該属する月が令和2年4月以降の月である場合においては、同金額に対する当該属する月の翌月1日から支払済みまで年3%の割合)による金員⑶ 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。 2 被告の控訴を棄却する。 3 訴訟費用は、第1、2審とも、全事件を通じてこれを9分し、その4を 原告らの負担とし、その余は被告の負担とする。 4 この判決は、第1項⑵に限り、本判 を棄却する。 3 訴訟費用は、第1、2審とも、全事件を通じてこれを9分し、その4を 原告らの負担とし、その余は被告の負担とする。 4 この判決は、第1項⑵に限り、本判決が被告に送達された日から14日を経過したときは、仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 当事者の求めた裁判 1 原告らの控訴の趣旨⑴ 原判決を次のとおり変更する。 ⑵ア被告は、原判決別紙「請求額一覧表(第1事件)」記載の各原告(ただし、後記⑸に係る本判決別紙「承継額一覧表」の「死亡原告」欄に記載のある者を除く。)に対し、上記各原告に対応する「請求総額」欄記載の金 員及び「うち金額」欄記載の金額に対する平成30年7月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 イ被告は、上記各原告に対し、平成30年7月1日から令和6年9月27日までの間、暦上の月ごとに、1か月当たり上記各原告に対応する「請求月額」欄記載の金員及びこれに対する当該月の翌月1日から支払済みまで 年5分の割合による金員を支払え。 ⑶ア被告は、原判決別紙「請求額一覧表(第2事件)」記載の各原告(ただし、後記⑸に係る本判決別紙「承継額一覧表」の「死亡原告」欄に記載のある者を除く。)に対し、上記各原告に対応する「請求総額」欄記載の金員及び「うち金額」欄記載の金額に対する令和2年2月1日から支払済み まで年5分の割合による金員を支払え。 イ被告は、上記各原告に対し、令和2年2月1日から令和6年9月27日までの間、暦上の月ごとに、1か月当たり上記各原告に対応する「請求月額」欄記載の金員及びこれに対する当該月の翌月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 ⑷ 被告は、原判決別紙「承継額一覧表」の とに、1か月当たり上記各原告に対応する「請求月額」欄記載の金員及びこれに対する当該月の翌月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 ⑷ 被告は、原判決別紙「承継額一覧表」の「承継原告」欄記載の各原告に対 し、それぞれ「分割承継債権」欄中の「承継債権額」欄記載の金員及び「うち金額」欄記載の金額に対する各「死亡原告」欄中の「相続開始日」欄記載の日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 ⑸ 被告は、本判決別紙「承継額一覧表」の「承継原告」欄記載の各原告に対し、それぞれ「分割承継債権」欄中の「承継債権額」欄記載の金員及び「う ち金額」欄記載の金額に対する各「相続開始日」欄記載の日の翌日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。 2 被告の控訴の趣旨⑴ 原判決中被告敗訴部分を取り消す。 ⑵ 上記部分に係る原告らの請求をいずれも棄却する。 第2 事案の概要(以下、略語については、原判決のものを用いる。なお、原判決中「別紙」とあるのは「原判決別紙」と、「当庁」とあるのは「那覇地方裁判所沖縄支部」とそれぞれ読み替える。) 1 事案の要旨本件は、沖縄県宜野湾市に所在する普天間飛行場の周辺に居住し、若しくは 居住していた者又はその相続人である原告らが、普天間飛行場を安保条約及び地位協定によってアメリカ合衆国に米軍の使用する施設及び区域として提供している被告に対し、普天間飛行場において離着陸する米軍の航空機等の発する騒音等により生活妨害、睡眠妨害、健康被害、精神的被害等の被害を被っている旨主張して、民事特別法2条に基づき、第1事件原告らについては第1事件 の訴え提起日の3年前の応当日である平成27年7月2日(ただし、同日以後に本件コンター内に転入した原 等の被害を被っている旨主張して、民事特別法2条に基づき、第1事件原告らについては第1事件 の訴え提起日の3年前の応当日である平成27年7月2日(ただし、同日以後に本件コンター内に転入した原告らについては当該転入の日、普天間基地第1次騒音訴訟の当事者であった原告らについてはその控訴審の口頭弁論終結日の翌日である平成28年7月27日)、第2事件原告らについては第2事件の訴え提起日の3年前の応当日である平成30年1月31日(ただし、同日以後に 本件コンター内に転入した原告らについては当該転入の日、普天間基地第2次 爆音訴訟の当事者であった原告らについてはその控訴審の口頭弁論終結日の翌日である平成30年9月28日)から、それぞれ支払済みまでの損害の賠償(暦上の月ごとに、その居住する区域に応じてW80区域については1か月当たり1万5000円(1日当たり500円)、W75区域については1か月当たり9000円(1日当たり300円)に弁護士費用相当額として10%を加 算した額(なお、請求の始期又は終期が月の途中である場合や、月の途中で住所の移転等があった場合には、損害賠償の対象となる期間につき、1日当たり500円又は300円に前記の10%を加算した額。ただし、承継人らについては各自の相続分に応じた額)及びこれに対する不法行為後の日(当該月の翌月1日)から支払済みまで民法(平成29年法律第44号による改正前のもの。 以下同じ。)所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた(本件損害賠償請求)事案である。 原審が、各事件の訴え提起日の3年前の応当日(ただし、同日以後に前記の転入があった原告らについては当該転入の日、普天間基地第1次騒音訴訟や普天間基地第2次爆音訴訟の当事者であった原告らについてはその控訴審の口 事件の訴え提起日の3年前の応当日(ただし、同日以後に前記の転入があった原告らについては当該転入の日、普天間基地第1次騒音訴訟や普天間基地第2次爆音訴訟の当事者であった原告らについてはその控訴審の口頭 弁論終結日の翌日)から令和3年9月30日(原審口頭弁論終結日。ただし、同日までの間に本件コンター外に転出した原告らについては当該転出の前日、死亡した原告らについては当該死亡日)までの期間につき、各原告の居住する地域に係る本件コンターのW値に応じて、W80区域については1か月当たり9000円(1日当たり300円)、W75区域については1か月当たり45 00円(1日当たり150円)を基準として慰謝料額を算定し、住宅防音工事による減額(住宅防音工事1室につき10%、2室目以降は1室ごとに5%ずつ加算し、住宅防音工事が5室以上実施されている場合や、外郭防音工事ないし防音区画改善工事(住宅内の全ての居室が対象とされ、住宅全体が一つの防音区画として実施されたもの)が実施されている場合は一律30%とする割合 による減額)や弁護士費用相当額として10%の加算をした後の額(ただし、 承継人らについては各自の相続分に応じた額)及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で原告らの請求を認容し、その余の請求をいずれも棄却したところ、原告ら及び被告が各自の敗訴部分を不服としてそれぞれ控訴した。 2 前提となる事実、争点及び争点に関する当事者の主張前提となる事実、争点及び争点に関する当事者の主張は、次のとおり訂正す るほかは、原判決の「事実及び理由」第2章(以下、当審による訂正後のものを「原判決第2章」という。)第2及び第3のとおりであるから、これを引用する。 ⑴ 原判決6頁12行目末尾の次に行を改めて次のとおり加える 決の「事実及び理由」第2章(以下、当審による訂正後のものを「原判決第2章」という。)第2及び第3のとおりであるから、これを引用する。 ⑴ 原判決6頁12行目末尾の次に行を改めて次のとおり加える。 「 なお、安保条約6条の定めの内容は、次のとおりである。 日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。(以下略)」⑵ 原判決13頁11行目の「別紙「居住経過一覧表」」を「本判決別紙「居住経過一覧表」」に、15行目の「の「死亡原告」欄」を「及び本判決別紙 「承継額一覧表」の各「死亡原告」欄」に、16行目の「同別紙」を「原判決別紙「承継額一覧表」の」に、同行目の「欄記載」を「欄及び本判決別紙「承継額一覧表」の「相続開始日」欄に各記載」に、17行目、20行目及び22行目の「同別紙」をいずれも「上記各別紙の」に、23行目の「別紙「原告目録(承継人)」記載の各原告ら」を「本判決別紙「原告目録」の 「原告番号」欄に枝番号の記載のある原告ら」にそれぞれ改める。 ⑶ 原判決14頁19行目の「11日」を「1日」に、24頁15行目の「感じこと」を「感じること」に、33頁1行目の「未成年者」を「未成年」に、56頁15行目の「原告」を「各原告」に、69頁4行目の「別紙「居住経過一覧表」」を「本判決別紙「居住経過一覧表」」に、84頁18行目冒頭か ら19行目の「に」までを「本判決別紙「【控訴審】住宅防音工事実績一覧 表(防音区画改善工事実施分のうち屋内全てを実施したもの)」記載の原告らに」にそれぞれ改める。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所は、原告らの請求については、各事件の訴 工事実績一覧 表(防音区画改善工事実施分のうち屋内全てを実施したもの)」記載の原告らに」にそれぞれ改める。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所は、原告らの請求については、各事件の訴え提起日の3年前の応当日(ただし、同日以後に前記の転入があった原告らについては当該転入の日、 普天間基地第1次騒音訴訟や普天間基地第2次爆音訴訟の当事者であった原告らについてはその控訴審の口頭弁論終結日の翌日)から令和6年9月27日(当審の口頭弁論終結日。ただし、同日までの間に本件コンター外に転出した原告らについては当該転出の前日、死亡した原告らについては当該死亡日)までの期間につき、原審と同様に、各原告の居住する地域に係る本件コンターの W値に応じて、W80区域については1か月当たり9000円(1日当たり300円)、W75区域については1か月当たり4500円(1日当たり150円)を基準として慰謝料額を算定し、前記の住宅防音工事による減額や弁護士費用相当額の加算をした後の額(ただし、承継人らについては各自の相続分に応じた額)及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で理由があり、そ の余の請求はいずれも理由がないものと判断する。その理由は、次のとおり訂正し、後記2のとおり当審における当事者の主張に対する判断を付加するほかは、原判決の「事実及び理由」第3章(以下、当審による訂正後のものを「原判決第3章」という。)のとおりであるから、これを引用する。 ⑴ 原判決94頁2行目の「求めこと」を「求めること」に、3行目の「A」 を「Ā」にそれぞれ改め、4行目の「影響と評価」」の次に「日本建築学会論文報告集287巻89~97頁」を加える。 ⑵ 原判決95頁17行目の「までの間」を「へと増加傾向」に、96頁4行目の「の違い」 Ā」にそれぞれ改め、4行目の「影響と評価」」の次に「日本建築学会論文報告集287巻89~97頁」を加える。 ⑵ 原判決95頁17行目の「までの間」を「へと増加傾向」に、96頁4行目の「の違い」を「において標準飛行回数として用いられている値の違い」に、97頁18行目の「までの間」を「へと増加傾向」に、99頁24行目 及び26行目から100頁1行目にかけての「別紙「居住経過一覧表」」並 びに5行目の「「居住経過一覧表」」をいずれも「本判決別紙「居住経過一覧表」」にそれぞれ改める。 ⑶ 原判決100頁6行目の「認める。」の次に「また、原告2116については、本判決別紙「居住経過一覧表」上、令和元年9月17日から令和3年8月18日までの期間に東京都内から宜野湾市内に転入後、愛知県内に転出 した可能性がうかがわれるものの、その具体的な居住経過が公的書類において確認できず、他にこの点に関する的確な立証がないことに照らすと、原告2116が上記期間内に宜野湾市内に居住していたとまでは認められない。」を、13行目の「ないし」の次に「(ただし、原告1687は、普天間基地第1次騒音訴訟の原告であったため、本判決別紙「居住経過一覧表」の「始 期」欄記載のとおり、本件における損害賠償請求の始期は平成28年7月27日である。)」を、22行目の「神経インパルス」の前に「おいて」をそれぞれ加え、25行目の「思考、」を「思考/」に、101頁17行目の「50dB」を「55dB」にそれぞれ改める。 ⑷ 原判決104頁15行目の「1448通」の次に「(回答率72.2%)」 を、同行目の「685通」の次に「(回答率74.8%)」を、26行目の「された」の次に「(なお、以下のW値の区域区分は防衛施設庁によって指定された本件コンターに 次に「(回答率72.2%)」 を、同行目の「685通」の次に「(回答率74.8%)」を、26行目の「された」の次に「(なお、以下のW値の区域区分は防衛施設庁によって指定された本件コンターによるものである。)」をそれぞれ加え、105頁から106頁までの各表の最上段の各欄中「W75以下」をいずれも「W75未満」に、「W75」をいずれも「W75以上W80未満」に、「W80」をい ずれも「W80以上」にそれぞれ改め、106頁5行目(同頁左余白記載の行番号によるもの)の「W80区域」の前に「本件コンターの」を加え、108頁13行目の「W75区域」を「W75以上W80未満の区域」に、14行目の「80区域」を「80以上の区域」にそれぞれ改める。 ⑸ 原判決111頁8行目の「一時的影響」を「一次的影響」に、114頁6 行目から7行目にかけての「月1、2回」」を「週1、2回」とし」に、9 行目の「、睡眠障害の尺度値」を「における睡眠障害の尺度値(上記④の4つの項目ごとに回答者が「週1、2回」ないし「月1、2回」以上の頻度の選択肢を選んだ数に応じて「0」から「4」に分類したもの)」に、114頁から115頁までの各表の最上段の各欄中「W75以下」をいずれも「W75未満」に、「W75」をいずれも「W75以上W80未満」に、「W80」 をいずれも「W80以上」にそれぞれ改め、115頁5行目(同頁左余白記載の行番号によるもの。以下同頁において同じ。)の「57%」の前に「約」を、8行目の「年齢」の次に「(10歳ごとの6カテゴリ)」を、10行目の「対照群」の次に「における回答率」をそれぞれ加え、12行目冒頭から116頁2行目末尾までを次のとおり改める。 「 その結果、比較的軽度の睡眠障害である「月1、2回」に関しては 10行目の「対照群」の次に「における回答率」をそれぞれ加え、12行目冒頭から116頁2行目末尾までを次のとおり改める。 「 その結果、比較的軽度の睡眠障害である「月1、2回」に関しては、W75以上の全暴露群において対照群との間にオッズ比の有意差が認められた。 このことから、比較的軽度の睡眠障害は、低暴露地区においても生じていると結論付けられた。」⑹ 原判決116頁3行目の「おいては」の次に「、航空機騒音暴露量とオッ ズ比との間に量反応関係が有意に認められたものの、嘉手納飛行場周辺と比べて」を加え、4行目の「高くなかったが」を「高くなかったところ、その原因としては」に、24行目の「一時的」を「一次的」に、119頁7行目の「W値75以上」を「比較的軽度の睡眠障害については、W75以上」にそれぞれ改める。 ⑺ 原判決121頁5行目の「影響」を「違い」に、6行目の「年齢と」を「年齢及び」に、同行目の「との間」を「と血圧との間」に、8行目の「求め」を「設け」に、18行目から19行目にかけての「W値75から80までの低暴露群」を「W75以上W80未満の比較的低暴露の群」に、122頁9行目の「財産法人」を「財団法人」にそれぞれ改め、123頁5行目の 「治療歴」の次に「・通院歴」を加え、同頁の表「高血圧」の項「W75区 域」欄中「約17%」を「約16%」に、「頭痛」の項「W75区域」欄中「約13%」を「約20%」に、124頁の表「難聴」の項「W80区域」欄中「約27%」を「約26%」にそれぞれ改める。 ⑻ 原判決124頁12行目(同頁左余白記載の行番号によるもの。以下同頁において同じ。)の「75から80まで」を「75以上80未満」に、同行 目の「の群」を「の暴露群」にそれぞれ改め、14行目の ⑻ 原判決124頁12行目(同頁左余白記載の行番号によるもの。以下同頁において同じ。)の「75から80まで」を「75以上80未満」に、同行 目の「の群」を「の暴露群」にそれぞれ改め、14行目の「なっており、」の次に「前者の暴露群においては最高血圧が」を加え、同行目の「上記」を「上位」に改め、同行目の「比率が」の次に「後者の暴露群よりも」を加える。 ⑼ 原判決127頁26行目の「要因」の次に「の」を、同行目の「個人差」 の前に「同じ暴露量であっても別の交通騒音や工場騒音では不快感の程度が異なるし、騒音暴露量と不快感との関連については」を、128頁13行目末尾の次に「間欠音については、最大騒音レベルと発生回数の両方を考慮に入れる必要があることを強調したい。」をそれぞれ加え、同頁から131頁までの各表の最上段の各欄中「W75以下」をいずれも「W75未満」に、 「W75」をいずれも「W75以上W80未満」に、「W80」をいずれも「W80以上」にそれぞれ改め、同頁9行目(同頁左余白記載の行番号によるもの。以下132頁までにおいて同じ。)の「墜落し」の次に「、その衝撃で跳ね上がり」を、132頁15行目の「100%」の前に「約」をそれぞれ加え、同行目の「約91%」を「約99%」に、133頁冒頭の表の最 下段「W75区域」欄中「約60%」を「約59%」にそれぞれ改める。 ⑽ 原判決135頁24行目の「訴えており」の次に「、これらの不安を非常に感じ又はかなり感じた者の割合は、W75区域よりもW80区域の方が大きく」を加え、136頁1行目の「約87%」を「約89%」に、2行目の「約89%」を「約87%」にそれぞれ改め、3行目の「不安を、」の次に 「W75区域に居住する原告らの約59%、W80区域に居住する原告らの」 1行目の「約87%」を「約89%」に、2行目の「約89%」を「約87%」にそれぞれ改め、3行目の「不安を、」の次に 「W75区域に居住する原告らの約59%、W80区域に居住する原告らの」 を、14行目の「その程度は」の次に「基本的に」をそれぞれ加え、16行目及び17行目から18行目にかけての「未成年者の子」をいずれも「未成年の子」に改め、137頁1行目の「されている」の次に「(原判決第3章第1の3⑷、⑹及び⑺の各ア(ア))」を、3行目の「示されている」の次に「(同⑸ア(イ))」をそれぞれ加え、5行目の「未成年者の子」を「未成年の 子」に改め、9行目の「ところ、」の次に「未成年者と同居しているのはアンケート式陳述書を提出した原告らのうち3分の1程度であり(同⑺ア(エ))、他に」を加え、138頁2行目の「未成年者の子」を「未成年の子」に改める。 ⑾ 原判決144頁10行目から11行目にかけての「31.5Hzから80 Hz」を「5Hzから31.5Hzの低い部分」に、146頁7行目の「が認められる」を「を指摘する」に、149頁20行目の「1000円以下」を「1万円未満」にそれぞれ改め、22行目の「乙G14」の次に「、15」を加え、24行目及び150頁6行目の「平成元年度から」をいずれも「平成元年11月2日以降」に、17行目の「住宅」を「住宅等」にそれぞれ改 め、151頁7行目の「乙G14」の次に「、15」を、18行目末尾の次に「造」を、152頁24行目の「訴訟」の次に「(横浜地方裁判所平成9年(ワ)第4237号等)」をそれぞれ加え、153頁13行目の「第2次訴訟」を「第2次爆音訴訟(那覇地方裁判所沖縄支部平成12年(ワ)第92号)」に改め、154頁1行目の「訴訟」の次に「(東京地方裁判所立川 号等)」をそれぞれ加え、153頁13行目の「第2次訴訟」を「第2次爆音訴訟(那覇地方裁判所沖縄支部平成12年(ワ)第92号)」に改め、154頁1行目の「訴訟」の次に「(東京地方裁判所立川 支部平成24年(ワ)第3042号、同26年(ワ)第1711号)」を加え、18行目の「約79.4%」を「約79.2%」に、同行目の「約72. 1%」を「約71.7%」に、25行目の「約56.9%」を「約57. 5%」に、26行目の「約40%」を「約44.3%」にそれぞれ改める。 ⑿ 原判決155頁18行目(同頁左余白記載の行番号によるもの。以下同頁 において同じ。)から19行目にかけての「別紙「居住経過一覧表」」を「本 判決別紙「居住経過一覧表」」に、20行目から156頁1行目にかけての「別紙「住宅防音工事実績一覧表(防音区画改善工事実施分のうち屋内すべてを実施したもの)」を「本判決別紙「【控訴審】住宅防音工事実績一覧表(防音区画改善工事実施分のうち屋内全てを実施したもの)」」に、158頁17行目の「原告2395」を「原告2395ら」に、18行目から19行 目にかけての「別紙「居住経過一覧表」」を「本判決別紙「居住経過一覧表」」に、161頁21行目の「前記認定事実」を「原判決第2章第2の前提となる事実及び原判決第3章第1の4」に、163頁13行目から14行目にかけての「約79.4%」を「約79.2%」に、同行目の「約72.1%」を「約71.7%」にそれぞれ改める。 ⒀ 原判決166頁12行目の「実際に」から14行目末尾までを「原判決第3章第1の3⑶のとおり、当該航空機騒音の性質、内容及び程度に照らし、原告ら全員について同一に生じているといえる性質、程度の被害(共通被害)として、生活妨害、睡眠妨害並びにイライラ感 でを「原判決第3章第1の3⑶のとおり、当該航空機騒音の性質、内容及び程度に照らし、原告ら全員について同一に生じているといえる性質、程度の被害(共通被害)として、生活妨害、睡眠妨害並びにイライラ感、不快感及び航空機事故への不安感に係る精神的被害といった被害が生じていることが認められる。」に、 168頁14行目の「の程度」を「による共通被害の性質、内容及び程度」に、16行目の「慰謝料額を」を「慰謝料額が相当であると」に、22行目の「令和3年9月30日」を「令和6年9月27日」に、169頁11行目の「別紙「居住経過一覧表」」を「本判決別紙「居住経過一覧表」」に、21行目の「しかしながら」から170頁1行目の「高まることから」までを 「もっとも、どの居室に住宅防音工事を実施するかは個々の住宅の住民の選択に委ねられており、一般的に、当該住民の当該住宅における日常生活に最も関係の深い居室(日常生活の中心となる居室)から順に選択されるのが通例であると考えられることからすれば、住宅防音工事が複数の居室に施工される場合であっても、2室目以降における住宅防音工事の被害軽減への寄与 の程度は、1室目に比して小さいものと推認される。そして、前記のとおり、 住宅防音工事の助成対象は本件コンターの指定時に本件コンター内に現に所在する住宅が中心であり、本件コンター内の全ての住宅について実施されているわけではない上、外郭防音工事や全居室に防音区画改善工事が実施されたものを除いては住宅内の全ての領域について防音効果が生ずるものではなく、また、住宅防音工事のされた居室についてもその利用態様等によって防 音効果の程度は左右され得ることからすれば、被告の実施する住宅防音工事の効果には限界があるといわざるを得ない。加えて、既に認定説示し 、住宅防音工事のされた居室についてもその利用態様等によって防 音効果の程度は左右され得ることからすれば、被告の実施する住宅防音工事の効果には限界があるといわざるを得ない。加えて、既に認定説示した原告らの共通被害の性質、内容及び程度やこれに対する慰謝料の額等の事情をも踏まえると」にそれぞれ改める。 ⒁ 原判決170頁9行目の「別紙」から11行目の「除く。)」までを「本判 決別紙「【控訴審】住宅防音工事実績一覧表(防音区画改善工事実施分のうち屋内全てを実施したもの)」記載の原告ら」に、171頁2行目の「経験則上」を「どの居室に住宅防音工事を実施するかは個々の住宅の住民の選択に委ねられており、一般的に、当該住民の当該住宅における日常生活に最も関係の深い居室(日常生活の中心となる居室)から順に選択されるのが通例 であると考えられる上、このことに照らせば、経験則上も」に、22行目並びに172頁5行目及び23行目の「別紙「認容額一覧表」」をいずれも「本判決別紙「居住経過一覧表」」に、21行目、24行目から25行目にかけて及び173頁1行目の「「金額」」をいずれも「「小計」」に、4行目の「別紙」から6行目の「準じる。)。」までを「本判決別紙「居住経過一覧表」 の「死亡日」欄に記載のある者(被承継人)に各対応する額である。」にそれぞれ改め、8行目の「法定相続割合」の次に「(本判決別紙「居住経過一覧表」の「相続分」欄記載の分数)」を加え、10行目の「別紙」から11行目の「承継人ら」を「本判決別紙「居住経過一覧表」の「原告番号」欄に枝番号の記載のある原告ら(承継人ら)」に、16行目の「別紙」から同行 目の「の」までを「本判決別紙「居住経過一覧表」の」に、25行目の「令 和3年」を「令和6年」に、26行目の「 番号の記載のある原告ら(承継人ら)」に、16行目の「別紙」から同行 目の「の」までを「本判決別紙「居住経過一覧表」の」に、25行目の「令 和3年」を「令和6年」に、26行目の「年3分」を「年3%」にそれぞれ改める。 ⒂ 原判決174頁9行目冒頭から12行目末尾までを次のとおり改める。 「 しかし、原告らが共通して暴露されている普天間飛行場の航空機騒音の性質、内容及び程度に照らし、原告ら全員について同一に生じているといえる 性質、程度の被害(共通被害)の限度で一律に賠償を求めることも許されることは、原判決第3章第1の3⑴で説示したとおりであるところ、本件では、アンケート式陳述書を提出していない原告がいることや、原告らの間に航空機騒音の暴露状況等に関する認識に相違があることを前提としても、本件の証拠関係(上記アンケート式陳述書のほか、各種調査やガイドラインの内容 等を含む。)に照らせば、同第1の2、3⑶、⑷、⑸、⑺のとおり、普天間飛行場の航空機の騒音は、生活環境整備法の規定や本件環境基準に照らしても相当大きいもので、人の身体面又は精神面に影響を及ぼし得るものであり、生活妨害、睡眠妨害並びにイライラ感、不安感及び航空機事故への不安感に係る精神的被害については、原告ら全員に共通する被害として発生している ものと認められるから、単に個別の原告のアンケート式陳述書の記載の有無や内容のみによって当該原告に係る上記の共通被害の有無に関する認定判断が左右されるものではない。」 2 当審における当事者の主張に対する判断⑴ 原告らの主張について ア健康被害及び健康被害に対する不安感について原告らは、WHOガイドライン(甲D2)、欧州夜間騒音ガイドライン(甲D3)、沖縄県調査報告書( ⑴ 原告らの主張について ア健康被害及び健康被害に対する不安感について原告らは、WHOガイドライン(甲D2)、欧州夜間騒音ガイドライン(甲D3)、沖縄県調査報告書(甲D1)に示された知見等に加え、W80区域内に居住する原告らの65%、W75区域に居住する原告らの63%に高血圧、耳鳴り、難聴、頭痛、不眠症、倦怠感などの様々な健康被 害が認められることからすれば、これらの健康被害は原告らに共通に生じ ている被害というべきであり、また、上記のガイドライン等が健康に対する悪影響の防止の趣旨も含めた暫定目標を示していること、W80区域内に居住する原告らの91%、W75区域内に居住する原告らの92%が本件航空機騒音による健康被害に対する不安感を感じていることからすれば、当該不安感による精神的苦痛は、生活妨害等に伴う精神的被害とは別個の 共通被害として認められるべきである旨主張する。 しかし、WHOガイドラインにおいて騒音と高血圧や心疾患の発症率との関連は必ずしも強いものではないとされている上、普天間飛行場における航空機騒音が、同ガイドラインにおいて心循環器系への影響が明らかにされている騒音と同程度に身体に対する影響を及ぼすと認めるに足りる的 確な証拠がないこと、欧州夜間騒音ガイドラインにおいても夜間騒音が心臓血管疾患の症状を引き起こすという限定的な知見が示されるにとどまっていること等の事情を踏まえると、原告らの指摘する健康被害や不安感等による精神的苦痛を別個の共通被害として認めることができないことは、原判決第3章第1の3⑹で判示したとおりであり、原告らの指摘する事情 はいずれも上記結論を左右するものとはいえない。 イ未成年の子や孫に対する悪影響に対する不安につい ができないことは、原判決第3章第1の3⑹で判示したとおりであり、原告らの指摘する事情 はいずれも上記結論を左右するものとはいえない。 イ未成年の子や孫に対する悪影響に対する不安について原告らは、子や孫がいない原告であっても、航空機騒音によって将来を担う未成年の子や孫に悪影響がみられるかもしれないと不安を抱くことは十分に考えられることや、子や孫と同居している原告らの90%以上が影 響を感じているとの回答をしていることからすれば、上記不安については、別個の共通被害として認められるべきである旨主張する。 しかし、原判決第3章第1の3⑺イ(ウ)において説示したとおり、航空機騒音への暴露によって未成年者に対する悪影響への不安を抱くこととなるのは、その性質上、未成年者自身かこれと同居する者に限られる上、原告 らの主張する未成年者に対する影響については、既に共通被害として認め られている生活妨害、睡眠妨害及びイライラ感、不快感等に係る精神的被害の一内容であると考えられるところ、未成年者と同居しているのはアンケート式陳述書を提出した原告らのうち3分の1程度であることや、他者に対する航空機騒音の影響についての不安等の感情については自己に対する影響についてのものよりも更に個人差が大きいと考えられること等を踏 まえると、原告らの主張する未成年者に対する影響や当該影響への不安を上記の生活妨害等とは別個の共通被害として評価することは困難といわざるを得ない。これと異なる原告らの主張は採用することができない。 ウ低周波音による影響について原告らは、普天間飛行場周辺の航空機騒音が1日当たり数分ないし数十 分累積してほぼ毎日発生している以上、低周波音も同様に累積して継続していると ウ低周波音による影響について原告らは、普天間飛行場周辺の航空機騒音が1日当たり数分ないし数十 分累積してほぼ毎日発生している以上、低周波音も同様に累積して継続していると考えられるから、低周波音による被害を定量的に判断することは十分可能である上、低周波音により生ずる苦痛については既に確立した判断基準(環境省環境管理局大気生活環境室の「低周波音問題対応の手引書」の参照値やBらによる「気になる―気にならない曲線」の評価値等)が存 在しており、本件コンター内では特にオスプレイから心身への苦痛や物的影響を生じさせる高レベルで深刻な低周波音が測定され、原告らの約6割がイライラするとの心理的影響を受けているほか、W80区域内では約88%、W75区域内では約84%が建具等のがたつきといった物的影響から生ずる苦痛を受けているのであるから、こうした低周波音による精神的 苦痛は、原告ら全体の共通被害に該当するというべきである旨主張する。 しかし、原告らの指摘する上記参照値については、苦情の申立てが発生した際に低周波音によるものかを判断するための目安として示されたものであり、その評価指針自体が航空機等の一過性・間欠性の発生源等からの低周波音を適用対象外とするものであること(乙E22)からすれば、上 記参照値が直ちに低周波音に係る共通被害該当性の有無に関する判断基準 になるとは認め難い。また、上記評価値については、昭和55年に被験者24名に対して固定音源からのノイズをランダムに聞かせるという実験の結果、当該被験者の50%が「気になる」と感じ始める最低レベルの音圧レベルを曲線化したものであって、その被験者が少数にとどまることや、当該曲線自体が「苦痛」を感じたか否かを基準としたものでないこと(乙 果、当該被験者の50%が「気になる」と感じ始める最低レベルの音圧レベルを曲線化したものであって、その被験者が少数にとどまることや、当該曲線自体が「苦痛」を感じたか否かを基準としたものでないこと(乙 E25)等を踏まえると、これをもって上記共通被害該当性の有無に関する判断基準とすることは困難といわざるを得ない。このほか、原告らの指摘するアンケート式陳述書の結果等の事情を踏まえても、低周波音による影響に関して原告ら全体の共通被害に該当する旨をいう原告らの主張がいずれも採用し難いことは、原判決第3章第1の3⑻において認定説示した とおりである。 エ基本となる慰謝料の額について原告らは、普天間基地第1次騒音訴訟における損害賠償期間の始期である平成21年8月と現在とを比較すると、重大な航空機事故が頻発していることや普天間基地返還の目処が立たないことによる不安が増大しており、 航空機騒音の質的・量的な変化(普天間飛行場に配属されていないジェット機等の外来機の飛来回数の増加、離着陸回数や早朝・深夜の飛行回数の増加、オスプレイの飛行回数の増加等)もみられるため、同訴訟における基本的な慰謝料額と同額とするのは不当であるし、沖縄県における特有の事情(米軍基地形成過程が他の都道府県とは異なること、米軍人による女 性への凶悪犯罪等が繰り返し発生している上、米軍基地から派生して環境問題や航空機事故問題などの様々な問題が発生していること、米軍基地が異常なほど沖縄県に集中していること)を踏まえると、沖縄県民に生ずる損害は、県外の国民に比べて程度が大きいというべきであり、基本となる慰謝料額は、W75区域につき1か月当たり9000円(1日当たり30 0円)、W80区域につき1か月当たり1万5000円(1日当たり50 国民に比べて程度が大きいというべきであり、基本となる慰謝料額は、W75区域につき1か月当たり9000円(1日当たり30 0円)、W80区域につき1か月当たり1万5000円(1日当たり50 0円)を下回ることはない旨主張する。 しかし、原告らが共通被害として主張する健康被害及び健康被害に対する不安感、未成年の子や孫に対する悪影響に対する不安、低周波音による影響等が原告らの共通被害とは認められないことは既に判示したとおりであって、これらが共通被害に当たることを前提に基本となる慰謝料額が上 記の金額を下回ることはないとする原告らの上記主張は、その前提を欠くものといわざるを得ない。そして、普天間飛行場周辺における航空機騒音の程度のほか、原告らの共通被害の性質、内容及び程度、普天間飛行場の公共性や被告による周辺対策等の本件に現れた事情を総合的に考慮すれば、普天間飛行場の航空機騒音に対する基本となる慰謝料額としては、W75 区域につき1か月当たり4500円(1日当たり150円)、W80区域につき1か月当たり9000円(1日当たり300円)とするのが相当であることは、原判決第3章第2の1で説示したとおりであり、他に原告らが指摘する事情は上記結論を左右するものとはいい難い。これと異なる原告らの主張はいずれも採用の限りでない。 オ住宅防音工事による減額について原告らは、原告ら全員に共通する最低限の被害のみを主張している本件においては一部の原告らについて施工された住宅防音工事により実際の騒音被害の一部が一定程度軽減されたとしても、当該工事を減額要素として斟酌することはできないはずであるし、仮に減額するとしても施工された 部屋数にかかわらず一律とすべきである上、沖縄県特有の事情(亜熱 の一部が一定程度軽減されたとしても、当該工事を減額要素として斟酌することはできないはずであるし、仮に減額するとしても施工された 部屋数にかかわらず一律とすべきである上、沖縄県特有の事情(亜熱帯に属する高温多湿な気候であるものの、比較的風が強いため、普段は冷房を使用しないで窓を開放して暮らすという生活習慣が一般化していること等)をも勘案すれば、減額割合は最大でも10%にとどめるのが相当である旨主張する。 しかし、被告の実施する住宅防音工事が実施された居室のある住宅に居 住する原告らについては、航空機騒音が一定程度軽減されているといえることは、原判決第3章第1の6⑷イで判示したとおりであるから、原告ら全員に共通する最低限の被害のみを主張しているとの原告らの指摘を踏まえても、住宅防音工事の実施を慰謝料額の減額事由として一定の限度で考慮することが不当であるとはいえないし、原判決第3章第2の2のとおり、 住宅防音工事の実施された居室数や工事の種別によって防音効果やその結果としての騒音暴露の程度に違いがあることは否定できないことからすれば、当該居室数や工事の種別を考慮して慰謝料の減額割合を同第2の2⑵記載のとおり定めることには一定の合理性があるといえる。これに反する原告らの上記主張は採用し難い。 カ他に原告らが種々主張するところも上記結論を左右するものではない。 ⑵ 被告の主張についてア原告らの騒音暴露状況について被告は、①本件コンターは政策的配慮に基づいて決定された区域線であり、当該区域に付された防衛施設庁方式により算出されたW値に相当する 騒音が現実に生じたことが推定されるわけではないこと、②近年の沖縄県の測定結果によれば市真志喜測定局において平成15年度 あり、当該区域に付された防衛施設庁方式により算出されたW値に相当する 騒音が現実に生じたことが推定されるわけではないこと、②近年の沖縄県の測定結果によれば市真志喜測定局において平成15年度以降全ての年度で環境基準を達成し、かつ、本件コンターが想定する騒音レベルと著しい乖離が生じており、また、県野嵩測定局において平成23年度以降全ての年度で本件コンターが想定する騒音レベルと著しい乖離が生じている上、 近年の国の測定結果によれば平成15年度以降の航空機騒音が本件コンターの告示後間もない昭和60年ないし63年当時と比較して環境庁方式W値が全体として低減し又は低減傾向にあり、騒音発生回数や航空機騒音の累積時間が大幅に減少しているなど、少なくとも本件コンターは近年における実際の騒音状況を反映していないものといえることなどを指摘して、 本件コンターに基づいて原告らの騒音暴露状況を認定するのは不当である 旨主張する。 しかし、原判決第3章第1の2⑵で説示したとおり、本件コンターの策定後、昭和52年騒音度調査と同程度の大規模かつ詳細な航空機騒音の測定調査は実施されていないこと等を踏まえると、国測定地点及び県等測定局における航空機騒音の測定結果が本件コンターの示す航空機騒音の程度 と著しく乖離、矛盾していない限り、本件コンターの範囲内の区域においては、本件コンターの指定時におけるW値に相当する程度の航空機騒音が継続して発生しているものと推認するのが相当であるところ、①本件コンターの策定に当たって行われた行政区画等に即した修正は最小限のものであり、生活環境整備法が政策的補償措置の実施を目的としていることを考 慮しても、上記の推認が不合理であるとはいえないし、②県野嵩測定局(平成23年度以降)や市真 等に即した修正は最小限のものであり、生活環境整備法が政策的補償措置の実施を目的としていることを考 慮しても、上記の推認が不合理であるとはいえないし、②県野嵩測定局(平成23年度以降)や市真志喜測定局(平成15年度以降)における防衛施設庁方式によるW値は、いずれも本件コンターの値(前者につきW80、後者につきW75)をやや下回る水準で推移しているものの、上記推認の合理性を損なわせるほどに著しい乖離、矛盾が生じているとまではい い難い。被告のその余の指摘を踏まえても、本件における原告らの騒音暴露状況に関する認定判断が直ちに左右されるものということはできず、以上と前提を異にする被告の主張は採用し難い。 また、被告は、航空自衛隊の基地として設置・管理する飛行場に係る訴訟(小松基地戦闘機離着陸差止等請求訴訟)で実施された居住実態アンケ ート調査で住民票等の記載内容と異なる居住実態を回答した者や回答しなかった者がいることなどを指摘して、本件における原告らの居住経過を公的書類の記載のみに基づいて認定することは不当である旨主張するが、普天間飛行場とは異なる上記飛行場の周辺住民に関する上記調査の結果をもって直ちに本件訴訟における原告らの居住実態に関する認定判断が不合理 であると断ずることは困難というほかなく、被告の上記主張は採用し難い (なお、被告は、仮に公的書類の記載によって原告らの居住経過を認定するのであれば、原告1293については、令和2年1月30日から同年11月17日までの期間、本件コンターの区域外である宜野湾市志真志に居住していたので、上記期間に係る請求には理由がないなどと主張して、原告1293に係る戸籍の附票の写し(一部黒塗りされたもの。乙A1)を 提出するが、当該写しによっても原告1 る宜野湾市志真志に居住していたので、上記期間に係る請求には理由がないなどと主張して、原告1293に係る戸籍の附票の写し(一部黒塗りされたもの。乙A1)を 提出するが、当該写しによっても原告1293の居住経過につき被告の主張する事実を認めるには足りないから、被告の上記主張は採用し難い。)。 イ原告らの精神的被害について被告は、騒音による精神的影響は主観的なものであって個人差が顕著であり、これが法によって保護するに値する利益に当たるかは疑問であるし、 普天間飛行場周辺の航空機騒音の発生は1日の生活時間帯の中でも限られた部分にすぎず、かつ、社会生活への妨害を極力少なくするよう配慮されているなどとして、生活妨害及び睡眠妨害と別個に「イライラ感や不快感といった精神的被害」を被侵害利益として認定するのは誤りであり、また、同様の理由から「航空機事故への不安感」を共通被害として認定するのは 誤りである旨主張する。 しかし、原判決第3章第1の3⑺イで説示したとおり、WHOガイドラインにおいて、原告らの訴えるイライラ感や不快感の存在が裏付けられているといえる上、生活妨害とは別個に騒音による不快感や行動に対する影響等が論じられていること等を踏まえれば、上記のイライラ感や不快感を 生活妨害とは別個の精神的被害として考慮するのが相当であるし、沖縄県調査の結果や普天間飛行場周辺における航空機事故の存在等の事情からすれば、原告らが航空機事故への不安感を抱くことには相応の根拠があり、これを普天間飛行場の航空機騒音による共通被害として認定することには十分に合理性があるというべきである。以上と異なる見解に立つ被告の主 張は、いずれも採用し難い。 ウ原告856について被告は、アン 被害として認定することには十分に合理性があるというべきである。以上と異なる見解に立つ被告の主 張は、いずれも採用し難い。 ウ原告856について被告は、アンケート式陳述書において原告らが共通損害として主張する損害項目の全てを否定した原告856につき共通被害を認定することは誤りである旨主張する。 しかし、原判決第3章第2の6で判示したとおり、アンケート式陳述書 を提出していない原告がいることや、原告らの間に航空機騒音の暴露状況等に関する認識に相違があることを前提としても、本件の証拠関係によれば、普天間飛行場の航空機の騒音は、生活環境整備法の規定や本件環境基準に照らしても相当大きいもので、人の身体面又は精神面に影響を及ぼし得るものであり、生活妨害、睡眠妨害並びにイライラ感、不安感及び航空 機事故への不安感に係る精神的被害については、原告ら全員に共通する被害として発生しているものと認められるから、単に個別の原告のアンケート式陳述書の記載の有無や内容のみによって当該原告に係る上記の共通被害の有無に関する認定判断が左右されるものではない以上、被告の指摘する事情は直ちに原告856に係る上記の共通被害の存在を否定するものと はいえない。以上と異なる見解に立つ被告の上記主張は採用することができない。 エ住宅防音工事の助成及びその効果に対する評価について被告は、①住宅防音工事を実施した居室において防音効果を享受することを自ら選択した原告らとの関係では、沖縄県調査やアンケート式陳述書 の結果がそのまま妥当するものとはいえない、②平成26年全国消費実態調査結果によれば沖縄県のルームエアコンの普及率は80%を超えており、住宅防音工事には冷暖房設備及び換気設備を取り付け 述書 の結果がそのまま妥当するものとはいえない、②平成26年全国消費実態調査結果によれば沖縄県のルームエアコンの普及率は80%を超えており、住宅防音工事には冷暖房設備及び換気設備を取り付ける空気調和工事が含まれているから、エアコンを使用せずに窓を開けて生活するという生活様式が沖縄県における一般的な生活様式であるとするには疑問が残り、住宅 防音工事の実施された居室を常時密閉状態で使用することが沖縄県の気候 にそぐわないということはできないなどと指摘して、住宅防音工事の効果に限界があるとすることは誤りである旨主張する。 しかし、原告らの主張する生活様式が沖縄県内において一般的なものであるか否かはひとまず措くとしても、沖縄県において自然風を取り込むことが住環境の快適性向上や省エネにつながる重要なポイントであることな どを指摘した手引書を作成していることや、沖縄県調査において住宅防音工事が実施された居室について常時窓を閉め切って居室を使用する者が10%から20%にすぎず、その理由として電気料金の負担が大きいことが挙げられていることなどを踏まえると、原告らが住宅防音工事の実施を希望したからといって当然に上記居室につき常時窓を閉め切って使用するこ とを前提にその防音効果を評価すべきものとまではいえない。他に被告の指摘する事情を踏まえても、住宅防音工事の効果には限界があるとした原判決第3章第1の6⑷イの認定判断が左右されるものとまではいえない。 このほか、被告は、①住宅防音工事については住宅防音工事標準仕方書により航空機騒音に係る環境基準を踏まえた計画防音量を達成するよう設 計されていることなどからすれば、一戸の建物に同工事を行う居室が複数ある場合に2室目以降の防音効果が1室目のそれを 準仕方書により航空機騒音に係る環境基準を踏まえた計画防音量を達成するよう設 計されていることなどからすれば、一戸の建物に同工事を行う居室が複数ある場合に2室目以降の防音効果が1室目のそれを下回ることはない、②同工事を実施する居室の選択は申請者自身の判断に委ねられているから2室目以降の被害軽減への寄与の程度が1室目に比して小さいとはいえないし、追加工事については1室目の工事と同様の効果を期待して実施された ものといえるなどと指摘して、2室目以降の減額率を下げたり、減額率に上限を設けたりすることは合理的でない旨主張する。 しかし、原判決第3章第2の2で判示したとおり、どの居室に住宅防音工事を実施するかは個々の住宅の住民の選択に委ねられており、一般的に、当該住民の当該住宅における日常生活に最も関係の深い居室(日常生活の 中心となる居室)から順に選択されるのが通例であると考えられる上、経 験則上も、居住者の主観的な受け止めとしては、1室目の防音効果が2室目以降の防音効果よりも大きいと考えられることからすれば、2室目以降の減額率を1室目よりも下げることには十分に合理性があるというべきである。そして、本件コンター内の全ての住宅について住宅防音工事が実施されているわけではない上、外郭防音工事等が実施されたものを除いては 住宅内の全ての領域について防音効果が生ずるものではなく、また、住宅防音工事のされた居室についてもその利用態様等によって防音効果の程度は左右され得ることに照らせば、被告の実施する住宅防音工事による防音効果に限界があることは既に判示したとおりであるから、住宅防音工事による減額率に上限を設けることには合理性があるというべきである(なお、 被告は、外郭防音工事等については住宅全体が防音 る防音効果に限界があることは既に判示したとおりであるから、住宅防音工事による減額率に上限を設けることには合理性があるというべきである(なお、 被告は、外郭防音工事等については住宅全体が防音区画となるため、居室ごとの防音工事と比較して生活上の利便性が向上することは明白であるし、廊下等においても一定の防音効果を得られるなどとして、30%を超える減額率を認めるべきであると主張するが、既に説示したところに加え、常時窓を閉め切って居室を使用する者が10%から20%にすぎないといっ た沖縄県調査の結果等をも踏まえれば、上記の外郭防音工事等による防音効果にも自ずと限界があることを前提に、外郭防音工事等につき一律30%の減額率とした原判決第3章第2の2の認定判断が直ちに不合理であるとまでは断じ難い。)。以上と異なる被告の上記主張はいずれも採用できない。 オ他に被告が主張するところも上記結論を左右するものとはいい難い。 3 結論以上によれば、原告らの請求は主文第1項⑵の限度で理由があるので認容し、その余の請求は理由がないのでいずれも棄却するのが相当であるから、原告らの控訴に基づき、原判決を主文第1項のとおり変更することとし、被告の控訴 は理由がないのでこれを棄却し、主文第1項⑵につき仮執行宣言を付すること として(なお、仮執行免脱宣言については、相当でないからこれを付さないこととするが、仮執行宣言の執行開始時期については、本判決が被告に送達された日から14日を経過したときと定めることとする。)、主文のとおり判決する。 福岡高等裁判所那覇支部民事部 裁判長裁判官三浦隆志 裁判官小西圭一 裁判官吉賀朝哉 判決する。 福岡高等裁判所那覇支部民事部 裁判長裁判官三浦隆志 裁判官小西圭一 裁判官吉賀朝哉
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