- 1 -主文 本件控訴を棄却する。 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1当事者の求めた裁判 控訴人( )原判決を取り消す。 ()( )被控訴人が平成12年9月8日付けで控訴人に対してした一般廃棄物し尿 収集運搬業の不許可処分及び浄化槽清掃業の不許可処分をいずれも取り消す。 ( )訴訟費用は第1,2審とも被控訴人の負担とする。 被控訴人主文同旨第2事案の概要 本件は,控訴人が被控訴人に対してした一般廃棄物(し尿)収集運搬業及び浄化槽清掃業の各許可申請はいずれも許可要件を充たしたものであったのに,それに対して被控訴人がした各不許可処分が違法であるとして,その取消しを求めた事案である。 前提となる事実(争いのない事実及び証拠上明らかな事実,争点及びこれにつ)いての当事者双方の主張は,原判決の事実及び理由,第2の2,3(原判決2頁5行目から11頁1行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。 控訴人の控訴理由(要旨)( )争点( )(本件許可申請( )の廃掃法7条3項2号不該当)について 本件許可は,一般的禁止の解除,すなわち警察許可に該当するものであり,被控訴人に自由裁量が認められているものではない。以下の諸点からすると,本件不許可処分( )が被控訴人の裁量を逸脱ないし濫用したものであることは明 らかである。 - 2 -ア廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づく通達(昭和61年3月20日衛環第60号)は,一般廃棄物処理計画(廃掃法6条1項)の5年毎の見直しを求めて,実情に見合うものの制定を要求している。また,計画の内容を実現する事業について毎年の策定を求めている(廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則1条の3。この趣旨からすると,本件のようにし しを求めて,実情に見合うものの制定を要求している。また,計画の内容を実現する事業について毎年の策定を求めている(廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則1条の3。この趣旨からすると,本件のようにし尿処理量)の減少を予測し,そのことの故に処理業者の員数を規制する内容となっている本件計画において,し尿処理実績が上昇している場合は,その状況に応じて計画を見直す必要がある。本件では,その処理がされていないから,本件計画は,法の要求する計画の適格を欠いているものである。したがって,本件計画をもって廃掃法7条3項2号にいう計画適合性の判断資料とすることはできない。 イ原判決が,現実のし尿処理について,現存業者で処理可能としているのは。 ,事実誤認であるAのし尿処理の遅れに対して苦情が寄せられていることは。 そのし尿処理能力が現実のし尿を処理するのに十分でないことを示している,ウ仮に本件計画をもって計画適合性の判断資料とすることができるとしても平成8年における実績と予測の差は,1494.7キロリットルであり,これは同年度のB1社の運搬量を超えているのであるから,Bと同程度の業者の算入は,本件計画に適合するものといわざるを得ず,本件不許可処分( )に その裁量権の逸脱ないし濫用があることは明白である。 エ本件不許可処分は,既存業者の権益保護のため新規参入者を締め出すことにあったものである。 ( )争点( )(本件不許可処分( )の行政手続法5条違反)について ア原判決は,同法条違反をもって本件不許可処分( )の取消しの理由にならな いと判示しているが,これは,行政手続法が行政処分をする過程で予測可能性を確保し,手続的な権利を確保するために制定され,同法5条が行政処分の許可のための審査基準を明らかにするように求めているこ いと判示しているが,これは,行政手続法が行政処分をする過程で予測可能性を確保し,手続的な権利を確保するために制定され,同法5条が行政処分の許可のための審査基準を明らかにするように求めていることを理解しない- 3 -もので,誤っている。原判決の論理では,公表されることのない審査基準により不許可とすることを容認するものであり,法を甚だしく無視するものである。 イ本件では,本件申請に即して,計画のいかなる部分が,いかなる意味で審査基準になるのかが示されなければならないにもかかわらず,そのような措置が一切されていない。 ( )争点( )(本件許可申請( )の浄化槽法36条2号ホ該当)について 浄化槽清掃業がし尿の収集運搬とは別の許可とされている以上,業務委託契約の不存在は,浄化槽清掃業の不許可理由にならない。 ( )争点( )(本件不許可処分( )の行政手続法9条違反)について 仮に行政手続法9条が努力義務を定めるものにすぎないとしても,行政手続法の趣旨の一つである予測可能性の確保の観点からすると,全く何らの努力をしていない場合は,取消事由になるものと解すべきである。本件では,控訴人からの再度の照会に対し,被控訴人は,委託契約の点について何ら言及していないのであるから,その違反の程度は著しく,取消事由になるものというべきである。 ( )争点( )(本件不許可処分( )の行政手続法5条違反)について 不許可の理由とされた業務委託契約については,法に規定がなく,かつ,その旨の審査基準も明らかにされていなかったのであるから,浄化槽清掃業の不許可処分も行政手続法5条に違反する。 第3当裁判所の判断 当裁判所も,控訴人の被控訴人に対する本件各請求はいずれも理由がなく,棄却すべきものと判断するが,その理由 であるから,浄化槽清掃業の不許可処分も行政手続法5条に違反する。 第3当裁判所の判断 当裁判所も,控訴人の被控訴人に対する本件各請求はいずれも理由がなく,棄却すべきものと判断するが,その理由は,次のとおり付加訂正するほか,原判決の事実及び理由,第3の1ないし5(原判決11頁2行目から16頁5行目まで)と同一であるから,これを引用する。 ( )原判決13頁15行目の末尾に続けて「なお,控訴人は,前記控訴人の ,- 4 -控訴理由(要旨)( )記載のとおり「本件許可については,被控訴人に自由 ,裁量が認められていない。本件計画をもって廃掃法7条3項2号にいう計画適合性の判断資料とすることはできない。Aのし尿処理の遅れに対して苦情,。 が寄せられていることはそのし尿処理能力が十分でないことを示している仮に本件計画をもって計画適合性の判断資料とすることができるとしても,平成8年における実績と予測の差からすると,Bと同程度の業者の算入は,本件計画に適合するといわざるを得ない。本件不許可処分( )は既存業者の権 益保護のため新規参入者を締め出すことにあり,本件不許可処分( )にその裁 量権の逸脱ないし濫用があることは明白である」旨主張するが,前記認定説。 示のとおり,廃掃法7条1項の一般廃棄物処理業の許可は,許可権者の自由裁量に委ねられているものと解されるから(最高裁判所昭和47年10月12日第一小法廷判決,民集26巻8号1410頁参照,被控訴人に自由裁量)が認められていないとの控訴人の上記主張は独自の見解に過ぎず,採用することはできない。また,前記認定説示のとおり,本件計画の前提として推計された要処理量と現実の要処理量との誤差は対応可能な程度であって,本件計画はなお相応の合理性を有しているものと認められるから,本件計 とはできない。また,前記認定説示のとおり,本件計画の前提として推計された要処理量と現実の要処理量との誤差は対応可能な程度であって,本件計画はなお相応の合理性を有しているものと認められるから,本件計画が法の要求する計画の適格を欠いているものとはいえず,したがって,控訴人主張のように,本件計画をもって廃掃法7条3項2号にいう計画適合性の判断資料とすることができないということはできない。また,住民から「すぐ来てくれない」等の苦情が寄せられているからといって(甲5,甲17,そ。 )のことから直ちに既存の許可業者の自助努力等によっては収集,運搬が十分,,に行うことができない状態であるとまでは認めがたいし実績と予測の差がBの運搬量を超えていることがあったとしても,①実績の変動があるのはやむを得ないこと,②許可は1年を下らない政令で定める期間ごとに更新を受けなければならないことになっているが(廃掃法7条5項,実績数の変動に)応じて許可を更新したり,更新しなかったりするのは安定性を欠き,実際的- 5 -ではないこと,③し尿の取扱量は増加しているが,これは簡易水洗化により水分を多く含んだし尿の増加に伴うものであると認められるところ(原審における証人Cの証言,人口減少傾向からみてし尿の絶対量も減ると推測され)ること,④α町では,平成22年完成をめどに,人口密集地区であるα地区に公共下水道事業計画を立てていること(原審における証人Cの証言)などの事情にかんがみると,上記のような誤差は被控訴人の裁量権の範囲内にあるものというべきであり,本件不許可処分( )には,許可権者である被控訴人 が裁量権を行使するにつき,著しい逸脱ないし濫用があったとは到底認められない。なお,控訴人主張の「本件不許可処分は既存業者の権益保護のため新規参入者を締め出す ( )には,許可権者である被控訴人 が裁量権を行使するにつき,著しい逸脱ないし濫用があったとは到底認められない。なお,控訴人主張の「本件不許可処分は既存業者の権益保護のため新規参入者を締め出すことにあった」との事実は,これを認めるに足りる証。 拠がない。したがって,控訴人の前記主張は採用するに由ないものである」。 を加える。 ( )原判決13頁16行目の「本件許可処分( )」を「本件不許可処分( )」と 改め,同頁19行目の「委ねられており」から同頁24行目末尾までを「委ねられていること,法令の規定において「許認可等をするかどうかをその法」,「」令の定めに従って判断するために必要とされる基準が当該法令の定めのみによって判断することができる場合は,判断基準が「法令の定め」に尽くされていることになるので,行政庁は別に審査基準を定めることを要しないものと解されるところ,本件では,廃掃法7条が許可の基準を具体的に定めておりかつ被控訴人がα町廃棄物の処理および清掃に関する条例乙,,「」(20)5条に基づき廃掃法7条3項2号において申請の内容が適合することを要求している一般廃棄物処理計画を毎年度のはじめに告示することになっていることにかんがみると,許可の基準は法令の定めによって尽くされているものと認められるから,被控訴人において別に審査基準を定めなかったことをもって,行政手続法5条に違反するということはできない。なお,控訴人は「公表されない審査基準により不許可とすることは,法を甚だしく無視,- 6 -するものである。本件では,本件申請に即して,計画のいかなる部分が,い,かなる意味で審査基準になるのかが示されなければならないにもかかわらず。」,,そのような措置が一切されていない旨主張するが前記 である。本件では,本件申請に即して,計画のいかなる部分が,い,かなる意味で審査基準になるのかが示されなければならないにもかかわらず。」,,そのような措置が一切されていない旨主張するが前記認定説示のとおり許可の基準は法令によって具体的に定められているものと認められるから,。」,「」控訴人の上記主張は失当というほかないと改め同頁25行目冒頭の( ) ,「」「」から14頁18行目の末尾までを削除し同頁19行目冒頭の( ) を( ) と改める。 ( )原判決15頁1行目の「あるというべきである」の後に「最高裁判所平 (成5年9月21日第三小法廷判決,裁判集民事169号807頁参照」を加)える。 ( )原判決15頁15行目の末尾に続けて「なお,控訴人は「浄化槽清掃業 ,,,,がし尿の収集運搬とは別の許可とされている以上業務委託契約の不存在は浄化槽清掃業の不許可理由にならない」旨主張するが,前記認定のとおり,。 控訴人には,浄化槽の清掃等の業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由があるから,控訴人の上記主張は独自の見解に基づくものというほかなく,採用の限りでない」を加える。 。 ( )原判決15頁22行目の末尾に続けて「なお,控訴人は「仮に行政手続 ,,法9条が努力義務を定めるものにすぎないとしても,全く何らの努力をしていない場合は,取消事由になると解すべきであり,本件では,被控訴人の違反の程度は著しいから,取消事由になる」旨主張するが,原審における証人。 Cの証言によれば,本件不許可処分( )がされる前に,α町の担当者であるC は,問い合わせに来たDに対し,浄化槽許可と収集運搬許可の別等を説明したうえ,本件許可申請( )の結果が難しい旨説明したこ Cの証言によれば,本件不許可処分( )がされる前に,α町の担当者であるC は,問い合わせに来たDに対し,浄化槽許可と収集運搬許可の別等を説明したうえ,本件許可申請( )の結果が難しい旨説明したことが認められ,これに よれば,行政手続法9条所定の努力義務を尽くしているものと認められるから,控訴人の上記主張はその前提を欠くものであり,失当というほかない」。 を加える。 - 7 -⑹原判決15頁末行の「本件で」から16頁5行目までを「本件では,許可の基準は,浄化槽法36条の規定によって具体的に定められ,許可の基準は法令の定めに尽くされているものと認められるから,被控訴人は別に審査基準を定めることを要しないものと解される。なお,控訴人は「不許可の理由,とされた業務委託契約については,法に規定がなく,かつ,その旨の審査基準も明らかにされていなかったのであるから,浄化槽清掃業の不許可処分も行政手続法5条に違反する」旨主張するけれども,前記認定説示のとおり,。 控訴人は,浄化槽の清掃により生ずる汚泥等の収集・運搬につき,これをするために必要な一般廃棄物処理業の許可を有せず,他の一般廃棄物処理業者に業務委託することもしていないことにより,控訴人には,浄化槽の清掃等の業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者に当たるとされたものであり,いかなる場合に「浄化槽の清掃等の業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある」と認められるかについては,個別の具体的事情によって変わってくるものであるから,業務委託契約の有無に関しての審査基準が明らかにされていないからといって,そのことをもって行政手続法5条に違反するということはできない」と改める。 。 結論 よって,原判決は相当 ものであるから,業務委託契約の有無に関しての審査基準が明らかにされていないからといって,そのことをもって行政手続法5条に違反するということはできない」と改める。 。 結論 よって,原判決は相当であって,控訴人の本件控訴は理由がないから,これを棄却することとし,主文のとおり判決する。 大阪高等裁判所第12民事部裁判長裁判官大谷種臣裁判官島村雅之- 8 -裁判官佐藤嘉彦は,退官につき,署名押印することができない。 裁判長裁判官大谷種臣
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