平成23(行ケ)10095 審決取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成23年6月23日 知的財産高等裁判所 4部 判決 請求棄却
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判決文本文6,287 文字)

平成23年6月23日判決言渡同日原本受領裁判所書記官平成23年(行ケ)第10095号審決取消請求事件口頭弁論終結日平成23年6月2日判決原告株式会社ステップテクニカ同代表者代表取締役大辻進同訴訟代理人弁理士山内博明被告 Y同訴訟代理人弁護士平井昭光同弁理士黒田博道 主文 原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求特許庁が無効2006-80177号事件について平成23年2月15日にした審決を取り消す。 第2 事案の概要本件は,原告が,下記1のとおりの手続において,原告の下記2の本件発明に係る特許に対する被告の特許無効審判の請求について,特許庁が本件訂正を認めた上,本件特許を無効とした別紙審決書(写し)の本件審決の取消しを求める事案である。 1 本件訴訟に至る手続の経緯(1) 原告は,発明の名称を「サイクリック自動通信による電子配線システム」とする特許第2994589号の特許(平成8年6月7日出願,平成11年10月22日設定登録。請求項の数は全3項。以下「本件特許」いう。)に係る特許権を有する者である。 (2) 被告は,平成18年9月6日,本件特許について,特許無効審判を請求し,無効2006-80177号事件として係属した。 原告は,平成18年11月24日,無効審判請求の対象となった請求項の全部について訂正請求(以下「本件訂正」という。)をした。 特許庁は,平成19年5月28日,本件訂正を認めた上,審判請求不成立の審決(以下「前審決」という。)をした。 ( 求の対象となった請求項の全部について訂正請求(以下「本件訂正」という。)をした。 特許庁は,平成19年5月28日,本件訂正を認めた上,審判請求不成立の審決(以下「前審決」という。)をした。 (3) 被告は,平成19年6月21日,知的財産高等裁判所に対し,前審決の取消しを求める訴え(平成19年(行ケ)第10220号)を提起した。 知的財産高等裁判所は,平成20年4月21日,前審決を取り消す旨の判決を言い渡し,同判決は,同年10月24日,最高裁判所の上告不受理決定(平成20年(行ヒ)第248号)によって確定した。 (4) 特許庁は,無効2006-80177号事件を審理し,平成23年2月15日,本件特許を無効とする旨の本件審決をし,その謄本は,同月24日,原告に送達された。 2 本件発明の要旨本件審決が対象とした本件訂正後の発明(以下「本件発明」という。)の要旨は,以下のとおりである。なお,文中の「/」は,原文における改行箇所である。 【請求項1】1台のIC化された中央装置と1台又は複数台のIC化されていてかつ外部から端末装置アドレス符号が設定される端末装置とがデジタル通信回線を介して,相互接続されて構成され,上記中央装置から上記端末装置宛に,出力データの組み込まれたコマンドパケットを一斉にサイクリックに自動的に送信し,1台又は複数台の端末装置の中から順次に択一的に選択される1台ずつの上記端末装置から上記中央装置宛に,入力データの組み込まれたレスポンスパケットを逐次にサイクリックに自動的に送信するサイクリック自動通信方式の電子配線システムであって,/上記中央装置は,上記出力データと上記入力データとを読み取り可能に記憶するメモリと,上記コマンドパケットの送信と上記レスポンスパケットの受信とを, プログラムによる通信制御に基 であって,/上記中央装置は,上記出力データと上記入力データとを読み取り可能に記憶するメモリと,上記コマンドパケットの送信と上記レスポンスパケットの受信とを, プログラムによる通信制御に基づかないで,回路の駆動で制御するステートマシーンとから成り,/上記メモリは,i番目のコマンドパケットに組み込まれるi番目の出力データをi番目対応の出力データ記憶領域に読み取り可能に記憶し,i番目のレスポンスパケットに組み込まれていたi番目の入力データをi番目対応の入力データ記憶領域に読み取り可能に記憶するメモリであり,/上記ステートマシーンは,i-1番目の端末装置宛のi-1番目のコマンドパケットの送信が完了した直後に,又は,i-1番目のコマンドパケットの送信が完了してから,i-1番目のレスポンスパケットの受領期間が経過した直後に,上記メモリのi番目対応の出力データ記憶領域から読み取られたi番目の出力データとi番目の端末装置アドレス符号とが組み込まれたi番目のコマンドパケットをデジタル通信回線経由で送信し,該i番目のコマンドパケットの送信が完了した後に,i番目の入力データの組み込まれたi番目のレスポンスパケットをi番目の端末装置からデジタル通信回線経由で受信し,該i番目の入力データを上記メモリのi番目対応の入力データ記憶領域に書き込むことを特徴とし,/上記端末装置は,デジタル通信回線経由で受信した上記i番目のコマンドパケットに組み込まれているi番目の端末装置アドレス符号が自己の端末装置アドレス符号として設定されているi番目の端末装置アドレス符号と一致するときに,上記i番目のコマンドパケットに組み込まれているi番目の出力データを出力ポートでのポート出力データとして出力するとともに,入力ポートからのポート入力データがi番目の入力データとして組み込ま るときに,上記i番目のコマンドパケットに組み込まれているi番目の出力データを出力ポートでのポート出力データとして出力するとともに,入力ポートからのポート入力データがi番目の入力データとして組み込まれた上記i番目のレスポンスパケットをデジタル通信回線経由で送信することを特徴とし,さらに,/上記メモリのi番目対応の出力データ記憶領域に読み取り可能に記憶されている出力データのビット群の構成と上記出力ポートから出力されるポート出力データのビット群の構成とが同一形態であり,上記メモリのi番目対応の入力データ記憶領域に読み取り可能に記憶されている入力データのビット群の構成と上記入力ポートから入力されるポート入力データのビット群の構成とが同一形態であり,/前記メモリ内のデータビット群が,前記複数の端末装置毎にメモリ領域を分割して設定し たことを特徴とするサイクリック自動通信方式の電子配線システム【請求項2】上記メモリのi番目対応の出力データ記憶領域からのi番目の出力データの読み取り動作と,該i番目対応の出力データ記憶領域へのユーザインターフェースPCからのi番目の出力データの書き込み動作と,該メモリのi番目対応の入力データ記憶領域へのi番目の入力データの書き込み動作と,該i番目対応の入力データ記憶領域からのユーザインターフェースPCへのi番目の入力データ読み取り動作とが,それぞれ,別個独立に実行可能である請求項1に記載のサイクリック自動通信方式の電子配線システム【請求項3】前記端末装置毎に分割されたメモリ領域内のデータビット群は,送受信単位毎のフィールドに設定し,該設定されたフィールド単位で送受信するようにした請求項2に記載のサイクリック自動通信方式の電子配線システム 3 本件審決の理由の要旨本件審決の理由は,要するに,本件発明が のフィールドに設定し,該設定されたフィールド単位で送受信するようにした請求項2に記載のサイクリック自動通信方式の電子配線システム 3 本件審決の理由の要旨本件審決の理由は,要するに,本件発明が下記アの引用例1に記載された発明,下記イの引用例2に記載された事項及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたから,特許法29条2項,123条1項2号により本件特許を無効とすべきであるというものである。 ア引用例1:特開平6-292275号公報イ引用例2:特開平2-132944号公報第3 当事者の主張〔原告の主張〕本件審決の内容は全面的に認める。 ただし,原告は,本訴提起日から起算して90日の期間内である平成23年4月28日付けで訂正審判を請求したので,本件審決は,結果として,結論を誤った違法があるので取り消されるべきである。 〔被告の主張〕関連訴訟を含む本件訴訟の異例ともいえる長期にわたる経緯からして,原告には 既に十分に訂正を含む攻撃防御の機会が与えられていたから,原告の主張は,失当である。 第4 当裁判所の判断 1 原告は,本件審決の内容を全面的に認めた上で,なお本件審決が取り消されるべき理由として,本訴提起後,特許法所定の期間内に訂正審判を請求したので,本件審決は,結果として,結論を誤った違法があるというのである。 2 弁論の全趣旨によれば,原告は,上記期間内である平成23年4月28日,本件特許を下記の下線部のとおり訂正する訂正審判を請求し,併せて,当裁判所に対して特許法181条2項に基づく取消決定を求めていることが認められる。 【請求項1】1台のIC化された中央装置と1台又は複数台のIC化されていてかつ外部から端末装置アドレス符号が設定される端末装置とがデジタル通信回線を介して,相互接続 を求めていることが認められる。 【請求項1】1台のIC化された中央装置と1台又は複数台のIC化されていてかつ外部から端末装置アドレス符号が設定される端末装置とがデジタル通信回線を介して,相互接続されて構成され,上記中央装置から上記端末装置宛に,出力データの組み込まれたコマンドパケットを一斉にサイクリックに自動的に送信し,1台又は複数台の端末装置の中から順次に択一的に選択される1台ずつの上記端末装置から上記中央装置宛に,入力データの組み込まれたレスポンスパケットを逐次にサイクリックに自動的に送信するフルデュープレックス方式のサイクリック自動通信方式の電子配線システムであって,/上記中央装置は,上記出力データと上記入力データとを読み取り可能に記憶するメモリと,上記コマンドパケットの送信と上記レスポンスパケットの受信とを,プログラムによる通信制御に基づかないで,回路の駆動で制御するステートマシーンとから成り,/上記メモリは,i番目のコマンドパケットに組み込まれるi番目の出力データをi番目対応の出力データ記憶領域に読み取り可能に記憶し,i番目のレスポンスパケットに組み込まれていたi番目の入力データをi番目対応の入力データ記憶領域に読み取り可能に記憶し,i番目のレスポンスパケットを受信せず或いは受信した当該i番目のレスポンスパケットに異常が検出された場合にはi番目対応のエラー領域にコードを読み取り可能に記憶するメモリであり,/上記ステートマシーンは,i-1番目の端末装置宛のi-1 番目のコマンドパケットの送信が完了した直後に,又は,i-1番目のコマンドパケットの送信が完了してから,i-1番目のレスポンスパケットの受領期間が経過した直後に,上記メモリのi番目対応の出力データ記憶領域から読み取られたi番目の出力データとi番目の端末装置アド コマンドパケットの送信が完了してから,i-1番目のレスポンスパケットの受領期間が経過した直後に,上記メモリのi番目対応の出力データ記憶領域から読み取られたi番目の出力データとi番目の端末装置アドレス符号とが組み込まれたi番目のコマンドパケットをデジタル通信回線経由で送信し,該i番目のコマンドパケットの送信が完了した後に,i番目の入力データの組み込まれたi番目のレスポンスパケットをi番目の端末装置からデジタル通信回線経由で受信し,当該レスポンスパケットについて検定し,正常であれば該i番目の入力データを上記メモリのi番目対応の入力データ記憶領域に書き込み,前記i番目のレスポンスパケットを受信せず或いは受信した当該i番目のレスポンスパケットに異常が検出された場合にはi番目対応のエラー領域にコードを書き込み,かつ,i番目の端末装置宛のi番目のコマンドパケットを送信しながら前記i-1番目の端末装置からのi-1番目のレスポンスパケットを受信することを特徴とし,/上記端末装置は,デジタル通信回線経由で受信した上記i番目のコマンドパケットに組み込まれているi番目の端末装置アドレス符号が自己の端末装置アドレス符号として設定されているi番目の端末装置アドレス符号と一致するときに,上記i番目のコマンドパケットに組み込まれているi番目の出力データを出力ポートでのポート出力データとして出力するとともに,入力ポートからのポート入力データがi番目の入力データとして組み込まれた上記i番目のレスポンスパケットをデジタル通信回線経由で送信することを特徴とし,さらに,/上記メモリのi番目対応の出力データ記憶領域に読み取り可能に記憶されている出力データのビット群の構成と上記出力ポートから出力されるポート出力データのビット群の構成とが同一形態であり,上記メモリのi番目対応の リのi番目対応の出力データ記憶領域に読み取り可能に記憶されている出力データのビット群の構成と上記出力ポートから出力されるポート出力データのビット群の構成とが同一形態であり,上記メモリのi番目対応の入力データ記憶領域に読み取り可能に記憶されている入力データのビット群の構成と上記入力ポートから入力されるポート入力データのビット群の構成とが同一形態であり,/前記メモリ内のデータビット群が,前記複数の端末装置毎にメモリ領域を分割して設定したことを特徴とするサイクリック自動通信方式の電子配線システム 【請求項2】上記メモリのi番目対応の出力データ記憶領域からのi番目の出力データの読み取り動作と,該i番目対応の出力データ記憶領域へのユーザインターフェースPCからのi番目の出力データの書き込み動作と,該メモリのi番目対応の入力データ記憶領域へのi番目の入力データの書き込み動作と,該i番目対応の入力データ記憶領域からのユーザインターフェースPCへのi番目の入力データ読み取り動作とが,それぞれ,別個独立に実行可能である請求項1に記載のサイクリック自動通信方式の電子配線システム【請求項3】前記端末装置毎に分割されたメモリ領域内のデータビット群は,送受信単位毎のフィールドに設定し,該設定されたフィールド単位で送受信するようにした請求項2に記載のサイクリック自動通信方式の電子配線システム 3 しかしながら,前記訂正は,本件審決の判断に照らしても本件発明の特許性を基礎付けるに十分ではないことが明らかであって,当裁判所は,本件特許を無効にすることについて特許無効審判においてさらに審理させることが相当であるとは認めないので,本件審決について,特許法181条2項の規定に基づき,これを取り消すことはしない。 4 そして,本件審決の内容それ自体に不服がな 許無効審判においてさらに審理させることが相当であるとは認めないので,本件審決について,特許法181条2項の規定に基づき,これを取り消すことはしない。 4 そして,本件審決の内容それ自体に不服がない本件において,原告の請求に理由のないことは明らかである。 5 結論以上の次第であるから,原告の請求は棄却されるべきものである。 知的財産高等裁判所第4部 裁判長裁判官滝澤孝臣 裁判官髙部眞規子 裁判官井上泰人

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