令和3(ワ)112 損害賠償等請求事件

裁判年月日・裁判所
令和4年7月14日 那覇地方裁判所
ファイル
hanrei-pdf-91466.txt

判決文本文59,182 文字)

1 令和4年7月14日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官令和3年第112号 損害賠償等請求事件口頭弁論終結日 令和4年3月22日判決当事者の表示 別紙1当事者目録記載のとおり主文1 原告らの請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実及び理由第1 請求1 被告は、原告らに対し、それぞれ16万6392円を支払え。 2 被告は、原告らに対し、それぞれ197万8200円を支払え。 3⑴ 主位的請求被告は、原告らに対し、それぞれ1248万2607円及びうち868万8333円に対する平成30年6月8日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 ⑵ 予備的請求1被告は、原告らに対し、それぞれ868万8333円及びこれに対する令和元年6月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 ⑶ 予備的請求2被告は、原告らに対し、それぞれ795万7533円及びこれに対する令和元年6月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要原告らは、日本に駐留するアメリカ合衆国軍隊の構成員であるアメリカ合衆国(以下、「合衆国」又は「米国」ということがある。)の国籍を有する兵2名(以下「加害者米兵ら」という。)による強盗傷害事件(以下「本件事件」という。)2 の被害者である亡X(以下「亡X」という。)の相続人であり、亡Xの加害者米兵らに対する損害賠償請求権を相続したものである。 原告らは、本件事件について、加害者米兵らを相手方とする民事訴訟(以下「本件民事訴訟」という。)を提起し、加害者米兵らに対して亡Xに生じた損害を賠償することを命じる旨の判決を得て、既にこれが確定している(以下、この確定判決を「本件確定判決」という。)。 訴訟(以下「本件民事訴訟」という。)を提起し、加害者米兵らに対して亡Xに生じた損害を賠償することを命じる旨の判決を得て、既にこれが確定している(以下、この確定判決を「本件確定判決」という。)。 本件は、原告らが、被告に対し、以下のとおりの請求をする事案である。 ① 沖縄防衛局長が合衆国軍隊等の行為等による被害者等に対する賠償金の支給等に関する省令(以下「本件省令」という。)12条に基づく手続を懈怠したために、原告らが、米国政府が日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(以下「地位協定」という。)18条6項に基づいて支払う慰謝料(以下「米国見舞金」という。)の額の提示を、米国政府から受けることが遅れたと主張して、国家賠償法(以下「国賠法」という。)1条1項に基づき、それぞれ、上記の手続が遅滞したことによって被った損害16万6392円の支払を求める請求(前記第1の1記載の請求。以下「本件請求①」という。)② 沖縄防衛局の担当者が、原告らに対し、本件省令に基づく見舞金に係る制度について説明を怠ったことにより、原告らが、当該見舞金の支給を受けられるはずであった時期が遅滞したと主張して、国賠法1条1項に基づき、それぞれ、上記の説明の遅滞によって被った損害197万8200円の支払を求める請求(前記第1の2記載の請求。以下「本件請求②」という。)③ 原告らと被告との間には、本件省令に基づく見舞金の支給に係る和解契約(以下「本件和解契約」という。)が成立していると主張して、本件和解契約に基づき、それぞれ、次のとおりの金員の支払を求める請求主位的に、本件確定判決の主文第1項及び第2項の元金及び確定遅延損害金の額を合計した1321万3407円から原告ら各 主張して、本件和解契約に基づき、それぞれ、次のとおりの金員の支払を求める請求主位的に、本件確定判決の主文第1項及び第2項の元金及び確定遅延損害金の額を合計した1321万3407円から原告ら各自が受領した米国見舞3 金の額である73万0800円を控除した1248万2607円及びうち上記の元金を合計した額である868万8333円(以下「本件元金部分」という。)に対する平成30年6月8日から支払済みまで民法(平成29年法律第44号による改正前のもの。以下同じ。)所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める請求(前記第1の3⑴記載の請求。以下「本件請求③-1」という。)予備的に、本件元金部分868万8333円及びこれに対する令和元年6月23日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める請求(前記第1の3⑵記載の請求。以下「本件請求③-2」という。)さらに、予備的に、本件元金部分868万8333円から原告ら各自が受領した米国見舞金の額(73万0800円)を控除した後の795万7533円及びこれに対する令和元年6月23日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める請求(前記第1の3⑶記載の請求。以下「本件請求③―3」という。)1 関連法令等の定め別紙2関連法令等の定めのとおり(なお、同別紙において定めた略称は、以下においても用いることとする。また、読みやすさの観点から、法令等の文言の一部につき、従前定義した略称を用いて簡略化して記載したり、通常のいわゆる公用文又は判決文の例に従って形式的な修正を施したりした部分がある。)。 2 前提事実(当事者間に争いのない事実並びに後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)⑴ 当事者等ア 亡Xは、昭和●年● の例に従って形式的な修正を施したりした部分がある。)。 2 前提事実(当事者間に争いのない事実並びに後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)⑴ 当事者等ア 亡Xは、昭和●年●月●日生まれの男性であり、原告A(以下「原告A」という。)は、亡Xの妻である。原告B(以下「原告B」という。)は、いずれも亡Xと原告Aとの間の子である。(乙26)イ 亡Xは、平成▲年▲月▲日、死亡した。 4 亡Xの相続人は、原告らのほか、亡Xと原告Aとの間の原告B以外の子2名であり、それぞれその法定相続分は、原告Aが2分の1、原告Bを含む亡Xと原告Aとの間の子3名が各6分の1である。(乙26)⑵ 被告が見舞金を支給する制度(以下「本件見舞金支給制度」という。)を創設した経緯及び本件見舞金支給制度の推移等ア 本件見舞金支給制度は、合衆国軍隊又はその構成員若しくは被用者がその非戦闘行為(以下、公務を執行している合衆国軍隊の構成員又は被用者の作為若しくは不作為又は合衆国軍隊が法律上責任を有するその他の作為、不作為若しくは事故(以下「公務上の行為」ということがある。)以外の行為のことを「公務外の行為」ということがある。)により他人に損害を与えた場合で、かつ、民事特別法及びその他の法令又は地位協定18条6項により救済されない直接の被害について、被告がその救済の必要を認めた場合に見舞金を支給するものであり、昭和27年2月28日に締結された行政協定18条及び同年4月28日に成立した民事特別法を受けて、昭和27年閣議決定により創設された制度である。 イ 行政協定18条は、合衆国軍隊の構成員又は被用者による不法行為について、公務上の行為による損害の賠償を求める請求については、日本国が被害者に対して賠償金を支払い、被害者に支払った額を日本国政府 イ 行政協定18条は、合衆国軍隊の構成員又は被用者による不法行為について、公務上の行為による損害の賠償を求める請求については、日本国が被害者に対して賠償金を支払い、被害者に支払った額を日本国政府及び米国政府(以下「日米両政府」という。)が合意する条件で分担して負担する旨を定めるとともに(同条3項)、公務外の行為による損害の賠償を求める請求については、日本国政府が作成する報告書を踏まえ、米国政府において慰謝料の支払の申出をするか否かを決定し、一定の条件の下で、米国の当局が一定の額を自ら支払う旨を定めている(同条5項)。また、我が国においては、合衆国軍隊の構成員又は被用者がした公務上の行為により第三者に生じた損害について、民事特別法が制定され、同法1条は、国がその損害を賠償する責任を負う旨を定めている。 5 上記のような法令等の定めを前提として、日米両政府間で公務上の行為か否か等について協議が難航し、結果的に被害者に対して補償金が支払われず、犠牲を強いる蓋然性があることから、国は、昭和27年閣議決定をすることにより、行政協定18条3項に係る補償金(日本国が合衆国軍隊の構成員又は被用者がした公務上の行為による被害者に対して支払う金員)を支給する基準を定めるとともに、合衆国軍隊又はその構成員若しくは被用者がその非戦闘行為により他人に損害を与えた場合で、かつ、民事特別法及びその他の法令又は行政協定18条5項により救済されない直接の被害については、国がその救済の必要を認めた場合に見舞金を支給することとして、被害者に対する救済を実効的なものとすることとした。 昭和27年総理府令は、昭和27年閣議決定を受け、昭和27年閣議決定に定める上記の補償金及び見舞金を支給する手続を定めているところ、見舞金については、調達局長が支給する必要があると ることとした。 昭和27年総理府令は、昭和27年閣議決定を受け、昭和27年閣議決定に定める上記の補償金及び見舞金を支給する手続を定めているところ、見舞金については、調達局長が支給する必要があると認めたときに、調達庁長官に対して報告し、調達庁長官において、審査及び調査を踏まえて、見舞金を支給する必要がある旨を決定した場合に、これを支給するものとする旨を定めている。また、昭和27年総理府令は、補償金については、補償金の額の決定についての不服申立ての手続を定めたが、見舞金についての不服申立ての手続を定めていない。 ウ 日本国と米国は、昭和35年、日米安全保障条約6条に基づき、行政協定に代わるものとして、地位協定を締結した。 地位協定18条は、行政協定18条の内容をおおむね踏襲し、合衆国軍隊の構成員又は被用者がした公務上の行為によって第三者に生じた損害については、日本国が被害者に対して賠償金を支払い、被害者に支払った額を地位協定18条5項においてあらかじめ定められた割合に従って日米両政府が分担して負担する旨を定め(同条5項)、他方、合衆国軍隊の構成員又は被用者がした公務外の行為による損害の補償を求める請求については、日本国が作成6 する報告書を踏まえ、米国政府において慰謝料の支払の申出をするか否かを決定し、当該申出をする場合には、一定の条件の下で、米国政府が自ら一定の額の慰謝料を支払う旨を定めている(同条6項)。 そして、昭和35年閣議決定は、地位協定18条5項に係る補償金(同項にいう賠償金であり、日本国が合衆国軍隊の構成員又は被用者がした公務上の行為により損害を受けた被害者に対して支払う金員)を支給する基準について、昭和27年閣議決定に定める基準による旨を定めるとともに、合衆国軍隊又はその構成員若しくは被用者がその非戦闘行為 した公務上の行為により損害を受けた被害者に対して支払う金員)を支給する基準について、昭和27年閣議決定に定める基準による旨を定めるとともに、合衆国軍隊又はその構成員若しくは被用者がその非戦闘行為により他人に損害を与えた場合で、かつ、民事特別法及びその他の法令又は地位協定18条6項により救済されない直接の被害については、昭和27年閣議決定と同様、国がその救済の必要を認めた場合に見舞金を支給する旨を定めた。 これを受けて、本件省令(ただし、制定当時のもの)が定められ、本件省令は、上記の補償金及び見舞金を支給する手続を具体的に定めた。なお、本件省令が制定された際、昭和27年総理府令において定められていた補償金に係る不服申立ての手続が削除された。 その後、見舞金の支給について、見舞金は、合衆国軍隊又はその構成員若しくは被用者がその非戦闘行為により他人に損害を与えた場合であって、民事特別法及びその他の法令又は地位協定18条6項の規定により救済されない直接の被害につき国が救済を必要と認めたときに支給することができる旨等を定める昭和39年閣議決定がされ、昭和27年閣議決定及び昭和35年閣議決定は廃止された。 エ 沖縄県民の負担を軽減し、それによりいわゆる日米同盟関係を強化する目的で、平成8年12月2日、SACO最終報告が取りまとめられ、その中で、地位協定の運用の改善の1つとして、地位協定18条6項の規定に基づく米国政府の支払の額が裁判所の確定判決の額に満たない場合に、日本国政府が、必要に応じてその差額を埋めるため、当該差額を支払う努力をする旨の内容7 が盛り込まれた。 これを受け、国は、昭和39年閣議決定にいう「民事特別法及びその他の法令又は地位協定18条6項の規定により救済されない直接の被害」に上記の差額が該当し、これに対して昭和 7 が盛り込まれた。 これを受け、国は、昭和39年閣議決定にいう「民事特別法及びその他の法令又は地位協定18条6項の規定により救済されない直接の被害」に上記の差額が該当し、これに対して昭和39年閣議決定が定める見舞金を支給することができる旨の取扱いをすることとし、平成8年12月3日以降に地位協定18条6項の規定による補償金(米国見舞金)の支払を受けた事案で一定の基準を満たすものについて、見舞金(SACO見舞金)を支払うこととした。 その後、具体的な支給の手続等について、本件実施要領が発出されたほか、局長通知も発出され、現在は、SACO見舞金の支給は、局長通知及び本件実施要領に基づいて運用されている。 ⑶ 本件事件の発生及び亡Xの被った被害の状況ア 亡Xは、タクシー運転手として勤務していたところ、平成20年1月7日、Y及びZ(加害者米兵ら)による強盗傷害事件(本件事件)の被害に遭った。 (甲5)那覇地方裁判所は、同年6月5日、加害者米兵らに対し、本件事件について有罪を言い渡す判決の宣告をし、同判決は、その頃、確定した。(甲5)イ 亡Xは、本件事件により、頭部裂傷、頚椎捻挫並びに左肩及び左上腕打撲の各傷害を負うとともに、本件事件の際に受けた暴行により、うつ病、外傷後ストレス障害(PTSD)及び不眠症にり患し、入院及び通院治療を受けていたが、平成▲年▲月▲日、がんにより死亡した。(乙26)⑷ 加害者米兵らに対する民事訴訟の提起等ア 原告Bは、平成29年及び平成30年、亡Xと原告Aとの間の原告B以外の子2名から、順次、それらの者が相続した亡Xの加害者米兵らに対する本件事件に係る共同不法行為に基づく損害賠償請求権(亡Xが有していた同請求権の6分の1の金額に相当する請求権)を譲り受け、亡Xが有していた同請求権8 らの者が相続した亡Xの加害者米兵らに対する本件事件に係る共同不法行為に基づく損害賠償請求権(亡Xが有していた同請求権の6分の1の金額に相当する請求権)を譲り受け、亡Xが有していた同請求権8 の2分の1の金額に相当する請求権を有するに至った。(乙26、27の1)イ 原告らは、平成29年12月27日、那覇地方裁判所沖縄支部に対し、加害者米兵らを被告として、本件事件に係る共同不法行為に基づく損害の賠償を求めて、訴えを提起した(同支部平成29年第399号。本件民事訴訟)。 (乙26)同支部は、平成30年7月5日、亡Xが、本件事件により、頭部裂傷、頚椎捻挫並びに左肩及び左上腕打撲の各傷害を負うとともに、うつ病、外傷後ストレス障害(PTSD)及び不眠症にり患し、入院治療及び通院治療の結果、平成22年11月26日に症状固定したものの、うつ病、外傷後ストレス障害(PTSD)及び不眠症の後遺障害(自動車損害賠償保障法施行令別表第二における第9級に相当するもの)が残ったと認め、原告らの請求のうち、原告ら各自に対し、それぞれ連帯して、868万8333円(本件元金部分)及び本件事件が生じた平成20年1月7日から本件民事訴訟に係る口頭弁論の終結の日である平成30年6月7日までに生じた確定遅延損害金452万5074円(以下「本件確定遅延損害金部分」という。)の合計1321万3407円並びに本件元金部分に対する同月8日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で認容し、その余の請求をいずれも棄却する旨の判決(本件確定判決)を言い渡した。(乙26)本件確定判決は、同年7月19日、確定した。(乙27の4)⑸ 亡Xがした米国に対する損害賠償請求等ア 亡Xは、C弁護士(以下「C弁護士」という。)及びD弁護士(以下 言い渡した。(乙26)本件確定判決は、同年7月19日、確定した。(乙27の4)⑸ 亡Xがした米国に対する損害賠償請求等ア 亡Xは、C弁護士(以下「C弁護士」という。)及びD弁護士(以下「D弁護士」といい、C弁護士と併せて、「本件各弁護士」という。)を代理人として、地位協定18条6項所定の手続をすることとし、本件各弁護士に委任した。 イ C弁護士は、亡Xの代理人として、平成21年5月11日、沖縄防衛局長に対し、本件省令4条1項前段所定の書式に基づき、初回の損害賠償請求書(本件省令4条1項所定のもの。以下「損害賠償請求書」という。)を提出し、そ9 の後も、亡Xの代理人として、平成22年4月30日及び平成23年10月27日、それぞれ、損害賠償請求書を提出した。(乙10の1~3)⑹ 原告らがした米国に対する損害賠償請求等ア C弁護士は、亡Xが平成▲年▲月▲日に死亡したことから、亡Xの相続人代表であった原告Bの代理人として、沖縄防衛局長に対し、平成25年7月26日及び平成26年10月21日の2回にわたり、損害賠償請求書を提出した。 (乙10の4、5)イ 原告らは、平成29年8月頃、本件各訴えにおける原告ら訴訟代理人ら(以下「原告ら代理人」という。)に対し、本件省令に基づく損害賠償請求に関する法律事務を委任した。 原告ら代理人は、同年9月12日、沖縄防衛局に対し、亡Xがした合衆国軍隊に対する損害賠償請求の手続の回数、内容、支払の有無や手続の状況等について問い合わせる旨の質問状を送付した。 沖縄防衛局管理部業務課は、同月15日、原告ら代理人に対し、上記質問状について回答した(以下「本件回答」という。)。その中で、米国政府が支払に応じていない理由については、本件事件が公務外の行為によるものであり、損害額を算定する 15日、原告ら代理人に対し、上記質問状について回答した(以下「本件回答」という。)。その中で、米国政府が支払に応じていない理由については、本件事件が公務外の行為によるものであり、損害額を算定するに当たり、症状の固定を確認する必要があり、症状の固定に係る医療機関の診断を待っていたことに加え、5回にわたる請求について必要な各種証明書について不足があり、その提出を待っていたことから、米国政府に対し、損害賠償請求書の送付ができていない旨を回答した。 (以上の各事実につき、乙14、弁論の全趣旨)ウ 米国政府は、平成29年11月9日、原告らに対し、本件事件に係る原告らの損害賠償請求につき、原告らが、当該請求を完全に満たす最終的解決として同意することを条件に146万1600円の支払をすることとしたので、その旨を記載した示談書(以下「本件示談書①」という。)に署名等をし、送付するよう通知したが、原告ら代理人は、平成29年11月29日、沖縄防衛局10 を通じて、米国政府に対し、本件示談書①のうち、加害者米兵らに対する請求権を放棄する旨の記載を削除して提出した。(甲10、乙11の1・2)米国政府は、上記の部分が削除された本件示談書①によっては、米国見舞金を支払うことはできないとして、原告らに対し、米国見舞金を支払わなかった。 エ 原告らは、平成30年7月27日、沖縄防衛局長に対し、原告らの請求額を合算した2642万6814円及びうち1737万6666円に対する同年6月8日から支払済みまで年5分の割合による金員を請求額とする損害賠償請求書を提出するとともに、同額を地位協定18条6項に基づき請求する旨の公務外損害補償請求書を提出した。(甲11、12)オ 米国政府は、平成31年4月26日、原告らがした前記エの請求に対し、原告らが、当該請求 るとともに、同額を地位協定18条6項に基づき請求する旨の公務外損害補償請求書を提出した。(甲11、12)オ 米国政府は、平成31年4月26日、原告らがした前記エの請求に対し、原告らが、当該請求を完全に満たす最終的解決として同意することを条件に146万1600円(米国見舞金)の支払をすることとしたので、その旨を記載した示談書(以下「本件示談書②」という。)に署名等をし、送付するよう通知した。(甲13、14)原告らは、令和元年5月17日、本件示談書②に署名及び押印をして、沖縄防衛局長を通じて、これを米国政府に送付し、米国から、146万1600円の支払を受けた(以下、支払を受けた金員を「本件米国見舞金」という。)。 (乙16)⑺ SACO見舞金の支給の申請等ア 沖縄防衛局の担当者は、令和元年5月17日、原告ら代理人に対し、本件示談書②の提出を受けた際、SACO見舞金を支給する対象となり得ることから、原告らが、沖縄防衛局長に対し、SACO見舞金として、本件確定判決における認容額である本件元金部分及び本件確定遅延損害金部分の合計2642万6814円(以下「本件認容額」という。)から米国から支払われた本件米国見舞金146万1600円及び本件確定遅延損害金部分905万0148円を差し引いた残額1591万5066円(以下「本件差額1」という。)11 の支給を求める旨が記載されたSACO見舞金支給申請書の文案(以下「本件申請書案」という。)を提示した。(乙15)これに対し、原告ら代理人は、本件確定遅延損害金部分を差し引くことはできないとして、同日、沖縄防衛局長に対し、SACO見舞金として、本件認容額2642万6814円と米国から支払われた本件米国見舞金146万1600円との差額である2496万5214円(以下「本件差額2」とい として、同日、沖縄防衛局長に対し、SACO見舞金として、本件認容額2642万6814円と米国から支払われた本件米国見舞金146万1600円との差額である2496万5214円(以下「本件差額2」という。)を支給することを求める旨が記載されたSACO見舞金支給申請書(以下「本件申請書」という。)を提出した。(乙16)イ 沖縄防衛局長は、原告らに対し、SACO見舞金として、1591万5066円(本件差額1)を支給する旨を回答し、上記のSACO見舞金を受け取ることを受諾し、今後いかなる申立てもしないことを約束する旨が記載されたSACO見舞金受諾書(以下「本件見舞金受諾書」という。なお、SACO見舞金受諾書の書式は、別紙3のとおりである。)を提出するよう求めた。(乙22)ウ 原告らは、本件見舞金受諾書の提出を拒否したところ、沖縄防衛局は、SACO見舞金を支給しなかった。 原告らは、令和元年8月14日、那覇地方裁判所に対し、原告らの本件省令4条及び14条に基づく損害賠償請求に対し、沖縄防衛局長が本件省令15条に基づく処分をしないこと(不作為)が違法であることの確認等を求める訴え(当庁令和元年(行ウ)第12号事件)を提起し、令和3年2月12日、同裁判所に対し、本件各訴えを提起した。(当裁判所に顕著な事実)3 争点【本件請求①に係る争点】⑴ 沖縄防衛局長が本件各書類を送付することを遅滞したことの国賠法上の違法性(争点1)⑵ 損害の発生及びその額(争点2)12 ⑶ 消滅時効の成否(争点3)【本件請求②に係る争点】⑷ 説明義務に違反したことによる国賠法上の違法性(争点4)⑸ 損害の発生及びその額(争点5)【本件請求③-1~3に係る争点】⑹ 和解契約の成否及びその内容(争点6)4 当事者の主張⑴ 争点1 務に違反したことによる国賠法上の違法性(争点4)⑸ 損害の発生及びその額(争点5)【本件請求③-1~3に係る争点】⑹ 和解契約の成否及びその内容(争点6)4 当事者の主張⑴ 争点1(沖縄防衛局長が本件各書類を送付することを遅滞したことの国賠法上の違法性)(原告らの主張)ア 本件省令は、合衆国軍隊の構成員又は被用者がした公務外の行為により第三者に損害が生じた場合、地方防衛局長は、合衆国軍隊の構成員又は被用者の行為が公務外の行為であることを確認することができたときには、被害者又はその遺族で本件省令4条1項に基づき損害賠償請求をした者(被害者等)に対し、公務外損害補償請求書を提出させ(同11条)、これを審査して、請求額を査定し、当該事件に係る報告書を作成し(同12条1項)、上記公務外損害補償請求書並びに上記報告書及び必要な書類(本件各書類)を防衛大臣に送付しなければならず(同条2項)、防衛大臣は、本件各書類を米国政府に送付しなければならない(同条3項)旨を定めているところ、地方防衛局長及び防衛大臣は法的な義務として、これらの行為をしなければならない義務を負っているものである。なお、本件省令が、私人を拘束しない行政内部の定めであるとしても、国民の権利又は利益に影響を与えるものである以上、本件省令に定められた行政庁の義務に違反する行為は、国賠法上の違法を構成するものと解される。 イ 本件において、亡X及びその相続人である原告らは、本件省令4条1項前段に基づき損害賠償請求書を提出しており、沖縄防衛局長は、遅くとも13 平成25年7月26日までに損害額が確定させることが可能であったから、同日までに原告らに対し、公務外損害補償請求書を提出させて報告書を作成し、本件各書類を防衛大臣に送付することができたにもかかわらず、こ 25年7月26日までに損害額が確定させることが可能であったから、同日までに原告らに対し、公務外損害補償請求書を提出させて報告書を作成し、本件各書類を防衛大臣に送付することができたにもかかわらず、これを怠り、平成29年9月15日までこれを遅滞したのであって、沖縄防衛局長が本件各書類を送付することを遅滞したことは、国賠法上違法である。 ウ被告は、原告らには、米国見舞金を受領する権利ないし法的利益も、米国見舞金が支払われることを期待する法的利益も生じていなかった旨主張する。 確かに、被害者等は、当該被害者等と米国政府との間の合意が成立するまでは、米国見舞金を受領する権利ないし法的利益を有しないものの、外国人請求法に基づいて米国見舞金を請求する地位は法的に付与されており、地位協定18条6項も、外国人請求法の手続を被害者等に適用することを前提としているから、被害者等は、外国人請求法に基づき、地方防衛局を介して米国政府に対し、米国見舞金の支払を請求し得る地位があることを法的に保護されており、当該地位に基づき、米国見舞金の支払を請求する期待権を有していると解される。 そうすると、原告らにも、米国見舞金の支給を求める手続的地位はあり、これは法的に保護されるべき利益(期待権)であって、本件各書類の送付が遅れたことにより、これが侵害されているといえる。 a 被告は、沖縄防衛局長が平成29年9月15日まで米国政府に対して本件各書類を送付していなかった理由として、亡Xと相談の上、亡Xの症状固定に係る医療機関の診断を待ち、併せて米国見舞金の支払を請求するために必要な各種証明書が不足していたことから、亡Xの代理人弁護士にその旨を指摘し、提出を依頼していた旨主張する。 14 しかし、沖縄防衛局の担当者と亡Xが相談していた事実はなく、書類の提出 ために必要な各種証明書が不足していたことから、亡Xの代理人弁護士にその旨を指摘し、提出を依頼していた旨主張する。 14 しかし、沖縄防衛局の担当者と亡Xが相談していた事実はなく、書類の提出を求めていたという事実も認められず、単に、亡X又はその代理人から、書類が提出されるであろうと期待して待っていただけにすぎない。仮に、沖縄防衛局の担当者が、書類の提出を求めていたとしても、その提出期限を指定した事実はなく、亡Xが死亡したことを知った時点で、既に提出されていた資料を基に、損害額を査定すべきであったものといえる。このことは、原告らの新たな代理人が、平成29年9月15日、上記の書類を提出することなく、請求の手続が遅れていることを指摘するや否や、沖縄防衛局長が損害額の査定をし、本件各書類を防衛大臣に送付した事実からも、優に推認することができる。 また、被告は、被害者等が提出した文書及び資料の限度で報告書を作成すれば足りるから、初回の損害賠償請求書が提出された平成21年5月11日から亡Xが死亡したときまでに約3年2か月もの期間が経過していること、亡Xが死亡するまでには米国見舞金の支給に関する文書及び資料等が既に提出されていることからすれば、沖縄防衛局長は、亡Xの死亡時若しくは遅くとも平成25年7月26日までには、本件各書類を防衛大臣に対して送付すべきであった。 b 被告は、地方防衛局長は、公務外損害補償請求書の提出を受けたときは、これを審査し、その請求額を査定し、報告書を作成しなければならないから、地方防衛局長が、被害者等から提出された書類のみをもって報告書を作成し、これを防衛大臣に送付すれば足りるとは解されない旨主張する。 しかし、本件の事実関係を前提とすると、沖縄防衛局長は、遅くとも平成25年7月26日までに報告書を作成し、 のみをもって報告書を作成し、これを防衛大臣に送付すれば足りるとは解されない旨主張する。 しかし、本件の事実関係を前提とすると、沖縄防衛局長は、遅くとも平成25年7月26日までに報告書を作成し、本件各書類を防衛大臣に送付すべきであったと認められるところ、沖縄防衛局長は、亡X15 が死亡した後5年以上経過していたにもかかわらず、症状が固定されたとの医療機関からの診断を待っていたなどとして米国政府に本件各書類を送付せず、平成30年7月27日にようやく報告書を作成したのであるから、沖縄防衛局長には過失があったことは明らかである。 (被告の主張)ア 国賠法1条1項の違法は、国又は公共団体の公権力の行使に当たる公務員が、個別の国民に対して負担する職務上の法的義務に違背した場合に認められるところ、その前提として、当該公務員の行為が国民の有する具体的な権利又は法的利益を侵害したことが必要であるから、同項に基づく損害賠償請求が認容されるためには、当該請求をする者が、具体的な権利又は法的利益を有し、かつ、公務員の行為によってそれが侵害されていることが必要であることになる。 合衆国軍隊の構成員又は被用者がした公務外の行為により被害を受けた被害者等の損害は、加害者である合衆国軍隊の構成員又は被用者自身がこれを賠償する責任を負い、被告及び米国が当該損害を賠償する義務を負うものではないが、加害者に資力がないなどの理由により当事者間における任意の解決が困難な場合に、米国政府が、地位協定18条6項及び外国人請求法に基づき、被害者等に一定の範囲で補償金(米国見舞金)を支払うことがあるものの、これは、米国政府が、被害者等に対して当然に補償金を支払う義務があることを前提とするものではなく、飽くまで、米国政府が補償金の額を提示し、被害者等がその請求を完全 見舞金)を支払うことがあるものの、これは、米国政府が、被害者等に対して当然に補償金を支払う義務があることを前提とするものではなく、飽くまで、米国政府が補償金の額を提示し、被害者等がその請求を完全に満たすものとして、これを受諾するとの被害者等と米国との間の合意が形成されたことに基づいて支払われるものである。 そうすると、被害者等が損害賠償請求書を提出することによって直ちに米国政府に米国見舞金を支払うべき法令上の義務が生じるわけではなく、上記の合意が成立するまでは、原告らは、米国政府から、米国見舞金を受16 領する権利ないし法的利益を有していなかったといえるところ、米国政府と原告らとの間で、米国見舞金の支払に係る合意が成立したのは、令和元年5月17日以降であると考えられるから、原告らには、同日以前には、国賠法に基づく救済を得る前提となる被侵害利益が存在せず、沖縄防衛局長の行為が、国賠法上違法となる余地はない。 イ 沖縄防衛局長は、亡Xから、平成21年5月11日から平成23年10月27日までの間に3回にわたり、損害賠償請求書の提出を受けているところ、これらは、いずれも、亡Xが症状固定に至る見込みが立たず、米国見舞金の支払を請求する要件が整っていない中、地位協定18条6項に基づく米国見舞金の請求は、損害発生の時から2年以内に行う必要がある(外国人請求法2734条⒝項⑴)ことから、亡Xが米国見舞金の支払を請求する利益を喪失しないようにするため、沖縄防衛局長がその提出を促したものであり、その後、提出を受けた平成25年7月26日付けの損害賠償請求書も同様の趣旨によるものであった。 そして、その後も、原告Bの代理人であったC弁護士において、請求の内容の整理及び医療記録等の必要書類の準備をしており、沖縄防衛局長としては、これを待って、本 請求書も同様の趣旨によるものであった。 そして、その後も、原告Bの代理人であったC弁護士において、請求の内容の整理及び医療記録等の必要書類の準備をしており、沖縄防衛局長としては、これを待って、本件各書類を送付する予定であったのであり、実際に、沖縄防衛局長は、原告らが本件確定判決を取得し、平成30年7月27日付けで提出した損害賠償請求を基に、公務外請求査定報告書を作成して、英訳文をつけて、同年12月13日には、同年7月27日付けの公務外損害補償請求書とともに防衛大臣に送付している。 したがって、沖縄防衛局長が本件各書類を送付することを遅滞したことはなく、沖縄防衛局長の行為に国賠法上の違法性は認められない。 ウ原告らは、外国人請求法に基づいて米国政府に対して米国見舞金の支払を請求し得る地位は、法的に保護されており、被害者等は、米国見舞金の支払を受ける期待権を有している旨主張する。 17 しかし、米国政府は、報告書の送付を受けた後に、被害者等に対して米国見舞金の支払を申し出るかどうか及び申し出る場合にはその金額を決定し、これを受けた被害者等が、その請求を完全に満たすものとしてこれを受諾したときに、米国政府が米国見舞金を自ら支払わなければならないものとされている(地位協定18条6項)から、防衛大臣が、本件省令12条3項に基づき、米国政府に対して本件各書類を送付しておらず、米国政府が原告らに対して米国見舞金の支払を申し出るかどうかを決定していない平成25年7月26日の時点においては、原告らが本件米国見舞金の支払を受けることを期待する法的利益を有しているとはいえない。 原告らは、本件省令12条1項について、地方防衛局長は、被害者等から提出された書類のみをもって報告書を作成し、これを防衛大臣に送付すれば足りる旨主張するが、その 利益を有しているとはいえない。 原告らは、本件省令12条1項について、地方防衛局長は、被害者等から提出された書類のみをもって報告書を作成し、これを防衛大臣に送付すれば足りる旨主張するが、そのような解釈には根拠がない。 また、沖縄防衛局長は、本件省令12条に基づく報告書を作成するに当たり、被害者等から提出された公務外損害補償請求書を審査し、その請求額を査定する必要があるが、本件においてこの査定をするに当たっては、亡Xないし原告らが求める請求額について亡XのPTSDの症状が症状固定に至るまでの医療記録等が必要であり、請求額の査定をすることなく報告書を作成したとしても、手続は進まない。 沖縄防衛局の担当者は、平成20年9月2日から平成22年9月27日までの間、亡Xの代理人であった本件各弁護士との間で、数回にわたり、米国見舞金の請求に関する協議をしているが、D弁護士は、同日、裁判ということも考えているが、亡XのPTSDについて症状固定という診断がなく、今後の対応を検討している旨を述べており、同日時点では、亡Xは症状固定しておらず、沖縄防衛局の担当者が、時効により米18 国見舞金を請求することができる利益を失わないように対応を協議し、損害賠償請求書の提出を促したことが裏付けられている。 さらに、沖縄防衛局の担当者は、同日、亡X及びD弁護士に対し、症状固定となった上で、最終の米国見舞金に係る請求を受け付けることができ、その請求額の根拠となる資料等の提出を受けた後、これらを防衛省に送付し、英訳文を付けて、米国政府に送付することを伝えており、原告らの主張は独自の見解によるものであって失当である。 ⑵ 争点2(損害の発生及びその額)(原告らの主張)原告らは、令和元年6月7日、米国政府から、本件米国見舞金である146万1600円 原告らの主張は独自の見解によるものであって失当である。 ⑵ 争点2(損害の発生及びその額)(原告らの主張)原告らは、令和元年6月7日、米国政府から、本件米国見舞金である146万1600円(1人あたり73万0800円)を受領したが、沖縄防衛局長が本件各書類を送付することを遅滞していなければ、同日より4年51日間(上記の本件各書類を送付することを遅滞した期間)早く、本件米国見舞金を受領することができた。 したがって、原告らは、沖縄防衛局長が本件各書類を送付することを遅滞したことにより、それぞれ、本件米国見舞金を受領することも遅滞し、それに係る遅延損害金相当額である15万1266円の損害を被った。また、原告らは、本件訴訟の追行を弁護士に委任しており、沖縄防衛局長の上記行為と相当因果関係のある弁護士費用は、1万5126円である。 よって、原告らは、沖縄防衛局長が本件各書類を送付することを遅滞したことにより、それぞれ、本件米国見舞金を受領することを遅滞したことに係る遅延損害金相当額及び弁護士費用相当額の合計16万6392円の損害を被った。 (被告の主張)沖縄防衛局長が本件各書類を送付することを遅滞したことはなく、国賠法上違法な点はないから、被告は、損害賠償責任を負わない。 ⑶ 争点3(消滅時効の成否)19 (被告の主張)原告らは、平成29年9月15日、本件回答により本件各書類が米国政府に送付されていないことを認識し、手続が遅滞している実態を訴えるべく記者会見を行ったから、遅くとも同日の時点において、沖縄防衛局長が本件各書類を送付することを遅滞したことにより損害を被ったことを認識していたといえるのであり、被告に対し、損害賠償の請求をすることが事実上可能な状態にあった。 したがって、原告らが、本件各訴えを提 本件各書類を送付することを遅滞したことにより損害を被ったことを認識していたといえるのであり、被告に対し、損害賠償の請求をすることが事実上可能な状態にあった。 したがって、原告らが、本件各訴えを提起した時点(令和3年2月12日)よりも前の令和2年9月15日の経過により、上記の損害賠償請求権の消滅時効が完成しているところ、被告は、令和3年6月15日に開かれた本件第1回口頭弁論期日において、上記消滅時効を援用した。 (原告らの主張)事実は否認し、法律上の主張は争う。 ⑷ 争点4(説明義務に違反したことによる国賠法上の違法性)(原告らの主張)ア 本件見舞金支給制度は、合衆国軍隊の構成員又は被用者がした公務外の行為による損害を被った被害者等を救済するために、国が被害者等に対して見舞金を支給する制度であるところ、SACO見舞金は、平成8年に日本国と米国との間で承認されたSACO最終報告書において、米国政府による支払が裁判所の確定判決による額に満たない過去の事例は極めて少ないものの、仮に将来そのような事例が生じた場合には、日本国政府が必要に応じてその差額を埋めるため、被害者等に対して支払をするよう努力するとされたことを受け、合衆国軍隊の構成員又は被用者がした公務外の行為による損害を被った被害者等に対し、裁判所の確定判決における認容額と米国見舞金の額との差額を支給するものとして創設されたものである。 SACO見舞金が、被害者を救済する高い必要性という日米両政府の合意から生まれたものであり、合衆国軍隊が駐留することに伴う特殊な地域20 的な状況の下で創設されたものであること、SACO見舞金を支給する制度が、一般的に広く認知された制度ではないこと、被害者の救済を実現するという観点からは、国の後見的な役割が重視される制度であることから な状況の下で創設されたものであること、SACO見舞金を支給する制度が、一般的に広く認知された制度ではないこと、被害者の救済を実現するという観点からは、国の後見的な役割が重視される制度であることからすれば、被害者等が、本件省令4条1項に基づく損害賠償請求書を提出し、地方防衛局長と一定の密接な関係に入っている状況の下においては、地方防衛局長は、被害者等に対し、本件見舞金支給制度のうちSACO見舞金を支給する制度の存在、それを利用する際の要件等について、信義則上の法的な意味における説明義務が生ずるものと解すべきである。 そうすると、本件においても、沖縄防衛局長は、亡X及び原告らに対し、米国見舞金の額を提示して、亡X又は原告らから、示談書を受領する際、SACO見舞金を支給する制度が存することを説明すべき義務を負っていたものといえる。 イ 本件においては、前記⑴(原告らの主張)のとおり、沖縄防衛局長が、本件各書類を防衛大臣に送付することが遅滞したことから、米国政府が、原告らに対し、米国見舞金の額を提示したのは、平成29年11月9日であったが、上記の遅滞がなければ、4年51日間早く、原告らに対して米国見舞金の額が提示されていたはずであり、沖縄防衛局長は、この際、原告らに対し、SACO見舞金の支給について説明をする義務があったにもかかわらずこれを怠ったのであり、これにより、原告らが、本件確定判決を得ることが4年51日間遅れ、SACO見舞金の支給を受けるための要件を具備する時期も、4年51日間遅れたから、沖縄防衛局長が上記の説明をしなかったことは、国賠法上違法である。 ウ 被告は、本件各弁護士に対し、本件見舞金支給制度に係る書面を交付し、事故被害者融資制度(被害者等が、米国見舞金の支払を受けるまでの期間、公益社団法人隊友会から、合衆国軍隊の構 法上違法である。 ウ 被告は、本件各弁護士に対し、本件見舞金支給制度に係る書面を交付し、事故被害者融資制度(被害者等が、米国見舞金の支払を受けるまでの期間、公益社団法人隊友会から、合衆国軍隊の構成員又は被用者がした公務外の行為により生じた損害の額を限度として無利子で融資を受けることができ21 る制度のこと。以下同じ。)の存在と内容を説明するとともに、D弁護士からの質問に対応してSACO見舞金に係る制度の概要を説明した旨主張する。 しかし、亡Xは、既に、沖縄防衛局長に対し、損害賠償請求書を提出しており、米国見舞金の支給を受けるための手続に入っており、沖縄防衛局の担当者は、SACO見舞金を支給する制度が被害者等に十分認識されないことを経験上熟知していたものであるから、本件各弁護士に対し、SACO見舞金を支給することに係る要件や具体的手続を説明する必要があったのにもかかわらず、これをしていない以上、被告が主張する事実は、沖縄防衛局長が亡X又は原告らに対して負っていたSACO見舞金に関する説明義務を果たしていなかったことを左右しない。また、原告ら代理人が作成した報告書(甲4)によれば、D弁護士は、SACO見舞金について、十分な説明を受けていないことが優にうかがわれる。 (被告の主張)原告らは、本件見舞金支給制度が創設された経緯及びその目的からすれば、沖縄防衛局長には、亡X及び原告らに対し、本件見舞金支給制度について説明をする義務があった旨主張するが、次のとおり、失当である。 ア 原告らは、SACO見舞金がSACO最終報告を受けて創設された制度であるから、沖縄防衛局の担当者は、原告らに対し、SACO見舞金について説明すべき法的義務があった旨主張するが、SACO最終報告及び本件省令には、国の担当者に対し、SACO見舞金を支給する れた制度であるから、沖縄防衛局の担当者は、原告らに対し、SACO見舞金について説明すべき法的義務があった旨主張するが、SACO最終報告及び本件省令には、国の担当者に対し、SACO見舞金を支給する制度を被害者等に対して説明することを法的に義務付けるような記載ないし規定はなく、原告らの主張はその根拠を欠く。 また、原告らは、当初から、本件事件に係る損害賠償請求等について弁護士に委任しており、本件民事訴訟の提起に係る法的知識が不足しているということもなかったから、この点からしても、沖縄防衛局長又は沖縄防22 衛局の担当者に、原告ら又は亡Xに対してSACO見舞金について説明すべき義務があったとはいえない。 イ 沖縄防衛局の担当者は、被害者等に対し、地位協定18条6項に基づく補償制度及びこれに係る手続並びにSACO最終報告に盛り込まれた運用改善措置である事故被害者融資制度及びSACO見舞金を支給する制度について記載した「損害賠償請求手続きのご案内」と題する書面(乙12。 以下「本件リーフレット」という。)を交付して、本件見舞金支給制度について説明しているところ、このことは、亡Xが、事故被害者融資制度に基づく無利子融資を利用する前提として、沖縄防衛局長に対して本件省令4条1項前段に基づく損害賠償請求書を提出し、現実に、事故被害者融資制度に基づく無利子融資を受けていることからも裏付けられている。 さらに、沖縄防衛局の担当者は、D弁護士から、米国見舞金についての質問を受けた際、これに回答して米国見舞金の支払を請求することができる根拠を説明した上、SACO見舞金を支給する制度の概要も説明している。これに反する原告ら代理人が作成した報告書(甲4)の記載は、信用することができない。 したがって、仮に、沖縄防衛局の担当者が、亡X及び原告らに対し SACO見舞金を支給する制度の概要も説明している。これに反する原告ら代理人が作成した報告書(甲4)の記載は、信用することができない。 したがって、仮に、沖縄防衛局の担当者が、亡X及び原告らに対し、SACO見舞金を支給する制度について説明をすべき法的な義務を負っていたとしても、上記のとおり、説明をしていたものと認められるから、当該説明義務の違反はない。 ⑸ 争点5(損害の発生及びその額)(原告らの主張)前記⑷(原告らの主張)のとおり、沖縄防衛局長が、原告らに対して、SACO見舞金を支給する制度に係る説明をすべき義務に反したことから、原告らは、本件確定判決を取得することが4年51日間遅れ、SACO見舞金の支給を受けることができる地位を取得することも、その期間分遅れた。 23 そして、本件元金部分に係る遅延損害金の4年51日分は、179万8365円(≒868万8333円(本件元金部分)×0.05(民法所定の法定利率)÷365日×4年51日)であるから、原告らは、それぞれ沖縄防衛局長の上記の説明義務の違反と相当因果関係のある本件元金部分と同額のSACO見舞金の支給を受けることが遅滞したことに係る遅延損害金相当額である179万8365円の損害を被った。また、原告らは、本件訴訟の追行を弁護士に委任しており、沖縄防衛局長の上記行為と相当因果関係のある弁護士費用は、それぞれ17万9835円である。 以上によれば、原告らは、それぞれ沖縄防衛局長の上記の説明義務の違反により、SACO見舞金の支給を受けることが遅滞したことに係る遅延損害金相当額及び弁護士費用相当額の合計197万8200円の損害を被った。 (被告の主張)前記⑷(被告の主張)のとおり、沖縄防衛局長ないし担当者には、SACO見舞金を支給する制度を被害者等に対して 当額及び弁護士費用相当額の合計197万8200円の損害を被った。 (被告の主張)前記⑷(被告の主張)のとおり、沖縄防衛局長ないし担当者には、SACO見舞金を支給する制度を被害者等に対して説明すべき法的義務はなく、仮に、これを説明すべき法的義務があるとしても、原告らについては、これを果たしているから、被告が損害賠償責任を負うことはない。 ⑹ 争点6(和解契約の成否及びその内容)(原告らの主張)ア 沖縄防衛局長が原告らに対してSACO見舞金支給申請書を提出することを求めたこと及び原告らが沖縄防衛局長に対して本件申請書を提出したことによって原告らと被告との間で本件和解契約が成立したこと被告は、原告らに対し、SACO見舞金を支給する意思の下、原告らに対し、SACO見舞金支給申請書を提出するよう求めており、これは、SACO見舞金を支給する旨の和解契約の申込みに当たるから、原告らが、これに対して本件申請書を提出したことにより、原告らと被告との24 間で、SACO見舞金を支給することに係る契約である本件和解契約が成立した。 被告は、SACO見舞金支給申請書は、SACO見舞金の支給を受ける意思の有無を確認するものであり、被告は、SACO見舞金支給申請書が提出されて初めてSACO見舞金の支給の要否を判断するから、原告らが本件申請書を提出するまでは、行政庁の内部における意思決定はされておらず、原告らに対してSACO見舞金支給申請書を提出するよう求めたことは、原告らに対する本件和解契約の申込みには当たらないと主張する。 しかし、本件見舞金支給制度は、被害者等が提出した損害賠償請求書及び公務外損害補償請求書を基に、被告において、見舞金の支給の要否を判断するものであり、SACO見舞金については、それを支給する要件は3つで 、本件見舞金支給制度は、被害者等が提出した損害賠償請求書及び公務外損害補償請求書を基に、被告において、見舞金の支給の要否を判断するものであり、SACO見舞金については、それを支給する要件は3つであること(①被害者等が確定判決を得ていること、②被害者等が米国見舞金の支払を受けていること、③上記①の確定判決における認容額が上記②の米国見舞金の額を上回ること)が明らかであって、裁量の余地がないから、被告は、被害者等がSACO見舞金支給申請書を提出することを待つことなく、SACO見舞金の支給の要否を判断し得る。 そして、被告は、SACO見舞金の支給の要否を判断し、SACO見舞金を支給することが必要であると認めた場合に初めて、被害者等に対し、SACO見舞金支給申請書の提出を求めており、実際にも、原告らは、沖縄防衛局の担当者に対し、本件申請書を提出する以前から、遅延損害金の部分も含むSACO見舞金の支払を求める旨を伝えていたところ、沖縄防衛局の担当者は、本件申請書を提示する前に沖縄防衛局の内部での検討の結果、遅延損害金部分の支払はできないとの報告を受けたことから、支給額に本件確定遅延損害金部分が含まれない本件申請書案25 を作成し、原告らに対し、本件申請書とともにこれを提示している。また、通常、SACO見舞金支給申請書にはSACO見舞金の支給額が記載されるところ、被告の内部において支給額が算定されていなければ、あらかじめ支給額を記載することはできないから、沖縄防衛局の担当者の上記の対応を踏まえると、原告らが本件申請書を提出する前には、被告において、原告らに対してSACO見舞金を支給するという意思決定が既にされており、SACO見舞金支給申請書は、SACO見舞金を支給するに際して手続の外形を整えるために提出するものにすぎず、実質的には おいて、原告らに対してSACO見舞金を支給するという意思決定が既にされており、SACO見舞金支給申請書は、SACO見舞金を支給するに際して手続の外形を整えるために提出するものにすぎず、実質的には、SACO見舞金支給申請書を提出するよう求めることそれ自体が、SACO見舞金を支給することに係る本件和解契約の申込みに当たるというべきである。 したがって、被告の上記主張は認められない。 イ 原告らが沖縄防衛局長に対して本件申請書を提出したこと及び沖縄防衛局長がSACO見舞金の額を決定して原告らに対してSACO見舞金受諾書の提出を求めたことによって原告らと被告との間で本件和解契約が成立したこと仮に、沖縄防衛局長が原告らに対してSACO見舞金支給申請書を提出するよう求めたことが、SACO見舞金を支給することに係る本件和解契約の申込みに当たらないとしても、原告らが沖縄防衛局長に対して本件申請書を提出したことは、SACO見舞金の支給を受けることに係る本件和解契約の申込みに当たる。そして、沖縄防衛局長が、本件申請書の提出を受けてしたSACO見舞金の額の決定及びこれを前提として原告らに対してSACO見舞金受諾書を提出するよう求めたことは、上記の申込みに対する承諾に当たるから、沖縄防衛局長が原告らに対して本件見舞金受諾書を提出するよう求めたことにより、原告らと被告との間で、SACO見舞金を支給することに係る本件和解契約が成立したと26 いうべきである。この場合、SACO見舞金受諾書は、被害者等が地方防衛局長に対して領収証を事前に提出する趣旨のものと解される。 そして、被告は、原告らに対し、本件元金部分から本件米国見舞金の額を控除した額(本件差額1)を前提とする本件見舞金受諾書を提示しており、本件見舞金受諾書に記載された金額をSACO見舞 と解される。 そして、被告は、原告らに対し、本件元金部分から本件米国見舞金の額を控除した額(本件差額1)を前提とする本件見舞金受諾書を提示しており、本件見舞金受諾書に記載された金額をSACO見舞金として支給する意思を有していたと認められるから、その限度で本件和解契約が成立したというべきである。 被告は、SACO見舞金受諾書が提出されていない以上、和解契約は成立していないと主張するが、実際には、被告は、被害者等に対し、SACO見舞金受諾書の提出を求める時点までに、裁判所がした確定判決のうち元金部分についてSACO見舞金を支給する旨の決定をしており、SACO見舞金受諾書を提示し、その提出を求めることで上記の決定を被害者等に表示しているから、SACO見舞金受諾書を提示すること及び被害者等に対してそれを提出するよう求めることが、和解契約の承諾に当たるというべきである。 原告らは、本件元金部分についてSACO見舞金の支給を受けることに何ら異議はないものの、本件確定遅延損害金部分に相当する額のSACO見舞金の支給を受けられないことに異議があり、その点につき法的手続を取る予定であるため、SACO見舞金受諾書を提出することができない旨や、SACO見舞金受諾書を提出しない行為が、本件元金部分に係るSACO見舞金を支給することに係る和解契約を締結することを拒否する趣旨を含むものではないことを沖縄防衛局の担当者に対しても再三説明している。このような原告らの行為は、十分に理由があるものであって、不当なものとはいえず、SACO見舞金を支給することに係る和解契約の締結を拒否する意思を表示するものともいえないというべきである。 27 ウ 本件見舞金受諾書の提示及びこれに対する原告らの意思表示による本件和解契約の成立仮に、沖縄防衛局の担当者が 契約の締結を拒否する意思を表示するものともいえないというべきである。 27 ウ 本件見舞金受諾書の提示及びこれに対する原告らの意思表示による本件和解契約の成立仮に、沖縄防衛局の担当者が原告らに対して本件見舞金受諾書を提示したことが本件和解契約の申込みに当たるとしても、原告らは、再三にわたり、本件元金部分についてのSACO見舞金の受領を拒む意思はないことを伝えている。 確かに、原告らは、沖縄防衛局の担当者に対し、本件見舞金受諾書の提出を拒否したものの、これは、本件見舞金受諾書に、今後いかなる申立てもしないことを約束する旨の文言が記載されていることを理由とするものであり、本件見舞金受諾書にある上記の文言は、沖縄防衛局長が決定したSACO見舞金の支給額を争う途を封じるものであってSACO見舞金の制度の趣旨に照らして著しく正義に反する上、被告が自らが定めたSACO見舞金を支給する要件自体にも反するから、上記文言は無効である。 したがって、原告らが沖縄防衛局長に対して本件見舞金受諾書を提出していないとしても、本件元金部分から本件米国見舞金の額を控除した後の額(本件差額1)を見舞金として支払うことについては、上記のとおり、原告らと被告の意思は合致しているから、原告らと被告との間には、本件差額1に係るSACO見舞金を支払うとの内容での本件和解契約が成立しているというべきである。 エ 原告らが被告に対して本件和解契約に基づいて支払を請求する金額原告らが提出した本件申請書には、本件認容額から本件米国見舞金の額(146万1600円)を控除した残金2496万5214円(本件差額2)の支給を求める旨の記載があり、本件米国見舞金は遅延損害金にまず充当されるべきであるから、本件和解契約は、被告が、原告らに対し、それぞれ1248万2607円 た残金2496万5214円(本件差額2)の支給を求める旨の記載があり、本件米国見舞金は遅延損害金にまず充当されるべきであるから、本件和解契約は、被告が、原告らに対し、それぞれ1248万2607円(本件元金部分868万8333円と本件確定遅延損害金部分の一部379万4274円(=452万528 074円-73万0800円)を合計した後のもの)を支給することを内容とするものであるはずであり、原告らは、被告に対し、それぞれ、同額の支払を請求することができるというべきである。そして、本来、本件和解契約は、被害者を救済する趣旨のものであり、本件確定判決において認められた原告らの請求権を全部満足すべき性質のものであるから、原告らは、被告に対し、それぞれ、本件元金部分に対する本件確定判決に係る訴えの口頭弁論が終結した日(平成30年6月7日)の翌日である同月8日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を請求することもできるというべきである。 仮に、本件和解契約におけるSACO見舞金の支給額には、本件確定遅延損害金部分が含まれないとしても、前記のとおり、本件米国見舞金が本件確定遅延損害金部分に先に充当されるべきことに変わりはないから、原告らは、被告に対し、本件和解契約に基づき、それぞれ、本件元金部分と同額を支払うことを請求することができるというべきである。 そして、沖縄防衛局長は、令和元年5月22日、原告らに対し、少なくとも本件差額1と同額を支給する旨が記載されたSACO見舞金受諾書を提示したから、原告らは、被告に対し、それぞれ、本件元金部分に対するその1か月後である同年6月23日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を請求することもできるというべきである。 仮に、本件和解契約が、本件差額1 れ、本件元金部分に対するその1か月後である同年6月23日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を請求することもできるというべきである。 仮に、本件和解契約が、本件差額1と同額のSACO見舞金を支給することに係るものであると解されるとしても、原告らは、被告に対し、本件和解契約に基づき、それぞれ、795万7533円(本件元金部分(868万8333円)-本件米国見舞金の額(73万0800円))の支払を請求することができるというべきである。そして、前記と同様、原告らは、被告に対し、それぞれ、上記の金額に対する令和元年629 月23日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を請求することもできるというべきである。 (被告の主張)原告らは、原告らと被告との間で、本件和解契約が成立している旨主張するが、次のとおり、失当である。 ア 原告らは、沖縄防衛局長が原告らに対してSACO見舞金支給申請書の提出を求めたことがSACO見舞金を支給する旨の和解契約に係る申込みであり、原告らが沖縄防衛局長に対して本件申請書を提出したことが、上記の申込みに対する承諾の意思表示に該当する旨主張する。 しかし、本件実施要領によれば、地方防衛局は、被害者等からSACO見舞金の支給を受けたい旨の要請がある場合に、被害者等にSACO見舞金支給申請書等を提出させ、SACO見舞金を支給する必要があると認められる場合には、支給額及びその理由を明らかにして防衛省と仮協議をし、その後、本件省令14条に基づく防衛省との協議をした上で、支払手続を進めるものとされており、原告らが、沖縄防衛局長に対し、本件申請書を提出した時点においては、行政庁の内部において、SACO見舞金を支給する旨の意思決定を含めた支払の手続が進んでいないか 、支払手続を進めるものとされており、原告らが、沖縄防衛局長に対し、本件申請書を提出した時点においては、行政庁の内部において、SACO見舞金を支給する旨の意思決定を含めた支払の手続が進んでいないから、SACO見舞金に係る支給の金額を含め、原告らと被告との間で何らかの合意が成立したと解する余地はない。 また、沖縄防衛局は、原告らに対し、本件申請書案を提示し、その提出を促しているが、これは、原告らに対し、SACO見舞金の支給を受ける意思を確認するとともに、原告らの負担を軽減するために、便宜上、事前にSACO見舞金支給申請書の文案を作成して、その提出を促したにすぎない。加えて、本件申請書案及び本件申請書には、「SACO見舞金の支給を受けたく申請する」と記載があるのみで、何らかの申出に対し応答する旨の記載はないから、本件申請書案ないし本件申請書を提示したことを30 もって、沖縄防衛局長が、原告らに対し、何らかの合意の申込みをした又は、本件申請書の提出をもって、原告らが、当該申込みに対して承諾の意思表示をしたと解する余地はない。 したがって、沖縄防衛局長が、原告らに対し、本件申請書案ないし本件申請書を提示したこと及び原告らが、沖縄防衛局長に対し、本件申請書を提出したことにより、原告らと被告との間で、SACO見舞金の支給について何らかの合意が成立したとは認められない。 イ原告らは、原告らが、沖縄防衛局長に対し、本件申請書を提出したことが、SACO見舞金の支給に係る和解契約の申込みであり、沖縄防衛局長が、原告らに対し、SACO見舞金受諾書を提示したことが、上記の和解契約の申し込みに対する受諾の意思表示に該当する旨主張する。 しかし、前記アのとおり、SACO見舞金支給申請書は、被害者等にSACO見舞金の支給を受ける意思があるか否かを 提示したことが、上記の和解契約の申し込みに対する受諾の意思表示に該当する旨主張する。 しかし、前記アのとおり、SACO見舞金支給申請書は、被害者等にSACO見舞金の支給を受ける意思があるか否かを確認するために提出を求めるものにすぎず、本件実施要領によれば、被害者等は、SACO見舞金支給申請書を提出した後に、さらにSACO見舞金受諾書を提出することが予定されていることを踏まえると、原告らが、沖縄防衛局長に対し、本件申請書を提出したことをもって、直ちに具体的なSACO見舞金の支給に係る和解契約を締結する旨の合意の申込みとみることはできない。 この点をおくとしても、沖縄防衛局の担当者は、原告らに対し、SACO見舞金を支給する場合の見舞金の額が1591万5066円(本件差額1)となる旨を伝え、本件見舞金受諾書の案を提示したが、原告らは、上記の支給額を超える金額の支払を求めて、本件見舞金受諾書を提出しなかったから、この時点において、原告らと被告との間で、SACO見舞金の支給額の点を含め、SACO見舞金の支給に係る合意が成立したとはいえず、当然のことながら、沖縄防衛局の担当者において、S31 ACO見舞金の支給について、原告らがしたとされる一部ないし全部の申出を承諾する意思表示をしたと解する余地もない。 したがって、原告らが沖縄防衛局長に対して本件申請書を提出したことは、SACO見舞金の支給に係る和解契約の申込みとはいえず、仮に、これを和解契約の申込みと解したとしても、本件見舞金受諾書が提出されていない以上、原告らと被告との間で、何らかの合意が成立したとはいえない。 原告らは、令和元年5月17日以前に、沖縄防衛局の担当者に対し、本件元金部分に係るSACO見舞金を受領する意思を有していることを説明していた旨主張する。 しかし、 意が成立したとはいえない。 原告らは、令和元年5月17日以前に、沖縄防衛局の担当者に対し、本件元金部分に係るSACO見舞金を受領する意思を有していることを説明していた旨主張する。 しかし、原告ら又は原告ら代理人は、本件元金部分に係るSACO見舞金を受領する意思があることを沖縄防衛局の担当者に対し、説明したことはない。また、沖縄防衛局の担当者が、令和元年5月22日、原告ら代理人から、本件差額1を受領した上で、遅延損害金の支払を請求することはできないのかという質問を受け、それは認められない旨を回答したところ、原告ら代理人が、それなら訴訟を提起する旨を述べたことが認められる(乙24の7)が、このようなやり取りをもっても、原告らが、本件元金部分に係るSACO見舞金を受領する意思を表示したとは認められないから、原告らと被告との間で、原告らが被告から本件差額1の支給を受ける旨の合意が成立したとも認められない。 原告らは、本件見舞金受諾書に、今後いかなる申立てもしないことを約束する旨の文言が記載されており、正義に反する旨主張するが、当該文言は、本件実施要領の様式に従ったものにすぎず、沖縄防衛局の担当者が、恣意的に挿入したものではない。また、SACO見舞金は、被害者等と被告との間の合意に基づいて支給されるものであり、その支給をするに際しては、被害者等の承諾の意思を書面で確認することが求めら32 れる。そして、国の予算の執行は、適正かつ効率的、効果的に行うよう求められているから、見舞金の支給に当たっても、受給者である被害者等との間で、その支給額を争いなく確定させることも求められるから、上記文言は合理性があり、違法ではない。 第3 当裁判所の判断1 認定事実前記第2の2(前提事実)に加え、後掲の証拠及び弁論の全趣旨によれば、次 給額を争いなく確定させることも求められるから、上記文言は合理性があり、違法ではない。 第3 当裁判所の判断1 認定事実前記第2の2(前提事実)に加え、後掲の証拠及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。 ⑴ 亡Xによる米国に対する損害賠償請求等ア 亡Xは、本件各弁護士を代理人として、地位協定18条6項所定の手続をすることとし、本件各弁護士に委任した。 本件各弁護士は、平成20年9月2日、沖縄防衛局の担当者と面談し、当該担当者から、地位協定18条6項について、防衛省のホームページ上にある制度の説明を受けるとともに、損害賠償請求書等の書式の交付を受けた。沖縄防衛局の担当者は、この時、本件各弁護士に対し、SACO最終報告を受けて創設された事故被害者融資制度についても説明し、本件リーフレット(乙12)を交付した。 本件リーフレットには、①SACO最終報告において、地位協定の運用の改善の一環として、地位協定18条6項所定の請求に関し、支払手続を改善するため、国が、平成9年度末までに、事故被害者融資制度を導入する旨、米国政府による支払が裁判所の確定判決による額に満たない事例が生じた場合には、日本政府は、必要に応じてその差額を埋めるため、支払を行うよう努力する旨の報告がされた旨、②事故被害者融資制度及びSACO見舞金を支給する制度は、SACO最終報告に盛り込まれた内容の1つを成すものである旨、③SACO見舞金は、地位協定18条6項による補償金(米国見舞金)の支払を受け、かつ、加害者たる米軍人等を被告とした損害賠償請求訴訟におい33 て確定判決を得ている損害賠償請求の請求者に対し支給される旨の各記載があった。(乙12、13、23の1)本件各弁護士は、平成20年10月10日、沖縄防衛局の担当者と面談し、沖縄防 33 て確定判決を得ている損害賠償請求の請求者に対し支給される旨の各記載があった。(乙12、13、23の1)本件各弁護士は、平成20年10月10日、沖縄防衛局の担当者と面談し、沖縄防衛局の担当者から、亡Xの治療に係るレセプトの写しを提出するよう要請を受けたほか、亡Xが、事故被害者融資制度による融資を受けるために、損害賠償請求書を提出するよう指示を受けた。(乙23の2)イ 本件各弁護士は、平成21年4月9日、亡X、沖縄防衛局及び沖縄労働局の各担当者と面談した。この時、沖縄労働局の担当者は、本件事件により亡Xが受けた外傷については症状固定し、労働者災害補償保険法に基づく保険給付(以下「労災給付」という。)を支給済みであるが、本件事故により亡Xに生じたPTSDについては、亡Xから請求があれば休業補償給付を支給することができるため、労災給付の全ての支給が終わっていないこと、レセプトについては、亡Xから、開示請求がないとこれを開示することができないこと等を述べた。また、沖縄防衛局の担当者は、亡Xから、いつ頃、金銭がもらえるのかとの質問を受け、米国政府には最後の請求がされてからまとめて資料を送付することになるので、支払日を回答することはできない旨を答えた。(乙23の3)ウ D弁護士は、平成21年5月1日、沖縄防衛局の担当者と面談し、時効が間近であるため、1回目の損害賠償請求書を提出する予定であるが、労災給付の支給が完了していないため、完了したら追加して請求する予定であること、請求額が全て認められない場合、加害者米兵らに対する提訴を予定している旨を述べた。 さらに、D弁護士は、沖縄防衛局の担当者に対し、防衛局に請求し、見舞金の対応という内容の新聞記事があったが、どのようなものかと質問した。これに対し、沖縄防衛局の担当者は している旨を述べた。 さらに、D弁護士は、沖縄防衛局の担当者に対し、防衛局に請求し、見舞金の対応という内容の新聞記事があったが、どのようなものかと質問した。これに対し、沖縄防衛局の担当者は、請求は、あくまでも地位協定上の取決めに基づいた請求であり、最終的には米国政府が決定した補償金(米国見舞金)にな34 ること、仮に、米国見舞金の額が、判決において認容された額に満たなかった場合には、見舞金という名目で、日本側がその額を払えるように努力するという内容である旨を答えた。 D弁護士は、沖縄防衛局の担当者に対し、損害賠償請求書に記載した請求額は認められるものか、訴訟をした場合には、米国政府が判決額を全て認めるものかと質問したところ、沖縄防衛局の担当者は、米国側の見解もあるため、沖縄防衛局では分からない旨を述べた。 (以上の事実につき、乙23の4)エ 亡Xは、平成21年5月11日、C弁護士を代理人として、沖縄防衛局長に対し、本件省令4条1項前段所定の書式に基づき、請求額を1710万8745円とし、労災給付として246万3573円を受領した旨を記載した損害賠償請求書を提出した。(乙10の1)オ D弁護士及び亡Xは、平成22年3月4日、沖縄防衛局の担当者と面談し、損害賠償請求書を提出してから約1年が経つことから、今後の方向性について協議した。 この際、D弁護士は、亡Xに対し、米国政府に米国見舞金の支払を請求をするためには、労災給付の支給が完了する必要があるため、労災給付の支給状況を尋ねたところ、亡Xは、労災給付の受給をやめると生活をすることができないこと、医師からも治療が続き、労働基準監督署からも給付を止めてはいけないと言われていると答えた。 これを受けて、沖縄防衛局の担当者は、D弁護士及び亡Xに対し、治療が ると生活をすることができないこと、医師からも治療が続き、労働基準監督署からも給付を止めてはいけないと言われていると答えた。 これを受けて、沖縄防衛局の担当者は、D弁護士及び亡Xに対し、治療が全て終わり、労災給付の支給も終わった段階ではないと米国政府に米国見舞金の支払を請求することができず、仮に、請求をしたとしても、米国側の審査もあるので、直ぐには補償金(米国見舞金)が支払われないため、米国政府からの補償金(米国見舞金)の支給時期を沖縄防衛局から回答することはできず、時効の関係もあるので、損害賠償請求書を再度提出するよう求めた。 35 (以上の各事実につき乙23の5)カ D弁護士と亡Xは、平成22年4月26日、沖縄防衛局の担当者と面談し、同年3月4日に沖縄防衛局の担当者と面談した際にされたのと同じ内容の説明を受け、同年4月30日付けで、請求額を372万9366円とし、同額相当を労災給付として受領した旨を記載した損害賠償請求書を提出した。(乙10の2、23の6)キ D弁護士と亡Xは、平成22年8月4日、沖縄防衛局の担当者と面談した。 その際、亡Xは、労災給付の受給を止めることを考えており、損害賠償金を確定してほしい旨を述べたが、D弁護士は、労災給付の受給を止めると亡Xが生活に困ることになると思う旨を述べ、さらに、主治医から症状固定したという判断があれば損害額の確定ができるが、まだそこまで確認していない旨を述べた。 沖縄防衛局の担当者は、亡X及びD弁護士に対し、症状固定がされて損害額が確定すると、最終の請求ということになり、この時に初めて米国政府に文書を送付することになるが、米国政府による審査があるので、直ぐには補償金が支払われない旨を述べた。 (以上の各事実につき、乙23の7)ク 亡X及びD弁護士は、平成 、この時に初めて米国政府に文書を送付することになるが、米国政府による審査があるので、直ぐには補償金が支払われない旨を述べた。 (以上の各事実につき、乙23の7)ク 亡X及びD弁護士は、平成22年9月27日、沖縄防衛局の担当者と面談し、当該担当者から、再度、症状固定をした上で最終の請求を受け付けることになること、その請求額の根拠資料等を提出してもらった上で、防衛省に送付し、防衛省から米国政府に対し、全ての資料に英訳文を付けて送付することになる旨の説明を受けた。 このとき、D弁護士は、裁判をすることも考えているが、症状固定していないため、今後どうするか検討している旨を述べ、沖縄防衛局の担当者は、裁判をしたとしても、米国政府が早期に米国見舞金を支払うということはない旨を述べ、D弁護士は、時効に注意しながら、今後も請求をする旨を述べた。 36 (以上の各事実につき、乙23の8)ケ C弁護士は、平成23年10月27日、亡Xの代理人として、請求額を403万4562円とし、同額相当を労災給付として受領した旨を記載した損害賠償請求書を提出した。(乙10の3)⑵ 原告らによる米国に対する損害賠償請求等ア C弁護士は、亡Xが平成▲年▲月▲日に死亡したことから、亡Xの相続人代表であった原告Bの代理人として、沖縄防衛局長に対し、平成25年7月26日、請求額を360万1170円とし、260万1170円を労災給付として受領した旨を記載した損害賠償請求書を、平成26年10月21日には、請求額を2254万2675円とし、954万2675円を労災給付として受領した旨を記載した損害賠償請求書を、それぞれ提出した。(乙10の4、5)イ 沖縄防衛局は、平成27年4月頃、D弁護士に対し、資料の追加提出の依頼をした。 沖縄防衛局は、平成 災給付として受領した旨を記載した損害賠償請求書を、それぞれ提出した。(乙10の4、5)イ 沖縄防衛局は、平成27年4月頃、D弁護士に対し、資料の追加提出の依頼をした。 沖縄防衛局は、平成29年8月9日、D弁護士に対し、再度、上記の資料の追加提出の依頼について、資料の入手状況について尋ねたところ、D弁護士は、事件から時間も経過しており、入手は困難である旨を回答した。さらに、沖縄防衛局の担当者は、米国政府は、PTSDに係る慰謝料については消極的である旨を述べたが、D弁護士は、説明は受けているが、認められるか否かは、検討して判断してもらうしかない旨を述べた。 (以上の各事実につき、乙23の9)ウ 原告らは、平成29年8月頃、原告ら代理人に本件省令に基づく損害賠償請求に関する法律事務を委任した。 原告ら代理人は、同年9月12日、沖縄防衛局に対し、亡Xによる米軍に対する損害賠償請求の回数、内容、支払の有無や手続の状況等について問い合わせる旨の質問状を送付した。 沖縄防衛局管理部業務課は、同月15日、上記質問状のうち米国政府が米国37 見舞金の支払に応じていない理由について、本件事件が公務外のものであり、損害額を算定するに当たり、亡Xの症状固定を確認する必要があったため、当該症状固定に係る医療機関の診断を待っていたことに加え、5回にわたる請求について必要な各種の証明書について不足があり、その提出を待っていたことから、米国政府に対し、損害賠償請求書を送付することができていない旨を回答した。 (以上の各事実につき、乙14、弁論の全趣旨)エ 米国政府は、平成29年11月9日、原告らに対し、本件事件に係る原告らの損害賠償請求につき、原告らが、当該請求を完全に満たす最終的解決として同意することを条件に、146万1600 論の全趣旨)エ 米国政府は、平成29年11月9日、原告らに対し、本件事件に係る原告らの損害賠償請求につき、原告らが、当該請求を完全に満たす最終的解決として同意することを条件に、146万1600円(米国見舞金)の支払をすることとしたので、その旨を記載した示談書(本件示談書①)に署名等をし、送付するよう通知した。(乙11の1・2)オ 原告ら代理人は、平成29年11月29日、沖縄防衛局を通じて、米国政府に対し、本件示談書①には、米国に対する請求権を放棄するのみならず、加害者米兵ら、米国政府及びその職員並びに代行者、被用者に対する請求権を放棄する旨の記載があり、加害者米兵らに対する民事訴訟(本件民事訴訟)の提起を予定していることから、加害者米兵らに対する請求権の放棄には応じられないとして、当該部分について削除した本件示談書①を提出した。(甲10)米国政府は、上記の部分が削除された本件示談書①によっては、米国見舞金の支払をすることはできないとして、米国見舞金を支払わなかった。 カ 原告らは、米国政府による米国見舞金の支払がなく、さらに本件確定判決を得たことから、平成30年7月27日、沖縄防衛局長に対し、本件省令4条1項前段に基づき、原告らの請求額を合算した2642万6814円及びうち1737万6666円に対する同年6月8日から支払済みまで年5分の割合による金員を請求額とする損害賠償請求書を提出するとともに、同額を地位協定18条6項に基づき請求する旨の公務外損害補償請求書を提出した。(甲38 11、12)キ 米国政府は、平成31年4月26日、原告らがした前記カの請求に対し、原告らが、当該請求を完全に満たす最終的解決として同意することを条件に、146万1600円(米国見舞金)の支払をすることとしたので、その旨を記載した示談 4月26日、原告らがした前記カの請求に対し、原告らが、当該請求を完全に満たす最終的解決として同意することを条件に、146万1600円(米国見舞金)の支払をすることとしたので、その旨を記載した示談書(本件示談書②)に署名等をし、送付するよう通知した。(甲13、14)原告らは、令和元年5月17日、本件示談書②に署名及び押印をして、沖縄防衛局長を通じて、これを米国政府に送付し、米国政府から、146万1600円(本件米国見舞金)の支払を受けた。(乙16)⑶ SACO見舞金を支給することを求める申請等ア 沖縄防衛局の担当者は、令和元年5月17日、原告ら代理人に対し、本件示談書②の提出を受けた際、SACO見舞金を支給する対象となり得ることから、沖縄防衛局長に対し、SACO見舞金として、本件認容額(2642万6814円)から本件米国見舞金の額146万1600円及び本件確定遅延損害金部分を差し引いた残額である1591万5066円(本件差額1)の支給を求める旨を記載した本件申請書案を提示した。(乙15)しかし、原告ら代理人は、本件確定遅延損害金部分を差し引くことはできないとして、沖縄防衛局長に対し、SACO見舞金として、本件認容額2642万6814円と本件米国見舞金の額146万1600円との差額2496万5214円(本件差額2)を支給するよう記載した本件申請書を提出した。 (乙16)イ 沖縄防衛局長は、原告らに対し、SACO見舞金として、1591万5066円を支払うとして、上記の見舞金を受け取ることを受諾し、今後いかなる申立てもしないことを約束する旨が記載された本件実施要領別記様式4の書式に従って作成されたSACO見舞金受諾書(本件見舞金受諾書)を提出するよう求めた。(乙22)39 ウ 原告らは、本件見舞金受諾書の提出を拒 約束する旨が記載された本件実施要領別記様式4の書式に従って作成されたSACO見舞金受諾書(本件見舞金受諾書)を提出するよう求めた。(乙22)39 ウ 原告らは、本件見舞金受諾書の提出を拒否し、現在に至るまで、本件見舞金受諾書を提出しておらず、沖縄防衛局長も、現在に至るまで、SACO見舞金の支払をしていない。 2 争点1(沖縄防衛局長が本件各書類を送付することを遅滞したことの国賠法上の違法性)について⑴ 認定事実⑴によれば、①亡Xは、平成20年9月頃までに、本件各弁護士に対し、地位協定18条6項所定の手続をすることを委任し、本件各弁護士とともに、沖縄防衛局及び沖縄労働局の各担当者と面談をして、当該手続を進めていたが、亡Xは、本件事件により、PTSDを発症し、就労することが難しかったことから、PTSDが症状固定に至っていないことを理由として、労災給付を受給していたこと、②沖縄防衛局の担当者は、亡X及びD弁護士に対し、本件事故により亡Xに生じた傷害が症状固定に至って損害額が確定しなければ、米国政府に対し、地位協定18条6項に基づく請求をすることができない旨を述べ、D弁護士もこれを前提として、亡Xの症状が固定するのを待ち、その間、時効が完成しないよう損害賠償請求をすることとしていたことの各事実が認められる。 加えて、認定事実⑵によれば、③亡Xが、平成24年に死亡したこと、④C弁護士は、平成25年7月26日、沖縄防衛局長に対し、損害賠償請求の額を訂正する損害賠償請求書を、平成26年10月21日、それまでの請求を整理した損害賠償請求書を、それぞれ提出したこと、⑤沖縄防衛局の担当者は、平成27年4月頃、D弁護士に対し、亡Xの医療記録等を提出するよう依頼したが、D弁護士は、これを提出しなかったこと、⑥沖縄防衛局の担当者は、平成29年8 それぞれ提出したこと、⑤沖縄防衛局の担当者は、平成27年4月頃、D弁護士に対し、亡Xの医療記録等を提出するよう依頼したが、D弁護士は、これを提出しなかったこと、⑥沖縄防衛局の担当者は、平成29年8月9日、D弁護士に対し、再度、亡Xの医療記録について、その入手状況を確認したところ、D弁護士は、当該記録を入手することは困難であること、PTSDに係る慰謝料についても、現状の記録等を前提に、米国政府において検討し、判断してもらうしかない旨を述べたことの各事実が認められる。 ⑵ア 上記の事実関係を前提とし、地方防衛局長は、被害者等から、公務外損害補40 償請求書の提出を受けた場合には、これを審査してその請求額を査定しなければならないところ(本件省令12条1項)、本件において、沖縄防衛局長が上記の査定をするためには、本件事故により亡Xに生じた損害が確定したこと、すなわち、PTSDについて治ゆ又は症状固定に至ったことを証する書類を取得する必要があったことを踏まえると、沖縄防衛局長は、米国政府に対し、本件各書類を送付する前提として、本件事故により亡Xに生じた損害を確定し、その根拠となる資料(PTSDについて治ゆ又は症状固定に至ったことを証する書類)を収集する必要があったため、亡Xないし本件各弁護士の意向を踏まえて、当該資料の提出を待ち、平成26年10月頃、それまでの請求を整理した損害賠償請求書の提出を受けたことから、平成27年4月頃、D弁護士に対し、不足する資料を追加して提出することを求めたものの、本件各弁護士は、平成29年8月頃まで、これらの資料を追加して提出しないという意思を明らかにすることなく、同月頃に至って初めて、提出するよう依頼のあった資料については入手することが困難で提出することができない旨を述べたのであるから、この時点において 追加して提出しないという意思を明らかにすることなく、同月頃に至って初めて、提出するよう依頼のあった資料については入手することが困難で提出することができない旨を述べたのであるから、この時点において初めて、不足していた資料が追加して提出されないことが確定したと認められる。 イ そうすると、沖縄防衛局長は、亡Xないし本件各弁護士の意向も踏まえると、本件各書類を防衛大臣に送付する前提となる報告書を作成するために必要な資料の範囲が確定するのを待たざるを得ない状態にあったと認められるから、沖縄防衛局長が、平成29年8月までの間、本件各書類を防衛大臣に送付していなかったとしても、当該対応には、合理的な理由があると認められる。そして、認定事実⑵エのとおり、米国政府が、同年11月9日、原告らに本件米国見舞金の支払を提示しており、沖縄防衛局長は、平成29年8月、D弁護士の意向が明らかになった後は、それを受けて、速やかに報告書等を作成し、防衛大臣を通じて本件各書類を米国政府に送付したと認められること、本件各書類には全て英語の訳文を付す必要があること(本件省令12条2項)などから41 すると、沖縄防衛局長が、漫然と、本件各書類を防衛大臣に送付することを遅滞していたとは認められない。 したがって、沖縄防衛局長が、平成29年8月頃ないし10月頃に至るまで、防衛大臣に対し、本件各書類を送付していなかったことが、国賠法上違法なものとは認められない。 ⑶ア 原告らは、本件省令4条1項前段に基づいて損害賠償請求書を提出しており、沖縄防衛局長は、被害者等が提出した資料の範囲内で、報告書等を作成すれば足りる以上、遅くとも平成25年7月26日までには、損害額を確定させることが可能であったから、直ちに報告書等を作成し、本件各書類を防衛大臣に送付すべきであった旨主張 の範囲内で、報告書等を作成すれば足りる以上、遅くとも平成25年7月26日までには、損害額を確定させることが可能であったから、直ちに報告書等を作成し、本件各書類を防衛大臣に送付すべきであった旨主張する。 しかし、前記⑵アのとおり、地方防衛局長は、被害者等から、公務外損害補償請求書の提出を受けた場合には、これを審査してその請求額を査定し、当該事件に関する報告書を作成すべきものとされているところ(本件省令12条1項)、同項の定めに基づいて地方防衛局長が負う上記の報告書を作成すべき義務について、被害者等が提出した資料の範囲内で、これを作成すれば足りると解すべき法令上の根拠は見当たらないから、原告らの主張は、その前提を異にするものというべきである。そして、前記⑴に認定した事実関係を前提とする限り、沖縄防衛局長が、平成25年7月26日までに、本件事件により亡Xに生じた損害を確定させることができたとは認め難い。 イ 原告らは、沖縄防衛局の担当者が、亡X又は本件各弁護士に対し、書類の提出を求めていたとしても、その提出期限を指定した事実はなく、沖縄防衛局長は、亡Xが死亡したことを知った時点で、既に提出されていた資料を基に、本件事故により亡Xに生じた損害の額を査定すべきであり、このことは、平成29年9月15日以降、原告ら代理人が、何らの書類も提出していないのに、沖縄防衛局長が損害額の査定をしたことからも裏付けられる旨主張する。 しかし、認定事実⑵ア、イのとおり、C弁護士は、平成26年10月にもそ42 れまでの請求を整理した損害賠償請求書を提出しているほか、沖縄防衛局の担当者から、平成27年4月、追加資料を提出するよう依頼されていることからすれば、亡Xが、平成25年7月26日までに、米国政府に対して損害賠償を請求するために必要な書類を全て提出し か、沖縄防衛局の担当者から、平成27年4月、追加資料を提出するよう依頼されていることからすれば、亡Xが、平成25年7月26日までに、米国政府に対して損害賠償を請求するために必要な書類を全て提出していたとは認められないから、沖縄防衛局長が、同日の時点で、亡Xが既に提出していた資料を基に、本件事故により亡Xに生じた損害の額を査定すべきであったとは認め難い。なお、沖縄防衛局長は、平成29年9月15日以降、損害額の査定をしたことが認められるが、これは、前記⑵アのとおり、本件各弁護士が、平成29年8月頃、沖縄防衛局長が提出するよう求めていた資料を追加して提出しないという意思を明らかにしたことにより、資料が追加して提出されないことが確定したため、すでに提出されている資料のみを前提として本件事故により亡Xに生じた損害の額を査定することが可能となったことによるものであると認められるから、この点は、上記の認定及び判断を左右しない。 ウ したがって、原告らの主張は、いずれも採用することができない。 ⑷ 以上によれば、本件各書類を送付することについて、沖縄防衛局長がした作為又は不作為が、国賠法上違法なものとは認められないから、その余の点(争点2(損害の発生及びその額)及び争点3(消滅時効の成否))について判断するまでもなく、原告らの本件請求①は、理由がない。 3 争点4(説明義務に違反したことによる国賠法上の違法性)について⑴ 別紙2のとおり、地位協定及び本件省令には、国が、被害者等に対し、SACO見舞金を支給する制度を説明すべき義務がある旨の規定は見当たらず、また、本件全証拠によっても、SACO最終報告に、国が、被害者等に対し、上記のような説明をすべき義務がある旨の記載は見当たらない。 したがって、国は、被害者等に対し、SACO見舞金を支給する制 ず、また、本件全証拠によっても、SACO最終報告に、国が、被害者等に対し、上記のような説明をすべき義務がある旨の記載は見当たらない。 したがって、国は、被害者等に対し、SACO見舞金を支給する制度を説明すべき法令上の義務を負うものとは認められない。これに反する原告らの主張は、法令上の根拠を欠くものであり、採用することができない。 43 ⑵ア この点をひとまずおき、仮に、国が、被害者等に対し、SACO見舞金を支給する制度を説明すべき義務を負っていることを前提としたとしても、認定事実⑴アのとおり、本件各弁護士は、平成20年9月2日、沖縄防衛局の担当者と面談し、SACO見舞金を支給する制度について記載されている本件リーフレットの交付を受けていることが認められ、本件リーフレットには、①SACO最終報告において、地位協定の運用の改善の一環として、地位協定18条6項所定の請求に関し、支払手続を改善するため、国が、平成9年度末までに、事故被害者融資制度を導入する旨、米国政府による支払が裁判所の確定判決による額に満たない事例が生じた場合には、日本政府は、必要に応じてその差額を埋めるため、支払を行うよう努力する旨の報告がされた旨、②事故被害者融資制度及びSACO見舞金を支給する制度は、SACO最終報告に盛り込まれた内容の1つを成すものである旨、③SACO見舞金は、地位協定18条6項による補償金(米国見舞金)の支払を受け、かつ、加害者たる米軍人等を被告とした損害賠償請求訴訟において確定判決を得ている損害賠償請求の請求者に対し支給される旨の各記載があるものである。 そうすると、沖縄防衛局の担当者が、亡Xの代理人であり、法律等の専門家である弁護士に対し、本件リーフレットを交付していることからすれば、少なくとも説明する義務を負うとされる内容を最低限 のである。 そうすると、沖縄防衛局の担当者が、亡Xの代理人であり、法律等の専門家である弁護士に対し、本件リーフレットを交付していることからすれば、少なくとも説明する義務を負うとされる内容を最低限は満たす説明をしたものと認められる。 イ 原告らは、沖縄防衛局の担当者は、SACO見舞金を支給する制度が被害者等に十分認識されないことを経験上熟知していたから、本件各弁護士に対し、SACO見舞金を支給することに係る要件や具体的な手続を説明する必要があった旨主張する。 しかし、法律の専門家である本件各弁護士が、本件リーフレットに記載されている内容を理解することができなかったとはおよそ認め難い上、本件全証拠によっても、本件各弁護士が、沖縄防衛局の担当者に対し、SA44 CO見舞金の支給に係る要件や具体的な手続について照会をしたことを認めるに足りないから、原告らの主張は、前記アの認定及び判断を左右しない。 ⑶ 以上によれば、沖縄防衛局長が、SACO見舞金を支給する制度を説明すべき義務に違反したとは認められず、国賠法上違法な行為をしたとも認められないから、その余の点(争点5(損害の発生及びその額))について判断するまでもなく、原告らの本件請求②は理由がない。 4 争点6(本件和解契約の成否及びその内容)について⑴ア 国は、別紙2の9及び10のとおり、局長通知及び本件実施要領において、地方防衛局の担当部局が、被害者等から、SACO見舞金の支給を受けたい旨の要請を受けた場合には、被害者等から、SACO見舞金支給申請書、米国見舞金に係る支払通知書、確定判決書の各写し等の必要書類を提出させ、当該部局において、これを基に、支給額と支給の理由を協議し、防衛省の担当部局との協議を経て、地方防衛局長が、SACO見舞金として支給する額を決定するととも 確定判決書の各写し等の必要書類を提出させ、当該部局において、これを基に、支給額と支給の理由を協議し、防衛省の担当部局との協議を経て、地方防衛局長が、SACO見舞金として支給する額を決定するとともに、被害者等から、SACO見舞金受諾書を提出させた後、SACO見舞金を支給する手続をするものとする旨を定めていることが認められる。 イ その上で、前提事実⑵のとおり、本件見舞金支給制度は、法令上の根拠を有さないものであること等を踏まえると、国が被害者等に対して本件見舞金支給制度における見舞金を支給することの法的性質は、国が、国と被害者等との間で締結された見舞金を贈与する旨の契約に基づき、国が同契約によって負う債務を履行することであると解するのが相当である。 そうすると、前記アのような本件見舞金支給制度の内容を前提とする限り、地方防衛局長が、SACO見舞金として支給する金額を決定してこれを被害者等に提示し、SACO見舞金受諾書の提出を求めることが、SACO見舞金を贈与する旨の契約の申込みに該当し、当該申込みに対応して被害者等がSACO見舞金受諾書を提出することが、上記の契約の申込み45 に対する承諾に該当するものと認められ、被害者等が地方防衛局長に対してSACO見舞金受諾書を提出することによって初めて、国と被害者等との間でSACO見舞金を贈与する旨の契約を締結する旨の合意が成立するものと解するのが相当である。 ウ 本件においては、認定事実⑶ウのとおり、原告らは、沖縄防衛局長に対し、本件見舞金受諾書を現在に至るまで提出しておらず、国と原告らとの間には、SACO見舞金を贈与する旨の契約を締結する合意が成立していないと認められるから、原告らは、国に対し、SACO見舞金の支給を請求することができる権利又は法的利益を有していないというべきである 間には、SACO見舞金を贈与する旨の契約を締結する合意が成立していないと認められるから、原告らは、国に対し、SACO見舞金の支給を請求することができる権利又は法的利益を有していないというべきである。 ⑵ア 原告らは、原告らと国との間には、国が原告らに対してSACO見舞金を支給する旨の和解契約である本件和解契約が成立している旨主張する。 しかし、和解契約は、当事者の間に存する争いをやめることを約することをその本質的な内容とする契約である(民法695条)ところ、国は、合衆国軍隊の構成員又は被用者がした公務外の行為によって第三者に生じた損害を賠償する法律上の責任を負わない(このことについては、原告らも特に争っていないものと解される。)以上、本件において、国と原告らとの間に争いは存在しないと解されるから、仮に、国と原告らとの間において、SACO見舞金を贈与する旨の契約が成立していることを前提としたとしても、当該契約の法的性質は、和解契約であると解することはできないというべきである。 イ原告らは、被告が原告らに対してSACO見舞金支給申請書を提出するよう求めたことが、SACO見舞金を支給することに係る和解契約の申込みである旨主張する。 しかし、別紙2の9によれば、本件実施要領には、各局業務課等は、被害者等から、SACO見舞金の支給を受けたい旨の要請があった場合、被害者等から、SACO見舞金支給申請書並びに米国見舞金に係る支払通知書、確46 定判決書の各写し等の必要書類を提出させ、これを基に、支給の必要があるか否かを検討し、支給の必要がある場合には、支給額と支給の理由を明らかにし、防衛省との協議を踏まえて、支給額を決定する旨の記載があることが認められるから、地方防衛局長が、SACO見舞金支給申請書を受理した段階においては、被告の る場合には、支給額と支給の理由を明らかにし、防衛省との協議を踏まえて、支給額を決定する旨の記載があることが認められるから、地方防衛局長が、SACO見舞金支給申請書を受理した段階においては、被告の内部において、当該SACO見舞金支給申請書を提出した被害者等に対し、SACO見舞金を支給することについての何らの意思決定もされていない状態にとどまっているといわざるを得ない。 そうすると、国が被害者等に対してSACO見舞金支給申請書を提出するよう求めることは、飽くまで、被告において、SACO見舞金を支給することを要請する被害者等が、SACO見舞金の支給を受ける要件を満たしているか否かに係る判断を開始するための契機として、機能するものであると認められるのであり、それを提出することを求めることそれ自体が、契約の申込みであるとは認められない。 原告らは、被告は、SACO見舞金を支給する必要性について、被害者等が提出した損害賠償請求書及び公務外損害補償請求書を基に判断することができ、SACO見舞金支給申請書が提出されるのを待つことなくSACO見舞金を支給する必要があるか否かを判断し得るのであって、SACO見舞金支給申請書の提出を求めること自体が、SACO見舞金を支給することに係る和解契約の申込みに当たるといえ、このことは、SACO見舞金を支給する必要があると判断した場合に初めて、被害者等に対してSACO見舞金支給申請書の提出を求めている実情にある(現に、本件申請書案には、本件差額1と同額のSACO見舞金の支給額が記載されている。)ことからも裏付けられている旨主張する。 しかし、別紙2の9のとおり、本件実施要領によれば、被害者等が、SACO見舞金支給申請書を提出した後に、地方防衛局の担当部局が、防衛省と仮協議を行い、その後に、防衛省が当該SAC いる旨主張する。 しかし、別紙2の9のとおり、本件実施要領によれば、被害者等が、SACO見舞金支給申請書を提出した後に、地方防衛局の担当部局が、防衛省と仮協議を行い、その後に、防衛省が当該SACO見舞金を支給するために必47 要な予算措置について所要の調整をするものとされており、これを前提とする限り、地方防衛局の担当者が、被害者等に対し、SACO見舞金支給申請書の提出を求めた段階においては、被告が、当該被害者等に対して特定の金額のSACO見舞金を支給する旨の意思決定を既にしたものとは認め難いから、被告が、被害者等に対し、SACO見舞金支給申請書の提出を求めたことが、SACO見舞金を支給することに係る契約の申込みに該当するとは認められない。 なお、本件申請書案に、本件差額1と同額のSACO見舞金の支給額が記載されていたという点については、SACO見舞金の支給を受ける原告らの便宜を図るための事実上のものにすぎず、被告が、上記の金額のSACO見舞金を支給する旨の意思決定を既にした結果であるとまでは、直ちに認め難いから、この点も、上記の認定及び判断を左右しない。 ウ 原告らは、原告らが沖縄防衛局長に対して本件申請書を提出したことが本件和解契約の申込みであり、沖縄防衛局長が、原告らに対し、SACO見舞金受諾書を提出するよう求めたことが上記の申込みに対する承諾に当たる旨主張する。 しかし、SACO見舞金を含む本件見舞金支給制度において、合衆国軍隊の構成員又は被用者がした公務外の行為により損害を受けた被害者等が、見舞金の支給に係る申請権を有する旨を定めた法令の規定は見当たらず、かつ、国は、合衆国軍隊の構成員又は被用者がした公務外の行為によって第三者に生じた損害を賠償する法律上の責任を負わない以上、被害者等は、国に対し、本件見舞金支給 る旨を定めた法令の規定は見当たらず、かつ、国は、合衆国軍隊の構成員又は被用者がした公務外の行為によって第三者に生じた損害を賠償する法律上の責任を負わない以上、被害者等は、国に対し、本件見舞金支給制度に基づく見舞金の支給を請求する権利又は法律上保護される利益を有しているとは認められず、本件見舞金支給制度は、飽くまでも、国が、被害者等に対し、自ら一定の金額の見舞金の支払を申し出て、それに被害者等が同意する場合に、国が当該被害者等に対して当該見舞金を支給する制度であると認められるから、被害者等が地方防衛局長に対してSACO見舞48 金支給申請書を提出したことが、国と被害者等との間のSACO見舞金を支給することに係る契約の申込みに該当する余地はないというべきである。 なお、原告らは、地方防衛局長が被害者等に対してSACO見舞金受諾書を提示すること及び被害者等に対してそれを提出するよう求めることが、和解契約の承諾に当たるとも主張するが、これまでに判示したとおり、原告の主張は、その前提を異にするものであるから、この点も、上記の認定及び判断を左右しない。 エ原告らは、被告が原告らに対して本件見舞金受諾書を提示したことが本件和解契約の申込みに当たるとしても、原告らは、再三にわたり、本件元金部分と本件米国見舞金との差額(本件差額1)につき、支給を受ける意思を明らかにしているから、本件見舞金受諾書の提出がないとしても、被告が原告らに対して本件差額1と同額のSACO見舞金を支給することについては、原告らと被告との意思が合致しているとして、原告らと被告との間には、被告が原告らに対して本件差額1と同額のSACO見舞金を支給するとの内容による本件和解契約が成立している旨主張する。 しかし、別紙2の9のとおり、本件実施要領によれば、国は、本件実施要 との間には、被告が原告らに対して本件差額1と同額のSACO見舞金を支給するとの内容による本件和解契約が成立している旨主張する。 しかし、別紙2の9のとおり、本件実施要領によれば、国は、本件実施要領別記4の定める書式に従ったSACO見舞金受諾書(別紙3)を提出した被害者等に対し、SACO見舞金を支給するものであることが認められるから、国と被害者等との間でSACO見舞金を支給することに係る契約が成立するのは、飽くまでも、被害者等が上記のようなSACO見舞金受諾書を提出した場合に限られるものと認められる。 本件においては、認定事実⑶ウのとおり、原告らは、本件見舞金受諾書を現在に至るまで提出していないから、仮に、原告らが沖縄防衛局の担当者に対し、本件差額1と同額のSACO見舞金の支給を受ける意思を明らかにしていたとしても、被告と原告らとの間で、SACO見舞金を支給することに係る契約は成立していないというべきである。 49 a 原告らは、本件見舞金受諾書には、今後いかなる申立てもしない旨を約するとの文言があるところ、当該文言は、沖縄防衛局長が決定した見舞金の支給額を争う道を封じるものであって、SACO見舞金の制度の趣旨に照らして著しく正義に反する上、被告が自ら定めたSACO見舞金を支給する要件自体にも反するから、本件見舞金受諾書記載の上記文言は無効なものであり、原告らが、本件見舞金受諾書を提出していないとしても、原告らと被告との間には、本件差額1と同額のSACO見舞金を支給するとの内容による本件和解契約が成立している旨主張する。 b 前提事実⑵のとおり、国は、合衆国軍隊の構成員又は被用者がした公務外の行為によって第三者に生じた損害を賠償する法律上の責任を負わないものの、合衆国軍隊の構成員又は被用者がした公務外の行為によって損害を 事実⑵のとおり、国は、合衆国軍隊の構成員又は被用者がした公務外の行為によって第三者に生じた損害を賠償する法律上の責任を負わないものの、合衆国軍隊の構成員又は被用者がした公務外の行為によって損害を被った被害者を救済する趣旨から、昭和39年閣議決定により、見舞金を支給するものとしているのであり、被害者等に生じた損害のうちどの部分又はどの程度のものを救済する趣旨で見舞金を支給するのか、いかなる基準及び手続によって見舞金を支給するものとするのかは、国の広範な裁量に委ねられていると認められる。 そうすると、国があらかじめ定めた上記の見舞金を支給する対象となる損害及び手続の内容については、国が、それらを定めるに当たって基礎とした重要な事実に誤認があること等により当該定めが全く事実の基礎を欠く場合や,事実に対する評価が明白に合理性を欠くこと等により当該定めが社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかである場合に限って,国の有する裁量権の範囲から逸脱し,又はこれを濫用したものとして違法になることがあるものと解するのが相当である。 c SACO見舞金受諾書は、別紙3のとおりのものであるところ、これは、①国は、合衆国軍隊の構成員又は被用者がした公務外の行為によって第三者に生じた損害を賠償する法律上の責任を負わないこと、②見舞金50 が、被害者を救済する趣旨のものであること、③見舞金を給付することについては、財政上の制約を始めとする種々の制約があること、④公金の支出であることに照らし、手続の内容が明確なものであり、かつ、一回的なものとすべきことが望ましいこと等に照らすと、国が、被害者等に対し、SACO見舞金の支給をするに先立ち、当該被害者等から、別紙3のような書式によるSACO見舞金受諾書を提出させるものとすることが、国が有する裁量権の範 ましいこと等に照らすと、国が、被害者等に対し、SACO見舞金の支給をするに先立ち、当該被害者等から、別紙3のような書式によるSACO見舞金受諾書を提出させるものとすることが、国が有する裁量権の範囲から逸脱し,又はこれを濫用したものとは認め難いというべきである。 d そうすると、原告らが指摘する文言が本件見舞金受諾書にあることをもって本件見舞金受諾書が、無効なものであるとは認められないから、本件においては、被告と原告らとの間で、SACO見舞金を支給することに係る契約を成立させる旨の合意がいまだ形成されていないというべきである。 したがって、原告らが、本件見舞金受諾書を提出していないとしても、原告らと被告との間には、本件差額1と同額のSACO見舞金を支給するとの内容による本件和解契約が成立しているとは認められない。 オ 以上によれば、前記⑴の認定及び判断に反する原告らの主張は、いずれも採用することができない。 ⑶ 前記⑴及び⑵において認定及び判断したところによれば、本件においては、原告らと被告との間において、SACO見舞金を支給することに係る和解契約が成立したとは認められないから、その余の点について判断するまでもなく、原告らの本件請求③-1ないし3は、いずれも理由がない。 5 結論以上によれば、原告らの請求は、いずれも理由がないから、これらをいずれも棄却することとして、主文のとおり判決する。 那覇地方裁判所民事第2部51 裁判長裁判官 福渡裕貴 裁判官 横山 寛 裁判官立仙早矢は、転補のため、署名押印をすることができない。 裁判長裁判官福渡裕貴 52 別紙1当事者目録 裁判官 横山 寛 裁判官立仙早矢は、転補のため、署名押印をすることができない。 裁判長裁判官福渡裕貴 52 別紙1当事者目録 沖縄県5原告 A沖縄県原告 B東京都千代田区霞が関1丁目1番1号被告国 10以 上53 別紙2関連法令等の定め 1 日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定(以下「行政協定」という。)18条3項及び5項(乙1)5第18条3 契約による請求を除く外、公務執行中の合衆国軍隊の構成員(日本国の領域にある間における米国の陸軍、海軍又は空軍に属する人員で現に服役中のもののこと。以下同じ。)若しくは被用者の作為若しくは不作為又は合衆国軍隊(日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に基づき日本国内にある米国の陸軍、10海軍又は空軍のこと。以下、行政協定において同じ。)が法律上責任を有するその他の作為、不作為若しくは事故で、非戦闘行為に伴って生じ、かつ、日本国において第三者に負傷、死亡又は財産上の損害を与えたものから生ずる請求は、日本国が次の規定に従って処理するものとする。 請求は、請求が生じた日から1年以内に提起するものとし、日本国の被用者15の行動から生ずる請求に関する日本国の法令に従って、審査し、かつ、解決し、又は裁判する。 ⒝ 日本国は、前記のいかなる請求も解決することができるものとし、合意され、又は裁判により決定された額の支払は、日本国が円でする。 ⒞ 前記の支払(解決によってされたものであると日本国の管轄裁判所による20事件の裁判によってされたものであるとを問わない。) 合意され、又は裁判により決定された額の支払は、日本国が円でする。 ⒞ 前記の支払(解決によってされたものであると日本国の管轄裁判所による20事件の裁判によってされたものであるとを問わない。)又は支払を認めない日本国の管轄裁判所による最終の裁判は、拘束力を有する最終的のものとする。 ⒟ 前諸号に従い請求を満足させるために要した費用は、両国政府が合意する条件で分担する。 日本国が3項に従って承認した又は承認しなかった全ての請求の明細及び25各事件についての認定並びに日本国が支払った額の明細は、定められるべき54 手続に従って、合衆国が支払うべき分担額に対する弁償の要請とともに、合衆国に定期的に送付する。この弁償は、できるだけ速やかに円で行わなければならない。 5 日本国内における不法の作為又は不作為で公務執行中に行われたものでないものから生ずる合衆国軍隊の構成員又は被用者に対する請求は、次の方法で処5理するものとする。 日本国の当局は、当該事件に関する全ての事情(損害を受けた者の行動を含む。)を考慮して、公平かつ公正に請求を審査し、及び請求人に対する補償金を査定し、かつ、その事件に関する報告書を作成する。 ⒝ 報告書は、合衆国の当局に交付されるものとし、合衆国の当局は、遅滞なく、10慰謝料の支払を申し出るかどうかを決定し、かつ、申し出る場合には、その額を決定する。 ⒞ 慰謝料の支払の申出があった場合において、請求人がその請求の完全な弁済としてこれを受諾したときは、合衆国の当局は、自ら支払をし、かつ、その決定及び支払った額を日本国の当局に通知する。 15⒟ 5項のいかなる規定も、請求の完全な弁済として支払が行われたのではない限り、合衆国軍隊の構成員又は被用者に対する訴えを受理する日本国の裁判所の裁判 支払った額を日本国の当局に通知する。 15⒟ 5項のいかなる規定も、請求の完全な弁済として支払が行われたのではない限り、合衆国軍隊の構成員又は被用者に対する訴えを受理する日本国の裁判所の裁判権に影響を及ぼすものではない。 2 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施20設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う民事特別法(以下、題名を摘示するときは、昭和35年法律第102号による題名の改正の前後を問わず、「民事特別法」という。乙3。)1条及び2条(国の賠償責任)第1条 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(以下「日米安25全保障条約」ということがある。)に基づき日本国内にあるアメリカ合衆国の陸55 軍、海軍又は空軍(以下「合衆国軍隊」という。)の構成員又は被用者が、その職務を行うについて日本国内において違法に他人に損害を加えたときは、国の公務員又は被用者がその職務を行うについて違法に他人に損害を加えた場合の例により、国がその損害を賠償する責に任ずる。 第2条 合衆国軍隊の占有し、所有し、又は管理する土地の工作物その他の物件の設5置又は管理に瑕疵があったために日本国内において他人に損害を生じたときは、国の占有し、所有し、又は管理する土地の工作物その他の物件の設置又は管理に瑕疵があったために他人に損害を生じた場合の例により、国がその損害を賠償する責に任ずる。 103 日本国トアメリカ合衆国トノ間ノ安全保障条約ニ基キ駐留スルアメリカ合衆国軍隊ニヨリ損害ヲ受ケタ者ニ対スル補償金並ビニ見舞金ノ支給ニ関スル件(昭和27年5月16日閣議決定。以下「昭和27年閣議決定」という。乙5。関係する部分を抜粋したもの)1 補償金ノ支給ニ 合衆国軍隊ニヨリ損害ヲ受ケタ者ニ対スル補償金並ビニ見舞金ノ支給ニ関スル件(昭和27年5月16日閣議決定。以下「昭和27年閣議決定」という。乙5。関係する部分を抜粋したもの)1 補償金ノ支給ニツイテ15行政協定18条3項ノ被害者ニ対シ支給スル補償金ハ通常生ズベキ損失ニ相当スル額トスルモ、一応別表1ノ基準ニヨルコト。 2 見舞金ノ支給ニツイテ⑴ 見舞金ハ行政協定ニ規定スルアメリカ合衆国軍隊又ハソノ構成員若シクハ被用者ガソノ非戦闘行為ニ伴イ他人ニ損害ヲ与エタ場合デアッテ、民事特別法及20ビソノ他ノ法令又ハ行政協定18条5項ニヨリ救済サレナイ直接ノ被害ニツキ国ガ救済ヲ必要ト認メタ場合ニコレヲ支給スルコト。 ⑵ 被害者ニ対スル見舞金ノ支給ニ関スル事務ハ調達庁(昭和24年に総理府(当時)の外局として設立された特別調達庁が昭和27年に改称されたもの。なお、昭和37年防衛施設庁(当時)に改組された。以下同じ。)長官(当時。以下同25じ。)ガコレニ当タルコト。 56 ⑶ 見舞金ヲ支給スル場合ニオイテハ、別表2ノ基準ニヨルコト。 4 日本国トアメリカ合衆国トノ間ノ安全保障条約ニ基キ日本国ニ駐留スルアメリカ合衆国軍隊ニヨリ損害ヲ受ケタ者ニ対スル補償金並ビニ見舞金ノ支給等ニ関スル総理府令(昭和27年総理府令第32号。以下「昭和27年総理府令」という。 5乙4。関係する部分を抜粋したもの)(目的)第1条 コノ府令ハ、日本国トアメリカ合衆国トノ間ノ安全保障条約ニ基キ日本国ニ駐留スルアメリカ合衆国軍隊又ハソノ構成員若シクハ被用者(以下、昭和27年総理府令において、「駐留軍」という。)ニヨリ損害ヲ受ケタ者ニ対スル補償金10並ビニ見舞金ノ支給等ニ関シソノ実施ノ手続ヲ定メルコトヲ目的トスル。 (定義)第2条 コノ 用者(以下、昭和27年総理府令において、「駐留軍」という。)ニヨリ損害ヲ受ケタ者ニ対スル補償金10並ビニ見舞金ノ支給等ニ関シソノ実施ノ手続ヲ定メルコトヲ目的トスル。 (定義)第2条 コノ府令ニオイテ「公務執行中ニ加エタ損害」トハ、駐留軍ガソノ職務ヲ行ウニツイテ違法ニ加エタ損害又ハ合衆国軍隊ノ占有シ、所有シ、又ハ管理スル土地ノ工作物ソノ他ノ物件ノ設置又ハ管理ニ瑕疵ガアッタタメニ生ジタ損害ヲイ15ウ。 2 コノ府令ニオイテ「補償金」トハ、民事特別法ノ規定ニ基キ、国ガ被害者ニ対シ賠償スル金額ヲイウ。 3 コノ府令ニオイテ「見舞金」トハ、駐留軍ニヨリ損害ヲ受ケタ者デ、補償金又ハ行政協定18条5項ノ規定ニヨッテ救済サレナイ者ニ対シ、国ガ救済ヲ必要20ト認メテ支給スル金額ヲイウ。 (見舞金ノ支給)第18条 国ハ、駐留軍ガ他人ニ損害ヲ加エタ場合デアッテ、第3章ニ定メル補償金又ハ第4章ニ定メル慰謝料ニヨリ救済サレナイ直接ノ被害ニツキ、国ガ救済ヲ必要ト認メタ場合ニハ、被害者ニ対シ見舞金ヲ支給スルコトガデキル。 25(見舞金支給ノ要否)57 第19条 調達局長(調達庁に置かれた地方部局である調達局(当時)の長のこと。 なお、昭和37年に防衛施設局長に改称された。以下同じ。)ハ、前条ノ見舞金ヲ支給スル必要ガアルト認メタトキハ、調達庁長官ニ事案ノ内容ヲ報告シナケレバナラナイ。 2 調達庁長官ハ、前項ノ報告ガアッタトキハ、コレヲ審査シ、必要ガアルト認メ5タトキハ、現地調査ヲ行イ、見舞金支給ノ要否ヲ決定シ、コレヲ調達局長ニ通知シナケレバナラナイ。 (見舞金額ノ決定及ビ支給)第20条 調達局長ハ、前条ノ通知ニ基キ見舞金額ヲ決定シ、9条ニ準ジ、ソノ旨ヲ都道府県知事ニ通知シナケレバナラナイ。 10第21条 都道府県知 ナケレバナラナイ。 (見舞金額ノ決定及ビ支給)第20条 調達局長ハ、前条ノ通知ニ基キ見舞金額ヲ決定シ、9条ニ準ジ、ソノ旨ヲ都道府県知事ニ通知シナケレバナラナイ。 10第21条 都道府県知事ハ、前条ノ通知ヲ受ケタトキハ、12条ニ準ジ、速ヤカニ見舞金ヲ受ケルベキ者ニコレヲ支払ワナケレバナラナイ。 2 都道府県知事ハ、見舞金ノ支払ヲシタトキハ、ソノ結果ヲ調達局長ニ報告シナケレバナラナイ。 3 調達局長ハ、前項ノ通知ヲ受ケタトキハ、調達庁長官ニ報告シナケレバナラナ15イ。 第22条 補償金ノ支給ニ関シ補償金額ノ決定ニツイテ不服ノアル者ハ、左ニ掲ゲル事項ヲ記載シタ不服申立書ニヨリ都道府県知事及ビ調達局長ヲ通ジ調達庁長官ニ対シ、不服ノ申立ヲスルコトガデキル。 1 被害者ノ氏名、住所、年令及ビ職業202 補償申請金額及ビ決定金額3 不服申立ノ理由4 ソノ他参考トナルベキ事項 5 地位協定18条5項及び6項(乙18)25(各種損害等についての請求権の処理方法)58 第18条5 公務執行中の合衆国軍隊の構成員若しくは被用者の作為若しくは不作為又は合衆国軍隊が法律上責任を有するその他の作為、不作為若しくは事故で、日本国において日本国政府以外の第三者に損害を与えたものから生ずる請求権(契約による請求権及び6項又は7項の規定の適用を受ける請求権を除く。)は、日本5国が次の規定に従って処理する。 請求は、日本国の自衛隊の行動から生ずる請求権に関する日本国の法令に従って、提起し、審査し、かつ、解決し、又は裁判する。 ⒝ 日本国は、前記のいかなる請求をも解決することができるものとし、合意され、又は裁判により決定された額の支払を日本円で行う。 10⒞ 前記の支払(合意による解決に従ってされたものであ する。 ⒝ 日本国は、前記のいかなる請求をも解決することができるものとし、合意され、又は裁判により決定された額の支払を日本円で行う。 10⒞ 前記の支払(合意による解決に従ってされたものであると日本国の権限のある裁判所による裁判に従ってされたものであるとを問わない。)又は支払を認めない旨の日本国の権限のある裁判所による確定した裁判は、両当事国に対し拘束力を有する最終的のものとする。 ⒟ 日本国が支払をした各請求は、その明細並びに(ⅰ)及び(ⅱ)の規定によ15る分担案とともに、合衆国の当局に通知しなければならない。2か月以内に回答がなかったときは、その分担案は受諾されたものとみなす。 ⒠ ⒜からまで及び2の規定に従い請求を満たすために要した費用は、両当事国が次のとおり分担する。 ⅰ 合衆国のみが責任を有する場合には、裁定され、合意され、又は裁判20により決定された額は、その25パーセントを日本国が、その75パーセントを合衆国が分担する。 ⅱ 日本国及び合衆国が損害について責任を有する場合には、裁定され、合意され、又は裁判により決定された額は、両当事国が均等に分担する。 損害が日本国又は合衆国の防衛隊によって生じ、かつ、その損害をこれ25らの防衛隊のいずれか一方又は双方の責任として特定することができな59 い場合には、裁定され、合意され、又は裁判により決定された額は、日本国及び合衆国が均等に分担する。 ⅲ 比率に基づく分担案が受諾された各事件について日本国が6か月の期間内に支払った額の明細書は、支払要請書とともに、6か月ごとに合衆国の当局に送付する。その支払は、できる限りすみやかに日本円で行な5わなければならない。 合衆国軍隊の構成員又は被用者(日本の国籍のみを有する被用者を は、支払要請書とともに、6か月ごとに合衆国の当局に送付する。その支払は、できる限りすみやかに日本円で行な5わなければならない。 合衆国軍隊の構成員又は被用者(日本の国籍のみを有する被用者を除く。)は、その公務の執行から生ずる事項については、日本国においてその者に対して与えられた判決の執行手続に服さない。 ⒢ この項の規定は、の規定が2項に定める請求権に適用される範囲を除く10ほか、船舶の航行若しくは運用又は貨物の船積み、運送若しくは陸揚げから生じ、又はそれらに関連して生ずる請求権には適用しない。ただし、4項の規定の適用を受けない死亡又は負傷に対する請求権については、この限りでない。 6 日本国内における不法の作為又は不作為で公務執行中に行なわれたものでないものから生ずる合衆国軍隊の構成員又は被用者(日本国民である被用者又は15通常日本国に居住する被用者を除く。)に対する請求権は、次の方法で処理する。 日本国の当局は、当該事件に関する全ての事情(損害を受けた者の行動を含む。)を考慮して、公平かつ公正に請求を審査し、及び請求人に対する補償金を査定し、並びにその事件に関する報告書を作成する。 ⒝ その報告書は、合衆国の当局に交付するものとし、合衆国の当局は、遅滞な20く、慰謝料(米国見舞金)の支払を申し出るかどうかを決定し、かつ、申し出る場合には、その額を決定する。 ⒞ 慰謝料(米国見舞金)の支払の申出があった場合において、請求人がその請求を完全に満たすものとしてこれを受諾したときは、合衆国の当局は、みずから支払をしなければならず、かつ、その決定及び支払った額を日本国の当局に25通知する。 60 ⒟ この項の規定は、支払が請求を完全に満たすものとして行なわれたものでない限り、合衆国軍隊の構成員又は被用 ればならず、かつ、その決定及び支払った額を日本国の当局に25通知する。 60 ⒟ この項の規定は、支払が請求を完全に満たすものとして行なわれたものでない限り、合衆国軍隊の構成員又は被用者に対する訴えを受理する日本国の裁判所の裁判権に影響を及ぼすものではない。 6 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約に基づき日本国に5あるアメリカ合衆国の軍隊等により損害を受けた者に対する補償金及び見舞金の支給について(昭和35年7月1日閣議決定。以下「昭和35年閣議決定」という。)乙19。関係する部分を抜粋したもの)1 補償金の支給について地位協定18条5項の被害者に対し支給する補償金は、通常生ずべき損失に相当10する額とするも、一応昭和27年閣議決定の別表1の基準によること。 2 見舞金の支給について⑴ 見舞金は、地位協定に規定する合衆国軍隊又はその構成員若しくは被用者がその非戦闘行為に伴い他人に損害を与えた場合(地位協定18条5項⒢の規定により同項の他の規定の適用を受けない損害を与えた場合を含む。)であって、15民事特別法及びその他の法令(外国の法令を含む。)又は地位協定18条6項により救済されない直接の被害につき国が救済を必要と認めた場合にこれを支給すること。 ⑵ 被害者に対する見舞金の支給に関する事務は、調達庁長官がこれに当たること。 20⑶ 見舞金を支給する場合においては、昭和27年閣議決定の別表2の基準によること。 7 合衆国軍隊等により損害を受けた者に対する賠償金及び見舞金の支給について(昭和39年6月23日閣議決定。以下「昭和39年閣議決定」という。乙6。 25関係する部分を抜粋したもの)61 2 見舞金の支給について⑴ 見舞金は、地位協定に規定する 支給について(昭和39年6月23日閣議決定。以下「昭和39年閣議決定」という。乙6。 25関係する部分を抜粋したもの)61 2 見舞金の支給について⑴ 見舞金は、地位協定に規定するアメリカ合衆国軍隊又はその構成員若しくは被用者がその非戦闘行為に伴い他人に損害を与えた場合であって、民事特別法その他の法令(外国の法令を含む。)又は地位協定18条6項の規定により救済されない直接の被害につき国が救済を必要と認めたときに支給することができ5るものとする。 ⑵ 被害者に対する見舞金の支給に関する事務は、防衛大臣が行うものとする。 3 賠償金及び見舞金の支給手続については、防衛大臣が定めるものとする。 5 昭和27年閣議決定及び昭和35年閣議決定は、昭和39年4月1日から廃止する。 10 8 合衆国軍隊等の行為等による被害者等に対する賠償金の支給等に関する省令(令和元年防衛省令第2号による改正前の昭和37年総理府令第42号。本件省令。乙7。関係する部分を抜粋したもの)(趣旨)15第1条 この省令は、合衆国軍隊等の行為等により損害を受けた者(以下、本件省令において「被害者」という。)又はその遺族(以下「被害者等」ということがある。)に対する賠償金及び見舞金の支給等に関し、その実施の手続を定めるものとする。 (定義)20第2条 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 合衆国軍隊等の行為等 日米安全保障条約に基づき日本国にあるアメリカ合衆国の軍隊又はその構成員若しくは被用者(日本国民である被用者又は通常日本国に居住する被用者にあっては、公務執行中の者に限る。)の違法の行25為及びこれらの占有し、所有し、又は管理する土地の工作物その他の物件の設62 置 用者(日本国民である被用者又は通常日本国に居住する被用者にあっては、公務執行中の者に限る。)の違法の行25為及びこれらの占有し、所有し、又は管理する土地の工作物その他の物件の設62 置又は管理の欠陥をいう。ただし、地位協定18条5項(g)の規定により同項の他の規定の適用を受けない損害の発生原因である行為を除く。 二 公務上の行為等 合衆国軍隊等の行為等のうち、公務執行中の合衆国軍隊の構成員又は被用者の違法の行為及び合衆国軍隊が法律上責任を有するその他の行為又は事故をいう。 5三 賠償金 民事特別法1条又は2条の規定により国が賠償する損害賠償金をいう。 四 見舞金 被害者又はその遺族で、民事特別法1条又は2条、地位協定18条6項その他の法令の規定により救済されないものに対し、国が救済を必要と認めて支給する見舞金をいう。 10(事故の調査)第3条 地方防衛局長及び東海防衛支局長は、管轄区域内における合衆国軍隊等の行為等による事故の発生を知ったときは、直ちに、関係行政機関の協力を得て、当該事故の調査を行わなければならない。 (損害賠償請求書の提出等)15第4条 被害者又はその遺族で、当該損害の賠償を請求しようとするものは、別記様式第1号による損害賠償請求書を事故発生地を管轄する地方防衛局長(事故発生地が東海防衛支局の管轄区域内にある場合にあっては、東海防衛支局長)に提出して当該損害の賠償を請求するものとする。この場合において、特別の理由があるときは、その者の住所地を管轄する地方防衛局長(当該住所地が東海防衛支局20の管轄区域内にある場合にあっては、東海防衛支局長)を経由して損害賠償請求書を提出することができる。 2 前項後段の規定により損害賠償請求書を受理した地方防衛局長又は東海防衛支局長は、これ 20の管轄区域内にある場合にあっては、東海防衛支局長)を経由して損害賠償請求書を提出することができる。 2 前項後段の規定により損害賠償請求書を受理した地方防衛局長又は東海防衛支局長は、これを事故発生地を管轄する地方防衛局長(事故発生地が東海防衛支局の管轄区域内にある場合にあっては、東海防衛支局長。以下「地方防衛局長」25という。)に送付しなければならない。 63 (損害賠償請求通知等)第5条 地方防衛局長は、損害賠償請求書の提出を受けたときは、これを審査し、別記様式第2号による損害賠償請求通知及び事故発生証明書により、現地の合衆国軍隊の賠償担当官に損害の賠償の請求を受けた旨を通知し、事故発生の証明を取り付けるものとする。 52 地方防衛局長は、前項の手続を行なうとともに事故の状況、損害額、過失の割合等を記載した損害状況等報告書を作成し、損害賠償請求書、警察署長等の事故発生証明書その他参考となる書類を添えて、これを防衛大臣に送付しなければならない。 (合衆国の当局との協議)10第6条 防衛大臣は、前条2項の損害状況等報告書の送付を受けたときは、これを審査し、必要があるときは調査を行ない、別記様式第3号による損害賠償請求受理通知書により合衆国の当局に損害の賠償の請求を受けた旨を通知し、当該損害の発生原因である合衆国軍隊等の行為等が公務上の行為等であるかどうか等について合衆国の当局と協議しなければならない。 152 防衛大臣は、前項の協議が整った場合で、合衆国軍隊等の行為等が公務上の行為等であるときは別記様式第4号による公務上・外の証明書及び別記様式第5号による損害の原因確認書を、合衆国軍隊等の行為等が公務上の行為等でないときは公務上・外の証明書を、合衆国の当局とともに作成し、その一部を地方防衛局長に 第4号による公務上・外の証明書及び別記様式第5号による損害の原因確認書を、合衆国軍隊等の行為等が公務上の行為等でないときは公務上・外の証明書を、合衆国の当局とともに作成し、その一部を地方防衛局長に送付しなければならない。 20(賠償金の支払)第8条 地方防衛局長は、6条2項の規定により合衆国軍隊等の行為等が公務上の行為等である旨の公務上・外の証明書の送付を受けたときは、損害の原因確認書等に基づき、賠償金の額を決定し、請求者から別記様式第6号による同意書を取り付けた後、賠償金の支払の手続をとらなければならない。 252 地方防衛局長は、前項の支払が完了したときは、速やかに別記様式第7号によ64 る支払報告書を作成し、これを防衛大臣に送付しなければならない。 (公務外損害補償請求書の提出)第11条 地方防衛局長は、6条2項の規定により合衆国軍隊等の行為等が公務上の行為等でない旨の公務上・外の証明書の送付を受けたときは、請求者にその旨を通知し、別記様式第10号による公務外損害補償請求書を提出させるものとする。 5(報告書の作成等)第12条 地方防衛局長は、前条の規定により公務外損害補償請求書を提出させたときは、これを審査し、その請求額を査定し、当該事件に関する報告書(和英両文)を作成しなければならない。 2 地方防衛局長は、前項の報告書を作成したときは、公務外損害補償請求書並び10に当該報告書及びこれに必要な書類(和英両文。以下「本件各書類」という。)を防衛大臣に送付しなければならない。 3 防衛大臣は、前項の規定により公務外損害補償請求書等の送付を受けたときは、これを合衆国の当局に送付しなければならない。 (慰謝料の支払通知)15第13条 防衛大臣は、合衆国の当局から慰謝料支払報告書の送付 規定により公務外損害補償請求書等の送付を受けたときは、これを合衆国の当局に送付しなければならない。 (慰謝料の支払通知)15第13条 防衛大臣は、合衆国の当局から慰謝料支払報告書の送付を受けたときは、これを地方防衛局長に送付しなければならない。 (防衛大臣への協議)第14条 地方防衛局長は、被害者又はその遺族で、損害賠償請求書を提出したものに対し、見舞金を支給する必要があると認めたときは、その支給について、防衛20大臣に協議しなければならない。 (見舞金の支払等)第15条 地方防衛局長は、前条の協議の結果、見舞金を支給する必要があるときは、見舞金の額を決定し、その支払手続をとらなければならない。 2 地方防衛局長は、前項の支払が完了したときは、速やかにその旨を防衛大臣に25報告しなければならない。 65 9 地位協定第18条第6項に関する事案で、被害者が損害賠償訴訟を提起し、裁判所の確定判決による額が米国政府による補償額を上回る事例が生じた場合の見舞金の支給について(平成20年3月5日付け防衛省地方協力局補償課長事務連絡票)の別添「SACO見舞金支給に係る事務処理について」(以下「本件実5施要領」という。乙9)1 実施要領⑴ 各防衛局業務課及び東海防衛支局施設企画課(以下「各局業務課等」という。)は、被害者又は請求代理人(以下、本件実施要領において「請求者」という。)からSACO見舞金の支給を受けたい旨の要請があった場合、請求者から別記10様式1の「SACO見舞金支給申請書」に、米国政府からの慰謝料支払通知書の写し、確定判決書の写し等、必要書類を添付の上、提出させるものとする。 ⑵ 各局業務課等は、昭和39年閣議決定によるSACO見舞金を支給する必要があると認められる場合には 府からの慰謝料支払通知書の写し、確定判決書の写し等、必要書類を添付の上、提出させるものとする。 ⑵ 各局業務課等は、昭和39年閣議決定によるSACO見舞金を支給する必要があると認められる場合には、支給額及びその理由等を明らかにし、書面により本省補償課と仮協議を行う。 15⑶ 各局業務課等は、上記⑵の仮協議が整った後、本件省令14条の規定に基づき、別記様式2によりSACO見舞金の支給について、本省補償課と協議を行う。 ⑷ 本省補償課は、SACO見舞金の支給に関する予算措置について所要の調整を了した後、その結果を別記様式3により各局業務課等に回答する。 ⑸ 各局業務課等は、本省補償課との協議結果を受けて、本件省令15条1項の規20定に基づき、支給額を決定するとともに、別記様式4のSACO見舞金受諾書(別紙3)を取り付けの上、支給するものとする。 ⑹ 本省補償課は、本件省令13条に規定する慰謝料支払報告書の送付を受けたときは、各局業務課等に送付する。 ⑺ 各局業務課等は、慰謝料支払報告書を受理した後、SACO見舞金の支払を行25う。 66 ⑻ 各局業務課等は、見舞金の支払完了後、速やかに別記様式5によるSACO見舞金支給報告書を本省補償課に送付する。 2 留意事項⑴ 加害米兵等を被告とした損害賠償請求訴訟と地位協定18条6項の規定による補償請求との関係は、①まず訴訟を提起して、確定判決による額をもって補償5請求がなされる場合、②米国政府による補償額に同意せず、訴訟を提起する場合、③補償請求はなされているが、一方で並行的に訴訟を提起する場合の3通りが考えられる。 これらいずれの場合であっても、確定判決を得た上で、最終的に地位協定18条6項の規定による米国政府からの補償(米国見舞金の支払)を受けた者であれ 的に訴訟を提起する場合の3通りが考えられる。 これらいずれの場合であっても、確定判決を得た上で、最終的に地位協定18条6項の規定による米国政府からの補償(米国見舞金の支払)を受けた者であれ10ば、SACO見舞金の支給対象に該当することとなる。 ⑵ 確定判決による額とは、裁判所が当該損害に対する直接の賠償額として認容した額であり、遅延損害金及び訴訟費用は含まれない。 ⑶ 各局業務課等は、裁判の動向等の把握に努め、本省補償課に適宜報告するものとする。 15 10 米国政府による支払が裁判所の確定判決等による額に満たない場合の取扱いについて(防地補第10027号・平成30年6月21日付け地方協力局長通知。 以下「局長通知」という。乙21)SACO最終報告に地位協定18条6項に基づく請求に関する運用改善措置の20一つとして、米国政府による支払(米国見舞金の支払)が裁判所の確定判決による額に満たない場合には、日本政府は、必要に応じてその差額を埋めるため、支払う努力をすることが盛り込まれた。 この差額については、見舞金(SACO見舞金)として支給することができることとしたので、下記のとおり通知する。 25なお、裁判所の確定判決額が米国政府による補償額を上回る事例が生じた場合の67 取扱いについて(施本総第8号(CGC)。平成10年1月13日)は廃止する。 1 支給根拠昭和39年閣議決定2 支給要件見舞金(SACO見舞金)を支給するに当たっては、次の各号に掲げる要件の5いずれにも該当する者を対象とする。 ⑴ 平成8年12月3日以降に米国政府による補償金又はそれに相当する金銭(米国見舞金。以下、局長通知において「補償金等」という。)の支払を受けていること⑵ 加害者たる合衆国軍隊の軍人 とする。 ⑴ 平成8年12月3日以降に米国政府による補償金又はそれに相当する金銭(米国見舞金。以下、局長通知において「補償金等」という。)の支払を受けていること⑵ 加害者たる合衆国軍隊の軍人等を被告とした損害賠償請求訴訟における確10定判決又は損害賠償命令の申立てについての裁判における決定(以下「確定判決等」という。)を得ていること⑶ 1号に規定する米国政府が支払った補償金等(米国見舞金)の額が裁判所の確定判決等による額に満たないこと3 支給額15見舞金の支給額は、米国政府が支払った補償金等(米国見舞金)の額と裁判所の確定判決等による額との差額を上限とする。 なお、遅延損害金及び訴訟費用は支給の対象としない。 4 支給手続見舞金の支給手続は、本件省令14条及び15条の規定による。 20 11 外国人請求法(合衆国法典第10編。関係部分を抜粋したもの。乙2の1・2)第2734条 外国における陸軍、海軍又は空軍の非戦闘行為に伴う財産の損失、人的傷害又は死亡25外国において生ずる考慮する価値のある補償請求を早期に解決することによ68 り友好関係を増進し、維持するために、当該軍の省の長官又はその任命する将校若しくは文官は、長官の定める規則に基づき、10万ドルを超えない額で、次に掲げる合衆国に対する補償請求を解決し、支払うことができるよう、その管轄下にある軍隊の一人若しくはそれ以上の将校若しくは文官の組合せから成る一又はそれ以上の補償請求委員会を任命することができる。 5⑶ 外国の居住者に対する人的傷害又は死亡ただし、これらの損害、損失、人的傷害又は死亡は、合衆国又は領域、保護領若しくは属領の外において生じ、かつ、当該軍の省の長官の管轄下にある軍隊の非戦闘行為によって生 者に対する人的傷害又は死亡ただし、これらの損害、損失、人的傷害又は死亡は、合衆国又は領域、保護領若しくは属領の外において生じ、かつ、当該軍の省の長官の管轄下にある軍隊の非戦闘行為によって生じ、さもなければ、それに伴い又は次第によっては当該軍の省又は沿岸警備隊の構成員若しくは被用者によって生じた場合でな10ければならない。(以下、略)⒝ 補償請求は、次の場合に限り、項の規定に基づき承認することができる。 ⑴ 請求が、請求権発生後2年以内に提起される場合⑶ 請求が、敵の行為又は直接間接に戦闘中の合衆国軍隊の行為から生じたものではない場合15ただし、間接的に戦闘に係る空輸軍需物資も含め、戦闘任務に向かうため、又は、それから帰還する際に起こる合衆国軍隊の航空機に付随する事故又は故障から発生する補償請求を除くものとする。 ⒟ 当該軍の省の長官は、10万ドルを超える補償請求が、考慮する価値のあるものであり、かつ本条に基づき支払可能なものである場合には、10万ド20ルを支払い、かつ、考慮する価値のある10万ドルを超える額を、第31編1304条に基づき支払うため、財務長官に報告する。 ⒟項に規定するものを除き、提示額が請求者により完全に満足するものとして受諾されない限り、いかなる補償請求に対しても、本条に基づき支払をすることはできない。 25以 上

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る