平成29年1月31日判決言渡し同日原本交付裁判所書記官平成26年(ワ)第12570号不正競争行為差止等請求事件口頭弁論終結日平成28年11月29日判決 原告京セラドキュメントソリューションズ株式会社 原告京セラ株式会社 上記2名訴訟代理人弁護士重冨貴光同酒匂景範同森本祐介 被告ニックフレート株式会社 同訴訟代理人弁護士安藤信彦同若林祐介主文1(1) 被告は,原告京セラドキュメントソリューションズ株式会社に対し,別紙被告商品目録1記載のトナーカートリッジを譲渡し,引き渡し,譲渡若しくは引渡しのために展示し,輸出し,輸入し,又は電気通信回線を通じて提供してはならない。 (2) 被告は,原告京セラドキュメントソリューションズ株式会社に対し,上記(1)記載のトナーカートリッジを廃棄せよ。 (3) 被告は,原告京セラドキュメントソリューションズ株式会社に対し,449 万3554円及びうち448万8712円に対する平成27年1月16日から,うち1312円に対する同年1月31日から,うち706円に対する同年3月31日から,うち706円に対する同年6月30日から,うち1412円に対する同年7月31日から,うち706円に対する同年8月31日から各支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。 2(1) 被告は 日から,うち706円に対する同年6月30日から,うち1412円に対する同年7月31日から,うち706円に対する同年8月31日から各支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。 2(1) 被告は,原告京セラ株式会社に対し,別紙被告商品目録2記載のトナーカートリッジを譲渡し,引き渡し,譲渡若しくは引渡しのために展示し,輸出し,輸入し,又は電気通信回線を通じて提供してはならない。 (2) 被告は,原告京セラ株式会社に対し,上記(1)記載のトナーカートリッジを廃棄せよ。 (3) 被告は,原告京セラ株式会社に対し,5万8590円及びこれに対する平成27年1月16日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。 3 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。 4 訴訟費用は,原告京セラドキュメントソリューションズ株式会社と被告との間に生じたものは,これを10分し,その2を原告京セラドキュメントソリューションズ株式会社の負担とし,その余を被告の負担とし,原告京セラ株式会社と被告との間に生じたものは,これを被告の負担とする。 5 この判決は,第1項及び第2項に限り,仮に執行することができる。 事実 及び理由第1 請求 1 主文第1項(1)及び(2)同旨 2 被告は,原告京セラドキュメントソリューションズ株式会社に対し,900万5818円及びこれに対する平成27年1月16日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。 3 主文第2項(1)及び(2)同旨 4 被告は,原告京セラ株式会社に対し,10万8590円及びこれに対する平 成27年1月16日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要等 1 事案の概要本件は,トナーカートリッジを製造販 成27年1月16日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要等 1 事案の概要本件は,トナーカートリッジを製造販売している原告京セラドキュメントソリューションズ株式会社(以下「原告京セラDS」という。)及び同トナーカートリッジに付された商標の商標権者である原告京セラ株式会社(以下「原告京セラ」という。)が,平成21年4月以降,別紙被告商品目録1,2記載のトナーカートリッジ(以下,同目録1記載のトナーカートリッジを「被告商品」といい,これに含まれ外観で特定される同目録2記載のトナーカートリッジを「被告商品2」という。)を製造販売している被告に対し,下記の請求をしている事案である。 記(1) 原告京セラDSの請求ア被告による被告商品の製造販売行為が平成27年法律第54号による改正前の不正競争防止法2条1 項13号(現行法同項14号,以下においては現行法の号名を記載する。)の不正競争に該当することを理由とする同法3条1項に基づく被告商品の譲渡等の差止請求及び同条2項に基づく被告商品の廃棄請求イ被告による平成21年4月から平成27年8月までの間の被告商品2を除く被告商品の製造販売行為についての同法4条に基づく損害賠償として900万5818円(弁護士費用相当損害金●(省略)●円を含む。)及びこれに対する平成27年1月16日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5%の割合による遅延損害金の支払請求(2) 原告京セラの請求ア被告による平成26年3月から同年6月までの間の被告商品2の製造販売行為が原告京セラの有する商標権の侵害行為に該当することを理由とする商標法36条1 項に基づく被告商品2の譲渡等の差止請求及び同条2項に基づく被告商 6年3月から同年6月までの間の被告商品2の製造販売行為が原告京セラの有する商標権の侵害行為に該当することを理由とする商標法36条1 項に基づく被告商品2の譲渡等の差止請求及び同条2項に基づく被告商品2の廃棄請求 イ上記アの商標権侵害の不法行為に基づく損害賠償として10万8590円(弁護士費用相当損害金●(省略)●円を含む。)及びこれに対する不法行為の後の日である平成27年1月16日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5%の割合による遅延損害金の支払請求 2 判断の基礎となる事実(当事者間に争いがない事実並びに後掲各証拠及び弁論の全趣旨により認められる事実)(1) 当事者ア原告京セラDSは,プリンター,複合機及びサプライ製品等の製造販売事業とともに,プリンター及び複合機に装着される消耗品としてのトナーカートリッジの製造販売事業を営む株式会社である。 イ原告京セラは,ファインセラミック部品関連事業,半導体部品関連事業等を営む株式会社であり,後記本件商標権を有している。原告京セラは,原告京セラDSの完全親会社である。 ウ被告は,産業廃棄物収集運搬,一般貨物運送及び引越貨物運送事業等を営む株式会社であり,いわゆるリサイクルトナーカートリッジ(以下「リサイクル品」という。)である被告商品を製造販売している。 (2) 原告純正品ア原告京セラDSは,同原告製造に係るプリンター(製品名:ECOSYSLS-6950DN。以下「原告プリンター」という。)に装着するため,トナーカートリッジ(製品番号:TK-441。以下「原告純正品」という。)を製造販売している。原告純正品には,RFID(近距離の無線通信によってやり取りするための情報を埋め込んだタグ) 着するため,トナーカートリッジ(製品番号:TK-441。以下「原告純正品」という。)を製造販売している。原告純正品には,RFID(近距離の無線通信によってやり取りするための情報を埋め込んだタグ) が搭載されており,同所に所定のデータを書き込んで保存するようになっている。 イ原告純正品の底面には,原告京セラが有する以下の商標権(以下「本件商標権」といい,その登録商標を「本件商標」という。)の商標が,本体に一体成型され付されている。(甲5) 出願日平成24年3月15日登録日平成24年9月14日登録番号第5521911号指定商品カナダバルサム,コパール,サンダラック,松根油,セラック,ダンマール,媒染剤,腐蝕防止剤,防錆剤,マスチック,松脂,木材保存剤,染料,顔料,塗料,印刷インキ,絵の具,防錆グリース,着色剤,トナー,複写機用・ファクシミリ用・ワープロ及びコンピュータプリンタ用・複合機用及びその他の複写機器用トナー及びトナーカートリッジ登録商標別紙商標目録記載のとおり(3) 被告商品ア被告は,平成21年4月から,使用済みの原告純正品のカートリッジに被告において用意したトナーを充填し,そのRFIDをリセットした上,これを被告商品として販売している。 イ被告商品は,使用済み原告純正品のカートリッジを再利用しているものであるので,その底面には原告純正品と変わりない態様での本件商標が付されている。 ウ(ア) 被告商品のうち平成26年3月から同年6月までの間に販売していた被告商品2には,商品本体に被告の管理用Lotナンバーと「このラベルは,管理用ですはがさない様お願いします」と記載されたラベルとともに,「トナーカートリッジ」の標題 同年6月までの間に販売していた被告商品2には,商品本体に被告の管理用Lotナンバーと「このラベルは,管理用ですはがさない様お願いします」と記載されたラベルとともに,「トナーカートリッジ」の標題の下に表が記載されたラベル(被告はリサイクル回数を表示するためのラベルという。)が貼付されている。(乙3の4)また,被告商品2が梱包された箱には,長側面(乙3の1)及びその背面(乙3の1の2)に,「RecycleTonerCartridge」と記載され,リサイクル品であることを想起させるマークが描かれている。また短側面(乙3の2)には,原告純正品の製品番号である「TK-441」と大きく記載された下に被告の管理用Lotナンバーと「再生回数回」と記載したラベルが貼付されてい る。また,箱の中に入れられている「ご使用前の注意」と題する書面(乙4の1の1及び2)には,「弊社リサイクルトナーカートリッジをご使用いただき」,「下記リサイクル品に関しまして」,「必ず純正品を1度使用してから,弊社リサイクル品をご使用いただきますよう」などの記載がされている。さらに,梱包された箱に入れられている「リサイクルカートリッジトラブル調査票」及び裏面の注意書(乙4の2)には,リサイクルカートリッジの使用上の不具合に関する調査報告事項,使用上の注意事項等が記載されている(乙3の3)。 (イ) 被告商品2以外の被告商品については,その包装された箱の短側面(乙1の2)には,原告純正品の製品番号である「TK-441」と大きく記載された下に被告の管理用Lotナンバーと「再生回数回」と記載したラベルと,「本製品は純正メーカーが再生したものではありません」との記載,及び被告の社名である「NicFreightc 大きく記載された下に被告の管理用Lotナンバーと「再生回数回」と記載したラベルと,「本製品は純正メーカーが再生したものではありません」との記載,及び被告の社名である「NicFreightco.,Ltd」との記載がされたラベルが貼付されている。 また,同梱の注意書(乙1の3,乙2の1)にも,「ニックリサイクルトナーカートリッジ」と記載され,被告商品の本体(乙1の4)には包装箱短側面に貼付されたものと同一のラベルが貼付されている。 (4) トナーカートリッジを原告プリンターに装着した場合のディスプレイの表示ア原告純正品の場合原告プリンターに原告純正品を,残量が不足しない状態で装着すると,RFIDのデータに基づき,起動時の約5秒間,原告プリンターのディスプレイに,「シテイノトナーガソウチャクサレテイマス」との表示(以下「本件指定表示」という。)がされ,また,原告プリンターに装着されたトナーカートリッジの状態を示す「STATUSPAGE」(原告プリンターに所定の操作をすることにより,使用状態を表示するものであり,印刷することができる。以下「ステータスページ」という。)には,トナー残量が0から100%の残量ゲージにより表示される(以下,この表示を「トナー残量表示」という。)。トナーカートリッジを装着したまま使用を継続してトナー残量が不足してくると,原告プリンターの使用中,そのディスプレイには, 「トナーガスクナクナリマシタ」,「トナーヲコウカンシテクダサイ」との表示が現れる。(甲11)イ被告商品の場合被告商品は,使用済み原告純正品のカートリッジを利用してリサイクル品として製造されるに当たり,RFIDがリセットされているため,原告プリンターに装着すると,そのディ 11)イ被告商品の場合被告商品は,使用済み原告純正品のカートリッジを利用してリサイクル品として製造されるに当たり,RFIDがリセットされているため,原告プリンターに装着すると,そのディスプレイには,原告純正品を装着したときと同様に,本件指定表示(「シテイノトナーガソウチャクサレテイマス」)が表示され,また,ステータスページにも,原告純正品を装着したのと同様のトナー残量表示がされる。また,トナーカートリッジを装着したまま使用を継続してトナー残量が不足してきた場合の,原告プリンターの使用中のディスプレイの表示も同じである。(甲4)ウ被告商品以外のリサイクル品の場合原告プリンターに,RFIDがリセットされていないリサイクル品を装着すると,原告プリンターのディスプレイに,「シテイガイノトナーガソウチャクサレテイマス」との表示(以下「本件指定外表示」という。)がされ,また,ステータスページには,原告純正品の場合のトナー残量表示はされず,その対応部分に,「印字品質維持のため,純正消耗品(指定トナー)のご使用をお薦めします。純正消耗品以外の消耗品(指定外トナー)が原因の故障については,責任を負いかねますのでご了承下さい。」との表示がされる。ただトナーカートリッジを装着したまま使用を継続してトナー残量が不足してきた場合の,原告プリンターの使用中のディスプレイの表示は,原告純正品の場合と同様,「トナーガスクナクナリマシタ」,「トナーヲコウカンシテクダサイ」との表示が現れる。(甲1,甲2,甲11) 2 争点(1) 被告が被告商品につき商品の品質,内容について誤認させる表示をしたといえるか(争点1)(2) 被告商品2による本件商標権侵害の成否(争点2)(3) 原告らの損害額(争点3) 品質,内容について誤認させる表示をしたといえるか(争点1)(2) 被告商品2による本件商標権侵害の成否(争点2)(3) 原告らの損害額(争点3) 第3 争点についての当事者の主張 1 争点1(被告が被告商品につき商品の品質,内容について誤認させる表示をしたといえるか)について(原告京セラDSの主張)(1) 被告による不正競争防止法2条1項14号該当の行為ア被告商品を原告プリンターに装着すると,そのディスプレイには,本件指定表示(「シテイノトナーガソウチャクサレテイマス」)が表示される。 イ本件指定表示の「シテイノトナー」とは,「シテイ」の一般的な意味を踏まえれば,ディスプレイに表示させる主体(プリンターメーカー)である原告京セラDSが,原告プリンターに用いられるべきトナーカートリッジとして定めたトナーカートリッジを意味すると理解される。そして原告京セラDSが製造工程等を把握していないトナーカートリッジについては,原告プリンターにおける印字不良,印字濃度の異常及びトナー飛散等が生じるおそれがあることから,原告京セラDSが原告プリンターに用いられるべきトナーカートリッジとして定めたトナーカートリッジであるか否かはトナーカートリッジの品質,内容に関わるものである。 ウ被告商品は,原告京セラDSが原告プリンターに用いられるべきトナーカートリッジとして定めたトナーカートリッジではないにもかかわらず,原告プリンターに装着された際,本件指定表示がされることにより,あたかも原告京セラDSがそのように定めたトナーカートリッジであるかのような表示がされる。 かかる表示は,需要者をして,トナーカートリッジの品質,内容について誤認させるような表示に当たる。 エリサイ も原告京セラDSがそのように定めたトナーカートリッジであるかのような表示がされる。 かかる表示は,需要者をして,トナーカートリッジの品質,内容について誤認させるような表示に当たる。 エリサイクル品を原告プリンターに装着した場合,原告プリンターのディスプレイには,本件指定外表示(「シテイガイノトナーガソウチャクサレテイマス」)が表示されるよう設定されているのに,被告商品において本件指定表示がされるのは,被告において,上記表示となるよう,RFIDをリセットしているからである。不正競争防止法2条1項14号の趣旨からすれば,RFIDをリセットして原告プリ ンターのディスプレイに需要者に誤認を生じさせる表示をする行為は,「商品・・・にその商品の・・・品質,内容・・・について誤認させるような表示」をする行為に該当する。 オしたがって,被告商品を原告プリンターに装着した場合に,ディスプレイに本件指定表示が現れるようRFIDをリセットする被告の行為は,不正競争防止法2条1項14号所定の不正競争に該当する。あわせて,このような品質,内容について誤認させるような表示をした被告商品を譲渡等する行為は,「その表示をした商品を譲渡し,引き渡し,譲渡若しくは引渡しのために展示し,輸出し,輸入し,若しくは電気通信回線を通じて提供」する行為として,同号所定の不正競争に該当する。 (2) 被告の主張に対する反論ア被告は,「シテイノトナー」を,機種が適合しているために作動に支障はないという程度の意味に解されると主張する。しかし,そのような解釈では,被告商品以外の非純正品のトナーカートリッジを原告プリンターに装着した場合でも,原告プリンターに適合し作動するが,ディスプレイには本件指定表示がされず, されると主張する。しかし,そのような解釈では,被告商品以外の非純正品のトナーカートリッジを原告プリンターに装着した場合でも,原告プリンターに適合し作動するが,ディスプレイには本件指定表示がされず,本件指定外表示がされることの説明が付かず,失当である。 また,被告は,原告京セラDSが,リサイクル品について,「原告プリンターに用いられるべきトナーカートリッジ」として指定し,お墨付きを与えることは経済常識に照らしてあり得ないから,本件指定表示が,原告プリンターに用いられるべきトナーカートリッジとして定めたトナーカートリッジと解されないと主張するが,そのように主張する根拠はない。 イ被告は,被告商品にはリサイクル品であることの表示が施されており,需要者はあえてリサイクル品を選択していることから,「シテイノトナー」の表示により,被告商品を原告京セラDSが原告プリンターに用いられるべきトナーカートリッジと定めたものと誤認する余地はない旨主張するが, リサイクル品であっても,ある特定の条件を充たすものを「原告プリンターに用いられるべきトナーカートリッジ」 として定め得るのであるから,リサイクル品であることや第三者によるリサイクル品であること等の表示は,本件指定表示によりもたらされる認識を打ち消すものではない。 ウ被告は,本件指定表示は,原告プリンターのディスプレイに現れるものにすぎないから,不正競争防止法2条1項14号の要件である「商品・・・若しくはその広告若しくは取引に用いる書類若しくは通信に・・・表示」されていない旨主張する。 しかし,仮に被告の主張が是認されるならば,本件のように商品の品質,内容を誤認させる表示を生じさせるデータを書き換え,当該データを通信によって商品以 くは通信に・・・表示」されていない旨主張する。 しかし,仮に被告の主張が是認されるならば,本件のように商品の品質,内容を誤認させる表示を生じさせるデータを書き換え,当該データを通信によって商品以外の媒体に表示させる行為はすべからく同号の規制を免れることになり,同号の趣旨に反する。 RFIDに保存されたデータにより,実態とは異なる品質,内容についての誤認を生じさせるディスプレイの表示が行われた場合にも,同号の規制の趣旨が当てはまるのであるから,このように表示させる行為は,「商品・・・にその商品の・・・品質,内容・・・について誤認させるような表示」をする行為に該当するというべきである。 また,被告商品は原告プリンターに装着されることによって両者を物理的に一体と評価することができるから,一体的な「商品」について,その品質,内容を誤認させるような表示をしているということもできる。 エ原告プリンターに装着したトナーカートリッジが「シテイノトナー」に該当しない場合には,ステータスページにトナー残量表示がされない設定としていることには合理性,正当性及び許容性が認められるから,そのような設定をしたことが私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)の趣旨に反する旨の主張は失当である。 (被告の主張)(1) 被告商品を原告プリンターに装着した場合にディスプレイに本件指定表示が 現れることをもって,不正競争防止法2条1項14号所定の不正競争に該当するといえないことア本件指定表示が,商品の「品質,内容」の表示でないこと「シテイ」は,例えば,承認料と引換えにお墨付きを与える,あるいは恣意に基づいて特定の業者を排除する手段で利用するなど,必ずしも「 いことア本件指定表示が,商品の「品質,内容」の表示でないこと「シテイ」は,例えば,承認料と引換えにお墨付きを与える,あるいは恣意に基づいて特定の業者を排除する手段で利用するなど,必ずしも「品質,内容」に基づいて行われるとは限らないから,需要者が「シテイノトナー」の文言から原告京セラDS主張の意味を読み取り,「品質,内容」の表示であると認識することはない。 そもそも原告京セラDSがリサイクル品を指定する,すなわちお墨付きを与える場合,その品質等を保証することに対する相当のロイヤリティー等が発生するのが経済常識であるから,原告京セラDSが,リサイクル品について,「原告プリンターに用いられるべきトナーカートリッジ」としてお墨付きを与えるなどという事態は,経済常識に照らしてあり得ず,したがって,需要者が,本件指定表示から被告商品を,「原告京セラDSが原告プリンターに用いられるべきトナーカートリッジとして定められたトナーカートリッジ」と理解することはない。 イ本件指定表示が「誤認させるような表示」ではないこと(ア) 本件指定表示が,「品質,内容」の表示であると解されるとしても,同表示が購入後に原告プリンターに装着して起動させるタイミングで情報提供させるものであることなどからすると,それは機種が適合しているために作動に支障はないという程度の意味に解されるだけである。そして,被告商品はその事実に合致しているから,「誤認させるような表示」とはいえない。 (イ) 仮に「シテイノトナー」の表示をもって,「原告京セラDSが原告プリンターに用いられるべきトナーカートリッジとして定めたトナーカートリッジ」(いわば,原告京セラDSがお墨付きを与えているトナーカートリッジ)などと読む余地があるとしても,以下の点から,そのような誤認は生じないとい れるべきトナーカートリッジとして定めたトナーカートリッジ」(いわば,原告京セラDSがお墨付きを与えているトナーカートリッジ)などと読む余地があるとしても,以下の点から,そのような誤認は生じないといえる。 すなわち,仮に原告京セラDSが,特定のリサイクル品に対してお墨付きを与えるとすれば,それは需要者に対する極めて大きなアピールポイントとなるから,需 要者が商品を選択する時点で情報提供されるべく,包装箱,注意書や商品本体に記載されるのが必然である。しかるに,そのような記載がないということ自体が,そのようなトナーカートリッジではないという意味の打ち消し表示の機能を果たすものであるといえるところ,被告商品にはそのような記載は一切存在しない。 (ウ) 以上のとおり,被告商品には,「商品の・・・品質,内容・・・について誤認させるような表示」はない。 ウ本件指定表示は「商品・・・若しくはその広告若しくは取引に用いる書類若しくは通信に・・・表示」されていないこと本件指定表示は,原告プリンターのディスプレイに現れるものにすぎず,被告商品に表示されているものでも,その広告,取引書類,通信に表示されているものでもなく,また,それは,被告商品購入後にそれを原告プリンターに装着して起動させる数秒間現れるものにすぎない。原告プリンターは,そのサプライ製品であるトナーカートリッジとは別個独立の商品として販売され,かつ被告商品とはその製造販売主体も異なることから,両者が「一体」となることは,物理的にも法的評価としてもあり得ない。 したがって,当該表示は,「商品・・・若しくはその広告若しくは取引に用いる書類若しくは通信に・・・表示」されているものではない。 (2) 原告京セラDSが,原告プリ 的評価としてもあり得ない。 したがって,当該表示は,「商品・・・若しくはその広告若しくは取引に用いる書類若しくは通信に・・・表示」されているものではない。 (2) 原告京セラDSが,原告プリンターにおいて,本件指定表示とステータスページのトナー残量表示が連動する設定をすることが独占禁止法の趣旨に反すること被告は,外注業者に対し,トナー残量に関する情報を使用前の状態にリセットするよう委託しているが,これは,使用済みの原告純正品をリサイクルする際に,そのままだと,被告商品においてトナー残量が十分あるにもかかわらず,ステータスページにおけるトナー残量表示が機能しないことから,かかる不都合を避けるためにしているのである(なお,本件指定外表示が現れることは,被告としては何ら不都合ではない。)。 原告京セラDSは,ステータスページのトナー残量表示機能を司るRFIDのデ ータと,本件指定表示・本件指定外表示を司るそれを同一のものとして,両者を連動させることにより,不正競争防止法上の問題を生じさせ,これによりリサイクル品を不当に市場から排除しようとしているが,これは事業者間の公正な競争秩序を害し,独占禁止法の趣旨に反している。 被告が,上記目的でRFIDをリセットすることは許されるべきであり,したがって,被告の行為は不正競争とはいえない。 2 争点2(被告商品2による本件商標権侵害の成否)について(原告京セラの主張)(1) 被告商品2の底部には,本件商標が付されている。 被告商品2には,これ以外に出所を識別表示させるものは見当たらず,被告商品2の使用者は,これによって,同商品が原告京セラ及びそのグループ会社(使用権者である原告京セラDSを含む。)を出所とする商品であると認 2には,これ以外に出所を識別表示させるものは見当たらず,被告商品2の使用者は,これによって,同商品が原告京セラ及びそのグループ会社(使用権者である原告京セラDSを含む。)を出所とする商品であると認識するから,被告商品2の底部に付された本件商標は商標として使用されているといえる。 (2) 被告は,被告商品2には,同商品が,原告らが既に流通に置いた商品であり,かつ,リサイクル品であることが一見して明らかになる打ち消し表示が幾重にも施されているから,商標権侵害にならない旨主張する。 しかし,被告商品2には被告の会社名はどこにも表示がなく,いかなる者によって製造販売されているのか不明であることからすれば,需要者は,大きく表示された本件商標により,被告商品2が原告京セラ又はそのグループ会社を出所とするものであると誤認混同するおそれが生じさせられており,なお本件商標の「使用」に該当するといえるから,商標権侵害を構成する。 仮に,購入時点において被告商品2の出所が原告京セラ又はそのグループ会社であると誤認混同するおそれが認められなかったとしても,被告商品2の購入後に,実際の使用者が,本件商標が付された被告商品2が原告京セラ又はそのグループ会社を出所とするものであると誤認混同するおそれ(購入後の混同)があるから,この点によって商標権侵害を構成する。 (被告の主張)被告商品2は,原告らが既に流通に置いた商品であり,かつ,リサイクル品であることが一見して明らかになる打ち消し表示が幾重にも施されているから,需要者は,被告商品2がリサイクル品である旨認識し,その出所が原告京セラ又はそのグループ会社である旨誤認することはない。 原告京セラは,購入後の混同を主張するが,購入者が法人である場 れているから,需要者は,被告商品2がリサイクル品である旨認識し,その出所が原告京セラ又はそのグループ会社である旨誤認することはない。 原告京セラは,購入後の混同を主張するが,購入者が法人である場合には,購入を担当する従業員を基準としてその認識を検討すべきであり,被告商品2の購入後にこれを使用する者が,被告商品2がリサイクル品であることに万が一気付かなかったとしても,それゆえに打ち消し表示の効果が認められないということはない。 したがって,被告商品2に本件商標が付されていたとしても,本件商標の出所表示機能を害することがなく,違法性を欠くため,商標権侵害を構成しない。 3 争点3(原告らの損害額)について(原告らの主張)(1) 原告京セラDSの損害(不正競争防止法5条2項)ア被告は,平成21年4月から平成27年8月までの間,被告商品を●(省略)●本,合計●(省略)●円販売しており,このうち被告商品2の販売分(●(省略)●本,合計●(省略)●円)を控除した販売額は,●(省略)●円である。 イ上記販売のために要した経費は1本当たり●(省略)●円であるから,上記アの販売(販売本数●(省略)●本)に要した経費の合計額は●(省略)●円となるので,被告商品2を除く被告商品の販売により被告の受けた利益の額は,●(省略)●円となる。 したがって,不正競争防止法5条2項によって推定される原告京セラDSの受けた損害の額は,●(省略)●円を下回らない。 ウ被告は,被告商品の製造販売を取り扱っていた被告大阪営業所の「販売・管理費」,「労務費」,「運送費・経費」のうち,被告商品の販売に対応する割合を経費として利益の額から控除すべきように主張する。 しかし,平成25年の被告大 ,「運送費・経費」のうち,被告商品の販売に対応する割合を経費として利益の額から控除すべきように主張する。 しかし,平成25年の被告大阪営業所における全体販売額に被告商品の販売額が占める割合は2.5%にすぎないから,その程度の割合であれば,特別の因果関係の立証のない限り,これら「作業費・管理費」としてまとめられる経費が,被告商品の製造販売によって被告大阪営業所の経費として追加的に増加したと認めるに足りず,これをもって不正競争防止法5条2項の「利益の額」の計算において控除されるべきといえない。 エ弁護士費用相当の損害原告京セラDSは,本件の解決のために本訴の提起を余儀なくされ,訴訟追行に要する弁護士費用相当の損害を被り,その損害額は,●(省略)●円を下らない。 オ合計以上により,被告の不正競争により原告京セラDSが受けた損害の合計額は900万5818円である。 (2) 原告京セラの損害(商標法38条3項)ア被告は,平成26年3月から同年6月までの間,少なくとも被告商品2を●(省略)●本販売し,少なくともその販売額は●(省略)●円である。 イ原告京セラ及びそのグループ会社の出所を表示する本件商標は,日本国内において極めて著名な商標であるから,その使用料率は少なくとも10%を下らない。 ウしたがって,商標法38条3項の適用による原告京セラが受けた損害の額は,●(省略)●円を下回らない。 エ弁護士費用相当の損害原告京セラは,本件の解決のために本訴の提起を余儀なくされ,商標権侵害訴訟追行に要する専門性等を勘案すると,原告京セラが代理人弁護士に訴訟追行を委任し,弁護士費用を支出する必要があったことは明らかであり,弁護士費用相当の損害額は,●(省略)●円を くされ,商標権侵害訴訟追行に要する専門性等を勘案すると,原告京セラが代理人弁護士に訴訟追行を委任し,弁護士費用を支出する必要があったことは明らかであり,弁護士費用相当の損害額は,●(省略)●円を下らない。 オ合計額以上により,被告の商標権侵害の不法行為により原告京セラが受けた損害の合計 額は10万8590円である。 (3) 被告の主張に対する反論ア被告は,被告商品を含むリサイクル品と純正品とは別個の市場を形成しており,市場において競合する関係にないから,被告の不正競争及び商標権侵害と原告らに生じた損害につき因果関係がない旨主張するが,原告純正品を購入しようとしていた需要者が,誤認により被告商品の購入に至ることはあるから,被告の主張はその前提が誤っている。 イまた,被告は,仮に市場において競合するとしても,モノクロトナーカートリッジ全体の市場のうち,純正品の市場占有率は約65%であるから,需要者が被告商品を選択しない場合に原告純正品を選択することになる率は多くても65%にすぎないと主張するが,市場はそのように単純なものではなく,前提自体が誤っている。 ウさらに,被告は,「シテイノトナー」の表示及び本件商標が被告商品の販売数量等の増加への寄与が極めて小さいと主張するが,被告の寄与に関する主張はいずれも失当である。 (被告の主張)(1) 原告京セラDSの損害(不正競争防止法5条2項)についてア平成21年4月から平成27年8月までの間の被告商品2を除く被告商品の販売が数量にして●(省略)●本,金額にして●(省略)●円であること,被告商品1本当たりの原料単価が●(省略)●円であることは認める。 イ不正競争防止法5条2項の「利益の額」を算定するに当た 品の販売が数量にして●(省略)●本,金額にして●(省略)●円であること,被告商品1本当たりの原料単価が●(省略)●円であることは認める。 イ不正競争防止法5条2項の「利益の額」を算定するに当たっては,被告商品の販売額が大阪営業所における販売額に占める割合を考慮して算出した被告商品1本当たりの販売・管理費,労務費及び運送費・経費である●(省略)●円を「作業費・管理費」として控除すべきである。 そして,以上のほか,被告は,被告商品の印刷枚数等の品質を購入希望者に示す目的で原告京セラDS製のプリンターを9万5200円で購入したのであるから, これも経費として考慮されるべきである。 (2) 原告京セラの損害(商標法38条3項)についてア被告商品2の販売は,数量にして●(省略)●本,金額にして●(省略)●円であることは認める。 イ原告京セラ主張に係る本件商標権の使用料率は争う。 (3) 損害の覆滅事由等アリサイクル品の需要者は,リサイクル品と純正品とを明確に区別した上で,あえてリサイクル品を購入しているのであるから,かかる実情に照らせば,被告商品を含むリサイクル品と純正品とは,そもそも別個の市場を形成し,市場において競合していない。したがって,需要者が被告商品を選択したことによって,市場を異にする原告純正品の販売数量が減少する関係にはない。 イまた,被告商品と原告純正品とが市場において競合しているとしても,モノクロトナーカートリッジ全体の市場のうち,リサイクル品は約35%の市場占有率を有しているから,需要者が,被告商品を選択しない場合に,原告純正品を選択する率は,多くても65%にすぎない。 ウ被告商品は,原告純正品と同等の品質を有しつつ,環境に対する貢献 5%の市場占有率を有しているから,需要者が,被告商品を選択しない場合に,原告純正品を選択する率は,多くても65%にすぎない。 ウ被告商品は,原告純正品と同等の品質を有しつつ,環境に対する貢献,あるいは安価であることによって選択されているものであり,その点に優位性を有している。さらに被告商品には,リサイクル品であることが一見して明らかになる表示が幾重にも施されているから,被告商品の品質や出所につき需要者が誤認することがあったとしても,それは極めてまれである。加えて本件指定表示は,原告プリンターのディスプレイに数秒現れるものにすぎないから,需要者の商品購入の選択に与える影響は全くないか,仮にあるとしても極めて小さい。以上のことからすると,本件指定表示及び本件商標による被告商品の販売数量等の増加への寄与は,あるとしても極めて小さい。 エなお,被告商品の販売総数の約86%は特定の会社1社が占めていた。被告商品の販売数量が平成26年3月を境に極端に減少しているのは,同社との取引が 終了したためである。そして,同社は,当然ながら,被告商品がリサイクル品であることや,原告らによるお墨付き等がないことを認識した上で,被告商品を購入しており,これまでの販売は被告の営業努力や被告商品の品質に基づいているものであるから,少なくとも同社に対する販売に関して,本件指定表示及び本件商標の寄与は全くない。 第4 当裁判所の判断 1 争点1(被告が被告商品につき商品の品質,内容について誤認させる表示をしたといえるか)について(1) 原告京セラDSは,被告商品を原告プリンターに装着するとディスプレイに本件指定表示(「シテイノトナーガソウチャクサレテイマス」)が現れることをもって,被告が不正 したといえるか)について(1) 原告京セラDSは,被告商品を原告プリンターに装着するとディスプレイに本件指定表示(「シテイノトナーガソウチャクサレテイマス」)が現れることをもって,被告が不正競争防止法2条1項14号の「商品の・・・品質,内容・・・を誤認させるような表示」をしている旨主張する。 アまず「シテイノトナー」が,不正競争防止法2条1項14号にいう「品質,内容」を表示するものといえるかについて検討すると,一般に「シテイ」(指定)とは,「①それとさし定めること。②行政官庁が,法令の定める所により,調査の上,ある資格を与えること。」(広辞苑第六版),「これこれだと(さし)定めること。」(岩波国語辞典第7版新版),「①いくつかの物の中からこれと決め定めること。②『だんてい(断定)』に同じ。」(大辞林第三版)などの意味を持つとされている(甲7の1ないし3)。そして,通常,プリンターにおいては,プリンターメーカーが当該プリンターに用いるものとして製造販売する純正品と,それ以外の非純正品があり,プリンターメーカーは,非純正品がその品質,内容において純正品と異なるものがあり,非純正品を使用した場合,それにより当該プリンターの使用に支障が生じる場合があることを,その需要者に注意喚起しているのであるから(甲9,乙7の1ないし4),トナーカートリッジの需要者は,プリンターメーカーの製造販売に係る純正品と,それ以外の非純正品で,その品質,内容の違いがあることを当然に認識しているものといえる。 そうすると,需要者は,原告プリンターのディスプレイに現れる「シテイノトナー」とは,「シテイ」の一般的な意味から,ディスプレイに表示する主体であるプリンターメーカーの原告京セラDSが,原告プリ そうすると,需要者は,原告プリンターのディスプレイに現れる「シテイノトナー」とは,「シテイ」の一般的な意味から,ディスプレイに表示する主体であるプリンターメーカーの原告京セラDSが,原告プリンター向けに「シテイ」(指定)したものと理解し,そして「シテイノトナー」とは,原告プリンターに用いられるべきものと定めたトナーカートリッジであると理解するものと考えられる。そして,上記のとおり,プリンターメーカーが純正品と非純正品がその品質により異なるものであると取り扱っている実態からすれば,需要者は,原告プリンターに用いられるべきものとは,プリンターメーカーの原告京セラDSが原告プリンターに相応しい一定の品質,内容を有するものとして定めたトナーカートリッジであると理解するものと認められる。 したがって,本件指定表示は,不正競争防止法2条1項14号にいう「品質,内容」の表示であるということができる。 なお,被告は,「シテイノトナー」とは,機種が適合しているために作動に支障はないという程度の意味と理解されると主張するが,一般に需要者は,プリンターメーカーがあえて表示するよう設定した「シテイ」(指定)の文言に積極的な意味を見出すと考えられるから,同文言は上記説示のとおり解されるものと認定するのが相当であって,被告の主張は採用できない。 イ次いで,被告商品を原告プリンターに装着した場合に現れる本件指定表示が,品質,内容を「誤認させるような表示」であるといえるかについて検討すると,被告商品が,原告京セラDSが指定した商品ではない以上,これを「シテイノトナー」として表示することは,これを見た者をして,原告京セラDSによって指定された商品と誤解させるものであって,「誤認させるような表示」であるということができる。 なお,「シテイノトナー」というだ ー」として表示することは,これを見た者をして,原告京セラDSによって指定された商品と誤解させるものであって,「誤認させるような表示」であるということができる。 なお,「シテイノトナー」というだけでは,プリンターメーカーが当該プリンターについて定めた品質,内容の具体的条件が特定されているわけではないから,指定の有無だけでは,原告純正品と被告商品の品質,内容が客観的に異なることが明ら かにされたわけではないということができる。しかし,上記アで説示したとおり,プリンターメーカー自らによって「指定」がされているという外形的事実が需要者の品質の認識に結びついているのであるから,仮に被告商品が原告京セラDSから指定を受けていないだけであって,客観的な品質,内容では,原告純正品と何ら変わりがないとしても,被告に指定する権限がない以上,被告によりなされた本件指定表示は,なお品質,内容につき「誤認させるような」表示であるといって差し支えないというべきである。 ウさらに被告商品を原告プリンターに装着することにより,原告プリンターのディスプレイに現れる本件指定表示をもって,不正競争防止法2条1項14号にいう,「商品・・・その広告・・・取引に用いる書類若しくは通信」に品質,内容について「誤認させるような表示をし」ているといえるかについて検討するが,そもそも上記表示は,被告商品の外観に付されたものではないから,被告商品に接した何人でも認識できるような形で表示されているものではないといえる。 しかし,被告商品は,所定のプリンターである原告プリンターに装着されることが予定された商品であり,原告プリンターに装着された場合に,ディスプレイに現れる本件指定表示が需要者によって認識されることが確実に見込ま 告商品は,所定のプリンターである原告プリンターに装着されることが予定された商品であり,原告プリンターに装着された場合に,ディスプレイに現れる本件指定表示が需要者によって認識されることが確実に見込まれているものであるから,被告商品のデータによって原告プリンターのディスプレイに表示が現れる以上,これをもって不正競争防止法2条1項14号にいう「商品」に「誤認させるような表示をし」ているといって差し支えないものと解すべきである(需要者は,肉眼では直接認識できない被告商品に付された本件指定表示を,原告プリンターを道具として認識していると説明できるから,このような表示の在り方も,不正競争防止法2条1 項14号の趣旨に照らし,同号にいう「商品」に「誤認させるような表示をし」ていることになるというべきである。)。 エ以上によれば,被告商品を原告プリンターに装着した場合に,原告プリンターのディスプレイに現れる本件指定表示は,不正競争防止法2条1項14号の要件を満たす表示ということができるところ,この表示は,被告が,使用済み原告純正 品のカートリッジを用いてリサイクル品を製造する際,RFIDをリセットすることによって出現させられているものであるから,その表示をした主体は被告であるということができ,したがって,被告による被告商品の製造販売行為は,同号該当の不正競争を構成するものということができる。 (2) 被告の主張についてア被告は,経済常識によれば,原告京セラDSがリサイクル品を指定,すなわちお墨付きを与えることはあり得ないことから,需要者は,被告商品を原告プリンターに装着したときにディスプレイに現れる「シテイノトナー」を原告京セラDSの主張するような意味に理解することはないと主張する お墨付きを与えることはあり得ないことから,需要者は,被告商品を原告プリンターに装着したときにディスプレイに現れる「シテイノトナー」を原告京セラDSの主張するような意味に理解することはないと主張するが,原告京セラDSがいかなる場合にも他社の安価なリサイクル品を指定トナーとすることはあり得ないと断定する根拠はないのであるから,当該表示が「誤認させるような表示」であることは免れないというべきである。 イ被告は,被告商品がリサイクル品であることが明らかとなるよう純正品であることを否定する打ち消し表示がされていること,プリンターメーカーの純正リサイクル品であればその旨の表示があるはずであるのにそのような表示がないこと,また,そもそも需要者はリサイクル品と純正品とを区別して購入しているものであること等を指摘し,本件指定表示が,「誤認させるような表示」ではない旨主張する。 上記第2の2(3)ウのとおり,被告商品の包装や外箱には,被告商品がリサイクル品であることが理解できる記載がされているが,プリンターメーカーが新品の純正品だけでなく,リサイクル品を販売している例もあるし(甲10の1ないし3),プリンターメーカーが定める品質が,プリンターメーカー以外が製造するリサイクル品においてあり得ないとまで断定できない以上,需要者が,被告商品を原告プリンターに装着することによりディスプレイに現れる本件指定表示によって,被告商品の品質,内容について誤認するおそれを完全に否定することはできない。そして,この点は,被告商品を原告らとは関係のない業者が製造したリサイクル品と明確に認識して購入した需要者であっても同様であって,被告の上記主張は採用できない。 ウ被告は,ステータスページのトナー残量を表示さ 明確に認識して購入した需要者であっても同様であって,被告の上記主張は採用できない。 ウ被告は,ステータスページのトナー残量を表示させるためRFIDをリセットすると,これに連動して本件指定表示が現れるようにする原告純正品にされた設定は,不正競争防止法の問題を生じさせるようあえて設定されたものであって,競争者に対する取引妨害を禁止する独占禁止法の趣旨に反するとし,被告商品による不正競争該当性を否定すべきである旨主張する。 確かに,原告純正品についてなされた設定が,使用済み原告純正品のカートリッジを再利用してリサイクル品とする場合に,商品として競争力を減殺するものであれば独占禁止法上問題とされる余地はあると考えられる。しかし,そもそも,RFIDをリセットしない原告純正品のリサイクル品であっても,トナー残量が不足してきた場合には,プリンターのディスプレイには,「トナーガスクナクナリマシタ」,「トナーヲコウカンシテクダサイ」との表示がされ,業務上支障がないよう配慮されているのであるから,プリントする必要があるステータスページのトナー残量が表示できるようRFIDのリセットをしなければ,原告純正品のリサイクル品の製造販売が阻害されるような前提でいう被告の主張は,その点で採用し難い。 また,原告純正品のステータスページにおけるトナー残量表示は,規定量の充填された新品の「シテイノトナー」を前提に,各印刷物のドット量等から使用量を計算するなどして表示しているというのであるから(弁論の全趣旨),そもそも原告京セラDSにおいて規定量が充填されているか否かを確認できないトナーカートリッジを前提にRFIDをリセットして使用することは想定されておらず,そのリセットを自由にさせるよう求めることにな もそも原告京セラDSにおいて規定量が充填されているか否かを確認できないトナーカートリッジを前提にRFIDをリセットして使用することは想定されておらず,そのリセットを自由にさせるよう求めることになる被告の主張はこの点でも採用できない。 したがって,原告純正品にされた,本件指定表示とステータスページを関連づけた設定が独占禁止法の趣旨に反する旨の被告の主張は採用できない。 2 争点2(被告商品2による本件商標権侵害の成否)について(1) 被告商品2には,トナーカートリッジの底面に本件商標が付されており,その表示態様は,被告商品2において,商品の出所を識別表示させるものといえる。 そして被告商品2は,本件商標の指定商品であるトナーカートリッジであるから, 被告商品2を製造販売する行為は,本件商標権の侵害行為を構成するといえる。 (2) これに対し,被告は,被告商品2には,原告らが流通に置いた商品であり,かつ,リサイクル品であることが一見して明らかな表示を幾重にも施しているから,需要者が被告商品2の出所を原告京セラ又はそのグループ会社であると誤認することはあり得ないとして,被告の行為は本件商標権侵害の違法性を欠く旨主張する。 確かに,上記第2の2(3)ウ(ア)のとおり,被告商品2の本体及び梱包した箱には,被告商品2がリサイクル品であることが明示されていることが認められる。また,箱の中に入れられている,「ご使用前の注意」と題する書面,「リサイクルカートリッジトラブル調査票」によっても,被告商品2がリサイクル品であることは明らかにされていることも認められる。 しかしながら,被告商品2の本体には,製造元等の記載は全く存在しないから,本体に付された上記のような表示ラベルだけでは,本件 商品2がリサイクル品であることは明らかにされていることも認められる。 しかしながら,被告商品2の本体には,製造元等の記載は全く存在しないから,本体に付された上記のような表示ラベルだけでは,本件商品2の本体に付された本件商標の出所表示機能を打ち消す表示として十分なものとはいえない。 また,被告商品2を梱包した箱の記載,あるいは梱包の中に入れられている「ご使用前の注意」と題する書面等からすると,被告商品2がリサイクル品であることは需要者に認識されていることが認められないではないが,被告商品2を梱包する箱に,被告商品2が原告京セラ及びそのグループ会社と無関係に製造されたものであることが明確となる打ち消し表示は何らされておらず,リサイクル品であったとしても,純正品メーカーが製造することがあること(甲10の1ないし3)を考慮すれば,被告が被告商品2を製造販売する行為は,需要者に本件商標が付された被告商品2が原告京セラ及びそのグループ会社を出所とするものであるとの誤認混同を生じさせるおそれがあることは否めない。 したがって,本件商標は,被告商品2における出所表示機能を果たしており,これが他の表示によって打ち消されているわけではないから,本件商標の使用による本件商標権侵害についての違法性が阻却されているということはできない。 なお,被告商品2に本件商標が付されているのは,被告商品2が原告京セラDS によって本件商標を付され流通に置かれた原告純正品の使用済みのカートリッジをリサイクル品として再利用するからであり,使用済み原告純正品を用いてリサイクル品を製造する以上,カートリッジそのものに付されている本件商標の使用を免れないが,上記第2の2(3)ウ(イ)のとおり,その出所表示機能を明確に 利用するからであり,使用済み原告純正品を用いてリサイクル品を製造する以上,カートリッジそのものに付されている本件商標の使用を免れないが,上記第2の2(3)ウ(イ)のとおり,その出所表示機能を明確に打ち消すことも可能なのであるから,それに至らない打ち消し表示しかされていない以上,本件商標権侵害の違法性は阻却されないというべきである。 (3) したがって,被告商品2を製造販売する被告の行為は,本件商標権の侵害行為を構成するというべきである。 3 小括(1) 被告が使用済み原告純正品のRFIDをリセットして製造した被告商品を販売することは,不正競争防止法2条1項14号所定の不正競争に該当するから,原告京セラDSによる,この行為等の差止め及び同商品の廃棄請求には理由がある。 そして,使用済み原告純正品を用いて製造するリサイクル品は,RFIDをリセットせずとも製造可能であるのに,被告はあえてこれをリセットしているのであるから,過失があることは明らかであり,したがって,被告は,これによって原告京セラDSが受けた後記4(1)で認定する損害額について賠償責任を負うというべきである。 (2) また被告が,打ち消し表示が不十分な状態で本件商標が付された被告商品2を販売することは,本件商標権の侵害行為となるから,原告京セラによる,この行為の差止め及び同商品の廃棄請求には理由がある。そして,商標権侵害については過失が推定されるから(商標法39条,特許法103条),被告は,これによって原告京セラが受けた後記4(2)で認定する損害額について賠償責任を負うというべきである。 4 争点3(原告らの損害額)について(1) 原告京セラDSの損害ア本件において原告京セラDSは,不正競争防止法5条2項の規定に基づき被 である。 4 争点3(原告らの損害額)について(1) 原告京セラDSの損害ア本件において原告京セラDSは,不正競争防止法5条2項の規定に基づき被 告による被告商品(被告商品2を除く。)の販売により生じた損害の賠償を請求しているところ,平成21年4月以降平成27年8月までの同商品の販売数量が●(省略)●本であり,その売上額が●(省略)●円であること,及び被告商品1本当たりの原材料額が●(省略)●円であることについては,当事者間に争いがない。 イ不正競争防止法5条2項にいう「利益」を算定するに当たり,原告京セラDSは,原材料額だけを経費として控除した額を被告が受けた利益であるとして損害額を主張しているところ,被告は,被告商品の製造販売を取り扱っていた被告大阪営業所の「販売・管理費」,「労務費」,「運送費・経費」のうち,被告商品の販売額に対応する割合を経費として利益額から控除すべきように主張し,さらには,被告商品の営業に必要とした原告製のプリンターの購入費も経費として考慮されるべきと主張している。 不正競争防止法5条2項にいう「利益の額」とは,侵害者が不正競争により受けている利益であるから,同項にいう利益を算定するためには,侵害品の販売額から不正競争のために要した経費のみを控除すべきであり,したがって,不正競争と因果関係のあることが明らかである経費は別として,それ以外の侵害者の他の事業一般のために要するような経費については,当該不正競争をしたことによって特別に増加したと認められる部分に限って経費として控除するのが相当である。 これにより本件についてみると,証拠(乙26の2ないし7,乙39の1)によれば,被告大阪営業所における平成22年以降の営業所全体の販売額のうちリサ れる部分に限って経費として控除するのが相当である。 これにより本件についてみると,証拠(乙26の2ないし7,乙39の1)によれば,被告大阪営業所における平成22年以降の営業所全体の販売額のうちリサイクルトナーカートリッジの販売額は60%程度を恒常的に占めているが,被告商品の販売額が,そのうちの20分の1程度にすぎないことが認められることからすると,リサイクルトナーカートリッジ事業に要する経費が,被告商品の製造販売のために特別に増加したとは認めることは困難であるというほかない。 なお,運送費は,一般的に,取扱い数量に金額が比例する経費といえるが,証拠(乙39の1)によれば,被告が主張している「運送費・経費」は,単純な運送費ではなく,被告大阪支店の運送部門全体の経費であって,被告商品の販売に伴う運 送によって追加的に増加した経費と直ちに認めることはできないから,この点についても斟酌するのは相当でないといえる。 また被告は,さらに被告商品の事業のために原告プリンターを購入し,これを経費として主張しているが,一般事務に使用可能な当該プリンターが,被告商品の事業のためだけに使用されていることについての主張立証はないから,これを経費に含めることは相当ではない。 そうすると,被告商品の販売により被告の受けた利益の額を算定するに当たり,経費として認定すべき額は,被告商品1本当たりの原材料額●(省略)●円に販売数量●(省略)●本を乗じた額である●(省略)●円と認められる。 ウ不正競争防止法5条2項の規定によれば,上記認定に係る被告が不正競争により受けた利益の額が原告の損害の額と推定されるところ,被告は,モノクロトナーカートリッジの市場における市場占有率は純正品が約65%,リサイクル品が約 項の規定によれば,上記認定に係る被告が不正競争により受けた利益の額が原告の損害の額と推定されるところ,被告は,モノクロトナーカートリッジの市場における市場占有率は純正品が約65%,リサイクル品が約35%と別の市場を形成しているから,被告商品の販売により原告商品の販売数量が減少する関係になく,また少なくとも上記比率を斟酌すべきように主張し,また,原告商品の優位性,本件指定表示が数秒間表示されるにすぎない点,被告商品にはリサイクル品であることが明らかな包装等をしている点,被告のする取引の多くの割合が特定の会社1社に依拠していたこと等を指摘し,本件指定表示による販売への寄与が僅かである旨主張して,上記規定に基づく推定が覆滅されるべき旨主張する。 確かに証拠(乙40)によれば,平成21年から平成27年までの間の,モノクロトナーカートリッジ市場における純正品とリサイクル品の市場占有率は被告主張のとおりであることが認められ,その割合が年度によって大きく変動しないことからすると,純正品のトナーカートリッジを購入する需要者は,純正品のトナーカートリッジを購入することを常としていて,リサイクル品を購入する需要者とは重複せず,市場が分かれているように見受けられる(消耗品であるトナーカートリッジの消費数量は,プリンターの台数の何倍にも及ぶはずであるが,それでも購入され るトナーカートリッジのうち純正品トナーカートリッジが上記割合を占めるということは,純正品を購入する需要者の多くは,純正品だけを購入し続けていることが推認できる。)。 したがって,このことは,リサイクル品であることがその包装箱等で明らかにされている被告商品の販売による損害の額を検討するとき,不正競争防止法5条2項の推定を覆滅させ ていることが推認できる。)。 したがって,このことは,リサイクル品であることがその包装箱等で明らかにされている被告商品の販売による損害の額を検討するとき,不正競争防止法5条2項の推定を覆滅させる事情であるといえる。 また本件指定表示は,品質の誤認を需要者に引き起こすものであるが,その表示態様は,被告商品を原告プリンターに装着した後数秒間にすぎない上,この種トナーカートリッジの需要者の多くは,業務用プリンターを使用しているような事業者であろうことが推認できるから,被告商品の販売が品質誤認表示という不正競争と関係なくもたらされていた可能性も大きいと考えられ,これらの事情も不正競争防止法5条2項の推定を覆滅させる事情であるといえる。 そうすると,これらの事情を総合考慮すると,被告の受けた利益の額を50%減じた額が,原告京セラDSが受けた損害の額と推定されるものと認定するのが相当である。 エしたがって,不正競争防止法5条2項の適用により原告京セラDSの損害と推定される額は,被告商品を販売したことにより受けた被告の利益の額である,被告商品の販売額●(省略)●円から上記認定した経費である●(省略)●円を控除し(●(省略)●円となる。),さらにこれを50%の限度で減じた額である●(省略)●円と認めるのが相当である。 オそして以上認定の損害額に本件事案の内容等を考慮すると,被告の不正競争により原告京セラDSに生じた弁護士費用相当の損害額は,●(省略)●円と認めるのが相当である。 カ以上によれば,被告の不正競争により原告京セラDSの受けた損害額の合計は449万3554円であると認められる(なお,乙26の7により認められる月別販売台数に基づき月別の損害額を算定すると,うち1312円は平成27年1月 合計は449万3554円であると認められる(なお,乙26の7により認められる月別販売台数に基づき月別の損害額を算定すると,うち1312円は平成27年1月 分の損害,うち706円は同年3月分の損害,うち706円は同年6月分の損害,うち1412円は同年7月分の損害,うち706円は同年8月分の損害と認められ,その余の448万8712円が平成26年12月までの損害である。)。 (2) 原告京セラの損害ア被告が,平成26年3月から同年6月までの間に被告商品2を●(省略)●円(●(省略)●本)売り上げたことについては当事者間に争いがない。 そして本件商標が著名な商標であることからすると,被告商品2がリサイクル品であり,多くは需要者にその旨認識されて購入されることを考慮しても,本件商標の使用料率は,原告京セラ主張のとおり売上額の10%とするのが相当である。 したがって,商標法38条3項の適用により原告京セラの損害と認められる額は●(省略)●円となる。 イ以上認定の損害額に本件事案の内容等を考慮すると,被告の商標権侵害により原告京セラに生じた弁護士費用相当の損害額は,●(省略)●円と認めるのが相当である。 ウ以上によれば,被告の商標権侵害行為により原告京セラが受けた損害の額は5万8590円と認められる。 5 まとめ(1) 原告京セラDSの請求原告京セラDSの被告に対する請求は,不正競争防止法3条1項に基づく被告商品の譲渡等の差止請求,同条2項に基づく被告商品の廃棄請求,及び同法4条に基づく損害賠償請求のうち449万3554円及びうち平成26年12月までの損害である448万8712円に対する不法行為の後の日である平成27年1月16日(訴状送達の日の翌日)から,うち131 4条に基づく損害賠償請求のうち449万3554円及びうち平成26年12月までの損害である448万8712円に対する不法行為の後の日である平成27年1月16日(訴状送達の日の翌日)から,うち1312円(同年1月分の損害)に対する同年1月31日から,うち706円(同年3月分の損害)に対する同年3月31日から,うち706円(同年6月分の損害)に対する同年6月30日から,うち1412円(同年7月分の損害)に対する同年7月31日から,うち706円(同年8月分の 損害)に対する同年8月31日から各支払済みまで,民法所定の年5%の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があり,その余の請求には理由がない。 (2) 原告京セラの請求原告京セラの被告に対する請求は,商標法36条1項に基づく被告商品2の販売等の差止請求,同条2項に基づく被告商品2の廃棄請求及び不法行為に基づく損害賠償請求のうち5万8590円及びこれに対する不法行為の後の日である平成27年1月16日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定年5%の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があり,その余の請求には理由がない。 6 よって,原告らの各請求は,上記理由のある限度で認容することとし,その余の請求は理由がないことから棄却することとし,訴訟費用の負担につき民事訴訟法61条,64条,65条1項本文を,仮執行宣言につき同法259条1項を適用して主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第21民事部 裁判長裁判官森崎英二 裁判官田原美奈子 裁判官林 啓治郎 判長 裁判官 森崎英二 裁判官 田原美奈子 裁判官 林啓治郎 別紙 被告商品目録1 品名を「トナーカートリッジ再生TK-441 京セラ」とするトナーカートリッジ。 以上 別紙 被告商品目録2 下記のトナーカートリッジ。 記品名:トナーカートリッジ再生TK-441 京セラ以下,トナーの外観(六面視)写真を示す。 【前面視】 【背面視】 【右側面視】 【左側面視】 【上面視】 【底面視】 【底面視:本件商標部分】 以上 別紙 商標目録
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