平成23(許)13 分離移送決定に対する抗告棄却決定等に対する許可抗告事件

裁判年月日・裁判所
平成23年5月30日 最高裁判所第二小法廷 決定 破棄自判 名古屋高等裁判所 平成22(ラ)321
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判決文本文1,387 文字)

- 1 - 主文 原決定中,主文第2項を破棄する。 前項の部分につき,原々決定を取り消す。 理由 抗告代理人大山薫の抗告理由について 1 記録によれば,本件の経緯の概要は,次のとおりである。 (1) 抗告人は,貸金業者であり,相手方を含む6名との間でいずれも継続的な金銭消費貸借取引を行ったところ,上記6名が約定の弁済期限を徒過して期限の利益を喪失したと主張して,上記6名を被告として,それぞれ貸金残元金及び遅延損害金等の支払を求める訴訟(以下「本件訴訟」という。)を,被告全員の住所地を管轄する名古屋地方裁判所に併合して提起した。 本件訴訟は,民事訴訟法(以下「法」という。)38条後段の要件を満たす共同訴訟(以下「法38条後段の共同訴訟」という。)に当たり,各被告に対する請求額は,いずれも140万円を超えないが,これらを合算した額は140万円を超える。 (2) 受訴裁判所は,被告らへの訴状の送達に先立ち,本件訴訟の弁論を被告ごとに分離した上,法16条1項に基づき,職権で,本件訴訟のうち相手方に係る部分(以下「相手方に係る訴訟」という。)を相手方の住所地を管轄する名古屋簡易裁判所に移送する旨の決定(原々決定)をしたほか,本件訴訟のうちその余の被告らに係る部分をいずれも当該被告の住所地を管轄する簡易裁判所又は抗告人と当該被告との間で管轄の合意がされた土地を管轄する簡易裁判所に移送する旨の決定をした。 2 原審は,法38条後段の共同訴訟については,法7条ただし書により同条本- 2 -文は適用されず,受訴裁判所に併合請求による管轄が生ずることはなく,併合請求が可能であることを前提とする法9条を適用する余地はないから,相手方に対する請求額が140万円を超え より同条本- 2 -文は適用されず,受訴裁判所に併合請求による管轄が生ずることはなく,併合請求が可能であることを前提とする法9条を適用する余地はないから,相手方に対する請求額が140万円を超えない以上,相手方に係る訴訟は簡易裁判所の管轄に属すると判断して,法16条1項に基づき,これを名古屋簡易裁判所に移送すべきものとした。 3 しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次のとおりである。 法38条後段の共同訴訟であって,いずれの共同訴訟人に係る部分も受訴裁判所が土地管轄権を有しているものについて,法7条ただし書により法9条の適用が排除されることはないというべきである(最高裁平成23年(許)第4号同年5月18日第二小法廷決定・裁判所時報1532号登載予定参照)。 本件訴訟は法38条後段の共同訴訟に当たるところ,いずれの被告に係る部分も受訴裁判所である名古屋地方裁判所が土地管轄権を有しているから,相手方に係る訴訟を含む本件訴訟は,訴訟の目的の価額が法9条1項本文により140万円を超えることになり,同裁判所の事物管轄に属するものというべきである。 これと異なる原審の判断には,裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があり,論旨は理由がある。 4 以上によれば,原決定中主文第2項は破棄を免れず,同部分につき原々決定を取り消すべきである。 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。 (裁判長裁判官古田佑紀裁判官竹内行夫裁判官須藤正彦裁判官千葉勝美)

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