【DRY-RUN】主 文 本件控訴を棄却する。 理 由 弁護人利田利雄の控訴趣意は記録に編綴の同人提出の控訴趣意書記載のとおりで あるから、ここにこれを引用する。 同控訴趣意
主文 本件控訴を棄却する。 理由 弁護人利田利雄の控訴趣意は記録に編綴の同人提出の控訴趣意書記載のとおりであるから、ここにこれを引用する。 同控訴趣意中被告人の自白のみにより事実の認定をしたとの点について。 しかし記録を調査すると、原判決は被告人の自白のみでなく、挙示した他の証拠を補強証拠として事実を認定したものであることが明瞭であるから論旨は理由はない。 同控訴趣意中中止犯を認めなかつた違法があるとの点について。 <要旨>しかし本件犯行時の関税法(昭和二十三年法律第一〇七号を以て一部改正ありたるもの)第七十六条第一項</要旨>前段には「免許ヲ受ケスシテ貨物ノ輸出若ハ輸入ヲ図り亦ハ其ノ輸出若ハ輸入ヲ為シクル者ハ云々」と規定し、免許を受けないで貨物の輸出入をなした罪の外、同罪の未遂乃至は予備行為たる貨物の密輸出、入を図つた罪をも独立罪としているのであるから、貨物の密輸出、入を図つたときは、たとえ、犯人においてその目的とした密転出、入行為をその意思により中止し、遂げなかつた場合と難、密輸出、入を図つた罪は完成し、これに中止未遂の観念を容れる余地はないものといわなければならない。 なお論旨は本件は密輸出を図ることおも中止したもののように主張するけれども、密輸出、入を図ることを中止した場合は、密輸出、入を図る罪の実行の着手もないわけであるから同罪の中止犯ではなく同罪を構成するものではない。しかし原判決が認定した事実は論旨冒頭に摘録するとおりで、既に密輸出を図つたものであるというのであつて、記録を精査しても右事実の認定に誤があることを発見することができないので、密輸出を図ることを中止したとする主張は原判決の認定に副わないし、亦論旨援用の最高裁判所の判例は、昭和二十一年勅令第二七七号関税法の罰則等 も右事実の認定に誤があることを発見することができないので、密輸出を図ることを中止したとする主張は原判決の認定に副わないし、亦論旨援用の最高裁判所の判例は、昭和二十一年勅令第二七七号関税法の罰則等の特例に関する勅令第一条第二項にいわゆる物品の輸出亦は輸出をしょうとした点に関するもので本件の場合には適切ではない。論旨は理由はない。 そこで刑事訴訟法第百九十六条に則り本件控訴を棄却することとし主文のとおり判決する。 (裁判長裁判官石橋鞆次郎裁判官藤井亮裁判官中園原一)
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